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特許7003274高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒及びその製造方法。
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  • 特許-高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒及びその製造方法。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒及びその製造方法。
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/62 20060101AFI20220128BHJP
   B01J 21/18 20060101ALI20220128BHJP
   B01J 32/00 20060101ALI20220128BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20220128BHJP
   B01J 35/10 20060101ALI20220128BHJP
   C01B 32/30 20170101ALI20220128BHJP
   C01B 32/00 20170101ALI20220128BHJP
   C07C 31/27 20060101ALI20220128BHJP
   C07C 29/149 20060101ALI20220128BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
B01J23/62 Z
B01J21/18 Z
B01J32/00
B01J37/02 101A
B01J35/10 301G
C01B32/30
C01B32/00
C07C31/27
C07C29/149
C07B61/00 300
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020536512
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2018016746
(87)【国際公開番号】W WO2019132537
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】10-2017-0183451
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520161344
【氏名又は名称】ハンファ ソリューションズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ユク、ソン ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン クォン
(72)【発明者】
【氏名】ミョン、ワン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ボン シク
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-177422(JP,A)
【文献】特表2004-525981(JP,A)
【文献】特開2001-181223(JP,A)
【文献】特開平10-071332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
C01B 32/30
C01B 32/00
C07C 31/27
C07C 29/149
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性炭素を担体として用いる水素化触媒であって、
前記炭素は全体気孔のうち気孔の大きさが2ないし50nmのメソ細孔(mesopore)の体積比率が50%以上であって、前記担体全体100重量部に対して活性金属を1ないし20重量部で含み、
更に、前記炭素は比表面積が100ないし1,500m /gである
ことを特徴とする高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項2】
前記炭素は活性炭、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、規則性メソポーラスカーボン(ordered mesoporous carbon、OMC)及び炭素ナノチューブからなる群から選択された少なくとも1つを含む
請求項1に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項3】
前記活性金属はパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)及び白金(Pt)からなる群から選択される1種以上の貴金属;及び
スズ(Sn)、鉄(Fe)、レニウム(Re)及びガリウム(Ga)からなる群から選択された1種以上の遷移金属を含む
請求項1に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項4】
前記貴金属はルテニウムで、前記遷移金属はスズである
