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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220113BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020213085
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2021-01-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510306591
【氏名又は名称】株式会社アイセイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】五島 良平
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】valuepress,2020年06月16日,https://www.value-press.com/pressrelease/245760
【文献】Amazon,2020年11月16日,https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB-h0gm-09-BB-00-GRADATION/dp/B08NPB4Y8Y
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔を被覆するマスク本体を備え、
前記マスク本体は、前記顔の左半分及び右半分をそれぞれ覆う一対のマスク本体構成体を有し、
前記各マスク本体構成体は、その全表面に、所定の色に着色され、濃淡がつけられた一色の前記色のみが表示された着色領域を有し、
前記着色領域は、前記着用者の耳寄りに配置された耳側領域と、前記耳側領域に隣接し、前記着用者の鼻寄りに配置された鼻側領域と、に区画され、
前記耳側領域の色は、前記鼻側領域の色よりも濃く着色され、
前記鼻側領域は、前記マスク本体構成体の上下方向に延びる複数の小領域により区画され、前記耳側領域に隣接する鼻側主領域を含み、
前記耳側領域は、前記マスク本体構成体の上下方向に延びる複数の小領域により区画された耳側主領域を含み、
前記耳側主領域における複数の小領域及びこの小領域に隣接する前記鼻側主領域の小領域は、それぞれが、前記着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調がグラデーションとなるように着色され、
前記鼻側主領域における複数の小領域は、それぞれが、前記着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調が薄くなるグラデーションとなるように着色され、
記鼻側領域は、前記着用者の鼻横を被覆する位置に配置され、上下方向に延びる複数の小領域により区画された鼻横領域を含み、
前記鼻横領域における複数の小領域は、それぞれが、前記着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調が濃くなるグラデーションとなるように着色されているマスク。
【請求項2】
前記耳側主領域における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画され、
前記耳側主領域における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色と比較して、階調が同一又は薄くなるように着色されている、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記鼻側主領域における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画され、
前記鼻側主領域における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色と比較して、階調が薄くなるように着色されている、請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記鼻側領域は、前記着用者の眼下を被覆する位置に配置され、下方に向かって山なり形状をなす複数の小領域により区画された眼下領域を含み、
前記眼下領域における複数の小領域は、それぞれが、下方の小領域に向かうに伴って、色の階調が濃くなるグラデーションとなるように着色されている、請求項1~3の何れかに記載のマスク。
【請求項5】
前記鼻側領域は、前記着用者の唇を被覆する位置に配置され、前記着用者の耳に向かって延びる複数の小領域により区画された唇領域を含み、
前記唇領域における、前記鼻側主領域に隣接する複数の小領域は、それぞれが、隣接する前記鼻側主領域の色よりも、階調が薄くなるように着色されている、請求項1~4の何れかに記載のマスク。
【請求項6】
前記鼻側領域は、前記鼻横領域に隣接し、かつ前記鼻横領域よりも鼻背寄りに配置された鼻背領域を含み、
前記鼻背領域の色は、前記マスク本体構成体に着色された色の中で、最も階調が薄くなるように着色されている、請求項1に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容目的で着用するマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、風邪やインフルエンザ等の感染防止や花粉症への対策、保温・保湿目的といった多岐に亘る用途で、不織布等により形成された所謂サージカルマスクが、広く活用されてきた。
