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特許7002800地中箱の内蓋、内蓋に用いられるシリンダ錠および内蓋付き地中箱
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】地中箱の内蓋、内蓋に用いられるシリンダ錠および内蓋付き地中箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/10 20060101AFI20220113BHJP
   E02D 29/14 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
H02G9/10
E02D29/14 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021129823
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2021-09-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】393013618
【氏名又は名称】光海陸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(72)【発明者】
【氏名】樋口 和男
(72)【発明者】
【氏名】小松 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】信田 竜太朗
(72)【発明者】
【氏名】高野 雄造
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-033896(JP,A)
【文献】特開2010-268539(JP,A)
【文献】特開2019-047683(JP,A)
【文献】特開2000-059967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/10
H02G 9/04
E02D 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、前記箱本体の前記収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する外蓋と、を備える地中箱の前記外蓋の前記収容空間側において前記開口部を閉鎖する内蓋であって、
前記内蓋は、
前記開口部を覆う蓋本体と、
前記蓋本体に設けられ、前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック機構と、を有し、
前記ロック機構は、一端側が前記蓋本体の上面側に位置し、他端側が前記蓋本体の上面側から下方に延びるように形成され
前記蓋本体は、板状部材の曲げ加工によって形成され、
前記蓋本体の上面側には、前記板状部材の曲げ加工によって、一部分が他の部分に対して凹む凹部が形成され、
前記凹部には、前記開口部に対して前記蓋本体を着脱する際に把持する取っ手が取り付けられている
地中箱の内蓋。
【請求項2】
地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、前記箱本体の前記収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する外蓋と、を備える地中箱の前記外蓋の前記収容空間側において前記開口部を閉鎖する内蓋であって、
前記内蓋は、
前記開口部を覆う蓋本体と、
前記蓋本体に設けられ、前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック機構と、を有し、
前記ロック機構は、一端側が前記蓋本体の上面側に位置し、他端側が前記蓋本体の上面側から下方に延びるように形成され、
前記蓋本体は、外周部の少なくとも角部分に貼付される軟質部材を備える
中箱の内蓋。
【請求項3】
地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、前記箱本体の前記収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する外蓋と、を備える地中箱の前記外蓋の前記収容空間側において前記開口部を閉鎖する内蓋であって、
前記内蓋は、
前記開口部を覆う蓋本体と、
前記蓋本体に設けられ、前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック機構と、を有し、
前記ロック機構は、一端側が前記蓋本体の上面側に位置し、他端側が前記蓋本体の上面側から下方に延びるように形成され、
前記蓋本体は、板状部材の曲げ加工によって形成され、
前記蓋本体の上面側には、前記板状部材の曲げ加工によって、一部分が他の部分に対して凹む凹部が形成され、
前記凹部には、前記開口部に対して前記蓋本体を着脱する際に把持する取っ手が取り付けられ、
前記蓋本体は、外周部の少なくとも角部分に貼付される軟質部材を備える
地中箱の内蓋。
【請求項4】
前記蓋本体は、二相系ステンレス鋼からなる
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋。
【請求項5】
前記蓋本体は、それぞれ別体として形成された複数の分割蓋部材からなり、複数の前記分割蓋部材を所定方向に並べることによって前記開口部を閉鎖するものであり、
複数の前記分割蓋部材は、所定の幅方向の大きさに形成された少なくとも1つ以上の基準蓋部材と、前記開口部の大きさに応じて幅方向の大きさが調整された1つの幅調整蓋部材と、からなる