請求項1に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項5】
前記炭素担体は硝酸(HNO)水溶液で前処理される
請求項1に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項6】
前記硝酸(HNO)水溶液は、前記水溶液全体100重量部に対して、1ないし50重量部の硝酸を含む
請求項5に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項7】
前記炭素は、細孔容積(pore volume)0.1ないし1.5ml/g範囲である
請求項1に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項8】
前記炭素は2ないし25nmの規則性メソ細孔(mesopore)を持つ3次元棒状又は3次元チューブ状の細孔構造を持つ
請求項1に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の触媒を用いてカルボン酸官能基(carboxylic acid group)をアルコール官能基(alcohol group)に水素化する
ことを特徴とする水素化触媒の用途。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の触媒を製造する方法であって、前記炭素担体は1ないし50重量部の硝酸を含む硝酸(HNO)水溶液で少なくとも1回以上前処理される
ことを特徴とする高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒の製造方法。
【請求項11】
前記前処理過程は50ないし150℃の温度範囲で行われる
請求項10に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒の製造方法。
【請求項12】
前記前処理過程は1時間ないし10時間の間行われる
請求項10に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒の製造方法。
【請求項13】
前記前処理過程は前記活性金属を担持する前に行われる
請求項10に記載の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒の製造方法。
【請求項14】
請求項1ないし8のいずれかに記載の触媒を用いてカルボン酸官能基、アルデヒド官能基又はケトン官能基をアルコール官能基に水素化する
ことを特徴とする水素化方法。
【請求項15】
前記水素化反応圧力は2~15Mpaで反応温度が140~280℃で反応時間が0.5~10時間である
請求項14に記載の水素化方法。
【請求項16】
前記カルボン酸はシュウ酸(oxalic acid)、マロン酸(malonic acid)、コハク酸(succinic acid)、グルタル酸(glutaric acid)、アジピン酸(adipic acid)、ピメリン酸(pimelic acid)、スベリン酸(suberic acid)、アゼライン酸(azelaic acid)、セバシン酸(sebacic acid)、フタル酸(phthalic acid)、イソフタル酸(isophthalic acid)、テレフタル酸(terephthalic acid)、ギ酸、酢酸塩、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンカルボン酸及び安息香酸からなる群から選択された1つである
請求項14に記載の水素化方法。
【請求項17】
前記アルデヒド官能基を含むアルデヒド類はホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、3-メチルブチルアルデヒド、2,2-ジメチルプロピオンアルデヒド、カプロンアルデヒド、2-メチルバレルアルデヒド、3-メチルバレルアルデヒド、4-メチルバレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、2,2-ジメチルブチルアルデヒド、3,3-ジメチルブチルアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド及びグルタルジアルデヒドからなる群から選択された1つである
請求項14に記載の水素化方法。
【請求項18】
前記ケトン官能基を含むケトン類はアセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン及びアセトフェノンからなる群から選択された1つである
請求項14に記載の水素化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒及びその製造方法に関し、さらに詳細には、所定比率以上のメソ細孔(mesopore)を含む炭素担体を前処理してカルボン酸(carboxylic acid)官能基からアルコール(alcohol)官能基への高選択性の転化を可能にする炭素ベースの貴金属-遷移金属複合触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Diolはpolyesters、polyurethanes、vanishes、adhesives pharmaceuticalsなど基盤産業の素材として広範囲に使用されている。さらに、最近では、環境に優しく生分解が可能なdiolの需要が大きく増加しているのが現状である。かかるdiol化合物はdicarboxylic acid或いはその誘導体から水添触媒(hydroprocessing catalyst)によって転化され得る。それを可能にする従来の触媒工程は大半がCu-Cr或いはZn-Crをベースとする触媒、又は、ルテニウム酸化物、ルテニウム-カーボン複合体などをベースとする触媒工程であるが、上述の触媒工程は高圧の(200-300bar)運用条件が必要である。よって、相対的に低圧条件で運用できる触媒の開発が必須である。
