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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 401
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017135592
(22)【出願日】2017-07-11
(65)【公開番号】P2019018352
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501167725
【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】長沢 康司
【審査官】亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-199460(JP,A)
【文献】特開平02-281973(JP,A)
【文献】特開平05-328021(JP,A)
【文献】特開2005-169867(JP,A)
【文献】特開2011-240516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0200661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向のデータ送受信を行う印刷装置であって、
データの入力と出力を行う入出力部と、
前記入出力部から入力された前記データに基づいて印刷を行うように、入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている駆動回路と、
前記駆動回路への前記データの入力方向と出力方向を切替信号に応じて切り替える切替部と、
を備え、
前記駆動回路は、前記データが入力される第1入力部と、前記第1入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第1出力部と、前記データが入力される第2入力部と、前記第2入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第2出力部と、を備え、
前記切替部は、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1入力部に入力し、前記第1入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第2入力部に入力し、前記第2入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、を切り替える、
印刷装置。
【請求項2】
前記切替部は、前記駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに接続されている、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記駆動回路が有し、前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに接続されている、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記駆動回路は、N(Nは2以上の整数)個の第1、第2、・・・、第N-1、第Nの駆動回路を備え、
前記第1の駆動回路の第1出力部が、前記第2の駆動回路の第1入力部に接続され、
前記第N-1の駆動回路の第1出力部が、前記第Nの駆動回路の第1入力部に接続され、
前記第Nの駆動回路の第2出力部が、前記第N-1の駆動回路の第2入力部に接続され、
前記第2の駆動回路の第2出力部が、前記第1の駆動回路の第2入力部に接続され、
前記切替部は、
前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1の駆動回路の第1入力部に入力し、前記第1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを前記第1の駆動回路の第1出力部から前記第2の駆動回路の第1入力部に出力し、前記第N-1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを前記第N-1の駆動回路の第1出力部から前記第Nの駆動回路の第1入力部に出力し、前記第Nの駆動回路の第1出力部から前記入出力部に出力しない状態と、
前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力し、前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力された前記データを前記第Nの駆動回路の第2出力部から前記第N-1の駆動回路の第2入力部に出力し、前記第2の駆動回路の第2入力部に入力された前記データを前記第2の駆動回路の第2出力部から前記第1の駆動回路の第2入力部に出力し、前記第1の駆動回路の前記第2出力部から前記入出力部に出力しない状態と、を切り替える、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記駆動回路は、N(Nは2以上の整数)個の第1、第2、・・・、第N-1、第Nの駆動回路、を備え、
前記N個の駆動回路それぞれは、前記切替部を備え、
前記第1の駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、
前記第2の駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、
前記第N-1の駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、
前記第Nの駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、
前記第1の駆動回路の第1出力部が、前記第1の駆動回路の前記切替部と前記第2の駆動回路の前記切替部とを介して前記第2の駆動回路の第1入力部に接続され、
前記第N-1の駆動回路の第1出力部が、前記第N-1の駆動回路の前記切替部と前記第Nの駆動回路の前記切替部とを介して前記第Nの駆動回路の第1入力部に接続され、
前記第Nの駆動回路の第2出力部が、前記第Nの駆動回路の前記切替部と前記第N-1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第N-1の駆動回路の第2入力部に接続され、
前記第2の駆動回路の第2出力部が、前記第2の駆動回路の前記切替部と前記第1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第1の駆動回路の第2入力部に接続され、
前記切替部は、
前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1の駆動回路の第1入力部に入力し、前記第1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを、前記第1の駆動回路の第1出力部から、前記第1の駆動回路の前記切替部と前記第2の駆動回路の前記切替部とを介して前記第2の駆動回路の第1入力部に出力し、
