(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】架設通路
(51)【国際特許分類】
E01D 22/00 20060101AFI20220113BHJP
E01D 19/10 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
E01D22/00 A
E01D19/10
(21)【出願番号】P 2018044488
(22)【出願日】2018-03-12
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴巻 政人
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-253391(JP,A)
【文献】特許第5872957(JP,B2)
【文献】特開平06-167102(JP,A)
【文献】特開2000-352015(JP,A)
【文献】特開2003-239532(JP,A)
【文献】米国特許第08813289(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00-24/00
E04G 23/00-23/08
E04G 1/00-7/34
E04G 27/00
E04F 15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の主桁と、横梁と、複数の床材と、一対の爪先板とを備え、
一対の主桁間に横梁が架設してあり、
複数の床材は各々タッピングホールを有しており、
爪先板は、
床材の上面よりも上方に突出する部分と床材の端面と対向する部分がある垂直片を有するものであり、複数の床材の両端に配置して、
垂直片の床材の端面と対向する部分を各床材のタッピングホールにねじ止めすることで一対の爪先板と複数の床材を
予め一体にして床材ユニットを形成してあり、
床材ユニットを一対の主桁間に架設して主桁に固定してある架設通路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁や道路等の屋外構造物に設置される架設通路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の板材を主桁間に架設して主桁に固定すると共に主桁に取り付けた支柱に爪先板を固定した架設通路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の架設通路は、施工時に複数の板材と爪先板とを別々に取り付けなければならず、施工に手間がかかり、組み立て難いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、施工に手間がかからなくて、組み立て易い架設通路の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、一対の主桁と、横梁と、複数の床材と、一対の爪先板とを備え、一対の主桁間に横梁が架設してあり、複数の床材は各々タッピングホールを有しており、爪先板は、床材の上面よりも上方に突出する部分と床材の端面と対向する部分がある垂直片を有するものであり、複数の床材の両端に配置して、垂直片の床材の端面と対向する部分を各床材のタッピングホールにねじ止めすることで一対の爪先板と複数の床材を予め一体にして床材ユニットを形成してあり、床材ユニットを一対の主桁間に架設して主桁に固定してある架設通路である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、爪先板と複数の床材とから床材ユニットを形成しているため、施工時に床材ユニットを主桁に固定することで、床材と爪先板とを同時に取り付けることができるから、組み立て易い。
また、床材ユニットには爪先板が一体に設けてあるので、従来技術のように支柱に爪先板を固定していないので、爪先板の取り付け順序が支柱との関係で制限されないから、組立順序の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施の形態にかかる架設通路の側面図である。
【
図4】(a)は
図1に示すC-C断面図であり、(b)は(a)に示すD-D断面図である。
【
図5】
図1に示すE-E側から見た一部を示す正面図である。
【
図9】
