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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】嵌合式組合せ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20220113BHJP
   B65D 43/02 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B65D77/20 A
B65D77/20 Q
B65D43/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020181248
(22)【出願日】2020-10-29
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021102486
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】108211274
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520129908
【氏名又は名称】瑞力扣股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 宗嚴
(72)【発明者】
【氏名】呉 思緯
(72)【発明者】
【氏名】游 朝淵
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-298454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0265263(US,A1)
【文献】特開2019-026379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0134179(US,A1)
【文献】実公昭59-011852(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0257485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 43/02
B65D 45/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体であって、前記蓋体底面の周縁が下向きに延伸して成る側壁面に隆起部を形成し、前記側壁面に少なくとも1つの台形嵌合溝を設け、前記台形嵌合溝は溝開口部から溝底部に向かって縮小する蓋体と、
容器体であって、前記容器体は前記蓋体を用いて閉合され、前記容器体中央には凹状の収容部を有し、前記収容部と前記隆起部は収容空間を構成し、前記容器体頂面の開口周縁内の窪みには前記台形嵌合溝に対応する内壁領域を形成し、前記内壁領域の内側が上向きに延伸した部分は内壁ガードと成り、前記内壁領域が外向きに延伸した部分は折り曲げ嵌合片と成り、前記折り曲げ嵌合片の一端には嵌合部を有し、前記折り曲げ嵌合片の前記嵌合部が前記台形嵌合溝に押し込まれて固定されることにより、前記蓋体と前記容器体は相互に嵌合し、かつ嵌合時に前記台形嵌合溝が前記内壁ガードと前記折り曲げ嵌合片の間に位置する容器体と、
を含む、嵌合式組合せ容器。
【請求項2】
前記容器体頂面の前記開口周縁には前記内壁領域につながり外向きに突出したリブを有し、前記蓋体の前記側壁面底部の周縁には前記リブに対応して外向きに突出した辺縁部を有する、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項3】
前記辺縁部は前記蓋体と前記容器体の嵌合時に前記リブをしっかりと挟持する、請求項2に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項4】
前記折り曲げ嵌合片と前記リブのつながる箇所に曲げやすい屈曲部を形成する、請求項2に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項5】
前記折り曲げ嵌合片は前記嵌合部が設けられた一端に嵌合片延伸面を有する、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項6】