前記第N-1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを、前記第N-1の駆動回路の第1出力部から、前記第N-1の駆動回路の前記切替部と前記第Nの駆動回路の前記切替部とを介して前記第Nの駆動回路の第1入力部に出力し、前記第Nの駆動回路の第1出力部から前記入出力部に出力しない状態と、
前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力し、前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力された前記データを、前記第Nの駆動回路の第2出力部から、前記第Nの駆動回路の前記切替部と前記第N-1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第N-1の駆動回路の第2入力部に出力し、
前記第2の駆動回路の第2入力部に入力された前記データを、前記第2の駆動回路の第2出力部から、前記第2の駆動回路の前記切替部と前記第1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第1の駆動回路の第2入力部に出力し、前記第1の駆動回路の前記第2出力部から前記入出力部に出力しない状態と、を切り替える、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
データの入力と出力を行う入出力部と、前記入出力部から入力された前記データに基づいて印刷を行うように、入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている駆動回路と、前記駆動回路への前記データの入力方向と出力方向を切替信号に応じて切り替える切替部と、を備え、前記駆動回路は、前記データが入力される第1入力部と、前記第1入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第1出力部と、前記データが入力される第2入力部と、前記第2入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第2出力部と、を備える双方向のデータ送受信を行う印刷装置の制御方法であって、
前記切替部が、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1入力部に入力し、前記第1入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第2入力部に入力し、前記第2入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、を切り替えるステップ、
を含む印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置および印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷装置では、印刷信号に応じてヘッドの複数のノズルからインクを吐出することによって印刷する。このような印刷装置は、例えば、コントローラと、ヘッド駆動回路と、複数のノズルを含むヘッドを有している。
【0003】
このようなヘッド駆動回路として、特許文献1には、複数のヘッドを組み合わせてヘッドユニットとして使用する場合に、ヘッドの取り付け方向によらずに信号の転送方向を同一とするために、信号経路の少なくとも一部に双方向性を持たせて、信号転送方向を切り替え可能とする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平02-281973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、信号線が入力用と出力用の二組必要となり、ヘッド駆動回路を制御する回路基板との接続に必要な信号線が多くなり、たとえば接続用のコネクタのピン数が多くなって大型化やコストアップという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ヘッド駆動回路を制御する回路基板との接続に必要な信号線の本数を削減することができる印刷装置および印刷装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る印刷装置(1)は、双方向のデータ送受信を行う印刷装置であって、データの入力と出力を行う入出力部(31)と、前記入出力部から入力された前記データに基づいて印刷を行うように、入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている駆動回路(33)と、前記駆動回路への前記データの入力方向と出力方向を切替信号に応じて切り替える切替部(32)と、を備え、前記駆動回路は、前記データが入力される第1入力部(331)と、前記第1入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第1出力部(332)と、前記データが入力される第2入力部(333)と、前記第2入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第2出力部(334)と、を備え、前記切替部は、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1入力部に入力し、前記第1入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第2入力部に入力し、前記第2入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、を切り替える。
【0008】
この構成によれば、駆動回路へのデータを入力する入力部と出力しない出力部との設定を切り替えることで、データの衝突を防ぐことができるので、入力部と出力部とを1つにまとめることができる。これにより、この構成によれば、印刷装置にデータを出力する装置との接続本数を削減することができ、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記切替部は、前記駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに接続されているようにしてもよい。
【0010】
この構成によれば、複数の駆動回路を接続して使用する場合、駆動回路の外部に切替部が接続されている。このため、この構成によれば、例えば駆動回路を複数個接続して使用するような場合に、駆動回路の内部回路を変更すること無く、外付け回路で対応することができる。この結果、構成の自由度を向上させることができる。さらに、この構成によれば、駆動回路の設計変更との時間やコストを削減することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記切替部は、前記駆動回路が有し、前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに接続されているようにしてもよい。