【0003】
近年では、黒地や白地等のシンプルな外観のマスクのみならず、様々な模様やイラストを施すことで、おしゃれな外観としたマスクが、若者を中心に広く普及している。
【0004】
また、特に現在では、世界的なコロナウイルスの蔓延により、従来に比してマスクが万人にとっての生活必需品となり、マスクを着用した上での外出が、飛沫防止・感染予防の観点から、社会常識となりつつある。
【0005】
ここで、上記のような従来のマスクは、顔の口部近傍をマスク本体部の布が覆ってしまうため、着用者の外観が、マスク非着用時且つ化粧時に比して、美観的に劣るという問題があった。
【0006】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、マスクを着用するだけで化粧時の顔に書き換えが可能で、更に呼吸も可能なマスクに関する発明が記載されている。
【0007】
このマスクは、柔軟性と通気性を有する材質から成り着用者の顔面下部を覆うマスク本体部と、マスク本体部を覆うディスプレイと、マスク本体部の両端側に取付けた耳紐と、を備えている。
これにより、ディスプレイに化粧時の写真や動画像を写すだけで、疑似的に着用者の化粧時の顔を再現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第6693626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1のマスクは、ディスプレイや発光素子等の機械的な要素を含むことから、従来のマスクに比して製造性が悪化するばかりか、ディスプレイの故障により、着用できなくなる恐れもある。
また、特許文献1のマスクは、ディスプレイにより、従来のマスクに比して外観のスマートさが失われ、その重量により着け心地も悪化してしまう。
【0010】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、従来のマスクと同様の着け心地でありながら、マスク非着用時且つ化粧時における美観を、着用時であっても極力損なうことのないマスクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、着用者の顔を被覆するマスク本体を備え、
前記マスク本体は、前記顔の左半分及び右半分をそれぞれ覆う一対のマスク本体構成体を有し、
前記各マスク本体構成体は、その全表面に、所定の色に着色された着色領域を有し、
前記着色領域は、前記着用者の耳寄りに配置された耳側領域と、前記耳側領域に隣接し、前記着用者の鼻寄りに配置された鼻側領域と、に区画され、
前記耳側領域の色は、前記鼻側領域の色よりも濃く着色されている。
【0012】
本発明によれば、各マスク本体構成体において、耳側領域の色が、鼻側領域の色よりも濃く着色されていることで、表面に模様やイラストが施されたマスクはもとより、無地のマスクと比較して、着用時の外観が、人の顔における肌の濃淡に近く、より立体的に見えるようになる。
即ち、上記構成により、マスク本体の表面に、メイクアップテクニックである、シャドウやハイライトのような陰影効果を付与することができ、マスク着用時の顔がより小顔に見える、また、目鼻立ちが良く見える、といった効果を奏することとなる。
【0013】
これにより、本マスクは、従来のマスクと同様の着け心地でありながら、着用時の外観を、マスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記耳側領域は、前記マスク本体構成体の上下方向に延びる複数の小領域により区画された耳側主領域を含み、
前記耳側主領域における複数の小領域及びこの小領域に隣接する前記鼻側領域は、それぞれが、前記着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調がグラデーションとなるように着色されている。
【0015】
このような構成とすることで、耳側主領域の外観が、人の顔における、耳側主領域により被覆されている箇所の濃淡に近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記耳側主領域における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画され、
前記耳側主領域における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色よりも、階調が薄くなるように着色されている。
【0017】
このような構成とすることで、耳側主領域の外観が、人の顔における、耳側主領域により被覆されている箇所の濃淡に、さらに近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記鼻側領域は、前記マスク本体構成体の上下方向に延びる複数の小領域により区画された鼻側主領域を含み、
前記鼻側主領域における複数の小領域は、それぞれが、前記着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調が薄くなるグラデーションとなるように着色されている。
【0019】
