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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】内燃機関のアルコール系融合剤
(51)【国際特許分類】
   C10L 1/182 20060101AFI20220113BHJP
   C10L 1/16 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
C10L1/182
C10L1/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019103444
(22)【出願日】2019-06-03
(65)【公開番号】P2020196805
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516300298
【氏名又は名称】株式会社GEHJAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(73)【特許権者】
【識別番号】521362807
【氏名又は名称】株式会社三重パーツ販売
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】川口 眞
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-327977(JP,A)
【文献】特開2005-298530(JP,A)
【文献】国際公開第2004/058926(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 1/00-32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール成分が95~99.5質量%と、炭化水素成分が0.5~5.0質量%とを含んでおり、前記炭化水素成分が炭素数11~14の炭化水素であって、前記アルコール成分のうちイソプロピルアルコールが40~50質量%であり、イソブチルアルコールが28~38質量%であり、n-ブチルアルコールが16~24質量%であることを特徴とする内燃機関のアルコール系融合剤。
【請求項2】
前記アルコール成分のうちイソプロピルアルコールが42~48質量%であり、イソブチルアルコールが30~36質量%であり、n-ブチルアルコールが18~22質量%であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のアルコール系融合剤。
【請求項3】
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールの重量比が(2.1~2.4):(1.5~1.8):1であることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のアルコール系融合剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃料に添加して用いるアルコール系融合剤に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に優しい内燃機関用燃料としてアルコールを含むものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このアルコール系燃料は、アルコール成分を50~75質量%と、炭化水素成分25~49.9質量%とを含んでいる。そして、アルコール成分としてイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールを含み、イソプロピルアルコールが15~30質量%、イソブチルアルコールが15~25質量%、またn-ブチルアルコールが7~20質量%含まれている。
【0003】
このようなアルコール系燃料は、メチルアルコール、エチルアルコールなどのような炭素(C)の数が少ないアルコール成分を含んでいないために、アルミニウムに対する腐食性が少なく、内燃機関の腐食を抑えることができるというメリットがある。
【0004】
一方、内燃機関の洗浄剤として、アルコール類を含むものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この洗浄剤は、シクロデキストリンとアルコール類を主成分とし、一般的機械部品、精密機械部品、エンジン部品、電子部品、電気部品などの洗浄に用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3918172号公報
【文献】特開2016-160310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の上述したアルコール系燃料は、ガソリン燃料の代替え燃料として提案されたものであり、内燃機関の燃料に添加して用いる融合剤として用いるものではない。また、従来の上述した洗浄剤は、一般的機械部品、精密機械部品、エンジン部品などを洗浄するためのものであり、内燃機関の燃料に添加して用いるものではない。また、アルコール類としてエタノール、メタノールなどを用いるためにアルミニウムに対する腐食が問題となり、内燃機関の腐食につながるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、内燃機関の燃料に添加して用い、内燃機関内部のクリーン化を図って有害排気ガスの排出を抑えるとともに、低燃費効果を得ることができるアルコール系融合剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内燃機関のアルコール系融合剤は、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールのアルコール成分を95~100質量%含んでおり、前記アルコール成分のうちイソプロピルアルコールが40~50質量%であり、イソブチルアルコールが28~38質量%であり、n-ブチルアルコールが16~24質量%であることを特徴とする。
