(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】有機性汚泥の処理設備および処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 11/147 20190101AFI20220113BHJP
C02F 11/123 20190101ALI20220113BHJP
C02F 11/125 20190101ALI20220113BHJP
C02F 11/126 20190101ALI20220113BHJP
C02F 11/127 20190101ALI20220113BHJP
B01D 29/17 20060101ALI20220113BHJP
B01D 29/25 20060101ALI20220113BHJP
B01D 29/37 20060101ALI20220113BHJP
B01D 33/00 20060101ALI20220113BHJP
B01D 33/04 20060101ALI20220113BHJP
B01D 33/06 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
C02F11/147
C02F11/123 ZAB
C02F11/125
C02F11/126
C02F11/127
B01D29/30 501
B01D33/00 Z
B01D33/04 A
B01D33/04 D
B01D33/06
(21)【出願番号】P 2020127475
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2020-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000165273
【氏名又は名称】月島機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】倭 常郎
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-044482(JP,A)
【文献】特開2020-099906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00-11/20
B01D 23/00-35/04
B01D 35/08-37/08
B65G 33/00-33/38
B30B 1/00- 7/04
B30B 12/00-13/00
B30B 15/30-15/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝集剤が添加されて凝集された蛋白質を含有する有機性汚泥を濃縮する濃縮手段が備えられた有機性汚泥の処理設備であって、
前記濃縮手段は、前記濃縮手段の一端側から供給される前記有機性汚泥を前記濃縮手段の前記一端側から他端側へ搬送する搬送手段と、
前記有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下の範囲となるように前記有機性汚泥を濃縮する、前記濃縮手段における前記一端側に設けられる濃縮部と、
濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の温度の範囲の濃縮温水が、前記濃縮部よりも前記濃縮手段の前記他端側に位置する前記有機性汚泥に供給されて前記有機性汚泥と混合し、前記有機性汚泥を加熱し、さらに前記有機性汚泥が希釈される、前記濃縮部よりも前記濃縮手段の前記他端側に設けられる温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下に再濃縮される、前記温水供給部よりも前記濃縮手段の前記他端側に設けられる再濃縮部と、
を備えることを特徴とする有機性汚泥の処理設備。
【請求項2】
前記濃縮手段は、
内部に前記有機性汚泥が
前記一端側から供給される濃縮濾過スクリーンと、
前記濃縮濾過スクリーンの外周に設けられる濾液室と、
前記濃縮濾過スクリーンと
前記濾液室とを含み、前記一端側から前記濃縮濾過スクリーンの他端側へ縦方向に延びる中心軸を有する濃縮槽と、
前記濃縮濾過スクリーンの前記一端側に設けられ、前記濃縮濾過スクリーンにより水分が分離されて前記有機性汚泥が濃縮される
前記濃縮部と、
前記濃縮槽の前記中心軸に沿った回転軸にスクリューが取り付けられて、回転駆動手段によって前記回転軸および前記スクリューが回転することにより前記有機性汚泥を前記濃縮濾過スクリーンの前記一端側から前記他端側へ搬送する
前記搬送手段と、
前記搬送手段の前記回転軸は中空の円筒状とされるとともに、前記回転軸の円筒壁部には複数の温水供給口が形成されており、前記濃縮温水は、前記回転軸内の中空部に供給されて前記温水供給口から噴出されることにより、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記濃縮部よりも前記他端側に位置する
濃縮汚泥に供給されて、前記濃縮汚泥と混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記濃縮部よりも前記他端側に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記濃縮濾過スクリーンにより再濃縮する、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備えた縦型濾過濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項3】
前記濃縮手段は、
内部に前記有機性汚泥が
前記一端側から供給される濃縮濾過スクリーンと、
前記濃縮濾過スクリーンの前記一端側に設けられ前記濃縮濾過スクリーンにより水分が分離されて前記有機性汚泥が濃縮される
前記濃縮部と、
前記濃縮濾過スクリーンの外周に設けられ、横方向に前記一端側から前記濃縮濾過スクリーンの他端側へ延びる中心軸を有する濾液室と、
前記濾液室の前記中心軸に沿った回転軸にスクリューが取り付けられて、回転駆動手段によって前記回転軸および前記スクリューが回転することにより前記有機性汚泥を前記濃縮濾過スクリーンの前記一端側から前記他端側へ搬送する
前記搬送手段と、
前記搬送手段の
前記回転軸は中空の円筒状とされるとともに、前記回転軸の円筒壁部には複数の温水供給口が形成されており、前記濃縮温水は、前記回転軸内の中空部に供給されて前記温水供給口から噴出されることにより、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記濃縮部よりも前記他端側に位置する濃縮汚泥に供給されて、前記濃縮汚泥に混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記濃縮部よりも前記他端側に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記濃縮濾過スクリーンにより再濃縮する、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備えたスクリュー型濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項4】
前記濃縮手段は、
複数のロールに巻回されて走行可能とされた無端状の濃縮濾過濾布を備えて、前記濃縮濾過濾布が水平方向に
前記一端側から
前記他端側へ走行する濃縮濾過部における前記一端側に供給される前記有機性汚泥を前記濃縮濾過部の前記一端側から前記他端側へ搬送する
前記搬送手段と、
前記濃縮濾過部の前記一端側に設けられ、前記濃縮濾過濾布により水分が分離されて前記有機性汚泥が濃縮される
前記濃縮部と、
前記濃縮温水供給手段から前記濃縮温水が前記濃縮濾過部における前記濃縮部よりも前記濃縮濾過部の前記他端側に位置する
濃縮汚泥に供給されて、前記濃縮汚泥に混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記濃縮濾過部における前記濃縮部よりも前記他端側に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記濃縮濾過濾布により再濃縮する、前記濃縮濾過部における前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備えるベルト型濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項5】
前記濃縮手段は、
互いに間隔を開けて配置された複数の固定プレートと、隣り合う前記複数の固定プレートの間に配置された偏心回転運動を行う複数の可動プレートとを有する濾過体と、
前記濾過体と前記有機性汚泥とを収容し
前記一端側から
前記他端側へ延びる中心軸を有するケーシングと、
前記ケーシングの前記一端側の側面から前記濾過体の外側に供給される前記有機性汚泥を前記ケーシングの前記他端側に向かって搬送する
前記搬送手段と、
前記複数の固定プレートと前記複数の可動プレートとの隙間により、前記搬送手段により搬送される前記有機性汚泥を濃縮する、前記ケーシングの前記一端側に設けられる
前記濃縮部と、
前記ケーシングの中央部側面から前記濾過体の前記外側に、前記濃縮温水供給手段から前記濃縮温水が供給されて、前記ケーシングにおける前記濃縮部よりも前記他端側に位置する
濃縮汚泥に混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記ケーシングにおける前記濃縮部よりも前記他端側に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記濾過体により再濃縮する、前記ケーシングにおける前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備える多重円盤型濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項6】
前記濃縮手段は、
内部に前記有機性汚泥が
前記一端側から供給される濃縮濾過スクリーンと、
前記濃縮濾過スクリーンの前記一端側に設けられ前記濃縮濾過スクリーンにより水分が分離されて前記有機性汚泥が濃縮される
前記濃縮部と、
前記濃縮濾過スクリーンの外周に設けられる濾過室と、
前記濃縮濾過スクリーンと前記濾過室とを含み横方向に前記一端側から前記濃縮濾過スクリーンの
前記他端側へ延びる中心軸を有するケーシングと、
前記濃縮濾過スクリーンの内周面に螺旋状の汚泥搬送用のガイドを有し、前記濃縮濾過スクリーンが回転することにより前記有機性汚泥を前記濃縮濾過スクリーンの前記一端側から前記他端側へ搬送する
前記搬送手段と、
前記濃縮温水供給手段から前記濃縮温水が供給されて、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記濃縮部よりも前記他端側に位置する
濃縮汚泥に混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記濃縮部よりも前記他端側に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記濃縮濾過スクリーンにより再濃縮する、前記濃縮濾過スクリーンにおける前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備える回転ドラム型濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項7】
前記濃縮手段は、
互いに間隔を開けて配置された複数の固定プレートと、前記複数の固定プレートの間に配置された複数の楕円状回転プレートと、を備える筐体と、
前記筐体の
前記一端側から前記有機性汚泥を供給し、前記複数の固定プレートと前記複数の楕円状回転プレートとの隙間によって前記有機性汚泥を濃縮する、前記筐体における前記一端側に設けられる
前記濃縮部と、
前記複数の楕円状回転プレートを回転させることによって、濃縮汚泥を前記一端側から前記筐体の
前記他端側へ搬送する
前記搬送手段と、
前記濃縮温水供給手段から前記濃縮温水が供給されて、前記筐体における前記濃縮部よりも前記他端側に位置する前記濃縮汚泥に混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記筐体における前記濃縮部よりも前記他端側に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記複数の固定プレートと前記複数の楕円状回転プレートとにより再濃縮する、前記筐体における前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備えた楕円板型濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項8】
前記濃縮手段は、
軸線回りに回転駆動させられる回転ボウルの内部に、前記回転ボウルと差速をもって同軸に回転駆動させられるスクリューコンベアが設けられ、前記回転ボウルと前記スクリューコンベアとの間に前記軸線方向の