前記嵌合部の背面には凹状に窪んだ押圧部を設ける、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項7】
前記台形嵌合溝は、その相対する両側に形成された突出する受力補強部と、前記受力補強部に挟まれた内側底面の防滑面により構成される、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項8】
前記容器体及び前記蓋体は湾曲した形状又は多辺形の構造である、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項9】
前記台形嵌合溝の個数は複数であり、前記折り曲げ嵌合片は前記台形嵌合溝の個数に対応する複数の嵌合部を有する、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項10】
前記台形嵌合溝の個数は複数であり、前記折り曲げ嵌合片の個数は複数であり、かつ前記複数の折り曲げ嵌合片は総じて前記台形嵌合溝の個数に対応する複数の嵌合部を有する、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項11】
前記台形嵌合溝の個数は複数であり、前記折り曲げ嵌合片は前記台形嵌合溝に対応する個数を有し、かつ各折り曲げ嵌合片は嵌合部を有する、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【請求項12】
持ち手を含み、前記持ち手の両端にはそれぞれ前記嵌合部を嵌入できる嵌合孔を設け、かつ前記両端の間には把持部を形成する、請求項1に記載の嵌合式組合せ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器体と蓋体を組み合わせて成る組合せ容器に関し、特に、容器体と蓋体を相互に嵌め合わせて結合する嵌合式組合せ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の包装容器の多くはプラスチックやパルプの材質を使用した構造であり、近年は、密閉蓋を付けることにより容器体を密閉できる保存容器又は密閉容器の市場で非常に人気があり、それらは内容物を良好に保存するとともに液体が漏れ出るのを防止でき、用途は非常に幅広く、中でもよく見られるのはプラスチック容器の形式である。
【0003】
このようなプラスチック容器に求められる重要な事項は、蓋体と容器体を組み合わせた後の頑丈さと安定性である。既知のプラスチック製組合せ容器の多くは、蓋体の周縁に相対するアンダーカット部を設け、容器体周縁の突出した門型フランジ部に合わせるものであるが、このような嵌合構造は通常2通りの事態が発生する。1つ目は嵌め方が緩くて外れやすくなる事態、2つ目はきつく嵌りすぎて分離しにくくなる事態である。組み合わせの1つ目の事態については、蓋体のアンダーカットが当該容器体のフランジ部に合致するが、ホールド力が足りず、全体が外力の圧迫を受けて変形するために外れやすく、次に、蓋体のアンダーカット部の設計は、容器体の重量により、取りだし方法が不適切だと、外れてしまうことがよくある。組み合わせの2つ目の事態については、実施する際によく目にするアンダーカットとフランジ、引っ掛かりのある凸状部と凹部等の構造形式では通常、アンダーカットが深すぎたりフランジが突出しすぎる設計、又は引っ掛かりのある凸状部のサイズが凹部のサイズより明らかに大きい場合、この嵌合構造を組み合わせる際に抵抗力や難しさが生じ、さらには組み合わせた後の容器体や蓋体の変形という事態を招く。特に、力尽くで組み合わせた後は、容器体と蓋体を開いて分離するのが容易ではなくなる。
【0004】
