(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】情報管理装置及び情報管理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220113BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220113BHJP
G06F 16/23 20190101ALI20220113BHJP
【FI】
H04L67/00
G06Q50/10
G06F16/23
(21)【出願番号】P 2021126649
(22)【出願日】2021-08-02
(62)【分割の表示】P 2018183505の分割
【原出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】永井 有希
(72)【発明者】
【氏名】小澤 昂
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/222032(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/046670(WO,A1)
【文献】特開2010-278867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/00
G06Q 50/10
G06F 16/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、前記ユーザの複数の種類の個人情報と、前記個人情報を登録している企業を特定するための企業識別情報とを記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記記憶制御部が前記記憶部に前記個人情報を記憶させた後に変更された個人情報である変更後情報と前記変更後情報を送信する対象とする前記企業を指定するための企業指定情報を情報端末から取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記変更後情報と前記企業指定情報を取得した場合に、前記個人情報を登録している複数の企業のうち、前記企業指定情報に対応する前記企業のサーバに前記変更後情報を送信する情報提供部と、
を有
し、
前記情報取得部は、前記情報端末から、前記個人情報の種類を指定するための指定情報を含む送信要求を取得し、
前記情報提供部は、前記情報取得部が前記送信要求を取得したことに応じて、前記複数の企業のうち、前記指定情報により指定された種類の個人情報を登録している企業のサーバから、前記指定情報により指定された種類の個人情報を取得し、取得した前記個人情報を前記情報端末に送信する情報管理装置。
【請求項2】
前記記憶制御部は、複数種類の前記個人情報のそれぞれに関連付けて前記企業識別情報を前記記憶部に記憶させ、
前記情報提供部は、前記企業識別情報に対応する前記企業のサーバに、前記企業識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された種類の前記個人情報を送信する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記記憶部が記憶している前記個人情報及び前記企業識別情報の送信要求を前記情報端末から取得し、
前記情報提供部は、前記情報取得部が前記送信要求を取得したことに応じて、前記個人情報と、前記個人情報に関連付けられた前記企業識別情報とを前記情報端末に送信する、
請求項1から2のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記企業識別情報と、当該企業識別情報が示す企業に登録されている複数の種類の個人情報のうち確認する対象となる個人情報を指定するための確認対象情報を含む送信要求を取得し、
前記情報提供部は、前記情報取得部が前記確認対象情報を含む前記送信要求を取得すると、前記企業識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている、前記確認対象情報が指定する種類の個人情報を前記情報端末に提供する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記ユーザの個人情報を登録している企業と当該ユーザとが契約しているサービスの内容を確認する要求を前記情報端末から取得し、
