IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 名古屋電機工業株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社光栄の特許一覧

特許7002710ディスプレイ方法およびディスプレイ装置
<>
  • 特許-ディスプレイ方法およびディスプレイ装置 図1
  • 特許-ディスプレイ方法およびディスプレイ装置 図2
  • 特許-ディスプレイ方法およびディスプレイ装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ディスプレイ方法およびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/02 20060101AFI20220113BHJP
   B05B 17/08 20060101ALI20220113BHJP
   G09F 9/37 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G09F19/02 M
B05B17/08
G09F9/37
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017162774
(22)【出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2019040102
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2019-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000243881
【氏名又は名称】名古屋電機工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391051773
【氏名又は名称】株式会社光栄
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100117466
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 渉
(72)【発明者】
【氏名】森崎 和裕
(72)【発明者】
【氏名】大塚 久就
(72)【発明者】
【氏名】田子 和利
(72)【発明者】
【氏名】阪上 丈一
(72)【発明者】
【氏名】杉野 真路
(72)【発明者】
【氏名】中井 英雄
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06557777(US,B1)
【文献】特開2009-042395(JP,A)
【文献】特開2017-076003(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104950742(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 19/02
9/37
B05B 1/22
17/08
G03B 21/608
G05B 19/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の面に複数の出水孔が2次元的に配置された複数の出水ユニットを、
前記所定の面に平行な方向に1列に並べ、
鉛直方向の下方であるほど圧縮された表示対象の画像を示す画像データに基づいて、複数の前記出水ユニットのそれぞれにおいて前記出水孔から水を出水することによって、複数の前記出水ユニットそれぞれから出水された水の有無前記表示対象の画像における前記方向の各画素として、前記表示対象の画像を表示する、
ディスプレイ方法。
【請求項2】
表示対象の画像における画素となる水を出水し、所定の面に複数の出水孔が2次元的に配置された複数の出水ユニットと、
複数の前記出水ユニットを前記所定の面に平行な方向に1列に並べた状態で支持する支持部と、
複数の前記出水ユニットのそれぞれに給水する給水部と、
鉛直方向の下方であるほど圧縮された前記表示対象の画像を示す画像データに基づいて、複数の前記出水ユニットのそれぞれに対する前記給水部からの水の給水を制御する出水制御部と、
を備えるディスプレイ装置。
【請求項3】
前記出水制御部は、
複数の前記出水ユニットのそれぞれに取り付けられた複数の弁を備え、
複数の前記弁のそれぞれを開閉することで前記給水部からの水の給水を制御する、
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
複数の前記出水孔は、
複数の前記出水ユニットが並ぶ方向に平行な方向と垂直な方向とのそれぞれに複数個並べられる、