もう一つの既知の嵌合構造は、凹部と凸部を有するスナップ体であり、この嵌合構造は同じ形状の面と面が接触する際、サイズの差を利用して押し込む組み合わせ方法の設計であり、その抵抗力は大きく、組み合わせや分離が容易ではなく、さらに、凹部と凸部の嵌合構造に押圧方式で力を加えることで、初めはスムーズに組み合わせることができても、関係する構造に押圧補強を施していない場合、実際の使用時に、押圧する力により嵌合構造が変形することが原因で、組み合わせにくくなる。しかし、既知の技術では型から取りだす妨げになることを考慮して密閉のみを目的としたスナップ設計であるため、スナップ体をプラスチック容器の側壁面に設けるという技術から抜け出せない。したがって、既知の嵌合構造が通常抱える、製作過程において型から取りだした後の構造変形、組み合わせや分離が容易にできない、又は嵌合構造に対し力を加えて押圧して組み合わせたり無理に分離したりすることで生じる構造変形等の弊害を克服できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の問題に鑑み、本発明の主な目的は、蓋体と容器体の相対する側壁上に折り曲げ嵌合片及び台形嵌合溝をそれぞれ設け、折り曲げ嵌合片の嵌合部を台形嵌合溝に押し込んで嵌合し、さらに容器体外縁に内壁領域を形成する設計により、台形嵌合溝の剛性を効果的に強化し、嵌合片の長さを短縮し、蓋体の高さを低くするとともにその材料の厚さを低減し、材料コストを削減することができる、嵌合式組合せ容器を提供することである。このような嵌合式組合せ容器の構造は頑丈で、組み合わせが簡単であり、組み合わせる際に圧迫されても変形しにくく、嵌合が外れたり分離したりする事態を減らすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明が提案する嵌合式組合せ容器は容器体及び蓋体を含む。ここでは、蓋体底面の周縁が下向きに延伸して成る側壁面に隆起部を形成し、側壁面に少なくとも1つの台形嵌合溝を設け、台形嵌合溝は溝開口部から溝底部に向かって縮小し、容器体は蓋体を用いて閉合され、蓋体中央に凹状の収容部を有し、隆起部と収容部は物品を収容するのに用いられる収容空間を構成し、容器体頂面の開口周縁には台形嵌合溝に対応する少なくとも1つの折り曲げ嵌合片を設け、折り曲げ嵌合片の一端には嵌合部を有し、折り曲げ嵌合片の嵌合部が台形嵌合溝に押し込まれて固定されることにより、蓋体と容器体は相互に嵌合する。
【0007】
本発明の実施例において、容器体頂面の開口周縁には外向きに突出したリブを有し、蓋体の側壁面底部の周縁にはリブに対応して外向きに突出した辺縁部を有する。さらに、辺縁部は蓋体と容器体の嵌合時にリブをしっかりと挟持できる。
【0008】
本発明の実施例において、リブの折り曲げ嵌合片につながる外縁内の窪みには内壁領域を形成でき、内壁領域の内側が上向きに延伸した部分は内壁ガードと成り、かつ蓋体と容器体の嵌合時、台形嵌合溝は内壁ガードと折り曲げ嵌合片の間に位置する。
【0009】
本発明の実施例において、折り曲げ嵌合片は嵌合部が設けられた一端に嵌合片延伸面を有し、嵌合部の背面には凹状に窪んだ押圧部を設け、折り曲げ嵌合片とリブのつながる箇所に曲げやすい屈曲部を形成する。
【0010】
本発明の実施例において、台形嵌合溝は、その相対する両側に形成された受力補強部と、受力補強部に挟まれた内側底面の防滑面により構成される。
【0011】
本発明の実施例において、容器体及び蓋体は湾曲した形状又は多辺形の構造である。
【0012】
本発明の実施例において、上述の台形嵌合溝の個数は複数であり、折り曲げ嵌合片は台形嵌合溝の個数に対応する複数の嵌合部を有する。又は、折り曲げ嵌合片の個数は複数であり、かつこれらの折り曲げ嵌合片は総じて台形嵌合溝の個数に対応する複数の嵌合部を有する。又は、折り曲げ嵌合片は台形嵌合溝に対応する個数を有し、かつ各折り曲げ嵌合片は嵌合部を有する。
【0013】
本発明の実施例において、上述の嵌合式組合せ容器は持ち手をさらに含み、かつ持ち手の両端にはそれぞれ嵌合部を嵌入できる嵌合孔を設け、前記両端の間には把持部を形成する。
【0014】
本発明の実施例において、容器体の嵌合部と蓋体の台形嵌合溝は入れ替えて設置できる設計であり、ある状況下では、嵌合部は蓋体上に設けられるとともに、容器体上に設けられた対応する台形嵌合溝に組み合わせられ、別の状況下では、嵌合部は容器体上に設けられ、かつ蓋体上に設けられた対応する台形嵌合溝に合わせられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、容器体と蓋体の相対する側壁に嵌合構造を設けることにより、容器体と蓋体の構造強度を高め、圧迫されても変形することがなくなる一方、組み合わせの質を確保し、容器体や蓋体の変形が原因で嵌合が外れたり嵌合できなくなるといった事態を招くことがなくなる。また、容器体の外縁には内壁ガードの設計を合わせることにより、折り曲げ嵌合片の長さが短縮されるので、蓋体の高さが低くなり、この内壁ガードは台形嵌合溝の剛性を強化でき、嵌合部と台形嵌合溝を嵌合した後は、外力で圧迫されても分離しにくく、構造全体もより変形しにくく、蓋体にはより厚みの少ない材料を使用できる。したがって、本発明は浅くて薄い蓋という市場のニーズを実現できる。
