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特許7002856情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20220113BHJP
   H04L 67/10 20220101ALI20220113BHJP
【FI】
G06F8/65
H04L67/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017076100
(22)【出願日】2017-04-06
(65)【公開番号】P2018180730
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-03-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 睦
【審査官】松崎 孝大
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-102287(JP,A)
【文献】特開平11-312080(JP,A)
【文献】特開2002-207599(JP,A)
【文献】特開2004-215250(JP,A)
【文献】特開2007-066271(JP,A)
【文献】特開2012-146241(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0110564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65
H04L 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
更新プログラムの提供の対象となり得る装置の属性を示す管理リストを保持する保持部と、
前記更新プログラムの提供対象となる装置の少なくとも1つの属性を示す属性情報を取得し、前記管理リストを参照して、前記属性情報に基づいて、前記更新プログラムの提供対象となる装置を示す対象情報を、前記更新プログラムのインストールを行うアプリケーションの中に生成する生成部と、
クライアント装置からのリクエストに対するレスポンスとして又はブロードキャスト配信で前記アプリケーションを前記クライアント装置へ送信する送信部と、
を備え、
前記アプリケーションは、前記クライアント装置に、前記クライアント装置に読み込まれたときに、クライアント情報を取得させ、前記クライアント情報と前記対象情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールさせる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記属性は、世代、製造番号、ハードウェアタイプ識別ID又はプログラムバージョンの少なくとも何れかである、
前記請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
更新プログラムの提供対象となる装置の少なくとも1つの属性を示す属性情報を取得し、
前記更新プログラムの提供の対象となり得る装置の属性を示す管理リストを参照して、前記属性情報に基づいて、前記更新プログラムの提供対象となる装置を示す対象情報を前記更新プログラムのインストールを行うアプリケーションの中に生成し、
クライアント装置からのリクエストに対するレスポンスとして又はブロードキャスト配信で前記アプリケーションを前記クライアント装置へ送信し、
前記アプリケーションは、前記クライアント装置に、前記クライアント装置に読み込まれたときに、クライアント情報を取得させ、前記クライアント情報と前記対象情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールさせる、
情報処理方法。
【請求項4】
クライアント装置からのリクエストに対するレスポンスとして又はブロードキャスト配信でサーバ装置から前記クライアント装置に送信されるプログラムであって、
前記クライアント装置のプロセッサに、
前記クライアント装置の属性を含むクライアント情報を取得する機能と
前記属性を予め含み、更新プログラムの提供対象となる装置を示した対象情報と、前記クライアント情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると、前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールさせる機能と、
を実現させ、
前記対象情報は、前記更新プログラムの提供の対象となり得る装置の属性を示す管理リストを参照して取得された、前記更新プログラムの提供対象となる属性に対応する情報を含む、
プログラム。
【請求項5】
前記属性は、世代、製造番号、ハードウェアタイプ識別ID又はプログラムバージョンの少なくとも何れかである、
前記請求項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ装置には、テレビ、冷蔵庫又は炊飯器などの家電などのクライアント装置に対してプログラムを修正するためのパッチ(更新プログラム)を提供するものがある。サーバ装置は、パッチの提供の対象となるクライアント装置の属性(製造番号など)を設定し、当該属性を有するクライアント装置に対してパッチを送信する。
【0003】
