(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/369 20110101AFI20220113BHJP
H04N 5/3745 20110101ALI20220113BHJP
H04N 5/372 20110101ALI20220113BHJP
H01L 27/148 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
H04N5/369
H04N5/3745 200
H04N5/372 130
H01L27/148 B
(21)【出願番号】P 2018170730
(22)【出願日】2018-09-12
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200104
【氏名又は名称】渡邊 実
(72)【発明者】
【氏名】伊野部 竜太
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/176915(WO,A1)
【文献】特開平04-014842(JP,A)
【文献】特開2005-217242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30-5/378
H01L 27/14-27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に設けられ、前記半導体基板の表面に沿った第1方向に並んだ複数の画素と、
前記半導体基板に設けられた電荷検出部であって、前記複数の画素の列から前記第1方向と直交する第2方向に離れた位置に設けられた電荷検出部と、
前記複数の画素の列の前記電荷検出部側に設けられ、前記複数の画素にそれぞれ電荷転送部を介してつながった複数の電荷保持部と、
前記電荷検出部と前記複数の電荷保持部との間に位置し、前記電荷検出部から前記複数の画素の列に向かう方向に放射状に延びた複数の電荷転送チャネルを含む出力ゲート部と、
前記複数の電荷転送チャネルのうちの前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びる電荷転送チャネルと前記複数の電荷保持部の1つとの間に位置するシフトゲート部と、
を備え、
前記
シフトゲート部の平面形状は、前記第3方向に延びる電荷転送チャネルに最近接した辺であって、前記第3方向と直交する辺を含む撮像装置。
【請求項2】
半導体基板と、 前記半導体基板に設けられ、前記半導体基板の表面に沿った第1方向に並んだ複数の画素と、 前記半導体基板に設けられた電荷検出部であって、前記複数の画素の列から前記第1方向と直交する第2方向に離れた位置に設けられた電荷検出部と、 前記複数の画素の列の前記電荷検出部側に設けられ、前記複数の画素にそれぞれ電荷転送部を介してつながった複数の電荷保持部と、 前記電荷検出部と前記複数の電荷保持部との間に位置し、前記電荷検出部から前記複数の画素の列に向かう方向に放射状に延びた複数の電荷転送チャネルを含む出力ゲート部と、 前記複数の電荷転送チャネルのうちの1つの電荷転送チャネルと前記複数の電荷保持部の1つとの間に位置するシフトゲート部と、 を備え、 前記
シフトゲート部の平面形状は、前記1つの電荷転送チャネルの端に最近接した角を含み、
前記1つの電荷転送チャネルは、前記角の近傍において前記シフトゲート部に接続される撮像装置。
【請求項3】
前記シフトゲート部は、複数設けられ、
前記複数の電荷転送チャネルは、前記複数のシフトゲート部のそれぞれから前記電荷検出部に至る距離が略同一となるように設けられる請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記シフトゲート部は、複数設けられ、
前記複数の電荷転送チャネルのそれぞれは、前記複数のシフトゲート
部のうちの1つと前記電荷検出部との間をつなぐように設けられる請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記シフトゲート部とは別のシフトゲート部をさらに備え、