請求項2または請求項3のいずれかに記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ方法およびディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の孔から出水した水で画像を表示するディスプレイ装置が知られている。例えば、特許文献1においては、1列に並ぶ複数のノズルから水を落下させ、ノズルが並ぶ列方向に平行な表示面に文字または図形を表示するディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-42395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、表示面に表示された画像を判読しづらかった。すなわち、ノズルから落下する水は透明であるため、ノズルが1列に並ぶ構成において水の有無によって画像を形成しても、背景と同化することで水が存在する部分と水が存在しない部分とを明確に区別することが困難であった。
【0005】
また、従来の技術においては、ノズルを複数列形成し、各ノズルを開閉弁で開閉制御する構成が開示されている。しかし、この構成であっても、粗いピッチで配置されたノズルから落下する水の有無を明確に区別することが困難である状況は変わらず、やはり画像を判読することは困難であった。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、水で形成される画像の判読性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、ディスプレイ方法においては、所定の面に複数の出水孔が2次元的に配置された複数の出水ユニットを、所定の面に平行な方向に1列に並べ、複数の出水ユニットのそれぞれにおいて出水孔から水を出水することによって画像を表示する。
【0007】
また、上記の目的を達成するため、ディスプレイ装置は、所定の面に複数の出水孔が2次元的に配置された複数の出水ユニットと、複数の出水ユニットを所定の面に平行な方向に1列に並べた状態で支持する支持部と、複数の出水ユニットのそれぞれに給水する給水部と、複数の出水ユニットのそれぞれにおいて給水部からの水の給水を制御する出水制御部と、を備える。
【0008】
すなわち、給水部から出水ユニットに水を供給すれば当該出水ユニットから水が出水される。そして、出水ユニットにおいては、複数の出水孔が所定の面に2次元的に配置され、シャワーヘッドの出水部と同様な出水孔を備えている。従って、1個の出水ユニットから出水した水が密になり背景とのコントラストが向上するため、水の有無を容易に区別可能な状態で水を出水することが可能である。従って、出水ユニットから出水した水において、落下方向における水の有無を容易に区別可能である。
【0009】
さらに、出水ユニットは所定の面に平行な方向に複数個配置されている。従って、隣接する出水ユニットから出水した水の有無も容易に区別可能である。このため、水の落下方向と、落下方向に垂直な方向とのそれぞれにおいて水の有無を容易に区別可能である。この結果、落下する水で形成される表示面において2次元的な水の有無を容易に区別可能になり、水で形成される画像の判読性を向上させることができる。
【0010】
出水ユニットは、所定の面に複数の出水孔が2次元的に配置されていればよい。すなわち、出水ユニットにおいては、内部に水が供給され、当該水が複数の出水孔から外部に出水可能な構造であれば良い。出水ユニットの形状や大きさ、内部の容量等は各種の構造とすることができる。
【0011】
出水孔は、出水ユニットの内部の水を出水することが可能な孔であればよく、円形、多角形など、種々の形状を採用可能である。出水孔は、表示面に向けて開口していれば良い。すなわち、出水孔から出水された水が落下することで表示面が形成されれば良い。
【0012】
出水孔は、所定の面に2次元的に配置されており、各出水孔から落下する水が視認者から見て1本の筋ではない状態となれば良い。この状態としては、例えば、視認者の視線方向に水が重なっている(複数の筋になっている)状態等が挙げられる。すなわち、出水孔が2次元的に配置されている結果、透明な水であっても水の有無が区別できるように構成されていれば良い。従って、複数の出水孔は、出水孔が形成される所定の面において単一方向にのみ並ぶのではなく、少なくとも2方向に並ぶ配置となる。
【0013】
また、出水孔の数や密度は限定されないが、視認者の視線方向に少なくとも2カ所以上の水の落下経路が形成されている(あるいは形成されているように見える)ことが好ましく、視認者の視線方向に垂直な方向にも少なくとも2カ所以上の水の落下経路が形成されていることが好ましい。このような構成は、例えば、複数の出水孔が、出水ユニットが並ぶ方向に平行な方向と垂直な方向とのそれぞれに(表示面に平行な方向と垂直な方向とのそれぞれに)複数個並べられている構成等によって実現可能である。
【0014】
支持部は、複数の出水ユニットを所定の面に平行な方向に1列に並べた状態で支持することができればよい。支持態様は限定されず、ネジやリベット止め、溶接などの各種の態様を利用して出水ユニットを支持できれば良い。出水ユニットが支持される部位は、表示面の上部に形成されていれば良い。すなわち、水を落下させて表示面を形成するため、落下開始点となる出水ユニットを表示面の上部に保持する部材が構成され、当該部材に出水ユニットが取り付けられるように支持部が構成されていれば良い。