前記情報提供部は、当該要求を受信すると、前記ユーザと契約している企業のサーバから、契約中の前記サービスの内容を示すサービス内容情報を取得し、取得した前記サービス内容情報を前記情報端末に送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記情報提供部は、前記ユーザと、前記ユーザの個人情報を登録している企業とが契約中のサービスを更新するか否かを確認するためのメッセージを前記情報端末に送信する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、前記ユーザの複数の種類の個人情報と、前記個人情報を登録している企業を特定するための企業識別情報とを記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶部に前記個人情報が記憶された後に変更された個人情報である変更後情報と前記変更後情報を送信する対象とする前記企業を指定するための企業指定情報を情報端末から取得するステップと、
前記変更後情報と前記企業指定情報を取得した場合に、前記個人情報を登録している複数の企業のうち、前記企業指定情報に対応する前記企業のサーバに前記変更後情報を送信するステップと、
前記情報端末から、前記個人情報の種類を指定するための指定情報を含む送信要求を取得するステップと、
前記送信要求を取得したことに応じて、前記複数の企業のうち、前記指定情報により指定された種類の個人情報を登録している企業のサーバから、前記指定情報により指定された種類の個人情報を取得するステップと、
取得した前記個人情報を前記情報端末に送信するステップと、
を有する情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住所・電話番号等の個人情報を管理する情報管理装置及び情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データベースを用いて住所・電話番号等の個人情報が管理されている。特許文献1には、金融機関のデータベースに登録された住所の変更を行うことができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムにおいては、住所の変更を行いたいユーザが、運転免許証カード又は住民基本台帳カードに記載されている住所を撮影した画像を住所変更サーバに送信することにより、住所変更を行うことができる。ところが、住所・電話番号・メールアドレス等の個人情報は、金融機関、通信事業者、通信販売業者及び宅配業者等の多数のデータベースに登録されている。個人情報が多数のデータベースに登録されている場合、個人情報に変更が発生すると、それぞれのデータベースに登録された個人情報を変更する処理を繰り返す必要があり、個人情報の変更処理が煩雑であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、データベースに登録された個人情報の変更を容易にすることができる情報管理装置及び情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報管理装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、前記ユーザの複数の種類の個人情報と、前記個人情報を登録している企業を特定するための企業識別情報とを記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記記憶制御部が前記記憶部に前記個人情報を記憶させた後に変更された個人情報である変更後情報と前記変更後情報を送信する対象とする前記企業を指定するための企業指定情報を情報端末から取得する情報取得部と、前記情報取得部が前記変更後情報と前記企業指定情報を取得した場合に、前記個人情報を登録している複数の企業のうち、前記企業指定情報に対応する前記企業のサーバに前記変更後情報を送信する情報提供部と、を有する。
【0007】
前記記憶制御部は、複数種類の前記個人情報のそれぞれに関連付けて前記企業識別情報を前記記憶部に記憶させ、前記情報提供部は、前記企業識別情報に対応する前記企業のサーバに、前記企業識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された種類の前記個人情報を送信してもよい。
【0008】
前記情報取得部は、前記情報端末から、前記複数の種類の個人情報うち、内容を確認する対象となる個人情報の種類を指定するための指定情報を含む送信要求を取得し、前記情報提供部は、前記情報取得部が前記送信要求を取得したことに応じて、前記記憶部に記憶されている前記複数の種類の個人情報のうち、前記指定情報が示す種類の前記個人情報を、前記情報端末に送信してもよい。
【0009】