図8に示すH-H断面図であって、床材ユニット部分を示す図である。
【
図10】
図1に示す架設通路の施工を工程毎に示す斜視図である。
【
図11】第2実施の形態にかかる架設通路の側面図である。
【
図12】第1及び第2実施の形態にかかる架設通路を設置した高架道路の概略図であり、(a)は(b)に示すK-K断面図であり、(b)は(a)に示すG-G断面図、(c)は(b)を斜め下から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図12に本発明の第1実施の形態にかかる架設通路1Aと第2実施の形態に係る架設通路1Bの設置例を示す。第1実施の形態にかかる架設通路1Aは高架道路80の下に設置されており、第2実施の形態にかかる架設通路1Bは橋脚82の側面に設置されている。尚、
図12において、符号83は梯子である。
まず、
図1~
図10を参照して第1実施の形態にかかる架設通路1Aについて説明する。
図1及び
図7に示すように、架設通路1Aは、一対の主桁3、3と、横梁5と、床材ユニット7と、支柱9とを備えている。
一対の主桁3、3は互いに間隔をあけて対向配置している。
図1及び
図2に示すように、主桁3は、上片3aと、下片3bと、上片3aと下片3bとの連結部3cを有しており、上片3aは連結部3cの上端から対向する主桁3側へ水平方向に突出しており、下片3bは連結部3cの下端から上片3aと並行に突出しており、連結部3cと上片3aと下片3bとで断面コ字形状を形成している。
連結部3cには、対向する主桁3と反対側に開口したボルト頭係合溝11が長手方向に形成してある。ボルト頭係合溝11は、連結部3cの上端部と下端部とに形成されている。
各主桁3はアルミニウム合金形材であり、長さは約6mである。
【0010】
図1、
図2及び
図4に示すように、横梁5は、水平片5aと垂直片5bとを有し、水平片5aと垂直片5bとで断面L字形状を成しており、水平片5aを一対の主桁3、3の下片3b、3b間に架け渡して、下片3bの下からボルト14aの軸を通して上からナット14bで固定してある。
横梁5は、
図10(a)(b)に示すように、主桁3、3の長手方向において略等間隔に4箇所に取り付けてある。横梁5はアルミニウム合金形材であり、長さは約60cmである。
【0011】
図10(c)及び
図4に示すように、床材ユニット7は、複数の床材13と爪先板15とで一体に構成されている。
図10(c)及び
図8に示すように、各床材13は、平面視長方形状であり、長辺を隣合わせに並べてあり、本実施の形態では、一つの床材ユニット7に7枚の床材13を列設してある。
図6に示すように、各床材13には、天面部13aと天面部13aを支持する脚部13bとを有し、脚部13bの下端には水平方向に突出した載置片13cが設けてある。各脚部13bの上下方向略中央部にはタッピングホール13dが形成されている。天面部13aの上面13gには、ローレット17が形成されている。
本実施の形態では、床材ユニット7に使用する床材13には2種類のものが用いられている。
図9に示すように、一方の床材13Aと他方の床材13Bとである。一方の床材13Aは、床材13の並び方向における一方側端部の上面に凹み段部13eが形成してあり、他方側端部の上面には隣の床材13の凹み段部13eに重なる水平片部13fが形成してある。
図6に示すように、隣り合う床材13、13において、凹み段部13eの底面13hと水平片部13fとの間には上下方向の隙間Sが形成してある。
図9に示すように、他方の床材13Bは、床材ユニット7の他方側端に配置してあり、一方側端と他方側端との両方に凹み段部13e、13eを形成してあり、水平片部13fが形成されていない。即ち、他方の床材13Bは、床材ユニット7においてその一方側端部と他方側端部との両方の端部に凹み段部13e、13eを有する形態となっている。
尚、本実施の形態の説明において、一方の床材13Aと他方の床材13Bとを区別して説明する以外は、一方の床材13Aと他方の床材13Bともに床材13として説明する。
各床材13は、アルミニウム合金形材である。
【0012】
図10(c)に示すように、爪先板15は、複数の床材13の両端(短辺側)に取り付けて、複数の床材13と一体にしてある。
図2に示すように、各爪先板15は、床材13の端面から上方に突設する垂直片15aと、床材13の上面13gに当接する水平片15bを有している。爪先板15において、水平片15bから垂直片15aの下端までの寸法H1は床材13の厚さと同じ寸法としてある。
