(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】密閉環境のための位置フィードバック
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20220113BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G01D5/245 110W
G01D5/12 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020186510
(22)【出願日】2020-11-09
(62)【分割の表示】P 2016531061の分割
【原出願日】2014-11-13
【審査請求日】2020-11-09
(32)【優先日】2014-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モウラ、ジャイロ ティー
(72)【発明者】
【氏名】サエイドポウレイザー、レザ
(72)【発明者】
【氏名】ガン、ブランデン
(72)【発明者】
【氏名】コーディー、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト、ユリシーズ
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-532154(JP,A)
【文献】特開2001-221359(JP,A)
【文献】特開2011-153864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00- 5/252
G01B 7/00- 7/34
H02K 11/00-11/40
H02K 29/00-29/14
H02P 6/00- 6/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送装置ハウジングと、
前記基板搬送装置ハウジングに取り付けられた、駆動部と、
前記駆動部に接続された、少なくとも1つの搬送アームと、
を備えた基板搬送装置であって、
前記駆動部が、
透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのスイッチトリラクタンスロータと、
対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極を有し、前記隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータであって、前記少なくとも1つのステータの前記少なくとも1つの突極、および前記少なくとも1つのスイッチトリラクタンスロータの前記少なくとも1つの突極が、前記少なくとも1つのスイッチトリラクタンスロータと、前記少なくとも1つのステータとの間に、閉鎖磁束回路を形成する、少なくとも1つのステータと、
前記隔離環境を隔離するように構成された少なくとも1つの密閉仕切壁と、
少なくとも1つのセンサであって、
前記基板搬送装置ハウジングに接続された磁気センサ部材、および、
前記少なくとも1つのスイッチトリラクタンスロータに接続された少なくとも1つのセンサトラックを含み、前記少なくとも1つのセンサトラックは、前記隔離環境に配置され、前記磁気センサ部材が前記隔離環境外に配置されるように、前記少なくとも1つの密閉仕切壁が、前記磁気センサ部材と前記少なくとも1つのセンサトラックとの間に配置され、前記磁気センサ部材および前記少なくとも1つのセンサトラックを分離させる、少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサに通信可能に接続され、センサ信号命令を提供するように構成された、センサ制御装置と、
前記少なくとも1つのセンサ、および前記センサ制御装置に通信可能に接続され、前記少なくとも1つのセンサからのセンサ信号を受信するように構成された運動制御装置とを備え、
前記センサ制御装置が、前記運動制御装置からの通信に応じて、前記センサ信号の、少なくとも所定の特性における変化を制御するように構成される、
搬送装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの密閉仕切壁の少なくとも一部が、前記磁気センサ部材と一体である、請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサが、センサエアギャップを有する少なくとも1つの強磁束ループを含み、前記磁気センサ部材が、前記強磁束ループと相互作用する、請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
前記磁気センサ部材が、前記センサエアギャップの磁気抵抗における変化を検知するように構成される、請求項3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの強磁束ループが第1および第2強磁束ループを含み、前記第1および第2強磁束ループは、前記第1および第2強磁束ループの間にセンサブリッジ部材を有し、前記エアギャップが、前記センサブリッジ部材に位置し、前記第1および第2強磁束ループのうちの1つが、前記少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを有する、請求項3記載の搬送装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの強磁束ループが、ホイートストンブリッジを模倣する、請求項3記載の搬送装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの強磁束ループが、前記隔離環境に配置されるトラック相互作用部、および前記隔離環境外に配置されるセンサ部材相互作用部を含み、前記トラック相互作用部および前記センサ部材相互作用部が、前記少なくとも1つの密閉仕切壁によって分離される、請求項3記載の搬送装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの強磁束ループが、前記センサエアギャップに配置された、磁束コンセントレータ要素を含む、請求項3記載の搬送装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの強磁束ループが、前記少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを含む、請求項3記載の搬送装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサが、実質的に特徴部を有さないトラック相互作用部を含む、請求項1記載の搬送装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサトラックが、第1のピッチを有する第1のトラックと、少なくとも前記第1のピッチとは異なるそれぞれのピッチを有する、少なくとも第2のトラックとを含み、前記少なくとも1つのセンサが、前記第1のトラックに対応する第1のセンサと、前記少なくとも第2のトラックのそれぞれの1つに対応する、少なくとも第2のセンサとを含む、請求項1記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年11月13日に出願された米国仮特許出願第61/903,726号の利益を主張する通常出願であって、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
例示的な実施形態は、概して位置フィードバック、特に、密閉されたロボット駆動部用の位置フィードバックに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、たとえば、作動および位置計測のための光学エンコーダのために、永久磁石モータまたは可変リラクタンスモータを使用する既存のダイレクトドライブ技術は、たとえば、ダイレクトドライブ装置の磁石、接着された部品、密閉部、腐食性材料が、超高真空、および/または侵攻性および腐食性の環境に露出されたとき、著しい制限を示す。たとえば、ダイレクトドライブ装置の磁石、接着された部品、電子部品、密閉部、腐食性材料の露出を制限するために、一般的に「缶による密閉(can-seal)」が用いられる。
【0004】
缶による密閉は、一般的に、「隔離壁」としても知られる、ハーメチックシールされた非磁性の壁または「缶」によって、モータのロータを対応するモータのステータから隔離する。缶による密閉は、一般的に、所定のモータアクチュエータの、ロータとステータとの間に位置する非磁性の真空隔離壁を使用する。結果として、ステータは、完全に密閉環境の外側に位置することができる。これによって、半導体用途に使用される真空ロボット駆動装置などの適用における、実質的に清浄で信頼性のあるモータ作動の実施が可能になる。しかし、センサまたはエンコーダは、密閉環境内に位置され得る電子部品を含んでもよく、密閉環境内では、電子部品が潜在的な汚染源となり得る、および電子部品が腐食にさらされ得る。理解できるように、ワイヤまたは他の信号伝達媒体が隔離壁を通って配線され得るように、密閉環境内の電子部品には、ハーメチックシールされたコネクタが必要である。理解できるように、これらのハーメチックシールされたコネクタが、潜在的な漏出源となり得る。さらに、光学センサの場合、汚染物質または微粒子がフィードバックトラック(またはスケール)上に堆積し、信号の劣化およびセンサの故障につながり得る。他の態様では、窓が設けられ、それを通過してセンサが動作するが、これら窓もまた、漏出源となり得る。
【発明の概要】
【0005】
上述の問題に対処するように、隔離または密閉環境と、密閉環境外部の環境との間にある隔離壁を通過して動作する、位置フィードバックシステムを有することは有利となり得る。
【0006】
開示される実施形態の、前述の態様および他の特徴が、添付の図面と関連して、以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様に従った、搬送装置の一部の概略図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様に従った、搬送装置の一部の概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様に従った、搬送装置の一部の概略図である。
【
図2D】開示される実施形態の態様に従った、搬送装置の一部の概略図である。
【
図2E】さらなる特徴を図示している断面図である。
【
図2F】さらなる特徴を図示している拡大断面図である。
【
図2G】開示される実施形態の態様に従った、駆動部の概略図である。
【
図2H】開示される実施形態の態様に従った、駆動部の概略図である。
【
図2I】開示される実施形態の態様に従った、駆動部の概略図である。
【
図2J】開示される実施形態の態様に従った、駆動部の概略図である。
【
図2K】開示される実施形態の態様に従った、駆動部の概略図である。
【
図3】開示される実施形態の態様に従った、位置センサの一部の概略図である。
【
図4A】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図4B】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図5】開示される実施形態の態様に従った、センサの概略図である。
【
図5A】開示される実施形態の態様に従った、センサの概略図である。
【
図5B】開示される実施形態の態様に従った、フローチャートである。
【
図5C】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図6A】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図6B】開示される実施形態の態様に従った、位置復号アルゴリズムを図示している。
【
図6C】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図7A】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図7B】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図7C】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図7D】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図8A】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図8B】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図9A】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図9B】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図9C】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図9D】開示される実施形態の態様に従った、例示的なセンサ出力のグラフである。
【
図10A】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図10B】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図10C】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図10D】開示される実施形態の態様に従った、センサの一部の概略図である。
【
図11】開示される実施形態の態様に従った、センサの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A~1Dを参照すると、本明細書においてさらに開示されるような、開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置またはツールの概略図が示されている。開示される実施形態の態様は、図面に関連して説明されるが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切なサイズ、形状、または種類の、要素または材料が使用され得る。
