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特許7003240マイクロ流体システムにおける粘度を測定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】マイクロ流体システムにおける粘度を測定する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/00 20060101AFI20220203BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20220203BHJP
   C12Q 1/04 20060101ALI20220203BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G01N11/00 C
G01N21/64 Z
C12Q1/04
C12N1/20 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020518578
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2018065407
(87)【国際公開番号】W WO2018229018
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】17175474.0
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519317147
【氏名又は名称】ビオミレニア ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ダジコヴィッチ アレクサンデル
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-533079(JP,A)
【文献】特表2011-522546(JP,A)
【文献】国際公開第02/086472(WO,A1)
【文献】特開2003-194691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0309715(US,A1)
【文献】特表2005-514947(JP,A)
【文献】特表2009-506332(JP,A)
【文献】特表2017-534685(JP,A)
【文献】国際公開第2010/141263(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0079001(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0227880(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00-13/04
G01N 21/64
C12Q 1/04
C12N 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体システムにおけるマイクロ液滴の粘度を測定するためのマイクロ流体方法であって、以下の工程を含むマイクロ流体方法:
(i)マイクロ液滴を提供すること、ここで、前記マイクロ液滴は、流体および蛍光分子を含む、
(ii)マイクロ流体システムにおいて、マイクロ液滴に光を照射することによって前記マイクロ液滴内の蛍光分子を励起すること、および
(iii)マイクロ液滴から放出される結果として生じる蛍光を測定し、それによってマイクロ液滴中の流体の粘度を決定すること。
【請求項2】
蛍光分子によって放出される蛍光が、マイクロ液滴中の流体の粘度に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)蛍光分子は、マイクロ液滴中の流体の粘度に反比例する回転拡散を受け、および/または
(ii)蛍光分子は、光励起時にねじれ分子内電荷移動を形成する分子ローターであり、したがって、2つの競合する脱励起経路を示し、その相対強度は粘度に応じて異なる、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(i)蛍光分子が回転拡散を受けるときの蛍光異方性シグナルを決定すること、および/または
(ii)蛍光分子が分子ローターである場合の発光強度を測定すること、によって、
前記マイクロ液滴から放出される蛍光の測定を実行する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記蛍光分子が、ベンゾニトリル系フルオロフォア(DMABN(ジメチルアミノベンゾニトリル)など)、ベンジリデンマロノニトリル(DCVJ(9-(2,2-ジシアノビニル)ジュリジン)など)、スチルベン(p-DASPMIなど)、アリメタン色素(クリスタルバイオレットなど)、ビスコスブルー1(商標)、ビスコスブルー2(商標)、ビスコスブルー420(商標)、ビスコスグリーン1(商標)、ビスコスグリーン2(商標)、ビスコスUV(商標)、ビスコスアクア(商標)、ビスコスレッド(商標)、ビスコスVpH(商標)の群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