前記一端側から供給される汚泥を前記回転ボウルの遠心力によって固液分離して濃縮する、前記スクリューコンベアの前記一端側に設けられる
前記濃縮部と、
前記スクリューコンベアを回転駆動させて、濃縮された汚泥を前記スクリューコンベアの前記一端側から前記軸線方向の
前記他端側へ搬送する
前記搬送手段と、
前記スクリューコンベアのスクリューシャフトの前記一端側から挿通される温水供給管に連通され、前記濃縮温水供給手段からの前記濃縮温水を、前記温水供給管を通して供給して前記スクリューコンベアにおける前記濃縮部よりも前記他端側に位置する
濃縮汚泥に混合し、前記濃縮汚泥を加熱し、さらに前記濃縮汚泥を希釈する、前記濃縮部よりも前記他端側に延びるように前記スクリューシャフトの外周部に設けられる
前記温水供給部と、
加熱、及び希釈された前記濃縮汚泥を前記回転ボウルの遠心力により固液分離して再度濃縮する、前記スクリューコンベアにおける前記温水供給部よりも前記他端側に設けられる
前記再濃縮部と、
を備える遠心分離機であることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項9】
前記温水供給部に設けられる前記濃縮濾過スクリーンには遮蔽手段が設けられていることを特徴とする請求項2、3、6のいずれか一項に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項10】
前記温水供給部に設けられる前記濃縮濾過部の下側に遮蔽手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項11】
前記温水供給部に設けられる前記濾過体には、前記固定プレートと前記可動プレートとが一体的に形成された円筒状の遮蔽手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項12】
前記濃縮手段の後段に濃縮汚泥濃度計をさらに備え、
前記濃縮汚泥濃度計の出力値が前記有機性汚泥の濃度となるように前記濃縮手段を制御する制御部を備える、
請求項1から11のいずれか一項に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項13】
前記濃縮手段の前段に汚泥濃度計と、汚泥流量計と、を備え、
前記濃縮手段の後段に濃縮汚泥流量計を備え、
前記汚泥流量計、及び前記濃縮汚泥流量計からの出力値に基づいて前記濃縮手段前後での流量比から前記濃縮手段での濃縮倍率を算出し、前記濃縮倍率と、前記濃縮手段の前段の前記汚泥濃度計で測定した汚泥濃度とから、前記濃縮手段の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、前記濃縮汚泥濃度が前記有機性汚泥の濃度となるように前記濃縮手段を制御する制御部を備える、
請求項1から11のいずれか一項に記載の有機性汚泥の処理設備。
【請求項14】
凝集剤が添加されて凝集された蛋白質を含有する有機性汚泥を濃縮手段によって濃縮する有機性汚泥の処理方法であって、
前記濃縮手段により、前記有機性汚泥が6wt%以上12wt%以下の範囲となるよう濃縮した後、濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の温度の濃縮温水を濃縮後の前記有機性汚泥に供給して前記有機性汚泥と混合し、前記有機性汚泥を加熱し、さらに前記有機性汚泥を希釈し、加熱、及び希釈された前記有機性汚泥を、前記濃縮手段によって6wt%以上12wt%以下に再濃縮することを特徴とする有機性汚泥の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば下水処理場から発生する下水汚泥等に凝集剤が添加されて凝集された有機性汚泥を濃縮する濃縮手段が備えられた有機性汚泥の処理設備、およびこのような有機性汚泥を濃縮手段によって濃縮する有機性汚泥の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような有機性汚泥の処理設備として、例えば特許文献1には、処理汚泥供給路に接続されて供給された処理汚泥を濃縮する濃縮手段と、この濃縮手段によって濃縮された濃縮汚泥を脱水する脱水手段と、濃縮手段と脱水手段とを接続する濃縮汚泥供給路と、脱水手段によって濃縮汚泥から脱水された脱水排水を保持する脱水排水槽とを備え、この脱水排水槽には、電解質が供給可能とされているとともに、該脱水排水槽内に保持された脱水排水を濃縮汚泥供給路に供給して脱水手段に循環させる脱水排水循環供給路が接続されたものが記載されている。
【0003】
そして、この特許文献1には、上記濃縮手段に洗浄水供給手段を接続して、濃縮手段によって濃縮中の処理汚泥に洗浄水供給手段から洗浄水を供給すること、上記洗浄水供給手段から上記濃縮手段に供給される洗浄水の供給量が、濃縮手段に供給される処理汚泥の供給量に対して、体積にして等量以下であることが記載され、さらに洗浄水としては、50℃程度の温水を用いるのが望ましいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、洗浄水として温水を用いるのが望ましいのは、凝集剤が添加された有機性汚泥が濃縮手段において温水により加熱され、有機性汚泥中の蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離することにより洗浄水とともに排水として排出されるからである。このため脱水手段における脱水効率をさらに向上させることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された処理設備および処理方法では、望ましい洗浄水の温度が50℃程度であり、このような洗浄水を例えば25℃の有機性汚泥に、上述のように汚泥供給量に対して最大の洗浄水供給量である等量供給しても、有機性汚泥を38℃程度にしか加熱することができない。このため、脱水手段における脱水効率を確実に向上させることができなくなる可能性がある。
【0007】
また、汚泥に温水を投入して加熱するにあたり、汚泥を濾過濃縮すると、汚泥の含水率が低下して汚泥濃度が高くなり、汚泥が減容化されるため、所定の温度まで加熱するための熱量を低減することができる。
【0008】
ただし、汚泥に直接温水を投入して加熱する方式の場合、汚泥濃度が高くなりすぎると、汚泥の粘度が上昇し、流動性が損なわれるため、汚泥に投入した温水が汚泥全体に行き渡らなくなり加熱効率が低下する可能性がある。
【0009】
本発明は、このような背景の下になされたもので、濃縮手段における有機性汚泥の加熱による有機性汚泥の十分な低含水率化を、有機性汚泥の流動性と加熱効率とを低下させることなく図ることが可能な有機性汚泥の処理設備および処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の有機性汚泥の処理設備は、凝集剤が添加されて凝集された蛋白質を含有する有機性汚泥を濃縮する濃縮手段が備えられた有機性汚泥の処理設備であって、上記濃縮手段は、前記濃縮手段の一端側から供給される前記有機性汚泥を前記濃縮手段の上記一端側から他端側へ搬送する搬送手段と、上記有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下の範囲となるよう上記有機性汚泥を濃縮する、上記濃縮手段における上記一端側に設けられる濃縮部と、濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の温度の範囲の濃縮温水が、上記濃縮部よりも上記濃縮手段の前記他端側に位置する上記有機性汚泥に供給されて上記有機性汚泥と混合し、上記有機性汚泥を加熱し、さらに上記有機性汚泥が希釈される、上記濃縮部よりも前記濃縮手段の上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下に再濃縮される、上記温水供給部よりも上記濃縮手段の上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の有機性汚泥の処理方法は、凝集剤が添加されて凝集された蛋白質を含有する有機性汚泥を濃縮手段によって濃縮する有機性汚泥の処理方法であって、上記濃縮手段により、上記有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下の範囲となるよう濃縮した後、濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の温度の濃縮温水を濃縮後の上記有機性汚泥に供給して上記有機性汚泥と混合し、上記有機性汚泥を加熱し、さらに上記有機性汚泥を希釈し、加熱、及び希釈された上記有機性汚泥の濃度を、上記濃縮手段により6wt%以上12wt%以下に再濃縮することを特徴とする。
【0012】
このように構成された有機性汚泥の処理設備および処理方法では、蛋白質を含有する有機性汚泥を濃縮する濃縮手段により、上記有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下の範囲となるよう濃縮した後、濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の温度の濃縮温水が濃縮後の上記有機性汚泥に供給されて上記有機性汚泥と混合し、上記有機性汚泥を加熱し、さらに上記有機性汚泥が希釈され、加熱、及び希釈された上記有機性汚泥の濃度を6wt%以上12wt%以下に再濃縮するので、有機性汚泥の流動性低下により加熱効率が損なわれない程度に有機性汚泥の汚泥濃度を高めることにより、少ない加熱熱量で有機性汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させ、排出することができる。上記濃度範囲まで有機性汚泥を濃縮することにより、有機性汚泥の必要加熱熱量を減らすことができるとともに、温水投入により汚泥が希釈されることから、さらに流動性が増すことで、強い攪拌を行わずとも汚泥全体に温水がいきわたり、均一、且つ凝集状態を崩さずに有機性汚泥を加熱することができる。さらに、加熱、及び希釈された有機性汚泥の濃度を6wt%以上12wt%以下に再濃縮することができる。よって、当初、濃縮手段により有機性汚泥の濃度を6wt%以上12wt%以下まで濃縮した後、温水の直接投入により加熱されるものの、汚泥が希釈されるため、再濃縮を行うことにより、後段の脱水手段において効率良く脱水することが可能となる。このように、濃縮手段において有機性汚泥を最適な濃度に濃縮することが可能となり、後段に脱水手段が備えられている場合に脱水効率の向上を図ることができる。
【0013】
ここで、本発明の発明者が種々研究を重ねたところ、特に蛋白質を含有する有機性汚泥が混合生汚泥の場合、後述するように汚泥温度を10℃上昇させるごとに有機性汚泥の含水率を約1%低減させることができるという知見を得ることができた。このため、濃縮温水の温度が高いほど、すなわち汚泥温度が高いほど、濃縮された有機性汚泥の含水率を低減することが可能となる。さらに、有機性汚泥を加熱することにより、有機性汚泥の粘度が低下するため、濃縮された有機性汚泥を脱水する場合の脱水効率も向上する。
【0014】
また、このように濃縮手段において、濃縮温水を、蛋白質を含有する有機性汚泥に混合することにより、有機性汚泥の液中に含まれる凝集阻害物質を濃縮温水に置換することができるため、濃縮した有機性汚泥に添加されるポリ硫酸第二鉄(PFS)等の凝集剤が凝集阻害物質によって消費されるのを防ぐことができ、凝集剤を濃縮した有機性汚泥の固形分に効率的に反応させることができるとともに、凝集剤の添加量を削減することもできる。
【0015】
濃縮温水の温度が50℃以下であると、上述した蛋白質を含有する有機性汚泥の粘度の低下や水分の分離による効果を十分に得ることができない。また、濃縮温水の温度が100℃を上回ると取り扱いが困難となる。なお、上述のように濃縮温水の温度が高いほど、有機性汚泥の粘度低下と蛋白質の熱変性による水分の分離は促進されるが、例えば処理設備内で使用される温水を濃縮温水として使用する場合には、60℃以上90℃以下の温度範囲が現実的であって望ましい。
【0016】
また、濃縮された有機性汚泥を脱水する場合には、上記濃縮手段によって濃縮された有機性汚泥に凝集剤を添加することが望ましい。
【0017】
