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特許7003356配向された非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層を生成するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】配向された非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層を生成するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 3/14 20060101AFI20220113BHJP
   B42D 25/369 20140101ALI20220113BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20220113BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20220113BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20220113BHJP
   C09D 11/037 20140101ALI20220113BHJP
   C09D 11/50 20140101ALI20220113BHJP
   C09D 17/00 20060101ALI20220113BHJP
   H01F 41/16 20060101ALI20220113BHJP
   H01F 13/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B41M3/14
B42D25/369
B05D7/24 303F
B05D7/24 303A
B05D7/24 303D
B05D7/24 301T
B05D3/00 D
B05D5/06 Z
B05D3/00 G
C09D11/037
C09D11/50
C09D17/00
H01F41/16
H01F13/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018562218
(86)(22)【出願日】2017-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2017073430
(87)【国際公開番号】W WO2018054819
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-08-18
(31)【優先権主張番号】16190044.4
(32)【優先日】2016-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】311007051
【氏名又は名称】シクパ ホルディング ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SICPA HOLDING SA
【住所又は居所原語表記】Avenue de Florissant 41,CH-1008 Prilly, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ロギノフ, エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, マチュー
(72)【発明者】
【氏名】デスプランド, クロード-アラン
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-228427(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01131038(GB,A)
【文献】国際公開第2016/026896(WO,A1)
【文献】特表2005-532907(JP,A)
【文献】特表2016-511703(JP,A)
【文献】特表2016-513023(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02087943(EP,A1)
【文献】特開2010-042407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/14
B42D 25/369
B05D 7/24
B05D 3/00
B05D 5/06
C09D 11/037
C09D 11/50
C09D 17/00
H01F 41/16
H01F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学効果層(OEL)(x10)を基板(x20)に生成するための方法あって、
i)非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含む、第1の状態にある放射線硬化性コーティング組成物を基板(x20)表面に塗布するステップと、
ii)前記放射線硬化性コーティング組成物を磁気アセンブリ(x30)の磁界に曝露することにより、前記非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させるステップであって、前記磁気アセンブリ(x30)が、
単一のループ状磁石又はループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せであり、半径方向磁化を有するループ状磁界発生装置(x31)と、
前記基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する単一の双極子磁石(x32)又は各々が前記基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する2つ以上の双極子磁石(x32)であって、
前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)が、前記単一のループ状磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、或いは前記ループ状構成に配設された前記2つ以上の双極子磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、前記ループ状磁界発生装置(x31)を形成する前記単一のループ状磁石又は前記2つ以上の双極子磁石のN極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のS極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のS極が基板(x20)表面側を向き、或いは前記ループ状磁界発生装置(x31)を形成する前記単一のループ状磁石又は前記2つ以上の双極子磁石のS極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のN極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のN極が基板(x20)表面側を向く双極子磁石(x32)とを備えるステップと、
iii)ステップii)の前記放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させることにより、前記非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向に固定するステップとを含み、
前記光学効果層が、前記光学効果層を傾斜させることにより形状が変化する1つ又は複数のループ状体の光学的印象を与える方法。
【請求項2】
前記磁気アセンブリ(x30)が、1つ又は複数のループ状磁極片(x33)であって、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)が前記1つ又は複数のループ状磁極片(x33)のループに配設されるループ状磁極片(x33)をさらに備え、及び/又は、
1つ又は複数の双極子磁石(x34)であって、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が前記基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)のS極が前記基板(x20)側を向いているときに、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)のN極が前記基板(x20)表面側を向き、或いは前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が前記基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)のN極が前記基板(x20)側を向いているときに、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)のS極が前記基板(x20)表面側を向いている双極子磁石(x34)をさらに備え、及び/又は、
前記ループ状磁界発生装置(x31)の下方及び前記単一の双極子磁石(x32)の下方又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の下方に配置されている1つ又は複数の磁極片(x35)をさらに備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップi)が、印刷プロセスにより、好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷から成る群から選択される印刷プロセスにより実行される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の非球状磁性粒子又は磁化可能粒子の少なくとも一部が、非球状光学可変磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子により構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記光学可変磁性顔料又は磁化可能顔料が、磁性薄膜干渉顔料、磁性コレステリック液晶顔料、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップiii)が前記ステップii)と一部同時に実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記非球状磁性粒子又は磁化可能粒子が小板状顔料粒子であり、前記方法が、第1の磁界発生装置の動的な磁界に対して前記放射線硬化性コーティング組成物を曝露することにより、前記小板状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を二軸配向させるステップをさらに含み、前記ステップがステップi)の後及びステップii)の前に実行される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
光学効果層(OEL)(x10)を基板(x20)に生成するための磁気アセンブリ(x30)であって、前記OELが、前記光学効果層を傾斜させることにより形状が変化する1つ又は複数のループ状体の光学的印象を与え、硬化した放射線硬化性コーティング組成物中に配向された非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含み、前記磁気アセンブリ(x30)が、
単一のループ状磁石又はループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せであり、半径方向磁化を有するループ状磁界発生装置(x31)と、
前記基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する単一の双極子磁石(x32)又は各々が前記基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する前記2つ以上の双極子磁石(x32)であって、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)が、前記単一のループ状磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、或いは前記ループ状構成に配設された前記2つ以上の双極子磁石(x31)により規定されたループ内に位置し、
前記ループ状磁界発生装置(x31)を形成する前記単一のループ状磁石又は前記2つ以上の双極子磁石のN極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のS極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のS極が前記基板(x20)表面側を向き、或いは前記ループ状磁界発生装置(x31)を形成する前記単一のループ状磁石又は前記2つ以上の双極子磁石のS極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のN極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のN極が前記基板(x20)表面側を向く双極子磁石(x32)とを備えている磁気アセンブリ(x30)。
【請求項9】
1つ又は複数のループ状磁極片(x33)であって、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)が前記1つ又は複数のループ状磁極片(x33)のループに配設されるループ状磁極片(x33)、及び/又は、
1つ又は複数の双極子磁石(x34)であって、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が前記基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)のS極が前記基板(x20)側を向いているときに、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)のN極が前記基板(x20)表面側を向き、或いは前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が前記基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、前記単一の双極子磁石(x32)又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)のN極が前記基板(x20)側を向いているときに、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)のS極が前記基板(x20)表面側を向いている双極子磁石(x34)、及び/又は、
1つ又は複数の磁極片(x35)をさらに備えている、請求項に記載の磁気アセンブリ(x30)。
【請求項10】
請求項又はに記載の磁気アセンブリ(x30)を備えた回転磁気シリンダ、或いは請求項又はに記載の磁気アセンブリ(x30)を備えた平台印刷ユニットを備えている印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
[001]本発明は、偽造及び違法複製に対する有価文書及び有価商品の保護の分野に関する。特に、本発明は、視角に応じた光学効果を示す光学効果層(OEL)、前記OELを生成するための磁気アセンブリ及び方法、並びに文書の偽造防止手段としての前記OELの使用に関する。
【0002】
[発明の背景]
[002]当技術分野においては、磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子、特に非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含むインク、コーティング組成物、コーティング、又は層を用いてセキュリティ要素及びセキュリティ文書を生成することが公知である。
【0003】
[003]例えばセキュリティ文書のセキュリティ機能は、「秘密」のセキュリティ機能及び「公然」のセキュリティ機能に分類可能である。秘密のセキュリティ機能による保護は、そのような機能が隠蔽されており、検出には通常、特殊な機器及び知識が必要である、という概念に依拠している。一方、「公然」のセキュリティ機能は、人間の感覚のみで容易に検出可能であり、例えばそのような機能の可視化及び/又は触覚による検出が可能でありながら、製造及び/又はコピーは依然として困難である。但し、公然のセキュリティ機能の有効性は、そのセキュリティ機能としての容易な認識に大きく依存している。ユーザは、そのようなセキュリティ機能の存在及び性質に気付いている場合、そのセキュリティ機能に基づいて実際にセキュリティ確認を行うしかないためである。
【0004】
[004]配向磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含むコーティング又は層については、例えば米国特許第2,570,856号、米国特許第3,676,273号、米国特許第3,791,864号、米国特許第5,630,877号、及び米国特許第5,364,689号に開示されている。コーティング中の磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子によれば、対応する磁界の印加により、非固化コーティング中で磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を局所的に配向させた後、これらを固化させることによって、磁気誘導画像、デザイン、及び/又はパターンを生成することができる。これにより、特定の光学効果すなわち偽造に対する耐性が高い固定磁気誘導画像、デザイン、又はパターンが得られる。配向磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子に基づくセキュリティ要素は、磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子又は前記粒子を含む対応するインク若しくは組成物と、前記インク若しくは組成物の塗布及び塗布されたインク若しくは組成物中の前記顔料粒子の配向に使用される特定の技術との両方が利用可能な場合にのみ生成可能である。
【0005】
[005]移動リング効果が効率的なセキュリティ要素として開発されている。移動リング効果は、前記光学効果層の傾斜角に応じて任意のxy方向に移動して見える漏斗、円錐、ボウル、円、楕円、及び半球等の物体の光学的錯覚像から成る。移動リング効果を生じさせる方法については、例えば欧州特許出願公開第1710756A1号、米国特許第8,343,615号、欧州特許出願公開第2306222A1号、欧州特許出願公開第2325677A2号、及び米国特許出願公開第2013/084411号に開示されている。