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋。
【請求項6】
前記蓋本体は、それぞれ別体として形成された複数の連結蓋部材からなり、一の前記連結蓋部材に対して他の前記連結蓋部材を移動自在に連結することにより、所定方向の大きさを変更可能である
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋。
【請求項7】
前記ロック機構は、
前記開口部を閉鎖した状態の前記蓋本体の上下方向に延びる筒状部材と、
前記筒状部材の下部側に設けられ、前記箱本体に固定された部材に対して係脱自在に設けられ、前記箱本体に固定された部材に係合することによって前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック部材と、
前記筒状部材の上端から挿入されるハンドルによって回転可能であり、前記ロック部材の前記箱本体に固定された部材に対して係合する状態と係合が解除された状態とを切り替える操作を行うための切替操作部材と、
鍵によって施錠および開錠が切り替えられ、前記筒状部材の上部側に着脱自在に設けられたシリンダ錠と、を有している
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋。
【請求項8】
前記ロック部材は、前記筒状部材の下端側から前記箱本体に固定された部材側に延びる板状部材である
請求項7に記載の地中箱の内蓋。
【請求項9】
前記切替操作部材は、前記筒状部材の内側において前記ハンドルの端部が嵌合する嵌合部を有し、
前記嵌合部は、複数種類の形状のうちの1つの形状を設定可能である
請求項7または8に記載の地中箱の内蓋。
【請求項10】
前記蓋本体は、一対の前記ロック機構を有し、
一対の前記ロック機構のそれぞれの前記シリンダ錠は、施錠および開錠を切り替える鍵の操作方向が互いに反対方向である
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋に用いられるシリンダ錠であって、
先端部が円柱状の鍵が嵌合する円形状の鍵穴を有している
シリンダ錠。
【請求項12】
前記箱本体と、
前記外蓋と、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の地中箱の内蓋と、を備える
内蓋付き地中箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設されるケーブルの一部が収容されるハンドホールやマンホール等の地中箱の内蓋および内蓋に用いられるシリンダ錠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中箱は、地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、箱本体の収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する蓋と、からなり、蓋を取り外して箱本体の開口部を開放した状態で、作業者がケーブルの敷設やメンテナンス等の作業を行っていた。
【0003】
しかし、箱本体および蓋からなる地中箱は、作業者による作業時以外において、蓋が取り外されることによって、ケーブルに対する悪戯、破壊、盗難等の不正行為が行われる可能性がある。
【0004】
そこで、箱本体および蓋からなる地中箱に対して、蓋の収容空間側に配置される内蓋と、内蓋の取り外しを制限するロック機構と、を構成することによって、不正行為を目的として箱本体の開口部が開放されることを防止するようにした地中箱が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5094785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、内蓋およびロック機構を有する地中箱は、内蓋が蓋と接触することがないように、蓋と間隔をおいて内蓋が配置されることになるため、収容空間が小さくなり、収容空間に収容可能なケーブルの本数が少なくなることが考えられる。また、既に設置されている箱本体および蓋とからなる地中箱に対して内蓋を取り付ける場合には、収容空間の上部側にケーブルが位置してる場合に、内蓋の設置スペースを確保するために、ケーブルを移設する必要が生じるおそれがある。
【0007】
本発明の目的とするところは、ケーブルの収容空間を最大限に確保することのできる地中箱の内蓋内蓋に用いられるシリンダ錠および内蓋付き地中箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る地中箱の内蓋は、地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、前記箱本体の前記収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する外蓋と、を備える地中箱の前記外蓋の前記収容空間側において前記開口部を閉鎖する内蓋であって、前記内蓋は、前記開口部を覆う蓋本体と、前記蓋本体に設けられ、前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック機構と、を有し、前記ロック機構は、一端側が前記蓋本体の上面側に位置し、他端側が前記蓋本体の上面側から下方に延びるように形成され、前記蓋本体は、板状部材の曲げ加工によって形成され、前記蓋本体の上面側には、前記板状部材の曲げ加工によって、一部分が他の部分に対して凹む凹部が形成され、前記凹部には、前記開口部に対して前記蓋本体を着脱する際に把持する取っ手が取り付けられている