【0009】
図1Aおよび1Bを参照すると、たとえば、半導体ツールステーション11090などの処理装置が、開示される実施形態の態様に応じて示される。図中に半導体ツールが示されるが、本明細書で説明される、開示される実施形態の態様は、ロボットマニピュレータを使用する、いずれのツールステーションまたは応用例にも適用可能である。この例において、ツール11090はクラスターツールとして示されるが、開示される実施形態の態様は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月19日に発行された、「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題された、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたような、
図1Cおよび1Dに示されるもののような線形ツールステーションなどの、任意のツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション11090は、一般的に、大気フロントエンド11000、真空ロードロック11010、および真空バックエンド11020を含む。他の態様では、ツールステーションは、任意の適切な構成を有してもよい。フロントエンド11000、ロードロック11010、バックエンド11020のそれぞれの構成要素は、たとえば、クラスタ化されたアーキテクチャ制御などの、任意の適切な制御アーキテクチャの一部であってもよい制御装置1091に接続されてもよい。制御システムは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された、「Scalable Motion Control System」と題された、米国特許第7,904,182号明細書に記載されたもののような、主制御装置、クラスタ制御装置および自律型遠隔制御装置を有する閉ループ制御装置であってもよい。他の態様では、任意の適切な制御装置および/または制御システムが利用されてもよい。
【0010】
ある態様では、フロントエンド11000は、一般的に、ロードポートモジュール11005、および、たとえばイクイップメントフロントエンドモジュール(equipment front end module)(EFEM)などのミニエンバイロメント11060を含む。ロードポートモジュール11005は、300mmロードポート、前開き型または底開き型ボックス/ポッドおよびカセットのためのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9に適合したボックスオープナー/ローダーツール標準(BOLTS)インターフェースであってもよい。他の態様では、ロードポートモジュールは、200mmウェハインターフェースとして、または、たとえば、大型もしくは小型のウェハもしくは平面パネルディスプレイ用の平面パネルなどの、他の任意の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。
図1Aに2つのロードポートモジュールが示されるが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールがフロントエンド11000に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール11005は、オーバーヘッド型搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、レール型搬送車、または他の任意の適切な搬送手段から、基板キャリアまたはカセット11050を受容するように構成されていてもよい。ロードポートモジュール11005は、ロードポート11040を通じて、ミニエンバイロメント11060と接続してもよい。ロードポート11040は、基板カセット11050とミニエンバイロメント11060との間で、基板の通過を可能にしてもよい。ミニエンバイロメント11060は、一般的に、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を組み込んでもよい、任意の適切な移送ロボット11013を含む。ある態様では、ロボット11013は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,002,840号明細書に記載されたもののような、走路搭載型ロボットであってもよい。ミニエンバイロメント11060は、複数のロードポートモジュール間での基板移送のための、制御されたクリーンゾーンを提供してもよい。
【0011】
真空ロードロック11010は、ミニエンバイロメント11060とバックエンド11020との間に位置して、ミニエンバイロメント11060とバックエンド11020とに接続されてもよい。本明細書において使用される真空という用語は、基板が処理される、10-5Torr以下のような高真空を意味し得る。ロードロック11010は、一般的に、大気および真空スロットバルブを含む。スロットバルブは、大気フロントエンドから基板を搭載した後に、ロードロック内を排気するために使用され、および、窒素などの不活性ガスを用いてロック内に通気するときに、搬送チャンバ内の真空を維持するために使用される環境隔離を提供する。ロードロック11010は、基板の基準を、処理に望ましい位置に揃えるためのアライナ11011を含んでいてもよい。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に設置されていてもよく、任意の適切な構成を有していてもよい。
【0012】
真空バックエンド11020は、一般的に、搬送チャンバ11025、1つまたは複数の処理ステーション11030、および、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含み得る、任意の適切な移送ロボット11014を含む。移送ロボット11014は、以下において説明されるが、ロードロック11010と様々な処理ステーション11030との間で基板を搬送するために、搬送チャンバ11025内に位置し得る。処理ステーション11030は、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対して動作し得る。典型的な処理は、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチング処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、測定、急速熱処理(RTP)、乾燥細片原子層成膜(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィ、エピタキシ(EPI)、ワイヤボンダ、および蒸着などの、真空を使用する薄膜処理、または他の真空圧を使用する薄膜処理を含む。搬送チャンバ11025から処理ステーション11030に、またはその逆に、基板を通過させることを可能にするように、処理ステーション11030は、搬送チャンバ11025に接続される。
【0013】
次に
図1Cを参照すると、ツールインターフェースセクション2012が、概して搬送チャンバ3018の長手方向軸Xに(例えば内向きに)向くが、搬送チャンバ3018の長手方向軸Xからずれるように、ツールインターフェースセクション2012が、搬送チャンバモジュール3018に取り付けられている線形基板処理システム2010の概略平面図が示される。搬送チャンバモジュール3018は、すでに参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたように、他の搬送チャンバモジュール3018A、3018I、3018Jを、インターフェースセクション2050、2060、2070に取り付けることによって、任意の適切な方向に延長されてもよい。各搬送チャンバモジュール3018、3019A、3018I、3018Jは、基板を、処理システム2010の全体に亘って、および、たとえば処理モジュールPMの内外へ搬送するために、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい任意の適切な基板搬送部2080を含んでいる。理解できるように、各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。
【0014】
図1Dを参照すると、線形搬送チャンバ416の長手方向軸Xに沿った、例示的な処理ツール410の概略的な立面図が示される。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、ツールインターフェースセクション12は、典型的に、搬送チャンバ416に接続され得る。この態様では、インターフェースセクション12は、ツール搬送チャンバ416の一方の端部を画定してもよい。
図1Dに見られるように、搬送チャンバ416は、たとえば、接続ステーション12から反対の端部に、別のワークピース進入/退出ステーション412を有していてもよい。他の態様では、搬送チャンバからワークピースを挿入/除去するための他の進入/退出ステーションが設けられてもよい。ある態様では、インターフェースセクション12および進入/退出ステーション412は、ツールからのワークピースの搭載および取出しを可能にしてもよい。他の態様では、ワークピースは、一方の端部からツールに搭載され、他方の端部から取り除かれてもよい。ある態様では、搬送チャンバ416は、1つまたは複数の搬送チャンバモジュール18B、18iを有していてもよい。各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。既に述べられたように、
図1Dに示される、搬送チャンバ416を形成する、搬送チャンバモジュール18B、18i、ロードロックモジュール56A、56B、およびワークピースステーションの構成/配置は例示的なものに過ぎず、他の態様では、搬送チャンバは、任意の望ましいモジュール配置で配置される、より多くのまたはより少ないモジュールを有してもよい。示された態様では、ステーション412はロードロックであってもよい。他の態様では、ロードロックモジュールは、(ステーション412に類似の)端部進入/退出ステーションの間に位置してもよく、または隣の(モジュール18iに類似の)搬送チャンバモジュールは、ロードロックとして動作するように構成されてもよい。既に述べられたように、搬送チャンバモジュール18B、18iは、搬送チャンバモジュール18B、18iに位置し、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含み得る、1つまたは複数の、対応する搬送装置26B、26iを有してもよい。それぞれの搬送チャンバモジュール18B、18iの搬送装置26B、26iは、搬送チャンバ内に線形に分散されたワークピース搬送システム420を提供するために連携してもよい。この態様では、搬送装置26Bは、一般的なスカラ(SCARA)アーム(水平多関節ロボットアーム)構成を有してもよい(しかし他の態様では、搬送アームは、フロッグレッグ型の構成、伸縮型の構成、左右対称型の構成などの他の任意の望ましい配置を有してもよい)。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、以下においてより詳細に説明されるように、搬送装置26Bのアームは、ピック/プレース場所から素早くウェハを交換する搬送を可能にする、いわゆる迅速交換配置(fast swap arrangement)を提供するように配置されてもよい。搬送アーム26Bは、各アームに任意の適切な自由度(たとえば、Z軸運動で、肩および肘関節部の周りの独立した回転)を提供するために、以下に説明されるような、適切な駆動部を有していてもよい。
図1Dに見られるように、この態様では、モジュール56A、56、30iは、搬送チャンバモジュール18Bと18iとの間に介在して位置してもよく、適切な処理モジュール、1つまたは複数のロードロック、1つまたは複数のバッファステーション、1つまたは複数の測定ステーション、または他の任意の望ましい1つまたは複数のステーションを画定してもよい。たとえば、ロードロック56A、56、およびワークピースステーション30iなどの中間モジュールはそれぞれ、搬送チャンバの線形軸Xに沿った搬送チャンバの全長に亘って、ワークピースの搬送を可能にするために搬送アームと連携する静止型ワークピース支持部/棚56S、56S1、56S2、30S1、30S2を有してもよい。例として、1つまたは複数のワークピースが、インターフェースセクション12によって、搬送チャンバ416に搭載されてもよい。1つまたは複数のワークピースは、インターフェースセクションの搬送アーム15を用いて、ロードロックモジュール56Aの1つまたは複数の支持部上に位置付けられてもよい。ロードロックモジュール56A内で、1つまたは複数のワークピースは、モジュール18B内の搬送アーム26Bによって、ロードロックモジュール56Aとロードロックモジュール56との間で移動させられてもよく、同様の連続的な方法で、(モジュール18i内の)アーム26iを用いて、ロードロック56とワークピースステーション30iとの間で、モジュール18i内のアーム26iを用いて、ステーション30iとステーション412との間で移動させられてもよい。1つまたは複数のワークピースを反対の方向に移動させるために、この処理は全体的に、または部分的に逆行されてもよい。したがって、ある態様では、ワークピースは、軸Xに沿って任意の方向に、および搬送チャンバに沿って任意の位置に移動させられてもよく、搬送チャンバと連通している、望ましいモジュール(処理モジュール、あるいは別のモジュール)に、または望ましいモジュールから、搭載または取り出されてもよい。他の態様では、静止型ワークピース支持部または棚を有する中間搬送チャンバモジュールは、搬送チャンバモジュール18Bと18iの間には設けられない。そのような態様では、隣接する搬送チャンバモジュールの搬送アームは、搬送チャンバを通してワークピースを移動させるために、ワークピースを、1つの搬送アームのエンドエフェクタから直接、別の搬送アームのエンドエフェクタへ受け渡してもよい。処理ステーションモジュールは、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対し動作してもよい。基板が、搬送チャンバから処理ステーションに、またはその逆に、通過することを可能にするように、処理ステーションモジュールは、搬送チャンバモジュールに接続される。