【0006】
[006]国際公開第2011/092502A2号は、視角の変化で見かけ上の移動リングを表示する移動リング像を生成する装置を開示している。開示された移動リング像は、軟磁化可能シートと、磁気軸がコーティング層の平面に垂直であるとともに前記軟磁化可能シートの下側に配設された球状磁石との組合せにより発生した磁界によって磁性粒子若しくは磁化可能粒子を配向可能な装置の使用により取得又は生成することができる。
【0007】
[007]先行技術の移動リング像は一般に、唯一の回転又は固定磁石の磁界による磁性粒子若しくは磁化可能粒子の整列によって生成される。唯一の磁石の磁力線は一般に、比較的緩やかな屈曲すなわち低い曲率を呈しているため、磁性粒子若しくは磁化可能粒子の配向の変化もOELの表面上で比較的緩やかである。さらに、単一の磁石のみが使用される場合は、磁石からの距離の増加とともに磁界の強度が急激に低下する。このため、磁性粒子若しくは磁化可能粒子の配向により極めて動的且つ明確に規定された特徴を得るのは難しく、リング縁部がぼやけた視覚効果となる可能性がある。
【0008】
[008]国際公開第2014/108404A2号は、コーティング中に分散し磁気配向された複数の非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子を含む光学効果層(OEL)を開示している。開示されたOELの特定の磁気配向パターンは、OELを傾斜させることにより移動するループ状体の光学的効果又は印象を観察者に与える。さらに、国際公開第2014/108404A2号は、ループ状体において、ループ状体に囲まれた中央領域の反射帯による突起の光学効果又は印象をさらにもたらすOELを開示している。開示された突起は、ループ状体に囲まれた中央領域に存在する半球等の3次元物体の印象を与える。
【0009】
[009]国際公開第2014/108303A1号は、コーティング中に分散し磁気配向された複数の非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子を含む光学効果層(OEL)を開示している。開示されたOELの特定の磁気配向パターンは、1つの共通中央領域を囲み、視角に応じた見かけ上の運動を示す複数の入れ子のループ状体の光学効果又は印象を観察者に与える。さらに、国際公開第2014/108303A1号は、最も内側のループ状体に囲まれ、これにより規定された中央領域を部分的に満たす突起をさらに含むOELを開示している。開示された突起は、中央領域に存在する半球等の3次元物体の錯覚を与える。
【0010】
[0010]セキュリティ機能を容易に確認可能であり、偽造者が利用可能な機器で大規模に製造することが難しく、非常に多くの考え得る形状及び形態で提供可能な人目を引く鮮明なループ状効果を良い品質で基板に表示するセキュリティ機能が依然として求められている。
【0011】
[発明の概要]
[0011]したがって、本発明の目的は、前述した先行技術の欠点を克服することである。
【0012】
[0012]第1の態様において、本発明は、光学効果層(OEL)(x10)を基板(x20)に生成するための方法及びこれにより得られる光学効果層(OEL)であって、前記方法が、
i)非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む、第1の状態にある放射線硬化性コーティング組成物を基板(x20)表面に塗布するステップと、
ii)放射線硬化性コーティング組成物を磁気アセンブリ(x30)の磁界に曝露することにより、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させるステップであって、
磁気アセンブリ(x30)が、単一のループ状磁石又はループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せであり、半径方向磁化を有するループ状磁界発生装置(x31)と、基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する単一の双極子磁石(x32)又は各々が基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する2つ以上の双極子磁石(x32)であって、
単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)が、単一のループ状磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、或いはループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、ループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石又は2つ以上の双極子磁石のN極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のS極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のS極が基板(x20)表面側を向き、或いはループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石又は2つ以上の双極子磁石のS極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のN極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のN極が基板(x20)表面側を向く双極子磁石(x32)とを備えるステップと、
iii)ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に第2の状態に硬化させることにより、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向に固定するステップとを含み、
光学効果層が、光学効果層を傾斜させることにより形状が変化する1つ又は複数のループ状体の光学的印象を与える方法を提供する。
【0013】
[0013]単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)は、単一のループ状磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、或いはループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石(x31)により規定されたループ内に位置する。
【0014】
[0014]本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、1つ又は複数のループ状磁極片(x33)、及び/又は1つ又は複数の双極子磁石(x34)、及び/又は1つ又は複数の磁極片(x35)をさらに備えていてもよい。
【0015】
[0015]本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、ループ状磁界発生装置(x31)、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)、任意選択的な1つ又は複数のループ状磁極片(x33)、任意選択的な1つ又は複数の双極子磁石(x34)、及び任意選択的な1つ又は複数の磁極片(x35)を保持するための1つ又は複数の支持母材(x36)を備えていてもよい。ループ状磁界発生装置(x31)、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)、任意選択的な1つ又は複数のループ状磁極片(x33)、任意選択的な1つ又は複数の双極子磁石(x34)、及び任意選択的な1つ又は複数の磁極片(x35)は、1つ又は複数の支持母材(x36)内、例えば支持母材(x36)に設けられた凹部、窪み又は空間内に配設されることが好ましい。
【0016】
[0016]さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の方法により作製された光学効果層(OEL)を提供する。
【0017】
[0017]さらなる態様において、偽造若しくは不正に対するセキュリティ文書の保護又は装飾用途としての光学効果層(OEL)の使用が提供される。
【0018】
[0018]さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の1つ又は複数の光学効果層(OEL)を備えたセキュリティ文書又は装飾要素若しくは物体を提供する。
【0019】
[0019]さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の光学効果層(OEL)(x10)を生成するための本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)、及び光学効果層(OEL)(x10)を本明細書に記載の基板(x20)に生成するための前記磁気アセンブリ(x30)の使用を提供する。
【0020】
[0020]さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の光学効果層(OEL)を本明細書に記載のような基板に生成するための印刷装置であって、前記OELが、光学効果層(x10)を傾斜させることにより形状が変化する1つ又は複数のループ状体の光学的印象を与え、硬化した放射線硬化性コーティング組成物中に配向された非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含み、印刷装置が本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)を備えた印刷装置を提供する。本明細書に記載の印刷装置は、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)のうちの少なくとも1つを備えた回転磁気シリンダ、又は本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)のうちの少なくとも1つを備えた平台印刷ユニットを備える。
【0021】
[0021]さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の光学効果層(OEL)を本明細書に記載のような基板に生成するための本明細書に記載の印刷装置の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A図1Aは、光学効果層(OEL)(110)を基板(120)表面に生成するための磁気アセンブリ(130)の概略図であり、磁気アセンブリ(130)が、支持母材(136)、ループ状磁界発生装置(131)、特にリングループ状構成に配設された15個の双極子磁石の組合せ、及び磁気軸が基板(120)表面に略垂直でN極が基板(110)表面側を向いている単一の双極子磁石(132)を備える。
図1B1図1B1は、図1Aの支持母材(136)の概略上面図である。
図1B2図1B2は、図1Aの支持母材(136)の概略投影図である。
図1C図1Cは、図1A図1Bに示す装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図2A図2は、光学効果層(OEL)(210)を基板(220)に生成するための磁気アセンブリ(230)の概略図であり、磁気アセンブリ(230)が、支持母材(236)、ループ状磁界発生装置(231)、特に三角形ループ状構成に配設された3個の双極子磁石の組合せ、及び磁気軸が基板(220)表面に略垂直でN極が基板(220)表面側を向いている双極子磁石(232)を備える。
図2B1図2B1は、図2Aの支持母材(236)の概略上面図である。
図2B2図2B2は、図2Aの支持母材(236)の概略投影図である。
図2C図2Cは、図2A図2Bに示す装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図3A図3Aは、光学効果層(OEL)(310)を基板(320)に生成するための磁気アセンブリ(330)の概略図であり、磁気アセンブリ(330)が、支持母材(336)、ループ状磁界発生装置(331)、特に正方形ループ状構成に配設された4個の双極子磁石の組合せ、及び磁気軸が基板(320)表面に略垂直でN極が基板(320)表面側を向いている双極子磁石(332)を備える。
図3B1図3B1は、図3Aの支持母材(336)の概略上面図である。
図3B2図3B2は、図3Aの支持母材(336)の概略投影図である。
図3C図3Cは、図3A図3Bに示す装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図4A図4Aは、光学効果層(OEL)(410)を基板(420)に生成するための磁気アセンブリ(430)の概略図であり、磁気アセンブリ(430)が、2つの支持母材(436a、436b)、ループ状磁界発生装置(431)、特に正方形ループ状構成に配設された4個の双極子磁石の組合せ、磁気軸が基板(420)表面に略垂直でN極が基板(420)表面側を向いている双極子磁石(432)、及びループ状磁極片(433)を備える。
図4B1図4B1図4B3は、図4Aの支持母材(436a、436b)の概略上面図である。
図4B2図4B2図4B4は、図4Aの支持母材(436a、436b)の概略投影図である。
図4B3図4B1図4B3は、図4Aの支持母材(436a、436b)の概略上面図である。
図4B4図4B2図4B4は、図4Aの支持母材(436a、436b)の概略投影図である。
図4C図4Cは、図4A図4Bに示す装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図5A図5Aは、光学効果層(OEL)(510)を基板(520)に生成するための磁気アセンブリ(530)の概略図であり、磁気アセンブリ(530)が、支持母材(536)、ループ状磁界発生装置(531)、特に正方形ループ状構成に配設された4個の双極子磁石の組合せ、磁気軸が基板(520)表面に略垂直でN極が基板(520)表面側を向いている双極子磁石(532)、及び1つ又は複数の双極子磁石(534)、特に各々の磁気軸が基板(520)表面に略垂直でS極が基板(520)表面側を向いている4個の双極子磁石(534)を備える。
図5B1図5B1は、図5Aの支持母材(536)の概略上面図である。
図5B2図5B2は、図5Aの支持母材(536)の概略投影図である。
図5C図5Cは、図5A図5Bに示す装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図6A図6Aは、光学効果層(OEL)(610)を基板(620)表面に生成するための磁気アセンブリ(630)の概略図であり、磁気アセンブリ(630)が、支持母材(636)、ループ状磁界発生装置(631)、特に単一のループ状磁石、及び磁気軸が基板(620)表面に略垂直でN極が基板(610)表面側を向いている単一の双極子磁石(632)を備える。
図6B1図6B1は、図6Aの支持母材(636)の概略上面図である。
図6B2図6B2は、図6Aの支持母材(636)の概略投影図である。
図6C図6Cは、図6A図6Bに示す装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図7図7は、比較装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
図8図8は、比較装置を使用して得られたOELを異なる視角で見た場合の写真である。
【0023】
[詳細な説明]
(定義)
[0022]以下の定義を用いることによって、本明細書及び特許請求の範囲に記載の用語の意味を解釈するものとする。
【0024】
[0023]本明細書で使用されるとき、不定冠詞「a」は、1つ及び2つ以上を示し、必ずしもその指示対象の名詞を単数に限定するものではない。
【0025】
[0024]本明細書で使用されるとき、用語「約」は、対象とする量又は値が指定された特定の値又はその近傍の他の値であってもよいことを意味する。一般に、ある値を示す用語「約」は、その値の±5%の範囲を示すことを意図している。一例として、表現「約100」は、100±5の範囲すなわち95~105の範囲を示す。一般に、用語「約」を使用する場合は、本発明による類似の結果又は効果が指定値の±5%の範囲で得られることが予想され得る。
【0026】
[0025]用語「略平行」は、平行整列からの逸脱が10°以下であることを表し、用語「略垂直」は、垂直整列からの逸脱が10°以下であることを表す。
【0027】
[0026]本明細書で使用されるとき、用語「及び/又は」は、前記群の要素のすべて又は1つだけが存在していてもよいことを意味する。例えば、「A及び/又はB」は、「Aのみ、Bのみ、又はA及びBの両方」を意味するものとする。「Aのみ」の場合、この用語は、Bが存在しない可能性、すなわち「AのみであってBではない」という可能性も網羅している。
【0028】
[0027]本明細書で使用されるとき、用語「備える(含む)」は、非排他的且つオープンエンドであることを意図している。したがって、例えば化合物Aを含む湿し水は、A以外の化合物を含んでいてもよい。但し、用語「備える(含む)」は、特定の実施形態として、「~から本質的に成る」及び「~から成る」というより限定的な意味も網羅するため、例えば「A、B、及び任意選択でCを含む湿し水」は、A及びBから(本質的に)成っていてもよいし、A、B、及びCから(本質的に)成っていてもよい。
【0029】
[0028]用語「コーティング組成物」は、本発明の光学効果層(OEL)を固体基板に形成可能であるとともに、印刷法によって優先的且つ非排他的に塗布可能な任意の組成物を表す。コーティング組成物は、少なくとも複数の非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子及びバインダを含む。
【0030】
[0029]本明細書で使用されるとき、用語「光学効果層(OEL)」は、少なくとも複数の磁気配向された非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子及びバインダを含み、非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子の配向がバインダ内で固定又は凍結(固定/凍結)された層を示す。
