(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ミクロトーム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
G01N1/06 L
G01N1/06 H
(21)【出願番号】P 2019525864
(86)(22)【出願日】2017-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017061551
(87)【国際公開番号】W WO2018090008
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-07-11
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504462571
【氏名又は名称】サクラ ファインテック ユー.エス.エー., インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャン エス. ブイ
(72)【発明者】
【氏名】アリシア マリー リオス
(72)【発明者】
【氏名】エリコ フォン ビューレン
【審査官】西浦 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-009540(JP,A)
【文献】国際公開第2012/147730(WO,A1)
【文献】特開2012-080629(JP,A)
【文献】特開2016-010246(JP,A)
【文献】特開2013-132844(JP,A)
【文献】特開2015-033523(JP,A)
【文献】特開2012-233918(JP,A)
【文献】特開2004-037459(JP,A)
【文献】LEICA MICROSYSTEMS,LEICA EM UC7 Operating Manual,2010年09月14日,http://www.nuance.northwestern.edu/docs/epic-pdf/EM%20UC7%20instruction%20manual.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロトームチャックであって、
取り付け部分を試料切出装置に脱着可能に取り付ける働きをする嵌合面と、前記取り付け部分を電源に電気的に接続する働きをする電気接点とを有する取り付け部分と、
前記取り付け部分に結合され、試料を収容するように寸法決めされた空所を含む試料収容面を有する試料収容部分と、
前記試料収容部分に結合され、前記試料収容面に沿って配置された試料と前記試料収容面との間に配置されるように前記試料収容面の前記空所内に配置され、光を前記試料収容面から前記試料収容面に沿って位置決めされた試料を直接通して放射する働きをする光源と、
前記光源を前記取り付け部分の前記電気接点に電気的に接続する回路とを備え、
前記光源が発光ダイオード(LED)であって、光線が漏れることで試料に達する光線が少なくならないように前記光源と試料の間の不必要な空間又はギャップの発生が回避されるよう、光源の発光面が収容面と実質的に同じ平面内にあるような所定の位置に配置されることを特徴とするミクロトームチャック。
【請求項2】
前記光源が、複数のLED を含む発光ダイオード(LED) チップである、請求項1に記載のミクロトームチャック。
【請求項3】
前記空所が、前記光源の厚さと実質的に同じ深さを有する、請求項1に記載のミクロトームチャック。
【請求項4】
前記光源によって放射された光の輝度又は波長の少なくとも一方を修正するコントローラを更に備えた、請求項1に記載のミクロトームチャック。
【請求項5】
前記コントローラが、前記試料の特徴に応じて前記光の前記輝度又は波長の一方を修正する、
請求項4に記載のミクロトームチャック。
【請求項6】
前記回路が、前記取り付け部分と前記試料収容部分の間に取り付けられたフレキシブル回路を備えた、請求項1に記載のミクロトームチャック。
【請求項7】
前記電気接点が第1の電気接点であり、前記試料切出装置が、前記電源に電気的に接続された第2の電気接点を備え、前記取り付け部分が前記試料切出装置に取り付けられたとき、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点が互いに接触し、前記光源が前記電源に電気的に接続される、請求項1に記載のミクロトームチャック。
【請求項8】
ミクロトームであって、
試料から切片を切断する働きをする切断機構と、
請求項1から7のいずれか1項記載のミクロトームチャックと、を備えた、ミクロトーム。
【請求項9】
前記光源は、複数のLED を含む発光ダイオード(LED) チップであり、第1の輝度と、前記第1の輝度と異なる第2の輝度で光を放射する、請求項8に記載のミクロトーム。
【請求項10】
前記LEDが第1のLEDであり、前記光源が、更に、第2のLEDを備え、前記第1のLEDと前記第2のLEDが異なる波長で動作可能である、請求項8に記載のミクロトーム。
【請求項11】
前記ミクロトームが切断操作を行っていることをユーザに警告するアラームを更に備えた、請求項8に記載のミクロトーム。
【請求項12】
試料切出装置であって、
試料から切片を切断する切断機構と、
前記切断機構に対して動く試料ホルダであって、第1の側面と第2の側面を有し、前記第1の側面が前記切断機構の方を向き、試料を収容するように寸法決めされ、前記第1の側面が空所を有する試料ホルダと、
前記試料ホルダに結合された光源であって、前記第1の側面に沿って配置された試料と前記第1の側面との間に配置されるように第1の側面の空所内に配置され、光を前記試料ホルダの前記第1の側面から前記第1の側面に位置決めされた試料を直接通して放射する光源と、
前記光源に電力を提供するための電気エネルギーを生成する発電機とを備え、
前記光源が発光ダイオード(LED)であって、光線が漏れることで試料に達する光線が少なくならないよう前記光源と試料の間の不必要な空間又はギャップの発生が回避されるよう、光源の発光面が第1の側面と実質的に同じ平面内にあるような所定の位置に配置されることを特徴とする試料切出装置。
【請求項13】
前記試料ホルダが、前記光源と、前記発電機によって生成された前記電気エネルギーとの間の電気接続を提供するフレキシブル回路を備えた、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項14】
前記発電機が、前記試料ホルダの駆動運動のためのハンドル車の機械運動を前記光源に電力を提供するための電気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを生成する、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項15】
前記発電機が、日光を前記光源に電力を提供するための電気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを生成する、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項16】
前記発電機が、圧電発電機である、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項17】
前記発電機が、ステッピングモータを含む、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項18】
前記光源によって使用するために前記発電機によって生成されたエネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置を更に備えた、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項19】
前記光源から放射された光の輝度又は波長の一方を制御するためのコントローラを更に備えた、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項20】
前記コントローラが、前記試料の特徴に基づいて前記光の輝度を修正する、請求項19に記載の試料切出装置。
【請求項21】
前記コントローラが、前記試料の特徴に基づいて前記光の波長を修正する、請求項20に記載の試料切出装置。
【請求項22】
前記装置が切断操作を行っているときにユーザに警告を出すアラームを更に備えた、請求項12に記載の試料切出装置。
【請求項23】
前記切断機構と関連付けられたハンドル車をロックするロックを更に備え、前記光源は、前記ハンドル車がロックされたときに点灯される、請求項12に記載の試料切出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年11月14日に出願された米国仮出願第62/421,755号に対する優先権を請求する2017年11月13日に出願された同時係属米国仮特許出願第15/811,476号、2017年11月13日に出願された米国仮特許出願第15/811,474号、2017年11月13日に出願された米国仮特許出願第15/811,464号、及び2017年11月13日に出願された米国仮特許出願第15/811,447号の優先権の利益を請求し、これらの出願は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、試料の切片を作成するミクロトーム又は他の組織試料切出装置に関し、具体的には、幾つかの実施形態は、光源、発電機、内蔵付属品格納器、付属品トレイ、パラフィン除去組立体及び/又はアラームを備えたミクロトーム又は他の組織試料切出装置に関する。
【背景技術】
【0003】
組織学は、検査又は分析のための組織標本の作成と関連した科学又は学問である。検査又は分析は、細胞レベル、化学組成、組織形態若しくは組成、又は他の組織特徴のものでよい。
【0004】
組織学では、組織の試料は、ミクロトーム又は他の試料切出装置による切出によって作成されうる。一般に、組織は、例えば組織を1つ以上の脱水剤に晒すことによって、組織から大部分又はほとんどの水を除去することによって乾燥又は脱水されうる。組織の脱水後、脱水剤の清浄が行われることがあり、次に包埋剤(例えば、可塑剤が添加されたろう)が脱水組織に導入又は浸透されうる。水の除去と包埋剤の浸透は、組織標本を10年以上保全でき、ミクロトームを使って組織を薄い切片に切り出すのに役立ちうる。
【0005】
次に、組織の埋め込みが行われうる。埋め込む際、脱水され包埋剤が浸透された組織は、様々なろう、様々な高分子、又は別の包埋剤のうちの1つを使用してブロックに埋め込まれうる。典型的には、脱水され、ろうが浸透された組織は、鋳型及び/又はカセットに入れられ、鋳型がろうで満たされるまで組織の上に溶解ろうが小出しされ、次にろうが冷却され硬化されうる。組織をろうのブロックに埋め込むと、ミクロトームで組織標本を切断又は切り出す際の付加的支援を提供しうる。
【0006】
ミクロトームは、組織の試料の薄切片又は切片を切断するために使用されうる。種々の異なるタイプのミクロトームが当技術分野で知られている。代表的なタイプには、例えば、そり、回転、振動、のこぎり、及びレーザ式ミクロトームがある。ミクロトームは、手動又は自動でありうる。自動ミクロトームは、切片が切断される試料と、切片を切断するために使用される切断機構との間の切断運動を駆動又は自動化する電動システム又は駆動システムを含みうる。手動ミクロトームは、切断運動を駆動するためにハンドル車の回転に依存しうる。ミクロトームが、実際の組織学以外の他の目的に使用されてもよく、ミクロトームが実際の包埋組織以外の他のタイプの試料に使用されうることを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
組織スライシング操作の際、例えば、ユーザがパラフィンブロックを位置合せしかつ/又は試料自体の特定の特徴を強調するために、スライスされるパラフィンブロックを照明することが望ましい。したがって、本発明の一態様では、光源(例えば、1つ以上のLED)が、ブロックの裏側を照明するように、(生物組織が埋め込まれうる)パラフィンブロックのホルダ内に取り付けられる。裏側を照明することによってブロック全体が照明され、したがって、スライシング及び位置合わせが容易になり、中の生物組織の特徴も照明/強調される。あるいは、光源は、ホルダの側面内に位置決めされ、それにより、光がブロックの側面に入りブロックを側面から照明する。更に、光源が、多数の異なる有色LED(例えば、赤、緑、青及び白)を含む場合、光の色は、個別の赤、緑、青及び/又は白色LEDのオン・オフ組み合わせによって選択されうる。更に、システムは、完全なオン・オフLED制御が可能だけでなく、輝度及び幅広い色の組み合わせの制御を可能にする各赤、緑、青及び/又は白色要素LEDの輝度制御も含みうる。
