(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】改善された両親媒性種を使用する多孔質炭素材料の調製方法
(51)【国際特許分類】
C01B 32/318 20170101AFI20220113BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20220113BHJP
C01B 32/30 20170101ALI20220113BHJP
C01B 32/312 20170101ALI20220113BHJP
H01G 11/32 20130101ALI20220113BHJP
H01G 11/86 20130101ALI20220113BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
C01B32/318
C01B32/05
C01B32/30
C01B32/312
H01G11/32
H01G11/86
H01M4/62 B
H01M4/62 Z
(21)【出願番号】P 2020521330
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2018079453
(87)【国際公開番号】W WO2019081732
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-11
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518364218
【氏名又は名称】ヘレウス バッテリー テクノロジー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ミシャウド-ベルンロフナー ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェインガルト ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クーン アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】サムエリス ドミニク
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-032802(JP,A)
【文献】特表2016-531818(JP,A)
【文献】特開2010-208887(JP,A)
【文献】特表2004-506753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00 - 32/991
H01G 11/32
H01G 11/86
H01M 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程であって、前記第1両親媒性化合物は、2以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む工程と、
c. 前記炭素供給源及び前記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 前記前駆体を加熱して、前記多孔質炭素材料を得る工程と
ここで、前記前駆体が、炭素供給源100部に対して、1重量部超の架橋剤を含まない、かつ、
前記両親媒性種の重量による量に対する炭素供給源の重量による量の比が1:10~10:1の範囲にある
を備える方法。
【請求項2】
前記第1両親媒性化合物が、前記第1両親媒性化合物の総重量に対して、10重量%超のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1両親媒性化合物が、以下の項目の1つ又は両方を満たす請求項1
又は請求項2に記載の方法。
a. 前記第1両親媒性化合物は、200ダルトン超のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む
b. 前記第1両親媒性化合物は、300ダルトン超の分子量を有する
【請求項4】
前記第1両親媒性化合物が、さらなる繰り返し単位を含む請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記さらなる繰り返し単位が、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレン、プロピレン及びブチレンからなる群から選択される1つに基づく請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1炭素供給源化合物が環を含む請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1炭素供給源化合物が、1以上のヒドロキシル基を有する芳香環を含み、この1以上のヒドロキシル基が前記芳香環に連結されている請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1炭素供給源化合物がノボラック樹脂である請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
加熱工程d.が、前記接触工程c.の1時間以内に開始される請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記加熱工程d.が、700~3000℃の範囲の温度で実施される請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から請求項
10のいずれか一項に記載の方法により得ることができる多孔質炭素材料。
【請求項12】
70~
260nmの範囲のモードを有する細孔直径分布を有する多孔質炭素材料。
【請求項13】
以下の特徴のうちの少なくとも
2つを有する多孔質炭素材料。
a. 10nm~10,000nmの範囲の直径を有する細孔について、0.4~
2cm
3/gの範囲の総細孔容積
b.
25~
800m
2/gの範囲のBET
全
c. 0~650m
2/gの範囲のBET
ミクロ
d. 1.9~2.1g/cm
3の範囲の骨格密度
e.
500nm~100μmの範囲の、一次粒子直径についてのd
50
【請求項14】
請求項
11から請求項
13のいずれか一項に記載の多孔質炭素材料を含むデバイス。
【請求項15】
電気デバイスの特性を改善するための、請求項
11から請求項
13のいずれか一項に記載の多孔質炭素材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された両親媒性種を使用する多孔質炭素材料の調製方法に関する。本発明は、さらに、多孔質炭素材料、この多孔質炭素材料を含むデバイス、及び多孔質炭素材料の調製のための両親媒性化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質炭素材料、とりわけ電気伝導率及び物質透過性の両方が同じ物質の中で必要とされる用途において使用するための多孔質炭素材料についての要求が存在している。そのような用途は、例えば、電極材料が固液界面で電荷担体と相互作用するイオン移動電池である。
【0003】
先行技術で公知の多孔質炭素材料は、カーボンブラックである。カーボンブラックは、FCCタール、コールタール、エチレン分解タール等の重質石油製品の不完全燃焼により製造され、少量は植物油から製造される。カーボンブラックの製造のためのこのようなプロセスは、例えば米国特許第07,655,209B2号明細書に開示されている。多孔質炭素の応用例は、一般に、細孔構造の特性に基づく。公知の応用例は、電極材料を通るイオン及び電子の同時輸送が必要とされるリチウムイオン電池等における電極、高活性表面積及び細孔到達性(接触性)が必要とされる触媒、並びに燃料の輸送及び電気伝導率が必要とされる燃料電池である。
【0004】
炭素を整形するための原板(ネガ)として作用する鋳型を使用する多孔質炭素材料の製造方法が先行技術において公知である。その方法では、炭素材料は、鋳型材料の構造によって実質的に予め決定されている細孔構造により特徴づけられる。この鋳型は、例えば酸化ケイ素から製造することができる。先行技術において公知の酸化ケイ素鋳型の製造方法は、いわゆるゾルゲルプロセスである。酸化ケイ素の調製に至るゾルゲル経路は、当業者にとっては周知である。例えば、ゾルゲルプロセスによりモノリシックなシリカ体を製造することは、米国特許第06,514,454B1号明細書に記載されている。
【0005】
固体鋳型を使用せずに多孔質炭素材料を調製する1つの方法は、米国特許出願公開第2005/214539A1号明細書に記載されている。その方法では、焼成の前に長時間の重合工程が必要とされる。
【0006】
特に、固体鋳型を用いずかつ短い重合工程の重合型プロセスによる、多孔質炭素材料の改善された製造方法を提供する必要が引き続いて存在する。また、改善された特性を有する多孔質炭素材料に対するニーズも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第07,655,209B2号明細書
【文献】米国特許第06,514,454B1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/214539A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
全体として、先行技術から生じる不都合を少なくとも部分的に克服することが本発明の目的である。
【0009】
継続時間が短縮された多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の目的である。
【0010】
より少ない工程を含む多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の目的である。
【0011】
改善された特性を有する多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の目的である。
【0012】
マクロ細孔範囲のモード細孔サイズを有する多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の目的である。
【0013】
50nm超のモード細孔サイズを有する多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の目的である。
【0014】
架橋剤を必要としない多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の具体的な目的である。
【0015】
より環境にやさしい多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の具体的な目的である。
【0016】
長時間の混合工程を必要としない多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の具体的な目的である。
【0017】
イオン輸送が改善された多孔質炭素材料の調製方法を提供することが本発明の具体的な目的である。
【0018】
より低い不純物濃度を有する多孔質炭素の調製方法を提供することが本発明の目的である。
【0019】
より高いカレンダー寿命を有するLiイオン電池を提供することが本発明の目的である。
【0020】
より高いサイクル寿命を有するLiイオン電池を提供することが本発明の目的である。
【0021】
欠陥率が低下したLiイオン電池を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の目的のうちの少なくとも1つを成し遂げることへの貢献は、独立請求項によってなされる。従属請求項は、同様に上述の目的のうちの少なくとも1つを解決するために作用する本発明の好ましい実施形態を提供する。
【0023】
|1| 多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程であって、この第1両親媒性化合物が、2以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、より好ましくは20以上、又は30以上、又は50以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含み、この両親媒性化合物は、最大約1000の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含んでもよい工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備える方法。
【0024】
これに関して、化合物は、好ましくは分子、イオン性化合物又は分子イオン性化合物である。
【0025】
|2| 上記第1両親媒性化合物が、上記第1両親媒性化合物の総重量に対して、10重量%超、好ましくは20重量%超、より好ましくは30重量%超、最も好ましくは40重量%超のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む実施形態|1|に記載の方法。ある場合には、上記化合物は、最大90重量%のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含んでもよい。この実施形態の1つの態様では、上記第1両親媒性化合物は、上記第1両親媒性種の総重量に対して、10~90重量%、好ましくは15~80重量%、より好ましくは20~70重量%、最も好ましくは20~50重量%のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。
【0026】
|3| 上記第1両親媒性化合物が、200ダルトン超、好ましくは300ダルトン超、より好ましくは330ダルトン超のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む実施形態|1|又は|2|に記載の方法。上記第1両親媒性化合物の分子量は、好ましくは200~20000ダルトンの範囲、より好ましくは300~15000ダルトンの範囲、最も好ましくは330超~15000ダルトンの範囲にある。
【0027】
|4| 上記第1両親媒性化合物が、300ダルトン超、好ましくは400ダルトン超、より好ましくは500ダルトン超の分子量を有する実施形態|1|から実施形態|3|のいずれかに記載の方法。
【0028】
|5| 上記第1両親媒性化合物が、以下の項目の1つ又は両方を満たす先行する請求項のいずれかに記載の方法。
a. 上記第1両親媒性化合物が、200ダルトン超、好ましくは300ダルトン超、より好ましくは330ダルトン超のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。上記第1両親媒性化合物の分子量は、好ましくは200~20000ダルトンの範囲、より好ましくは300~15000ダルトンの範囲、最も好ましくは330超~15000ダルトンの範囲にある。