【0003】
いくつかのdiol化合物のうち特にcyclohexanedimethanol(CHDM)はポリエステルレジンを作る時、ethylene glycol及び他のpolyolを代替して使用する場合、高い熱的安定性と絶縁性、透明性及び耐化学性が高いので大きく注目を浴びている。CHDMは現在、産業的にterephthalic acid(TPA)をmethanolとesterificationしてdimethylterephthalate(DMT)を作った後、追加的に2回の水素化過程を経て生産される。しかし、最近では、より低い生産単価と工程の単純化のために、cyclohexanedicarboxylic acid(CHDA)で単一ステップの水素化反応によってCHDMを生産しようとする努力が続いている。
【0004】
したがって、本発明では、cyclohexanedicarboxylic acid(CHDA)をdicarboxylic acidの代表物質として使用して、目標のdiolであるcyclohexanedimethanol(CHDM)を有効に生産する触媒の合成方法を述べる。
【0005】
Mitsubishi Chemical(MCC)はCHDA-to-CHDM触媒としてRuPtSn/C触媒を特許出願したが(特許文献1)、Ptにより触媒が高価という短所がある。Asahi KaseiはRu-Sn-Re/C触媒をCHDA-to-CHDM触媒として提示したが(特許文献2)、高価のReを使用するにもかかわらずCHDMの受率が75%に止まった。ロッテケミカルはRuPtSnの担体としてY-zeoliteを提示したが(特許文献3)、これも高価の触媒費用が発生する。Sinopecは従来の先行特許である(特許文献4)RuSn/Al触媒を改善するために、Al上に炭素層をコーティングして触媒の担体として使用した特許を出願した(特許文献5)。しかし、上記特許で提示した炭素層がコーティングされたAl担体を合成するためには多段階の合成工程が必要であって、CHDA反応特性上、反応溶液が高温の酸性条件であるため、収熱安定生が炭素に比べて低いAlのAl leaching問題が存在する可能性が高い。Zhang XiaoouはRuSu触媒の担体として細孔体積が1.5~2.5 ml/g、比表面積が1,000~2,000m/g、細孔の大きさが3~10nmのordered mesoporous carbon(OMC)を使用した場合、触媒の性能及び寿命の確保が可能であると特許を出願した(特許文献6)。しかし、以上で提示した物理化学的特性を満足するOMCの場合、その合成方法が多段階の工程からなり生産単価が高く、実際の商業施設に使用されるには不利である。また、OMCの場合、templateとして用いられた物質の逆相に細孔が形成されるため、用いられたtemplateの細孔連結性(pore connectivity)が低い場合、OMCの構造をなす炭素frameworkのmechanical strengthが従来の炭素物質に比べて低い可能性が高い。先行特許(特許文献7)では、炭素担体の前処理として室温で過酸化水素水溶液又は塩酸水溶液を用いたが、この場合、炭素担体表面に導入される酸素官能基(oxygen functional group)の量が少なくRu-Sn活性金属を有効に固定化するには不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6294703号
【文献】米国特許第6495730号
【文献】国際公開第WO2015-156582号
【文献】中国特許第CN1911504号
【文献】中国特許第CN104549251号
【文献】中国特許第CN101982236A号
【文献】中国特許第CN101982236A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、上記のような従来技術の問題点と過去から求められてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0008】
本願発明の目的は、従来の触媒合成過程を縮小及び改善して低コストで高活性を示すことができるように、全体細孔に対してメソ細孔(mesopore)の体積比率が所定以上の炭素担体を前処理してカルボン酸(carboxylic acid)官能基をアルコール(alcohol)官能基へ高選択性の転化を可能にする炭素ベースの貴金属-遷移金属複合触媒及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本願発明による高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒は、多孔性炭素を担体として用いる水素化触媒であって、
