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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/02 20060101AFI20220113BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20220113BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
H02K9/02 B
H02K11/30
H02K21/14 M
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2017192190
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019068628
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】300052246
【氏名又は名称】日本電産エレシス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】山下 佳明
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕史
(72)【発明者】
【氏名】増渕 和則
(72)【発明者】
【氏名】原田 一樹
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/056735(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/140961(WO,A1)
【文献】特開2017-163771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/02
H02K 11/30
H02K 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータおよびステータを有するモータ本体と、
前記モータ本体と電気的に接続され第1方向に沿って延びる柱状のコンデンサと、
を備え、
前記モータ本体は、
前記コンデンサの側面と対向するヒートシンクと、
前記コンデンサの側面の一部および前記ヒートシンクと接触する放熱材と、
を有し、
前記コンデンサの側面は、前記放熱材と接触する第1領域を有し、
前記第1領域は、前記コンデンサの側面の一部であって、前記コンデンサの側面の前記第1方向の中央部を含む領域であ
前記コンデンサは、前記コンデンサが実装される基板から前記第1方向の他方側に延び、
前記コンデンサの側面は、前記中央部から前記第1方向の他方側の端部までの第3領域をさらに有し、
前記モータ本体は、前記第3領域と対向する蓋部をさらに備える、
モータ。
【請求項2】
前記コンデンサは、前記コンデンサが実装される基板から前記第1方向の他方側に延び、
前記コンデンサの側面は、
前記中央部から前記第1方向の一方側の端部までの第2領域をさらに有し、
前記ヒートシンクは前記第2領域と対向する、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記モータ本体は、
前記ヒートシンクと前記蓋部との境界に、前記コンデンサの側面に直交する第2方向に凹む放熱材収容凹部を有し、
前記放熱材の一部は前記放熱材収容凹部内に配置される、
請求項1または2に記載のモータ。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、前記第1方向の他方側を向く面から、前記第1方向の一方側に凹む第1凹所を有し、
前記第1凹所は、前記放熱材収容凹部の少なくとも一部を構成する、
請求項に記載のモータ。
【請求項5】
前記蓋部は、前記第1方向の一方側を向く面に、前記コンデンサの前記第1方向の他方側の端面より前記第1方向の一方側へ突出する第1突起部を有し、
前記第1突起部は、前記第1凹所に嵌入される、
請求項に記載のモータ。
【請求項6】
前記蓋部は、前記第1方向の一方側を向く面に、前記第1方向の他方側に凹む第2凹所を有し、
前記第2凹所は、前記放熱材収容凹部の少なくとも一部を構成する、
請求項に記載のモータ。
【請求項7】
前記ヒートシンクは、前記第1方向の他方側を向く面に、前記第1方向の他方側へ突出する第2突起部を有し、
前記第2突起部は前記第2凹所に嵌入される、
請求項に記載のモータ。
【請求項8】
ロータおよびステータを有するモータ本体と、
前記モータ本体と電気的に接続され第1方向に沿って延びる柱状のコンデンサと、 を備え、
前記モータ本体は、
前記コンデンサの側面と対向するヒートシンクと、
前記コンデンサの側面の一部および前記ヒートシンクと接触する放熱材と、
を有し、
前記コンデンサの側面は、前記放熱材と接触する第1領域を有し、
前記第1領域は、前記コンデンサの側面の一部であって、前記コンデンサの側面の前記第1方向の中央部を含む領域であり、
前記コンデンサは、前記コンデンサが実装される基板から前記第1方向の他方側に延び、
前記ヒートシンクは、前記第1方向の一方側の端部から前記第1方向の他方側の端部まで延び、
前記放熱材は、前記コンデンサの側面のうち、前記中央部から前記第1方向の一方側の端部又は前記第1方向の他方側の端部に至る領域の少なくとも一部に対向し、
前記モータ本体は、前記コンデンサの前記第1方向の他方側に配置され、前記コンデンサの前記第1方向の他方側の端面および前記ヒートシンクの前記第1方向の他方側を向く面と対向する蓋部をさらに備える、
モータ。
【請求項9】
前記ヒートシンクは、前記コンデンサの前記中央部に対向する側面に、前記コンデンサの側面に直交する第2方向に向かって凹む放熱材収容凹部を有し、
前記放熱材は前記放熱材収容凹部内に配置される、
請求項に記載のモータ。
【請求項10】
前記ヒートシンクは、前記コンデンサの側面の前記中央部に対向する面に、前記コンデンサの側面に直交する第2方向に凹む第3凹所を有し、
前記第3凹所は、前記コンデンサの前記中央部から前記第1方向の他方側まで延び、
前記放熱材は前記第3凹所に配置される、
請求項に記載のモータ。
【請求項11】
前記ヒートシンクは、前記コンデンサの側面の前記中央部に対向する面に、前記コンデンサの側面に直交する第2方向に凹む第4凹所を有し、
前記第4凹所は、前記コンデンサの前記中央部から前記第1方向の他方側まで延び、
前記放熱材は前記第4凹所に配置される、
請求項に記載のモータ。
【請求項12】
前記第1方向の中央部より他方側において前記コンデンサと前記ヒートシンクとの間を封止する封止部材を有し、
