(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】レンズのコーティングのための装置、方法および使用
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
C23C14/34 J
C23C14/34 B
(21)【出願番号】P 2018517475
(86)(22)【出願日】2016-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2016025062
(87)【国際公開番号】W WO2016202468
(87)【国際公開日】2016-12-22
【審査請求日】2019-05-29
(32)【優先日】2015-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2015-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2015-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517440265
【氏名又は名称】シュナイダー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コムパニー コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ヒュッテンヒュイス シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】フーア マルクス
【審査官】松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-355068(JP,A)
【文献】特表2015-511667(JP,A)
【文献】特表2010-537041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパッタリング、特にマグネトロンスパッタリングによってレンズ(2)をコーティングする装置(1)であって、
少なくとも1つのターゲット(4)と、
コーティングされるべき少なくとも1枚のレンズ(2)を保持するキャリヤ(10)とを有し、
前記ターゲット(4)は、細長くまたは管状であり、前記レンズ(2)は、中心のかつ/あるいは前記レンズ(2)と交差する軸線(A)回りに回転することができ、
前記軸線(A)は、前記ターゲット(4)に対して静止している、装置において、
前記レンズ(2)は、前記ターゲット(4)上にオフセンタ状態で、そして前記ターゲット(4)の各々の1つの端部領域またはその付近に配置され、前記レンズ(2)は、コーティング中、前記ターゲット(4)の除去のレートプロフィール(P)の第1の少なくとも本質的に均一の領域(B1)と第2の非均一の領域(B2)の両方に配置されている、装置。
【請求項2】
前記キャリヤ(10)を、回転可能であるように保持された少なくとも2枚のレンズ(2)と一緒に交換することができる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ターゲット(4)は、前記ターゲット(4)の
長手方向広がり(L)にわたって変化するとともに特に前記細長いターゲット(4)の端部に向かって減少する外径を有する、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記キャリヤ(10)は、前記レンズ(2)を前記ターゲット(4)に対して静止位置に保持する、請求項1~3のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項5】
2枚のレンズ(2)が前記ターゲット(4)の
長手方向広がり(L)に関して対称に位置決めされている、請求項1~4のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項6】
前記キャリヤ(10)は、2枚のレンズ(2)を前記ターゲット(4)の互いに反対側の端領域上に保持する、請求項1~5のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項7】
前記ターゲット(4)を回転させることができる、請求項1~6のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項8】
前記装置(1)は、互いに平行に延びるとともに/あるいはカソードおよびアノードとして交互に作用させることができる2つの細長くかつ/あるいは管状のターゲット(4)を有する、請求項1~7のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項9】
4枚のレンズ(2)が2つの前記ターゲット(4)上に配置されており、すなわち、2枚のレンズ(2)がそれぞれ1つのターゲット(4)上に配置されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記装置は複数の前記ターゲット(4)を備え、前記複数のターゲット(4)の各々の長手方向広がり(L)は共通平面内で延び、1枚または複数の前記レンズ(2)の1本または複数の前記軸線(A)が前記共通平面に対して垂直に延びている、請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
