(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】画像形成装置、転写媒体搬送装置、画像形成システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20220113BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220113BHJP
B65H 29/62 20060101ALI20220113BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220113BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/38 206
B65H29/62
H04N1/00 C
H04N1/00 567L
H04N1/12 Z
(21)【出願番号】P 2017086179
(22)【出願日】2017-04-25
【審査請求日】2020-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091926
【氏名又は名称】横井 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】桐山 知宏
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-130732(JP,A)
【文献】特開2013-103407(JP,A)
【文献】特開2009-230046(JP,A)
【文献】特開2006-130831(JP,A)
【文献】特開2012-039424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0155448(US,A1)
【文献】特開2010-041430(JP,A)
【文献】特開2013-104823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
H04N 1/00
H04N 1/04
B41J 29/393
B65H 29/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば
、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、一旦停止している転写媒体と、後続の転写媒体とが衝突しない供給間隔を設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記判定の解析が完了する前に前記判定を行っている転写媒体が仕分け箇所に到達する予定である場合、少なくとも前記判定の解析が完了して搬送開始後の仕分けが可能となるまで前記一旦停止を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記仕分け部における仕分けが異なる経路に対する搬送であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、判定を行う転写媒体が仕分け箇所以前で一旦停止をする前に判定結果を得ている場合は、前記転写媒体の一旦停止を行わないことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、転写媒体の一旦停止中に判定結果を得た場合は判定結果に基づいて搬送を再開することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記搬送の再開とともに仕分けを行うことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部を備えることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部を備えることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
後処理装置を備えることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定することを特徴とする転写媒体搬送装置。
【請求項15】
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする転写媒体搬送装置。
【請求項16】
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば
、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする転写媒体搬送装置。
【請求項17】
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定することを特徴とする転写媒体搬送装置。
【請求項18】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項19】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする画像形成システム。
【請求項20】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば
、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする画像形成システム。
【請求項21】
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項22】
転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定するステップと、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項23】
転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とするステップと、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項24】
