(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】3次元プリントシステムおよび装置アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B29C 64/245 20170101AFI20220113BHJP
B29C 64/357 20170101ALI20220113BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20220113BHJP
B29C 64/171 20170101ALI20220113BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220113BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220113BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20220113BHJP
【FI】
B29C64/245
B29C64/357
B29C64/165
B29C64/171
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y80/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019117984
(22)【出願日】2019-06-26
(62)【分割の表示】P 2017017254の分割
【原出願日】2013-08-30
【審査請求日】2019-07-01
(32)【優先日】2012-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515060458
【氏名又は名称】アプレシア・ファーマスーティカルズ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】チェドク・ユ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・ブラッドベリー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・ベブ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・イスクラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・エル・サプレナント
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジー・ウエスト
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0126157(US,A1)
【文献】特表2009-508723(JP,A)
【文献】特表2009-538226(JP,A)
【文献】国際公開第2012/076205(WO,A1)
【文献】特開2000-127250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0089078(US,A1)
【文献】特開2011-156783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B22F 3/105,3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたはそれ以上の側壁と、堅固な高さ調節可能なプラットフォームと、堅固な高さ調節可能なプラットフォームよりも上に重ねて配置された着脱可能な有孔の構築プレートと
からなり、1つまたはそれ以上の側壁は堅固な高さ調節可能なプラットフォームを囲んでその内部で堅固な高さ調節可能なプラットフォームが上昇または下降する空洞を画成しており、着脱可能な有孔の構築プレートは複数の孔を有する、3次元プリント装置のための構築モジュール。
【請求項2】
複数の孔が均一に離間した、請求項1に記載の構築モジュール。
【請求項3】
着脱可能な構築プレートの表面が粗面である、請求項1または2に記載の構築モジュール。
【請求項4】
着脱可能な構築プレートの形状が角丸の矩形である、請求項1~3のいずれか1項に記載の構築モジュール。
【請求項5】
着脱可能な構築プレートの形状が1つの凸端部を持つ矩形である、請求項1~3のいずれか1項に記載の構築モジュール。
【請求項6】
着脱可能な構築プレートの形状が弾丸状の外形である、請求項1~3のいずれか1項に記載の構築モジュール。
【請求項7】
a.各構築モジュールがコンベヤ係合部を有する、複数の請求項1~6のいずれか1項に記載の構築モジュール;および
b.通路に沿って複数の構築モジュールを案内するコンベヤシステム;
を含む、3次元プリント装置アセンブリ。
【請求項8】
さらに、
c.コンベヤに係合された構築モジュールの堅固な高さ調節可能なプラットフォーム上
に1つまたはそれ以上の着脱可能な有孔の構築プレートを配置するように適用される構築プレート装填システムを含む、請求項7に記載の3次元プリント装置アセンブリ。
【請求項9】
さらに、
d.複数の構築モジュールのそれぞれの着脱可能な有孔の構築プレート上に、それぞれ1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を形成する少なくとも1つの構築ステーションであって、構築モジュール中の着脱可能な有孔の構築プレート上に粉末を分配する粉末分配領域、およびプリント液体が粉末上に分配されることにより着脱可能な有孔の構築プレート上に3次元プリント物品を含む三次元プリント床を形成するプリント領域を含む、少なくともひとつの構築ステーション;
を含む、請求項7または8に記載の3次元プリント装置アセンブリ。
【請求項10】
さらに、
e. それぞれの着脱可能な有孔の構築プレートおよびその上のそれぞれの3次元プリント床を複数の構築モジュールの各々から離れる方へ移送する床移送システム;および
f. 3次元プリント床中の1つまたはそれ以上の3次元プリント物品からルース粉末を分離し、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を取り入れる、取入れシステムを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の3次元プリント装置アセンブリ。
【請求項11】
さらに、
g. ルース粉末コレクタ;及び
h. 3次元プリント物品コレクタ
を含む、請求項7~10のいずれか1項に記載の3次元プリント装置アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたはそれ以上の粉末および粉末に付加された1つまたはそれ以上の液体から物品の3次元プリントを調製するための製造システムおよび装置アセンブリおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ラピッドプロトタイピングとは、物体のコンピュータモデルから物体の3次元試作品を作製するための種々の技術を表すものである。1つの技術は、プリンタを使用して複数の2次元層から3D試作品を作成する3次元プリントである。特に、3D物体のデジタル表現がコンピュータメモリに記憶される。コンピュータソフトウェアは、物体の表現を複数の別個の2D層に区分する。あるいは、各増分層(incremental layer)についての命令の流れ(一連の連続したもの)、例えば一連の画像を直接入力することができる。その後、3Dプリンタは、ソフトウェアにより区分された各々の2D画像層について結合材料の薄層を作製する。層が共に重なってプリントされ、互いに接着して所望の試作品を形成する。
【0003】
3次元粉末液体プリント技術を使用して、医薬品剤形、機械試作品および概念モデル、機械部材の鋳型、骨成長促進インプラント、電子回路基板、組織工学用スキャフォールド、応答性医用複合材(responsive biomedical composite)、組織成長促進インプラント、歯修復物、宝飾品、流体フィルタ、およびその他のこのような物品等の物品が調製されている。
【0004】
3次元プリントは、粉末の薄層が表面上に広げられ、粉末の選択された領域が流体の制御付着(プリント)によって共に結合される固体自由造形作製技術/ラピッドプロトタイピング技術である。この基本動作が層ごとに繰り返され、各々の新しい層が上に形成されて、前にプリントされた層に接着することにより、最終的に非結合粉末の床(bed)の内部に3次元物体を作る。プリントされた物体が十分な結合力を有するとき、物体を非結合粉末から分離することができる。
【0005】
物品の3次元プリントのためのシステムおよび装置アセンブリが市販されており、または他社により使用されている:Massachusetts Institute of
Technology Three-Dimensional Printing Laboratory(Cambridge、MA)、Z Corporationの3DPおよびHD3DP(登録商標)システム(Burlington、MA)、The Ex One Company、L.L.C.(Irwin、PA)、Soligen(Northridge、CA)、Specific Surface Corporation(Franklin、MA)、TDK株式会社(日本、千葉県)、Therics L.L.C.(Akron、OH、現在はIntegra Lifesciencesの一部)、Phoenix Analysis&Design Technologies(Tempe、AZ)、Stratasys,Inc.のDimension(登録商標)システム(Eden Prairie、MN)、Objet Geometries(Billerica、MAまたはRehovot、Israel)、Xpress3D(Minneapolis、MN)、および3D SystemsのInvision(登録商標)システム(Valencia、CA)。
【0006】
いくつかのシステムが特許文献に記載されている:特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許
文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29、特許文献30、特許文献31、特許文献32、特許文献33、特許文献34、特許文献35、特許文献36、特許文献37、特許文献38、特許文献39、特許文献40、特許文献41、特許文献42、特許文献43、特許文献44、特許文献45、特許文献46、特許文献47、特許文献48、特許文献49、特許文献50、特許文献51、特許文献52、特許文献53、特許文献54、特許文献55、特許文献56、特許文献57、特許文献58、特許文献59、特許文献60、特許文献61、特許文献62、特許文献63、特許文献64、特許文献65、特許文献66、特許文献67、特許文献68、特許文献69、特許文献70、特許文献71、特許文献72、特許文献73、特許文献74、特許文献75、特許文献76、特許文献77、特許文献78、特許文献79、特許文献80、特許文献81、特許文献82、特許文献83、特許文献84、特許文献85、特許文献86、特許文献87、特許文献88、特許文献89、特許文献90、特許文献91、特許文献92、特許文献93、特許文献94、特許文献95、特許文献96、特許文献97、特許文献98、特許文献99、特許文献100、特許文献101、特許文献102、特許文献103、特許文献104、特許文献105、特許文献106、特許文献107、特許文献108、特許文献109、特許文献110、特許文献111、特許文献112、特許文献113、特許文献114、特許文献115、特許文献116、特許文献117、特許文献118、特許文献119、特許文献120、特許文献121、特許文献122、特許文献123、特許文献124、特許文献125、特許文献126、特許文献127、特許文献128、特許文献129、特許文献130、特許文献131、特許文献132、特許文献133、特許文献134、特許文献135、特許文献136、特許文献137、特許文献138、特許文献139。これらは、その構成により円筒座標(動径座標または極座標)に基づくシステムを使用している。
【0007】
動径座標または極座標に基づくプリントシステムを使用する3次元プリントシステムは、各噴射位置が異なる半径方向位置にあると、各噴射位置の真下にある基板の表面速度が変化することが必要になるため不利である。表面速度は、回転中心から最も離れた噴射位置に関して最高となる。これは、入力画像または場合により駆動周波数を調節することによって、すべての噴射位置にわたってプリント密度を標準化することにより補償することができる。しかしながら、これらの補償方法では、半径方向にプリントされた物体は、真の複製品とは対照的に、互いに模倣するに過ぎない。液滴が粉末床に入る角度もまた半径方向位置と共に変化し、異なる位置にプリントされた物体に微妙な差がさらに生じる。複数のプリントヘッドの位置合わせおよび交互配置は、半径方向プリントの別の欠点である。これらは実行可能であるが、デカルト座標システムの場合よりも複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第20080281019号
【文献】米国特許出願公開第20080277823号
【文献】米国特許出願公開第20080275181号
【文献】米国特許出願公開第20080269940号
【文献】米国特許出願公開第20080269939号
【文献】米国特許出願公開第20080259434号
【文献】米国特許出願公開第20080241404号
【文献】米国特許出願公開第20080231645号
【文献】米国特許出願公開第20080229961号
【文献】米国特許出願公開第20080211132号
【文献】米国特許出願公開第20080192074号
【文献】米国特許出願公開第20080187711号
【文献】米国特許出願公開第20080180509号
【文献】米国特許出願公開第20080138515号
【文献】米国特許出願公開第20080124464号
【文献】米国特許出願公開第20080121172号
【文献】米国特許出願公開第20080121130号
【文献】米国特許出願公開第20080118655号
【文献】米国特許出願公開第20080110395号
【文献】米国特許出願公開第20080105144号
【文献】米国特許出願公開第20080068416号
【文献】米国特許出願公開第20080062214号
【文献】米国特許出願公開第20080042321号
【文献】米国特許出願公開第20070289705号
【文献】米国特許出願公開第20070259010号
【文献】米国特許出願公開第20070252871号
【文献】米国特許出願公開第20070195150号
【文献】米国特許出願公開第20070188549号
【文献】米国特許出願公開第20070187508号
【文献】米国特許出願公開第20070182799号
【文献】米国特許出願公開第20070182782号
【文献】米国特許出願公開第20070168815号
【文献】米国特許出願公開第20070146734号
【文献】米国特許出願公開第20060268057号
【文献】米国特許出願公開第20060268044号
【文献】米国特許出願公開第20060230970号
【文献】米国特許出願公開第20060141145号
【文献】米国特許出願公開第20060127153号
【文献】米国特許出願公開第20060111807号
【文献】米国特許出願公開第20060110443号
【文献】米国特許出願公開第20060099287号
【文献】米国特許出願公開第20060077241号
【文献】米国特許出願公開第20050054039号
【文献】米国特許出願公開第20060035034号
【文献】米国特許出願公開第20060030964号
【文献】米国特許出願公開第20050247216号
【文献】米国特許出願公開第20050204939号