ここで、上記濃縮手段としては、第1に、内部に上記有機性汚泥が一端側から供給される濃縮濾過スクリーンと、上記濃縮濾過スクリーンの外周に設けられる濾液室と、上記濃縮濾過スクリーンと上記濾過室とを含み、上記一端側から上記濃縮濾過スクリーンの他端側へ縦方向に延びる中心軸を有する濃縮槽と、上記濃縮濾過スクリーンの前記一端側に設けられ、上記濃縮濾過スクリーンにより水分が分離されて上記有機性汚泥が濃縮される濃縮部と、この濃縮槽の上記中心軸に沿った回転軸にスクリューが取り付けられて、回転駆動手段によって上記回転軸およびスクリューが回転することにより上記有機性汚泥を上記濃縮濾過スクリーンの上記一端側から上記他端側へ搬送する搬送手段と、上記搬送手段の上記回転軸は中空の円筒状とされるとともに、この回転軸の円筒壁部には複数の温水供給口が形成されており、上記濃縮温水は、上記回転軸内の中空部に供給されて上記温水供給口から噴出されることにより、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に供給されて、上記濃縮汚泥と混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記濃縮濾過スクリーンにより再濃縮する、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備えた縦型濾過濃縮機を用いることができる。
【0018】
そして、このような縦型濾過濃縮機を用いる場合には、上記搬送手段の上記回転軸を中空の円筒状とするとともに、この回転軸の円筒壁部には複数の温水供給口を形成して、上記濃縮温水を、上記回転軸内の中空部に供給して上記温水供給口から噴出させることにより、上記濃縮部で濃縮され上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記有機性汚泥(濃縮汚泥)に、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部にて上記濃縮温水を供給して混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで、濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。ここで、通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【0019】
また、上記濃縮手段としては、第2に、内部に上記有機性汚泥が一端側から供給される濃縮濾過スクリーンと、上記濃縮濾過スクリーンの上記一端側に設けられ上記濃縮濾過スクリーンにより水分が分離されて上記有機性汚泥が濃縮される濃縮部と、上記濃縮濾過スクリーンの外周に設けられ、横方向に上記一端側から上記濃縮濾過スクリーンの他端側へ延びる中心軸を有する濾液室と、この濾液室の上記中心軸に沿った回転軸にスクリューが取り付けられて、回転駆動手段によって上記回転軸およびスクリューが回転することにより上記有機性汚泥を上記濃縮濾過スクリーンの上記一端側から上記他端側へ搬送する搬送手段と、上記搬送手段の上記回転軸は中空の円筒状とされるとともに、この回転軸の円筒壁部には複数の温水供給口が形成されており、上記濃縮温水は、上記回転軸内の中空部に供給されて上記温水供給口から噴出されることにより、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する濃縮汚泥に供給されて、上記濃縮汚泥に混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記濃縮濾過スクリーンにより再濃縮する上記濃縮濾過スクリーンにおける上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備えたスクリュー型濃縮機を用いることもできる。
【0020】
このようなスクリュー型濃縮機を濃縮手段として用いる場合には、上記搬送手段の上記回転軸を中空の円筒状とするとともに、この回転軸の円筒壁部には複数の温水供給口が形成されており、上記濃縮温水を、上記回転軸内の中空部に供給して上記温水供給部から噴出させることにより、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する濃縮汚泥に、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部にて上記濃縮温水を供給する。こうすることにより、回転駆動手段によるスクリューの回転によって上記濃縮部で濃縮された上記有機性汚泥(濃縮汚泥)と上記濃縮温水とを混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで、濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。ここで、通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【0021】
また、上記濃縮手段として、第3には、複数のロールに巻回されて走行可能とされた無端状の濃縮濾過濾布を備えて、この濃縮濾過濾布が水平方向に一端側から他端側へ走行する濃縮濾過部における上記一端側に供給される上記有機性汚泥を、上記濃縮濾過部の上記一端側から上記他端側へ搬送する搬送手段と、上記濃縮濾過部の上記一端側に設けられ、上記濃縮濾過濾布により水分が分離されて上記有機性汚泥が濃縮される濃縮部と、上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が上記濃縮濾過部における前記濃縮部よりも上記濃縮濾過部の上記他端側に位置する濃縮汚泥に供給されて上記濃縮汚泥に混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する、上記濃縮濾過部における上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記濃縮濾過濾布により再濃縮する、上記濃縮濾過部における上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備えるベルト型濃縮機を用いることができる。
【0022】
このようなベルト型濃縮機を用いる場合には、上記濃縮濾過部における上記濃縮部よりも上記他端側に位置する濃縮汚泥に、上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水を上記濃縮濾過部における上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部にて供給することにより、上記濃縮温水を、水平な汚泥濾過部を走行する濃縮濾過濾布上の濃縮部で濃縮された上記有機性汚泥(濃縮汚泥)と混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。ここで、通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【0023】
また、上記濃縮手段として、第4には、互いに間隔を開けて配置された複数の固定プレートと、隣り合う上記複数の固定プレートの間に配置された偏心回転運動を行う複数の可動プレートとを有する濾過体と、上記濾過体と上記有機性汚泥とを収容し一端側から他端側へ延びる中心軸を有するケーシングと、上記ケーシングの上記一端側の側面から上記濾過体の外側に供給される上記有機性汚泥を上記ケーシングの上記他端側に向かって搬送する搬送手段と、上記複数の固定プレートと上記複数の可動プレートとの隙間により、上記搬送手段により搬送される上記有機性汚泥を濃縮する、上記ケーシングの上記一端側に設けられる濃縮部と、上記ケーシングの中央部側面から上記濾過体の外側に上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が供給されて上記ケーシングにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する、上記ケーシングにおける上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記濾過体により再濃縮する、上記ケーシングにおける上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備える多重円盤型濃縮機を用いることができる。
【0024】
このような多重円盤型濃縮機を用いる場合には、上記ケーシングの中央部側面から上記濾過体の外側に上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が供給されて、上記ケーシングにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に上記濃縮温水を混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【0025】
また、上記濃縮手段として、第5には、内部に上記有機性汚泥が一端側から供給される濃縮濾過スクリーンと、上記濃縮濾過スクリーンの前記一端側に設けられ上記濃縮濾過スクリーンにより水分が分離されて上記有機性汚泥が濃縮される濃縮部と、上記濃縮濾過スクリーンの外周に設けられる濾過室と、上記濃縮濾過スクリーンと上記濾過室とを含み横方向に上記一端側から上記濃縮濾過スクリーンの他端側へ延びる中心軸を有するケーシングと、上記濃縮濾過スクリーンの内周面に螺旋状の汚泥搬送用のガイドを有し、上記濃縮濾過スクリーンが回転することにより上記有機性汚泥を上記濃縮濾過スクリーンの上記一端側から上記他端側へ搬送する搬送手段と、上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が供給されて、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記濃縮濾過スクリーンにより再濃縮する、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備える回転ドラム型濃縮機を用いることができる。
【0026】
このような回転ドラム型濃縮機を用いる場合には、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部よりも他端側に設けられる温水供給部において、上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が供給されて、上記濃縮濾過スクリーンにおける上記濃縮部の上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に上記濃縮温水を混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【0027】
また、上記濃縮手段として、第6には、互いに間隔を開けて配置された複数の固定プレートと、上記複数の固定プレートの間に配置された複数の楕円状回転プレートと、を備える筐体と、上記筐体の一端側から上記有機性汚泥を供給し、上記複数の固定プレートと上記複数の楕円状回転プレートとの隙間によって上記有機性汚泥を濃縮する、上記筐体における上記一端側に設けられる濃縮部と、上記複数の楕円状回転プレートを回転させることによって、濃縮汚泥を前記一端側から前記筐体の他端側へ搬送する搬送手段と、上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が供給されて、上記筐体における上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する、上記筐体における上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記複数の固定プレートと上記複数の楕円状回転プレートとにより再濃縮する、上記筐体における上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備えた楕円板型濃縮機を用いることができる。
【0028】
このような楕円板型濃縮機を用いる場合には、上記筐体における上記濃縮部よりも上記他端側に設けられる温水供給部において、上記濃縮温水供給手段から上記濃縮温水が供給されて、上記筐体における上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に上記濃縮温水を混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【0029】
また、上記濃縮手段として、第7には、軸線回りに回転駆動させられる回転ボウルの内部に、この回転ボウルと差速をもって同軸に回転駆動させられるスクリューコンベアが設けられ、これら回転ボウルとスクリューコンベアとの間に上記軸線方向の一端側から供給される汚泥を上記回転ボウルの遠心力によって固液分離して濃縮する上記スクリューコンベアにおける上記一端側に設けられる濃縮部と、上記スクリューコンベアを回転駆動させて、濃縮された汚泥を上記スクリューコンベアの上記一端側から上記軸線方向の他端側に搬送する搬送手段と、上記スクリューコンベアのスクリューシャフトの上記一端側から挿通される温水供給管に連通され、上記濃縮温水供給手段からの上記濃縮温水を、上記温水供給管を通して供給して上記スクリューコンベアにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に混合し、上記濃縮汚泥を加熱し、さらに上記濃縮汚泥を希釈する、上記濃縮部よりも上記他端側に延びるように上記スクリューシャフトの外周部に設けられる温水供給部と、加熱、及び希釈された上記濃縮汚泥を上記回転ボウルの遠心力により固液分離して再度濃縮する、上記スクリューコンベアにおける上記温水供給部よりも上記他端側に設けられる再濃縮部と、を備える遠心分離機を用いることができる。