前記複数の画素の列から前記別のシフトゲート部に至る前記第2方向に沿った第1距離は、前記複数の画素の列から前記電荷検出部に至る前記第2方向に沿った第1距離よりも長い請求項1または2に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置は、例えば、複数の画素を有し、それぞれの画素において光電変換された信号を遅延なく所定のタイミングで出力することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、光電変換により生じた電荷の転送時間を短縮した撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板に設けられ、前記半導体基板の表面に沿った第1方向に並んだ複数の画素と、前記半導体基板に設けられた電荷検出部と、複数の電荷保持部と、出力ゲート部と、シフトゲート部と、を備える。前記電荷検出部は、前記複数の画素の列から前記第1方向と直交する第2方向に離れた位置に設けられる。前記複数の電荷保持部は、前記複数の画素の列の前記電荷検出部側に設けられ、前記複数の画素のそれぞれに電荷転送部を介してつながる。前記出力ゲート部は、前記電荷検出部と前記複数の電荷保持部との間に位置し、前記電荷検出部から前記複数の画素の列に向かう方向に放射状に延びた複数の電荷転送チャネルを含む。前記シフトゲート部は、前記複数の電荷転送チャネルのうちの前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びる電荷転送チャネルと前記複数の電荷保持部の1つとの間に位置する。前記シフトゲート部の平面形状は、前記第3方向に延びる電荷転送チャネルに最近接した辺であって、前記第3方向と直交する辺を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る撮像装置を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る撮像装置の構造を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態に係る撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】第1実施形態の変形例に係る撮像装置を示す模式図である。
【
図6】第2実施形態に係る撮像装置を示す模式図である。
【
図7】第2実施形態の変形例に係る撮像装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る撮像装置1を示す模式図である。撮像装置1は、例えば、複数の画素PDがX方向に並んだ、所謂リニアイメージセンサである。
【0010】
撮像装置1は、6つの画素PD1~PD6と、電荷検出部FDと、を備える。画素PD1~PD6は、例えば、X方向に並べて配置される。電荷検出部FDは、画素PD1~PD6の列(以下、画素列)に対して-Y方向(Y方向の反対方向)に離れた位置に設けられる。
【0011】
撮像装置1の構成要素は、例えば、電荷検出部FDを通りY方向に延びる線に対して線対称に配置される。他の例についても同様である。また、以下の説明では、画素PD1~PD6を区別して説明する場合と、包括的に画素PDとして説明する場合がある。他の構成要素についても同様である。
【0012】
撮像装置1は、電荷転送部PD1a~PD6aと、6つの電荷保持部STPと、6つのシフトゲート部SHPと、出力ゲート部OGPと、をさらに備える。電荷保持部STPは、それぞれストレージゲートSTを含む。シフトゲート部SHPは、シフトゲートSH1~SH6を含む。
【0013】
出力ゲート部OGPは、電荷検出部FDの近傍に設けられる。出力ゲート部OGPは、画素列と電荷検出部FDとの間に位置する。出力ゲート部OGPは、出力ゲートOGを含む。
【0014】
6つの画素PD1~PD6は、それぞれ電荷転送部PD1a~PD6aを介して電荷保持部STPに接続される。画素PDにおける光電変換により生成された電荷は、電荷転送部PDaを介して電荷保持部STPへ転送され、一時的に保持される。さらに、電荷保持部STPの電荷は、シフトゲート部SHPおよび出力ゲート部OGPを介して電荷検出部FDへ転送される。これにより、電荷検出部FDの電位が変化し、電荷検出部FDは、その電位の変動に対応した信号を出力する。
【0015】
