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特許7002678電池カバープレートアセンブリ、単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】電池カバープレートアセンブリ、単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/15 20210101AFI20220113BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20220113BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20220113BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20220113BHJP
   H01M 50/578 20210101ALI20220113BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/342 101
H01M50/55 101
H01M50/578
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020558981
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2019082302
(87)【国際公開番号】W WO2019205951
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】201810368473.5
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼文▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼彦初
(72)【発明者】
【氏名】公緒斌
(72)【発明者】
【氏名】唐俊
【審査官】近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-191355(JP,A)
【文献】特開2016-162621(JP,A)
【文献】特開2001-084880(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0074486(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0091584(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/15
H01M 50/176
H01M 50/342
H01M 50/55
H01M 50/578
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池カバープレートアセンブリ(103)であって、カバープレート(1)、第1の極柱(2)、第2の極柱(103a)、反転部材(5)、切り込み部材(6)及び第1の導電部材(7)を含み、
前記第1の極柱(2)は、前記カバープレート(1)に電気的に接続され、
前記第2の極柱は、上部極柱(3)及び下部極柱(4)を含み、前記上部極柱(3)及び前記下部極柱(4)は、互いに離れて配置され、いずれも前記カバープレート(1)に絶縁された状態で固定され、かつ、前記下部極柱(4)は、セル(102)に電気的に接続され、
前記第1の導電部材(7)は、前記上部極柱(3)に電気的に接続され、
前記切り込み部材(6)は、その上の切り込み(62)により、第1の切り込み部材(61)と第2の切り込み部材(63)に分けられ、前記第1の切り込み部材(61)は、前記第1の導電部材(7)に電気的に接続され、前記第2の切り込み部材(63)は前記下部極柱(4)に電気的に接続され、
前記カバープレート(1)は、カバープレート本体(11)を含み、
前記反転部材(5)は、前記カバープレート本体(11)に設けられ、かつ電池の内部のガスと連通し、
電池カバープレートアセンブリ(103)は、伸縮アセンブリ(103b)をさらに含み、前記伸縮アセンブリ(103b)は、絶縁柱(8)とスリーブ(200)とを含み、前記絶縁柱(8)は、前記スリーブ(200)の中で移動可能な状態で嵌めあわされており、前記絶縁柱(8)の一端が前記反転部材(5)と前記第1の導電部材(7)のうちの一方に接続され、前記スリーブ(200)の一端が前記反転部材(5)と前記第1の導電部材(7)のうちの他方に接続され、
前記反転部材(5)は、電池内部のガス圧の作用で反転し、前記伸縮アセンブリにより前記第1の導電部材(7)を移動させるようにプッシュして前記切り込み(62)を引き裂くことにより、前記上部極柱(3)と前記下部極柱(4)との間の電気的な接続を切断するように配置されている、
電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項2】
前記絶縁柱(8)の一端が前記反転部材(5)に接続され、前記スリーブ(200)の一端が前記第1の導電部材(7)に接続される、
請求項1に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項3】
前記絶縁柱(8)は、段付き軸状であり、かつ大径部(81)及び小径部(83)を含み、前記大径部(81)と前記小径部(83)との間には、段差面(82)が形成され、前記小径部(83)が前記スリーブ(200)内に摺動可能に嵌合され、前記大径部(81)が前記反転部材(5)又は前記第1の導電部材(7)に接続され、前記段差面(82)が前記スリーブ(200)の端面と接触すると、前記第1の導電部材(7)が動き始める、