(i)マイクロ液滴の形成中に、または
(ii)ナノインジェクションやピコインジェクションなどの方法によってマイクロ液滴を形成した後に、
蛍光分子がマイクロ液滴に導入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
マイクロ液滴が10pL~5000nLの体積を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
マイクロ液滴が少なくとも1つの微生物を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記微生物が、前記マイクロ液滴中の前記流体の粘度に影響を及ぼす、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記微生物が、物質を流体中に分泌することによって粘度に影響を及ぼす、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
粘度調節化合物を産生する微生物または細胞をスクリーニングする方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)少なくとも1つの微生物または細胞を含む組成物を提供すること、
(b)任意に、前記微生物または細胞を、少なくとも1つの微生物または細胞の遺伝物質の変化につながる反応にかけること、
(c)(a)または(b)で得られた微生物または細胞を、各マイクロ液滴が統計的に1つの微生物または細胞のみを含むように、マイクロ液滴にカプセル化すること、
(d)請求項1~10のいずれか1項に記載の方法によって、マイクロ液滴の各粘度を測定すること、および
(e)任意に、所望の粘度を有するマイクロ液滴を単離し、それによって所望の特性を有する粘度調節化合物を産生する微生物または細胞を単離すること。
【請求項12】
(b)が、遺伝子修飾、自然形質転換、ファージによる形質導入、結合およびランダム突然変異誘発、または遺伝暗号を修飾する任意の他の手段の群から選択される反応によって行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
所望の粘度を有するマイクロ液滴が、蛍光活性化選別によって単離される、請求項11および12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記微生物が細菌である、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
マイクロ流体システムにおけるマイクロ液滴中の流体の粘度を測定するための蛍光分子の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体システムおよびこのようなシステムを使用する方法の分野に属する。より具体的には、マイクロ流体システムは、その中に含まれるマイクロ液滴の粘度の差を測定するために使用される。
【背景技術】
【0002】
粘度測定は、伝統的に、その基礎となる技術を変えることができる粘度計またはレオメーター(rheometers)(粘度計の場合:落下球粘度計、U字管粘度計、落下ピストン粘度計、振動粘度計など;レオメーターの場合:動的剪断レオメーター、回転シリンダー、コーンおよびプレートなど)を用いて行われる。典型的には1ml~5mlの流体容量が使用され、実際の測定方法は1分~5分を必要とする。全ての機械的方法は、流体が剪断力を受け、これらの力に対する流体の抵抗(内部摩擦)が測定されるという共通点を有する。流体の内部摩擦は異なる速度の層間の動的粘度および速度勾配(すなわち、剪断速度)に比例する。全ての場合において、比較的多量のサンプル流体および遅い測定プロセスは、小さなサンプルまたは局所領域におけるリアルタイム粘度測定を妨げる。最後に、機械的粘度計は、器具の表面に付着する生物学的サンプル中に存在するタンパク質によって影響を受ける。これは、測定の間に綿密な洗浄を必要とするだけでなく、測定プロセスの間のタンパク質堆積による別の誤差源を導入することもある。
【0003】
これらの欠点に加えて、伝統的な測定方法は面倒で時間がかかり、高価な機器を必要とし、バルクサンプルサイズに制限される。
【0004】
したがって、既知の方法の欠点を伴わずに化合物の粘度を測定することを可能にする方法が、当技術分野において必要とされている。
【0005】
本発明者らは驚くべきことに、マイクロ流体システムにおいて小さな液滴の粘度を測定することが可能であることを見出した。彼らは、液滴内に含まれるフルオロフォアの蛍光発光を測定することによってこれを行うことができた。したがって、本発明は粘度測定に必要な体積を小型化し、多くの異なる物質の粘度の測定を大規模に平行化することを可能にする。
