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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】素子基板
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220113BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220113BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220113BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 308Z
G09F9/30 348A
G09F9/00 304B
H05B33/14 A
H05B33/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020217231
(22)【出願日】2020-12-25
(62)【分割の表示】P 2017058438の分割
【原出願日】2017-03-24
(65)【公開番号】P2021060612
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳田 尚紀
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0287936(US,A1)
【文献】国際公開第2016/057231(WO,A1)
【文献】特開2015-129891(JP,A)
【文献】国際公開第2013/051236(WO,A1)
【文献】特開2012-123170(JP,A)
【文献】特開2004-119871(JP,A)
【文献】特開2001-343916(JP,A)
【文献】特開平10-153791(JP,A)
【文献】特開平06-301047(JP,A)
【文献】特開平06-028840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H01L 51/50
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランジスタを有するアレイ領域と、曲げ領域とを有する可撓性基材と、
前記可撓性基材上に配置され、前記アレイ領域から前記曲げ領域に亘って配置される配線と、
前記曲げ領域において、前記配線が配置される位置に対応して形成され、前記配線と絶縁層を介して重畳する金属層と、を有し、
前記配線は、前記曲げ領域外における線幅よりも、前記曲げ領域内における線幅が細く、
前記金属層は、前記配線の線幅が細い部位に対応して配置される、素子基板。
【請求項2】
前記金属層は、曲げ方向に所定の間隔を空けて複数並置される、請求項1に記載の素子基板。
【請求項3】
前記配線は、電源線を含み、
前記金属層は、少なくとも前記電源線と重畳するように配置される、請求項1に記載の素子基板。
【請求項4】
前記曲げ領域において、前記配線は屈曲形状を有する、請求項1に記載の素子基板。
【請求項5】
前記曲げ領域において、前記配線の延在方向と、前記金属層の延在方向とが互いに交差する、請求項1に記載の素子基板。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記金属層の形成材料よりも熱容量の小さい材料でなる、請求項1に記載の素子基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子基板に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置や液晶表示装置など、表示領域を備える表示装置(素子基板)において、近年、可撓性を有する基材を用いて、表示パネルを曲げることができるフレキシブルディスプレイの開発が進められている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されるように、集積回路(IC)やフレキシブルプリント基板(FPC)の実装部を表示領域の裏側に曲げて、狭額縁化を図ることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-31499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、素子基板において配線は基材上に配置される。しかし、上記曲げ領域付近では配線の発熱による表示パネルの破損が生じる場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、曲げ領域の配線の発熱による悪影響が抑制された素子基板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る素子基板は、複数のトランジスタを有するアレイ領域と、曲げ領域とを有する可撓性基材と、前記可撓性基材上に配置され、前記アレイ領域から前記曲げ領域に亘って配置される配線と、前記曲げ領域において、前記配線が配置される位置に対応して形成され、前記配線と絶縁層を介して重畳する金属層と、を有する。前記配線は、前記曲げ領域外における線幅よりも、前記曲げ領域内における線幅が細く、前記金属層は、前記配線の線幅が細い部位に対応して配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の1つの実施形態に係る有機EL表示装置の概略の構成を示す模式図である。
