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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】コネクタ端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20220113BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20220113BHJP
【FI】
H01R13/11 C
H01R12/72
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017234966
(22)【出願日】2017-12-07
(65)【公開番号】P2019102375
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松居 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】伊東 靖明
(72)【発明者】
【氏名】井上 浩一
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-98001(JP,A)
【文献】国際公開第2017/069076(WO,A1)
【文献】特開2002-170618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタに挿入して使用され、かつ端子金具を備えるコネクタ端子であって、
前記端子金具の一端に設けられる先端部と、
前記端子金具の他端に設けられ、電線が接続される電線接続部と、
前記先端部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に露出する端子接点を備える接点部と、
前記接点部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に突出する突出片を備える突出部と、
を有し、
前記端子接点は、前記先端部と前記突出片とに接する仮想平面よりも内側に位置
前記先端部の高さ寸法は、前記接点部の高さ寸法よりも低い、
コネクタ端子。
【請求項2】
コネクタに挿入して使用され、かつ端子金具を備えるコネクタ端子であって、
前記端子金具の一端に設けられる先端部と、
前記端子金具の他端に設けられ、電線が接続される電線接続部と、
前記先端部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に露出する端子接点を備える接点部と、
前記接点部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に突出する突出片を備える突出部と、
を有し、
前記端子接点は、前記先端部と前記突出片とに接する仮想平面よりも内側に位置
前記コネクタに挿入される際に、前記突出片は、前記コネクタに接触して折り曲げられ、前記端子金具の外側に突出する突出位置から内側に格納される格納位置に移動する、
コネクタ端子。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタ端子において、
前記コネクタに挿入される際に、前記突出片は、前記コネクタに接触して折り曲げられ、前記端子金具の外側に突出する突出位置から内側に格納される格納位置に移動する、
コネクタ端子。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のコネクタ端子において、
前記突出部は、前記突出片を支持する支持部を備え、
前記接点部の高さ寸法は、前記支持部の高さ寸法よりも低い、
コネクタ端子。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のコネクタ端子において、
前記コネクタは、基板が挿入されるカードエッジコネクタである、
コネクタ端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに挿入して使用されるコネクタ端子に関する。
【背景技術】
【0002】
カードエッジコネクタ等のコネクタには、端子金具によって構成されるコネクタ端子が挿入されている(特許文献1参照)。このようなコネクタ端子には、回路基板等に接触する端子接点として、端子金具の外側に露出する端子接点が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-203716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、組付作業等においてコネクタ端子を取り扱う際には、端子接点が外側に露出することから、端子接点に変形や損傷を生じさせてしまう虞がある。このように端子接点に変形等を生じさせてしまうことは、コネクタの接続不良を招く要因であることから、コネクタ端子の端子接点を保護することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、コネクタ端子の端子接点を保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタ端子は、コネクタに挿入して使用され、かつ端子金具を備えるコネクタ端子であって、前記端子金具の一端に設けられる先端部と、前記端子金具の他端に設けられ、電線が接続される電線接続部と、前記先端部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に露出する端子接点を備える接点部と、前記接点部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に突出する突出片を備える突出部と、を有し、前記端子接点は、前記先端部と前記突出片とに接する仮想平面よりも内側に位置前記先端部の高さ寸法は、前記接点部の高さ寸法よりも低い。