【0030】
このような遠心分離機を用いる場合には、上記濃縮温水供給手段からの上記濃縮温水を、上記温水供給管を通して供給して、上記スクリューコンベアにおける上記濃縮部よりも上記他端側に位置する上記濃縮汚泥に上記濃縮温水を混合することができる。濃縮温水を濃縮汚泥に混合することで濃縮汚泥を加熱し、濃縮汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて保水されていた水分を分離させることができる。また、この過程で希釈された濃縮汚泥を再濃縮部で再濃縮することができる。通常、汚泥を濃縮し、この濃縮汚泥に温水を供給し、さらに、この濃縮汚泥を再濃縮する場合、濃縮機を直列で2台設置し、2台の濃縮機の間に温水を供給する手段をとる必要があるが、濃縮手段に濃縮部、温水供給(加熱)部、再濃縮部の3つのゾーンを設けることにより、1台の濃縮手段で濃縮、温水供給(加熱)、再濃縮を行うことができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、濃縮手段において、最適な汚泥濃度に濃縮した有機性汚泥に濃縮温水を供給して混合することにより有機性汚泥を加熱して、有機性汚泥中の蛋白質を確実に熱変性させて水分を分離させ、さらに、濃縮温水が供給されることで希釈された濃縮汚泥を最適な汚泥濃度に再濃縮することができるので、有機性汚泥を十分に低含水率で高濃度に濃縮するとともに、濃縮手段の後段の脱水手段において効率良く脱水することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の有機性汚泥の処理設備の第1の実施形態を示す概略図である。
【
図3】
図1および
図2に示す実施形態による濃縮温水の温度と有機性汚泥(濃縮汚泥)の含水率との関係を示す第1例の図である。
【
図4】
図3に示す第1例の濃縮温水によって加熱された有機性汚泥(濃縮汚泥)の温度と含水率との関係を示す図である。
【
図5】
図1および
図2に示す実施形態による濃縮温水の温度と有機性汚泥(濃縮汚泥)の含水率との関係を示す第2例の図である。
【
図6】
図5に示す第2例の濃縮温水によって加熱された有機性汚泥(濃縮汚泥)の温度と含水率との関係を示す図である。
【
図7】
図1および
図2に示す実施形態による濃縮温水の温度と有機性汚泥(濃縮汚泥)の含水率との関係を示す第3例の図である。
【
図8】
図7に示す第3例の濃縮温水によって加熱された有機性汚泥(濃縮汚泥)の温度と含水率との関係を示す図である。
【
図9】濃縮汚泥濃度と濃縮汚泥温度の関係を示す図である。
【
図10】
図1および
図2に示す第1の実施形態の濃縮手段と脱水手段の第1の変形例を示す図である。
【
図11】
図1および
図2に示す第1の実施形態の濃縮手段と脱水手段の第2の変形例を示す図である。
【
図12】
図1および
図2に示す第1の実施形態の濃縮手段と脱水手段の第3の変形例を示す図である。
【
図13】
図1および
図2に示す第1の実施形態の濃縮手段と脱水手段の第4の変形例を示す図である。
【
図14】
図1および
図2に示す第1の実施形態の濃縮手段と脱水手段の第5の変形例を示す図である。
【
図15】
図1および
図2に示す第1の実施形態の濃縮手段と脱水手段の第6の変形例を示す図である。
【
図16】本発明の有機性汚泥の処理設備の第2の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1および
図2は、本発明の有機性汚泥の処理設備の第1の実施形態を示すものであり、この有機性汚泥の処理設備の第1の実施形態について以下に説明しながら、本発明の有機性汚泥の処理方法についても説明する。本実施形態の有機性汚泥の処理設備は、例えば下水処理場から発生して供給された混合生汚泥等の下水汚泥のような蛋白質を含有する有機性汚泥Aに高分子凝集剤Bを添加して凝集する凝集手段1と、この凝集手段1によって固形分がある程度凝集した凝集汚泥Cを濃縮する濃縮手段2と、この濃縮手段2によって濃縮された濃縮汚泥Dを脱水する脱水手段3と、これら濃縮手段2と脱水手段3とを接続する濃縮汚泥供給路4とを備えている。
【0034】
上記凝集手段1は、
図2に示すように有機性汚泥Aと高分子凝集剤Bが底部から供給されて保持される縦方向に延びる中心軸を有する有底円筒状の凝集槽1Aを備えている。この凝集槽1Aには、凝集槽1Aの中心軸に沿った回転軸1aに撹拌羽根1bが取り付けられて、凝集槽1Aの上部に設けられたモーター等の回転駆動手段1cによって回転軸1aおよび撹拌羽根1bが回転することにより有機性汚泥Aと高分子凝集剤Bを撹拌、混合する撹拌手段1Bが設けられている。この撹拌手段1Bによって高分子凝集剤Bと撹拌、混合されて凝集した凝集汚泥Cは、凝集槽1Aの上部から抜き出されて濃縮手段2に供給される。ここで、凝集手段1と濃縮手段2との間に、凝集汚泥Cを凝集槽1Aの上部から抜き出して濃縮手段2へ搬送する不図示のポンプが設けられていても良い。なお、以下の説明において、凝集汚泥Cを、有機性汚泥Cと呼ぶ場合がある。
【0035】
本実施形態における濃縮手段2は縦型濾過濃縮機であって、凝集手段1の一端側(上部)から供給された凝集汚泥Cが保持される、凝集槽1Aと同様の一端側から他端側へ縦方向に延びる中心軸を有する有底円筒状の濃縮槽2Aを備えており、凝集汚泥Cは濃縮槽2Aの上部(一端側)から濃縮槽2A内に供給される。ただし、この濃縮槽2Aの胴部はウェッジワイヤーやパンチングメタル等によって形成された濃縮濾過スクリーン2aとされるとともに、この濃縮濾過スクリーン2aの外周は濾液室2bとされている。
【0036】
また、この濃縮槽2Aには、濃縮槽2Aの中心軸に沿った回転軸2cにスクリュー2dが取り付けられて、濃縮槽2Aの上部に設けられたモーター等の回転駆動手段2eによって回転軸2cおよびスクリュー2dが回転することにより凝集汚泥Cを一端側から他端側へ搬送する搬送手段2Eが設けられている。濃縮槽2Aの上部から供給された凝集汚泥Cは、この搬送手段2Eによって下方(他端側)に搬送されつつ、濃縮手段2の濃縮濾過スクリーン2aにおける一端側(凝集汚泥Cの供給方向上流側)に設けられる濃縮部2Bにおいて、濃縮濾過スクリーン2aによって水分が分離されて濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮部2Bで濃縮される。
【0037】
なお、この濃縮槽2Aと上記凝集槽1Aの底部(他端側)は、下方に向かうに従い縮径する円錐台状に形成されている。また、濃縮濾過スクリーン2aによって凝集汚泥Cから分離された水分は濾液室2bに収容され、排水Eとして処理される。
【0038】
そして、この濃縮手段2には、図示されない濃縮温水供給手段から、50℃よりも高温で100℃未満の範囲の温度、望ましくは60℃以上90℃以下の範囲の温度の濃縮温水Fがポンプ20Cによって供給されて、上記凝集手段1から供給された凝集汚泥Cと混合される。
【0039】
ここで、濃縮手段2の搬送手段2Eの回転軸2cは中空の円筒状とされるとともに、この回転軸2cの円筒壁部には多数(複数)の温水供給口6が形成されている。そして、濃縮温水Fは、回転軸2cの下端(他端側)から回転軸2c内の中空部に供給されて温水供給口6から噴出させられ、凝集手段1から濃縮槽2A内に供給されて濃縮濾過スクリーン2aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する、濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に供給されて混合される。ここで、温水供給口6から濃縮温水Fが供給される、濃縮濾過スクリーン2aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)を温水供給部2Cと呼ぶ。これにより、本実施形態では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて、温水供給口6から供給される濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。なお、温水供給口6は、回転軸2cと連結されると共に、温水供給口6から濃縮温水Fが供給される方向を下方に向ける
図1に示すエルボのような部材であっても良いし、回転軸2cの円筒壁部に形成された貫通孔でも良い。温水供給口6から排出される濃縮温水Fは、濃縮汚泥Dよりも高温であるため、
図2の温水供給口6から排出される濃縮温水Fを示す矢印が図示するように、濃縮汚泥D中を上昇する。そのため、濃縮濾過スクリーン2aにおける温水供給口6よりも上方には、遮蔽手段2Pが設けられている。遮蔽手段2Pは、濃縮温水Fが濃縮汚泥D中に、より長く留まり濃縮汚泥Dを昇温させるとともに濃縮温水Fが濃縮汚泥Dと十分に接触せずに濃縮濾過スクリーン2aを通り抜けて濾液室2bに排出されないように設けられている。遮蔽手段2Pとしては、水を通さない材質であれば、特に限定されず、例えば、樹脂、金属、木材等を使用しても良い。なお、温水供給口6は、濃縮温水Fを下方に供給する場合に限定されず、濃縮温水Fを回転軸2cと垂直方向に供給しても良い。
【0040】
希釈された濃縮汚泥Dは、搬送手段2Eにより、さらに下方(他端側)に搬送されつつ、濃縮濾過スクリーン2aによって水分が分離されて濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮部2Dで再濃縮される。ここで、濃縮手段2において、温水供給部2Cよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流側)を再濃縮部2Dと呼ぶ。
【0041】
なお、この濃縮温水Fや後述する脱水温水Hとしては、有機性汚泥の処理設備に備えられた汚泥焼却設備の排煙処理塔排水や、汚泥乾燥設備のスクラバー排水、あるいは消化ガス発電機から発生する温水を利用することができる。また、上水や砂濾過水等をボイラーで加熱して利用することもできる。
【0042】
こうして再濃縮された濃縮汚泥Dが濃縮手段2の他端側から供給される濃縮汚泥供給路4には、濃縮汚泥Dを脱水手段3に送り出すポンプ4Aが設けられているとともに、このポンプ4Aと脱水手段3との間には高速ミキサー等の混合手段4Bが設けられている。この混合手段4Bには、ポリ硫酸第二鉄(PFS)等の無機凝集剤や高分子凝集剤のような凝集剤G1がポンプ4Cによって供給されて濃縮汚泥Dに添加、混合される。
【0043】
また、濃縮手段2の後段における、例えばポンプ4Aよりも下流に、濃縮手段2で濃縮された濃縮汚泥Dの汚泥濃度を測定する濃縮汚泥濃度計SD2が設けられていても良い。この場合、この濃縮汚泥濃度計SD2の測定結果が、例えば濃縮汚泥濃度計SD2に電気的に接続された制御装置50に入力され、制御装置50は、濃縮汚泥濃度が上述の6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の下流に設けられるポンプ4Aの吸込流量を制御しても良い。
【0044】
さらに、濃縮手段2の前段における、凝集手段1の上流に、有機性汚泥Aの汚泥濃度を測定する汚泥濃度計SD1と、有機性汚泥Aの流量を測定する汚泥流量計FM1と、濃縮手段2の後段における、例えばポンプ4Aよりも下流に、濃縮手段2で濃縮された濃縮汚泥Dの流量を測定する濃縮汚泥流量計FM2と、が設けられていても良い。この場合、濃縮手段2の前段と後段とにおける汚泥流量を汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とでそれぞれ測定し、例えば、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とに電気的に接続された制御装置50に入力しても良い。この際、制御装置50は、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが上述の6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の下流に設けられるポンプ4Aの吸込流量を制御しても良い。ここで、ポンプ4Aの吸込流量と濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度との間には以下のような関係がある。すなわち、ポンプ4Aの吸込流量が増せば、濃縮手段2での濃縮倍率が減少し、濃縮手段2の後段での濃縮汚泥濃度は減少する。一方、ポンプ4Aの吸込流量が減少すれば、濃縮手段2での濃縮倍率が増し、濃縮手段2の後段での濃縮汚泥濃度は増す。
【0045】
本実施形態では、このように凝集剤G1が添加、混合された濃縮汚泥Dが供給される脱水手段3において、ケーシング3A内に濃縮汚泥Dを濾過する濾過スクリーン3Bが配置されており、この濾過スクリーン3Bによって分けられたケーシング3A内の複数の空間のうち、第1の空間3A1に濃縮汚泥Dが供給される。
【0046】