転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば
、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とするステップと、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項25】
転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定するステップと、
を有することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、転写媒体上の画像を読み取った読取結果によって画像が正常であるかを判定して判定結果によって転写媒体の仕分けを行う画像形成装置、転写媒体搬送装置、画像形成システムおよびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、複合機などの画像形成装置の分野では、用紙の画像を読み取った画像読取データを用いて、画像の異常や画質調整の判定を行っている。例えば、読取画像と、印刷用の画像データや正常と判定した読取画像とを比較して、画像が一致すれば正常であると判定し、画像が一致しない場合に異常判定を行う装置が提案されている(例えば特許文献1~3)。画像が異常であると判定された場合はヤレとされ、ヤレ紙を通常の排紙先とは異なる排出先へ排紙する処理などが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-43489号公報
【文献】特開2001-18476号公報
【文献】特開2012-39424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ヤレ検査の検査項目、検査対象(サイズや画像)、検査精度により解析にかかる時間は異なるため、一定の紙間隔で印刷しているとヤレ紙の排出先振分に失敗してしまい、検査したにもかかわらずヤレ紙と正常紙が同一トレイに混載されてしまうという課題がある。また、これを回避するために検査項目により一律で用紙間隔を設定してしまうと最適な印刷生産性を確保できないという課題がある。
【0005】
特許文献1では、記録媒体上に形成された画像の欠陥を効率的に検出するために、画像データとともに受信した情報から画像設定モードおよび後処理モードを判別し、判別したモードに応じて検査を必要とする検査領域を決定し、その検査領域だけを検査することで検査時間を短縮しており、検査時間が長くなるという課題に対して検査する範囲を限定することで対応している。しかし、検査領域を限定するため検査漏れなどが生じる可能性がある。
特許文献2では、連続紙の印刷状態の読み取り装置に関し、読み取り動作が終了するまで停止して、正確な印刷・照合が行なえるようにしている。しかし、ヤレ紙と判定した場合に、排紙先を切り替える制御に対応するものではない。
特許文献3では、検査項目に応じて、搬送速度を変更する制御を行っている。しかし、制御内容が複雑になり、検査対象となる画像データの複雑さなどによって、解析時間がばらつく場合に対応することができない。
【0006】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、転写媒体上の画像が正常であるかを判定する際の解析時間に応じて転写媒体の一旦停止を行うことで転写媒体の仕分けを確実に行うことが可能となる画像形成装置、転写媒体搬送装置、画像形成システムおよびプログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置のうち、第1の形態は、
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定することを特徴とする。
他の形態の画像形成装置の発明は、転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする。
他の形態の画像形成装置の発明は、転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする。
他の形態の画像形成装置の発明は、転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御し、前記画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部による読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部によって画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行う制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定することを特徴とする。
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、一旦停止している転写媒体と、後続の転写媒体とが衝突しない供給間隔を設定することを特徴とする。
【0008】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、前記制御部は、前記判定の解析が完了する前に前記判定を行っている転写媒体が仕分け箇所に到達する予定である場合、少なくとも前記判定の解析が完了して搬送開始後の仕分けが可能となるまで前記一旦停止を行うことを特徴とする。
【0009】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、前記仕分け部における仕分けが異なる経路に対する搬送であることを特徴とする。
【0010】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、前記制御部は、判定を行う転写媒体が仕分け箇所以前で一旦停止をする前に判定結果を得ている場合は、前記転写媒体の一旦停止を行わないことを特徴とする。