前記情報取得部は、前記記憶部が記憶している前記個人情報及び前記企業識別情報の送信要求を前記情報端末から取得し、前記情報提供部は、前記情報取得部が前記送信要求を取得したことに応じて、前記個人情報と、前記個人情報に関連付けられた前記企業識別情報とを前記情報端末に送信してもよい。
【0010】
前記情報取得部は、前記企業識別情報と、当該企業識別情報が示す企業に登録されている複数の種類の個人情報のうち確認する対象となる個人情報を指定するための確認対象情報を含む送信要求を取得し、前記情報提供部は、前記情報取得部が前記確認対象情報を含む前記送信要求を取得すると、前記企業識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている、前記確認対象情報が指定する種類の個人情報を前記情報端末に提供してもよい。
【0011】
前記情報取得部は、前記ユーザの個人情報を登録している企業と当該ユーザとが契約しているサービスの内容を確認する要求を前記情報端末から取得し、前記情報提供部は、当該要求を受信すると、前記ユーザと契約している企業のサーバから、契約中の前記サービスの内容を示すサービス内容情報を取得し、取得した前記サービス内容情報を前記情報端末に送信してもよい。
【0012】
前記情報提供部は、前記ユーザと、前記ユーザの個人情報を登録している企業とが契約中のサービスを更新するか否かを確認するためのメッセージを前記情報端末に送信してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様の情報管理方法は、コンピュータが実行する、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、前記ユーザの複数の種類の個人情報と、前記個人情報を登録している企業を特定するための企業識別情報とを記憶部に記憶させるステップと、前記記憶部に前記個人情報が記憶された後に変更された個人情報である変更後情報と前記変更後情報を送信する対象とする前記企業を指定するための企業指定情報を情報端末から取得するステップと、前記変更後情報と前記企業指定情報を取得した場合に、前記個人情報を登録している複数の企業のうち、前記企業指定情報に対応する前記企業のサーバに前記変更後情報を送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データベースに登録された個人情報の変更を容易にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】ユーザIDと個人情報とを関連付けた個人情報データベースのレコードの一例を示す図である。
【
図4】個人情報データベースのレコード他の例を示す図である。
【
図5】ユーザが個人情報を更新する際に情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】ユーザが個人情報を更新する際に情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】ユーザが個人情報を更新する際に情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】情報管理システムにおける動作シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報管理システムSの概要]
図1は、情報管理システムSの概要を示す図である。情報管理システムSは、情報管理装置1と、情報端末2とを備える。情報管理システムSは、情報端末2を使用するユーザの個人情報を管理するためのシステムである。情報管理装置1と情報端末2とはネットワークNを介してデータを送受信することができる。ネットワークNは、例えばインターネット及び携帯電話網を含む。
【0017】
情報管理装置1は、情報端末2のユーザの個人情報を、さまざまな企業が管理するデータベース(以下、企業データベースという)に提供するサーバである。企業が管理するデータベースは、例えば
図1に示す、銀行サーバ3、通信キャリアサーバ4及び宅配業者サーバ5に記憶されており、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、銀行口座番号、クレジットカード番号等の情報を顧客識別情報に関連付けて記憶している。
【0018】
住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報は、引越し又は契約する通信事業者の変更等に伴って変化する。ユーザが、多数の企業データベースに個人情報を登録している場合、個人情報が変更になるたびに多数の企業データベースの管理者に変更後の個人情報を通知することは煩雑である。