b. 上記第1両親媒性化合物が、300ダルトン超、好ましくは400ダルトン超、より好ましくは500ダルトン超の分子量を有する。
【0029】
|6| 上記第1両親媒性化合物が、さらなる繰り返し単位を含む実施形態|1|から実施形態|5|のいずれかに記載の方法。この実施形態の1つの態様では、上記化合物は、2以上の別個のさらなる繰り返し単位を含む。
【0030】
|7| 上記さらなる繰り返し単位が、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレン、プロピレン及びブチレン、好ましくはプロピレンオキシドからなる群から選択される1つに基づく実施形態|5|に記載の方法。
【0031】
|8| 上記第1炭素供給源化合物が環を含む実施形態|1|から実施形態|7|のいずれかに記載の方法。
【0032】
|9| 上記第1炭素供給源化合物が、1以上のヒドロキシル基を有する芳香環を含み、この1以上のヒドロキシル基がその芳香環に連結されている実施形態|1|から実施形態|8|のいずれかに記載の方法。
【0033】
|10| 上記第1炭素供給源化合物がノボラック樹脂である実施形態|1|から実施形態|9|のいずれかに記載の方法。
【0034】
|11| 上記両親媒性種の重量による量に対する炭素供給源の重量による量の比が、10:1~1:10の範囲、好ましくは8:1~1:5の範囲、また好ましくは5:1~1:3の範囲、より好ましくは5:2~1:2の範囲にある実施形態|1|から実施形態|10|のいずれかに記載の方法。
【0035】
|12| 上記前駆体が架橋剤を含む実施形態|1|から実施形態|11|のいずれかに記載の方法。
【0036】
|13| 上記前駆体が、溶媒若しくは分散剤又はその両方を含む実施形態|1|から実施形態|12|のいずれかに記載の方法。
【0037】
|14| 加熱工程d.が、上記接触工程c.から1時間以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内、より好ましくは1分以内開始される実施形態|1|から実施形態|13|のいずれかに記載の方法。
【0038】
|15| 上記加熱工程d.が、700~3000℃の範囲、好ましくは725~2800℃の範囲、より好ましくは750~2500℃の範囲の温度で実施される実施形態|1|から実施形態|14|のいずれかに記載の方法。
【0039】
|16| 実施形態|1|から実施形態|15|のいずれかにより得ることができる多孔質炭素材料。この実施形態の1つの態様では、当該多孔質炭素材料は、実施形態|1|から実施形態|15|のいずれかにより得られる。この実施形態の1つの態様では、当該多孔質炭素材料は、好ましくは、実施形態|17|の特徴、又は実施形態|18|の特徴のうちの1以上、又は実施形態|17|の特徴及び実施形態|18|の特徴のうちの1以上を有する。
【0040】
|17| 50~280nmの範囲、好ましくは60~270nmの範囲、より好ましくは70~260nmの範囲、好ましくは80~250nmの範囲、より好ましくは90~200nmの範囲のモードを有する細孔直径分布を有する多孔質炭素材料。
【0041】
実施形態|17|の特徴は、好ましくは、上記方法の多孔質炭素材料及び上述の方法の実施形態のいずれかにより得ることができる多孔質炭素材料にも当てはまる。さらには、実施形態|17|の特徴は、上記の多孔質炭素材料の実施形態及び方法の実施形態のいずれかの特徴と組み合わされる。これらの組み合わせの各々は、本発明の1つの態様を構成する。
【0042】
|18| 以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する多孔質炭素材料。
a. 10~10,000nmの範囲の直径を有する細孔について、0.4~2.8cm3/gの範囲、好ましくは0.65~2cm3/gの範囲、より好ましくは0.7~1.75cm3/gの範囲の総細孔容積、
b. 10~1,000m2/gの範囲、好ましくは20~1,000m2/gの範囲、また好ましくは20~900m2/gの範囲、より好ましくは25~800m2/gの範囲のBET全、
c. 0~650m2/gの範囲、好ましくは5~600m2/gの範囲、より10~550m2/gの範囲のBETミクロ、
d. 1.9~2.1g/cm3の範囲、好ましくは1.92~2g/cm3の範囲、より好ましくは1.94~1.98g/cm3の範囲の骨格密度(skeletal density)、
e. 300nm~300μmの範囲、好ましくは400nm~200μmの範囲、より好ましくは500nm~100μmの範囲の、一次粒子直径についてのd50。
【0043】
実施形態|18|の特徴は、好ましくは、上記方法の多孔質炭素材料及び上述の方法の実施形態のいずれかにより得ることができる多孔質炭素材料にも当てはまる。さらには、実施形態|18|の特徴は、上記の多孔質炭素材料の実施形態及び方法の実施形態のいずれの特徴とも組み合わされる。これらの組み合わせの各々は、本発明の1つの態様を構成する。
【0044】
|19| 実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料を含むデバイス。好ましいデバイスは、コンデンサ及び電気化学セルである。好ましいコンデンサは、二重層コンデンサである。好ましい電気化学セルは、鉛蓄電池、燃料電池及びリチウムイオン電池である。
【0045】
|20| 多孔質炭素材料の調製のための両親媒性化合物の使用であって、上記両親媒性化合物は、2以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、より好ましくは20以上、又は30以上、又は50以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。この両親媒性化合物は、最大約1000の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含んでもよい。本発明の方法に関して、及び本明細書の他の箇所に記載される両親媒性化合物についての好ましい特徴は、この実施形態の両親媒性化合物の好ましい特徴でもある。
【0046】
この実施形態の1つの態様では、2以上の両親媒性化合物が調製で用いられ、好ましくは各々は、2以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、より好ましくは20以上、又は30以上、又は50以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。両親媒性化合物は、最大約1000の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含んでもよい。
【0047】
|21| 電気デバイスの特性を改善するための、実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。これに関する好ましい電気デバイスは、電気化学セル、コンデンサ、電極及び燃料電池である。
【0048】
|22| 電気デバイスにおけるイオン輸送を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。これに関する好ましい電気デバイスは、電気化学セル、コンデンサ、電極及び燃料電池である。
【0049】
|23| リチウムイオン電池の電極の中のイオン拡散率を高めることにより電力密度を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0050】
|24| リチウムイオン電池において電極厚さの増大を可能にすることによりエネルギー密度を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0051】
|25| リチウムイオン電池において使用されるべき電極の乾燥時間を短縮するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0052】
|26| リチウムイオン電池における電極の電解質充填時間を短縮するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0053】
|27| コンデンサの電極の中のイオン拡散率を高めることにより電力密度を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0054】
|28| コンデンサにおいて電極厚さの増大を可能にすることによりエネルギー密度を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0055】
|29| 鉛蓄電池におけるサイクル寿命を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0056】
|30| 鉛蓄電池における深放電容量を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0057】
|31| 鉛蓄電池における動的電荷受容性を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0058】
|32| 燃料電池におけるサイクル寿命を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0059】
|33| リチウムイオン電池における電解質の低温電気伝導率を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0060】
|34| 燃料電池における水輸送を改善するための実施形態|16|から実施形態|18|のいずれかに記載の多孔質炭素材料の使用。
【0061】
当該方法の1つの実施形態では、炭素供給源及び両親媒性種は合わせて、上記前駆体の総重量に対して、上記前駆体の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%である。最も好ましくは、上記前駆体は、上記炭素供給源及び上記両親媒性種のみを含有する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、多孔質炭素材料の調製方法の概略図を示す。
【
図2】
図2は、本発明に従って調製された材料の表面のSEM画像を示す。
【
図3】
図3は、本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示す。
【
図4】
図4は、本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示す。
【
図5】
図5は、本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示す。
【
図6】
図6は、本発明に従って調製された材料における細孔サイズのグラフを示す。
【
図7】
図7は、本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示す。
【
図8】
図8は、本発明に従って調製された材料における細孔サイズ分布のグラフを示す。
【
図9】
図9は、本発明に従って調製された材料における細孔サイズ分布のグラフを示す。
【
図10】
図10は、比較例に従って調製された材料の表面のSEM画像を示す。
【
図11】
図11は、本発明に従って調製された材料における粒子サイズの関数として、鉛蓄電池における電気化学的性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本明細書全体にわたって、範囲の開示は、その範囲の両方の端点を含むと理解されたい。さらには、本明細書中の範囲の各開示は、1つの端点が除かれているか又は両方の端点が除かれている好ましい部分範囲も開示していると理解されたい。例えば、5~10kgの範囲の開示は、端点5kg及び10kgを含む範囲を開示していると理解される。さらには、その範囲は、端点5kgを含むが端点10kgを除く範囲、端点5kgを除くが端点10kgを含む範囲、及び両方の端点5kg及び10kgを除く範囲も開示していると理解される。
【0064】
本明細書全体にわたって、「AはBのみを含む」又は「AはBである」の形式の語句は、AはBを含み、実質的に他の構成成分を何も含まないことを意味すると理解されたい。好ましくは、そのような場合のAは、Aの総重量に対して、10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満の他の構成成分を含む。AがB以外の構成成分を何も含まないことが最も好ましい。この概念は、「AはB及びCのみを含む」及び「AはB及びCである」の一般形の語句等の2以上の構成成分を有するAに対しても一般化される。そのような場合、Aは、好ましくは、Aの総重量に対して、10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満のB及びC以外の構成成分を含む。Aが、B又はC以外の構成成分を何も含まないことが最も好ましい。
【0065】
同様に、一般形「AはBを含まない」の語句は、Aが実質的にBを含まないことを意味すると理解されたい。好ましくは、その場合のAは、Aの総重量に対して10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満のBを含む。AがBを含まないことが最も好ましい。この概念は、一般形「B及びC」の群等、2以上の特定された構成成分の群のいずれも含まないAに対しても一般化される。好ましくは、そのような場合のAは、Aの総重量に対して、総量で10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満のB及びCを含む。AがB若しくはC、又はその両方、好ましくは両方を含まないことが最も好ましい。
【0066】
本発明の前駆体は、溶媒若しくは分散剤又はその両方を含んでもよい。本明細書中では、溶媒という用語は、一般用語として使用され、特に溶媒自体、若しくは分散剤、又はその両方を指すことができる。特に、溶媒に関して記載される好ましい特徴は、分散剤についても好ましい特徴である。
【0067】
本明細書に関して化合物は、好ましくは、元素の化学量論的な組み合わせとして説明することができる。好ましい化合物は、分子又はイオン又は分子イオンであってよい。
【0068】
プロセス
本発明の1つの態様は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程であって、この第1両親媒性化合物は、2以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備える方法である。
【0069】
上記前駆体は、上記炭素供給源及び両親媒性種を含む。1つの実施形態では、前駆体は、上記炭素供給源及び両親媒性種以外の1以上のさらなる構成成分を含む。別の実施形態では、前駆体は、上記炭素供給源及び両親媒性種のみを含む。