図1Dに示された処理装置と類似の一般的特徴を有する処理ツールの適切な例は、既に参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されている。
【0015】
次に
図2Aを参照すると、搬送装置駆動部200の一部の概略図が図示されている。搬送駆動部は、上述のもののような、任意の適切な、大気または真空ロボット搬送に使用され得る。駆動部は、その内部に少なくとも一部が配置された、少なくとも1つの駆動シャフト201を有する、駆動部ハウジング200Hを含んでもよい。
図2Aには1つの駆動シャフトが図示されているが、他の態様では、駆動部は任意の適切な数の駆動シャフトを含んでもよい。駆動シャフト201は、任意の適切な方法で、ハウジング200H内で機械的に吊持または磁気的に吊持されてもよい。この態様では、駆動シャフトは、ハウジング内で、任意の適切な軸受200Bを用いて吊持されているが、他の態様では、駆動シャフトは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2012年10月9日に発行された、「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された、米国特許第8,283,813号明細書に記載されたものに実質的に類似の方法で、磁気的に吊持されてもよい(たとえば、セルフベアリング駆動)。駆動部200の各ドライブシャフトは、各々がステータ206Sおよびロータ206Rを含む、それぞれのモータ206によって駆動されてもよい。図中に示される例示的な実施形態は、本明細書において示され、説明されるように、様々な態様の特徴の説明を容易にする目的で図示されている、回転駆動構造と呼称され得るものを有している。理解できるように、回転駆動構造に関連して図示されている、様々な態様の特徴は、リニア駆動構造にも等しく適用可能である。本明細書で説明される駆動モータは、永久磁石モータ、(対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極と、少なくとも1つの、透磁性材料の突極を有する、少なくとも1つの、それぞれのロータと、を有する)可変リラクタンスモータ、または他の任意の適切な駆動モータであってもよい。1つまたは複数のステータ206Sは、少なくとも部分的にハウジング内に固定されてもよく、1つまたは複数のロータ206Rは、任意の適切な方法で、それぞれのドライブシャフト201に固定されてもよい。一態様では、隔離壁または障壁の使用によって、1つまたは複数のステータ206Sは、1つまたは複数のロボットアーム208が動作する大気から密閉された(本明細書において、1つまたは複数のロボットアームが動作する環境は、「密閉」環境と呼ばれ、真空または他の任意の適切な環境であってもよい)、「外部」または「非密閉」環境に配置されてもよく、一方で、1つまたは複数のロータ206Rは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月13日に出願された、「SEALED ROBOT DRIVE」と題された、代理人整理番号390P014939-US(-#1)を有する米国仮特許出願に記載されたものと実質的に類似の方法で、密閉環境内に配置される。本明細書で使用される、(以下においてより詳細に説明される)非強磁性の分離壁、密閉仕切壁、または隔離壁という用語は、任意の適切な非強磁性材料製であり、ロボット駆動部および/またはセンサの移動部分と、対応するロボット駆動部および/またはセンサの静止部分との間に配置され得る壁のことをいう。
【0016】
ある態様では、駆動部200のハウジング200Hは、外面200HEおよび内面200HIを有する、実質的にドラム形状の構成(たとえば、ドラム構造)を有する。ある態様では、ハウジング200Hは、単一の一体構造体であるが、一方では、他の態様において、ハウジング200Hは、ハウジング200Hのドラム構造を形成するように、任意の適切な方法で互いに締結された、2つ以上のフープ材を有する、一体式アセンブリである。ハウジングの内面200HIは、可変リラクタンスモータ206のステータ206Sが位置する、ステータ接合面200HSを含む。ステータ接合面200HSは(したがって、およびハウジング200Hは)、ステータ206Sのために剛性および支持を提供するように構成される。理解できるように、ステータ接合面200HSは(したがって、およびハウジング200Hは)、ステータ206Sおよびロータ206Rの間の間隙を制御するように、ステータ206S(および、ある態様では、ステータが、ロータが位置する真空環境から分離された、大気環境内に位置するように、ステータによって支持される隔離壁204)を位置付ける基準面である。ハウジング200Hは、ロータ206Rが、ステータ206Sに対する所定の位置に位置付けられるように、ロータ206Rと接合し、ロータ206Rを位置付けるロータ接合面200HRも含む(たとえば、軸受200Bが所定の位置で駆動シャフト201/ロータ206R上に位置付けられ、軸受200Bがロータ接合面200HRと接合する)。理解できるように、ロータ206R(およびロータ206Rに接続された駆動シャフト201)およびステータ206Sが、ハウジング200Hによって形成される共通の基準に対して、および共通の基準面に依存して位置決めされるように、ステータ接合面200HSは、ロータ接合面200HRの(したがって、およびロータ206R/駆動シャフト201の)基準面である。ある態様では、ハウジング200Hは、ハウジング200H内に形成された制御基板用開口部またはスロットPCBSを含み、その中に、大気環境内で1つまたは複数の(以下において説明される、センサトラックまたはエンコーダトラック202と相互作用する(interface with)センサ203を含む、以下において説明されるPCB310に類似の)プリント回路基板PCBは位置し、以下において説明されるものと類似の方法で、真空障壁によって(真空環境内に位置する)センサトラック202から分離される。制御基板用開口部PCBSは、センサ203を、ステータ接合面200HS(たとえば、ハウジング200Hの共通の基準面)に対する所定の位置に位置付ける、センサ接合面200HTを含む。理解できるように、センサトラック202は、ロータ接合面200HRに対する所定の位置において位置するように、ロータ206Rに接続される。そのようにして、センサ接合面200HTおよびロータ接合面200HRの、ステータ接合面200HSとの相対的な配置は、ステータ206S、ロータ206R、センサ203およびセンサトラック202が共通の基準面に対して、および共通の基準面に依存して位置決めされる、センサ203とセンサトラック202との間の間隙を、配置および制御する。ある態様では、ハウジング200Hは、任意の適切なスロットまたは開口部MLSを含み、駆動部200に動力および制御信号を(および駆動部200からフィードバック信号を)供給するために、任意の適切なコネクタCONが、そのスロットまたは開口部MLSを通過する。
【0017】
図2G~2Jは、例示目的のみのために、単一の駆動シャフト201を有する駆動部を図示しているが、
図2Kを参照すると、他の態様では、駆動部は、対応する、任意の適切な数の駆動シャフトを有する、任意の適切な数のモータを含むことが理解されるべきである。たとえば、
図2Kは、積み重ね、またはインライン構造で配置された2つのモータ206A、206Bを有する駆動部200’’を図示している。ここでは、各モータ206A、206Bは、(上述のものに実質的に類似の)それぞれのハウジング200Hを含み、同軸駆動用スピンドルを形成するために、モータ206Bの駆動シャフト201が、モータ206Aの駆動シャフト201Aの開口部を通って延びるように、ハウジングが、任意の適切な方法で、多モータ(たとえば多自由度)駆動部200’’を形成するために互いに接続されている。
【0018】
図2Bを参照すると、駆動部200に実質的に類似の、搬送装置駆動部200’が、2つの駆動シャフト201、210を備える、同軸駆動シャフト構造を有して図示されている。この態様では、駆動シャフト201は(ステータ206Sおよびロータ206Rを有する)モータ206によって駆動され、駆動シャフト210は(ステータ216Sおよびロータ216Rを有する)モータ216によって駆動される。ここでは、モータは積み重ね構造で(たとえば、一列に、上下に重なって、または前後になって配置されて)示されている。しかし、モータ206、216は、横並び、または同心円構成などの任意の適切な構成を有してもよいことが理解されるべきである。たとえば、
図2Dを参照すると、ある態様では、基板搬送装置100は、モータが、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年8月30日に発行された、「Substrate Processing Apparatus with Motors Integral to Chamber Walls」と題された、米国特許第8,008,884号明細書、および2012年10月9日に発行された、「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された、米国特許第8,283,813号明細書に記載されたものと実質的に類似の方法で、互いの内側に同心円状に入れ子状態になる、低輪郭平面状、または「パンケーキ」型ロボット駆動構成を有して示されている。基板搬送装置100は、1つまたは複数のステータ、および対応する(この態様では外側ロータ101および内側ロータ102を含む)ロータを有する、リラクタンス型駆動部100Dを含んでもよい。ロータ101、102は、任意の適切なリラクタンスモータの原則に基づいて、格納装置または隔離壁103を通して、それぞれのステータによって起動されてもよい。たとえば、比較的大きいロータの直径、および比較的高いトルクの性能のため、パンケーキ型駆動部構造は、高/重荷重における適用のためのハーモニックドライブロボットに、ダイレクトドライブ式の代替案を提供してもよい。他の態様では、任意の適切なハーモニックドライブが、1つまたは複数のロボットアームを駆動するために、本明細書において説明されるモータの出力に結合されてもよい。パンケーキ型駆動構造はまた、真空ポンプの入口を収容し得る、および/またはロボット駆動部の周りに限られた空間を有する小型真空チャンバ内、またはロボット駆動部が少なくとも部分的に内部に配置された、他の任意の適切なチャンバ内など、ロボット駆動部内で、真空ポンプ構成の部分的または完全な一体化を支持する、中空型中央駆動部を可能にする。
【0019】
本明細書において説明される駆動部は、たとえば半導体ウェハ、フラットパネルディスプレイ用のフラットパネル、ソーラパネル、レチクル、または他の任意の適切な積載物を搬送するように構成された、任意の適切な(上記のような)ロボットアーム104を有してもよい。この態様では、ロボットアーム104は、(たとえば、伸長および収縮において連結された、対向するエンドエフェクタを有する)左右対称型ロボットアームとして図示されており、アッパーアーム104U1、104U1’のうちの1つが外側ロータ101に取り付けられ、他のアッパーアーム104U2、104U2’’が内側ロータ102に取り付けられている。他の態様では、任意の適切な数および種類のロボットアームが、本明細書において説明される駆動モータ構造に取り付けられてもよい。左右対称型アーム104に加えて、パンケーキ型モータ構造、または積み重ねモータ構造に使用されてもよいアーム構造の他の例は、限定されないが、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2008年5月8日に出願された、「Substrate Transport Apparatus with Multiple Movable Arms Utilizing a Mechanical Switch Mechanism」と題された、米国特許出願第12/117、415号明細書に記載されたものに記載されたアーム構造を含む。たとえば、アームは、アッパーアーム、バンド駆動のフォアアーム、バンドに拘束されるエンドエフェクタを含む、従来のスカラ(SCARA)(水平多関節ロボットアーム)型設計から、アッパーアーム、伸縮アーム、または他の任意の適切なアーム設計を除去することによって、得られてもよい。
【0020】
アームの動作は、互いから独立してもよく(たとえば、各アームの伸長/収縮が、他のアームから独立している)、ロストモーションスイッチを通して動作されてもよく、または、アームが少なくとも1つの共通の駆動軸を共有するような、任意の適切な方法で、動作可能に連結されてもよい。例として、左右対称型アームのエンドエフェクタ104E1、104E2のいずれかの、径方向の伸長移動は、実質的に同時に、外側ロータ101および内側ロータ102を反対の方向に、実質的に同じ速度で回転させることによって、実行され得る。アーム104の、一体となった回転は、外側ロータ101および内側ロータ102を、同じ方向で、実質的に同じ速度で回転させることによって、実行され得る。
【0021】
再度
図2Aおよび2Bを、そして