【0008】
より具体的には、一実施形態では、本発明は、取り付け部分を試料切出装置に脱着可能に取り付ける嵌合面を有する取り付け部分と、取り付け部分を電源に電気的に接続する電気接点とを備えたミクロトームチャックを対象とする。更に、チャックは、取り付け部分に結合された試料収容部分を有し、試料収容部分は、試料を収容するように寸法決めされた試料収容面と、試料収容部分に結合された光源と、試料収容面から試料収容面に沿って位置決めされた試料を通して光を放射する光源と、光源を取り付け部分の電気接点に電気的に接続する回路とを含む。幾つかの実施形態では、光源は、発光ダイオード(LED)を含みうる。例えば、光源は、複数のLEDを含む発光ダイオード(LED)チップでよく、LEDチップは、試料収容部分に取り付けられる。光源は、試料収容部分の空所内に位置決めされてもよく、空所は、光源の厚さと実質的に同じ深さを有してもよい。光源は、試料収容面に、光源が試料収容面に沿って位置決めされた試料と試料収容面との間に位置決めされるように取り付けられうる。幾つかの実施形態では、更に、光源によって放射された光の輝度又は波長の少なくとも一方を修正するコントローラが提供される。コントローラは、試料の特徴に応じて光の輝度又は波長の一方を修正しうる。回路は、取り付け部分と試料収容部分の間に取り付けられたフレキシブル回路でよい。電気接点は、第1の電気接点でよく、試料切出装置は、電源に電気的に接続された第2の電気接点でよい。幾つかの例では、取り付け部分が、試料切出装置に取り付けられたとき、第1の電気接点と第2の電気接点が互いに接触し、光源は電源に電気的に接続される。試料切出装置は、手動ミクロトームを含むことができ、電源は、試料切出装置のハンドル車を回転させることによって手動で生成される電流を含む。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、試料から切片を切断する切断機構と、試料を保持し切断機構に対して移動する試料ホルダとを備え、試料ホルダは、第1の側面と第2の側面を有し、第1の側面は、切断機構の方を向き、試料と、試料ホルダに結合された光源とを収容するように寸法決めされ、光源は、光を試料ホルダの第1の側面から第1の側面に位置決めされた試料を通して放射する発光ダイオード(LED)チップを備える。幾つかの態様では、LEDチップは、第1の輝度と、第1の輝度と異なる第2の輝度で光を放射する。LEDは、幾つかの場合、第1のLEDでよく、光源は、更に第2のLEDを含み、第1のLEDと第2のLEDは異なる波長で動作可能でよい。LEDは、試料ホルダの第1の側面に位置決めされうる。幾つかの態様で、ミクロトームは、更に、ミクロトームが切断操作を行っていることをユーザに警告するアラームを備えうる。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、ミクロトームチャックによって保持された試料の特徴を決定すること、試料の特徴に基づいてミクロトームチャックの光源から出力された光の特性を制御することを含む、ミクロトームチャック光源を制御する方法を対象とする。試料には生物試料が含まれ、試料の特徴には、生物試料の色、生物試料の密度、又は生物試料の生物学的要素が含まれる。光源は、発光ダイオード(LED)を含むことができ、光源によって出力された光の特性を制御することは、LEDによって出力された光の強度を変更することを含む。試料は、パラフィン内に埋められた生物試料を含むことができ、試料の特徴は、パラフィンの色又はパラフィンの密度を含みうる。試料は、パラフィン埋込み生物試料及びカセットを含むことができ、試料の特徴は、カセットの色を含む。幾つかの実施形態で、光源は、様々な波長を有する複数の発光ダイオード(LED)を含むことができ、光源によって出力された光の特性を制御することは、所望の光出力色が達成されるように、発光ダイオードのうちの1つの発光ダイオードの強度を、発光ダイオードのうちの別のものに対して修正することを含む。
【0011】
更に他の実施形態において、本発明は、手動ミクロトームを対象とする。手動ミクロトームは、装置の他の態様を作動させるために、如何なる種類の電源にも依存せず電力自体を生成しない。したがって、本発明の一態様では、スライシング操作を駆動するために手動で回転されるミクロトームハンドル又はホイールは、実時間で使用され(例えば、スライシング操作の際に光源に電力を供給する)、又は他の目的のために蓄えられミクロトームによって使用されうるエネルギーの生成を容易にするように適応される。例えば、ハンドルの回転は、キャパシタ又はバッテリによって蓄えられ、次にミクロトームの他の態様に電力供給するために使用されうるエネルギーを生成できる。
【0012】
より具体的には、一実施形態では、本発明は、試料から切片を切断する切断機構と、切断機構に対して移動する試料ホルダとを備え、試料ホルダは、第1の側面と第2の側面を有し、第1の側面は、切断機構の方を向き、試料を収容するように寸法決めされ、試料ホルダに結合された光源とを有し、光源が、光を試料ホルダの第1の側面から第1の側面に位置決めされた試料を通して放射し、光源に電力を提供する電力のための電気エネルギーを生成する発電機とを備える試料切出装置を対象とする。一態様では、光源は、発光ダイオード(LED)でよい。試料ホルダは、光源と発電機によって生成された電気エネルギーとの間の電気接続を提供するフレキシブル回路を含みうる。発電機は、試料ホルダの動きを駆動するためのハンドル車の機械運動を、光源に電力を提供するための電気エネルギーに変換することによって、電気エネルギーを生成しうる。発電機は、日光を光源に電力を提供するための電気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを生成する。例えば、発電機は、ミクロトームの外部ハウジングに取り付けられた太陽電池パネルを含みうる。発電機は、圧電発電機でよい。発電機は、ステッピングモータを含みうる。装置は、更に、光源によって使用するための発電機によって生成されたエネルギーを蓄えるエネルギー蓄積装置、及び/又は光源から放射された光の輝度又は波長のうちの一方を制御するコントローラを備えうる。コントローラは、試料の特徴に基づいて光の輝度を修正しうる。例えば、コントローラは、試料の特徴に基づいて光の波長を修正しうる。幾つかの例では、装置は、装置が切断操作を行っているときにユーザに警告を出すアラームを含みうる。更に、切断機構と関連付けられたハンドル車をロックするロックが提供され、場合によっては、光源は、ハンドル車がロックされたときに照明されうる。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、試料から切片を切断する切断機構と、試料を保持する働きをする試料ホルダと、切断操作中に試料ホルダを切断機構に対して移動させるハンドル車と、電子構成要素に電力を提供するための電気エネルギーを生成する発電機とを備えた試料切出装置を対象とする。
【0014】
発電機は、ハンドル車の機械運動を電子構成要素に電力を提供するための電気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを生成し、電子構成要素は、試料ホルダに結合された光源でよい。発電機は、日光を電子構成要素に電力を提供するための電気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを生成する働きをし、電子構成要素は、試料ホルダに結合された光源でよい。装置は、更に、電子構成要素によって使用するために発電機によって生成されたエネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置を備えることができ、電子構成要素は、試料ホルダに結合された光源でよい。電子構成要素は、光を試料ホルダから試料ホルダ上の試料を通して放射する光源を備えることができ、光源は、試料ホルダの試料保持面と試料の間に位置決めされうる。電子構成要素は、光を試料ホルダから試料ホルダ上の試料を通して放射する発光ダイオード(LED)を備えることができ、光の強度又は色の一方が修正される。電子構成要素は、幾つかの実施形態では、切断操作が行われているかどうかをユーザに示すアラームでよい。電子構成要素は、発光ダイオード(LED)チップでよく、更に、ミクロトームは、ミクロトームが切断操作を行っていることをユーザに警告するアラームを備えうる。
【0015】
一実施形態では、本発明は、格納組立体を備えたミクロトームを対象とする。典型的に、ミクロトームは、基部、前部及び上部を有するハウジングと、ミクロトームハウジングの上部と関連付けられたミクロトーム格納部材と、ミクロトームハウジングの前部と関連付けられた試料切出組立体とを有し、試料切出組立体は、試料から切片を切断する働きをする。ミクロトーム格納部材は、ミクロトームハウジングの上部内に形成された凹部を有し、凹部は、ミクロトーム付属品を収容するように寸法決めされる。ミクロトーム格納部材は、脱着式トレイを有しうる。脱着式トレイは、ミクロトームハウジングの上部と嵌合するように寸法決めされた嵌合面と、ミクロトーム付属品を収容するように寸法決めされた凹部を有する格納面とを備えうる。幾つかの例では、ミクロトームトレイ付属品は、ティッシュボックス、スライド、スライドキャリア又は細長い機器でよい。ミクロトーム格納部材は、正方形又は長方形断面を有する凹部を有しうる。幾つかの例では、ミクロトーム格納部材は、ミクロトームの上部と一体形成されうる。
【0016】
他の実施形態では、ミクロトーム格納トレイは、嵌合面と格納面を有する収容部材を備えることができ、嵌合面は、ミクロトームハウジングの表面と脱着可能に嵌合するように寸法決めされ、格納面が、ミクロトーム付属品を保持するように寸法決めされた凹部と、収容部材から延在する支持部材とを備え、支持部材は、収容部材に接続した第1の部分と、第1の部分に対して斜めの第2の部分とを有する。嵌合面は、嵌合面が上壁の凹部内に嵌まるように、ミクロトームハウジングの上壁内の凹部の形状に対して相補的な形状を有しうる。幾つかの例では、格納面の凹部は、正方形又は長方形形状の一方を有しうる。支持部材の第1の部分は、収容部材の格納面と実質的に平行でよく、第2の部分は、収容部材が位置決めされたミクロトームハウジングの縁のまわりで湾曲するように寸法決めされうる。第2の部分は、ミクロトーム付属品を保持するための細長いチャネルを有する支持部材を有しうる。
【0017】
幾つかの実施形態では、本発明は、ベース部材を有するハウジングと、ベース部材上に位置決めされ試料から切片を切断する切断機構と、切断操作中に試料を保持するように寸法決めされ、切断機構に対して移動する試料ホルダと、切断機構と試料ホルダの下に位置決めされたごみ除去組立体とを備えた試料切出装置を対象とし、ごみ除去組立体は、切断操作中に生成されたごみを除去するように寸法決めされた第1の部材と第2の部材を有する。幾つかの例では、第1の部材と第2の部材はそれぞれ、ベース部材に可動式に接続され、ベース部材に対して第1の角度にある第1の位置と、第1の角度より大きくベース部材に対して第2の角度にある第2の位置との間で動く。幾つかの例では、第1の部材と第2の部材が、第1の傾斜角と第2の傾斜角の間でベース部材に対して動き、第2の傾斜角は、約90度でありかつ第1の傾斜角より大きい。切断機構は、ベース部材に対して摺動でき、切断機構の摺動によって、第1の部材と第2の部材が互いに対して動きうる。第1の部材と第2の部材は、切断機構と試料ホルダの下に勾配面を形成しうる。第1の部材と第2の部材は、互いに対して固定されうる。更に、装置は、第1の部材又は第2の部材に結合されてその温度を制御する温度制御部材を有しうる。
【0018】
他の実施形態では、本発明は、ミクロトームハウジングに結合された第1の傾斜部材と、ミクロトームハウジングに結合された第2の傾斜部材と、第1の傾斜部材と第2の傾斜部材に可動式に結合されたアクチュエータとを有する試料切出装置のためのごみ除去組立体を対象とし、アクチュエータは、第1の傾斜部材又は第2の傾斜部材の一方の勾配を変化させる働きをする。第1の傾斜部材と第2の傾斜部材は金属板でよい。第1の傾斜部材又は第2の傾斜部材の一方は、ヒンジによって試料切出装置に結合された縁を有する板を含みうる。第1の傾斜部材又は第2の傾斜部材の勾配は第1の勾配でよく、アクチュエータは、第1の傾斜部材又は第2の傾斜部材を第2の勾配に変化させ、第2の勾配は、第1の勾配より大きくてよい。アクチュエータは、第1の傾斜部材又は第2の傾斜部材の一方の勾配を水平に対して90度の範囲内で変化させうる。アクチュエータは、試料切出装置の切断機構でよく、切断機構の摺動によって、第1の傾斜部材又は第2の傾斜部材の一方の勾配が変化する。幾つかの例では、アクチュエータは、作動部材と突出部を有することができ、作動部材は、第1の傾斜部材と第2の傾斜部材の下の突出部を摺動させて勾配を変化させる。アクチュエータは、ユーザによって手動で操作されうる。アクチュエータは、自動化されうる。幾つかの例では、熱電冷却機(TEC)が第1の部材又は第2の部材に結合されてその温度を制御できる。