【文献】米国特許出願公開第20050197431号
【文献】米国特許出願公開第20050179721号
【文献】米国特許出願公開第20050104241号
【文献】米国特許出願公開第20050069784号
【文献】米国特許出願公開第20050061241号
【文献】米国特許出願公開第20050059757号
【文献】米国特許出願公開第20040265413号
【文献】米国特許出願公開第20040262797号
【文献】米国特許出願公開第20040252174号
【文献】米国特許出願公開第20040243133号
【文献】米国特許出願公開第20040225398号
【文献】米国特許出願公開第20040187714号
【文献】米国特許出願公開第20040183796号
【文献】米国特許出願公開第20040145781号
【文献】米国特許出願公開第20040145628号
【文献】米国特許出願公開第20040145267号
【文献】米国特許出願公開第20040143359号
【文献】米国特許出願公開第20040141043号
【文献】米国特許出願公開第20040141030号
【文献】米国特許出願公開第20040141025号
【文献】米国特許出願公開第20040141024号
【文献】米国特許出願公開第20040118309号
【文献】米国特許出願公開第20040112523号
【文献】米国特許出願公開第20040056378号
【文献】米国特許出願公開第20040012112号
【文献】米国特許出願公開第20040005360号
【文献】米国特許出願公開第20040005182号
【文献】米国特許出願公開第20040004653号
【文献】米国特許出願公開第20040004303号
【文献】米国特許出願公開第20040003741号
【文献】米国特許出願公開第20040003738号
【文献】米国特許出願公開第20030207959号
【文献】米国特許出願公開第20030198677号
【文献】米国特許出願公開第20030143268号
【文献】米国特許出願公開第20020125592号
【文献】米国特許出願公開第20020114652号
【文献】米国特許出願公開第20020079601号
【文献】米国特許出願公開第20020064745号
【文献】米国特許出願公開第20020033548号
【文献】米国特許出願公開第20020015728号
【文献】米国特許出願公開第20010028471号
【文献】米国特許出願公開第20010017085号
【文献】米国特許第5,490,962号
【文献】米国特許第5,204,055号
【文献】米国特許第5,121,329号
【文献】米国特許第5,127,037号
【文献】米国特許第5,252,264号
【文献】米国特許第5,340,656号
【文献】米国特許第5,387,380号
【文献】米国特許第5,490,882号
【文献】米国特許第5,518,680号
【文献】米国特許第5,717,599号
【文献】米国特許第5,851,465号
【文献】米国特許第5,869,170号
【文献】米国特許第5,874,279号
【文献】米国特許第5,879,489号
【文献】米国特許第5,902,441号
【文献】米国特許第5,934,343号
【文献】米国特許第5,940,674号
【文献】米国特許第6,007,318号
【文献】米国特許第6,146,567号
【文献】米国特許第6,165,406号
【文献】米国特許第6,193,923号
【文献】米国特許第6,200,508号
【文献】米国特許第6,213,168号
【文献】米国特許第6,336,480号
【文献】米国特許第6,363,606号
【文献】米国特許第6,375,874号
【文献】米国特許第6,416,850号
【文献】米国特許第6,508,971号
【文献】米国特許第6,530,958号
【文献】米国特許第6,547,994号
【文献】米国特許第6,596,224号
【文献】米国特許第6,772,026号
【文献】米国特許第6,838,035号
【文献】米国特許第6,850,334号
【文献】米国特許第6,905,645号
【文献】米国特許第6,945,638号
【文献】米国特許第6,989,115号
【文献】米国特許第7,220,380号
【文献】米国特許第7,291,002号
【文献】米国特許第7,365,129号
【文献】米国特許第7,435,368号
【文献】米国特許第7,455,804号
【文献】米国特許第7,686,955号
【文献】米国特許第7,828,022号
【文献】米国特許第8,017,055号
【文献】PCT国際公開公報第WO00/26026号
【文献】PCT国際公開公報第WO98/043762号
【文献】PCT国際公開公報第WO95/034468号
【文献】PCT国際公開公報第WO95/011007号
【文献】欧州特許第1,631,440号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、3次元プリントによる物品の調製に有用な製造システムおよび装置アセンブリを提供する。システムおよびアセンブリを、最小の製品損失、高い効率、柔軟な物品設計に関連した高い製品再現性で、高スループットの連続製造、半連続製造、またはバッチ製造に使用することができる。
【0010】
本発明は、
a)3次元プリント構築システムであって:
複数の構築モジュール(build module)を案内する(conduct)ように適用されたコンベヤシステムと;
コンベヤシステムに係合され、粉末層化システムから粉末を受けて一時的に保持するように適用された複数の構築モジュールと;
1)構築モジュール内に増分粉末層を形成するように適用された少なくとも1つの粉末層化システム;および2)所定のパターンに従って構築モジュール内の増分粉末層に液体を付加するように適用された少なくとも1つのプリントシステムを含む少なくとも1つの構築ステーションと;
を含む3次元プリント構築システムを含み、
コンベヤシステムは構築モジュールを少なくとも1つの粉末層化システムから少なくとも1つのプリントシステムへ繰返し輸送して、構築モジュール内に1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を含む3次元プリント床を形成する、3次元プリント装置アセンブリ
を提供する。
【0011】
一部の実施形態では、3次元プリント装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の3次元プリント床を受けて、液体が付加された1つもしくはそれ以上の粉末層および/または3次元プリント床から液体を除去するように適用された少なくとも1つの液体除去システムをさらに含む。
【0012】
一部の実施形態では、構築モジュールは、粉末の少なくとも1つの増分層または複数の積層増分層を受けて一時的に保持するように適用された徐々に高さ調節可能なプラットフォームを含む。一部の実施形態では、構築モジュールは、空洞のある上面を含む本体と、空洞内に配置された高さ調節可能な構築プラットフォームと、本体およびプラットフォームに係合された高さ調節器と、係合手段とを含む。一部の実施形態では、複数の構築モジュールは、コンベヤシステムに着脱可能に係合される。一部の実施形態では、プラットフォームは、粉末増分層を上に配置した後に1つまたはそれ以上の増分だけ下降(後退)および/または上昇するように適用される。次の粉末増分層をプラットフォーム上に配置する前または後にプラットフォーム変位が生じることにより、既に置かれた粉末層から粉末の一部を押し広げる(press-rolling)、または除去することができる。一部の実施形態では、増分の大きさは予め決定される。一部の実施形態では、構築モジュールは、構築プレートを囲み、かつ高さ調節可能なプラットフォーム上に粉末を保持するように適用された1つまたはそれ以上の側壁を含む。一部の実施形態では、構築モジュールは、構築モジュールの上面よりも下に配置された着脱可能な構築プレートをさらに含む。一部の実施形態では、着脱可能な構築プレートは、高さ調節可能なプラットフォームよりも上に配置され、1つまたはそれ以上の粉末増分層を受けて支持するように適用される。一部の実施形態では、着脱可能な構築プレートは、平坦、多孔、有孔、テクスチャ加工、被覆、刻み付き(knurled)、平滑、またはこれらの組合せである。一部の実施形態では、係合手段は、構築モジュールをコンベヤシステムに着脱可能に係合させるように適用される。
【0013】
一部の実施形態では、コンベヤシステムは、平面遠回り経路(circuitous path)、水平遠回り経路、垂直遠回り経路、またはこれらの組合せに沿って複数の構築モジュールを案内する。一部の実施形態では、コンベヤシステムは、複数の構築モジュールを経路に沿って反時計方向または時計方向に輸送するように適用される。一部の実施形態では、モジュール式コンベヤシステムの経路は、円形、楕円形、矩形、半円形、正方形、三角形、五角形、六角形、八角形、長円形、多角形、平行四辺形、四辺形、幾何形状、対称、非対称、または丸い角部および/もしくは縁部を有するこれらの相当形状である。一部の実施形態では、モジュール式コンベヤシステムは、複数のコンベヤモジュール、少なくとも1つの駆動モータ、少なくとも1つの位置決めコントローラ、および複数の構築モジュールが案内される経路を含む。一部の実施形態では、コンベヤモジュールは、本体、1つまたはそれ以上の構築モジュール係合手段、および複数のコンベヤモジュールが係合してモジュール式コンベヤを形成するように適用されるコンベヤモジュール係合手段を含む。一部の実施形態では、コンベヤシステムは、複数の構築モジュールを着脱可能に保持するように適用された複数のアタッチメントを含む。一部の実施形態では、アタッチメントは、カム従動子を有する1つまたはそれ以上の金属リンクを含み、または構築モジュールに付けられ、かつ構築モジュールが案内されるレールシステムに取り付けられたホイール、プレートおよび/もしくは軸受を含む。一部の実施形態では、コンベヤシステムが、1つまたはそれ以上の位置決めコントローラをさらに含む。一部の実施形態では、コンベヤシステムは、連続または不連続ループシステムである。
【0014】
一部の実施形態では、少なくとも1つの構築ステーションは構築モジュールに関して徐々に高さ調節可能であり、これにより、構築モジュールと構築ステーションとの間の垂直
空間を1つまたはそれ以上の増分だけ調節することができる。一部の実施形態では、徐々に高さ調節可能な構築ステーションは、構築モジュールに粉末層を配置した後および構築モジュールに次の粉末層を配置する前に1つまたはそれ以上の増分だけ上昇するように適用される。一部の実施形態では、高さの変化は、プラットフォームの前の位置に関して、または構築モジュールに対するプラットフォームの絶対位置に関して垂直位置を変化させることにより達成される。一部の実施形態では、構築ステーションは構築モジュールに関して垂直に固定され、構築モジュール内の構築プラットフォームは構築モジュールに関して垂直に高さ調節可能であって、構築ステーションと構築モジュールとの間の垂直距離は、プリントラップ(lap)またはプリントサイクルの間、同一のままである。
【0015】
一部の実施形態では、増分の大きさは、構築サイクルの各増分層について同一であるか、構築サイクルの1つもしくはそれ以上の増分層について異なるか、またはこれらの組合せである。構築サイクルは、1つまたはそれ以上の構築ラップまたは複数の構築ラップを含み、3次元プリント物品を形成するのに必要な構築ラップの合計として定義される。構築ラップは、プリント増分層を形成するプロセス、すなわち粉末構築材料の増分層を配置し、その上に液体を付着させる(プリントする)プロセスとして定義される。したがって、構築サイクルにより、互いに接着して共に3次元プリント物品を形成する複数の積層プリント増分層が形成される。
【0016】
一部の実施形態では、少なくとも1つの粉末層化システムは、少なくとも1つの粉末充填ヘッドを含む。一部の実施形態では、粉末充填ヘッドが固定であり、粉末増分層を構築モジュールに付加するときに、粉末充填ヘッドが構築モジュールの上面の平面に関して縦方向にも横方向にも動かないことを意味する。一部の実施形態では、粉末充填ヘッドは、少なくとも1つの粉末充填ヘッド本体、少なくとも1つの粉末スプレッダ、および少なくとも1つの粉末高さコントローラを含む。一部の実施形態では、粉末層化システムは、粉末充填ヘッド、少なくとも1つの粉末溜め、および粉末溜めから粉末充填ヘッドへ粉末を移送するように適用された粉末フィーダ管を含む。一部の実施形態では、粉末スプレッダは円筒形ローラであり、その軸は、粉末層化システムを通る構築モジュールの直線運動方向とは反対の半径方向の運動方向を有するか、または定義する。一部の実施形態では、粉末スプレッダは円筒形ローラ、バー、ロッド、プレート、または真直ぐな平滑縁部である。一部の実施形態では、粉末充填ヘッドはホッパまたはシュートを含む。
【0017】
一部の実施形態では、少なくとも1つのプリントシステムは、極(動径)座標アルゴリズム(円筒座標システム、円座標システム、または球座標システム)ではなくデカルト座標アルゴリズムに従って粉末に液体を付加する(付着させる)ように適用される。一部の実施形態では、プリントシステムは、構築ステーションおよび少なくとも1つの液体供給システム内で粉末増分層に液体を付着させるように適用された少なくとも1つのプリントヘッドを含む。プリントヘッドは、1つもしくはそれ以上のプリントモジュールまたは複数のプリントモジュールを含むことができる。一部の実施形態では、本発明は、極(動径)座標システムのみに従って粉末に液体を付加するように適用されたプリントシステムを除外する。一部の実施形態では、本発明は、粉末充填ヘッドが、増分粉末層を付着させつつ、構築モジュールに関して左右方向もしくは横方向に動く、もしくは固定ではない装置アセンブリまたは方法を除外する。一部の実施形態では、本発明は、プリントヘッドが、増分粉末層に液体を付加しつつ、構築モジュールに関して左右方向もしくは横方向に動く、もしくは固定ではない装置アセンブリまたは方法を除外する。
【0018】
一部の実施形態では、少なくとも1つのプリントシステムは、1つもしくはそれ以上の物品を画成する液滴の3次元パターンとしてまたは液滴の複数の2次元パターンとして液体を付加する(付着させる)ように適用される。一部の実施形態では、パターンは、1つまたはそれ以上の物品内に等間隔で配置された液滴を含む。一部の実施形態では、このパ
ターンは1つまたはそれ以上の物品内に不均等な間隔で配置された液滴を含む。一部の実施形態では、このパターンは、物品の異なる領域内に異なる間隔を有する液滴を含む。一部の実施形態では、このパターンは、物品の外側を画成する領域に、より密な間隔(すなわち、より高いプリント密度)を有する液滴を含む。一部の実施形態では、このパターンは、物品内部の領域に、より緩い間隔(すなわち、より低いプリント密度)を有する液滴を含む。
【0019】
一部の実施形態では、2つ以上のパターンが使用される。一部の実施形態では、2つ以上の液体が使用される。一部の実施形態では、液体は、純溶媒、溶媒の混合物、溶液、懸濁液、コロイド、エマルジョン、溶融液、またはこれらの組合せである。
【0020】
一部の実施形態では、プリントヘッドおよび粉末充填ヘッドの両方が、プリント増分層の形成中に固定であり、または本明細書に特に記載のない限り固定である。
【0021】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、3次元プリント床を一度に1つまたはそれ以上、3次元プリント構築システムから離れる方へ移送するように適用された床移送システムをさらに含む。一部の実施形態では、床移送システムは、3次元プリント床を、1つもしくはそれ以上の液体除去システムおよび/または1つもしくはそれ以上の取入れシステムへ移送するように適用される。一部の実施形態では、移送システムは、コンベヤシステム、液体除去システム、または両方と一体化される。
【0022】
