(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ホットドリンクを調整するための装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/60 20060101AFI20220113BHJP
A47J 31/00 20060101ALI20220113BHJP
A47J 31/54 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A47J31/60
A47J31/00 302
A47J31/54 100
(21)【出願番号】P 2020508568
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2018069774
(87)【国際公開番号】W WO2019034374
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-06-12
(31)【優先権主張番号】102017118598.4
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512218854
【氏名又は名称】フランケ・カフェーマシーネン・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FRANKE KAFFEEMASCHINEN AG
【住所又は居所原語表記】FRANKE‐STRASSE 9, 4663 AARBURG, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】フェッテルリ,ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ジモン
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-085968(JP,A)
【文献】特開平06-096354(JP,A)
【文献】特開2011-015953(JP,A)
【文献】特開2007-093207(JP,A)
【文献】特開2006-317069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
F24D 1/00-19/10
F24H 1/00- 9/20
F28D 1/00-21/00
F28F 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットドリンクを調製するための装置であって、
調製されたホットドリンクが流出するためのドリンク流出口(55)と、
前記ホットドリンクを
調製する際に水を加熱するためのフローヒータ(10、20)と、
前記フローヒータ(10、20)を通って流れる水の体積測定のための流量計(12、22)と、
貫流通過方向において前記フローヒータ(10、20)の後ろに配置されている、方向制御弁として形成されたドレン弁(16、26)と、を備え、
前記フローヒータ(10、20)を通って流れる水が、前記ドリンク流出口の方向へ導かれる代わりに、当該ドレン弁を介して、排水管又は排水収集タンクへ導かれ得る装置において、
制御装置(60)が、前記流量計(12、22)の測定値に基づいて、前記フローヒータ(10、20)の石灰沈着状態を特定するための石灰沈着検出機能(61)を備え、
前記制御装置(60)は、前記石灰沈着状態の特定
が実施される期間にわたって、前記ドレン弁(16、26)を、前記フローヒータ(10、20)から来る水が直接前記排水管又は前記排水収集タンクに導かれる、その切替位置に
位置させるように形成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ドレン弁(16、26)は、前記フローヒータ(10、20)の予熱相において、前記フローヒータ(10、20)から来る水を前記排水管又は前記排水収集タンクに導くために使用され、かつ、
前記制御装置(60)は、前記予熱相において前記石灰沈着状態の特定が実施されるように形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記予熱相は、ホットドリンクの
調製のたびに実施されるように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ドレン弁(16、26)は、前記フローヒータ(10、20)の冷却相において、前記フローヒータ(10、20)から来る水を前記排水管又は前記排水収集タンクに導くために使用され、かつ、
前記制御装置(60)は、前記冷却相において前記石灰沈着状態の特定が実施されるように形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記冷却相は、ホットドリンクの
調製のたびに実施されるように構成されている、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記フローヒータ(10、20)の流入口側に、圧力計(17、18)が配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フローヒータ(10、20)は、加熱するべき貫流液体のための流入口及び流出口を有する、らせん状の流路を備え、