前記キャリヤ(10)は、回転可能に結合された数枚のレンズ(2)を保持している、請求項1~10のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項12】
前記キャリヤ(10)は、数枚のレンズ(2)を保持するよう設計され、前記レンズ(2)をこれら自体の軸線(A)回りに回転させることができる、請求項1~11のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項13】
前記装置(1)は、前記キャリヤ(10)を前記装置(1)および/またはそのコーティングチャンバ(7)内に挿入する際または前記キャリヤ(10)を前記装置(1)および/またはそのコーティングチャンバ(7)内に押し込む際、前記キャリヤを駆動装置または歯車によって前記装置(1)の駆動装置(11)に結合することができまたは自動的に結合される、請求項1~12のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項14】
前記駆動装置(11)は前記キャリヤ(10)の前記レンズ(2)を全て共同して駆動する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記キャリヤ(10)は、レンズ(2)を重心が静止した状態でかつ/あるいは中心が回転可能な仕方で保持している、請求項1~14のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項16】
前記レンズ(2)の前記軸線(A)は、割り当てられた前記ターゲット(4)と交差する、請求項1~15のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項17】
細長いまたは筒状のターゲット(4)のスパッタリングによってレンズ(2)の湾曲面をコーティングする方法であって、
コーティングされるべき少なくとも1枚のレンズ(2)がキャリヤ(10)に保持され、
前記レンズ(2)は、中心のかつ/あるいは前記レンズ(2)と交差する軸線(A)回りに回転し、
前記軸線(A)は、前記ターゲット(4)に対して静止している、方法において、
前記レンズ(2)は、前記ターゲット(4)上にオフセンタ状態で、そして前記ターゲット(4)の各々の1つの端部領域またはその付近に保持され、前記レンズ(2)は、コーティング中、前記ターゲット(4)の除去のレートプロフィール(P)の第1の少なくとも本質的に均一の領域(B1)と第2の非均一の領域(B2)の両方に保持されている、方法。
【請求項18】
前記レンズ(2)を1対ずつコーティングする、請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載されたレンズのコーティング装置、請求項16の前提部に記載されたレンズのコーティング方法、ならびに請求項18または20の前提部に記載されたレンズのコーティングのための管状ターゲットの使用に関する。
【0002】
本発明は、一般に、カソードスパッタリングとも呼ばれるスパッタリングによるレンズのコーティングに関する。このようにする際、原子が高エネルギーイオンの衝突によって、固体、いわゆるターゲットからはじき出され、そして気相の状態に移る。具体的に言えば、本発明は、印加される電界に加えて、カソードおよび/またはターゲットの後ろに磁界もまた存在するいわゆるマグネトロンスパッタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
実際には、たとえ先行技術がスパッタリングのための多くの種々の装置および方法を開示していたとしても、コーティングされるべきレンズの一様なコーティングを達成することは困難である。
【0004】
独国特許第4010495(C2)号明細書は、スパッタリングによって物質で基板をコーティングする装置を開示しており、基板は、静止軸線回りに回転することができ、基板表面に対して傾けられた状態に保たれる2つのターゲットが基板に割り当てられる。この場合、一様なコーティングを達成することはできず、または達成できるとしても最善でも多大な困難を必ず伴う。
【0005】
独国実用新案第29505497(U1)号明細書は、スパッタリングによってレンズをコーティングするコーティングステーションを開示しており、レンズを平坦なスパッタリング源上で惑星のような配置状態で動かす。この場合、構成上の労力は相当なものであり、コーティングステーションへのコーティングされるべきレンズの供給は、複雑である。さらに、最適な均一のコーティングを達成することができずまたは達成できるとしても多大な困難を必ず伴う。
【0006】
国際公開第03/023813(A1)号パンフレットは、パルスマグネトロンスパッタリングによるレンズのコーティング装置を開示しており、レンズは、平行に延びる2つの管状ターゲットの長手方向広がりに沿って直線的に動かされ、更にそのようにする際に回転する。この場合、レンズの一様なコーティングを達成することができずまたは達成できるとしても最善でも多大な困難を必ず伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許第4010495(C2)号明細書