請求項1又は2に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項4】
前記反転部材(5)に溝構造(52)が設けられ、前記絶縁柱(8)の下端部が前記溝構造(52)内に嵌合されている、
請求項2に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項5】
前記カバープレート(1)は、第2の導電部材(12)をさらに含み、
前記上部極柱(3)は、前記第2の導電部材(12)に絶縁固定され、前記第2の導電部材(12)は、前記カバープレート本体(11)に電気的に接続され、前記下部極柱(4)は、前記カバープレート本体(11)に絶縁固定され、前記第1の導電部材(7)は、前記反転部材(5)の駆動により移動して前記第2の導電部材(12)と接触して電気的な接続を形成することができる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項6】
前記第2の導電部材(12)は、前記下部極柱(4)、前記反転部材(5)、前記切り込み部材(6)、前記第1の導電部材(7)及び前記伸縮アセンブリにカバーして設けられた保護カバーとして形成されている、
請求項5に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項7】
前記第2の導電部材(12)は、トッププレート(121)と、前記トッププレート(121)の縁部から下向きに延びる側壁プレート(122)とを含み、前記上部極柱(3)が前記トッププレート(121)に絶縁された状態で埋め込まれ、前記側壁プレート(122)の下端が前記カバープレート本体(11)に電気的に接続されており、
記第1の導電部材(7)は、前記反転部材(5)の駆動により移動して前記トッププレート(121)と接触するように配置されている、
請求項6に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項8】
前記第1の導電部材(7)には、前記第2の導電部材(12)と接触するための第1の突起(71)が形成されており、
前記第1の突起(71)の頂面(711)は、前記第1の突起(71)と前記第2の導電部材(12)とが面接触可能となるように傾斜面として形成されている、
請求項5~7のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項9】
前記頂面(711)の傾斜角度の範囲が5°~20°である、
請求項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項10】
前記第1の突起(71)は、前記絶縁柱(8)と同軸に配置されている、
請求項8または9に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項11】
前記第1の導電部材(7)は、本体部(72)と、取付部(73)とを含み、
前記取付部(73)は、前記上部極柱(3)に電気的に接続され、前記本体部(72)は、長尺状構造として形成され、前記本体部(72)の一端が前記スリーブ(200)又は前記絶縁柱(8)に接続され、前記本体部(72)の他端が前記取付部(73)に可撓接続され、前記本体部(72)の中部が前記第1の切り込み部材(61)に電気的に接続される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項12】
前記第1の導電部材(7)は、一体型導電シートであり、
前記第1の導電部材(7)は、さらに、中間部(74)を含み、前記中間部(74)は、前記本体部(72)と前記取付部(73)との間に形成され、前記中間部(74)の厚さが前記本体部(72)と前記取付部(73)の厚さよりも小さい、
請求項11に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項13】
前記本体部(72)は、前記取付部(73)に平行であり、前記中間部(74)は、前記本体部(72)及び前記取付部(73)に垂直であり、前記本体部(72)及び前記取付部(73)は、前記中間部(74)の同じ側に位置し、前記本体部(72)の長さは、前記取付部(73)の長さより大きい、
請求項12に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項14】
前記カバープレート本体(11)には、電池内部のガスと連通する貫通孔(111)が配置され、前記反転部材(5)は、前記貫通孔(111)を覆っている、
請求項1~13のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項15】
前記第1の切り込み部材(61)には、前記第1の導電部材(7)に電気的に接続される第2の突起(611)が形成されており、
前記切り込み(62)は、前記第2の突起(611)を囲んで設けられている、
請求項1~14に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項16】
前記切り込み(62)は、楕円形に形成されている、
請求項15に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項17】
前記切り込み部材(6)は、前記下部極柱(4)の上端に支持され、
前記上部極柱(3)と前記下部極柱(4)とが同軸でな
前記下部極柱(4)の上端は、前記切り込み部材(6)を支持する環状の窪み(41)を形成し、前記切り込み部材(6)の外周縁は、前記環状の窪み(41)の内周縁に嵌めあわされて固定されている、
請求項1~16のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)。