一部の実施形態では、液体除去システムは少なくとも1つの乾燥器を含む。一部の実施形態では、液体除去システムは、2つまたはそれ以上の構築プレートおよびその内容物を一度に処理するように適用される。一部の実施形態では、液体除去システムは、2つまたはそれ以上のプリント床を一度に処理するように適用される。一部の実施形態では、液体除去システムは、2つまたはそれ以上のプリント物品を一度に処理するように適用される。
【0023】
一部の実施形態では、3次元プリント粉末床は、ルース粉末(loose powder)(非結合)から1つまたはそれ以上のプリント物品を取り入れる(harvest)前に、ルース(非結合)粉末と1つまたはそれ以上の3次元プリント物品とを含む。一部の実施形態では、装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品からルース粉末を分離するように適用された1つまたはそれ以上の取入れシステムを含む。一部の実施形態では、取入れシステムは、液体除去システムによって既に処理されたプリント床を処理する。一部の実施形態では、取入れシステムは、ルース粉末コレクタと3次元プリント物品コレクタとを含む。一部の実施形態では、取入れシステムは、3次元プリント粉末床もしくは3次元プリント物品を受けるように適用された振動面または周回面を含む。一部の実施形態では、取入れシステムは、ルース粉末から物品を分離するスクリーンを有する真空コンベヤを含む。振動面は、プリント物品からルース粉末を分離可能にするために、有孔、無孔、波形、平滑、または非平滑であってよい。
【0024】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、プリント粉末床から取り入れられたプリント物品からルース粒子を除去するように適用された除塵システムをさらに含む。除塵システムは、除塵領域を画成するハウジングと、加圧空気を除塵領域内へ向ける1つまたはそれ以上のエアジェット、例えば、1つまたはそれ以上のエアナイフと、除塵中の1つまたはそれ以上のプリント物品を一時的に保持するための、除塵領域内の1つまたはそれ以上の面またはリテーナと、空気および除去された粒子がハウジングまたは除塵領域から退出する1つまたはそれ以上の出口とを含むことができる。
【0025】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の構築モジュールの高さ
調節可能なプラットフォームに、1つまたはそれ以上の構築プレートを配置するように適用された構築プレート装填システムをさらに含む。
【0026】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、装置アセンブリの1つまたはそれ以上のシステムから粉末を収集して粉末溜めへ戻すように適用された1つまたはそれ以上の粉末回収システムをさらに含む。回収システムは、1つまたはそれ以上のルース粉末コレクタと、1つまたはそれ以上のコレクタから粉末溜めへルース粉末を案内するための1つまたはそれ以上の導管とを含むことができる。回収システムは、a)回収されたルース粉末を未使用のルース粉末と混合するための1つもしくはそれ以上の粉末ミキサ;b)1つの位置から別の位置へのルース粉末の移送を促進させる1つもしくはそれ以上の加圧空気粉末処理システム;c)1つの位置から別の位置へのルース粉末の移送を促進させる1つもしくはそれ以上の真空粉末処理システム;d)1つの位置から別の位置へルース粉末を移送する1つもしくはそれ以上の機械粉末処理システム;e)1つの位置から別の位置へルース粉末を移送する1つもしくはそれ以上の手動粉末処理システム;またはf)これらの組合せをさらに含むことができる。
【0027】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、1つまたはそれ以上のコンピュータ化コントローラと、1つまたはそれ以上のコンピュータと、1つまたはそれ以上のコンピュータのための1つまたはそれ以上のユーザインタフェースとを含む制御システムをさらに含む。一部の実施形態では、装置アセンブリの1つまたはそれ以上の部品はコンピュータ制御される。一部の実施形態では、3次元プリント構築システムの1つまたはそれ以上の部品はコンピュータ制御される。一部の実施形態では、コンベヤシステム、構築モジュールの高さ調節可能なプラットフォーム、少なくとも1つの粉末層化システム、および少なくとも1つのプリントシステムは、コンピュータ制御される。一部の実施形態では、装置アセンブリが、コンピュータ化コントローラによって与えられる命令に従って、粉末層を広げて、液体の液滴を層に所定のパターンで付着させる(プリントする)ように適用される。一部の実施形態では、所定のパターンは、画素を含む1つまたはそれ以上の2次元画像ファイルに基づく。一部の実施形態では、2次元画像ファイルは、ある画素が液滴の分配を示し、他の画素が液滴の分配がないことを示すように適用される。一部の実施形態では、2次元画像ファイルは異なる色の画素を含んで、異なる液体の分配、または液体の分配がないことを示す。
【0028】
一部の実施形態では、液体を付加するための所定のパターンは、各増分層において同一であるか、2つ以上の増分層において同一であるか、1つもしくはそれ以上の増分層において異なるか、すべての増分層において異なるか、または、増分層の第1の群について同一であり増分層の第2の群について同一であるが、第1の群のパターンが第2の群のパターンとは異なる。
【0029】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の作業面、テーブル、ガントリ、エンクロージャ、および/またはプラットフォームをさらに含む。
【0030】
本発明はまた、
a)3次元プリント構築システムであって:
複数の構築モジュールを案内するように適用され、位置決めコントローラおよび複数の構築モジュール係合部を含むコンベヤシステムと;
コンベヤシステムに係合され、粉末層化システムから粉末を受けて一時的に保持するように適用され、徐々に高さ調節可能なプラットフォーム、プラットフォームより上に配置されたオプションの構築プレート、ならびにプラットフォームおよびオプションの構築プレートを内部に配置可能な空洞を画成する1つまたはそれ以上の側壁を含む複数の構築モジュールと;
1)構築モジュールの空洞内に増分粉末層を形成するように適用され、少なくとも1つの粉末充填ヘッド、少なくとも1つの粉末スプレッダ、および少なくとも1つの粉末溜めを含む、少なくとも1つの粉末層化システム、ならびに2)構築モジュール内の増分粉末層に所定のパターンに従って液体を付加するように適用され、少なくとも1つの液体供給システム、および構築モジュール内の粉末増分層に所定のパターンに従って液体を付着させるように適用された少なくとも1つのプリントヘッドを含む少なくとも1つのプリントシステムを含む、少なくとも1つの構築ステーションとを含み;
コンベヤシステムは、複数の構築モジュールを少なくとも1つの粉末層化システムから少なくとも1つのプリントシステムへ繰返し輸送するように適用され、
これにより、3次元プリント構築システムは、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品と、場合により、プリントされていないルース(非結合または部分的にのみ結合した)粉末とを含む3次元プリント床を形成する、3次元プリント構築システムと;
b)3次元プリント床内の1つまたはそれ以上の3次元プリント物品からルース粉末を分離するように適用された少なくとも1つの取入れシステムと;
c)場合により、液体が付加された1つもしくはそれ以上の増分粉末層および/または3次元プリント床から液体を除去するように適用され、2つまたはそれ以上の構築モジュールを一度に処理するように適用された、少なくとも1つの液体除去システムとを含む、3次元プリント装置アセンブリを提供する。
【0031】
本発明の一部の実施形態は:1)少なくとも1つの液体除去システムが存在し、2)装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を包装するように適用された少なくとも1つの包装システムをさらに含み;3)コンベヤシステムは、複数の構築モジュールを少なくとも1つの粉末層化システムから少なくとも1つのプリントシステムへ、半径状ではなく直線状に繰返し輸送するように適用されることにより、動径(極座標)プリントではなくデカルト座標プリントを促進し;4)装置アセンブリは、プリントされていない粉末を回収、および場合により再利用するための粉末回収システムをさらに含み;5)装置アセンブリは液体検出器をさらに含み;6)液体検出器は、1つもしくはそれ以上のプリント増分層および/または1つもしくはそれ以上のプリント物品内における液体の存在を検出し;7)装置アセンブリは検査システムをさらに含み;8)検査システムは、1つまたはそれ以上のプリント増分層および/または1つもしくはそれ以上のプリント物品内のプリントの完全性を判定し、かつ/または粉末が1つもしくはそれ以上の増分層に適切に付加されたか否かを判定するプリント粉末検査システムであり;9)プリントの完全性を判定することは、1つまたはそれ以上の所定のパターンに従って1つまたはそれ以上の増分層に液体が正確に付加されたか否かを判定すること、および/または所定の量に従って液体が1つもしくはそれ以上の増分層に正確に付加されたか否かを判定することの少なくとも一方を含み;10)検査システムは、1つもしくはそれ以上のプリント物品が、正確な大きさ、形状、重量、外観、密度、含有量および/または色を有するか否かを判定するプリント物品検査システムであり;11)検査システムは、プリントヘッドにより粉末に付加される液体の液滴を監視する液体付加検査システムであり;12)検査システムは1つもしくはそれ以上のカメラを含み;ならびに/あるいは13)カメラが、可視波長カメラ、紫外線波長カメラ、近赤外線波長カメラ、X線カメラ、および赤外線波長カメラからなる群からそれぞれ独立して選択されるものである。
【0032】
本発明は、実施形態、下位実施形態、および本明細書に開示された態様のすべての組合せを含む。したがって、本発明は、本明細書に詳細に開示され、広く開示され、または狭く開示された実施形態および態様、ならびにそれらの組合せ、ならびに前記実施形態および態様の個々の要素の下位の組合せを含む。
【0033】
本発明のその他の特徴、利点、および実施形態が、例を伴う以下の説明から当業者に明らかになろう。
【0034】
以下の図面は本説明の一部をなし、特許請求された発明の例示的な実施形態を説明するものである。これらの図面は、必ずしも縮尺通りに描かれたものではなく、むしろ本明細書でさらに説明される本発明の一般的な原理を示すためのものである。提示した図面を特に参照しながら特定の実施形態について以下で説明するが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の実施形態が可能である。当業者は、本明細書の図面および説明に照らして、必要以上の実験を行うことなく本発明を実施することができよう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の3次元プリント装置アセンブリの例示的なレイアウトの上面図である。
【
図2】
図2Aは、本発明の例示的な構築モジュールの正面図である。
図2Bは、
図2Aの構築モジュールの部分斜視側面図である。
図2Cは、セグメント式またはモジュール式コンベヤシステムの3つのセグメントの正面図である。
図2Dは、
図2Cの3つのセグメントの上面図である。
図2Eは、オプションの例示的な吸引器の側面図である。
【
図3】
図3Aは、本発明の例示的なプリントシステムの上面図である。
図3Bは、
図3Aの例示的なプリントシステムの側面図である。
図3Cは、
図3Aの例示的なプリントシステムの正面図である。
【
図4】プリントシステムのプリントヘッドにおけるプリントモジュールの例示的なレイアウトの底面斜視図である。
【
図5】異なるプリントヘッドにおけるプリントモジュールの、別の例示的なレイアウトの底面図である。
【
図6】本発明の構築プレートの別の例示的な形状を示す図である。
【
図7】
図7Aは、本発明の例示的な構築プレート装填システムの上面図である。
図7Bは、
図7Aの例示的な構築プレート装填システムの側面図である。
【
図8】
図8Aは、本発明の例示的な粉末層化システムの上面図である。
図8Bは、
図8Aの例示的な粉末層化システムの側面図である。
図8Cは、
図8Aの例示的な粉末層化システムの正面図である。
【
図9】本発明の例示的な粉末充填ヘッドの斜視図である。
【
図10-2】
図10Cは、別の例示的な床移送システムの部分上面図である。
【
図11A】本発明の構築モジュールにおける例示的な3次元プリントプロセスの代替実施形態の部分断面側面図である。
【
図11B】本発明の構築モジュールにおける例示的な3次元プリントプロセスの代替実施形態の部分断面側面図である。
【
図12】
図12A~Dは、本発明の3次元プリント構築システムの例示的なレイアウトの上面図である。
図12Eは、本発明の3次元プリント構築システムの例示的なレイアウトの側面図である。
【
図13】
図13Aは、本発明の例示的な乾燥器または流体除去システムの部分断面側面図である。
図13Bは、本発明の別の例示的な乾燥器または流体除去システムの部分断面側面図である。
【
図14】本発明の例示的な取入れシステムの側面図である。
【
図15】本発明の例示的な包装システムの側面図である。
【
図16】粉末層化システムとプリントヘッドとを含む例示的な構築ステーションの部分上面図である。
【
図17】
図17A~Dは、プリントヘッドおよびその配置の種々の異なる実施形態の上面図である。
【
図18】取入器システムおよび除塵器または除塵システムの組合せアセンブリの斜視図である。
【
図20】粉末層化システムの動作の例示的な論理フローを示す図である。
【
図21】プリントシステムの動作の例示的な論理フローを示す図である。
【
図22】剤形の設計の例示的な論理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、3次元プリントプロセスによる物品の製造に有用な装置アセンブリおよびシステムを提供する。アセンブリおよびシステムは、小規模/少量、中規模/中量、および大規模/大量の物品の調製に適している。3次元プリントプロセスは、表面に粉末増分層を形成すること、続いて層に液体をプリント/付加すること、次いで1つまたはそれ以上の意図する3次元プリント物品およびルース粉末を含むプリント粉末床を形成するのに十分な回数だけ、形成およびプリントする工程を繰り返すことを含む。物品に残っている過剰な/望ましくない液体が除去され、ルース粉末が物品から分離された後に収集される。
【0037】
一般に、3次元プリント装置アセンブリまたはシステムは、1つまたはそれ以上の3次元プリント構築システム、1つまたはそれ以上の取入れシステム、および場合により1つまたはそれ以上の液体除去システムを含む種々のサブシステムを含む。装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の3次元プリント構築システム、1つまたはそれ以上の取入れシステム、1つまたはそれ以上の液体除去システム、および場合により1つまたはそれ以上の他のシステムを含むことができる。一部の実施形態では、装置アセンブリが、1つまたはそれ以上の構築プレート装填システム、1つまたはそれ以上の粉末回収システム、1つまたはそれ以上の制御システム、1つまたはそれ以上の構築モジュールまたはコンベヤ位置決めシステム、1つまたはそれ以上のコンベヤ駆動モータ、1つまたはそれ以上の床移送システム、あるいはこれらのシステムの組合せから選択された1つまたはそれ以上の(サブ)システムをさらに含む。
【0038】