【0012】
この構成によれば、駆動回路が切替部を有することで、複数の駆動回路を接続して使用する場合、構成部品数を削減することができ、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る印刷装置は、前記駆動回路は、N(Nは2以上の整数)個の第1、第2、・・・、第N-1、第Nの駆動回路を備え、前記第1の駆動回路の第1出力部が、前記第2の駆動回路の第1入力部に接続され、前記第N-1の駆動回路の第1出力部が、前記第Nの駆動回路の第1入力部に接続され、前記第Nの駆動回路の第2出力部が、前記第N-1の駆動回路の第2入力部に接続され、前記第2の駆動回路の第2出力部が、前記第1の駆動回路の第2入力部に接続され、前記切替部は、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1の駆動回路の第1入力部に入力し、前記第1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを前記第1の駆動回路の第1出力部から前記第2の駆動回路の第1入力部に出力し、前記第N-1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを前記第N-1の駆動回路の第1出力部から前記第Nの駆動回路の第1入力部に出力し、前記第Nの駆動回路の第1出力部から前記入出力部に出力しない状態と、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力し、前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力された前記データを前記第Nの駆動回路の第2出力部から前記第N-1駆動回路の第2入力部に出力し、前記第2の駆動回路の第2入力部に入力された前記データを前記第2の駆動回路の第2出力部から前記第1の駆動回路の第2入力部に出力し、前記第1の駆動回路の前記第2出力部から前記入出力部に出力しない状態と、を切り替えるようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、複数の駆動回路を接続して使用する場合であっても、駆動回路へのデータを入力する入力部と出力しない出力部との設定を切り替えることで、データの衝突を防ぐことができるので、入力部と出力部とを1つにまとめることができる。これにより、この構成によれば、印刷装置にデータを出力する装置との接続本数を削減することができる。これにより、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る印刷装置は、前記駆動回路は、N(Nは2以上の整数)個の第1、第2、・・・、第N-1、第Nの駆動回路、を備え、前記N個の駆動回路それぞれは、前記切替部を備え、前記第1の駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、前記第2の駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、前記第N-1の駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、前記第Nの駆動回路の前記第1入力部、前記第1出力部、前記第2入力部、および前記第2出力部それぞれに前記切替部それぞれが接続され、前記第1の駆動回路の第1出力部が、前記第1の駆動回路の前記切替部と前記第2の駆動回路の前記切替部とを介して前記第2の駆動回路の第1入力部に接続され、前記第N-1の駆動回路の第1出力部が、前記第N-1の駆動回路の前記切替部と前記第Nの駆動回路の前記切替部とを介して前記第Nの駆動回路の第1入力部に接続され、前記第Nの駆動回路の第2出力部が、前記第Nの駆動回路の前記切替部と前記第N-1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第N-1の駆動回路の第2入力部に接続され、前記第2の駆動回路の第2出力部が、前記第2の駆動回路の前記切替部と前記第1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第1の駆動回路の第2入力部に接続され、前記切替部は、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1の駆動回路の第1入力部に入力し、前記第1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを、前記第1の駆動回路の第1出力部から、前記第1の駆動回路の前記切替部と前記第2の駆動回路の前記切替部とを介して前記第2の駆動回路の第1入力部に出力し、前記第N-1の駆動回路の第1入力部に入力された前記データを、前記第N-1の駆動回路の第1出力部から、前記第N-1の駆動回路の前記切替部と前記第Nの駆動回路の前記切替部とを介して前記第Nの駆動回路の第1入力部に出力し、前記第Nの駆動回路の第1出力部から前記入出力部に出力しない状態と、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力し、前記第Nの駆動回路の第2入力部に入力された前記データを、前記第Nの駆動回路の第2出力部から、前記第Nの駆動回路の前記切替部と前記第N-1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第N-1の駆動回路の第2入力部に出力し、前記第2の駆動回路の第2入力部に入力された前記データを、前記第2の駆動回路の第2出力部から、前記第2の駆動回路の前記切替部と前記第1の駆動回路の前記切替部とを介して前記第1の駆動回路の第2入力部に出力し、前記第1の駆動回路の前記第2出力部から前記入出力部に出力しない状態と、を切り替えるようにしてもよい。
【0016】
この構成によれば、駆動回路が切替部を有することで、複数の駆動回路を接続して使用する場合、構成部品数を削減することができ、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る印刷装置の制御方法は、データの入力と出力を行う入出力部と、前記入出力部から入力された前記データに基づいて印刷を行うように、入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている駆動回路と、前記駆動回路への前記データの入力方向と出力方向を切替信号に応じて切り替える切替部と、を備え、前記駆動回路は、前記データが入力される第1入力部と、前記第1入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第1出力部と、前記データが入力される第2入力部と、前記第2入力部から入力された前記データを前記入出力部に出力できるように接続されている第2出力部と、を備える双方向のデータ送受信を行う印刷装置の制御方法であって、前記切替部が、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第1入力部に入力し、前記第1入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、前記切替信号に応じて前記入出力部から入力された前記データを前記第2入力部に入力し、前記第2入力部に入力された前記データを前記入出力部に出力しない状態と、を切り替えるステップ、を含む。
