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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】電子部品及び電子部品装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 513
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017188209
(22)【出願日】2017-09-28
(65)【公開番号】P2019067787
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-04-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 伸也
(72)【発明者】
【氏名】田村 健寿
(72)【発明者】
【氏名】武田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】森田 健
【審査官】多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/038066(WO,A1)
【文献】特開2017-028229(JP,A)
【文献】特開2009-239094(JP,A)
【文献】特開2018-088451(JP,A)
【文献】特開2014-197666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状を呈しており、実装面とされる第一主面と、第一方向で前記第一主面と対向している第二主面と、第二方向で対向している一対の側面と、第三方向で対向している一対の端面と、を有している素体と、
前記第三方向での前記素体の両端部にそれぞれ配置されている外部電極と、
対応する前記端面に露出する内部導体と、を備え、
前記外部電極は、前記内部導体と接続されるように前記端面に形成されている焼結金属層と、前記第一主面と前記端面との間に位置する稜線部と前記端面と前記第一主面における前記端面寄りの領域とを覆うように形成されている導電性樹脂層と、めっき層と、を有し、
前記焼結金属層は、前記導電性樹脂層で直接覆われている第一領域と、前記導電性樹脂層から露出している第二領域と、を有し、
前記めっき層は、前記導電性樹脂層と前記焼結金属層の前記第二領域とを直接覆い、
前記導電性樹脂層における前記端面を覆っている部分の厚みは、前記第一方向で前記第二主面から前記第一主面に向かって徐々に大きくなっており、前記導電性樹脂層における前記端面を覆っている前記部分は、前記第一方向で前記第一主面寄りの位置に、前記導電性樹脂層の厚みが最大である最大厚部を有しており、
前記導電性樹脂層における前記稜線部を覆っている部分は、前記第一方向で前記最大厚部よりも前記第一主面寄りに位置していると共に、前記最大厚部の厚みよりも小さい厚みを有し
前記第一主面を含む仮想平面から前記導電性樹脂層における前記稜線部を覆っている前記部分までの前記第一方向に沿った距離は、前記仮想平面から前記最大厚部までの前記第一方向に沿った距離に比して小さい、電子部品。
【請求項2】
前記導電性樹脂層の厚みは、前記第一方向で、前記導電性樹脂層における前記第二主面側の端縁から前記最大厚部に向かって徐々に大きくなっていると共に、前記導電性樹脂層における前記稜線部を覆っている前記部分において前記第一主面に向かって徐々に小さくなっている、請求項に記載の電子部品。
【請求項3】
前記最大厚部は、前記素体全体内における前記第一方向で前記第二主面よりも前記第一主面の近くに位置している、請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記最大厚部は、前記導電性樹脂層内における前記第一方向で前記第二主面よりも前記第一主面の近くに位置している、請求項1~のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記導電性樹脂層は、前記端面における前記第一主面寄りの領域を覆うように形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項6】
請求項に記載の電子部品と、
はんだフィレット介して前記外部電極と連結されているパッド電極を有している電子機器と、を備え、
前記はんだフィレットは、前記端面上に位置している前記外部電極の、前記第一領域を含む部分と前記第二領域とを含む部分とに形成されている、電子部品装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
直方体形状を呈している素体と、複数の外部電極と、複数の内部電極と、を備えている電子部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この電子部品では、素体は、互いに対向している一対の主面と、互いに対向している一対の端面と、互いに対向している一対の側面と、を有している。複数の外部電極は、一対の端面が対向している方向での素体の両端部にそれぞれ配置されている。外部電極は、端面全体を覆うように形成されている導電性樹脂層を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-107038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの態様は、素体及びはんだフィレットにおけるクラックの発生が抑制可能な電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様に係る電子部品は、直方体形状を呈しており、実装面とされる第一主面と、第一方向で第一主面と対向している第二主面と、第二方向で対向している一対の側面と、第三方向で対向している一対の端面と、を有している素体と、第三方向での素体の両端部にそれぞれ配置されている外部電極と、対応する端面に露出する内部導体と、を備え、外部電極は、端面に形成されている導電性樹脂層を有し、導電性樹脂層の厚みは、第一方向で第二主面から第一主面に向かって徐々に大きくなっており、導電性樹脂層は、第一方向で第一主面寄りの位置に、厚みが最大である最大厚部を有している。
【0006】
