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特許7002953使用予約システム、使用予約装置、使用予約方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】使用予約システム、使用予約装置、使用予約方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220113BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20220113BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20220113BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q10/02
G06Q50/16 300
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018012844
(22)【出願日】2018-01-29
(65)【公開番号】P2019133265
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】丹下 裕子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 禎敏
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184241(JP,A)
【文献】特開2017-103641(JP,A)
【文献】国際公開第2012/090661(WO,A1)
【文献】特開2017-092950(JP,A)
【文献】特開2017-228134(JP,A)
【文献】特開2015-079319(JP,A)
【文献】特開2012-133435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を有する画像センサと、この画像センサと通信可能なサーバとを具備し、
前記画像センサは、
前記撮像素子で対象空間を撮像して得られた画像データより、前記対象空間における人数を検知する検知部を備え、
前記サーバは、
前記画像センサから検知人数を取得する取得部と、
前記対象空間に係る定員と前記検知人数とを記録する記録部と、
前記対象空間の使用に係る時刻を指定した使用予約を受け付ける予約処理部とを備え、
前記予約処理部は、前記使用に係る時刻との関係で、前記検知人数が前記定員を超えるか又は前記定員との差が既定値以上であれば、前記検知人数に係るメッセージ又は前記対象空間からの移動を促すメッセージを通知する、使用予約システム。
【請求項2】
前記対象空間は、会議室である、請求項1に記載の使用予約システム。
【請求項3】
前記予約処理部は、前記使用に係る時刻が到来してから既定の期間にわたって前記検知人数が既定の人数以下であれば、当該使用に係る時刻の指定を含む使用予約をキャンセルする、請求項1に記載の使用予約システム。
【請求項4】
前記予約処理部は、前記使用予約のキャンセルに先立って、当該使用予約の登録者に警告情報を通知する、請求項3に記載の使用予約システム。
【請求項5】
前記予約処理部は、前記取得された前記検知人数を公開する、請求項1に記載の使用予約システム。
【請求項6】
画像センサにより検知された、対象空間における人の数を取得する取得部と、
前記対象空間に係る定員と前記人の数とを記録する記録部と、
前記対象空間の使用に係る時刻を指定した使用予約を受け付ける予約処理部とを備え、
前記予約処理部は、前記使用に係る時刻との関係で、前記人の数が前記定員を超えるか又は前記定員との差が既定値以上であれば、前記人の数に係るメッセージ又は前記対象空間からの移動を促すメッセージを通知する、使用予約装置。
【請求項7】
前記対象空間は、会議室である、請求項6に記載の使用予約装置。
【請求項8】
前記予約処理部は、前記使用に係る時刻が到来してから既定の
期間にわたって前記人の数が既定の人数以下であれば、当該使用に係る時刻の指定を含む使用予約をキャンセルする、請求項6に記載の使用予約装置。
【請求項9】
前記予約処理部は、前記使用予約のキャンセルに先立って、当該使用予約の登録者に警告情報を通知する、請求項8に記載の使用予約装置。
【請求項10】
前記予約処理部は、前記取得された前記人の数を公開する、請求項6に記載の使用予約装置。
【請求項11】
画像センサと通信可能な使用予約装置に適用される使用予約方法であって、
前記使用予約装置が、前記画像センサにより検知された対象空間における人の数を取得する過程と、
前記使用予約装置が、前記対象空間に係る定員と前記人の数とを記録する過程と、
前記使用予約装置が、前記対象空間の使用に係る時刻を指定した使用予約を受け付ける過程と、
前記使用予約装置が、前記使用に係る時刻との関係で、前記人の数が前記定員を超えるか又は前記定員との差が既定値以上であれば、前記人の数に係るメッセージ又は前記対象空間からの移動を促すメッセージを通知する過程とを具備する、使用予約方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項6乃至10のいずれか1項に記載の使用予約装置に備わる各部として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、使用予約システム、使用予約装置、使用予約方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ブラウザベースの使用予約システムが知られている。この種のシステムを用いれば、社内のいわゆるイントラネットの専用ページから、時間帯などを指定して会議室を予約することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-318668号公報