【0009】
このようなアルコール系融合剤では、アルコール成分95~99.5質量%、炭化水素成分0.5~5.0質量%を含み、炭化水素成分として炭素数11~14の炭化水素を用いるのが好ましく、このような炭素数の多い炭化水素成分を幾分含ませることにより、燃料としてのガソリンに添加したときに内燃機関での燃焼を安定させることができる。
【0010】
また、アルコール成分のうちイソプロピルアルコールを42~48質量%、イソブチルアルコールを30~36質量%、n-ブチルアルコールを18~22質量%とするのが好ましく、このような成分にすることにより、ガソリンに添加する融合剤のアルコール成分をより安定させることができ、更にイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールの重量比が(2.1~2.4):(1.5~1.8):1であるのがより好ましい。
【0011】
また、本発明の他の内燃機関のアルコール系融合剤は、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールのアルコール成分を40~50質量%、炭化水素成分を50~60質量%含んでおり、前記アルコール成分のうちイソプロピルアルコールが16~24質量%であり、イソブチルアルコールが12~18質量%であり、n-ブチルアルコールが6~12質量%であることを特徴とする。
【0012】
この内燃機関のアルコール系融合剤では、アルコール成分41~47質量%、炭化水素成分53~59質量%を含み、炭化水素成分として炭素数11~14の炭化水素を用いるのが好ましく、このように炭化水素成分を53~59質量%と半分以上含み、この炭化水素成分として炭素数の多いもの用いることにより、燃料としての軽油に添加したときに内燃機関での燃焼を安定させることができる。また、アルコール成分のうちイソプロピルアルコールを18~22質量%、イソブチルアルコールを14~16質量%、n-ブチルアルコールを8~10質量%とするのが好ましく、このような成分にすることにより、軽油に添加する融合剤のアルコール成分をより安定させることができ、更にイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールの重量比を(1.9~2.5):(1.4~1.9):1とするのがより好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の内燃機関のアルコール系融合剤によれば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールのアルコール成分を95~100質量%含んでおり、この融合剤に含まれるアルコールは、メチルアルコール及びエチルアルコールよりも炭素数が多いアルコールであり、それゆえに、アルミニウム(アルミ合金を含む)に対する腐食性が少なく、アルミニウム製の内燃機関の添加融合剤として用いたとしてもその腐食を抑えることができる。
【0014】
また、融合剤中のアルコール成分が95~100質量%であるので、内燃機関の燃料としてのガソリン(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン)に添加混合して用いることができ、ガソリンに添加したときには、このガソリンとともに融合剤が内燃機関で燃焼され、この燃焼排気ガスとともに排出されるようになり、内燃機関に悪影響を与えることなく使用することができる。
【0015】
更に、アルコール成分のうちイソプロピルアルコールが40~50質量%、イソブチルアルコールが28~38質量%、n-ブチルアルコールが16~24質量%であるので、これらを混合したアルコール成分を安定させてガソリンに添加させることができ、ガソリン用の融合剤として好適に用いることができる。
【0016】
加えて、融合剤中のアルコール成分が95~100質量%と高いので、このアルコール成分による洗浄効果が得られ、ガソリンに添加して用いることにより、内燃機関を分解することなくシリンダ内を含む吸気系全般の洗浄を行うことができ、使い勝手のよい融合剤として用いることができる。そして、この洗浄効果により、内燃機関の性能が回復し、燃費の改善を図ることができるとともに、排ガス中の一酸化炭素(CO)の排出量を削減することができ、環境に優しい融合剤として提供することができる。
【0017】
また、本発明の他の内燃機関のアルコール系融合剤によれば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールのアルコール成分を40~50質量%、炭化水素成分を50~60質量%含んでいるので、この融合剤に含まれるアルコール成分は、アルミニウム(アルミ合金を含む)に対する腐食性が少なく、アルミニウム製の内燃機関の添加融合剤として用いたとしてもその腐食を抑えることができる。
【0018】
また、融合剤中のアルコール成分が40~50質量%、炭化水素成分が50~60質量%であるので、内燃機関の燃料としての軽油に添加混合して用いることができ、軽油に添加したときには、この軽油とともに融合剤が内燃機関で燃焼され、この燃焼排気ガスとともに排出されるようになり、内燃機関に悪影響を与えることなく使用することができる。また、炭化水素成分が50~60質量%含まれているので、軽油に添加して用いたときに内燃機関での燃焼を安定させることができる。
【0019】