【文献】独国実用新案第29505497(U1)号明細書
【文献】国際公開第03/023813(A1)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、レンズをコーティングする装置、方法および使用を提供し、特にレンズの湾曲面の極めて一様なコーティングが単純な構造および/または単純な供給方式で可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、請求項1に記載された装置、請求項16に記載された方法、または請求項18もしくは20に記載された使用によって達成される。有利な実施形態は、従属形式の請求項の内容である。
【0010】
本発明の一観点によれば、この装置は、好ましくは、細長いまたは管状のターゲットを有し、コーティングされるべきレンズをターゲットに対して静止している軸線回りに回転させるのが良い。特に、このようにする際、レンズを直線的に動かすことができず、好ましくは、レンズは、静止配置状態であり、ターゲットおよびレンズが好ましくは、静止軸線回りにそれぞれ回転する。かくして、低い構成上の労力でレンズの特に一様なコーティングを達成することができる。
【0011】
本発明の別の観点によれば、コーティングされるべきレンズを、好ましくは、ターゲットの除去のレートプロフィールの第1の少なくとも本質的に均一の領域と第2の不均一の領域の両方においてターゲットの上方に保持し、そしてそのようにする際に回転させる。かくして、特に湾曲したレンズ表面の特に一様なコーティングが実施可能である。
【0012】
特に、コーティングされるべきレンズを細長いまたは管状のターゲット上で1つの端部領域内にまたはその付近に保持する。かくして、ターゲットのちょうど端に向かって増大する送り出しレートの特に良好な利用およびかくして原子化ターゲット材の改良された利用が得られる。
【0013】
本発明の別の観点によれば、好ましくは2つの細長くかつ/あるいは管状の、特に互いに平行なターゲットがレンズの湾曲面のコーティングのために用いられ、レンズは、ターゲット上で1対ずつ配置され、好ましくは1つの静止軸線回りに回転する。これにより、レンズの簡単でコンパクトな構造、極めて一様なコーティングが達成できる。
【0014】
本発明の別の観点によれば、本装置は、好ましくは、少なくとも2枚のレンズと一緒に交換可能な1つのキャリヤを有する。これにより、装置の極めて簡単でかつ迅速な供給が可能である。
【0015】
同様に、別個独立に実施できる本発明の別の観点によれば、好ましくは軸方向広がりまたは長手方向広がりにわたって変化する外径を備えた1つのターゲットがレンズのコーティングのために用いられる。かくして、特にレートプロフィールに影響を及ぼすことができ、特に一様に作ることができるとともに/あるいは特にレンズへの極めて一様なもしくはより一様なコーティングまたはレンズに対する他の何らかのコーティング特性を達成することができまたはその実現を容易にすることができる。
【0016】
上述の観点ならびに以下の説明から明らかになる本発明の観点を互いに別個独立に、しかしながら任意の組み合わせ状態によっても実現することができる。
【0017】
本発明の別の観点、別の利点および別の特徴は、特許請求の範囲の記載および図面を用いた1つの好ましい例示の実施形態についての以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】レンズのコーティングのための実施形態としての装置の断面図である。
【
図3】概略的に指示したレートプロフィールを有する本装置の概略側面図である。
【
図4】
図2の装置の概略平面図であるが、レンズが交互に配置された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、レンズ2、好ましくは特にプラスチックの、光学またはオフサルミックレンズおよび/または眼鏡用レンズのコーティングのための実施形態としての装置1を極めて概略的な断面図で示している。
【0020】
装置1は、カソード(陰極)スパッタリングともよばれるスパッタリングによってレンズ2をコーティングするよう設計されている。特に好ましくは、いわゆるマグネトロンスパッタリングが行われる。電気的に印加されるフィールド(電界)に加えて、このようにする際、磁界もまた用いられるとともに/あるいは印加され、これについては以下に詳細に説明する。
【0021】
特に好ましくは、レンズ2の湾曲した、特に凹状の表面を本発明に従ってコーティングする。かかる湾曲した表面の1つが右側に示されているレンズ2について
図1に概略的に示されている。しかしながら、原理的には、レンズ2の凸状表面または他の表面もまた、それに応じてコーティングすることができる。
【0022】
装置1は、少なくとも1つのスパッタリング源3、この場合好ましくは2つのスパッタリング源3を有する。
【0023】