【0019】
上記の要約は、本発明の全ての態様の徹底的リストを含まない。本発明が、以上で要約された様々な態様の全ての適切な組み合わせから実施されうる全ての装置、並びに以下の発明の詳細な説明に開示され、特に本出願で共に出願された請求項で指定されたものを含むことが意図される。そのような組み合わせは、上記の要約に具体的に列挙されていない特定の利点を有する。
【0020】
本発明は、本発明の実施形態を例証するために使用される以下の記述及び添付図面を参照することによって最もよく理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ミクロトーム又は他の試料切出装置の一実施形態の概略図である。
【
図2】試料ホルダの斜視図の一実施形態を示す図である。
【
図5】
図4の試料ホルダの線5-5’に沿った断面下斜視図である。
【
図6】試料切出装置と関連付けられた発電機の一実施形態の概略図である。
【
図7】試料切出装置と関連付けられた発電機の別の実施形態の概略図である。
【
図8】試料切出装置と関連付けられた発電機の別の実施形態の概略図である。
【
図9】試料切出装置と関連付けられた発電機の別の実施形態の概略図である。
【
図10】試料切出装置と関連付けられた発電機の別の実施形態の概略図である。
【
図11】試料ホルダが関連付けられた試料切出装置の一実施形態のブロック図である。
【
図12】ミクロトーム格納部材の一実施形態の斜視図である。
【
図14】ミクロトーム格納部材の別の実施形態の斜視図である。
【
図16】
図16Aは、ミクロトーム格納部材の別の実施形態の斜視図である。
図16Bは、ミクロトーム格納部材の別の実施形態の斜視図である。
【
図18】ごみ除去組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図19】ごみ除去組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図20】ごみ除去組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図21】
図1の試料切出装置と関連付けられたハンドル車ロックの一実施形態の斜視図である。
【
図22】
図1の試料切出装置と関連付けられた制御パネルの一実施形態の斜視図である。
【
図23】試料特徴に基づいて光源を制御するプロセスの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の記述では、特定のミクロトーム、特定の切断駆動システム、特定のセンサ、特定の検出機構、特定の表面配向測定及び/又は調整プロセスなどの多数の特定の詳細が説明される。しかしながら、本発明の実施形態が、これらの特定の詳細なしに実施されうることが理解される。他の例では、周知の機械構成要素、回路、構造及び技術は、この記述の理解を不明瞭にしないようにするため、詳細に示されていない。
【0023】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけについて述べるものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で、「下(beneath)」、「下(below)」、「下側(lower)」、「上(above)」、「上側(upper)」などは、図示されたような1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を記述し易くするために使用されうる。空間的に相対的な用語は、図に表された向きに加えて使用又は操作における装置の様々な向きを包含することを理解されたい。例えば、図内の装置がひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下(below)」又は「下(beneath)」として示された要素は、他の要素又は特徴の「上(above)」に向けられる。したがって、典型的な用語「下(below)」は、上の向きと下の向きの両方を含みうる。装置は、向きが違うふうに決められてもよく(例えば、90度回転されるか他の向き)、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれにより解釈される。
【0024】
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が他の情報を示さない限り複数形も含む。更に、用語「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、述べた特徴、ステップ、操作、要素及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在や追加を妨げない。
【0025】
用語「又は(or)」及び「及び/又は(and/or)」は、本明細書で使用されるとき、任意の1つ又は任意の組み合わせを含むか又は意味すると解釈されるべきである。したがって、「A、B又はC」又は「A、B及び/又はC」は、「A、B、C、AとB、AとC、BとC、A、B及びCのいずれか」を意味する。この定義の例外は、要素、機能、ステップ又は動作の組み合わせが、何らかの形で本質的に相互排他的であるときのみ起こりうる。
【0026】
図1は、ミクロトーム又は他の試料切出装置の一実施形態の概略図を示す。ミクロトーム100は手動ミクロトームでもよく、別の実施形態では、ミクロトーム100は自動ミクロトームでもよい。ミクロトーム100は、様々なミクロトーム構成要素を支持しかつ/又は密閉するように寸法決めされた筐体又はハウジング102を含みうる。例えば、ハウジング102は、ミクロトーム構成要素を内部に位置決めし密閉できる内部密閉空間又は小室と、ミクロトーム構成要素を支持するための外側面とを規定するシェル状構造でよい。ハウジング102は、ベース部材104、上部106及び前部108を有しうる。ベース部材104は、装置が上で操作されるテーブルなどの面に乗るように寸法決めされ、様々な試料切出機器又は構成要素を支持できる。上部106は、ミクロトームハウジング102の最上面でよく、場合によっては、本明細書で述べるように、ミクロトーム付属品を格納するための領域を提供する。前部108は、上部106をベース部材104に接続し、様々な試料切出構成要素を支持しうる。例えば、切出組立体110は、試料切出のための様々な構成要素、機器などを含み、ハウジング102の前部108に取り付けられうる。典型的に、切出組立体110は、ベース部材104に取り付けられた切断機構112と、ハウジング102の前部108に取り付けられた試料ホルダ114とを備えうる。試料ホルダ114は、切断操作中に試料(例えば、パラフィン包埋組織試料)を収容し保持するように寸法決めされうる。
【0027】
更に、切断操作中に試料を見やすくするために、試料ホルダ114は、更に、光源116を備えうる。光源116は、試料ホルダ114内に保持された試料126を後側(例えば、試料ホルダ114に向くか/又は接触する面)から照明するように構成され、それにより、ユーザは、切断操作中に試料126の様々な態様をはっきり見ることができる。例えば、試料126は、身体から取得されパラフィンろうに埋め込まれた生物組織でよい。組織は、光源116からの透過光によって強調できるか他の方法で見え易くされたDNA、タンパク質、脂質、炭水化物、繊維、結合組織、又は他のタイプの組織化合物若しくは構造を含みうる。更に、光源116は、パラフィンろう内の組織の位置を強調し易くし、それにより、ユーザは、例えば、組織がスライスされているかどうか、及び/又は組織に達するのに何枚のパラフィンのスライスが必要かを確認できる。光源116は、ミクロトーム100に接続された入力装置130を使用して制御されうる。入力装置130は、例えば、電子構成要素の操作の制御に使用されうるつまみ、ボタン、タッチパッド、又は他のユーザ入力装置でよい。試料ホルダ114と光源116の構成は、
図2~
図5に関してより詳細に述べられる。
【0028】
切断機構112は、試料ホルダ114内に保持された試料126のスライスを切断するのに適切したナイフ又はブレード124などの切断部材を含みうる。一実施形態において、試料ホルダ114は、切断機構112に対して移動する。例えば、試料ホルダ114は、切断機構112が静止したままで試料ホルダを垂直方向(例えば、水平に対して上又は下)に移動させる送り駆動システム又は切断駆動システムに結合されうる。あるいは、試料ホルダ114(又は、試料ホルダ114の一部分)が静止している間に、切断機構112が、例えば試料ホルダ114に対して垂直方向(例えば、上下)に移動される。どちらの構成要素が移動されるかにかわらず、切断機構112に対する試料ホルダ114の移動は、試料ホルダ114内に保持された試料がスライス又は切り出されるようなものでなければならない。より具体的には、試料126の表面は、切断機構112及び/又は切断機構112と関連付けられた切断面と十分に平行に調整され、試料ホルダ114(又は切断機構112)が上昇及び/又は下方に移動されて、十分均一に切断された試料切片が作成されうる。本明細書では、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上(top)」、「下(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」などの用語が、図示された装置の記述を容易にするために使用されることを理解されたい。水平運動を垂直運動に置き換える他の装置などが可能である。
【0029】
試料126からスライスされた試料切片は、例えばブレード124に結合された勾配収容部材128によって収容されうる。更に、切出組立体110は、スライス操作と関連した砕片又はごみ(例えば、パラフィン片)が、切断機構112及び/又は収容部材128の後ろで、試料ホルダ114の下でベース部材104上に位置決めされたごみ除去組立体120上に落ちうるように設計されうる。ごみ除去組立体120は、
図17A~
図20に関してより詳細に述べられる。
【0030】
ミクロトーム100は、更に、格納部材122を含みうる。格納部材122は、様々なミクロトーム構成要素を保持するように設計された隔室又は凹状領域を有しうる。例えば、格納部材122は、ユーザがミクロトーム100の操作中に必要とすることがあるティッシュボックス、スライド、複数のスライドを保持するキャリア、ブラシや鉛筆などの他の機器を保持するように構成されうる。格納部材122は、ミクロトームハウジング102の上部106と一体形成されてもよく、上部106に脱着可能に取り付けられた別個のトレイ状構造物でもよく、一体形成された部材と脱着可能な構造物の組み合わせでもよい。格納部材122は、
図12~
図16Bに関してより詳細に述べられる。
【0031】
図1を再び参照すると、試料ホルダ114の移動は、ハンドル車118(又は、自動ミクロトームの場合は制御装置)を使用して制御されうる。この視点からはハンドル車118のハンドル部分しか見えないが、ハンドル部分は、ハンドルの回転時に回転されうるホイールと関連付けられることを理解されたい。ハンドル車118の回転によって、試料ホルダ114(又は、切断機構112)と関連付けられた垂直駆動部材が垂直方向に移動して試料126のスライシングを容易にしうる。幾つかの実施形態で、ハンドル車118は、ハンドル車118の機械エネルギーを電気エネルギーに変換して、例えば光源116の動作を駆動する発電機と関連付けられうる。ハンドル車118と発電機の種々の態様は、
図6~
図10に関してより詳細に検討される。
【0032】
次に、試料ホルダ及び関連光源の特定の態様は、
図2、
図3A~3B、
図4及び
図5に関して詳細に述べられる。詳細には、