更に、アルコール成分のうちイソプロピルアルコールが16~24質量%、イソブチルアルコールが12~18質量%、n-ブチルアルコールが6~12質量%であるので、これらを混合したアルコール成分を安定させて軽油に添加させることができ、軽油用の融合剤として好適に用いることができる。
【0020】
加えて、融合剤中のアルコール成分が40~50質量%であるので、このアルコール成分による洗浄効果が得られ、軽油に添加して用いることにより、内燃機関を分解することなくシリンダ内を含む吸気系全般の洗浄を行うことができ、使い勝手のよい融合剤として用いることができる。そして、この洗浄効果により、内燃機関の性能が回復し、燃費の改善を図ることができるとともに、排ガス中の一酸化炭素(CO)の排出量を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に従う内燃機関のアルコール系融合剤の各種実施例について説明する。まず、アルコール系融合剤の第1の実施例について説明する。この第1の実施例のアルコール系融合剤は、燃料としてのガソリン(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン)に添加して好適に用いることができる。
【0022】
このアルコール系融合剤は、エンジンなどの内燃機関の燃料(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン)に添加して用いられ、この第1の実施例のアルコール系融合剤は、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールから構成され、これらのアルコール成分が100質量%となるように構成される。
【0023】
このアルコール系融合剤におけるアルコール成分については、イソプロピルアルコールが40~50質量%であり、イソブチルアルコールが28~38質量%であり、n-ブチルアルコールが16~24質量%であり、このような成分にすることにより、融合剤のアルコール成分を安定させてガソリンに添加させることができる。このアルコール成分については、イソプロピルアルコールが42~48質量%であり、イソブチルアルコールが30~36質量%であり、n-ブチルアルコールが18~22質量%であるのが好ましく、このような成分にすることにより、ガソリンに添加する融合剤のアルコール成分をより安定させることができる。
【0024】
このアルコール系融合剤のアルコール成分の重量比は、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールの重量比が(2.1~2.4):(1.5~1.8):1であるのが好ましく、このようにイソプロピルアルコールを重量的に多くし、n-ブチルアルコールを重量的に少なくすることにより成分的に安定した融合剤とすることができる。
【0025】
この実施例では、アルコール成分が100質量%であるが、アルコール成分が100質量%でなく、少しの炭化水素成分を含んでいてもよく、アルコール成分が95~99.5質量%含み、炭化水素成分が0.5~5.0質量%含むものでもよい。この場合、炭化水素としては、炭素数11~14の炭化水素を用いるのが好ましく、このような炭素数の多い炭化水素成分を幾分含ませることにより、燃料としてのガソリンに添加したときに内燃機関での燃焼を安定させることができる。
【0026】
この炭化水素としては、例えば、鎖状炭化水素、環状炭化水素などを用いることができ、環状炭化水素としては脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などを用いることができる。例えば、炭化水素成分として芳香族炭化水素を用いる場合、炭素数11のものとしては、例えば(1-エチルプロピル)ベンゼン、1-ペンチルベンゼンなどを用いることができ、炭素数12のものとしては、例えば2,6-ジメチルナフタレン、1,3-ジメチルナフタレン、2,3ジメチルナフタレン、1,4-ジプロピルベンゼン,1,3,5-トリエチルベンゼンなどを用いることができる。また、炭素数13のものとしては、例えば3,5ージイソプロピルトルエンなどを用いることができ、炭素数14のものとしては、例えば1,3-ジイソプロピル-5-エチルベンゼンなどを用いることができる。
【0027】
このアルコール系融合剤は、例えばガソリン(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン)50リットルに対して200cc程度(ガソリンの1/100程度)添加され、このように融合剤を添加すると、ガソリンとともにアルコール系融合剤が内燃機関の吸気系を通してシリンダ内に供給されて燃焼され、燃焼後に燃焼排気ガスとして排気系を通して大気中に排出される。
【0028】
このアルコール系融合剤では、アルコール成分としてメチルアルコール及びエチルアルコールを含まず、これらよりも炭素数が多いアルコールを用いており、それ故に、アルミニウム(アルミ合金を含む)に対する腐食性が少なく、内燃機関への腐食の影響を抑えることができる。
【0029】
また、アルコール系融合剤中のアルコール成分が95~100質量%と高いので、このアルコール成分による洗浄効果が得られ、ガソリンに添加して用いることにより、内燃機関を分解することなくシリンダ内を含む吸気系全般の洗浄を行うことができる。特に、使用年数の長い内燃機関、走行距離の長い自動車用内燃機関などに用いた場合、その洗浄作用により内燃機関の性能が大きく回復するようになり、その結果、燃費の改善を図ることができるとともに、排ガス中の一酸化炭素(CO)の排出量を削減することができ、環境に優しい融合剤として用いることができる。
【0030】