本明細書で使用されるように、「3次元プリント構築システム」は、一般に、コンベヤシステム、複数の構築モジュール、少なくとも1つの構築ステーション、および場合により1つまたはそれ以上の他の部品を含む。3次元プリント構築システムの機能は、構築モジュール内の粉末多層床から1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を形成することである。複数の構築モジュールは、1つまたはそれ以上の構築ステーションを通過する所定の経路に沿って構築モジュールを案内するように適用されたコンベヤシステムに係合される。構築モジュールは粉末層化システムへ案内され、粉末増分層が構築モジュールの空洞の上面に形成される。その後、構築モジュールがプリントシステムへ案内され、所定のパターンに従って液体が粉末増分層に付加されることにより、部分的または完全に結合された粉末層(プリント増分層)を形成する。構築モジュールを案内する工程、粉末増分層を形成する工程、および層に液体を付加する工程は、プロセスの単一の構築ラップであると考えられる。構築ラップが構築モジュールにおいて繰り返されて、1つのラップからのプリント増分層が前または後のラップからのプリント増分層に接着するようになっている。構築ラップは構築モジュールにおいて、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品とルース粉末とを含む3次元プリント床を形成するのに十分な回数だけ繰り返され、3次元プリント物品は少なくとも2つのプリント増分層を含む。パターンに付加された液体は、構築
ラップ間の周囲条件下で十分に乾燥していても乾燥していなくてもよく;したがって、構築ラップ間に液体除去工程が含まれていてもよい。しかしながら、構築ラップ間で液体が十分に乾燥しない場合には、すべての構築ラップの完了後、すなわち構築サイクルの完了後にオプションの液体除去工程を行って、意図した3次元プリント物品になるようにしてもよい。
【0039】
コンベヤシステムは、構築ラップ中および構築ラップ間に所定の進路/経路を通って構築モジュールを案内するように適用される。固体材料を第1の位置から第2の位置へ、かつ第1の位置へ戻して搬送するのに有用な略いずれかのシステムを使用することができる。一部の実施形態では、コンベヤシステムが、循環、直線、または振動コンベヤシステムである。一部の実施形態では、循環コンベヤシステムは、構築モジュールを第1の位置から第2の位置へ、次いで第1の位置へ戻して案内する。一部の実施形態では、コンベヤシステムは、構築モジュールを同一の構築ステーションを通して2回またはそれ以上案内する循環または反復コンベヤシステムである。一部の実施形態では、直線コンベヤシステムが、構築モジュールを第1の構築ステーションから第2の構築ステーションへ、かつ場合により1つまたはそれ以上の他の構築ステーションへ案内する。一部の実施形態では、振動システムが、1つまたはそれ以上の構築モジュールを少なくとも1つの構築ステーションを通して第1の方向へ案内した後、1つまたはそれ以上の構築モジュールを少なくとも1つの構築ステーションを通して反対方向へ案内する。
【0040】
図1は例示的な3次元プリント装置アセンブリ(1)の上面図であり、3次元プリント装置アセンブリ(1)は、コンベヤシステムに係合された複数の構築モジュール(6)を1つまたはそれ以上の構築ステーションのそれぞれの構築領域を通して所定の経路に沿って案内するように適用されたコンベヤ(2)を含み、構築ステーションは:a)構築モジュール内に増分粉末層を形成するように適用された少なくとも1つの粉末層化システム(3);およびb)所定のパターンに従って構築モジュール内の増分粉末層に液体を付加するように適用された少なくとも1つのプリントシステム(4)を含む。構築モジュールは、粉末層化システムから粉末を受けて一時的に保持するように適用される。前記循環システムでは、コンベヤシステムが、構築モジュールを少なくとも1つの粉末層化システムから少なくとも1つのプリントシステムへ繰返し輸送して/循環させて、構築モジュール内に1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を含む3次元プリント床を形成する、連続ループシステムである。例示的なコンベヤシステム(2)は、少なくとも1つの駆動装置(12)と、複数のコンベヤモジュール(2a)とを含むことにより、セグメント式またはモジュール式コンベヤシステムを形成する。コンベヤモジュールは、対応する構築モジュールに係合され、所定の経路に沿って矢印Aの方向へ案内される。
【0041】
図1において、装置アセンブリは、3D(3次元)物品の第1のバッチの3次元プリントを終了し、3D物品の第2のバッチの3Dプリントを開始している。第1の構築サイクルの終わりからの3次元プリント床が構築モジュール(6a)内にあり、第2のバッチの最初の部分が構築モジュール(6L)内のプリント増分層から始まる。構築モジュール(6a)は、プリント粉末床に6つの3D物品を含む。構築モジュール(6、6a~6L)は、所定の進路に沿って案内されると、床移送システム(8)を通過する。この床移送システム(8)は、完成した3次元プリント床を含む構築プレートを一度に1つまたはそれ以上、3次元プリント構築システムから離れる方へ移送する。構築モジュールは、本体(7a)と、高さ調節可能な構築プラットフォーム(7b)が配置される空洞を有する上面(7c)とを含む。場合により、空の構築モジュール(6g)が、オプションの構築プレート装填システム(9)の構築プレート装填領域を通過するときに、構築プレート(10)を受ける。構築モジュール(6h)は、粉末を受ける準備が整う。構築モジュールは、少なくとも1つの粉末層化システム(3)と少なくとも1つのプリントシステム(4)とを含む少なくとも1つの構築ステーションを通過する。
【0042】
図では、構築モジュール(6j)が粉末層化システム(3)の粉末分配領域を通過している。図では、構築モジュール(6k)が、粉末層化システム(3)とプリントシステム(4)との間で、ルース粉末を構築モジュールの上面から取り上げるオプションの粉末回収システム(11)の回収領域にある。図では、次の構築ラップの第1の構築モジュールである構築モジュール(6L)が、プリントシステム(4)のプリント領域を通過している。少なくとも1つまたはそれ以上のコンピュータと1つまたはそれ以上のユーザインタフェース(5)とを含む制御システムを使用して、装置アセンブリ(1)の種々の部品およびシステムの(座標)動作を制御し、統合することができる。一部の実施形態では、コンベヤシステム、構築モジュールの高さ調節可能なプラットフォーム、少なくとも1つの粉末層化システム、および少なくとも1つのプリントシステムの各々の動作は、制御システムにより制御される。一部の実施形態では、構築プレート装填システム(9)、オプションの粉末回収システム(11)、および床移送システムの1つまたはそれ以上の動作は、制御システムにより制御される。
【0043】
装置アセンブリは、3次元プリント床を一度に1つまたはそれ以上、3次元プリント構築システムから離れる方へ移送するように適用された床移送システム(8)をさらに含むことができる。図示した例示的な床移送システム(8)は、2つまたはそれ以上のプリント床を床移送領域のそれぞれの構築モジュールから同時に除去するように適用される。一部の実施形態では、床移送システムは、3次元プリント床および対応する構築プレート(および/または構築モジュール)を一度に1つまたはそれ以上、3次元プリント構築システムから離れる方へ移送するように適用される。
【0044】
一部の実施形態では、3次元プリント装置アセンブリは、
a)3次元プリント構築システムであって:
複数の構築モジュールを案内するように適用されたコンベヤシステムと;
コンベヤシステムに係合され、粉末層化システムから粉末を受けて一時的に保持するように適用された複数の構築モジュールと;
1)構築ステーションの粉末分配領域に一時的に配置された構築モジュール内に増分粉末層を形成するように適用された少なくとも1つの粉末層化システム、および2)構築ステーションのプリント領域において構築モジュール内に一時的に配置された増分粉末層に液体を所定のパターンに従って付加するように適用された少なくとも1つのプリントシステムを含む少なくとも1つの構築ステーションとを含み;
コンベヤシステムは、構築モジュールを少なくとも1つの粉末層化システムの粉末分配領域から少なくとも1つのプリントシステムのプリント領域へ繰返し輸送して、構築モジュール内に1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を含む3次元プリント床を形成する、3次元プリント構築システムと;
b)完成した3次元プリント床を一度に1つまたはそれ以上、3次元プリント構築システムの構築領域から離れる方へ移送するように適用された少なくとも1つの床移送システムと;
c)3次元プリント床内の1つまたはそれ以上の3次元プリント物品からルース粉末を分離するように適用された少なくとも1つの取入れシステムと;
d)装置アセンブリの1つまたはそれ以上のシステムを制御するように適用された少なくとも1つの制御システムと;
e)場合により、少なくとも1つの液体除去システムと;
f)場合により、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品を包装するように適用された少なくとも1つの包装システムとを含む。
【0045】
構築モジュールは、粉末層化システムより上に付着された粉末を受けて保持する。一部の実施形態では、構築モジュールは、構築モジュールの上面の空洞内に配置された高さ調
節可能なプラットフォームを含み、空洞は側壁により画成される。側壁と組み合わせた高さ調節可能なプラットフォームにより、粉末のための空洞を形成する。プラットフォームを、徐々に上昇または下降するように構成してもよい。粉末は、空洞内に、かつプラットフォーム上に直接または間接的に(構築プレートを介して等)配置される。
【0046】
図2A、
図2Bは例示的な構築モジュール(15)を示し、
図2Aは正面図、
図2Bは斜視側面図である。構築モジュールは、本体(16a)、周囲側壁(16c)により画成された上面(16d)の空洞(16b)、および空洞に配置された高さ調節可能なプラットフォーム(17)に係合されて、プラットフォーム(17)を上昇および下降させるように適用された高さ調節器(19a、19b)を含む。図では、構築モジュールは、プラットフォームより上に配置された構築プレート(18)と、コンベヤシステムに係合される係合部(20)とを有する。構築モジュールを、恒久的にまたは着脱可能にコンベヤシステムに係合させることができる。図では、構築モジュールの本体および空洞が矩形を有するが、これらは必要に応じて成形することができる。高さ調節器は、1つまたはそれ以上の高さ調節器を含むことができる。一部の実施形態では、高さ調節器は徐々に高さ調節可能であるため、高さ調節可能なプラットフォームも徐々に高さ調節可能になる。一部の実施形態では、徐々に高さ調節可能な部品またはシステムは、構築モジュールに粉末層を配置する前および/もしくは後、ならびに構築モジュールに次の粉末層を配置する前に1つまたはそれ以上の増分だけ上昇するように適用される。
【0047】
増分の高さ(したがって増分層の厚さ)を様々な方法で制御することができる。一部の実施形態では、高さ調節器はコンピュータ制御され、これにより、コンピュータは、高さ調節手段の上昇または下降を、増分の大きさおよび/または増分の数だけ制御する。増分の大きさ(垂直変位)は、増分層から増分層へ変化しても、増分層から増分層へ同一であっても、これらの組合せであってもよい。一部の実施形態では、増分の大きさが、構築サイクルの各増分層(構築ラップ)について同一であるか、構築サイクルの1つまたはそれ以上の増分層について異なるか、またはこれらの組合せである。
【0048】
垂直増分の大きさは、構築プラットフォームの前の初期位置、または粉末充填ヘッドの高さ調節器、または両方に対するものであってよい。例えば、プラットフォームは、構築モジュールの上面に対して第1の位置まで第1の増分だけ、空洞内で下降される。プリント増分層が、第1の構築ラップ中に第1の位置でプラットフォームに形成される。次に、プラットフォームは、第1の位置にあった場合に対して、第2の位置まで第2の増分だけ下降される。第2の構築ラップ中に第2の位置にある間に、別のプリント増分層がプラットフォームに形成される。構築サイクルが完了するまで、このプロセスが繰り返される。
【0049】
垂直増分の大きさは、構築モジュールの空洞におけるプラットフォームの1つまたはそれ以上の絶対位置に対するものであってよい。例えば、構築モジュールは、空洞内または空洞に隣接して垂直に分散された複数のエンコーダを含むことができる。その後、第1の垂直増分の大きさが、第1のエンコーダに関するプラットフォームの絶対位置(絶対垂直距離)により定義される。プラットフォームが目標の第2の垂直位置まで第2の増分だけ下降されると、この目標の第2の垂直位置は、第2のデコーダに関するプラットフォームの絶対垂直距離に従って決定され、または絶対垂直距離により定義される。この種の絶対位置決めは、以下の通り例示され得る。目標増分が構築モジュールの上面よりも0.50mm低い場合、プラットフォームは0.50mm下降するように指令される。次の目標増分を追加の0.25mmにする場合には、プラットフォームは構築モジュールの上面よりも0.75mm低い深さまで下降するように指令され、最初の0.5mmの増分に対して0.25mm下降するように指令されるのではない。この手法は、一般に、軽度の位置決めエラーが解決され、または少なくとも蓄積されないため、相対移動(0.500、次に0.250)の使用よりも優れている。
【0050】
構築プレートは、構築モジュールの上部空洞に嵌入し、空洞内で高さ調節可能なプラットフォームに重なるように適用される。構築プレートは、粉末床および/または増分粉末層を受けて支持する。一部の実施形態では、着脱可能な構築プレートが、平坦、多孔、有孔、テクスチャ加工、被覆、刻み付き、平滑、またはこれらの組合せである。孔の配置のために規則的および/または不規則な幾何パターンを使用することができる。構築プレートの形状を必要に応じて変化させてもよい。
図6は、角丸の矩形(40a)、八角形(40b)、十字形(40c)、円形(40d)、六角形(40e)、五角形(40f)、半分矩形/半分円形(40g、弾丸状の外形)、1つの凹端部および1つの凸端部を持つ矩形(40h)に成形された構築プレート(40a~40h)を示すが、他の形状を使用してもよい。構築プレートの有孔性(孔の範囲)を、必要に応じて動作および製造を向上させるように適応させてもよい。構築プレート(40a)は、複数の均一に離間した孔を含む。構築プレート(40b)は、格子型の構造またはメッシュを含む。構築プレート(40f)は、複数の孔を持つ粗面を含む。構築プレート(40g)。構築プレートを、その上の3次元プリントに十分に耐える耐久性のある材料から作ることができる。一部の実施形態では、構築プレートが、単回の使用または繰返しの使用に適応している。一部の実施形態では、構築プレートが、プレスボード、板紙、厚紙、カード用紙、金属、ゴム、プラスチック、シリコーン、テフロン(登録商標)(PVDF)、被覆金属、ビニル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性材料、またはこれらの組合せを含む。
【0051】
オプションの構築プレート装填システムは、コンベヤに係合された構築モジュール上に構築プレートを再装填するように適用される。一部の実施形態では、構築プレート装填システムが、1つまたはそれ以上の構築モジュールの高さ調節可能なプラットフォーム上に1つまたはそれ以上の構築プレートを配置するように適用される。
図7Aおよび