図2Cを参照すると、各駆動シャフト201は、位置測定標識、またはセンサ203と相互作用する特徴部を備える、駆動シャフト201に取り付けられた、センサトラックまたはエンコーダトラック202も有してもよい。本明細書において説明されるセンサは、センサ203の読取りヘッド部分(たとえば、感知部材が取り付けられる、センサの一部)が、駆動部ハウジングまたは隔離壁204に挿入される、または隔離壁204から取外しされることが可能である、モジュールであるように構成されてもよい(隔離壁204は、密閉環境から駆動部ステータを密閉する、共通の隔離壁であってもよい)。位置信号を、(上述の制御装置11091に実質的に類似であってもよい)動作制御装置190などの任意の適切な制御装置に供給するために、センサ203の感知要素または感知部材203Hが、1つまたは複数の(以下において説明される)スケール202Sを読み取ること、もしくはスケール202Sの影響を受けることを可能にする、任意の適切な方法で、センサ203は、少なくとも部分的に、ハウジング200H内に固定されてもよい。ある態様では、センサ電子装置および/または磁石が外部環境に配置される一方で、センサトラックが密閉環境に配置されるように、センサ203の少なくとも一部が、外部環境に位置してもよく、以下においてより詳細に説明される隔離壁204を用いて、密閉環境から密閉、もしくは隔離されてもよい。密閉環境は、たとえば、真空環境または極端な温度の環境などの、過酷な環境条件のため、直接監視することが困難である。本明細書において説明される、開示される実施形態の態様は、密閉環境内に、移動物体(たとえば、モータのロータ、モータに接続されたロボットアーム、または他の任意の適切な物体)の非侵入型位置測定を提供する。
【0022】
図3を参照すると、ある態様では、センサ203は、エンコーダトラック202の位置を検知するために、磁気回路の原理を利用してもよく、エンコーダトラックは、密閉環境内に位置する少なくとも1つのエンコーダスケールを有する(たとえば、少なくとも1つのエンコーダスケールのそれぞれは、少なくとも1つのエンコーダスケールの他のピッチと異なり得る所定のピッチを有する)。
図3に図示されている磁気感知システムは、代表的に示され、以下において説明されるように、巨大磁気抵抗センサ(GMR)として、または(グラジオメータとも呼称される、いくつかの場所の間における勾配磁場の相違を感知する)差動式GMRとして構成されてもよい。センサは、少なくとも1つの磁気源または強磁気源300、強磁性エンコーダトラック202、および実質的に磁気源と強磁性トラックとの間に配置される、(各磁気源に対応する)少なくとも1つの磁気感知要素または磁気感知部材203Hを含んでもよい。
【0023】
エンコーダトラックは、トラックの幅(たとえば、面上にエンコード特徴部を有するトラック面)が、
図2Aに示されるように、トラック平面から直交方向に向かって変化する(たとえば上下に)、位置エンコード特徴部を有して、径方向外側に延びる平面において延在し得るように、構成されてもよい。他の態様では、トラックの幅は、(回転駆動装置の場合)径方向に、またはトラック平面から横方向に突出しているエンコード特徴部を有して、駆動軸に平行である軸方向に配置されてもよい(たとえば、回転駆動構造において、トラック面は、「ドラム」形状として、駆動軸Tを包囲する環状または円筒状を形成する、たとえば
図2E~2F、トラック202S’、202S’、202S3’)。この態様では、少なくとも1つの磁気感知部材203Hは、トラック202と実質的に直接、相互作用する、実質的に平坦な(もしくは、垂れ下がる特徴部の無い)トラック相互作用部を有してもよいが、他の態様では、以下において説明されるように、少なくとも1つの磁気センサは、トラック上の、対応する特徴部と相互作用する強磁性特徴部を含む、強磁性部材に接続されてもよい。ある態様では、磁気源および少なくとも1つの感知部材203Hは、プリント回路基板(PCB)310に取り付けられてもよく、または、プリント回路基板上(PCB)310上に一体的に成形されてもよく、プリント回路基板は(たとえば、各磁気源、および少なくとも1つの感知部材のそれぞれに共通である)共通の回路基板である。他の態様では、各磁気源および感知部材は、1つまたは複数の、それぞれのプリント回路基板に取り付けられてもよい。ある態様では、磁気源300は、外部環境内に配置された、永久磁石であってもよい。他の態様では、磁気源300は、磁界を生むために励磁されるように構成されたコイルなどの、任意の適切な磁気源であってもよい。ある態様では、磁気源によって発生された磁界(例示目的のために
図3に図示された力線)は、磁気源300のN極N(たとえば、トラックの反対側を向く極、他の態様では、磁極は任意の適切な方向付けを有する)を出発し(または、励磁されたコイルの場合、コイル中の電流の流れによって決定される方向で出発し)、示されるように、PCB310を横切り、(たとえば、感知部材203Hとトラック202との間の)間隙を超え、非強磁性隔離壁204を通過して、強磁性トラック202へと流れ、磁気源300の反対の極Sに戻るように、伝搬してもよい。強磁性トラックが磁気源300に対し移動すると、1つまたは複数の磁界プロファイルが発生する。磁界プロファイルは、正弦波または余弦波のうちの1つまたは複数の一般的な形状を有してもよい。感知部材203Hは、強磁性トラックの動作(たとえば磁界プロファイル)と相互に関連する磁束への変化を感知するように構成される。
【0024】
ある態様では、1つまたは複数の感知部材203Hは、1つまたは複数の場所の磁界を感知することが可能である、任意の適切な巨大磁気抵抗(GMR)感知要素/部材であってもよい。他の態様では、1つまたは複数の感知部材は、磁界を感知することが可能である、任意の適切な感知要素であってもよい。ある態様では、感知部材203Hは、たとえば、強磁性トラック202の相対(および/または絶対)位置に関連する、位相角を提供するために使用され得る、正弦波信号を生成するように構成されてもよい。
図4Aおよび4Bを参照すると、他の態様では、1つまたは複数の感知部材は、空間中の2つの場所の間の勾配磁場を感知するように構成された、差動式巨大磁気抵抗(GMR)感知部材(たとえばグラジオメータ)であってもよい。磁気感知システムは、上記のようなグラジオメータであってもよい。グラジオメータ構成において、各感知部材のアナログ出力信号は、空間中の2つの地点の間の磁場勾配に比例してもよい。
図4Aは、たとえば、差動エンコーダチャネルをもたらす、ホイートストンブリッジを形成するように構成され得る磁気抵抗素子MREを含む、代表的な、グラジオメータ感知部材203H’を図示している。理解できるように、グラジオメータ感知部材上の、MRE(たとえばR1~R4)の構成は、エンコーダトラックおよび磁気源上のエンコード特徴部に特有であってもよい。
図4Bは、2つの差動信号(たとえば正弦/余弦)を提供するように配置された磁気抵抗素子MREを含む、開示される実施形態の別の態様に従った、例示的なグラジオメータ感知部材203H’’を図示している。差動正弦出力および差動余弦波出力が感知部材203H、203H’203H’’のそれぞれから得られるように、トラックピッチP(
図3)、および感知部材203H、203H’203H’’上の磁気抵抗素子MREの位置が合ってもよい。
【0025】
図5を参照すると、開示される実施形態の態様に従った、駆動位置判定回路の概略図が示されている。位置判定回路は、単一のプリント回路基板に一体化されてもよい、もしくは所望にパッケージングされてもよい。ある態様では、プリント回路基板310(
図5参照)は、1つまたは複数の(単一のチップ上に一体化されてもよい、上述の1つまたは複数の感知部材203H、203H’203H’’に実質的に類似の)感知部材503H、誤差補償ユニット506、信号調整ユニット501、データサンプリングユニット502、復号ユニット507、放送ユニット504、ならびに、制御および同期ユニット505(本明細書において「制御ユニット」と呼称される)を含んでもよい。機能ユニットは、簡単化のために、個々に示され、説明されるが、所望に、回路内において、配置され、組み合わされてもよい。他の態様では、プリント回路基板310は、本明細書において説明されるような位置感知を実行するための、任意の適切な構成を有してもよい。
【0026】
制御および同期ユニット505は、本明細書において説明される感知機能を実行するための、任意の適切なモジュールを含んでもよい。たとえば、
図5Cも参照すると、制御および同期ユニット505は、1つまたは複数のアナログ・デジタル変換モジュール505A(オーバーサンプリング)、505E(静音時間)、505F(トラック)、絶対位置復号モジュール505B、センサヒステリシス補償モジュール505C、温度補償モジュール505D、自動式トラック配置較正モジュール505G、出力プロトコルモジュール505H、および自動式振幅、オフセット、および位相較正モジュール505Iを含んでもよい。理解できるように、モジュール505A~505Iは制御および同期ユニット505に一体化されて説明されるが、他の態様では、モジュール505A~505Iは、制御および同期ユニット505からアクセス可能であるように、回路基板310に取り付けられる、または一体化されてもよい。たとえば、モジュール505A~505Iは、機能ユニット501、502、504、503、507、または回路基板310感知回路の他の任意の適切な構成要素のうちの1つまたは複数に一体化されてもよい。さらに別の態様では、モジュール505A~505Iは、任意の適切な制御装置などにあるように、回路基板310の「基板外に(off board)」、しかし制御および同期ユニット505からアクセス可能であるように、取り付けられてもよい。オーバーサンプリング式アナログ・デジタル変換モジュール505Aは、耐ノイズ性を改善するために、本明細書において説明されるように、(任意の所望の、構成可能なサンプリングレートで)センサ読取り値をオーバーサンプリングするように構成されてもよい。アナログ・デジタル変換モジュールは、センサ回路内の雑音を出す事象を避けるために、本明細書において説明されるような「静音時間」において、センサ信号をサンプリングするように構成されてもよい。アナログ・デジタル変換モジュール505Fは、トラックデータ(たとえば位置フィードバックデータ)の基板上のアナログ・デジタル変換を提供するように、および位置フィードバックと外部制御装置との間の、長い相互接続ケーブルの必要性を回避しながらも、シグナルインテグリティの改善を可能にするように構成されてもよい。絶対位置復号モジュール505Bは、相対位置が、真の絶対位置に揃うように、電源投入の際に、または他の任意の所望の時に、センサの絶対位置の特定を可能にするように構成されてもよい。センサヒステリシス補償モジュール505cは、モータの位置またはロボットアームの位置のうちの1つまたは複数に対応する、任意の適切な位置における、センサ503Hに固有のヒステリシスを最小化するように構成されてもよい。温度補償モジュール505Dは、温度による影響の補償を可能にするように構成されてもよく、任意の適切な温度参照用テーブルを含んでもよい。自動式トラック配置較正モジュール505Gは、それぞれのトラック202に対して、回路基板310内のセンサ位置の公差を緩和するために、たとえば、ソフトウェアキャリブレーションを用いて、異なるトラック202間で共通の始点を特定するように構成されてもよい。出力プロトコルモジュール505Hは、様々な通信プロトコルを用いる、様々な種類の制御装置との、実質的に汎用性を有する統合を提供するように構成されてもよい。
【0027】
理解できるように、1つまたは複数の感知部材503Hは、強磁性トラック202(
図2C)上の、それぞれのスケール202Sのトポロジーを反映する、未処理のアナログ信号(正弦および/または余弦信号)を生成してもよい。誤差補償ユニット506は、選択される感知技術(この場合、GMR感知技術または他の任意の適切な感知技術であってもよい)に応じた、いずれの制約も適切に対処するように構成されてもよい。そのような制約の例として、センサの非線形性および飽和による信号の歪み、温度ドリフト効果、および外部磁界の乱れが含まれてもよい。誤差補償は、制御および同期ユニット505から誤差補償ユニット506への命令などによる、要求に応じて、または他の任意の適切な、1つまたは複数の所定の時に、実行されてもよい。信号調整ユニット501は、感知部材503Hからの未処理のアナログ信号を、確定的な(deterministic)範囲内の値へと調整(あるいは、正弦波振幅およびオフセット除去の正規化が例として挙げられる、較正)するように構成されてもよい。データサンプリングユニット502は、アナログ・デジタル変換器などの、調整済みの信号を、本明細書において説明されるような、任意の適切な制御装置によって処理される、未処理のデジタルデータに変換するように構成された、任意の適切な変換器であってもよい。復号ユニット503は、データサンプリングユニット502によって生成された、未処理のデジタルデータを処理するように、およびその未処理のデジタルデータを位置出力データに変換するように構成されてもよい。絶対位置が望ましい場合、絶対位置は、以下において説明されるように、強磁性トラック202上の、複数のスケール202Sからのデータの分析から得られてもよい。放送ユニット504は、位置出力データを、(少なくとも1つのセンサに通信可能に接続され、制御および同期ユニット505が、少なくとも1つのセンサからのセンサ信号を受信し、運動制御装置からの通信に応じた、下記のもののような、少なくとも1つの、センサシグナルの所定の特性における変化を制御するように、適切に構成される)任意の適切な動作制御装置190などの、外部装置に伝送するように構成されてもよい。ブロードキャストユニット504は、以下において説明されるような、時間調整およびスケジューリングをもたらすために、制御および同期ユニット505によって使用され得る、動作制御装置190からの入力情報を提供するようにも構成されてもよい。
【0028】
制御および同期ユニット505は、
図5に示されるような、個別の機能ユニット503H、501、502、504、506、507を管理およびスケジューリングするように構成され得る。上記のように、個別の機能ユニット503H、501、502、504、506、507ならびに制御および同期ユニット505は、たとえば、単体または単一モジュールとして任意の適切なモータに設置され得る、およびモータから取り外しされ得る、単一の位置フィードバックモジュールへと一体化されてもよい。ある態様では、位置フィードバックモジュールは、任意の適切な方法で、較正されてもよい(