前記放熱材は、前記コンデンサと、前記ヒートシンクと、前記基板と、前記封止部材に接触する、
請求項に記載のモータ。
【請求項13】
前記第1方向の前記中央部より一方側において前記コンデンサと前記ヒートシンクとの間を封止する封止部材を有し、
前記放熱材は、前記コンデンサと、前記ヒートシンクと、前記蓋部と、前記封止部材と、に接触する、
請求項に記載のモータ。
【請求項14】
前記蓋部は、前記第1方向の一方側に向く面に、前記第1方向の一方側に向かって突出し、前記コンデンサの側面と対向する第3突起部を有し、
前記第3突起部は、前記コンデンサと前記ヒートシンクとの間に配置され、
前記放熱材は、前記コンデンサと、前記ヒートシンクと、前記第3突起部と、前記基板に接触する、
請求項に記載のモータ。
【請求項15】
ロータおよびステータを有するモータ本体と、
前記モータ本体と電気的に接続され第1方向に沿って延びる柱状のコンデンサと、
を備え、
前記モータ本体は、
前記コンデンサの側面と対向するヒートシンクと、
前記コンデンサの側面の一部および前記ヒートシンクと接触する放熱材と、
を有し、
前記コンデンサの側面は、前記放熱材と接触する第1領域を有し、
前記第1領域は、前記コンデンサの側面の一部であって、前記コンデンサの側面の前記第1方向の中央部を含む領域であり、
前記コンデンサは、前記コンデンサが実装される基板から前記第1方向の他方側に延び、
前記ヒートシンクは、前記第1方向の一方側に開口するコンデンサ収容凹部を備え、
前記コンデンサは、前記コンデンサ収容凹部内に配置され、
前記放熱材は、前記コンデンサ収容凹部の内壁面と、前記コンデンサの側面のうち前記第1方向の中央部から一方側の端部又は他方側の端部に至る領域の少なくとも一部に対向
前記ヒートシンクは、前記コンデンサの側面の前記中央部に対向する面に、前記コンデンサの側面に直交する第2方向に凹む第3凹所を有し、
前記第3凹所は、前記コンデンサの前記中央部から前記第1方向の他方側まで延び、
前記放熱材は前記第3凹所に配置される、
モータ。
【請求項16】
前記第1方向の中央部より一方側において前記コンデンサと前記ヒートシンクとの間を封止する封止部材を有し、
前記放熱材は、前記コンデンサと、前記ヒートシンクと、前記封止部材と、に接触する、
請求項15に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ本体を制御する回路基板(基板)を備えた機電一体型のモータでは、発熱量の大きいコンデンサ等の発熱素子をハウジングの内部に収容し、放熱を行う。例えば、電子コントローラユニット(ECU)ハウジングのヒートシンクに設けられた段差内に電解コンデンサが収められた構成が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-62959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のモータは、コンデンサの位置による発熱量の違いが着目されていなかったため、コンデンサからの熱を放熱できるがヒートシンクの体積や放熱材の使用量が増え、モータのコストが高くなる虞があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて、コンデンサからの熱を放熱しつつ、ヒートシンクの体積や放熱材の使用量を減らし、モータのコストを抑えられるモータの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、ロータおよびステータを有するモータ本体と、前記モータ本体と電気的に接続され第1方向に沿って延びる柱状のコンデンサと、を備え、前記モータ本体は、前記コンデンサの側面と対向するヒートシンクと、前記コンデンサの側面の一部および前記ヒートシンクと接触する放熱材と、を有し、前記コンデンサの側面は、前記放熱材と接触する第1領域を有し、前記第1領域は、前記コンデンサの側面の一部であって、前記コンデンサの側面の前記第1方向の中央部を含む領域である。 コンデンサは、コンデンサが実装される基板から前記第1方向の他方側に延びる。コンデンサの側面は、中央部から第1方向の他方側の端部までの第3領域をさらに有する。モータ本体は、第3領域と対向する蓋部をさらに備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、コンデンサからの熱を放熱しつつ、ヒートシンクの体積や放熱材の使用量を減らし、モータのコストを抑えられるモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態のモータの平面図である。
図2図2は、図1のモータの斜視図であり、ハウジング50から蓋部40を外した状態の図である。
図3図3は、図1のII-II線に沿うモータの断面図である。
図4図4は、図3のXI領域を拡大したモータの断面図である。
図5図5は、図1のモータの第1変形例を示す断面図である。
図6図6は、図1のモータの第2変形例を示す断面図である。
図7図7は、図1のモータの第3変形例を示す断面図である。
図8図8は、図1のモータの第4変形例を示す断面図である。
図9図9は、図1のモータの第5変形例を示す断面図である。
図10図10は、図1のモータの第6変形例を示す断面図である。
図11図11は、図1のモータの第7変形例を示す断面図である。
図12図12は、図1のモータの第8変形例を示す断面図である。
図13図13は、図1のモータの第9変形例を示す断面図である。
図14図14は、図1のモータの第10変形例を示す断面図である。
図15図15は、図1のモータの第11変形例を示す断面図である。
図16図16は、図1のモータの第12変形例を示す断面図である。
図17図17は、図1のモータの第13変形例を示す断面図である。
図18図18は、図1のモータの第14変形例を示す断面図である。
図19図19は、図1のモータの第15変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータ1について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0010】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、後段に説明する中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向とする。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
【0011】