【0070】
上記前駆体についてのさらなる構成成分は、当業者が本発明に関して適切と考える任意のものであってよい。好ましいさらなる構成成分は、溶媒及び架橋剤からなる群から選択される1以上である。
【0071】
さらなる構成成分が上記前駆体の中に存在する場合、それらは、例えば質量比率を算出するために、概念上、上記炭素供給源及び両親媒性種とは別個であると考えられる。例えば、炭素供給源が溶媒中で調製され、上記前駆体の他方の構成成分又は他の構成成分に溶液として導入される場合、この溶媒は、本開示に関してはさらなる構成成分と考えられ、炭素供給源の一部とはみなされない。
【0072】
両親媒性種
本発明の両親媒性種は、好ましくは、炭素供給源からの三次元構造の形成を誘導するように作用する。この両親媒性種は、好ましくは、ミセル及び三次元構造の形態で前駆体の中に存在し、好ましくは得られた多孔質炭素材料の中の細孔の形成を導く。
【0073】
この両親媒性種は、好ましくは、第1両親媒性化合物を含み、この第1両親媒性化合物は、2以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。本発明の1つの実施形態では、この両親媒性種は、第1両親媒性化合物のみを含む。別の実施形態では、両親媒性種は、上記第1両親媒性化合物、及び1以上のさらなる両親媒性化合物、又は2以上の、又は3以上、又は4以上のさらなる両親媒性化合物を含む。さらなる両親媒性化合物が、各々、2以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含むことが好ましい。本明細書中では、上記両親媒性化合物に関して開示された好ましい特徴は、第1両親媒性化合物についての好ましい特徴である。1以上のさらなる両親媒性化合物が上記両親媒性種の中に存在する場合、上記両親媒性化合物又は上記第1両親媒性化合物に関して開示された好ましい特徴は、そのさらなる両親媒性化合物のうちの1以上、好ましくはすべてについての好ましい特徴でもある。
【0074】
好ましい両親媒性化合物は、親水性及び親油性の両方の挙動を持つ。
【0075】
親水性挙動
上記2以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位は、上記両親媒性化合物の親水性挙動に寄与する。1つの実施形態では、この親水性挙動は、専ら、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位に起因する。別の実施形態では、上記両親媒性化合物の親水性挙動に対して、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位以外の何かによる、好ましくは電荷を帯びた基及び極性の電荷を帯びていない基からなる群から選択される1以上によってもたらされる寄与がある。好ましい極性の電荷を帯びていない基は、O、S、N、P、F、Cl、Br及びIからなる群から選択される1以上を含む。より好ましい極性の電荷を帯びていない基はOを含む。好ましい極性の電荷を帯びていない基の例は、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボニル、アルデヒド、エステル、エーテル、ペルオキシ、ハロホルミル、炭酸エステル、ヒドロペルオキシル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオイル、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、カルボキシアミド、アミン、ケタミン、アジミン(adimine)、イミド、アジド、アゾ、シアネート、イソシアネート、ナイトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、オキシム、ピリジル、クロロ、ブロモ及びヨードである。好ましい極性の電荷を帯びていない基は、ヒドロキシル及びエステル、より好ましくはヒドロキシルである。好ましい電荷を帯びた基は、カチオン性又はアニオン性であってよい。好ましいアニオン性基の例は、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート及びホスフェート、より好ましくはカルボキシレートである。好ましいカチオン性基はアンモニウムである。
【0076】
上記両親媒性化合物の親油性挙動は、好ましくは、1以上の炭化水素部分、又はポリエチレンオキシドとは異なる1以上のポリエーテル部分、又はそれら各々の1以上によってもたらされる。
【0077】
好ましい炭化水素部分は飽和又は不飽和であってよい。好ましい飽和炭化水素はアルカンである。好ましいアルカンは、直鎖状、分枝状、環状又はこれらの混合物であってよい。好ましい不飽和炭化水素部分は、1以上の炭素-炭素二重結合若しくは1以上の芳香環又はそれら各々の1以上を含む。好ましい炭化水素は、1つの炭素鎖又は2以上の炭素鎖を含み、各炭素鎖は、好ましくは5以上の炭素原子、より好ましくは10以上の炭素原子、最も好ましくは20以上の炭素原子を有する。この炭素鎖は、好ましくは、直鎖状炭素鎖、分枝状炭素鎖及び炭素環からなる群から選択される1以上を含む。この炭素鎖は、好ましくは、直鎖状炭素鎖を含み、好ましくは直鎖状炭素鎖である。これに関して好ましい炭素鎖は、アルカン単位、アルケン単位及びアルキン単位からなる群から選択される1以上を含んでもよい。この炭素鎖は、好ましくはアルカン単位を含み、より好ましくはアルカンである。
【0078】
繰り返し単位
上記両親媒性化合物は、2以上の隣接するエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。このエチレンオキシドに基づく繰り返し単位は、好ましくは、式-(CH2CH2O)-を有する。この両親媒性化合物は、好ましくは、2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。この実施形態の1つの態様では、両親媒性化合物は、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位の1以上のブロックを含み、各ブロックは、鎖状に直接連結された2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。
【0079】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物が、1以上のさらなる繰り返し単位を含み、このさらなる繰り返し単位がエチレンオキシドに基づく繰り返し単位とは異なることが好ましい。
【0080】
上記さらなる繰り返し単位は、好ましくは、プロピレンオキシドに基づく繰り返し単位である。このプロピレンオキシドに基づく繰り返し単位は、好ましくは、式-(CHCH3CH2O)-を有する。上記両親媒性化合物は、好ましくは、2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上の上記さらなる繰り返し単位を含む。この実施形態の1つの態様では、上記両親媒性化合物は、さらなる繰り返し単位の1以上のブロックを含み、各ブロックは、鎖状に直接連結された2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のさらなる繰り返し単位を含む。
【0081】
上記両親媒性化合物は、ブチレンオキシドに基づく繰り返し単位、好ましくは2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のそのブチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含んでもよい。この実施形態の1つの態様では、上記両親媒性化合物は、ブチレンオキシドに基づく繰り返し単位の1以上のブロックを含み、各ブロックは、鎖状に直接連結された2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のブチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。
【0082】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物が、1以上のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位及び1以上のさらなる繰り返し単位を含み、このさらなる繰り返し単位がエチレンオキシドに基づく繰り返し単位とは異なることが好ましい。このさらなる繰り返し単位は、好ましくは、プロピレンオキシドに基づく繰り返し単位である。このプロピレンオキシドに基づく繰り返し単位は、好ましくは、式-(CHCH3CH2O)-を有する。この両親媒性化合物は、好ましくは、2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。この実施形態の1つの態様では、上記両親媒性化合物は、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位の1以上のブロックを含み、各ブロックは、鎖状に直接連結された2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位を含む。この両親媒性化合物は、好ましくは、2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上の上記さらなる繰り返し単位を含む。この実施形態の1つの態様では、この両親媒性化合物は、上記繰り返し単位の1以上のブロックを含み、各ブロックは、鎖状に直接連結された2以上の、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より好ましくは20以上、より好ましくは50以上の上記さらなる繰り返し単位を含む。この実施形態の好ましい態様では、上記両親媒性化合物は、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位の1以上のブロック及び上記さらなる繰り返し単位の1以上のブロックを含む。この実施形態の1つの態様では、この両親媒性化合物は、1以上のエチレンオキシドに基づく繰り返し単位及び2以上のさらなる繰り返し単位を含む。この2以上のさらなる繰り返し単位のうちの1つは、好ましくは、プロピレンオキシドに基づく繰り返し単位である。この両親媒性化合物が、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位及び2以上のさらなる繰り返し単位の各々の1以上のブロックを含むことが特に好ましい。
【0083】
1つの好ましい実施形態では、上記両親媒性化合物は、1以上の親水性ブロック及び1以上の疎水性ブロックを含むブロック共重合体である。好ましい親水性ブロックは、エチレンオキシドに基づく繰り返し単位である。好ましい疎水性ブロックは、プロピレンオキシドに基づくブロック、ブチレンオキシドに基づくブロック、又は炭化水素ブロック、好ましくはプロピレンオキシドに基づくブロック又は炭化水素ブロックである。好ましいブロック共重合体は、AB型のジブロック共重合体又はABA型若しくはBAB型のトリブロック共重合体である。
【0084】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物は、ABA型のトリブロック共重合体であり、Aはエチレンオキシドに基づくブロックであり、Bはプロピレンオキシドに基づくブロック又は炭化水素である。
【0085】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物は、BAB型のトリブロック共重合体であり、Aはエチレンオキシドに基づくブロックであり、Bはプロピレンオキシドに基づくブロック又は炭化水素である。
【0086】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物は、AB型のジブロック共重合体であり、Aはエチレンオキシドに基づくブロックであり、Bはプロピレンオキシドに基づくブロック又は炭化水素である。
【0087】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物は、BAC型の混合トリブロック共重合体であり、Aはエチレンオキシドに基づくブロックであり、B及びCは異なり、各々、プロピレンオキシドに基づくブロック及び炭化水素からなる群から選択される。
【0088】
1つの実施形態では、上記両親媒性化合物は、好ましくは炭化水素、スルフェート、ホスフェート、アミン、カルボキシレート及びアンモニウム塩からなる群から選択される1以上の末端基を持つ、ブロック共重合体、好ましくは上述のようなブロック共重合体である。
【0089】
1つの実施形態では、上記両親媒性種は、溶媒中で準備されてもよい。この場合、溶媒は、上記前駆体中の重量による含有量等の両親媒性種の特性を算出するために、概念上、両親媒性種とは別個である。
【0090】
本発明の目的のうちの1以上を成し遂げることへの貢献は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備え、
上記第1両親媒性化合物が、1~19の範囲、好ましくは2~19の範囲、より好ましくは4~19の範囲、より好ましくは6~17の範囲、より好ましくは8~15の範囲のGriffin法により測定されるHLB値を有する方法によってなされる。1つの実施形態では、好ましい両親媒性化合物は、1以上;又は1超;又は2以上;又は2超;又は4以上;又は4超のGriffin法により測定されるHLBを有する。上述の実施形態もこの貢献に適用される。これは、特に実施形態|2|以下に当てはまる。
【0091】
本発明の目的のうちの1以上を成し遂げることへの貢献は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備え、
上記第1両親媒性化合物が、1~19の範囲、好ましくは2~19の範囲、より好ましくは4~19の範囲、より好ましくは6~17の範囲、より好ましくは8~15の範囲の、試験方法に記載される基準方法により測定されるHLB値を有する方法によってなされる。1つの実施形態では、好ましい両親媒性化合物は、1以上;又は1超;又は2以上;又は2超;又は4以上;又は4超の、試験方法に記載される基準方法により測定されるHLBを有する。上述の実施形態もこの貢献に適用される。これは、特に実施形態|2|以下に当てはまる。
【0092】
本発明の目的のうちの1以上を成し遂げることへの貢献は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備え、
上記第1両親媒性化合物が、1以上;又は1超;又は2以上;又は2超;又は4以上;又は4超;又は6以上;又は6超;又は8以上;又は8超のDavies法により測定されるHLB値を有する方法によってなされる。いくつかの両親媒性化合物は、最大100のDavies法により測定されるHLB値を有することができる。上述の実施形態もこの貢献に適用される。これは、特に実施形態|2|以下に当てはまる。