次に、アルコール系融合剤の第2の実施例について説明する。この第2の実施例のアルコール系融合剤は、燃料としての軽油に添加して好適に用いることができる。この第2の実施例のアルコール系融合剤は、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールからなるアルコール成分と炭化水素成分とから構成され、アルコール成分が40~50質量%含まれ、炭化水素成分が50~60質量%含まれるように構成され、このような成分にすることにより、このアルコール系融合剤を安定させて軽油に添加させることができる。この融合剤中のアルコール成分については41~47質量%に、炭化水素成分については53~59質量%にするのが好ましい。
【0031】
この第2の実施例のアルコール系融合剤におけるアルコール成分については、イソプロピルアルコールが16~24質量%であり、イソブチルアルコールが12~18質量%であり、n-ブチルアルコールが6~12質量%であり、このような成分にすることにより、融合剤のアルコール成分を炭化水素成分に安定して混合させることができる。
【0032】
このアルコール成分については、イソプロピルアルコールが18~22質量%、イソブチルアルコールが14~16質量%、n-ブチルアルコールが8~10質量%含まれるようにするのが好ましく、このような成分にすることにより、融合剤のアルコール成分を炭化水素成分により安定して混合させることができる。
【0033】
このアルコール系融合剤のアルコール成分の重量比は、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びn-ブチルアルコールの重量比が(1.9~2.5):(1.4~1.9):1であるのが好ましく、このようにイソプロピルアルコールを重量的に多くし、n-ブチルアルコールを重量的に少なくすることにより成分的に安定した融合剤とすることができる。
【0034】
このアルコール系融合剤に含まれる炭化水素としては、第1の実施形態と同様に、炭素数11~14の炭化水素を用いるのが好ましく、このような炭素数の多い炭化水素成分を幾分含ませることにより、燃料としてのガソリンに添加したときに内燃機関での燃焼を安定させることができる。この炭化水素としては、例えば、第1の実施形態と同様のものを用いることができ、例えば、鎖状炭化水素、環状炭化水素などを用いることができ、環状炭化水素としては脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などを用いることができる。
【0035】
この第2の実施例のアルコール系融合剤は、例えば軽油50リットルに対して200cc程度(軽油の1/100程度)添加され、このように融合剤を添加すると、軽油とともにアルコール系融合剤が内燃機関の吸気系を通してシリンダ内に供給されて燃焼され、燃焼後に燃焼排気ガスとして排気系を通して大気中に排出される。
【0036】
このアルコール系融合剤では、第1の実施例と同様に、アルコール成分としてメチルアルコール及びエチルアルコールを含まず、これらよりも炭素数が多いアルコールを用いているので、内燃機関への腐食の影響を抑えることができる。
【0037】
また、アルコール系融合剤中のアルコール成分が40~50質量%であるので、このアルコール成分による洗浄効果が得られ、軽油に添加して用いることにより、内燃機関を分解することなくシリンダ内を含む吸気系全般の洗浄を行うことができる。特に、使用年数の長い内燃機関、走行距離の長い自動車用内燃機関などに用いた場合、その洗浄作用により内燃機関の性能を大きく回復させることができる。
【実施例
【0038】
実施例1として、ガソリン(レギュラーガソリン)に添加するアルコール系融合剤を製造し、そのアルコール成分をガスクロマトグラフィーで測定したところ表1に示す通りであった。
【0039】
また、実施例2として、ガソリン(ハイオクガソリン)に添加するアルコール系融合剤を製造し、そのアルコール成分をガスクロマトグラフィーで測定したところ表1に示す通りであった。この実施例2では、炭化水素成分(炭素数11~14の炭化水素)が1.2質量%含まれていた。
【0040】
更に、実施例3として、軽油に添加するアルコール系融合剤を製造し、そのアルコール成分をガスクロマトグラフィーで測定したところ表1で示す通りであった。この実施例3では、炭化水素成分(炭素数11~14の炭化水素)が56.1質量%含まれていた。
【0041】
【表1】
比較試験1として、レギュラーガソリン仕様のガソリンエンジンを搭載した乗用車を用い、実施例1のアルコール系融合剤を燃料としてのガソリン(レギュラーガソリン)50リットルに対して200cc添加して運転したときと、同じ乗用車をアルコール系融合剤を添加しないときの運転とを比較したところ、実施例1のアルコール系融合剤を添加した方が、燃費について約3%良くなり、一酸化炭素排出量(アイドリング時)については約2%少なくなかった。
【0042】
また、比較試験2として、ハイオクガソリン仕様のガソリンエンジンを搭載した乗用車を用い、実施例2のアルコール系融合剤を燃料としてのガソリン(ハイオクガソリン)50リットルに対して200cc添加して運転したときと、同じ乗用車をアルコール系融合剤を添加しないときの運転とを比較したところ、実施例2のアルコール系融合剤を添加した方が、燃費について約2.5%良くなり、一酸化炭素排出量(アイドリング時)については約4%少なくなかった。
【0043】
更に、比較試験3として、軽油仕様のディーゼルエンジンを搭載したトラックを用い、実施例3のアルコール系融合剤を燃料としての軽油50リットルに対して200cc添加して運転したときと、同じトラックをアルコール系融合剤を添加しないときの運転とを比較したところ、実施例3のアルコール系融合剤を添加した方が、燃費について約2%良くなり、一酸化炭素排出量(アイドリング時)については約3%少なかった。