電子部品が電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品)にはんだ実装されている場合、電子機器から電子部品に作用する外力が、はんだ実装の際に形成されたはんだフィレットから外部電極を通して素体に応力として作用することがある。この場合、素体にクラックが発生するおそれがある。上記一つの態様に係る電子部品では、端面に導電性樹脂層が形成されていることにより、電子機器から電子部品に外力が作用したとしても、素体に作用する応力が導電性樹脂層によって吸収される。したがって、クラックが素体に発生するのが抑制される。また、電子部品が電子機器にはんだ実装される際に形成されたはんだフィレットに、熱衝撃による圧縮応力又は引張応力が加わると、はんだフィレットにクラックが発生するおそれがある。熱衝撃による圧縮応力又は引張応力は、はんだフィレットにおける第一主面寄りの領域に集中して作用する傾向がある。上記一つの態様に係る電子部品では、熱衝撃による圧縮応力又は引張応力が、端面に形成されている導電性樹脂層によって吸収される。端面に形成されている導電性樹脂層の厚みは、第一方向で第二主面から第一主面に向かって徐々に大きくなっており、導電性樹脂層は、第一方向で第一主面寄りの位置に、厚みが最大である最大厚部を有している。よって、導電性樹脂層の応力吸収作用が第一主面寄りの位置で最大となっているので、はんだフィレットにおける第一主面寄りの領域に、熱衝撃による圧縮応力又は引張応力が集中し難い。したがって、クラックがはんだフィレットに発生するのが抑制される。以上より、素体及びはんだフィレットにおけるクラックの発生が抑制可能な電子部品が提供される。
【0007】
上記一つの態様では、最大厚部は、素体全体内における第一方向で第二主面よりも第一主面の近くに位置していてもよい。本形態では、導電性樹脂層による応力吸収作用が最大となる最大厚部が、素体全体内における第一方向で第二主面よりも第一主面の近くに位置している。よって、はんだフィレットにおける第一主面寄りの領域に対し、導電性樹脂層による応力吸収作用が効果的に発揮される。したがって、クラックがはんだフィレットに発生するのが確実に抑制される。
【0008】
上記一つの態様では、最大厚部は、導電性樹脂層内における第一方向で第二主面よりも第一主面の近くに位置していてもよい。本形態では、応力吸収作用が最大となる最大厚部が、導電性樹脂層内における第一方向で第二主面よりも第一主面の近くに位置している。よって、はんだフィレットにおける第一主面寄りの領域に対し、導電性樹脂層による応力吸収作用が効果的に発揮される。したがって、クラックがはんだフィレットに発生するのがより確実に抑制される。
【0009】
上記一つの態様では、導電性樹脂層は、第一主面と端面との間に位置する稜線部を覆うように形成されており、導電性樹脂層における稜線部を覆っている部分は、第一方向で最大厚部よりも第一主面寄りに位置していると共に、最大厚部の厚みよりも小さい厚みを有していてもよい。本形態では、導電性樹脂層が、第一方向で最大厚部よりも第一主面寄りに、稜線部を覆っている部分を有しており、当該部分の厚みは最大厚部の厚みよりも小さい。よって、当該部分の厚みが最大厚部の厚み以上である場合に比して、当該部分の曲率半径が大きくなっている。その結果、導電性樹脂層を含む電子部品全体としての第一主面側の稜線部の曲率半径が大きくなっているので、電子部品の撓み性が向上し、素体のクラックの発生がより確実に抑制される。導電性樹脂層における稜線部を覆っている部分の厚みが導電性樹脂層における最大厚部の厚みよりも小さくなっている分だけ、はんだが溜まり易くなっており、はんだ溜まりが確保されている。
【0010】
上記一つの態様では、導電性樹脂層は、端面における第一主面寄りの領域を覆うように形成されていてもよい。素体と導電性樹脂層との間の領域は、水分が浸入する経路となるおそれがある。素体と導電性樹脂層との間の領域から水分が浸入すると、電子部品の耐久性が低下する。本形態では、導電性樹脂層が、端面全体を覆うように形成されている構成に比して、水分が浸入する経路が少ない。したがって、本形態では、湿信頼性が向上している。
【0011】
上記一つの態様では、導電性樹脂層は、第一主面における端面寄りの領域を覆うように形成されていてもよい。電子機器から電子部品に作用する外力は、素体の第一主面における端面寄りの領域に作用する傾向がある。本形態では、第一主面における端面寄りの領域が導電性樹脂層で覆われているので、電子機器から電子部品に作用する外力が素体に作用し難い。したがって、クラックが素体に発生するのが抑制される。
【0012】
上記一つの態様では、外部電極は、内部導体と接続されるように端面に形成されている焼結金属層を更に有し、焼結金属層は、導電性樹脂層で覆われている第一領域と、導電性樹脂層から露出している第二領域と、を有していてもよい。本形態では、内部導体と接続されるように端面に形成されている焼結金属層により、外部電極と内部導体とが、良好にコンタクトするので、外部電極と内部導体とが、確実に電気的に接続される。導電性樹脂層は、導電性材料(たとえば、金属粉末)と樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂)とを含む。導電性樹脂層の電気抵抗は、焼結金属層の電気抵抗に比して大きい。焼結金属層が第二領域を有している場合、第二領域は、導電性樹脂層を介することなく、電子機器と電気的に接続される。したがって、本形態では、外部電極が導電性樹脂層を有する場合でも、ESR(等価直列抵抗)の増大が抑制される。
【0013】
上記一つの態様では、外部電極は、導電性樹脂層と焼結金属層の第二領域とを覆うめっき層を更に有していてもよい。本形態では、外部電極がめっき層を有するので、電子部品は、電子機器へのはんだ実装が可能である。焼結金属層の第二領域は、めっき層を介して電子機器と電気的に接続されるので、ESRの増大がより一層抑制される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一つの態様によれば、素体及びはんだフィレットにおけるクラックの発生が抑制可能な電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る積層コンデンサの側面図である。
図3】第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図4図3の一部を拡大して示す図である。
図5】第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図6】第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図7】素体、第一電極層、及び第二電極層を示す平面図である。
図8】素体、第一電極層、及び第二電極層を示す側面図である。
図9】素体、第一電極層、及び第二電極層を示す端面図である。