【0093】
本発明の目的のうちの1以上を成し遂げることへの貢献は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備え、
上記第1両親媒性化合物が、1以上;又は1超;又は2以上;又は2超;又は4以上;又は4超;又は6以上;又は6超;又は8以上;又は8超の有効鎖長法(Effective Chain Length Method)(Guoら、Journal of Colloid and Interface Science 298(2006) 441-450)により測定されるHLB値を有する方法によってなされる。いくつかの両親媒性化合物は、最大100の有効鎖長法により測定されるHLB値を有することができる。上述の実施形態もこの貢献に適用される。これは、特に実施形態|2|以下に当てはまる。
【0094】
1つの実施形態では、0.5gの上記両親媒性種は、10mlの蒸留水の中で振盪した直後に、好ましくは本明細書に記載される試験方法に従って求められる以下の基準のうちの1以上を満たす。
a. 気泡が存在する
b. ただ1つの非気相のみが存在する
c. ただ1つの非気相のみが存在し、この相が液体であり透明である
【0095】
これに関して透明は、好ましくは、本明細書中に与えられる方法に従う0.1%未満の不明瞭度(obscuration)を生成することを意味する。この実施形態の種々の態様では、以下の組み合わせが満たされる:a、b、c、b+c、a+b、a+c又はa+b+c。少なくともcが満たされることが好ましい。
【0096】
気泡は、別の相の本体部内に存在してもよいし、別の相の上部に蓄積して泡を形成してもよい。
【0097】
1つの実施形態では、0.5gの上記両親媒性種は、10mlの蒸留水の中で振盪した5分後に、好ましくは本明細書に記載される試験方法に従って求められる以下の基準のうちの1以上を満たす。
a. ただ1つの非気相のみが存在する
b. ただ1つの非気相のみが存在し、この相が液体であり透明である
【0098】
これに関して透明は、好ましくは、本明細書中に与えられる方法に従う0.1%未満の不明瞭度を生成することを意味する。少なくともbが満たされることが好ましい。
【0099】
1つの実施形態では、0.5gの上記両親媒性種は、10mlの蒸留水の中で振盪した10分後に、好ましくは本明細書に記載される試験方法に従って求められる以下の基準のうちの1以上を満たす。
a. ただ1つの非気相のみが存在する
b. ただ1つの非気相のみが存在し、この相が液体であり透明である
【0100】
これに関して透明は、好ましくは、本明細書中に与えられる方法に従う0.1%未満の不明瞭度を生成することを意味する。少なくともbが満たされることが好ましい。
【0101】
1つの実施形態では、0.5gの上記両親媒性種は、10mlの蒸留水の中で振盪した1時間後に、好ましくは本明細書に記載される試験方法に従って求められる以下の基準のうちの1以上を満たす。
a. ただ1つの非気相のみが存在する
b. ただ1つの非気相のみが存在し、この相が液体であり透明である
【0102】
これに関して透明は、好ましくは、本明細書中に与えられる方法に従う0.1%未満の不明瞭度を生成することを意味する。少なくともbが満たされることが好ましい。
【0103】
1つの実施形態では、0.5gの上記両親媒性種は、10mlの蒸留水の中で振盪した1日後に、好ましくは本明細書に記載される試験方法に従って求められる以下の基準のうちの1以上を満たす。
a. ただ1つの非気相のみが存在する
b. ただ1つの非気相のみが存在し、この相が液体であり透明である
【0104】
これに関して透明は、好ましくは、本明細書中に与えられる方法に従う0.1%未満の不明瞭度を生成することを意味する。少なくともbが満たされることが好ましい。
【0105】
炭素供給源
本発明の炭素供給源は、好ましくは、三次元構造の形成のための炭素材料を提供する。この三次元構造は、好ましくは、開気孔を有し、また好ましくは開細孔を連結することにより構築されたチャネルを有することが好ましい。本発明は、原理上、当業者に公知であり当業者が本発明に関して適切と考える任意の炭素供給源を使用して実施することができる。
【0106】
上記炭素供給源は、好ましくは、第1炭素供給源化合物を含む。本発明の1つの実施形態では、この炭素供給源は、第1炭素供給源化合物のみを含む。別の実施形態では、この炭素供給源は、上記第1炭素供給源化合物、及び1以上のさらなる炭素供給源化合物、又は2以上の、又は3以上、又は4以上のさらなる炭素供給源化合物を含む。本明細書中では、上記炭素供給源化合物に関して開示された好ましい特徴は、第1炭素供給源化合物についての好ましい特徴である。1以上のさらなる炭素供給源化合物が上記炭素供給源の中に存在する場合、上記炭素供給源化合物又は上記第1炭素供給源化合物に関して開示された好ましい特徴は、そのさらなる炭素供給源化合物のうちの1以上、好ましくはすべてについての好ましい特徴でもある。
【0107】
この炭素供給源化合物は、当業者が望む特性を有する多孔質炭素製品を与えるように、当業者によって選択されてよい。
【0108】
1つの実施形態では、上記炭素供給源化合物は1以上の環を含む。この実施形態の1つの態様では、この環は炭素環である。この実施形態の別の態様では、この環は、炭素原子及び1以上のヘテロ原子を含む。これに関して好ましいヘテロ原子は、O、S、N、P及びSiからなる群から、好ましくはO及びNからなる群から、最も好ましくはOから選択される1以上である。この環は、芳香族又は非芳香族であってもよく、好ましくは芳香族であってよい。この環は飽和又は不飽和であってよく、好ましくは少なくとも部分的に飽和であってよい。この環は、好ましくは、3~9の範囲、好ましくは4~7の範囲、より好ましくは5又は6の数の環員原子を有する。この実施形態の1つの態様では、この環は、5つの環員原子を有する。この実施形態の別の態様では、この環は6つの環員原子を有する。この実施形態の1つの態様では、この環は、その環が、環系の中の1以上のさらなる環と1以上の縁を共有する、そのような環系に含まれている。これに関して好ましい炭素環の例は、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロペンタン、一不飽和シクロペンタン、二不飽和シクロペンタン、シクロヘプタン、一不飽和シクロヘプタン、二不飽和シクロヘプタン、三不飽和シクロヘプタン、シクロオクタン、一不飽和シクロオクタン、二不飽和シクロオクタン、三不飽和シクロオクタン、四不飽和シクロオクタン、シクロノナン、一不飽和シクロノナン、二不飽和シクロノナン、三不飽和シクロノナン、四不飽和シクロノナン、シクロブテン、一不飽和シクロブテン、二不飽和シクロブテン及びシクロプロパン、好ましくはベンゼン、シクロヘキサン及びシクロペンタン、より好ましくはベンゼンである。好ましい環系は、ナフタレン、ビフェニル、フルオレン、フェナレン、アセナフチレン、アセナフテン、フェナントレン、フルオランテン、ピレン及びデカリン、好ましくはナフタレン及びデカリン、最も好ましくはナフタレンである。1以上のヘテロ原子を含む好ましい環は、上記の好ましい炭素環のうちの1つの中の1つの炭素原子をヘテロ原子、好ましくはヘテロ原子の好ましいリストからのヘテロ原子で置換することにより得られる。ヘテロ原子を含む好ましい環の例は、ピペリジン、ピリジン、テトラヒドロピラン、ピラン、チアン、チオピラン、シリナン、サリン(saline)、ホスフィナン、ホスフィニン、ピペラジン、ジアジン、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、チアジン、ジオキサン、ダイオキシン(doioxine)、ジチアン、ジチイン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリアジン、トリオキサン、トリチアン、テトラジン、ペンタジン、ピロリジン、ピロール、テトラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、ホスホラン(phospholane)、ホスホール、シラシクロペンタン、シロール、イミダゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾール、イソチアゾール、ジオキソラン、ジチオラン、アゼチジン、アゼト、オキセタン、イグゼト(exete)、チエタン及びチエト(thiete)、好ましくはピリジン、テトラヒドロピラン、ピラン、チアン、チオピラン、ピロリジン、ピロール、テトラヒドロフラン、フラン、チオフェン及びテトラヒドロチオフェンである。上記の環のすべては、上記化合物の残部で、若しくは1以上の官能基で、又はその両方で、1以上の位置において置換されていてもよい。
【0109】
上記環に結合される好ましい官能基は、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボニル、アルデヒド、エステル、エーテル、ペルオキシ、ハロホルミル、炭酸エステル、ヒドロペルオキシル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオイル、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、カルボキシアミド、アミン、ケタミン、アジミン、イミド、アジド、アゾ、シアネート、イソシアネート、ナイトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、オキシム、ピリジル、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート及びホスフェート及びアンモニウムからなる群から選択される1以上である。上記環に結合される好ましい官能基は、ヒドロキシルである。
【0110】
好ましい炭素供給源はフェノール樹脂である。フェノール樹脂は、好ましくはフェノール及び共縮合種から調製される。
【0111】
本発明の1つの実施形態では、炭素供給源は、フェノール樹脂、好ましくはノボラック樹脂を含む。
【0112】
本発明の別の実施形態では、上記炭素供給源は、フェノール樹脂への前駆体混合物、好ましくはフェノール樹脂への前駆体混合物であって、この前駆体が好ましくはフェノール及び共縮合種を含み、このフェノールが、好ましくはモルで共縮合種よりも過剰にあるものを含む。
【0113】
以下の好ましいフェノール樹脂の各々について、そのフェノール樹脂への前駆体混合物も好ましい炭素供給源である。
【0114】
好ましい共縮合種は、アルデヒド又はケトン、好ましくはアルデヒドである。好ましい共縮合種は、以下からなる群から選択される1以上である:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、フルフラール、グリオキサール、ベンズアルデヒド、及びケトン。好ましい共縮合種はホルムアルデヒドである。
【0115】
好ましいフェノールは、1以上の結合OH基を有するベンゼン環を含む。好ましいフェノールは、以下からなる群から選択される1以上である:フェノール(ヒドロキシベンゼン)、o-クレゾール(1-メチル-2-ヒドロキシベンゼン)、m-クレゾール(1-メチル-3-ヒドロキシベンゼン)、p-クレゾール(1-メチル-4-ヒドロキシベンゼン)、p-tert-ブチルフェノール(1-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼン)、p-tert-オクチルフェノール(i-tert-オクチル-4-ヒドロキシベンゼン)、p-tert-ノニルフェノール(1-ノニル-4-ヒドロキシベンゼン)、2,3-キシレノール(1,2-ジメチル-3-ヒドロキシベンゼン)、2,4-キシレノール(1,3-ジメチル-4-ヒドロキシベンゼン)、2,5-キシレノール(1,4-ジメチル-2-ヒドロキシベンゼン)、2,6-キシレノール(1,3-ジメチル-2-ヒドロキシベンゼン)、3,4-キシレノール(1,2-ジメチル-4-ヒドロキシベンゼン)、3,5-キシレノール(1,3-ジメチル-5-ヒドロキシベンゼン)、レゾルシノール(1,3-ジヒドロキシベンゼン)、ビスフェノール-A(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、好ましくはフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール又はレゾルシノール、より好ましくはレゾルシノール又はフェノール、最も好ましくはレゾルシノール。
【0116】
好ましいフェノール樹脂はノボラック樹脂である。
【0117】
好ましいフェノール樹脂は、モルで共縮合種よりも過剰のフェノール、好ましくはフェノール:共縮合種の比が1:1超、好ましくは1.5:1超、より好ましくは2:1超のフェノール及び共縮合種から調製される。
【0118】
好ましいフェノール樹脂は、酸の中で、好ましくはpH7未満、より好ましくは4未満、より好ましくは3未満、より好ましくは2.5未満で調製される。
【0119】
好ましいフェノール樹脂は、酸性であり、好ましくはpH7未満、より好ましくは4未満、より好ましくは3未満、より好ましくは2.5未満を有する。
【0120】
1つの実施形態では、上記炭素供給源は、好ましくは、フェノール及びホルムアルデヒドの樹脂を含む。
【0121】
1つの実施形態では、上記炭素供給源は、好ましくは、レゾルシノール及びホルムアルデヒドの樹脂を含む。
【0122】
好ましいフェノール樹脂は、1~30個の芳香環、好ましくは2~20個の芳香環、より好ましくは5~15個の芳香環を含む。
【0123】
好ましいフェノール樹脂は直鎖である。
【0124】
好ましいフェノール樹脂はレゾール型ではない。
【0125】
好ましい炭素供給源化合物は、好ましくは、レゾルシノール-ホルムアルデヒド反応又はフェノール-ホルムアルデヒド反応に由来の、より好ましくはレゾルシノール-ホルムアルデヒド反応に由来のノボラック型樹脂又はその誘導体である。
【0126】
1つの実施形態では、上記炭素供給源は、水に分散されている。1つの好ましい実施形態では、炭素供給源は、水に分散したノボラック型レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂を含む。この実施形態の1つの態様では、炭素供給源は、水に分散したノボラック型レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂である。
【0127】
1つの実施形態では、上記炭素供給源は、溶媒の中で準備されてもよく、好ましくは溶解又は分散されてもよい。この場合、溶媒は、前駆体中の重量による含有量等の炭素供給源の特性を算出するために、上記炭素供給源とは別個であると考えられる。別の実施形態では、炭素供給源は、それ自体で、好ましくは溶媒の不存在下で上記前駆体の他の構成成分に導入される。