当該流路の流路断面積は少なくとも一方の端領域で流出口の方向に拡大する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記フローヒータ(10、20)の自動デスケーリングのためのデスケーリングシステム(40)が備えられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記デスケーリングシステム(40)は、デスケーリング剤溶液を混合するための混合タンク(41)、デスケーリング濃縮液用の貯蔵タンク(42)の収納スペース、及び、デスケーリング濃縮液を前記貯蔵タンク(42)から前記混合タンク(41)へ配量して送るための配合ポンプ(43)を含み、
当該
デスケーリングシステムにおいて、デスケーリング濃縮液と水とを混合して前記デスケーリング剤溶液にする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
水を上水管(30)から前記フローヒータ(10、20)に送出する給水ポンプ(11、21)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記給水ポンプ(11、21)は、吸い込み側において、第一の方向制御弁(44)を介して切り替え可能に、混合タンク(41)の取水導管(49)と接続可能であり、当該混合タンクはデスケーリング剤溶液を収容するために使用され、前記第一の方向制御弁(44)の切り替えられた弁位置において、前記デスケーリング剤溶液は前記混合タンク(41)からフローヒータ(10、20)に送出される、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記給水ポンプ(11)は、吐き出し側において、第二の方向制御弁(45)を介して切り替え可能に、前記混合タンク(41)の給水管(47)と接続可能であり、当該混合タンクは、液体のデスケーリング濃縮液からデスケーリング剤溶液を混合するために使用され、第二の方向制御弁(45)の切り替えられた弁位置において、水は前記混合タンク(41)に送出される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御装置(60)は、
自動デスケーリングプロセスを実施するために前記配合ポンプ(43)を制御して、予め定められた量のデスケーリング濃縮液を前記貯蔵タンク(42)から前記混合タンク(41)に送出するようにプログラミングされており、さらに、
前記給水ポンプ(11)を前記混合タンク(41)の前記給水管(47)と接続するために前記第二の方向制御弁(45)を切り替え、かつ、前記給水ポンプ(11、21)を制御して、予め定められた量の水を前記混合タンク(41)に送出するようにプログラミングされ、さらに、
前記第一の方向制御弁(44)を切り替え、前記給水ポンプ(11)を吸い込み側において前記混合タンク(41)と接続し、かつ、前記デスケーリング剤溶液を前記混合タンク(41)から前記フローヒータ(10、20)に送出するようにプログラミングされている、
請求項9に間接的に従属する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記制御装置は、予め定められた値、特に最大処理時間又は最小流量に達すると、デスケーリングプロセスが必要であるというメッセージを生成するように形成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
ホットドリンクを
調製する装置において石灰沈着状態を特定する方法であって、
前記装置は、ホットドリンクを
調製するための水を加熱するフローヒータ(10、20)を有し、
当該方法は、流量計(12、22)を使用して前記フローヒータ(10、20)を通って流れる水の流量が測定され、及び、前記流量に基づいて前記石灰沈着状態が特定される、当該方法において、
前記石灰沈着状態の特定
が実施される期間にわたって、貫流通過方向において前記フローヒータ(10、20)の後ろに配置されているドレン弁(16、26)が切替位置に
位置させられ、当該位置において前記フローヒータ(10、20)を流れる水が、当該装置のドリンク流出口(50)の方向に導かれるのではなく、直接排水管又はリザーバに導かれることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整されたホットドリンクが流出するためのドリンク流出口と、当該ホットドリンクを調整する際に水を加熱するためのフローヒータと、当該フローヒータを通って流れる水の体積測定のための流量計と、貫流通過方向において当該フローヒータの後ろに配置されている、方向制御弁として形成されたドレン弁と、を備え、当該フローヒータを通って流れる水が、当該ドリンク流出口の方向へ導かれる代わりに、該ドレン弁を介して、排水管又は排水収集タンクへ導かれ得る、例えばティー飲料やコーヒー飲料などのホットドリンクを調製するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、ボタンプッシュに応じて一人分の淹れたてのコーヒー飲料を調製する全自動コーヒーメーカが知られている。そのために必要な熱湯は、通例、熱湯ボイラ内に用意されているために、長い加熱時間は不要である。時として、当該飲料注文の時点に水がフローヒータによって加熱されるように構成された全自動コーヒーメーカも提案されている。