ここで、本実施形態における脱水手段3は、縦型のスクリュープレスであって、しかもケーシング3Aと同軸の縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなしてケーシング3A内に配設される第2の上記濾過スクリーン3Bとしての内濾過スクリーン3aと、この内濾過スクリーン3aと同軸の円筒状または円錐状をなして内濾過スクリーン3aの外側に間隔をあけてケーシング3A内に配設される外濾過スクリーン3bと、上記軸線回りに捩れる螺旋状をなして内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間に収容され、モーター等の回転駆動手段3cによって上記軸線を中心に内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bに対して相対的に回転させられるリボンスクリュー3dとを備えている。
【0047】
本実施形態では、これら内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間の空間が上記第1の空間3A1とされて濃縮汚泥Dが供給されるとともに、内濾過スクリーン3aの内側の空間と外濾過スクリーン3bの外側のケーシング3A内の空間とが第2の空間3A2とされている。そして、本実施形態では、この第2の空間3A2にも、図示されない脱水温水供給手段から、50℃以上100℃未満の範囲、望ましくは60℃以上90℃以下の範囲の温度の脱水温水Hがポンプ3Pにより供給される。なお、これら内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bも、ウェッジワイヤーやパンチングメタル等によって形成される。
【0048】
ケーシング3Aは上記軸線を中心とした有底円筒状であり、濃縮汚泥Dは、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bの底部を連結する円環板状の連結板3eに接続された供給管3fを介して、上記第1の空間3A1にケーシング3Aの底部から供給され、リボンスクリュー3dの相対的な回転によって上方に搬送されながら、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bによって水分が分離される。
【0049】
また、ケーシング3A内の上部には、円環板状の基板3Cが配設されて、外濾過スクリーン3bは、この基板3Cの内周部に取り付けられて固定される。さらに、この基板3Cよりも上方のケーシング3Aの上部開口部には蓋体3Dが配設され、内濾過スクリーン3aは、この蓋体3Dに取り付けられて固定されるとともに、上記回転駆動手段3cは、この蓋体3D上に配置され、内濾過スクリーン3aの上部を覆う円筒状のスクリュー支持体を介してリボンスクリュー3dを回転させる。
【0050】
なお、本実施形態では、このように内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bがケーシングに固定されて、リボンスクリュー3dが回転駆動手段3cにより回転されるが、逆にリボンスクリュー3dを固定して内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bを回転させてもよく、リボンスクリュー3dと内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bとを互いに逆方向に回転させるようにしてもよい。
【0051】
さらにまた、これら基板3Cと蓋体3Dの間のケーシング3A内における上部の空間は排出室3Eとされるとともに、この排出室3Eにおける第1の空間3A1の円環状の上部開口部は排出口3Fとされ、この排出口3Fには、外周側に向かうに従い上方に向かう上記軸線を中心とした円錐台状の外周面を有する圧搾リング3Gが配設されている。リボンスクリュー3dによって第1の空間3A1を上方に搬送されつつ水分が分離して濃縮汚泥Dから脱水された脱水汚泥Iは、排出口3Fから圧搾リング3Gにより圧搾されながら排出室3Eに流出して排出される。
【0052】
また、脱水温水Hも、本実施形態ではケーシング3A底部からケーシング3A内の第2の空間3A2に供給される。こうして第2の空間3A2に供給された脱水温水Hは、濃縮手段2と同じように第1の空間3A1内の濃縮汚泥Dを加熱し、これによって濃縮汚泥Dの蛋白質が熱変性することにより保水されていた水分が分離し、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bによって濾過されて、濃縮汚泥Dを加熱することにより冷却された脱水温水Hとともに、第2の空間3A2から立ち上げられた排水管3Hから排水Jとして排出される。
【0053】
このような構成の有機性汚泥の処理設備および処理方法では、脱水手段3の前段に、凝集手段1において蛋白質を含有する有機性汚泥Aに高分子凝集剤Bが添加されて凝集された凝集汚泥Cを濃縮する濃縮手段2が備えられており、この濃縮手段2によって濃縮された濃縮汚泥Dが脱水手段3によって脱水される。
【0054】
そして、この濃縮手段2では、濃縮部2Bで濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮された濃縮汚泥Dに、不図示の濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の範囲の温度の濃縮温水Fが温水供給部2Cにおいて供給されて、濃縮汚泥Dと混合させられる。濃縮汚泥Dは流動性および加熱効率が損なわれない程度まで濃縮されるため、濃縮汚泥Dの加熱に必要となる熱量を減らすことができる。濃縮された濃縮汚泥Dが加熱され、さらに、濃縮温水Fにより濃縮汚泥Dが希釈されることから、より一層流動性が増すことで、強い撹拌を行わずとも濃縮汚泥D全体に濃縮温水Fがいきわたり、均一、且つ凝集状態を崩さずに濃縮汚泥Dが加熱される。さらに、この濃縮手段2では、この加熱、及び希釈された濃縮汚泥Dを再濃縮部2Dで再濃縮する。このため、脱水手段3の前段の濃縮手段2の温水供給部2Cにおいて、濃縮汚泥Dを加熱して蛋白質を熱変性させることができ、濃縮汚泥Dに保水されていた水分の分離を図って後段の脱水手段3における脱水効率を向上させることができる。加熱されて希釈された濃縮汚泥Dは再濃縮されるため、後段の脱水手段3における脱水効率を損なうことが無い。
【0055】
ここで、
図3、
図5、
図7は、第1の実施形態により、汚泥濃度2wt%の3種の有機性汚泥Aをそれぞれ10m
3/hで凝集手段1に供給して凝集させた凝集汚泥Cを、濃縮手段2において3.3m
3/hの濃縮温水Fにより加熱しつつ濃縮した際の濃縮温水Fの温度と濃縮汚泥Dの含水率との関係を示す第1例~第3例の図であり、
図4、
図6、
図8は、これら第1~第3例における濃縮温水Fによって加熱された濃縮汚泥Dの温度と含水率との関係を示す図である。
【0056】
なお、第1例の有機性汚泥Aは混合生汚泥であり、第2例の有機性汚泥Aは余剰リッチの混合生汚泥であり、第3例の有機性汚泥Aは消化汚泥である。また、これら第1例~第3例では、濃縮温水Fは上水をボイラーで加熱したものであり、第1例では11wt%のポリ硫酸第二鉄(PFS)が、第2例では5wt%のポリ硫酸第二鉄(PFS)が添加されている。
【0057】
図3、
図5、
図7より、濃縮手段2に供給されて凝集汚泥Cと混合される濃縮温水Fの温度が50℃を越えたところで、濃縮温水Fの温度が高くなる割合に対して、濃縮手段2で濃縮された凝集汚泥Cである濃縮汚泥Dの含水率が低くなる割合が大きくなり始め、濃縮温水Fの温度が高くなるほど含水率は低くなる傾向にあることが分かる。従って、上記構成の有機性汚泥の処理設備および処理方法によれば、上述のように濃縮汚泥Dの低含水率化を図ることができ、濃縮手段2の後段の脱水手段3における脱水効率の向上を図ることができる。なお、
図5において温水温度80℃に2つの点がプロットされているのは、80℃の濃縮温水Fを2回繰り返して供給したためである。
【0058】
また、このように濃縮手段2において濃縮温水Fを凝集汚泥Cに混合することにより、凝集汚泥Cの液中に含まれる凝集阻害物質を濃縮温水Fに置換することができるため、濃縮汚泥供給路4において濃縮汚泥Dに添加されるポリ硫酸第二鉄等の凝集剤G1が凝集阻害物質によって消費されるのを防ぐことができ、凝集剤G1を濃縮汚泥Dの固形分に効率的に反応させることができる。
【0059】
また、この濃縮温水Fによって凝集汚泥Cを加熱することによっても、凝集剤G1と濃縮汚泥Dとの反応性を向上させることができるとともに、凝集剤G1の添加量を削減することもできる。さらに、このように凝集汚泥Cが加熱されることにより、濃縮汚泥Dの含水率が低下するとともに粘度が低下するため、脱水手段3によって濃縮汚泥Dを脱水する場合の脱水効率も一層向上させることができる。
【0060】
なお、濃縮温水Fの温度が50℃以下であると
図3、
図5、
図7に示したように濃縮汚泥Dの含水率を効果的に低下させることができない。また、濃縮温水Fの温度が100℃以上であると濃縮温水Fの取り扱い性が損なわれる。さらに、濃縮温水Fの温度は、高いほど濃縮汚泥Dの蛋白質の熱変性による水分分離と粘度の低下とを促すことができるが、上述のように有機性汚泥の処理設備内で使用される温水を脱水温水Hとして使用する場合は、60℃以上90℃以下の温度範囲が現実的である。
【0061】
さらにまた、上述のように濃縮手段2の後段の脱水手段3における脱水効率をより一層向上させるためには、この濃縮手段2によって濃縮される濃縮汚泥Dの濃縮汚泥濃度を6wt%以上12wt%以下とするのが望ましく、7wt%以上11wt%以下とするのがより望ましく、8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮するのがさらに望ましい。濃縮汚泥濃度と濃縮汚泥温度の関係を示す
図9を参照しながら望ましい汚泥濃度について説明する。
【0062】
図9は、汚泥濃度3wt%の汚泥を2.0m
3/hの流量で濃縮手段2に投入し、汚泥濃度が3wt%から13wt%まで1wt%刻みで汚泥を15℃の条件下において濃縮手段2で濃縮し、さらに、その汚泥に90℃の濃縮温水を1.0m
3/hで供給した際の濃縮汚泥温度の測定結果である表1をグラフ化して示すものである。ここで、濃縮手段2での汚泥の流量が汚泥濃度と比例していることが分かる。すなわち、濃縮手段2での汚泥の流量が0.46m
3/hと小さい場合には13wt%と高い濃縮汚泥濃度が得られ、汚泥の流量が2.00m
3/hと大きい場合には3wt%と低い濃縮汚泥濃度が得られる。また、
図9及び表1より、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12%以下であると、濃縮汚泥温度(加熱濃縮汚泥)が47.8℃から55.8℃の範囲に入り、濃縮汚泥濃度が7wt%以上11%以下であると、濃縮汚泥温度が52.6℃から55.8℃の範囲に入り、濃縮汚泥濃度が8wt%以上10wt%以下であると、濃縮汚泥温度が55.0℃から55.8℃の範囲に入る。つまり、
図4,6,8により、汚泥温度がより高い方が、濃縮汚泥Dの含水率が低いことが示されるため、濃縮汚泥Dの濃縮汚泥温度を高く保つことのできる濃縮汚泥濃度6wt%以上12wt%以下が好ましく、濃縮汚泥Dの濃縮汚泥温度をより高い温度に保つことのできる濃縮汚泥濃度7wt%以上11wt%以下がより好ましく、濃縮汚泥Dの濃縮汚泥温度をさらに高い温度に保つことのできる濃縮汚泥濃度8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮するのがさらに好ましい。
【0063】
【0064】
さらに、本実施形態の有機性汚泥の処理設備および処理方法では、脱水手段3においても、ケーシング3A内に配置されて濃縮汚泥Dを濾過する濾過スクリーン3Bにより分けられた複数の空間のうち、第1の空間3A1に濃縮汚泥Dが供給されるとともに、第2の空間3A2には脱水温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の範囲の温度の脱水温水Hが供給される。そして、このように第2の空間3A2に供給された脱水温水Hによって第1の空間3A1に供給された濃縮汚泥Dが加熱されることによっても、濃縮汚泥Dの粘度が低下するとともに、この濃縮汚泥Dに保水されていた水分が蛋白質の熱変性によって分離する。
【0065】
このように濃縮汚泥Dから分離した水分は、濾過スクリーン3Bを通って濾過されて第2の空間3A2に流れ込み、冷却された脱水温水Hとともに排出されるため、排出口3Fから排出室3Eに排出される脱水汚泥Iの含水率も一層低下させることが可能となる。また、上述のように濃縮汚泥Dの粘度が低下することによって濾過抵抗が減少するので、濃縮汚泥Dから分離した水分を第2の空間3A2に排出し易くすることもできる。従って、本実施形態によれば、脱水汚泥Iの低含水率化と濃縮汚泥Dから分離した水分の効率的な排出とを図ることができる。
【0066】