【0011】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、前記制御部は、転写媒体の一旦停止中に判定結果を得た場合は判定結果に基づいて搬送を再開することを特徴とする。
【0012】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、前記搬送の再開とともに仕分けを行うことを特徴とする。
【0018】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部を備えることを特徴とする。
【0019】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部を備えることを特徴とする。
【0020】
他の形態の画像形成装置の発明は、前記形態の本発明において、後処理装置を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の転写媒体搬送装置の一形態は、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定することを特徴とする。
他の形態の転写媒体搬送装置の発明は、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする。
他の形態の転写媒体搬送装置の発明は、 転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする。
他の形態の転写媒体搬送装置の発明は、転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する搬送制御部と、を有し、
前記搬送制御部は、前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けが可能であり、
さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記搬送制御部は、先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定することを特徴とする。
【0022】
本発明の画像形成システムの一形態は、
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定することを特徴とする。
他の形態の画像形成システムの発明は、
転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする。
他の形態の画像形成システムの発明は、転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とすることを特徴とする。
他の形態の画像形成システムの発明は、転写媒体に画像を形成する画像形成部と、
転写媒体を搬送する搬送部と、
画像形成部を経た転写媒体の画像を読み取る画像読取部と、
画像読取部を経て搬送されている転写媒体を仕分ける仕分け部と、
前記搬送部を制御し、前記画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記判定の結果によって転写媒体の仕分けが可能な仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分け制御が可能であり、さらに、前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行う制御が可能であり、
前記制御部は、先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定することを特徴とする。
【0023】
本発明のプログラムの一形態は、
転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、後処理設定が可能であり、先行の転写媒体に対し、先行の転写媒体の解析時間(Af)と、後続の転写媒体の解析時間(Ab)と、後処理時間(Ff)とを比較して後続の媒体の供給間隔を決定するステップと、
を有する。
他の形態のプログラムの発明は、転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff≧Abであればその差分を先行の転写媒体の解析時間に加算して後続の転写媒体の供給間隔とするステップと、
を有する。
他の形態のプログラムの発明は、転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
後続の転写媒体の解析時間Abと先行の転写媒体の後処理時間Ffを比較して、Ff<Abであれば、先行の転写媒体の解析時間Afを後続の転写媒体の供給間隔とするステップと、
を有することを特徴とする。
他の形態のプログラムの発明は、転写媒体を搬送する搬送部を制御し、画像読取部の読取結果を受ける制御部で実行されるプログラムであって、
画像読取部の読取結果を受けて転写媒体上の画像が正常かを判定するステップと、
前記判定の結果によって前記仕分け部を制御して画像が正常であると判定された転写媒体と画像が異常であると判定された転写媒体の仕分けを行うステップと、
前記判定における解析時間を予め把握して前記解析時間に応じて、仕分け箇所以前の搬送位置で前記転写媒体における搬送の一旦停止を行うステップと、
先行の転写媒体において予測される解析時間に基づいて後続の転写媒体の供給間隔を決定するステップと、
を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、画像の良否の判定を行う際の解析時間によって転写媒体の一旦停止の制御を行うことができ、複雑な制御を必要とすることなく転写媒体の仕分けを確実に行うことを可能にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の機械的概略を示す図である。
【