【0128】
上記炭素供給源は、固体で又は液体状態で存在してもよい。この炭素供給源は、固体のいくつかの挙動及び液体のいくつかの挙動をともに有する高粘性状態で存在してもよい。個々の炭素供給源化合物は、各々、固体で又は液体状態で存在してもよい。個々の炭素供給源化合物も、各々、固体のいくつかの挙動及び液体のいくつかの挙動をともに有する高粘性状態で存在してもよい。
【0129】
本発明の目的のうちの1以上を成し遂げることへの貢献は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 第1炭素供給源化合物を含む炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備え、
上記第1炭素供給源化合物がノボラック樹脂である方法によってなされる。上述の実施形態もこの貢献に適用される。これは、特に実施形態|2|以下に当てはまる。
【0130】
本発明の目的のうちの1以上を成し遂げることへの貢献は、多孔質炭素材料の調製方法であって、
a. 炭素供給源を準備する工程と、
b. 第1両親媒性化合物を含む両親媒性種を準備する工程と、
c. 上記炭素供給源及び上記両親媒性種を接触させて、前駆体を得る工程と、
d. 上記前駆体を加熱して、上記多孔質炭素材料を得る工程と
を備え、
上記第1炭素供給源が、ノボラック樹脂のための前駆体混合物を含み、この前駆体が、好ましくはフェノール及び共縮合種を含み、このフェノールが、好ましくは、モルで上記共縮合種よりも過剰である方法によってなされる。上述の実施形態もこの貢献に適用される。これは、特に実施形態|2|以下に当てはまる。
【0131】
溶媒/分散剤
1以上の溶媒又は分散剤が、上記前駆体の中に存在してもよい。溶媒及び分散剤は、好ましくは液体である。これに関して溶媒及び分散剤は、好ましくは、上記前駆体の構成成分のうちの1以上を、前駆体の形成に先だって、又は形成後に、溶解若しくは分散させる。溶媒の好ましい特徴がここに記載されるが、これらの特徴は、分散剤の好ましい特徴でもある。溶媒は、前駆体の形成に先だって、それ自体で、又は上記前駆体の他の構成成分のうちの1以上のための溶媒として、前駆体の他の構成成分に導入されてもよい。1以上の溶媒が用いられる場合、それらがペーストの他の構成成分のための溶媒として、前駆体の形成に先だって用いられる場合であっても、それらは、重量による含有量を算出するために、ペーストの他の構成成分とは別個であると考えられる。例えば、炭素供給源が炭素供給源溶媒中の炭素供給源の溶液又は分散液の形態で前駆体の他の構成成分に導入される場合、その前駆体中の炭素供給源の含有量は、その炭素供給源溶媒の含有量を除いて算出される。これは、特に、上記両親媒性種及び存在する場合の配位性種にも適用される。
【0132】
溶媒は、当業者に公知であり当業者が本発明に関して適切と考える任意の溶媒、特に、上記前駆体の構成成分のうちの1以上を溶解又は分散させる能力について選択される溶媒であってもよい。溶媒は有機又は無機であってよい。好ましい溶媒は沸点を有する。溶媒は、その沸点を超えて加熱したときに好ましくは残渣を残さず揮発する。好ましい無機溶媒は水である。好ましい有機溶媒は、アルコール、エーテル、アルデヒド、エステル又はケトン、好ましくはアルコールである。好ましいアルコールは、メタノール、エタノール又はプロパノール、好ましくはエタノールである。別の好ましい有機溶媒はアセトンである。
【0133】
1つの実施形態では、上記前駆体は溶媒を含まない。
【0134】
架橋剤
1以上の架橋剤が、上記前駆体の中に存在してもよい。好ましい架橋剤は、炭素供給源を当該多孔質炭素材料の中で三次元構造へと連結すること容易にする目的を果たす。架橋剤は、触媒であることができ、好ましくは上記炭素供給源に対する重合触媒であることができる。
【0135】
架橋剤は、当業者に公知であり当業者が本発明に関して適切と考える任意の化合物、特に、上記炭素供給源の連結を容易にするための能力について選択される化合物であってよい。
【0136】
好ましい架橋剤は2以上の官能基を含む。好ましい官能基は、炭素供給源に対する連結部を形成することができる。
【0137】
好ましい架橋剤は、パラトルエンスルホン酸、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン及び2-ニトロ-2-メチル-1-プロパノールからなる群から選択される1以上である。
【0138】
1つの実施形態では、架橋剤はメチレンドナーである。
【0139】
本発明の1つの実施形態では、上記前駆体は、炭素供給源100部に対して、好ましくは1~20重量部の範囲、より好ましくは2~15重量部の範囲、より好ましくは5~10重量部の範囲の架橋剤を含む。この実施形態の好ましい態様では、この架橋剤は、上記炭素供給源に対する架橋剤である。この実施形態の1つの態様では、架橋剤は、炭素供給源を重合させるための触媒である。好ましい実施形態では、上記前駆体は架橋剤を含まない。1つの実施形態では、前駆体は、炭素供給源100部に対して、10重量部超、より好ましくは1部超、より好ましくは0.1部超、最も好ましくは0.01部超の架橋剤を含まない。特に、所望の細孔容積のために、炭素供給源100部に対して、10部未満、好ましくは1部未満、より好ましくは0.1部未満、より好ましくは0.01部未満の架橋剤を有すること、又はさらには架橋剤が存在しないことが好ましい。
【0140】
プロセス条件
本発明の方法は、好ましくは、加熱工程を備える。この加熱工程は、好ましくは、上記前駆体から、好ましくは上記炭素供給源を連結することにより、多孔質炭素材料を得るために作用する。
【0141】
加熱工程では、上記炭素供給源以外の1以上の構成成分、好ましくは上記炭素供給源以外のすべての構成成分は、当該多孔質炭素材料の中に残留しないように、前駆体から除去される。上記前駆体の中に存在する、好ましくは以下の群から選択される1以上、好ましくは以下の群のメンバーのすべては、当該多孔質炭素材料の中に残留しないように、加熱工程の間に前駆体から除去される:両親媒性種;存在する場合には、溶媒;存在する場合には、架橋剤;存在する場合には、炭素供給源以外のさらなる構成成分。加熱工程の間に前駆体から除去される構成成分は、例えばエバポレーション又は昇華により前駆体全体から出ることができるか、又は前駆体の内部で分解することができ、その後で分解生成物が前駆体を出る。
【0142】
加熱工程は、好ましくは、高温焼成を含む。この高温焼成は、好ましくは700~3000℃の範囲の温度で行われる。この高温焼成工程の目的は、好ましくは、上記炭素供給源を炭素化し潜在的に黒鉛化し、これにより当該多孔質炭素材料を得ることである。
【0143】
1つの実施形態では、上記炭素供給源は、加熱工程に先だって融解のために、700℃未満の温度で加熱される。
【0144】
上記前駆体は、好ましくは、加熱工程の前に前重合(予備重合)を必要とはしない。本発明の1つの実施形態では、上記前駆体の加熱工程は、30℃~150℃の範囲の保持温度での10分間以上の低温保持工程を備えず、好ましくは30℃~150℃の範囲の保持温度での1分間以上の低温保持工程を備えない。
【0145】
本発明の方法は、上記前駆体の2以上の構成成分、又は前駆体自体が混合される混合工程を備えてもよい。1つの実施形態では、本発明の方法は混合工程を備える。別の実施形態では、本発明の方法は混合工程を備えない。1つの実施形態では、1時間以内、好ましくは10分間以内、より好ましくは1分間以内が混合に費やされる。当該方法が混合工程を備える場合、混合工程は、好ましくは、加熱工程に先だって実施される。当該方法が高温加熱工程、低温加熱工程及び混合工程を備える場合、混合工程は、好ましくは低温加熱工程に先だって実施され、低温加熱工程は、好ましくは高温加熱工程に先だって実施される。
【0146】
本発明によってなされる特定の貢献は、プロセスの簡明性である。特に、本発明は、焼成に先だつ追加的な工程、特に低温加熱工程又は長い混合工程の必要性を排除することができる。1つの実施形態では、上記炭素供給源及び上記両親媒性種の最初の接触と、焼成工程の開始との間の時間が、10時間未満、好ましくは5時間未満、より好ましくは1時間未満、より好ましくは20分間未満、より好ましくは5分間未満である。この実施形態の1つの態様では、焼成工程の開始は、上記前駆体が200℃超、又は300℃超、又は400℃超、又は500℃超、又は600℃超の温度まで昇温された最初の時である。
【0147】
当該方法は、当該多孔質炭素材料の特性を改変するために設計された黒鉛化工程を備えてもよい。1つの実施形態では、当該方法は、焼成工程の後に黒鉛化工程を備える。この黒鉛化工程は、好ましくは、焼成工程よりも高い温度で実施される。別の実施形態では、当該方法は、別々の焼成工程及び黒鉛化工程を備えない。この実施形態の1つの態様では、高温工程が、上記炭素供給源の炭素化及び得られる多孔質炭素材料の黒鉛化の両方のために用いられる。黒鉛化工程についての好ましい温度は、1200~3000℃の範囲、より好ましくは1500~2800℃の範囲、最も好ましくは1700~2500℃の範囲にある。当該方法が黒鉛化工程を備える場合、この黒鉛化工程は、好ましくは加熱工程後に実施される。
【0148】
多孔質炭素材料
上述の目的のうちの少なくとも1つを成し遂げることへの貢献は、本発明に係る多孔質炭素材料によってなされる。上記炭素供給源が上記加熱工程で炭素化され、当該多孔質炭素材料が得られることが、本発明によれば好ましい。当該多孔質炭素材料は、以下の点のうちの1以上、好ましくはすべてにおいて上記前駆体とは異なる:上記前駆体の上記炭素供給源以外の構成成分が加熱の間に上記前駆体から除去され、当該多孔質炭素材料の中にはもはや存在しない;炭素以外のいくつかの原子が加熱の間に上記炭素供給源から除去され、当該多孔質炭素材料の中にはもはや存在せず、これにより当該多孔質炭素材料が、上記炭素供給源よりも低い炭素以外の原子の比率的含有量を有する;液体及び不連続な固体の混合物を含む前駆体とは対照的に、当該多孔質炭素材料が連続的な固体である;当該多孔質炭素材料が、上記炭素供給源よりも、若しくは上記前駆体よりも、又はその両方よりも低い密度を有する。
【0149】
連続的な固体との用語は、当該多孔質炭素材料に関して、当該多孔質炭素材料の炭素原子構成成分が、互いに対して動くことができない原子の集合として連結されており、その集合は、分子スケールよりも大きく、好ましくは100Å(10nm)超、より好ましくは500Å(50nm)超、さらにより好ましくは1000Å(100nm)超、より好ましくは5000Å(500nm)超、より好ましくは10,000Å(1,000nm)超の最大寸法を有することを示すために使用される。1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも5cmの最大寸法を有する物体として存在する。別の実施形態では、当該多孔質炭素材料は、好ましくは1つの物体が2以上の物体に分割される工程の後の粒子の一群として存在する。
【0150】
当該多孔質炭素材料は、好ましくは、「課題を解決するための手段」のところですでに開示された実施形態で記載された特徴を有する。
【0151】
技術的応用
当該多孔質炭素材料は、いくつかの技術的応用例において用いることができる。好ましい応用例は以下のとおりである:電気化学セル;燃料電池、特に水素燃料電池、特にプロトン交換膜における応用;コンデンサ;電極;及び触媒。これに関して好ましい電気化学セルは、鉛蓄電池及びリチウムイオン電池である。これに関して好ましい燃料電池は、水素電池である。これに関して好ましいコンデンサは電気二重層コンデンサである。
【0152】
プロセス条件及び個々の構成成分は、当該多孔質炭素材料の所望の特性を成し遂げるために選択することができるが、それらは、依然として本発明の範囲内での作業である。例えば、焼成後の黒鉛化工程は、当該多孔質炭素材料のBET表面積を減少させるために用いることができる。
【0153】
当該多孔質炭素材料は、好ましくは、実施形態の節に記載された特性を有する。
【0154】
1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、以下の特徴のうちの1以上、好ましくはすべてを有する。
a. 300m2/g未満、好ましくは200m2/g未満、より好ましくは150m2/g未満、より好ましくは100m2/g未満のBET全。
b. 100m2/g未満、好ましくは60m2/g未満、より好ましくは30m2/g未満のBETミクロ。
c. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超の平均細孔サイズ。ある場合には、平均細孔サイズは最大約280nmであってもよい。
d. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超のモード細孔サイズ。ある場合には、モード細孔サイズは最大約280nmであってもよい。
e. 0.2~1.1の範囲、好ましくは0.4~1.05の範囲、より好ましくは0.6~1の範囲の平均細孔サイズに対するモード細孔サイズの比。
f. 10nm~10000nmの範囲の細孔サイズを有する細孔について、0.5cm3/g超、好ましくは0.7cm3/g超、より好ましくは1.0cm3/g超の総細孔容積。ある場合には、総細孔容積は最大2.0cm3/gであってもよい。
g. 7μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは3μm未満の粒子直径d90。ある場合には粒子直径d90は100nmの小ささであることができる。
h. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは18ppm未満の炭素以外の不純物。
i. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは15ppm未満のFe含有量。
j. 2S/cm超、好ましくは4S/cm超、より好ましくは6S/cm超の電気伝導率。
【0155】
この実施形態の1つの態様では、特徴a.、b.、d.、f.、g.、h.、i.及びj.のうちの1以上が満たされることが好ましい。
【0156】
この実施形態の別の態様では、少なくとも特徴c.及びd.が満たされることが好ましい。
【0157】
この実施形態の多孔質炭素材料は、リチウムイオン電池での使用、特にカソード添加剤としての使用に特に好適である。本発明の多孔質炭素材料、好ましくはこの実施形態に係る多孔質炭素材料を含むリチウムイオン電池により、上述の目的のうちの少なくとも1つに対する貢献がなされる。
【0158】
1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、以下の特徴のうちの1以上、好ましくはすべてを有する。