このような構成とすることで、鼻側主領域の外観が、人の顔における、鼻側主領域により被覆されている箇所の濃淡に近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記鼻側主領域における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画され、
前記鼻側主領域における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色よりも、階調が薄くなるように着色されている。
【0021】
このような構成とすることで、鼻側主領域の外観が、人の顔における、鼻側主領域により被覆されている箇所の濃淡に、さらに近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記鼻側領域は、前記着用者の眼下を被覆する位置に配置され、下方に向かって山なり形状をなす複数の小領域により区画された眼下領域を含み、
前記眼下領域における複数の小領域は、それぞれが、下方の小領域に向かうに伴って、色の階調が濃くなるグラデーションとなるように着色されている。
【0023】
このような構成とすることで、眼下領域の外観が、人の顔における、眼下領域により被覆されている箇所の濃淡に近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記鼻側領域は、前記着用者の唇を被覆する位置に配置され、前記着用者の耳に向かって延びる複数の小領域により区画された唇領域を含み、
前記唇領域における、前記鼻側主領域に隣接する複数の小領域は、それぞれが、隣接する前記鼻側主領域の色よりも、階調が薄くなるように着色されている。
【0025】
このような構成とすることで、唇領域の外観が、その周囲の領域よりも目立つこととなり、これにより、本マスク表面において、模擬的に口の存在を認識させることができるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記鼻側領域は、前記着用者の鼻横を被覆する位置に配置され、上下方向に延びる複数の小領域により区画された鼻横領域を含み、
前記鼻横領域における複数の小領域は、それぞれが、前記着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調が濃くなるグラデーションとなるように着色されている。
【0027】
このような構成とすることで、鼻横領域の外観が、人の顔における、鼻横領域により被覆されている箇所の濃淡に近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【0028】
本発明の好ましい形態では、前記鼻側領域は、前記鼻横領域に隣接し、かつ前記鼻横領域よりも鼻背寄りに配置された鼻背領域を含み、
前記鼻背領域の色は、前記マスク本体構成体に着色された色の中で、最も階調が薄くなるように着色されている。
【0029】
このような構成とすることで、鼻背領域の外観が、人の顔における、鼻背領域により被覆されている箇所の濃淡に近いものとなるため、着用時の全体の外観を、よりマスク非着用時且つ化粧時における美観に近づけることが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、従来のマスクと同様の着け心地でありながら、マスク非着用時且つ化粧時における美観を、着用時であっても極力損なうことのないマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係るマスクにおけるマスク構成体及び保持部を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態に係るマスク構成体を、着色領域の詳細と共に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るマスクについて説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、これらの図において、符号Xは、本実施形態に係るマスクを示す。
【0033】
図1に示すように、マスクXは、着用者の顔を被覆するマスク本体1と、マスク本体1の被覆状態を保持する一対の保持部2と、を備えている。
また、マスク本体1は、着用者の顔の左半分及び右半分をそれぞれ覆う一対のマスク本体構成体11を有している。
【0034】
ここで、図1では、一対のマスク本体構成体11の内、着用者の顔の左半分を覆うマスク本体構成体11及びこれに連結された保持部2のみを示している。
【0035】
一対のマスク本体構成体11は、その全表面に、所定の色に着色された着色領域Aを有している。
また、着色領域Aは、複数の小領域(後述する耳側主領域A11や鼻側主領域A21等、三桁の符号を付している領域を構成する領域)に区画されており、各小領域は、それぞれの領域内で一定の階調を有するように着色されている。
なお、所定の色としては、例えば肌色が好適に用いられるが、特に限定されない。
【0036】
各保持部2は、例えば伸縮性を有する輪状のゴム紐により構成され、各マスク本体構成体11の耳側端部に縫合形成された筒状部分に挿通されることで、各マスク本体構成体11に連結されている。
【0037】
また、各保持部2は、その略中央部が、筒状の結束部材Zにより束ねられることで、略8の字状となされている。