【0003】
また、全自動コーヒーメーカの場合、当該熱湯発生器のデスケーリングを時折実施しなければならないということも知られている。そのため、国際公開第2013/023963号又は欧州特許出願公開第2705784号明細書に開示されているような解決方法が知られており、その場合、水溶性デスケーリング剤を満たしたカートリッジが挿設され、若しくは、当該カートリッジがデスケーリングプロセスを実施するために当該装置に接続される。スイス国特許出願公告第709738号明細書の場合には、体積可変式容器内に収容されたデスケーリング液を擁したデスケーリング剤適用装置が当該コーヒーメーカに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/023963号
【文献】欧州特許出願公開第2705784号明細書
【文献】スイス国特許出願公告第709738号明細書
【文献】国際公開第2013/189869号
【文献】欧州特許出願公開第2561778号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ホットドリンクを迅速かつ確実に調整できる、保守整備が簡単で故障の生じにくい、ユーザ又は操作者が簡単で安全に操作できる、ホットドリンクを調整するための装置を開示することである。ホットドリンクはこの文脈においては、淹れたてのコーヒー又はティーはもとより、ブイヨン、インスタントティー、インスタントコーヒー、インスタントココア飲料又はそれに類したインスタント飲料であってよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって本発明においては、熱湯を用意するためにボイラを備えた既存の全自動コーヒーメーカとは異なり、軽量で小型のフローヒータを使用する。本発明の範囲において使用できる好適なフローヒータは、例えば国際公開第2013/189869号に開示されており、不必要な重複を避けるために完全に関連させる。
【0007】
本発明の範囲において好適なフローヒータは、迅速な水温上昇のために必要な高温と、当該フローヒータ中の細く長い流路が原因で石灰沈着しやすいという知見を基礎としている。本発明の範囲において、当該流量計の測定値に基づいて、当該フローヒータの石灰沈着状態を特定するための石灰沈着検出機能を備えた制御装置が用いられる。当該制御装置は、当該石灰沈着状態の特定中に、当該ドレン弁を、当該フローヒータから来る水が直接当該排水管又は当該排水収集タンクに導かれる、その切替位置に切り替えるように形成されている。つまり当該石灰沈着状態は、ドレン弁が開いている場合にのみ特定される。
【0008】
当該流量計で測定され得る流量は、一方で当該フローヒータの入口と出口の間の圧力差により異なり、他方で配管横断面、ひいては石灰沈着状態により異なる。したがって既知の入口圧力、例えば圧力リミッタで調整可能な配管圧力においては、ウォータポンプ使用時の既知のポンプフィード圧力又は圧力計によって測定した圧力から当該石灰沈着状態が特定され得る。開いたドレン弁により、測定時に当該フローヒータの圧力損失だけが考慮され、さらに下流に配置されたユニット、例えば抽出チャンバ又は混合チャンバは考慮されなくされる。
【0009】
検知された石灰沈着状態に基づいて、機会があり次第開始又は実行されるべきデスケーリングプロセスが必要であるというメッセージが適時に生成され得る。それにより、当該フローヒータが詰まることが防止される。というのは、当該フローヒータは一度に全体が詰まってしまうため、そうなるとデスケーリングできなくなり、交換又は分解が必要になるからである。
【0010】
適切には、当該ドレン弁は、当該フローヒータの予熱相において、当該フローヒータから来る水を当該排水管又は当該排水収集タンクに導くために使用され、その結果余熱段階後に水が十分高温に達してはじめてドリンク流出口の方向へ導かれるが、余熱中に水がまだ十分な高温に達していないと排水される。この場合、当該制御装置は、当該予熱相において当該石灰沈着状態の特定が実施されるように形成されていてよい。これにより、通常運転中は石灰沈着状態の特定が自動的に行われ、それによって運転の中断又は独立したメンテナンス作動は必要ない。
【0011】
この場合、好ましくは予熱相は、ホットドリンク調製のたびに実施される。したがって当該フローヒータは、飲料調整ごとに作動停止され、冷却が可能である。これにより、当該フローヒータへの石灰沈着は防止される。加熱は十分迅速に行われるので、作動中に妨害されることがない。石灰沈着状態の特定は、同然ながら同じく個々の飲料調整ごとに実施されてよい。しかし、例えばホットドリンク10杯毎にしか石灰沈着状態の測定が実施されなくても十分であり得る。
