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特許7003362トラック、トラック用デッキゲート及びそれを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】トラック、トラック用デッキゲート及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/023 20060101AFI20220113BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B62D33/023 E
B32B5/28 101
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019113362
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2019218050
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2019-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2018-0070935
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519222911
【氏名又は名称】コロングロテック インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519222922
【氏名又は名称】コロン インダストリーズ インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519222151
【氏名又は名称】コロン ダック コンポジット カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】キム ドン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ チャン フン
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】イ デ イル
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジン ウク
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1730043(KR,B1)
【文献】特開2000-233464(JP,A)
【文献】特開2002-086579(JP,A)
【文献】特開2015-30950(JP,A)
【文献】国際公開第2011/034042(WO,A1)
【文献】実開昭55-009794(JP,U)
【文献】特開平11-310166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/023,
B29C 70/00,
B32B 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア層及び前記コア層を保護するスキン層を含む本体部を形成するステップ、
前記本体部の外部周りに仕上げ部を配置するステップ、及び
前記本体部にヒンジ部を配置するステップ
を含み、
前記本体部を形成するステップは、
レジンが未含浸された強化繊維を金型に配置するステップと、
前記強化繊維の上部にフォーム形態を有するコア層を積層するステップと、
前記コア層の上部にレジンが未含浸された強化繊維を積層するステップと、及び
前記強化繊維にレジンを含浸させてコア層の上部と下部に硬化されたスキン層を形成するステップとを含む、外側スキン、コア層、内側スキンが順次に積層され、
前記外側スキンと内側スキンは、それぞれ強化繊維40-70重量%及びレジン30-60重量%を含むものであり、
前記外側スキン、コア層、内側スキンの厚さは、1:5~7:1の比率を有する、トラック用デッキゲートを製造する方法。
【請求項2】
前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上のものである、請求項1に記載のトラック用デッキゲートを製造する方法。
【請求項3】
前記レジンは、エポキシ(epoxy)、シアネートエステル(cyanate ester)、ビニルエステル(vinyl ester)、及び不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)からなる群から選択される1種以上のものである、請求項1に記載のトラック用デッキゲートを製造する方法。
【請求項4】
前記コア層は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)樹脂、ポリウレタン(polyurethane)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエーテルイミド(polyetherimide)樹脂、及びスチレン-アクリロニトリル-共重合体(Styrene-acrylonitrile copolymer)樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂を含むものである、請求項1に記載のトラック用デッキゲートを製造する方法。
【請求項5】
前記トラック用デッキゲートは、VA-RTM工程により製造されるものである、請求項1に記載のトラック用デッキゲートを製造する方法。
【請求項6】
運搬物が置かれ得る積載部のデッキの外郭に配置される本体部を含み、
前記本体部は、
樹脂で形成されたコア層、そして
強化繊維及びレジンを含み、前記コア層の一面と他面にそれぞれ配置されているスキン層
を含み、
前記本体部の外部周りに沿って配置されている仕上げ部、及び
前記本体部と前記デッキを連結する複数のヒンジ部
をさらに含み、
前記スキン層は、
前記コア層の一面に配置された内側スキン、そして