装置1またはそれぞれのスパッタリング源3は、その物質がコーティングおよび/またはスパッタリング中に離脱し除去される1つのターゲット4を有し、このターゲット4は、特にガス雰囲気の他の成分と一緒に、コーティングされるべきそれぞれのレンズ2またはその表面上に所望のコーティングを形成する。
【0024】
図2は、装置1またはスパッタリング源3を概略平面図で示している。
【0025】
図示の実施例のスパッタリング源3および/またはターゲット4は、好ましくは、少なくとも本質的に細長くかつ/あるいは管状のまたは円筒形に作られている。
【0026】
ターゲット4は、特に中空の円筒形および/または管状に作られている。
【0027】
スパッタリング源3および/またはターゲット4は、好ましくは、互いに平行に配置される。
【0028】
好ましくは、ターゲット4を回転軸線D回りに回しまたは回転させることができる。回転軸線Dは、好ましくは一共通表面内にかつ/あるいは特に
図1および
図2に示されているように互いに平行に延びているが、変形例として、互いに対して傾けられても良い。回転軸線Dは、好ましくは、スパッタリング源3の長手方向軸線に一致する。
【0029】
特に好ましくは、スパッタリング源3および/またはターゲット4は、構造的に同一であるとともに/あるいは同一に構成され、その結果、主として1つのスパッタリング源3および/または1つのターゲット4の構造だけについて以下において説明する。しかしながら、スパッタリング源3およびターゲット4は、原理的には、互いに別構成にしても良い。
【0030】
スパッタリング源3は、好ましくは、上述の磁界を発生させるためのそれぞれのターゲット4およびかくして
図1に概略的に示されているように有向性スパッタリングクラウドSに割り当てられた1つの磁石構造体5を有する。特に、磁石構造体5は、それぞれのターゲット4の下にかつ/あるいは中に配置される。
【0031】
装置1は、スパッタリング源3および/またはターゲット4を特に交互にカソードとして動作させるためにかつ/あるいは所要の電圧を特にパルスの形態でスパッタリングのためにスパッタリング源3および/またはターゲット4に印加することができるようにするために、
図1に示されているように電圧源6を有する。
【0032】
特に好ましくは、スパッタリング源3および/またはターゲット4を動作させるとともに/あるいはスパッタリング源3および/またはターゲット4に直流電流(パルス)を交互に加える。これは、「バイポーラ(双極性)DC」とも呼ばれる。変形例として、一方のスパッタリング源3および/またはターゲット4をカソードとして用い、他方のスパッタリング源3および/または他方のターゲット4をアノードとして用いる。
【0033】
変形例として、交流電流または他の何らかのモードでの動作が可能である。
【0034】
代替的にまたは追加的に、1つまたは2つ以上の追加のまたは別個のアノードを用いても良く、ただしこれは、好ましくはない場合がある。
【0035】
装置1は、好ましくは1つのコーティングチャンバ7を有し、このコーティングチャンバ内で、コーティングが行われるとともに/あるいはスパッタリング源3がこのコーティングチャンバ内に配置される。
【0036】
カソードおよびアノードとしてのスパッタリング源3および/またはターゲット4の好ましい交互の動作により、ハウジング側または固定状態の対向電極は、必要ではない。特に、コーティングチャンバ7は、対向電極としては用いられない。このように、対向電極に対するターゲット材の望ましくない汚れおよび/または被着を最小限に抑えることができるとともに/あるいは特に安定した方法またはコーティングもまたコーティングチャンバ7の汚れとは無関係に達成することができる。したがって、このようにすると、所要のクリーニングおよび保守を軽減することができる。
【0037】
さらに、ターゲット4を極めて容易に交換することができる。これはまた、点検整備を容易にする。
【0038】
コーティングチャンバ7を特にこの場合概略的にしか示されていない手段8、例えば連結部、真空ポンプなどによって所望の仕方で排気することができる。
【0039】
装置1および/またはコーティングチャンバ7は、好ましくは、特にコーティング空間中に延びるガスランス(gas lance)の形態をした概略的に示されているガス供給源9を有する。
【0040】
装置1は、好ましくは、
図1に示されているようにレンズ2を保持する1つのキャリヤ10を有する。
【0041】
キャリヤ10は、説明の目的上、
図2および他の図には示されていない。
【0042】
コーティングされるべきレンズ2を、好ましくは各々、軸線A回りに回しまたは回転させることができる。装置1および/またはキャリヤ10は、レンズ2の対応した回転的保持および特に対応した駆動のために設計されている。特に、装置1は、好ましくはキャリヤ10のレンズ2を全て共同して駆動するために
図1に概略的に示されているに過ぎない対応の回転駆動装置11を有する。
【0043】
好ましくは、キャリヤ10は、装置1および/またはコーティングチャンバ7内で同時にコーティングされている少なくとも2枚のレンズ2または全てのレンズ2もしくはこの場合4枚のレンズ2と一緒に交換可能である。
【0044】
特にキャリヤ10は、レンズ2を特にこれら自体のかつ/あるいは互いに異なる軸線A回りに回転させることができ、特に好ましくはレンズ2を回転可能に互いに結合することができるようレンズ2を保持する。特に好ましくは、キャリヤ10は、例えば