【0012】
同様にして、当該ドレン弁は、当該フローヒータの冷却相において、当該フローヒータから来る水を当該排水管又は当該排水収集タンクに導くために使用され得る。これにより、当該フローヒータは製品調製後に水を使用して後冷却でき、それによっていっそう当該フローヒータ内に残っている温水による石灰沈着が防止される。ここでも、当該冷却相は、製品調製のたびに実施されると適切である。それによって、当該冷却相中に当該ドレン弁が開くので、当該予熱相の別法として(又は追加として)、当該冷却相において石灰沈着状態の特定が実施されてよい。当然ながら、当該フローヒータを個々の飲料調整の後に毎回停止させることが必要である。すでに複数の飲料が流出のために事前選択されている場合、当該フローヒータが最後の飲料調整の後に初めて作動停止しても適切であり得る。
【0013】
当該フローヒータの入口の水圧を測定するため、当該フローヒータの流入口側に、圧力計が配置されていることが適切である。それにより、当該入口圧力が確実に検出され得、及び石灰沈着状態の識別が改善される。
【0014】
本発明の一発展形態においては、当該フローヒータは、加熱するべき貫流液体のための流入口及び流出口を有する、らせん状の流路を備えている。この場合、流路を、流路断面積が少なくとも一方の端領域で流出口の方向に拡大するように形成すると有利である。これに関しては、当該フローヒータの流路はその終端で石灰沈着が最も多く生じるという知識が考慮されている。なぜならそこで最高水温に達するからである。
【0015】
試行の結果判明したのは、同じ流路径において、流量の低下により石灰沈着が検出されるが当該流路にはまだ水が通れるという状態が突然、流路が完全に詰まった状態になる可能性があるということである。すなわち、かなり短い期間で対応し、デスケーリングを開始しなければならない。当該フローヒータがいったん詰まってしまうと、石灰をデスケーリング剤で溶かし、当該フローヒータを再び石灰のない状態にすることは、もはや不可能である。反対に、ここで提示された、流出口の方向に拡大する流路断面積においては、流路断面積が不変の場合と比べて、流量の減少、ひいては流路の詰まりが格段にゆっくりとなる。したがって、例えばレストランや小売店の営業終了後にデスケーリングを実施する時間が多く残り、その結果全体として動作信頼性が改善される。
【0016】
飲料調整のための温水を生じせしめるために断面積が拡大していく流路を当該フローヒータで使用することは、基本的に当該フローヒータ内での石灰沈着状態の検出とは無関係であり、そのために自動検知機能なしでも、上述のように使用できる。そのようなフローヒータを備えた当該自動ホットドリンク調製装置は、その流路断面積が少なくとも一方の端領域で流出口の方向に拡大することから、独立した発明的観点を示しており、本願においては独立した請求の範囲に記載されている。
【0017】
当該ホットドリンク調整するための装置においては、好ましくは、飲料選択後に自動的に選択したホットドリンクが用意され、及び用意された飲料容器に吐出される、自動飲料調整装置であってよい。特に自動飲料調整装置においては、当該フローヒータの自動デスケーリングのためのデスケーリングシステムが備えられていると、適切である。このようにして、必要になるとすぐに、任意の時間に、大きな手間もなく、当該フローヒータのデスケーリングが実施され得る。一般にこれは、作動の開始時又は終了後に、操作者による一回のボタン押下により行われる。当該飲料調整装置は、さらなる操作ステップ、例えばデスケーリングカートリッジ又はそれに類似したものの使用が要求されることなしに、当該フローヒータのデスケーリングのために必要な工程が実施される。
【0018】
好ましい一実施形態においては、当該デスケーリングシステムは、デスケーリング剤溶液を混合するための混合タンク、デスケーリング濃縮液用の貯蔵タンクの収納スペース、及び、デスケーリング濃縮液を当該貯蔵タンクから当該混合タンクへ配量して送るための配合ポンプを含んでいる。これにより、当該混合タンク内においては必要に応じて、つまりデスケーリングプロセスが実施されるべき時に、当該飲料調整装置から自動で配合ポンプを介して当該貯蔵タンクから当該混合タンクへ送られる流動的なデスケーリング濃縮液と水とを混合して当該デスケーリング剤溶液にする。
【0019】
液状のデスケーリング濃縮液の使用は、有利には、当該飲料調整装置に濃縮量を複数のデスケーリングプロセスのために貯蔵でき、その結果貯蔵タンクの交換又は補充が、デスケーリングプロセスが頻繁であっても、大きな時間間隔でしか必要にならない。このことは、必要なメンテナンス費用を格段に低減し、操作者が技術知識なしにデスケーリングを定期的に実施することを可能にする。加えて、液状のデスケーリング濃縮液は、簡単で失敗なく配合ポンプを介して配量できるので、当該デスケーリング剤溶液が自動的に、常に正しい、所望の配量で混合され得る。
【0020】