前記コア層の他面に配置されており、前記複数のヒンジ部が間隔を置いて配置されている外側スキン
を含み、
前記内側スキンには、間隔を置いて複数配置された補強バー
をさらに含み、
前記補強バーは、前記ヒンジ部と連結されており、
前記外側スキンと内側スキンは、それぞれ強化繊維40-70重量%及びレジン30-60重量%を含むものであり、
前記外側スキン、コア層、内側スキンの厚さは、1:5~7:1の比率を有する、
トラック用デッキゲート。
【請求項7】
前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上であり、前記レジンは、エポキシ(epoxy)、シアネートエステル(cyanate ester)、ビニルエステル(vinyl ester)、及び不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)からなる群から選択される1種以上のものである、請求項に記載のトラック用デッキゲート。
【請求項8】
前記コア層は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)樹脂、ポリウレタン(polyurethane)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエーテルイミド(polyetherimide)樹脂、及びスチレン-アクリロニトリル-共重合体(Styrene-acrylonitrile copolymer)樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂を含むものである、請求項に記載のトラック用デッキゲート。
【請求項9】
車体フレーム、
前記車体フレームの一側に位置した搭乗部、及び
前記車体フレームの他側に位置し、運搬物が載せられ得る積載部
を含み、
前記積載部は、
前記運搬物が置かれ得るデッキ、
前記搭乗部と間隔を置いて向かい合って前記デッキに設けられたテールゲート、及び一対で形成され、前記搭乗部と前記テールゲートとの間で間隔を置いて向かい合うサイドゲートを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載のトラック用デッキゲート
を含む、
トラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック、トラック用デッキゲート及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、トラックに使用されているデッキゲートは、スチールに木材心材が結合された二重構造を有している。デッキゲートの実際の使用条件は、雨、雪等に露出される環境で運用されるため、腐食及びそれに伴う機能低下が発生している。このような短所を補完するために、アルミニウム型デッキゲートが開発されたが、製品原価の過度な上昇により原価節減型デッキゲートの必要性が浮上し、不十分な軽量化率によるさらなる軽量化の要求もまた増加している。
【0003】
従って、本発明者は、強度、耐食性、疲労寿命、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量化、耐寒性、耐熱性、商品性等の様々な特性を改善できるトラック用デッキゲートを開発しようとした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】大韓民国公開特許公報第10-2014-0063041号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コア層及び前記コア層を保護するスキン層を含む本体部を形成するステップ、前記本体部の外部周りに仕上げ部を配置するステップ、及び前記本体部にヒンジ部を配置するステップを含むトラック用デッキゲートの製造方法を提供するためのものである。
【0006】
本発明の他の目的は、運搬物が置かれ得る積載部のデッキの外郭に配置される本体部を含み、前記本体部は、樹脂で形成されたコア層、そして強化繊維及びレジンを含み、前記コア層の一面と他面にそれぞれ配置されているスキン層を含むトラック用デッキゲートを提供するためのものである。
【0007】
本発明の他の目的は、車体フレーム、前記車体フレームの一側に位置した搭乗部、及び前記車体フレームの他側に位置し、運搬物が載せられ得る積載部を含み、前記積載部は、前記運搬物が置かれ得るデッキ、前記搭乗部と間隔を置いて向かい合って前記デッキに設けられたテールゲート、及び一対で形成され、前記搭乗部と前記テールゲートとの間で間隔を置いて向かい合うサイドゲートを含む、トラック用デッキゲートを含むトラックを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、一つの様態で、本発明は、コア層及び前記コア層を保護するスキン層を含む本体部を形成するステップ、前記本体部の外部周りに仕上げ部を配置するステップ、及び前記本体部にヒンジ部を配置するステップを含むトラック用デッキゲートの製造方法を提供する。
【0009】
本発明において、前記本体部を形成するステップは、レジンが未含浸された強化繊維を金型に配置するステップ;前記強化繊維の上部にフォーム形態を有するコア層を積層するステップ;前記コア層の上部にレジンが未含浸された強化繊維を積層するステップ;及び、前記強化繊維にレジンを含浸させてコア層の上部と下部に硬化されたスキン層を形成するステップを含む、外側スキン、コア層、内側スキンが順次に積層され得る。
【0010】
本発明において、前記外側スキン:コア層:内側スキンの厚さは、1:5~7:1の比率を有し得る。
【0011】
本発明において、前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上であってよい。
【0012】
本発明において、前記レジンは、エポキシ(epoxy)、シアネートエステル(cyanate ester)、ビニルエステル(vinyl ester)、及び不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)からなる群から選択される1種以上であってよい。