爪先板15の垂直片15aには、水平片15bの下側に、長手方向に所定間隔をあけてねじ挿通孔15cが形成されており、ねじ挿通孔15cに挿通するねじ16で各床材13のタッピングホール13dに固定されている。
爪先板15は、アルミニウム合金形材であり、床材ユニット7における爪先板15の長さは約2mである。
図8及び
図10(c)に示すように、本実施の形態では、一つの架設通路1Aに対して、床材ユニット7を3つ設けてあり、
図2に示すように、各床材ユニット7の床材13を対向する主桁3、3の上片3a、3a間に架設して、所定の床材13について上から止めるボルト18で主桁3の上片3aに固定されている。
【0013】
図1及び
図4(b)に示すように、支柱9は、各主桁3、3に間隔をあけて列設されている。各支柱9は、一側片9aと他側片9bとを有し、一側片9aと他側片9bで水平断面がL字形状を成している。
図2に示すように、支柱9には、一側片9aにボルト軸挿通孔9cが形成してあり、主桁3のボルト頭係合溝11に頭20aを係合したボルト20の軸20bをボルト軸挿通孔9cに挿通してナット21で固定してある。支柱9は主桁3に対して、上下2か所のボルト20及びナット21で固定されている。
支柱9は、アルミニウム合金形材であり、横梁5と同種のものを用いている。
【0014】
図1及び
図7に示すように、一方の主桁3及び他方の主桁3において、それぞれ列設された支柱9には、横桟23及び手摺25が架設されている。
図3に示すように、横桟23は、断面が略円形を成しており、一側に、ボルト頭係合溝23aがその長手方向に形成されている。ボルト頭係合溝23aに頭24aを係合したボルト24の軸24bを、支柱9の一側片9aに形成されたボルト軸挿通孔9eに挿通してナット26で固定してある。
手摺25は、列設された各支柱9の上端に被せてあり、床材13側に位置する内側部25aと、床材13と反対側に位置する外側部25bと、内側部25aと外側部25bとに連続する天面部25cを有し、内側部25aと外側部25bと天面部25cとで断面が略コ字形状を成している。
手摺25の内側部25aには、長手方向に所定間隔をあけてボルト軸挿通孔25dが形成されており、支柱9に形成したボルト軸挿通孔9dと手摺のボルト軸挿通孔25dに軸28bを挿通したボルト28をナット29で固定してある。
横桟23及び手摺25は、それぞれアルミニウム合金形材である。
【0015】
次に、第1実施の形態にかかる架設通路1Aの施工(組み立て)について説明する。架設通路1Aの施工は、工場又は設置現場のいずれで行っても良い。
(1)主桁ユニットの組立工程
図10(a)に示すように、主桁3、3と横梁5で構成された主桁ユニット35を組み立てる。
主桁ユニット35の組み立ては、一対の主桁3、3について、互いに上片3a、下片3bが対向するように互いに間隔をあけて配置し、対向する下片3b、3b間に所定間隔で横梁5を架設する。
図2に示すように、横梁5の取り付けは、横梁5の水平片5aを各主桁3の下片3bに形成したボルト軸挿通孔に下からボルト14aの軸を通して、上からナット14bで固定する。
図10(a)に示すように、横梁5は主桁3の長手方向に略等間隔で4本固定する。
主桁ユニット35は、長さ約6m、巾約60cm、重量約70kgである。尚、主桁3は1本約30kgである。
【0016】
(2)支柱・手摺の取付工程
次に、
図10(b)に示すように、主桁ユニット35の各主桁3、3に間隔をあけて支柱9を取り付けると共に、支柱9には横桟23、手摺25を取り付ける。
図2に示すように、支柱9の取り付けは、主桁3、3に形成してある上下のボルト頭係合溝11、11に、その端から各々ボルト20の頭20aを係合して、各ボルト20を支柱9の取り付け位置まで移動し、支柱9の一側片9aに形成されているボルト軸挿通孔9cにボルト20の軸20bを挿通して、ナット21で横から止める。支柱9は主桁3にその上下2箇所で固定する。
図10(b)に示すように、本実施の形態では、横梁5の取り付け位置に対応して支柱9を取り付けてあり、一方の主桁3に合計4本取り付けている。
その後、
図3に示すように、横桟23のボルト頭係合溝23aの端からボルト24の頭24aを係合して各支柱9の位置までずらして、対応する支柱9の位置で、支柱9のボルト軸挿通孔9eにボルト24の軸24bを挿通し、ナット26で固定する。同様にして上下2本の横桟23を4本の支柱9に架設して取り付ける。