【0018】
この構成によれば、駆動回路へのデータを入力する入力部と出力しない出力部との設定を切り替えることで、データの衝突を防ぐことができるので、入力部と出力部とを1つにまとめることができる。これにより、この構成によれば、印刷装置にデータを出力する装置との接続本数を削減することができ、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ヘッド駆動回路を制御する回路基板との接続に必要な信号線の本数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る印刷装置の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る液体噴射ヘッドの一部破断斜視図である。
図3】第1施形態に係る印刷装置の概略構成例を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る印刷装置が備えるヘッド駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る第1入力部からデータ信号が入力される場合のデータ信号の流れを示す図である。
図6】第1実施形態に係る第2入力部からデータ信号が入力される場合のデータ信号の流れを示す図である。
図7】第1実施形態に係る駆動回路が切替部を備えるヘッド駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図8】第2施形態に係る印刷装置の概略構成例を示すブロック図である。
図9】第2実施形態に係るヘッド駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図10】第2実施形態に係る駆動回路が切替部を備えるヘッド駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図11】第2実施形態の変形例に係る印刷装置1の概略構成例を示すブロック図である。
図12】2つのシフトレジスタが接続されている比較例における構成例と信号の流れの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0022】
[第1実施例]
図1は、本実施形態に係る印刷装置1の斜視図である。
図1に示すように、印刷装置1は、紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送機構5と6、被記録媒体Sにインク滴を噴射する液体噴射ヘッド4、液体噴射ヘッド4にインクを供給する液体供給部7、および液体噴射ヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(主走査方向)と略直交する方向(副走査方向)に走査させる走査部8を含んで構成される。なお、印刷装置1は、例えばインクジェットプリンタである。
【0023】
なお、以下の説明において、副走査方向をX方向、主走査方向をY方向、そしてX方向及びY方向にともに直交する方向をZ方向として説明する。印刷装置1は、X方向、Y方向が水平方向となるように、かつZ方向が重力方向上下方向となるように載置して使用されるようになっている。
すなわち、印刷装置1を載置した状態では、被記録媒体S上を液体噴射ヘッド4が水平方向(X方向、Y方向)に沿って走査するように構成されている。また、この液体噴射ヘッド4から重力方向下方(Z方向下方)に向かってインク滴が噴射され、このインク滴が被記録媒体Sに着弾するように構成されている。
【0024】
一対の搬送機構5と6は、それぞれX方向に延びて設けられたグリットローラ50,60と、グリットローラ50,60のそれぞれに平行に延びるピンチローラ51,61と、詳細は図示しないがグリットローラ50,60を軸回りに回転動作させるモータ等の駆動機構とを備えている。
【0025】
液体供給部7は、インクが収容された液体収容体70と、液体収容体70と液体噴射ヘッド4とを接続する液体供給管71とを備えている。液体収容体70は、複数設けられており、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクが収容されたインクタンク70Y,70M,70C,70Kが並べて設けられている。インクタンク70Y,70M,70C,70KのそれぞれにはポンプモータMが設けられており、液体供給管71を通じてインクを液体噴射ヘッド4へ押圧移動する。液体供給管71は、例えば、液体噴射ヘッド4(キャリッジユニット82)の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースで構成されている。
【0026】
なお、液体収容体70は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクが収容されたインクタンク70Y,70M,70C,70Kに限られるものではなく、さらに多色のインクを収容したインクタンクを備えていてもよい。
【0027】
走査部8は、X方向に延びて設けられた一対のガイドレール80,81と、一対のガイドレール80,81に沿って摺動可能なキャリッジユニット82と、キャリッジユニット82をX方向に移動させる駆動機構83とを備えている。駆動機構83は、一対のガイドレール80,81の間に配設された一対のプーリ84,85と、一対のプーリ84,85間に巻回された無端ベルト86と、一方のプーリ84を回転駆動させる駆動モータ87とを備えている。
【0028】
一対のプーリ84,85は、一対のガイドレール80,81の両端部間にそれぞれ配設されており、X方向に間隔を空けて配置されている。無端ベルト86は、一対のガイドレール80,81間に配設されており、この無端ベルト86に、キャリッジユニット82が連結されている。キャリッジユニット82の基端部82aには、複数の液体噴射ヘッド4が搭載されている。具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクに個別に対応する液体噴射ヘッド4Y,4M,4C,4KがX方向に並んで搭載されている。
【0029】
(液体噴射ヘッド)
図2は、本実施形態に係る液体噴射ヘッド4の一部破断斜視図である。
図2に示すように、液体噴射ヘッド4は、被記録媒体S(図1参照)に対してインク滴を噴射する噴射部90と、噴射部90と電気的に接続された制御回路基板95と、噴射部90と液体供給管71との間に、それぞれ接続部97,98を介して介在された圧力緩衝器96とをベース41,42上に備えている。圧力緩衝器96は、液体供給管71から噴射部90へインクの圧力変動を緩衝しながら通流させるためのものである。なお、ベース41,42は一体成形とされていても構わない。
【0030】