図2図1に示す有機EL表示装置の表示パネルの一例を示す模式的な平面図である。
図3図2のIII-III断面の一例を示す図である。
図4図2のA-A断面の一例を示す図である。
図5図2のB-B断面の一例を示す図である。
図6図2の破線で囲んだ領域Cの配線の配列状態の一例を示す平面図である。
図7A】配線と放熱層との関係の一例を示す平面図である。
図7B】配線と放射層との関係の一例を示す断面図である。
図8】本開示の別の実施形態における配線と放射層との関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に評される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、本開示の1つの実施形態に係る表示装置(素子基板を含む装置)の概略の構成を、有機EL表示装置を例にして示す模式図である。有機EL表示装置2は、画像を表示する画素アレイ部4と、画素アレイ部4を駆動する駆動部とを備える。有機EL表示装置2は、基材として樹脂フィルムを用いたフレキシブルディスプレイであり、この樹脂フィルムで構成された基材の上に薄膜トランジスタ(TFT)や有機発光ダイオード(OLED)などの積層構造が形成される。なお、図1に示した概略図は一例であって、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0011】
画素アレイ部4には、画素に対応してOLED6および画素回路8がマトリクス状に配置される。画素回路8は複数のTFT10,12やキャパシタ14で構成される。
【0012】
上記駆動部は、走査線駆動回路20、映像線駆動回路22、駆動電源回路24および制御装置26を含み、画素回路8を駆動しOLED6の発光を制御する。
【0013】
走査線駆動回路20は、画素の水平方向の並び(画素行)ごとに設けられた走査信号線28に接続されている。走査線駆動回路20は、制御装置26から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線28を順番に選択し、選択した走査信号線28に、点灯TFT10をオンする電圧を印加する。
【0014】
映像線駆動回路22は、画素の垂直方向の並び(画素列)ごとに設けられた映像信号線30に接続されている。映像線駆動回路22は、制御装置26から映像信号を入力され、走査線駆動回路20による走査信号線28の選択に合わせて、選択された画素行の映像信号に応じた電圧を各映像信号線30に出力する。当該電圧は、選択された画素行にて点灯TFT10を介してキャパシタ14に書き込まれる。駆動TFT12は、書き込まれた電圧に応じた電流をOLED6に供給し、これにより、選択された走査信号線28に対応する画素のOLED6が発光する。
【0015】
駆動電源回路24は、画素列ごとに設けられた駆動電源線32に接続され、駆動電源線32および選択された画素行の駆動TFT12を介してOLED6に電流を供給する。
【0016】
ここで、OLED6の下部電極は、駆動TFT12に接続される。一方、各OLED6の上部電極は、全画素のOLED6に共通の電極で構成される。下部電極を陽極(アノード)として構成する場合は、高電位が入力され、上部電極は陰極(カソード)となって低電位が入力される。下部電極を陰極(カソード)として構成する場合は、低電位が入力され、上部電極は陽極(アノード)となって高電位が入力される。
【0017】
図2は、図1に示す有機EL表示装置の表示パネルの一例を示す模式的な平面図である。表示パネル40の表示領域42に、図1に示した画素アレイ部4が設けられ、上述したように画素アレイ部4にはOLED6が配列される。上述したようにOLED6を構成する上部電極は、各画素に共通に形成され、表示領域42全体を覆う。
【0018】
矩形である表示パネル40の一辺には、部品実装領域46が設けられ、表示領域42につながる配線が配置される。部品実装領域46には、駆動部を構成するドライバIC48が搭載されたり、FPC50が接続されたりする。FPC50は、制御装置26やその他の回路20,22,24等に接続されたり、その上にICを搭載されたりする。
【0019】
図3は、図2のIII-III断面の一例を示す図である。表示パネル40は、樹脂フィルムで構成された基材70の上に、TFT72などが形成された回路層74、OLED6およびOLED6を封止する封止層106などが積層された構造を有する。基材70を構成する樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド系樹脂フィルムが用いられる。封止層106の上には保護層(図示せず)が形成される。本実施形態においては、画素アレイ部4はトップエミッション型であり、OLED6で生じた光は、基材70側とは反対側(図3において上向き)に出射される。なお、有機EL表示装置2におけるカラー化方式をカラーフィルタ方式とする場合には、例えば、封止層106と保護層(図示せず)との間、または、対向基板側にカラーフィルタが配置される。このカラーフィルタに、OLED6にて生成した白色光を通すことで、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の光を作る。
【0020】