図2は、試料ホルダ114の斜視図を示す。試料ホルダ114は、ミクロトームチャックの一部と見なされてもよく、試料ホルダ114自体がミクロトームチャックでもよい。試料ホルダ114は、試料を収容し保持するように寸法決めされた試料収容部分202と、試料ホルダ114を所望のミクロトームに脱着可能に取り付けるか又は結合するように寸法決めされた取り付け部分204とを有しうる。試料収容部分202は、試料が位置決めされる試料収容面206を含みうる。試料収容面206は、試料を中に位置決めできる凹状領域216を画定する上締め付け部分208と下締め付け部分210によって囲まれうる。上締め付け部分208と下締め付け部分210は、締め付け部材212の一部と見なされうる。締め付け部材212は、また、締め付け部分208,210を摺動させて互い近づけ又は遠ざけて試料収容部分202内の凹状領域216のサイズを変化させ、更に凹状領域216内に位置決めされた試料を締め付けるために使用できるハンドル214を備える。例えば、操作中、上及び下締め付け部分208,210は、ハンドル214を、矢印218に沿って、部分202から遠ざかる方向に第1の拡張位置(図示されたように)まで旋回させることによって、互いの方(例えば、レールに沿って)に摺動される。この位置で、部分208,210は、試料とほぼ同じサイズ又は試料より僅かに小さい凹状領域216を作成し、その結果、部分208,210(互いの方に付勢された)が、試料縁を押し、試料を凹状領域216内に保持する。試料を試料収容部分202の凹状領域216から開放するために、ハンドル214が、第2の後退位置に動かされ(例えば、矢印218に沿って前方に押されるか旋回された)、それにより、上及び下締め付け部分208,210が摺動して互いに遠ざかり、それにより、凹状領域216のサイズが大きくなり、試料を除去することが可能になる。換言すると、ハンドル214の前方と後方への旋回運動によって、締め付け部分208,210がそれぞれ互いに遠ざかるか近づくように駆動される。更に、この動きは、試料を試料収容部分202の凹状領域216内にロックするか、試料を凹状領域216から開放する。ハンドル214の図示された位置(例えば、拡張位置)は、ここでは部分208,210を互いから遠ざける位置として述べられているが、ハンドル214のこの位置は、他の場合、部分208,210を互いに近づけてその間に試料を締め付けうるものであることも意図されていることに注意されたい。
【0033】
光源116が、試料収容部分202に沿って位置決めされる。典型的に、一実施形態で、光源116は、発光チップ、例えば、発光ダイオード(LED)の1つ以上を含む発光センサ又は発光ダイオード(LED)ダイ又はチップの1つ以上を含む。LEDチップは、試料収容部分202の表面に沿って、又は試料収容部分202内に形成された空所又は凹部内に位置決めされうる。したがって、光源116は、試料が試料収容部分202内に位置決めされたときに試料の後ろにある。LEDによって出力された光は、試料を通過し、試料を後側から照明し、生物組織の様々な特徴をより容易に検査することを可能にする。光源116の特定の態様と後側からの試料の照明を
図3A~
図3Bに示す。
【0034】
典型的に、
図3Aは側面断面図であり、
図3Bは
図2の試料ホルダの一実施形態の斜視図である。
図3Aは、光源116が試料収容部分202の収容面206の空所302内に位置決めされた一実施形態を示す。詳細には、空所302は、収容面206に対して開いており、収容面206の後ろ(又は、収容面206と異なる平面内)に形成された側壁306と底壁304によって形成される。したがって、試料126が、収容面206上に位置決めされ接触するとき、光源116は、試料126の後ろにあると見なされる。換言すると、光源116は、試料126と空所302の底壁302との間にある。この態様では、光源116によって放射された光ビーム又は光線308は、試料126の後側310に直接当たり接触し、試料126を通過して前側312まで通る。「直接」とは、ビーム又は光線308が、介在する光学要素又は反射要素などによって試料126の方に向け直されるか再集束されることなく、試料126に導かれ達することを意味する。更に、光源116が、LEDチップなどの比較的薄型の光源なので、光源116が、試料126が載る収容面206の平面より突出することなく空所302の底壁302に載ることができることを理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、空所302の側壁306の高さと、したがって空所302の奥行寸法は、実質的に光源116(例えば、LEDチップ)の厚さと同じでよく、その結果、光源116の平面(発光面)が、同一平面内、又は実質的に収容面206と同じ平面内にある。別の言い方をすると、空所302は、底壁304の長さ(l)が側壁306の高さ(h)より小さいので、比較的浅い空所と見なされる。空所302と光源116の寸法によって、試料126を光源116及び関連ビーム又は光線308の近くに位置決めでき、したがって、ビーム又は光線308が漏れ、それにより試料126に達する光ビーム又は光線308が少なくなりうる光源116と試料126の間の不必要な空間又はギャップの発生が回避される。更に、幾つかの実施形態で、空所302は、収容面206に対して開いているが、試料収容部分210の後側に対して閉じられ、その結果、部分210全体を貫通しない。この態様では、光源116全体は、試料収容部分210の後側より、収容面206、更には試料126に近いと見なされる。しかしながら、空所302が、収容面206に形成されているように図示され記述されているが、幾つかの実施形態では、空所302が、面206に載っていない試料126の側面に光を当てるように、例えば、試料ホルダの任意の壁、例えば側壁(例えば、試料126の側面に面する部材208又は210の面)に形成されてもよいことが分かる。
【0035】
更に、幾つかの実施形態では、光源116の表面積は、試料126の最大照明が達成されるように試料126の所望の表面積を覆うように選択されうる。例えば、光源116は、試料126の前側312の表面積全体を照明するのに十分な表面積を有しうる。典型的に、一実施形態では、光源116は、実質的に正方形又は長方形の発光面積を有することができ、試料126は、角部を含む試料126の照明が最大になるように類似の形状を有してもよい。更に、用語「試料」が、一般に、例えば、キャリア314と、キャリア314内に収容された組織などの生物試料316を指すために使用されることに注意されたい。例えば、用語「試料」は、一般に、生物組織316並びに生物組織316が収容されたキャリア314を含みうる。例えば、生物組織316は、多細胞器官からの任意のタイプの生物材料、例えば、特定機能を有する構造物質を一緒に形成するバルク組織及び/又は細胞の集合及び細胞産物でよい。例えば、組織316は、身体から得られた組織でよく、光源116からの光によって強調又は他の方法で見えやすくされうるDNA、タンパク質、脂質、炭水化物、繊維、結合組織、又は他のタイプの組織化合物若しくは構造を含む。キャリア314は、パラフィンブロックを含むことができ、場合によっては、位置決めされたパラフィンブロック並びに中に位置決めされたカセットを含む。例えば、カセットは、生物組織をパラフィンに埋め込むプロセスでパラフィンの支持構造物として働くプラスチックカセットでよい。この点で、試料126の照明が、生物組織316(例えば、組織)、キャリア314(例えば、パラフィン及び/又はカセット)、及び/又は生物組織316とキャリア314の両方が照明されることを意味することが分かる。試料126全体の照明が
図3Bに示される。
【0036】
更に、幾つかの実施形態では、光源116によって出力された光の強度又は輝度及び色又は波長の両方が、例えばスライスされる試料の特徴に応じて制御又は修正されうる。例えば、一実施形態では、光源116は、様々な色のうちの1つ又は幾つかを出力するLEDチップである。例えば、光源116は、半導体ブロック又はウェハ(回路を含む)上に作製されるかそれに電気的に接続された幾つかのLEDを含むLEDチップでよい。例えば、LEDチップは、様々な有色光(例えば、約360ナノメートル(nm)~約425nm(例えば、紫外線LED)、約430nm~約505nm(例えば、青色LED)、約515nm~約570nm(例えば、緑色LED)、約585nm~約595nm(例えば、黄色LED)、630nm~660nm(例えば、赤色LED)、及び約2200ケルビン(K)~約10000K(例えば、白色LED)の範囲内の波長の光を出力する1つ以上のLEDを含みうる。これらの様々な有色LEDは、個別に制御され、場合によってはその対応する光出力が混合されて、所望の光色出力が生成されうる。例えば、2つ以上の有色LED(例えば、原色LED)が混合されて単色光出力(例えば、白色光)が生成されうる。あるいは、単色(例えば、白)のLEDが単独で作動され同時に他のLEDが消灯されて(例えば、原色LED)、所望の色出力が達成されうる。更に、1つ以上のLEDの強度又は輝度が、約50ミリカンデラ(mcd)~約15000mcdの範囲内で独立に制御又は修正されうる。例えば、赤色出力が必要な場合、1つのLED(例えば、赤色LED)の強度又は輝度が高められ、別のLED(例えば、緑色LED)の強度又は輝度が低くされる。例えば、望みの色を出力するLEDが、約1000mcd~約1500mcdの輝度又は強度に高められ、望みでない色のLEDの強度又は輝度は、所望の色のLEDのもより低い範囲、例えば約50mcd~約1000mcdの範囲内に低くされうる。更に、2つの典型的なLEDの調整が検討されるが、例えば、所望の光出力を達成するために、2つ超え、例えば3つ、4つ又はそれより多くのLEDの輝度の強度が同時、連続的又は異なる時間に調整されうることを理解されたい。換言すると、これらが全て独立に制御され、したがって、所望の出力に応じて色及び/又は強度/輝度の任意の組み合わせを達成できる。
【0037】
光出力の強度、輝度及び/又は色は、ユーザによって手動で選択されてもよく、例えば試料の特徴に応じてミクロトームコントローラによって自動的に選択されてもよい。例えば、試料特徴は、組織の色若しくは密度又は組織内の特徴(例えば、DNA、タンパク質、脂質、炭水化物、繊維、結合組織などの生物学的要素)、又は組織が埋め込まれている媒体(例えば、パラフィン)の色又は密度でよい。詳細には、光源116によって出力された光の色又は輝度は、組織又は組織の特徴と周囲媒体(例えば、パラフィン)との間でより高いコントラストを生成するように修正されてもよい。これは、例えば、所望の光出力色が達成されるように、LEDのうちの1つの強度又は輝度をLEDの別のものに対して修正することによって達成されうる。例えば、試料に基づいて、青光出力が試料を見えやすくすると決定された場合は、青色波長LEDの強度が高められ、赤色波長LED、緑色波長LED及び/又は黄色波長LEDの強度が低くされうるが、又はすべてが消灯される。
【0038】
加えて、更に他の実施形態では、試料の特徴は、パラフィン包埋組織を保持するカセットの色でよい。例えば、一実施形態では、カセットは、特定の色(例えば、赤、オレンジ、黄、青、緑、紫、ピンク、茶など)を有するカセットでよい。この態様では、光源116が、カセットの開口(又はグリル)を通して白色光を放射するとき、組織を取り囲むパラフィンはカセットの色に見えうる。例えば、カセットは、組織処理操作中の流体交換を可能にするグリル又は開口を有する、Sakura Finetek Europe B.V.から入手可能なTissue-Tek(登録商標) III Uni-Cassette(登録商標) Systemからの赤色カセットでよい。光源116が試料を通して白色光を放射するとき、カセットの赤色によってパラフィンが観察者には赤く見えうる。カセットの色によるこの色変化を補うために、赤色カセットによって反射された光の色の強度を低くするように白色光の赤、緑及び/又は青強度が個別に制御されてもよく、それにより、この場合もパラフィンが白色に見える。
【0039】
試料の特徴に基づいて光源116の出力を制御する1つの典型的プロセスを
図23に示す。典型的に、一実施形態において、プロセス2300は、試料の特徴を決定する操作を含む(ブロック2302)。試料の特徴は、例えば、組織の色か密度若しくは組織内の特徴、組織が埋め込まれた媒体(例えば、パラフィン)の色若しくは密度、パラフィン包埋組織が収納されたカセットの色、場合によっては、パラフィンの色でよい。この特徴は、手動(例えば、試料の特徴を観察するユーザ)で決定されてもよく、自動(例えば、試料特徴に関する情報を含む試料と関連した識別子を読み取るスキャナ)で決定されてもよい。次に、この情報に基づいて、光源116によって出力された光は、必要に応じて試料を照明するように調節又は制御されうる。例えば、前述されたように、カセットが赤色(又は別の色)の実施形態では、赤色カセットによって反射された光の色の強度を低くするように白色光の赤、緑及び/又は青強度が個別に制御されてもよく、それにより、この場合もパラフィンは白色に見える。
【0040】