しかしながら、サーバ装置は、クライアント装置のセキュリティポリシーなどによってクライアント装置から製造番号などを取得できないことがある。そのような場合、従来、サーバ装置は、クライアント装置に適切にパッチを当てることができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-312080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、クライアント装置に適切に更新プログラムを当てることができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、生成部と、送信部と、を備える。生成部は、更新プログラムの提供対象となる装置の少なくとも1つの属性を示す属性情報を取得し、前記属性情報に基づいて、前記更新プログラムの提供対象となる装置を示す対象情報を、前記更新プログラムのインストールを行うアプリケーションの中に生成する。送信部は、クライアント装置からのリクエストに対するレスポンスとして又はブロードキャスト配信で前記アプリケーションを前記クライアント装置へ送信する。前記アプリケーションは、前記クライアント装置に、前記クライアント装置に読み込まれたときに、クライアント情報を取得させ、前記クライアント情報と前記対象情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールさせる
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る管理リストの例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るサーバ装置が送信するセットアップ用アプリケーションの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るクライアント情報の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るサーバ装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係るクライアント装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る提供システムは、クライアント装置に対してプログラムを修正するパッチ(更新プログラム)を提供する。たとえば、パッチは、クライアント装置で動作するプログラムにおけるセキュリティーホールなどのバグを修正する。提供システムは、クライアント装置で実行することでパッチをインストールすることができるセットアップ用アプリケーションを提供する。クライアント装置は、セットアップ用アプリケーションを実行することでパッチをインストールする。
【0009】
クライアント装置は、たとえば、テレビ、レコーダ、エアコン、冷蔵庫又は炊飯器などの家電である。また、クライアント装置は、ディスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン又はウエアラブル端末であってもよい。また、クライアント装置は、制御モジュール、ICカード又はICチップなどであってもよい。クライアント装置の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係る提供システム1の構成例を示す。図1が示すように、提供システム1は、サーバ装置10及びクライアント装置20などを備える。なお、提供システム1は、複数のクライアント装置20を備えてもよい。
【0011】
サーバ装置10は、たとえば、PCなどである。サーバ装置10は、クライアント装置20にパッチをインストールするためのセットアップ用アプリケーションを提供する。サーバ装置10は、オペレータからの操作などに従ってセットアップ用アプリケーションを生成する。サーバ装置10は、インターネットなどの通信網30を通じて、生成したセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20へ提供する。
サーバ装置10については後に詳述する。
【0012】
クライアント装置20は、所定のプログラムを実行して動作する。クライアント装置20は、インターネットなどの通信網30を通じて、サーバ装置10からのセットアップ用アプリケーションを受信する。クライアント装置20は、受信したセットアップ用アプリケーションを実行してパッチをインストールする。
クライアント装置20については、後に詳述する。
【0013】
次に、サーバ装置10について説明する。
図1が示すように、サーバ装置10は、リスト保持部11、アプリケーション生成部12及びアプリケーション送信部13などを備える。たとえば、リスト保持部11は、サーバ装置10のメモリによって実現される。また、アプリケーション生成部12、サーバ装置10のプロセッサがメモリなどに格納されるプログラムを実行することによって実現される。また、アプリケーション送信部13は、プロセッサと通信部となどによって実現される。
【0014】
リスト保持部11は、サーバ装置10が管理するクライアント装置を特定する管理リストを格納する。管理リストは、サーバ装置10がパッチを提供し得るクライアント装置のリストである。管理リストは、パッチの適用対象となるクライアント装置を特定するために用いられる。
【0015】
図2は、管理リストの構成例を示す。