図5B、ブロック589)。たとえば、感知ユニット間の関係が既知であるとき、試験台上のモータの「基板外で」(たとえば、モータに設置されていない間)較正が実行されてもよい。たとえば、位置フィードバックモジュールが、完全に基板外で較正され、設置されるように(たとえば、モジュールが動作できる状態であるように)、任意の適切なソフトウェアキャリブレーションが実行されてもよい。1つまたは複数の感知ユニット503Hと、それぞれのトラック202との間での、最終の配置較正は、(基板上の自動式トラック較正モジュール505Gなどを自動的に用いて)位置フィードバックモジュールを所定の位置(例えばモータの基板上)において、実行されてもよい。他の態様では、動作制御装置190は、制御および同期ユニット505に関連して、以下において説明されるものに実質的に類似の方法で、個別の機能ユニット503H、501、502、504、506、507を管理およびスケジューリングするように構成されてもよい。さらに他の態様では、個別の機能ユニットの管理およびスケジューリングは、制御および同期ユニット505と、動作制御装置190との間で共有されてもよい。たとえば、誤差補償ユニット506は、感知部材503Hの信号出力の正確性および再現精度を改善するために、任意の適切な時(たとえば要求に応じて、など)に制御および同期ユニット505によって作動させられてもよい。信号調整ユニット501は、制御および同期ユニット505からの要求に応じて、または他の任意の適切な時に、実質的に自動的に、アナログ信号を正規化するために、制御および同期ユニット505によって制御されてもよい。データサンプリングユニットの遂行もまた、位置データが、感知回路がトランジェントに影響されない「静音」時間に、または、1つまたは複数の、他の任意の適切な時にサンプリングされるように、制御および同期ユニット505によって制御されてもよい。制御および同期ユニット505は、データサンプリングユニット502からのデータ品質を改善するために、オーバーサンプリングのパラメータを定義するようにも構成されてもよい。オーバーサンプリングデータは、本明細書において説明されるような、「静音時間」中などの任意の適切な時に、取得されてもよい。制御および同期ユニット505は、正確な、サンプリングされたデータが利用可能であるとき、1つまたは複数の命令を復号ユニット507に送信することによって、位置算出をもたらしてもよい。制御および同期ユニット505は、最終の復号された位置が、所定の時に出力されるように、放送ユニット504を制御するようにも構成されてもよい。
【0029】
図5Aに、
図5の例示的な実例のブロック図が図示されている。ある態様では、プリント回路基板310は、3つのスケール202Sを有する強磁性トラック202(たとえば、
図2Cおよび6A参照)から位置信号を得るために、(それぞれが2つの差動信号を供給可能である)3つの感知部材503H1、503H2、503H3を含む。ある態様では、感知部材503H1、503H2、503H3(および、本明細書において説明される他のセンサ)は、回路基板に移動不可能に取り付けられてもよい。他の態様では、感知部材(および、本明細書において説明される他のセンサ)は、感知部材が、それぞれのトラック202およびスケール202Sに対し調節されても良いように、回路基板に移動可能に取り付けられてもよい。
図2Cおよび6A~6Cを参照すると、ある態様では、スケール202Sは、マスタースケール202S1、ノギススケール202S2、およびセグメントスケール202S3を含む、3つのスケールからなるノギスパターン(nonius pattern)を表すが、他の態様では、強磁性トラックは、互いに対し任意の適切な位置関係を有する、任意の適切な数のスケールを含んでもよい。ここでは、各スケール2102Sは、強磁性特徴部202SE(たとえばスロット、突出部、など)の、それぞれが等間隔であるパターン(たとえば、各スケールパターンが、それぞれのピッチP1、P2、P3を有してもよい)を含んでもよい。各スケール202Sのために、たとえば正弦波および余弦波を実質的に模倣する、アナログ信号出力を提供するように構成された、専用の感知部材503H1~503H3があってもよい。ある態様では、感知部材503H1~503H3のうちの1つまたは複数が、感知部材503H1~503H3のうちの別の1つ、および/またはそれぞれのトラック202S1~202S3に対する、任意の適切な角度α1、α2で配置されてもよい。他の態様では、感知部材503H1~503H3は、互いに対する、および/または各トラック202S1~202S3に対する、任意の適切な位置関係を有してもよい。理解できるように、強磁性特徴部202SEの各スケールの周期および数は、任意の適切なノギス内挿法(nonius interpolation approach)を用いてトラックの絶対位置を復号する(本明細書において説明されるような、3つのスケールからなるトラック202のための、1つの適切な絶対位置復号アルゴリズムを図示している、
図5参照)ために使用され得る、トラックの設計を可能にする。
【0030】
1つまたは複数のコイル600が、以下において説明されるヒステリシス補償のために、任意の適切な方法で、プリント回路基板310を備える(もしくはプリント回路基板に取り付けられる、またはプリント回路基板上に形成される)一体式ユニットとして、一体的に成形されてもよい。データサンプリングユニット502および複合ユニット507は、
図5Aに示されるような、一体式装置またはモジュールとして形成されてもよく、一方で他の態様では、データサンプリングユニット502および複合ユニット507は、別々のユニットであってもよい。
図5Aにも見られるように、任意の適切な記憶装置505Mが、制御および同期ユニット505に接続されてもよい。
【0031】
ある態様では、制御および同期ユニット505は、少なくとも1つのセンサへ、少なくとも1つのセンサから受信されたセンサ信号に基づいて、センサ信号命令を生成するように構成されてもよく、センサ信号命令は、少なくともセンサ信号の所定の特性に変化をもたらす。たとえば、制御および同期ユニット505は、ヒステリシス補償機構またはモジュール505C(たとえば、1つまたは複数のコイル600、および関連する、1つまたは複数のコイルを励磁するためのハードウェアおよびソフトウェア)によって、などの任意の適切な方法で、ヒステリシスを制御するように構成されてもよい。ある態様では、制御および同期ユニット505は、それぞれの感知部材503H1、503H2、503H3が飽和状態にさせられるように、1つまたは複数のコイルの励磁をもたらす。制御および同期ユニット505は、ヒステリシスが補償されている間に、位置データがサンプリングされないように、モジュール505Eなどを用いて、位置データサンプリングする時をスケジューリングしてもよい(たとえば、1つまたは複数のコイルが励磁されるときは、位置データはサンプリングされない)。感知部材503Hのヒステリシスを補償することで、感知部材503Hから、一貫したアナログ信号が出力されてもよい。ある態様では、プリント回路基板310上で、またはプリント回路基板内で、1つまたは複数の層630~635を形成している、1つまたは複数のコイル600を図示している、
図7A~7Dに示されるように、1つまたは複数のコイル600が、プリント回路基板310上で、それぞれの感知部材503H1、503H2、503H3に隣接して、設けられてもよい。開示される実施形態の態様に従った、ヒステリシス補償の一例として、制御および同期ユニット505は、任意の適切なときに1つまたは複数のコイル600を励磁することによって、感知部材503Hのうちの1つまたは複数における、ヒステリシス補償領域の適用を引き起こしてもよい(
図5B、ブロック590)。たとえば、ある態様では、制御および同期ユニット505は、センサから受信した信号を監視してもよく、信号の所定の特性(たとえばノイズ、振幅、信号の歪みなど)が所定の範囲の外であるとき、および/または閾値を超えるとき、ヒステリシス補償領域が生成される。制御および同期ユニット505は、ヒステリシス補償領域のコラプスのあとに所定の時間待機し、そして信号調整ユニット501に、1つまたは複数の感知部材503Hのうちの1つまたは複数からの、結果として生じる、ヒステリシス補償された信号に、適当な(たとえば、任意の適切な)信号調整を適用するように命令してもよい(
図5B、ブロック591)。1つまたは複数の感知部材503Hからの位置信号は、1つまたは複数のコイル600が励磁され、ヒステリシス補償領域がコラプスしていない間、有効でなくてもよい。制御および同期ユニット505は、データサンプリングユニット502に、調整済みのアナログ信号をデジタルデータに変換する(
図5B、ブロック592)ように引き起こす、もしくは命令してもよく、復号ユニット507に、データサンプリングユニット502からのデジタルデータを収集し、このデジタルデータを最終の補正済み位置データへと変換する(
図5B、ブロック593)ように命令してもよい。制御装置190が、ロボット駆動部200、およびロボット駆動部に取り付けられた1つまたは複数のアームの移動を制御するために、最終の補正済み位置データを使用するように、制御および同期ユニット505は、放送ユニット504に、最終の補正済み位置データを、制御装置190などの任意の適切な制御装置に通信する(
図5B、ブロック594)ように命令してもよい。
【0032】
開示される実施形態の態様は、半導体自動化ロボットに関連して本明細書において説明されるものなどの、任意の適切な位置フィードバックシステムの性能を最大化するために使用され得る水準のカスタム化を可能にしてもよい。ある態様では、制御および同期ユニット505、および/またはデータサンプリングユニット502は、アナログ・デジタル変換が、耐ノイズ性の改善を可能にするように、オーバーサンプリングを用いて(モジュール505Aなどを用いて)、設定可能であるように構成されてもよい。上記のように、たとえば、駆動部200(したがって、およびロボットアーム)の位置を判定するための、データサンプリング、およびセンサ信号のアナログ・デジタル変換は、上記のように、回路内のノイズイベント(たとえば、ヒステリシス補償、トランジェントなどのノイズイベント)を避けるための時である、「静音時間」に(モジュール505Aおよび/または505Eなどによって)実行されてもよい。別の態様では、制御および同期ユニット505は、たとえば、(モジュール505Bなどを用いる)要求に応じての絶対位置の復号を可能にする、記憶装置505Mに記憶された、任意の適切なプログラムおよび/またはアルゴリズムを含んでもよく、相対位置が絶対位置に正確に揃うように(これは、本明細書において説明されるように、強磁性トラック上の、複数の異なるスケールによってもたらされてもよい)、絶対位置が、電源投入の際に、または他の任意の適した時に、特定されてもよい。制御および同期ユニット505は、たとえば、(たとえば、センサ203の処理性能によって局所的に判定される)基板上の、(モジュール505Gなどを用いた)実質的に自動のトラック位置合せ較正を可能にする記憶装置505Mに記憶された、任意の適切なプログラムおよび/またはアルゴリズムを含んでもよく、プリント回路基板310の電子回路内において、強磁性トラック202に対し、感知部材503Hの場所の公差が緩和され得るように、強磁性トラック202の、複数の異なるスケール202Sの間で共通の始点が(たとえば、各スケールの信号を比較することなどによって)特定される。上記のように、1つまたは複数のコイル600、ならびに制御および同期ユニット505は、(上記のように、モジュール505Cなどを用いて)強磁性トラック(したがって、およびロボット駆動部/ロボットアーム)の任意の適切な位置における、いくつかの感知部材に固有の、要求に応じたヒステリシス補償を可能にしてもよく、位置の再現精度が望まれる。制御および同期ユニット505は、たとえば、メカニカルランアウト(または、トラック202の回転方向および/またはセンサヒステリシスなどの、センサの他の状態条件)および/または周囲条件による影響(たとえば、少なくとも1つのセンサの温度など)による、ドリフトを補償するために、実質的にリアルタイムの(リアルタイムとは1つのイベントからシステムの反応までの動作期限を示している)信号調整を可能にしてもよい、基板上の、(モジュール505Iなどを用いた)実質的に自動の振幅、オフセット、および位相較正を可能にする記憶装置505Mに記憶された、任意の適切なプログラムおよび/またはアルゴリズムを含んでもよい。別の態様では、制御および同期ユニット505は、たとえば、(モジュール505Dなどを用いた)基板上の温度補償を可能にする、記憶装置505Mに記憶された、任意の適切なプログラムおよび/またはアルゴリズムを含んでもよい。たとえば、センサ203は、プリント回路基板310、感知部材203H、203H’、203H’’、503H1~503H3、強磁性トラック202(および/または強磁性トラック202上のスケール)、または他の任意の適切な、センサ203の構成要素のうちの1つまたは複数の温度を判定するために、制御および同期ユニット505に通信可能に接続された温度センサ520(
図5A)を含んでもよい。温度による影響に対する信号調整補償を提供するために、任意の適切な参照テーブルが、センサ信号を温度と互いに関連づける記憶装置505Mなどの、任意の適切な記憶装置内に常駐してもよい。
図5Aに見られるように、シグナルインテグリティの向上を可能にし、位置フィードバックセンサ203と制御装置190などの外部制御装置との間の、長い相互接続ケーブルの必要性を回避してもよい、強磁性トラック202の各スケール202Sのために、センサが基板上のアナログ・デジタル変換に設けられてもよい。制御および同期ユニット505、および/または放送ユニット504は、様々な種類の制御装置との、実質的に汎用性を有する統合を可能にするために、(モジュール505Hなどを用いて)複数の出力プロトコルを提供するようにも構成されてもよい。たとえば、様々な通信プロトコルが、記憶装置505Mなどの、センサの任意の適切な記憶装置、または放送ユニット504に常駐する記憶装置に記憶されてもよい。