【0031】
[0030]用語「磁気軸」は、磁石の対応するN極及びS極を接続するとともに貫通して延びる理論上の線を示す。この用語は、特定の磁界方向を含まない。
【0032】
[0031]用語「磁界方向」は、磁石の外側のN極からS極に向かう磁力線に沿った磁界ベクトルの方向を示す(Handbook of Physics、Springer 2002、463~464ページ参照)。
【0033】
[0032]本明細書で使用されるとき、用語「半径方向磁化(radial magnetization)」は、ループ状磁界発生装置(x31)における磁界方向を記載するために使用され、前記ループ状磁界発生装置(x31)の各点において、磁界方向は基板(x20)表面に略平行であり、前記ループ状磁界発生装置(x31)により規定された中央領域又はその周囲を向いている。
【0034】
[0033]用語「硬化」は、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子が現在の位置及び配向に固定/凍結されて移動も回転もできなくなる状態すなわち硬化、固化又は固体状態へ材料を変換する刺激に応答してコーティング組成物の粘度が高くなるプロセスを示すのに使用される。
【0035】
[0034]本説明が「好ましい」実施形態/特徴に言及する場合、これらの「好ましい」実施形態/特徴の組合せも、この「好ましい」実施形態/特徴の組合せが技術的に有意であれば開示されるものと考えられる。
【0036】
[0035]本明細書で使用されるとき、用語「少なくとも」は、1つ又は2つ以上、例えば1つ又は2つ又は3つを定義するものである。
【0037】
[0036]用語「セキュリティ文書」は、通常、少なくとも1つのセキュリティ機能により偽造又は不正から保護される文書を表す。セキュリティ文書の例として、有価文書及び有価商品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
[0037]用語「セキュリティ機能」は、認証目的で使用可能な画像、パターン、又は図形要素を示すために使用される。
【0039】
[0038]用語「ループ状体」は、それ自体で再結合することにより1つの中央領域を囲む閉ループ状体を形成する閉じた物体の視覚的印象をOELが観察者に与えるように、非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子が設けられたことを示す。「ループ状体」としては、円形、長円形、楕円形、正方形、三角形、長方形、又は任意の多角形が挙げられる。ループ形状の例としては、リング又は円、長方形又は正方形(角丸の有無に依らず)、三角形(角丸の有無に依らず)、(正又は不等辺)五角形(角丸の有無に依らず)、(正又は不等辺)六角形(角丸の有無に依らず)、(正又は不等辺)七角形(角丸の有無に依らず)、(正又は不等辺)八角形(角丸の有無に依らず)、任意の多角形(角丸の有無に依らず)等が挙げられる。本明細書において、1つ又は複数のループ状体の光学的印象は、非球状磁性粒子若しくは磁化可能粒子の配向によって形成される。
【0040】
[0039]本発明は、光学効果層(OEL)を基板に生成するための方法及びこれにより得られる光学効果層(OEL)であって、前記方法が、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む、第1の状態にある放射線硬化性コーティング組成物を基板(x20)表面に塗布するステップi)を含む方法を提供する。
【0041】
[0040]本明細書に記載の塗布ステップi)を、例えばローラ及び噴霧被覆プロセス等の被覆プロセス又は印刷プロセスによって運ばれ得る。本明細書に記載の塗布ステップi)は、好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、及び凹版印刷(当技術分野において銅版凹版印刷及び鋼製金型凹版印刷とも称する)から成る群から選択され、より好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷から成る群から選択される印刷プロセスによって実行されることが好ましい。
【0042】
[0041]本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物を本明細書に記載の基板表面に塗布する(ステップi))のに続いて、一部同時に、又は同時に、放射線硬化性コーティング組成物を本明細書に記載の磁気アセンブリの磁界に曝露することによって非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させて(ステップii))、装置により発生した磁力線に沿って非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を整列させる。
【0043】
[0042]本明細書に記載の磁界の印加により非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向/整列させるステップに続いて又は一部同時に、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の配向を固定又は凍結される。このように、特筆すべきこととして、放射線硬化性コーティング組成物は第1の状態、すなわち液体又はペースト状態を有していなければならず、この状態では放射線硬化性コーティング組成物が湿潤又は十分に柔軟であるため、放射線硬化性コーティング組成物中に分散した非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子が、磁界への曝露により自由に可動、回転可能、及び/又は配向可能である。また第2の硬化(例えば固体)状態も有していなければならず、この状態では、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子がそれぞれの位置及び配向で固定又は凍結されている。
【0044】
[0043]したがって、光学効果層(OEL)を本明細書に記載の基板に生成するための方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に第2の状態に硬化させることにより、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向に固定するステップiii)を含む。放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)を、本明細書に記載の磁界の印加により非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向/整列させるステップ(ステップii))に続いて又は一部同時に実行することができる。放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)が、本明細書に記載の磁界の印加により非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向/整列させるステップ(ステップii))と一部同時に実行されることが好ましい。「一部同時」とは、両方のステップが一部同時に実行されること、すなわちステップの各々を実行する時間が一部重なることを意味する。本明細書に記載の文脈においては、硬化が配向ステップii)と一部同時に実行されるとき、硬化が配向後に有効になるため、顔料粒子はOELの完全な若しくは部分的な硬化又は固化の前に配向することを理解する必要がある。
【0045】
[0044]そのようにして得られた光学効果層(OEL)は、光学効果層を備えた基板を傾斜させることにより形状が変化する1つ又は複数のループ状体の光学的印象を観察者に与える。すなわち、そのようにして得られたOELは、光学効果層を備えた基板を傾斜させることにより形状が変化するループ状体の光学的印象を観察者に与えるか、或いは光学効果層を備えた基板を傾斜させることにより形状が変化する複数の入れ子のループ状体の光学的印象を観察者に与え、前記入れ子のループ状体のうちの少なくとも1つが、光学効果層を備えた基板を傾斜させることにより形状が変化する。
【0046】
[0045]放射線硬化性コーティング組成物の第1の状態及び第2の状態は、ある種の放射線硬化性コーティング組成物を用いることによってもたらされる。例えば、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子以外の放射線硬化性コーティング組成物の成分は、セキュリティ用途、例えば紙幣印刷に用いられるようなインク又は放射線硬化性コーティング組成物の形態であってもよい。前述した第1の状態及び第2の状態は、電磁放射線への曝露に反応して粘度が高くなる材料を用いてもたらすことができる。すなわち、流体のバインダ材料は、硬化又は凝固されると、第2の状態に変換され、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子が現在の位置及び配向に固定されて、バインダ材料内で移動も回転もできなくなる。
【0047】
[0046]当業者に公知の通り、基板等の表面上に塗布する放射線硬化性コーティング組成物に含まれる成分及び前記放射線硬化性コーティング組成物の物理的特性は、放射線硬化性コーティング組成物を基板表面に転写するのに使用されるプロセスの要件を満たさなければならない。したがって、本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物に含まれるバインダ材料は、通常、当技術分野において公知の材料から選択され、放射線硬化性コーティング組成物の塗布に使用される被覆又は印刷プロセス及び選択された放射線硬化プロセスによって決まる。
【0048】
[0047]本明細書に記載の光学効果層(OEL)において、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の配向を固定/凍結する硬化バインダ材料を含む放射線硬化性コーティング組成物中に分散されている。硬化バインダ材料は、200nm~2500nmに含まれる様々な波長の電磁放射線に対して、少なくとも一部が透明である。したがって、バインダ材料は、少なくともその硬化又は固体状態(本明細書では第2の状態とも称する)において、200nm~2500nm、すなわち通常「光学スペクトル」と称し、バインダ材料に含まれる硬化又は固体状態の粒子及びそれぞれの配向に応じた反射性がバインダ材料を通じて認識され得るように、電磁スペクトルの赤外、可視、及び紫外部分を含む波長範囲内に含まれる様々な波長の電磁放射線に対して、少なくとも一部が透明である。硬化バインダ材料は、好ましくは200nm~800nm、より好ましくは400nm~700nmに含まれる様々な波長の電磁放射線に対して、少なくとも一部が透明である。本明細書において、用語「透明」は、該当する(1つ又は複数の)波長において、OEL(小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は含まないが、OELのその他の任意選択的な成分があれば、それらをすべて含む)に存在する硬化バインダ材料の20μmの層に対する電磁放射線の透過率が少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%であることを示す。これは、例えばDIN5036-3(1979-11)等の確立した試験方法に従って硬化バインダ材料(小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は含まず)の試験片の透過率を測定することによって決定可能である。OELが秘密のセキュリティ機能として機能する場合、選択した非可視波長を含むそれぞれの照明条件下においてOELが生成する(完全な)光学効果を検出するには、通常、技術的手段が必要となる。前記検出では、可視領域外、例えば近紫外領域において入射放射線の波長が選択される必要がある。この場合、OELは、入射放射線に含まれる可視スペクトルの外側の選択波長に応答して発光する発光性顔料粒子を含むことが好ましい。電磁スペクトルの赤外、可視、及び紫外部分は、700~2500nm、400~700nm、及び200~400nmの波長範囲にそれぞれ略対応する。
【0049】
[0048]前述した通り、本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物は、前記放射線硬化性コーティング組成物の塗布に使用される被覆又は印刷プロセス及び選択された硬化プロセスによって決まる。放射線硬化性コーティング組成物の硬化には、本明細書に記載のOELを備えた物品の通常の使用中に起こり得る(例えば、最大80℃の)単純な温度上昇では不可逆の化学反応を伴うことが好ましい。用語「硬化」又は「硬化性」は、塗布した放射線硬化性コーティング組成物中の少なくとも1つの成分が開始材料よりも大きな分子量を有するポリマー材料に変化するような、その成分の化学反応、架橋、又は重合を含むプロセスを表す。放射線硬化では、硬化放射線への曝露により放射線硬化性コーティング組成物の粘度が瞬時に高くなり、顔料粒子のさらなる移動が抑えられ、結果的に磁気配向ステップ後の情報損失が抑えられるため有利である。硬化ステップ(ステップiii))は、好ましくは紫外・可視光放射線硬化を含む放射線硬化又は電子ビーム放射線硬化、より好ましくは紫外・可視光放射線硬化によって実行される。
【0050】
[0049]したがって、本発明に適した放射線硬化性コーティング組成物としては、紫外・可視光放射線(以下、紫外・可視放射線と称する)又は電子ビーム放射線(以下、EB放射線と称する)によって硬化可能な放射線硬化性組成物が挙げられる。放射線硬化性組成物は、当技術分野において公知であり、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」シリーズ、第4巻、Formulation、C.Lowe、G.Webster、S.Kessel、及びI.McDonald、SITA Technology Limitedと提携したJohn Wiley & Sonsにより1996年、等の標準的な教科書に見られる。本発明の特に好ましい一実施形態によれば、本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物は、紫外・可視放射線硬化性コーティング組成物である。
【0051】
[0050]紫外・可視放射線硬化性コーティング組成物は、ラジカル硬化性化合物及びカチオン硬化性化合物から成る群から選択される1つ又は複数の化合物を含むことが好ましい。本明細書に記載の紫外・可視放射線硬化性コーティング組成物は、ハイブリッド系であってもよく、1つ又は複数のカチオン硬化性化合物及び1つ又は複数のラジカル硬化性化合物の混合物を含んでもよい。カチオン硬化性化合物は、酸等のカチオン種を遊離させて硬化を開始することにより、モノマー及び/又はオリゴマーの反応及び/又は架橋によって放射線硬化性コーティング組成物を硬化させる1つ又は複数の光開始剤の放射による活性化を通常含むカチオン機構によって硬化する。ラジカル硬化性化合物は、1つ又は複数の光開始剤の放射によってラジカルを生成することにより重合を開始して放射線硬化性コーティング組成物を硬化させる活性化を通常含むフリーラジカル機構によって硬化する。本明細書に記載の紫外・可視放射線硬化性コーティング組成物に含まれるバインダの作製に用いられるモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーに応じて、異なる光開始剤を使用することができる。フリーラジカル光開始剤の適切な例が当業者に公知であり、この例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、α-アミノケトン、α-ヒドロキシケトン、ホスフィンオキシド、及びホスフィンオキシド誘導体、並びにこれらの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。カチオン光開始剤の適切な例が当業者に公知であり、この例としては、有機ヨードニウム塩(例えばジアリールヨードニウム塩)、オキソニウム(例えばトリアリールオキソニウム塩)、及びスルホニウム塩(例えばトリアリールスルホニウム塩)等のオニウム塩、並びにこれらの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有用な光開始剤の他の例は、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」、第3巻、「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Polymerization」、第2版、J.V.Crivello及びK.Dietliker、G.Bradley編、SITA Technology Limitedと提携したJohn Wiley & Sonsにより1998年に発行、等の標準的な教科書に見られる。また、効率的な硬化を実現するため、1つ又は複数の光開始剤と併せて増感剤を含むことが有利と考えられる。適切な光増感剤の一般的な例としては、イソプロピル-チオキサントン(ITX)、1-クロロ-2-プロポキシ-チオキサントン(CPTX)、2-クロロ-チオキサントン(CTX)、及び2,4-ジエチル-チオキサントン(DETX)、並びにこれらの2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。紫外・可視放射線硬化性コーティング組成物に含まれる1つ又は複数の光開始剤は、好ましくは約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約1重量%~約15重量%の総量で存在し、重量パーセントは、紫外・可視放射線硬化性コーティング組成物の総重量に基づく。
【0052】
[0051]本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物は、1つ又は複数のマーカ物質若しくは追跡用添加物並びに/又は磁性材料(本明細書に記載の小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子とは異なる)、発光材料、導電材料、及び赤外線吸収材料から成る群から選択される1つ又は複数の機械可読材料をさらに含んでいてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「機械可読材料」は、肉眼では確認できない少なくとも1つの特有の特性を示し、ある層に含まれることによって、特定の認証用機器の使用により前記層又は前記層を含む物品を認証する方法を提供可能な材料を表す。