また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側」と呼び、Z軸方向の負の側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。なお、上側および下側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向、第1方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。さらに、以下の説明において、「平面視」とは、軸方向から見た状態を意味する。また、特に断りのない限り、「他方側」は基板から遠ざかる方向であって、「一方側」は基板に近づく方向と呼ぶ。なお、「第1方向の一方側」は、回路基板(基板)に対する後述のモータの上側であってもよく、モータの下側であってもよい。
【0012】
[モータ]
図1は、本実施形態のモータ1の平面図である。図2は、モータ1の斜視図であり、後段で説明するハウジング50から蓋部40を外した状態の図である。図3は、図1のII-II線に沿うモータ1の断面図である。図4は、図3のXI領域を拡大したモータ1の断面図である。図5は、モータ1の第1変形例を示す断面図である。図6は、モータ1の第2変形例を示す断面図である。図7は、モータ1の第3変形例を示す断面図である。図8は、モータ1の第4変形例を示す断面図である。図9は、モータ1の第5変形例を示す断面図である。図10は、モータ1の第6変形例を示す断面図である。図11は、モータ1の第7変形例を示す断面図である。図12は、モータ1の第8変形例を示す断面図である。図13は、モータ1の第9変形例を示す断面図である。図14は、モータ1の第10変形例を示す断面図である。図15は、モータ1の第11変形例を示す断面図である。図16は、モータ1の第12変形例を示す断面図である。図17は、モータ1の第13変形例を示す断面図である。図18は、モータ1の第14変形例を示す断面図である。図19は、モータ1の第15変形例を示す断面図である。なお、図5から図19は、図3のXI領域を拡大したモータの断面図に相当する。
【0013】
図1および図2に示すように、モータ1は、モータ本体2と、ハウジング50と、制御部3と、上側ベアリング7Aと、下側ベアリング7Bと、を備える。
【0014】
[モータ本体]
モータ本体2は、ロータ20と、ステータ25と、を有する。
ロータ20は、上下方向に沿って延びる中心軸Jを中心として回転する。ロータ20は、シャフト21と、ロータコア22と、ロータマグネット23と、を有する。
シャフト21は、中心軸Jに沿って延びる。シャフト21は、上側ベアリング7Aと下側ベアリング7Bとによって、中心軸Jの軸周りに回転可能に支持される。ロータコア22は、シャフト21に固定される。ロータコア22は、シャフト21を周方向に囲んでいる。ロータマグネット23は、ロータコア22に固定される。より詳細には、ロータマグネット23は、ロータコア22の周方向に沿った外側面に固定される。ロータコア22およびロータマグネット23は、シャフト21とともに回転する。
【0015】
ステータ25は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ25は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向してロータ20の径方向外側を囲む。ステータ25は、ステータコア27と、インシュレータ28と、コイル29と、を有する。
インシュレータ28は、絶縁性を有する材料から構成される。インシュレータ28は、ステータコア27の少なくとも一部を覆う。モータ1の駆動時において、コイル29は、ステータコア27を励磁する。コイル29は、コイル線(図示略)が巻き回されて構成される。コイル線は、インシュレータ28を介してステータコア27のティース部に巻き回される。コイル線の端部は、上側に引き出され、ベアリングホルダ30に設けられた貫通孔を通過して回路基板(基板)60に接続される。また、モータ本体2とベアリングホルダ30との間にバスバーが設けられる場合には、コイル線の端部がバスバーに接続され、バスバーが回路基板60に接続される。
【0016】
上側ベアリング7Aは、シャフト21の上端部を回転可能に支持する。上側ベアリング7Aは、ステータ25の上側に位置する。上側ベアリング7Aは、ベアリングホルダ30に支持される。
下側ベアリング7Bは、シャフト21の下端部を回転可能に支持する。下側ベアリング7Bは、ステータ25の下側に位置する。下側ベアリング7Bは、ハウジング50の下側ベアリング保持部53に支持される。
【0017】
本実施形態において、上側ベアリング7Aおよび下側ベアリング7Bは、ボールベアリングである。しかしながら、上側ベアリング7Aおよび下側ベアリング7Bの種類は、特に限定されず、他の種類のベアリングであってもよい。
【0018】
[ハウジング]
図3に示すように、ハウジング50は、モータ本体2を収容する。すなわち、ハウジング50は、ロータ20およびステータ25を収容する。ハウジング50は、上側(+Z側)に開口する筒状である。ハウジング50は、筒状部51と、底部52と、下側ベアリング保持部53と、を有する。なお、ハウジング50は底部52を有していない筒状部材であってもよい。この場合、ハウジング50の下側の開口には、ベアリングを保持するベアリングホルダ30が別途取り付けられる。
【0019】
筒状部51は、ステータ25を径方向外側から囲む。本実施形態において筒状部51は、円筒状である。筒状部51の内周面には、ステータコア27およびベアリングホルダ30が固定される。
【0020】
底部52は、筒状部51の下端に位置する。底部52は、ステータ25の下側に位置する。下側ベアリング保持部53は、底部52の平面視中央に位置する。下側ベアリング保持部53は、下側ベアリング7Bを保持する。下側ベアリング保持部53の平面視中央には、軸方向に貫通する孔部53aが設けられる。孔部53aには、シャフト21の下端部が挿通される。
【0021】
[制御ユニット]
図3に示すように、制御部3は、回路基板60と、筐体部4と、ヒートシンク80と、を有する。また、図2に示すように、制御部3は、コネクタ70を有する。
【0022】
[筐体部]
図3に示すように、筐体部4は、回路基板60およびヒートシンク80を収容する。筐体部4は、ベアリングホルダ30と、蓋部40と、を有する。ベアリングホルダ30は、回路基板60およびヒートシンク80の下側に位置し、回路基板60およびヒートシンク80を下側から覆う。蓋部40は、回路基板60およびヒートシンク80を上側から覆う。
【0023】
[ベアリングホルダ]