【0013】
本発明において、前記外側スキンと内側スキンは、それぞれ強化繊維40-70重量%及びレジン30-60重量%を含むことができる。
【0014】
本発明において、前記コア層は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)樹脂、ポリウレタン(polyurethane)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエーテルイミド(polyetherimide)樹脂、及びスチレン-アクリロニトリル-共重合体(Styrene-acrylonitrile copolymer)樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂を含むことができる。
【0015】
本発明において、前記トラック用デッキゲートは、VA-RTM工程により製造され得る。
【0016】
他の一つの様態で、本発明は、運搬物が置かれ得る積載部のデッキの外郭に配置され得る本体部を含み、前記本体部は、樹脂で形成されたコア層、そして強化繊維及びレジンを含み、前記コア層の一面と他面にそれぞれ配置されているスキン層を含むトラック用デッキゲートを提供する。
【0017】
本発明において、前記トラック用デッキゲートは、前記本体部の外部周りに沿って配置された仕上げ部、及び前記本体部と前記デッキを連結する複数のヒンジ部をさらに含むことができる。
【0018】
前記スキン層は、前記コア層の一面に配置された内側スキン、そして前記コア層の他面に配置されており、前記複数のヒンジ部が間隔を置いて配置されている外側スキンを含み、前記内側スキンには、間隔を置いて複数配置された補強バーをさらに含み、前記補強バーは、前記ヒンジ部と連結され得る。
【0019】
本発明において、前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上であり、前記レジンは、エポキシ(epoxy)、シアネートエステル(cyanate ester)、ビニルエステル(vinyl ester)、及び不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)からなる群から選択される1種以上であってよい。
【0020】
本発明において、前記外側スキンと内側スキンは、それぞれ強化繊維40-70重量%及びレジン30-60重量%を含むことができる。
【0021】
本発明において、前記コア層は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)樹脂、ポリウレタン(polyurethane)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエーテルイミド(polyetherimide)樹脂、及びスチレン-アクリロニトリル-共重合体(Styrene-acrylonitrile copolymer)樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂を含むことができる。
【0022】
また他の一つの様態で、本発明は、車体フレーム、前記車体フレームの一側に位置した搭乗部、及び前記車体フレームの他側に位置し、運搬物が載せられ得る積載部を含み、前記積載部は、前記運搬物が置かれ得るデッキ、前記搭乗部と間隔を置いて向かい合って前記デッキに設けられたテールゲート、及び一対で形成され、前記搭乗部と前記テールゲートとの間で間隔を置いて向かい合うサイドゲートを含む、トラック用デッキゲートを含むトラックを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、コア層及び前記コア層を保護するスキン層を含む本体部を形成するステップ、前記本体部の外部周りに仕上げ部を配置するステップ、及び前記本体部にヒンジ部を配置するステップを含むトラック用デッキゲートの製造方法、前記トラック用デッキゲート、及びトラックに関する。前記トラック用デッキゲートは、軽く、かつ長期間腐らず耐久性に優れ、かつ衝撃強度が高い。また、耐食性、疲労寿命、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量化、耐寒性、耐熱性等の様々な特性に優れた長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係るトラックを示した概略図。
図2図1のデッキゲートを示した斜視図。
図3図2のデッキゲートの分解斜視図。
図4図2をIV-IV線に沿って切った断面図。
図5】VA-RTM工程によるサンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの製造工程図。
図6図5の工程で製造されたトラック用デッキゲートを示した概略図。
図7】実施例4のトラック用デッキゲートと解析モデルが一致するか否かを比較したデータ。
図8】実施例4と量産品の荷重及び永久歪み率を確認したデータ。
図9図5の製造工程図によるブロック図。
図10図9の本体部を形成するステップを示したブロック図。
図11】スキン層とコア層の物性測定結果。
図12】試片単位実際衝撃試験の方法。
図13】試片単位実際衝撃試験の結果。
図14】デッキゲートの屈曲弾性率及び曲げ強度の測定結果。
図15】軽量化試験方法と試験結果。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付した図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体にわたって、類似した部分に対しては、同じ図面符号を付している。
【0026】
本発明の実施例に係るトラック用デッキゲートは、本発明の実施例であるトラックに適用され得るので、以下においては、トラック用デッキゲートが適用されたトラックを中心に説明する。