【0019】
このような課題を解決するために、情報管理装置1は、変更された個人情報を情報端末2から取得すると、情報端末2のユーザの個人情報が登録されている銀行サーバ3、通信キャリアサーバ4及び宅配業者サーバ5に通知する。銀行サーバ3、通信キャリアサーバ4及び宅配業者サーバ5は、変更された個人情報を受信すると、それぞれが記憶している個人情報を、変更後の個人情報に更新する。情報管理システムSがこのように構成されていることで、情報管理装置1のユーザは、個人情報に変更が発生した場合に、簡単な処理をするだけで複数の企業に登録されている個人情報を更新することが可能になる。
【0020】
情報端末2は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータであり、変更後の個人情報の入力を受け付ける入力受付部(不図示)と、入力受付部が受け付けた変更後の個人情報を情報管理装置1に送信する情報送信部(不図示)とを有する。また、情報端末2は、情報管理装置1から受信した各種のデータを表示するディスプレイを有する。
【0021】
以下、
図1を参照して、個人情報が変更になった場合の処理の流れの概要を説明する。ユーザが、変更後の個人情報を情報端末2に入力すると(
図1における(1))、情報端末2は、変更後の個人情報を示す変更後情報を情報管理装置1に送信する(
図1における(2))。情報端末2は、例えば、情報管理装置1を宛先とするショートメッセージとして、変更後情報を送信する。宛先は、例えばメッセージ送受信アプリケーションのアカウント又は電話番号である。情報管理装置1は、変更後情報を受信すると、情報端末2のユーザの個人情報が登録されている企業を特定する(
図1における(3))。
【0022】
続いて、情報管理装置1は、特定した企業のデータベースを格納しているサーバに、変更後情報を送信する(
図1における(4))。情報管理装置1は、例えば、情報端末2のユーザの個人情報が通信キャリアサーバ4に格納されているデータベースに登録されていることを特定した場合、通信キャリアサーバ4に変更後情報を送信する。
【0023】
企業のサーバは、情報管理装置1から変更後情報を受信すると、変更後情報が示す変更後の個人情報に、記憶している個人情報を更新する(
図1における(5))。
図1に示す例の場合、通信キャリアサーバ4が、格納しているデータベースにおける情報端末2のユーザの個人情報を更新する。企業のサーバは、個人情報を更新すると、更新が完了した旨を情報管理装置1に通知する。情報管理装置1は、個人情報に関連付けて、個人情報が更新された日時を企業に関連付けて記憶する。
【0024】
ユーザは、情報端末2を介して情報管理装置1にアクセスして、情報管理装置1に記憶されている個人情報を更新(追加、変更又は削除)する。この際、ユーザは、例えば情報端末2のメッセージ送信機能において送信できるメッセージの形式で、個人情報を更新するために必要な情報を情報管理装置1に送信する。情報管理装置1は、更新された個人情報を登録している企業のサーバに対して、更新後の個人情報を送信する。情報管理装置1は、個人情報が更新された旨の通知を企業のサーバから受けると、企業に関連付けて更新日時を記憶するとともに、更新が完了したことをユーザに通知する。情報管理装置1は、例えばメッセージ送信機能を用いて情報端末2が受信可能なメッセージの形式で、更新が完了したことを情報端末2に送信する。
【0025】
ユーザは、個人情報を更新した企業に関連付けて記憶された個人情報の一部又は全てを消去するように要求してもよい。この場合、情報管理装置1においては、企業に関連付けて、個人情報が消去された日が記憶される。
以下、情報管理装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0026】
[情報管理装置1の構成]
図2は、情報管理装置1の機能構成を示す図である。情報管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、記憶制御部131、情報取得部132及び情報提供部133を有する。
【0027】
通信部11は、ネットワークNを介して情報端末2、銀行サーバ3、通信キャリアサーバ4及び宅配業者サーバ5とデータを送受信するための通信インターフェースを含む。通信部11は、受信したデータを情報取得部132に入力する。また、通信部11は、情報提供部133から入力されたデータを、当該データの宛先に向けて送信する。