図10】第1実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を説明するための図である。
図11】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの平面図である。
図12】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの平面図である。
図13】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの側面図である。
図14】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの端面図である。
図15】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図16】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図17】第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図18】素体、第一電極層、及び第二電極層を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1図9を参照して、第1実施形態に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサの側面図である。図3図5、及び図6は、第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。図4は、図3の一部を拡大して示す図である。図7は、素体、第一電極層、及び第二電極層を示す平面図である。図8は、素体、第一電極層、及び第二電極層を示す側面図である。図9は、素体、第一電極層、及び第二電極層を示す端面図である。本実施形態では、電子部品として積層コンデンサC1を例に説明する。
【0018】
積層コンデンサC1は、図1に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、一対の外部電極5と、を備えている。一対の外部電極5は、素体3の外表面に配置されている。一対の外部電極5は、互いに離間している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
【0019】
素体3は、互いに対向している長方形状の一対の主面3a,3bと、互いに対向している長方形状の一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を有している。一対の主面3a,3bが対向している方向が、第一方向D1である。一対の側面3cが対向している方向が、第二方向D2である。一対の端面3eが対向している方向が、第三方向D3である。積層コンデンサC1は、電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品)に、はんだ実装される。積層コンデンサC1では、主面3aが、電子機器に対向する実装面とされる。
【0020】
第一方向D1は、各主面3a,3bに直交する方向であり、第二方向D2と直交している。第三方向D3は、各主面3a,3bと各側面3cとに平行な方向であり、第一方向D1と第二方向D2とに直交している。第二方向D2は、各側面3cに直交する方向であり、第三方向D3は、各端面3eに直交する方向である。本実施形態では、素体3の第三方向D3での長さは、素体3の第一方向D1での長さより大きく、かつ、素体3の第二方向D2での長さより大きい。第三方向D3が、素体3の長手方向である。
【0021】
一対の側面3cは、一対の主面3a,3bの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の側面3cは、第三方向D3にも延在している。一対の端面3eは、一対の主面3a,3bの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の端面3eは、第二方向D2にも延在している。
【0022】
素体3は、一対の稜線部3gと、一対の稜線部3hと、四つの稜線部3iと、一対の稜線部3jと、一対の稜線部3kと、を有している。稜線部3gは、端面3eと主面3aとの間に位置している。稜線部3hは、端面3eと主面3bとの間に位置している。稜線部3iは、端面3eと側面3cとの間に位置している。稜線部3jは、主面3aと側面3cとの間に位置している。稜線部3kは、主面3bと側面3cとの間に位置している。本実施形態では、各稜線部3g,3h,3i,3j,3kは、湾曲するように丸められており、素体3には、いわゆるR面取り加工が施されている。
【0023】
端面3eと主面3aとは、稜線部3gを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと主面3bとは、稜線部3hを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと側面3cとは、稜線部3iを介して、間接的に隣り合っている。主面3aと側面3cとは、稜線部3jを介して、間接的に隣り合っている。主面3bと側面3cとは、稜線部3kを介して、間接的に隣り合っている。
【0024】
素体3は、第二方向D2に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体3は、積層されている複数の誘電体層を有している。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第一方向D1と一致する。各誘電体層は、たとえば誘電体材料(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第一方向D1と一致していてもよい。
【0025】
積層コンデンサC1は、図3図5、及び図6に示されるように、それぞれ複数の内部電極7,9を備えている。各内部電極7,9は、素体3内に配置されている内部導体である。内部電極7,9は、積層型の電子部品の内部電極として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料として、卑金属(たとえば、Ni又はCuなど)が用いられる。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。本実施形態では、内部電極7,9は、Niからなる。
【0026】