図2が示すように、管理リストは、「世代」、「製造番号」、「ハードウェアタイプ識別ID」、「プログラムバージョン」及び「パッチ」を対応づけて格納する。なお、管理リストは、図2に示すような要素の他に必要に応じた要素を具備したり、特定の要素を除外したりしてもよい。
【0016】
「世代」は、クライアント装置の世代を示す。たとえば、「世代」は、クライアント装置のモデルチェンジなどの大幅な改変を示す。
「製造番号」は、クライアント装置の製造番号を示す。「製造番号」は、クライアント装置ごと又はロットごとに割り振られる。
【0017】
「ハードウェアタイプ識別ID」は、クライアント装置を構成するハードウェアのタイプを示す。たとえば、「ハードウェアタイプ識別ID」は、ハードウェアの型番又はバージョンなどを示す。
【0018】
「プログラムバージョン」は、クライアント装置を制御するプログラムのバージョンを示す。たとえば、「プログラムバージョン」は、書き換え可能なメモリに格納されるプログラムのバージョンである。
「パッチ」は、クライアント装置にこれまでにインストールされたパッチを示す。たとえば、「パッチ」は、パッチの名称又はバージョンを示す。
【0019】
たとえば、管理リストは、「プログラムバージョン」が「PD2000」であるクライアント装置の「ハードウェアタイプ識別ID」として「GEN210000B」及び「製造番号」として「SN010000-SN012999」を示す。
なお、管理リストの項目及び内容は、特定の構成に限定されるものではない。
【0020】
アプリケーション生成部12は、クライアント装置20にパッチを提供するセットアップ用アプリケーションを生成する。セットアップ用アプリケーションは、クライアント装置20がパッチの提供対象であるかを判定する。セットアップ用アプリケーションは、クライアント装置20の属性を示すクライアント情報を取得しクライアント情報に基づいてクライアント装置20がパッチの提供の象であるかを判定する。
【0021】
クライアント情報は、クライアント装置20の属性を示す情報である。ここでは、クライアント情報は、属性として、「世代」、「製造番号」、「ハードウェアタイプ識別ID」及び「プログラムバージョン」から構成される。
【0022】
セットアップ用アプリケーションは、クライアント装置20がパッチの提供対象であると判定すると、クライアント装置20にパッチをインストールする。また、提供するアプリケーションは、クライアント装置20がパッチの提供対象でないと判定すると、クライアント装置20にパッチをインストールしない。
【0023】
図3は、セットアップ用アプリケーション100の構成例を示す。図3が示すように、セットアップ用アプリケーション100は、パッチバージョン情報40、対象情報50、実行判断コード60及びパッチ適用コード70などから構成される。なお、セットアップ用アプリケーションは、図3に示すような要素の他に必要に応じた要素を具備したり、特定の要素を除外したりしてもよい。
【0024】
パッチバージョン情報は、セットアップ用アプリケーションが提供するパッチのバージョンを示す。なお、パッチバージョン情報は、パッチの名称を示すものであってもよい。
【0025】
対象情報50は、パッチの提供対象となるクライアント装置を示す。対象情報50は、世代情報51、製造番号情報52、ID情報53及びバージョン情報54などから構成される。即ち、対象情報50は、パッチの提供対象となるクライアント装置が、世代情報51、製造番号情報52、ID情報53及びバージョン情報54が該当するクライアント装置であることを示す。
【0026】
なお、対象情報50は、パッチの提供対象となるクライアント装置のパッチ(対象となるクライアント装置にインストールされたパッチ)を示す情報を含んでもよい。対象情報50の構成は、特定の構成に限定されるものではない。例えば、対象情報50は、図3に示すような要素の他に必要に応じた要素を具備したり、特定の要素を除外したりしてもよい。
【0027】
世代情報51は、パッチの提供対象となるクライアント装置の世代を示す。世代情報51は、1つの世代を示すものであってもよいし、複数の世代を示すものであってもよい。
製造番号情報52は、パッチの提供対象となるクライアント装置の製造番号を示す。製造番号情報52は、1つの製造番号を示すものであってもよいし、複数の製造番号を示すものであってもよい。また、製造番号情報52は、製造番号を範囲で示すものであってもよい。
【0028】
ID情報53は、パッチの提供対象となるクライアント装置のハードウェアタイプ識別IDを示す。ID情報53は、1つのハードウェアタイプ識別IDを示すものであってもよいし、複数のハードウェアタイプ識別IDを示すものであってもよい。
【0029】
バージョン情報54は、パッチの提供対象となるクライアント装置のプログラムバージョンを示す。バージョン情報54は、1つのプログラムバージョンを示すものであってもよいし、複数のプログラムバージョンを示すものであってもよい。
【0030】
実行判断コード60は、クライアント情報と対象情報50とに基づいてクライアント装置20がパッチの提供対象であるか判定するためのプログラムである。実行判断コード60は、クライアント装置20からクライアント情報を取得し、取得したクライアント情報と対象情報50とを比較してクライアント装置20がパッチの提供対象であるか判定する処理を実現する。
【0031】
実行判断コード60により実現される処理機能は、世代取得部61、製造番号取得部62、ID取得部63、バージョン取得部64及び判定部65などである。なお、実行判断コード60が実現する処理は、図3に示す処理に限定されるものではない。