図2】同じく、電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】同じく、先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図4】他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図5】さらに他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図6】さらに他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図7】さらに他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図8】さらに他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図9】さらに他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図10】さらに他例において先行紙の解析時間、後続紙の解析時間、後処理時間によって設定される一旦停止時間、給紙間隔を説明する図である。
【
図11】判定時の搬送制御の手順を示すフローチャートである。
【
図12】後処理無しで給紙間隔を設定する手順を示すフローチャートである。
【
図13】後処理有りで給紙間隔を設定する手順を示すフローチャートである。
【
図14】後処理有りで給紙間隔を演算する手順を示すフローチャートである。
【
図15】給紙間隔を演算する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の画像形成装置について説明する。
画像形成装置1は、装置本体10と、装置本体10の前段側に接続された給紙装置40と、装置本体10の後段側に順次接続された画像読取装置20、仕分け装置30、後処理装置50とを備えている。なお、この実施形態では、これら装置によって画像形成装置が構成されているものとして説明したが、装置本体10によって画像形成装置が構成されているものとしてもよく、画像形成装置と、その他の装置によって画像形成システムが構成されるものとしてもよい。また、画像形成システムにおいて、画像読取装置は画像形成装置に含まれるものとしてもよく、さらに仕分け装置が画像形成装置に含まれるものとしてもよい。
【0027】
給紙装置40は用紙を収納して、装置本体10に用紙を給紙するものであり、大容量で用紙を収納することができる。用紙は、本発明の転写媒体に相当する。なお、転写媒体は紙に限定されるものではなく、布やプラスチックなどであってもよい。
給紙装置40の上部側に、操作部140を備えている。操作部140には、タッチパネル式のLCDで構成することができ、操作者による操作および情報の表示が可能になっている。LCDは、操作部と表示部を兼用しており、操作表示部として機能する。なお、操作部をマウスやタブレットなどで構成し、表示部とは別体で構成することも可能であり、これら構成によって操作表示部が構成される。また、LCDは移動可能となっているものであってもよい。
【0028】
次に、装置本体10について説明する。
装置本体10の下部側には、複数の給紙段を有する本体給紙部12が配置されている。本体給紙部12には用紙が収納されており、用紙は装置本体10の搬送経路13へと給紙される。また、用紙は、装置本体10の前段の給紙装置40にも収納されており、給紙装置40から用紙を給紙することも可能である。
装置本体10内には、用紙を搬送する搬送経路13が設けられている。搬送経路13は、本体給紙部12または給紙装置40から給紙される用紙を搬送する。
【0029】
装置本体10内の搬送経路13の途中に、画像形成部11が設けられている。画像形成部11は、各色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K))用にそれぞれ感光体11aを有しており、各感光体11aの周囲に、図示しない、帯電器、LD、現像器を有している。さらに、画像形成部11は、中間転写ベルト11b、二次転写部11c、定着器11dを有している。中間転写ベルト11bは、各感光体11a上の画像が転写されるものであり、二次転写部11cは、中間転写ベルト11bの画像を用紙に転写する。定着器11dは、二次転写部11cの下流側の搬送経路13に配置されており、用紙に対して熱や圧力を加え、用紙上の画像を定着させる。
【0030】
上記したように、画像形成部11は、感光体11a、図示しない帯電器、LD、現像器、中間転写ベルト11b、二次転写部11c、定着器11dなどによって構成されている。なお、本実施形態ではカラー印刷機を前提としているが、本発明としてはこれに限定されず、モノクロなど単色のみで印刷可能な画像形成装置であってもよい。
【0031】
搬送経路13からは、定着器11dの下流側で反転搬送経路13aが分岐している。反転搬送経路13aからは下流搬送経路13cが分岐しており、その下流側で反転搬送経路13aから退避搬送経路13bが分岐している。反転搬送経路13aは、退避搬送経路13bの分岐点以降で、画像形成部11の上流側の搬送経路13に合流している。下流搬送経路13cは、搬送方向下流側で搬送経路13に合流している。
【0032】
用紙のフェイス面切り替えのみを行う場合は、反転搬送経路13aに搬送された用紙は、一旦退避搬送経路13bに送られた後、逆走して下流搬送経路13cに送られる。下流搬送経路13cに送られた用紙は、フェイス面の切り替えが行われた状態で搬送経路13へ搬送され、下流側に搬送される。
用紙を反転して裏面への画像形成を行う場合、反転搬送経路13aから一旦退避搬送経路13bへ用紙を送った後、用紙を逆走させて下流側の反転搬送経路13aに送り、画像形成部11の上流側で搬送経路13に合流させる。その後、用紙の裏面側への画像形成を行う。搬送経路13の下流側は、画像読取装置20の搬送経路23に接続されている。
【0033】
装置本体10には、制御部100を備えている。制御部100は、画像形成装置全体を制御するものであり、CPUやCPUで実行されるプログラム、パラメータや作業領域が格納される記憶部などによって構成することができる。制御部100では後述する画像読取装置20における読取結果を受けることができる。