【0015】
出水ユニットは、支持部によって表示面に平行に配置されていれば良く、表示面に平行に出水ユニットが配置されることにより、当該出水ユニットから落下する水が表示面を形成する。出水ユニットの配置間隔は限定されないが、表示面に画像が形成可能な程度に隣接した状態で配置されることが好ましい。
【0016】
給水部は、複数の出水ユニットのそれぞれに給水することができればよい。すなわち、給水部は、画像を形成するために出水ユニットに対して水を供給することができればよい。給水部は、出水ユニットに水を供給できるように構成されていることが好ましい。例えば、各種の装置(ポンプ等)等を利用して水を出水ユニットに送ってもよいし、位置エネルギー(上方に配置されたタンクを配置する構成等)等を利用して水を出水ユニットに送っても良く、種々の構成を採用可能である。
【0017】
出水制御部は、複数の出水ユニットのそれぞれにおいて給水部からの水の給水を制御することができればよい。すなわち、出水制御部は、複数の出水ユニットのそれぞれに対する給水を独立に制御することができればよい。この構成によれば、出水ユニットが並ぶ方向において水が供給される出水ユニットと、水が供給されない出水ユニットを選択することにより、出水ユニットが並ぶ方向に任意の画像を形成することができる。また、給水部からの水の給水タイミングを調整することで、水の落下方向に任意の画像を形成することができる。従って、表示面に2次元的な画像を形成することができる。
【0018】
出水制御部においては、給水部から出水ユニットに水を給水するタイミングを切り替えることができればよい。このための構成としては、例えば、出水制御部が、複数の出水ユニットのそれぞれに取り付けられた複数の弁を備え、複数の弁のそれぞれを開閉することで各出水ユニットに水を供給する構成であっても良い。
【0019】
すなわち、給水部から各出水ユニットの内部に通じる水の流路が形成されていれば、各出水ユニットにおいて流路に弁を設けることにより、当該流路を介した水の移動が可能な状態と不可能な状態とを容易に切り替えることができる。そして、弁を開けて流路内を水が移動可能である状態とすれば、流路を通じて水が出水ユニットに給水され、出水ユニットの出水孔から出水するため、弁の開閉により、各出水ユニットからの水の出水を制御することが可能になる。弁は各種の態様であって良く、電気的に制御可能な電磁弁や電動弁であることが好ましい。なお、弁は、出水ユニットからの水の出水を制御することができればよく、水の有無を調整するのであればON-OFF弁であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1Aはディスプレイ装置の概略構成を示す図であり、図1Bは出水ユニットとポンプと出水制御部との関係を示す図である。
図2図2Aは出水孔の説明図であり、図2Bは画像データを模式的に示す図である。
図3図3Aは表示処理のフローチャートであり、図3Bは表示の実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ディスプレイ装置の構成:
(2)表示処理:
(3)他の実施形態:
【0022】
(1)ディスプレイ装置の構成:
図1Aは本発明の一実施形態にかかるディスプレイ装置を模式的に示す図である。本実施形態においてディスプレイ装置は、路面R上に設置されている。本実施形態においては、路面Rの幅方向をx方向、鉛直下方をy方向、路面R上での車両等の移動方向をz方向とし、x方向およびy方向を図1Aに示している。ディスプレイ装置は、複数の出水ユニット10と、支持部20と、給水部30と、出水制御部40とを備えている。本実施形態においては、x方向に並べられた複数の出水ユニット10から水をy方向に落下させることによって画像を形成する。従って、本実施形態において、表示面はx方向およびy方向に平行な面となる。
【0023】
本実施形態において、支持部20はy方向に延びる2本の支柱20bと、2本の支柱20bに支えられてx方向に延びる梁部20aとを備え、梁部20aに出水ユニット10が支持されている。本実施形態において、出水ユニット10は、梁部20aに支持されて、x方向に複数個並べられている。出水ユニット10の数は限定されないが、1個の出水ユニット10でx方向の1カ所における画像の有無を制御でき、1個の出水ユニット10がx方向の1画素に相当するため、表示面に必要な画素数に応じて出水ユニット10の数を決定すれば良い。
【0024】
給水部30は、ポンプ30aとタンク30bと給水管30cとを備えている。タンク30bとポンプ30aは、給水管30cで接続されており、ポンプ30aと出水ユニット10は、給水管30cで接続されている。図1Bは、出水ユニット10と給水部30と出水制御部40との関係を模式的に示す図である。給水管30cは、梁部20aの内部で各出水ユニット10に向けて分岐しており、分岐した部位のそれぞれには弁40bが設けられている。