【文献】特開2016-218557号公報
【文献】特開2017-162273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の会議室予約システムでは、会議室の予約状況と使用実態とが乖離していても、その状況を把握することが難しい。このため空予約や早期退室などが見過ごされやすく、会議室を効率的に使用できていないという課題があった。
【0005】
そこで、目的は、設備稼働率を改善可能な使用予約システム、使用予約装置、使用予約方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、使用予約システムは、撮像素子を有する画像センサと、この画像センサと通信可能なサーバとを具備する。画像センサは、検知部を備える。検知部は、撮像素子で対象空間を撮像して得られた画像データから、対象空間における人数を検知する。サーバは、予約処理部と、取得部と、記録部とを備える。予約処理部は、対象空間の使用時刻又は時間とを指定した使用予約を受け付ける。取得部は、画像センサにより検知された検知人数を取得する。記録部は、対象空間に係る定員と検知人数とを対応付けて記録する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係わる使用予約システムを適用可能な室内空間の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示される使用予約システムの一例を示すブロック図である。
図3図3は、画像センサ3の一例を示すブロック図である。
図4図4は、図2に示されるサーバ200の一例を示すブロック図である。
図5図5は、ユーザ端末61~6nに表示される会議室予約ページの一例を示す図である。
図6図6は、定員管理テーブル240cに記録される情報の一例を示す図である。
図7図7は、図4に示されるサーバ200の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、予約情報管理データベース240bに記録される情報の一例を示す図である。
図9図9は、ユーザ端末61~6nに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の一つの実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態では、会議室予約システムと画像センサとを連携させることによる、新たなサービスの形態について説明する。実施形態に係わる画像センサは、いわばレンズ付きの、組み込み型コンピュータであり、視野内に捕えた映像を撮影して取得した画像データを処理して、例えば環境情報および人物情報を作成することができる。
【0009】
環境情報は、制御対象の空間(対象空間)の環境に関する情報であり、その一例として対象空間における照度の分布、あるいは温度の分布などを挙げることができる。人物情報は対象空間における人間に関する情報であり、その一例として、人の存在または不在(在/不在)、人数、人の行動、人の活動量などを挙げることができる。画像センサのメモリ容量とプロセッサの処理能力が十分であれば、環境情報、および人物情報のいずれもリアルタイムで取得されることができる。
【0010】
環境情報および人物情報は、対象空間ごとに算出することができる。あるいは、対象空間を複数に分割した小領域(エリア)毎に、環境情報および人物情報を算出することもできる。この実施形態では、特に、対象空間における人数に着目する。
【0011】
図1は、実施形態に係わる使用予約システムを適用可能な室内空間の一例を示す図である。この実施形態に係わる使用予約システムは、例えばオフィスビル等に適用され、ビル中央監視システム(例えば、BEMS:Building Energy Management System)と連携させて使用されることができる。図1に示されるように、対象空間としての例えば会議室に、照明器具1、空調機器2の吹き出し口、および画像センサ3が配設される。これらは例えば天井に配置される。
【0012】
図2は、図1に示される使用予約システムの一例を示すブロック図である。図2において、ビル監視装置5およびサーバ200が、基幹ネットワークとしてのビル内ネットワーク500に接続される。例えばBACnet(登録商標)、DALI、ZigBee(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)等を、ビル内ネットワーク500の通信プロトコルとして採用することができる。
【0013】
会議室に取り付けられた照明器具1、空調機器2、および画像センサ3は信号線100を介して接続される。このうち、例えば画像センサ3がゲートウェイ(GW)41を介してビル内ネットワーク500に接続され、これにより画像センサ3はビル内ネットワーク500経由でサーバ200およびビル監視装置5と通信できる。また、照明器具1および空調機器2も、ビル監視装置5の配下に置かれる。
【0014】