【0028】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、情報端末2のユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザIDという)に関連付けて個人情報を記憶している。
【0029】
図3は、ユーザIDと個人情報とを関連付けた個人情報データベースのレコードの一例を示す図である。
図3に示す、ユーザIDが0001のユーザのレコードにおいては、住所、電話番号、銀行口座、クレジットカード番号及びメールアドレスが、個人情報として含まれている。また、それぞれの個人情報が登録されている企業を特定するための情報(例えば企業名)が含まれている。
図3に示す例においては、信頼度が高い企業であることを示す画像情報もレコードに含まれている。信頼度が高い企業は、例えば個人情報の取り扱いに関する基準に適合した企業である。信頼度が高い企業であることを示す画像情報は、企業名とともに情報端末2に送信される。
【0030】
図4は、個人情報データベースのレコード他の例を示す図である。
図4(a)に示すレコードにおいては、ユーザIDに関連付けて電話番号が登録されており、
図4(b)に示すレコードにおいては、ユーザIDに関連付けて、電話番号が登録された企業名が登録されている。
図3及び
図4に示すように、個人情報データベースは、ユーザIDと、個人情報と、個人情報を登録した企業とを関連付けたデータベースであれば、任意の形式のデータベースでよい。
【0031】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、記憶制御部131、情報取得部132及び情報提供部133として機能する。
【0032】
記憶制御部131は、情報取得部132からの要求に応じて、ユーザIDに関連付けて、情報端末2のユーザの個人情報と、個人情報を登録している企業を特定するための企業識別情報(以下、企業IDという)とを記憶部12に記憶させる。また、記憶制御部131は、情報提供部133からの要求に応じて、記憶部12に記憶された個人情報を読み出す。
【0033】
記憶制御部131は、複数種類の個人情報のそれぞれに関連付けて企業IDを記憶部12に記憶させる。具体的には、記憶制御部131は、
図3に示した個人情報データベースを構築する。
【0034】
情報取得部132は、ネットワークNを介して、ユーザの個人情報を取得する。情報取得部132は、例えば、ユーザIDに関連付けられた情報端末2から、記憶制御部131が記憶部12に個人情報を記憶させた後に変更された個人情報である変更後情報を取得する。情報取得部132は、取得した変更後情報を記憶制御部131に通知する。記憶制御部131は、変更後情報が通知されると、変更後情報に対応するユーザIDに関連付けて記憶している個人情報を、変更後情報に含まれる個人情報に更新する。
【0035】
情報取得部132は、例えば、情報管理装置1に関連付けられた宛先に送信されたショートメッセージに含まれる変更後情報を取得する。情報取得部132が、ショートメッセージに含まれる変更後情報を取得できるので、ユーザは、情報端末2が標準的に備えているショートメッセージ送信機能を用いて、変更後の個人情報を送信することができる。
【0036】
情報提供部133は、情報取得部132が変更後情報を取得した場合に、個人情報を登録している企業のサーバに変更後情報を送信する。情報提供部133は、記憶制御部131を介して、記憶部12に記憶された個人情報データベースにアクセスし、情報取得部132が取得した変更後情報を送信したユーザのユーザIDに関連付けられた企業識別情報(例えば企業名又は企業ID)を特定し、特定した企業のサーバに変更後情報を送信する。
【0037】
より具体的には、情報提供部133は、例えば個人情報データベースを参照して特定した企業IDに対応する企業のサーバに、企業IDに関連付けて記憶部12に記憶された種類の個人情報を送信する。例えば
図3に示す個人情報データベースのレコードが記憶部12に記憶されており、情報取得部132が、電話番号が変更されたことを示す変更後情報を情報端末2から取得した場合、情報提供部133は、電話番号に関連付けられたABC社、BCD社、DEF社のサーバに、変更後の電話番号を示す変更後情報を送信する。
【0038】
情報提供部133がこのように動作することで、ユーザが複数の種類の個人情報のうち一部の個人情報を変更した場合、変更された個人情報を登録していない企業のサーバに変更後情報が送信されないので、情報提供部133が不要なデータを送信することなく、更新が必要な個人情報が登録されている企業のデータベースを更新することができる。
【0039】
[個人情報を更新する企業の指定]