【0006】
関連する問題は、食品および化粧品産業において、粘度調節化合物および微生物がしばしば、製品中の主要成分または原料として求められることである。それにもかかわらず、現在、それらを産生するそのような化合物または微生物を効率的に見つけ出すことを可能にする技術は存在しない。
【0007】
本発明によって提供される解決策は、微生物、またはより一般的にはその周囲の培地の粘度を改変する細胞のマイクロ流体スクリーニングを使用することである。本発明は、液滴がそれらの粘度に基づいて互いに区別され得るという驚くべき発見に基づいている。本発明者らは実際に、驚くべきことに、フルオロフォアを含む液滴が、それらの粘度に応じて異なる蛍光を有することを見出した。この差は測定可能であり、所望の粘度を有する液滴を選択することを可能にする。したがって、本発明は、多数の微生物または細胞をスクリーニングして、所望の特性を有する粘度調節化合物(viscosity-modulating compounds)を産生(produce)する微生物または細胞を見つけ出すことを可能にする。
【発明の概要】
【0008】
本発明はマイクロ流体システムにおいてマイクロ液滴中の粘度を測定するためのマイクロ流体方法に関し、この方法は、(i)マイクロ液滴を提供することであって、マイクロ液滴が流体および蛍光分子を含むことと、(ii)マイクロ流体システムにおいて、マイクロ液滴に光を照射することによって前記マイクロ液滴中の蛍光分子を励起することと、(iii)マイクロ液滴から放出される結果として生じる蛍光を測定し、それによってマイクロ液滴中の流体の粘度を決定することとを含む。
【0009】
本発明はまた、粘度調節化合物を産生する微生物または細胞をスクリーニングする方法に関し、以下の工程を含む:(a)少なくとも1つの微生物または細胞を含む組成物を提供すること、(b)任意に前記微生物または細胞を、少なくとも1つの微生物または細胞の遺伝物質に変化をもたらす反応にかけること、(c)(b)で得られた微生物または細胞をマイクロ液滴にカプセル化すること(ここで、各マイクロ液滴は統計的に1つのみの微生物または細胞を含む)、(d)本発明の方法によって(すなわち、マイクロ液滴中のフルオロフォアの蛍光を測定することによって)各マイクロ液滴中の粘度を測定すること、および(e)任意に所望の粘度を有するマイクロ液滴を単離し、それによって所望の特性を有する粘度調節化合物を産生する微生物または細胞を単離すること。
【0010】
本発明はさらに、マイクロ流体システムにおけるマイクロ液滴中の流体の粘度を測定するための蛍光分子の使用に関する。
【0011】
本明細書において、マイクロ流体システムは、「マイクロ流体デバイス」または「マイクロ流体チップ」または「合成チップ」または「ラボオンチップ」または「チップ」がマイクロチャネルを含む基板へのマイクロリットルまたはナノリットルまたはピコリットルの液体の操作および移動を可能にするユニットまたはデバイスである。装置は、機械的または非機械的ポンプを使用して、試薬および溶媒を含む液体の操作がマイクロチャネルおよび反応チャンバ内で移送または運搬されることを可能にするように構成される。
【0012】
本明細書では、「流路」または「チャネル」が流体または溶液が流れることができるマイクロ流体チャネルを手段する。当技術分野で知られているように、そのようなチャネルは、約1mm未満、約0.5mm未満、約0.3mm未満、または約0.1mm未満の断面を有してもよい。本出願の流路はまた、約0.05ミクロン~約1,000ミクロン、または0.5ミクロン~約500ミクロン、または約10ミクロン~約300ミクロンの範囲の断面寸法を有してもよい。流路の特定の形状およびサイズは、所望の処理量を含む、反応プロセスに必要とされる特定の用途に依存し、所望の用途に従って構成およびサイズ決定され得る。
【0013】
本明細書で使用されるマイクロ流体「弁」(または「マイクロ弁」)は、流路、溶媒または試薬リザーバ、反応チャンバ、カラム、マニホルド、温度制御要素および装置などの間の流れを含む、マイクロ流体装置の様々な構成要素間の流体または溶液の流れを制御または調節するように制御または作動され得る装置を意味する。このような弁は当技術分野で公知であり、例えば、機械的(またはマイクロメカニカル弁)、(圧力作動)エラストマー弁、空気圧弁、固体状態弁などを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】DCVJからの蛍光シグナル(y軸)は、緩衝液を有する液滴(x軸上の低いシグナル)および5mg/mLのヒアルロン酸を含有する液滴からのものである。
図2】フッ素化油のための入口、細胞(およびおそらく蛍光分子)を含有する水溶液のための入口、および液滴のための出口を示す液滴作製チップ設計。
図3】液滴ナノインジェクションデバイス(2)の典型的な設計の図である。