図7Bに示す構築プレート装填システム(9)は、垂直嵌め込み式の支柱(42)に旋回可能に係合(43)された水平嵌め込み式のアーム(41)とトレイ装填アーム(44)とを含む。システム(9)は、含まれる把持部により、構築プレートを垂直トレイ装填アーム(44)に係合させる。例示的な把持部は、プレート(46)と、構築プレートをプレートに対して付勢/押圧する作動可能部材(45)とを含むことにより、トレイを把持して一時的に保持する。他の把持部を使用して、トレイを係合させ一時的に保持してもよい。一部の実施形態では、構築プレート装填システムは真空移送システムである。構築プレートシステムがなくてもよく、その場合、構築プレートを構築モジュール上に手で装填することができる。
【0052】
図8A~
図8Cに示す粉末層化システム(3)は、支持部(テーブル、フレーム、本体、54)に取り付けられ、少なくとも1つの粉末充填ヘッド(51)、少なくとも1つの粉末溜め(50)、および粉末フィーダ駆動装置(53)により駆動され、粉末溜めから粉末充填ヘッドへ粉末を移送するように適用された少なくとも1つの粉末フィーダ管(52)を含む。粉末フィーダ管は、駆動モータと、ねじ式の軸、例えばシェンク型フィーダに見られるような螺旋状の羽根/翼を持つオーガまたは軸を含むことができる。粉末層化システムは、構築モジュールが粉末分配領域(55、層化領域とも呼ばれる)を例えば矢印Jの方向(
図8C)に通過するときに、増分粉末層を形成する。
【0053】
一部の実施形態では、
図9に示す粉末充填ヘッド(51)が、粉末充填ヘッド本体(60、箱)、少なくとも1つの粉末充填ヘッドホッパ(61)、および少なくとも1つの粉末スプレッダ(64)を含む。ホッパは粉末フィーダ管から材料を受けて粉末の一時供給部(63)を形成し、この粉末は、場合により粉末充填ヘッド撹拌器(62)により撹拌される。粉末充填ヘッド撹拌器(62)の代わりに粉末充填ヘッド分散プレートであってもよい。一部の実施形態では、ホッパ(61)は、表面の幅にわたって均一に、かつ下方へ構築モジュール上に均一に粉末を分散させる溝付き内面を有するシュート(図示せず、
または分散プレート)に置き換えられる。粉末は、ホッパ(または相当量の粉末を蓄積しないシュート)から矢印Kの方向へ退出する。一部の実施形態では、粉末充填ヘッドは、粉末スプレッダ(64)と粉末スプレッダより下方の表面(構築プレート、構築モジュールの上面、高さ調節可能なプラットフォーム、または前の粉末層等)との間の相対距離を制御するように適用された少なくとも1つの粉末高さコントローラをさらに含む。オプションの分散バー(またはプレート、図示せず)を、充填ヘッド本体の出口と粉末スプレッダ(ローラ)との間に配置してもよい。分散バーは、粉末スプレッダが接触する前に粉末層にわたって粉末をより良好に分散させるように機能し、これにより、増分粉末層(65)が形成される。
【0054】
粉末高さコントローラは、粉末スプレッダを上昇または下降させて、プラットフォーム上に配置された粉末層またはプラットフォーム上の前の粉末層の厚さを増減することができる。例えば、プラットフォームが第1の増分だけ下降され、粉末高さコントローラが同一の増分または別の第2の増分だけ上昇されると、置かれた粉末の厚さは第1の増分および第2の増分の合計に近似する。プラットフォームが第1の増分だけ下降され、粉末高さコントローラが第2の増分だけ下降されると、置かれた粉末の厚さは、第1の増分から第2の増分を引いた差に近似する。あるいは、粉末スプレッダは粉末高さコントローラと協働して、先に置かれた粉末層を圧縮することができる。これは、第1の構築ラップ中に第1の厚さを有する粉末層を最初に置き、粉末高さコントローラおよび粉末スプレッダを下降させた後、下降された粉末スプレッダの下に粉末層を通すことにより、粉末層を圧縮することによって達成され得る。
【0055】
一部の実施形態では、粉末スプレッダが円筒形ローラであり、その軸が、粉末層化システムを通る構築モジュールの直線運動方向と反対の半径方向の運動方向を有する。例えば、円筒(64)の表面は、下にある構築モジュール(10)が円筒の下を通る方向(矢印J)と反対の直線方向(矢印M)を有する。一部の実施形態では、粉末スプレッダが円筒形ローラ、バー、ロッド、プレート、または真直ぐな平滑縁部である。他の構成の粉末充填ヘッドを使用してもよい。
【0056】
粉末充填ヘッドから排出される粉末の量または速度を、1つまたはそれ以上の制御により調整することができる。粉末が粉末充填ヘッドから排出されて広がり、増分粉末層を形成するときに、粉末排出フィードバックコントローラが、粉末スプレッダにおける粉末の蓄積を監視することができる。粉末が放出される速度が高すぎると、過剰な量の粉末が粉末スプレッダに蓄積して、粉末スプレッダが粉末を不適切に広げるおそれがある。その時に、フィードバックコントローラが信号を送ることにより、粉末充填ヘッドからの粉末排出速度を低下させる。逆に、フィードバックコントローラは、粉末排出速度が低すぎると感知すると、信号を送ることにより粉末排出速度を増加させる。フィードバックコントローラは、1つまたはそれ以上の視覚センサ、レーザセンサ、音響センサ、または機械センサ、またはこれらの組合せを使用することができる。
【0057】
図2C~
図2Dは、複数のコンベヤモジュール(セグメント、リンク)(22)と、隣接するコンベヤモジュールを互いに係合させるように適用された対応する係合手段(23)とを含むモジュール式(セグメント式)コンベヤシステム(21)の一部を示す。
図2Cは正面図であり、
図2Dは上面図である。コンベヤモジュールは、本体(22a)、雌係合手段(22d)、雄係合手段(22c)、および着脱可能または恒久的に構築モジュールに係合するように適用された1つまたはそれ以上の構築モジュール係合手段(22b)を含む。この例示的な実施形態では、隣接するセグメント(22)が係合手段(23)およびピン(22e)により旋回可能に係合されて、セグメントがピン(22e)の軸の周りを矢印LXの方向に旋回できるようになっている。図では、係合手段(23)はヒンジ式ジョイントであるが、他の係合を使用してもよい。
【0058】
装置アセンブリ(1)は、場合により、1つまたはそれ以上の粉末回収システムを含む。
図1および
図2Eに示す粉末回収システム(11)はオプションであり、本体(11a)、吸引器バー(11c)、真空源(11b)、および構築モジュールの1つまたはそれ以上の表面から粉末を除去するように適用された1つまたはそれ以上の空気入口(11d、11e)を含む真空システムである。一部の実施形態では、粉末回収システムが、構築モジュールの上面からルース粉末を除去するように適用される。粉末回収システム(11)は、係合部(11f)を含むことができ、この係合部(11f)により、着脱可能または恒久的に表面または支持部に係合される。さらなる粉末回収システムについて本明細書で説明する。
【0059】
図3A~
図3Cは、プリントシステムのプリント領域の粉末に液体を付加するように適用された例示的なプリントシステム(4)を示す。
図3Aは上面図、
図3Bは側面図、
図3Cは正面図である。一部の実施形態では、液体が極座標システム(動径システム、円筒座標システム、円座標システム、または球座標システム)ではなくデカルト座標システムに従って付加される。一部の実施形態では、本発明が、極座標システムに従って粉末に液体を付加するように適用されたプリントシステムを除外する。例示的なプリントシステムは、構築モジュール内で粉末増分層に液体を付着させる少なくとも1つのプリントヘッド(28)と、1つまたはそれ以上の液体溜め(28c)から少なくとも1つのプリントヘッド(28)へ液体を案内する少なくとも1つの液体供給システム(28b)とを含む。一部の実施形態では、プリントシステムが、複数のプリントヘッド、複数の液体供給システム、複数の溜め、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、プリントシステムが、単一のプリントヘッド、複数の液体供給システム、および複数の溜めを含む。
【0060】
図3Bのプリントヘッドは、液体の液滴の流れを、構築モジュールが通過するプリント領域(29)内へ向ける。例示的なシステム(4)は、フレームまたはガントリ(トラック27a、27b)を含み、これにより、プリントヘッド(28)が、プリント中の構築モジュールの運動方向に対して横方向である、矢印Dの方向へ並進運動する/動くことができる。プリントヘッドの並進運動を、手動で、またはコンピュータ制御動作により行うことができる。一部の実施形態では、液体を粉末増分層に付加するときにプリントヘッドが固定である。これは、液体がプリントラップ中に粉末層に付加されるときに、プリントヘッド(特にプリントモジュール)が、プリント中、すなわち液体付加中の構築モジュールの運動方向に対して、構築面に関して横方向である方向へ動かないことを意味する。このようなプリント手段は、プリントヘッド(特にプリントモジュール)が、プリント中に構築モジュールの運動方向に対して横方向である方向へ前後に動く従来のシステムとは異なる。
【0061】
プリントヘッドは、液体を粉末層に付着させる1つまたはそれ以上のプリントモジュールを含むことができる。
図3Cのプリントヘッド(28)は、対応するプリント領域(29a~29d)を形成する4つのプリントモジュールを含む。プリントヘッドが複数のプリントモジュールを含むとき、プリントモジュールの配置/レイアウトは必要に応じたものにすればよい。
図4のプリントヘッド(30)は、各々が複数のプリントモジュールを含む複数の縦列に配置された複数のプリントモジュール(4)を含む。粉末はプリントモジュールにわたって矢印Eの方向に通り、プリント方向がプリントモジュールの水平形状に対して横方向になるようにすることができる。
【0062】
プリントモジュールの他の適切な配置が
図5に示される。プリントヘッド(34)は単一のプリントモジュールを含む。プリントヘッド(35)は、互いに水平にずれた2つの群(35a、35b)で対になった4つのプリントモジュールを含む。プリントヘッド(33)は、プリントモジュール(35a、35b)が水平により広く、プリントモジュー
ル(33a)よりも水平に大きくずれ;さらにプリントモジュールが互い水平にずれていることを除いて、ヘッド(35)にやや類似している。プリントヘッド(32)は、プリントモジュール2つの直線方向および横方向にずれた群(32a、32b)を含む。矢印Eの方向に見ると、2つの群の隣接する縁部が重なっている(各群が破線に重なる)。
【0063】
モジュール(33)について示したようにプリントモジュールをずらすことにより、プリントヘッドの見掛けの全体プリント解像度を高めることができる。プリントモジュールは、全体プリント密度/解像度を高めるために、プリントヘッドに対して千鳥配置、交差配置、そのままの(sobered)配置、または傾斜配置でずれていてもよい。例えば、各プリントモジュールのプリント解像度が75dpi(drops per inch)の場合には、プリントヘッド(33)の見掛けの全体プリント解像度が75dpi、150dpi、225dpi、300dpi、375dpi、450dpi、またはさらに高くなり得る。各プリントモジュールのプリント解像度が100dpiである場合には、プリントヘッド(33)の見掛けの全体プリント解像度は100dpi、200dpi、300dpi、400dpi、またはさらに高くなり得る。一部の実施形態では、プリントヘッドのプリント解像度が、プリントヘッド内に含まれるプリントモジュールのプリント解像度と同一であるか、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、プリントヘッドのプリント解像度が、プリントヘッド内に含まれる1つまたはそれ以上のプリントモジュールのプリント解像度の倍数である。一部の実施形態では、プリントヘッドのプリント解像度が、プリントヘッド内に含まれるプリントモジュールのプリント解像度よりも低い。
【0064】
プリントヘッド内における1つまたはそれ以上のプリントモジュールの配置を必要に応じて修正して、所望のプリント結果をもたらすことができる。
図16は、粉末充填ヘッド(176)とプリントヘッド(178)とを含む部分的なプリントステーションを示し、プリントヘッド(178)の下方で、構築モジュール(175)が粉末分配領域およびプリント領域をそれぞれ通って矢印Qの方向へ動く。構築モジュールの運動方向に対して横方向に配置される充填ヘッドは、粉末増分層を構築モジュール上で構築モジュールの空洞の幅にわたって配置するときに、(前記面に向かって、または前記面から離れて垂直に動くことができる場合であっても、構築モジュールの上面を画成する面に関して)横方向および縦方向に固定のままである。構築モジュールおよびプリントされていない粉末増分層が矢印Qの方向へ動くことにより、これらは構築モジュールの運動方向に対して横方向に配置されたプリントモジュールの真下のプリント領域を通過する。プリントモジュールは、構築モジュールの上面を画成する面に関して横方向、縦方向、および垂直に固定のままである。プリントモジュールは所定のパターンに従って粉末増分層に液体を付加することにより、物品181を含む増分プリント層(180)を形成する。例示的なプリントヘッドは、構築モジュールの空洞の幅にまたがる単一のプリントモジュール(179、破線で示す)を含む。
【0065】
図17Aに示すプリントヘッド(185)は、横方向および縦方向変位(プリントヘッドの運動方向に関して)配置された4つのプリントモジュール(186)を含む。4つのプリントモジュールは共に、構築モジュールの空洞の幅にまたがる。
図17Bの実施形態(187)は、4つのプリントモジュール(188)が横方向にのみ変位し、縦方向には変位しない点で、
図17Aの実施形態とは異なる。
【0066】
一部の実施形態では、増分層に液体を付加するとき、すなわちプリントするときに、1つまたはそれ以上のプリントヘッドが固定である。1つまたはそれ以上のプリントヘッドは、特に、プリント時の構築モジュール(したがって粉末増分層)の直線運動方向に関して横方向および縦方向に固定であり得る。特定の実施形態は、a)プリントがデカルト座標アルゴリズムに従って実行されること;b)構築モジュールが、プリント中にプリントモジュール(および1つもしくはそれ以上のプリントヘッド)の配置に対して垂直な直線
方向へ動くこと;c)プリント時(粉末増分層に液体を付加するとき)にプリントヘッドおよび1つもしくはそれ以上のプリントモジュールが固定であり、構築モジュールの運動方向に関して横方向または縦方向である方向へ移動しないこと;ならびに/またはd)プリントが極座標アルゴリズムのみに従って実行されるのではないことを含む。
【0067】
本発明の3次元プリントシステム/アセンブリは、デカルト座標に基づくプリントシステムおよびアルゴリズムを使用する。プリント時にプリントヘッドを横方向および/または縦方向に動かす他のシステムと異なり、本発明のプリントヘッドはプリント中に略固定である。用語「横方向」は、プリントヘッドの真下の構築モジュールの運動方向に関して決定され、構築モジュールがプリント領域を通って案内される方向に略垂直であることを意味する。用語「縦方向」は、プリントヘッドの真下の構築モジュールの運動方向に関して決定され、構築モジュールがプリント領域を通って案内される方向に略平行であることを意味する。プリントヘッドの真下の粉末層の幅にわたる液体の付加が、個々にまたは共に粉末層の幅の少なくとも75%、80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97。5%または少なくとも99%を横切る1つまたはそれ以上のプリントモジュールを使用することにより達成される。この場合には、粉末層の「幅」は、プリントヘッドの真下の構築モジュールの運動方向に対して横方向である方向に沿って決定され、用語「長さ」は、プリントヘッドの真下の構築モジュールの運動方向に平行な方向に沿って決定される。言い換えると、単一のプリントヘッドが幅を横切ることができ、または互いに横方向に隣接する複数のプリントヘッドが粉末層の幅を横切ることができる。
【0068】