【0027】
本発明の一実施例に係るトラックについて、図1を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係るトラックを示した概略図である。
【0029】
図1を参照すると、本実施例に係るトラックTは、車体フレーム100、搭乗部200、及び積載部300を含み、積載部の耐久性と衝撃強度を高める。
【0030】
車体フレーム100は、トラックTの基本構造をなし、トラックTが走行するための各種の構成要素が設けられる。搭乗部200は、車体フレーム100の一側に位置し、運転者が搭乗できる空間を有する。上で説明した、車体フレーム100及び搭乗部200の細部構造は、広く公知になったトラックの車体フレーム及び搭乗部の構成が適用され得るので、詳細構造についての説明は省略する。
【0031】
積載部300は、車体フレーム100の他側に位置し、運搬物が載せられ得る空間を形成する。積載部300は、車体フレーム100上に配置され、運搬物が置かれ得るデッキ310、デッキ310の後端に位置し、搭乗部200と間隔を置いて向かい合うテールゲート320、及び搭乗部200とテールゲート320との間に位置し、間隔を置いて向かい合う一対のサイドゲート330を含む。サイドゲート330は、デッキ310の幅方向の両側にそれぞれ配置されている。積載部300は、デッキ310の先端に位置し、サイドゲート330と連結されたフロントゲート340をさらに含むことができる。サイドゲート330とテールゲート320は、運搬物がデッキ310から落ちないようにする。
【0032】
テールゲート320は、下端部がデッキ310とヒンジ連結されており、上端部がサイドゲート330とリンク部材(図示しない)で結合されている。テールゲート320は、運搬物を降ろしたり載せたりするとき、リンク部材がサイドゲート330から分離されると開かれる。前記のようなデッキ310及びテールゲート320の細部構造は、広く公知になったトラック用積載部の構成が適用され得るので、詳細構造についての説明は省略する。
【0033】
本発明において、前記デッキ310は、トラックの積載部の床を形成する部分を意味し、デッキゲート350は、トラックの積載部のテールゲート320、サイドゲート330、またはフロントゲート340を含む意味と解釈される。以下においては、サイドゲート330を基準に説明する。
【0034】
図2乃至図4をさらに参照すると、前記デッキゲート350のうちの一つであるサイドゲート330を示し、前記サイドゲート330は、本体部331を含む。
【0035】
本体部331は、樹脂に発泡剤を加えて発泡硬化させたコア層20、そして強化繊維及びレジンを含み、コア層20の一面と他面にそれぞれ配置されているスキン層1を含み、本体部331は、サイドゲート330の基本形状をなす。
【0036】
コア層20は、本体部331の強度を維持する。コア層20は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)樹脂、ポリウレタン(polyurethane)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエーテルイミド(polyetherimide)樹脂、及びスチレン-アクリロニトリル-共重合体(Styrene-acrylonitrile copolymer)樹脂からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
【0037】
スキン層1は、コア層20の一面に配置され、本体部331の内側面をなす内側スキン10、そしてコア層20の他面に配置され、本体部331の外側面をなす外側スキン30を含み、内側スキン10と外側スキン30は、コア層20を衝撃、汚染物質等の外部要件から保護する。
【0038】
内側スキン10と外側スキン30は、それぞれ強化繊維にレジンを含浸させて形成されており、前記レジンは、エポキシ(epoxy)、シアネートエステル(cyanate ester)、ビニルエステル(vinyl ester)、及び不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)からなる群から選択される1種以上であってよい。
【0039】
本体部331は、外側スキン30、コア層20、及び内側スキン10が順次に配置され、サンドイッチパネル形態を有する。そこで、デッキゲートは、衝撃強度に優れ、永久歪み率が低い長所があり、コア層をなす樹脂がフォーム形態に形成され、本体部331を軽量化できる。前記本体部331は、外側スキン30、コア層20、及び内側スキン10からなっており、単一素材でない複合素材からなっているので、デッキゲート350の構造的特性を補完できる。
【0040】
また、デッキゲート350は、仕上げ部332及びヒンジ部333をさらに含むことができる。
【0041】
仕上げ部332は、本体部331の外部周りに沿って配置され、スキン層1の縁と結合されている。前記仕上げ部332は、上部仕上げ部、下部仕上げ部、側面仕上げ部からなり得る。しかし、下部仕上げ部または側面仕上げ部は、省略できる。
【0042】
仕上げ部332は、スキン層1の縁と共にコア層20の周りを衝撃のような外部要件から保護する。併せて、仕上げ部332は、雨水、雪、塵埃等の異物がコア層20に流入しないように遮断する。また、衝撃荷重を補強するので、本体部331の厚さを減らすことができる。仕上げ部332は、製品の荷重及び永久歪み量を制御するために、アルミニウム材質で作製され得る。仕上げ部332は、スキン層1と重畳された状態でリベット、ネジ等の結合手段で本体部331と結合され得る。
【0043】
ヒンジ部333は、第1部材333a及び第2部材333bを含み、外側スキン30に配置され、本体部331の長手方向に配列されている。
【0044】
第1部材333aは、外側スキン30に配置されて接しており、第2部材333bは、デッキ310の周り面と結合されている。第1部材333aと第2部材333bは、ヒンジで連結されており、第1部材333aは、ヒンジを基準に動くことができる。ヒンジ部333は、スチールで作製され得る。