図4】ナノインジェクションのプロセスの写真。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明はマイクロ流体システムにおいてマイクロ液滴中の粘度を測定するためのマイクロ流体方法に関し、(i)マイクロ液滴を提供するステップであって、マイクロ液滴が流体および蛍光分子を含むステップと、(ii)マイクロ流体システムにおいて、マイクロ液滴に光を照射することによって前記マイクロ液滴中の蛍光分子を励起するステップと、(iii)マイクロ液滴から放出される結果として生じる蛍光を測定し、それによってマイクロ液滴中の流体の粘度を決定するステップとを含む。
【0016】
マイクロ流体システムは、流路および弁を含んでもよい。
【0017】
検出は、通過する液滴をレーザーで調べ、放出された蛍光を測定することによって、流路内で行われる。次いで、放出された蛍光は、マイクロ液滴の流体の粘度を計算するためにまたは少なくとも粘度の変化を検出するために使用される。
【0018】
好ましくは、蛍光分子によって放出される蛍光がマイクロ液滴中の流体の粘度に依存する。
【0019】
蛍光シグナルを測定することによって粘度を決定するための2つの可能な方法、および採用され得る2つの対応するクラスの蛍光分子が存在する。
【0020】
第1に、マイクロ流体プラットフォーム上の蛍光異方性シグナルの検出と結合した液滴中の大部分の蛍光分子の取り込みは、液滴中の粘度差の検出を可能にする。液滴中のフルオロフォアは、媒体の粘度に反比例する回転拡散を受ける(アインシュタイン-スモルコフスキーの関係式)。粘度が増加した媒体では、粘度がより低い媒体と比較して、回転拡散は減少する。偏光が、回転する蛍光分子に照射されると、放出されたシグナルの一部は偏光されたままであり、シグナルの別の一部は多くの工程のために脱分極されるようになり、その中で、フルオロフォアの回転拡散が主要なものである。脱偏光された放出光に対する偏光された放出光の比は、蛍光異方性と呼ばれる。したがって、異方性シグナルは、媒体の粘度を示す。
【0021】
第2のアプローチとして、分子ローターを含む蛍光分子を液滴に組み込むことができる。分子ローターは、光励起時にねじれ分子内電荷移動(TICT)状態を形成し、そしてこれによって、2つの競合する脱励起経路、すなわち、TICT状態からの蛍光放出および非放射性脱励起を示す蛍光分子の群である。TICT形成は粘度に依存するので、分子ローターの放出強度は溶媒の粘度に依存する。
【0022】
したがって、好ましくは、(i)蛍光分子は、マイクロ液滴中の流体の粘度に反比例する回転拡散を受け、および/または(ii)蛍光分子は、光励起時にねじれ分子内電荷移動を形成し、そしてこれによって、2つの競合する脱励起経路を示し、その相対強度は粘度に応じて異なる。
【0023】
したがって、マイクロ液滴から放出される蛍光の測定は、(i)蛍光分子が回転拡散を受けるときの蛍光異方性シグナルを決定することによって、および/または(ii)蛍光分子が分子ローターであるときの放出強度を測定することによって行われる。
【0024】

好ましくは、蛍光分子は、ベンゾニトリル系フルオロフォア(例えば、DMABN(ジメチルアミノベンゾニトリル)、ベンジリデンマロノニトリル(例えば、DCVJ(9-(2,2-ジシアノビニル)ジュリジン))、スチルベン(例えば、p-DASPMI))、アリメテン色素(例えば、クリスタルバイオレット)、ビスコスブルー1(商標)、ビスコスブルー2(商標)、ビスコスブルー420(商標)、ビスコスグリーン1(商標)、ビスコスグリーン2(商標)、ビスコスUV(商標)、ビスコスアクア(商標)、ビスコスレッド(商標)、ビスコスVpH(商標)の群から選択される。
【0025】
蛍光分子は、(i)マイクロ液滴の形成中、または(ii)染料を含有する液滴との受動液滴融合のような方法によるマイクロ液滴の形成後、または(iii)ナノインジェクションまたはピコインジェクションのような方法によるマイクロ液滴の形成後のいずれかでマイクロ液滴に導入することができる。ナノインジェクションまたはピコインジェクションは、高電圧(例えば、20,000 Vおよび20,000Hz)を印加することによって補助され得る。あるいは、音波技術などの他の技術を使用して、試薬を液滴に添加することもできる。
【0026】
好ましくは、マイクロ液滴は、少なくとも1つの微生物または1つの細胞を含む。この微生物または細胞はスクリーニング方法に供される。必要に応じて、遺伝子変化が微生物または細胞に導入された後、それは所望の粘度調節物質を産生し得、これは生物を取り囲む流体中の粘度の変化によって検出され得る。
【0027】
本明細書中の用語「微生物」は、裸のDNAまたはRNA、ウイルス、ファージ、細菌、酵母、および他の種類の微生物を包含する。
【0028】