さらに、ユーザ端末61~6n、およびアクセスポイント8等の通信機器が、GW42を介してビル内ネットワーク500に接続される。これによりユーザ端末61~6nや、無線通信機能を持つタブレット端末7等も、ビル内ネットワーク500経由でサーバ200およびビル監視装置5と通信できる。
【0015】
サーバ200は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータであり、会議室の予約に関する機能を備える。その機能は、記憶部240からメモリにロードされたプログラム240aと、ハードウェアとの協調的な動作により実現される。ユーザ端末61~6nは、例えばユーザ端末6nがそうであるように、ブラウザの画面からサーバ200にアクセスして会議室を予約することができる。会議室の予約に関する情報は、記憶部240の予約情報管理データベース240bに記録される。さらに、記憶部240の定員管理テーブル240cに、会議室ごとの定員を管理するための情報が記録される。
【0016】
予約情報管理データベース240bは、例えばRDB(Relational Database)型、あるいはキー/バリュー(Key/Value)型のデータベースであり、その実体は、サーバ200のHDD(ハードディスクドライブ)に記録されたディジタルデータである。
【0017】
図3は、画像センサ3の一例を示すブロック図である。画像センサ3は、カメラ部31、メモリ32、プロセッサ33、および通信部34を備える。これらは内部バス35を介して互いに接続される。
【0018】
カメラ部31は、魚眼レンズ31a、絞り機構31b、撮像素子31cおよびレジスタ30を備える。魚眼レンズ31aは、対象空間としての会議室の室内を、例えば天井から見下ろす形で視野に捕えて撮像素子31cに結像する。撮像素子31cは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)に代表されるイメージセンサであり、例えば毎秒30フレームのフレームレートの映像信号を生成する。この映像信号はディジタル符号化され、画像データとして出力される。撮像素子31cへの入射光量は絞り機構31bにより調節される。
【0019】
レジスタ30は、カメラ情報30aを記憶する。カメラ情報30aは、例えばオートゲインコントロール機能の状態、ゲインの値、露光時間などの、カメラ部31に関する情報、あるいは画像センサ3それ自体に関する情報である。
【0020】
メモリ32は、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)などの半導体メモリ、あるいはEPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリであり、カメラ部31により取得された画像データ32a、および、実施形態に係わる各種の機能をプロセッサ33に実行させるためのプログラム32bなどを記憶する。
【0021】
プロセッサ33は、メモリ32に記憶されたプログラムをロードし、実行することで、実施形態において説明する各種の機能を実現する。プロセッサ33は、例えばマルチコアCPU(Central Processing Unit)を備え、画像処理を高速で実行することについてチューニングされたLSI(Large Scale Integration)である。FPGA(Field Programmable Gate Array)等でプロセッサ15を構成することもできる。MPU(Micro Processing Unit)もプロセッサの一つである。
【0022】
通信部34は、信号線100に接続可能で、サーバ200を含む通信相手先(ビル監視装置5、タブレット端末7、他の画像センサ3等)とのデータの授受を仲介する。
【0023】
ところで、プロセッサ33は、実施形態に係る処理機能として、解析部33aと、人数検知部33bとを備える。解析部33aおよび人数検知部33bは、メモリ32に記憶されたプログラム32bがプロセッサ33のレジスタにロードされ、当該プログラムの進行に伴ってプロセッサ33が演算処理を実行することで生成されるプロセスとして、理解され得る。つまりプログラム32bは、解析プログラムおよび人数検知プログラムを含む。
【0024】
解析部33aは、メモリ32に蓄積された画像データ32aを所定のアルゴリズムで解析して、視野内の人物に係わる特徴量を抽出する。例えば、画像データに含まれるフレームの輝度の変化をピクセルごとにトレースし、その時系列を分析することで動き特徴量を計算することができる。例えば、輝度勾配方向ヒストグラム(histograms of oriented gradients:HOG)特徴量、コントラスト、解像度、S/N比、および色調などの特徴量が知られている。また、輝度勾配方向共起ヒストグラム(Co-occurrence HOG:Co-HOG)特徴量、Haar-Like特徴量なども特徴量として知られている。解析部33aは、特に、画像データ32aを画像処理して、視野内における物体の動きを示す動き特徴量を抽出する。
【0025】
人数検知部33bは、上記抽出された特徴量に基づいて、例えばルールベースによる識別処理、あるいは機械学習による識別処理により、対象空間としての会議室における人数をリアルタイムで検知する。
【0026】
図4は、図2に示されるサーバ200の一例を示すブロック図である。使用予約装置としてのサーバ200は、CPUやMPU等のプロセッサ250と、ROM(Read Only Memory)220およびRAM(Random Access Memory)230を備えるコンピュータである。サーバ200は、さらに、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)などの記憶部240、光学メディアドライブ260、および、通信部270を備える。