【0045】
ヒンジ部333により、本体部331は、デッキから運搬物を下ろしたり載せたりするとき、サイドゲート330のリンク部材が分離された状態でテールゲート320と共に開かれる。
【0046】
サイドゲート330は、補強バー334をさらに含むことができる。
【0047】
補強バー334は、内側スキン10に配置され、本体部331の長手方向に配列されて接している。補強バー334と第1部材333aは、本体部331を貫通するリベット等の結合手段335により互いに結合されている。補強バー334は、内側スキン10を補強しながら第1部材333aの結合を高める。しかし、補強バー334と第1部材333aは、独立して本体部331と結合され得る。
【0048】
サイドゲート330は、結束部材336をさらに含むことができる。
【0049】
結束部材336は、外側スキン30の上部側の一側と他側にそれぞれ配置されている。結束部材336a、336bには、係止溝(図示しない)が形成されており、一側の結束部材336aの係止溝には、搭乗部200またはフロントゲート340と連結されたリンク部材(図示しない)が結合され得、他側の結束部材336bの係止溝には、テールゲート320のリンク部材が結合され得る。結束部材336は、スチールで作製され得る。
【0050】
参考までに、前記説明と図面においては、本発明のデッキゲート350がデッキ310の幅方向の両側に設けられたサイドゲート330を中心に説明したが、本発明のデッキゲート350は、これに限定せず、フロントゲート340またはテールゲート320にいくらでも適用され得る。
【0051】
このようなデッキゲート350は、デッキ310の長さによってデッキ310の長手方向に複数個配置され得る。
【0052】
そこで、本体部331をなすコア層20とスキン層1が樹脂等で形成されるので、従来にスチール、木材等で形成されたデッキゲートより軽い。そして、腐ることがなく耐久性に優れ、衝撃強度が高い。また、耐食性、疲労寿命、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量化、耐寒性、耐熱性等の様々な特性に優れた効果を有する。
【0053】
次に、図5乃至図10を参照して、トラック用デッキゲートの製造方法について詳細に説明する。
【0054】
図5は、VA-RTM工程によるサンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの製造工程図であり、図6は、図5の工程で製造されたトラック用デッキゲートを示した概略図であり、図7は、実施例4のトラック用デッキゲートと解析モデルが一致するか否かを比較したデータであり、図8は、実施例4と比較例1の荷重及び永久歪み率を確認したデータであり、図9は、図5の製造工程図によるブロック図であり、図10は、図9の本体部を形成するステップを示したブロック図である。
【0055】
図5乃至図10を参照すると、本発明は、コア層及びコア層を保護するスキン層を含む本体部を形成するステップS10、本体部の外部周りに仕上げ部を配置するステップS20、及び前記本体部にヒンジ部を配置するステップS30を含む、トラック用デッキゲートを製造する方法を提供する。
【0056】
本発明の本体部を形成するステップS10は、レジンが未含浸された強化繊維を金型に配置するステップS11、前記強化繊維の上部にフォーム形態を有するコア層を積層するステップS12、前記コア層の上部にレジンが未含浸された強化繊維を積層するステップS13、及び前記強化繊維にレジンを含浸させてコア層の上部と下部に硬化されたスキン層を形成するステップS14を含み、外側スキン30、コア層20、内側スキン10が順次に積層される。
【0057】
本発明において、トラック用デッキゲートは、VA-RTM(Vacuum assisted resin transfer molding)工程、プレス成形、真空成形方法等により製造され得、これに制限されない。前記VA-RTM工程は、レジンが未含浸された強化繊維を形状に合うように金型に安着した後、レジンを含浸させる工法であり、真空ポンプで内部空気を吸い込んでレジンが繊維に含浸される方法である。本発明においては、成形品と金型間の脱型を助けるために、リリースフィルム(release film)40とピールプライ(Peel ply)50を使用し、余剰樹脂を吸収するために、余剰樹脂吸収材(Breather)60を使用し、密閉、真空のために、真空バギングフィルム(bagging film)70も使用する。本発明のトラック用デッキゲートの製造のためのVA-RTM工程を図5に示した。
【0058】
まず、本発明は、レジンが未含浸された強化繊維31を金型に備え付けるステップを含む。
【0059】
本発明の図5に示されたように、まず、金型(Mold)にリリースフィルム(release film)40を敷いて、今後、トラック用デッキゲート成形品の下部に位置する外側スキンがよく分離されるようにする。この後、外側スキンを製造するために、レジンが未含浸された強化繊維31を金型に配置する。
【0060】
前記強化繊維は、ドライファブリック(dry fabric)であり、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維からなる群から選択される1種以上の繊維で構成され、経糸と緯糸が互いに交差する形態の織物であってもよく、前記繊維(原糸)が一方向のみに配列された形態の織物であってもよいが、これに制限されない。前記ガラス繊維として、Glass NCF(non-crimp fabric)、UD(Unidirectional)、トウプレグ(Towpreg)またはウーブンロービング(Woven Roving)を使用することができるが、これに制限されない。
【0061】