目的の化合物を産生するために形質転換/形質導入/形質移入または変異され得る適切な微生物または細胞としては、細菌株、古細菌株、真菌株、酵母株、藻類、植物プロトプラスト、原核細胞または真核細胞、胞子、昆虫細胞、昆虫株、ヒト細胞を含む哺乳動物細胞、昆虫細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、およびマイクロ液滴中で培養され得る任意の他の型の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施形態において、目的の化合物を産生する微生物は、細菌株、真菌株または酵母株である。最も好ましい実施形態において、微生物は、細菌性または真菌性の株である。
【0029】
理想的には、微生物は細菌であり、好ましくは細菌は遺伝子改変されていない(非GMO)。
【0030】
したがって、理想的には、微生物または細胞は、マイクロ液滴中の流体の粘度に影響を及ぼす。理想的には、微生物または細胞は、流体中に物質を分泌することによって粘度に影響を及ぼす。
【0031】
好ましくは、マイクロ液滴が2つの不混和性相を含む。マイクロ液滴が微生物または細胞を含む場合、微生物または細胞は水相にある。次いで、この相は、例えば所望の物質の産生を示す粘度の変化について調べられる。
【0032】
好ましくは、マイクロ液滴は、10pL~5000nLの体積を有する。より好ましくは、マイクロ液滴は、10pL~500nL、さらにより好ましくは10pL~100nL、さらにより好ましくは10pL~50nL、最も好ましくは10pL~20nLの体積を有する。
【0033】
液滴ベースのマイクロ流体技術は、スループットを著しく増加させ、選択可能なシステムの範囲を拡大することによって、微生物のスクリーニングにおける主要な進歩を可能にした。ピコリットルまたはナノリットルの体積に高度に単分散した液滴は、しばしばkHzの周波数で蛍光にトリガーされて、作製、融合、注入、分割、インキュベートおよびソートされ得る。典型的には、単一の細菌または酵母細胞が10pl~20nLの体積の液滴に区画化され、ロボットマイクロタイタープレートベース(robotic microtiter plate-based)のシステムと比較して、細胞の表面上において細胞内で発現されるか、または細胞から分泌される酵素のスクリーニングを可能にし、1,000倍の速度の増加および100万倍の体積(つまり、コスト)の減少を伴う。
【0034】
マイクロ流体デバイスは、小型化し、並行して多数のアッセイを実施することを可能にする強力なツールである。結果として、マイクロ流体デバイスは、スクリーニング分析またはインビトロ進化のような、多くのタイプの実験室アッセイのスループットを大幅に増加させるための理想的なツールである。
【0035】
マイクロ流体デバイスは本質的に、少量の流体の正確な操作のために使用される小さなチャネルのネットワークである。実際には流体の液滴である小型化された反応容器は、マイクロ流体システムのチャネルを通って流れる。それらの流路に沿って、液滴を操作することができる。試薬は例えば、ナノインジェクションまたはピコインジェクションのような、当該分野で公知の種々の方法によって、液滴の少なくとも部分集合に添加され得る。このような試薬は例えば、所望の特性を有する酵素が液滴中に存在する場合に蛍光性になる酵素反応のための基質であり得る。このような設定では、液滴をインキュベートし、個々の液滴の蛍光を測定する。次に、所望のレベルの蛍光を有する液滴を選択することができる。これは、例えば、ランダム突然変異を有する多数の異なる酵素をスクリーニングすることを可能にする。
【0036】
今日まで、このようなシステムにおける粘度、特にこのようなシステムにおけるマイクロ液滴中の流体の粘度を測定するためのシステムは開発されていない。これは微生物の特定の表現型についてスクリーニングする場合に重要であり、いくつかの方法は粘度の変化を測定することを必要とする。
【0037】
本発明の方法は、粘度調節化合物を産生する微生物または細胞をスクリーニングすることを可能にする。本発明者らは実際に驚くべきことに、望ましい粘度を有する化合物を産生する微生物を選択する効率的な方法を見出した。
【0038】
これは例えば、限定されるものではないが、所望の粘度を有する化合物を産生する非GMO細菌の開発を大幅にスピードアップする。
【0039】
したがって、本発明は、マイクロ液滴中の微生物の周囲の液体の粘度を測定する手段によって粘度調節化合物を産生する微生物または細胞をスクリーニングする方法にも関する。このスクリーニング方法は、液滴内部のフルオロフォアであってそれ自体が見出される媒体の粘度に応答してその放出を変化させるフルオロフォアからの放出を測定することから、マイクロ液滴内部の粘度を推測することができるという、本発明者らによる実現に基づく。したがって、スクリーニング方法は、上述のマイクロ流体システムにおいてマイクロ液滴中の粘度を測定する方法に基づく。
【0040】
粘度調節化合物を産生する微生物または細胞をスクリーニングする本発明の方法は、以下の工程を含む:
(a)少なくとも1つの微生物または細胞を含む組成物を提供すること、
(b)任意に、前記微生物または細胞を、少なくとも1つの微生物または細胞の遺伝物質の変化につながる反応にかけること、