a. 100m2/g未満、好ましくは80m2/g未満、好ましくは70m2/g未満、より好ましくは60m2/g未満のBET全。
b. 20m2/g未満、好ましくは15m2/g未満、より好ましくは10m2/g未満のBETミクロ。
c. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超の平均細孔サイズ。ある場合には平均細孔サイズは280nmの大きさであることができる。
d. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超のモード細孔サイズ。ある場合にはモード細孔サイズは280nmの大きさであることができる。
e. 0.2~1.1の範囲、好ましくは0.4~1.05の範囲、より好ましくは0.6~1の範囲の平均細孔サイズに対するモード細孔サイズの比。
f. 10nm~10000nmの範囲の細孔サイズを有する細孔について、0.5cm3/g超、好ましくは0.8cm3/g超、より好ましくは1.1cm3/g超の総細孔容積。ある場合には総細孔容積は最大2.0cm3/gであってもよい。
g. 7μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは3μm未満の粒子サイズ(d90)。ある場合には粒子サイズd90は100nmの小ささであることができる。
h. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは18ppm未満の炭素以外の不純物。
i. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは15ppm未満のFe含有量。
j. 0.5S/cm超、好ましくは0.7S/cm超、より好ましくは1S/cm超の電気伝導率。
【0159】
この実施形態の1つの態様では、特徴a.、b.、d.、f.、g.、h.、i.及びj.のうちの1以上が満たされることが好ましい。
【0160】
この実施形態の別の態様では、少なくとも特徴c.及びd.が満たされることが好ましい。
【0161】
この実施形態の多孔質炭素材料は、リチウムイオン電池での使用、特にアノード添加剤としての使用に特に好適である。本発明の多孔質炭素材料、好ましくはこの実施形態に係る多孔質炭素材料を含むリチウムイオン電池により、上述の目的のうちの少なくとも1つに対する貢献がなされる。
【0162】
1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、以下の特徴のうちの1以上、好ましくはすべてを有する。
a. 200m2/g超、好ましくは300m2/g超、より好ましくは400m2/g超のBET全。ある場合には、BET全は最大1000m2/gであってもよい。
b. 150m2/g超、好ましくは200m2/g超、より好ましくは250m2/g超のBETミクロ。ある場合には、BETミクロは最大1000m2/gであってもよい。
c. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超の平均細孔サイズ。ある場合には平均細孔サイズは280nmの大きさであることができる。
d. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超のモード細孔サイズ。ある場合にはモード細孔サイズは280nmの大きさであることができる。
e. 0.2~1.1の範囲、好ましくは0.4~1.05の範囲、より好ましくは0.6~1の範囲の平均細孔サイズに対するモード細孔サイズの比。
f. 10nm~10000nmの範囲の細孔サイズを有する細孔について、0.7cm3/g超、好ましくは1.0cm3/g超、より好ましくは1.3cm3/g超の総細孔容積。ある場合には総細孔容積は最大2.0cm3/gであってもよい。
g. 25μm超、好ましくは30μm超、より好ましくは35μm超の粒子サイズ(d50)。ある場合にはd50粒子サイズは最大約200μmであってもよい。
h. 4000ppm未満、好ましくは2500ppm未満、より好ましくは1500ppm未満の炭素以外の不純物。
i. 250ppm未満、好ましくは200ppm未満、より好ましくは150ppm未満のFe含有量。
j. 0.1S/cm超、好ましくは0.2S/cm超、より好ましくは0.3S/cm超の電気伝導率。
【0163】
この実施形態の1つの態様では、特徴a.、b.、d.、f.、g.、h.、i.及びj.のうちの1以上が満たされることが好ましい。
【0164】
この実施形態の別の態様では、少なくとも特徴c.及びd.が満たされることが好ましい。
【0165】
この実施形態の多孔質炭素材料は、鉛蓄電池での使用に特に好適である。本発明の多孔質炭素材料、好ましくはこの実施形態に係る多孔質炭素材料を含む鉛蓄電池により、上述の目的のうちの少なくとも1つに対する貢献がなされる。
【0166】
1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、以下の特徴のうちの1以上、好ましくはすべてを有する。
a. 400m2/g超、好ましくは450m2/g超、より好ましくは500m2/g超のBET全。ある場合には、BET全は最大2000m2/gであってもよい。
b. 200m2/g超、好ましくは250m2/g超、より好ましくは300m2/g超のBETミクロ。ある場合には、BETミクロは最大1000m2/gであってもよい。
c. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超の平均細孔サイズ。ある場合には平均細孔サイズは最大約280nmであってもよい。
d. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超のモード細孔サイズ。ある場合にはモード細孔サイズは最大約280nmであってもよい。
e. 0.2~1.1の範囲、好ましくは0.4~1.05の範囲、より好ましくは0.6~1の範囲の平均細孔サイズに対するモード細孔サイズの比。
f. 10nm~10000nmの範囲の細孔サイズを有する細孔について、1.2cm2/g未満、好ましくは1cm2/g未満、より好ましくは0.8cm2/g未満の総細孔容積。
g. 7μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは3μm未満の粒子サイズd90。ある場合には粒子サイズd90は100nmの小ささであることができる。
h. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは18ppm未満の炭素以外の不純物。
i. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは15ppm未満のFe含有量。
j. 2S/cm超、好ましくは6S/cm超、より好ましくは10S/cm超の電気伝導率。
【0167】
この実施形態の1つの態様では、特徴a.、b.、d.、f.、g.、h.、i.及びj.のうちの1以上が満たされることが好ましい。
【0168】
この実施形態の別の態様では、少なくとも特徴c.及びd.が満たされることが好ましい。
【0169】
この実施形態の多孔質炭素材料は、コンデンサ、好ましくは電気二重層コンデンサでの使用に特に好適である。本発明の多孔質炭素材料、好ましくはこの実施形態に係る多孔質炭素材料を含むコンデンサ、好ましくは電気二重層コンデンサにより、上述の目的のうちの少なくとも1つに対する貢献がなされる。
【0170】
1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、以下の特徴のうちの1以上、好ましくはすべてを有する。
a. 150m2/g超、好ましくは200m2/g超、より好ましくは250m2/g超のBET全。ある場合には、BET全は最大900m2/gであってもよい。
b. 200m2/g未満、好ましくは175m2/g未満、より好ましくは150m2/g未満のBETミクロ。ある場合には、BETミクロは10m2/gもの小ささであってもよい。
c. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超の平均細孔サイズ。ある場合には平均細孔サイズは最大約280nmであってもよい。
d. 40nm超、好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超のモード細孔サイズ。ある場合にはモード細孔サイズは最大約280nmであってもよい。
e. 0.2~1.1の範囲、好ましくは0.4~1.05の範囲、より好ましくは0.6~1の範囲の平均細孔サイズに対するモード細孔サイズの比。
f. 10nm~10000nmの範囲の細孔サイズを有する細孔について、0.5cm2/g超、好ましくは0.75cm2/g超、より好ましくは1.0cm2/g超の総細孔容積。
g. 7μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは3μm未満の粒子サイズd90。ある場合には粒子サイズd90は200nmもの小ささであることができる。
h. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは18ppm未満の炭素以外の不純物。
i. 25ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは15ppm未満のFe含有量。
j. 2S/cm超、好ましくは4S/cm超、より好ましくは5S/cm超の電気伝導率。
【0171】
この実施形態の1つの態様では、特徴a.、b.、d.、f.、g.、h.、i.及びj.のうちの1以上が満たされることが好ましい。
【0172】
この実施形態の別の態様では、少なくとも特徴c.及びd.が満たされることが好ましい。
【0173】
この実施形態の多孔質炭素材料は、電気化学セル、好ましくは燃料電池、より好ましくはプロトン交換膜燃料電池での使用に特に好適である。本発明の多孔質炭素材料、好ましくはこの実施形態に係る多孔質炭素材料を含む燃料電池、好ましくはプロトン交換膜燃料電池により、上述の目的のうちの少なくとも1つに対する貢献がなされる。
【0174】
本開示のさらなる態様は、好ましくは本明細書中に提示される試験方法によって求められる特定された粒子サイズ分布、好ましくは粒子直径分布を有する多孔質炭素製品に関する。好ましい粒子サイズ、好ましくは粒子直径、は、好ましくは連続体の粒子サイズである。
【0175】
上記の技術的目的のうちの少なくとも1つを克服することに向けた貢献は、10~250μmの範囲、好ましくは20~220μm、より好ましくは25~200μm、より好ましくは40~160μm、より好ましくは60~130μmの範囲、より好ましくは70~110μmの範囲の粒子分布d50を有する多孔質炭素材料|Y1|によってなされる。1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、10μm超、好ましくは20μm超、より好ましくは25μm超、より好ましくは40μm超、好ましくは50μm超、より好ましくは60μm超の粒子サイズd50を有する。1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料は、250μm未満、好ましくは220μm未満、より好ましくは200μm未満、より好ましくは160μm未満、より好ましくは130μm未満、より好ましくは110μm未満の粒子サイズd50を有する。ある場合には、粒子サイズd50は、最大約280μmであってもよい。1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料が、本開示において多孔質炭素材料について一般的に記載された特徴のうちの1以上を満たすことが好ましい。1つの実施形態では、当該多孔質炭素材料が、本明細書に開示される方法によって得ることができる、好ましくは得られたものであることが好ましい。
【0176】
上記の技術的目的のうちの少なくとも1つを克服することに向けた貢献は、
a. 多孔質炭素材料を準備する工程と、
b. 上記多孔質炭素材料の粒子分布d50を、10~250μmの範囲、好ましくは20~220μm、より好ましくは25~200μm、より好ましくは40~160μm、より好ましくは60~130μmの範囲、より好ましくは70~110μmの範囲の値に適合させる工程と
を備える方法|Y2|によってなされる。
【0177】
1つの実施形態では、上記多孔質炭素材料は、10μm超、好ましくは20μm超、より好ましくは25μm超、より好ましくは40μm超、好ましくは50μm超、より好ましくは60μm超の粒子サイズd50を有する。1つの実施形態では、上記多孔質炭素材料は、250μm未満、好ましくは220μm未満、より好ましくは200μm未満、より好ましくは160μm未満、より好ましくは130μm未満、より好ましくは110μm未満の粒子サイズd50を有する。ある場合には、粒子サイズd50は最大約280μmであってもよい。1つの実施形態では、上記多孔質炭素材料が、本開示において多孔質炭素材料について一般的に記載された特徴のうちの1以上を満たすことが好ましい。1つの実施形態では、上記多孔質炭素材料が、本明細書に開示される方法によって得ることができる、好ましくは得られたものであることが好ましい。
【0178】
上記の技術的目的のうちの少なくとも1つを克服することに向けた貢献は、|Y1|に記載の多孔質炭素材料又は|Y2|に記載の方法によって得ることができる多孔質炭素材料を含むデバイスによってなされる。これに関して好ましいデバイスは、電池、好ましくは鉛若しくは酸又はその両方を含む電池である。上記多孔質炭素材料は、好ましくは電極、好ましくはアノードにおいて用いられる。1つの実施形態では、当該デバイスは酸を含む。好ましい酸は硫酸である。1つの実施形態では、当該デバイスは水を含む。1つの実施形態では、当該デバイスはPbSO4を含む。1つの実施形態では、当該デバイスは電解質を含む。この電解質の好ましい構成成分は、H2SO4及びH2Oである。電解質中のH2SO4の好ましい濃度は、1~1.5g/cm3の範囲、好ましくは1.05~1.45g/cm3の範囲、より好ましくは1.1~1.4g/cm3の範囲にある。
【0179】
上記の技術的目的のうちの少なくとも1つを克服することに向けた貢献は、デバイスにおける、|Y1|に記載の多孔質炭素材料又は|Y2|に記載の方法によって得ることができる多孔質炭素材料の使用によってなされる。これに関して好ましいデバイスは、電池、好ましくは鉛若しくは酸又はその両方を含む電池である。上記多孔質炭素材料は、好ましくは電極、好ましくはアノードにおいて用いられる。1つの実施形態では、当該デバイスは酸を含む。好ましい酸は硫酸である。1つの実施形態では、当該デバイスは水を含む。1つの実施形態では、当該デバイスはPbSO4を含む。1つの実施形態では、当該デバイスは電解質を含む。この電解質の好ましい構成成分は、H2SO4及びH2Oである。電解質中のH2SO4の好ましい濃度は、1~1.5g/cm3の範囲、好ましくは1.05~1.45g/cm3の範囲、より好ましくは1.1~1.4g/cm3の範囲にある。当該使用は、好ましくは電池性能を改善するためのものである。1つの態様では、この使用は水損失を低減するためのものである。1つの態様では、この使用は、電荷受容性を高めるためのものである。