【0034】
制御部100では、読取結果において画像が正常であるか、異常であるかを判定することができる。画像の正常、異常に基づいて仕分け装置30で用紙の仕分けを行う。この実施形態では仕分けとして異なる搬送先が選択される。また、判定について、予め、ヤレ検査の検査項目、検査対象(サイズや画像)、検査精度などにより、判定に要する解析時間を求めておく。解析時間は、印刷前の画像データと検査の内容などによってページ毎に算出するようにしてもよく、また、サンプル出力などにおいて解析時間をページ毎に記録しておいてもよい。ページ毎の解析時間は記憶部に格納しておく。制御部100では、この解析時間に基づいて、仕分け前に用紙を一旦停止する時間や給紙間隔を設定する。給紙間隔は、本発明の供給間隔に相当する。
【0035】
次に、画像読取装置20について説明する。
装置本体10の排紙側に設けられている画像読取装置20は、内部に搬送路23を有している。搬送路23は、上流側が装置本体10の搬送経路13に接続され、下流側が仕分け装置30の搬送路に接続されている。
搬送路23の中途には、用紙の片面の画像を読み取る画像読取部24と画像読取部25とがこの順で備えられている。画像読取部24は、搬送路23を搬送される用紙の下面における画像を読み取り、画像読取部25は、搬送路23を搬送される用紙の上面における画像を読み取る。画像読取部24、25の読取結果は制御部100に送信される。画像読取部24、25はCMOSセンサーやCCDセンサー等によって構成されたラインセンサーでもよく、また、ポイントで画像を読み取る測色機などであってもよい。
【0036】
なお、この実施形態では、2つの画像読取部を有するものについて説明をしたが、本発明としては画像読取部の数が限定されるものではなく、その数は1つでもよく、また、3つ以上でもよい。複数の画像読取部では種別の異なるものであってもよい。
画像読取装置20に備えられた読み取り制御部200は、画像読取部24、25を制御して、画像読取部24、25の読取結果を受けて画像メモリに一旦格納したり、制御部100に送信したりすることができる。
なお、この実施形態では、画像の正常、異常判定を制御部100で行うものとしたが、画像読取装置20で画像の判定を行うようにしてもよい。この場合、画像読取部24、25で読み取った画像を読み取り制御部200で取得し、読み取り制御部200で判定を行うことができる。
【0037】
正常、異常を判定する際の基準となる画像データは、制御部100でRIPデータから得て読み取り制御部200に送信するものとしてもよく、サンプル出力などで出力された読取結果を画像読取装置20の画像メモリなどに格納して基準データとしてもよい。制御部100で用いる場合には、制御部100に送り、画像メモリなどに格納して制御部100で管理するようにしてもよい。
制御部100や読み取り制御部200では、基準データと画像読取部で読み取った画像データとを比較して画像が正常であるか、異常であるかを判定することができる。例えば両者が一致していれば正常と判断し、不一致であれば異常であると判定することができる。正常、異常の判定基準は適宜設定することができる。
【0038】
仕分け装置30は、画像読取装置20の排紙側に接続されており、画像読取装置20に接続される搬送路31を有している。搬送路31には、排紙先を切り替える仕分け部32を有しており、仕分け部32の下流側は、搬送路33と搬送路34とに分岐している。
搬送路34の先端側は、仕分け装置30に設けられたパージトレイ35に接続されており、搬送路33の先端側は後処理装置50に接続されている。
仕分け部32では、制御部100の制御によって搬送制御部300を通して搬送先を制御しており、制御部100による判定の結果、画像が正常であると判定された場合は、仕分け位置を介して搬送路33を通じて後処理装置50に搬送され、判定の結果、画像が異常であると判定された場合は、仕分け位置を介して搬送路34を通してパージトレイ35に排紙される。
【0039】
また、搬送路31では、用紙の搬送を停止して一旦停止する一旦停止部31Aが設けられており、制御部100の制御によって設定された停止時間で用紙を一旦停止部31Aに一旦停止させる。設定された停止時間を経過した後、または、制御部100で解析が完了したものとして再搬送指示があると、搬送を再開して必要に応じて仕分けを行う。なお、一旦停止部の位置は仕分け位置以前であればよいが、搬送再開後に仕分けが可能である位置に定める。例えば、一旦停止位置が仕分け位置に近すぎて搬送再開後に仕分けが間に合わない位置とならないように定める。なお、一旦停止位置は可変とするものであってもよい。
【0040】
なお、この実施形態では、画像の解析と、一旦停止、仕分けを制御部100で行うものとしたが、画像読取装置と仕分け装置とが一体の搬送装置として、これらの動作を行えるものとしてもよい。その場合、画像読取装置または仕分け装置に設けた読み取り制御部や仕分け制御部で、画像読取部で読み取った画像について正常、異常の判定を行い、判定結果に基づいて一旦停止の制御や仕分けを行うようにしてもよい。これらの制御を行う読み取り制御部や仕分け制御部は本発明の搬送制御部に相当する。
【0041】
後処理装置50は、搬送路53を有しており、搬送路53は、上流側で仕分け装置30の搬送路33に接続されている。後処理装置50では、排紙先として複数の第1排紙トレイ51と、第2排紙トレイ52とを有している。
搬送路53の途中では後処理搬送路54が分岐しており、後処理搬送路54は後処理部55に接続されている。搬送路53の下流側は第1排紙トレイ51に接続されている。
後処理部55はステープル、パンチ、中綴じなどの所定の処理を行うように構成されており、複数の後処理を行うものであってもよい。後処理部55を経た用紙は第2排紙トレイ52に排紙される。
後処理装置50において後処理を行わない場合、用紙は搬送路53でストレートに搬送されて第1排紙トレイ51に排紙される。後処理を行う場合、用紙は搬送路53から後処理搬送路54へ送られて後処理部55にて所定の後処理が行われ、第2排紙トレイ52に排紙される。