以上の例においては、ユーザが、変更後の個人情報を情報端末2に入力すると、情報提供部133が、当該個人情報が登録されている企業のサーバに変更後の個人情報を送信した。しかしながら、ユーザが、特定の企業には、変更後の個人情報を通知したくないという場合も想定される。そこで、ユーザが、個人情報を更新する対象となる企業を指定できるようにしてもよい。
【0040】
ユーザが情報端末2において、個人情報を更新する対象となる企業を指定すると、情報端末2は、指定された企業を示す企業指定情報を情報管理装置1に送信する。情報端末2は、例えば、ユーザID、個人情報を更新する対象となる企業の企業ID、個人情報を変更するという要求、及び変更後の個人情報を情報管理装置1に送信する。ユーザは、情報端末2において、企業に登録されている自身の個人情報を読み出す操作を行った後に、個人情報を変更する操作をするアイコンを選択することにより、変更後の個人情報を送信してもよい。
【0041】
情報取得部132は、情報端末2から、変更後情報を送信する対象とする企業を指定するための企業指定情報を取得し、取得した企業指定情報を情報提供部133に通知する。情報提供部133は、企業指定情報に対応する企業のサーバに、変更後情報を送信する。具体的には、情報提供部133は、企業指定情報が示す企業に関連付けて個人情報データベースに登録された変更後情報を記憶部12から取得し、取得した変更後情報を、企業指定情報に対応する企業のサーバに送信する。
【0042】
[ユーザへの登録状況の提供]
ユーザが、どの企業にどのような個人情報を登録しているかを確認したいという場合がある。そこで、情報端末2は、個人情報の登録状況を確認するための操作を受け付けてもよい。情報端末2は、当該操作を受け付けると、個人情報を送信することを要求するための送信要求を情報管理装置1に送信する。
【0043】
情報管理装置1は、情報端末2から送信要求を受信すると、情報端末2のユーザのどのような個人情報が、どの企業に登録されているかを示す情報を情報端末2に提供する。具体的には、まず、情報取得部132が、情報端末2から、記憶部12が記憶している個人情報及び企業識別情報の送信要求を取得する。そして、情報提供部133は、情報取得部132が送信要求を取得したことに応じて、個人情報と企業識別情報(例えば企業名)とを関連付けて情報端末2に送信する。具体的には、情報提供部133は、
図3に示す複数の個人情報の内容と、それぞれの個人情報に関連付けて登録された企業名とを情報端末2に送信する。
【0044】
情報端末2は、複数種類の個人情報から、確認する対象となる個人情報を指定するための情報を含む送信要求を送信してもよい。例えば、ユーザが、ABC社にどの住所を登録しているかを確認したい場合、情報端末2は、ABC社に登録された住所を確認することを要求する送信要求を情報管理装置1に送信する。情報取得部132が当該送信要求を取得すると、情報提供部133は、ABC社に関連付けて個人情報データベースに登録された住所を情報端末2に提供する。例えば、ユーザが、情報端末2において「住所を登録している企業はどこ?」と問い合わせるメッセージを入力すると、情報端末2は、当該メッセージを情報管理装置1に送信する。情報提供部133は、当該メッセージを受信したことに応じて、個人情報を登録している企業、登録されている個人情報の内容、及び個人情報を登録した日を、個人情報を登録している企業ごとに通知するメッセージを情報端末2に送信する。
【0045】
情報提供部133は、情報取得部132が、登録されている個人情報を要求する送信要求を取得したことに応じて、情報端末2に対応するユーザIDに関連付けられた個人情報を登録している企業のサーバから、当該サーバが記憶している個人情報を取得し、取得した個人情報を情報端末2に送信してもよい。情報提供部133がこのように動作することで、記憶部12が記憶している個人情報データベースに登録されている個人情報と、企業のサーバに登録されている個人情報とが異なる状態になっている場合であっても、ユーザが、企業のサーバに実際に登録されている個人情報を確認することが可能になる。
【0046】
[個人情報を更新するためのメッセージの例]
図5から
図7は、ユーザが個人情報を更新する際に情報端末2に表示される画面の一例を示す図である。
図5から
図7に示す例においては、情報端末2の画面に、時系列にショートメッセージが表示される。ショートメッセージは、例えばSMS(Short Message Service)のメッセージ、又はインターネットを介したチャットメッセージである。
【0047】