【0032】
世代取得部61は、クライアント装置20のクライアント情報を構成する「世代」を取得する。世代取得部61は、クライアント装置20のメモリに格納される「世代」を示すデータを取得する。たとえば、世代取得部61は、クライアント装置20のOSなどに対して「世代」を要求する。また、世代取得部61は、所定の領域(「世代」を示すデータを格納する領域)に格納されるデータを読み出すものであってもよい。
【0033】
製造番号取得部62は、クライアント装置20のクライアント情報を構成する「製造番号」を取得する。製造番号取得部62は、クライアント装置20のメモリに格納される「製造番号」を示すデータを取得する。たとえば、製造番号取得部62は、クライアント装置20のOSなどに対して「製造番号」を要求する。また、製造番号取得部62は、所定の領域(「製造番号」を示すデータを格納する領域)に格納されるデータを読み出すものであってもよい。
【0034】
ID取得部63は、クライアント装置20のクライアント情報を構成する「ハードウェアタイプ識別ID」を取得する。ID取得部63は、クライアント装置20のメモリに格納される「ハードウェアタイプ識別ID」を示すデータを取得する。たとえば、ID取得部63は、クライアント装置20のOSなどに対して「ハードウェアタイプ識別ID」を要求する。また、ID取得部63は、所定の領域(「ハードウェアタイプ識別ID」を示すデータを格納する領域)に格納されるデータを読み出すものであってもよい。
【0035】
バージョン取得部64は、クライアント装置20のクライアント情報を構成する「プログラムバージョン」を取得する。バージョン取得部64は、クライアント装置20のメモリに格納される「プログラムバージョン」を示すデータを取得する。たとえば、バージョン取得部64は、クライアント装置20のOSなどに対して「プログラムバージョン」を要求する。また、バージョン取得部64は、所定の領域(「プログラムバージョン」を示すデータを格納する領域)に格納されるデータを読み出すものであってもよい。
【0036】
判定部65は、クライアント装置20のクライアント情報と対象情報50とに基づいてクライアント装置20がパッチの提供対象であるか判定する。
判定部65は、クライアント情報として、世代取得部61、製造番号取得部62、ID取得部63及びバージョン取得部64がそれぞれ取得した「世代」、「製造番号」、「ハードウェアタイプ識別ID」及び「プログラムバージョン」を取得する。
【0037】
判定部65は、取得したクライアント情報と対象情報50とを比較する。即ち、判定部65は、クライアント情報の各要素が対象情報50の各要素に含まれるか判定する。たとえば、判定部65は、世代取得部61が取得した「世代」が、世代情報51が示す「世代」と一致するか又は含まれるか判定する。
【0038】
判定部65は、同様に製造番号取得部62が取得した「製造番号」が、製造番号情報52が示す「製造番号」と一致するか又は含まれるか判定する。
判定部65は、ID取得部63が取得した「ハードウェアタイプ識別ID」及びバージョン取得部64が取得した「プログラムバージョン」についても同様に判定する。
【0039】
判定部65は、クライアント装置20の各要素の何れも対象情報50の各要素に含まれる場合、クライアント装置20がパッチの提供対象であると判定する。他方、判定部65は、クライアント装置20の各要素の何れかが対象情報50の各要素に含まれない場合、クライアント装置20がパッチの提供対象でないと判定する。
【0040】
なお、判定部65は、他の要素に基づいてクライアント装置20がパッチの提供対象であるか判定してもよい。たとえば、判定部65は、パッチの提供対象であるクライアント装置にインストールされたパッチを示す情報に基づいてクライアント装置20がパッチの提供対象であるか判定してもよい。
【0041】
パッチ適用コード70は、判定部65によりクライアント装置20がパッチの提供対象であると判定された場合、クライアント装置20にパッチをインストールするためのプログラムである。たとえば、パッチ適用コード70によって、クライアント装置20は、バグなどを修正するパッチがインストールされる。
【0042】
次に、アプリケーション生成部12がセットアップ用アプリケーションを生成する手順について説明する。ここでは、オペレータは、サーバ装置10にパッチの提供対象であるクライアント装置の属性を示す情報(属性情報)を入力するものとする。属性情報は、パッチの提供の対象となるクライアント装置の有する属性を示す。属性情報は、クライアント情報の少なくとも一部に対応する。
【0043】
まず、アプリケーション生成部12は、パッチを取得する。たとえば、アプリケーション生成部12は、サーバ装置10のインターフェースなど通じてパッチを取得する。なお、アプリケーション生成部12は、パッチを適用するパッチ適用コード70を取得してもよい。
【0044】
パッチを取得すると、アプリケーション生成部12は、属性情報を取得する。たとえば、アプリケーション生成部12は、サーバ装置10の操作部などを通じて属性情報を取得する。たとえば、属性情報は、パッチの提供の対象となるクライアント装置の「プログラムバージョン」として「PD2000」を示す。
【0045】