【0053】
[0052]本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物は、有機顔料粒子、無機顔料粒子、及び有機色素から成る群から選択される1つ又は複数の着色成分並びに/又は1つ又は複数の添加剤をさらに含んでいてもよい。後者としては、粘度(例えば、溶媒、増粘剤、及び界面活性剤)、稠度(例えば、硬化防止剤、充填剤、及び可塑剤)、起泡性(例えば、消泡剤)、潤滑性(ワックス、オイル)、紫外線安定性(光安定剤)、密着性、帯電防止特性、保存性(重合防止剤)等の放射線硬化性コーティング組成物の物理的、流動学的、及び化学的パラメータの調整に用いられる化合物及び材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の添加剤は、その添加剤の寸法のうちの少なくとも1つが1~1000nmの範囲である、いわゆるナノ材料を含む、当技術分野において公知の量及び形態で放射線硬化性コーティング組成物中に存在していてもよい。
【0054】
[0053]本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物は、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む。非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、好ましくは約2重量%~約40重量%、より好ましくは約4重量%~約30重量%の量だけ存在する。この重量パーセントは、バインダ材料、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子、及び放射線硬化性コーティング組成物のその他の任意選択的な成分を含む放射線硬化性コーティング組成物の総重量に基づく。
【0055】
[0054]本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、形状が非球状であることから、硬化又は固化バインダ材料の少なくとも一部が透明である入射電磁放射線に対して非等方的な反射性を有するように規定されている。本明細書で使用されるとき、用語「非等方的な反射性」は、第1の角度からの入射放射線が粒子によりある(観察)方向(第2の角度)に反射される割合が粒子の配向の関数であること、すなわち、第1の角度に対する粒子の配向の変化に応じて観察方向への反射の大きさが異なり得ることを示す。本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、粒子の配向の変化によってその粒子による反射がある方向に変化するように、約200~約2500nm、より好ましくは約400~約700nmの波長範囲の一部又は全部における入射電磁放射線に対して非等方的な反射性を有することが好ましい。当業者に公知の通り、本明細書に記載の磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、すべての視角について同じ色を示す従来の顔料粒子と異なり、本明細書に記載の磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、前述した通り非等方的な反射性を示す。
【0056】
[0055]非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、扁長若しくは扁平な楕円体状、小板状、若しくは針状の粒子、又はこれらの2つ以上の混合物であることが好ましく、小板状の粒子であることがさらに好ましい。
【0057】
[0056]本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の適切な例としては、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ガドリニウム(Gd)、及びニッケル(Ni)から成る群から選択される磁性金属、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、及びこれらの2つ以上の混合物の磁性合金、クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、及びこれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物、並びにこれらの2つ以上の混合物を含む顔料粒子が挙げられるが、これらに限定されない。金属、合金、及び酸化物に関する用語「磁性」は、強磁性又はフェリ磁性金属、合金、及び酸化物を対象とする。クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、又はこれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物は、純粋又は混合酸化物であってもよい。磁性酸化物の例としては、赤鉄鉱(Fe)、磁鉄鉱(Fe)、二酸化クロム(CrO)、磁性フェライト(MFe)、磁性スピネル(MR)、磁性ヘキサフェライト(MFe1219)、磁性オルソフェライト(RFeO)、磁性ガーネット(M(AO)等の鉄酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。ここで、Mは二価金属、Rは三価金属、Aは四価金属を表す。
【0058】
[0057]本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の例としては、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ガドリニウム(Gd)、又はニッケル(Ni)等の磁性金属、及び鉄、コバルト、又はニッケルの磁性合金のうちの1つ又は複数から作られた磁気層Mを含む顔料粒子が挙げられるが、これらに限定されない。前記小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、1つ又は複数の追加の層を含む多層構造であってもよい。1つ又は複数の追加の層が、フッ化マグネシウム(MgF)等の金属フッ化物、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、硫化亜鉛(ZnS)、及び酸化アルミニウム(Al)から成る群から選択される1つ又は複数の材料、より好ましくは二酸化ケイ素(SiO)から独立して作られた層A、或いは金属及び金属合金から成る群から選択され、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金から成る群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)から成る群から選択される1つ又は複数の材料、さらに好ましくはアルミニウム(Al)から独立して作られた層B、或いは前述したような1つ又は複数の層Aと前述したような1つ又は複数の層Bとの組合せであることが好ましい。前述した多層構造である小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の一般的な例としては、A/M多層構造、A/M/A多層構造、A/M/B多層構造、A/B/M/A多層構造、A/B/M/B多層構造、A/B/M/B/A多層構造、B/M多層構造、B/M/B多層構造、B/A/M/A多層構造、B/A/M/B多層構造、B/A/M/B/A多層構造が挙げられるがこれらに限定されず、ここで、層A、磁気層M、及び層Bは前述した層から選択される。
【0059】
[0058]本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子及び/又は光学可変特性を持たない非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子によって構成されていてもよい。本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部が、非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の変色特性によってもたらされる公然のセキュリティは、本明細書に記載の非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含むインク、放射線硬化性コーティング組成物、コーティング、又は層を有する物品又はセキュリティ文書を人間の感覚のみで容易に検出、認識、及び/又はその考え得る偽造品から識別可能であるが、これに加えて、小板状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の光学特性をOEL認識用の機械可読ツールとして使用してもよい。したがって、顔料粒子の光学(例えば、スペクトル)特性を解析する認証プロセスにおいて、秘密又は準秘密のセキュリティ機能として、非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の光学特性を同時に使用してもよい。OELを生成する放射線硬化性コーティング組成物に非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を使用すると、セキュリティ文書用途におけるセキュリティ機能としてのOELの意義が高まる。そのような材料(すなわち、非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子)は、セキュリティ文書印刷業界用のためのものであって、一般には市販されていないからである。
【0060】
[0059]さらに、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、その磁性により機械可読であるため、それらの顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物は、例えば特定の磁気検出器により検出することができる。したがって、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物は、セキュリティ文書の秘密又は準秘密のセキュリティ要素(認証ツール)として使用可能である。
【0061】
[0060]前述したように、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、少なくとも一部が非球状光学可変磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子によって構成されていることが好ましい。これらは、非球状磁性薄膜干渉顔料粒子、非球状磁性コレステリック液晶顔料粒子、磁性材料を含む非球状干渉被覆顔料粒子、及びこれらの2つ以上の混合物から成る群から選択可能であることがより好ましい。
【0062】
[0061]磁性薄膜干渉顔料粒子は、当業者に公知であり、例えば、米国特許第US4,838,648号、国際公開第2002/073250A2号、欧州特許第0686675号、国際公開第2003/000801A2号、米国特許第6,838,166号、国際公開第2007/131833A1号、欧州特許出願公開第2402401号、及びこれらに引用された文献に開示されている。磁性薄膜干渉顔料粒子は、5層ファブリペロー多層構造を有する顔料粒子及び/又は6層ファブリペロー多層構造を有する顔料粒子及び/又は7層ファブリペロー多層構造を有する顔料粒子を含むことが好ましい。
【0063】
[0062]好ましい5層ファブリペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造から成り、反射体及び/又は吸収体が磁気層でもある。反射体及び/又は吸収体が、ニッケル、鉄及び/若しくはコバルトを含む磁気層、並びに/又はニッケル、鉄及び/若しくはコバルトを含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物であることが好ましい。
【0064】
[0063]好ましい6層ファブリペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/磁性体/誘電体/吸収体の多層構造から成る。
【0065】
[0064]好ましい7層ファブリペロー多層構造は、米国特許第4,838,648号等に開示されている吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造から成る。
【0066】
[0065]本明細書に記載の反射体層は、金属及び金属合金から成る群から選択され、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金から成る群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金から成る群から選択され、さらに好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金から成る群から選択される1つ又は複数の材料から、さらに好ましくはアルミニウム(Al)から独立して作られることが好ましい。誘電体層は、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化セリウム(CeF)、フッ化ランタン(LaF)、フッ化ナトリウムアルミニウム(例えばNaAlF)、フッ化ネオジム(NdF)、フッ化サマリウム(SmF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化リチウム(LiF)等の金属フッ化物、及び酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)等の金属酸化物から成る群から選択され、より好ましくはフッ化マグネシウム(MgF)及び二酸化ケイ素(SiO)から成る群から選択される1つ又は複数の材料から、さらに好ましくはフッ化マグネシウム(MgF)から独立して作られることが好ましい。吸収体層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、これらの金属硫化物、これらの金属炭化物、及びこれらの金属合金から成る群から選択され、より好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、及びこれらの金属合金から成る群から選択され、さらに好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの金属合金から成る群から選択される1つ又は複数の材料から独立して作られることが好ましい。磁気層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含むことが好ましい。7層ファブリペロー構造を含む磁性薄膜干渉顔料粒子が好ましい場合、磁性薄膜干渉顔料粒子が、Cr/MgF/Al/Ni/Al/MgF/Cr多層構造から成る吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の7層ファブリペロー多層構造を含むことが特に好ましく、ここで、Mは、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含む磁気層である。
【0067】
[0066]本明細書に記載の磁性薄膜干渉顔料粒子は、人間の健康及び環境に安全であると考えられ、例えば5層ファブリペロー多層構造、6層ファブリペロー多層構造、及び7層ファブリペロー多層構造に基づく多層顔料粒子であってもよく、前記顔料粒子は、約40重量%~約90重量%の鉄、約10重量%~約50重量%のクロム、及び約0重量%~約30重量%のアルミニウムを含む、実質的にニッケルを含まない組成の磁性合金を含む1つ又は複数の磁気層を含む。人間の健康及び環境に安全であると考えられる多層顔料粒子の一般的な例は、参照により本明細書に完全に組み込まれている欧州特許出願公開第2402401号に見られる。
【0068】
[0067]本明細書に記載の磁性薄膜干渉顔料粒子は通常、従来のウェブ上への異なる所要層の蒸着法によって製造される。例えば物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、又は電界析出法によって所望数の層を蒸着した後、適切な溶媒中での剥離層の溶解又はウェブからの材料の剥離によって層スタックをウェブから除去する。そして、そのようにして得られた材料を粉砕して小板状顔料粒子にし、この小板状顔料粒子を、研削、ミル加工(例えばジェットミル加工プロセス等)、又は任意の適切な方法でさらに加工して、所要の大きさの顔料粒子を得る必要がある。得られる製品は、縁部が破砕され、形状が不規則で、アスペクト比が異なる平らな小板状顔料粒子から成る。適切な小板状磁性薄膜干渉顔料粒子の作製に関するさらなる情報が、例えば、参照により本明細書に組み込まれている欧州特許出願公開第1710756号及び欧州特許出願公開第1666546号に見られる。
【0069】
[0068]光学可変特性を示す適切な磁性コレステリック液晶顔料粒子としては、磁性単層コレステリック液晶顔料粒子及び磁性多層コレステリック液晶顔料粒子が挙げられるが、これらに限定されない。そのような顔料粒子は、例えば国際公開第2006/063926A1号、米国特許第6,582,781号、及び米国特許第6,531,221号に開示されている。国際公開第2006/063926A1号は、高い輝度及び変色特性の他、磁化可能性等の特定の特性を有する単層及び前記単層から得られた顔料粒子を開示している。開示された単層及び前記単層の微粉砕により得られた顔料粒子は、3次元架橋したコレステリック液晶混合物及び磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6,582,781号及び米国特許第6,410,130号は、配列がA/B/Aのコレステリック多層顔料粒子を開示している。ここで、A及びAは、同じであっても異なっていてもよく、各々が少なくとも1つのコレステリック層を含む。Bは、層A及びAから送られた光の全部又は一部を吸収するとともに磁気特性を自身に付与する中間層である。米国特許第6,531,221号は、配列がA/Bであり、任意選択でCを含む小板状コレステリック多層顔料粒子を開示している。ここで、A及びCは、磁気特性を付与する顔料粒子を含む吸収層であり、Bはコレステリック層である。
【0070】