【0009】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、前記箱本体の前記収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する外蓋と、を備える地中箱の前記外蓋の前記収容空間側において前記開口部を閉鎖する内蓋であって、前記内蓋は、前記開口部を覆う蓋本体と、前記蓋本体に設けられ、前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック機構と、を有し、前記ロック機構は、一端側が前記蓋本体の上面側に位置し、他端側が前記蓋本体の上面側から下方に延びるように形成され、前記蓋本体は、外周部の少なくとも角部分に貼付される軟質部材を備える
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、地中に埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間を有する箱本体と、前記箱本体の前記収容空間の上部に形成された開口部を閉鎖する外蓋と、を備える地中箱の前記外蓋の前記収容空間側において前記開口部を閉鎖する内蓋であって、前記内蓋は、前記開口部を覆う蓋本体と、前記蓋本体に設けられ、前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック機構と、を有し、前記ロック機構は、一端側が前記蓋本体の上面側に位置し、他端側が前記蓋本体の上面側から下方に延びるように形成され、前記蓋本体は、板状部材の曲げ加工によって形成され、前記蓋本体の上面側には、前記板状部材の曲げ加工によって、一部分が他の部分に対して凹む凹部が形成され、前記凹部には、前記開口部に対して前記蓋本体を着脱する際に把持する取っ手が取り付けられ、前記蓋本体は、外周部の少なくとも角部分に貼付される軟質部材を備える。
【0010】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記蓋本体が、二相系ステンレス鋼からなる。
【0011】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記蓋本体が、それぞれ別体として形成された複数の分割蓋部材からなり、複数の前記分割蓋部材を所定方向に並べることによって前記開口部を閉鎖するものであり、複数の前記分割蓋部材が、所定の幅方向の大きさに形成された少なくとも1つ以上の基準蓋部材と、前記開口部の大きさに応じて幅方向の大きさが調整された1つの幅調整蓋部材と、からなる。
【0012】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記蓋本体が、それぞれ別体として形成された複数の連結蓋部材からなり、一の前記連結蓋部材に対して他の前記連結蓋部材を移動自在に連結することにより、所定方向の大きさを変更可能である。
【0014】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記ロック機構が、前記開口部を閉鎖した状態の前記蓋本体の上下方向に延びる筒状部材と、前記筒状部材の下部側に設けられ、前記箱本体に固定された部材に対して係脱自在に設けられ、前記箱本体に固定された部材に係合することによって前記蓋本体によって前記開口部を閉鎖した状態を保持するロック部材と、前記筒状部材の上端から挿入されるハンドルによって回転可能であり、前記ロック部材の前記箱本体に固定された部材に対して係合する状態と係合が解除された状態とを切り替える操作を行うための切替操作部材と、鍵によって施錠および開錠が切り替えられ、前記筒状部材の上部側に着脱自在に設けられたシリンダ錠と、を有している。
【0015】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記ロック部材が、前記筒状部材の下端側から前記箱本体に固定された部材側に延びる所定の厚さ以上の板状部材である。
【0016】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記切替操作部材が、前記筒状部材の内側において前記ハンドルの端部が嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部が、複数種類の形状のうちの1つの形状を設定可能である。
【0017】
また、本発明に係る地中箱の内蓋は、前記蓋本体が、一対の前記ロック機構を有し、一対の前記ロック機構のそれぞれの前記シリンダ錠は、施錠および開錠を切り替える鍵の操作方向が互いに反対方向である。
【0018】
また、本発明に係るシリンダ錠は、先端部が円柱状の鍵が嵌合する円形状の鍵穴を有している。