前記炭素は全体細孔のうち細孔の大きさが2ないし50nmのメソ細孔(mesopore)の体積比率が50%以上であって、前記担体全体100重量部に対して活性金属を1ないし20重量部で含むことができる。
【0010】
本発明の好ましい一例で、前記炭素は活性炭、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、OMC(ordered mesoporous carbon)及び炭素ナノチューブからなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0011】
本発明の好ましい一例で、前記活性金属はパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)及び白金(Pt)からなる群から選択される1種以上の貴金属;及び
スズ(Sn)、鉄(Fe)、レニウム(Re)及びガリウム(Ga)からなる群から選択された1種以上の遷移金属;を含むことができる。
【0012】
本発明の好ましい一例で、前記貴金属はルテニウムで、前記遷移金属はスズであり得る。
【0013】
本発明の好ましい一例で、前記炭素担体は硝酸(HNO)水溶液で前処理され得る。
【0014】
ここで、本発明の好ましい一例で、前記硝酸(HNO)水溶液は、前記水溶液全体100重量部に対して、1ないし50重量部の硝酸を含むことができる。
【0015】
本発明の好ましい一例で、前記炭素は比表面積が100ないし1,500m/g範囲で、細孔容積(pore volume)は0.1ないし1.5ml/g範囲であり得る。
【0016】
本発明による好ましい一例で、前記炭素は2ないし25nmの規則性メソ細孔(mesopore)を有し、3次元棒状又は3次元チューブ状の細孔構造を持つ規則性メソポーラスカーボン(ordered mesoporous carbon、OMC)であり得る。すなわち、前記活性金属が3次元的な規則性メソ細孔構造で配列された炭素担体内部に担持されて従来の触媒に比べて触媒活性が高く選択性と生成速度を向上させることができる。
【0017】
一方、本発明は、前記触媒を用いてカルボン酸官能基(carboxylic acid group)をアルコール官能基(alcohol group)に水素化する水素化触媒の用途及び前記触媒を製造する方法であって、前記炭素担体は1ないし50重量部の硝酸を含む硝酸(HNO)水溶液で少なくとも1回以上前処理される触媒製造方法を提供する。
【0018】
本発明の好ましい一例で、前記前処理化過程は50ないし150℃の温度範囲で行われ得る。
【0019】
本発明の好ましい一例で、前記前処理化過程は1時間ないし10時間の間行われ得る。
【0020】
本発明の好ましい一例で、前記前処理化過程は前記活性金属を担持する前に行われ得る。
【0021】
また、本発明は、前記触媒を用いてカルボン酸官能基、アルデヒド官能基又はケトン官能基をアルコール官能基に水素化する水素化方法を提供する。
【0022】
本発明の好ましい一例で、前記水素化反応圧力は2~15Mpaで反応温度が140~280℃で反応時間が0.5~10時間であり得る。
【0023】
本発明の好ましい一例で、前記カルボン酸は、シュウ酸(oxalic acid)、マロン酸(malonic acid)、コハク酸(succinic acid)、グルタル酸(glutaric acid)、アジピン酸(adipic acid)、ピメリン酸(pimelic acid)、スベリン酸(suberic acid)、アゼライン酸(azelaic acid)、セバシン酸(sebacic acid)、フタル酸(phthalic acid)、イソフタル酸(isophthalic acid)、シクロヘキサンジカルボン酸(cyclohexane dicarboxylic acid)及びテレフタル酸(terephthalic acid)からなる群から選択された1つであり得る。
【0024】
本発明の好ましい一例で、前記アルデヒド官能基はホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、3-メチルブチルアルデヒド、2,2-ジメチルプロピオンアルデヒド、カプロンアルデヒド、2-メチルバレルアルデヒド、3-メチルバレルアルデヒド、4-メチルバレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、2,2-ジメチルブチルアルデヒド、3,3-ジメチルブチルアルデヒド、カプリルアルデヒド及びカプリンアルデヒド、グルタルジアルデヒドからなる群から選択された1つであり得る。
【0025】
本発明の好ましい一例で、前記ケトン官能基はアセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン及びアセトフェノンからなる群から選択された1つであり得る。
【発明の効果】
【0026】
以上で説明したように、本発明による高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒は所定比率のメソ細孔を含む炭素担体を前処理して用いることによって、シクロヘキサンジカルボン酸(Cyclohexane dicarboxylic acid、CHDA)の転化反応速度を向上させて低コストで高活性を持たせることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例によるCarbon Black A担体が硝酸処理された窒素物理吸着分析結果を示すグラフである。