特定の実施形態では、プリントヘッドは複数のプリントモジュールを含み、これらのプリントモジュールは、増分粉末層および/または構築モジュールの空洞の幅に個々ではまたがらないが、共にまたがる。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のプリントモジュールは共に、構築モジュールの空洞の幅の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%またはすべてにまたがる。特定の実施形態では、構築モジュールが第1の方向へ動き、液体が増分粉末層に付加されるときにプリントヘッドが固定である。特定の実施形態では、プリントが、主にまたは専らデカルト座標アルゴリズムに従って実行される。例えば、アルゴリズムがコンベヤの直線方向(半径方向ではなく真直ぐな方向)に対するプリント流体の液滴の付加を制御して、プリントヘッドがコンベヤの直線運動方向に関して平行(縦方向)または垂直(横方向)である方向に液滴を付加するようにする。コンベヤおよび対応する構築モジュールのみが、プリントヘッドおよび構築ヘッドの真下で真直ぐな直線方向へ動く。
【0069】
本発明の代替実施形態が
図17Cに示され、プリントヘッド(189a)が、増分粉末層および/または構築モジュールの空洞の幅にまたがらない1つまたはそれ以上または複数のプリントモジュールを含む。このプリントヘッドは、プリント時(粉末増分層に液体を付加するとき)に固定であるか、または粉末に液体を付加しつつ、構築モジュールの運動方向に関して横方向に動く。プリントヘッド(
図5および
図17Cの32、33、35,189a、189b)のプリントモジュールは、複数のプリントヘッドのジェットを交互配置させてプリント床にわたるプリント密度を増加させるように配置される。例えば、本来のプリント密度が100dpiの個々のプリントモジュールを共に交互配置させて、4つのプリントヘッドが共に400dpiのプリント密度をもたらすようにする。
【0070】
一部の実施形態では、
図17Dに示すようなプリントモジュールのクラスタが、その全範囲が粉末層の幅の一部のみを覆うように配置されて、粉末層の全幅を覆うために複数のプリントヘッド(交互配置されたジェットを有するプリントモジュールのクラスタを各々含む)が必要であるようになっている。例えば、5~7.5インチ幅である粉末床または層の幅を覆うために、2.5インチのみに共にまたがるプリントモジュールのクラスタを
各々有する3つのプリントヘッド(189b)を、水平にずらして配置する必要がある。
【0071】
少なくとも1つのプリントシステムは、所定のプリントパターンに従って、またはランダムに粉末増分層に液体を付加することができる。パターンは増分層から増分層へ同一であっても、プリント物品の1つまたはそれ以上の増分層について異なっていてもよい。一般に、2つの隣接するプリントパターンは、少なくとも2つの重なったプリント部分を含んで、1つのプリント増分層のプリント/結合粉末の少なくとも一部が、隣接するプリント増分層のプリント/結合粉末の少なくとも一部に接着(結合)するようになっている。このようにして、複数の積層された隣接するプリント増分層が互いに接着することにより、完全にまたは部分的に結合した粉末の複数の隣接するプリント増分層を含む3次元プリント物品を形成する。3次元プリント物品は、アンダカット、張出し、空洞、孔、およびその他のこのような機能を含むことができるが、物品の複合容積(composite volume)を形成し満たすために、隣接するプリント増分層のプリント部分の少なくとも一部は互いに接着していなければならない。
【0072】
プリントシステムは、増分粉末層に液体を付加するときにデカルト座標に基づくプリントアルゴリズムを使用する。システムは、コンピュータと、1つまたはそれ以上のプリントジョブを含む関連するソフトウェアとを含む。プリントジョブは、特に、増分層の厚さとプリント物品の増分層にプリント予定の所定のパターンとについての情報を含む。プリントジョブは、液体の液滴の作成および増分粉末層への配置について、プリントヘッド(プリントモジュール)に層ごとの命令を与える。プリントジョブは、積層されたときに所定の3次元画像(物体)を共に形成する一連の2次元画像(スライス)に基づく。
【0073】
特定の機構に縛られる(held bound)ことなく、CADプログラム等を用いて目標の3次元物品が設計される。目標物品の仮想画像が、薄くスライスされた複数の積層画像(本明細書で「2次元」画像と呼ばれる)に仮想的にスライスされ、各2次元画像は実際に増分粉末層の厚さとなる。画像スライスの厚さの合計は、目標物品の総「高さ」に等しい。その後、各2次元「画像」が、その画像について所定のプリントパターンを共に画成するプリント命令のサブセットに変換される。プリント命令のすべてサブセットがつなぎ合わされて、プリントを制御するためにコンピュータにより使用されるプリント命令の最終セットを形成する。増分層厚さ、所定のパターンの2次元形状、目標物品の形状に加えて、プリント命令の最終セットはまた、プリントヘッドの真下の構築モジュールの線速度、増分粉末層への液体の付加速度、増分粉末層の長さおよび幅、構築モジュールの空洞の寸法、構築モジュールの高さ調節可能なプラットフォームの増分高さ調節、粉末充填ヘッドへの粉末の装填速度、増分層を形成するための構築モジュールへの粉末の装填速度、供給溜めから充填ヘッドへの粉末の移送速度、各増分層にプリント予定の2次元画像の解像度、各増分層への液体の付加回数、増分層の1つまたはそれ以上の特定位置への1つまたはそれ以上の特定の液体の付加、各構築モジュールに関する液体付加の開始および停止、プリント予定の物品の数、装置アセンブリ内の構築モジュールの数、プリント予定の構築モジュールの数、構築モジュールのプラットフォームが下降する速度、構築サイクル全体に対して粉末送達を開始および停止するタイミング、レベングデバイス(ローラ)の回転速度、およびその他のこのようなパラメータの指定または考慮を含む。
【0074】
装置アセンブリは、1つまたはそれ以上のコントローラを含む制御システムを含む。特定の機構に縛られることなく、コンベヤ(
図1)の固定点に位置するホーミングスイッチが、構築モジュールの群の「第1の」構築モジュールの位置に関する参照点を与える。そこから、コンピュータが、コンベヤの大きさ、構築モジュールの間隔、および構築モジュールの寸法を知ることによって、その群における構築モジュールの残りの部分の位置を判定することができる。制御システムは、コンベヤに対する1つまたはそれ以上の構築モジュールの位置を特定する近位センサをさらに含んでもよい。制御システムは、装置アセン
ブリの種々の部品の動作の同期を促す同期装置を含む。コンベヤのトラック(線)速度および目標厚さおよび増分層の幅を考慮することにより、コンピュータは、ある供給速度で構築モジュールに粉末を充填するように粉末層化システムに命令することができる。ラップの一部の後、または1つまたは2つの較正ラップの後、粉末供給速度が持続していてもよい。適切な増分粉末層が形成されると、増分層への液体の付着を開始することができる。近位センサは構築モジュールの前縁を感知した後、プリントシステムに命令を送る。プリントシステムを制御するコンピュータは、1組のプリント命令(特に、目標プリント解像度(密度)、増分層にプリント予定の画像(パターン)、液体付着の目標速度、付着予定の液体の数、プリントヘッドおよびプリントモジュールの寸法、トラック速度、目標3Dプリント物品を形成するためにプリント予定の1組の画像(パターン)、目標物品の有孔性もしくは密度、またはその他のこのようなパラメータを含むことができる)、および例えば、プリント命令において画像ファイルを消費するプリント速度および画像ファイルをプリントする解像度を設定するパルスを与えるためにホイールエンコーダにより発生される信号を考慮する。層化およびプリント命令ごとのプリントの後に、構築サイクルが完了する。
【0075】
本明細書で説明したように、粉末システムは、粉末フィーダおよび構築モジュールへの適切な粉末供給速度を決定する1つまたはそれ以上のフィードバックコントローラを含むことができる。同様に、プリントシステムは、プリント流体(液体)が付加および/または消費される速度を判定する1つまたはそれ以上のフィードバックコントローラを含むことができ、したがって、液体付加速度を制御することができ、液体溜めを再充填することもできる。
【0076】
乾燥器等の液体除去システムは、1つまたはそれ以上の相対湿度コントローラ、温度コントローラ、およびコンベヤ速度コントローラを含むことができる。したがって、システムは、乾燥時間および乾燥条件を調節して、所望の水分レベルを含むプリント物品を提供することができる。
【0077】
一部の実施形態では、装置アセンブリの1つまたはそれ以上の部品はコンピュータ制御される。コントローラは、コンピュータ化コントローラ、電子コントローラ、機械コントローラ、またはこれらの組合せからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態では、制御システムは、1つまたはそれ以上のコンピュータ化コントローラ、1つまたはそれ以上のコンピュータ、1つまたはそれ以上のコンピュータのための1つまたはそれ以上のユーザインタフェースを含む。一部の実施形態では、3次元プリント構築システムの1つまたはそれ以上の部品はコンピュータ制御される。一部の実施形態では、コンベヤシステム、構築モジュールの高さ調節可能なプラットフォーム、少なくとも1つの粉末層化システム、および少なくとも1つのプリントシステムは、コンピュータ制御される。一部の実施形態では、装置アセンブリは、コンピュータ化コントローラにより与えられる命令に従って、粉末層および液体のプリント液滴を所定のパターンに広げるように適用される。一部の実施形態では、所定のパターンは、画素を含む1つまたはそれ以上の2次元画像ファイルに基づく。一部の実施形態では、2次元画像ファイルは、ある画素が液滴の分配を示し、他の画素が液滴の分配がないことを示すように適用される。一部の実施形態では、2次元画像ファイルは異なる色の画素を含んで、異なる液体の分配、または液体の分配がないことを示す。
【0078】
図19A~
図19Cは、本発明の例示的な実施形態の動作のフローチャートである。プロセスは、例えば、操作者またはコンピュータ等の電子部品により開始される。操作者はシステムおよびアセンブリ部品を起動してそれらの状態を確認し、システムおよびアセンブリ部品が同期された後、システム(アセンブリ)は動作準備が整う。3次元プリント予定の製品の必要に応じて、プリント流体および粉末がそれらのそれぞれのシステムに装填
される。構築プレートが構築モジュールに装填され、構築サイクルが開始される。プリント流体および粉末のレベルが確認され、必要な量があるときに、コンベヤ動作が開始される。
図19Bに移り、構築モジュールの粉末供給速度および輸送速度(コンベヤ速度)が適用され、構築モジュールが粉末を受けることになっているか否かを判定する問合せを行う。粉末を受けることになっている場合、プラットフォームを下降させ、構築モジュールが粉末充填ヘッドの下を通るときに、粉末層が構築モジュールに付着される。粉末を受けることになっていない場合、構築モジュールは粉末を受けない。その後、粉末層がプリント画像を受けることになっているか否かを判定する問合せを行う。プリント画像を受けることになっている場合、構築モジュールがプリントヘッドの下を通過するときに、2次元パターンが層にプリントされる。プリント画像を受けることになっていない場合、構築モジュールはプリント溶液を受けない。コンベヤに取り付けられたすべての構築モジュールが処理されたか否か、すなわち構築ラップが完了したか否か、または構築モジュールが別の粉末層を受けることになっているか否かを判定する問合せを行う。すべての構築モジュールが処理されてはいない場合、未処理の構築モジュールが処理される。すべての構築モジュールが処理された場合、すなわち構築ラップが完了した場合、構築サイクルが完了したか否かを判定する問合せを行う。構築サイクルが完了していない場合、1つまたはそれ以上の追加の構築ラップが行われる。構築サイクルが完了した場合、構築モジュールは、
図19Cに説明するように、構築プレートの取出しの準備が整う。3次元プリント粉末床を支承する完成した構築プレートが取り出され、乾燥トレイへ移送される。構築プレートが構築モジュールから取り外された後、別の構築トレイが空の構築モジュール内に配置される。すべての構築プレートが取り出された後、
図19Aに従って、追加の構築サイクルが行われるか否かを判定する問合せを行う。追加の構築サイクルが行われない場合、プロセスを終了する。追加の構築サイクルが行われる場合、次の構築サイクルプロセスを開始する。
【0079】
図20は、プラットフォーム層の増分が構築ラップおよび構築サイクル内で制御される様子を詳述する例示的なサブルーチンを示す。この例では、層厚さ(増分)が製品の定義により与えられる。既に置かれた粉末層の数に従って、累積厚さが計算される。プラットフォームを計算された厚さまで下降させ、判定を行って、プラットフォームが所定の許容範囲内で正確な位置にあることを確認する。その後、特定の構築ラップにおけるすべての構築モジュールのプラットフォームが正確な位置まで下降したか否かを判定する問合せを行う。下降していない場合、プラットフォームが必要に応じて調節される。下降した場合、構築サイクルのすべての層が完全であるか否かを判定する問合せを行う。すべての層が完全である場合、本明細書で説明したように構築プレートが取り出される。すべての層が完全でない場合、構築サイクルが完全になるまで、この図のプロセスが必要に応じて構築層の各々について繰り返される。
【0080】
図21は、プリントシステムの動作を詳述する例示的なサブルーチンを示す。構築プロセスが開始され、必要な量のプリント流体が溜めに装填される。1組の画像ファイルが特定され、コンベヤ動作が開始される。動作中に、プリント流体のレベルが監視されて、必要に応じてプリント流体を補充できるようになっている。構築モジュールがプリントヘッドの真下を通るときに、構築モジュールがプリント画像を受けるか否かを判定する問合せを促すトリガ信号が発生される。構築モジュールがプリント画像を受けない場合、トリガ信号は無視される。構築モジュールがプリント画像を受ける場合、プリント画像ファイルが受けられて処理され、画像画素の縦列(構築モジュールの動きの軸に沿って一直線の画素)が、プリントヘッドの特定のジェットに割り当てられる。加えて、コンベヤの線速度と、プリント予定の画像の意図するプリント密度とを考慮して、画像画素の横列がプリントヘッドに送られる。その後、プリントヘッドは、プリント命令ごとに、構築モジュールの粉末層へプリント流体液滴を送達する。その後、すべての構築モジュールが処理されたか否かを判定する問合せを行う。この問合せを構築ラップおよび/または構築サイクルレ
ベルについて繰り返すことができる。構築サイクルが完了する時に、プロセスを終了させることができる。必要であれば、プリントヘッドを後退させて、洗浄することができる。
【0081】
図22は、剤形を設計し、その層厚さおよびその画像ファイル(2次元プリントパターン)を判定するための例示的なプロセスのフローチャートである。コンピュータを用いて、またはコンピュータなしでプロセスを行うことができる。特定の3次元構造を有し、薬物の目標用量を含む剤形が設計される。適切な目標粉末層厚さが選択され、剤形の高さが目標増分粉末層厚さにより分割されて、剤形の調製に必要な粉末層の数を提供する。剤形内の層およびその位置に基づき、必要に応じて各層に初期2次元パターン、すなわち画像ファイルが割り当てられ、最終的に、1組のプリント命令がプリントシステムにより使用されて、対応するプリント増分層を作成する。各層に割り当てられた画像ファイルを入力することができ、または画像ライブラリから読み出すことができる。画像ライブラリからのアーカイブ画像が必要であるか否かを判定するために、システムは、必要に応じてすべての層に画像ファイルが割り当てられたか否かを問い合わせる。すべての層に画像ファイルが割り当てられた場合、剤形の設計が完了し、プロセスを終了する。すべての層に画像ファイルが割り当てられていない場合、システムは特定の層に必要な画像が画像ライブラリに存在するか否かを問い合わせる。画像がライブラリに存在する場合、画像ファイルがライブラリから読み出され、それぞれの粉末層に割り当てられる。その後、システムは、必要に応じてすべての層に画像ファイルが割り当てられたか否かを再び問合せ、剤形の設計が完了するまで必要に応じて論理ループが継続される。画像ファイルが画像ライブラリに存在しない場合、新しい画像ファイルが作成され、場合により画像ライブラリに記憶され、それぞれの層に割り当てられて、剤形の設計が完了するまで必要に応じて論理ループが継続される。1つまたはそれ以上の層が画像ファイルを全く必要としないことがあり、これは剤形の調製中に特定の層がプリントされないことを意味することを理解されたい。