表示領域42の回路層74には、上述した画素回路8、走査信号線28、映像信号線30、駆動電源線32などが形成される。駆動部の少なくとも一部分は、基材70上に回路層74として表示領域42に隣接する領域に形成することができる。上述したように、駆動部を構成するドライバIC48やFPC50を、部品実装領域46にて、回路層74の配線116に接続することができる。
【0021】
図3に示すように、基材70上には、無機絶縁材料で形成された下地層80が配置されている。無機絶縁材料としては、例えば、窒化シリコン(SiNy)、酸化シリコン(SiOx)およびこれらの複合体が用いられる。
【0022】
表示領域42においては、下地層80を介して、基材70上には、トップゲート型のTFT72のチャネル部およびソース・ドレイン部となる半導体領域82が形成されている。半導体領域82は、例えば、ポリシリコン(p-Si)で形成される。半導体領域82は、例えば、基材70上に半導体層(p-Si膜)を設け、この半導体層をパターニングし、回路層74で用いる箇所を選択的に残すことにより形成される。
【0023】
TFT72のチャネル部の上には、ゲート絶縁膜84を介してゲート電極86が配置されている。ゲート絶縁膜84は、代表的には、TEOSで形成される。ゲート電極86は、例えば、スパッタリング等で形成した金属膜をパターニングして形成される。ゲート電極86上には、ゲート電極86を覆うように層間絶縁層88が配置されている。層間絶縁層88は、例えば、上記無機絶縁材料で形成される。TFT72のソース・ドレイン部となる半導体領域82(p-Si)には、イオン注入により不純物が導入され、さらにそれらに電気的に接続されたソース電極90aおよびドレイン電極90bが形成され、TFT72が構成される。
【0024】
TFT72上には、層間絶縁膜92が配置されている。層間絶縁膜92の表面には、配線94が配置される。配線94は、例えば、スパッタリング等で形成した金属膜をパターニングすることにより形成される。配線94を形成する金属膜と、ゲート電極86、ソース電極90aおよびドレイン電極90bの形成に用いた金属膜とで、例えば、配線116および図1に示した走査信号線28、映像信号線30、駆動電源線32を多層配線構造で形成することができる。この上に、樹脂材料等により平坦化膜96およびパッシベーション膜98が形成され、表示領域42において、パッシベーション膜98上にOLED6が形成されている。パッシベーション膜98は、例えば、SiNy等の無機絶縁材料で形成される。
【0025】
OLED6は、下部電極100、有機材料層102および上部電極104を含む。有機材料層102は、具体的には、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等を含む。OLED6は、代表的には、下部電極100、有機材料層102および上部電極104を基材70側からこの順に積層して形成される。本実施形態では、下部電極100がOLED6の陽極(アノード)であり、上部電極104が陰極(カソード)である。
【0026】
図3に示すTFT72が、nチャネルを有した駆動TFT12であるとすると、下部電極100は、TFT72のソース電極90aに接続される。具体的には、上述した平坦化膜96の形成後、下部電極100をTFT72に接続するためのコンタクトホール110が形成され、例えば、平坦化膜96表面およびコンタクトホール110内に形成した導電体部111をパターニングすることにより、TFT72に接続された下部電極100が画素ごとに形成される。下部電極は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の透過性導電材料、Ag、Al等の金属で形成される。
【0027】
上記構造上には、画素を分離するリブ112が配置されている。例えば、下部電極100の形成後、画素境界にリブ112を形成し、リブ112で囲まれた画素の有効領域(下部電極100の露出する領域)に、有機材料層102および上部電極104が積層される。上部電極104は、例えば、MgとAgの極薄合金やITO、IZO等の透過性導電材料で形成される。
【0028】
上部電極104上には、表示領域42全体を覆うように封止層106が配置されている。封止層106は、第1封止膜161、封止平坦化膜160および第2封止膜162をこの順で含む積層構造を有している。第1封止膜161および第2封止膜162は、無機材料(例えば、無機絶縁材料)で形成される。具体的には、化学気相成長(CVD)法によりSiNy膜を成膜することにより形成される。封止平坦化膜160は、有機材料(例えば、硬化性樹脂組成物等の樹脂材料)を用いて形成される。一方、曲げ領域120および部品実装領域46では、封止層106は配置されていない。
【0029】
図4図2のA-A断面の一例を示す図であり、図5図2のB-B断面の一例を示す図であり、図6図2の破線で囲んだ領域Cの配線の配列状態の一例を示す平面図である。
【0030】
図4は、具体的には、額縁領域44周辺の概略断面図を示している。額縁領域44は、表示領域42を囲む領域であり、表示領域42と比較して、例えば、TFT72と、OLED6とを含まない点で異なっている。額縁領域44の回路層74には、電気配線等が形成されている。そして、回路層74の上にパッシベーション膜98を介して封止層106が配置されている。額縁領域44には、表示領域42を囲むダム97が形成され、ダム97を覆うように第1封止膜161および第2封止膜162が形成されている。封止平坦化膜160は、ダム97の内側(表示領域42側)に収容されている。