ベアリングホルダ30は、ステータ25の上側(+Z側)に位置する。ベアリングホルダ30は、上側ベアリング7Aを支持する。ベアリングホルダ30は、ハウジング50の筒状部51の上側の開口51aに位置し、筒状部51の内周面に固定される。
【0024】
ベアリングホルダ30は、放熱特性が高く十分な剛性を有する金属材料から構成される。一例として、ベアリングホルダ30は、アルミニウム合金から構成される。この場合、ベアリングホルダ30は、ダイカスト等によって概略形状を成形した後に、精度が必要な面を切削加工することで製造される。
【0025】
ベアリングホルダ30は、円板状のホルダ本体部31と、ホルダ本体部31の径方向内側に位置する上側ベアリング保持部32と、ホルダ本体部31の径方向外側に位置するホルダ固定部33と、下側ヒートシンク部34と、を有する。
【0026】
上側ベアリング保持部32は、上側ベアリング7Aを保持する。上側ベアリング保持部32は、ベアリングホルダ30の平面視中央に位置する。
ホルダ固定部33は、ホルダ本体部31の径方向外縁から下側に突出する筒形状である。ホルダ固定部33の外周面は、ハウジング50の筒状部51の内周面と径方向に対向する。ホルダ固定部33は、筒状部51の内周面に嵌合され固定される。
【0027】
下側ヒートシンク部34は、上側ベアリング保持部32の周方向の一部の領域から水平方向(中心軸Jと直交する方向)に沿って延びる。下側ヒートシンク部34は、回路基板60の下側において、回路基板60に沿って延びる。
【0028】
下側ヒートシンク部34は、上側を向く放熱面39を有する。すなわち、ベアリングホルダ30は、放熱面39を有する。放熱面39は、回路基板60に沿って延びる。放熱面39は、回路基板60の基板本体61の下面61cに直接的、又は放熱材などの介在する部材を介して間接的に接触する。下側ヒートシンク部34は、放熱面39において、回路基板60から熱を吸収して、回路基板60を冷却する。
【0029】
後述するように回路基板60は、基板本体61の上面61dに実装される複数の電界効果トランジスタ66および複数のコンデンサ65を有する。電界効果トランジスタ66は、回路基板60において、熱を生じやすい発熱素子である。軸方向から見て、電界効果トランジスタ66およびコンデンサ65の少なくとも一部は、放熱面39と重なる。これにより、電界効果トランジスタ66およびコンデンサ65で生じた熱を、放熱面39において効果的に下側ヒートシンク部34に移動させることができる。結果として、電界効果トランジスタ66の温度が高まりすぎることを抑制し、電界効果トランジスタ66の動作の信頼性を高めることができる。
【0030】
ベアリングホルダ30は、上側を向く上面30aを有する。上面30aは、蓋部40と上下方向に対向する。上面30aには、上面30aの外縁に沿って延びる凹溝部35が設けられる。凹溝部35は、上面30aに対して下側に凹む。凹溝部35は、一様な幅および一様な深さで中心軸Jと直交する平面内を延びて中心軸Jを囲む。凹溝部35は、後段において説明する蓋部40の凸部42が収容される。
【0031】
[回路基板]
回路基板60は、ベアリングホルダ30の上側に位置する。回路基板60は、中心軸Jに直交する方向(すなわち、上下方向に直交する方向)に延びる。回路基板60には、ステータ25のコイル29から延びるコイル線が接続される。回路基板60は、コイル29に電流を流してロータ20の回転を制御する。
【0032】
回路基板60は、基板本体61と、複数のコンデンサ65と、複数の電界効果トランジスタ66と、を有する。なお、基板本体61は、その他に、ロータ20の回転を制御するための電子部品(図示略)を有する。
【0033】
基板本体61は、軸方向(すなわち上下方向)に直交して配置される。本実施形態において、基板本体61は、固定ネジ68によってベアリングホルダ30に固定される。基板本体61は、上側を向く上面61dと、下側を向く下面61cと、を有する。コンデンサ65および電界効果トランジスタ66は、基板本体61の上面61dに実装される。コンデンサ65は、回路基板60の実装部品のうち、最も軸方向(上下方向)の寸法が大きい。すなわち、モータ1は、回路基板60を通してモータ本体2と電気的に接続されZ方向に沿って延びる柱状のコンデンサ65を備える。コンデンサ65は、回路基板60から上側に延びる。つまり、回路基板60から第1方向の他方側に延びる。
電界効果トランジスタ66は、平面視矩形状である。電界効果トランジスタ66は、FET(Field effect transistor)とも呼ばれる。なお、基板本体61の上面61dおよび下面61cの何れか一方又は両方には、コンデンサ65および電界効果トランジスタ66の他に回転センサ、チョークコイル等の電子部品が実装される。なお、コンデンサ65および電界効果トランジスタ66等の電子部品は、モータ本体2と電気的に接続可能であれば回路基板60とは異なる基板(例えば、二枚基板)に実装されてもよい。
【0034】
[ヒートシンク]
ヒートシンク80は、回路基板60の上側に位置する。ヒートシンク80は、回路基板60の一部を上側から覆う。本実施形態のヒートシンク80は、回路基板60に接触して、回路基板60を冷却するヒートシンクとして機能する。ヒートシンク80は、回路基板60と熱的に接触し回路基板60を冷却するものであれば、回路基板60と直接的に接触していても間接的に接触していてもよい。より具体的には、ヒートシンク80は、回路基板60に放熱グリスなどの放熱材を介して接触していてもよい。ヒートシンク80は、放熱特性が高い金属材料(例えば、アルミニウム合金又は銅合金)から構成される。
【0035】
ヒートシンク80は、図示略の固定ネジ68によりベアリングホルダ30の下側ヒートシンク部34に固定されている。ヒートシンク80とベアリングホルダ30とは、固定部分において、直接的に接触する。ヒートシンク80とベアリングホルダ30とが互いに接触して固定されることで、ヒートシンク80とベアリングホルダ30との間で熱の移動が起こる。このため、ヒートシンク80およびベアリングホルダ30のうち何れか一方が高温となった場合、他方側に熱を移動させて、他方側からも放熱することができる。これにより、放熱効率が高まり結果として回路基板60の冷却効果を高めることができる。
【0036】
ヒートシンク80は、発熱素子である電界効果トランジスタ66の直上に位置する。すなわち、ヒートシンク80は、軸方向から見て電界効果トランジスタ66の少なくとも一部と重なる。ヒートシンク80と電界効果トランジスタ66とは、隙間を介して上下方向に対向する。ヒートシンク80と電界効果トランジスタ66との間の隙間には、例えば放熱グリス等の放熱材が配置される。これにより、電界効果トランジスタ66で生じた熱をヒートシンク80に効率的に移動させる。なお、ヒートシンク80は、下側ヒートシンク部34と同一の部材であることが好ましい。ヒートシンク80と下側ヒートシンク部34が同一の部材で構成されることによって、電界効果トランジスタ66で生じた熱の移動が円滑になって放熱効果が高まると共に、ヒートシンク80を下側ヒートシンク部34に固定する固定ネジ68が不要になり、モータ1の小型化を図ることができる。