【請求項18】
電池ケース(101)と、該電池ケース(101)内に収容されたセル(102)とを含む単電池(100)であって、
請求項1~17のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)をさらに含み、
前記カバープレート(1)は、前記電池ケース(101)を封止し、前記下部極柱(4)と前記セル(102)とは、インナーリード(104)により電気的に接続される、
単電池(100)。
【請求項19】
パック本体(401)と、該パック本体(401)内に設けられる電池モジュール(300)とを含む動力電池であって、電池モジュール(300)は、複数の単電池(100)と、複数のコネクタ(301)とを含み、前記コネクタの一端は、1の前記単電池(100)の第1の極柱(2)に電気的に接続され、前記コネクタの他端は、別の前記単電池(100)の第2の極柱の上部極柱(3)に電気的に接続され、
前記単電池(100)は、電池ケース(101)と、該電池ケース(101)内に収容されたセル(102)とを含み、
前記単電池(100)は、さらに、請求項1~17のいずれか1項に記載の電池カバープレートアセンブリ(103)を含み、
前記カバープレート(1)は、前記電池ケース(101)を封止するように配置され、前記下部極柱(4)と前記セル(102)とは、インナーリード(104)により電気的に接続されている、
動力電池(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2018年4月23日に提出された中国特許出願第201810368473.5号に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の分野に関し、具体的には、電池カバープレートアセンブリ、該電池カバープレートアセンブリを含む単電池、該単電池を含む電池モジュール、該電池モジュールを含む動力電池及び該動力電池を含む電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電池は、エネルギー貯蔵ユニットとして、各業種にいずれも重要な作用を有しており、例えば、動力電池が新エネルギー自動車などの分野に広く用いられ、充放電の動作を実現するように、動力電池の電池パック内に、複数の単電池が互いに直列接続されるか又は並列接続される電池モジュールを有してよい。動力電池は、充放電過程において、一般的にBMS(電池管理システム)によって電圧及び電流の変化を監視し、かつ充電状態を計算する。電圧サンプリングに問題が生じると、電池が過充電となり、特に三元系にとって過充電がある程度になると、電池が燃焼して爆発するおそれがある。
【0004】
従来の技術手段では、電池の電圧及び電流を監視し、電流積算法及び開放電圧法により電池残量を計算して、電池の充放電の管理を制御する。しかし、欠点があり、例えば、電池の電圧サンプリング又は電流サンプリングの故障又はソフトウェアの故障により、電池が長時間充電されて制御されていないようになり、特に充電スポットで充電する場合、充電スポットと電池マネージャとが通信不能になると、過充電が制御できなくなり、電池がある程度に充電されて電池膨れ、ひいては爆発、発火を引き起こす。
【0005】
上記問題に対して、従来技術で用いられる遮断手段及び短絡保護手段は、それぞれ以下のとおりである。
【0006】
遮断手段では、電池内部の気圧により反転部材を反転するようにプッシュし、接続される切り込み部材を引き裂くことにより、セルと極柱を切断してセルを保護することを実現する。しかし、このような手段に欠点が存在し、セルが切断された後に、回路全体が切断されるため、電池パック及びモジュールの作動が停止し、純電気自動車が瞬間的に動力出力を失ってしまう可能性があり、安全リスクがあるからであり、短絡手段では、電池内部の気圧によって反転部材を反転するようにプッシュすることにより正負極が短絡して、セル内部に設けられたヒューズが溶断することにより、回路を切断してセルを保護するが、該手段では、セル内部に設けられたヒューズが溶断する場合、大量の熱が生じるため、電解液などが気化したり、他の異常が発生したりしてセル内部の異常変化が急峻となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、電池に異常が生じた場合に、セルと外部回路との電気的な接続を切断し、電池のさらなる熱暴走による膨れ、ひいては爆発、発火を防止できる電池カバープレートアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示に係る電池カバープレートアセンブリは、カバープレート、第1の極柱、第2の極柱、反転部材、切り込み部材及び第1の導電部材を含み、前記第1の極柱は、前記カバープレートに電気的に接続され、前記第2の極柱は、間隔をおいて設けられた上部極柱及び下部極柱を含み、前記上部極柱及び前記下部極柱は、いずれも前記カバープレートに絶縁固定され、かつ前記下部極柱は、セルに電気的に接続され、前記第1の導電部材は、前記上部極柱に電気的に接続され、前記切り込み部材は、その上の切り込みにより、前記第1の導電部材に電気的に接続される第1の切り込み部材と、前記下部極柱に電気的に接続される第2の切り込み部材に分けられ、前記カバープレートは、カバープレート本体を含み、前記反転部材は、前記カバープレート本体に設けられ、かつ電池の内部ガスと連通し、前記電池カバープレートアセンブリは、摺動可能に嵌設された絶縁柱及びスリーブを含む伸縮アセンブリをさらに含み、前記絶縁柱の一端が前記反転部材と前記第1の導電部材のうちの一方に接続され、前記スリーブの一端が前記反転部材と前記第1の導電部材のうちの他方に接続され、前記反転部材は、電池内部の気圧の作用で反転し、前記伸縮アセンブリにより前記第1の導電部材を移動させるようにプッシュして前記切り込みを引き裂くことにより、前記上部極柱と前記下部極柱との間の電気的な接続を切断することができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記絶縁柱の一端が前記反転部材に接続され、前記スリーブの一端が前記第1の導電部材に接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記絶縁柱は、段付き軸状であり、かつ大径部及び小径部を含み、前記大径部と前記小径部との間には、段差面が形成され、前記小径部が前記スリーブ内に摺動可能に嵌合され、前記大径部が前記反転部材又は前記第1の導電部材に接続され、前記段差面が前記スリーブの端面と接触すると、前記第1の導電部材が運動し始める。
【0011】
いくつかの実施例では、前記反転部材に溝構造が設けられ、前記絶縁柱の下端部が前記溝構造内に嵌合されている。
【0012】
いくつかの実施例では、前記カバープレートは、第2の導電部材をさらに含み、前記上部極柱は、前記第2の導電部材に絶縁固定され、前記第2の導電部材は、前記カバープレート本体に電気的に接続され、前記下部極柱は、前記カバープレート本体に絶縁固定され、前記第1の導電部材は、前記反転部材の駆動により移動して前記第2の導電部材と接触して電気的な接続を形成することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第2の導電部材は、前記下部極柱、前記反転部材、前記切り込み部材、前記第1の導電部材及び前記伸縮アセンブリにカバーして設けられた保護カバーとして形成されている。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第2の導電部材は、トッププレートと、前記トッププレートの縁部から下向きに延びる側壁プレートとを含み、前記上部極柱が前記トッププレートに絶縁嵌設され、前記側壁プレートの下端が前記カバープレート本体に電気的に接続されている。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1の導電部材は、前記反転部材の駆動により移動して前記トッププレートと接触することができる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第1の導電部材には、前記第2の導電部材と接触するための第1の突起が形成されている。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1の突起の頂面は、前記第1の突起と前記第2の導電部材とが面接触可能となるように傾斜面として形成されている。
【0018】
いくつかの実施例では、前記頂面の傾斜角度の範囲が5°~20°である。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第1の突起は、前記絶縁柱と同軸に設けられる。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の導電部材は、長尺状構造として形成される本体部と、前記上部極柱に電気的に接続される取付部とを含み、前記本体部の一端が前記スリーブ又は前記絶縁柱に接続され、前記本体部の他端が前記取付部に可撓接続され、前記本体部の中部が前記第1の切り込み部材に電気的に接続される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記第1の導電部材は、一体型導電シートであり、厚さが前記本体部と前記取付部の厚さよりも小さく、前記本体部と前記取付部との間に形成された中間部をさらに含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記本体部は、前記取付部に平行であり、前記中間部は、前記本体部及び前記取付部に垂直であり、前記本体部及び前記取付部は、前記中間部の同じ側に位置し、前記本体部の長さは、前記取付部の長さより大きい。
【0023】
いくつかの実施例では、前記カバープレート本体には、電池内部のガスと連通する貫通孔が形成され、前記反転部材は、前記貫通孔を覆っている。
【0024】
いくつかの実施例では、前記第1の切り込み部材には、前記第1の導電部材に電気的に接続される第2の突起が形成されている。
【0025】
いくつかの実施例では、前記切り込みは、前記第2の突起を囲んで設けられている。
【0026】
いくつかの実施例では、前記切り込みは、楕円形として形成されている。
【0027】
いくつかの実施例では、前記切り込み部材は、前記下部極柱の上端に支持され、前記上部極柱と前記下部極柱とが同軸でない。
【0028】
いくつかの実施例では、前記下部極柱の上端は、前記切り込み部材を支持する環状の窪みを形成し、前記切り込み部材の外周縁は、前記環状の窪みの内周縁に嵌合固定されている。
【0029】
上記技術手段により、電池に、例えば過充電などの異常状況が発生した場合、電池の温度が上昇し、内部の気圧が増大するため、反転部材が電池内部の気圧作用で反転して切り込みを引き裂くことにより、セルと外部回路との電気的な接続を切断し、電池の更なる熱暴走による爆発、発火を防止することができる。
【0030】