ここで、上記脱水温水Hの温度が50℃以下であると、上述したような濃縮汚泥Dの粘度の低下や水分の分離による効果を十分に得ることができない。また、脱水温水Hの温度が100℃を上回ると濃縮温水Fと同様に取り扱いが困難となる。なお、脱水温水Hの温度も、高いほど濃縮汚泥Dの粘度の低下と蛋白質の熱変性による水分分離を促すことができるが、上述のように有機性汚泥の処理設備内で使用される温水を脱水温水Hとして使用する場合は、濃縮温水Fと同様に60℃以上90℃以下の温度範囲が現実的である。
【0067】
また、本実施形態の処理設備においては、脱水手段3として、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなしてケーシング3A内に配設される内濾過スクリーン3aと、この内濾過スクリーン3aと同軸の円筒状または円錐状をなして内濾過スクリーン3aの外側に間隔をあけてケーシング3A内に配設される外濾過スクリーン3bと、上記軸線回りに捩れる螺旋状をなして内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間に収容され、この軸線を中心に内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bに対して相対的に回転させられるリボンスクリュー3dとを備えた縦型スクリュープレスが用いられている。
【0068】
そして、濾過スクリーン3Bとしての内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間の空間が、濃縮汚泥Dが供給される第1の空間3A1とされるとともに、内濾過スクリーン3aの内側の空間と外濾過スクリーン3bの外側の空間とが、脱水温水Hが供給される第2の空間3A2とされている。
【0069】
このような構成の縦型スクリュープレスでは、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間の第1の空間3A1に供給された濃縮汚泥Dがリボンスクリュー3dの相対的な回転によって上記軸線方向に搬送されながら、これら内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bによって脱水されるので、濾過面積を大きく確保することができて一層効率的な濾過を図ることができる。また、第1の空間3A1に供給された濃縮汚泥Dを、第1の空間3A1の内側と外側の第2の空間3A2に供給された脱水温水Hによって加熱することができるので、蛋白質の熱変性による水分の分離も一層効率的に促進することができる。
【0070】
ただし、本実施形態では、このように内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの2つの濾過スクリーン3Bを有する縦型のスクリュープレスを脱水手段3として用いているが、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状の1つの濾過スクリーン内に、この軸線回りに捩れる螺旋状をなして該軸線を中心に回転させられるスクリューが配設された縦型のスクリュープレスや、次述するような横型のスクリュープレスやベルトプレスを用いることもできる。また、これら以外に、ロータリープレスや多重板型スクリュープレスを用いることもできる。
【0071】
次に、
図10は、
図1および
図2に示した第1の実施形態の濃縮手段2と脱水手段3の第1の変形例を示すものであり、
図1および
図2に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の部号を配してある。この第1の変形例において、濃縮手段2は、スクリュー型濃縮機である。
【0072】
すなわち、第1の変形例における濃縮手段2は、胴部が濃縮濾過スクリーン11aとされて内部に凝集汚泥Cが一端側から供給されるとともに、この濃縮濾過スクリーン11aの外周は濾液室11bとされた横方向に延びる中心軸を有する円筒状のケーシング11と、このケーシング11の上記中心軸に沿った回転軸12aにスクリュー12bが取り付けられて、図示されない回転駆動手段によって回転軸12aおよびスクリュー12bが回転することにより、濃縮濾過スクリーン11a内に供給される凝集汚泥Cを、水分を分離することで濃縮する、濃縮濾過スクリーン11aにおける一端側(凝集汚泥Cの供給方向上流側)に設けられている濃縮部2Bと、回転軸12aおよびスクリュー12bが回転することにより凝集汚泥Cを濃縮濾過スクリーン11aにおける一端側から他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流側)へ搬送する搬送手段12とを備えている。濃縮部2Bでは、凝集汚泥Cを濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮して濃縮汚泥Dとする。
【0073】
そして、上記搬送手段12による凝集汚泥Cの搬送方向側(濃縮濾過スクリーン11aにおける他端側)において、第1の実施形態と同じく図示されない濃縮温水供給手段から濃縮温水Fが、濃縮濾過スクリーン11aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する濃縮汚泥Dに供給され、スクリュー12bの回転により濃縮汚泥Dと混合される。ここで、濃縮手段2の搬送手段12の回転軸12aは中空の円筒状とされるとともに、この回転軸12aの円筒壁部には多数(複数)の温水供給口6が形成されている。そして、濃縮温水Fは、回転軸12aの一端側(濃縮温水の供給方向上流側)から回転軸12a内の中空部に供給されて温水供給口6から噴出させられ、凝集手段1から濃縮手段2内に供給されて濃縮濾過スクリーン11aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する、濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に供給されて混合される。ここで、温水供給口6から濃縮温水Fが供給される、濃縮濾過スクリーン11aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)を温水供給部2Cと呼ぶ。なお、温水供給口6は、回転軸12aと連結されると共に、温水供給口6から濃縮温水Fが供給される方向を回転軸12aと垂直方向にする
図10に示す直管のような部材でも良いし、回転軸12aの円筒壁部に形成された貫通孔でも良い。なお、濃縮温水Fが供給される方向は回転軸12aと厳密な垂直方向でなくとも良い。これにより、本変形例では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。希釈された濃縮汚泥Dは、搬送手段12により、濃縮濾過スクリーン11a内における温水供給部2Cよりもさらに他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に搬送されつつ、濃縮濾過スクリーン11aによって水分が分離されて濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮部2Dで再濃縮される。ここで、濃縮手段2の濃縮濾過スクリーン11a内において、温水供給部2Cよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流側)を再濃縮部2Dと呼ぶ。こうして再濃縮された濃縮汚泥Dは、ポンプ4Aによって引き抜かれて脱水手段3に供給されるが、加熱によって濃縮汚泥Dのフロックが崩れやすくなっているため、無機凝集剤Gのほかに高分子凝集剤gを微量添加してもよい。
【0074】
ここで、濃縮濾過スクリーン11aにおける温水供給部2Cの外周には、濃縮濾過スクリーン11aの外周に沿うように遮蔽手段2Pが設けられている。遮蔽手段2Pは、濃縮温水Fが濃縮汚泥D中に、より長く留まり濃縮汚泥Dを昇温させるとともに、濃縮温水Fが濃縮汚泥Dと十分に接触せずに濃縮濾過スクリーン11aを通り抜けて濾液室11bに排出されないように設けられている。遮蔽手段2Pとしては、水を通さない材質であれば、特に限定されず、例えば、樹脂、金属、木材等を使用しても良い。遮蔽手段2Pは、濃縮濾過スクリーン11aにおける温水供給部2Cの全周を覆うように円筒状に設けられていても良いし、濃縮濾過スクリーン11aにおける温水供給部2Cの下半分を覆うように半円筒状に設けられていても良い。
【0075】
また、
図10には図示しないが、
図1、
図2に示す第1の実施形態と同様に、濃縮手段2の前段に汚泥濃度計SD1と汚泥流量計FM1とを設け、濃縮手段2の後段に濃縮汚泥濃度計SD2と濃縮汚泥流量計FM2とを設け、これらに電気的に接続された制御装置50に測定結果が入力されるように構成し、濃縮汚泥濃度計SD2からの測定結果を受理した制御装置50が、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段12の搬送速度を、回転軸12a及びスクリュー12bを回転させる回転駆動手段の回転数を制御することで制御しても良い。または、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とで測定した汚泥流量が制御装置50に入力され、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段12の搬送速度を、回転軸12a及びスクリュー12bを回転させる回転駆動手段の回転数を制御することで制御しても良い。なお、回転駆動手段の回転数を制御するに際して、濃縮部2Bにおける回転数と、再濃縮部2Dにおける回転数とを個別に制御できるようにしても良い。
【0076】
また、この第1の変形例においては、脱水手段3も横型のスクリュープレスが用いられている。すなわち、第1の変形例における脱水手段3も、胴部が脱水濾過スクリーン13aとされて内部に濃縮汚泥Dが供給されるとともに、この脱水濾過スクリーン13aの外周は濾液室13bとされた横方向に延びる中心軸を有する円筒状のケーシング13と、このケーシング13の上記中心軸に沿った回転軸14aにスクリュー14bが取り付けられて、図示されない回転駆動手段によって回転軸14aおよびスクリュー14bが回転することにより濃縮汚泥Dを搬送する搬送手段14とを備えている。
【0077】
ここで、脱水手段3の搬送手段14におけるスクリュー14bは、濃縮汚泥Dの搬送方向に向けてピッチが小さくなるようにされており、このスクリュー14bによって濃縮汚泥Dが搬送されるうちに圧縮されて脱水される。なお、この第1の変形例においても、脱水手段3において脱水温水Hを供給して混合してもよい。
【0078】
次に、
図11は、
図1および
図2に示した第1の実施形態の濃縮手段2と脱水手段3の第2の変形例を示すものであり、
図1および
図2に示した第1の実施形態と共通する部分には、やはり同一の部号を配してある。この第2の変形例において、濃縮手段2は、ベルト型濃縮機である。
【0079】
すなわち、この第2の変形例における濃縮手段2は、複数のロール21に巻回されて走行可能とされた無端状の濃縮濾過濾布22を備えて、この濃縮濾過濾布22が一端側から他端側へ水平方向に走行する濃縮濾過部22Aにおける一端側(濃縮濾過濾布22の走行方向Rとは反対側)の汚泥供給部22aに供給された凝集汚泥Cを濃縮濾過濾布22によって重力により水分を分離することで濾過して濃縮する。濃縮濾過部22Aにおける一端側(凝集汚泥Cの供給方向上流側)に設けられている濃縮部2Bにおいては、凝集汚泥Cを濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは、8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮して濃縮汚泥Dとする。
【0080】
そして、この第2の変形例においては、上記濃縮濾過部22Aにおける汚泥供給部22aよりも濃縮濾過濾布22の走行方向R側、すなわち、濃縮濾過部22Aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に、やはり図示されない濃縮温水供給手段から濃縮温水Fが濃縮濾過部22Aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する濃縮汚泥Dに供給されて、濃縮汚泥Dと混合される。ここで、濃縮温水Fが供給される、濃縮濾過部22Aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)を温水供給部2Cと呼ぶ。これにより、本変形例では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。希釈された濃縮汚泥Dは、濃縮濾過部22Aにより、さらに他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に搬送されつつ、濃縮濾過部22Aによって水分が分離されて濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは、8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮部2Dで再濃縮される。ここで、濃縮濾過部22Aにおける温水供給部2Cよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流側)を再濃縮部2Dと呼ぶ。なお、再濃縮部2Dでは、濃縮汚泥Dに無機凝集剤Gを供給してもよい。さらに、この無機凝集剤Gと濃縮汚泥Dとを反応させるためのスクリュー23を備えてもよい。また、濃縮濾過部22Aにおいて、一端側から他端側へ水平方向に走行する濃縮濾過濾布22を、凝集汚泥C、若しくは濃縮汚泥Dを濃縮濾過部22Aの一端側から他端側へ搬送する搬送手段と見なして良い。