【0025】
図1Aに示すタンク30bには水が蓄積されている。ポンプ30aは給水管30cの一方から水の供給を受け、圧力を増加させて他方の給水管30cに水を供給する装置であり、給水管30cを介してタンク30bに蓄積された水を取り込み、給水管30cを介して出水ユニット10側に水を送り出す。
【0026】
出水ユニット10は、中空の直方体であり、上面(y方向の垂直な面であって上方に位置する面)に給水管30cが接続されている。図2Aは、出水ユニット10をy方向の下方から眺めた状態で示している。図2Aに示すように、出水ユニット10の下面(所定の面)には、例えば、直径1.2mmの出水孔10aが複数形成されている。従って、給水管30cから出水ユニット10の内部に水が給水され、所定の水圧(例えば、大気圧以上の水圧)がかけられると水が各出水孔10aから出水する。
【0027】
出水ユニット10において、複数の出水孔10aは、x方向の3カ所に形成され、z方向の複数カ所(図2Aにおいては17個)に形成されている。従って、出水ユニット10においてはz方向に並ぶ複数個の出水孔10aからなる列が3列形成されている。本実施形態において、出水孔10aはx方向とz方向のそれぞれに距離?だけ離れた状態で並んでいる。むろん、出水孔10aが並ぶ数は図2Aに示す構成に限定されない。むろん、出水孔10aが並ぶ数は図2Aに示す構成に限定されない。
【0028】
出水制御部40は、制御部40aと弁40bと配線40cとを備えている。弁40bは、電磁弁であり、ポンプ30aと出水ユニット10のそれぞれとをつなぐ給水管30cに取り付けられている。すなわち、弁40bが開閉することにより、給水管30cから出水ユニット10に供給されている水に、ポンプ30aからの圧力が作用する状態と、作用しない状態とを切り替えることができる。そして、出水ユニット10に供給されている水にポンプ30aからの圧力が作用する状態においては、当該出水ユニット10の出水孔10aから水が出水する。一方、出水ユニット10に供給されている水にポンプ30aからの圧力が作用しない状態においては、当該出水ユニット10の出水孔10aから水が出水しない。なお、通常状態において弁40bは閉じられている。従って、画像表示の開始前および画像表示の了後には弁40bは閉じられ、出水孔10aから水が出水しない状態となる。
【0029】
本実施形態において、弁40bは電磁弁であり、制御部40aは配線40cを介して弁40bの開閉を電気的に制御することができる。制御部40aは、図示しないCPU,ROM,RAM、通信インターフェース等を備えており、ROM等に記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態において制御部40aには、通信インターフェースを介して画像データを入力することが可能である。
【0030】
本実施形態において、画像データは、横方向の画素数が出水ユニット10の数と同一であり、縦方向の画素数が既定の数の画像データである。また、画像データにおいて各画素の値は0または1である。制御部40aは、画像データに基づいて各出水ユニット10に対応した弁40bを開閉させる。すなわち、制御部40aは、画像データにおいて横方向に並ぶ各画素が、x方向に並ぶ各出水ユニット10に対応していると見なし、横方向に並ぶ各画素において画素の値が1の場合に弁40bを開け、画素の値が0の場合に弁40b
を閉じる。従って、値が1である画素に対応する出水ユニット10の出水孔10aから出水し、値が0である画素に対応する出水ユニット10の出水孔10aから出水しない。この結果、これらの水によって1列分の画像が形成される。
また、制御部40aは、画像データの縦方向に並ぶ全てのデータに基づいて弁40bの開閉が終了するまで、横方向の1列ごとの開閉を繰り返す。この構成により、y方向の画像も時系列で徐々に形成される。従って、表示面に画像データが示す画像を表示させることができる。
【0031】
以上の構成によれば、画像データの各画素を1個の出水ユニット10から出水した水で表現することができる。1個の出水ユニット10には、x-z平面に平行な方向に出水孔10aが2次元的に配置されているため、1個の出水ユニット10から出水した密集した水によって各画素の画像を表現することができる。さらに、出水ユニット10は表示面に平行なx方向に複数個配置されており、各出水孔10aから出水された水の有無も、密集した水の有無によって容易に判別することができる。従って、表示面の視認者は、水の有無を容易に区別することができ、表示面に表示された画像を容易に判読することができる。
【0032】
(2)表示処理:
次に、制御部40aが実行する表示処理を、図3Aに示すフローチャートに沿って説明する。表示処理は、任意のトリガに応じて実行開始されて良い。表示処理の実行開始前には、予め表示面に表示する画像を示す画像データが用意されるとともに、1画素分の水が全出水ユニット10に貯められる。図2Bは、画像データの例を模式的に示す図である。図2Bに示す画像データは、横方向(表示面上でのx方向)にM個、縦方向(表示面上でのy方向)にN個の画素からなるデータである(M、Nは1以上の整数)。図2Bにおいては値1の画素を黒、値0の画素を白で示している。