内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第二方向D2に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、互いに極性が異なる。複数の誘電体層の積層方向が第一方向D1である場合、内部電極7と内部電極9とは、第一方向D1において異なる位置(層)に配置される。内部電極7,9の一端部は、対応する端面3eに露出している。複数の内部電極7と複数の内部電極9とは、第二方向D2で交互に並んでいる。各内部電極7,9は、各主面3a,3bと略直交している面内に位置している。内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とが対向している方向(第二方向D2)は、各主面3a,3bに直交している方向(第一方向D1)と直交している。
【0027】
外部電極5は、図2にも示されるように、素体3における端面3e側に、すなわち素体3の第三方向D3での端部にそれぞれ配置されている。外部電極5は、図3図5、及び図6に示されるように、主面3a上及び稜線部3g上に配置されている電極部5aと、稜線部3h上に配置されている電極部5bと、各稜線部3i上に配置されている電極部5cと、対応する端面3e上に配置されている電極部5eと、を有している。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も有している。電極部5cは、側面3c上にも配置されている。
【0028】
外部電極5は、一つの主面3a、一つの端面3e、及び一対の側面3cの四つの面、並びに、稜線部3g,3h,3i,3jに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5b,5c,5e同士は、接続されており、電気的に接続されている。本実施形態では、外部電極5は、主面3b上に意図的に形成されていない。端面3eに配置されている電極部5eは、対応する内部電極7,9の端面3eに露出した一端部をすべて覆っている。内部電極7,9は、対応する電極部5eに直接的に接続されている。内部電極7,9は、対応する外部電極5に電気的に接続されている。
【0029】
外部電極5は、図3図5、及び図6に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極5の最外層を構成している。各電極部5a,5c,5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。電極部5bは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。
【0030】
電極部5aの第一電極層E1は、稜線部3g上に配置されており、主面3a上には配置されていない。電極部5aの第一電極層E1は、稜線部3gの全体と接している。主面3aは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び主面3a上に配置されており、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。電極部5aでは、第二電極層E2は、主面3aの一部と第一電極層E1の全体とに接している。電極部5aは、稜線部3g上では四層構造を有しており、主面3a上では三層構造を有している。
【0031】
電極部5aの第二電極層E2は、稜線部3gの全体と主面3aの一部とを覆うように形成されている。電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1を介して、稜線部3gの全体を間接的に覆うように形成されている。電極部5aの第二電極層E2は、主面3aの一部を直接覆うように形成されている。電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1における稜線部3gに形成されている部分の全体を直接覆うように形成されている。
【0032】
電極部5bの第一電極層E1は、稜線部3h上に配置されており、主面3b上には配置されていない。電極部5bの第一電極層E1は、稜線部3hの全体と接している。主面3bは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5bは、第二電極層E2を有していない。すなわち、主面3bは、第二電極層E2に覆われておらず、第二電極層E2から露出している。電極部5bは、三層構造である。
【0033】
電極部5cの第一電極層E1は、稜線部3i上に配置されており、側面3c上には配置されていない。電極部5cの第一電極層E1は、稜線部3iの全体と接している。側面3cは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されており、第一電極層E1の一部が第二電極層E2で覆われている。電極部5cでは、第二電極層E2は、側面3cの一部と第一電極層E1の一部とに接している。
【0034】
電極部5cの第二電極層E2は、稜線部3iの一部と側面3cの一部とを覆うように形成されている。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1を介して、稜線部3iの一部(主面3a寄りの領域)を間接的に覆うように形成されている。電極部5cの第二電極層E2は、側面3cの一部を直接覆うように形成されている。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1における稜線部3iに形成されている部分の一部を直接覆うように形成されている。
【0035】
電極部5cは、領域5cと領域5cとを有している。領域5cは、領域5cよりも主面3a寄りに位置している。領域5cは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5cは、第二電極層E2を有していない。領域5cは、三層構造である。領域5cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5cは、稜線部3i上では四層構造を有しており、側面3c上では三層構造を有している。領域5cは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域5cは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
【0036】