撮像装置1は、リセットゲートRSおよびリセットドレインRDをさらに備える。リセットゲートRSおよびリセットドレインRDは、電荷検出部FDに近接して配置される。リセットゲートRSは、電荷検出部FDに転送された電荷をリセットドレインRDへ排出するように動作する。これにより、電荷検出部FDは、初期状態に戻る。
【0016】
図1には、6つのストレージゲートSTと、シフトゲートSH1~SH6と、出力ゲートOGと、が示されている。各ストレージゲートSTの位置に電荷保持部STPが設けられる。シフトゲートSH1~SH6のそれぞれの位置にシフトゲート部SHPが設けられる。出力ゲートOGの位置に出力ゲート部OGPが設けられる。
【0017】
図1に示すように、シフトゲートSH1~SH6は、出力ゲートOGの画素列側の外縁に沿って並べて配置される。シフトゲートSH1~SH6は、それぞれ出力ゲートOGとストレージゲートSTの間に配置される。
【0018】
出力ゲート部OGPは、シフトゲート部SHPを電荷検出部FDにつなぐ電荷転送チャネルCL1~CL6を有する。シフトゲート部SHPは、例えば、各電荷転送チャネルを経由して電荷検出部FDに至る距離が実質的に等しくなるように配置される。
【0019】
図2(a)および(b)は、第1実施形態に係る撮像装置1の構造を示す模式図である。
図2(a)は、撮像装置1のX-Z断面を示す模式図である。
図2(b)は、出力ゲート部OGPおよびシフトゲート部SHPの構成を表した平面図である。
【0020】
図2(a)に示すように、撮像装置1は、画素PDと、電荷転送部PDaと、チャネルCH1と、チャネルCH2と、電荷検出部FDと、リセットゲートRSと、リセットドレインRDと、を備える。画素PD、電荷転送部PDa、チャネルCH1、CH2、電荷検出部FDおよびリセットドレインRDは、半導体基板SSの表層に設けられる。半導体基板SSは、例えば、シリコン基板である。また、画素PD、チャネルCH1およびCH2は、半導体基板SS上にエピタキシャル成長されたシリコン層に設けられても良い。半導体基板SSは、シリコン基板に限定される訳ではなく、例えば、化合物半導体基板であっても良い。
【0021】
半導体基板SSの上には、例えば、図示しない絶縁膜が設けられ、ストレージゲートST、シフトゲートSH、出力ゲートOGおよびリセットゲートRSは、絶縁膜上に設けられる。例えば、電荷保持部STPは、ストレージゲートSTおよびその直下に位置する部分を含む。シフトゲート部SHPは、シフトゲートSHおよびその直下に位置する部分を含む。出力ゲート部OGPは、出力ゲートOGおよびその直下に位置する部分を含む。
【0022】
図2(b)に示すように、出力ゲートOGの直下に位置するチャネルCH2は、電荷検出部FDを中心として放射状に延びるように設けられる。チャネルCH2の放射状に延びる部分は、それぞれ電荷転送チャネルCL1~CL6に対応する。
【0023】
電荷転送チャネルCL1~CL6は、シフトゲートSH1~SH6に向かって延びる。シフトゲートSH1~SH6は、それぞれの平面形状における電荷転送チャネルCLの先端に近接した辺が、例えば、電荷転送チャネルCLの先端の延在方向に直交もしくは実質的に直交するように設けられる。これにより、各シフトゲート部SHPから電荷転送チャネルCLを介して電荷検出部FDへ転送される電荷の転送速度を均等にすることができる。例えば、各電荷転送チャネルCLの先端における延在方向がシフトゲートSHの辺と交差する角度が区々であると、電荷転送速度にバラツキが生じる。このため、電荷検出部FDにおける信号検出のタイミングを設定することが困難になる場合がある。
【0024】
図3は、比較例に係る撮像装置2を示す模式図である。撮像装置2は、X方向に並んだ6つの画素PD1~PD6と、電荷検出部FDと、を備える。電荷検出部FDは、画素画列に対して-Y方向に離れた位置に設けられる。
【0025】
図3に示すように、撮像装置2におけるシフトゲートSHの形状は、X方向およびY方向に延びる辺を有する四角形である。シフトゲートSHは、電荷保持部STPに保持された電荷を減らすことなく、電荷転送チャネルCLを介して均等に転送する。このために、一定の面積と辺の長さを有するように設けられる。さらに、シフトゲートSHから電荷検出部FDへ至る距離が短くなるように、シフトゲートSHは、電荷検出部FDに近づけて配置される。
【0026】