適切には、当該飲料調整装置は給水ポンプを含んでおり、当該給水ポンプが、例えば上水接続のような上水管又は当該自動飲料調整装置で使用される水タンクから水を取得し、当該フローヒータへ送出する。当該給水ポンプは、特にエスプレッソコーヒーを調整するために必要な均一で十分な高圧を供給し、美しく安定したクレマを保てるようにする。
【0021】
当該装置に取り付けられている流量計は、特に当該給水ポンプを使用して送出される水の体積測定のために備えられている。体積測定用のこのような流量計は、本発明の範囲において複数の観点から同時に以下のような利点を提供する。一方において、流量計を介して、デスケーリング剤溶液を混合するために当該給水ポンプを介して当該混合タンクに充填される新鮮水の体積が測定できる。他方において、当該流量計を使用して、上述のように、当該フローヒータを通って流れる流量、つまり時間単位あたりの体積量を測定し、そこから当該フローヒータの石灰沈着状態が算出される。最終的に当該流量計は、当然、様々なホットドリンクを調整する際の一人分の新鮮水を計量するためにも使用される。
【0022】
本発明の一実施形態においては、当該給水ポンプは、吸い込み側において、第一の方向制御弁を介して切り替え可能に、その中でデスケーリング剤溶液を収容されるか又は混合される、混合タンクの取水導管と接続可能である。これにより、第一の方向制御弁の切り替えられた弁位置において、当該デスケーリング剤溶液は当該混合タンクからフローヒータに送出され得る。
【0023】
本発明の別の一実施形態においては、当該給水ポンプは、吐き出し側において、第二の方向制御弁を介して切り替え可能に、当該混合タンクの給水管と接続可能である。それゆえに、当該混合タンク内においてデスケーリング剤溶液を混合するために、第二の方向制御弁の切り替えられた弁位置において、当該給水ポンプから水が当該混合タンクに送出され得る。
【0024】
本発明の範囲において備えられた当該ドレン弁は、自動デスケーリングプロセスの範囲において、好ましくは切替位置にされ、当該位置においては当該デスケーリング剤溶液が当該フローヒータを貫流後に当該ドリンク流出口の方向に、例えば抽出ユニットへと導かれずに、直接排水管又は対応する排水収集タンクに到達する。当該デスケーリング剤溶液を通常の飲料流出口からは出さないようにすることで、うっかり誤操作しないよう、例えばデスケーリング剤溶液が客用飲料容器に入ることのないよう、防止される。
【0025】
デスケーリングプロセスを全自動で実施するために、本発明の範囲において、プログラミングできる制御装置が有意義かつ有利であり、当該制御装置は、自動デスケーリングプロセスを実施するために当該配合ポンプを制御して、予め定められた量のデスケーリング濃縮液を当該貯蔵タンクから当該混合タンクに送出するようにプログラミングされており、さらに、当該給水ポンプを当該混合タンクの当該給水管と接続するために当該第二の方向制御弁を切り替え、かつ、当該給水ポンプを制御して、予め定められた量の水を当該混合タンクに送出するようにプログラミングされ、さらに、当該第一の方向制御弁を切り替え、当該給水ポンプを吸い込み側において当該混合タンクと接続し、かつ、当該デスケーリング剤溶液を当該混合タンクから当該フローヒータに送出するようにプログラミングされている。
【0026】
本発明の範囲において、さらに、ホットドリンクを調整するための水を加熱するフローヒータを有する、ホットドリンクを調整する装置において石灰沈着状態を特定する方法がある。本方法においては、流量計を使用して当該フローヒータを通って流れる水の流量が測定され、及び、当該流量に基づいて当該石灰沈着状態が特定される。本発明においては、当該石灰沈着状態の特定中に、貫流通過方向において当該フローヒータの後ろに配置されているドレン弁が切替位置に切り替えられ、該位置において当該フローヒータ(10、20)を流れる水が、当該装置のドリンク流出口の方向に導かれるのではなく、直接排水管又はリザーバに導かれる。
【0027】
本発明のその他の利点及び特性は、当該図面を参照して行われる、以下に述べる実施例の説明から判明する通りである。ここで、各図は以下を示している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】二つのフローヒータ及び当該フローヒータを自動デスケーリングするための統合式のデスケーリングシステムを有する全自動飲料調製装置における水のフローチャートを示す図である。
【
図2】当該フローヒータ出口の水温の時間経過の測定図及び当該ドレン弁の切替状態である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、いわば水フローチャートの形で、例えば全自動コーヒーメーカに使用されるタイプのホットドリンク調製装置の構造が示されている。ホットドリンクを調製するための熱湯の発生にはフローヒータ10が使用される。水の流れ方向において、当該フローヒータ10の上流には、一本の導管13を介して当該フローヒータ10に接続されている給水ポンプ11並びに流量計12が位置している。当該フローヒータ10の熱湯出口には、一本の導管14を介して、複数の方向制御弁15a、15b、15c及び16が接続されている。任意で、さらに、当該フローヒータ10の当該入口には圧力計17が、及び当該フローヒータ10の当該出口には温度センサ18が配置されていてよい。