【0081】
ここで、濃縮濾過部22Aの温水供給部2Cには、濃縮濾過部22Aの下側に遮蔽手段2Pが濃縮濾過濾布22に摺動するように設けられている。即ち、温水供給部2Cにおいて濃縮濾過濾布22は、固定された遮蔽手段2P上を摺動しながら一端側から他端側へ水平方向に走行する。遮蔽手段2Pとしては、水を通さない材質であれば特に限定されず、例えば、樹脂、金属、木材等を使用しても良い。遮蔽手段2Pは、濃縮濾過濾布22の走行を妨げないように、例えば板状に形成されている。なお、このような板状の遮蔽手段2Pを濃縮濾過濾布22に摺動するように設ける場合、温水供給部2Cで供給される濃縮温水Fに希釈されて流動性が増した凝集汚泥Cが、濃縮濾過濾布22の走行方向に対して直角方向の両端から濃縮濾過濾布22の外部に溢れ出すサイドリークが発生する場合がある。これを防ぐため、濃縮濾過濾布22の走行方向に対して直角方向の両端における濃縮濾過濾布22上には、濃縮濾過濾布22と摺動するようにサイドリーク防止板300が設けられている。サイドリーク防止板300は、遮蔽手段2Pよりも、濃縮濾過濾布22の走行方向に長く形成されており、遮蔽手段2Pと同様の材質で形成されている。このように、一端側から他端側へ水平方向に走行する濃縮濾過濾布22に摺動するように、濃縮濾過濾布22の下側に遮蔽手段2Pを設け、また濃縮濾過濾布22の走行方向に対して直角方向の両端における濃縮濾過濾布22上にサイドリーク防止板300を設けることで、濃縮温水Fが濃縮汚泥D中に、より長く留まり濃縮汚泥Dを昇温させるとともに濃縮温水Fが濃縮汚泥Dと十分に接触せずに濃縮濾過部22Aを通り抜けて排出されないとともに、濃縮温水Fに希釈されて流動性が向上した凝集汚泥Cが、濃縮濾過濾布22の走行方向に対して直角方向の両端から濃縮濾過濾布22の外部に溢れ出さないように構成されている。
【0082】
また、
図11には図示しないが、
図1、
図2に示す第1の実施形態と同様に、濃縮手段2の前段に汚泥濃度計SD1と汚泥流量計FM1とを設け、濃縮手段2の後段に濃縮汚泥濃度計SD2と濃縮汚泥流量計FM2とを設け、これらに電気的に接続された制御装置50に測定結果が入力されるように構成し、濃縮汚泥濃度計SD2からの測定結果を受理した制御装置50が、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段の搬送速度を、濃縮濾過濾布22を駆動させる不図示の回転駆動手段の回転数を制御することで制御しても良い。または、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とで測定した汚泥流量が制御装置50に入力され、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段の搬送速度を、濃縮濾過濾布22を駆動させる不図示の回転駆動手段の回転数を制御することで制御しても良い。なお、回転駆動手段の回転数を制御するに際して、濃縮部2Bにおける回転数と、再濃縮部2Dにおける回転数とを個別に制御できるようにしても良い。
【0083】
また、この第2の変形例では、脱水手段3もベルトプレスとされている。すなわち、この脱水手段3においては、脱水濾布31が複数のロール32に巻回されて走行可能とされるとともに、この脱水濾布31との間で濃縮汚泥Dを挟み込むように圧搾濾布33が上記複数のロール32に巻回されて走行可能とされており、濃縮汚泥Dはこれら脱水濾布31と圧搾濾布33との間で圧搾されて脱水させられる。
【0084】
なお、この第2の変形例では、脱水手段3の脱水濾布31は、濃縮手段2の濃縮濾過濾布22と連続して無端状にされており、濃縮汚泥Dを脱水した脱水濾布31は濃縮濾過濾布22として濃縮手段2に戻される。また、この第2の変形例においても、脱水手段3において供給された濃縮汚泥Dに脱水温水Hを供給して混合してもよい。
【0085】
さらに、第1の実施形態の濃縮手段2の第1、第2の変形例のようなスクリュー型濃縮機やベルト型濃縮機の他にも、第3~第6の変形例を適用することができるので、その詳細を説明する。
【0086】
図12は、
図1および
図2に示した第1の実施形態の濃縮手段2の第3の変形例を示すものであり、
図1および
図2に示した第1の実施形態と共通する部分には、やはり同一の部号を配してある。この第3の変形例において、濃縮手段2は、多重円盤型濃縮機である。
【0087】
すなわち、この第3の変形例における濃縮手段2は、互いに間隔を開けて配置された複数の固定プレート17と、隣り合う固定プレート17の間に配置された可動プレート18とを有する濾過体19と、濾過体19と凝集手段1から供給される凝集汚泥Cとを収容し一端側から他端側へ延びる中心軸を有するケーシング30と、固定プレート17と偏心回転運動を行う可動プレート18との隙間によりケーシング30の一端側の側面(下部側面60)から濾過体19の外側に供給される凝集汚泥Cを濃縮する、ケーシング30内における一端側(凝集汚泥Cの供給方向上流側)に設けられる濃縮部2Bと、を備える。濃縮部2Bにおいては、凝集汚泥Cの粒子径よりも固定プレート17と可動プレート18との間の隙間が小さいため、水分が凝集汚泥Cから分離されて濾過体19から排出され、凝集汚泥Cを濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮して濃縮汚泥Dとする。
【0088】
なお、第3の変形例においては、凝集手段1から供給される凝集汚泥Cが、ケーシング30の一端側の側面(下部側面60)から濾過体19の外側に供給され、ケーシング30の内面と濾過体19の外側とにより画成される流路を、ケーシング30の他端側に向かって絶えず流動している。そのため、第3の変形例においては、ケーシング30の内面と濾過体19の外側とにより画成される流路を、凝集汚泥Cをケーシング30の一端側から他端側へ搬送する搬送手段と見なして良い。
【0089】
また、第3の変形例における濃縮手段2では、ケーシング30の中央部側面からケーシング30内に不図示の濃縮温水供給手段から濃縮温水Fが供給されて、ケーシング30内における濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する濃縮汚泥Dに混合し、濃縮汚泥Dを加熱し、さらに濃縮汚泥Dを希釈する、ケーシング30内における濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に設けられる温水供給部2Cを備える。これにより、本変形例では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。
【0090】
また、第3の変形例における濃縮手段2では、加熱、希釈された濃縮汚泥Dを濾過体19により再濃縮する、ケーシング30内における温水供給部2Cよりも他端側(上記有機性汚泥の供給方向下流)に設けられる再濃縮部2Dを備える。再濃縮部2Dでは、濾過体19により、希釈された濃縮汚泥Dから再び水分が分離されて濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮される。最後に、ケーシング30の上部(他端側)より濃縮汚泥Dを排出する。
【0091】
ここで、濾過体19において温水供給部2Cに相当する高さに位置する箇所には、固定プレート17と可動プレート18が設けられておらず、円筒状の遮蔽手段2Pが設けられている。遮蔽手段2Pは、濃縮温水Fが濃縮汚泥D中に、より長く留まり濃縮汚泥Dを昇温させるとともに濃縮温水Fが濃縮汚泥Dと十分に接触せずに濾過体19を通り抜けて排出されないように設けられている。遮蔽手段2Pは、例えば、温水供給部2Cに設けられる固定プレート17と可動プレート18とが一体的に円筒状に形成されることで構成されても良い。または、遮蔽手段2Pは、固定プレート17と可動プレート18の周囲に設けられ、偏心回転運動を行う可動プレート18に干渉しないように設けられた円筒状の部材であっても良い。
【0092】
また、
図12には図示しないが、
図1、
図2に示す第1の実施形態と同様に、濃縮手段2の前段に汚泥濃度計SD1と汚泥流量計FM1とを設け、濃縮手段2の後段に濃縮汚泥濃度計SD2と濃縮汚泥流量計FM2とを設け、これらに電気的に接続された制御装置50に測定結果が入力されるように構成し、濃縮汚泥濃度計SD2からの測定結果を受理した制御装置50が、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段の搬送速度を、例えば濃縮手段2の下流に設けられるポンプ4Aの吸込流量を制御することで制御しても良い。または、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とで測定した汚泥流量が制御装置50に入力され、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段の搬送速度を、例えば濃縮手段2の下流に設けられるポンプ4Aの吸込流量を制御することで制御しても良い。
【0093】
この第3の変形例では、脱水手段3は、
図1に示す、本実施形態における縦型のスクリュープレスを本実施形態と同様に使用しても良い。
【0094】
図13は、
図1および
図2に示した第1の実施形態の濃縮手段2の第4の変形例を示すものであり、
図1および
図2に示した第1の実施形態と共通する部分には、やはり同一の部号を配してある。この第4の変形例において、濃縮手段2は、回転ドラム型濃縮機である。
【0095】
すなわち、この第4の変形例における濃縮手段2は、内部に凝縮汚泥Cが一端側から供給される濃縮濾過スクリーン140aである胴部と、上記胴部における一端側(凝縮汚泥Cの供給方向上流側)に設けられ、濃縮濾過スクリーン140aに一端側から供給される凝集汚泥Cを濃縮濾過スクリーン140aにより水分を分離することで濃縮する濃縮部2Bと、濃縮濾過スクリーン140aの外周に設けられる濾過室140bと、上記胴部と濾過室140bとを含み横方向に一端側から他端側へ延びる中心軸を有するケーシング140と、を備える。濃縮部2Bでは、凝集汚泥Cを濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮して濃縮汚泥Dとする。
【0096】
この第4の変形例における濃縮手段2は、さらに、濃縮濾過スクリーン140aの内周面に螺旋状の汚泥搬送用のガイド15bを有し、濃縮濾過スクリーン140aが回転することにより凝集汚泥Cを一端側から他端側へ搬送する搬送手段15と、不図示の濃縮温水供給手段から濃縮温水Fが供給されて、濃縮濾過スクリーン140aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する濃縮汚泥Dに混合し、濃縮汚泥Dを加熱し、さらに濃縮汚泥Dを希釈する、濃縮濾過スクリーン140aにおける濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に設けられる温水供給部2Cを備える。これにより、本変形例では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。希釈された濃縮汚泥Dは、搬送手段15により、濃縮濾過スクリーン140a内における温水供給部2Cよりもさらに他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に搬送されつつ、濃縮濾過スクリーン140aによって水分が分離されて濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮部2Dで再濃縮される。ここで、濃縮手段2の濃縮濾過スクリーン140aにおける温水供給部2Cよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流側)を再濃縮部2Dと呼ぶ。
【0097】
ここで、濃縮濾過スクリーン140aにおける温水供給部2Cの外周には、濃縮濾過スクリーン140aの外周に沿うように遮蔽手段2Pが設けられている。遮蔽手段2Pは、濃縮温水Fが濃縮汚泥D中に、より長く留まり濃縮汚泥Dを昇温させるとともに濃縮温水Fが濃縮汚泥Dと十分に接触せずに濃縮濾過スクリーン140aを通り抜けて濾液室140bに排出されないように設けられている。遮蔽手段2Pとしては、水を通さない材質であれば、特に限定されず、例えば、樹脂、金属、木材等を使用しても良い。遮蔽手段2Pは、濃縮温水Fの供給を妨げなければ濃縮濾過スクリーン140aの全周を覆うように円筒状に設けられていても良いし、濃縮濾過スクリーン140aの下半分を覆うように半円筒状に設けられていても良い。