【0016】
本発明の詳細な内容及び技術について、図面を併せて以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明第一実施例における分解した嵌合式組合せ容器を示す図である。
図2】本発明第一実施例における組み合わせた嵌合式組合せ容器を示す図である。
図3】本発明第一実施例における組み合わせた後の嵌合式組合せ容器の側面断面図である。
図4】本発明第一実施例における嵌合式組合せ容器の組み合わせ動作を示す図である。
図5】本発明第一実施例における嵌合式組合せ容器の台形嵌合溝に組み合わせた嵌合部の前面断面図である。
図6】本発明第一実施例における嵌合式組合せ容器の台形嵌合溝に組み合わせた嵌合部の上面断面図である。
図7】本発明第二実施例における嵌合式組合せ容器の局部拡大図である。
図8】本発明第三実施例における嵌合式組合せ容器の持ち手を示す図である。
図9】本発明第三実施例における嵌合式組合せ容器の使用状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の嵌合式組合せ容器の技術的特徴を明確に開示するため、以下にいくつかの実施例を挙げて本発明の技術的特徴を詳細に説明する。さらに、同時に図面を用いることにより、これらの技術的特徴を顕彰できる。
【0019】
まず、本発明第一実施例における嵌合式組合せ容器のすべての要素の具体的構造について詳細に説明するので、図1及び図2を参照されたい。
【0020】
本実施例において、嵌合式組合せ容器は、パルプ又はプラスチックの材質であり、容器体1と蓋体2の組み合わせから成る(図2を参照)。容器体1の具体的構造は収容部11、リブ12及び少なくとも1つの折り曲げ嵌合片13を含む。凹状の収容部11は容器体1の中央に成形される。リブ12は容器体1の頂面開口周縁に成形され、断面が門型に反り返った設計であり、リブ12外縁内の窪みには内壁領域14を形成し、内壁領域14の内側が上向きに延伸した部分は内壁ガード141と成り、構造硬度を強化する。折り曲げ嵌合片13は、本実施例では複数個が相対して位置する設計が採用され、かつリブ12の内壁領域14の内側が上向きに延伸して成るものであり、折り曲げ嵌合片13の末端には嵌合延伸面131を有し、かつ嵌合延伸面131の表面中央には突出した嵌合部132を設け、相対するもう一方の表面には凹状に窪んだ押圧部133が自然に形成される。また、折り曲げ嵌合片13とリブ12のつながる箇所はプラスチック又はパルプ材質が外側から内側に引き延ばされて薄くなることにより、曲げやすい嵌合片屈曲部134を形成する。
【0021】
蓋体2の具体的構造は出っ張った隆起部21、辺縁部22及び少なくとも1つの台形嵌合溝23を含む。隆起部21は蓋体2底面24の周縁が下向きに延伸して成る側壁面25により形成され、隆起部21と収容部11から構成される収容空間は内容物を収容したり盛り付けたりするのに用いられる。辺縁部22は蓋体2底面の開口周縁に成形され、かつ容器体1のリブ12に合致して覆うことができる。台形嵌合溝23は溝開口部から溝底部に向かって縮小する、つまり上部が広くて下部が狭い構造である。本実施例では複数個の台形嵌合溝23が相対して位置する設計が採用され、かつ蓋体2周縁の側壁面25に成形されるものであり、台形嵌合溝23の上方が開口に成るとともに、相対する両側壁面に突出した受力補強部231が形成され、蓋体2の硬度を強化でき、重ねられる重さにも耐えられ、変形しにくい。また、2つの受力補強部に挟まれた内側底面は防滑面233と成り(図3を参照)、嵌合部132を台形嵌合溝23に嵌め込むと防滑面233にしっかり引っ掛かる滑り止め効果が生じ、外れなくなる。
【0022】