属性情報を取得すると、アプリケーション生成部12は、リスト保持部11が格納する管理リストを参照して、対象情報50を生成する。たとえば、アプリケーション生成部12は、属性情報をキーに管理リストから他の情報を取得する。図2に示す例では、属性情報が「PD2000」を示す場合、アプリケーション生成部12は、管理リストを参照して、「世代」として「第2世代」、「製造番号」として「SN010000-SN012999」、及び「ハードウェアタイプ識別ID」として「GEN210000B」を取得する。
【0046】
管理リストから他の情報を取得すると、アプリケーション生成部12は、属性情報と取得した他の情報とに基づいて対象情報50を生成する。アプリケーション生成部12は、属性情報と他の情報とを含む対象情報50を生成する。前述の例では、アプリケーション生成部12は、「第2世代」を示す世代情報51、「SN010000-SN012999」を示す製造番号情報52、「GEN210000B」を示すID情報53及び「PD2000」を示すバージョン情報54を含む対象情報50を生成する。
【0047】
なお、属性情報が「世代」、「製造番号」、「ハードウェアタイプ識別ID」及び「プログラムバージョン」を有する場合、アプリケーション生成部12は、属性情報を対象情報50としてもよい。
【0048】
対象情報50を生成すると、アプリケーション生成部12は、パッチバージョン情報40、生成した対象情報50、実行判断コード60及びパッチをインストールするパッチ適用コード70を含むセットアップ用アプリケーション100を生成する。アプリケーション生成部12は、操作部などを通じてパッチバージョン情報を取得してもよい。また、アプリケーション生成部12は、オペレータに入力されたパッチに基づいてパッチ適用コード70を生成してもよい。
【0049】
アプリケーション送信部13は、アプリケーション生成部12が生成したセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20に送信する。アプリケーション送信部13は、通信網30を通じてセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20に送信する。
【0050】
アプリケーション送信部13は、クライアント装置20からのリクエストに対するレスポンスとしてセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20へ送信してもよい。また、アプリケーション送信部13は、所定のタイミング(たとえば、アプリケーション生成部12がセットアップ用アプリケーションを生成したタイミング)でセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20へ送信してもよい。
また、アプリケーション送信部13は、電波によるブロードキャスト配信でセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20へ送信してもよい。
【0051】
次に、クライアント装置20について説明する。
図1が示すように、クライアント装置20は、監視部21、クライアント情報保持部22及び実行部23などを備える。たとえば、監視部21は、クライアント装置20のプロセッサと通信部となどによって実現される。クライアント情報保持部22は、クライアント装置20のメモリなどによって実現される。また、実行部23は、プロセッサなどによって実現される。
【0052】
監視部21は、サーバ装置10からのセットアップ用アプリケーション100の配信を監視する。たとえば、監視部21は、サーバ装置10に対してセットアップ用アプリケーション100のリクエストを送信する。監視部21は、リクエストに対するレスポンスとしてセットアップ用アプリケーション100を受信する。
【0053】
また、監視部21は、サーバ装置10が所定のタイミングで送信するセットアップ用アプリケーション100を受信してもよい。
また、監視部21は、アプリケーション送信部13が電波でブロードキャスト配信するセットアップ用アプリケーションを受信してもよい。
【0054】
クライアント情報保持部22は、クライアント装置20のクライアント情報を格納する。クライアント情報は、クライアント装置20の属性を示す。
図4は、クライアント装置20が格納するクライアント情報の構成例を示す。図4が示すように、クライアント情報は、属性として、「世代」、「製造番号」、「ハードウェアタイプ識別ID」及び「プログラムバージョン」などを示す。なお、クライアント情報は、図4に示すような要素の他に必要に応じた要素を具備したり、特定の要素を除外したりしてもよい。
【0055】
「世代」は、クライアント装置20の世代を示す。
「製造番号」は、クライアント装置20の製造番号を示す。
「ハードウェアタイプ識別ID」は、クライアント装置20のハードウェアタイプ識別IDを示す。
【0056】
「プログラムバージョン」は、クライアント装置20のプログラムバージョンを示す。
実行部23は、監視部21が取得したセットアップ用アプリケーション100を実行する。実行部23は、以下のようにセットアップ用アプリケーション100を実行する。
【0057】
まず、実行部23は、世代取得部61によりクライアント装置20の「世代」を取得する。
「世代」を取得すると、実行部23は、製造番号取得部62によりクライアント装置20の「製造番号」を取得する。
【0058】
「製造番号」を取得すると、実行部23は、ID取得部63によりクライアント装置20の「ハードウェアタイプ識別ID」を取得する。