【0031】
図5は、具体的には、曲げ領域120周辺の映像信号線30に沿った概略断面図を示している。表示パネル40は、図3に示すように、基材70を平面状に保って製造され得るが、例えば、有機EL表示装置2の筐体に格納される際には、表示領域42の外側に曲げ領域120を設けて、部品実装領域46を表示領域42の裏側に配置させる。
【0032】
曲げ領域120においては、無機絶縁材料で形成される層(例えば、下地層80、層間絶縁層88、層間絶縁膜92、パッシベーション膜98)を省略もしくは薄膜化することが好ましい。無機絶縁材料で形成される層は曲げにより破損しやすい傾向にあるからである。図示例では、曲げ領域120において、薄膜化した(具体的には、エッチング等により部分的に薄肉領域80aが形成された)下地層80上に配線116が配置されている。
【0033】
表示パネル40の曲げに対応させ得るため、曲げ領域120において、配線116(走査信号線28、映像信号線30、駆動電源線32)は、図6に示すように、波形の屈曲形状を有する。屈曲形状は、図示例の波形以外にも、例えば、格子・メッシュ型などが採用される。
【0034】
駆動電源線32は、通常、直線状であって、配線幅は数百μm~数mmの幅広に設定されるが、曲げ領域120の配線幅は、例えば、数μm~十数μmの幅細に設定される。図6に示すように、曲げ領域120を境に、駆動電源線32の幅は、幅広から幅細に切り替わっている。
【0035】
図7Aは配線と放熱層との関係の一例を示す平面図であり、図7Bは配線と放射層との関係の一例を示す断面図である。曲げ領域120において、配線116(駆動電源線32)上に、平坦化膜(樹脂膜)96を介して放熱層108が形成されている。放熱層108は、例えば、金属材料で形成される。放熱層108は、例えば、OLED6の電極を形成する際に形成することができる。具体的には、下部電極(アノード)100を形成する際に、下部電極を構成する金属(例えば、Ag、Al)で形成することができる。
【0036】
放熱層108は、配線116の配線方向と交差する方向に沿って形成されている。図示例では、例えば、曲げによる割れを抑制する観点から、所定の間隔をあけて、複数の放熱層108が並列状に形成されている。この場合、放熱層108の幅は、例えば、数μm~数十μmに設定される。放熱層108の長さは、例えば、駆動電源線32の幅を上回るように設定される。図示例とは異なり、例えば、1つの放熱層を幅広に形成してもよいし、所定のパターンを有する放熱層を形成してもよい。放熱層108は、少なくとも、配線幅が幅広から幅細に切り替わる部位に対応して形成するのが好ましい。
【0037】
曲げ領域120では、例えば、配線116の屈曲により配線長が延長されて配線抵抗は増加する。また、薄膜化した下地層80上に配線116を並列させるため、配線は上述のように幅細とされ得る。よって、曲げ領域120では、発熱による悪影響が発生しやすい。特に、幅細で屈曲形状に切り替わる部位(具体的には、配線幅が細幅に切り替わってから数mm進んだ箇所)で局所的に発熱し得る。一方で、下地層80および平坦化膜96は熱容量が小さい。上述のように、放熱層108を配置することで、放熱を促し、発熱による悪影響を抑制し得る。また、放熱層108の形成によれば、例えば、放熱シート等の別部材を設ける形態に比べて、製造コストの抑制やパネルの薄型化に寄与し得る。
【0038】
図示例では、配線116上に配置されている樹脂膜96の厚みは、表示領域42の平坦化膜96の厚みよりも薄い。配線116上に配置される樹脂膜96の厚みは、例えば、表示パネル40の曲げ状態、配線116の発熱の放熱度合等を考慮して、適宜決定され得る。
【0039】
図8は、本開示の別の実施形態における曲げ領域の断面図である。本実施形態では、放熱層108が、配線116よりも基材70側に配置される点で、上記実施形態と異なる。具体的には、下地層80上に放熱層108が形成され、放熱層108を覆うように層間絶縁膜92が形成され、層間絶縁膜92上に配線116が配置されている。この場合、放熱層108は、例えば、表示領域42においてゲート電極86を形成する際に形成することができる。
【0040】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0041】
2 有機EL表示装置、4 画素アレイ部、6 OLED、8 画素回路、10 点灯TFT、12 駆動TFT、14 キャパシタ、20 走査線駆動回路、22 映像線駆動回路、24 駆動電源回路、26 制御装置、28 走査信号線、30 映像信号線、32 駆動電源線、40 表示パネル、42 表示領域、44 額縁領域、46 部品実装領域、48 ドライバIC、50 FPC、70 基材、72 TFT、80 下地層、82 半導体領域、84 ゲート絶縁膜、86 ゲート電極、88 層間絶縁層、90a ソース電極、90b ドレイン電極、92 層間絶縁膜、94 配線、96 平坦化膜、98 パッシベーション膜、100 下部電極、102 有機材料層、104 上部電極、106 封止層、108 放熱層、110 コンタクトホール、111 導電体部、112 リブ、116 配線、120 曲げ領域。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8