【0042】
次に、画像形成装置1の制御ブロックを
図2に示す。
装置本体10では、接続された装置との間で通信を行うインターフェース101を有しており、装置本体10では、画像読取装置20のインターフェースに接続されている。
装置本体10には、画像形成装置10全体を制御する制御部100を有しており、該制御部100に画像処理部110が接続されている。画像処理部110は、画像データの読込や画像書込みなどの画像処理を行う。
制御部100には画像形成部11が制御可能に接続されており、読み取り画像データやRIPデータなどに基づいて用紙に画像を形成することができる。
画像データは画像メモリ130に一旦格納し、画像形成に用いることができる。
給紙部150は、画像形成部11に用紙を給紙するものであり、給紙装置40や本体給紙部12を含んでいる。
【0043】
画像読取装置20では、装置本体10のインターフェース101と通信をし、さらに後段の仕分け装置30のインターフェースと通信を行うインターフェース201を有している。
画像読取装置20には、画像読取装置20を制御する読み取り制御部200を有しており、制御部100からの制御指令によって画像読取装置20の動作を制御することができる。読み取り制御部200は、CPUやCPU上で動作するプログラム、記憶部などによって構成されている。
また、画像読取装置200で読み取った画像の正常、異常を判定する場合は、読み取り制御部200で判定を行うことができる。
【0044】
読み取り制御部200には、用紙搬送部210が制御可能に接続されており、装置本体10から送られた用紙を、画像読取可能に搬送して、さらに後段に搬送する。
読み取り制御部200には、読み取り部220が制御可能に接続されている。読み取り部220には、画像読取部24、25が含まれている。読み取り部220で読み取られた読取結果は一旦読み取り制御部200に送られ、そのまま判定または制御部100で判定できるように制御部100に送信される。
読み取り制御部200では、さらに画像メモリ230が制御可能に接続されている。画像メモリ230には、読み取り部220で読み取った読取結果が格納される。なお、画像メモリ230は、画像読取装置20には設けず、装置本体10に設けた画像メモリに読取結果を格納するようにしてもよい。
【0045】
仕分け装置30では、画像読取装置20のインターフェース201と通信を行い、さらに後段の後処理装置50のインターフェースと通信を行うインターフェース301を有している。
仕分け装置30では、仕分け装置30全体を制御する仕分け制御部300を有している。仕分け制御部300は、CPUやCPU上で動作するプログラム、記憶部などによって構成されている。
仕分け制御部300には用紙搬送部310が制御可能に接続されており、画像読取装置20から送られた用紙を仕分け可能に搬送して、パージトレイまたは後段に搬送する。また、用紙搬送部310は搬送路上で用紙が一旦停止するように動作することができる。
【0046】
仕分制御部300には、経路切替部320が制御可能に接続されている。経路切替部320には、仕分け部32が含まれており、用紙の搬送先の切り替えが行われる。経路の切り替えは、制御部100で制御される場合は、仕分け制御部300を介して制御が行われ、仕分け制御部300で切り替えを行う場合は、仕分け制御部300の指令によって搬送先が切り替えられる。この場合、仕分け制御部300は、本発明の搬送制御部に相当する。
なお、この実施形態では、用紙の仕分けは、搬送先を切り替えることによって行うものとしたが、これに限定されるものではなく、仕分けをした用紙同士が区別できる状態になるものであればよい。例えば、シフト排紙や回転方向を変えた排紙などによっても仕分けを行うことができる。
搬送制御部300には異常紙積載トレイ330が設けられている。異常紙積載トレイ330は、パージトレイ35が含まれており、画像の判定で異常と判定された用紙が仕分けられて排紙される排紙先に相当する。
【0047】
後処理装置50には、仕分け装置30のインターフェース301と通信を行うインターフェース501が設けられている。
後処理装置50には、用紙搬送部510が設けられており、用紙搬送部510は仕分け装置30から送られる用紙を搬送して、後処理、排紙を行う。また、後処理設定によって後処理を行うことなく排紙するものであってもよい。
後処理装置50には後処理部520が設けられている。後処理部520では所望の後処理が行われる。後処理の種別は1つのほか2つ以上であってもよい。
後処理装置50には、積載トレイ530が設けられている。積載トレイ530には、第1排紙トレイ51、第2排紙トレイ52が含まれる。
【0048】
次に、判定の解析時間に応じて仕分け直前に一旦停止を行う動作について説明する。なお、以下の動作では、いずれも通常の排紙先では後処理動作が行われている。なお、以下の説明では、解析時間は用紙が一旦停止位置に達した時点を開始点として示しているが、一旦停止位置前で解析を開始するものであってもよい。
【0049】
先ず、
図3において、条件1について説明する。条件1では、先行紙の解析が完了するまでの解析時間Af(以下同様)を1.5、後続紙の解析時間Abが1.5、後処理時間Ffが3.5であるとする。なお、これらは相対比として示しており、例えば秒としてもよい(以下同様である)。用紙の一旦停止時間は、解析時間と同じにしているが、本発明としては、解析時間と一旦停止時間とを同じにすることが必要とされるものではない。
この際に、一旦停止時間を設けないと、解析途中で仕分け位置に達して仕分けが難しくなる。この例では、一旦停止時間を1.5に設定する。また、後処理時間を確保するために、給紙間隔を適正に確保することが必要になる。先行紙の後処理時間が後続紙の解析時間より大きいため、その差分をとり、これに先行紙の解析時間を加えた値を給紙間隔(FeedTime=Af+(Ff-Ab))とする。この場合の給紙間隔は3.5である。
【0050】