(c)(a)または(b)で得られた微生物または細胞を、各マイクロ液滴が統計的に1つの微生物または細胞のみを含むマイクロ液滴にカプセル化すること、
(d)本発明の方法によって(すなわち、マイクロ液滴中のフルオロフォアの蛍光を測定することによって)マイクロ液滴の各粘度を測定すること、
(e)必要に応じて、所望の粘度を有するマイクロ液滴を単離し、それによって所望の特性を有する粘度調節化合物を産生する微生物または細胞を単離すること。
【0041】
好ましくは、微生物または細胞を、少なくとも1つの微生物の遺伝物質の変化をもたらす反応に供することは、組換えDNA技術またはCRISPR技術を含む反応によって、最も好ましくは、自然形質転換、ファージによる形質導入、コンジュゲーション、およびランダム突然変異誘発の群から選択される反応によって行われる。
【0042】
分子生物学において、形質転換は、細胞膜を介するその周囲からの外因性遺伝物質の直接的な取り込みおよび組み込みから生じる細胞の遺伝的変化である。形質転換が起こるためには、レシピエント細菌はコンピテンス(competence)の状態になければならず、これは飢餓状態(starvation)および細胞密度などの環境条件に対する時間制限された応答として自然に生じ得、そしてまた実験室において誘導され得る。
【0043】
形質転換は、外因性遺伝物質が細菌から別の細菌に移行する「水平遺伝子伝播(horizontal gene transfer)」のための3つの方法のうちの1つであり、他の2つは、接合(直接接触している2つの細菌細胞間の遺伝物質の移入)および形質導入(バクテリオファージウイルスによる宿主細菌への外来DNAの注入)である。形質転換において、遺伝物質は介在媒体を通過し、取り込みはレシピエント細菌に完全に依存する。
【0044】
2014年現在、約80種の細菌が形質転換可能であることが知られており、グラム陽性(Gram-positive)細菌とグラム陰性(Gram-negative)細菌との間でほぼ均等に分割されている;報告のいくつかは単一の論文によって支持されているので、その番号は過大評価である可能性がある。
【0045】
「形質転換」はまた、動物細胞および植物細胞を含む非細菌細胞への新しい遺伝物質の挿入を記載するために使用され得る;しかし、「形質転換」は動物細胞に関して特別な意味を有し、癌状態への進行を示すので、この方法は、通常、「トランスフェクション(transfection)」と呼ばれる。
【0046】
本明細書において、本発明は「自然の(natural)」形質転換に関する。
【0047】
自然形質転換は、その産物がこのプロセスの原因であると思われる多数の細菌遺伝子の発現に依存するDNA転移のための細菌適合である。一般に、形質転換は、複雑で、エネルギーを必要とする発生過程である。細菌が外因性DNAをその染色体に結合し、取り込み、組換えるためには、細菌がコンピテント(competent)にならなければならない、すなわち、特別な生理学的状態に入らなければならない。宿主染色体に組み込まれたDNAは、通常(まれな例外はあるが)、同じ種の別の細菌に由来し、したがって、常在する染色体に相同(homologous)である。
【0048】
自然形質転換の能力は多くの原核生物において生じるよい、これまで67の原核生物種(7つの異なる門)がこのプロセスを受けることが知られている。
【0049】
また、このような手段によって作製され、生物の周囲の液体中の粘性を測定することによって同定される微生物または細胞に関する。
【0050】
工業的に重要な乳酸菌の中で、ロイコノストック・カーノサム(Leuconostoc canosum)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophillus)のみが、DNAを取り込み、そして形質転換するために実証によって当然にコンピテントである(ブロンクビスト(Blomqvist)、スタインモエン(Steinmoen)、&ハヴァースタイン(Havarstein)、2006;ヘルマーク(Helmark)、ハンセン(Hansen)、ジェレン(Jellen)、ソレンセン(Sorensen)およびジェンセン(Jensen)、2004)。S・サーモフィルス(S. themorphillus)のコンピテンスは、増殖条件および増殖培地に依存し、コンピテンス刺激ペプチドが発見され(ガーダン(Gardan)ら、2009)、かつ特許されている(US 2012/0040365 A1)。
【0051】
本質的に、第1および第2の微生物が存在する。第1の生物は、第2の生物のような別の生物において有することを望む形質を有する。時には、第1の生物は、単に裸のDNAまたはファージまたはウイルスである。これは、本発明および特許請求の範囲によって包含される。
【0052】
好ましくは、2つ以上の生物のうちの第1の生物が最初から所望の形質を有し、該方法は、形質を欠く第2の生物への形質導入、結合または形質転換の手段によって、該形質の移転を検出するのに役立つ。
【0053】