図2】本発明の一実施例によるCarbon Black A担体の硝酸前処理濃度別の触媒活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
後述する本発明に対する説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として参照する。これらの実施例は当業者が本発明を十分に実施できるように十分に詳細に説明される。本発明の多様な実施例は、互いに異なるが相互排他的である必要はない。例えば、本明細書に記載される特定の形状、構造及び特性は一実施例に関連して本発明の技術的思想及び範囲から逸脱することなく他の実施例として具現され得る。
【0029】
したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として取ろうとするものでなく、本発明の範囲は、適切に説明された場合、その請求項らが主張するものと均等な全ての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。
【0030】
また、本明細書で特に言及しない限り、“置換”ないし“置換された”は、本発明の官能基のうち1つ以上の水素原子がハロゲン原子(-F、-Cl、-Br又は-I)、ハイドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基、エステル基、ケトン基、置換又は非置換されたアルキル基、置換又は非置換された脂環族有機基、置換又は非置換されたアリール基、置換又は非置換されたアルケニル基、置換又は非置換されたアルキニル基、置換又は非置換されたヘテロアリール基、及び置換又は非置換されたヘテロ環基からなる群より選択される1種以上の置換基に置換されたことを意味し、前記置換基らは互いに連結されて環を形成することもできる。
【0031】
本発明で、前記“置換”は特に言及しない限り、水素原子がハロゲン原子、炭素数1ないし20の炭化水素基、炭素数1ないし20のアルコキシ基、炭素数6ないし20のアリールオキシ基などの置換基に置換されたことを意味する。
【0032】
また、前記“炭化水素基”は特に言及しない限り、線状、分枝状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基を意味し、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などは線状、分枝状又は環状であり得る。
【0033】
また、本明細書で特に言及しない限り、“アルキル基”とは、C1ないしC30アルキル基を意味し、“アリール基”とは、C6ないしC30アリール基を意味する。本明細書で、“ヘテロ環基”とは、O、S、N、P、Si及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるヘテロ原子を1つの環内に1つないし3つ含有する基を意味し、例えば、ピリジン、チオフェン、ピラジンなどを意味するが、これに限定されない。
【0034】
本発明の詳細な説明で、用語ジカルボン酸(dicarboxylic acid)は1つの分子の中に2つのカルボン酸官能基を持つ有機酸を意味する。例えば、ジカルボン酸の分子式はHOOC-R-COOHで示し、本発明では、Rがアルキル基又はアリール基であることが好ましい。
【0035】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施例に関して詳細に説明する。
【0036】
よって、本発明では、多孔性炭素を担体として用いる水素化触媒であって、前記炭素担体を硝酸水溶液を用いて前処理を施し、一方で、前記炭素は全体細孔のうち細孔大きさが2ないし50nmのメソ細孔(mesopore)の体積比率が50%以上であって、前記担体全体100重量部に対して、活性金属を1ないし20重量部で含む高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒を提供して上記の問題点に対する解決を模索した。
【0037】
かかる触媒は前述のシクロヘキサンジカルボン酸(Cyclohexane dicarboxylic acid、CHDA)の転化反応速度を向上させて低コストで高活性を示すことができる。
【0038】
以下、前述の高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒の組成物についてより具体的に説明する。
【0039】
まず、前記炭素担体は特に限定されないが、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、OMC(ordered mesoporous carbon)及び炭素ナノチューブからなる群から選択された少なくとも1つを用いることができる。好ましくは、全体細孔のうちメソ細孔の比率の高いカーボンブラックであることができ、具体的な例において、前記活性炭はSX ULTRA、CGSP、PK1-3、SX 1G、DRACO S51HF、CA-1、A-51、GAS 1240 PLUS、KBG、CASP及びSX PLUSなどであることができ、前記カーボンブラックはBLACK PEARLS(登録商標)、ELFTEX(登録商標)、VULCAN(登録商標)、MOGUL(登録商標)、MONARCH(登録商標)、EMPEROR(登録商標)及びREGAL(登録商標)などであり得るが、これに限定されない。