次に、他の例を
図4に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Af、後続紙の解析時間Abは3.5、後処理時間Ffが1.5であるとする。
後続紙の解析時間が3.5であれば、後処理時間の1.5は確保される。このため、給紙間隔としては、後続紙の給紙間隔FeedTimeはAfと同じ3.5とすることができる。
【0051】
次に、他の例を
図5に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Afは3.0、後続紙の解析時間Abは5.0、先行紙の後処理時間Ffは2.0とする。後続紙解析時間5.0があれば、先行紙の後処理時間2.0は確保される。このため給紙間隔FeedTimeとしては、先行紙の解析時間Afが確保されていればよい。
【0052】
次の例を
図6に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Afが3.0、後処理時間Ffが6.0、後続紙の解析時間Abが5.0であるとする。後続紙の解析時間を考慮しても先行紙の後処理時間は確保できないが、後続紙の解析時間5.0は確保できるため、給紙間隔として必要なのは、先行紙の解析時間Af(3.0)+停止で補えない時間(6-5=1)である。したがって、給紙間隔FeedTimeはAf+(Ff-Ab)が必要になる。
【0053】
次の例を
図7に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Afが3.0、後処理時間Ffが5.0、後続紙の解析時間Abが6.0であるとする。後続紙の解析時間が6.0であれば後処理時間5.0は確保できる。このため給紙時間に後処理時間を考慮する必要なない。先行紙の解析時間分で紙間が開けばよい。したがって、給紙間隔FeedTimeは、先行紙の解析時間Afであれば十分である。
【0054】
次の例を
図8に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Afが3.0、後処理時間Ffが6.0、後続紙の解析時間Abが2.0であるとする。後続紙の解析時間を考慮しても後処理時間は確保できないが、後続紙解析時間2.0は確保できるため、給紙間隔として必要なのは、先行紙の解析時間3.0+停止で補えない時間(6-2=4)となり、給紙間隔FeedTimeは、Af+(Ff-Ab)となる。
【0055】
次の例を
図9に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Afが5.0、後処理時間Ffが3.0、後続紙の解析時間Abが4.0であるとする。後続紙の解析時間4.0を考慮すると、先行紙の後処理時間3.0は停止時間で確保される。給紙間隔として必要なのは、先行紙の解析時間5.0のみとなる。
【0056】
次の例を
図10に基づいて説明する。
この例では、先行紙の解析時間Afが6.0、後処理時間Ffが5.0、後続紙の解析時間Abが2.0であるとする。後続紙の解析時間2.0を考慮すると、先行紙の後処理時間5.0は停止時間で確保できない。給紙間隔として必要なのは、先行紙の解析時間6.0+停止で補えない時間(5.0-2.0=3.0)となり、給紙間隔FeedTimeは、Af+(Ff-Ab)となる。
【0057】
本実施形態によれば、判定結果に応じて排出先を切り替える、切替ポイントで搬送を一旦停止して、検査結果を待ち、検査結果に応じて排出先を決定して搬送を再開する。
ヤレ検査の結果に応じて排出先を切り替えたい場合にヤレ検査の検出項目、検出対象(サイズや画像)、検出精度により異なる画像解析時間に応じて最適な紙間隔を確保して生産性を最適化する。
上記を実施する場合に、解析のための一旦停止時間は画像データにより異なるため場合によってはJAMに至ってしまうため、先行紙の解析時間(先行紙の一旦停止している時間)に基づいて後続紙の用紙間隔を決定する。
【0058】
次に、画像の判定を行う際の制御内容を
図11のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は制御部の制御によって実行される。
制御の開始に伴って、印刷開始であるかを判定する(ステップs1)。印刷開始にならなければ開始を待機する(ステップs1、No)。印刷が開始されると(ステップs1、Yes)、画像の判定結果通知を受けているかを判定する(ステップs2)。判定結果通知を受けている場合(ステップs2、有り)、ステップs6に移行して判定結果によって処理を進める。判定結果の通知を受けていない場合(ステップs2、無し)、仕分けポイント手前で搬送を一旦停止し(ステップs3)、判定結果通知を受けるまで待機する(ステップs4、無し)。
【0059】
判定結果の通知を受けると(ステップs4、有り)、搬送を再開し(ステップs5)、判定結果からOKであるかを判断する(ステップs6)。判定結果がOK(正常)であれば、正規の排出先へ排紙し(ステップs7)、処理を終了する。判定結果がNG(異常)であれば、異常時の排出先に排出し(ステップs8)、処理を終了する。
上記手順により、画像の判定結果に基づいて用紙を確実に仕分けすることができる。
【0060】
次に、画像の判定を行う際に、後処理無しでの給紙間隔を決定する手順を
図12のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は制御部の制御によって実行される。
制御の開始に伴って、印刷開始であるかを判定する(ステップs10)。印刷開始にならなければ開始を待機する(ステップs10、No)。印刷が開始されると(ステップs10、Yes)、先行紙の通常紙間(Nf)を取得する(ステップs11)。次に、先行紙の解析時間(Af)を取得する(ステップs12)。先行紙の解析時間(Af)が通常紙間(Nf)より長いかを判定する(ステップs13)。