【0037】
ヒートシンク80には、上下方向に貫通するコンデンサ収容孔81が設けられている。図3に示すように、コンデンサ収容孔81の内側には、発熱素子であるコンデンサ65が収容される。コンデンサ収容孔81の内周面は、コンデンサ65の側面と対向する。すなわち、コンデンサ収容孔81の内周面は、コンデンサ65の側面を囲む。後段で説明する蓋部40がヒートシンク80およびコンデンサ65の上方から覆う。
【0038】
コンデンサ65の側面65aは、放熱材90と接触する第1領域121を有する。コンデンサ65は、回路基板60において、電界効果トランジスタ66や他の電子部品に比べて大きな熱を生じやすい発熱素子である。特に、柱状のコンデンサ65における長手方向(図4のZ方向)の中央部120(以下、単に「中央部120」という)からは周囲に比べて大きな熱が生じる。第1領域121は、コンデンサ65の側面65aの一部であり、コンデンサ65の側面65aのZ方向において中央部120を含む領域である。従来は、コンデンサ65の発熱箇所に注目した放熱はされていなかった。本発明では、コンデンサ65の側面65aが、前述のように他の部分より発熱量の多い中央部120を少なくとも含む第1領域121で放熱材90と接触する。さらに、コンデンサ65の側面65aのうち、第1領域121以外の領域は、放熱材90と接触しない。このことにより、コンデンサ65からの熱を効率的に放熱しつつ、ヒートシンク80の体積や放熱材90の使用量を抑え、モータ1の低コスト化を図ることができる。
【0039】
コンデンサ65の側面65aは、中央部120より下側(第1方向の一方側)の端部65sまでの第2領域122を有する。すなわち、ヒートシンク80のコンデンサ収容孔81の内周面は、第2領域122と対向する。コンデンサ65の側面65aの第2領域122にヒートシンク80が対向するので、放熱材90が放熱材収容凹部130から漏れ出たとしても第2領域122にとどまりやすく、放熱材の配置を安定させることができる。コンデンサ65の側面65aは、中央部120より上側(第1方向の他方側)の端部65tまでの第3領域123をさらに有する。
【0040】
コンデンサ収容孔81の内周面の上側には、X方向に凹む放熱材収容凹部130が設けられる。すなわち、モータ本体2は、Z方向におけるヒートシンク80と蓋部40との境界に、コンデンサ65の側面65aに直交するX方向に凹む放熱材収容凹部130を有する。また、コンデンサ65の中央部120と放熱材収容凹部130が対向する。
【0041】
[蓋部]
図2に示す様に、蓋部40は、ベアリングホルダ30、回路基板60およびヒートシンク80の上側に位置する。蓋部40は、回路基板60の上側を覆い回路基板60を保護する。
【0042】
図1に示すように、蓋部40は、軸方向と直交する方向に沿って延びる平板部45と、平板部45の外縁に位置し平板部45に対して下側に突出する外縁部46と、平板部45から上側に延びるコネクタホルダ部47と、を有する。
【0043】
コネクタホルダ部47は、平板部45から上側に延びる筒状である。コネクタホルダ部47の内部には、コネクタ70の外部接続端子73が配置される。外部接続端子73は、回路基板60に電力を供給する外部機器(図示略)に接続される。
【0044】
図3に示すように、平板部45は、軸方向(上下方向)と直交する方向に延びる。すなわち、平板部45は、回路基板60に沿って延びる。
【0045】
外縁部46は、平板部45の外縁から下側に突出する。外縁部46は、軸方向から見て平板部45を一周に亘って囲む。外縁部46の下端部には、凸部42と内側下端面46aと外側下端面46bとが設けられる。
【0046】
凸部42は、下側に突出する。凸部42は、一様な幅および一様な高さで中心軸Jと直交する平面内を延びる。凸部42は、外縁部46の全体に亘って延びる。したがって、凸部42は、軸方向から見て、平板部45を一周に亘って囲む。
【0047】
凸部42は、ベアリングホルダ30に設けられた凹溝部35に収容される。凹溝部35の内壁面と、凸部42との間には、隙間が設けられる。凹溝部35には、接着剤Bが充填される。
【0048】
本実施形態によれば、接着剤Bが充填された凹溝部35に凸部42が収容されている。このため、蓋部40とベアリングホルダ30との間からモータ1の内部に水およびコンタミが侵入することを抑制できる。
【0049】
本実施形態において、凹溝部35に充填される接着剤Bとして湿気硬化型の接着剤を用いることが好ましい。湿気硬化型の接着剤は、空気中の水分により硬化する。接着剤Bとして湿気硬化型の接着剤を用いることで、水分による接着剤の劣化を抑制することができ、モータ1の防水の信頼性を高めることができる。
【0050】
外側下端面46bは、下側を向く面である。外側下端面46bは、平面視において凸部42で囲まれた領域の内側に位置する。外側下端面46bは、ベアリングホルダ30の上面30aに接触する。外側下端面46bがベアリングホルダ30の上面30aに接触することで、ベアリングホルダ30に対し蓋部40を軸方向(上下方向)に位置決めできる。
【0051】
内側下端面46aは、下側を向く面である。内側下端面46aは、平面視において凸部42で囲まれた領域の内側に位置する。内側下端面46aは、ベアリングホルダ30の上面30aと軸方向に離間している。これにより、凹溝部35に充填された接着剤Bを空気に触れさせて接着剤Bの硬化を促進できる。また、凹溝部35に凸部42を収容させる工程において、凹溝部35から溢れ出た接着剤Bを、内側下端面46aとベアリングホルダ30の上面30aとの間の隙間に溜めることができる。したがって、接着剤Bの充填量がばらついた場合に、過剰な接着剤Bを内側下端面46aとベアリングホルダ30の上面30aとの間の隙間に逃がすことができる。
【0052】
図4に拡大して示すように、ヒートシンク80に対向する位置の内側下端面46aには、コンデンサ対向凹部49が設けられている。すなわち、蓋部40は、コンデンサ対向凹部49を備える。コンデンサ対向凹部49の内壁面は、コンデンサ65の側面65aの第3領域123、及びコンデンサ65の天面65bと対向する。すなわち、モータ本体2は、コンデンサ65の側面65aの第3領域123と対向する蓋部40を備える。コンデンサ65の側面65aの第3領域123に蓋部40が対向し、前段で説明したようにコンデンサ65の側面65aの第2領域122にヒートシンク80が対向することによって、コンデンサ65を閉じ込めて放熱材90の漏れを抑制できる。