また、本発明に係る内蓋付き地中箱は、前記箱本体と、前記外蓋と、前記内蓋と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ロック機構が蓋本体の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋の下方において、外蓋の下面に近い位置に内蓋を配置することが可能となり、ケーブルの収容空間を最大限に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る地中箱の側面断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る地中箱の正面断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る地中箱の平面断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る地中箱の要部正面断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るロック機構の側面断面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るシリンダ錠の側面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るシリンダ錠の平面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係るディンプルキーの平面図である。
図9】本発明の第1実施形態に係るハンドルの平面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る地中箱の平面断面図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る地中箱の平面断面図である。
図12】本発明の第4実施形態に係る地中箱の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図9は、本発明の第1実施形態を示すものである。図1は地中箱の側面断面図であり、図2は地中箱の正面断面図であり、図3は地中箱の平面断面図であり、図4は地中箱の要部正面断面図であり、図5はロック機構の側面断面図であり、図6はシリンダ錠の側面図であり、図7はシリンダ錠の平面図であり、図8はディンプルキーの平面図であり、図9はハンドルの平面図である。
【0022】
本発明の内蓋が適用される地中箱1は、地中に埋設される電力線、信号線等のケーブル2の一部が収容され、ケーブル2の敷設作業時またはメンテナンス作業時に用いられる、所謂、ハンドホールまたはマンホールである。
【0023】
地中箱1は、図1および図2に示すように、上面に開口部10aが形成された箱本体10と、開口部10aを閉鎖するための外蓋20と、外蓋20の下方において開口部10aを閉鎖する内蓋30と、を備えている。
【0024】
箱本体10は、コンクリート製の部材からなる。箱本体10は、矩形状に形成された底面部10bと、底面部10bの外周側の周方向にわたって上方に延びる側面部10cと、を有し、底面部10bおよび側面部10cによって囲まれる空間が、埋設されるケーブルの一部が収容される収容空間10dとなる。箱本体10は、開口部10aが、例えば道路の路面等の地面Gの近傍に位置する高さで、地中に埋設される。箱本体10の収容空間10dには、側面部10cに形成されたケーブル挿通用の孔10c1を介してケーブル2が引き込まれる。
【0025】
外蓋20は、鋳鉄等の金属製の部材かならる。外蓋20は、箱本体10の長手方向および短手方向と略同一の大きさの矩形の板状部材である。外蓋20は、箱本体10の上面に載置され、開口部10aを閉鎖した状態において、上面が地面Gと面一となる高さに設定される。外蓋20は、箱本体10に対して、専用の器具によって着脱される。
【0026】
内蓋30は、ステンレス製の部材からなる。内蓋30は、図1乃至図3に示すように、開口部10aを覆う蓋本体31と、箱本体10の収容空間10dの上部に設けられ、蓋本体31を支持する受枠32と、蓋本体31に設けられ、蓋本体31によって開口部10aを閉鎖した状態を保持するための一対のロック機構33と、を有している。
【0027】
蓋本体31は、例えばNSSC2120等の二相系ステンレス鋼からなる板状部材をプレス加工によって屈曲させることにより、開口部10aの形状および大きさと略同一の形状および大きさに形成されている。蓋本体31の短手方向の中央部側の上面には、板状部材のプレス加工によって、短手方向の両側に対して凹む凹部31aが長手方向にわたって形成されている。また、凹部31aにおける蓋本体31の長手方向両側には、開口部10aに対して蓋本体31を着脱する際に作業者が把持する取っ手31bが設けられている。取っ手31bは、作業者が把持する部分の両端側が屈曲して延びるように形成され、一端部および他端部が蓋本体31の凹部31aに固定され、作業者が把持する部分が上方に張り出している。
【0028】
受枠32は、箱本体10の収容空間10dの上部において、開口部10aに沿って延びるように設けられている。受枠32は、二相系ステンレス鋼を断面L字状に形成した部材を、複数個連結することによって構成される。
【0029】
一対のロック機構33は、図2および図3に示すように、それぞれ、蓋本体31の長手方向の一端側における短手方向の両側に配置されている。ロック機構33は、図5に示すように、開口部10aを閉鎖した状態の蓋本体31の上下方向に延びる筒状部材33aと、筒状部材33aの下部側に設けられ、受枠32に対して係脱自在に設けられ、受枠32に係合することによって蓋本体31によって開口部10aを閉鎖した状態を保持するロック部材33bと、筒状部材33aの上端から挿入されたハンドルHによって回転可能であり、ロック部材33bの受枠32に対して係合する状態と係合が解除された状態とを切り替える操作を行うための切替操作部材33cと、ディンプルキーKによって施錠および開錠が切り替えられ、筒状部材33aの内側の切替操作部材33cの上方において着脱自在に設けられたシリンダ錠33dと、筒状部材33aの上端部に着脱自在に設けられ、シリンダ錠33dを上方から覆う蓋33eと、を有している。