【0033】
次に
図8Aおよび8Bを参照すると、センサ203’の一部が、開示される実施形態の態様に従って図示されている。センサ203’は、上述のものと実質的に類似であってもよいが、この態様では、(上述の感知部材に実質的に類似であってもよい)感知部材803Hは、強磁性回路部材または磁束ループ820のセンサエアギャップ810の実質的に内部に配置されてもよい。強磁性回路部材820は、(永久磁石、または上述のように、磁界を生成するように構成された1つまたは複数のコイルであってもよい)磁気源300と、磁気源300に連結された、(センサエアギャップ810を含む)第1脚部822と、第1脚部との間に隔離壁204が配置されるように、第1脚部822と連絡可能に接続された(他の態様では、第1脚部および第1延在部材は、任意の適切な方法で隔離壁204を通って延在する、一体型部材であってもよい)、第1延在部材823と、センサトラックエアギャップ830を横切って、第1延在部材823と連絡可能に接合された、第2延在部材824と、および第2延在部材との間に隔離壁204が配置されるように、第2延在部材824と連絡可能に接続された(他の態様では、第1脚部および第1延在部材は、任意の適切な方法で隔離壁204を通って延在する、一体型部材であってもよい)、第2脚部825と、を含んでもよい。第2脚部825は、磁気源300とも結合される。
図8Aに見られるように、強磁性回路部材820は、磁束が、たとえば、磁気源300のN極を出発し、第1脚部822に沿って進行し、センサが位置するセンサエアギャップ810を横切り、非強磁性隔離壁204を横切り、続けて第1延在部材823に沿って、トラックエアギャップ830を横切り(たとえばトラック202を通過し)、第2延在部材823に沿って隔離壁204を通過して戻り、そして磁束が第2脚部825に沿って、たとえば、磁気源300のS極へと進行するように、磁気源300とトラック202との間に磁気回路を形成する。強磁性回路部材820の構成は、感知部材803Hが、トラック202と磁気源300との間に位置するエアギャップに配置される必要なく、(たとえば、延在部材823、824に対し、トラック202が移動するときの)トラック202の輪郭における変化によって引き起こされる、センサエアギャップ810の磁気抵抗における変化を検知することを可能にする。強磁性回路部材820の構成は、センサ電子装置が、上記のように外部環境に位置することも可能にする。隔離壁は、強磁性回路部材の部分と部分との間に、その開示内容の全てが、既に参照により本明細書に組み込まれた、2013年11月13日に出願された、「SEALED ROBOT DRIVE」と題された、代理人整理番号390P014939-US(-#1)を有する米国仮特許出願に記載されたものと実質的に類似の方法で、配置されてもよい。
【0034】
次に
図9A~9Cを参照すると、センサ203’’の一部が、開示される実施形態の態様に従って図示されている。センサ203’’は、上述のものと実質的に類似であってもよいが、この態様では、(上述の感知部材に実質的に類似であってもよい)感知部材803Hは、ホイートストンブリッジを模倣するように構成された強磁性ブリッジ回路901のセンサエアギャップ905の実質的に内部に配置されてもよい。強磁性ブリッジ回路は、共に、上述の強磁性回路部材820に実質的に類似の、第1の強磁性回路部材910および第2の強磁性回路部材911を含み、第1および第2の強磁性回路部材910、911のそれぞれが、外部環境に、および密閉環境に位置する(たとえば、隔離壁204によって分離された)部分を有する。強磁性回路部材910、911のそれぞれは、(たとえば、隔離壁204のそれぞれの側に配置された)2つのエアギャップを有する。たとえば、強磁性回路部材910は、外部環境に配置されたエアギャップCR2、および密閉環境に配置されたエアギャップCR1を有し、一方では、強磁性回路部材911は、外部環境に配置されたエアギャップCR3、および密閉環境に配置されたエアギャップVRを有する。強磁性回路部材910、911のそれぞれの磁石300もまた、
図8Aおよび8Bに関連して既に説明されたものに実質的に類似の方法で、外部環境に配置される。エアギャップCR1~CR3は、一定の磁気抵抗のエアギャップであってもよい。エアギャップVRは、(エアギャップVR内に位置する)トラック202の1つまたは複数のスケールによって可変の磁気抵抗が引き起こされる、可変磁気抵抗のエアギャップであってもよい。ブリッジ部材BRは、強磁性回路部材910、911を互いに、通信可能に接続し、感知部材803Hが少なくとも部分的に配置される、センサエアギャップ905を含む。動作中、エアギャップCR1~CR3、VRの磁気抵抗が互いに実質的に等しい場合は常に、強磁性ブリッジ回路901は実質的に平衡である。強磁性ブリッジ回路901が平衡である場合、感知部材803Hは、センサエアギャップ905を横切る磁束において、変化を検知しない(または磁束を検知しない)。磁気抵抗の平衡は、エアギャップVRを通る、トラック202の1つまたは複数のスケールの運動によって妨害される。たとえば、回転トラック202(または他の態様では線形トラック)の場合、トラック202が移動すると、磁束がセンサエアギャップ905を横切って変化する。感知部材803Hは、たとえば、感知部材803Hの線形領域内で動作するように調節され得る磁束密度を利用している間の、1つまたは複数のトラックスケール202Sのトポロジーによる、磁束における変化を感知、もしくは検知する。磁束密度は、エアギャップCR1~CR2、VRの磁気抵抗を選択することによって、強磁性ブリッジ回路901において調節され得る。
【0035】
理解できるように、
図8A~9Cに示される、開示される実施形態の態様では、エアギャップ830、VRを横切ってトラック202の1つまたは複数のスケール202Sと相互作用する、強磁性回路の部分(たとえば、延在部材823、824、およびトラックエアギャップVRを含む密閉環境に配置された、
図9A~9Cの、少なくとも強磁性回路の対応する部分)は、回路の強磁性材料に形成された、もしくは添付されたピックアップ特徴部PIC(
図9B)を含んでもよい。トラック202の輪郭を感知することが可能である、局所的な磁束が確立されるように、これらのピックアップ特徴部PICが、エアギャップ830、VRの両側に配置されてもよく、それぞれのスケール202SのピッチP(
図3)に実質的に等しいピッチ、およびスケール202Sの強磁性特徴部202SEと同規模のサイズを有してもよい。センサエアギャップ810、905を横切る磁束の結果が、トラック202の任意のいずれの位置においても、実質的に一定であるように、これらの磁力線は累積し、感知部材803Hへと伝搬する。
図9Bに見られるように、ピックアップ特徴部PICが、スケール202Sの強磁性特徴部202SEに実質的に揃うとき、実質的にゼロまたは無の磁束がエアギャップ830、VRを通過する。ピックアップ特徴部PICが、スケール202Sの強磁性特徴部202SEと不整列であるとき、ピックアップ特徴部PICを横切る強磁性特徴部202SEの動作が、感知部材803Hによって検知される、(
図9Dに示されるような)正弦波を発生させるように、磁束がエアギャップ830、VRを通過して流れる。
【0036】
次に
図10A~10Cを参照すると、センサ203’’’の一部が、開示される実施形態の態様に従って図示されている。センサ203’’’は、センサ203’’と実質的に類似であってもよいが、この態様では、ブリッジ部材BR’は、強磁性回路部材910’と強磁性回路部材911’’との間を流れる磁束を最大化するように構成された、磁束コンセントレータFC1、FC2を含み、それによって、感知部材803Hが、磁束コンセントレータFC1、FC2によって画定されるセンサエアギャップ905を横切って、または少なくとも部分的にセンサエアギャップ905内に配置される。また、この態様では、強磁性回路部材910’、911’は、一定の磁気抵抗のエアギャップCR1~CR3無しで図示されているが、他の態様では、強磁性回路部材910’、911’は、上述のものと実質的に類似の方法で、一定の磁気抵抗のエアギャップCR1~CR3を含んでもよい。
図10A~10Cに見られるように、隔離壁は、
図8A~9Cに関連して既に説明されたものに実質的に類似の方法で、壁間隙WGに配置されてもよい。動作中、各強磁性回路部材910’、911’は、各強磁性回路部材910’、911’に関連する、対応の磁束Φ
1およびΦ
2を有する。強磁性特徴部202SEとピックアップ特徴部PICとの間のエアギャップが、
図10Bおよび10Cに示されるように、変化するように、上述のものと実質的に類似の方法で、トラック202がエアギャップVR内で移動すると、トラック202の強磁性特徴部202SEが、強磁性回路部材911’のピックアップ特徴部PICを通り過ぎて移動する。
図10Bに見られるように、ピックアップ特徴部PICが、スケール202Sの強磁性特徴部202SEと実質的に揃っているとき、磁束Φ
1およびΦ
2が実質的に等しく、実質的にゼロまたは無の磁束がエアギャップVRを通過し、エアギャップ905を横切る磁束が実質的には無いように、ピックアップ特徴部PICとトラック202との間の有効エアギャップは、その最小値である。ピックアップ特徴部PICが、スケール202Sの強磁性特徴部202SEと不整列であるとき、エアギャップVRを横切る磁気抵抗が、強磁性回路部材910’、911’間における磁束の不平衡を引き起こす、ピックアップ特徴部PICが、トラック202の強磁性特徴部202SEと実質的に揃っているときの、エアギャップVRを横切る磁気抵抗よりも高くなるように、ピックアップ特徴部PICとトラック202との間の有効エアギャップが、その最大となり得る。強磁性回路部材910’、911’間の磁束の不平衡の結果、磁束が、エアギャップVRを通過して流れ、その結果(感知部材803Hによって検知される、もしくは感知される)磁束Φ
3が、センサエアギャップ905を横切って流れる。理解できるように、ピックアップ特徴部PICを横切る、強磁性特徴部202SEの移動は、磁束Φ
3が、感知部材803Hに検知される、(たとえば、
図9Dに示されるように)正弦波を模倣するように、磁束Φ
3を最大値と最小値との間で変化させる。
【0037】
磁束Φ1および磁束Φ2は、
図10Dに示されるように、強磁性回路部材910’、911’のうちの少なくとも1つの壁間隙WGのサイズ(たとえば直流オフセット)、および/またはセンサエアギャップ905のサイズ(たとえば信号の振幅)を調節することなどによって、強磁性回路部材910’、911の磁束の平衡を保たせるように、任意の適切な方法で調節され得る。理解できるように、感知部材803Hを横切るエアギャップ905は、ピックアップ特徴部PICと強磁性特徴部202SEとの間の不整列の時点の間に検知された、最大の磁束の量を決定してもよい。強磁性回路部材910’、911’のうちの1つのみの隔離壁を横切る、壁間隙WGを変更することによって、強磁性回路部材910’、911’間に一定の不平衡を引き起こすことによって、磁束の直流成分を誘導することも可能である。
【0038】
理解できるように、
図8A~9Cおよび10A~10Dに示されるような、2つ以上のセンサは、上述のものと実質的に類似の方法で、プリント回路基板310に一体化または取り付けされてもよい。
図11に見られるように、センサトラック202が、(たとえば、正弦波を生成してもよい)マスタースケール202S1、(たとえば、任意の適切な基準波形を生成してもよい)ノギススケール202S2、および(たとえば、余弦波を生成してもよい)セグメントスケール202S3を含み、マスターおよびセグメントスケールは、ノギススケールを参照して測定される、
図5A、6A~6Cに関連して、既に説明されたものと実質的に類似のセンサ構成が図示されている。対応する、(
図8A~9Cおよび10A~10Dに関連して既に説明された、強磁性回路部材のうちの1つまたは複数に実質的に類似の)強磁性回路部材1101~1103が、上述のようなヒステリシス補償のために、感知部材803Hが、1つまたは複数の、それぞれのコイル600(
図5A、7A~7D)に隣接して配置されるように、スケール202S1~202S3のそれぞれの1つと接合するために、プリント回路基板310に一体化、または取り付けされる。強磁性回路部材1101~1103の感知部材のそれぞれからの信号は、トラック202および、したがって、ロボット駆動部200および/または1つまたは複数のアーム208の位置を判定するように、上述のように処理されてもよい。
【0039】
理解できるように、上述の、開示された実施形態の態様は、真の絶対位置測定/フィードバックが可能であり、密閉環境に電子部品、ケーブル、または磁石が設置されない位置センサを提供する。そのようにして、隔離壁204内に、フィードスルーを介する、密閉コネクタの必要はない。理解できるように、本明細書において説明される位置センサの態様は、過酷な環境(たとえば浸食性、極端な温度、高圧、高真空、液体媒体など)における位置センサの動作を提供する。本明細書において説明される位置センサの態様は、光学センサの場合などにおいて、トラック202のスケール202Sの読み取りを妨げ得る、(上述のように、位置センサが基づいて動作する、磁気の原則による)汚染物質が存在する場合の、位置センサの動作を提供する。
【0040】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームと、を備え、駆動部が、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのロータと、対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極を有し、隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータであって、少なくとも1つのステータの少なくとも1つの突極、および少なくとも1つのロータの少なくとも1つの突極が、少なくとも1つのロータと少なくとも1つのステータとの間に、閉鎖磁束回路を形成する、少なくとも1つのステータと、隔離環境を隔離するように構成された少なくとも1つの密閉仕切壁と、および少なくとも1つのセンサとを備え、少なくとも1つのセンサが、ハウジングに接続された磁気センサ部材、および、少なくとも1つのロータに接続された少なくとも1つのセンサトラック、を含み、少なくとも1つのセンサトラックが隔離環境に配置され、磁気センサ部材が隔離環境外に配置されるように、少なくとも1つの密閉仕切壁が、磁気センサ部材と少なくとも1つのセンサトラックとの間に配置され、磁気センサ部材および少なくとも1つのセンサトラックを分離させる。