【0053】
図4に拡大図で示すように、コンデンサ収容孔81の内周面とコンデンサ65の側面65aとの間には、放熱グリス等の放熱材90が収容される。放熱材90を配置することにより、コンデンサ65の側面からヒートシンク80に向けて効率的に熱を移動させることができる。また、コンデンサ65において発生する熱をヒートシンク80に移動させて、コンデンサ65を冷却できる。すなわち、モータ本体2は、コンデンサ65の側面65aと対向するヒートシンク80と、コンデンサ65の側面65aの一部およびヒートシンク80と接触する放熱材90と、を有する。
【0054】
本実施形態では、コンデンサ65側のヒートシンク80の上側を向く面80bに、下側に凹む第5凹所135が設けられる。第5凹所135と蓋部40の内側下端面(第1方向の一方側に向く面)46aによって、放熱材収容凹部130が構成される。放熱材90の一部は放熱材収容凹部130の内部に配置される。放熱材90が収容凹部130内に配置されるので、放熱材90の配置を安定させることができる。がモータ本体部に入り込むことを抑制することができる。
【0055】
本実施形態では、放熱材90は少なくとも発熱量が大きい中央部120に接触するため、コンデンサ65からの熱を効率的に逃がしつつ、コンデンサ65の側面65aおよび天面65bの全体に接触させる場合よりも放熱材90の使用量を減らすことができる。また、ヒートシンク80をコンデンサ65の側面65aの第1領域121のみに対向させるので、放熱材90を介して伝わるコンデンサ65からの熱を効率的に逃がしつつ、コンデンサ65の側面65aおよび天面65bの全体に接触させる場合よりも放熱材90の使用量を減らすことができる。
【0056】
[ヒートシンクおよび蓋部の変形例]
コンデンサ65に対向するヒートシンク80および蓋部40の構成について、前段の実施形態の変形例を説明する。
【0057】
<第1変形例>
図5に示すように、放熱材収容凹部130は、ヒートシンク80と蓋部40との境界で、蓋部40側に凹んでもよい。すなわち、第1変形例では、コンデンサ65側の蓋部40の内側下端面46aに、上側に凹む第6凹所136が設けられる。第6凹所136とヒートシンク80の上側に向く面80bによって、放熱材収容凹部130が設けられる。前段の実施形態と同様に、放熱材90の一部は放熱材収容凹部130の内部に配置される。放熱材90が放熱材収容凹部130内に配置されるので、放熱材90の配置を安定させることができる。
【0058】
<第2変形例>
図6に示すように、ヒートシンク80は、上側(第1方向の他方側)を向く面80bに、下側(第1方向の一方側)に凹む第1凹所131を有してもよい。第1凹所131は、放熱材収容凹部130の少なくとも一部を構成し、第2変形例では放熱材収容凹部130の下側かつX方向に平行な部分を構成する。
【0059】
図6に示すように、蓋部40は、内側下端面(第1方向の一方側に向く面)46aに、コンデンサ65の下側(第1方向の一方側)へ突出する第1突起部141を有する。第1突起部141は、ヒートシンク80の第1凹所131に嵌めこまれる。第1突起部141が第1凹所131に嵌入されることによって、第1突起部141のコンデンサ65側かつヒートシンク80と蓋部40との間に、放熱材収容凹部130が構成される。すなわち、放熱材90が第1凹所131と第1突起部141に囲まれて配置される。第1凹所131と第1突起部141に囲まれて放熱材90が配置されることで、ラビリンス構造により、放熱材90がモータ本体部に入り込むことを抑制することができる。
【0060】
<第3変形例>
図7に示すように、ヒートシンク80は第1凹所131を有し、第3変形例では第1凹所131が放熱材収容凹部130の下側かつX方向に平行な部分と、コンデンサ65に対向する側かつZ方向に平行な部分とを構成する。蓋部40は、内側下端面46aに第1突起部141を有する。第3変形例では第1突起部141が放熱材収容凹部130の上側かつX方向に平行な部分を構成する。すなわち、第3変形例では、放熱材収容凹部130がX方向において第1突起部141とコンデンサ65との間に設けられる。第3変形例では、放熱材収容凹部130がZ方向において第1突起部141とヒートシンク80との間に設けられる。第3変形例においても、放熱材90が第1凹所131と第1突起部141に囲まれて配置されることで、ラビリンス構造により、放熱材90がモータ本体部に入り込むことを抑制することができる。
【0061】
<第4変形例>
図8に示すように、蓋部40は、内側下端面(第1方向の一方側に向く面)46aに、上側(第1方向の他方側)に凹む第2凹所132を有してもよい。第2凹所132は、放熱材収容凹部130の少なくとも一部を構成し、第4変形例では放熱材収容凹部130の上側かつX方向に平行な部分を構成する。
【0062】
図8に示すように、ヒートシンク80は、上側(第1方向の他方側)を向く面80bに、上側(第1方向の他方側)へ突出する第2突起部142を有してもよい。第2突起部142は、第2凹所132に嵌められる。第2突起部142が第2凹所132に嵌入されることによって、第2突起部142のコンデンサ65側かつヒートシンク80と蓋部40との間に、放熱材収容凹部130ができる。すなわち、放熱材90が第2凹所132と第2突起部142に囲まれて配置される。回路基板60と第2凹所132と第2突起部142に囲まれて放熱材90が配置されることで、ラビリンス構造により、放熱材90がモータ本体部に入り込むことを抑制することができる。
【0063】
<第5変形例>
図9に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65のZ方向の下側(すなわち、回路基板60側)の端部65sからZ方向の上側の端部65tまで延びてもよい。コンデンサ65の端部65sから端部65tまでをヒートシンク80で囲むので、コンデンサ65を所定の位置(ヒートシンク80のコンデンサ収容孔81内)に安定させることができる。
【0064】
放熱材90は、コンデンサ65の側面65aのうち、中央部120よりZ方向の下側の端部65s又は上側の端部65tに至る領域の少なくとも一部に対向する。放熱材90は、コンデンサ65の側面65aの中央部12に対向する。第5変形例では、図9に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65の中央部120に対向する側面80cに、コンデンサ65の側面65aに直交するXY方向(第2方向)に向かって凹む放熱材収容凹部130を有する。放熱材90は、放熱材収容凹部130内に配置され、中央部120に対向する。放熱材90が放熱材収容凹部130内に配置されることによって、放熱材90を所定の位置に保持し易く、放熱材90の配置を安定させることができる。