この方法は、形質転換、形質導入または結合の手段によってDNA中でコードされた形質の移転に依存し、積極的に誘導される。形質は、第1の生物のプラスミド上または染色体上にコードされ得る。第1および第2の生物は、一方の生物(第1の生物)から他方の生物(第2の生物)へのDNAまたはRNAの移転を可能にする条件下でインキュベートされる。
【0054】
理想的には、微生物は形質転換にかけられる。
【0055】
本発明の文脈における「ランダム突然変異誘発」は、微生物または細胞の遺伝物質に突然変異を導入することを可能にする任意の方法を含む。多くのそのような方法が当技術分野で知られており、当業者は、どの方法が各微生物または細胞に最も適合した方法であるかを決定することができるであろう。ランダム突然変異誘発法の例には、UV光への暴露および突然変異誘発化学物質による処理が含まれる。ランダム突然変異誘発はまた、PCR増幅の間に、例えば、過誤を起こしやすいPCRを行うことによって、または、ヌクレオチドの誤った取り込みを導くPCR反応においてヌクレオチド類似体を使用することによって、行うことができる。次いで、このようなPCR法を用いて生成されたアンプリコンを、例えば、形質転換またはトランスフェクションによって微生物または細胞に導入することができる。アンプリコンは、これを行う前にプラスミドにクローニングしなければならないことがある。
【0056】
2つ以上の微生物または細胞を任意の所定の液滴中にカプセル化しないことが好ましく、それはこれが、微生物および/または細胞のどれが目的の化合物を産生するか、およびどれが産生するかを確認することを困難にするからである。その結果、マイクロ液滴の各々は、多くても1つの微生物または細胞を含む。これは、一般に、スクリーニングされる細胞よりも多くのマイクロ液滴を生成することによって達成される。この場合、液滴の大部分は空であり、液滴の一部は多くても1つの微生物または細胞を含む。
【0057】
本発明によるスクリーニング方法はさらに、カプセル化後のインキュベーション工程を含んでもよい。これは、増殖するか、または任意の工程b)から突然変異誘発処理から回復するための微生物または細胞時間を提供し、粘度の変化を検出可能にするために十分な量の粘度調節化合物を産生するために重要であり得る。一実施態様では、このステップにおけるマイクロ液滴が少なくとも1分間、好ましくは少なくとも30分間、より好ましくは少なくとも1時間、さらにより好ましくは少なくとも2時間、最も好ましくは少なくとも24時間インキュベートされる。理想的なインキュベーション時間は、正確な実験設定および微生物に依存する。
【0058】
スクリーニング方法の一実施態様では、インキュベーション温度は厳密に制御される。理想的なインキュベーション温度は、大部分、微生物または細胞の正体(identity)に依存する。大腸菌(E. coli)のようなある一定の細菌およびほとんどの哺乳動物細胞は、例えば37℃の温度で最良に増殖する。対照的に、酵母細胞は、30℃で最良に増殖する傾向がある。
【0059】
本発明の一実施態様では、所望の粘度を有するマイクロ液滴が蛍光活性化選別によって単離される。しかしながら、他の代替案も存在する。マイクロ液滴は例えば、検出器によって所望の粘度を有するマイクロ液滴を検出し、例えば、電磁場または音響波を対象液滴に印加して、収集されるべきチップの代替チャネルにそれらを押し込むことによって、対象マイクロ液滴を隔離することによって、マイクロ流体チップ上で直接単離することができる。
【0060】
本発明はまた、マイクロ流体システムにおけるマイクロ液滴中の流体の粘度を測定するための蛍光分子の使用に関する。
【実施例
【0061】
実施例1:蛍光を測定して液滴内の粘度を測定する
【0062】
分子ローターDCVJ(9-(2,2-ジシアノビニル)ジュロリジン)の概念実験の実証を行った。本発明者らは、このフルオロフォアを、緩衝液を含有する液滴中、および5mg/mLのヒアルロン酸を含有する液滴中に組み込んだ(5mg/mLのヒアルロン酸の溶液は非常に粘性である)。異なる液滴を識別できるようにするために、緩衝液を含む液滴を低濃度のスルホローダミンでさらにマーキングし、5mg/mLのヒアルロン酸を含む液滴を高濃度のスルホローダミンでマーキングした。
【0063】
結果を図1に示す。
【0064】
結果は、DCVJ蛍光が、緩衝液を含有する液滴と比較して、5mg/mLのヒアルロン酸を含有する液滴において明らかに異なることを示す。これは、適切なフルオロフォアの蛍光発光を測定することによって、液滴内部の流体の粘度が計算され得ることを示す。
【0065】
実施例2:液滴生成装置(1)の作製
【0066】
実施例2~5は、本発明によるマイクロ流体粘度およびスクリーニング実験を実施するために有用であり得る1つの実験設定を提供する。
【0067】
ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)中のソフトリソグラフィーを使用して、液滴生成デバイス(1)を調製した。SU-8フォトレジスト型枠を用いてPDMSを調製した。SU-8型枠を調製するために、SU-8の層をシリコンウェハ上にスピンコートした。ウェハを設計されたマスクで覆い、一定時間UVに暴露した。ウェハを完全に現像し、ベーキングした後、SU-8型枠はPDMSの準備ができた。本実施例における液滴作製チップのためのSU-8の厚さは200μmであった。チップによって生成される液滴体積は、SU-8の厚さに依存する。ナノリットルの液滴を生成するために、厚さは、80μmから500μmまで変化し得る。
【0068】
異なる種類のPDMSチップに対するSU-8型枠の厚さは変化する。液滴ナノインジェクションチップ、液滴選別チップのためのSU-8の厚さは、例えば、それぞれ180μmおよび350μmとすることができる。
【0069】
チップによって生成される液滴体積は、SU-8の厚さに依存する。ナノリットルの液滴を生成するために、厚さは、80μmから500μmまで変化し得る。
【0070】
SU-8型枠の調製後、PDMSをその型枠に流し込み(cast)、ガラス側に結合させた。マイクロ流体チャネルの内側部分を市販の表面コーティング剤(トリクロロ-(1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチル)-シラン、シグマ-アルドリッチ)で処理して、チャネル表面を疎水性にした。
【0071】
実施例3:菌類胞子含有液滴の生成
【0072】
チップ上に液滴を生成するために、PDMSチップを、チューブを介して、油相リザーバ、水相リザーバ、および出口チューブに接続した。可能なチップ設計を図2に示す。この場合、油相は、5%(w/w)の界面活性剤を含むパーフルオロカーボン油(HFE7500、3M)からなり、オリゴマーパーフルオロ化ポリエーテル(PFPE)をポリエチレングリコール(PEG)とカップリングさせることによって製造される(フルオロカーボン中水エマルジョン(water-in-fluorocarbon emulsions)用生体適合性界面活性剤、Lab Chip、2008、8、1632~1639)。しかしながら、この場合には水相からなる液滴と混和しない任意の相(任意の油相または気相)を使用することができた。水相は一例として菌類胞子懸濁液からなるが、菌類胞子に限定されない。他の例では、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞などを使用することができる。流速は、シリンジポンプ(PHD2000、ハーバードアパレイタス(Havard Apparatus))によって制御した。油相の流速は4mL/hであり、水相の流速は3mL/hであった。ここで生じた液滴体積は20 nL(直径=0.336mm)であった。液滴は、液滴生成プロセスの間、菌類胞子をカプセル化する。液滴を薬品瓶に集め、30℃で48時間インキュベートして、菌類を発芽させ、増殖させた。
【0073】
実施例4:液滴への蛍光分子のナノインジェクション
【0074】
インキュベーション後、液滴を、ナノインジェクションが可能なチップに再注入した。ナノインジェクションは、アッセイの開始の直前にフルオロフォアを液滴に添加するために使用される。ナノインジェクションデバイス(2)の典型的な設計を図3に示し、典型的なナノインジェクションプロセスを図4に示す。スペーシング油の流量は0.6mL/hであり、液滴再注入の流量は0.5mL/hであり、ナノインジェクションのための水相の流量は0.1mL/hであった。ナノインジェクションを助けるために、20,000 Vおよび20,000Hzの高電圧を加えた。音波技術のような他の技術もまた、試薬を液滴に添加するために使用され得る。スペーシング油相は、パーフルオロカーボン油からなる。液滴は、48時間のインキュベーション後に増殖した菌類を含む。
【0075】
ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)チューブ(内径=0.3mm、外径=0.56mm)をナノインジェクションデバイス(2)の出口(3)に接続した。チューブは遅延線(4)であり、ここで、菌類および蛍光分子を含む液滴は、全て、遅延線を通って移動することによってインキュベートされる。
【0076】
実施例5:液滴インキュベーションの温度制御
【0077】
ナノインジェクション後、液滴はPTFEチューブ(遅延線(4))中を流れた。液滴は、チューブ内を連続的に移動していた。この実施例におけるチューブの長さは6メートルであったが、必要とされるインキュベーション時間に応じて、有意に短くても長くてもよい(例えば、100mまで)。本実施例では、チューブを30℃でインキュベートした。しかしながら、温度設定は、各特定のアッセイの必要性に適合させることができる。温度制御は、アッセイインキュベーションのための液滴を含むチューブを加熱金属ビーズの床または水浴中に浸漬することによって得た。ペルチェ素子を取り囲むチューブコイルのような他の構成も、別の選択肢とすることができる。
図1
図2
図3
図4