[0069]1つ又は複数の磁性材料を含む適切な干渉被覆顔料としては、1つ又は複数の層で被覆されたコアから成る群から選択される基板から成る構造が挙げられるが、これに限定されない。ここで、コア又は1つ又は複数の層の少なくとも一方が磁性特性を有する。例えば、適切な干渉被覆顔料は、前述したような磁性材料から作られ、1つ又は複数の金属酸化物から作られた1つ又は複数の層で被覆されたコアを含むか、又は合成若しくは天然マイカ、層状ケイ酸塩(例えばタルク、カオリン、及びセリサイト)、ガラス(例えばホウケイ酸塩)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、グラファイト、及びこれらの2つ以上の混合物から作られたコアから成る構造を有する。さらに、着色層等の1つ又は複数の追加の層が存在してもよい。
【0071】
[0070]本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を表面処理して、放射線硬化性コーティング組成物に生じ得る劣化から保護する、並びに/又は非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の放射線硬化性コーティング組成物への取込みを容易にすることができる。通常、腐食防止材料及び/又は湿潤剤を用いることができる。
【0072】
[0071]一実施形態によれば、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子が小板状顔料粒子であることを前提として、本明細書に記載の光学効果層を生成するための方法は、第1の磁界発生装置の動的な磁界に対して本明細書に記載の放射線硬化性コーティング組成物を曝露することにより、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を二軸配向させるステップであって、ステップi)の後及びステップii)の前に実行されるステップをさらに含んでいてもよい。第2の磁界発生装置、特に本明細書に記載の磁気アセンブリの磁界に対してコーティング組成物をさらに曝露するステップの前に、第1の磁界発生装置の動的な磁界に対してコーティング組成物を曝露することにより、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を二軸配向させるこのようなステップを含む方法は、国際公開第2015/086257A1号に開示されている。本明細書に記載の第1の磁界発生装置の動的な磁界に対する放射線硬化性コーティング組成物の曝露に続いて、内部の小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子がさらに移動及び回転し得るように放射線硬化性コーティング組成物が依然として湿潤又は柔軟な間に、本明細書に記載の装置を使用して、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子をさらに再配向させる。
【0073】
[0072]二軸配向を実行することは、2つの主軸が拘束されるように小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を配向させることを意味する。すなわち、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の各々は、顔料粒子の平面に長軸を有し、顔料粒子の平面に直交する短軸を有するものと考えられる。小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の長軸及び短軸は各々、動的な磁界に従って配向される。実用上は、これにより、空間中で互いに近く隣接する小板状磁性顔料粒子が本質的に互いに平行となる。二軸配向を実行するために、小板状磁性顔料粒子は、時間に強く依存する外部磁界を受ける必要がある。言い換えると、二軸配向によって、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の平面が(全方向に)隣接する小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の平面に対して本質的に平行となるよう配向するように、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の平面が整列される。実施形態において、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の平面の前述した長軸及び長軸に垂直な短軸はいずれも、(全方向に)隣接する顔料粒子の長軸及び短軸が互いに整列するように、動的な磁界によって配向される。
【0074】
[0073]一実施形態によれば、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の二軸配向を実行するステップによって、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の2つの主軸が基板表面に対して略平行となる磁気配向が得られる。そのような整列の場合、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、基板の放射線硬化性コーティング組成物内で平坦化しており、基板表面と平行なそれぞれのX軸及びY軸(国際公開第2015/086257A1号の図1に示す)の両方で配向されている。
【0075】
[0074]別の実施形態によれば、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の二軸配向を実行するステップによって、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子が基板表面と略平行なXY平面内の第1の軸と、基板表面に対して略非ゼロの仰角で前記第1の軸と略垂直な第2の軸とを有する磁気配向が得られる。
【0076】
[0075]別の実施形態によれば、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の二軸配向を実行するステップによって、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子のXY平面が仮想回転楕円体表面に対して略平行となる磁気配向が得られる。
【0077】
[0076]小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を二軸配向させる特に好ましい磁界発生装置が、欧州特許出願公開第2157141号に開示されている。欧州特許出願公開第2157141号に開示された磁界発生装置は、X軸及びY軸という両主軸が基板表面に対して略平行になるまで小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を急激に振動させる方向を変化させる動的な磁界を与える。すなわち、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子は、基板表面に略平行なX軸及びY軸との安定したシート状構成になり、前記2次元で平坦化するまで回転する。
【0078】
[0077]小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を二軸配向させる特に好ましい他の磁界発生装置は、直線状の永久磁石ハルバッハ配列、すなわち磁化方向が異なる複数の磁石を備えたアセンブリを含む。ハルバッハ永久磁石の詳細な説明が、Z.Q.Zhu及びD.Howe(Halbach permanent magnet machines and applications:a review,IEE.Proc.Electric Power Appl.、2001、148、299~308ページ)により示される。そのようなハルバッハ配列により発生する磁界は、一側に集中し、他側では略ゼロにまで弱まるという特性を有する。同時係属の欧州特許出願第14195159.0号は、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を二軸配向させる適切な装置であって、ハルバッハ円筒アセンブリを備えた装置を開示している。小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を二軸配向させる特に好ましい他の磁界発生装置は、回転磁石であり、それぞれの直径に沿って本質的に磁化されるディスク状の回転磁石又は磁石アセンブリを含む。適切な回転磁石又は磁石アセンブリが、米国特許出願公開第2007/0172261A1号に記載されており、半径方向に対称な時間可変磁界を発生させることによって、未硬化又は未固化コーティング組成物の小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の二軸配向が可能になる。これらの磁石又は磁石アセンブリは、外部のモータに接続されたシャフト(又は、スピンドル)によって駆動される。中国特許第102529326B号は、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を二軸配向させるのに適していると思われる回転磁石を備えた磁界発生装置の例を開示している。好ましい実施形態において、小板状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を二軸配向させる適切な磁界発生装置は、非磁性材料、好ましくは非導電性材料から作られたハウジング内に拘束された、シャフトのないディスク状回転磁石又は磁石アセンブリであり、ハウジングに巻回された1つ又は複数の磁石ワイヤコイルによって駆動される。そのようなシャフトのないディスク状回転磁石又は磁石アセンブリの例が、国際公開第2015/082344A1号及び同時係属の欧州特許出願第14181939.1号に開示されている。
【0079】
[0078]本明細書に記載の基板は、紙若しくはセルロース等のその他の繊維材料、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、並びにこれらの混合物又は組合せから成る群から選択されることが好ましい。一般的な紙、紙状、又はその他の繊維材料は、アバカ、綿、麻、木材パルプ、及びこれらの混合を含む様々な繊維から作られるが、これらに限定されない。当業者に周知の通り、紙幣には綿及び綿/麻混合物が好ましく、紙幣以外のセキュリティ文書には、一般に木材パルプが用いられている。プラスチック及びポリマーの一般的な例としては、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6-ナフトエート)(PEN)等のポリエステル、及びポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられる。基板としては、タイベック(Tyvek)(登録商標)という商標で販売されているようなスパンボンドオレフィン繊維も使用可能である。金属化プラスチック又はポリマーの一般的な例としては、金属が表面に連続的又は不連続的に配設された前述のプラスチック又はポリマー材料が挙げられる。金属の一般的な例としては、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、これらの組合せ、又は前記金属の2つ以上の合金が挙げられるが、これらに限定されない。前述したプラスチック又はポリマー材料の金属化は、電着プロセス、高真空被覆プロセス、又はスパッタリングプロセスによって行うことができる。複合材料の一般的な例としては、紙及び前述したような少なくとも1つのプラスチック若しくはポリマー材料の多層構造又は積層、並びに前述したような紙状又は繊維材料に組み込まれたプラスチック及び/若しくはポリマー繊維等が挙げられるが、これらに限定されない。当然、基板は、サイジング剤、漂白剤、加工助剤、補強又は湿潤増強剤等、当業者に公知のさらなる添加剤を含んでいてもよい。本明細書に記載の基板を、ウェブ(例えば、前述した材料の連続シート)の形態又はシートの形態で提供してもよい。本発明に従って生成されたOELがセキュリティ文書上にある場合は、前記セキュリティ文書の偽造及び違法複製に対するセキュリティレベル及び耐性をさらに高くすることを目的として、基板が、印刷、被覆、レーザマーキング、又はレーザ穿孔証印、透かし、セキュリティスレッド、繊維、プランシェット、発光化合物、窓、箔、デカール、及びこれらの2つ以上の組合せを備えていてもよい。セキュリティ文書の偽造及び違法複製に対するセキュリティレベル及び耐性をさらに高くするという同じ目的で、前記基板が、1つ又は複数のマーカ物質若しくは追跡用添加物並びに/又は機械可読物質(例えば、発光物質、紫外/可視/赤外線吸収物質、磁性物質、及びこれらの組合せ)を含んでいてもよい。
【0080】
[0079]また、本明細書に記載のような硬化した放射線硬化性コーティング組成物中に配向された非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む、本明細書に記載のようなOEL(x10)を本明細書に記載の基板(x20)に生成するための磁気アセンブリ(x30)、及び前記磁気アセンブリ(x30)を使用する方法が本明細書に記載される。
【0081】
[0080]磁気アセンブリ(x30)は、
単一のループ状磁石又はループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せであり、半径方向磁化を有するループ状磁界発生装置(x31)と、
基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する単一の双極子磁石(x32)又は各々が基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有する2つ以上の双極子磁石(x32)であって、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)が、単一のループ状磁石(x31)により規定されたループ内に部分的に、ループ内に、若しくはループ上に位置し、或いはループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石(x31)により規定されたループ内に位置し、ループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石又は2つ以上の双極子磁石のN極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のS極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のS極が基板(x20)表面側を向き、或いはループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石又は2つ以上の双極子磁石のS極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記単一の双極子磁石(x32)のN極又は前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のN極が基板(x20)表面側を向く双極子磁石(x32)と、
任意選択で、本明細書に記載の1つ又は複数のループ状磁極片(x33)であって、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)が前記1つ又は複数のループ状磁極片(x33)のループに配設されるループ状磁極片(x33)と、
任意選択で、本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)であって、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)のS極が基板(x20)側を向いているときに、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)のN極が基板(x20)表面側を向き、或いは前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)のN極が基板(x20)側を向いているときに、前記1つ又は複数の双極子磁石(x34)のS極が基板(x20)表面側を向いている双極子磁石(x34)と、任意選択で1つ又は複数の磁極片(x35)とを備える。
【0082】
[0081]本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載のループ状磁界発生装置(x31)を保持するための1つ又は複数の支持母材(x36)と、本明細書に記載の単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)と、本明細書に記載の任意選択的な1つ又は複数のループ状磁極片(x33)と、本明細書に記載の任意選択的な1つ又は複数の双極子磁石(x34)と、本明細書に記載の任意選択的な1つ又は複数の磁極片(x35)とを備えていてもよい。
【0083】
[0082]本明細書に記載の1つ又は複数の支持母材(x36)は、1つ又は複数の非磁性材料から独立して作られる。非磁性材料は、例えばエンジニアリングプラスチック及びポリマー、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、並びにオーステナイト鋼(すなわち、非磁性鋼)等の低導電性材料、非導電性材料、及びこれらの混合物から成る群から選択されることが好ましい。エンジニアリングプラスチック及びポリマーとしては、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)及びその誘導体であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、コポリエーテルエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)コポリマー、フッ素化及びパーフルオロポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、並びに液晶ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい材料は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリオキシメチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン(登録商標)(ポリアミド)、及びPPSである。
【0084】
[0083]2つ以上の支持母材を使用するとき、すなわち2つ以上の支持母材(x36a、x36b等)を使用するとき、これら2つ以上の支持母材のうちの1つの最上面とこれら2つ以上の支持母材のうちの他のものの最下面との距離(d)が、約0mm~約5mmであることが好ましく、距離(d)が0であることがより好ましい。
【0085】