【0027】
ROM220は、BIOS(Basic Input Output System)やUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)などの基本プログラム、および各種の設定データ等を記憶する。RAM230は、記憶部240からロードされたプログラムやデータを一時的に記憶する。
【0028】
光学メディアドライブ260は、CD-ROM280などの記録媒体に記録されたディジタルデータを読み取る。サーバ200で実行される各種プログラムは、例えばCD-ROM280に記録されて頒布される。このCD-ROM280に格納されたプログラムは光学メディアドライブ260により読み取られ、記憶部240にインストールされる。
【0029】
通信部270は、通信機能を備え、ビル監視装置5、画像センサ3、およびユーザ端末61~6n等との通信を制御する。サーバ200で実行される各種プログラムを、例えば通信部270を介してサーバからダウンロードし、記憶部240にインストールすることもできる。通信部270を介してクラウドサーバから最新のプログラムをダウンロードし、インストール済みのプログラムをアップデートすることもできる。
【0030】
記憶部240は、プロセッサ250により実行されるプログラム240aと、予約情報管理データベース240bと、定員管理テーブル240cとを記憶する。プロセッサ250は、OS(Operating System)および各種のプログラムを実行する。
【0031】
ところで、プロセッサ250は、実施形態に係る処理機能として予約処理部250a、および、人数取得部250bを備える。予約処理部250aおよび人数取得部250bは、記憶部240に記憶されたプログラム240aがRAM230にロードされ、当該プログラムの進行に伴ってプロセッサ250が演算処理を実行することで生成されるプロセスとして、理解され得る。つまりプログラム240aは、使用予約装置としてのサーバ200を動作させるためのプログラムであって、サーバ200を、予約処理部250aおよび人数取得部250bとして動作させる。
【0032】
予約処理部250aは、会議室の使用予約を受け付ける。ユーザは、例えばユーザ端末61~6nやタブレット端末7から、ブラウザを介して使用予約を入力することができる。使用予約は、予約者の属性(氏名、所属部署など)に加えて、使用したい会議室、会議室の使用時刻(使用開始時刻又は、使用開始時刻と使用終了時刻の両方)、使用時間(使用開始時刻のみの場合)と、必要であれば予約人数等を含む。
【0033】
人数取得部250bは、会議室の画像センサ3から、この画像センサ3により検知されたリアルタイムの検知人数を取得する。この検知人数は、会議室の使用実態を表す指標の一つである。予約処理部250aは、このリアルタイムの検知人数を、例えば、ユーザ端末61~6nからアクセス可能な使用予約受付ページに表示し、ユーザに公開する。
【0034】
また、予約処理部250aは、使用予約で指定された会議室の定員を定員管理テーブル240cから読み出し、この定員と、検知人数とを対応付けて予約情報管理データベース240bに記録する。
【0035】
また、予約処理部250aは、会議室の定員と検知人数との差が既定値以上であれば、使用予約の登録者にメッセージを通知する。例えば定員が10人の会議室に対して、あるいは、予約人数が10人であるはずの時間帯において、画像センサ3で検知された人数が3人であれば、例えば「他の会議室をご使用ください」などのメッセージが、使用予約の登録者のブラウザ画面に表示される。このケースでは、規定の数として、例えば5人を設定し、検知人数がそれ以下である場合にメッセージを出すようにすればよい。
【0036】
あるいは、定員と検知人数との差が既定値以上であるとき、「使用人数が少なすぎます」、「使用人数が多すぎます」などのように、単に、そのことをメッセージによりユーザに通知しても良い。
【0037】
また、予約処理部250aは、使用予約に記された使用時刻が到来してからも、検知人数が、或る既定の期間にわたって既定の人数以下であれば、該当する使用予約をキャンセルする。例えば使用時刻になってもだれもいない状態が10分以上経過すると、使用予約の登録者のブラウザ画面に「予約をキャンセルします」などの警告情報が表示されたのち、予約情報管理データベース240bから、該当する使用予約が削除される。なお、例えば、検知人数として少なくとも2人が検知されればキャンセルせず、1人以下になればキャンセルするといった柔軟な運用も可能である。次に、上記における作用を説明する。
【0038】
図5は、会議室予約ページの一例を示す図である。ユーザは、ユーザ端末61~6nからそれぞれこの会議室予約ページにアクセスし、使用したい会議室、予約日、使用時刻(開始時刻、終了時刻)、および人数を、GUI(Graphical User Interface)のドロップダウンリストなどで選択指定することができる。図6の定員管理テーブル240cに記録される情報に基づいて、各会議室の定員が図5の会議室予約ページに表示される。図5の例では、会議室Bを、2017/12/22に、9:00~10:00まで、10人で使用したいケースが示される。そして登録ボタンがクリックされると、指定された各項目を含む会議室の使用予約要求メッセージが、ビル内ネットワーク500経由でサーバ200に送られる。