前記スキン層を形成するレジンは、エポキシ(epoxy)、シアネートエステル(cyanate ester)、ビニルエステル(vinyl ester)、及び不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)からなる群から選択される1種以上であってよい。前記不飽和ポリエステル(unsaturated polyester)として、DCPD(ジシクロペンタジエン)またはIPA(Isopropyl alcohol)を使用することができるが、これに制限されない。
【0062】
次に、前記強化繊維31の上部にフォーム形態を有するコア層20を積層する。
【0063】
本発明において、前記コア層20は、フォーム形態を有し、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)樹脂、ポリウレタン(polyurethane)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエーテルイミド(polyetherimide)樹脂、及びスチレン-アクリロニトリル-共重合体(Styrene-acrylonitrile copolymer)樹脂からなる群から選択される1種以上を含むことができる。本発明において、用語「フォーム」は、前記樹脂に発泡剤を加えて発泡硬化させて成形したものを意味する。
【0064】
次に、前記コア層20の上部にレジンが未含浸された強化繊維11を積層し、レジンが未含浸された強化繊維31、コア層20、レジンが未含浸された強化繊維11が順次に積層された構造を作る。
【0065】
従って、図5に示されたように、リリースフィルム(release film)40とピールプライ(peel ply)50との間に位置した前記積層構造は、前記レジンが未含浸された強化繊維31、コア層20、レジンが未含浸された強化繊維11が順次に積層された構造を示す。
【0066】
さらに成形品の分離を容易にするために、ピールプライ(peel ply)50を前記積層構造上に積層して配置し、その上に余剰樹脂吸収材(breather)60を積層配置して、今後、余剰レジンを吸収するようにする。また、密閉及び真空のために、黒色で表示された真空バギングフィルム(bagging film)70を積層して配置する。
【0067】
次に、前記強化繊維11、31にレジンを含浸させ、コア層20の上部と下部に硬化された内側スキン10と外側スキン30を形成する。
【0068】
前記金型に配置された強化繊維11、31にレジンが含浸されるように、真空ポンプで内部空気を吸い込んで真空を形成してレジンが強化繊維11、31に含浸されるようにし、レジンが含浸された強化繊維11、31を硬化してコア層20の上部と下部に硬化された内側スキンと外側スキン10、30を形成し、図6に示されたように、外側スキン30、コア層20、内側スキン10が順次に積層されたトラック用デッキゲートを製造することとなる。
【0069】
本発明において、前記のような方法により製造されたトラック用デッキゲートは、強化繊維及びレジンを含む外側スキン30、前記外側スキン30の上部にフォーム形態を有するコア層20、及びコア層20の上部に強化繊維及びレジンを含む内側スキン10が順次に積層されている。
【0070】
本発明において、前記トラック用デッキゲートを構成する外側スキンと内側スキンを含むスキン層とコア層の物性として、スキン層の密度(density)は、2,000~3,000kg/m、引張弾性率(tensile modulus)は、20,000~30,000MPa、引張強度(tensile strength)は、300~500MPaを有する。コア層の密度は、50~150kg/m、引張弾性率(tensile modulus)は、50~100MPa、引張強度(tensile strength)は、1.5~2.0MPaを有する。
【0071】
また、前記製造されたトラック用デッキゲートの屈曲弾性率(Flexural Modulus)は、2~3GPa、屈曲ストレス(Flexural Stress)は、25~35MPaを有する。
【0072】
本発明において、前記トラック用デッキゲートを形成する外側スキン30:コア層20:内側スキン10の厚さは、1:5~7:1の比率を有し得、具体的には、本発明の表2に示されたように、3.5:19:3.5、3.05:19:3.05、または3.25:19:3.25と、1:5~7:1の比率を有し得る。
【0073】
本発明において、外側スキン30と内側スキン10は、強化繊維及びレジンを含んで形成され、具体的には、強化繊維にレジンを含浸させてコア層20の下部と上部に硬化された外側スキン30と内側スキン10を形成することとなる。前記外側スキン30がコア層20の上部に形成されるようにし、前記内側スキン10がコア層20の下部に形成されるようにすることも可能である。
【0074】
外側スキン30と内側スキン10は、それぞれ強化繊維40-70重量%及びレジン30-60重量%を含むことができる。前記強化繊維の含量が70重量%を超える場合、繊維偏り現象が発生し得、前記繊維が偏っている区間にはレジンが繊維に未含浸され、これによって、繊維とレジンとの間の界面接着力を下げて不適になる。また、強化繊維の含量が40重量%未満である場合、スキン層の物性を形成する主要因子が繊維であり、繊維の比重が低い場合、要求する物性を満たすことが難しくなるので、構造的剛性を満たすことができなくなる。
【0075】
本発明において、前記製造方法により製造されたサンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートは、衝撃強度に優れ、永久歪み率が低い長所があり、コア層としてフォーム形態の樹脂を利用して軽量化が可能である。前記トラック用デッキゲートは、軽く、かつ長期間腐らず耐久性に優れ、かつ衝撃強度が高い。また、耐食性、疲労寿命、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量化、耐寒性、耐熱性等の様々な特性に優れた長所がある。