また、スリーブと絶縁柱との間が互いに嵌着され、相対移動可能であるため、電池内部の気圧が低い場合、反転部材が絶縁柱とスリーブとを接近移動させるように駆動し、この移動過程において、第1の導電部材と切り込み部材とがいずれも自然状態にあり、力を受けず、電池内部の気圧が一定の値まで上昇した場合にのみ、伸縮アセンブリが最小限に押圧されてこそ、第1の導電部材が力を受け始め、気圧が上昇し続けると、第1の導電部材が変形して、切り込み部材上の切り込みが引き裂かれる。即ち、本開示では、伸縮アセンブリを設けることにより、反転部材が一定距離のアイドルストロークを有し、電池内部の気圧が低い場合、反転部材の移動距離が該アイドルストローク内に制限され、該過程において、切り込み部材が力を受けず、気圧が所定の値まで上昇した後にのみ、切り込み部材が力を受け始める。したがって、切り込み部材が長期に亘って受力状態にあることにより実際の引き裂き力が設計値よりも低くなり、ひいては早期に故障してしまう状況を回避し、切り込み部材の耐用年数を延長し、電池の安全性を保証することができる。
【0031】
本開示の別の態様に係る、電池ケースと、該電池ケース内に収容されたセルとを含む単電池は、上記電池カバープレートアセンブリをさらに含み、前記カバープレートは、前記電池ケースを封止し、前記下部極柱と前記セルとは、インナーリードにより電気的に接続される。
【0032】
本開示の別の態様に係る電池モジュールは、複数の上記単電池と、一端が1つの前記単電池の第1の極柱に電気的に接続され、他端が別の前記単電池の第2の極柱の上部極柱に電気的に接続される複数の接続シートとを含む。
【0033】
本開示の別の態様に係る動力電池は、パック本体と、該パック本体内に設けられる電池モジュールとを含み、前記電池モジュールが上記電池モジュールである。
【0034】
本開示の別の態様に係る電気自動車は、上記動力電池を含む。
【0035】
本開示の他の特徴及び利点については、具体的な実施形態において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本開示の一実施形態に係る動力電池の一部の分解立体概略図である。
図2】本開示の一実施形態に係る電池カバープレートアセンブリの概略断面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る電池カバープレートアセンブリの概略断面図であり、第1の極柱が図示されていない。
図4図3におけるA部の拡大概略図である。
図5図3におけるB部の拡大概略図である。
図6】本開示の一実施形態における単電池の概略断面図である。
図7】本開示の一実施形態における電気自動車の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで記述した具体的な実施形態は、本開示を説明し解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0038】
本開示では、逆に説明しない場合に、使用される「上、下、左、右」のような方位詞は、一般的には、対応する図面の図面方向を基準として定義され、「内、外」とは、対応する部材輪郭の内と外を意味する。
【0039】
図1図5に示すように、本開示に係る電池カバープレートアセンブリ103は、カバープレート1、第1の極柱2、第2の極柱103a、反転部材5、切り込み部材6及び第1の導電部材7を含む。第1の極柱2は、カバープレート1に電気的に接続される。第2の極柱103aは、間隔をおいて設けられた上部極柱3及び下部極柱4を含む。上部極柱3及び下部極柱4は、いずれもカバープレート1に絶縁固定され、かつ下部極柱4は、セル102に電気的に接続される。第1の導電部材7は、上部極柱3に電気的に接続される。切り込み部材6は、その上の切り込み62により、第1の導電部材7に電気的に接続される第1の切り込み部材61と、下部極柱4に電気的に接続される第2の切り込み部材63に分けられる。カバープレート1は、カバープレート本体11を含む。反転部材5は、カバープレート本体11に設けられ、かつ電池内部のガスと連通する。該電池カバープレートアセンブリ103は、摺動可能に嵌設された絶縁柱8及びスリーブ200を含む伸縮アセンブリ103bをさらに含む。絶縁柱8の一端が反転部材5と第1の導電部材7のうちの一方に接続され、スリーブ200の一端が反転部材5と第1の導電部材7のうちの他方に接続される。反転部材5は、電池内部の気圧の作用で反転し、伸縮アセンブリ103bにより第1の導電部材7を移動させるようにプッシュして切り込み62を引き裂くことにより、上部極柱3と下部極柱4との間の電気的な接続を切断することができる。
【0040】
第1の極柱2と第2の極柱103aのうちの一方は、正極柱であり、他方は、負極柱であり、好ましくは、第1の極柱2は、正極柱であり、第2の極柱103aは、負極柱であり、カバープレート1は、第1の極柱2と直接電気的に導通している。正常な状況では、第1の極柱2及び第2の極柱103aは、単電池100の充放電動作を完了するように電流の入出力を行い、異常状態では、例えば、電池に過充電が発生する場合、反転部材5などの関連部材は、速やかに応答して、第2の極柱103aを構成する上部極柱3と下部極柱4との間の電気的な接続を切断することにより、電池の電流入力及び電流出力を遮断し、遮断保護作用を果たす。
【0041】
上記技術手段により、電池に、例えば過充電などの異常状況が発生した場合、電池の温度が上昇し、内部の気圧が増大するため、反転部材5が電池内部の気圧作用で反転して切り込み62を引き裂くことにより、セル102と外部回路との電気的な接続を切断し、電池の更なる熱暴走による爆発、発火を防止することができる。また、スリーブ200と絶縁柱8との間が互いに嵌着され、相対移動可能であるため、電池内部の気圧が低い場合、切り込み部材6が力を受けず、切り込み部材6の疲労破壊を防止する。
【0042】
以下、図3を参照しながら、本開示における切り込み部材6に対する保護原理を詳細に説明する。
【0043】