【0082】
本発明の装置アセンブリは、3次元プリント床を一度に1つまたはそれ以上、3次元プリント構築システムから離れる方へ移送するように適用された1つまたはそれ以上の床移送システムを含むことができる。
図10Aは例示的な床移送(取出し)システム(8)の上面図、
図10Bはその側面図であり、床移送システム(8)は、フレーム(70)、受けプラットフォーム(76)、トレイ装填プラットフォーム(77)、およびフレームに可動に係合され、床移送領域(75)に重なる床移送機構(71)を含む。床移送機構(71)は、トラック(72a、72b)に沿って矢印Nの方向へ往復して並進運動するように適用された取付具(71c)を含む。床移送機構はまた、オプションの構築プレート(10)を有する3次元プリント床(83)を受けて一時的に保持するように適用された空洞(82)を含むレセプタクル(71a)を含む。代替実施形態では、レセプタクルが、3次元プリント床を受けて一時的に保持するように適用された受け領域を含む押板またはU字形コーラル(coral)(71d)である。レセプタクル(71a)は、レセプタクル(71a)および床移送機構(71)の本体(71d)に係合された往復機関(71b)によって、矢印Pの方向に垂直に往復する。動作中に、コンベヤは構築モジュール(7a)をレセプタクル(71a)の真下および床移送領域(75)内に案内して位置させ、3次元プリント床(83)および構築プレートが空洞(82)と一直線になるようにする。その後、レセプタクルが、3次元プリント床および空洞内の構築プレートの略すべてを保持するのに十分な量だけ矢印Pの方向へ下降する。その後、床移送機構(71)は、プリント床および構築プレートを矢印Nの方向へ受けプラットフォーム(76)上に、次いで輸送トレイ(74)上に摺動/並進運動させる。次に、レセプタクルがプリント床および構築プレートを輸送トレイ上に残して矢印Pの方向へ上昇し、構築モジュールに重なる元の位置まで矢印Nの方向へ並進運動して戻る。その後、輸送トレイ(74)は矢印Bの方向へ案内される。
【0083】
図10Cは、ダイバータ(84)およびコンベヤ(86)を含む床移送システムの代替
実施形態を示す。ダイバータは、構築モジュールまたはプリント床(87)を含む構築プレートを構築システムのコンベヤ(85)から隣接するコンベヤ(86)へ向け、このコンベヤ(86)は、場合により、プリント床を液体除去システムまたは他の下流の処理装置(図示せず)へ移送する。ダイバータは、上昇および下降するように適用されていてもよい。第1の位置で、ダイバータはプリント床を構築システムから離れる方へ向けず、第2の位置でプリント床を構築システムから離れる方へ向ける。
【0084】
一部の実施形態では、床移送システムは、3次元プリント床を1つもしくはそれ以上の液体除去システム、1つもしくはそれ以上の取入れシステム、および/または1つもしくはそれ以上の包装システムへ移送するように適用される。一部の実施形態では、移送システムは、コンベヤシステム、液体除去システム、または両方と一体化される。
【0085】
液体除去システムは、1つまたはそれ以上の構築プレート(プリント床を含む)を受け、液体が付加された1つもしくはそれ以上のプリント粉末層および/または3次元プリント床から液体を除去するように適用される。液体除去システムは、構築モジュールの1つまたはそれ以上が通って案内されるプロセス領域であり得る。例えば、
図1の液体除去システムは、プリント領域下の領域を排除した、コンベヤ上のプロセス領域であってもよい。あるいは、液体除去システムは、3次元プリント床が周囲条件下で配置され乾燥される一時保持または収納領域等の、3次元プリント構築システムに直接関連しない別のプロセス領域であってもよい。一部の実施形態では、液体除去システムが1つまたはそれ以上の乾燥器である。
【0086】
図13A~
図13Bは、例示的な液体除去システムを示す。
図13Aは、3次元プリント床(83)または物品の液体の量を除去または減少させるように適用された乾燥器(130)の部分断面側面図である。乾燥器は、複数の加熱要素(137)、コンベヤシステム(138)、および1つまたはそれ以上の排気口(132)が内部に含まれるハウジング(131)を含む。ハウジングは入口(133)および出口(134)を含み、これらを通って、3次元プリント床(または物品)およびそれらのそれぞれの構築プレートがコンベヤ(それぞれ135、136)によって案内される。動作中、プリント床は入口(133)を通って案内され、プリント床からの液体の蒸発に影響する加熱要素(137)に晒されるときに、コンベヤシステム(138)により所定の経路を通って搬送される。プリント床(または物品)は、乾燥器から退出すると、乾燥器に入ったときよりも液体の量が少なくなる。
図13Aには示さないが、乾燥器は、乾燥器内の圧力を低下させるように適用された真空システム、または乾燥器を通る空気流を増加もしくは制御するように適用された空気処理システムを含むことができる。
図13Aではコンベヤの経路が「S字型」で示されるが、経路は所望の経路、例えばU字型、Z字型、N字型、n字型、O字型等でもよい。
【0087】
図13Bは、液体除去システムとして適した乾燥器(141)の代替実施形態を示す。乾燥器は、複数の加熱要素(146)およびコンベヤシステム(145)が含まれるハウジング(142)を含む。ハウジングは入口(143)および出口(144)を含み、これらを通って、3次元プリント床およびそれらのそれぞれの構築プレートがコンベヤにより案内される。一部の実施形態では、乾燥器は、入口および/または出口のための1つまたはそれ以上のカバー(147)を含む。
【0088】
一部の実施形態では、3次元プリント床は、ルース粉末と1つまたはそれ以上の3次元プリント物品とを含む。本発明の装置アセンブリは、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品からルース粉末を分離するように適用された1つまたはそれ以上の取入れシステムをさらに含むことができる。一部の実施形態では、取入器が、液体除去システムにより既に処理された構築プレートを処理する。一部の実施形態では、取入器は、ルース粉末収集
手段と3次元プリント物品収集手段とを含む。一部の実施形態では、取入器は、3次元プリント床を受けるように適用された振動面および/または周回面を含む。一部の実施形態では、取入器が1つまたはそれ以上の解凝集器(deagglomerator)を含む。
【0089】
一部の実施形態では、装置アセンブリは、取り入れられた物品からルース粉末を除去するように適用された1つまたはそれ以上の除塵器をさらに含む。一部の実施形態では、除塵器は1つまたはそれ以上のエアブラシを含む。
【0090】
図14の側面図に示す例示的な取入器および除塵器の組合せシステム(150)は、フレーム(151)、エアディスペンサ(161)を有する受けプラットフォーム、フレームに可動に係合し、床移送領域に重なる床移送機構(152)、吸引器(154)、解凝集器(156)、除塵器(157)、プリント物品コレクタ(158)、および粉末コレクタ(159)を含む。システムはまた、少なくとも1つのエアブラシ(161)を含む。床移送機構(152)は、トラック(153)に沿って矢印Nの方向に往復して並進運動するように適用された取付具を含む。床移送機構はまた、オプションの構築プレート(10)を有する3次元プリント床(83)を受けて一時的に保持するように適用された空洞(166)を含むレセプタクル(167)を含む。レセプタクル(167)は、レセプタクルおよび床移送機構(152)の本体に係合された往復機関によって垂直に往復する。動作中に、コンベヤ(155)は、プリント床(83)、構築プレート(10)、および輸送トレイ(74)をレセプタクル(167)の真下および床移送領域に案内して位置させて、3次元プリント床、構築プレート、および輸送トレイが空洞(166)と一直線になるようにする。その後、レセプタクルが、3次元プリント床の略すべてを空洞内で保持するのに十分な量だけ輸送トレイ上へ下降する。次いで、吸引器が(154)、導管(165)および空洞の有孔プレートにより、床の上方でプリント床(83)を吸引し、これにより、レセプタクルの空洞内に1つまたはそれ以上のプリント物品(160)を残しつつ、床に含まれるルース粉末の大部分を除去する。その後、床移送機構(152)は、空洞内のプリント物品に空気流を向けてプリント物品から追加のルース粉末を放出するのを助けるように適用された1つまたはそれ以上のエアブラシ(161)上で、矢印Nの方向へプリント床および構築プレートを摺動/並進運動させる。空の構築プレート(10)および輸送トレイ(74)が床移送領域から離れる方へ搬送される。粉末コレクタ(159)は、ルース粉末および吸引器(154)によって収集されない他の固体材料を受けるように適用される。床移送機構は、解凝集器(156)に重なるまで矢印Bの方向へ動き続ける。その後吸引器をオフにし、プリント粒子が、解凝集器のプロセストレイに落下する。解凝集器は、プリント物品から凝集物を除去して収集し、解凝集されたプリント物品(162)を提供するように適用される。次いで、床移送機構(152)は、追加のプリント床の装填および処理に備えてその元の位置に戻る。
【0091】
解凝集器のプロセストレイは、振動(および/または周回)し、プリント粒子を解凝集しつつ、プリント物品を矢印Bの方向へ除塵器(157)に向けて案内する。除塵器はまた、解凝集されたプリント物品から塵を除去して収集し、除塵されたプリント物品(163)を提供するように適用された振動プロセストレイを含む。完成したプリント物品(164)がプリント物品コレクタ(158)へ案内される。除塵器および/または解凝集器は、ルース粉末および/または凝集物を収集するための固体コレクタをさらに含むことができる。
【0092】
図18は例示的な取入器システム(190)および除塵器システム(200)を示す。取入器システムは、ハウジング(191)、レセプタクル(192)、レセプタクル内の振動面(193)、およびレセプタクルの出口(194)を含む。乾燥プリント床(ルース粉末およびプリント物品)より下方の有孔構築プレートは、振動面に配置される。ルー
ス粉末は、表面が振動すると、プリント床から払い落とされる。回収されたルース粉末は落下して、レセプタクル内に収集され、その後、出口を通ってレセプタクルから取り出される。回収されたルース粉末は、容器(195)内に収集される。ルース粉末の収集は、手動で、機械的に、および/または真空システムを用いて行うことができる。
【0093】
図18の除塵器システム(200)は、ハウジング(201)、レセプタクル(202)、引出し(203)、エンクロージャ(204)、エンクロージャ内にある1つまたはそれ以上のエアジェット、例えばエアナイフ(205、図示せず)、エンクロージャの入口(206、図示せず)、およびエンクロージャの出口(207)を含む。取り入れられた1つまたはそれ以上のプリント物品を有する有孔構築トレイは、引出し内に配置され、次いでこの引出しが入口を介してエンクロージャに押し込まれることにより、略密閉された除塵領域を形成する。1つまたはそれ以上のエアジェットは、加圧空気をプリント物品に向け、これにより、プリント物品にくっついていたルース粗粉末およびルース微粉末が、プリント物品から払い落とされる。ルース粉末はレセプタクル内に落下し、エアジェットにより放出される空気流と共に出口へ案内される。除塵されたプリント物品が、引出しを開けることによって取り出される。回収されたルース粉末は容器内に収集される。ルース粉末の収集は、手動で、機械的に、ならびに/または真空システムおよび/または空気処理システムを用いて行うことができる。除塵器システムおよび/または取入器システムを、より大きいエンクロージャ(208)内に配置して、プロセス領域内における塵の広がりを最小限にしてもよい。
【0094】
構築サイクル、乾燥、取入れ、解凝集および/または除塵中に収集されたルース粉末、凝集物、または微粒子を配置または混合して、回収されたバルク材料を形成することができ、このバルク材料を粉砕(場合により)し、未使用のプリントされていないバルク材料の供給部(feed supply)に戻して再利用することができる。このようなバルク材料回収システムは、バルク材料を1つの位置から別の位置へ移送するための、1つもしくはそれ以上の真空システム、1つもしくはそれ以上の加圧空気システム、1つもしくはそれ以上の非真空機械システム、1つもしくはそれ以上の手動システム、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0095】
図12A~
図12Eは、3次元プリント構築システムのコンベヤシステムおよび構築ステーションの、例示的な一般のレイアウトを示す。
図12Aは、
図1に示すものにやや類似した3次元プリント構築システム(105)の上面図である。システム(105)は、循環反復コンベヤシステム(110)、第1の構築ステーション(111)、オプションの第2の構築ステーション(115)、および複数の構築モジュールを含む。複数の構築モジュールは、第1の構築ステーション、および場合により第2の構築ステーション(存在する場合)を通って案内された後、第1の構築ステーションを通って矢印Aの方向へ戻される。構築ステーション(111)は、粉末層化システム(112)およびプリントシステム(114)を含む。
【0096】
図2Bは、直線コンベヤシステム(118)、第1の構築ステーション(111)、第2の構築ステーション(115)、および複数の構築モジュールを含む3次元プリント構築システム(106)の上面図である。複数の構築モジュールは、位置X1から第1の構築ステーションを通って位置X2へ、次いで第2の構築ステーションを通って位置X3へ矢印Aの方向に案内される。プリント物品のさらなる処理が構築システム(106)の下流で行われる。一部の実施形態では、コンベヤシステムは、構築モジュールを、第1の構築ステーションから第2の構築ステーションへ、および場合により第3または他の構築ステーションへ循環または反復せずに案内する直線コンベヤシステムである。
【0097】
図2Dは、直線コンベヤシステム(119)、第1の構築ステーション(111)、オ
プションの第2の構築ステーション(115)、および複数の構築モジュールを含む直線反復3次元プリント構築システム(107)の上面図である。複数の構築モジュールは、位置X1から第1の構築ステーションを通って位置X2へ、次いで第2の構築ステーション(存在する場合)を通って位置X3へ、次いで、反対方向に矢印ARの方向へ、第2の構築ステーション(存在する場合)および第1の構築ステーションを通って戻るように案内される。第3またはそれ以上の他の構築ステーションが含まれていてもよく、それらが存在する場合、構築モジュールはそれらの構築ステーションを通って案内される。
【0098】