手摺25は、各支柱9の上端に天面部25cを被せるように配置し、内側部25aのボルト軸挿通孔25d及び支柱9の一側片9aに形成したボルト軸挿通孔9dにボルト28の軸28bを挿通して、ナット29で固定する。
他方の主桁3についても、一方の主桁3と同様に支柱9、横桟23及び手摺25を取り付ける。
【0017】
(3)床材ユニットの取付工程
図10(c)に示すように、床材ユニット7を用意する。
図9に示すように、床材ユニット7は、床材13の並び方向の一方側と他方側に凹み段部13eを有する他方の床材13Bを端に配置して、他方の床材13Bの一方側の隣に一方の床材13Aを配置し、一方の床材13Aの水平片部13fを他方の床材13Bの凹み段部13eの底面13hに重ねて配置する。更に、一方の床材13Aの一方側の隣に一方の床材13Aを順次長辺を隣合わせにして配置するが、各一方の床材13Aは、水平片部13fを他方の床材の凹み段部13eの底面13hに重ねる。このようにして、他方の床材13Bを端にして一方の床材13Aを6枚、合計7枚の床材13を並べる(
図8及び
図10(c)参照)。
次に、7枚並べた床材13の左右端に爪先板15を配置するが、
図2に示すように、爪先板15の水平片15bが各床材13の上面13gに当接する位置に床材13を位置決めした後、横から止めるねじ16を爪先板15のねじ挿通孔15cに挿通して各床材13のタッピングホール13dに螺合する。
以上のようにして、
図10(c)に示すように、並べて配置した7枚の床材13に対してその左右端に爪先板15を取り付けた床材ユニット7を組み立てる。
次に、
図10(c)及び
図1に示すように、各床材ユニット7の左右端を対向する主桁3、3の上片3a、3a間に架設し、床材13の上からボルト18で上片3aに固定する。
図8に示すように、ボルト18による固定は、すべての床材13に行わず、床材ユニット7の一方側端及び他方側端にある床材13、13とこれらの略中間に位置する床材13の合計3枚の床材13に対して行う。
本実施の形態では、合計3つの床材ユニット7を用意して、主桁3、3の長手方向に3つ並べて固定する。
以上のようにして、
図1、
図7及び
図8に示す架設通路1Aを組み立てる。
【0018】
図10(d)に示すように、架設通路1Aは、例えば、高所作業車31や足場33での作業により高架道路80の橋脚82や側壁81に設けてあるH鋼材等の躯体85にボルト・ナットで固定する。
【0019】
第1実施の形態にかかる架設通路1Aの作用効果について説明する。
図1及び
図2に示すように、対向する一対の主桁3は、各々上片3a、下片3b、これらの連結部3cで断面コ字形状を成しているので、ホロー形材に比較して材料の使用量を少なくでき、材料コストが安価で且つ軽量化ができる。
各主桁3、3と横梁5との取り付けは、主桁3の下片3bと横梁5の水平片5aを上下方向から止めるボルト14aとナット14bで固定しており、主桁3、3に横梁5を取り付けるためのボルト頭係合溝が不要であるから、施工性が良い。
主桁3は断面コ字形状であり、横梁5及び支柱9は断面L字形状であり、いずれもホロー形材を用いていないので、架設通路1Aの全体としても軽量であるから、工場での組み立や施工現場での組み立てのいずれも容易にできるので、この点においても施工性が良い。
図4に示すように、横梁5及び支柱9は断面L字形状を成しているので、同種のものを用いることができ、横梁5と支柱9との間で部材の兼用化及び軽量化ができるから、この点においてもコストダウンを図ることができる。
【0020】
図1及び
図10(c)に示すように、爪先板15と複数の床材13とからなる床材ユニット7を形成しているため、施工時に床材ユニット7を主桁3、3に固定することで、複数の床材13と爪先板15とを同時に取り付けできるから、組み立て易い。
床材ユニット7には、爪先板15が一体に設けてあるので、従来技術のように支柱に爪先板を固定していないので、爪先板15の取り付け順序が支柱9との関係で制限されないから、組立順序の自由度が高い。
【0021】
図8に示すように、複数の床材13で床材ユニット7を構成しているので、床材13は一枚ずつ主桁3に固定しなくて済み、所定の床材13のみを固定すれば足りるので、固定箇所を少なくできる。