先行紙の解析時間(Af)が通常紙間(Nf)より長い場合(ステップs13、長い)、解析時間と通常紙間との差分を加算して給紙間隔として給紙を行い(ステップs14)、処理を終了する。先行紙の解析時間(Af)が通常紙間(Nf)より短い場合(ステップs13、短い)、解析時間は考慮せず、通常紙間のままの給紙間隔で給紙を行い(ステップs15)、処理を終了する。
【0061】
次に、画像の判定を行う際に、後処理有りで給紙間隔を決定する手順を
図13のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御部の制御によって実行される。
制御の開始に伴って、印刷開始であるかを判定する(ステップs20)。印刷開始にならなければ開始を待機する(ステップs20、No)。印刷が開始されると(ステップs20、Yes)、先行紙の後処理時間(Ff)を取得する(ステップs21)。
次に、先行紙の解析時間(Af)を取得し(ステップs22)、後続紙の解析時間(Ab)を取得する(ステップs23)。先行紙の後処理時間(Ff)、先行紙の解析時間(Af)、後続紙の解析時間(Ab)から給紙間隔(FeedTime)を算出し(ステップs24)、給紙を行い、処理を終了する。
【0062】
次に、後処理有りで給紙間隔を設定する手順の詳細を
図14のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御部の制御によって実行される。
給紙間隔演算では、先行紙の解析時間Afと後続紙の解析時間Abが同じであるかの判定がなされる(ステップs30)。ステップs30で、前後用紙の解析時間が同じ場合(Af=Ab)、解析時間が後処理時間以下(Ab=Af≦Ff)であるかの判定を行う(ステップs31)。解析時間が後処理時間以下(Ab=Af≦Ff)である場合(ステップs31、Yes)、給紙間隔FeedTimeは、先行紙の解析時間に後処理時間と後続紙の解析時間の差分を加算し(FeedTime=Af+(Ff-Ab))(ステップs32)、処理を終了する。解析時間が後処理時間以下(Ab=Af≦Ff)でない場合(ステップs31、No)、給紙間隔FeedTimeを先行紙の解析時間(FeedTime=Af)とし(ステップs33)、処理を終了する。
【0063】
ステップs30で、AfとAbとが同じでなく、AfがAbよりも小さい場合、Af、Abに対するFfの値を比較し、比較結果に応じて処理を行う(ステップs34)。
ステップs34で、Ff<Af<Abである場合、すなわち後処理時間が最も短い場合、給紙間隔FeedTimeは、先行紙の解析時間と同じ(FeedTime=Af)にし(ステップs35)、その後、処理を終了する。
ステップs34で、Af<Ab≦Ff、すなわち後処理時間が最も長い場合、給紙間隔FeedTimeは、先行紙解析時間に後処理時間と後続紙解析時間の差分を加算し(FeedTime=Af+(Ff-Ab))(ステップs36)、その後、処理を終了する。
ステップs34で、Af≦Ff<Ab、すなわち、後処理時間は先行紙解析時間Af以上であるが、後続紙解析時間Abよりも短い場合、FeedTimeは、先行紙解析時間と同じ(FeedTime=Af)にし(ステップs37)、その後、処理を終了する。
【0064】
ステップs30で、先行紙の解析時間が後続紙の解析時間よりも長い場合(Ab<Af)、Af、Abに対するFfの値を比較し、比較結果に応じて処理を行う(ステップs38)。
ステップs38で、Ab<Af≦Ff、すなわち後処理時間が最も長い場合、給紙間隔FeedTimeは、先行紙解析時間に後処理時間と後続紙解析時間の差分を加算(FeedTime=Af+(Ff-Ab))(ステップs39)し、その後、処理を終了する。
ステップs38で、Ff<Ab<Afである場合、すなわち後処理時間が最も短い場合、給紙間隔FeedTimeは、先行紙の解析時間と同じにし(FeedTime=Af)(ステップs40)、その後、処理を終了する。
ステップs38で、Ab≦Ff<Af、すなわち、後処理時間は先行紙解析時間Ab以上であるが、後続紙解析時間Afよりも短い場合、FeedTimeは、先行紙解析時間に後処理時間と後続紙解析時間の差分を加算し(FeedTime=Af+(Ff-Ab))(ステップs41)、その後、処理を終了する。
【0065】
次に、解析時間決定の手順を
図15のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、後続紙の解析時間Abが後処理時間Ff以下であるかを判定する(ステップs50)。
後続紙の解析時間Abが後処理時間Ff以下である場合(ステップs50、Yes)、後続紙の解析時間分は後処理に対しマージンとなるため、先行紙の後処理時間と後続紙の解析時間間の差分のみを先行紙の解析時間に加算する。すなわち、給紙間隔FeedTimeはAf+(Ff-Ab)となる(ステップs51)。
後続紙の解析時間Abが後処理時間Ff以下でない場合(ステップs50、No)、後続紙の解析時間が後処理時間よりも長いため、結果として、解析時間の停止時間分で後処理時間が確保される。すなわち、給紙間隔FeedTimeはAfと同じになる(ステップs52)。
【0066】
本実施形態では、解析対象の条件によらず最適な制御を行うことで、印刷+ヤレ検査の生産性を最大化できる。新規機能追加でヤレ検査アルゴリズムを追加する場合でも、排紙ユニット側の制御を変えることなく必要な画像解析時間に基づいて最適化できる。生産性優先、解析精度優先などユーザーニーズに応じた最適化ができる。
【0067】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲は上記実施形態の範囲に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは上記実施形態に対する適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
10 装置本体
11 画像形成部
20 画像読取装置
24 画像読取部
25 画像読取部
30 仕分け装置
32 仕分け部
35 パージトレイ
40 給紙装置
50 後処理装置
55 後処理部
100 制御部
200 読み取り制御部
300 仕分け制御部