一方、出力ゲート部OGPに設けられる電荷転送チャネルCL1~CL6は、シフトゲートSHから電荷検出部FDに至る距離が均等になるように設けられる。さらに、電荷転送チャネルCLの先端は、シフトゲートSHの辺に直交する方向に延びるように設けられる。結果として、
図3に示すように、シフトゲートSH2を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL2は、シフトゲートSH3を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL3から分岐するように設けられる。また、シフトゲートSH5を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL5は、シフトゲートSH4を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL4から分岐するように設けられる。
【0027】
シフトゲート部SHPおよび電荷転送チャネルCLのこのような配置により、撮像装置2におけるシフトゲート部SHPから電荷検出部FDに至る距離は、撮像装置1におけるシフトゲート部SHPから電荷検出部FDに至る距離よりも長くなる。
【0028】
図4(a)および(b)は、第1実施形態に係る撮像装置1の動作を示すタイミングチャートである。
図4(a)は、シフトゲートSHに電圧を印加するタイミングを順に遅らせる動作を表している。
図4(b)は、6つのシフトゲートSHに同時に電圧を印加する動作を表している。
【0029】
図4(a)に示すように、ストレージゲートSTにゲート電圧を印加する。これにより、画素PD1~PD6における光電変換により生じた電荷は、電荷転送部PD1a~PD6aを介して電荷保持部STPへ転送される。
【0030】
続いて、シフトゲートSH1およびSH2にゲート電圧を印加し、電荷保持部STPから電荷転送チャネルCL1およびCL2を介して電荷検出部FDへ電荷を転送させる。これにより、画素PD1およびPD2にて光電変換された電荷に対応する信号が、電荷検出部FDから出力される。
【0031】
次に、所定の時間間隔を置いて、シフトゲートSH3およびSH4に電圧を印加する。このタイミングにおいて、シフトゲートSH1およびSH2はオフされている。これにより、電荷保持部STPから電荷転送チャネルCL3およびCL4を介して電荷検出部FDへ電荷が転送される。電荷検出部FDは、画素PD3およびPD4にて光電変換された電荷に対応する信号を出力する。
【0032】
続いて、シフトゲートSH5およびSH6に電圧を印加する。このタイミングにおいて、シフトゲートSH3およびSH4はオフされている。これにより、電荷保持部STPから電荷転送チャネルCL5およびCL6を介して電荷検出部FDへ電荷が転送される。電荷検出部FDは、画素PD5およびPD6にて光電変換された電荷に対応する信号を出力する。
【0033】
図4(a)中に示すOS1は、撮像装置1の電荷検出部FDから出力される信号波形を表している。OS2は、撮像装置2の電荷検出部FDから出力される信号波形を表している。また、RSは、リセットゲートRSに印加されるゲート電圧を表している。
【0034】
例えば、各シフトゲートSHに印加される電圧の立ち上がりに同期して、リセットゲートRSにパルス電圧が印加される。これにより、電荷検出部FD中の電荷は、リセットドレインRDへ排出され、電荷検出部FDは初期電位に戻る。続いて、電荷保持部STPから転送された電荷(例えば、電子)が到達するにつれて、電荷検出部FDの電位は徐々に低下し、飽和電位に至る。さらに、次のパルス電圧がリセットゲートRSに印加されると、電荷検出部FDの電荷はリセットドレインRDへ排出され、電荷検出部FDは初期電位に戻る。
【0035】
撮像装置1および撮像装置2の出力信号波形を比べると、電荷検出部FDの電位が飽和電位に保持される期間(信号平坦期間)は、撮像装置2よりも撮像装置1の方が長い。すなわち、シフトゲートSHから電荷検出部FDに至る距離が短いため、撮像装置1における電荷の転送が早く完了し、長い信号平坦期間を確保することができる。
【0036】
図4(b)に示す例では、シフトゲートSH1~SH6に同時にゲート電圧を印加する。これにより、画素PD1~PD6において光電変換された電荷が、電荷保持部STPから同時に電荷検出部FDに転送される。電荷検出部FDからの出力信号OS1およびOS2を比べると、このような動作においても、撮像装置1では、撮像装置2の信号平坦期間よりも長い信号平坦期間を確保できることがわかる。