床材ユニット7は、床材13の並び方向の一方側に凹み段部13eを形成して他方側に水平片部13fを形成した一方の床材13Aと、一方側及び他方側の両方に凹み段部13eを形成した他方の床材13Bを用いることで、床材ユニット7の一方側端と他方側端とに凹み段部13eを設けることができるから左右勝手がない。
床材ユニット7は、その爪先板15の長さを2mとして、複数の床材ユニット7で架設通路1Aを組み立てているので、一つの床材ユニット7を軽量にでき、運搬や施工が容易である。
【0022】
図2に示すように、床材ユニット7において、爪先板15は床材13の上面13gに当接する水平片15bを有するから、床材13を爪先板15に取り付ける際に各床材13の上下方向の位置決めができるので、ユニット化しやすい。
爪先板15は水平片15bから垂直片15aの下端までの寸法H1が床材13の厚さと略同じであるから、床材13の端部小口を垂直片15aで隠すことができ、外観が良い。
図1及び
図2に示すように、主桁3は上片3a、下片3b及び連結部3cとで断面コ字形状を成しており、床材ユニット7は、主桁3の上片3aに上から止めるボルト18により固定できるので、作業性が良い。
床材13についても、床材13は対向する主桁3の上片3a、3a間に架け渡して取り付けてあるので、床材13の取り付けが容易にできる。
図2に示すように、爪先板15にはその長手方向に所定間隔で床材13に取り付けるねじ挿通孔15cが形成してあるから、ねじ16をねじ挿通孔15cに挿通して床材13に形成してあるタッピングホール13dに固定できるから、爪先板15の取り付けが容易にできる。
図6に示すように、床材13は、配列方向の一方側に凹み段部13eを形成して他方側に水平片部13fを形成し、水平片部13fが隣り合う床材13の凹み段部13eの底面13hに重なり、凹み段部13eの底面13hと水平片部13fとの間に上下方向の隙間Sを形成しているから、水平片部13fで隣り合う床材との間の隙間を隠しながら、隙間Sで水抜きができる。
床材13は、上面13gにローレット17を付けてあるから、滑り難い。
各支柱9の上端には手摺25を被せて架設してあるので、架設通路1Aでの移動がし易い。
【0023】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図11に、本発明の第2実施の形態にかかる架設通路1Bを示す。この第2実施の形態では、一対の主桁3、3において、一方の主桁3にのみ支柱9を取り付けると共にその支柱9に横桟23と手摺25を取り付けてあり、他方の主桁3には支柱9、横桟23及び手摺25を設けていないことが、上述した第1実施の形態と異なっている。
この第2実施の形態にかかる架設通路1Bは、
図12に示すように、一対の主桁3について一方の主桁3側に屋外構造物の壁がある場合に使用するものである。
この第2実施の形態によれば、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
更に、第2実施の形態にかかる架設通路1Bは、第1実施の形態にかかる架設通路1Aに対して、一方の主桁3側のみに支柱9、横桟23及び手摺25を取り付ける構成であるから、同じ構成部品と同じ工程で施工できる。
【0024】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、
図10(a)~(c)で示す架設通路1Aの組み立ては、すべて工場で行っても良いし、
図10(a)(b)の組み立てと、床材ユニット7の組み立てを工場で行い、
図10(c)に示す床材ユニット7を対向する主桁3、3を取り付ける工程を施工現場で行うものでも良い。また、床材ユニット7の組み立てのみを工場で行っても良い。
図10(b)で示すように、支柱9、横桟23及び手摺25を工場で組み立てて支柱ユニットにして、
図10(a)に示す主桁ユニット35の各主桁3、3に支柱ユニットの支柱9を取り付けても良い。
図10(a)~(c)に示す架設通路1Aの組み立て工程において、(a)に示す主桁ユニット35を組み立てた後に、(c)に示す床材ユニット7を取り付け、その後(b)に示すように、支柱9、横桟23及び手摺25を取り付けても良い。
【符号の説明】
【0025】
1A 架設通路(第1実施の形態)
1B 架設通路(第2実施の形態)
3 主桁
5 横梁
7 床材ユニット
13 床材
15 爪先板