本発明のコネクタ端子は、コネクタに挿入して使用され、かつ端子金具を備えるコネクタ端子であって、前記端子金具の一端に設けられる先端部と、前記端子金具の他端に設けられ、電線が接続される電線接続部と、前記先端部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に露出する端子接点を備える接点部と、前記接点部と前記電線接続部との間に位置して前記端子金具に設けられ、前記端子金具の外側に突出する突出片を備える突出部と、を有し、前記端子接点は、前記先端部と前記突出片とに接する仮想平面よりも内側に位置し、前記コネクタに挿入される際に、前記突出片は、前記コネクタに接触して折り曲げられ、前記端子金具の外側に突出する突出位置から内側に格納される格納位置に移動する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端子接点は先端部と突出片とに接する仮想平面よりも内側に位置する。これにより、コネクタ端子の端子接点を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)および(b)は、本発明の一実施の形態であるコネクタ端子が使用されるコネクタと、これに接続されるコントローラと、を示す斜視図である。
図2図1(a)のA-A線に沿ってコネクタの内部構造を示す断面図である。
図3図1(b)のB-B線に沿ってコネクタの内部構造を示す断面図である。
図4】コネクタ端子の一例を示す斜視図である。
図5】コネクタ端子の一例を示す側面図である。
図6】仮想平面と共にコネクタ端子を示す側面図である。
図7】作業台に置かれたコネクタ端子を示す説明図である。
図8】コネクタ端子の出荷状態の一例を示す斜視図である。
図9】(a)および(b)は、インナーハウジングに対するコネクタ端子の挿入過程を示す説明図である。
図10】(a)および(b)は、インナーハウジングに対するコネクタ端子の挿入過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[コネクタ構造]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)および(b)は、本発明の一実施の形態であるコネクタ端子が使用されるコネクタ10と、これに接続されるコントローラ11と、を示す斜視図である。図1(a)には、コネクタ10とコントローラ11との分離状態が示されており、図1(b)には、コネクタ10とコントローラ11との接続状態が示されている。
【0010】
図1(a)および(b)に示すように、図示するコネクタ10は所謂カードエッジコネクタであり、このコネクタ10には回路基板(基板)12を備えたコントローラ11等が挿入される。コネクタ10には複数本の電線13が接続されており、これらの電線13は図示しない他のコントローラやセンサ等に接続される。なお、図示するコントローラ11は、電子部品が実装される回路基板12を樹脂で封止したコントローラであり、トランスファモールドコントロールユニットと呼ばれている。
【0011】
コントローラ11の回路基板12は、その一部がモールド樹脂部14から外部に露出する構造を有している。また、モールド樹脂部14から露出する回路基板12の両面には、後述するコネクタ端子28,29に接触する基板接点15が形成されている。図1(a)に矢印αで示すように、コネクタ10の開口部16にコントローラ11を挿入することにより、回路基板12と電線13とを電気的に接続することができ、コントローラ11を他のコントローラやセンサ等に接続することができる。
【0012】
図2図1(a)のA-A線に沿ってコネクタ10の内部構造を示す断面図であり、図3図1(b)のB-B線に沿ってコネクタ10の内部構造を示す断面図である。以下の説明では、図2に示すように、コネクタ10の前後方向および上下方向を便宜的に規定し、この前後方向および上下方向を用いてコネクタ10の構造を説明する。
【0013】
図2および図3に示すように、コネクタ10のアウターハウジング20には、フロントシールホルダ21が前後に移動自在に収容されている。フロントシールホルダ21の内側には環状の内側シール22が設けられており、この内側シール22によってフロントシールホルダ21とコントローラ11との隙間が密閉される。また、フロントシールホルダ21の外側には環状の外側シール23が設けられており、この外側シール23によってアウターハウジング20とフロントシールホルダ21との隙間が密閉される。
【0014】
アウターハウジング20の後部には、端子組立体24を保持する端子保持部25が設けられている。端子組立体24は、インナーハウジング26とこれに対向するインナーハウジング27とを備えている。上側のインナーハウジング26には、複数のコネクタ端子28が組み付けられており、下側のインナーハウジング27には、複数のコネクタ端子29が組み付けられている。なお、コネクタ端子28,29に接続される電線13は、端子保持部25に組み付けられたリアシール30の貫通孔31を経て外部に案内される。また、端子保持部25には、リアシール30を保持するリアシールホルダ32が取り付けられている。
【0015】