「ハードウェアタイプ識別ID」を取得すると、実行部23は、バージョン取得部64によりクライアント装置20の「プログラムバージョン」を取得する。
【0059】
「プログラムバージョン」を取得すると、実行部23は、判定部65により取得した「世代」が世代情報51の「世代」に含まれるか判定する。ここでは、取得した「世代」が「第2世代」であり、世代情報51が「第2世代」を含むものであるものとする。この場合、実行部23は、取得した「世代」が世代情報51に含まれると判定する。
【0060】
取得した「世代」が世代情報51に含まれると判定すると、実行部23は、判定部65に従って取得した「製造番号」が製造番号情報52に含まれるか判定する。ここでは、取得した「製造番号」が、「SN11900」であり、製造番号情報52の「製造番号」が、「SN010000-SN012999」であるものとする。この場合、実行部23は、取得した「製造番号」が製造番号情報52に含まれると判定する。
【0061】
取得した「製造番号」が製造番号情報52の「製造番号」に含まれると判定すると、実行部23は、判定部65に従って取得した「ハードウェアタイプ識別ID」がID情報53の「ハードウェアタイプ識別ID」に含まれるか判定する。ここでは、取得した「ハードウェアタイプ識別ID」が、「GEN210000B」であり、ID情報53の「ハードウェアタイプ識別ID」は、「GEN210000B」であるものとする。実行部23は、判定部65に従って取得した「ハードウェアタイプ識別ID」がID情報53の「ハードウェアタイプ識別ID」に含まれると判定する。
【0062】
取得した「ハードウェアタイプ識別ID」がID情報53の「ハードウェアタイプ識別ID」に含まれると判定すると、実行部23は、判定部65に従って取得した「プログラムバージョン」がバージョン情報54の「プログラムバージョン」に含まれるか判定する。ここでは、取得した「プログラムバージョン」が、「PD2000」であり、バージョン情報54の「プログラムバージョン」は、「PD2000」であるものとする。この場合、実行部23は、取得した「プログラムバージョン」がバージョン情報54の「プログラムバージョン」に含まれると判定する。
【0063】
取得した「プログラムバージョン」がバージョン情報54の「プログラムバージョン」に含まれると判定すると、実行部23は、クライアント装置20がパッチの提供対象であると判定する。
【0064】
クライアント装置20がパッチの提供対象であると判定すると、実行部23は、パッチ適用コード70を実行して、クライアント装置20にパッチをインストールする。
他方、実行部23は、クライアント情報が示す属性が対象情報50の要素に含まれない場合、パッチ適用コード70を実行しない。
【0065】
なお、実行部23は、クライアント装置20にインストールしたパッチを示すパッチ情報をメモリなどに格納してもよい。また、実行部23は、インストールしたパッチに基づいてパッチ情報を更新してもよい。実行部23は、パッチのインストールが途中で停止した場合(電源遮断など)、パッチ情報を格納又は更新しない。
【0066】
また、実行部23は、パッチ情報に基づいてパッチをインストールするか判定してもよい。たとえば、クライアント装置20がパッチの提供対象であったとしても、実行部23は、パッチ情報に基づいてすでに当該パッチがインストール済みであると判定した場合には、当該パッチをインストールしなくともよい。
【0067】
次に、サーバ装置10の動作例について説明する。
図5は、サーバ装置10の動作例を説明するためのフローチャートである。ここでは、オペレータは、サーバ装置10にパッチ及び属性情報を入力するものとする。
【0068】
まず、サーバ装置10のアプリケーション生成部12は、パッチを取得する(S11)。パッチを取得すると、アプリケーション生成部12は、属性情報を取得する(S12)。
【0069】
属性情報を取得すると、アプリケーション生成部12は、リスト保持部11が格納する管理リストを参照して対象情報50を生成する(S13)。対象情報50を生成すると、アプリケーション生成部12は、セットアップ用アプリケーションを生成する(S14)。
【0070】
アプリケーション生成部12がセットアップ用アプリケーションを生成すると、アプリケーション送信部13は、生成されたセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20へ送信する(S15)。
アプリケーション送信部13がセットアップ用アプリケーションをクライアント装置20へ送信すると、サーバ装置10は、動作を終了する。
【0071】
次に、クライアント装置20の動作例について説明する。
図6は、クライアント装置20の動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、クライアント装置20の監視部21は、サーバ装置10からセットアップ用アプリケーション100を受信したか判定する(S21)。サーバ装置10からセットアップ用アプリケーション100を受信していないと判定すると(S21、NO)、監視部21は、S21に戻る。
【0072】
監視部21がサーバ装置10からセットアップ用アプリケーション100を受信したと判定すると(S21、YES)、実行部23は、セットアップ用アプリケーション100に従ってクライアント情報保持部22から「世代」を取得する(S22)。
【0073】