【0030】
当該装置は、熱湯発生のために設けられた当該フローヒータ10に加えてさらに、同じくホットドリンクの調製―例えば、ミルク又はその他の飲料の再加熱又は泡立て―に使用することのできる蒸気を発生させるために使用される、一つの第二のフローヒータ20を有している。ここで蒸気の発生に使用される当該第二のフローヒータ20も、本発明の趣旨において、同じく、広義の熱湯発生器として理解される。
【0031】
当該第二のフローヒータ20の上流には、同じく、一本の導管23を介して当該フローヒータ20の当該流入口に接続されている給水ポンプ21並びに流量計22が位置している。当該フローヒータ20の当該熱湯ないし蒸気出口には、一本の導管24を介して、異なった方向制御弁25a、25b、26が接続されている。任意で、さらに、当該フローヒータ20の当該入口には圧力計17が、及び当該フローヒータ20の当該出口には温度センサ28が配置されていてよい。
【0032】
当該双方の流量計12、22は、本実施例において、それぞれ当該給水ポンプ11、21の前に配置されている。ただし、当該流量計12、22を、流れ方向において、当該給水ポンプ11、21の後に配置することも、同じく可能である。吸い込み側において、当該双方の給水ポンプ11、21は、一本の上水管30及び一つのオプショナルな切替弁31を介して、当該公共供給網の上水接続32又は当該装置に設けられた給水タンク33に接続されている。公共供給網32に接続される場合には、当該導管に、遮断弁34、逆止め弁35並びに減圧弁36が設けられている。
【0033】
当該給水ポンプ11は、接続された当該上水管30から、当該導管13を介して、当該フローヒータ10へ上水を送出し、当該上水は、同所から、当該方向制御弁15bを介して、抽出ユニット50へ送出されることができる。当該抽出ユニット50は、それ自体として公知の方法で、供給された当該熱湯を沸騰させ又は当該抽出ユニットを予熱することのできるヒータ51と、小分けされた挽きたてのコーヒー粉末53が満たされる抽出チャンバ52とを含んでいる。本発明の範囲において使用することのできる抽出ユニットは、例えば、欧州特許出願公開第2561778号明細書に開示されており、不要な反復を避けるため、当該文献の開示内容はすべて本引証によって本願明細書に引用されることとする。
【0034】
当該抽出ユニット50は、予め当該全自動コーヒーメーカのコーヒーミルで小分けされて挽かれたばかりの、小分けされた当該分量のコーヒー粉末を満たすために開放可能に設計されている。さらに、当該抽出プロセス完了後に抽出ユニットが開放されると、残っているコーヒー出し殻を、出し殻容器に排出することができる。当該抽出ユニットは、さらに、満たされた当該コーヒー粉末を当該抽出チャンバ内に配された抽出ふるいに向かって圧縮する可動式ピストンを有している(不図示である)。当該ピストンが後退復帰した後、こうして圧縮された当該コーヒー粉末に、当該ポンプ11によって加圧された当該フローヒータ10からの抽出水を貫流通過させることができる。抽出完了した当該コーヒーは、当該抽出ユニット50から、一本の送り導管を介して、コーヒー飲料用の注出口55へ導かれる。当該方向制御弁15aを介して、熱湯を、例えば、洗浄目的のため又はインスタント飲料を調製するために、当該注出口55へ直接に導くことも可能である。さらにまた、熱湯を、当該方向制御弁15cを介して、例えば、ティーを調製するために使用される別の熱湯注出口56へ導くことも可能である。
【0035】
当該第二のフローヒータ20によって発生させられた蒸気は、当該方向制御弁25aを介して、例えば、ミルクを発泡させるために、いわゆる蒸気ランス57へ導くことができ、蒸気はさらにまた、当該方向制御弁25bを介して、例えば、別の導管(不図示である)を介してもたらされるミルクを温め又は発泡させるために、当該注出口55へ導かれることも可能である。
【0036】
方向制御弁として形成されたドレン弁16及び26は、当該フローヒータ10ないし当該フローヒータ20の当該熱湯出口を、いわゆるドレン系、したがって、排水導管又は排水用の排水収集タンクに接続するために使用される。これは、とりわけ、当該付属のフローヒータ10、20のデスケーリングのために、当該フローヒータ10、20を貫流通過させられるデスケーリング液を排出するために不可欠である。
【0037】
ただし、当該双方のドレン弁16、26は、当該フローヒータの予熱相において同所を貫流する当該水を当該排水管又は当該排水収集タンクへ導くためにも使用される。こうして、加熱された水ないし水蒸気は、所定の最低温度に達した後に初めて、当該出口の方向へ導かれるようにすることが保証される。他方、当該予熱プロセスの間にまだ十分に温まっていない水は排水として排出され、したがって、注出口55、56、57のいずれにも達することはできない。
【0038】