本発明の内壁領域14が形成した窪んだ空間に関しては、容器体1と蓋体2が嵌合する時、台形嵌合溝23は容器体1頂面の開口周縁のリブ12により止められることなく、台形嵌合溝23の位置は下向きに移動でき、これに伴い折り曲げ嵌合片13の全長さは短縮し、材料コストを削減できるだけでなく、嵌合片が長すぎて使用者の妨げになる事態を減らすこともできる。構造設計上、蓋体2の基本条件とする高さを低くすることもでき、浅い蓋というニーズが実現される。また、市場価格のニーズに合わせるため、蓋体2にはより薄い材料を使用する必要があるが、そのために、嵌合部132を台形嵌合溝23に押し込んで嵌入させる時に薄すぎる材料が用いられると、台形嵌合溝23が後ろ向きに潰れて嵌合が困難になる。本発明は内壁ガード141の構造を設けることで、台形嵌合溝23が後ろに潰れる時、内壁ガード141によりガードされ、支えが形成されることにより台形嵌合溝23の剛性を強化でき、市場の薄い材料の蓋体に対するニーズを実現できる。
【0023】
本発明の第一実施例における嵌合式組合せ容器を組み合わせた状態を説明するので、図3及び図4を参照されたい。
【0024】
本実施例において、容器体1の折り曲げ嵌合片13は、嵌合片屈曲部134を利用してリブ12の内壁領域14と相互連結し、かつ自由に曲げる動作を行える。図3が示すように、嵌合部132の凸頂面135はプラスチック又はパルプ材質であり、最初の接触面が延伸して折れ曲がる面を形成し、その強度は強く、軽く力を加えれば台形嵌合溝23内にきっちり嵌入され、かつ変形しにくい。
【0025】
容器体1と蓋体2を組み合わせる場合、使用者は手指に力を入れて折り曲げ嵌合片13の押圧部133を押圧し、さらに嵌合片屈曲部134を利用して簡単に折り曲げるとともに、台形嵌合溝23に嵌合部132を嵌入して固定することで結合することができる。逆に、容器体1と蓋体2を分離したい場合、嵌合延伸面131を分離時の受力部として利用すれば、台形嵌合溝23から嵌合部132を楽に外すことができる。
【0026】
一方、使用時に蓋体2を開けたい場合、通常は嵌合構造中1組のみ折り曲げ嵌合片の嵌合部132を相対する台形嵌合溝23から外さずに残せば、折り曲げ嵌合片の嵌合片屈曲部134が蓋体2を連結する役割を果たし、90度又は180度回動でき、嵌合式組合せ容器が開いた状態を形成し、内容物を取り出しやすく、すべての嵌合構造を同時に分離する必要がないので、使用上非常に便利である。
【0027】
また、容器体1のリブ12と蓋体2の辺縁部22の相互に覆って合致させる設計に、本発明の嵌合構造を合わせることにより、緊密に結合することができ、嵌合式組合せ容器にご飯類や麺類等の細かい食材を入れても、ひっくり返すと中身が漏れ出すという心配もなくなる。さらに、本発明の嵌合式組合せ容器を使用する際、嵌合式組合せ容器を反転させて蓋体2と容器体1の上下位置を置き換えても、緊密な結合の組み合わせは達成できる。
【0028】
本実施例において嵌合部132を台形嵌合溝23中に緊密固定する方法について詳細に説明するので、図5及び図6を参照されたい。
【0029】
実施する際は、台形嵌合溝23が嵌合部132の嵌合空間を提供し、この空間は2つの相対して突出した形態の受力補強部231と内側につながった防滑面233(図1及び図3を参照)から構成される窪みであり、嵌合部132の直径サイズを台形嵌合溝23の2つの相対する受力補強部231の間の窪みのサイズよりもわずかに大きくすることにより、嵌合部132を台形嵌合溝23に嵌入する時に嵌って固定される効果が得られ、かつ防滑面233と互いにしっかり引っ掛って滑り止めとなる。さらに、台形嵌合溝23の上部が広く下部が狭い構造により、嵌合式組合せ容器が外力で圧迫されると、嵌合部132と台形嵌合溝23は逆に相互にきつく嵌まり、開きにくくなり、緩んで不安定になる事態も起こらない。特に、台形嵌合溝23の上方は開口であり、受力補強部231の側壁面は正の抜き勾配の斜面を有し、製造時に金型に入れたり金型から外ししたりする成形作業が行いやすく、かつこの正の抜き勾配の設計により成形後の離型時に変形することがない(離型により変形すると、嵌合部132が嵌入される際、押し込まれて係合する効果が得られにくい)。下方の防滑面233により、嵌合式組合せ容器が上下をひっくり返されたり揺さぶられるなどの状態になっても、嵌合部132が滑り出たり外れたりすることを回避できる。両側の受力補強部231は2つの凸形状により構成され、プレス成形時、曲面が多いために硬度が強化され、嵌合部132の押圧嵌合を成し遂げるのに十分な支持力が生じる。