【0065】
蓋部40は、コンデンサ65のZ方向の上側(第1方向の他方側)に配置され、コンデンサ65の天面(第1方向の他方側の端面)65bおよびヒートシンク80のZ方向の上側を向く面80bと対向する。すなわち、モータ本体2は、コンデンサ65の天面65bとヒートシンク80の面80bの両方と対向する蓋部40を備える。第5変形例では、コンデンサ65の上側(第一方向の他方側)に蓋部40が配置されるので、コンデンサ65をコンデンサ収容孔81内に閉じ込めると共に、放熱材90の漏れを抑制できる。
【0066】
<第6変形例>
図10に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65の側面65aの中央部120に対向する側面80cに、XY方向(第2方向)に凹む第3凹所133を有してもよい。第3凹所133は、コンデンサ65の中央部120よりZ方向の下側(第1方向の一方側)まで延びる。放熱材90は、第3凹所133に配置される。放熱材90が第3凹所133に配置されることによって、放熱材90の配置を安定させることができる。
【0067】
<第7変形例>
図11に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65の側面65aの中央部120に対向する側面80cに、XY方向(第2方向)に凹む第4凹所134を有してもよい。第4凹所134は、コンデンサ65の中央部120よりZ方向の上側(第1方向の他方側)まで延びる。放熱材90は、第4凹所134に配置される。放熱材90が第4凹所134に配置されることによって、放熱材の配置を安定させることができる。
【0068】
<第8変形例>
第8変形例及び後段で説明する第9変形例、第10変形例では、ヒートシンク80は回路基板60よりも下側に配置される。例えば、モータ本体2を収容するハウジング50がヒートシンク80の機能を有してもよい。また、ハウジング50の開口51aに取り付けられるベアリングホルダ30がヒートシンクの機能を有していてもよい。つまり、図2のXI領域の下側において、ハウジング50にコンデンサ収容凹部150が設けられている構造である。
第8変形例では、図12に示すように、コンデンサ65は、回路基板60からZ方向における下側(第1方向の他方側)に延びる。ヒートシンク80は、Z方向における上側(第1方向の一方側)に開口するコンデンサ収容凹部150を備えてもよい。第8変形例では、コンデンサ65は、コンデンサ収容凹部150内に配置される。放熱材90は、コンデンサ収容凹部150の内壁面と、コンデンサ65の側面65aのうち中央部120より上側の端部65s又は下側の端部65tに至る領域の少なくとも一部に対向する。放熱材90は、コンデンサ65の側面65aの中央部12に対向する。第8変形例では、ヒートシンク80は、コンデンサ65の中央部120に対向するコンデンサ収容凹部150の側面150cに、コンデンサ65の側面65aに直交するXY方向(第2方向)に向かって凹む放熱材収容凹部130を有する。放熱材90は、放熱材収容凹部130内に配置され、中央部120に対向する。放熱材90が放熱材収容凹部130内に配置されることによって、放熱材90を所定の位置に保持し易く、放熱材90の配置を安定させることができる。
【0069】
<第9変形例>
図13に示すように、第8変形例と同様に、ヒートシンク80はコンデンサ収容凹部150を備える。コンデンサ65はコンデンサ収容凹部150内に配置される。第9変形例では、ヒートシンク80は、コンデンサ65の側面65aの中央部120に対向するコンデンサ収容凹部150の側面150cに、XY方向(第2方向)に凹む第3凹所133を有してもよい。第3凹所133は、コンデンサ65の中央部120よりZ方向の上側(第1方向の一方側)まで延びる。放熱材90は、第3凹所133に配置される。放熱材90が第3凹所133に配置されることによって、放熱材90が第8変形例の構成に比べて第3凹所133に多く配置されるので、放熱効率を高め、かつ放熱材90の漏れを良好に防止できる。
【0070】
<第10変形例>
図14に示すように、第8変形例と同様に、ヒートシンク80はコンデンサ収容凹部150を備える。コンデンサ65はコンデンサ収容凹部150内に配置される。第10変形例では、ヒートシンク80は、コンデンサ65の側面65aの中央部120に対向するコンデンサ収容凹部150の側面150cに、XY方向(第2方向)に凹む第4凹所134を有する。第4凹所134は、コンデンサ65の中央部120よりZ方向の下側(第1方向の他方側)まで延びる。放熱材90は、第4凹所134に配置される。放熱材90が第4凹所134に配置されることによって、放熱材90が第8変形例の構成に比べて第4凹所134に多く配置されるので、放熱効率を高め、かつ放熱材90の漏れを良好に防止できる。
【0071】
<第11変形例>
図15に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65のZ方向の下側の端部65sから上側の端部65tまで延び、コンデンサ収容孔81を備える。コンデンサ65はコンデンサ収容孔81内に配置される。モータ本体2は、コンデンサ65の天面65bとヒートシンク80の面80bの両方と対向する蓋部40を備える。第11変形例では、モータ1は、中央部120より上側(第1方向の他方側)においてコンデンサ65とヒートシンク80との間を封止する封止部材94を有する。放熱材90は、コンデンサ65と、ヒートシンク80と、回路基板60と、封止部材94に接触する。放熱材90がコンデンサ65と、ヒートシンク80と、回路基板60と、封止部材94に囲まれた空間内に配置されるので、放熱効率を高めることができる。また、コンデンサ65の上側(第1方向の他方側)から電解液等が漏れ出た際に、封止部材94によって電界物等と放熱材90とを隔離できる。
【0072】
<第12変形例>
図16に示すように、ヒートシンク80はコンデンサ収容凹部150を備える。コンデンサ65はコンデンサ収容凹部150内に配置される。第12変形例では、モータ本体2は、蓋部40を備えない。第12変形例では、モータ1は、コンデンサの中央部120より上側(第1方向の他方側)においてコンデンサ65とヒートシンク80との間を封止する封止部材94を有する。放熱材90は、コンデンサ65と、ヒートシンク80と、回路基板60と、封止部材94に接触する。放熱材90がコンデンサ65と、ヒートシンク80と、回路基板60と、封止部材94に囲まれた空間内に配置されるので、第11変形例と同様に、放熱効率を高めることができる。また、コンデンサ65の上側(第1方向の他方側)から電解液等が漏れ出た際に、封止部材94によって電界物等と放熱材90とを隔離できる。