【0098】
また、
図13には図示しないが、
図1、
図2に示す第1の実施形態と同様に、濃縮手段2の前段に汚泥濃度計SD1と汚泥流量計FM1とを設け、濃縮手段2の後段に濃縮汚泥濃度計SD2と濃縮汚泥流量計FM2とを設け、これらに電気的に接続された制御装置50に測定結果が入力されるように構成し、濃縮汚泥濃度計SD2からの測定結果を受理した制御装置50が、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段15の搬送速度を、濃縮濾過スクリーン140aを回転させる不図示の回転駆動手段の回転数を制御することで制御しても良い。または、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とで測定した汚泥流量が制御装置50に入力され、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段15の搬送速度を、濃縮濾過スクリーン140aを回転させる不図示の回転駆動手段の回転数を制御することで制御しても良い。なお、回転駆動手段の回転数を制御するに際して、濃縮部2Bにおける回転数と、再濃縮部2Dにおける回転数とを個別に制御できるようにしても良い。
【0099】
この第4の変形例では、脱水手段3は、例えば、
図10に示す、本実施形態の第1の変形例における横型のスクリュープレスを本実施形態の第1の変形例と同様に使用しても良い。
【0100】
図14は、
図1および
図2に示した第1の実施形態の濃縮手段2の第5の変形例を示すものであり、
図1および
図2に示した第1の実施形態と共通する部分には、やはり同一の部号を配してある。この第5の変形例において、濃縮手段2は、楕円板型濃縮機である。
【0101】
すなわち、この第5の変形例における濃縮手段2は、互いに間隔を開けて配置された複数の固定プレート16aと、複数の固定プレート16aの間に配置された複数の楕円状回転プレート16bと、を備える筐体170と、筐体170の一端側から凝集汚泥Cを供給し、複数の固定プレート16aと複数の楕円状回転プレート16bとの隙間によって凝集汚泥Cから水分を分離することで凝集汚泥Cを濃縮する、上記筐体170における一端側(凝集汚泥Cの供給方向上流側)に設けられる濃縮部2Bと、複数の楕円状回転プレート16bを回転させることによって、凝集汚泥Cを筐体170の一端側から他端側へ搬送する搬送手段2Eと、を備える。濃縮部2Bでは、凝集汚泥Cを濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮して濃縮汚泥Dとする。
【0102】
この第5の変形例における濃縮手段2は、さらに、不図示の濃縮温水供給手段から濃縮温水Fが供給されて、筐体170における濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に位置する濃縮汚泥Dに混合し、濃縮汚泥Dを加熱し、さらに濃縮汚泥Dを希釈する、筐体170における濃縮部2Bよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に設けられる温水供給部2Cを備える。これにより、本変形例では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。希釈された濃縮汚泥Dは、搬送手段2Eにより、筐体170内における温水供給部2Cよりもさらに他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流)に搬送されつつ、複数の固定プレート16aと複数の楕円状回転プレート16bとの隙間によって希釈された濃縮汚泥Dから水分が分離されて再濃縮され、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮部2Dで再濃縮される。ここで、濃縮手段2の筐体170内において、温水供給部2Cよりも他端側(凝集汚泥Cの供給方向下流側)を再濃縮部2Dと呼ぶ。
【0103】
また、
図14には図示しないが、
図1、
図2に示す第1の実施形態と同様に、濃縮手段2の前段に汚泥濃度計SD1と汚泥流量計FM1とを設け、濃縮手段2の後段に濃縮汚泥濃度計SD2と濃縮汚泥流量計FM2とを設け、これらに電気的に接続された制御装置50に測定結果が入力されるように構成し、濃縮汚泥濃度計SD2からの測定結果を受理した制御装置50が、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段2Eの搬送速度を、複数の楕円状回転プレート16bを回転させる不図示の回転駆動手段の回転速度を制御することで制御しても良い。または、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とで測定した汚泥流量が制御装置50に入力され、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段2Eの搬送速度を、複数の楕円状回転プレート16bを回転させる不図示の回転駆動手段の回転速度を制御することで制御しても良い。なお、回転駆動手段の回転数を制御するに際して、濃縮部2Bにおける回転数と、再濃縮部2Dにおける回転数とを個別に制御できるようにしても良い。
【0104】
この第5の変形例では、脱水手段3は、例えば、
図10に示す、本実施形態の第1の変形例における横型のスクリュープレスを本実施形態の第1の変形例と同様に使用しても良い。
【0105】
図15は、
図1および
図2に示した第1の実施形態の濃縮手段2の第6の変形例を示すものであり、
図1および
図2に示した第1の実施形態と共通する部分には、やはり同一の部号を配してある。この第6の変形例において、濃縮手段2は、遠心分離機である。
【0106】
すなわち、この第6の変形例における濃縮手段2は、軸線回りに回転駆動させられる回転ボウル180の内部に、この回転ボウル180と差速をもって同軸に回転駆動させられるスクリューコンベア190が設けられ、これら回転ボウル180とスクリューコンベア190との間に一端側から供給された有機性汚泥Aと高分子凝集剤Bを回転ボウル180の遠心力によって凝集および固液分離して濃縮するスクリューコンベア190における一端側(有機性汚泥Aの供給方向上流側)に設けられる濃縮部2Bと、スクリューコンベア190を回転駆動させて、濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)を上記軸線方向他端側に搬送して排出する搬送手段2Eと、を備える。濃縮部2Bでは、凝集汚泥Cを濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に濃縮して濃縮汚泥Dとする。
【0107】
この第6の変形例における濃縮手段2は、さらに、スクリューコンベア190のスクリューシャフト20Aの軸線方向一端側から挿通される温水供給管7に連通され、不図示の濃縮温水供給手段からの濃縮温水Fを、温水供給管7を通して供給してスクリューコンベア190における濃縮部2Bよりも他端側(有機性汚泥Aの供給方向下流)に位置する濃縮汚泥Dに混合し、濃縮汚泥Dを加熱し、さらに濃縮汚泥Dを希釈する、濃縮部2Bよりも他端側(有機性汚泥Aの供給方向下流)に延びるようにスクリューシャフト20Aの外周部に設けられる温水供給部2Cを備える。これにより、本変形例では、この濃縮手段2の濃縮部2Bで濃縮された凝集汚泥C(濃縮汚泥D)に、温水供給部2Cにおいて濃縮温水Fが供給されることで、濃縮汚泥Dが加熱されて蛋白質が熱変性し、保水されていた水分が分離して濃縮温水Fとともに排水Eとして排出されると同時に、濃縮温水Fが混合された濃縮汚泥Dは希釈される。希釈された濃縮汚泥Dは、搬送手段2Eにより、回転ボウル18内における温水供給部2Cよりもさらに他端側(有機性汚泥Aの供給方向下流)に搬送されつつ、希釈された濃縮汚泥Dを回転ボウル18の遠心力により固液分離して再度濃縮する、スクリューコンベア190における温水供給部2Cよりも他端側(有機性汚泥Aの供給方向下流)に設けられる再濃縮部2Dと、を備える。再濃縮部2Dでは、希釈された濃縮汚泥Dが、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に再濃縮される。
【0108】
また、
図15には図示しないが、
図1、
図2に示す第1の実施形態と同様に、濃縮手段2の前段に汚泥濃度計SD1と汚泥流量計FM1とを設け、濃縮手段2の後段に濃縮汚泥濃度計SD2と濃縮汚泥流量計FM2とを設け、これらに電気的に接続された制御装置50に測定結果が入力されるように構成し、濃縮汚泥濃度計SD2からの測定結果を受理した制御装置50が、濃縮汚泥濃度が6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段2Eの搬送速度を、スクリューコンベア190を回転駆動させる不図示の回転駆動手段の回転速度を制御することで制御しても良く、回転ボウル18を回転駆動させる不図示の回転駆動手段の回転速度を制御することで制御しても良く、或いは、両者の回転速度を制御することで制御しても良い。または、汚泥流量計FM1と濃縮汚泥流量計FM2とで測定した汚泥流量が制御装置50に入力され、濃縮手段2前後での流量比から濃縮手段2での濃縮倍率を算出し、この濃縮倍率と、濃縮手段2の前段の汚泥濃度計SD1で測定した汚泥濃度とから、濃縮手段2の後段における濃縮汚泥濃度を算出し、これが6wt%以上12wt%以下、望ましくは7wt%以上11wt%以下、さらに望ましくは8wt%以上10wt%以下の範囲に入るように、濃縮手段2の搬送手段2Eの搬送速度を、スクリューコンベア190を回転駆動させる不図示の回転駆動手段の回転速度を制御することで制御しても良く、回転ボウル18を回転駆動させる不図示の回転駆動手段の回転速度を制御することで制御しても良く、或いは、両者の回転速度を制御することで制御しても良い。
【0109】
この第6の変形例では、脱水手段3は、例えば、
図2に示す、本実施形態の縦型のスクリュープレスを本実施形態と同様に使用しても良い。
【0110】
また、上記第1の実施形態においては、脱水手段3に供給された脱水温水Hを排水Jとして排出しているが、
図16に概略図を示す本発明の第2の実施形態のように、脱水手段3から排出された脱水温水を循環濃縮温水Kとして濃縮手段2に循環させて供給することにより、再利用するようにしてもよい。なお、この
図16においても、
図1と共通する部分には同一の符号を配してある。
【0111】
この第2の実施形態の場合、脱水手段3から排出された循環濃縮温水Kとしての脱水温水には、脱水手段3から排出された分離液も含まれるため、このような第2の実施形態によれば、分離液中の不溶解性固形分(SS)を濃縮手段2によって捕捉してSS回収率の向上を図ることができる。また、分離液中の残留ポリマーを有効利用できるため、脱水手段3の性能を向上させることができるとともに、濃縮汚泥Dの温度をより高めて脱水効率の一層の向上も図ることができる。
【0112】
以上、この発明の実施形態とその変形例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態とその変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1 凝集手段
2 濃縮手段
2A 濃縮槽
2B 濃縮部
2C 温水供給部
2D 再濃縮部
2a、11a、14a 濃縮濾過スクリーン
2b、11b、14b 濾液室
2E、12 搬送手段
2c、12a 回転軸
2d、12b スクリュー
3 脱水手段
4 濃縮汚泥供給路
11 ケーシング
21 ロール
22 濃縮濾過濾布
A 有機性汚泥
B 高分子凝集剤
C 凝集汚泥
D 濃縮汚泥
E、J 排水
F 濃縮温水
G 凝集剤
H 脱水温水
I 脱水汚泥
K 循環濃縮温水
【要約】
【課題】濃縮手段における加熱による有機性汚泥の十分な低含水率化を、有機性汚泥の流動性と加熱効率とを低下させず図ることが可能な有機性汚泥の処理設備および処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の有機性汚泥の処理設備および処理方法は、高分子凝集剤Bが添加され凝集された有機性汚泥C(凝集汚泥C)を濃縮する濃縮手段2を備える有機性汚泥の処理設備および処理方法であって、濃縮手段2には、有機性汚泥を搬送する搬送手段と、有機性汚泥の濃度を6wt%以上12wt%以下に濃縮する濃縮部2Bと、濃縮温水供給手段から50℃よりも高温で100℃未満の濃縮温水Fが有機性汚泥に供給されて有機性汚泥と混合し、有機性汚泥を加熱し、さらに有機性汚泥が希釈される温水供給部2Cと、加熱、及び希釈された有機性汚泥の濃度が6wt%以上12wt%以下に再濃縮される再濃縮部2Dと、を備える。
【選択図】
図2