【0180】
試験方法
以下の試験方法が本発明で使用される。試験方法が記載されていない場合は、測定するべき特徴についての、本願の最先の出願日以前の最も最近に刊行されたISO試験方法が適用される。明確な測定条件が記載されていない場合、298.15K(25℃、77°F)の温度及び100kPa(14.504psi、0.986atm)の絶対圧力としての標準の常温及び常圧(SATP)が適用される。
【0181】
骨格密度(skeletal density)(物質密度又は骨格密度(backbone density)とも呼ばれる)
骨格密度測定は、DIN 66137-2に従って実施した。0.49g~0.51gの粉末試料を試料セルの中に秤り取り、測定に先だち、真空下、200℃で1時間乾燥した。乾燥後の質量を算出のために使用した。サーモフィッシャーサイエンティフィック(Themo Fisher Scientific,Inc.)製のPycnomatic ATCヘリウム比重瓶を、測定のために使用し、「少量」試料体積及び「少量」基準体積を採用した。この比重瓶は、約3cm3の既知体積の「極小」球体を使用して毎月較正されている。測定は、DIN規格及び上記デバイスの標準作業手順書(SOP)に従って、4.6の純度のヘリウムを使用し、20.00℃の温度、約2barのガス圧力で実施した。
【0182】
水銀ポロシメトリー(細孔サイズ及び細孔容積)
異なる細孔サイズについての比細孔容積、累積細孔容積、及び多孔性を水銀ポロシメトリーにより測定した。水銀ポロシメトリー分析は、ISO15901-1(2005)に従って実施した。Thermo Fisher Scientific PASCAL 140(最大4barの低圧)及びPASCAL 440(最大4000barの高圧)並びにSOLIDバージョン1.6.3(26.11.2015)ソフトウェア(すべて、サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific,Inc.)製)を、140.2nmのモード細孔直径及び924.4mm3/gの細孔容積を有する多孔質ガラス球(BAM製のERM-FD122基準物質)を用いて較正した。測定の間、圧力を、PASCALモードで動作する機器により、侵入について8及び排出について9に設定した速度で、連続的に上昇又は下降させ、自動的に制御した。評価のためにWashburn法を採用し、Hgの密度は実際の温度に対して補正した。表面張力についての値は0.48N/mであり、接触角は140°であった。試料サイズは、約25~80mgであった。測定を開始する前に、試料を真空中、150℃で1時間加熱した。
【0183】
ガス吸着(全比表面積、外比表面積及びミクロ細孔比表面積、BET全、BET外及びBETミクロ)
粒子の比表面積を決定するためのBET測定は、DIN ISO 9277:2010に従って行った。SMART法(適応的分注速度による収着法:Sorption Method with Adaptive dosing Rate)に従って動作するNOVA 3000(カンタクローム(Quantachrome)製)を測定のために使用する。基準物質として、カンタクローム(Quantachrome)から入手できるQuantachrome Alumina SARMカタログ番号2001(多点BET法に関して13.92m2/g)、及びSARMカタログ番号2004(多点BET法に関して214.15m2/g)を使用する。デッドボリュームを減らすために、フィラーロッドを基準キュベット及び試料キュベットに加える。これらのキュベットをBET装置に装着する。窒素ガス(N2 4.0)の飽和蒸気圧を求める。フィラーロッドを有するキュベットが完全に充填されて最小のデッドボリュームが作り出されるような量だけ、試料をガラスキュベットに秤量する。この試料を乾燥するために、試料を真空下、200℃で1時間保つ。冷却後、試料の重量を記録する。試料を含んでいるガラスキュベットを測定装置に装着する。試料を脱気するために、試料を、10mbarの最終圧力まで物質がポンプに吸い込まれないように選択したポンピング速度で排気する。
【0184】
脱気後の質量を算出のために使用する。データ解析のために、NovaWin 11.04ソフトウェアを使用する。5つの測定点を用いる多点解析を実施し、得られた全比表面積(BET全)をm2/g単位で与える。各試料セルのデッドボリュームを、測定に先だってヘリウムガス(He 4.6、湿度30ppmv)を使用して1回測定する。液体窒素浴を使用してガラスキュベットを77Kまで冷却する。吸着については、77Kで0.162nm2の分子断面積を有するN2 4.0を算出のために使用する。
【0185】
経験的t-プロット法を、ISO15901-3:2007に従って使用して、0.1超の相対圧力におけるミクロ細孔及び残りの多孔性からの寄与(すなわち、メソ孔性、マクロ孔性(macroporosity)及び外表面積の寄与)を識別し、ミクロ細孔表面(BETミクロ)及びミクロ細孔容積を算出する。カットオフp/p0、通常、最大0.1p/p0までの低圧等温線データポイントを、t-プロットの線形部分を決定するために選択する。データポイント選択は、正のC定数を得ることにより確認される。ミクロ細孔容積は、縦座標切片から求められる。ミクロ細孔比表面積(BETミクロ)は、t-プロットの傾きから算出することができる。
【0186】
外比表面積BET外は、全比表面積からミクロ細孔比表面積を減算することにより定義される。BET外=BET全-BETミクロ
【0187】
粒子サイズ分布
レーザー回折(D10、D50、D90)
粒子の粒子サイズ測定のために、レーザー回折法をISO Standard 13320に従って使用した。He-Neレーザー(4mWの最大出力で632.8nmの波長)及び青色LED(10mWの最大出力で470nmの波長)及び湿式分散ユニット(ハイドロ・エムブイ(Hydro MV))を備えるマルバーン(Malvern)製のMastersizer 3000を、23℃の常温で実施した測定で用いた。イソプロパノール及び脱イオン水(50%/50%)の混合物を測定媒体として使用した。この混合物を、内蔵の撹拌機を3500rpmで使用し、最大出力で10秒間超音波処理することにより、上記分散ユニット内で脱気した。試料物質を100%イソプロパノール(40mL)中の濃厚分散液として調製する。この量の物質で、30秒間の超音波フィンガー混合の後に均一な混合物を作るのに十分である。この試料を、不明瞭度の値が3~7%になるまでピペットで分散ユニットへ滴下する。D10、D50及びD90(体積ベース)の値を、MalvernソフトウェアMastersizer 3000ソフトウェア3.30、及び1のフォームファクター(形状因子)を使用して求めた。粒子が>10μmである試料についてはFraunhofer理論を使用し、粒子が<10μmである物質に対してはMie理論を適用する。
【0188】
ふるい分け(315μm超の粒子サイズを有する重量画分)
315μmより大きいサイズを有する粒子の重量画分についてのふるい分けを、Haver und Boecker(HAVER & BOECKER OHG)製の315μmの目開きを有する篩を備えたAir Jet RHEWUM LPS 200 MCふるい振動機(RHEWUM GmbH)を用い、篩を用いて慎重に行った。
【0189】
水中の両親媒性分子の分散性
0.5gの両親媒性分子及び10mLの脱イオン水をねじ蓋付きの20mLガラス容器に導入する。蓋を閉めた容器を25秒間激しく振盪する。この25秒間の振盪を、10分間の間隔を開けてさらに10回繰り返す。1日の間隔の後で、蓋を閉めた容器を再び25秒間激しく振盪し、この25秒間の振盪を、10分間の間隔を開けてさらに10回繰り返す。この容器を最後の振盪の直後に目視検査する。分散性を、以下の3つの特徴によって特徴づける。
a. 気泡が存在するか否か
b. 1つの非気相が存在するか、又は複数の非気相が存在するか
c. 1つの非気相が存在する場合、その相は乳濁状であるか透明であるか
【0190】
これに関して透明は、好ましくは、本明細書中に与えられる方法に従う0.1%未満の不明瞭度を生成することを意味する。この容器を、最後の振盪の後の以下の時間後にも検査する:5分、10分、1時間及び1日。各々のさらなる検査において、分散性を特徴b.及びc.に従って特徴づける。
【0191】
気泡は、別の相の本体部内に存在してもよいし、別の相の上部に蓄積して泡を形成してもよい。
【0192】
粉末電気伝導率
粉末試験試料を、一軸機械式プレス機を使用して75kg/cm2の圧力で圧縮する。金めっきした電極を使用して、圧縮した試験試料に電流を印加し、電圧降下にわたる電位差を測定する。この測定から、電気抵抗、従ってS/cm単位の電気伝導率を算出する。1S/cm超の値は、電気伝導性に分類される。
【0193】
溶液清澄性についての不明瞭度測定
溶液の清澄性を、He-Neレーザー(632.8nm波長)及び青色LED及び湿式分散ユニット(ハイドロ・エムブイ(Hydro MV))を備えたMalvern Mastersizer 3000装置を使用して、レーザー不明瞭度により決定し、測定を23℃の常温で実施する。100mLの脱イオン水中に5gの両親媒性分子を含有する混合物をねじ蓋付きの250mLガラス容器に導入する。このHydro MV分散ユニットは、MalvernソフトウェアMastersizer 3000ソフトウェア3.30によって、自動的に脱イオン水が充填され、バックグラウンド測定が測定される。内蔵の撹拌機を500rpmに設定し、溶液を連続的に撹拌する。5mLの小分け量を100mL水/5g両親媒性分子の溶液からピペットで取り出し、Hydro MV分散ユニットに添加する。このユニットを500rpmで2分間撹拌する。各々10秒の測定を3回行い、He-Neレーザーの平均不明瞭度を上記ソフトウェアによって各測定につき決定し、パーセントとして報告する。試料を通る光路長は2.6mmである。0.1%未満の不明瞭度(I0-I)/I0を透明であると考える。
【0194】
NMRによるポリオール中のエチレンオキシド含有量の測定
エチレンオキシド(EO)含有量の決定をASTM規格試験方法(D4875-05)を使用して決定する。炭素-13核磁気共鳴分光法(13C NMR)を用いる試験方法Bを使用する。重水素化アセトン(内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)を含むNMR等級)及び直径5mmのNMR試料チューブとともにBruker AC 300分光計を使用した。2mLの重水素化アセトンと共に3mLの両親媒性分子を用いて試料を調製し、混合物を25秒間激しく振盪する。この振盪を10分間隔で10回繰り返す。適切な試料量をNMRチューブに移す。
【0195】
分光計パラメータは、上記ASTM方法にあるように、アセトンd-6でのロック、パルス角90°、データ取得時間2秒、繰り返し時間5秒、スペクトル幅100ppm、及び32kデータポイント取得及びH-1デカップラー作動(オン)に設定する。シグナルを2000過渡信号を用いて取得し、重み付けされた自由誘導減衰シグナルから周波数領域スペクトルへとフーリエ変換する。PO(プロピレンオキシド)メタン及びメチレン炭素ピーク(76.6~72.8及び67.0~65.2ppm(TMS基準))及びEO炭素共鳴(72.6~68.3及び62.0~61.0ppm)の積分面積を得る。EO封鎖ポリオールについては、73.1ppmの共鳴は、末端EOブロックのβ炭素に対応し、POピーク面積から差し引かれ、EOピーク面積に加えられる。PO及びEOの比は下記式により得られる。
【数1】
式中、
B’=PO共鳴の面積
B=EO炭素の面積
C’=PO末端メタン炭素の面積
C=末端EO炭素の総面積、及び
F=EOブロックの末端EO炭素の面積
(面積C及びFは、EO封鎖ポリオールについて意味を持つだけである。)
【0196】
EOの重量%は、PO/EO比(上記のように算出する)から下記式により算出する。
【数2】
式中、EOについての分子量は44g/mol EOであり、POについては58g/mol POである。EOパーセントは、小数第1位で丸めたパーセントで報告する。
【0197】
LC及びMALDI-TOF MSの組み合わせによる隣接するエチレンオキシド単位の測定
S.M.Weidnerらの方法(Rapid Commun.Mass Spectrom.2007;21:2750-2758)を用いる。イオンを、マイクロチャンネルプレート(MCP)検出器を用いて検出する。質量スペクトルを分析して、隣接するEO単位に対応する44m/z単位で離れているスペクトル特徴の存在を判定する。
【0198】
両親媒性分子の有効HLB値の決定 - 基準方法
有効HLB値は、2種の界面活性剤の種々のブレンド物を用いて作製した油及び水のエマルションの安定性測定から決定する。このエマルションを、キャノーラ油[CAS120962-03-0]及び脱イオン水を用いて作製する。ブレンドしていない試験する界面活性剤が、振盪した直後に水分散性試験において2相の分散液又は透明でない分散液を形成する場合、それは、低HLB値分散剤と考えられ、Tween(登録商標)20(Griffin法からのHLB値は16.7であり、Croda GmbHから入手できる、[CAS9005-64-5])とブレンドされる。試験する界面活性剤が水分散性試験において透明相を有する単一の非気相分散液を形成する場合、それは、高HLB値分散剤であると考えられて、Span(登録商標)80(Griffin法からのHLB値は4.3であり、Croda GmbHから入手できる[CAS1338-43-8])とブレンドされる。
【0199】
【0200】
各々10mLの油及び10mLの脱イオン水を用いて作製したエマルションをねじ蓋付きのガラスバイアルに加える。いずれの場合も、界面活性剤のブレンドの1gの試料を油及び水の混合物に加える。その混合物を含む蓋を閉めたバイアルを25秒間激しく振盪する。この25秒間の振盪を10分間の間隔を開けて10回繰り返す。1日の間隔の後で、蓋を閉めたバイアルを再び25秒間激しく振盪し、この25秒間の振盪を、10分間の間隔を開けてさらに10回繰り返す。エマルションの安定性を、物差しを用いてセンチメートル単位で測定した分散液の水成分の高さによって特徴づける。最後の振盪から7日後にこの安定性を測定する。最小の高さを有する水成分を生成した2つのブレンドを特定する。2.5重量%増分でさらなるブレンドを作製し、上記2つの特定したブレンドの範囲で試験する。水成分の最小の高さを与えるブレンドは、7のキャノーラ油の要求されるHLBに合致する。有効HLBは、ブレンドが7である複合HLBを有すると仮定して、上記ブレンドにおける重量比及びそのブレンド中のSpan(登録商標)80又はTween(登録商標)20の既知のHLBから算出できる。