【0040】
ここで、本発明によれば、前記炭素担体で前記炭素は全体細孔のうち細孔の大きさが2~50nmのメソ細孔の体積比率が50%以上であり得る。好ましくは、前記炭素担体で前記炭素は前記細孔のうちメソ細孔の体積比率が70%以上で、より好ましくは、前記炭素担体で前記炭素は全体細孔のうちメソ細孔の体積比率が75%以上であり得る。
【0041】
ここで、前記メソ細孔の体積比率が50%未満の場合は、反応物及び生成物の炭素担体内の微視的な物質伝達速度の問題が生じる場合があり、前記細孔の平均大きさが50nmを超える場合、担体の物理的強度が低い問題があり得るので、上記の範囲が適している。
【0042】
また、本発明によれば、前記炭素は比表面積(BET)が100ないし1,500m/g範囲を含む規則性メソポーラスカーボン(ordered mesoporous carbon、OMC)を含む。好ましくは、前記炭素は比表面積(BET)が200ないし1,000m/g範囲を含む規則性メソポーラスカーボン(ordered mesoporous carbon、OMC)を含むことができる。ここで、前記炭素の比表面積が100m/g未満の場合は活性金属(Ru、Su)の高分散が難しい問題が生じる場合があり、前記炭素の比表面積である1,500m/gを超える場合はメソ細孔の比率が低くなる問題があり得るので、上記の範囲が適している。
【0043】
次に、前記活性金属はパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)及び白金(Pt)からなる群から選択される1種以上の貴金属;及びスズ(Sn)、鉄(Fe)、レニウム(Re)、ガリウム(Ga)からなる群から選択された1種以上の遷移金属を含むことができるが、これに限定されない。
【0044】
ここで、本発明によれば、前記貴金属は前記担体全体100重量部に対して、1~20重量部で含むことができる。好ましくは3~8重量部で含むことができる。前記遷移金属は、前記担体全体100重量部に対して、1~20重量部で含むことができる。好ましくは3~8重量部で含むことができる。
【0045】
また、場合によっては、本発明による触媒の前記炭素担体は中間大きさのメソポーラス以外にマイクロ細孔(micropore)を適正の比率で含み、好ましくは全体細孔のうちマイクロ細孔(micropore)の体積比率が0ないし20%で含むことができる。ここで、前記マイクロ細孔の体積比率が25%を超えて含まれる場合は、反応物及び生成物の炭素担体内の微視的な物質伝達速度の問題が生じる場合があるので、上記の範囲が適している。
【0046】
一方、本発明は、触媒を製造する方法であって、前記炭素担体は硝酸(HNO)水溶液で少なくとも1回以上前処理される高選択性の転化が可能な炭素ベースの貴金属-遷移金属触媒及びその製造方法を提供する。
【0047】
まず、本発明によれば、前記炭素担体は硝酸(HNO)水溶液で少なくとも1回以上前処理される過程が行われる。ここで、前記硝酸(HNO)水溶液は、前記溶液全体100重量部に対して、1ないし50重量部の硝酸を含むことができる。好ましくは、前記硝酸(HNO)水溶液は前記溶液全体100重量部に対して、5ないし40重量部の硝酸を含む水溶液であることができ、より好ましくは前記硝酸(HNO)水溶液は前記溶液全体100重量部に対して、5ないし35重量部の硝酸を含む水溶液であることができる。
【0048】
ここで、前記溶液全体100重量部に対して、1重量部未満の硝酸で前処理を進める場合、所望の触媒の活性を期待することが難しい問題が生じる場合があり、前記溶液全体100重量部に対して、50重量部以上の硝酸で前処理を進める場合、炭素担体表面の酸性度の増加及び酸素官能基による活性金属の被毒による触媒の活性低下、炭素担体構造の崩壊などが生じ得るので、上記の範囲が適している。
【0049】
本発明によれば、前記前処理過程は70ないし150℃の温度範囲で行われることができ、好ましくは80ないし110℃の温度範囲で行われることができる。ここで、前記前処理過程の温度が70℃未満の場合は炭素担体表面に酸素官能基の導入が低下する問題が生じる場合があり、前記前処理過程の温度が150℃を超える場合は炭素担体構造の崩壊の問題があり得るので、上記の範囲が適している。
【0050】
一方、本発明は、ジカルボン酸官能基(dicarboxyl group)をジアルコール官能基(dialcohol group)に転化する水素化方法を提供することができ、例えば、前記触媒を用いてカルボン酸類、アルデヒド類及びケトン類を対象として水素化する水素化方法に適用され得る。具体的な例において、本発明によれば、前記触媒上でシクロヘキサンジカルボン酸(Cyclohexane dicarboxylic acid、CHDA)の水添反応によってシクロヘキサンジメタノール(Cyclohexane dimethanol、CHDM)を製造できる。
【0051】