ここで光源116の更に詳しい態様に戻ると、光源116は、試料ホルダ114内の回路によって、ミクロトームとその関連電子構成要素及び/又は電源に電気的に接続されうる。典型的には、
図4に示された試料ホルダ114の後面図と、
図5に示されたような線5-5’に沿った
図4の下部断面図から分かるように、試料ホルダ114の試料収容部分202は、取り付け部分204に取り付けられるか、取り付け部分204を違うふうに備える。取り付け部分204は、前述されたように、試料ホルダ114(例えば、チャック)をミクロトームに取り付けるか、違うふうに接続するのに適した任意のタイプの取り付け部材でよい。
【0041】
より具体的には、
図5の断面図から分かるように、試料ホルダ114は、内部チャック締め付け部材406を含む。内部チャック締め付け部材406は、付勢部材510(例えば、ばね)を含み、例えば収容部分202内で試料の締め付けを容易にするために締め付け部分208,210(
図2を参照)に接続された締め付け部材212の一部でよい。締め付け部材406は、試料収容部分202内の光源116の後ろに形成されたチャネル512内に位置決めされる。この態様では、締め付け部材406は、光源116の真後ろにあると見なされる。光源116と締め付け部材406の間のチャネル512の領域は、光源116を電源に電気的に接続するフレキシブル回路402を支持するために使用されうる。例えば、フレキシブル回路402は、締め付け部材406の光源116に面する部分の上に位置決めされうる。フレキシブル回路402は、一方の側が、光源116と関連付けられた電気接点(図示せず)によって光源116に電気的に接続されうる。フレキシブル回路402は、別の側が、回路516及と電源518に電気的に接続する取り付け部分204の電気接点404に電気的に接続されうる。回路516は、ミクロトーム(例えば、光源操作)の操作に使用される指示、処理プロトコルなどを処理、制御及び/又は実行する任意のタイプの回路でよい。電源518は、ミクロトーム構成要素(例えば、光源)、例えば、発電機、交流電源、バッテリ電源などに電力を提供する任意のタイプの電源でもよい。この態様では、光源116は、取り付け部分204の電気接点404に電気的に接続され、フレキシブル回路402を介して、光源116を動作させる指示及び/又は電力を受け取りうる。フレキシブル回路が示されているが、光源116が、任意の適切な材料(例えば、ワイヤなど)で電気接点404に電気的に接続されうることを理解されたい。
【0042】
次に、試料ホルダ114の取り付け部分204は、取り付け部分204内の電気接点404と接触する対応する電気接点又は端子によってミクロトームの一部分(例えば、ハウジング102の前部108)に取り付けられうる。例えば、取り付け部分204は、一態様では装置に取り付けることができ、別の態様では装置から取り外すことができるように、(例えば、ミクロトーム)に取り付けられる装置の嵌合部分に対して相補的な嵌合部分(例えば、溝、突出部、トラック、チャネルなど)を備えうる。ミクロトームの対応する電気接点又は端子は、前述したような光源116、より具体的には光源116を独立に構成する各LEDに電力を提供しかつ/又は光源の動作を制御するために使用される電源(例えば、コンセント、バッテリ、発電機など)や他の回路と関連付けられうる。この態様では、試料ホルダ114は、ミクロトーム自体にハードワイヤされていないので、光源116に電力及び/又は信号を提供するのに適した対応する電気接点を有する任意のミクロトームに対して脱着できる。
【0043】
図6、
図7、
図8及び
図9は、一実施形態では、光源116、又は試料ホルダ114と関連付けられた他の電子構成要素(例えば、アラーム)に電力を供給するために使用されうる様々なエネルギー取得機構の概略図を示す。典型的に、ミクロトーム100が手動ミクロトームである実施形態では、例えば、スライス操作中に試料ホルダ114の動きを駆動するためにミクロトームと関連付けられた有効電源(例えば、電流)がない。より正確に言うと、ハンドル車は、試料をスライスする切断機構に対する試料ホルダ114の上下運動を機械的に駆動する。同様に、ミクロトームが完全に手動なので、光源116を動作させる電源はない。したがって、一実施形態では、ミクロトーム100は、更に、(電気エネルギーがない状態で)電力を生成するエネルギー取得機構を有し、この電力は、光源116の動作に使用されてもよく、光源116を後で動作するために蓄積されてもよい。エネルギー取得機構は、ある形態のエネルギー(例えば、機械的、動力又は太陽エネルギー)を、光源116、及び電気入力を必要としうるミクロトームと関連した任意の他の構成要素に電力を供給するために使用されうる電気エネルギーに変換できる任意のタイプのシステムでよい。
【0044】
典型的に、
図6は、エネルギー取得機構が、ミクロトームと関連したハンドル車602(
図1に関して前述されたハンドル車118も参照)の回転から電気を生成できる発電機600である一実施形態の概略図を示す。典型的に、ハンドル車602は、ハンドル604の回転時に矢印608によって示されたように回転する円盤606に接続されたハンドル604を備えうる。エネルギー生成を容易にするため、円盤606は、外縁に沿って直列に配列された磁気ストリップ610と、円盤606と磁気的に結合された回転磁気コア612とを備えうる。磁気コア612は、磁気コア612が磁気ストリップ610に対して回転されたときに電流を生成できるコイル614を備えうる。この電流又は電圧は、コイル614から回路616(例えば、処理回路又はコントローラ)に送られ、最終的には光源116に送られる(例えば、フレキシブル回路402に接続された取り付け部分の電気接点404によって)。この態様では、発電機600は、ハンドル車602の回転を使用して、前述されたような回路を介して光源116に送られうる電流又は電圧を生成する。この実施形態では、電流を生成するために円盤606が回転されていなければならないので、幾つかの実施形態では、電気を蓄積し、円盤606を回転させることなく(例えば、ボタンの押下やスイッチの操作などの必要に応じて)後で使用できるように蓄積モジュールが提供されうることを理解されたい。
【0045】
図7は、ミクロトーム発電機の別の実施形態の概略図を示す。この実施形態で、発電機700は、円盤606に結合されたハンドル604を有するミクロトームハンドル車602を有する。ハンドル604を使用して、矢印608で示されたように円盤606を回転させて、例えば切断操作を、前述したように実行できる。しかしながら、この実施形態では、円盤606は、電流を生成するステッピングモータ706に結合されたより小さいホイール702に結合される。詳細には、円盤606の回転(ハンドル604の回転などによる)は、軸708によってステッピングモータ706に結合された小さいホイール702を、矢印704で示されたように回転させ、ステッピングモータ706を駆動し電流又は電圧を生成する。ステッピングモータ706は、生成された電流又は電圧を光源116に送って光源116に電力を提供するために使用されうる回路616に結合されうる。発電機600と同様に、発電機700は、やはり電流又は電圧を蓄積できる蓄積モジュールに結合され、その結果、蓄積モジュールを後で使用して光源116に電力を供給できる。
【0046】
図8は、ミクロトーム発電機の別の実施形態の概略図を示す。この実施形態で、発電機800は、
図7に関して述べた発電機700と実質的に類似し、この実施形態を除き、ベルト802が、より小さいホイール702に結合されて、(例えば、ハンドル604を使って)円盤602が回転されたときにより小さいホイール702が回転され、ステッピングモータ706を使用して電気が生成される。詳細には、ベルト802は、円盤606とより小さいホイール702を取り巻く。円盤606の回転によって、ベルト802が小さいホイール702を回転させ、ステッピングモータ706は、光源116に電力を供給するために使用されうる電圧を生成する。例えば、ステッピングモータ706は、回路616(及び場合によっては蓄積装置)に結合され、これにより、前述したように、電流又は電圧の光源116への伝送が容易になる。
【0047】
図9は、ミクロトーム発電機の別の実施形態の概略図を示す。この実施形態では、発電機900は、ステッピングモータを使用して電流又は電圧を生成するために使用されるラック・ピニオン機構を含む。詳細には、前述されたようなハンドル車602の回転によって、試料ホルダ114と関連付けられたシャフト902が、矢印904によって示されたように上下に動く。シャフト902は、シャフト902近くに位置決めされたラック908と接触し、それにより、ラック908は、矢印910によって示されたように上下に動く。ラック908は、ステッピングモータ706のピニオン906に結合される。したがって、ラック908の運動は、ピニオン906を回転させ、ピニオン906と関連付けられたステッピングモータ706を駆動し、電流又は電圧を生成する。ステッピングモータ706は、回路616(及び、場合によっては蓄積装置)に結合され、これにより、前述したような光源116への電流又は電圧の伝送が容易になる。
【0048】
図10は、ミクロトーム発電機の別の実施形態の概略図を示す。この実施形態では、発電機1000は、電流又は電圧を生成するために使用される圧電材料1002を有する。典型的に、この実施形態では、発電機1000は、前述したように、矢印1004で示されたように上下運動するときにシャフト902によって圧縮又は拡張される圧電材料1002を有する。これにより、圧電材料1002は、電流又は電圧に対応する電荷を生成する。圧電材料1002は、前述したように、光源116への電流又は電圧の伝送を容易にする回路616(及び、場合によっては蓄積装置)に結合される。
【0049】
前述した実施形態のいずれでも、発電機によって生成された電圧又は電流を使用してミクロトームの任意の構成要素に電力を供給でき、それにより、例えば切断操作、処理プロトコルなどを完了できることを理解されたい。例えば、一実施形態では、前述したように、電流は、光源116を点灯/消灯させるか、光源116の輝度又は強度を修正するか、光源116の色又は波長を修正するために使用されうる。更に、光源116が幾つかのLEDを含む実施形態では、電圧又は電流を使用して、LEDのそれぞれを個別に動作させるか違うふうに制御(例えば、点灯/消灯、輝度又は強度を修正、色又は波長を修正)できる。更に、幾つかの実施形態では、ミクロトーム100は、更に、発電機によって生成された電圧を蓄積するために使用され、ハンドル車が回転されていないときに光源116に電力を提供するために使用されうる蓄積モジュール(例えば、バッテリ又はキャパシタ)を備える。この態様では、光源116は、ハンドル車が回転されている切断操作中だけでなく、ハンドル車が回転されていないときにも使用されうる。更に、電圧は、ミクロトームと関連付けられうる他の電子構成要素に電力を提供するために使用されうる。例えば、電子構成要素は、ハンドル車が回転されているときに点灯するか、振動するかノイズを出して、切断操作が行われていることをユーザに警告するアラーム(
図11のアラーム1116を参照)でよい。この態様では、典型的に、電源がないので、手動ミクロトームと共に使用されないアラームを使用してユーザに警告を出すことができる。アラームが、切断操作についてユーザに警告を出すために使用されうると述べたが、ミクロトームの操作中に必要とされる任意の情報(例えば、切断サイクルの完了、試料の有無、電源低下など)の警告をユーザに出すために使用されうることを理解されたい。
【0050】
前述したように、スライス操作は、ユーザのシステムとの対話によって手動で進行してもよく、場合によって自動的に進行してもよい。
図11は、ハンドル車、発電機、及び試料ホルダと関連した光源の動作を制御するための処理回路を含むミクロトームの一実施形態の概略ブロック図を示す。典型的に、装置1100は、処理回路1102、電源1104及び入出力装置1110を含み、試料ホルダ1118と関連付けられうる。処理回路1102は、試料ホルダ1118と関連付けられた光源1120、又は装置1100と関連付けられた他の電子構成要素(例えば、アラーム)の動作を制御するために使用されうる。処理回路1102は、マイクロプロセッサや他の適切な集積回路などのプロセッサに基づきうる。1つの適切な構成により、処理回路1102は、例えば、光源1120の動作(例えば、オン・オフ、輝度又は色)を制御する装置1100上のソフトウェアを実行するために使用されうる。
【0051】