図1に概略的に示されているように対応の歯車を介する回転カップリング12を有する。
【0045】
好ましくは、キャリヤ10それ自体をコーティング中に動かさず、キャリヤ10によって保持されたレンズ2だけを回転させる。好ましくは、装置1および/またはコーティングチャンバ7中へのキャリヤ10の挿入時または押し込み時、キャリヤ10を駆動的にまたは伝動により自動的に結合することができ、または駆動装置または歯車により特に装置1の回転駆動装置11などに結合することができる。
【0046】
キャリヤ10により、コーティングされるべきレンズ2を装置1および/またはコーティングチャンバ7に迅速に供給することができるとともに/あるいはコーティング済みレンズ2を迅速に取り出すことができる。
【0047】
装置1および/またはコーティングチャンバ7には好ましくは、コーティングされるべきレンズ2およびキャリヤ10を図示されていない接近開口部を経て供給するのが良い。接近開口部は、好ましくはキャリヤ10によってまたは図示していないクロージャによって特にガス密状態に封止するのが良い。
【0048】
コーティングチャンバ7は、好ましくは、コーティングのためにガス密状態に密閉されるのが良い。
【0049】
キャリヤ10は、好ましくは、一般にレンズ2のコーティングのための装置内で、特にかくしてスパッタリング以外のコーティング方法の場合にも使用できる。
【0050】
ターゲット4の回転軸線Dおよび/または長手方向広がりLは、好ましくは、共通平面内で、特に好ましくは水平面内で延びる。
【0051】
レンズ2は、好ましくは、上述した平面の上方に配置される。
【0052】
好ましくは、各レンズ2は、割り当てられたターゲット4上に配置される。「~上」という用語は、割り当てられたターゲット4に対して垂直高さに関する場合があるとともに/あるいはターゲット4と交差する少なくとも1本の表面法線および特に好ましくは特にその回転軸線Dを有するコーティングされるべきレンズ2の表面に関する場合がある。
【0053】
好ましくは、レンズ2は、1つのスパッタリング源3および/または1つのターゲット4に1対ずつ割り当てられる。
【0054】
特に、2枚のレンズ2が
図2に示されるとともに
図3の概略側面図に示されているようにそれぞれ共通のターゲット4の上方に配置される。
【0055】
特に好ましくは、装置1および/またはキャリヤ10は、2つの対をなすレンズ2、したがって全部で4枚のレンズ2に対応するよう設計されており、2枚のレンズ2は、それぞれ共通のスパッタリング源3および/または共通のターゲット4に割り当てられる。共通のターゲット4に割り当てられるかかる1対のレンズ2の好ましい配置および位置合わせ状態について以下に詳細に説明する。これらの記述および説明は、特に、他の対をなすレンズ2にそれなりに当てはまる。というのは、装置1および/または装置1内におけるレンズ2の配置状態は、特に好ましくは、
図1および
図2の中間平面Mに関して大部分について対称であり、中間平面Mは、図面の平面上に垂直に立っている。
【0056】
共通ターゲット4に割り当てられているレンズ2は、好ましくは、ターゲット4の長手方向広がりLおよび/または回転軸線Dに平行に一方向にオフセットした状態で配置されている。この方向は、特に
図3に概略的に示されている図では、X方向またはX軸とも呼ばれる。
【0057】
レンズ2および/またはこれらの軸線Aは、好ましくはターゲット4の長手方向広がりLに関して対称に配置されるとともに/あるいは軸方向またはX方向で見てターゲット4のそれぞれの端からオフセットまたは距離Eを有する。
【0058】
特に、レンズ2は、
図1および
図2に示されているようにそれぞれのターゲット4の一方の端領域またはその付近に配置されている。
【0059】
図3の記載は、コーティング中、軸方向位置またはX位置の関数としてターゲット4の除去レートまたは率Rを定量的に示している。このように、Xにわたり、したがってターゲット4の長手方向広がりLの方向におけるレートRのレートプロフィールPが生じる。
【0060】
レートプロフィールPは、均一のターゲット4の中間軸方向領域に第1の少なくとも本質的に均一の領域B1を有する。かくして、第1の領域B1のレートRは、少なくとも本質的に一定でありかつ/あるいはこの領域B1ではターゲット4の軸方向広がりに沿って変化するが、その変化の度合いは最大でも極めて僅かであり、特に5%未満である。好ましくは、本発明における「本質的に一定」という表現は、長手方向軸線Lに沿う、この場合領域B1にある、レートRは、5%未満だけ変化することを意味している。
【0061】
レートプロフィールPは、更に、第2の非均一のまたは不均一の領域B2を有する。この第2の領域B2では、レートRは、極めて大きく変化し、特にターゲット4の端に向かって大きく増大し、特に好ましくは、その増大率は、10%を超える。
【0062】
第2の領域B2内におけるターゲット4および/またはそれぞれの磁石構造体5の端に向かって増大するターゲット4の除去レートRは、端領域で増大する磁界強度によって説明できる。
【0063】