【0030】
筒状部材33aは、ステンレス等の金属製の部材からなる。筒状部材33aの上端部の外周面には、周方向にわたって外周側に張り出すフランジ部33a1が設けられている。筒状部材33aは、フランジ部33a1を蓋本体31にネジ等によって固定することによって、蓋本体31に対して固定される。筒状部材33aの上端部は、蓋本体31に設けられた孔を介して蓋本体31の上面から露出している。これにより、ロック機構33は、一端側が蓋本体31の上面側に位置し、他端側が蓋本体31の上面側から下方に延びるように形成されることになる。
【0031】
ロック部材33bは、所定の厚さを有する板状部材からなり、基端部が切替操作部材33cに連結され、先端部が筒状部材33aの下端部の外周面から径方向外側に張り出している。ロック部材33bは、筒状部材33aの周方向の90度の角度の範囲内を回転自在に設けられている。ロック部材33bは、先端側が受枠32の下方に位置することによって、開口部10aに対して蓋本体31を取り外すことを制限し、蓋本体31によって開口部10aを閉鎖した状態を保持する。
【0032】
切替操作部材33cは、筒状部材33aの内側の下部側に設けられ、下端部にロック部材33bが連結されている。切替操作部材33cは、筒状部材33aの内側においてコイルばね等の付勢部材33c1によって上方に付勢されており、付勢部材33c1の付勢力に抗して下方に押し込まれた状態で、筒状部材33aに対する回転が可能となる。切替操作部材33cは、上面に長円形状の穴33c2が形成され、専用のハンドルHの後述する凸部を穴に嵌合させた状態でハンドルHによって回転操作が行われる。
【0033】
シリンダ錠33dは、筒状部材33aの上部側に取り付けた状態とすることにより、下方に位置する切替操作部材33cのハンドルHによる操作を制限する。シリンダ錠33dは、ディンプルキーKによって施錠および開錠が行われるディンプルシリンダである。シリンダ錠33dは、図6および図7に示すように、鍵としてのディンプルキーKが差し込まれる鍵穴33d11が一端面に形成された柱状の本体部33d1と、本体部33d1の他端面に回動自在に支持され、筒状部材33aの内周部に係合可能な係合部33d2と、鍵穴カバー33d3と、を有している。
【0034】
本体部33d1は、筒状部材33aの内周側に嵌合する円柱形状を有している。本体部33d1の外周部には、外周側に突出する突出部33d12形成され、筒状部材33aの内周側に形成された図示しない溝に係合することにより、筒状部材33aに対する本体部33d1の下方への移動および回転が規制される。また、本体部33d1の鍵穴33d11は、ディンプルキーKの先端側が嵌合する円形状を有している。ディンプルキーKは、図8に示すように、鍵穴33d11に差し込まれる先端側が、外周部に複数の凹部が形成された円柱状に形成されている。
【0035】
係合部33d2は、本体部33d1の他端面に回動自在に支持された円板状の部材である。係合部33d2は、ディンプルキーKによって施錠した状態とすると、本体部33d1の外周面から外周側に張り出した状態となり、筒状部材33aの内周側の段差部分に係合し、シリンダ錠33dが筒状部材33aの内周側に固定された状態となる。また、係合部33d2は、ディンプルキーKによって開錠した状態とすると、本体部33d1の端面の範囲内に位置し、シリンダ錠33dを筒状部材33aの内側から取り外すことが可能となる。
【0036】
鍵穴カバー33d3は、樹脂製の部材からなり、本体部33d1の一端面を覆うカバー本体33d31と、カバー本体33d31と一体に形成され、鍵穴33d11に挿入される軸部33d32と、を有している。
【0037】
蓋33eは、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性体からなる。蓋33eは、筒状部材33aの上端部に配置され、ハンドルHに設けられた後述する磁石によって着脱される。
【0038】
ハンドルHは、図9に示すように、金属製の棒状の軸部材H1の軸方向の中間部に切替操作部材33cを操作する際に作業者が把持する把持部H2が溶接等によって固定されている。軸部材H1の一端部には、切替操作部材33cの長円形状の穴に嵌合する長円形状の凸部H11が設けられている。また、軸部材H1の他端部には、筒状部材33aの上端部に取り付けられている蓋33eを磁力によって取り外すための磁石H12が設けられている。
【0039】
以上のように構成された地中箱1において、内蓋30は、箱本体10の収容空間10dの上部に位置する側面部10cに受枠32を固定することにより、受枠32によって蓋本体31が支持される。箱本体10の開口部10aは、蓋本体31によって開放可能に閉鎖される。
【0040】
このとき、内蓋30のロック機構33は、筒状部材33aの上端部にフランジ部33a1が設けられ、フランジ部33a1を介して筒状部材33aが蓋本体31に取り付けられる。これにより、ロック機構33は、蓋本体31の上面側から上方に張り出すことなく、蓋本体31の下面側から下方に張り出すことになる。このため、外蓋20に対して近接した位置に内蓋30を配置した場合においても、ロック機構33の上端部が外蓋20の下面に接触することはない。
【0041】