図3に示す実施形態では、絶縁柱8の一端が反転部材5に接続され、スリーブ200の一端が第1の導電部材7に接続される。電池内部の気圧が低い場合、絶縁柱8が反転部材5に伴って上向きに移動し、スリーブ200が動かず、この移動過程において、第1の導電部材7と切り込み部材6とがいずれも自然状態にあり、力を受けず、電池内部の気圧が所定の値まで上昇した場合にのみ、伸縮アセンブリ103bが最小の長さまで圧縮され、第1の導電部材7が力を受け始め、気圧が上昇し続け、絶縁柱8が反転部材5に伴って上向きに移動するとともにスリーブ200を上向きに移動させるようにプッシュすることにより、第1の導電部材7が変形し、切り込み部材6上の切り込み62が引き裂かれる。
【0044】
即ち、本開示では、伸縮アセンブリ103bを設けることにより、反転部材5が一定距離のアイドルストロークを有し、電池内部の気圧が低い場合、反転部材5の移動距離が該アイドルストローク内に制限されるため、該過程において、切り込み部材6が力を受けず、気圧が所定の値まで上昇した場合にのみ、切り込み部材6が力を受け始める。したがって、切り込み部材6が長期に亘って受力状態にあることにより実際の切り込みの引き裂き力が設計値よりも低くなり、ひいては早期に故障してしまう状況を回避し、切り込み部材6の耐用年数を延長し、電池の安全性を保証することができる。
【0045】
本開示では、スリーブ200を第1の導電部材7に接続し、絶縁柱8を反転部材5に接続してもよく、スリーブ200を反転部材5に接続し、絶縁柱8を第1の導電部材7に接続してもよい。一実施形態では、図3に示すように、絶縁柱8の一端(下端)が反転部材5に接続され、スリーブ200の一端(上端)が第1の導電部材7に接続されている。絶縁柱8の上端は、自由端として形成され、スリーブ200の軸線に沿って上下に摺動することができる。
【0046】
絶縁柱8は、任意の適切な構造及び形状に形成されてよい。一実施形態では、図3及び図4に示すように、絶縁柱8は、段付き軸状であり、かつ大径部81及び小径部83を含み、大径部81と小径部83との間には、段差面82が形成され、小径部83がスリーブ200内に摺動可能に嵌合され、大径部81が反転部材5又は第1の導電部材7に接続される。
【0047】
このように、段差面82がスリーブ200の端面(図4に示すスリーブ200の下端面)と接触する場合、伸縮アセンブリ103bが最小の長さであり、第1の導電部材7が力を受け始め、この場合、絶縁柱8が上向きに移動すれば、スリーブ200を上向きに移動させるようにプッシュして切り込み62を引き裂く。スリーブ200が金属材質である場合で、絶縁柱8に段差面82を設定することにより、スリーブ200と反転部材5との接触による第1の導電部材7と反転部材5との電気的な導通を回避することができる。また、大径部81を反転部材5に接続することは、絶縁柱8を反転部材5に安定して取り付けることに役立つ。
【0048】
さらに、図4に示すように、反転部材5には溝構造52が設けられており、絶縁柱8の下端部は、溝構造52に嵌合されて、絶縁柱8と反転部材5との接続の信頼性を向上させる。他の実施形態では、絶縁柱8と反転部材5とが一体成形されてよく、同様に、スリーブ200が第1の導電部材7に一体成形されてよい。
【0049】
本開示では、図2及び図3に示すように、カバープレート1は、第2の導電部材12をさらに含み、上部極柱3は、第2の導電部材12に絶縁固定され、第2の導電部材12は、カバープレート本体11に電気的に接続され、下部極柱4は、カバープレート本体11に絶縁固定され、第1の導電部材7は、反転部材5の駆動により移動して第2の導電部材12と接触して電気的な接続を形成することができる。
【0050】
電池内部に異常が発生すると、反転部材5は、絶縁柱8又はスリーブ200により第1の導電部材7をプッシュし、反転部材5が電池内部の気圧の作用で切り込み62を引き裂くと、上部極柱3と下部極柱4との電気的な接続が切断され、反転部材5がさらに反転すると、第1の導電部材7を移動させるように駆動して第1の導電部材7と第2の導電部材12とを接触させることにより、上部極柱3とカバープレート1とを導通させる。このように、上部極柱3は、カバープレート1を介して第1の極柱2と直接導通して、単電池100の正負極を短絡接続させることにより、回路全体において一部の導線として、動力電池全体の回路が急に切断されてしまうことを回避し、自動車の安全性を向上させる。
【0051】
電池の動作の信頼性を保証し、意図しない衝突又は外界環境の腐食により、切り込み部材6、反転部材5などが破損して故障してしまうことを回避するするために、一実施形態では、図3に示すように、第2の導電部材12は、下部極柱4、反転部材5、切り込み部材6、第1の導電部材7及び伸縮アセンブリ103bにカバーして設けられた保護カバーとして形成されてよく、上記部材に対する確実な保護作用を果たし、特に、切り込み部材6に対する効果的な保護を果たす。
【0052】
第2の導電部材12は、任意の適切な構造及び形状を有してよい。一実施形態では、図3に示すように、第2の導電部材12は、トッププレート121と、トッププレート121の縁部から下向きに延びる側壁プレート122とを含んでよく、上部極柱3がトッププレート121に絶縁嵌設され、側壁プレート122の下端がカバープレート本体11に電気的に接続されている。好ましくは、第2の導電部材12は、円筒状に形成されてよく、加工を容易にし単電池100の構造の美しさを向上させる。
【0053】
本実施形態では、第1の導電部材7は、反転部材5の駆動により上向きに移動してトッププレート121と接触して、上部極柱3と第1の極柱2とを短絡導通させることができる。
【0054】