【0041】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの密閉仕切壁の少なくとも一部が、磁気センサ部材と一体である。
【0042】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、センサエアギャップを有する少なくとも1つの強磁束ループを含み、磁気センサ部材が、少なくとも1つの強磁束ループと相互作用する。
【0043】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、磁気センサ部材が、センサエアギャップの磁気抵抗における変化を検知するように構成される、
【0044】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが第1および第2強磁束ループを含み、第1および第2強磁束ループは、第1および第2強磁束ループの間にセンサブリッジ部材を有し、エアギャップが、センサブリッジ部材に位置し、第1および第2強磁束ループのうちの1つが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを有する。
【0045】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、ホイートストンブリッジを模倣する。
【0046】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、隔離環境に配置されるトラック相互作用部、および隔離環境外に配置されるセンサ部材相互作用部を含み、トラック相互作用部およびセンサ部材相互作用部が、少なくとも1つの密閉仕切壁によって分離される。
【0047】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、センサエアギャップに配置された、磁束コンセントレータ要素を含む。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを含む。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、実質的に特徴部を有さないトラック相互作用部を含む、
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサトラックが、第1のピッチを有する第1のトラックと、少なくとも第1のピッチとは異なるそれぞれのピッチを有する、少なくとも第2のトラックとを含み、少なくとも1つのセンサが、第1のトラックに対応する第1のセンサと、少なくとも第2のトラックのそれぞれの1つに対応する、少なくとも第2のセンサとを含む。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、差動正弦波出力信号および差動余弦波出力信号が、磁気センサ部材から得られるように、少なくとも1つのセンサトラックのピッチと実質的に合うように配置されたセンサ要素を有する、差動センサを、磁気センサ部材が備えている。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、ホイートストンブリッジを形成する。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、磁気センサ部材の共通のプリント回路基板上に配置される。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、少なくとも1つのセンサトラックと、少なくとも1つの密閉仕切壁を通過して、実質的に直接相互作用する。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームと、を備え、駆動部が、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのロータと、対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極を有し、隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータであって、少なくとも1つのステータの少なくとも1つの突極、および少なくとも1つのロータの少なくとも1つの突極が、少なくとも1つのロータと少なくとも1つのステータとの間に、閉鎖磁束回路を形成する、少なくとも1つのステータと、隔離環境を隔離するように構成された少なくとも1つの密閉仕切壁と、少なくとも1つのセンサと、センサ制御装置とを備え、少なくとも1つのセンサが、ハウジングに接続された磁気センサ部材、および、少なくとも1つのロータに接続された少なくとも1つのセンサトラックを含み、少なくとも1つのセンサトラックが隔離環境に配置され、磁気センサ部材が隔離環境外に配置されるように、少なくとも1つの密閉仕切壁が、磁気センサ部材と少なくとも1つのセンサトラックとの間に配置され、磁気センサ部材および少なくとも1つのセンサトラックを分離させ、センサ制御装置が、少なくとも1つのセンサから受信したセンサ信号に基づいて、少なくとも1つのセンサへのセンサ信号命令を生成するように構成され、センサ信号命令が、センサ信号の、少なくとも所定の特性における変化をもたらす。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの密閉仕切壁の少なくとも一部が、磁気センサ部材と一体である、
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、センサエアギャップを有する少なくとも1つの強磁束ループを含み、磁気センサ部材が、強磁束ループと相互作用する。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、磁気センサ部材が、センサエアギャップの磁気抵抗における変化を検知するように構成される。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが第1および第2強磁束ループを含み、第1および第2強磁束ループは、第1および第2強磁束ループの間にセンサブリッジ部材を有し、エアギャップが、センサブリッジ部材に位置し、第1および第2強磁束ループのうちの1つが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを有する。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、ホイートストンブリッジを模倣する。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、隔離環境に配置されるトラック相互作用部、および隔離環境外に配置されるセンサ部材相互作用部を含み、トラック相互作用部およびセンサ部材相互作用部が、少なくとも1つの密閉仕切壁によって分離される。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、センサエアギャップに配置された、磁束コンセントレータ要素を含む。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを含む。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、実質的に特徴部を有さないトラック相互作用部を含む。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサトラックが、第1のピッチを有する第1のトラックと、少なくとも第1のピッチとは異なるそれぞれのピッチを有する、少なくとも第2のトラックとを含み、少なくとも1つのセンサが、第1のトラックに対応する第1のセンサと、少なくとも第2のトラックのそれぞれの1つに対応する、少なくとも第2のセンサとを含む。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、差動正弦波出力信号および差動余弦波出力信号が、磁気センサ部材から得られるように、少なくとも1つのセンサトラックのピッチと実質的に合うように配置されたセンサ要素を有する、差動センサを、磁気センサ部材が備えている。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、ホイートストンブリッジを形成する。
【0068】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、磁気センサ部材の共通のプリント回路基板上に配置される。
【0069】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、少なくとも1つのセンサトラックと、少なくとも1つの密閉仕切壁を通過して、実質的に直接相互作用する。
【0070】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームと、を備え、駆動部が、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのロータと、対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極を有し、隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータであって、少なくとも1つのステータの少なくとも1つの突極、および少なくとも1つのロータの少なくとも1つの突極が、少なくとも1つのロータと少なくとも1つのステータとの間に、閉鎖磁束回路を形成する、少なくとも1つのステータと、隔離環境を隔離するように構成された少なくとも1つの密閉仕切壁と、少なくとも1つのセンサであって、ハウジングに接続された磁気センサ部材、および、少なくとも1つのロータに接続された少なくとも1つのセンサトラックを含み、少なくとも1つのセンサトラックは、隔離環境に配置され、磁気センサ部材が隔離環境外に配置されるように、少なくとも1つの密閉仕切壁が、磁気センサ部材と少なくとも1つのセンサトラックとの間に配置され、磁気センサ部材および少なくとも1つのセンサトラックを分離させる、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに通信可能に接続され、センサ信号命令を提供するように構成された、センサ制御装置と、少なくとも1つのセンサ、およびセンサ制御装置に通信可能に接続され、少なくとも1つのセンサからのセンサ信号を受信するように構成された運動制御装置を備え、センサ制御装置が、運動制御装置からの通信に応じて、センサ信号の、少なくとも所定の特性における変化を制御するように構成される。
【0071】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの密閉仕切壁の少なくとも一部が、磁気センサ部材と一体である。
【0072】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、センサエアギャップを有する少なくとも1つの強磁束ループを含み、磁気センサ部材が、強磁束ループと相互作用する。
【0073】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、磁気センサ部材が、センサエアギャップの磁気抵抗における変化を検知するように構成される。
【0074】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが第1および第2強磁束ループを含み、第1および第2強磁束ループは、第1および第2強磁束ループの間にセンサブリッジ部材を有し、エアギャップが、センサブリッジ部材に位置し、第1および第2強磁束ループのうちの1つが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを有する。
【0075】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、ホイートストンブリッジを模倣する。
【0076】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、隔離環境に配置されるトラック相互作用部、および隔離環境外に配置されるセンサ部材相互作用部を含み、トラック相互作用部およびセンサ部材相互作用部が、少なくとも1つの密閉仕切壁によって分離される。
【0077】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、センサエアギャップに配置された、磁束コンセントレータ要素を含む。
【0078】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを含む。
【0079】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、実質的に特徴部を有さないトラック相互作用部を含む。
【0080】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサトラックが、第1のピッチを有する第1のトラックと、少なくとも第1のピッチとは異なるそれぞれのピッチを有する、少なくとも第2のトラックとを含み、少なくとも1つのセンサが、第1のトラックに対応する第1のセンサと、少なくとも第2のトラックのそれぞれの1つに対応する、少なくとも第2のセンサとを含む。
【0081】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、差動正弦波出力信号および差動余弦波出力信号が、磁気センサ部材から得られるように、少なくとも1つのセンサトラックのピッチと実質的に合うように配置されたセンサ要素を有する、差動センサを、磁気センサ部材が備えている。