このように、本実施形態の地中箱1の内蓋30によれば、地中に埋設されるケーブル2の一部が収容される収容空間10dを有する箱本体10と、箱本体10の収容空間10dの上部に形成された開口部10aを閉鎖する外蓋20と、を備える地中箱1の外蓋20の収容空間10d側において開口部10aを閉鎖する内蓋30であって、内蓋30は、開口部10aを覆う蓋本体31と、蓋本体31に設けられ、蓋本体31によって開口部10aを閉鎖した状態を保持するロック機構33と、を有し、ロック機構33は、一端側が蓋本体31の上面側に位置し、他端側が蓋本体31の上面側から下方に延びるように形成されている。
【0042】
これにより、ロック機構33が蓋本体31の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋20の下方において、外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となり、ケーブル2の収容空間10dを最大限に確保することが可能となる。
【0043】
また、蓋本体31は、板状部材の曲げ加工によって形成され、蓋本体31の上面側には、板状部材の曲げ加工によって、一部分が他の部分に対して凹む凹部31aが形成され、凹部31aには、蓋本体31を移動させる際に把持する取っ手31bが取り付けられている。
【0044】
これにより、蓋本体31の上面から上方への張り出す取っ手31bの張り出し高さを小さくすることができるので、より外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となる。
【0045】
また、蓋本体31は、二相系ステンレス鋼からなる。
【0046】
これにより、例えば、SUS304等のステンレス鋼によって蓋本体を形成する場合と比較して、蓋本体31を形成する板状部材の板厚を小さくしても必要な強度を得ることができるので、軽量化を図ることができる。また、耐食性が高いので、蓋本体31の長寿命化を図ることが可能となる。
【0047】
また、ロック機構33は、開口部10aを閉鎖した状態の蓋本体31の上下方向に延びる筒状部材33aと、筒状部材33aの下部側に設けられ、箱本体10に固定された受枠32に対して係脱自在に設けられ、受枠32に係合することによって蓋本体31によって開口部10aを閉鎖した状態を保持するロック部材33bと、筒状部材33aの上端から挿入されるハンドルHによって回転可能であり、ロック部材33bの受枠32に対して係合する状態と係合が解除された状態とを切り替える操作を行うための切替操作部材33cと、ディンプルキーKによって施錠および開錠が切り替えられ、筒状部材33aの上部側に着脱自在に設けられたシリンダ錠33dと、を有している。
【0048】
これにより、シリンダ錠33dによって切替操作部材33cの操作を制限することが可能となるので、作業者による作業時以外における不正行為を目的とする開口部10aの開放を抑制することが可能となる。
【0049】
また、ロック部材33bは、筒状部材33aの下端側から受枠32側に延びる所定の厚さ以上の板状部材である。
【0050】
これにより、例えば所定の外径寸法を有する断面円形の棒状部材をロック部材として用いる場合と比較して、強度を向上させることが可能となり、ロック機構33の破壊強度を向上させることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態のシリンダ錠によれば、先端部が円柱状のディンプルキーKが嵌合する円形状の鍵穴33d11を有している。
【0052】
これにより、所謂ピッキング行為によってシリンダ錠33dを解錠する場合に、ピッキング用の器具を鍵穴に挿入しながらシリンダ錠33dの解錠を行うが、他の形状の鍵穴と比較して、円形状の鍵穴33d11の方が解錠の難易度が高く、不正な解錠を抑制することが可能となる。
【0053】
図10は、本発明の第2実施形態を示すものであり、地中箱の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0054】
本実施形態の地中箱1の内蓋30は、蓋本体31が、それぞれ別体として形成された複数の分割蓋部材31cからなり、複数の分割蓋部材31cを所定方向に並べることによって開口部10aを閉鎖する。
【0055】
複数の分割蓋部材31cは、所定の幅方向の大きさW1に形成された少なくとも1つ以上の基準蓋部材31c1と、前記開口部10aの大きさに応じて幅方向の大きさが調整された幅方向の大きさW2に形成された1つの幅調整蓋部材31c2と、からなる。基準蓋部材31c1の枚数および幅調整蓋部材31c2の幅方向の大きさは、箱本体10の開口部10aの長手方向の大きさに基づいて、それぞれ設定される。
【0056】
以上のように構成された地中箱1において、蓋本体31は、開口部10aの長手方向の大きさが異なる複数種類の箱本体10のそれぞれについて、1つ以上の基準蓋部材31c1と、箱本体10毎に作成される1つの幅調整蓋部材31c2と、によって構成される。
【0057】
このように、本実施形態の地中箱1の内蓋30によれば、第1実施形態と同様に、ロック機構33が蓋本体31の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋20の下方において、外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となり、ケーブル2の収容空間10dを最大限に確保することが可能となる。
【0058】
また、蓋本体31は、それぞれ別体として形成された複数の分割蓋部材31cからなり、複数の分割蓋部材31cを所定方向に並べることによって開口部10aを閉鎖するものであり、複数の分割蓋部材31cは、所定の幅方向の大きさに形成された少なくとも1つ以上の基準蓋部材31c1と、開口部10aの大きさに応じて幅方向の大きさが調整された1つの幅調整蓋部材31c2と、からなる。