本開示では、図3に示すように、第1の導電部材7には、第2の導電部材12と接触するための第1の突起71が形成されている。さらに、第1の突起71の頂面711は、第1の突起71が持ち上げられた後に第2の導電部材12と面接触可能となるように傾斜面として形成されてよい。具体的には、図3に示すように、第1の導電部材7が第2の導電部材12に向かって移動すると、頂面711とトッププレート121の底部とが面接触可能となる。このような方式によれば、第1の導電部材7と第2の導電部材12との間の電気的な接続の信頼性を向上させることができる一方、線接触又は点接触に比べて、面接触が電気抵抗の低減に役立つ。
【0055】
電池カバープレートアセンブリ103の各部材のサイズ、配置位置などの要因を総合的に考慮すると、好ましくは、頂面711の傾斜角度の範囲は、5°~20°であってよい。
【0056】
さらに、図3に示すように、第1の突起71は、絶縁柱8と同軸に設けられてよく、第1の導電部材7と第2の導電部材12とがタイムリーに接触することをさらに保証する。
【0057】
本開示では、第1の導電部材7は、任意の適切な構造及び形状を有してよい。一実施形態では、図3に示すように、第1の導電部材7は、第1の導電部材7と第2の導電部材12との接触を容易にするために長尺状構造として形成されてよい本体部72と、上部極柱3に電気的に接続される取付部73とを含み、本体部72の一端がスリーブ200又は絶縁柱8に接続され、本体部72の他端が取付部73に可撓接続され、本体部72の中部が第1の切り込み部材61に電気的に接続される。
【0058】
本体部72の一端が取付部73に可撓接続されているため、反転部材5が電池内部の気圧の作用で反転すると、本体部72は、取付部73との接続点を支点として回転する(即ち、本体部72がテコ運動をする)。本体部72の中間部が第1の切り込み部材61に電気的に接続され、即ち、本体部72と第1の切り込み部材61との接続点が、本体部72とスリーブ200又は絶縁柱8との接続点と、本体部72と取付部73との接続点(即ち、テコの支点)との間に位置するため、本体部72と第1の切り込み部材61との接続点と、本体部72と取付部73との接続点との間の距離L1は、本体部72とスリーブ200又は絶縁柱8との接続点と、本体部72と取付部73との接続点との間の距離L2より小さく、即ち、L1<L2であることにより、反転部材5が第1の導電部材7を移動させるように駆動するときに長いモーメントアームを有し、テコの原理を利用して、切り込み62を引き裂くことに必要な力を大幅に低減することにより、サイズがより小さい電池に適合するように反転部材5のサイズを減少させ、該電池カバープレートアセンブリ103の汎用性を向上させる一方、電池カバープレートアセンブリ103が電流を遮断する動作の感度を向上させることができる。
【0059】
また、本体部72と取付部73との間が可撓接続されることにより、本体部72を上向きに回転するように駆動することに必要な力を減少させ、遮断保護及び短絡保護の感度及び信頼性を向上させる一方で、第1の導電部材7が上部極柱3に印加する力を減少させ、上部極柱3と第2の導電部材12との接続箇所における構造の安定性に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0060】
本開示では、本体部72と取付部73とは、任意の適切な形態で、可撓接続されてよい。一実施形態では、図3に示すように、第1の導電部材7は、一体型導電シートであり、厚さが本体部72と取付部73の厚さよりも小さく、本体部72と取付部73との間に形成された中間部74をさらに含む。このように、中間部74の強度を弱めることにより、本体部72を上向きに回転するように駆動することに必要な駆動力をさらに減少させる。また、中間部74を設けることにより、本体部72と上部極柱3とが一定の距離で離間して、本体部72が上向きに回転して第2の導電部材12と接触するときに上部極柱3を避けることができ、電池カバープレートアセンブリ103の構造の安定性をさらに保証する。
【0061】
加工の便宜上、一実施形態では、図3に示すように、本体部72は、取付部73に平行であり、中間部74は、本体部72及び取付部73に垂直であり、本体部72及び取付部73は、中間部74の同じ側に位置し、本体部72の長さは、取付部73の長さより大きい。
【0062】
別の代替的な実施形態では、本体部72の一端が取付部73とヒンジ接続されてよく、本体部72を上向きに回転するように駆動することに必要な力を大幅に低減する。
【0063】
本開示では、図3に示すように、カバープレート本体11には、電池内部のガスと連通する貫通孔111が形成され、反転部材5は、貫通孔111を覆っている。図2及び図3に示すように、一実施形態では、反転部材5は、底部プレートと、底部プレートの縁部から上向きに傾斜して延びる側壁と、側壁の上端から水平方向に沿って外向きに延びるフランジ51とを含み、フランジ51は、カバープレート本体11に当接する。溶接方式でフランジ51をカバープレート本体11に接続して、反転部材5が反転過程においてカバープレート本体11から外れることを防止することにより、電池の遮断保護の信頼性を保証することができる。
【0064】
本実施形態では、反転部材5は、貫通孔111を封止して覆い、電池内部のガスが貫通孔111から溢れることを防止して、ガスの反転部材5に対する作用効果を保証することができる一方で、切り込み部材6は、反転部材5により電池内部と仕切られ、電池内部の電解液と切り込み部材6との接触を阻止し、電解液の腐食による切り込み部材6の故障のリスクを解消するだけでなく、電解液の汚染による部材間の沿面のリスクを低減することにより、関連部材の使用中の信頼性を向上させることができる。
【0065】