[0084]本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)はループ状磁界発生装置(x31)を備え、このループ状磁界発生装置(x31)は、
i)単一のループ状磁石から作られていても、
ii)ループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せであってもよい。
【0086】
[0085]一実施形態によれば、ループ状磁界発生装置(x31)は単一のループ状磁石であり、このループ状磁石は、基板(x20)表面に略平行な磁気軸を有し、半径方向を有し、すなわち、上から見た(すなわち基板(x20)側から見た)ときに、磁気軸がループ状磁石のループの中央領域から周囲を向いており、言い換えると、N極又はS極がループ状双極子磁石のループの中央領域側に半径方向に向いている。
【0087】
[0086]一実施形態によれば、ループ状磁界発生装置(x31)は、ループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せであり、2つ以上の双極子磁石の各々が基板(x20)表面に略平行な磁気軸を有する。本明細書に記載の組合せの2つ以上の双極子磁石のすべてのN極又はS極がループ状構成の中央領域側を向いているため、半径方向磁化が生じる。ループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石の組合せの一般的な例として、円形ループ状構成に配設された2つの双極子磁石の組合せ、三角形ループ状構成に配設された3個の双極子磁石の組合せ、又は正方形若しくは長方形ループ状構成に配設された4個の双極子磁石の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
[0087]ループ状磁界発生装置(x31)を、1つ又は複数の支持母材(x36)内に部分的に又は1つ又は複数の支持母材(x36)内に対称に配設しても、1つ又は複数の支持母材(x36)内に部分的に又は1つ又は複数の支持母材(x36)内に非対称に配設してもよい。
【0089】
[0088]ループ状磁石及びループ状構成に配設された2つ以上の双極子磁石(x31)は、高保磁力材料(強磁性材料とも称する)から独立して作られることが好ましい。適切な高保磁力材料は、少なくとも20kJ/m、好ましくは少なくとも50kJ/m、より好ましくは少なくとも100kJ/m、さらに好ましくは少なくとも200kJ/mのエネルギー積の最大値(BH)maxを有する材料である。双極子磁石は、例えばアルニコ5(R1-1-1)、アルニコ5DG(R1-1-2)、アルニコ5-7(R1-1-3)、アルニコ6(R1-1-4)、アルニコ8(R1-1-5)、アルニコ8HC(R1-1-7)、及びアルニコ9(R1-1-6)等のアルニコ、化学式MFe1219のヘキサフェライト(例えばストロンチウムヘキサフェライト(SrO*6Fe)又はバリウムヘキサフェライト(BaO*6Fe))、化学式MFeのハードフェライト(例えばコバルトフェライト(CoFe)又は磁鉄鉱(Fe)、Mは二価金属イオン)、セラミック8(SI-1-5)、RECo(RE=Sm又はPr)、RETM17(RE=Sm、TM=Fe、Cu、Co、Zr、Hf)、RETM14B(RE=Nd、Pr、Dy、TM=Fe、Co)から成る群から選択される希土類磁性材料、Fe、Cr、Coの異方性合金、PtCo、MnAlC、REコバルト5/16、REコバルト14の群から選択される材料から成る群から選択される1つ又は複数の焼結又はポリマー結合磁性材料から作られることが好ましい。棒状磁石の高保磁力材料は、希土類磁性材料から成る群から選択されることが好ましく、NdFe14B及びSmCoから成る群から選択されることがより好ましい。特に好ましいのは、ストロンチウムヘキサフェライト(SrFe1219)又はネオジム-鉄-ホウ素(NdFe14B)粉末等の永久磁石充填剤をプラスチック系又はゴム系母材に含む、加工が容易な永久磁石複合材料である。
【0090】
[0089]一実施形態によれば、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載のようなループ状磁界発生装置(x31)と、本明細書に記載のような単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)とを備える。
【0091】
[0090]一実施形態によれば、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載の単一の双極子磁石(x32)を備え、前記単一の双極子磁石(x32)は、基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有し、ループ状磁界発生装置を形成する単一のループ状磁石(x31)又は2つ以上の双極子磁石のN極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、単一の双極子磁石(x32)のS極が基板(x20)表面側を向き、或いはループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石又は2つ以上の双極子磁石のS極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、単一の双極子磁石(x32)のN極が基板(x20)表面側を向いている。
【0092】
[0091]別の実施形態によれば、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載の2つ以上の双極子磁石(x32)を備え、前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々が基板(x20)表面に略垂直な磁気軸を有し、ループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石(x31)又は2つ以上の双極子磁石のN極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のS極が基板(x20)表面側を向き、或いはループ状磁界発生装置(x31)を形成する単一のループ状磁石(x31)又は2つ以上の双極子磁石のS極が前記ループ状磁界発生装置(x31)の周囲側を向いているときに、前記2つ以上の双極子磁石(x32)の各々のN極が基板(x20)表面側を向いている。
【0093】
[0092]単一の双極子磁石(x32)及び2つ以上の双極子磁石(x32)は、ループ状磁石(x31)について前述したような強磁性材料から独立して作られることが好ましい。
【0094】
[0093]一実施形態によれば、例えば図4Aに示すように、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載のようなループ状磁界発生装置(x31)と、本明細書に記載のような単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)と、1つ又は複数のループ状磁極片(x33)とを備える。
【0095】
[0094]本明細書に記載の単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)は、前記1つ又は複数のループ状磁極片(x33)のループに配設される。単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)及び1つ又は複数のループ状磁極片(x33)は、ループ状双極子磁石(x31)内に部分的に、ループ状双極子磁石(x31)内に、若しくはループ状双極子磁石(x31)上に独立して配設され、或いはループ状構成に配設された双極子磁石の組合せ内に部分的に、組合せ内に、若しくは組合せ上に独立して配設されることが好ましい。単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)及び1つ又は複数のループ状磁極片(x33)を、ループ状磁界発生装置(x31)のループ内に、ループ内に部分的に、若しくはループ上に対称又は非対称に独立して配設することができる。
【0096】
[0095]磁極片は、軟磁性材料から構成された構造を示す。軟磁性材料は、低保磁力及び高飽和度を有する。適切な低保磁力の高飽和材料は、1000Am-1より低い保磁力を有し、高速磁化及び減磁を可能にする。材料の飽和は、少なくとも0.1テスラであることが好ましく、少なくとも1.0テスラであることがより好ましく、少なくとも2テスラであることがさらに好ましい。本明細書に記載の低保磁力の高飽和材料としては、軟磁性鉄(焼鈍鉄及びカルボニル鉄による)、ニッケル、コバルト、マンガン-亜鉛フェライト又はニッケル-亜鉛フェライト等のソフトフェライト、ニッケル-鉄合金(パーマロイ型材料等)、コバルト-鉄合金、ケイ素鉄、及びMetglas(登録商標)(鉄-ボロン合金)等のアモルファス金属合金、好ましくは純鉄及びケイ素鉄(電磁鋼)、並びにコバルト-鉄合金及びニッケル-鉄合金(パーマロイ型材料)、より好ましくは鉄が挙げられるが、これらに限定されない。磁極片は、磁石により発生した磁界の指向に役立つ。
【0097】
[0096]一実施形態によれば、例えば図5に示すように、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載のようなループ状磁界発生装置(x31)と、本明細書に記載のような単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)と、本明細書に記載のような1つ又は複数の双極子磁石(x34)と、任意選択で、本明細書に記載のような1つ又は複数のループ状磁極片(x33)とを備える。
【0098】
[0097]一実施形態によれば、本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)を、ループ状磁界発生装置(x31)の下方及び単一の双極子磁石(x32)の下方又は2つ以上の双極子磁石(x32)の下方に配置してもよい。別の実施形態によれば、本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)を、ループ状磁界発生装置(x31)の上に少なくとも部分的に配置してもよい。別の実施形態によれば、本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)を、ループ状磁界発生装置(x31)と同一平面上に配置してもよい。
【0099】
[0098]本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)のS極が基板(x20)側を向いているときに、1つ又は複数の双極子磁石(x34)のN極が基板(x20)表面側を向き、或いは1つ又は複数の双極子磁石(x34)の各々が基板(x20)に略垂直な磁気軸を有し、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)のN極が基板(x20)側を向いているときに、1つ又は複数の双極子磁石(x34)のS極が基板(x20)表面側を向いている。
【0100】
[0099]本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)は、ループ状磁石(x31)について前述したような強磁性材料から独立して作られることが好ましい。
【0101】
[00100]本明細書に記載の1つ又は複数の双極子磁石(x34)を、1つ又は複数の支持母材(x36)内に部分的に又は1つ又は複数の支持母材(x36)内に対称に配設しても、1つ又は複数の支持母材(x36)内に部分的に又は1つ又は複数の支持母材(x36)内に非対称に配設してもよい。
【0102】
[00101]一実施形態によれば、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)は、本明細書に記載のようなループ状磁界発生装置(x31)、本明細書に記載のような単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)、1つ又は複数の磁極片(x35)、任意選択で本明細書に記載のような1つ又は複数のループ状磁極片(x33)、及び任意選択で本明細書に記載のような1つ又は複数の双極子磁石(x34)を備え、前記1つ又は複数の磁極片(x35)が、ループ状磁界発生装置(x31)の下方及び単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)の下方に配置されている。
【0103】
[00102]1つ又は複数の磁極片(x35)は、ループ状磁極片又は中実状(solid-shaped)磁極片(すなわち、前記磁極片の材料のない中央領域を含まない磁極片)、好ましくは中実状磁極片、より好ましくはディスク状磁極片であってよい。
【0104】
[00103]1つ又は複数の磁極片(x35)を、ループ状磁界発生装置(x31)の上に配置してもよい。或いは、1つ又は複数の磁極片(x35)を、ループ状磁界発生装置(x31)の下方及び単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)の下方に配置してもよく、これが好ましい。
【0105】
[00104]1つ又は複数の磁極片(x35)は、1つ又は複数のループ状磁極片(x33)について前述したような低保磁力の高飽和材料から独立して作られることが好ましい。
【0106】
[00105]1つ又は複数の磁極片(x35)の最上面と、本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)のループ状磁界発生装置(x31)、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)、任意選択的な1つ又は複数のループ状磁極片(x33)、任意選択的な1つ又は複数の双極子磁石(x34)、及び1つ又は複数の支持母材(x36)の最下面との距離(e)は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0107】
[00106]本明細書に記載の磁気アセンブリ(x30)のループ状磁界発生装置(x31)、単一の双極子磁石(x32)又は2つ以上の双極子磁石(x32)、任意選択的な1つ又は複数のループ状磁極片(x33)、任意選択的な1つ又は複数の双極子磁石(x34)、及び1つ又は複数の支持母材(x36)の最上面と、磁気アセンブリ(x30)に面した基板(x20)の下面との距離(h)は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0108】
[00107]ループ状磁界発生装置(x31)の材料、双極子磁石(x32)の材料、1つ又は複数のループ状磁極片(x33)の材料、1つ又は複数の双極子磁石(x34)の材料、1つ又は複数の磁極片(x35)の材料、及び距離(d)、(h)、(e)は、磁石アセンブリ(x30)により発生した磁界と1つ又は複数の磁極片(x35)との相互作用により生じる磁界が本明細書に記載の光学効果層の生成に適したものとなるように選択される。磁石アセンブリ(x30)により発生した磁界と1つ又は複数の磁極片(x35)とは相互作用して、結果として生じる装置の磁界が基板の未硬化の放射線硬化性コーティング組成物中の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を配向させることができる。これらの顔料粒子は、装置の磁界に配設されて、光学効果層を傾斜させることにより形状が変化する1つ又は複数のループ状体の光学的印象を生み出す。
【0109】
[00108]図1は、本発明による、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(110)を基板(120)に生成するのに適した磁気アセンブリ(130)の例を示す。磁気アセンブリ(130)は、支持母材(136)、ループ状磁界発生装置(131)、特にリングループ状構成に配設された15個の双極子磁石の組合せ、及び単一の双極子磁石(132)を備える。
【0110】
[00109]ループ状磁界発生装置(131)は、リングループ状構成(131)に配設された15個の双極子磁石の組合せから作られ、前記15個の双極子磁石の各々が基板(120)に平行な磁気軸を有する。15個の双極子磁石の各々のN極が、前記ループ状磁界発生装置(131)の中央領域側を向き、S極が前記ループ状磁界発生装置(131)の周囲側に半径方向に向いているため、半径方向磁化が生じる。
【0111】
[00110]磁気アセンブリ(130)は、a)リングループ状構成に配設された15個の双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(131)と、b)単一の双極子磁石(132)とを備える。図1に示すように、単一の双極子磁石(132)を、リング状磁界発生装置(131)のループ内に部分的に対称に配設することができる。
【0112】
[00111]単一の双極子磁石(132)の磁気軸は基板(120)表面に略垂直で、N極は基板(120)側を向いている。
【0113】
[00112]支持母材(136)、ループ状磁界発生装置(131)、及び単一の双極子磁石(132)の最上面(すなわち、図1の単一の双極子磁石(132)の上面)と磁気アセンブリ(130)に面した基板(120)の下面との距離は、約0.1mm~約10mmであることが好ましく、約0.2mm~約5mmであることがより好ましい。
【0114】
[00113]図1A図1Bに示す磁気アセンブリにより生成されたOELが図1Cに示される。
【0115】
[00114]図2は、本発明による、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(210)を基板(220)に生成するのに適した磁気アセンブリ(230)の例を示す。磁気アセンブリ(230)は、支持母材(236)、ループ状磁界発生装置(231)、特に三角形ループ状構成に配設された3個の双極子磁石の組合せ、及び単一の双極子磁石(232)を備える。
【0116】
[00115]ループ状磁界発生装置(231)は、三角形ループ状構成(231)に配設された3個の双極子磁石の組合せから作られ、前記3個の双極子磁石の各々が基板(220)に平行な磁気軸を有する。3個の双極子磁石の各々のN極が、前記ループ状磁界発生装置(231)の中央領域側を向き、S極が前記ループ状磁界発生装置(231)の周囲側に半径方向に向いているため、半径方向磁化が生じる。
【0117】