図2には、当該ドレン弁16の温度推移並びに当該スイッチング状態が示されている。この場合、当該ドレン弁16は、非通電時開電磁弁として形成されている。当該フローヒータ10の出口で当該温度センサ18によって測定された当該温度カーブはTPで、当該ドレン弁16の当該コイル電流はDVで表されている。これらのカーブは理想化されて示されている。実際は、当該温度変化は温度調節に応じてわずかな変動がある場合がある。
【0039】
製品調製の最初に、当該給水ポンプ11はスイッチオンされて、当該供給管30から当該フローヒータ10の方向へ水をポンピング送出する。当該ドレン弁16は非通電であり、したがって、開放されており、水は当該フローヒータ10から到来し、導管14を介して排水系に至る。その際、当該弁15a、15b及び15cは閉じている。当該フローヒータ出口の水温TPは、先行温度に相当し、この場合は約24°Cである。
【0040】
ある時点t1に、当該フローヒータ10の当該ヒータはスイッチオンされている。温度TPはここで、最大で設定された目標温度まで上昇する。これは、第一の製品調製のために80°Cである。当該時点t2に、当該目標温度は到達されている。当該ドレン弁16は閉じられて(コイル電流オン)、当該弁15bが開放され、こうして、十分に熱い熱湯は、もはや配水系ではなく、当該抽出ユニット50へ導かれる。注出口55で注出されるコーヒードリンクの調製が開始する。水温TPは、フローヒータ10のヒータ出力の制御によって制御精度の範囲で一定に保たれる。当該温度変化は
図2においては上述のとおり理想化されて示され、当然制御精度の範囲で変動する可能性がある。
【0041】
ある時点t3に、コーヒードリンクの調製が完了する。当該弁15bは閉じられ、当該ドレン弁16は開かれる。同時に、当該フローヒータ10の加熱がスイッチオフされる。当該ポンプ11が引き続き水を送出するため、加熱がスイッチオフされると、フローヒータ10の出口の水温は、ゆっくり低下する。ある時点t4に、当該給水ポンプ11がスイッチオフにされ、もはや水は流れず、導管内に残っている残留水の温度はほぼ一定に保たれるか、又はゆっくり低下する。
【0042】
第二の製品調製は時点t5に、当該給水ポンプ11及び当該フローヒータ10のスイッチオンにより開始する。当該ドレン弁16は依然として開いており、その結果水が当該フローヒータ10からさらに排水口に導かれる。当該水温TPは、再び上昇する。なぜなら当該フローヒータの当該ヒータが温まるからである。第二の製品調製の目標温度は、92°Cである。当該時点t6で目標温度に達すると、当該ドレン弁16が閉じ、当該弁15bが当該抽出チャンバ50に対して開く。当該製品調製の完了後、当該時点t7で当該弁15bが再び閉じ、当該ドレン弁16が開く。さらに、当該フローヒータの10当該ヒータがスイッチオフされる。今は再び冷えた水が排水口に導かれ、当該時点t8まで当該給水ポンプ11がスイッチオフになる。当該フローヒータは、貫流する水によって冷却され、当該石灰沈着が防止される。
【0043】
基本的に、期間t1~t2とt5~t6の間すなわち加熱中も、期間t3~t4とt7~t8の間すなわち冷却中も、当該ドレン弁は開いており、それによってこの相においては、当該フローヒータを貫流する当該流量の測定が実施可能である。このようにして測定された流量が時間と共に大幅に低下して最低流量を下回ると、このことから当該フローヒータ10を通る当該流路が石灰沈着によって狭くなり、それ故にデスケーリングプロセスを実施しなければならないことが結論づけられる。これは本実施例においては手動で開始され、その後自動的に実施される。
【0044】
このために、統合式のデスケーリングシステム40が備えられており、これについては以下において説明する。当該デスケーリングシステム40は、一つの混合タンク41、一つのデスケーリング濃縮液用の貯蔵タンク42及び一つの配合ポンプ43を含んでいる。当該給水ポンプ11、21の吸い込み側に位置する共通の当該上水管30は、デスケーリングのために当該混合タンク41からデスケーリング剤溶液を吸い込んで、当該フローヒータ10、20へ送出するために、切替弁44を介して、当該混合タンク41の底にまで達する一本の吸込管49と接続可能である。当該デスケーリング剤溶液は、予め当該配合ポンプ43を介して適量の当該デスケーリング濃縮液が当該供給管48を介して当該混合タンクへ送出されることにより、当該混合タンク41内で混合されて生成される。
【0045】
吐き出し側で当該ポンプ11に接続されている当該導管13と接続された方向制御弁45を介して、当該給水ポンプ11により、新鮮水が導管47を介して、当該混合タンクに供給されることができる。この場合、供給された当該新鮮水の当該量は、当該流量計12によって測定することができるため、所定量の水が当該混合タンク41に満たされた後、当該弁45は閉鎖可能である。
【0046】