【0037】
本実施形態に係る撮像装置1におけるシフトゲートSH2は、電荷転送チャネルCL2のX方向およびY方向と交差する方向に延在する端部に近接して配置される。シフトゲートSH2の平面形状は、電荷転送チャネルCL2の端部の延在方向と直交もしくは実質的に直交する辺を有する。また、撮像装置1のシフトゲートSH5も同様の平面形状を有する。このような、シフトゲートSH2およびSH5を配置することにより、シフトゲート部SHPから電荷検出部FDへ至る距離を短くすることができる。これにより、電荷の転送時間を短縮し、長い信号平坦期間を確保できる。
【0038】
図5は、第1実施形態の変形例に係る撮像装置3を示す模式図である。撮像装置3は、X方向に並んだ8つの画素PD1~PD8と、電荷検出部FDと、を備える。電荷検出部FDは、画素列から-Y方向に離れた位置に配置される。
【0039】
画素PD1~PD8は、電荷転送部PD1a~PD8aを介して8つの電荷保持部STPに接続される。電荷保持部STPに保持された電荷は、シフトゲート部SHPおよび出力ゲート部OGPを介して電荷検出部FDへ転送される。これにより、電荷検出部FDの電位が変化し、電荷検出部FDは、その電位の変動に対応した信号を出力する。
【0040】
出力ゲート部OGPは、電荷検出部FDの近傍に配置される。シフトゲート部SHPは、出力ゲート部OGPの外縁に沿って設けられる。この例では、8つのシフトゲート部SHPが設けられる。各シフトゲート部SHPは、出力ゲート部OGPと電荷保持部STPとの間に配置される。
【0041】
図5には、8つのストレージゲートSTと、シフトゲートSH1~SH8と、出力ゲートOGの配置が表されている。電荷保持部STPは、ストレージゲートSTと、その直下に位置する部分を含む。シフトゲート部SHPは、シフトゲートSHと、その直下に位置する部分を含む。出力ゲート部OGPは、出力ゲートOGと、その直下に位置する部分とを含む。
【0042】
図5に示すように、シフトゲートSH1およびSH8は、電荷検出部FDよりも画素列から離れた位置に配置される。すなわち、画素列から-Y方向に沿ってシフトゲートSH1もしくはSH8に至る距離は、画素列から-Y方向に沿って電荷検出部FDに至る距離よりも長い。また、シフトゲートSH2~SH7は、例えば、
図1に示すシフトゲートSH1~SH6と同じように配置される。
【0043】
シフトゲートSH1の平面形状は、電荷転送チャネルCL1の先端部に最近接した辺であって、電荷転送チャネルCL1の先端部の延在方向と直交もしくは実質的に直交する辺を含む。電荷転送チャネルCL1の先端部は、X方向およびY方向と交差する方向に延在する。電荷転送チャネルCL1は、シフトゲートSH2を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL2から分岐するように設けられる。
【0044】
シフトゲートSH8の平面形状は、電荷転送チャネルCL8の先端部に最近接した辺であって、電荷転送チャネルCL8の先端部の延在方向と直交もしくは実質的に直交する辺を含む。電荷転送チャネルCL8の先端部は、X方向およびY方向と交差する方向に延在する。電荷転送チャネルCL8は、シフトゲートSH7を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL7から分岐するように設けられる。
【0045】
さらに、シフトゲートSH3の平面形状は、電荷転送チャネルCL3の先端部に最近接する辺であって、電荷転送チャネルCL3の先端部の延在方向と直交もしくは実質的に直交する辺を含む。電荷転送チャネルCL3の先端部は、X方向およびY方向と交差する方向に延在する。
【0046】
また、シフトゲートSH6の平面形状は、電荷転送チャネルCL6の先端部に最近接する辺であって、電荷転送チャネルCL6の先端部の延在方向と直交もしくは実質的に直交する辺を含む。電荷転送チャネルCL6の先端部は、X方向およびY方向と交差する方向に延在する。
【0047】
シフトゲートSH1~SH8および電荷転送チャネルCL1~CL8のこのような配置により、各シフトゲートSHから電荷検出部FDに至る距離を均等に形成し、その距離を短縮することができる。また、電荷の転送距離を短くすることは、撮像装置全体のサイズを縮小することにつながり、製造コストを低減することもできる。