【0039】
図7は、図4に示されるサーバ200の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7において、サーバ200は、会議室の使用予約要求メッセージの到来を待ち受ける(ステップS1)。メッセージが到来すれば(ステップS1でYes)、サーバ200は使用予約を受け付け(ステップS2)、使用予約要求メッセージに含まれる予約人数を予約情報管理データベース240bに記録する(ステップS3)。例えば、図5に対応する使用予約要求メッセージについては、図7に示されるように、会議室Bの時刻09:00~10:00に、予約人数として10人が登録される。
【0040】
また、サーバ200は、画像センサ3から検知人数を取得し(ステップS4)、取得した検知人数を例えばブラウザ画面等で公開する(ステップS5)。図5に、『現在人数』として各会議室の現在の人数が示される。例えば会議室A(定員8人)の現在の在室人数は、8人であることが分かる。図8に示されるように、検知人数も予約情報管理データベース240bに記録され、時々刻々と更新される(ステップS6)。
【0041】
図8は、予約情報管理データベースの一例を示す図である。予約情報管理データベースは、定員と、検知人数とを対応付けて作成されるデータベースである。図8に示されるように、定員および検知人数に付随する日付(例えば2017/12/22)、時刻、および会議室の各データも併せて予約情報管理データベース240bに登録される。
【0042】
そしてサーバ200は、会議室の予約時刻の到来を待ち(ステップS7)、予約時刻が到来するまでステップS1からの手順を繰り返す。予約時刻が到来すると(ステップS7でYes)サーバ200は、定員と検知人数とを比較し(ステップS8)、定員と検知人数との差が既定値以上(例えば5人以上)であれば(ステップS9でYes)、会議室の使用予約の登録者にメッセージを通知する(ステップS10)。
【0043】
メッセージは、例えば『使用人数が定員を超えています』、『使用人数が予約人数よりも少ないです』など、現在の状態をただ知らせるものであっても良い。あるいは図9に示されるように、『会議室Dに移動してください』などの、より積極的にユーザに会議室の移動を促すようなメッセージであっても良い。
【0044】
図8を参照すると、会議室Bの検知人数が、09:30以降は2人になってしまっている。一方、会議室Dの使用人数は0人のままであることが分かる。そこで、この2人を会議室BからDに移動するように促すことで、会議室スペースを有効に活用することができる。
【0045】
以上説明したようにこの実施形態では、会議室予約システムと画像センサを連携させ、リアルタイムで検知された在室人数を予約画面上に表示させる。これにより、予約されているが使用されていない会議室を、ユーザは自らの端末上で確認することができ、その場まで足を運んで確認する必要が無い。また、会議室の空き状況も端末上で確認できるので、予約済だからといってあきらめることもなく、空いていれば即座に移動して会議室を確保してしまえばよい。これにより、設備稼働率を向上させ、生産性の向上も促すことができる。
【0046】
また実施形態では、会議室の定員と、会議室使用の実態を示す検知人数とを対応付けてデータベース(予約情報管理データベース240b、定員管理テーブル240c)に記録するようにした。これにより、予約と実体との乖離が著しければ、予約者を特定して警告を発したり、次回からの予約を制限するといった運用を実現することができる。従って、空予約をなるべく行わないという意識を高め、設備稼働率の向上を促すことができる。
【0047】
また実施形態では、使用時刻が到来してからも在室人数が既定の人数、例えば1人以下であれば、該当する使用予約をキャンセルするようにした。従って、会議室が使われていないのに予約がリリースされてないという状況を防ぐことができる。
【0048】
これらのことから、実施形態によれば、設備稼働率を改善可能な使用予約システム、使用予約装置、使用予約方法およびプログラムを提供することが可能となる。
【0049】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば実施形態では、会議室内の人数を、会議室の天井に設けられた画像センサの画像から検知するようにした。これに代えて、会議室の出入り口の近傍に設置された画像センサにより人間の入退出を検出することでも、会議室の使用状況を把握することができる。
【0050】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1…照明器具、2…空調機器、3…画像センサ、5…ビル監視装置、61~6n…ユーザ端末、7…タブレット端末、8…アクセスポイント、15…プロセッサ、30…レジスタ、30a…カメラ情報、31…カメラ部、31a…魚眼レンズ、31b…絞り機構、31c…撮像素子、32…メモリ、32a…画像データ、32b…プログラム、33…プロセッサ、33a…解析部、33b…人数検知部、34…通信部、35…内部バス、41…ゲートウェイ、100…信号線、200…サーバ、220…ROM、230…RAM、240…記憶部、240a…プログラム、240b…予約情報管理データベース、240c…定員管理テーブル、250…プロセッサ、250a…予約処理部、250b…人数取得部、260…光学メディアドライブ、270…通信部、500…ビル内ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9