また、図3及び図5に示すように、第1の切り込み部材61には、第2の突起611が形成されていてもよい。第2の突起611は、第1の導電部材7に電気的に接続されて、第1の導電部材7と第2の切り込み部材63との間に隙間を持たせて、遮断保護の信頼性を保証する。即ち、電池の遮断保護及び短絡連通過程において、第2の切り込み部材63と第1の導電部材7とが常に非接触状態にあることを保証することにより、該過程における上部極柱3と下部極柱4との電気的な導通を回避する。
【0066】
本開示では、下部極柱4と切り込み部材6とは、任意の適切な接続構造を用いることができる。一実施形態では、図3及び図5に示すように、切り込み部材6は、下部極柱4の上端に支持され、上部極柱3と下部極柱4とが同軸でない。具体的には、下部極柱4の上端は、切り込み部材6を支持する環状の窪み41を形成し、切り込み部材6は、円形状に形成され、切り込み部材6の外周縁は、溶接などの方式により環状の窪み41の内周縁に固定することができる。別の可能な実施形態では、上部極柱3と下部極柱4とが同軸であってよい。
【0067】
本開示では、切り込み62を容易に引き裂くために、切り込み62は、第2の突起611の周りに設けられてよく、さらに、楕円状に形成されてよい。このように、気圧の作用を受けると、輪郭の曲率が異なるため、切り込み62における曲率が大きい領域が集中応力によって大きな力を受けることになり、最初に引き裂かれて、切り込み62が引き裂かれる感度を高めることができる。
【0068】
本開示では、図3に示すように、電池カバープレートアセンブリ103は、第1の絶縁リング9及び第2の絶縁リング10をさらに含み、上部極柱3は、第1の絶縁リング9を介して第2の導電部材12に固定支持されてよく、下部極柱4は、第2の絶縁リング10を介してカバープレート本体11に固定支持されてよい。
【0069】
以下、図面を参照しながら本開示の一実施形態に係る電池カバープレートアセンブリ103による遮断保護及び短絡保護の動作原理及び過程を簡単に説明する。
【0070】
まず、電池内部の気圧により反転部材5を反転するようにプッシュし、反転部材5は、絶縁柱8をスリーブ200において上向きに摺動するように駆動し、絶縁柱8の段差面82がスリーブ200の下端面と接触すると、第1の導電部材7は、力を受け始め、上向きに運動して切り込み62を引き裂く。これにより、上部極柱3とセル102との電気的な接続を遮断する。
【0071】
次に、反転部材5は、さらに反転して、第1の導電部材7を上向きに移動させるように駆動して、第1の突起71の頂面711と第2の導電部材12とを接触導通させ、さらに、上部極柱3と第1の極柱2との短絡導通を実現する。
【0072】
図1に示すように、本開示の別の態様に係る、電池ケース101と、該電池ケース101内に収容されたセル102とを含む単電池100は、上記電池カバープレートアセンブリ103をさらに含み、カバープレート1は、電池ケース101を封止し、下部極柱4とセル102とは、インナーリード104により電気的に接続される。
【0073】
本開示の別の態様に係る電池モジュール300は、複数の単電池100と、一端が1つの単電池100の第1の極柱2に電気的に接続され、他端が別の単電池100の第2の極柱103aの上部極柱3に電気的に接続される複数のコネクタ301とを含む。
【0074】
本開示の別の態様に係る動力電池400は、パック本体401と、該パック本体401内に設けられる電池モジュール300とを含み、電池モジュール300が上記電池モジュール300である。
【0075】
本開示の別の態様に係る電気自動車500は、上記動力電池400を含む。
【0076】
以上、図面を参照しながら本開示の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記実施形態の具体的な内容に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の範囲内に、本開示の技術手段に対して複数の簡単な変更を行うことができ、これらの簡単な変更がいずれも本開示の保護範囲に属する。
【0077】
なお、上記具体的な実施形態に説明された各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合に、いずれの適当な方式によって組み合わせることができ、不要な重複を回避するために、本開示は、可能なあらゆる組み合わせ方式を別途に説明しない。
【0078】
また、本開示の様々な実施形態は、任意に組み合わせることができ、本開示の構想を逸脱しない限り、本開示に開示されている内容に属すべきである。
【符号の説明】
【0079】
1:カバープレート、11:カバープレート本体、111:貫通孔、12:第2の導電部材、121:トッププレート、122:側壁プレート、2:第1の極柱、3:上部極柱、4:下部極柱、41:環状の窪み、5:反転部材、51:フランジ、52:溝構造、6:切り込み部材、61:第1の切り込み部材、611:第2の突起、62:切り込み、63:第2の切り込み部材、7:第1の導電部材、71:第1の突起、711:頂面、72:本体部、73:取付部、74:中間部、8:絶縁柱、81:大径部、82:段差面、83:小径部、9:第1の絶縁リング、10:第2の絶縁リング、100:単電池、101:電池ケース、102:セル、103:電池カバープレートアセンブリ、103a:第2の極柱、103b:伸縮アセンブリ、104:インナーリード、200:スリーブ、300:電池モジュール、301:コネクタ、400:動力電池、401:パック本体、500:電気自動車、L1:本体部と第1の切り込み部材との接続点と、本体部と取付部との接続点との間の距離、L2:本体部とスリーブ又は絶縁柱との接続点と、本体部と取付部との接続点との間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7