噴射部90は、圧力緩衝器96に接続部92を介して接続された流路部材91と、電圧が印加されることにより、インクを液滴として被記録媒体Sへと噴射させる液体噴射ヘッドチップ93と、液体噴射ヘッドチップ93と制御回路基板95とに電気的に接続され液体噴射ヘッドチップ93に電圧を印加するためのフレキシブル配線94とを備えている。
【0031】
なお、図1図2に示した構成は一例であり、印刷装置1の構成、液体噴射ヘッド4の構成は、これに限られない。
【0032】
(印刷装置1の電気的な構成)
次に、印刷装置1の電気的な構成例を説明する。
図3は、本実施形態に係る印刷装置1の概略構成例を示すブロック図である。図3に示すように、印刷装置1は、コントローラ2、ヘッド駆動回路3、および液体噴射ヘッド4を含んで構成される。ヘッド駆動回路3は、入出力部31、切替部32、駆動回路33、ラッチ回路34、および波形信号生成回路35を含んで構成される。
【0033】
印刷装置1は、コントローラ2が出力する信号に応じて、ヘッド駆動回路3が液体噴射ヘッド4からインクを噴射することで印字を行う。印刷装置1は、例えばインクジェットプリンタである。また、信号に含まれる印字データは、例えばピクセルデータパケットである。
【0034】
コントローラ2は、印刷装置1の印字を制御する。コントローラ2は、例えばCPU(中央演算装置)、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
ヘッド駆動回路3は、例えばドライバIC(集積回路)である。ヘッド駆動回路3は、コントローラ2が出力する信号に応じて波形信号を生成し、生成した波形信号によって液体噴射ヘッド4を駆動する。
液体噴射ヘッド4は、ヘッド駆動回路3が生成した波形信号に応じて、インクを噴射する。図1を用いて説明したように、液体噴射ヘッド4は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクに個別に対応する液体噴射ヘッド4Y,4M,4C,4Kを備える。
【0035】
入出力部31は、コントローラ2が出力する信号を受信し、受信した信号をシフトレジスタに出力する。信号には、印刷データであるデータ信号(DATA信号)と、シフトするタイミングを示すデータクロック信号(DATA CLOCK信号)と、切替信号が含まれている。
切替部32は、切替信号に応じて、データ信号を、駆動回路33が有する2つの入力部のうちのいずれに入力するか切り替える。
【0036】
駆動回路33は、シフトレジスタである。駆動回路33は、入出力部31が出力した信号に含まれる印字データに対して、データクロック信号のタイミング毎にレジスタに書き込んでシフトを行う。
ラッチ回路34は、シフトレジスタである駆動回路33に書き込まれている印字データ対して、ラッチを行う。
波形信号生成回路35は、ラッチ回路34がラッチを行った印字データに応じた波形信号を生成し、生成した波形信号によって、液体噴射ヘッド4からインクを噴射させる。
【0037】
なお、図3に示す例では、ヘッド駆動回路3が、波形信号生成回路35と液体噴射ヘッド4それぞれを1つ備える例を示したが、これに限られない。波形信号生成回路35と液体噴射ヘッド4それぞれの個数は、複数、例えば8個ずつであってもよい。
【0038】
図4は、本実施形態に係る印刷装置1が備えるヘッド駆動回路3の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、ヘッド駆動回路3は、入出力部31、切替部32、および駆動回路33を備える。なお、図4では、ラッチ回路34と波形信号生成回路35を省略して示している。
また、切替部32は、切替部321、切替部322、切替部323、および切替部324を備える。
駆動回路33は、第1入力部331、第1出力部332、第2入力部333、および第2出力部334を備える。
【0039】
入出力部31のデータ端子は、切替部321の入力端、切替部322の出力端、切替部323の入力端、および切替部324の出力端に接続されている。入出力部31の切替端子は、切替部321の制御端、切替部322の制御端、切替部323の制御端、および切替部324の制御端に接続されている。
【0040】
切替部321の出力端は、駆動回路33の第1入力部331に接続されている。
駆動回路33の第1出力部332は、切替部322の入力端に接続されている。
切替部323の出力端は、駆動回路33の第2入力部333に接続されている。
駆動回路33の第2出力部334は、切替部324の入力端に接続されている。
【0041】
次に、ヘッド駆動回路3のデータ信号の流れを、図5図6を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る第1入力部331からデータ信号が入力される場合のデータ信号の流れを示すブロック図である。
図5に示す状態の切替信号は、切替部321に入力された信号を出力するように切り替え、切替部322に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部323に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部324に入力された信号を出力しないように切り替える。
【0042】
この状態では、切替部322の出力端、切替部323の出力端、および切替部324の出力端それぞれがハイインピーダンスになり、入力された信号を出力しない状態になる。
この結果、矢印g1に示すように、入出力部31が出力したデータ信号は、切替部321を介して駆動回路33の第1入力部331へ入力される。第1入力部331に入力されたデータ信号は、第1出力部332から切替部322の入力端に出力される。また、切替部322がデータ信号を出力しない状態である。
さらに、切替部323が信号を出力しない状態であり、切替部324が信号を出力しない状態である。
これにより、入出力部31のデータ端子が出力した信号と、切替部322の出力端と切替部324の出力部とが、ぶつかることを防ぐことができる。
【0043】
図6は、本実施形態に係る第2入力部333からデータ信号が入力される場合のデータ信号の流れを示すブロック図である。
図6に示す状態の切替信号は、切替部321に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部322に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部323に入力された信号を出力するように切り替え、切替部324に入力された信号を出力しないように切り替える。
【0044】
この状態では、切替部321の出力端、切替部322の出力端、および切替部324の出力端それぞれがハイインピーダンスになり、入力された信号を出力しない状態になる。
この結果、矢印g2に示すように、入出力部31が出力したデータ信号は、切替部323を介して駆動回路33の第2入力部333へ入力される。第2入力部333に入力されたデータ信号は、第2出力部334から切替部324の入力端に出力される。また、切替部324が信号を出力しない状態である。
さらに、切替部321が信号を出力しない状態であり、切替部322が信号を出力しない状態である。
これにより、入出力部31のデータ端子が出力した信号と、切替部322の出力端と切替部324の出力部とが、ぶつかることを防ぐことができる。