ここで、前記カルボン酸は、特に限定されず、例えば、シュウ酸(oxalic acid)、マロン酸(malonic acid)、コハク酸(succinic acid)、グルタル酸(glutaric acid)、アジピン酸(adipic acid)、ピメリン酸(pimelic acid)、スベリン酸(suberic acid)、アゼライン酸(azelaic acid)、セバシン酸(sebacic acid)、フタル酸(phthalic acid)、イソフタル酸(isophthalic acid)、テレフタル酸(terephthalic acid)、ギ酸、酢酸塩、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンカルボン酸及び安息香酸などを含むことができる。
【0052】
さらに、前記アルデヒド官能基を持つアルデヒド類の例としては、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、3-メチルブチルアルデヒド、2,2-ジメチルプロピオンアルデヒド、カプロンアルデヒド、2-メチルバレルアルデヒド、3-メチルバレルアルデヒド、4-メチルバレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、2,2-ジメチルブチルアルデヒド、3,3-ジメチルブチルアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド及びグルタルジアルデヒドなどを含むことができる。
【0053】
また、前記ケトン官能基を持つケトン類の例としては、アセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン及びアセトフェノンなどを含むことができる。
【実施例
【0054】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例(example)を提示する。ただし、下記の実施例は本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明が下記の実験例によって限定されるわけではない。
【0055】
[準備例1]
<準備例>炭素担体の硝酸前処理
Ru-Sn触媒の支持体として活性炭(Activated Carbon)、カーボンブラック(Carbon Black B、Carbon Black A)を使用した。各炭素担体はRu-Sn前駆体を含浸させる前に5wt%硝酸水溶液で95℃で前処理を3時間の間進めた。
【0056】
具体的には、30gの各炭素担体を500gの5wt%硝酸水溶液で95℃で3時間の間攪拌した後、ろ過し、ろ過される蒸留水のpHが7になるまで持続的に蒸留水で洗浄した。このようにろ過された各炭素担体は373Kで24時間の間乾燥させ、前記硝酸前処理された炭素担体の物理的特性を下記表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
[実施例]
<実施例1>Carbon Black A担体の高濃度硝酸前処理
Carbon Black A担体の場合、上記準備例で5wt%硝酸水溶液を用いた前処理とともに30wt%、50wt%硝酸水溶液で95℃で前処理を3時間の間進めた。具体的には、30gのCarbon Black A担体を500gの30wt%又は50wt%硝酸水溶液で95℃で3時間の間攪拌した後、ろ過し、ろ過される蒸留水のpHが7になるまで持続的に蒸留水で洗浄した。このようにろ過されたCarbon Black A担体は373Kで24時間の間乾燥させた。前記硝酸前処理されたCarbon Black A担体の窒素物理吸着分析結果を下記図1及び物理的特性を下記表2にそれぞれ示した。
【0059】
【表2】
【0060】
<実施例2>5wt%硝酸で前処理したRu-Sn/Carbon Black A触媒の製造
上記の準備例でRuCl*3HO 1.38g、SnCl*2HO 1.12gをHO 7gに溶かした水溶液を5wt%の硝酸で前処理したCarbon Black A炭素担体10gに室温でインシピエントウェットネス含浸法(incipient wetness impregnation)を用いてRu-Snを担持した。以後、373Kで12時間の間乾燥させた後、これを水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら773Kで3時間の間還元させた後、水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら室温で冷ました。以後、室温でヘリウム(流速:20ml min-1-1)を30分の間流した後、10%酸素/窒素混合ガス(流速:20ml min-1-1)を1時間の間流しながら前記触媒を不動化させた。このように製造された触媒を“Ru-Sn/Carbon Black A”と表記した。
【0061】
<実施例3>30wt%及び50wt%硝酸で前処理したRu-Sn/Carbon Black A触媒の製造