【0201】
電極中の溶媒の輸送
均一な湿った物質が得られるまで(通常、重量比で炭素:エタノール 1:3)、試験する炭素材料粉末にエタノールを加える。水中の60重量%のPTFEの懸濁液(シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich GmbH)から購入した、CAS:9002-84-0)を結合剤として用いる。後でパン生地様の物質を形成するために最小の十分量の結合剤(通常、混合物中の炭素に対して5~30%重量%の範囲の結合剤が必要である)を用いる。1時間撹拌している間に、スラリーは、パン生地様の物質に変わるであろう。湿式電極を、のし棒を用いて湿った状態で250μmの層厚さに延ばし、120℃で12時間乾燥した。乾燥した電極が亀裂を呈している場合には、より高い含有量の結合剤を用いて試験手順を再開始する必要がある。
【0202】
調製した乾燥電極シートから8mm×15mmの長方形試料を切り出す。クリップ試料ホルダー(クリュス(Kruess GmbH)製のSH0601試料ホルダー)を使用して、上記電極試料を吊るす。クリュス(Kruess GmbH)製の表面張力計K100を接触角測定モードで使用し、2-プロパノール(CAS番号67-63-0)が入っているガラス容器(クリュス(Kruess GmbH)製のSV20、直径70mm)を使用する。測定は、クリュス(Kruess GmbH)により提供され23℃の常温で動作するKruess Laboratory Desktopソフトウェア、バージョン3.2.2.3068により制御する。試料を上記溶媒の上に吊り下げ、その溶媒を6mm/分の速度で上昇させ、液体の表面を検出する(検出感度は0.01gである)。溶媒容器を3mm/分の速度で上昇させることにより、電極試料をさらに溶媒に浸漬する。この浸漬手順の間に電極が曲がるか又は反るかすると、新しい電極試料を用いて試験を再開始する。深さ1mmから最終深さの6mmまで0.2mmごとに質量を記録する。電極試料を6mmの深さで45秒間保持し、その後、質量を再び記録する。電極を3mm/分の速度で溶媒から取り出し、データ測定を0.2mmごとに行う。6mmで45秒の保持の間に吸収された溶媒の質量を減算により求める。この測定を3回繰り返し、平均の溶媒取り込み質量を求める。吸収された溶媒の質量は、電極における輸送効率に直接関連する。
【0203】
図の要約
本発明は、これより図を参照してさらに説明される。図及び図の説明は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものとして考えられないものとする。
【0204】
図の説明
図1は、多孔質炭素材料106の調製方法100を示す。炭素供給源101、この場合、水に分散した(50%樹脂含有量)ノボラック型レゾルシノール/ホルムアルデヒド樹脂(Askofen 779 W 50);両親媒性種102、この場合Synperonic PE/F127(非イオン性の高HLB乳化剤);及び他の構成成分103、この場合、接触工程104において他の構成成分は、特に架橋剤は接触せず、これにより前駆体105を得る。加熱工程106を実施し、前駆体105から多孔質炭素材料107を得る。
【0205】
図2は、Askofen 779 W 50及びGenapol PF20を出発物質として使用して本発明に従って調製された材料の表面のSEM画像を示す。炭素構造が、相互に連結されたビーズとそれらの間の中空の細孔から形成されていることがわかる。
【0206】
図3は、Askofen 779 W 50及びGenapol PF20を出発物質として使用して本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示す。ここでも、炭素体のビーズ構造及び細孔は明らかである。
【0207】
図4は、Askofen 779 W 50及びGenapol PF20を出発物質として使用して本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示し、
図3と同じ切断面をズームアウト(縮小)したものである。炭素構造の長距離均質性がこの図で見られる。
【0208】
図5は、Askofen 779 W 50及びGenapol PF20を出発物質として使用して本発明に従って調製された材料の表面のSEM画像を示す。この材料の多孔性は、低拡大倍率でも明らかである。
【0209】
図6は、Alnovol PN320 Past及びGenapol PF20を出発物質として使用して本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示す。ここでも、炭素体の相互に連結された細孔は明らかである。
【0210】
図7は、Alnovol PN320 Past及びGenapol PF20を出発物質として使用して本発明に従って調製された材料の切断面の表面のSEM画像を示し、
図6と同じ切断面をズームアウトしたものである。炭素構造の長距離均質性がこの図で見られる。
【0211】
図8は、Askofen 779 W 50及びGenapol PF20を出発物質として用いて本発明に従って調製された材料における細孔サイズ分布のグラフを示す。細孔サイズのモードは、136nmに見ることができる。
【0212】
図9は、Alnovol PN320 Past及びGenapol PF20を出発物質として用いて本発明に従って調製された材料における細孔サイズ分布のグラフを示す。細孔サイズのモードは、87.9nmに見ることができる。
【0213】
図10は、Askofen 295 E 60(レゾール樹脂)及びPluronic(登録商標)P123を出発物質として使用して比較例に従って調製された材料の表面のSEM画像を示す。炭素中の長距離の多孔質構造は形成されていないことがわかる。
【0214】
図11は、本発明に従って調製された材料についての-1.5Vでの水素発生電流と対照カーボンブラックとの比(左の軸に、そして四角のデータ点で示されている)、及び本発明に従って調製された材料の動的電荷受容性(DCA)(放電後)(右の軸に、そして丸のデータ点で示されている)の粒子サイズ依存性を示す。データ点は、表6から採用している。指数近似曲線が水素発生電流の比対粒子サイズについて示されており(一点鎖線で示されている)、線形近似曲線がDCA対粒子サイズについて示されている(点線として示されている)。
【実施例】
【0215】
本発明は、これより実施例を用いてさらに説明される。これらの実施例は、例証目的のものであり、本発明の範囲を限定するとは考えられないものとする。用いた材料についての商業的供給源は、表0に与えられている。
【0216】
実施例1
ASK Chemicals GmbHから市販されているAskofen 779 W 50(レゾルシノール-ホルムアルデヒドのノボラック型樹脂の固形分含有量50%の水性の赤色液体)、及び両親媒性種を表1に示す割合で反応容器に導入した。この反応容器及び内容物を、混合せずに又は静置時間なしに900℃に加熱し、その温度で3時間維持した。得られた多孔質炭素材料の特性も表1に示す。
【0217】
実施例2
Askofen 779 W 50の代わりのオルネクス・ドイツ(Allnex,Germany GmbH)から市販されているAlnovol PN 320(フェノール-ホルムアルデヒドのノボラック型樹脂の黄色のペレット又は薄片)、及び両親媒性種の混合物を表2に示す割合で反応容器に導入したこと以外は、実施例1を実施した。この反応容器及び内容物を、混合せずに又は静置時間なしに900℃に加熱し、その温度で3時間維持した。マクロ細孔材料を含めて、多孔質材料が首尾よく得られた。
【0218】
実施例3
Askofen 779 W 50の代わりのスミトモ・コーポレーション(Sumitomo Corporation)から市販されているPenacolite R2170(レゾルシノール-ホルムアルデヒドのノボラック型樹脂の固形分含有量75%の水性の赤色液体)、及び両親媒性種の混合物を表3に示す割合で反応容器に導入したこと以外は、実施例1を実施した。この反応容器及び内容物を、混合せずに又は静置時間なしに900℃に加熱し、その温度で3時間維持した。マクロ細孔材料を含めて、多孔質材料が首尾よく得られた。
【0219】
実施例4
単独又はAskofen 779 W 50に加えてのスミトモ・コーポレーション(Sumitomo Corporation)から市販されているPenacolite R2170(レゾルシノール-ホルムアルデヒドのノボラック型樹脂の固形分含有量75%の水性の赤色液体)、架橋剤としてのヘキサメチレンテトラミン(HMTA)、及び両親媒性種の混合物を表3に示す割合で反応容器に導入したこと以外は、実施例1を実施した。この反応容器及び内容物を、混合せずに又は静置時間なしに900℃に加熱し、その温度で3時間維持した。マクロ細孔材料を含めて、多孔質材料が首尾よく得られた。
【0220】
比較例1
Askofen 779 W 50の代わりのASK Chemicals GmbHから市販されているAskofen 295 E 60(フェノールレゾール型樹脂の固形分含有量60%の赤色有機液体)、及び両親媒性種の混合物を表4に示す割合で反応容器に導入したこと以外は、実施例1を実施した。この反応容器及び内容物を、混合せずに又は静置時間なしに900℃に加熱し、その温度で3時間維持した。多孔質材料は首尾よくは得られなかった。
【0221】
比較例2
Penacolite R2170ノボラック樹脂と組み合わせた、Askofen 779 W 50の代わりのASK Chemicals GmbHから市販されているAskofen 295 E 60(フェノールレゾール型樹脂の固形分含有量60%の赤色有機液体)、及び両親媒性種の混合物を表3に示す割合で反応容器に導入したこと以外は、実施例1を実施した。この反応容器及び内容物を、混合せずに又は静置時間なしに900℃に加熱し、その温度で3時間維持した。多孔質材料は首尾よくは得られなかった。
【0222】
カーボンブラック材料(比較)
鉛蓄電池における水素発生試験及び動的電荷受容性試験を、オリオン・エンジニアド・カーボンズ(Orion Engineered Carbons)から入手できるLamp Black 101(LB 101)カーボンブラックを使用して行った。このカーボンブラックは、95nmのd50及び29m2/gのBET(NSA)値を有していた。結果を表6に示す。
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
実施例5
表1中の材料1~5と標識した処方に従って材料を調製した。得られた多孔質炭素材料をサイズ変更して、表6中の例X1~X7について与えられた粒子サイズd50を有する粒子を得た。電荷受容性Id及び-1.5Vで測定した水素発生電流IHERを、本明細書中に記載した試験方法に従って決定した。粒子分粒を以下のとおり実施した。
【0231】
10μm未満のd50を有する粒子について
上記材料を最大直径5mmの粒子へと機械的に粉砕するための乳鉢及び乳棒を用いてこの材料を砕くことにより、粗粉末を得る。次いで、この粗粉末を、ホソカワアルピネ(Hosokawa Alpine AG)製のターボプレックス(turboplex)分級機(直径50mm、Al2O3材料)及びAlpine Fluidised Bed Opposed Jet Mill 100 AFGを備えるAlpineマルチプロセシングシステム50 ATPを使用して目的のサイズへと処理する。このマルチプロセシングシステムは、サイクロン(GAZ 120)及びフィルターを備える。ミルの空気ジェットで使用する窒素ガスは6barの圧力を有し、材料の供給速度は、1kg/時間である。シフタ(篩)速度は16000rpmである。集めた材料は、サイクロン画分である。粒子サイズは、本明細書に記載される方法を使用して測定する。
【0232】
10μm超のd50を有する粒子について
上記材料を最大直径10mmの粒子へと機械的に粉砕するための乳鉢及び乳棒を用いてこの材料を砕くことにより、粗粉末を得る。次いで、この粗粉末を、酸化ジルコニウムの500mLの粉砕ジャー(「コンフォート」タイプ)、及び各々が20mmの直径を有し酸化ジルコニウム(イットリウム安定化)製の10個の粉砕ボールを備えるレッチェ(Retsch GmbH)製のPM-400ミル等の遊星ボールミルを使用して処理する。ミリングポットに40mLの上記粗粉末を充填する。遊星ボールミルを、以下のパラメータを使用して「マニュアルモード」で運転する。
【0233】
【0234】
ふるい分け工程において第1メッシュサイズを使用することにより、ビーズミルを上記材料から取り除く。材料中のサイズを超える粒子は、その後、与えられたメッシュサイズを用いる第2ふるい分け工程により取り除かれる。両方のふるい分け工程は、ともに直径200mm及び高さ50mmを有する底部収集皿の上に置いたふるいを用いて手作業で行う。材料及びボールを適切な1.6mmふるいの上に置き、材料が収集皿に集められるまで、回転するようにゆっくりと振盪する。材料を収集皿から別の容器に移し、ふるいを与えられたより小さいメッシュサイズに変え、材料を再びふるいの上に置き、回転するようにゆっくりと振盪する。所望の材料を収集皿から集め、粒子サイズを本明細書に記載される方法を使用して測定する。
【0235】
鉛蓄電池試験
負極用のペーストを、表5に与えられた配合を用いて、J.Setteleinらによる論文(Journal of Energy Storage 15(2018) 196-204)に記載された方法に従って調製した。2Vの実験室試験用電池を、同じ参考文献にある手順に従って調製した。
【0236】
【0237】
電池の構築後、化成サイクルも同じ参考文献に記載されている手順に従って行った。Ag/Ag2SO4基準の-1.5Vでの電流は、水素発生反応についての指標、従って最終の電池における水損失についての指標を与える。水素発生反応の測定は、J.Setteleinらによる論文(Journal of Energy Storage 15(2018) 196-204)に記載されているように行った。
【0238】
DCA試験プロトコルは、qDCAプロトコルに従うEN-Norm 50342-6:2015から改変し、同じ参考文献に記載されている方法に従って行った。EN-Norm 50342-6における電圧は、2V電池に適切なように1/6倍に縮小し、電流を1Ah試験電池仕様に下げた。表6に示す値は、上記参考文献に記載されているように放電後の充電電流Idである。
【0239】
【符号の説明】
【0240】
参照符号の一覧
100 多孔質炭素材料の調製方法
101 炭素供給源
102 両親媒性種
103 他の構成成分
104 接触工程
105 前駆体
106 加熱工程
107 多孔質炭素材料