当該デスケーリング剤溶液が当該混合タンク41内で混合されて生成された後、当該弁44を介して、当該導管30が当該吸込管49と接続可能である。続いて、当該ドレン弁16が開放され、当該給水ポンプ11を介して、当該デスケーリング剤溶液が当該混合タンク41から当該フローヒータ10を貫流して送出される。続いて、当該切替弁44が再び運転ポジションに復帰させられ、同所で、導管30は当該公共上水接続32又は当該給水タンク33と接続され、当該給水ポンプ11によって、当該フローヒータ10が再び、新鮮水で通過洗浄される。逆止め弁46により、場合によりなお導管30内に残存しているデスケーリング剤溶液が当該新鮮水タンク33内へ逆流することが防止される。同様にして、当該フローヒータ20も、当該給水ポンプ21を介してデスケーリング剤溶液が当該混合タンク41から当該フローヒータ20を貫流して、さらに、当該ドレン弁26を介して当該流出口へと送出されることにより、デスケーリングされて洗浄されることができる。
【0047】
たとえ、当該フローヒータ20が、本実施例において、蒸気の発生に使用されようとも、当該ヒータは、本発明の趣旨において、同じく、広義の熱湯発生器として理解される。当該デスケーリングシステム40の当該方向制御弁45が、導管13を介して当該給水ポンプ11に接続される代わりに、当該導管23を介して当該給水ポンプ21と接続されていてもよいことは明白である。本実施例において使用される当該フローヒータ10、20は、いわゆるカートリッジヒータの形のコンパクトなフローヒータである。これは、電気加熱ワイヤを備えた薄肉の円筒状内部本体を有し、その周面は、外側に、螺旋状に延びる溝を備えており、当該溝は、外側に向かって、外側円筒状ジャケットによって限界され、こうして、加熱される導管流水のための流路を形成する。この種のカートリッジヒータは、例えば文献国際公開第2013/189869号に開示されており、不要な反復を避けるため、当該文献の開示内容はすべて本引証によって本願明細書に引用されることとする。末端に向かって、すなわちフローヒータ出口の方向に、溝の断面積が拡張する。これにより、末端に向かって石灰沈着の厚み増大、すなわち石灰沈着の事前検知は、及び完全な詰まりの除去は、事前にはできず、それによりフローヒータが使用不能になり得る。
【0048】
本実施例において示した当該自動ホットドリンク調製装置は、プログラミングできる制御装置60及び当該制御装置60と接続されたタッチパネル式ディスプレイ又はその他の表示・入力ユニットの形の一つのユーザインタフェース61を有する。当該制御装置60を介して、当該給水ポンプ11、21及びいっさいの方向制御弁の当該機能、当該フローヒータ10、20並びに当該デスケーリングシステム40及びその配合ポンプ43の当該機能が制御される。当該制御装置は、当該流量計12、22から当該測定値も読み出す。したがって、当該制御装置60を介して、通常運転中に、コーヒー飲料又はその他のホットドリンクの当該調製が制御可能であると共に、当該デスケーリングシステム40による当該フローヒータ10,20のデスケーリングも実施可能である。両方の流量計12、22を介して、当該制御装置60は、予め定められた量の水が付属するフローヒータ10又は20に流れるまでどのぐらいの時間がかかるのかをつきとめる。ここから、当該フローヒータ10、20のデスケーリング状態が見積もられ、その結果当該制御装置がグラフィックユーザインタフェース61を介して、自動デスケーリングプロセスが必要であるというメッセージを生成できる。そうすれば、ユーザはユーザインタフェース61の適切な入力手段で自動デスケーリングプロセスを作動又はオンにできる。
【0049】
石灰沈着を検知するために、当該制御装置60内に検知機能が、例えば適切なソフトウェアルーチン、プログラムモジュール、サービスの形で又はそれに類するものが実装され、これは検知を実施する前に、当該ドレン弁16又は26が開いているかどうか及び当該給水ポンプ11又は21がオンにされているかどうかを検査し、及びこれを必要に応じて指示し、及びそれに続いて、流量計12又は22を使用して、当該当するフローヒータ10、20の流量を測定する。流量に加え、適切な圧力計17又は27を介して当該フローヒータ10又は20の入口において圧力も測定し、測定された圧力値に基づいて、測定流量が修正され得る。この、必要に応じて統一された入口圧力で標準化された流量が、時間とともに、すなわち複数の加熱サイクルと冷却サイクルにわたって最低流量を下回ると、デスケーリングプロセス実施が必要であるというメッセージが生成される。
【0050】
当該デスケーリングプロセスを実施するために、既述したように、まず計量した量のデスケーリング濃縮液が当該貯蔵タンク42から当該混合タンク41へ送出され、及び続いて当該方向制御弁45を介して当該混合タンク41に新鮮水が充填される。当該デスケーリング剤溶液は、次に当該当するフローヒータ10又は20に導かれ、当該フローヒータをデスケーリングする。続いて新鮮水で後洗浄される。全自動コーヒーメーカはこれで再び作動可能な状態になる。
【0051】
デスケーリング濃縮液として、例えばレモン酸、リンゴ酸又はワインビネガーのような濃縮溶液を使用してよい。当該デスケーリング濃縮液は使い捨て包装に充填されているか、又は充填可能な貯蔵タンクに必要に応じて補充されてよい。この場合、当該貯蔵タンクは自動飲料調整装置に固定して備えられていてよいが、好ましくは充填又は交換のために取り外し可能であってよい。使い捨て容器の場合、これは例えば、取り出しランス又はロッドを差し込むことで開かれるか、又は当該配合ポンプと接続されてよい。