【0048】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る撮像装置4を示す模式図である。撮像装置4は、X方向に並んだ6つの画素PD1~PD6と、電荷検出部FDと、を備える。電荷検出部FDは、画素列から-Y方向に離れた位置に配置される。
【0049】
図6には、6つのストレージゲートSTと、シフトゲートSH1~SH6と、出力ゲートOGの配置が表されている。電荷保持部STPは、ストレージゲートSTと、その直下に位置する部分を含む。シフトゲート部SHPは、シフトゲートSHと、その直下に位置する部分を含む。出力ゲート部OGPは、出力ゲートOGと、その直下に位置する部分とを含む。
【0050】
図6に示すように、シフトゲートSH1~SH6は、出力ゲートOGの画素列側の外縁に沿って配置される。出力ゲート部OGPは、電荷検出部FDから各シフトゲート部SHPに向かって放射状に延在する電荷転送チャネルCL1~CL6を含む。
【0051】
シフトゲートSH1~SH6は、その平面形状が電荷転送チャネルCLの先端部に最近接した角を有し、且つ、その角部が出力ゲートOGの内側に向かって突出するように設けられる。出力ゲートOGは、その外縁がシフトゲートSH1~SH6の角部に対応して内側に後退した形状を有するように設けられる。
【0052】
シフトゲートSH1~SH6および電荷転送チャネルCL1~CL6のこのような配置により、各シフトゲートSHから電荷検出部FDに至る距離を均等に形成し、その距離を短縮することができる。
【0053】
図7は、第2実施形態の変形例に係る撮像装置5を示す模式図である。撮像装置5は、X方向に並んだ8つの画素PD1~PD8と、電荷検出部FDと、を備える。電荷検出部FDは、画素列から-Y方向に離れた位置に配置される。
【0054】
図7には、8つのストレージゲートSTと、シフトゲートSH1~SH8と、出力ゲートOGの配置が表されている。シフトゲートSH1およびSH8は、電荷検出部FDよりも画素列から離れた位置に配置される。すなわち、画素列から-Y方向に沿ってシフトゲートSH1もしくはSH8に至る距離は、画素列から-Y方向に沿って電荷検出部FDに至る距離よりも長い。また、シフトゲートSH2~SH7は、例えば、
図6に示すシフトゲートSH1~SH6と同じように配置される。
【0055】
出力ゲート部OGPは、電荷検出部FDからシフトゲート部SHPに向かって放射状に延在する電荷転送チャネルCL2~CL7を含む。電荷転送チャネルCL1は、シフトゲートSH2を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL2から分岐するように設けられる。電荷転送チャネルCL8は、シフトゲートSH7を含むシフトゲート部SHPと電荷検出部FDとを結ぶ電荷転送チャネルCL7から分岐するように設けられる。
【0056】
シフトゲートSH1~SH8は、その平面形状が電荷転送チャネルCLの先端部に最近接した角を有し、且つ、その角部が出力ゲートOGの内側に向かって突出するように設けられる。出力ゲートOGは、その外縁がシフトゲートSH1~SH8の角部に対応して内側に後退した形状を有するように設けられる。
【0057】
シフトゲートSH1~SH8および電荷転送チャネルCL1~CL8のこのような配置により、各シフトゲートSHから電荷検出部FDに至る距離を均等に形成し、その距離を短縮することができる。また、電荷の転送距離を短くすることは、撮像装置全体のサイズを縮小することにつながり、製造コストを低減することもできる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1、2、3、4、5・・・撮像装置、 CH1、CH2・・・チャネル、 CL、CL1~CL8・・・電荷転送チャネル、 FD・・・電荷検出部、 OG・・・出力ゲート、 OGP・・・出力ゲート部、 PD、PD1~PD8・・・画素、 PD1a~PD8a・・・電荷転送部、 RD・・・リセットドレイン、 RS・・・リセットゲート、 SH、SH1~SH8・・・シフトゲート、 SHP・・・シフトゲート部、 SS・・・半導体基板、 ST・・・ストレージゲート、 STP・・・電荷保持部