アウターハウジング20に収容されるフロントシールホルダ21は、上側のインナーハウジング26の外側傾斜面40に対向する内側傾斜面41と、下側のインナーハウジング27の外側傾斜面42に対向する内側傾斜面43と、を備えている。このように、フロントシールホルダ21やインナーハウジング26,27に対して傾斜面40~43が形成されるため、フロントシールホルダ21が後方に押し込まれた場合には、フロントシールホルダ21からインナーハウジング26,27に推力が向きを変えて伝達される。すなわち、フロントシールホルダ21が押し込まれると、インナーハウジング26,27は互いに接近することから、上下に対向するコネクタ端子28,29の間隔が徐々に狭められる。これにより、コネクタ10にコントローラ11を挿入する際には、回路基板12とコネクタ端子28,29とが過度に擦れることはなく、回路基板12とコネクタ端子28,29とを良好に接続することができる。
【0016】
なお、図示する例では、コントローラ11を挿入する際に、上下に配置されるコネクタ端子28,29の間隔を徐々に狭める観点から、インナーハウジング26,27を別個に形成し、フロントシールホルダ21やインナーハウジング26,27に傾斜面40~43を形成しているが、これに限られることはない。例えば、2つのインナーハウジング26,27を一体に設けても良く、フロントシールホルダ21やインナーハウジング26,27から傾斜面40~43を削減しても良い。
【0017】
[コネクタ端子構造]
続いて、コネクタ10に挿入して使用されるコネクタ端子28,29について説明する。図4はコネクタ端子28,29の一例を示す斜視図であり、図5はコネクタ端子28,29の一例を示す側面図である。以下の説明では、図4および図5に示すように、コネクタ端子28,29の前後方向および上下方向を便宜的に規定し、この前後方向および上下方向を用いてコネクタ端子28,29の構造を説明する。なお、コネクタ端子28とコネクタ端子29とは同一の構造を有している。
【0018】
図4および図5に示すように、コネクタ端子28,29は、板金加工された端子金具50によって構成されている。端子金具50は、略長方形状の底板51と、底板51の幅方向両端から上方に折り曲げられる一対の側板52,53と、一方の側板52から水平に折り曲げられる先端天板54と、一方の側板52から水平に折り曲げられる支持天板55と、を有している。また、先端天板54には後方に延びる接点板56が連なっており、この接点板56には上方に突出する端子接点57が設けられている。つまり、コネクタ端子28,29の端子金具50には、端子金具50の外側に露出する端子接点57が設けられている。また、支持天板55には上方かつ後方に延びる突出片58が連なっており、突出片58の先端は緩やかに曲げられている。さらに、底板51および側板52,53には、後方に延びる電線接続部59が連なっている。電線接続部59には4つの拘束片60が設けられており、4つの拘束片60によって電線接続部59には電線13が拘束されている。
【0019】
このような構造を有する端子金具50は、長手方向の一端に設けられる先端部61と、長手方向の他端に設けられる電線接続部59と、先端部61と電線接続部59との間に設けられる接点部62と、接点部62と電線接続部59との間に設けられる突出部63と、によって構成される。すなわち、端子金具50の先端部61は、底板51の一部、側板52,53の一部および先端天板54によって構成される。この先端部61の高さ寸法、つまり底板51から先端天板54までの距離は「Ha」である。また、端子金具50の接点部62は、底板51の一部、側板52,53の一部および接点板56によって構成される。この接点部62の高さ寸法、つまり底板51から接点板56の端子接点57までの距離は「Hb」である。
【0020】
また、端子金具50の突出部63は、底板51の一部、側板52,53の一部、支持天板55および突出片58によって構成される。換言すれば、端子金具50の突出部63は、底板51の一部、側板52,53の一部および支持天板55からなる支持部64と、この支持部64に支持される突出片58と、によって構成される。このように、突出部63の一部を構成する支持部64の高さ寸法、つまり底板51から支持天板55までの距離は「Hc」である。図5に示すように、先端部61の高さ寸法「Ha」は、接点部62の高さ寸法「Hb」よりも低く設計されている。また、接点部62の高さ寸法「Hb」は、支持部64の高さ寸法「Hc」よりも低く設計されている。
【0021】
[端子接点保護]
図6は仮想平面Xと共にコネクタ端子28,29を示す側面図である。また、図7は作業台100に置かれたコネクタ端子28,29を示す説明図である。図6に示すように、コネクタ端子28,29の端子接点57は、先端部61と突出片58とに接する仮想平面Xよりも内側に位置している。つまり、端子接点57は、仮想平面Xよりも端子金具50の内側、つまり仮想平面Xよりも底板51側に位置している。このように、仮想平面Xよりも内側に端子接点57を配置することにより、コネクタ端子28,29の組付作業等において、端子接点57を保護することができる。すなわち、図7に示すように、端子接点57を下に向けた状態でコネクタ端子28,29が作業台100等に置かれた場合であっても、突出片58によってコネクタ端子28,29の一端を浮かせることができるため、端子接点57と作業台100との接触を回避することができ、外側に露出する端子接点57を変形や損傷から保護することができる。このように、コネクタ端子28,29の端子接点57を保護することにより、端子接点57を正常に機能させることができるため、コネクタ10に対してコントローラ11等を接続する際には、コネクタ端子28,29の端子接点57と回路基板12の基板接点15とを良好に接続することができる。
【0022】