図3は、示した意味における第2の領域B2が第1の領域B1の両側にかつ/あるいはターゲット4のそれぞれの端よりに隣接して位置することを示している。
【0064】
レンズ2は、好ましくは各々、ターゲット4上でこの場合軸方向広がりLおよび/またはX方向に配置され、レンズ2は、第1の領域B1と第2の領域B2の両方内に配置されまたはこれら領域とオーバーラップしている。特に好ましくは、それぞれのレンズ2の中央および/または軸線Aは、第1の領域B1から第2の領域B2への移行部の付近に配置されている。この移行部からの軸線Aのずれは、好ましくは、レンズ直径の30%未満、特に20%未満、特に好ましくは10%未満である。
【0065】
コーティング中における軸線A回りのレンズ2の回転を考慮して、第1の領域B1と第2の領域B2の両方におけるレンズ2の上述の配置状態が特に一様なコーティングを生じさせることができるということが判明した。
【0066】
レンズ2がコーティング中に回転する中心となる軸線Aは、好ましくは、静止しておりあるいはターゲット4またはスパッタリング源3もしくは回転軸線Dに対して固定されている。
【0067】
特に、一方でスパッタリング源3および/またはターゲット4および/または回転軸線D間の、他方においてコーティングされるべき1つまたは複数のレンズ2および/または軸線A相互間の、直線運動および/または重心運動、例えば円形運動が回避されまたは阻止される。これにより、特に簡単な構造が得られる。
【0068】
ターゲット4のそれぞれの端からのレンズ2の回転軸線Aのオフセットまたは距離Eは、好ましくは、レンズ直径および/またはターゲット直径の1.0倍または1.5倍を超える。
【0069】
距離Eは、好ましくは固定される。オプションとして、ターゲット4のそれぞれの端からのレンズ2の回転軸線Aの距離Eの適合または調節は、コーティングされるべきレンズ2または表面の直径および/または曲率および/または形状の関数として行われる。
【0070】
割り当てられたターゲット4からのレンズ2の距離(垂直距離)Zが
図1に示されており、この距離は、好ましくは、レンズ直径またはターゲット直径の1.0倍を超える。
【0071】
割り当てられたターゲット4からのレンズ2の距離(垂直距離)Zは、好ましくは、60mmを超えかつ/あるいは150mm未満、特に130mm未満である。
【0072】
距離Zは、好ましくは固定される。オプションとして、割り当てられたターゲット4からのレンズ2の距離(垂直距離)Zの適合または調節は、コーティングされるべきレンズ2または表面の直径および/または曲率および/または形状の関数として行われる。
【0073】
ターゲット直径は、好ましくは、約70~130mmである。
【0074】
好ましくは、ターゲットの直径(外径)は、長さ全体にわたって少なくとも本質的に一定である。
【0075】
かくして、ターゲット4は、好ましくは円柱にまたは中空の円筒形に作られる。
【0076】
共通のターゲット4に割り当てられている2枚のレンズ2の軸線Aは、好ましくは、一共通平面内でかつ特に互いに平行に延びる。
【0077】
軸線Aは、好ましくは、ターゲット平面および/または回転軸線Dの共通平面および/または割り当てられたターゲット4の回転軸線Dに対して横方向にまたは垂直に延びる。
【0078】
軸線Aは、これらの共通平面内において、互いに対して傾けられても良く、特に、互いにまたは外側に対してあるいは互いに遠ざかって傾けられても良い。したがって、この場合、レンズ2は、互いに近づけられまたは互いに遠ざけられ、特にオプションとして、2枚のレンズ2のコーティングされるべき表面が互いに向かって幾分傾けられるとともに/あるいはそれぞれのターゲット4の中央の方へ幾分向くようになっている。したがって、回転軸線Dに対する軸線Aの傾斜角度Nは、
図3に示されているように好ましくは90°からずれる場合があり、かつ90°未満であるのが良く、例えば約70°~85°、または90°を超え、例えば約95°~110°であるのが良い。
【0079】
傾斜角度Nは、好ましくは固定される。しかしながら、特に好ましくは、傾斜角度Nの適合または調節は、コーティングされるべきレンズ2または表面の直径および/または曲率および/または形状の関数として行われる。
【0080】
レンズ2の回転軸線Aはまた、Y方向、かくして水平方向における回転軸線Dに対して横の方向にかつ/あるいはターゲット4の2つの回転軸線D相互間の中間に向かってシフトされても良く、特に、オフセットまたは距離Vが右側に配置されたレンズ2について(当然のことながら、同じことは、好ましくは、左側に配置されたレンズ2にも当てはまる)
図1に示されているようにレンズ軸線Aと割り当てられたターゲットの軸線Dとの間に生じる。オフセットまたは距離Vは、レンズ直径および/またはターゲット直径の好ましくは20%未満、特に10%未満である。
【0081】
距離Vは、好ましくは固定される。オプションとして、レンズ軸線Aと割り当てられたターゲットの軸線Dとの間の距離Vの適合または調節は、コーティングされるべきレンズ2または表面の直径および/または曲率および/または形状の関数として行われる。
【0082】
好ましくは、傾斜角度Nおよび/または軸線Aの配置場所または距離E、Vおよび/またはZは、キャリヤ10によって定められる。