【0033】
画像データは、通信インターフェースを介して予め制御部40aに転送され、RAM等の記憶媒体に記憶された状態となる。この状態において制御部40aは、トリガに応じて表示処理を開始する。表示処理において、制御部40aは、まず、表示の繰り返し回数を示す変数iを0に初期化する(ステップS100)。次に、制御部40aは、変数iをインクリメントし、y方向の画素数をカウントするための変数jをNに初期化する(ステップS105)。なお、Nは、画像データにおいて画素がy方向に並ぶ数である。
【0034】
次に、制御部40aは、(1,j)~(M,j)のデータで弁40bを駆動する(ステップS110)。すなわち、制御部40aは、x方向に並ぶ1列分の画像データに基づいて各出水ユニット10の弁40bを駆動する。(1,j)等は画像データにおける画素の座標である。従って、図2Bに示す例においてjが4である場合、(1,4)、(2,4)、(3,4)、(4,4)、(5,4)、、、、、(M-2,4)、(M-1,4)、(M,4)のデータで弁40bが駆動され、x方向の左端の弁40bから順に、閉、閉、閉、開、開、、、、、、開、閉、閉となる。
【0035】
次に、制御部40aは、変数jをデクリメントし(ステップS115)、変数jが1より小さいか否かを判定する(ステップS120)。ステップS120において、変数jが1より小さいと判定されない場合、制御部40aは、ステップS110以降の処理を繰り返す。なお、本実施形態においては、y方向の1画素分の水を出水ユニット10に給水するために必要な弁40bの開閉時間が予め決められており、当該時間間隔での弁40bの開閉を繰り返すことができるように、制御部40aは適宜待機時間を確保しながらステップS110~S120の繰り返し処理を実行する。
【0036】
一方、ステップS120において、変数jが1より小さいと判定された場合、すなわち、1枚の画像データの全てについて表示が行われた場合、制御部40aは、変数iが予め決められた最大値imaxと等しいか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125において、変数iが最大値imaxと等しいと判定されない場合、制御部40aは、ステップS105以降の処理を繰り返す。この際、同一の画像データに基づいてステップS105以降の処理が実行されても良いし、異なる画像データに基づいてステップS105以降の処理が実行されてもよい。
【0037】
以上の処理によれば、水によって表示面を形成し、当該表示面に画像を表示することが可能である。図3Bは、図2Bと同一の文字列の画像データ(ただし、画素数は異なる)で表示された画像の実例である。図3Bに示すように、画像において像の有無は、出水孔10aから出水された水の有無で表現されている。そして、当該出水孔10aは、x-z平面内で2次元的に多数配置されることで形成されているため、視認者からは、各画素においてz方向に複数の水滴が重なった状態で各画素における水の有無が視認される。このため、水が存在する部分は透明ではなく、水の周囲から入射する光が複数の水滴で乱反射したような状態となることで白濁したような状態で視認され、水の有無を容易に判読することが可能になる。以上のように、本実施形態にかかるディスプレイ装置によれば、水が存在する部分と水が存在しない部分とを容易に区別可能な状態で画像を表示することが可能である。
【0038】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、2次元的に配置された複数の出水孔を備える出水ユニットを複数個並べる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、上述の実施形態における画像データは静止画を表示するデータであったが、スクロールやオブジェクトの上下左右への移動などを示す動画が表示されても良い。
【0039】
さらに、表示面を形成する水の速度は、時間の経過とともに大きくなるため、画像の下部であるほど像が間延びしたように見える。そこで、このような状況を抑制するような画像データで表示が行われてもよい。例えば、画像データにおいてy方向に画像が圧縮される構成や、y方向の下方であるほど画像が圧縮される構成等を採用してもよい。
【0040】
さらに、水は着色されていても良い。さらに、画像は反転表示されても良い。すなわち、上述の実施形態においては画素値1で水を出水するが、画素値0で水を出水し、画素値0で水を停止でも良い。さらに、ディスプレイ装置の設置場所は路面上に限定されず、各種の場所、例えば、公園、アミューズメント施設等に設置可能である。
【符号の説明】
【0041】
10…出水ユニット、10a…出水孔、20…支持部、20a…梁部、20b…支柱、30…給水部、30a…ポンプ、30b…タンク、30c…給水管、40…出水制御部、40a…制御部、40b…弁、40c…配線
図1
図2
図3