【0030】
上述の実施例において、台形嵌合溝23と折り曲げ嵌合片13の個数は同じであり、1つの折り曲げ嵌合片13につき1つの嵌合部132を有する。しかし、実施する際はこれに限定されず、台形嵌合溝23の個数は1つまたは複数の設計も可能であり、台形嵌合溝23の個数が1つである場合はそれに応じて1つの折り曲げ嵌合片13を設けられ、台形嵌合溝23の個数が複数の場合はそれに応じて1つ又は複数折り曲げ嵌合片13を設けられ、各折り曲げ嵌合片13は1つ又は複数の嵌合部132を有することができ、すべての台形嵌合溝23が対応する嵌合部132を有していればよい。言い換えると、すべての折り曲げ嵌合片13は台形嵌合溝23の個数すべてに対応する嵌合部132を設ける必要がある。
【0031】
本発明第二実施例における、嵌合式組合せ容器の両側辺に一列に並んだ嵌合構造の嵌合部132を有する形態を示す図7を参照されたい。
【0032】
第一実施例と異なるのは、本実施例では、蓋体1の両側辺にそれぞれ1つの長片状の折り曲げ嵌合片13を設け、各折り曲げ嵌合片13は整列配置された複数の嵌合部132を有し、これらの嵌合部132の合計数は台形嵌合溝23の個数に対応し、すべての台形嵌合溝23に1つずつ嵌合するのに十分である。
【0033】
本発明の第三実施例における嵌合式組合せ容器の持ち手を示す図8と、同実施例の嵌合式組合せ容器の使用状況を示す図9を同時に参照されたい。
【0034】
本実施例では、嵌合式組合せ容器上に取り付けられる持ち手26をさらに備え、持ち手26の両端にはそれぞれ嵌合部132を嵌め込む嵌合孔261を設け、かつ両端の間には把持部262を形成し、使用時、持ち手26両端の嵌合孔261には相対する2つの折り曲げ嵌合片13の嵌合部132がそれぞれ嵌入され、さらに嵌合部132が台形嵌合溝23中に嵌入固定されることにより、使用者が把持部262を把持して嵌合式組合せ容器の運搬が行えるようになり、手軽で安全で携帯に便利といった効果が得られる。
【0035】
上述の複数の実施例において、嵌合式組合せ容器は長方形又は円形の構造の容器体1と相互に合わせる蓋体2から成るが、実施する際はこれに限定されず、容器体1と相互に合わせる蓋体2は任意の幾何形状で構成され、その形状は例えば湾曲した形状、多辺形又は任意の形状の構造でもよい。
【0036】
上述した以外にも、本発明が提供する嵌合式組合せ容器の構成は多くの異なる形式により実現でき、さまざまな修正や変更が可能である。具体的には、本発明の台形嵌合溝23、折り曲げ嵌合片13及び嵌合部132はいずれも必要に応じてサイズ、個数、配列方式を自由に変更できる。例えば、嵌合式組合せ容器の周面には折り曲げ嵌合片13と台形嵌合溝23の組み合わせを多めに有することができ、蓋体2の構造強度や支持力をより強固なものにでき、さらに容器体1と蓋体2の組み合わせもより強固にできる。もちろん、本発明の蓋体の嵌合部と容器体の台形嵌合溝も入れ替え設置が可能な設計であり、ある状況下では、嵌合部は蓋体上に設けられるとともに、容器体上に設けられた対応する台形嵌合溝に組み合わせられるが、別の状況下では、嵌合部は容器体上に設けられ、かつ蓋体上に設けられた対応する台形嵌合溝に合わせられる。
【0037】
前述の好ましい実施例をもって以上のように本発明を開示するが、これは本発明を限定するものではなく、当業者は本発明の精神と領域を脱しない範囲内で、いくらかの変更や潤色を加えることができる。したがって、本発明の保護範囲は別途添付される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0038】
1 容器体
11 収容部
12 リブ 12
13 折り曲げ嵌合片
131 嵌合片延伸面
132 嵌合部
133 押圧部
134 嵌合片屈曲部
135 凸頂面
14 内壁領域
141 内壁ガード
2 蓋体
21 隆起部
22 辺縁部
23 台形嵌合溝
231 受力補強部
233 防滑面
24 底面
25 側壁面
26 持ち手
261 嵌合孔
262 把持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9