【0045】
なお、図4図6に示した例では、切替部32が駆動回路33に外付けされている例を説明したが、これに限られない。切替部32の全てまたは一部を駆動回路33が備えていてもよい。
図7は、本実施形態に係る駆動回路33Aが切替部32を備えるヘッド駆動回路3Aの構成例を示すブロック図である。図7に示すように、ヘッド駆動回路3Aは、入出力部31、および駆動回路33Aを備える。なお、図4では、ラッチ回路34と波形信号生成回路を省略して示している。
【0046】
駆動回路33Aは、切替部32、第1入力部331、第1出力部332、第2入力部333、および第2出力部334を備える。
なお、各部の接続関係は、図4のヘッド駆動回路3と同様である。また、切替信号の動作、データ信号の流れは、図5図6と同様である。
【0047】
以上のように、本実施形態では、駆動回路33Aの複数の入出力部それぞれに切替部32を設け、この切替部32を切替信号に応じて切り替えるようにした。これにより、第1入力部331からデータ信号を入力したとき、第2入力部333にはデータ信号が入力されず、かつ第1出力部332と第2出力部334からデータ信号が出力されないように切り替わる。
【0048】
これにより、本実施形態によれば、駆動回路へのデータを入力する入力部と出力しない出力部との設定を切り替えることで、データの衝突を防ぐことができるので、入力部と出力部とを1つにまとめることができる。この結果、本実施形態によれば、印刷装置にデータを出力する装置との接続本数を削減することができる。これにより、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0049】
[第2実施形態]
第1実施形態では、印刷装置1が、1つのヘッド駆動回路3を備える例を説明したが、ヘッド駆動回路が複数であってもよい。
本実施形態では、印刷装置がN(Nは2以上の整数)個のヘッド駆動回路を備える例を説明する。
【0050】
図8は、本実施形態に係る印刷装置1Bの概略構成例を示すブロック図である。図8に示すように、印刷装置1Bは、コントローラ2B、ヘッド駆動回路3B(ヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3)、および液体噴射ヘッド4Bを含んで構成される。
図8に示す構成では、1個の液体噴射ヘッド4Bに複数のヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3がつながっている。このような構成は、例えば、液体噴射ヘッド4Bが256個のノズルを備え、このノズルに対して、ヘッド駆動回路3と3それぞれが128個ずつノズルを駆動する。
【0051】
図8に示す例では、コントローラ2Bが、データ信号をヘッド駆動回路31とヘッド駆動回路3に出力する。そして、ヘッド駆動回路3は、切替信号に応じて、データ信号をヘッド駆動回路3に出力し、・・・、ヘッド駆動回路3N-1は、データ信号をヘッド駆動回路3に出力する。または、ヘッド駆動回路3は、切替信号に応じて、データ信号をヘッド駆動回路3N-1に出力し、・・・ヘッド駆動回路3は、データ信号をヘッド駆動回路3に出力する。
また、コントローラ2Bは、切替信号をヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3に出力する。
ヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3は、液体噴射ヘッド4Bが備えるノズルを駆動して印刷を行う。
【0052】
次に、ヘッド駆動回路3Bの構成例を説明する。
図9は、本実施形態に係るヘッド駆動回路3Bの構成例を示すブロック図である。図9に示すように、ヘッド駆動回路3Bは、入出力部31B、切替部32、駆動回路33、・・・、駆動回路33を備えている。
【0053】
また、切替部32は、切替部321、切替部322、切替部323、および切替部324を備える。
駆動回路33は、第1入力部331、第1出力部332、第2入力部333、および第2出力部334を備える。
駆動回路33は、第1入力部331、第1出力部332、第2入力部333、および第2出力部334を備える。
なお、図9では、ラッチ回路34(図3参照)と波形信号生成回路35(図3参照)を省略して示している。
【0054】
入出力部31Bのデータ端子は、切替部321の入力端、切替部322の出力端、切替部323の入力端、および切替部324の出力端に接続されている。入出力部31の切替端子は、切替部321の制御端、切替部322の制御端、切替部323の制御端、および切替部324の制御端に接続されている。
【0055】
切替部321の出力端は、駆動回路33の第1入力部331に接続されている。
駆動回路33の第1出力部332は、駆動回路33の第1入力部331に接続されている。
駆動回路33N-1の第1出力部332N-1は、駆動回路33の第1入力部331に接続されている。
駆動回路33の第1出力部332は、切替部322の入力端に接続されている。
【0056】
切替部323の出力端は、駆動回路33の第2入力部333に接続されている。
駆動回路33の第2出力部334は、駆動回路33N-1の第2入力部333N-1に接続されている。
駆動回路33の第2出力部334は、駆動回路33の第2入力部333に接続されている。
駆動回路33の第2出力部334は、切替部324の入力端に接続されている。
【0057】
次に、ヘッド駆動回路3Bのデータ信号の流れを、図9を参照して説明する。
図9に示す状態の切替信号は、切替部321に入力された信号を出力するように切り替え、切替部322に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部323に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部324に入力された信号を出力しないように切り替える。
【0058】
この状態では、切替部322の出力端、切替部323の出力端、および切替部324の出力端それぞれがハイインピーダンスになり、入力された信号を出力しない状態になる。
この結果、矢印g11に示すように、入出力部31Bが出力したデータ信号は、切替部321を介して駆動回路33の第1入力部331へ入力される。第1入力部331に入力されたデータ信号は、第1出力部332から駆動回路33の第1入力部331へ出力される。駆動回路33N-1の第1入力部331N-1に入力されたデータ信号は、第1出力部332N-1から駆動回路33の第1入力部331へ出力される。そして、駆動回路33の第1入力部331に入力されたデータ信号は、第1出力部332から切替部322の入力端に出力される。また、切替部322が信号を出力しない状態である。
さらに、切替部323が信号を出力しない状態であり、切替部324が信号を出力しない状態である。
【0059】
これにより、入出力部31Bのデータ端子は、駆動回路33から駆動回路33、駆動回路33から駆動回路33、・・・、駆動回路33N-1から駆動回路33に送信される。また、第1実施形態と同様に、入出力部31Bのデータ端子が出力した信号と、切替部322の出力端と切替部324の出力部とが、ぶつかることを防ぐことができる。