入出力装置1110は、データ及び/又は指示を装置1100に供給することを可能にし、データを装置1100から外部装置に提供することを可能にするために使用されうる。ハンドル車1112、ボタン1114及びアラーム1116は全て、入出力装置1110の例である。ユーザは、ハンドル車1112やボタン1114などのユーザ入力装置により命令を与えることによって装置1100の動作を制御できる。幾つかの実施形態では、液晶ディスプレイ(LCD)画面又は他の画面、発光ダイオード(LED)、及び視覚情報と状況データを示す他の構成要素を含みうるオプションの表示及び音声装置が提供されうる。表示及び音声装置は、また、音を生成するスピーカや他の装置などの音声機器を含みうる。表示及び音声装置は、外部ヘッドホン及びモニタ用のジャックや他のコネクタなどの音声映像インタフェース機器を含みうる。
【0052】
装置1100は、更に、装置1100と関連付けられた電子構成要素(例えば、光源又はアラーム)に電力を供給するための電源1104を含みうる。電源1104は、前述したように、例えば、ハンドル車1112の回転を使用して電気を生成する発電機1106を含みうる。電源1104は、更に、バッテリ1108、又は後で使用するために電気エネルギー(例えば、発電機によって生成されたエネルギー)を蓄積できるキャパシタなどの他の装置を含みうる。加えて、更に他の実施形態では、電源1104は、例えば自動ミクロトームの場合、壁取付け型プラグイン電源を含みうる。
【0053】
装置1100は、経路1122によって示されたように試料ホルダ1118などの外部装置と通信できる。経路1122は、有線又は無線経路(例えば、
図4~
図5に示されたフレキシブル回路402)を含みうる。試料ホルダ1118は、光源1120を備え、実質的に
図1~
図5に関して前述された試料ホルダ114及び光源116に類似しうる。この態様では、例えば、発電機1106によって生成された電流は、光源1120に電力を供給するために使用されてもよく、処理回路1102は、光源1120の動作を制御する(例えば、輝度又は色を制御する)ために使用されうる。
【0054】
図12~
図16Bは、ミクロトームなどの試料切出装置と関連付けられた格納部材の様々な実施形態の斜視図を示す。典型的に、
図12は、ミクロトーム1202上に様々な試料切出装置付属品を格納するように設計された格納部材1200を示す。ミクロトーム1202は、例えば、
図1に関して前述され切出組立体110(例えば、チャック)に結合されたミクロトーム100と実質的に類似してもよく、したがって、
図1に関して前述された特定の特徴はここで省略される。その代わりに、ここでは関連した格納部材1200の様々な態様が検討される。典型的に、一実施形態では、格納部材1200は、ミクロトーム1202の上部内に一体形成されうる。例えば、格納部材1200は、
図1に関して前述されたハウジング102の上部106の一部であり分離できなくてもよい。典型的に、格納部材1200は、ミクロトーム1202のハウジングの上部(又は、壁)内に形成された凹状領域1204A、1204B、1204C、1204D及び1204Eを有しうる。凹状領域1204A~1204Eは、
図13に示されたようにミクロトーム付属品を収容し保持するのに適した任意のサイズ及び形状を有しうる。典型的に、凹状領域1204A~1204Eは、正方形又は長方形断面を有し、ティッシュボックス1302、スライドキャリア1304、細長い機器1306などのミクロトーム付属品をミクロトームの上部に位置決めでき、落下せずに格納できるようにサイズ決めされうる。例えば、凹状領域1204A~1204Eはそれぞれ、所望のミクロトーム付属品が載ることができるベース部分1206と、ベース部分1206を取り囲みひとつの凹状領域を別の凹状領域から分離できる1つ以上の側壁1208とを有しうる。格納部材1200のベース部分1206と側壁1208はそれぞれ、ミクロトームハウジングと同じ材料(例えば、プラスチックなど)から形成されうる。幾つかの例では、凹状領域1204A~1204Eの一部(例えば、ベース部分1206)は、所望のミクロトーム付属品を保持しやすいように、テクスチャ化されてもよく、非平滑面を違う方法で有してもよく、テクスチャ化されたマットを有してもよい。
【0055】
図14~
図16Bは、格納部材1200に加えて又はその代わりに使用できる格納部材の他の実施形態の斜視図を示す。説明し易いように、
図14~
図16Bではミクロトームの様々な内部の構成要素が省略されるが、存在してもよいことに注意されたい。典型的に、この実施形態の格納部材1400は、例えば
図12~
図13に関して前述された格納部材1200によって形成された凹状領域又は空所内に、ミクロトームハウジングと別でミクロトーム1202の上部に載るように寸法決めされたトレイ状構造である。格納部材1400は、ミクロトーム1202の上部の載ることができ、またミクロトーム1202から取り外されうる。この態様では、格納部材1400の内容物を、同じ配列及び/又は位置を維持しながらミクロトーム1202とは異なる位置(例えば、ミクロトームの外)に移動でき、それにより、ユーザが各付属品を容易に探すことができる。
【0056】
一実施形態では、格納部材1400は、ミクロトーム付属品を格納するように設計された収容部材1402と、ミクロトーム1202上に格納部材1400を保持しやすいように設計されうる支持部材1408とを有し、格納にも使用されてもよい。この態様で、収容部材1402は、格納面1404と嵌合面1406を有しうる。格納面1404は、収容部材1402の上側(例えば、ミクロトームと反対向きの側面)であり、ミクロトーム付属品(例えば、ティッシュボックス、スライドキャリア、スライド、細長い機器など)を保持するように寸法決めされた様々な凹状領域又は空所1410A、1410B、1410Cを有しうる。嵌合面1406は、収容部材1402の反対側面によって形成され、ミクロトーム1202の上部に形成された凹部(例えば、凹状領域1204A~1204E)と嵌合するように寸法決めされる。例えば、嵌合面1406は、ミクロトーム1202の上部(例えば、格納部材1200内)に沿った凹部又は空所に対して相補的でかつ空所内に嵌まって格納部材1400を適所に保持する突出部を備えうる。
【0057】
支持部材1408は、収容部材1402から延在し、格納部材1400を適所に保持し易くするために図示されたようにミクロトーム1202の側面に重なりうる。詳細には、支持部材1408は、実質的に平坦、平面、又は湾曲し、収容部材1402の縁から延在する(例えば、水平方向に)第1の部分1412と、第1の部分1412に対して斜めでミクロトーム1202の側面に沿って下方向に(例えば、垂直に)延在する第2の部分1414とを備えうる。換言すると、第2の部分1414は、第1の部分1412に対して斜めである。例えば、第2の部分1414は、ミクロトーム1202の縁のまわりを第1の部分1412から下方に湾曲すると見なされうる。支持部材1408は、更に、図示されたようにミクロトーム1202の側面に沿ってミクロトーム付属品を格納するためにも使用できる空所又はチャネル1416を備えうる。空所又はチャネル1416は、細長い断面を有し、ミクロトーム1202の側面の一部に沿って延在しうる。
【0058】
図15Aは、格納部材の別の実施形態の斜視図を示す。
図15Aに示された格納部材1500は、格納部材1400と実質的に類似しており、この実施形態以外で、空所1410A~1410Cは、収容部材1402に沿って違う風に配列される。
図15Bは、空所1410A~1410Cがより明瞭に見えるようにミクロトーム付属品が除去された状態の格納部材1500の斜視図を示す。詳細には、この図から、例えば、凹状領域又は空所1410Bが、顕微鏡用スライドを空所1410B内に収容し保持するように寸法決めされた幾つかのスロット1502を含むことが分かる。典型的に、スロット1502は、均一に互いに離間された壁を有し、これらの壁は、顕微鏡用スライドをその横に隣同士で、場合によって僅かな角度で保持するように寸法決めされた空所(ほぼスライドの距離)を構成する。更に、空所1410A及び1410Cは、側壁1504によって画定された凹状領域によって構成されうる。
【0059】
図16Aと
図16Bは、格納部材の別の実施形態の斜視図を示す。典型的に、
図16Aは、格納部材1200に加えて又はその代わりに使用できる格納部材の別の実施形態の斜視図を示し、
図16Bは、ミクロトームの上部に位置決めされた
図16Aの格納部材を示す。典型的に、この実施形態の格納部材1600は、例えば格納部材1200によって構成された凹状領域又は空所内で、ミクロトーム1202の上部に載るように寸法決めされたトレイ状構造である。格納部材1600は、ミクロトーム付属品を格納するように設計された収容部材1602と、ミクロトーム1202上に格納部材1600を保持しやすいように設計されうる支持部材1608とを有し、格納にも使用されうる。
【0060】
収容部材1602は、格納面1604と嵌合面1606を有しうる。格納面1604は、収容部材1602の上側(例えば、ミクロトームと反対側)でよく、ミクロトーム付属品(例えば、ティッシュボックス、スライドキャリア、スライド、細長い機器など)を保持するように寸法決めされた様々な凹状領域又は空所1610A、1610B及び1610Cを有しうる。嵌合面1606は、収容部材1602の反対側によって形成され、ミクロトーム1202の上部に形成された凹部と嵌合するように寸法決めされる。例えば、嵌合面1606は、ミクロトーム1202の上部に沿った凹部又は空所(例えば、格納部材1200内)に対して相補的で、空所内に嵌まって格納部材1600を適所に保持する突出部を備えうる。
【0061】
幾つかの実施形態では、空所1610Cは、スライド1620(
図16Bを参照)を中に保持するスロット(例えば、前述したようなスロット1502)を有し、更に液体が格納部材1600から滴ることを可能にする開口1612を備えうる。例えば、空所1610Cは、スライド1620(
図16Bを参照)などのミクロトーム付属品用の乾燥ラックを構成し、この乾燥ラックは、ラック内に位置決めされたときにスライドから流出する液体成分(例えば、水)を受けうる。開口1612は、液体が部材1600から流出して、例えば細菌増殖の元になりまたスライドを汚染しうる空所1610Cの底に集まらないことを可能にする。更に、
図16Bに示されたように、空所1610Aは、容器1622(例えば、ティッシュボックス、スライド容器など)などの付属品を収容するように寸法決めされうる。
【0062】
幾つかの実施形態では、更に、例えば格納部材1200の凹状領域内で格納部材1600とミクロトーム1202の表面の間に液体吸収部材1614が位置決めされうる。この態様では、格納部材1600が、
図16Bに示されたように部材1200内に配置されたとき、開口1612を通る液体が収集され、液体吸収部材1614によって吸収される。液体吸収部材1614は、任意のタイプの液体吸収部材(例えば、ティッシュ、ナプキン、ペーパータオル、布など)でよい。
【0063】
更に、格納部材1600は、更に、格納部材1600を適所に保持しやすいようにするため、
図16Bに示されたように収容部材1602から延在しミクロトーム1202の側面に重なる支持部材1608を備えうる。支持部材1608は、図示されたようにミクロトーム1202の側面に沿ってミクロトーム付属品を格納するためにも使用されうる空所又はチャネルの1616と、
図14の格納部材1400に関して前述されたような他の類似の特徴を有しうる。
【0064】
図16Aと
図16Bからも分かるように、ミクロトーム1202は、例えば
図1~
図5に関して前述されたような光源116の動作を制御するつまみ1618を備えうる。
【0065】
図17A~
図18は、試料切出装置用のごみ除去組立体の斜視図を示す。
図17A~
図17Bを参照すると、ごみ除去組立体1700は、切断操作中にミクロトーム100の表面上に落ちるパラフィン片などのごみの除去を容易にするように構成されうる。ミクロトーム100は、例えば、これまでの図に関して述べたミクロトーム100と実質的に類似しうる。したがって、ミクロトーム100の特定の詳細は記述されずかつ/又は
図17A~
図18に示されていないが、それらの特定の詳細が含まれうることを理解されたい。
【0066】
除去組立体1700は、ミクロトーム100のベース部材104上で、切断機構112と試料ホルダ114の下に位置決めされうる。この態様では、試料126が切断機構112によってスライスされるとき、スライスされた試料切片は、切断機構112の前側(例えば、ベース部材104と反対側)に残り、ごみが、切断機構112の後ろでごみ除去組立体1700上に落ちる。典型的に、ミクロトーム100のこの領域内に落ちるごみ又は砕片は、切断機構112とミクロトームの前側と試料ホルダ114との間にあり、したがってユーザの手が届きにくいので除去しにくい。
【0067】