「世代」を取得すると、実行部23は、クライアント情報保持部22から「製造番号」を取得する(S23)。「製造番号」を取得すると、実行部23は、クライアント情報保持部22から「ハードウェアタイプ識別ID」を取得する(S24)。
【0074】
「ハードウェアタイプ識別ID」を取得すると、実行部23は、クライアント情報保持部22から「プログラムバージョン」を取得する(S25)。「プログラムバージョン」を取得すると、実行部23は、取得した各要素と対象情報50とに基づいてクライアント装置20がパッチの提供対象となるか判定する(S26)。
【0075】
クライアント装置20がパッチの提供対象であると判定すると(S26、YES)、実行部23は、セットアップ用アプリケーション100のパッチ適用コード70を実行してパッチをインストールする(S27)。
【0076】
クライアント装置20がパッチの提供対象でないと判定した場合(S26、NO)、又は、パッチをインストールした場合(S27)、実行部23は、動作を終了する。
【0077】
なお、実行部23は、S22乃至S24をいずれの順序を行ってもよいし同時に行ってもよい。また、実行部23は、クライアント情報保持部22から要素を取得する度に対象情報50の要素と比較してもよい。
【0078】
また、対象情報50は、対象となるクライアント装置として、世代情報51、製造番号情報52、ID情報53及びバージョン情報54のいずれかが該当するクライアント装置を示してもよい。たとえば、判定部65は、クライアント装置20の各要素の何れかが対象情報50の各要素に含まれる場合、クライアント装置20がパッチの提供の対象となるクライアント装置であると判定してもよい。
【0079】
以上のように構成されたサーバ装置は、パッチの提供の対象となるクライアント装置を示す対象情報を含むセットアップ用アプリケーションを生成する。また、セットアップ用アプリケーションは、実行したクライアント装置からクライアント情報を取得し、対象情報とクライアント情報とに基づいてクライアント装置にパッチをインストールするか判定する。
【0080】
その結果、サーバ装置は、クライアント装置から情報を得られない場合であっても対象となるクライアント装置に対して適切なパッチをインストールすることができる。
また、サーバ装置は、クライアント装置のユーザに複雑な操作を要求することなく対象となるクライアント装置に適切なパッチをインストールすることができる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
更新プログラムの提供対象となる装置の少なくとも1つの属性を示す属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記更新プログラムの提供対象となる装置を示す対象情報を生成し、
クライアント装置からクライアント情報を取得し、前記クライアント情報と前記対象情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールするためのアプリケーションを生成する生成部と、
前記アプリケーションを前記クライアント装置へ送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
[C2]
前記更新プログラムの提供の対象となり得る装置の属性を示す管理リストを保持する保持部を備え、
前記生成部は、前記管理リストを参照して前記対象情報を生成する、
前記C1に記載の情報処理装置。
[C3]
前記属性は、世代、製造番号、ハードウェアタイプ識別ID又はプログラムバージョンの少なくとも何れかである、
前記C1又は2に記載の情報処理装置。
[C4]
更新プログラムの提供対象となる装置の少なくとも1つの属性を示す属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記更新プログラムの提供対象となる装置を示す対象情報を生成し、
クライアント装置からクライアント情報を取得し、前記クライアント情報と前記対象情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールするためのアプリケーションを生成し、
前記アプリケーションを前記クライアント装置へ送信する、
情報処理方法。
[C5]
プロセッサに、
クライアント装置の属性を含むクライアント情報を取得させ、
更新プログラムの提供対象となる装置を示す対象情報と前記クライアント情報とに基づいて前記クライアント装置が前記更新プログラムの提供対象であると判定されると、前記クライアント装置に前記更新プログラムをインストールさせる、
プログラム。
[C6]
前記属性は、世代、製造番号、ハードウェアタイプ識別ID又はプログラムバージョンの少なくとも何れかである、
前記C5に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0082】
1…提供システム、10…サーバ装置、11…リスト保持部、12…アプリケーション生成部、13…アプリケーション送信部、20…クライアント装置、21…監視部、22…クライアント情報保持部、23…実行部、50…対象情報、51…世代情報、52…製造番号情報、53…ID情報、54…バージョン情報、60…実行判断コード、61…世代取得部、62…製造番号取得部、63…ID取得部、64…バージョン取得部、65…判定部、70…パッチ適用コード。
図1
図2
図3
図4
図5
図6