【0083】
ガス供給源9は、好ましくは、スパッタリング源3および/またはターゲット4の下にかつ/あるいはその相互間に、特に好ましくは装置1および/またはコーティングチャンバ7の中間平面Mに配置される。
【0084】
ガス供給源9は、好ましくは、管状および/またはロッド状に設計されるとともに/あるいは、上に向くとともに/あるいは好ましくは列をなして配置されるガス出口を備える。
【0085】
コーティング中に生じるスパッタリングクラウドS、すなわちスパッタリングされたターゲット材は、それぞれ、上述の磁界および/または磁石構造体5によって少なくとも本質的に所望の方向に案内される。磁石構造体5の対応の配置または向きによって、
図1に破線で示されているスパッタリングクラウドSのこの主要な伝播方向Hに影響を及ぼすことができ、特に、かかる主伝播方向Hを磁石構造体5の対応の配置または向きによって定めることができる。
【0086】
図示の実施例では、回転軸線Dに垂直な断面および/または2つのターゲット4の平面内における主要な方向Hは、好ましくは、互いにかつ/あるいは角度W(平行な向きから始まる)だけ傾けられる。好ましくは、角度Wは、特に磁石構造体5の対応の調節またはトリガによって設定できまたはこの角度を適合させることができる。
【0087】
角度Wは、好ましくは、10°未満、特に7°未満、特に好ましくは5°未満である。
【0088】
上述したように、2つのスパッタリングクラウドSの主要な方向Hはまた、互いに平行にかつ/あるいはターゲット4の延長平面および/または回転軸線Dを含む平面に垂直に延びるのが良い。
【0089】
好ましくは、主要方向Hは、垂直方向上方に延びまたはかかる一方向成分を含む。変形例として、主要方向Hの水平位置合わせが存在する。レンズ2およびスパッタリング源3および/またはターゲット4の配置は、この場合、当然のことながらそれに応じて選択されなければならない。
【0090】
好ましくは、実施形態としての装置1および実施形態による方法におけるレンズ2は、各々、第1の領域B1と第2の領域B2の両方の中に保持され、そしてそのようにする際に回される。これにより、特に均一のコーティングを生じさせることができる。
【0091】
特に好ましくは、レンズ2は、1対ずつコーティングされ、特に、2対のレンズ2が同時にコーティングされる。しかしながら、原理的には、実施形態としての装置1内で1対のレンズ2だけをコーティングすることもまた可能である。これを行うため、この場合、2枚のレンズを好ましくは共通のターゲット4上にかつ/あるいは一変形構成例において
図4に概略的に示されているように2つのターゲット4相互間に配置する。
【0092】
好ましくは、レートプロフィールPは、装置1および/またはコーティングチャンバ7内における分配ダイアフラムなどによって影響を受けずまたは均一化されない。これは、特にかかるダイアフラム上の望ましくない付着物に関して有利である。
【0093】
別個独立に実施することも可能な本発明の一観点によれば、ターゲット4の外径は、
図3において2点鎖線またはターゲット表面Tによって概略的に示されているように、軸方向広がりもしくは長さまたは長手方向広がりLにわたって変化しても良い。
【0094】
特に、ターゲット4は、端領域上よりも中央において厚く作られるのが良くかつ/あるいは例えば樽型に作られるのが良い。
【0095】
レンズ2の中間部および/またはレンズ2の回転軸線A相互間および/または領域B2(もしそうでない場合に生じる)相互間において、ターゲット4の外径は、好ましくは、少なくとも本質的に一定でありかつ/あるいは例えば、
図3に示されているようにターゲット4の端の直径よりも4%を超えて大きい。
【0096】
特に、外径を特に領域B2内におけるターゲット4の端領域よりでのみ減少させまたは縮小させるのが良くかつ/あるいはターゲット4の長さLの25%未満だけ端領域でのみ減少させまたは縮小させるのが良い。
【0097】
原理的には、長手方向広がりLにおける外径は、任意の形状を有しても良く、必要ならば、(部分的に)凸状、凹状、または波形であっても良い。
【0098】
好ましくは、ターゲット4の外径は、ターゲット4の長手方向広がりまたは長さLにわたって4%を超えて変化する。
【0099】
特に好ましくは、レートプロフィールPは、ターゲット4の長さLにわたる外径の変化によって所望の仕方で変更され、例えば、一様に(より一様に)作られる。
【0100】
外径の変化の代替手段としてまたは追加例として、磁石構造体5の磁界および/または磁界強度もまた、ターゲット4および/またはスパッタリング源3の長さLにわたって変化しても良く、特に、端に向かって減少しても良くかつ/あるいは中央の領域で特に4%を超えて大きくなっても良く、その目的は、レートプロフィールPを所望の仕方で変更することにあり、特に好ましくはレートプロフィールを一様に(より一様に)するとともに/あるいはたとえターゲット4の外径が変化している場合であっても、特にオプションとして漸変する外径を考慮に入れて、ターゲット表面上の磁界のある特定のまたは所望のかつ/あるいは少なくとも本質的に一定の強度を達成することにある。
【0101】