しかしながら、ごみ除去組立体1700は、砕片をこの領域からユーザが除去し易い場所に押すのを支援する機構を提供することによって、この問題を解決する。例えば、ごみ除去組立体1700は、第1のごみ用部材1702と第2のごみ用部材1704を有しうる。幾つかの実施形態では、第1のごみ用部材1702と第2のごみ用部材1704は、互いに対してかつベース部材104に対して斜めか違うふうに傾けられた板であり、それにより、これらの板は、試料ホルダ114の下に勾配面を構成する。この態様では、ごみが、第1及び第2のごみ用部材1702,1704上に落ちたとき、ごみは部材の表面を滑り落ちるか、ユーザが表面をブラシで払ってごみを切断機構112から落とすことができ、したがって、ユーザがごみを容易に除去できる。一実施形態では、第1のごみ用部材1702と第2のごみ用部材1704は、図示されたように勾配構成で互いに対して固定される。他の実施形態では、第1及び第2のごみ用部材1702,1704は互いに対して可動で、砕片の除去を容易にするために増減できる変更可能な勾配を有する。例えば、幾つかの実施形態では、第1及び第2のごみ用部材1702,1704は、部材1702,1704を互いに対して動かすアクチュエータに結合される。
【0068】
例えば、
図17Bは、
図17Aのごみ除去組立体1700の側面断面図を示す。この図から、アクチュエータ1710が第2のごみ用部材1704に接続されていることが分かる(第1のごみ用部材1702にも接続されているが、この図からは分からない)。アクチュエータ1710は、更に、切断機構112に接続されうる。この態様では、切断機構112がレール1706に沿って摺動するとき、アクチュエータ1710が摺動し、部材1702,1704を互いに対して、例えば、点線によって示されたように第1(水平に近い)位置から第2(垂直に近い)位置に動かす。切断機構112とアクチュエータ1710の動き及び/又は部材1702,1704の操作は自動でも手動でもよい。例えば、切断機構112の動きが自動化された場合(例えば、自動ミクロトームなど)は、アクチュエータ1710及び部材1702,1704の動きも自動化されると考えられうる。他の実施形態では、切断機構112、アクチュエータ1710及び/又は部材1702,1704の動きは、ユーザが、これらの構成要素のうちの1つ以上を保持し必要に応じて動かす(例えば、摺動又は回転する)ことなどによって、手動で行われうる。アクチュエータ1710及び部材1702,1704の動作は、
図18~
図20に関してより詳細に述べられる。
【0069】
第1のごみ用部材1702と第2のごみ用部材1704は、幾つかの実施形態では、金属板でよい。幾つかの実施形態では、金属板上のごみを除去しやすいように金属板の温度が制御されうる。例えば、部材1702,1704の所望の温度を維持するために、必要に応じて、部材1702,1704の一方又は両方に熱電冷却機(TEC)1708が結合されうる。例えば、部材1702に載っているごみ(パラフィンを含む)が溶けて部材1702,1704に固着しないように、部材1702,1704をパラフィンの溶融温度より低く冷却したいことがある。更に、ごみの除去を更に容易にする幾つかの実施形態では、部材1702,1704が、ごみが滑って落ちるように、表面をより滑らかにするか他の方法で容易にする表面被覆(例えば、フルオロカーボンポリマなど非固着被覆)を備えうる。
【0070】
次に
図18~
図20を参照すると、
図18~
図20は、可動式の第1及び第2のごみ用部材を有するごみ除去組立体の操作の一実施形態を示す。典型的に、
図18は、第1の位置(例えば、ごみ収集位置)のごみ除去組立体1700を示し、この位置で、第1及び第2のごみ用部材1702,1704の傾斜が最小になるか傾斜がなく、部材1702,1704が両方とも同じ平面内にある。切断操作からのごみ又は砕片1806は、図示されたように第1及び第2のごみ用部材1702,1704上に落ちる。第1及び第2のごみ用部材1702,1704はそれぞれ、ヒンジ1802,1804によって、向かい合わせの縁で(前述したように、ミクロトーム100の)ベース部材104に取り付けられる。しかしながら、第1及び第2のごみ用部材1702,1704の境界縁1816,1818はそれぞれ、互いに対して自由に移動できる。離間された突出部1810を有する作動部材1710(例えば、ビーム又は他の細長い構造)は、第1及び第2のごみ用部材1702,1704のそれぞれの前に位置決めされる。作動部材1710は、矢印1812で示されたように第1及び第2のごみ用部材1702,1704に対して近づくか又は遠ざかり(例えば、水平方向に)、第1及び第2のごみ用部材1702,1704のベース部材104に対する勾配又は傾斜角度を変化させる。詳細には、作動部材1710が、第1及び第2のごみ用部材1702,1704の方に押されたとき、突出部1810が、第1及び第2のごみ用部材1702,1704の下で摺動してそれらを回転させて互い離し(例えば、外方向又は垂直方向に回転する)、これにより、
図19に示されたようにベース部材104(又は水平)に対する勾配又は傾斜角度が大きくなる。典型的に、
図19は、角度1902によって示されたように約90度の角度でよい第2のごみ除去位置まで回転された第1及び第2のごみ用部材1702,1704を示す。別の言い方をすると、第1及び第2の部材1702,1704は、約90度の回転角の範囲(例えば、0度~90度)内で回転しうる。これにより、ごみ用部材1702,1704(及び、ごみ用部材1702,1704の表面)が実質的に垂直方向になり、したがって、砕片1806が、第1及び第2のごみ用部材1702、1704から落ち、切断機構から、ミクロトーム100のごみを除去し易い領域まで遠ざかる。しかしながら、約0~90度の回転角を開示したが、部材1702,1704が垂直を超えるより大きい回転角(例えば0~180度)も意図されることに注意されたい。
【0071】
砕片を除去した後、アクチュエータ1710は、
図20に矢印2002によって示されたように第1及び第2のごみ除去部材1702,1704から遠くに摺動し、その結果、第1及び第2のごみ除去部材1702,1704は、傾斜角度1814が除去位置(例えば、90度より小さい角度1814)にあるときより小さい第1のごみ収集位置まで回転して戻る。
【0072】
更に、幾つかの実施形態では、本明細書で開示されたミクロトームは、更に、
図21によって示されたようなハンドル車ロック機構を含みうる。詳細には、試料切出装置(例えば、ミクロトーム100)と関連付けられたハンドル車2102を使用して試料ホルダ(例えば、試料ホルダ114)を移動させた後で、ロック機構2104は、試料ホルダ(例えば、試料ホルダ114)を所望の位置でロックするように係合されうる。幾つかの実施形態において、ロック機構2104は、ミクロトームと関連付けられハンドル車がロック位置にあることを示すために点灯されうる表示灯又はアラームと関連付けられてもよい。例えば、ロック機構2104は、
図21に示されたようなロックラッチ2104Aの一部のタブ2104Bを備えうる。ロック位置で、ラッチ2104Aがホイール2102を適所にロックしたとき(例えば、ホイールスポーク又は他のホイール構成要素にラッチすることによって)、タブ2104Bが、フォトスイッチ2106を作動させて信号をコントローラ2108に送り、ミクロトームの前方に配置された表示灯2110を点灯(又は消灯)させる信号を送る。
【0073】
図22は、試料切出装置のロック機構と関連付けられうる表示灯の一実施形態を示す。例えば、試料切出装置は、ハウジングと関連付けられた(例えば、ハウジング102に取り付けられた)制御パネル2202を有することができ、制御パネル2202は、ハンドル車がロックされていることを示す表示灯2204(例えば、LED)と、光源116(標本ブロックの後ろ)が入っていることを示す表示灯2206(例えば、LED)を備える。更に、制御パネル2202は、また、前述したような光源116の色、強度、波長などを示す表示器2208を備えうる。例えば、表示器2208Aは光の色を示してもよく、表示器2208Bは光強度を示してもよく、表示器2208Cは光波長を示してもよく、表示器2208Dはライトが点灯していた時間の長さ、即ちライトの状態(例えば、ライトが切れて交換しなければならない)を示しうる。他の実施形態では、表示器2208A~2208Dはそれぞれ、例えば、光源116内の各LEDに対応し、その特定のLEDの特性(例えば、色、強度、輝度、波長など)を示しうる。例えば、表示器2208Aは、赤色LEDの特性を示してもよく、表示器2208Bは、青色LEDの特性を示してもよく、表示器2208Cは緑色LEDの特性を示してもよく、表示器2208Dは白色LEDの特性を示してもよい。他の実施形態では、表示器2208A~2208Dは、光源116の様々な特性を制御するユーザ入力を受け取ることができるタッチセンシティブコントローラ、ボタン又はスイッチでよい。更に、表示灯2206は、光源116と異なる光源として述べられているが、ある実施形態では、表示灯2206は、
図1に関して前述された光源116でよい。
【0074】
更に、
図21に関して機械式ロック機構が検討されるが、幾つかの実施形態では、ロック機構は、例えば、摩擦や他の既知の方法によってロックする永久磁石ソレノイド、ギヤドモータ又は回転ハンドルでもよい。一実施形態では、チャックが調整されていないときにチャックを締めるためにモータが使用されうる。ミクロトームが、チャックの調整によって試料の位置を調整する決定をしたとき、又はユーザがチャックの調整によって組織試料の位置を手動で調整する決定をしたとき、モータに信号を送ってチャックを緩めてチャックの調整を可能にできる。また、チャックの位置が調整されていないときは、モータに信号を送って、チャックを締付け又はロック構成に維持して、それによりチャックの位置及び/又はチャックによって保持された試料の位置が意図せずに変化しないようにできる。
【0075】
幾つかの実施形態において、試料ホルダが、試料の表面の向きを再調整して、切断部材及び/又は切断面と平行又はより平行にできる任意の試料ホルダでよいことを理解されたい。例えば、幾つかの実施形態において、試料ホルダは、切断部材及び/又は切断平面に対する二次元内で試料の切断面の向きを調整できる多軸加工物チャック又は電動式チャックの一部でよい。適切な多軸加工物チャックの例は、2004年1月22日に出願され本出願の譲受人に譲渡されたXuan S.Buiらによる「MULTI-AXIS WORKPIECE CHUCK」と題する米国特許第7,168,694号に記載されている。一実施形態では、多軸チャックは、試料などの加工物をチャックに対して実質的に一定向きに保持する取り付け組立体を備えうる。チャックは、1つ以上のモータと通信するコントローラを使用してオペレータによって手動で回転されてもよく、ミクロトームが自律的にチャックを回転させてもよい。チャックの位置を検出するために1つ以上のセンサが使用されうる。一実施形態によれば、各軸は、チャックの中間公称位置と端位置を検出する3つのセンサを有しうる。ユーザ又はミクロトームは、モータに信号を送ってチャックを所望の位置まで回転させることによって、チャックの動きを制御できる。センサは、所望の位置に達したかどうかを決定するために使用されうる。一実施形態において、チャックは、少なくとも2つの直交軸のまわりで回転可能な第1及び第2の部分を有しうる。第1の部分は、第1の軸のまわりを第2の部分から独立に回転できる。第2の部分の第2の軸のまわりの回転によって、第1の部分が第2の軸のまわりも回転しうる。これにより、チャックが複数次元で回転可能になりうる。
【0076】
幾つかの実施形態では、試料切断又は切出サイクルは、(1)試料ブロックを切断平面に向けて前方水平方向に、所望のスライス厚に関連した所定の距離だけ移動させることと、(2)試料ブロックを切断部材に向けて垂直方向(例えば、下方)に移動させてスライスを得ることと、(3)試料ブロックを切断平面及び/又は切断部材から遠ざかる後方又は反対水平方向に所定の距離だけ移動させることと、(4)試料ブロックを切断部材から遠ざかる反対垂直方向(例えば、上方)に移動させることとを含みうる。試料ブロックを切断部材から遠ざかる後方水平方向に後退又は移動させることは、試料ブロックを切断部材から遠ざかる反対垂直方向(例えば、上方)に移動させる(4)の間に試料ブロックが切断部材と接触しないようにするのに役立つ。典型的に、試料ブロックが後退される距離は、スライスされた試料の厚さに対応しうる。あるいは、幾つかの実施形態では、後退ステップが省略されうる。スライスサイクルは、所望数のスライスが得られるまで繰り返されうる。
【0077】