【0060】
次に、切替信号が、切替部321に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部322に入力された信号を出力しないように切り替え、切替部323に入力された信号を出力するように切り替え、切替部324に入力された信号を出力しないように切り替えるときの、信号の流れを説明する。
【0061】
この状態では、切替部321の出力端、切替部322の出力端、および切替部324の出力端それぞれがハイインピーダンスになり、入力された信号を出力しない状態になる。
この結果、矢印g12に示すように、入出力部31Bが出力したデータ信号は、切替部323を介して駆動回路33の第2入力部333へ入力される。第2入力部333に入力されたデータ信号は、第2出力部334から駆動回路33N-1の第2入力部333N-1へ出力される。駆動回路33の第2入力部333に入力されたデータ信号は、第2出力部334から駆動回路33の第2入力部333へ出力される。そして、駆動回路33の第2入力部333に入力されたデータ信号は、第2出力部334から切替部324の入力端に出力される。また、切替部324が信号を出力しない状態である。
さらに、切替部321が信号を出力しない状態であり、切替部322が信号を出力しない状態である。
【0062】
これにより、入出力部31Bのデータ端子は、駆動回路33から駆動回路33N-1、・・・、駆動回路33ら駆動回路33に送信される。また、第1実施形態と同様に、入出力部31Bのデータ端子が出力した信号と、切替部322の出力端と切替部324の出力部とが、ぶつかることを防ぐことができる。
【0063】
以上のように、本実施形態では、切替部32が、駆動回路33に接続されている。
この構成により、本実施形態によれば、複数の駆動回路33を接続して使用する場合、駆動回路33の外部に切替部32が接続されている。このため、本実施形態によれば、例えば駆動回路33を複数個接続して使用するような場合に、駆動回路33の内部回路を変更すること無く、外付け回路で対応することができる。この結果、本実施形態によれば、構成の自由度を向上させることができる。さらに、駆動回路33の設計変更との時間やコストを削減することができる。
【0064】
なお、図9に示した例では、両側の駆動回路33、駆動回路33に切替部32を接続する例を示したが、第1実施形態と同様に駆動回路が切替部を備えていてもよい。
図10は、本実施形態に係る駆動回路が切替部を備えるヘッド駆動回路の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、ヘッド駆動回路3Cは、入出力部31C、および駆動回路33C、・・・、駆動回路33Cを備える。なお、図10では、ラッチ回路34(図3参照)と波形信号生成回路35(図3参照)を省略して示している。
【0065】
駆動回路33Cは、切替部32(切替部321、切替部322、切替部323、および切替部324)、第1入力部331、第1出力部332、第2入力部333、および第2出力部334を備える。
駆動回路33Cは、切替部32(切替部321、切替部322、切替部323、および切替部324)、第1入力部331、第1出力部332、第2入力部333、および第2出力部334を備える。
【0066】
入出力部31Cのデータ端子は、駆動回路33Cの切替部321の入力端、駆動回路33Cの切替部322の出力端、駆動回路33Cの切替部323の入力端、および駆動回路33Cの切替部324の出力端に接続されている。
入出力部31Cの切替端子は、駆動回路33Cの切替部32の制御端、・・・、駆動回路33Cの切替部32の制御端に接続されている。
【0067】
駆動回路33Cの切替部321の出力端は、駆動回路33Cの第1入力部331に接続されている。
駆動回路33Cの第1出力部332は、駆動回路33Cの切替部322の入力端に接続されている。
【0068】
駆動回路33Cの切替部321の出力端は、駆動回路33Cの第1入力部331に接続されている。
駆動回路33CN-1の切替部321N-1の出力端は、駆動回路33Cの第1入力部331に接続されている。
駆動回路33Cの第1出力部332は、駆動回路33Cの切替部322の入力端に接続されている。
【0069】
駆動回路33Cの切替部323の出力端は、駆動回路33Cの第2入力部333に接続されている。
駆動回路33Cの第2出力部334は、駆動回路33Cの切替部324の入力端に接続されている。
【0070】
駆動回路33Cの切替部324の出力端は、駆動回路33CN-1の第2入力部333N-1に接続されている。
駆動回路33Cの切替部321の出力端は、駆動回路33Cの第2入力部333に接続されている。
駆動回路33Cの第2出力部334は、駆動回路33Cの切替部324の入力端に接続されている。
【0071】
次に、切替信号が、駆動回路33Cの切替部321に入力された信号を出力するように切り替え、・・・、駆動回路33CN-1の切替部321N-1に入力された信号を出力するように切り替え、駆動回路33Cの切替部322に入力された信号を出力しないように切り替え、駆動回路33Cの切替部323に入力された信号を出力しないように切りえ、・・・、駆動回路33Cの切替部324に入力された信号を出力しないように切り替えるときのデータ信号の流れを説明する。
【0072】
この状態では、駆動回路33Cの切替部322の出力端、駆動回路33Cの切替部323の出力端それぞれがハイインピーダンスになり、入力された信号を出力しない状態になる。また、駆動回路33Cの切替部324の出力端、・・・、および駆動回路33Cの切替部324の出力端それぞれがハイインピーダンスになり、入力された信号を出力しない状態になる。
【0073】
この結果、入出力部31Bが出力したデータ信号は、駆動回路33Cの切替部321を介して駆動回路33の第1入力部331へ入力される。駆動回路33Cの第1入力部331に入力されたデータ信号は、駆動回路33Cの第1出力部332から駆動回路33Cの切替部321へ出力される。駆動回路33Cの切替部321に入力されたデータ信号は、駆動回路33Cの第1入力部331へ出力される。駆動回路33CN-1の切替部321N-1に入力されたデータ信号は、駆動回路33CN-1の第1入力部331N-1へ出力される。駆動回路33CN-1の第1入力部331N-1に入力されたデータ信号は、駆動回路33CN-1の第1出力部332N-1から駆動回路33Cの切替部321へ出力される。駆動回路33Cの切替部321に入力されたデータ信号は、駆動回路33Cの第1入力部331へ出力される。駆動回路33Cの第1入力部331に入力されたデータ信号は、駆動回路33Cの第1出力部332から駆動回路33Cの切替部322へ出力される。また、駆動回路33Cの切替部322が信号を出力しない状態である。
さらに、駆動回路33Cの切替部323が信号を出力しない状態であり、駆動回路33CN-1の切替部323N-1が信号を出力しない状態であり、・・・、駆動回路33Cの切替部324が信号を出力しない状態である。
【0074】