【0059】
これにより、開口部10aの長手方向の大きさが異なる複数種類の箱本体10に内蓋30を取り付ける場合において、開口部10aの一部を、いずれの種類の箱本体10に利用可能な基準蓋部材31c1によって閉鎖し、開口部10aのその他の部分を、箱本体10毎に形成した1つの幅調整蓋部材31c2によって閉鎖することができるので、蓋本体31の部材の共通化を図ることが可能となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0060】
図11は、本発明の第3実施形態を示すものであり、地中箱の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0061】
本実施形態の地中箱1の内蓋30は、蓋本体31が、それぞれ別体として形成された複数の連結蓋部材31dからなり、一の連結蓋部材31dに対して他の連結蓋部材31dを移動自在に連結することにより、所定方向の大きさを変更可能である。
【0062】
複数の連結蓋部材31dは、一の連結蓋部材31dに対して他の連結蓋部材31dを所定方向に移動自在に支持する、例えばレール構造を構成することによって、一の連結蓋部材31dに対して他の連結蓋部材31dを所定方向に移動可能としている。
【0063】
以上のように構成された地中箱1において、蓋本体31は、複数の連結蓋部材31dの一の連結蓋部材31dに対して他の連結蓋部材31dを移動させて所定方向の大きさを調整することにより、開口部10aを閉鎖することが可能となる。
【0064】
このように、本実施形態の地中箱1の内蓋30によれば、第1実施形態と同様に、ロック機構33が蓋本体31の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋20の下方において、外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となり、ケーブル2の収容空間10dを最大限に確保することが可能となる。
【0065】
また、蓋本体31は、それぞれ別体として形成された複数の連結蓋部材31dからなり、一の連結蓋部材31dに対して他の連結蓋部材31dを移動自在に連結することにより、所定方向の大きさを変更可能である。
【0066】
これにより、開口部10aの所定方向の大きさが異なる複数種類の箱本体10に内蓋30を取り付ける場合において、複数の連結蓋部材31dの一の連結蓋部材31dに対して他の連結蓋部材31dを移動させて蓋本体31の所定方向の大きさを調整することによって開口部10aを閉鎖することが可能となるので、蓋本体31の部材の共通化を図ることが可能となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0067】
尚、第3実施形態では、図11に示すように、蓋本体31を互いに移動自在に連結した2つの連結蓋部材31dによって構成するものを示したが、これに限られるものではない。蓋本体は、隣り合う連結蓋部材を互いに移動自在に連結した3以上の連結蓋部材から構成してもよい。
【0068】
図12は、本発明の第4実施形態を示すものであり、地中箱の正面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0069】
本実施形態の地中箱1の内蓋30は、蓋本体31の外周部の少なくとも角部分に貼付される例えば発泡ゴム等の軟質部材31eを備えている。
【0070】
また、箱本体10の収容空間10dにおける、内蓋30の下方には、蓋本体31を補足するものであり、蓋本体31のケーブル2に対する接触を防止するための落下防止ネット40が設けられている。
【0071】
落下防止ネット40は、収容空間10dの上部を水平方向に延びるように張られ、例えばアイボルト等の係止部材41によって係止されている。落下防止ネット40は、必要に応じて箱本体10から取り外すことが可能に構成されている。
【0072】
以上のように構成された地中箱1において、取り外された蓋本体31を誤って箱本体10の収容空間10d内に落下させた場合に、蓋本体31は、落下防止ネット40によって捕捉されるため、収容空間10dに収容されているケーブル2に対する接触を防止することが可能となる。
【0073】
また、落下防止ネット40が箱本体10から取り外された状態で、蓋本体31を収容空間10d内に落下させ、蓋本体31がケーブル2に接触する場合が考えられる。しかし、蓋本体31の外周部の角部分には、軟質部材31eが貼付されているため、蓋本体31の外周部の角部分が直接的にケーブル2に接触することはなく、蓋本体31によるケーブル2の破損を抑制することが可能となる。
【0074】
このように、本実施形態の地中箱1の内蓋30によれば、第1実施形態と同様に、ロック機構33が蓋本体31の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋20の下方において、外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となり、ケーブル2の収容空間10dを最大限に確保することが可能となる。
【0075】
また、蓋本体31の少なくとも外周部に貼付される軟質部材31eを備える。
【0076】
これにより、取り外された蓋本体31を誤って箱本体10の収容空間10d内に落下させた場合に、蓋本体31の外周部の角部分が直接的にケーブル2に接触することを防止することができるので、蓋本体31によるケーブル2の破損を抑制することが可能となる。