[00116]磁気アセンブリ(230)は、a)三角形ループ状構成に配設された3個の双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(231)と、b)単一の双極子磁石(232)とを備える。図2に示すように、単一の双極子磁石(232)を、三角形ループ状磁界発生装置(231)のループ内に部分的に対称に配設することができる。
【0118】
[00117]単一の双極子磁石(232)の磁気軸は基板(220)表面に略垂直で、N極は基板(220)側を向いている。
【0119】
[00118]支持母材(236)、ループ状磁界発生装置(231)、及び単一の双極子磁石(232)の最上面(すなわち、図2の単一の双極子磁石(232)の上面)と磁気アセンブリ(230)に面した基板(220)の下面との距離は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0120】
[00119]図2A図2Bに示す磁気アセンブリにより生成されたOELが図2Cに示される。
【0121】
[00120]図3は、本発明による、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(310)を基板(320)に生成するのに適した磁気アセンブリ(330)の例を示す。磁気アセンブリ(330)は、支持母材(336)、正方形ループ状構成(331)に配設された4個の双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置、及び単一の棒状双極子磁石(332)を備える。
【0122】
[00121]ループ状磁界発生装置(331)は、正方形ループ状構成(331)に配設された4個の双極子磁石の組合せから作られ、前記4個の双極子磁石の各々が基板(320)に平行な磁気軸を有する。4個の双極子磁石の各々のN極が、前記ループ状磁界発生装置(331)の中央領域側を向き、S極が前記ループ状磁界発生装置(331)の周囲側に半径方向に向いているため、半径方向磁化が生じる。
【0123】
[00122]磁気アセンブリ(330)は、a)正方形ループ状構成に配設された4個の双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置と、b)単一の双極子磁石(332)とを備える。図3に示すように、単一の双極子磁石(332)を、ループ状磁界発生装置(331)のループ上に対称に配設することができる。
【0124】
[00123]単一の双極子磁石(332)の磁気軸は基板(320)表面に略垂直で、N極は基板(320)側を向いている。
【0125】
[00124]支持母材(336)、ループ状磁界発生装置(331)、及び単一の双極子磁石(332)の最上面(すなわち、図3の単一の双極子磁石(332)の上面)と磁気アセンブリ(330)に面した基板(320)の下面との距離(h)は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0126】
[00125]図3A図3Bに示す磁気アセンブリにより生成されたOELが図3Cに示される。
【0127】
[00126]図4は、本発明による、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(410)を基板(420)に生成するのに適した磁気アセンブリ(430)の例を示す。磁気アセンブリ(430)は、2つの支持母材(436a、436b)、正方形ループ状構成(431)に配設された4個の双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置、単一の棒状双極子磁石(432)、及びリング状磁極片(433)である1つ又は複数の、特に1つのループ状磁極片(433)を備える。
【0128】
[00127]ループ状磁界発生装置(431)は、正方形ループ状構成(431)に配設された4個の双極子磁石の組合せから作られ、前記4個の双極子磁石の各々が基板(420)に平行な磁気軸を有する。4個の双極子磁石の各々のN極が、前記ループ状磁界発生装置(431)の中央領域側を向き、S極が前記ループ状磁界発生装置(431)の周囲側に半径方向に向いているため、半径方向磁化が生じる。
【0129】
[00128]単一の双極子磁石(432)の磁気軸は基板(420)表面に略垂直で、N極は基板(420)表面側を向いている。図4に示すように、単一の双極子磁石(432)を、ループ状磁界発生装置(431)のループ上に対称に配設することができる。図4に示すように、リング状磁極片(433)であるループ状磁極片(433)を、ループ状磁界発生装置(431)のループ上に対称に配設することができる。図4に示すように、単一の双極子磁石(432)を、ループ状磁極片(433)のループ内に対称に配設することができる。
【0130】
[00129]支持母材(436a、436b)、ループ状磁界発生装置(431)、単一の双極子磁石(432)、及びループ状磁極片(433)の最上面(図4の支持母材(436b)の上面)と磁気アセンブリ(430)に面した基板(420)の表面との距離(h)は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0131】
[00130]図4A図4Bに示す磁気アセンブリにより生成されたOELが図4Cに示される。
【0132】
[00131]図5は、本発明による、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(510)を基板(520)に生成するのに適した磁気アセンブリ(530)の例を示す。磁気アセンブリ(530)は、支持母材(536)、正方形ループ状構成(531)に配設された4個の双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置、単一の棒状双極子磁石(532)、及び1つ又は複数の、特に4個の双極子磁石(534)を備える。
【0133】
[00132]ループ状磁界発生装置(531)は、正方形ループ状構成(531)に配設された4個の双極子磁石の組合せから作られ、前記4個の双極子磁石の各々が基板(520)に平行な磁気軸を有する。4個の双極子磁石の各々のN極が、前記ループ状磁界発生装置(531)の中央領域側を向き、S極が前記ループ状磁界発生装置(531)の周囲側に半径方向に向いているため、半径方向磁化が生じる。
【0134】
[00133]単一の双極子磁石(532)の磁気軸は基板(520)表面に略垂直で、N極は基板(520)表面側を向いている。図5に示すように、単一の双極子磁石(532)を、ループ状磁界発生装置(531)のループ内に部分的に対称に配設することができる。
【0135】
[00134]磁気アセンブリ(530)は、1つ又は複数の双極子磁石(534)、特に4個の双極子磁石を備え、図5に示すように、前記4個の双極子磁石はループ状磁界発生装置(531)と同一平面上に配置される。
【0136】
[00135]支持母材(536)、ループ状磁界発生装置(531)、単一の双極子磁石(532)、及び1つ又は複数の双極子磁石(534)、特に4個の双極子磁石の最上面(すなわち、図5の単一の双極子磁石(532)の上面)と磁気アセンブリ(530)に面した基板(520)の下面との距離(h)は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0137】
[00136]図6は、本発明による、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(610)を基板(620)に生成するのに適した磁気アセンブリ(630)の例を示す。磁気アセンブリ(630)は、支持母材(636)、単一のループ状磁界発生装置(631)、特に単一のリング状磁石(631)であるループ状磁界発生装置、及び単一の棒状双極子磁石(632)を備える。
【0138】
[00137]ループ状磁界発生装置(631)は、単一のループ状磁界発生装置(631)、特に単一のリング状磁石(631)から成り、N極が前記ループ状磁界発生装置(631)の中央領域側を向き、S極が前記ループ状磁界発生装置(631)の周囲側に半径方向に向いているため、半径方向磁化が生じる。
【0139】
[00138]磁気アセンブリ(630)は、a)単一のループ状磁界発生装置(631)、特に単一のリング状磁石(631)と、b)単一の双極子磁石(632)とを備える。図6A及び図6B1図6B2に示すように、単一の双極子磁石(632)を、単一のループ状磁界発生装置(631)のループ内に部分的に対称に配設することができる。
【0140】
[00139]単一の双極子磁石(632)の磁気軸は基板(620)表面に略垂直で、N極は基板(620)側を向いている。
【0141】
[00140]支持母材(636)、ループ状磁界発生装置(631)、及び単一の双極子磁石(132)の最上面(すなわち、図6の単一の双極子磁石(632)の上面)と磁気アセンブリ(630)に面した基板(620)の下面との距離は、約0mm~約10mmであることが好ましく、約0mm~約5mmであることがより好ましい。
【0142】
[00141]図1A図1Bに示す磁気アセンブリにより生成されたOELが図1Cに示される。
【0143】
[00142]本発明は、回転磁気シリンダと本明細書に記載の1つ又は複数の磁気アセンブリ(x30)とを備えた印刷装置であって、前記1つ又は複数の磁気アセンブリ(x30)が回転磁気シリンダの周方向溝に取り付けられた印刷装置、並びに平台印刷ユニットと本明細書に記載の磁気アセンブリのうちの1つ又は複数とを備えた印刷アセンブリであって、前記1つ又は複数の磁気アセンブリが平台印刷ユニットの凹部に取り付けられた印刷アセンブリをさらに提供する。
【0144】
[00143]回転磁気シリンダは、印刷又は被覆機器で使用されるか、印刷又は被覆機器と併用されるか、印刷又は被覆機器の一部であり、本明細書に記載の1つ又は複数の磁気アセンブリを支えるようになっている。実施形態において、回転磁気シリンダは、高い印刷速度で連続して動作する回転式の枚葉又は巻取産業用印刷機の一部である。
【0145】
[00144]平台印刷ユニットは、印刷又は被覆機器で使用されるか、印刷又は被覆機器と併用されるか、印刷又は被覆機器の一部であり、本明細書に記載の磁気アセンブリのうちの1つ又は複数を支えるようになっている。実施形態において、平台印刷ユニットは、不連続に動作する枚葉産業用印刷機の一部である。
【0146】
[00145]本明細書に記載の回転磁気シリンダ又は本明細書に記載の平台印刷ユニットを備えた印刷装置は、本明細書に記載のような基板を供給する基板供給装置を備えていてもよく、基板は、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の層を有することにより、顔料粒子に作用して配向させる磁界を磁気アセンブリが発生させて光学効果層(OEL)を形成する。本明細書に記載の回転磁気シリンダを備えた印刷装置の実施形態において、基板はシート又はウェブの形態で基板供給装置により供給される。本明細書に記載の平台印刷ユニットを備えた印刷装置の実施形態において、基板はシートの形態で供給される。
【0147】
[00146]本明細書に記載の回転磁気シリンダ又は本明細書に記載の平台印刷ユニットを備えた印刷装置は、本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を本明細書に記載の基板に塗布する被覆又は印刷ユニットであって、本明細書に記載の装置によって発生した磁界により配向されて光学効果層(OEL)を形成する非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を放射線硬化性コーティング組成物が含む、被覆又は印刷ユニットを備えていてもよい。本明細書に記載の回転磁気シリンダを備えた印刷装置の実施形態において、被覆又は印刷ユニットは、回転連続プロセスに従って動作する。本明細書に記載の平台印刷ユニットを備えた印刷装置の実施形態において、被覆又は印刷ユニットは、長手方向不連続プロセスに従って動作する。
【0148】
[00147]本明細書に記載の回転磁気シリンダ又は本明細書に記載の平台印刷ユニットを備えた印刷装置は、本明細書に記載の装置によって磁気配向された非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させることにより、非球状磁性顔料粒子若しくは磁化可能顔料粒子の配向及び位置を固定して光学効果層(OEL)を生成する硬化ユニットを備えていてもよい。
【0149】
[00148]本明細書に記載のOELは、基板上に直接設けて、永久に残るようにしてもよい(例えば、紙幣用途の場合)。或いは、生成目的で一時的な基板にOELを設け、後でOELを取り外すようにしてもよい。これにより、特にバインダ材料が流体状態のままである場合に、例えばOELの生成が容易になり得る。その後、コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させてOELを生成したら、一時的な基板をOELから取り外すことができる。
【0150】
[00149]或いは、接着層が光学効果層(OEL)に存在しても、OELを備えた基板に存在してもよい。前記接着層は、OELを設ける側と反対側の基板の面に設けても、OELと同じ側でOEL上に設けてもよい。したがって、接着層を光学効果層(OEL)又は基板に塗布することができる。そのような物品を、機械類やかなり大きな労力を伴う印刷又はその他のプロセスなしであらゆる種類の文書又はその他の物品若しくは商品に取り付けることができる。或いは、本明細書に記載のOELを備える本明細書に記載の基板は、別個の転写ステップにおいて文書又は物品に適用可能な転写箔の形態であってもよい。この目的のため、基板に剥離コーティングを設け、その上に、本明細書に記載の通り、OELが生成される。そのようにして生成されたOEL上に、1つ又は複数の接着層を塗布してもよい。
【0151】
[00150]また、本明細書に記載の方法により得られた2つ以上、すなわち2つ、3つ、4つ等の光学効果層(OEL)を備えた基板も本明細書に記載される。
【0152】
[00151]また、本発明により生成された光学効果層(OEL)を備えた物品、特にセキュリティ文書、装飾要素又は物体も本明細書に記載される。物品、特にセキュリティ文書、装飾要素又は物体は、本発明により生成された2つ以上(例えば2つ、3つ等)のOELを備えていてもよい。
【0153】
[00152]前述したように、本発明により生成された光学効果層(OEL)は、装飾目的並びにセキュリティ文書の保護及び認証に使用してもよい。装飾要素又は物体の一般的な例としては、高級品、化粧品パッケージ、自動車部品、電子/家電製品、家具、ネイル用品等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
[00153]セキュリティ文書としては、有価文書及び有価商品が挙げられるが、これらに限定されない。有価文書の一般的な例としては、紙幣、証書、チケット、小切手、証票、収入印紙及び納税印紙、契約書等、パスポート等の身分証明書類、身分証明カード、ビザ、運転免許証、銀行カード、クレジットカード、取引カード、アクセス書類又はカード、入場券、公共交通乗車券又は証書等が挙げられ、紙幣、身分証明書類、権利付与書類、運転免許証、及びクレジットカードが好ましいが、これらに限定されない。用語「有価商品」は、特に化粧品、栄養補助食品、医薬品、アルコール、タバコ製品、飲料又は食料品、電気/電子物品、織物、又は宝飾品、すなわち、偽造及び/又は違法複製に対する保護により、例えば本物の薬等のパッケージの内容物を保証すべきパッケージ材料を表す。これらパッケージ材料の例としては、認証ブランドラベル、不正防止ラベル等のラベル及びシールが挙げられるが、これらに限定されない。開示された基板、有価文書、及び有価商品は、例示の目的のみで挙げたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0155】
[00154]或いは、光学効果層(OEL)を、例えばセキュリティスレッド、セキュリティストライプ、箔、デカール、窓、又はラベル等の補助基板上に生成し、その結果、別個のステップにおいてセキュリティ文書に転写されるようにしてもよい。
【実施例
【0156】
[00155]図1A図6Aに示す磁気アセンブリを使用して、表1に記載の紫外線硬化性スクリーン印刷インクの印刷層における非球状光学可変磁性顔料粒子を配向させ、図1C図6Cに示す光学効果層(OEL)を生成した。比較磁気アセンブリを使用して、表1に記載の紫外線硬化性スクリーン印刷インクの印刷層における非球状光学可変磁性顔料粒子を配向させ、図7図8に示す比較サンプルを生成した。紫外線硬化性スクリーン印刷インクを黒い市販の紙(Gascogne Laminates M-cote 120)に塗布した。T90スクリーンを用いたハンドスクリーン印刷により前記塗布を行い、厚さ約20μmのコーティング層を形成した。塗布された紫外線硬化性スクリーン印刷インクの層を有する基板を磁気アセンブリに配設した。そのようにして得られた非球状光学可変顔料粒子の磁気配向パターンを、配向ステップと一部同時に、Phoseonの紫外線LEDランプ(型:FireFlex 50×75mm、395nm、8W/cm)を使用して顔料粒子を含む印刷層を紫外線硬化させることにより固定した。
【0157】
【表1】
【0158】
(実施例1(図1A図1C))
[00156]実施例1の光学効果層(110)を基板(120)に作製するのに使用した磁気アセンブリ(130)が図1Aに示される。
【0159】
[00157]磁気アセンブリ(130)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた支持母材(136)、リングループ状構成に配設された15個の円筒形双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(131)、及び単一の円筒形双極子磁石(132)を備え、ループ状磁界発生装置(131)が前記単一の円筒形双極子磁石(132)を囲んでいた。
【0160】
[00158]円筒形双極子磁石(132)の直径(A11)は3mm、高さ(A12)は8mmであった。円筒形双極子磁石(132)の磁気軸は基板(120)表面に略垂直で、N極は基板(120)側を向いていた(すなわち面していた)。円筒形双極子磁石(132)は支持母材(136)に部分的に埋め込まれて、最下面が支持母材(136)の最下面と同一平面上にあるようになっていた(すなわち、円筒形双極子磁石(132)のうちの4mmが支持母材(136)に完全に埋め込まれ、4mmが基板(120)表面に面した前記支持母材(136)の外側にあるようになっていた)。円筒形双極子磁石(132)はNdFeB N45から作られた。