【0076】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するものであるだけで、本発明の内容は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0077】
実験例1.スキン層及びコア層を含むトラック用サンドイッチパネル形態のデッキゲートの製造
【0078】
実施例1
【0079】
スキン層を形成するために、レジンとしてビニルエステル(vinyl ester)60重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)40重量%を使用した。フォーム形態のコア層としては、PVC(polyvinyl chloride)を含むフォーム形態のコア層を使用した。
【0080】
まず、ビニルエステル(vinyl ester)が未含浸された状態のウーブンロービング(Woven Roving)ガラス繊維織物を形状に合うように裁断した後、金型に配置した。次に、前記ガラス繊維織物の上部にPVC(polyvinyl chloride)を含むフォーム形態のコア層を積層し、前記コア層の上部にビニルエステル(vinyl ester)が未含浸されたウーブンロービング(Woven Roving)ガラス繊維を積層した。この後、真空ポンプで内部空気を吸い込んでビニルエステル(vinyl ester)がガラス繊維に含浸されるようにし、これを硬化して、外側スキン、前記外側スキンの上部にコア層、前記コア層の上部に内側スキンが積層されて形成されたサンドイッチパネル形態の実施例1のトラック用デッキゲートを製造した(図5及び図6参照)。
【0081】
実施例2
【0082】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)60重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)40重量%を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0083】
実施例3
【0084】
レジンとして不飽和ポリエステルであるIPA(Isopropyl alcohol)60重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)40重量%を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0085】
実施例4
【0086】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を30重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)70重量%を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0087】
実施例5
【0088】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を40重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)60重量%を使用したことを除いては、実施例4と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0089】
実施例6
【0090】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を45重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)55重量%を使用したことを除いては、実施例4と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0091】
実施例7
【0092】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を50重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)50重量%を使用したことを除いては、実施例4と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0093】
実施例8
【0094】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を55重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)45重量%を使用したことを除いては、実施例4と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0095】
比較例1
【0096】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を80重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)20重量%を使用したことを除いては、実施例4と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0097】
比較例2
【0098】
レジンとして不飽和ポリエステルであるDCPD(ジシクロペンタジエン)を20重量%、ガラス繊維としてウーブンロービング(Woven Roving)80重量%を使用したことを除いては、実施例4と同様の方法でトラック用デッキゲートを製造した。
【0099】
前記実施例1乃至8、そして比較例1、2の組成、そしてこれによる外部スキンと内部スキンの製造結果を表でまとめると、下記のとおりである。
【0100】
【表1】
【0101】
前記実施例1乃至8の場合、レジンが繊維に均一に含浸され、繊維偏り現象が発生しなかった。また、デッキゲートに適した構造的剛性を満たしていた。しかし、比較例1の場合、ガラス繊維の含量が低く、デッキゲートに適した構造的剛性を満たしていなかった。また、比較例2の場合、繊維の含量が過度に多く、繊維偏り現象でレジンが未含浸される区間が発生した。