上記の準備例でRuCl*3HO 1.38g、SnCl*2HO 1.12gをHO 7gに溶かした水溶液をそれぞれ30wt%、50wt%の硝酸で前処理したCarbon Black A炭素担体10gに室温でインシピエントウェットネス含浸法(incipient wetness impregnation)を用いてRu-Snを担持した。以後、373Kで12時間の間乾燥させた後、これを水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら773Kで3時間の間還元させた後、水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら室温で冷ました。以後、室温でヘリウム(流速:20ml min-1-1)を30分の間流した後、10%酸素/窒素混合ガス(流速:20ml min-1-1)を1時間の間流しながら前記触媒を不動化させた。上記のように製造された触媒を“Ru-Sn/Carbon Black A(30 wt% HNO)”、“Ru-Sn/Carbon Black A(50 wt% HNO)”と表記した。
【0062】
<実施例4>5wt%硝酸で前処理したRu-Sn/Carbon Black B触媒の製造
上記の準備例でRuCl*3HO 1.38g、SnCl*2HO 1.12gをHO 7gに溶かした水溶液を5wt%の硝酸で前処理したCarbon Black B炭素担体10gに室温でインシピエントウェットネス含浸法(incipient wetness impregnation)を用いてRu-Snを担持した。以後、373Kで12時間の間乾燥させ、これを水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら773Kで3時間の間還元させた後、水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら室温で冷ました。以後、室温でヘリウム(流速:20ml min-1 g-1)を30分の間流した後、10%酸素/窒素混合ガス(流速:20ml min-1-1)を1時間の間流しながら前記触媒を不動化させた。上記のように製造された触媒を“Ru-Sn/Carbon Black B”と表記した。
【0063】
[比較例]
<比較例1>5wt%硝酸で前処理したRu-Sn/Activated Carbon触媒の製造
上記の準備例でRuCl*3HO 1.38g、SnCl*2HO 1.12gをHO 7gに溶かした水溶液を5wt%の硝酸で前処理したActivated Carbon炭素担体10gに室温でインシピエントウェットネス含浸法(incipient wetness impregnation)を用いてRu-Snを担持した。以後、373Kで12時間の間乾燥させた後、これを水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら773Kで3時間の間還元させた後、水素(流速:20ml min-1-1)を流しながら室温で冷ました。以後、室温でヘリウム(流速:20ml min-1 g-1)を30分の間流した後、10%酸素/窒素混合ガス(流速:20ml min-1 g-1)を1時間の間流しながら前記触媒を不動化させた。上記のように製造された触媒を“Ru-Sn/Activated Carbon”と表記した。
【0064】
[実験例]Cyclohexanedicarboxylic acid転化実験
呼び(nominal)容積が250mlで最大使用圧力が10.0Mpaの、チタニア-ライニングされたステンレス鋼オートクレーブ内でCyclohexanedicarboxylic acid転化実験を進めた。ここで、触媒3g及び反応物(cyclohexanedicarboxylic acid)11.25g及び溶媒(HO)を投入し、反応は503Kで行われた。以後、反応器を水素を用いて反応圧力まで加圧して水素感知器によって反応器のleak有無を確認した後、減圧及び換気(purge)して反応器内部の酸素をすべて除去した。最終的には、反応器内部圧力を10barに合わせた後、反応器内部温度を反応温度まで加熱し、水素雰囲気の反応圧力で加圧した後、6時間反応を進めた。反応は230℃90barで6時間進め、攪拌はoverhead impellerを用いて1000rpmの速度を維持した。反応後、常温まで冷却及び解圧後、触媒と液相生成物をろ過法で分離してHP-1カラムが装着されたガスクロマトグラフィーで分析した。
【0065】
実施例2~4及び比較例1によって製造された触媒を用いてシクロヘキサンジカルボン酸(Cyclohexanedicarboxylic acid)転化実験を進めた結果を図2及び表3にそれぞれ示した。
【0066】
【表3】
【0067】
図2及び表3に示したように、全体細孔のうちメソ細孔の比率の高いRu-Sn/Carbon Black A、Ru-Sn/Carbon Black B触媒の活性がメソ細孔の比率の低いRu-Sn/Activated Carbon触媒に比べて速い。
【0068】
図2に示したように、Carbon Black A担体の硝酸前処理濃度による触媒の活性の差を確認できる。実施例1によって30wt%硝酸水溶液でCarbon Black A担体を前処理した場合が触媒の活性が最も速く、5wt%硝酸水溶液及び50wt%硝酸水溶液の順を示した。
【0069】
以上、本発明の実施例による図面を参照して説明したが、本発明の属する分野における通常の知識を持つ者であれば上記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形を行うことが可能である。
図1
図2