幾つかの実施形態において、ミクロトームは、切出サイクルの様々な部分に異なる試料移動速度を使用できる。例えば、幾つかの実施形態において、切出サイクルの1つ以上の非切出部分(例えば、試料の切断又は切出が行われない)の際に送り駆動システム及び/又は試料の比較的速い移動速度が使用されてもよく、一方、切出サイクルの切出部分(例えば、試料の切断又は切出が行われる)の際に送り駆動システム及び/又は試料の比較的遅い移動速度が使用されてもよい。試料の切断又は切出の際の送り駆動システム及び/又は試料の比較的遅い移動速度を使用することは、より高品質の切片及び/又はより一貫した切片を提供する傾向があり、切出サイクルの1つ以上の他の非切出部分をより迅速に行うことは、切出サイクルの速度全体を改善するのに役立ちかつ/又はより多くの切片を特定の時間長で作成することを可能にしうる。したがって、送り駆動システム及び/又は試料の移動速度は、切出サイクル全体にわたって変化しうる。例えば、ユーザは、スライスを得るために試料ブロック又は試料の切断部材の方への垂直方向(例えば、下方)の移動(例えば、前段落の操作(2))が、切出サイクルの1つ以上の他の部分(例えば、前段落の操作(1)、(3)、(4)又はこれらの組み合わせ)よりもゆっくり行われるように、切出サイクルを制御又はプログラムできる。
【0078】
幾つかの実施形態では、ミクロトームは、試料ホルダと関連した光源の動作を制御するロジックを備える。例えば、幾つかの実施形態では、ミクロトームは、設定可能又はプログラム可能な輝度又は色選択を構成又はプログラムできるロジックを備えうる。一例として、輝度又は色は、試料の色や他の特徴に基づいて選択されうる。1つの例示的実施形態では、ミクロトームは、オペレータが試料のタイプ、試料の特徴(例えば、色)又は包埋剤の特徴を指定又は示すことを可能にできる。ミクロトームは、この情報に基づいて、例えば、組織又は組織特徴と包埋剤(例えば、パラフィン)の間の所望レベルのコントラストを可能にするように決定された、出力される光の輝度及び/又は色を選択するようにプログラムされるロジックを備えうる。他の実施形態では、光源から出力された輝度又は色は、ユーザによって手動で選択されうる。
【0079】
幾つかの実施形態において、ミクロトームは、送り駆動システム及び/又は試料の比較的遅い移動速度が使用される切出サイクルの設定可能又はプログラム可能な切出部分を指定可能にするロジックを備えうる。例えば、幾つかの実施形態では、ミクロトームは、設定可能又はプログラム可能な切出長が構成又はプログラムされることを可能にするロジックを備えうる。例えば、この長さは、様々な寸法を有する異なるタイプのカセットに対応する複数の所定長さの中から選択されうる。様々なタイプのカセットは、切出が行われる様々な切出長を有する。一例として、カリフォルニア州トーランスのSakura Finetek U.S.A.社から市販されている7019 Paraform(登録商標)商標Biopsy 13mmx13mmカセット、及び7020 Paraform(登録商標)商標Biopsy 26mmx19mmカセットは、異なる切出長を有する。1つの例示的実施形態において、ミクロトームは、オペレータが切出長を指定又は指示することを可能にできる。切出長の仕様又は指示は、例えば、長さを指定し、複数の所定長の中から1つの長さを選択し、カセットのタイプを指定し、複数の異なるタイプのカセットの中からカセットのタイプを選択することによって、様々な方法で行われうる。例えば、ユーザが、特定のタイプのカセットからの切片を作成する準備ができているとき、ユーザは、制御装置を使用して特定タイプのカセットを選択することができ、ミクロトームは、その特定タイプのカセットに対応する所定の切出長で既に予めプログラムされうる。切出の際、ミクロトームは、所定の切出長にわたって送り駆動システム及び/又は試料の比較的遅い移動速度を使用でき、切出サイクルの1つ以上又は実質的に他の全ての部分にわたって比較的速い移動速度を使用できる。例えば、指定切出長を超える試料の切断のすぐ前若しくは直前及びすぐ後又は直後に比較的速い速度が使用されうる。
【0080】
幾つかの実施形態では、ミクロトームは、試料の特定又は所定の部分を初めに自律的に除去するロジックを備えうる。例えば、この部分は、(例えば、組織材料の切断面と検知板に接触する試料の最も外側面の間に配置された)切片を得たい実際の組織材料に重なるか又は隠す特定又は所定の厚さのパラフィン、包埋材料、カセット材料又は他の非組織材料を含みうる。例えば、試料は、カセット及びカセットの底部上に配置された組織片と、埋込み材料のブロックに埋め込まれた組織試料を含みうる。カリフォルニア州トーランスのSakura Finetek U.S.A.社によって製造された様々なカセットの場合、カセットは、パラフィンのものと類似の切出特徴を有するParaform(登録商標)商標カセット材料を含むことができ、切出は、カセット底部のParaform(登録商標)商標カセット材料に行われうる。
【0081】
幾つかの実施形態では、ミクロトームは、試料の特定又は所定の部分、例えば、切出したい実際の組織材料に重なるか又は隠すパラフィン、埋込み材料、カセット材料、又は他の非組織材料の一部を初めに自律的に除去するロジックを備えうる。例えば、ミクロトームは、試料の実際の組織材料を露出させるか組織材料へのアクセスを提供するためにカセットの底部を自律的に除去できる。典型的に、特定のカセットの場合、カセットの底部を構成する材料の厚さと切片の厚さにより、ミクロトームは、複数(例えば、約2~約20個、しばしば約5~約15個)の切片を自律的に作成してカセットの所定の厚さの底部を除去できる。カセットの底部の厚さは、ミクロトームによって知られるか又は事前決定されうる。例えば、ユーザは、厚さを直接指定するか、事前プログラムされるか違うふうに知られたカセットの底部厚さをそれぞれ有する幾つかの異なるタイプの中からカセットのタイプを選択できる。幾つかの例では、オペレータは、ミクロトームを制御して、例えば制御装置上のユーザ入力装置(例えば、トリミングボタン)によって自動プロセスを実行してもよく、他の方法でトリミング操作を選択してもよい。有利には、ミクロトームが試料の一部(例えば、カセットの底部)を自律的に除去できるようにすることによって、オペレータがそれを行わなくてもよいようにでき、及び/又は試料の一部分(例えば、カセットの底部)の除去を高速化できる。次に、試料の実際の組織が露出された後、組織のスライス又は切片を得る切出サイクルが開始されうる(例えば、オペレータが、切出ボタンを押すか、あるいは他の方法でミクロトームに、現在露出している組織試料の切断面から切片を取得させる)。
【0082】
また、本明細書全体にわたる「1つの実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」又は「1つ以上の実施形態(one or more embodiments)」の参照は、例えば、本発明の実施に特定の特徴が含まれうることを意味することを理解されたい。同様に、説明では、開示を効率化し様々な発明的態様の理解を助けるために、単一の実施形態、図又はその記述で異なる特徴がひとまとめにされることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、本発明が、各請求項に明示的に列挙されたものより多くの特徴を必要とするという意図を示すと解釈されるべきでない。より正確に言うと、以下の請求項が示すとき、発明的態様が、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なく存在しうる。したがって、発明の詳細な説明に続く特許請求の範囲が、これにより発明の詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として自立する。
【0083】
以上の明細において、本発明をその特定の実施形態に関して述べた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載されたような本発明のより広い主旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が行われうることは明らかである。したがって、明細と図面は、限定的な意味ではなく例示と見なされうる。
【0084】
以上の記述では、説明の目的で、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が示された。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細のうちの幾つかなしに1つ以上の他の実施形態が実施されうることが明らかであろう。述べられた特定の実施形態は、本発明を限定するものではなく例証するために提供される。発明の範囲は、以上で提供された特定の例ではなく以下の請求項によってのみ決定される。他の例では、周知の回路、構造、装置及び操作は、記述の理解を不明瞭にしないようにブロック図形式で又は詳細なしに示された。
【0085】
また、当業者は、本明細書に開示された実施形態に対して、例えば、実施形態の構成要素のサイズ、形状、構成、結合、形態、機能、材料、操作方法、並びに組み立て及び使用などに対して修正が行われうることを理解されよう。図面に示され明細書で述べたものに対する全ての等価な関係が本発明の実施形態に含まれる。更に、適切な場合、参照数字又は参照数字の末端部は、必要に応じて類似の特徴を有しうる対応又は類似要素を示すために図の間で繰り返された。
【0086】
種々の操作及び方法について述べた。方法の幾つかを基本形式で述べたが、必要に応じて操作が方法に追加されかつ/又は方法から除去されうる。更に、例示的な実施形態による特定の順序の操作について述べたが、特定の順序が典型的であることを理解されたい。必要に応じて、代替実施形態が、例えば、操作を異なる順序で実行し、特定の操作を組み合わせ、特定の操作に重なりうる。多くの修正及び適応が方法に対して行われ意図される。
【0087】
1つ以上の実施形態は、機械アクセス可能及び/又は機械可読媒体を含む製造物品(例えば、コンピュータプログラム製品)を含む。媒体は、機械によってアクセス可能かつ/又は読み取り可能な形態で情報を提供する(例えば、記憶する)機構を含みうる。機械アクセス可能及び/又は機械可読媒体は、機械によって実行された場合に機械が本明細書に開示された操作又は方法の1つ以上又は一部を実行しかつ/又は機械に実行させる一連の命令及び/又はデータ構造を提供しうる。一実施形態において、機械可読媒体は、有形の非一時的機械可読記憶媒体を含みうる。例えば、有形の非一時的機械可読記憶媒体には、フロッピディスク、光記憶媒体、光ディスク、CD-ROM、磁気ディスク、光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能及びプログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能及びプログラム可能ROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、フラッシュメモリ、相変化メモリ、又はこれらの組み合わせが含まれうる。有形媒体には、例えば、半導体材料、相変化材料、磁性材料などの1つ以上の固体又は有形物理材料が含まれうる。
【0088】
また、本明細書全体にわたる「1つの実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」又は「1つ以上の実施形態(one or more embodiments)」の参照は、例えば、本発明の実施に特定の特徴が含まれうることを意味すると理解されたい。同様に、記述において、開示を効率化し様々な発明的態様の理解を助けるために、単一実施形態、図又はその記述で様々な特徴がひとまとめにされるときがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、本発明が、各請求項に明示的に列挙されたもより多くの特徴を必要とするという意図を表すと解釈されるべきでない。より正確に言うと、以下の請求項が表すように、発明的態様は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なく存在しうる。したがって、発明の詳細な説明に続く特許請求の範囲が、これによりこの発明の詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として自立する。
【符号の説明】
【0089】
114 試料ホルダ
116 光源
202 試料収容部分
204 取り付け部分
206 試料収容面
208 上締め付け部分
210 下締め付け部分
212 締め付け部材
214 ハンドル
216 凹状領域