【0073】
<第13変形例>
図17に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65のZ方向の下側の端部65sから上側の端部65tまで延び、コンデンサ収容孔81を有する。コンデンサ65は、コンデンサ収容孔81内に配置される。モータ本体2は、コンデンサ65の天面65bと天面65bとヒートシンク80の面80bの両方と対向する蓋部40を備える。第13変形例では、コンデンサの中央部120より下側(第1方向の一方側)においてコンデンサ65とヒートシンク80との間を封止する封止部材94を有する。放熱材90は、コンデンサ65と、ヒートシンク80と、蓋部40と、前記封止部材94と、に接触する。放熱材がコンデンサ65と、ヒートシンク80と、蓋部40と、封止部材94に囲まれた空間内に配置されるので、放熱効果を高め、かつ放熱材90の漏れを良好に防止できる。
【0074】
<第14変形例>
図18に示すように、ヒートシンク80はコンデンサ収容凹部150を備える。コンデンサ65はコンデンサ収容凹部150内に配置される。第14変形例では、モータ1は、中央部120より下側においてコンデンサ65とヒートシンク80との間を封止する封止部材94を有する。放熱材90は、コンデンサ65と、ヒートシンク80と、封止部材94と、に接触する。放熱材90がコンデンサ65と、ヒートシンク80と、封止部材94に囲まれた空間内に配置されることで放熱効率を高め、かつ放熱材90の漏れを良好に防止できる。
【0075】
<第15変形例>
図19に示すように、ヒートシンク80は、コンデンサ65のZ方向の下側の端部65sから上側の端部65tまで延び、コンデンサ収容孔81を有する。コンデンサ65は、コンデンサ収容孔81内に配置される。モータ本体2は、コンデンサ65の天面65bとヒートシンク80の面80bの両方と対向する蓋部40を備える。蓋部40は、Z方向の下側に向く内側下端面(面)46aに、Z方向の下側(第1方向の一方側)に向かって突出し、コンデンサ65の側面65aと対向する第3突起部143を有する。第3突起部143は、コンデンサ65とヒートシンク80との間に配置される。放熱材90は、コンデンサ65と、ヒートシンク80と、第3突起部143と、回路基板60に接触する。放熱材90がコンデンサ65と、ヒートシンク80と、第3突起部143と、回路基板60に囲まれた空間内に配置されることで、放熱効率を高め、かつ第3突起部143によって放熱材90の漏れを良好に防止できる。
【0076】
[コネクタ]
コネクタ70は、回路基板60を外部機器に接続するために設けられる。図2に示すように、コネクタ70は、一対の導電性のコネクタ本体70Aと、絶縁性の支持部71と、を有する。一対のコネクタ本体70Aは、軸方向と直交する一方向(水平面内の一方向、本実施形態ではX軸方向)に沿って並ぶ。
【0077】
支持部71は、回路基板60の下側に位置する。支持部71は、コネクタ本体70Aを支持する。また、支持部71は、筐体部4の一部であるベアリングホルダ30に固定される。すなわち、支持部71は、筐体部4に固定される。
【0078】
支持部71は、絶縁性である。なお、支持部71が絶縁性であるとは、支持部71が、コネクタ本体70Aとベアリングホルダ30とを絶縁していることを意味する。したがって、支持部71は、コネクタ本体70Aとベアリングホルダ30との間に介在する絶縁性の部材を有していればよい。本実施形態では、絶縁性の部材として樹脂材料が用いられる。
【0079】
支持部71は、支持部本体71aと、一対の固定部71bと、を有する。
支持部本体71aには、コネクタ本体70Aの一部がインサート成型によって埋め込まれている。したがって、支持部71は、支持部本体71aにおいてコネクタ本体70Aを支持する。支持部本体71aは、一対のコネクタ本体70Aが並ぶ方向(X軸方向)を長手方向とする矩形状である。
【0080】
一対の固定部71bは、支持部本体71aの長手方向の両端に位置する。一対の固定部71bは、それぞれ、支持部本体71aの長手方向両側に傍出する。
【0081】
本実施形態において、筐体部4は、回路基板60の上側を覆う蓋部40と、回路基板60の下側に位置する基底部としてのベアリングホルダ30と、を有する。しかしながら、回路基板60の下側に位置する基底部は、ハウジング50の一部であってもよい。すなわち、基底部は、ハウジング50およびベアリングホルダ30の少なくとも一方であってもよい。
【0082】
以上に、本発明の実施形態および変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0083】
また、上述の実施形態において、回路基板60は、モータ本体2に対して軸方向一方側に位置する。また、回路基板60は、中心軸Jに対して直交する方向に沿って延びる。しかしながら、モータ本体2に対する回路基板60の位置は、これに限定されない。一例として、回路基板が、モータ本体の側面において中心軸Jに沿って配置されていてもよい。なお、本実施形態において、コンデンサ収容孔81とコンデンサ収容凹部150のZ方向(第一方向)の長さは、コンデンサ65のZ方向の長さと略同一である。しかし、コンデンサ収容孔81とコンデンサ収容凹部150のZ方向の長さは、コンデンサ65のZ方向の長さよりも長くてもよい。このとき、放熱材収容凹部130は、コンデンサ65の中央部120と対向するため、コンデンサ収容孔81に対して下側に位置する。
【符号の説明】
【0084】
1…モータ、2…モータ本体、3…制御ユニット、4…筐体部、7A…上側ベアリング、8…外部機器、9…シールド部、20…ロータ、25…ステータ、30…ベアリングホルダ、38…収容凹部、39…放熱面、40…蓋部、50…ハウジング、52…底部、60…回路基板(基板)、65…コンデンサ、70…コネクタ、71…支持部、72…基板接続端子、73…外部接続端子、74…連結部、74a…被支持部、74b…露出部、80…ヒートシンク、90…放熱材、94…封止部材、120…中央部、121…第1領域、122…第2領域、123…第3領域、130…放熱材収容凹部、131…第1凹所、132…第2凹所、133…第3凹所、134…第4凹所、141…第1突起部、142…第2突起部、143…第3突起部
図1
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