図12Dは、複数の構築ステーション(111、115、126、127)、複数の構築モジュール、および構築モジュール移送手段(124、125)を含む、直線反復3次元プリント構築システム(108)の上面図である。コンベヤ(120)上の空の構築モジュールが、位置Z1から位置X1へ輸送される。次に、コンベヤ(121)は、構築モジュールを位置X1からX2、次いでX3へ、構築ステーション(111、115)を通って連続して案内する。次に構築モジュール移送手段(124)は、構築モジュールを矢印AZの方向へ位置X3から位置X4へ移送する。その後、第2のコンベヤは、構築モジュールを位置X4からX5、次いでX6へ構築ステーション(それぞれ126、127)を通って案内する。次に、構築モジュール移送手段(125)は、構築モジュールを矢印AYの方向へ位置X6から位置X1へ移送する。所望のプリント物品が形成されコンベヤ(122)によってプリント構築システム(108)から取り出されるまで、このような構築ラップが必要な回数だけ繰り返される。
【0099】
図12Eは、
図12Dにやや類似した3次元プリント構築システム(109)の側面図である。しかしながら、本実施形態では、コンベヤ(128、129)が並んで配置されるのではなく、垂直に上下に配置される。さらに、下部コンベヤシステム(129)は、特に関連する構築ステーションを有していない。
【0100】
前述したように、3次元プリント物品を粉末床から構成するために複数の構築ラップが必要である。
図11Aは、上面(91a)を有する本体(91)および上面(92a)を有する高さ調節可能なプラットフォーム(92)を含む構築モジュール(90)の部分横断面図である。図中、中空矢印はプロセス工程を示し、中実黒矢印(filled-in
black arrow)はプラットフォームの運動方向を示す。図では、構築モジュール(90)は、ステージ0において開始位置にある。プロセス工程A1およびA2では、プラットフォームが下降することにより、構築モジュールの内面(91b)およびプラットフォームの上面によって画成された空洞(93)を形成する。次に、ステージIに示すように、構築プレート(10)がプラットフォームの上に配置される。プロセス工程B1では、ステージIIに示すように、粉末層(94)が空洞内および構築プレート上に配置されて、層の上面(94a)の位置が構築モジュールの上面(91a)の位置に実質的に一致する(または同一の高さになる)ようにする。プロセス工程C1では、ステージIIIに示すように、プラットフォームが再び増分だけ下降することによって、粉末層(94)の表面より上に新しい空洞(95)を形成する。プロセス工程D1およびD2では、ステージIVに示すように、別の粉末層が空洞に配置された後にプリントされて、1つまたはそれ以上の結合粉末部分を形成する。プロセス工程E1では、ステージVに示すように、プラットフォームが再び下降して、前の粉末層より上に別の空洞が形成される。プロセス工程F1、F2では、ステージVIに示すように、別の粉末層が空洞に配置された後にプリントされて、1つまたはそれ以上の結合粉末部分を形成する。プロセス工程D2に使用されるプリントパターンは、プロセス工程F2で使用されるプリントパターンに類似している。プロセス工程G1では、ステージVIIに示すように、プラットフォームが再び下降する。プロセス工程H1では、ステージVIIIに示すように、粉末層が前の粉末層の上に形成されたばかりの空洞に配置されることにより、ルース粉末(97)および複数のプリント物品(96)を含むプリント床の形成を完了する。プロセス工程J1では、
ステージIXに示すように、床移送手段のレセプタクル(71a)がプリント床より上に配置されて、レセプタクルの空洞がプリント床に重なり、プリント床と一直線になるようにする。プロセス工程K1では、ステージXに示すように、プラットフォームが上昇して、構築プレートおよびプリント床が空洞内に配置されるようにする。プロセス工程L1では、レセプタクルが矢印Nの方向へ並進運動/摺動することにより、構築トレイを取り出してステージ0に戻す。
【0101】
個々のプリントサイクルに使用されるプリントパターンは、必要に応じて変化させることができ、各構築ラップについて同一である必要はない。
図11Bは、
図11Aの構築モジュールを示す。
図11Bのプロセス工程A1、A2、B1、およびC1は、
図11Aのこれらの工程に類似している。しかしながら、
図11Bのプロセスは、第1の粉末層がプリントされてルース粉末(100)および結合粉末(101)を含む層を形成するプロセス工程B2を含む。プロセス工程D1では、粉末層が空洞内に配置され、プロセス工程D3では、プロセス工程B2で使用されたプリントパターンとは異なるプリントパターンを使用して層がプリントされて、
図11BのステージIVの結合粉末(102)の横断面が、
図11AのステージIVの結合粉末の横断面とは異なるようにする。しかしながら、工程D3のパターンは工程B2のパターンと十分に重なり、結果として得られるプリント層が互いに接着する。プラットフォームは、プロセス工程E1に従って再び下降する。次いで、プロセス工程F1で粉末が空洞内へ層化され、プロセス工程F3でプリントされる。再び、プロセス工程F3で使用されるプリントパターンは、プロセス工程D3およびB2で使用されるプリントパターンとは異なり、ステージVIの結合粉末(103)の横断面が、
図11AのステージVIに示すものとは異なる3つの異なるパターンを含むようにする。しかしながら、工程F3のパターンは工程D3のパターンと十分に重なり、結果として得られるプリント層が互いに接着する。ステージVIIに示すように、プラットフォームはプロセス工程G1に従って再び下降する。プロセス工程H1では、粉末層が空洞内に配置され、プロセス工程H2では、使用された前のプリントパターンのいずれかとは異なるプリントパターンを使用して層がプリントされて、ステージVIIIにおけるプリント床の結合粉末(104)の横断面が、
図11AのステージVIIIに示すものとは異なる6つの異なるパターンを含むようにする。しかしながら、工程H2のパターンは工程F3のパターンと十分に重なり、結果として得られるプリント層が互いに接着する。プロセス工程J1では、ステージXに示すように、有孔プレートがプリント床より上に配置され、床輸送手段のレセプタクルがプレートより上に配置される。プロセス工程K1では、有孔プレート、プリント床、および構築プレートが、レセプタクルの空洞内へ上昇する。プロセス工程L1では、レセプタクルが矢印Nの方向から離れる方へ並進運動して、構築モジュールを初期ステージ0に残す。
【0102】
例示的なプリントサイクルの完了時に、本明細書で説明するように、3次元プリント床をさらに処理することができる。
【0103】
製造中に固体物品を1つの位置から別の位置へ案内するのに有用なコンベヤシステムは、例として、モジュール式コンベヤ、非モジュール式コンベヤ、連続コンベヤ、隣接コンベヤ(contiguous conveyor)、コンベヤベルト、カム、パレットコンベヤ、またはリンクコンベヤが挙げられる。これらの組合せを使用してもよい。
【0104】
図15は、1つまたはそれ以上の3次元プリント物品(164)を包装するように適用された例示的な包装システム(170)の側面図である。システムは、コンベヤ(173)上に配置された3次元プリント物品を提供するホッパ(171)を含む。物品は、1つまたはそれ以上の物品をパッケージ(174)内に配置する包装モジュール(172)を通って案内される。適切な包装システムは、びん、ブリスタパック、管、箱、およびその他のこのような容器を使用することができる。
【0105】
装置アセンブリの種々の部品およびシステムは、金属、プラスチック、ゴム、またはこれらの組合せ等の耐久材料から作られた部材を含む。一部の実施形態では、可能であれば、装置アセンブリの部品が304または316ステンレス鋼を含む。
【0106】
粉末は、医薬用途または非医薬用途に適した1つまたはそれ以上の材料を含むことができる。一部の実施形態では、粉末が、1つもしくはそれ以上の医薬賦形剤、1つもしくはそれ以上の医薬活性剤、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、3次元プリント物品が、前述したように、医薬品剤形、医療デバイス、医療用インプラント、またはその他のこのような物品である。
【0107】
3次元プリント物品に含まれ得る例示的なタイプの医薬賦形剤は、例として、限定されないが、キレート剤、防腐剤、吸着剤、酸性化剤、アルカリ化剤、消泡剤、緩衝剤、着色剤、電解質、風味剤、研磨剤、塩、安定剤、甘味剤、張性調節剤(tonicity modifier)、接着防止剤(antiadherent)、結合剤、希釈剤、直接圧縮賦形剤、崩壊剤、流動促進剤、潤滑剤、不透明化剤(opaquant)、可塑剤、その他の医薬賦形剤、またはこれらの組合せを含む。
【0108】
3次元プリント物品に含まれ得る例示的なタイプの非医薬賦形剤は、例として、限定されないが、灰、粘土、セラミック、金属、ポリマ、生物材料、プラスチック、無機材料、塩、その他のこのような材料、またはこれらの組合せを含む。
【0109】
一部の実施形態では、粉末が、1つもしくはそれ以上の、2つもしくはそれ以上の、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上、6つもしくはそれ以上、7つもしくはそれ以上、8つもしくはそれ以上、9つもしくはそれ以上、10もしくはそれ以上または複数の部品を含み、各部品がそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態では、装置アセンブリが、1つもしくはそれ以上、2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上、6つもしくはそれ以上、7つもしくはそれ以上、8つもしくはそれ以上、9つもしくはそれ以上、10もしくはそれ以上、または複数の粉末(または固体成分)溜めを含む。
【0110】
医薬活性剤は、一般に、動物、細胞、ヒト以外の動物、およびヒトに系統的または局所的な効果を生じさせる、生理活性物質または薬理活性物質を含む。活性剤が存在するとき、このような活性剤を使用することができる。活性剤の例示的な分類は、例として、限定されないが、殺虫剤、除草剤、防虫剤、酸化防止剤、植物成長インスチゲータ(instigator)、殺菌剤、触媒、化学試薬、食品、栄養素、化粧品、ビタミン、不妊抑制剤、生殖能インスチゲータ、微生物、香味料、甘味料、洗浄剤、およびその他の医薬用、獣医用、園芸用、家庭用、食用、調理用、農業用、化粧用、工業用、クリーニング用、製菓用および香味用化合物が挙げられる。
【0111】
特に明記されていなければ、用語「活性剤」は、中性形態、イオン性形態、塩形態、塩基性形態、酸性形態、天然形態、合成形態、ジアステレオマ形態、異性体、エナンチオマ的に純粋な形態、ラセミ体、水和物、キレート形態、誘導体形態、アナログ形態、光学活性形態、光学強化形態、遊離塩基形態、遊離酸形態、位置異性体(regioisomeric)、非結晶形態、無水形態および/または結晶形態を含む、あらゆる形態の活性剤を含む。
【0112】
3次元プリント剤形は、1つ、2つまたはそれ以上の異なる活性剤を含むことができる。活性剤の特定の組合せが提供され得る。活性剤の一部の組合せは、1)第1の薬効分類の第1の薬物および同一の薬効分類の異なる第2の薬物;2)第1の薬効分類の第1の薬
物および異なる薬効分類の異なる第2の薬物;3)第1のタイプの生物学的活性を有する第1の薬物および略同一の生物学的活性を有する異なる第2の薬物;4)第1のタイプの生物学的活性を有する第1の薬物および異なる第2のタイプの生物学的活性を有する異なる第2の薬物を含む。活性剤の例示的な組合せを本明細書で説明する。
【0113】
活性剤は、抗生物質、抗ヒスタミン剤、うっ血除去剤、消炎剤、駆虫剤、抗ウイルス剤、局所麻酔剤、抗真菌剤、抗アメーバ剤、抗トリコモナス剤、鎮痛薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗凝血薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、糖尿病治療薬、抗腫瘍薬、抗精神病薬、神経弛緩薬、血圧下降薬、催眠鎮静薬、鎮静薬、抗不安抗うつ薬(anxiolytic energizer agent)、抗パーキンソン薬、筋弛緩薬、抗マラリア薬、ホルモン剤、避妊薬、交感神経様作用薬、血糖降下薬、抗脂血薬、眼科用剤、電解剤、診断薬、消化管運動促進薬、胃酸分泌抑制薬、潰瘍治療薬(anti-ulcerant agent)、鼓腸抑制薬(anti-flatulent agent)、尿失禁治療薬、心血管薬、またはこれらの組合せ等の活性剤からそれぞれ独立して選択され得る。これらおよびその他の有用な薬物の分類の説明および各分類における種の一覧が、その全体を参照によって本明細書に組み入れるMartindale,The Extra Pharmacopoeia、第31版(The Pharmaceutical Press、London 1996)に見られる。
【0114】
上記の一覧は、網羅的なものとみなすべきではなく、本発明の範囲内で考慮される多くの実施形態の例に過ぎない。多くの他の活性剤が本発明の粉末に含まれ得る。
【0115】
粉末に付加される液体は、溶液または懸濁液であり得る。液体は、水性担体、非水性担体、有機担体、またはこれらの組合せを含む。水性担体は、水または水性緩衝液であり得る。非水性担体は、有機溶媒、低分子量ポリマ、油、シリコーン、その他の適切な材料、アルコール、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ポリ(エチレングリコール)、グリコール、その他のこのような材料、またはこれらの組合せであってよい。
【0116】
一部の実施形態では、装置アセンブリが、1つもしくはそれ以上、2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、または複数の液体溜めを含む。液体は着色されていても着色されていなくてもよい。液体は、顔料、塗料、染料、毛染め剤、インク、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0117】
液体には、1つまたはそれ以上の溶質が溶解されていてもよい。粉末および/または液体は、1つまたはそれ以上の結合剤を含むことができる。
【0118】
本明細書の例示的な実施形態は、網羅的なものとみなすべきではなく、本発明によって考えられる多くの実施形態のうちのごく一部を示すに過ぎない。
【0119】
本明細書で使用されるように、用語「約(about)」は、示された値の±10%、±5%、または±1%以内の値を意味するものと考えられる。
【0120】
本明細書に引用されたすべての文献の全開示を、参照によって組み入れる。
【0121】
〔実施例1〕
以下の材料および手順を使用して、唾液で速やかに溶解される3次元プリント剤形を調製する。
【0122】
少なくとも1つの医薬担体を含む粉末が粉末溜めに装填される。液体および少なくとも
1つの活性成分を含む流体が流体溜めに装填される。装置アセンブリが操作されると、構築モジュールを1つまたはそれ以上の構築ステーションに繰返し通過させることにより、プリント粉末の複数の積層増分層が順次、構築モジュールに形成される。一般的に、4~50の増分プリント粉末層が形成され、互いに接着して、1つまたはそれ以上の物品がルース粉末に囲まれた、またはルース粉末に埋め込まれたプリント床を形成する。プリント床を乾燥器で乾燥させる。取入器を用いてプリント物品がルース粉末から分離される。その後、場合により、除塵器を用いてプリント物品が除塵される。次いで、プリント物品が場合により包装される。
【0123】
上記は、本発明の特定の実施形態の詳細な説明である。例示の目的で本発明の特定の実施形態について本明細書で説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の修正を行うことができることを理解されよう。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲によるものを除いて限定されない。本開示に照らして、必要以上の実験を行うことなく、本明細書に開示され特許請求されたすべての実施形態を作成し、実行することができる。