図5は、ユーザが情報端末2において、「登録情報の確認」というメッセージを情報管理装置1に宛てて送信した場合に表示されるメッセージを示している。情報端末2の画面には、情報管理装置1に登録されている個人情報が、登録先の企業名に関連付けて表示されている。
【0048】
図6は、
図5の画面が表示されている状態で、ユーザが「住所の変更」というテキストとともに変更後の住所を含むメッセージを情報管理装置1に宛てて送信した場合に表示されるメッセージを示している。
【0049】
図7は、住所変更を要求するメッセージを送信した後に情報管理装置1から送信されたメッセージを示している。
図7においては、住所変更のメッセージを受けた情報管理装置1から送信された、変更後の住所が登録された企業の名称とともに変更後の住所を含むメッセージが表示されている。
【0050】
情報管理装置1は、個人情報の変更を要求するメッセージを情報端末2から受けた時点で、登録先の企業のサーバから登録完了の通知を受ける前に、
図7に示した変更後の住所を含むメッセージを情報端末2に送信し、登録先の企業のサーバから登録完了の通知を受けた後に、住所の変更が完了したことを通知するメッセージをさらに情報端末2に送信してもよい。このように情報管理装置1が動作することで、登録先の企業において住所変更の手続きに長時間を要する場合であっても、ユーザは、住所変更の手続きが受け付けられたことを認識することができる。
【0051】
このように、情報管理システムSを利用して提供されるサービスを利用することにより、ユーザは、情報端末2のメッセージ送受信機能を用いて、各企業に登録されている個人情報の内容を確認し、一部の個人情報を変更する処理を容易に実行することができる。
【0052】
なお、情報端末2は、住所又は電話番号等の連絡先変更の要求を受け付けるだけでなく、個人情報の登録先に関連する各種の情報を確認・変更するための要求を受け付けて、受け付けた要求を情報管理装置1に送信してもよい。例えば、情報端末2は、登録先の企業と契約しているサービスの内容(例えば、契約期間、利用料金、オプション)を確認する要求を情報管理装置1に送信する。情報管理装置1の情報提供部133は、当該要求を受信すると、記憶部12に記憶されている個人情報データベースを参照して、ユーザに関連付けて記憶された企業のサーバから、契約中のサービスの内容を示すサービス内容情報を取得し、取得したサービス内容情報を情報端末2に送信する。情報端末2は、受信したサービス内容情報を表示する。
【0053】
ユーザは、契約するサービスの内容を変更したい場合、
図5から
図7に示した住所変更の手順と同様の手順で、契約するサービスの内容を変更することができる。情報管理装置1及び情報端末2がこのように動作することで、ユーザは、サービスを提供する企業に個別に問い合わせをすることなく、契約中のサービスの内容を容易に確認したり、変更したりすることができる。
【0054】
また、ユーザが企業のサービス(例えば、通信販売サイト)の利用契約を年単位で結んでいる場合に、情報端末2は、企業から更新するか否かのメッセージを受信し、受信したメッセージを表示してもよい。ユーザが、受信したメッセージ対して更新の意思を示すメッセージを返信することで契約の更新手続きを行ってもよい。その際に、情報端末2は、契約内容を表示してもよい。情報端末2は、例えば、メッセージの外側に表示されたアイコンをユーザが選択すると、画面を分割してWeb画面を表示し、締結している契約内容を表示する。その後、ユーザが更新手続きを完了すると、情報端末2は、更新手続きが完了した旨とURLリンクを含むメッセージを受信する。ユーザがURLリンクを選択することにより、情報端末2は契約内容の詳細を表示することができる。
【0055】
また、情報端末2は、
図5から
図7に示したメッセージ送受信画面において、他の機能を提供してもよい。
図5から
図7のメッセージ送受信画面には、情報端末2がユーザの操作を受け付けるための「履歴」アイコン、「検索」アイコン及び「お勧め」アイコンが表示されている。ユーザが「履歴」アイコンを選択すると、情報端末2は、過去に情報管理装置1と送受信したメッセージの履歴を情報管理装置1から取得し、取得した履歴を表示する。情報管理装置1及び情報端末2がこのように動作することで、ユーザは、過去の個人情報の内容を容易に確認することができる。
【0056】
ユーザが「検索」アイコンを選択すると、検索したい単語を入力するための検索窓が表示される。ユーザが検索窓に企業名を入力すると、情報端末2は、企業名を情報管理装置1に送信し、過去に入力された企業とメッセージをやり取りした履歴を取得し、取得した履歴を表示する。情報管理装置1及び情報端末2がこのように動作することで、ユーザは、特定の企業との間でどのようなやり取りをしたかを容易に確認することができる。