【0082】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、ホイートストンブリッジを形成する。
【0083】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、磁気センサ部材の共通のプリント回路基板上に配置される。
【0084】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、少なくとも1つのセンサトラックと、少なくとも1つの密閉仕切壁を通過して、実質的に直接相互作用する。
【0085】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームと、を備え、駆動部が、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのロータと、対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極を有し、隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータであって、少なくとも1つのステータの少なくとも1つの突極、および少なくとも1つのロータの少なくとも1つの突極が、少なくとも1つのロータと少なくとも1つのステータとの間に、閉鎖磁束回路を形成し、少なくとも1つの密閉仕切壁が、隔離環境を隔離するように構成された、少なくとも1つのステータと、少なくとも1つのセンサと、センサ制御装置とを備え、少なくとも1つのセンサが、ハウジングに接続された磁気センサ部材、および少なくとも1つのロータに接続された少なくとも1つのセンサトラックを含み、少なくとも1つのセンサトラックが隔離環境に配置され、磁気センサ部材が隔離環境外に配置されるように、少なくとも1つの密閉仕切壁が、磁気センサ部材と少なくとも1つのセンサトラックとの間に配置され、磁気センサ部材および少なくとも1つのセンサトラックを分離させ、センサ制御装置が、少なくとも1つのセンサの周囲条件、または少なくとも1つのセンサの状態条件のうちの、少なくとも1つにおける変動に応じて、リアルタイムでのセンサ信号を調節するために構成された、センサ制御装置と、を含む。
【0086】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサの周囲条件が、少なくとも1つのセンサの温度である。
【0087】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサの状態条件が、少なくとも1つのセンサトラックの回転方向、またはセンサヒステリシス、のうちの少なくとも1つである。
【0088】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの密閉仕切壁の少なくとも一部が、磁気センサ部材と一体である。
【0089】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、センサエアギャップを有する少なくとも1つの強磁束ループを含み、磁気センサ部材が、少なくとも1つの強磁束ループと相互作用する。
【0090】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、磁気部材が、センサエアギャップの磁気抵抗における変化を検知するように構成される。
【0091】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが第1および第2強磁束ループを含み、第1および第2強磁束ループは、第1および第2強磁束ループの間にセンサブリッジ部材を有し、エアギャップが、センサブリッジ部材に位置し、第1および第2強磁束ループのうちの1つが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを有する。
【0092】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、ホイートストンブリッジを模倣する。
【0093】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、隔離環境に配置されるトラック相互作用部、および隔離環境外に配置されるセンサ部材相互作用部を含み、トラック相互作用部およびセンサ部材相互作用部が、少なくとも1つの密閉仕切壁によって分離される。
【0094】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、センサエアギャップに配置された、磁束コンセントレータ要素を含む。
【0095】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの強磁束ループが、少なくとも1つのセンサトラックの少なくとも一部が配置される、トラックエアギャップを含む。
【0096】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、実質的に特徴部を有さないトラック相互作用部を含む。
【0097】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサトラックが、第1のピッチを有する第1のトラックと、少なくとも第1のピッチとは異なるそれぞれのピッチを有する、少なくとも第2のトラックとを含み、少なくとも1つのセンサが、第1のトラックに対応する第1のセンサと、少なくとも第2のトラックのそれぞれの1つに対応する、少なくとも第2のセンサとを含む。
【0098】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、差動正弦波出力信号および差動余弦波出力信号が、磁気センサ部材から得られるように、少なくとも1つのセンサトラックのピッチと実質的に合うように配置されたセンサ要素を有する、差動センサを、磁気センサ部材が備えている。
【0099】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、ホイートストンブリッジを形成する。
【0100】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ要素が、磁気センサ部材の共通のプリント回路基板上に配置される。
【0101】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、少なくとも1つのセンサトラックと、少なくとも1つの密閉仕切壁を通過して、実質的に直接相互作用する。
【0102】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が、フレームと、少なくとも1つの駆動シャフトを有するフレームに接続された、駆動部と、駆動部に移動可能に取り付けられ、少なくとも1つの駆動シャフトによって駆動される、搬送アームと、位置フィードバック装置とを備え、位置フィードバック装置が、少なくとも1つの駆動シャフトのそれぞれの1つに取り付けられ、それぞれが、その上に配置された少なくとも1つのスケールを有する、少なくとも1つのトラックと、それぞれのトラックに対応する、少なくとも1つの読取りヘッドとを含み、少なくとも1つの読取りヘッドが、共通の支持部材に取り付けられた、それぞれのトラック上のそれぞれのスケールを感知するように構成された、少なくとも1つのセンサと、支持部材と一体的に成形された少なくとも1つの励磁コイルと、を含む。
【0103】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの励磁コイルが、センサヒステリシスを実質的に除去するために、それぞれのセンサを通る、送信パルスを生成するように構成される。
【0104】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が、少なくとも1つの読取りヘッドに接続された制御装置をさらに備え、それぞれのセンサを通じて送信パルスが生成された後の所定の時間に、サンプリングが起こるように、制御装置が、少なくとも1つのセンサからのトラックデータをサンプリングするように構成される。
【0105】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、送信パルスが、センサを飽和させる。
【0106】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれのトラックが第1の環境に配置され、少なくとも1つの読取りヘッドが、第1の環境とは異なる、第2の環境に配置されるように、少なくとも1つの読取りヘッド、およびそれぞれのトラックが、隔離壁によって互いから分離される。
【0107】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1の環境が真空環境であり、第2の環境が大気環境である。
【0108】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、実質的に特徴部を有さないトラック相互作用部を含む。
【0109】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのスケールが、第1のピッチを有する第1のスケールと、少なくとも第1のピッチとは異なるそれぞれのピッチを有する、少なくとも第2のスケールとを含み、少なくとも1つのセンサが、第1のスケールに対応する第1のセンサと、少なくとも第2のスケールのそれぞれの1つに対応する、少なくとも第2のセンサとを含む。
【0110】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1のセンサおよび少なくとも第2のセンサが、支持部材に移動不能に固定される。
【0111】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのセンサが、巨大磁気抵抗センサを備える。
【0112】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータアセンブリが、ドラム構造を有するケーシングと、ドラム構造内に取り付けられたステータと、ドラム構造内に取り付けられ、ステータと相互作用するロータと、ロータに接続されたセンサトラックと、ケーシングに取り付けられた巨大磁気抵抗センサと、を含み、ケーシングが、ステータ接合面を形成する共通の基準面を含み、ステータ接合面は、ステータとロータとの間に所定の間隙をもたらすために、ステータを支持し、ステータおよびロータを互いに対し位置決めするように構成され、および巨大磁気抵抗センサとセンサトラックとの間に所定の間隙をもたらすように、巨大磁気抵抗センサを、共通の基準面に対する所定の位置で支持するように構成され、ステータ、ロータ、巨大磁気抵抗センサ、およびセンサトラックが、共通の基準面に対し、および共通の基準面に依存して、位置決めされる。
【0113】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータアセンブリは、隔離壁が共通の基準面およびロータに対する所定の位置で設置されるように、ステータによって支持される、隔離壁2403をさらに含む。
【0114】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケーシングはドラム構造を形成し、その中に、センサ、制御基板、および駆動接続子のうちの1つまたは複数のためのスロットが形成される、一体式部材である。
【0115】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケーシングはドラム構造を形成するために、互いに接続された、2つ以上のフープ部材から形成される一体式アセンブリである。
【0116】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータケーシングが、外部表面と、内部表面と、センサ接合面とを含み、外部表面および内部表面がドラム構造を形成し、内部表面は、ステータとロータとの間に所定の間隙をもたらすために、ステータを支持し、ステータおよびロータを、ケーシング内で互いに対し位置決めするように構成された、ステータ接合面を形成する共通の基準面を含み、センサ接合面は、巨大磁気抵抗センサを、ロータに接続されたセンサトラックに対し支持し、巨大磁気抵抗センサと、センサトラックとの間に所定の間隙をもたらすように構成され、ステータ、ロータ、および巨大磁気抵抗センサが、共通の基準面から位置決めされ、および共通の基準面によって支持されるように、センサ接合面が、共通の基準面に対し位置付けられる。
【0117】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ステータおよびロータが、共通の基準面から、および共通の基準面によって位置付けられるように、内部表面が、共通の基準面に対し位置付けられたロータ接合面を含む。
【0118】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサ接合面が、ドラム構造内のスロットとして形成される。
【0119】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、スロットが、センサおよびモータ制御基板を収容するように構成される。
【0120】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ドラム構造が、その中に、センサ、制御基板、および駆動コネクタのうちの1つまたは複数のためのスロットが形成される、一体式部材である。
【0121】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ドラム構造が、互いに接続された、2つ以上のフープ部材から形成される一体式アセンブリである。
【0122】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。