これにより、入出力部31Bのデータ端子は、駆動回路33Cから、駆動回路33Cの切替部322と駆動回路33Cの切替部322とを介して駆動回路33に送信される。以後、駆動回路33C(Mは2~N-1のうちの整数)それぞれが備える切替部322と切替部321M+1とを介して、駆動回路33Cから駆動回路33C、・・・、駆動回路33CN-1から駆動回路33Cに送信される。また、第1実施形態と同様に、入出力部31Cのデータ端子が出力した信号と、駆動回路33Cの切替部322の出力端と駆動回路33Cの切替部324の出力部とが、ぶつかることを防ぐことができる。
【0075】
以上のように、本実施形態では、駆動回路33それぞれが切替部32を有している。
この構成により、本実施形態によれば、駆動回路33が切替部32を有することで、複数の駆動回路33を接続して使用する場合、構成部品数を削減することができ、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、複数の駆動回路33を接続して使用する場合であっても、駆動回路33へのデータを入力する入力部と出力しない出力部との設定を、切替部32を切り替えることで、データの衝突を防ぐことができるので、データ信号の入力部と出力部とを1つにまとめた入出力部31とすることができる。これにより、本実施形態によれば、印刷装置にデータを出力する装置との接続本数を削減することができる。また、本実施形態によれば、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0077】
[第2実施形態の変形例]
ここで、第2実施形態の変形例を説明する。
図11は、本実施形態の変形例に係る印刷装置1Dの概略構成例を示すブロック図である。図11に示すように、印刷装置1Dは、コントローラ2D、ヘッド駆動回路3D(ヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3)、および液体噴射ヘッド4、4、・・・、4N-1、4を含んで構成される。
なお、図11に示す例では、ヘッド駆動回路3それぞれが、液体噴射ヘッド4を1つ備える例を示したが、これに限られない。液体噴射ヘッド4の個数は、複数、例えば8個であってもよい。
【0078】
図11に示す例では、コントローラ2Dが、データ信号をヘッド駆動回路3、3に出力する。ヘッド駆動回路3は、切替信号に応じて、データ信号をヘッド駆動回路3に出力し、・・・、ヘッド駆動回路3N-1は、データ信号をヘッド駆動回路3に出力する。または、ヘッド駆動回路3は、切替信号に応じて、データ信号をヘッド駆動回路3N-1に出力し、・・・ヘッド駆動回路3は、データ信号をヘッド駆動回路3に出力する。
また、コントローラ2Dは、切替信号をヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3に出力する。
ヘッド駆動回路3は、液体噴射ヘッド4が備えるノズルを駆動して印刷を行う。・・・ヘッド駆動回路3は、液体噴射ヘッド4が備えるノズルを駆動して印刷を行う。
【0079】
なお、図11の構成において、ヘッド駆動回路3、3、・・・、3N-1、3それぞれが備える駆動回路33の構成は、図9または図10と同様である。
【0080】
[比較例の説明]
ここで、比較例の構成例と、データ信号の流れの例を説明する。
図12は、2つのシフトレジスタが接続されている比較例における構成例と信号の流れの例を示すブロック図である。
図12に示す比較例では、ヘッド駆動回路のうちシフトレジスタのみを抜き出して示している。2つのシフトレジスタが接続されている場合、符号g901が示す領域のように、シフトレジスタ9331側からデータを入力するための第1入出力端子と、符号g902が示す領域のように、シフトレジスタ9332側からデータを入力するための第2入出力端子が入出力部に必要であった。
比較例に示した構成では、データが4ビットの場合、第1入出力端子と第2入出力端子それぞれの信号線が4本ずつ、計8本必要であった。さらに、データが8ビットの場合は、信号線が8本ずつ、計16本必要であった。
これらに信号線の本数が多いことが、ヘッド駆動回路を小型化の阻害要因になっていた。
【0081】
このようなヘッド駆動回路はヘッドとともにユニット化されて1枚の基板に実装されることがある。このヘッド駆動回路を、例えば背中合わせに貼り合わせた場合、2つのユニットにはヘッドが実装されているため、データを流す方向を揃える必要がある。このため、図12の符号g901に示した領域と、符号g902に示した領域のように、データの流れを反時計回りと時計回りで流す必要がある。そして、このように、どちらの向きにもデータを流せるようにするには、図12の比較例では、データバス(入出力部)において、時計回りと反時計回りの両方の入出力端子を有する必要があった。
【0082】
一方、本実施形態では、上述したように、駆動回路33へのデータを入力する入力部と出力しない出力部との設定を切替部32によって切り替えることで、入出力部31におけるデータの衝突を防ぐことができる。これにより、本実施形態によれば、入出力部31におけて、入力部と出力部とを1つにまとめることができる。この結果、本実施形態によれば、印刷装置にデータを出力する装置との接続本数を削減することができ、印刷装置の小型化、コストダウンをはかることができる。
【0083】
なお、第1実施形態、第2実施形態で説明した印刷装置1(1B,1D)は、サーマル(バブルジェット(登録商標))式などの他の形式のものであってもよい。
【0084】
なお、本発明におけるヘッド駆動回路3(または3A,3B,3C,3,・・・,3)の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりヘッド駆動回路3(または3A,3B,3C,3,・・・,3)が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、フラッシュメモリ媒体等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0085】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0086】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0087】
1,1B,1D…印刷装置、2,2B,2D…コントローラ、3,3A,3B,3C,3D,3,・・・,3…ヘッド駆動回路、4,4,・・・,4…液体噴射ヘッド、31,31B,31C…入出力部、32,32,・・・、32,321,322,323,324,321,・・・、321,322,・・・、322,323,・・・、323,324,・・・、324…切替部、33,33A,33,・・・、33…駆動回路、34…ラッチ回路、35…波形信号生成回路、331,331,・・・、331…第1入力部、332,332,・・・、332…第1出力部、333,333,・・・、333…第2入力部、334,334,・・・、334…第2出力部
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