【0102】
実験例2.トラック用デッキゲートを構成するスキン層及びコア層の物性測定
【0103】
実施例4のトラック用デッキゲートを構成するスキン層とコア層の物性を測定した。その結果、スキン層とコア層の密度は、それぞれ2,275kg/m、60kg/m、引張弾性率(tensile modulus)は、それぞれ21,000MPa、75MPa、引張強度(tensile strength)は、それぞれ400MPa、1.8MPaを有していた(図11)。
【0104】
実験例3.サンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの成形性試験
【0105】
前記実施例1乃至4のトラック用サンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの成形性(formability)を試験した。その結果、実施例1乃至4のサンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの場合、成形性を満たしていた。
【0106】
【表2】
【0107】
実施例4.試片単位実際衝撃試験(Impact test)
【0108】
トラック用デッキゲートに適用されている既存の素材と実施例4の素材の特性を検証するために、最も重要な因子で適用されるスキン層の素材別特性を検証できるように、アルミニウム板材、FRP(fiber reinforced plastics)板材に対する試片単位衝撃試験を実施した。試験方法と結果は、図12及び図13のとおりである。
【0109】
<試験結果>
【0110】
その結果、図13において、本発明の実施例4のトラック用デッキゲートは、常温と低温で類似したエネルギー吸収率を有し、エネルギー吸収率が高く、荷重値が高いことを確認した。これに対して、アルミニウム板材タイプのトラック用デッキゲートの場合、低温でエネルギー吸収率を測定することができず、荷重も実施例4に比べて低かった。また、FRP板材タイプのトラック用デッキゲートの場合、常温と低温でエネルギー吸収率は顕著に低く、荷重も実施例4に比べて多く低かった。結論的に、本発明のトラック用デッキゲートは、エネルギー吸収率に優れ、荷重値が高く、温度変化による物性低下率が低くて耐寒性と耐熱性にも優れている。
【0111】
実験例5.サンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの屈曲弾性率及び曲げ強度の測定
【0112】
図14の条件によって、実施例4のトラック用デッキゲートの屈曲弾性率(Flexural Modulus)、屈曲ストレス(Flexural Stress)を測定し、その値は、図14に示した。トラック用デッキゲートの屈曲ストレス(Flexural Stress)は、29.54MPa、屈曲弾性率(Flexural Modulus)は、2.17GPaを有していた(図14)。
【0113】
実験例6.製品の静荷重試験(Static test)
【0114】
前記実施例4を利用し、静荷重試験を実施して荷重及び永久歪み率を測定した。
【0115】
<試験条件>
【0116】
-試験速度:1mm/sec
-最大変位140mm(10mm単位別に荷重除去後、製品の永久歪み率を測定)
-車体組み立て形態と同じ形態の治具を基盤にした試験
-車体組み立て形態と同じ拘束条件を基盤に中央部に最大140mmの変位を付与する場合、最大荷重1,300kg水準を要求
【0117】
<実験結果>
【0118】
曲げ試験を通してサンドイッチパネル形態のトラック用デッキゲートの曲げ剛性及び強度を評価した。その結果を図7に示した。解析的検証を通した軽量化モデルの導出のために、実施例4のトラック用デッキゲートの曲げ試験結果と解析的モデル(Test)の関連性(Co-relation)を評価した。その結果、実施例4のトラック用デッキゲートの曲げ試験結果が解析的モデルと一致し、トラック用デッキゲートとして適していることを確認した。
【0119】
また、スキン層がスチールであり、コア層が木材からなる既存の量産品と衝撃試験を比較し、その結果を図8に示した。その結果、実施例4(発明製品)のトラック用デッキゲートの場合、全ての試験変位で既存の量産品より高い荷重値を示し、140mmで最大荷重1,380kgfと量産品に対比して約5%程度の性能が向上した。また、永久歪み量は、最大22mmと量産品に対比して40%以上の性能向上を示した。従って、本発明のトラック用デッキゲートが荷重値が高く、永久歪み量も低くて、量産品に比べて、トラック用デッキゲートとして優れていることを確認した。
【0120】
実験例7.軽量化試験(Static test)
【0121】
スキン層がスチールであり、コア層が木材からなる既存の量産品と比較して、実施例4のトラック用デッキゲートを適用し、重量を測定した。
【0122】
試験方法及び結果は、図15のとおりである。その結果、2種類のサイドゲートを両側にそれぞれ1組ずつ設け、テールゲートを1個設けて、計5個のパートに分けて設けた結果、総重量は200kgと既存の量産品の258kgに比べて23%の重量節減効果を達成した。
【符号の説明】
【0123】
T:トラック
100:車体フレーム
200:搭乗部
300:積載部
310:デッキ
320:テールゲート
330:サイドゲート
331:本体部
340:フロントゲート
350:デッキゲート
1:スキン層
10:内側スキン
30:外側スキン
20:コア層
11、31:レジンが未含浸された強化繊維
40:リリースフィルム(release film)
50:ピールプライ(peel ply)
60:余剰樹脂吸収材(breather)
70:真空バギングフィルム(bagging film)
332:仕上げ部
333:ヒンジ部
333a:第1部材
333b:第2部材
334:補強バー
335:結合手段
336a、336b:結束部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15