外径および/または磁界の上述の変化は、好ましくは、レートプロフィールPを一様に(より一様に)し、レートプロフィールを変更しまたは固定して特にターゲット4に対するコーティングされるべきレンズ2の位置決め(例えば、レンズ2の回転軸線Aの存在場所およびレンズ2の距離)を考慮に入れるとともに/あるいはコーティングされるべきレンズ2の表面の形状および/または寸法を考慮に入れて、レンズ2の所望のコーティングを達成することができまたは達成し、このコーティングは、特に、一様でありまたは他のなんらかの仕方で定められ、あるいは、このコーティングは、オプションとして非一様でもあり、例えば縁に向かって増大しまたは減少する。
【0102】
レンズ2は、好ましくはそれぞれの軸線Aを中心として、特にレンズ2の幾何学的中心に関して回転する。
【0103】
図示されていない一形態によれば、レンズ2は、オプションとして、回転軸線Aに対して偏心的に回転してもよくかつ/あるいはクランプされても良い。この場合、偏心度は、好ましくは、レンズ2の半径よりも小さく、オプションとして、これより大きくても良い。
【0104】
特に、回転軸線Aは、かくして、それぞれのレンズ2と交差する。
【0105】
軸線Aは、それぞれのレンズ2の主平面に垂直に延びる。
【0106】
レンズ2の各々を好ましくはそれ自体の軸線A回りに回転させることができる。
【0107】
軸線Aは、好ましくは、割り当てられたターゲット4の長手方向広がりまたは回転軸線Dに対して横方向に、オプションとしてこれに垂直に延びる。
【0108】
特に、それぞれのレンズ2の回転軸線Aは、
図1に示されているように割り当てられたターゲット4と交差しまたはオプションとして割り当てられたターゲット4の長手方向軸線または回転軸線Dと交差する。
【0109】
コーティング中および/または回転中におけるレンズ2は、好ましくは、割り当てられたターゲット4または側部がコーティングされるべき2つの割り当てられたターゲット4の方へ常時向く。
【0110】
好ましくは、それぞれのターゲット4の回転軸線Dは、コーティングされるべきレンズ2または表面の任意のまたは少なくとも1つの表面法線に垂直に延びる。
【0111】
レンズ2の光学中心または幾何学的中心の表面法線を回転軸線Aまたは回転軸線Dに対して傾けることができる。
【0112】
レンズ中心は、好ましくは、ターゲット4のX方向および/または長手方向広がりで見てそれぞれのターゲット4に関して対称に配置される。
【0113】
コーティングされるべきレンズ2および/またはこれらの幾何学的中心または光学中心は、好ましくは、少なくとも本質的に共通平面内に配置され、この平面は、特に好ましくは、スパッタリング源3および/またはターゲット4の広がり平面または回転軸線Dに平行に延びる。
【0114】
実施形態としての装置1および/または実施形態としての方法またはレンズ2のコーティングのための実施形態としての管状の互いに平行なターゲット4の使用に関し、好ましくは、0.001~20nm/s、特に0.005nm/s~2.5nm/sのコーティングレートが達成される。
【0115】
レンズ2の回転速度は、好ましくは、10~200rpm、特に約40~120rpmである。
【0116】
レンズ2の直径は、好ましくは、約40~85mmである。
【0117】
ターゲット4の回転速度は、好ましくは、約3~30rpmである。
【0118】
好ましくは、レンズ2の回転速度は、
図4の回転速度よりも大きく、特に、この回転速度は、ターゲット4の回転速度の2倍または3倍を超える。
【0119】
コーティング時間は、好ましくは、約4~7分である。
【0120】
実施形態としての装置1または実施形態としての方法または実施形態としての使用は、好ましくは、1つまたは2つ以上の反射防止層を被着させるために用いられる。
【0121】
実施形態によれば、特に反応性コーティングが行われ、この場合、作業ガス(貴ガス)特にアルゴンへの反応性ガス、例えば窒素、水素および/または酸素の対応の供給により、ターゲット材は、このガスと反応することができ、レンズ2に被着された所望のコーティングを形成することができる。
【0122】
コーティング中、装置1および/またはコーティングチャンバ7は、好ましくは約0.005Pa~0.5Paの圧力まで排気される。
【0123】
特に、レンズ2のコーティングのための装置1、方法および使用が提案され、この場合、コーティングされるべきレンズは、これらが各々ターゲット4の均一または非均一の除去領域B1,B2の両方とオーバーラップするよう互いに平行な管状ターゲット4上に1対ずつ配置されるとともにレンズ2は、特に一様なコーティングを達成することができるよう回転する。
【符号の説明】
【0124】
1 装置
2 レンズ
3 スパッタリング源
4 ターゲット
5 磁石構造体
6 電源
7 コーティングチャンバ
8 排気手段
9 ガス供給源
10 キャリヤ
A レンズの回転軸線
B1 第1の領域
B2 第2の領域
D ターゲットの回転軸線
E レンズ軸線・ターゲット端相互間距離
H 主要方向
L ターゲットの長手方向広がりおよび/または長さ
M 中央平面
N 傾斜角度
P レートプロフィール
S スパッタリングクラウド
T ターゲット表面
V レンズ軸線・ターゲット軸線間距離
W 角度
Z レンズ・ターゲット間距離