【0057】
ユーザが「お勧め」アイコンを選択すると、情報端末2は、「お勧め」アイコンが選択されたことを情報管理装置1に送信する。情報取得部132が、「お勧め」アイコンが選択されたという通知を情報端末2から受信すると、情報提供部133は、個人情報データベースにおいてユーザの個人情報が登録されている企業を特定し、特定した企業のサーバに対して、ユーザにお勧めのサービスに関する情報を取得する。情報提供部133は、取得した情報を情報端末2に送信する。情報管理装置1及び情報端末2がこのように動作することで、ユーザは、既に個人情報が登録されている企業から提供されるサービスの内容を容易に把握することができる。ユーザが新たにサービスの利用を開始したい場合、個人情報を新たに登録する必要がないので、ユーザが、新たなサービスの利用を容易に開始することができる。
【0058】
[情報管理システムSにおける動作シーケンス]
図8は、情報管理システムSにおける動作シーケンスを示す図である。ユーザが、個人情報を変更する操作(例えば、個人情報を変更する要求を含むチャットメッセージの入力)を情報端末2において行うと(S1)、情報端末2は、個人情報を変更する要求を情報管理装置1に送信する。情報管理装置1においては、情報提供部133が、個人情報が登録されている企業を特定し(S2)、特定した企業のサーバ(
図8の例においては、銀行サーバ及び宅配業者サーバ)それぞれに対して、情報端末2のユーザに関連付けて登録されている情報を要求する。
【0059】
情報提供部133は、各企業のサーバから登録情報を受信すると、受信した登録情報を情報端末2に送信する。情報提供部133は、各企業の登録情報を個別に情報端末2に送信してもよく、複数の企業の登録情報を同時に情報端末2に送信してもよい。
【0060】
情報端末2は、受信した登録情報を表示する(S3)。その後、情報端末2は、ユーザから個人情報の一部又は全部を変更する操作、及び変更後の住所を受け付けると(S4)、変更後の個人情報を情報管理装置1に送信する。情報提供部133は、変更の対象となる個人情報が登録されている企業のサーバに対して、変更後の個人情報を送信する。企業のサーバは、受信した変更後の個人情報に基づいて、記憶している個人情報を更新する(S5、S6)。情報提供部133は、変更後の個人情報を送信したサーバから、新たに登録された個人情報を取得し、取得した個人情報を情報端末2に送信する。情報端末2は、登録された個人情報を表示する(S7)。これによって、ユーザは、個人情報が適切に更新されたことを確認することができる。
【0061】
なお、情報提供部133がチャットボットの機能を有しており、情報管理装置1は情報端末2を用いるユーザとの間で、チャット形式のメッセージを自動的に送受信してもよい。情報提供部133は、例えば住所を変更する要求を含むチャットメッセージを受信すると、「住所の変更ですね?」というメッセージを情報端末2に送信する。このように情報提供部133が動作することで、ユーザは、チャットを行う感覚で容易に個人情報を変更することができる。
【0062】
[変形例]
以上の説明においては、情報提供部133が、変更後の個人情報を記憶部12に記憶された個人情報データベースから取得するという例を示したが、情報提供部133は、情報端末2から変更後情報を取得した情報取得部132から、変更後の個人情報を取得してもよい。
【0063】
[情報管理装置1による効果]
以上説明したように、記憶制御部131は、情報端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDに関連付けて、ユーザの個人情報と、個人情報を登録している企業を特定するための企業IDとを記憶部12に記憶させる。そして、情報取得部132が、ユーザIDに関連付けられた情報端末2から、記憶制御部131が記憶部12に個人情報を記憶させた後に変更された個人情報である変更後情報を取得すると、情報提供部133が、個人情報を登録している企業のサーバに変更後情報を送信する。情報管理装置1がこのような構成を有することにより、ユーザは、個人情報を登録している企業にアクセスすることなく、情報端末2を用いて個人情報を変更するための操作を行うことができる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0065】
1 情報管理装置
2 情報端末
3 銀行サーバ
4 通信キャリアサーバ
5 宅配業者サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 記憶制御部
132 情報取得部
133 情報提供部