着用者は、結束部材Zを適宜スライドさせ、筒状部分に挿通されている側の輪の大きさを調整することで、自身の耳の大きさに合わせて、好みの着け心地とすることができる。
【0038】
以下、図2を用いて、着色領域Aに含まれる領域及び小領域について詳述する。
なお、図2においても、図1と同様に、着用者の顔の左半分を覆うマスク本体構成体11のみを示し、その構成を説明するが、顔の右半分を覆うマスク本体構成体11についても、同様の構成となっている。
また、図2において、各小領域の内部に、或いは内部から引出し矢印破線を用いて記載した数値は、階調の幅を1.0~10.0とした際の、各小領域の色の濃淡を表している。
また、図2において、各小領域を区画する各線は仮想的なものであり、実際には、図1に示すように、色の濃淡のみが表われている。
【0039】
図2に示すように、着色領域Aは、着用者の耳寄りに配置された耳側領域A1と、耳側領域A1に隣接し、着用者の鼻寄りに配置された鼻側領域A2と、に区画されている。
ここで、耳側領域A1と鼻側領域A2との境界線L1は、マスク本体構成体11の上端辺から、人の顔の頬から顎先までのラインに沿って延びており、図2において太い一点鎖線で示している。
なお、本実施形態における耳側領域A1と鼻側領域A2との面積比は、凡そ1:1.5となされているが、これに限られず、例えば1:1としても良く、1:1~1.5の範囲とすることが好ましい。
【0040】
また、耳側領域A1の色は、鼻側領域A2の色よりも濃く着色されている。
詳述すれば、耳側領域A1の色の階調は、7.5~10.0の範囲内であり、鼻側領域A2の色の階調は、1.5~7.0の範囲内である。
【0041】
耳側領域A1は、マスク本体構成体11の上下方向に延びる複数の小領域により区画された耳側主領域A11を含む。
ここで、耳側主領域A11に含まれる各小領域の境界線を細い実線で示している。また、この境界線は、マスク本体構成体11の上端辺から、人の顔の頬から顎先までのラインに沿って延びている。
なお、本実施形態においては、耳側領域A1は、耳側主領域A11のみで構成されている。
【0042】
また、耳側主領域A11における複数の小領域及びこの小領域に隣接する鼻側領域A2は、それぞれが、着用者の耳寄りの領域から鼻寄りの領域に向かうに伴って、色の階調がグラデーションとなるように着色されている。
詳述すれば、耳側主領域A11の最も耳寄りの小領域の階調は、9.5であり、そこから隣接する小領域同士の階調の差が0.5~1.0の間となるように、着色されている。そして、耳側主領域A11の最も鼻寄りの小領域の階調が7.5であり、この小領域に隣接する鼻側領域A2(後述する鼻側主領域A21の小領域)の階調が6.5~7.0である。
【0043】
さらに、耳側主領域A11における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画されている。
ここで、耳側主領域A11を上下方向に区画する境界線L2を、細い一点鎖線で示している。
【0044】
そして、耳側主領域A11における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色と比較して、階調が同一又は薄くなるように着色されている。
詳述すれば、各小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域と比較して、階調が同一か又は0.5薄くなるように着色されている。
【0045】
鼻側領域A2は、マスク本体構成体11の上下方向に延びる複数の小領域により区画された鼻側主領域A21を含む。
ここで、鼻側主領域A21に含まれる各小領域の境界線を細い実線で示している。また、この境界線は、マスク本体構成体11の上端辺から、人の顔の頬から顎先までのラインに沿って延びている。
【0046】
また、鼻側主領域A21における複数の小領域は、それぞれが、着用者の耳寄りの領域から鼻寄りの領域に向かうに伴って、色の階調が薄くなるグラデーションとなるように着色されている。
詳述すれば、鼻側主領域A21の最も耳寄りの小領域の階調は、上記した通り6.5~7.0であり、そこから隣接する小領域同士の階調の差が0.5~1.0の間となるように、着色され、鼻側主領域A21の最も鼻寄りの小領域の階調が3である。
【0047】
さらに、鼻側主領域A21における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画されている。
ここで、耳側主領域A11を上下方向に区画する境界線は、耳側主領域A11を上下方向に区画している境界線L2と同一である。
【0048】
そして、鼻側主領域A21における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色と比較して、階調が薄くなるように着色されている。
詳述すれば、各小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域と比較して、階調が0.5薄くなるように着色されている。
【0049】
鼻側領域A2は、着用者の眼下を被覆する位置に配置され、下方に向かって山なり形状をなす複数の小領域により区画された眼下領域A22を含む。
ここで、眼下領域A22に含まれる各小領域の境界線を細い実線で示し、眼下領域A22に対する鼻側主領域A21との境界線を太い実線で示している。