【0161】
[00159]図1B1に示すように、リングループ状構成(131)に配設された15個の円筒形双極子磁石の各々の直径(A8)は2mm、長さ(A7)は2mmであった。これらの双極子磁石は円筒形双極子磁石(132)の周りに均等に分散され、前記双極子磁石の各々の間の角度αは24°で、内径(A23)10mmのリングを形成するようになっていた。15個の円筒形双極子磁石の各々は支持母材(136)に埋め込まれ、S極はループ状磁界発生装置(131)の周囲側を向いて、ループ状磁界発生装置(131)が半径方向磁化を有するようになっていた。15個の円筒形双極子磁石(131)の上面は、支持母材(136)の上面と同一平面上にあった。円筒形双極子磁石(131)はNdFeB N45から作られた。
【0162】
[00160]図1B1図1B2に示すように、支持母材(136)の長さ(A1)は30mm、幅(A2)は30mm、厚さ(A3)は4mmであった。支持母材(136)は、円筒形双極子磁石(132)を受けるための深さ(A3)4mmの中央空隙と、15個の円筒形双極子磁石(131)を受けるための深さ(A8)2mmの15個の窪みとを備えていた。
【0163】
[00161]支持母材(136)の上面と磁気アセンブリ(130)に面した基板(120)の下面との距離は4.3mmであり、すなわち、円筒形双極子磁石(132)の上面と基板(120)の下面との距離(h)は0.3mmであった。
【0164】
[00162]図1A図1Bに示す磁気アセンブリ(130)を使用して生成されたOELが、図1Cにおいて、-30°~+30°で基板(120)を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化するリングの光学的印象を与える。
【0165】
(実施例2(図2A図2C))
[00163]実施例2の光学効果層(210)を基板(220)に作製するのに使用した磁気アセンブリ(230)が図2Aに示される。
【0166】
[00164]磁気アセンブリ(230)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた支持母材(236)、三角形ループ状構成に配設された3個の円筒形双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(231)、及び単一の円筒形双極子磁石(232)を備え、ループ状磁界発生装置(231)が前記単一の円筒形双極子磁石(232)を囲んでいた。
【0167】
[00165]円筒形双極子磁石(232)の直径(A11)は3mm、高さ(A12)は5mmであった。円筒形双極子磁石(232)の磁気軸は基板(220)表面に略垂直で、N極は基板(220)側を向いていた。円筒形双極子磁石(232)は支持母材(236)に部分的に埋め込まれて、円筒形双極子磁石(232)のうちの3mmが支持母材(236)に完全に埋め込まれ、2mmが基板(220)表面に面した前記支持母材(236)の外側にあるようになっていた。円筒形双極子磁石(232)はNdFeB N45から作られた。
【0168】
[00166]図2B1に示すように、三角形ループ状構成(231)に配設された3個の円筒形双極子磁石の各々の直径(A8)は3mm、長さ(A7)は3mmであった。これらの双極子磁石は円筒形双極子磁石(232)の周りに均等に分散され、前記双極子磁石の各々の間の角度αは120°で、内径(A23)5mmのリングを形成するようになっていた。3個の円筒形双極子磁石の各々は支持母材(236)に埋め込まれ、S極はループ状磁界発生装置(231)の周囲側を向いて、ループ状磁界発生装置(231)が半径方向磁化を有するようになっていた。3個の円筒形双極子磁石(231)の上面は、支持母材(236)の上面と同一平面上にあった。双極子磁石(231)はNdFeB N45から作られた。
【0169】
[00167]図2B1図2B2に示すように、支持母材(236)の長さ(A1)は30mm、幅(A2)は30mm、厚さ(A3)は4mmであった。支持母材(236)は、円筒形双極子磁石(232)を受けるための中央窪みと、3個の円筒形双極子磁石(231)を受けるための3個の窪みとを備え、前記窪みの各々の深さ(A8)は3mmであった。
【0170】
[00168]支持母材(236)の上面と磁気アセンブリ(230)に面した基板(220)の下面との距離は2.7mmであり、すなわち、円筒形双極子磁石(232)の上面と基板(220)の下面との距離(h)は0.7mmであった。
【0171】
[00169]図2A図2Bに示す磁気アセンブリ(230)を使用して生成されたOELが、図2Cにおいて、-30°~+30°で基板(220)を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化する不規則な多角形の光学的印象を与える。
【0172】
(実施例3(図3A図3C))
[00170]実施例3の光学効果層(310)を基板(320)に作製するのに使用した磁気アセンブリ(330)が図3Aに示される。
【0173】
[00171]磁気アセンブリ(330)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた支持母材(336)、正方形ループ状構成に配設された4個の棒状双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(331)、及び単一の立方体双極子磁石(332)を備えていた。
【0174】
[00172]立方体双極子磁石(332)の寸法(A10、A11、A12)は4mmであった。立方体双極子磁石(332)の磁気軸は基板(320)表面に略垂直で、N極は基板(320)側を向いていた。立方体双極子磁石(332)は、最下面が支持母材(336)の上面と同一平面上にあるように支持母材(336)に位置決めされた。立方体双極子磁石(332)はNdFeB N45から作られた。
【0175】
[00173]図3B1に示すように、正方形ループ状構成(331)に配設された4個の棒状双極子磁石の各々の長さ(A7)は10mm、幅(A8)は2mm、高さ(A9)は4mmであった。4個の棒状双極子磁石の各々は支持母材(336)に埋め込まれ、S極はループ状磁界発生装置(331)の周囲側を向いて、ループ状磁界発生装置(331)が半径方向磁化を有するようになっていた。正方形ループ状構成(331)に配設された4個の棒状双極子磁石の上面は、支持母材(336)の上面と同一平面上にあった。棒状双極子磁石はNdFeB N50から作られた。
【0176】
[00174]図3B1図3B2に示すように、支持母材(336)の長さ(A1)は30mm、幅(A2)は30mm、厚さ(A3)は5mmであった。支持母材(336)は、4個の棒状双極子磁石(331)を受けるための深さ(A9)4mmの4個の窪みを備えていた。
【0177】
[00175]支持母材(336)の上面と磁気アセンブリ(330)に面した基板(320)の下面との距離は4.7mmであり、すなわち、立方体双極子磁石(332)の上面と基板(320)の下面との距離(h)は0.7mmであった。
【0178】
[00176]図3A図3Bに示す磁気アセンブリ(330)を使用して生成されたOELが、図3Cにおいて、-30°~+30°で基板(320)を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化する不規則な多角形の光学的印象を与える。
【0179】
(実施例4(図4A図4C))
[00177]実施例4の光学効果層(410)を基板(420)に作製するのに使用した磁気アセンブリ(430)が図4Aに示される。
【0180】
[00178]磁気アセンブリ(430)は、いずれもPOM(ポリオキシメチレン)から作られた2つの支持母材(436b、436b)、すなわち第1の支持母材(436a)及び第2の支持母材(436b)、正方形ループ状構成に配設された4個の棒状双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(431)、単一の円筒形双極子磁石(432)、及びリング状磁極片(433)を備え、リング状磁極片(433)が円筒形双極子磁石(432)を囲んでいた。
【0181】
[00179]円筒形双極子磁石(432)の直径(A11)は4mm、高さ(A12)は2mmであった。立方体双極子磁石(432)の磁気軸は基板(420)表面に略垂直で、N極は基板(420)側を向いていた。円筒形双極子磁石(432)は第2の支持母材(436b)に埋め込まれ、上面が支持母材(436b)の上面と同一平面上にあるようになっていた。円筒形双極子磁石(432)はNdFeB N45から作られた。
【0182】
[00180]図4B1図4B2に示すように、正方形ループ状構成(431)に配設された4個の棒状双極子磁石の各々の長さ(A7)は8mm、幅(A8)は3mm、高さ(A9)は4mmであった。4個の棒状双極子磁石の各々は第1の支持母材(436a)に埋め込まれ、S極はループ状磁界発生装置(431)の周囲側を向いて、ループ状磁界発生装置(431)が半径方向磁化を有するようになっていた。ループ状磁界発生装置(431)の中央が第1の支持母材(436a)の中央に一致していた。4個の棒状双極子磁石の各々はNdFeB N50から作られた。
【0183】
[00181]リング状磁極片(433)は鉄ヨークであり、外径(A14)は11mm、内径(A13)は7mm、厚さ(A15)は2mmであった。リング状磁極片(433)は第2の支持母材(436b)に埋め込まれ、上面が前記第2の支持母材(436b)の上面と同一平面上にあるようになっていた。
【0184】
[00182]図4B1図4B2に示すように、第1の支持母材(436a)の長さ(A1)は30mm、幅(A2)は30mm、厚さ(A3)は5mmであった。第1の支持母材(436a)は、4個の棒状双極子磁石(431)を受けるための深さ(A9)4mmの4個の窪みを備えていた。
【0185】
[00183]図4B3図4B4に示すように、第2の支持母材(436b)の長さ(A4)は30mm、幅(A5)は30mm、厚さ(A6)は4mmであった。第2の支持母材(436b)は、円筒形双極子磁石(432)及びリング状磁極片(433)を受けるための深さ(A12、A15)2mmの2つの窪みを備えていた。
【0186】
[00184]第1の支持母材(436a)の上面と第2の支持母材(436b)の下面との距離(d)は0mmであり、すなわち、両支持母材間に間隙がなかった。第2の支持母材(436b)の上面と基板(420)の下面との距離(h)は0.4mmであった。
【0187】
[00185]図4A図4Bに示す磁気アセンブリ(430)を使用して生成されたOELが、図4Cにおいて、-30°~+30°で基板(420)を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化する2つの入れ子のループ状体の光学的印象を与える。
【0188】
(実施例5(図5A図5C))
[00186]実施例5の光学効果層(510)を基板(520)に作製するのに使用した磁気アセンブリ(530)が図5Aに示される。
【0189】
[00187]磁気アセンブリ(530)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた支持母材(536)、正方形ループ状構成に配設された4個の円筒形双極子磁石の組合せであるループ状磁界発生装置(531)、単一の円筒形双極子磁石(532)、及び十字パターンの4個の双極子磁石(534)を備えていた。
【0190】
[00188]円筒形磁石(532)の長さ(A12)は7mm、直径(A11)は3mmであった。円筒形双極子磁石(532)の磁気軸は基板(520)表面に略垂直で、N極は基板(520)側を向いていた。円筒形双極子磁石(532)は支持母材(536)に部分的に埋め込まれて、円筒形双極子磁石(532)のうちの3mmが支持母材(536)に完全に埋め込まれ、4mmが基板(520)表面に面した前記支持母材(536)の外側にあるようになっていた。円筒形双極子磁石(532)はNdFeB N45から作られた。
【0191】
[00189]図5B1に示すように、正方形ループ状構成(531)に配設された4個の円筒形双極子磁石の各々の長さ(A7)は3mm、直径(A8)は3mmであった。円筒形双極子磁石(532)の両側における各対の円筒形双極子磁石(531)間の距離(A16、A17)は7mmであった。4個の円筒形双極子磁石の各々は支持母材(536)に埋め込まれ、S極はループ状磁界発生装置(531)の周囲側を向いて、ループ状磁界発生装置(531)が半径方向磁化を有するようになっていた。正方形ループ状構成(531)に配設された4個の円筒形双極子磁石の上面は、支持母材(536)の上面と同一平面上にあった。円筒形双極子磁石はNdFeB N45から作られた。
【0192】
[00190]4個の双極子磁石(534)の各々の直径(A19)は2mm、長さ(A20)は2mmであった。4個の双極子磁石(534)の各対の間の距離(A21、A22)は10mmであった。4個の双極子磁石(534)の各々は支持母材(536)に埋め込まれ、磁気軸は基板(520)表面に略垂直であり、S極は基板(520)に面していた。4個の双極子磁石(534)の上面は、支持母材(536)の上面と同一平面上にあった。双極子磁石(534)はNdFeB N45から作られた。
【0193】
[00191]図5B1図5B2に示すように、支持母材(536)の長さ(A1)は30mm、幅(A2)は30mm、厚さ(A3)は4mmであった。支持母材(536)は、正方形ループ状構成(531)に配設された4個の円筒形双極子磁石及び円筒形双極子磁石(532)を受けるための深さ(A8)3mmの5個の窪みと、4個の双極子磁石(534)を受けるための深さ(A20)2mmの4個の窪みとを備えていた。
【0194】
[00192]支持母材(536)の上面と磁気アセンブリ(530)面した基板(520)の下面との距離は4mmであり、すなわち、円筒形双極子磁石(532)の上面と基板(520)の下面との距離(h)は0mmであった。
【0195】
[00193]図5A図5Bに示す磁気アセンブリ(530)を使用して生成されたOELが、図5Cにおいて、-30°~+30°で基板(520)を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化する不規則な多角形の光学的印象を与える。
【0196】
(実施例6(図6A図6C))
[00194]実施例6の光学効果層(610)を基板(620)に作製するのに使用した磁気アセンブリ(630)が図6Aに示される。
【0197】
[00195]磁気アセンブリ(630)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた支持母材(636)、単一のリング状磁石であるループ状磁界発生装置(631)、及び単一の円筒形双極子磁石(632)を備え、ループ状磁界発生装置(631)が前記単一の円筒形双極子磁石(632)を囲んでいた。
【0198】
[00196]円筒形双極子磁石(632)の直径(A11)は8mm、高さ(A12)は11mmであった。円筒形双極子磁石(632)の磁気軸は基板(620)表面に略垂直で、N極は基板(620)側を向いていた(すなわち面していた)。円筒形双極子磁石(632)は支持母材(636)に埋め込まれて、上面が支持母材(636)の上面と同一平面上にあるようになっていた。円筒形双極子磁石(632)はNdFeB N45から作られた。
【0199】
[00197]図6B1図6B2に示すように、単一のリング状磁石(631)の外径(A14)は33.50mm、内径(A13)は25.5mm、高さ(A9)は10mmであった。単一のリング状磁石は支持母材(636)に埋め込まれ、S極は単一のリング状磁石(631)の周囲側を向いて、単一のリング状磁石(631)が半径方向磁化を有するようになっていた。単一のリング状磁石(631)の下面は、支持母材(636)の下面と同一平面上にあった。単一のリング状磁石はNdFeB N35から作られた。
【0200】
[00198]図6B1図6B2に示すように、支持母材(636)の長さ(A1)は40mm、幅(A2)は40mm、厚さ(A3)は21mmであった。支持母材(636)は、円筒形双極子磁石(632)を受けるための深さ(A12)11mmの上部中央窪みと、単一のリング状磁石(631)を受けるための深さ(A9)10mmの下部窪みとを備えていた。
【0201】
[00199]支持母材(636)の上面と磁気アセンブリ(630)に面した基板(620)の下面との距離(h)は0mmであった。
【0202】
[00200]図6A図6Bに示す磁気アセンブリ(630)を使用して生成されたOELが、図6Cにおいて、-30°~+30°で基板(20)を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化するリングの光学的印象を与える。
【0203】
(比較例(C1、C2、図7図8))
(比較例C1(図7))
[00201]比較例1(C1)の光学効果層を作製するのに使用した磁気アセンブリは、円筒形双極子磁石の磁気軸が基板表面に略垂直で、S極が基板側を向いている(すなわち面している)ことを除いて、実施例1(図1A)の磁気アセンブリと同じであった。
【0204】
[00202]前述した磁気アセンブリを使用して生成されたOELが、図7において、-30°~+30°で基板を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、前記OELを傾斜させることにより形状が変化しない固定リングの光学的印象を与える。
【0205】
(比較例C2(図8))
[00203]比較例2(C2)の光学効果層を作製するのに使用した磁気アセンブリは、円筒形双極子磁石の磁気軸が基板表面に略垂直で、S極が基板側を向いている(すなわち面している)ことを除いて、実施例2(図2A)の磁気アセンブリと同じであった。
【0206】
[00204]前述した磁気アセンブリを使用して生成されたOELが、図8において、-30°~+30°で基板を傾斜させることにより異なる視角で示される。そのようにして得られたOELは、3個のドットの光学的印象、すなわち前記OELを傾斜させることにより形状が変化するループ状体ではない光学的印象を与える。
図1A
図1B1
図1B2
図1C
図2A
図2B1
図2B2
図2C
図3A
図3B1
図3B2
図3C
図4A
図4B1
図4B2
図4B3
図4B4
図4C
図5A
図5B1
図5B2
図5C
図6A
図6B1
図6B2
図6C
図7
図8