また、コネクタ端子28,29の組付作業において、端子接点57を保護するだけでなく、例えば、製造されたコネクタ端子28,29の運搬時や保管時などにおいても、端子接点57を保護することが可能である。ここで、図8はコネクタ端子28,29の出荷状態の一例を示す斜視図である。図8に示すように、製造されたコネクタ端子28,29を出荷する際には、帯状部材70に対して多数のコネクタ端子28,29が接続された状態、つまりコネクタ端子群71として出荷されることが多い。また、コネクタ端子群71は、多数のコネクタ端子28,29が連なった長尺状の製品であることから、巻き取られた状態で運搬したり保管したりすることが一般的である。このように、コネクタ端子群71が巻き取られた場合、つまり巻かれたコネクタ端子群71の径方向にコネクタ端子28,29が重なり合う場合であっても、突出片58を設けることで端子接点57と他のコネクタ端子28,29との接触を抑制することができ、端子接点57を保護することができる。
【0023】
[コネクタ端子の組付作業]
続いて、コネクタ10に対するコネクタ端子28,29の組付作業について説明する。図9および図10は、インナーハウジング26,27に対するコネクタ端子28,29の挿入過程を示す説明図である。なお、以下の説明では、下側に設けられるコネクタ端子29の組付作業について説明するが、上側に設けられるコネクタ端子28の組付作業については、コネクタ端子29と同様の手順であることから、その説明を省略する。
【0024】
図9(a)に示すように、インナーハウジング27にコネクタ端子29を組み付ける際には、インナーハウジング27の挿入口72に対して、コネクタ端子29が矢印a1方向に挿入される。続いて、図9(b)に示すように、コネクタ端子29が矢印a1方向に挿入され、突出片58がインナーハウジング27の端面に接触すると、突出片58はインナーハウジング27に押されて矢印b1方向に折り曲げられる。これにより、コネクタ端子29の突出片58は、実線で示される突出位置から破線で示される格納位置に移動する。つまり、コネクタ端子29の突出片58は、端子金具50の外側に突出する突出位置から、端子金具50の内側に格納される格納位置に移動することになる。次いで、図10(a)に示すように、突出片58が格納位置に格納された状態のもとで、コネクタ端子29は矢印a1方向に向けて更に挿入される。そして、図10(b)に示すように、インナーハウジング27の壁部73に突き当たるまでコネクタ端子29が挿入されると、インナーハウジング27の突起部74やロック爪75がコネクタ端子29に係合し、インナーハウジング27に対してコネクタ端子29が位置決め固定される。
【0025】
前述したように、インナーハウジング26,27にコネクタ端子28,29を挿入する際に、突出片58は、コネクタ10を構成するインナーハウジング26,27に接触して折り曲げられ、端子金具50の外側に突出する突出位置から、端子金具50の内側に格納される格納位置に移動する。このように、端子金具50の外側に突出する突出片58は、コネクタ端子28,29の組付作業を妨げることがないように、挿入時には格納位置に向けて折り曲げられる構造を有している。
【0026】
つまり、図7に示すように、コネクタ端子28,29の自重が突出片58に作用する場合には、突出片58が大きく変形することなく突出位置を維持する一方、図9および図10に示すように、コネクタ端子28,29がインナーハウジング26,27に挿入される場合には、突出片58が大きく変形して格納位置に移動するように、コネクタ端子28,29における突出片58の剛性が設定されている。
【0027】
これまで説明したように、コネクタ端子28,29には、端子金具50の外側に突出する突出片58が設けられている。そして、コネクタ端子28,29の端子接点57は、先端部61と突出片58との接する仮想平面Xよりも内側に位置している。これにより、コネクタ端子28,29の組付作業等において、外側に露出する端子接点57を変形等から保護することができ、端子接点57を正常に機能させることができる。
【0028】
図5に示すように、接点部62の高さ寸法「Hb」は、先端部61の高さ寸法「Ha」よりも高く設計されている。これにより、図3の拡大部分に示すように、コネクタ10にコントローラ11を挿入して接続する際には、コントローラ11の回路基板12が、コネクタ端子28,29の先端部61に接することなく接点部62に対して接触することになる。これにより、回路基板12と接点部62との接触圧力を適切に確保することができ、回路基板12と接点部62とを良好に接続することができる。
【0029】
図5に示すように、接点部62の高さ寸法「Hb」は、支持部64の高さ寸法「Hc」よりも低く設計されている。これにより、図10(a)に示すように、インナーハウジング26,27に対してコネクタ端子28,29を挿入する際には、インナーハウジング26,27に対して端子接点57を当てることなくコネクタ端子28,29を挿入することができる。これにより、端子接点57を変形等から保護することができ、端子接点57を正常に機能させることができる。
【0030】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、カードエッジコネクタ10に使用されるコネクタ端子28,29に対して本発明を適用しているが、これに限られることはなく、端子金具50の外側に露出する端子接点57を備えるコネクタ端子であれば、如何なるコネクタに使用されるコネクタ端子に対して本発明を適用しても良い。また、前述の説明では、板金加工によって端子金具50を加工しているが、これに限られることはなく、他の加工方法によって端子金具50を加工しても良い。
【符号の説明】
【0031】
10 コネクタ(カードエッジコネクタ)
12 回路基板(基板)
13 電線
28 コネクタ端子
29 コネクタ端子
50 端子金具
57 端子接点
58 突出片
59 電線接続部
61 先端部
62 接点部
63 突出部
64 支持部
X 仮想平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10