【0050】
また、眼下領域A22における複数の小領域は、それぞれが、下方の小領域に向かうに伴って、色の階調が濃くなるグラデーションとなるように着色されている。
詳述すれば、眼下領域A22の最も上方の小領域の階調は、1.5であり、そこから隣接する小領域同士の階調の差が0.5~1.0の間となるように、着色され、眼下領域A22の最も下方の小領域の階調が4.5である。
【0051】
鼻側領域A2は、着用者の唇を被覆する位置に配置され、着用者の耳に向かって延びる複数の小領域により区画された唇領域A23を含む。
ここで、唇領域A23に含まれる各小領域の境界線を細い実線で示し、唇領域A23に対する鼻側主領域A21との境界線を太い実線で示している。
【0052】
また、唇領域A23における、鼻側主領域A21に隣接する複数の小領域は、それぞれが、隣接する鼻側主領域A21の色よりも、階調が薄くなるように着色されている。
詳述すれば、鼻側主領域A21に隣接する、唇領域A23の2つの小領域の階調は2であり、隣接する鼻側主領域A21の階調は3.0~4.5である。
さらに、唇領域A23の2つの小領域の間に配置された小領域の階調は、これらの小領域の階調酔いも濃く、具体的には6である。
【0053】
鼻側領域A2は、着用者の鼻横を被覆する位置に配置され、上下方向に延びる複数の小領域により区画された鼻横領域A24を含む。
ここで、鼻横領域A24に含まれる各小領域の境界線を細い実線で示し、鼻横領域A24に対する鼻側主領域A21、眼下領域A22及び後述する鼻背領域A25との境界線を太い実線で示している。
【0054】
また、鼻横領域A24における複数の小領域は、それぞれが、着用者の耳寄りの小領域から鼻寄りの小領域に向かうに伴って、色の階調が濃くなるグラデーションとなるように着色されている。
詳述すれば、鼻横領域A24における最も耳寄りの小領域の階調は3.5~4.0であり、最も鼻寄りの小領域の階調は5.5~6.0である。
【0055】
さらに、鼻横領域A24における複数の小領域は、それぞれが上下方向に区画されている。
ここで、鼻横領域A24を上下方向に区画する境界線L3を、細い一点鎖線で示している。
【0056】
そして、鼻横領域A24における一の小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域の色と比較して、階調が同一又は濃くなるように着色されている。
詳述すれば、各小領域の上側領域の色は、この上側領域に対応する下側領域と比較して、階調が同一か又は0.5濃くなるように着色されている。
【0057】
鼻側領域A2は、鼻横領域A24に隣接し、かつ鼻横領域A24よりも鼻背寄りに配置された鼻背領域A25を含む。
【0058】
鼻背領域A25の色は、マスク本体構成体11に着色された色の中で、最も階調が薄くなるように着色されている。
詳述すれば、鼻背領域A25の階調は、1.5である。
なお、本実施形態においては、鼻背領域A25は、一つの小領域で構成されているが、鼻側主領域A21等のように、複数の小領域により区画し、それぞれを異なる階調とする構成としても良い。
【0059】
この他、鼻側領域A2は、着用者の鼻下を被覆する位置に配置された鼻下領域A26、口下を被覆する位置に配置された口下領域A27、顎先を被覆する位置に配置された顎先領域A28を含む。
【0060】
これらの領域A26~A28は全て、耳側に向かって山なりに突出した2つの小領域により区画されている。
また、鼻下領域A26及び口下領域A27は、内側の小領域が外側の小領域よりも、0.5濃くなるように着色され、顎先領域A28は、内側の小領域が外側の小領域よりも、0.5薄くなるように着色されている。
【0061】
このように、本実施形態に係るマスクXは、着色領域Aを複数の領域に区画し、さらにこの複数の領域を複数の小領域に区画した上で、各小領域に適切な階調の色を着色することで、着色領域A全体として、ナチュラルなグラデーションを呈するように構成されている。
【0062】
着用者は、本実施形態に係るマスクXを着用することで、従来のマスクと同様の着け心地でありながら、マスク非着用時且つ化粧時における美観を極力損なわず、ナチュラルな外観を維持することが可能となる。
【0063】
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0064】
X マスク
1 マスク本体
11 マスク本体構成体
A 着色領域
A1 耳側領域
A11 耳側主領域
A2 鼻側領域
A21 鼻側主領域
A22 眼下領域
A23 唇領域
A24 鼻横領域
A25 鼻背領域
A26 鼻下領域
A27 口下領域
A28 顎先領域
2 保持部
Z 結束部材
【要約】
【課題】従来のマスクと同様の着け心地でありながら、マスク非着用時且つ化粧時における美観を、着用時であっても極力損なうことのないマスクを提供する。
【解決手段】着用者の顔を被覆するマスク本体1を備え、マスク本体1は、顔の左半分及び右半分をそれぞれ覆う一対のマスク本体構成体11を有し、各マスク本体構成体11は、その全表面に、所定の色に着色された着色領域Aを有し、着色領域Aは、着用者の耳寄りに配置された耳側領域A1と、耳側領域A1に隣接し、着用者の鼻寄りに配置された鼻側領域A2と、に区画され、耳側領域A1の色は、鼻側領域A2の色よりも濃く着色されている。
【選択図】図1
図1
図2