【0077】
本発明の第5実施形態について説明する。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0078】
本実施形態の地中箱1の内蓋30は、一対のロック機構33のそれぞれの切替操作部材33cの上面に形成される穴33c2の形状を、例えば、三角形状、六角形状等、長円形状以外の形状の設定が可能である。
【0079】
以上のように構成された地中箱1において、地中箱1毎に切替操作部材33cの穴33c2の形状を異なるものとすることにより、使用可能なハンドルHが限られることになるため、不正の目的で開口部10aを開放する可能性を低減することが可能となる。
【0080】
さらに、切替操作部材33cの上面に形成される穴33c2の形状を、一の地中箱1における一対のロック機構33のそれぞれにおいて、互いに異なる形状とした場合に、開口部10aを開放する際に、異なるハンドルHが必要となるため、不正の目的での開口部10aの開放を困難とすることが可能となる。
【0081】
一対のロック機構33のそれぞれの切替操作部材33cの穴33c2を互いに異なる形状等する場合に、ケーブル2の敷設作業またはメンテナンス作業を行う作業者が使用するハンドルHは、軸部分H1の一端部および他端部のそれぞれに穴33c2に対応する形状の凸部H11を設け、蓋33eを取り外すための磁石H12を把持部H2の端部に設けるようにする。これにより、作業者は、一つのハンドルHによって一対のロック機構33の切替操作部材33cを操作することが可能となり、作業効率の低下を抑制することが可能となる。
【0082】
このように、本実施形態の地中箱1の内蓋30によれば、第1実施形態と同様に、ロック機構33が蓋本体31の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋20の下方において、外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となり、ケーブル2の収容空間10dを最大限に確保することが可能となる。
【0083】
また、切替操作部材33cは、筒状部材33aの内側においてハンドルHの端部が嵌合する穴33c2を有し、穴33c2は、複数種類の形状のうちの1つの形状を設定可能である。
【0084】
これにより、ロック機構33毎に操作可能なハンドルHが限られることになるため、不正の目的での開口部10aの開放を抑制することが可能となる。
【0085】
尚、第1乃至第5実施形態では、切替操作部材33cにハンドルHの端部が嵌合する穴33c2を形成し、ハンドルHの端部を凸部H11としたものを示したが、これに限られるものではない。切替操作部材に凸部を形成し、ハンドルの端部に切替操作部材の凸部が嵌合する凹部を形成してもよい。
【0086】
本発明の第6実施形態について説明する。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0087】
本実施形態の地中箱1の内蓋30は、一対のロック機構33のそれぞれのシリンダ錠33dが、互いに施錠および開錠を切り替えるディンプルキーKの操作方向が反対方向になるように構成されている。
【0088】
以上のように構成された地中箱1において、ロック機構33毎にシリンダ錠33dの施錠および開錠を切り替えるディンプルキーKの操作方向が反対方向になるので、不正の目的でシリンダ錠33dを解錠する際に、シリンダ錠33dの解錠作業が困難となる。
【0089】
このように、本実施形態の地中箱1の内蓋30によれば、第1実施形態と同様に、ロック機構33が蓋本体31の上面から上方に大きく張り出すことはないので、外蓋20の下方において、外蓋20の下面に近い位置に内蓋30を配置することが可能となり、ケーブル2の収容空間10dを最大限に確保することが可能となる。
【0090】
また、蓋本体31は、一対のロック機構33を有し、一対のロック機構33のそれぞれのシリンダ錠33dは、互いに施錠および開錠を切り替えるディンプルキーKの操作方向が反対方向である。
【0091】
これにより、不正の目的でシリンダ錠33dを解錠する際に、シリンダ錠33dの解錠作業を困難とすることが可能となり、不正の目的での開口部10aの開放を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0092】
1 地中箱
10 箱本体
10a 開口部
10d 収容空間
20 外蓋
30 内蓋
31 蓋本体
31a 凹部
31b 取っ手
33 ロック機構
33a 筒状部材
33b ロック部材
33c 切替操作部材
33c2 穴
33d シリンダ錠
33d11 鍵穴
H ハンドル
K ディンプルキー
【要約】
【課題】ケーブルの収容空間を最大限に確保することのできる地中箱の内蓋を提供する。
【解決手段】地中に埋設されるケーブル2の一部が収容される収容空間10dを有する箱本体10と、箱本体10の収容空間10dの上部に形成された開口部10aを閉鎖する外蓋20と、を備える地中箱1の外蓋20の収容空間10d側において開口部10aを閉鎖する内蓋30であって、内蓋30は、開口部10aを覆う蓋本体31と、蓋本体31に設けられ、蓋本体31によって開口部10aを閉鎖した状態を保持するロック機構33と、を有し、ロック機構33は、一端側が蓋本体31の上面側に位置し、他端側が蓋本体31の上面側から下方に延びるように形成されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12