電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上に配置されており、端面3eの全体が第一電極層E1に覆われている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3eの全体と接している。電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されており、第一電極層E1の一部が第二電極層E2で覆われている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の一部と接している。電極部5eの第二電極層E2は、端面3eの一部を覆うように形成されている。電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1を介して、端面3eの一部を間接的に覆うように形成されている。電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1における端面3eに形成されている部分の一部を直接覆うように形成されている。
【0037】
電極部5eは、領域5eと領域5eとを有している。領域5eは、領域5eよりも主面3a寄りに位置している。領域5eは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5eは、第二電極層E2を有していない。領域5eは、三層構造である。領域5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5eは、四層構造である。領域5eは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域5eは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
【0038】
第一電極層E1は、導電性ペーストを素体3の表面に付与して焼き付けることにより形成されている。第一電極層E1は、端面3e及び稜線部3g,3h,3iを覆うように形成されている。第一電極層E1は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粉末)が焼結して形成された焼結金属層である。第一電極層E1は、素体3に形成された焼結金属層である。第一電極層E1は、一対の主面3a,3b及び一対の側面3cに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、第一電極層E1が意図せず主面3a,3b及び側面3cに形成されていてもよい。
【0039】
本実施形態では、第一電極層E1は、Cuからなる焼結金属層である。第一電極層E1は、Niからなる焼結金属層であってもよい。このように、第一電極層E1は、卑金属を含んでいる。導電性ペーストは、Cu又はNiからなる粉末、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を含んでいる。
【0040】
第二電極層E2は、第一電極層E1上、主面3a上、及び一対の側面3c上に付与された導電性樹脂を硬化させることにより形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。本実施形態では、第二電極層E2は、第一電極層E1の一部の領域(電極部5a、電極部5cの領域5c、及び電極部5eの領域5eに対応する領域)を覆うように形成されている。第二電極層E2は、稜線部3jの一部を直接覆うように形成されている。第二電極層E2は、稜線部3jの一部と接している。第一電極層E1は、第二電極層E2を形成するための下地金属層である。第二電極層E2は、第一電極層E1上に形成された導電性樹脂層である。
【0041】
導電性樹脂は、樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂)、導電性材料(たとえば、金属粉末)及び有機溶媒を含んでいる。金属粉末としては、たとえば、Ag粉末又はCu粉末が用いられる。熱硬化性樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂が用いられる。
【0042】
第三電極層E3は、第二電極層E2上と、第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とにめっき法により形成されている。第三電極層E3は、第二電極層E2と第一電極層E1の第二電極層E2から露出している部分とを、直接覆っている。本実施形態では、第三電極層E3は、第一電極層E1上及び第二電極層E2上にNiめっきにより形成されたNiめっき層である。第三電極層E3は、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層であってもよい。第三電極層E3は、Ni、Sn、Cu、又はAuを含んでいる。
【0043】
第四電極層E4は、第三電極層E3上にめっき法により形成されている。第四電極層E4は、第二電極層E2と第一電極層E1の第二電極層E2から露出している部分とを、第三電極層E3を介して間接的に覆っている。本実施形態では、第四電極層E4は、第三電極層E3上にSnめっきにより形成されたSnめっき層である。第四電極層E4は、Cuめっき層又はAuめっき層であってもよい。第四電極層E4は、Sn、Cu、又はAuを含んでいる。第三電極層E3と第四電極層E4とは、第二電極層E2に形成されるめっき層を構成している。本実施形態では、第二電極層E2に形成されるめっき層は、二層構造を有している。
【0044】
各電極部5a,5b,5c,5eが有している第一電極層E1は、一体的に形成されている。各電極部5a,5c,5eが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第四電極層E4は、一体的に形成されている。
【0045】
第一電極層E1(電極部5eの第一電極層E1)は、対応する内部電極7,9と接続されるように、端面3eに形成されている。第一電極層E1は、端面3eの全体、稜線部3gの全体、稜線部3hの全体、及び稜線部3iの全体を覆うように形成されている。第二電極層E2(電極部5a,5c,5eの第二電極層E2)は、主面3aの一部、端面3eの一部、及び一対の側面3cの各一部を連続して覆うように形成されている。すなわち、第二電極層E2は、主面3aにおける端面3e寄りの領域と、端面3eにおける主面3a寄りの領域と、側面3cにおける主面3a寄りの領域とを一体的に覆うように形成されている。
【0046】
第二電極層E2(電極部5a,5c,5eの第二電極層E2)は、稜線部3gの全体、稜線部3iの一部、及び稜線部3jの一部を覆うように形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1を介して、稜線部3gの全体、稜線部3iの一部、及び稜線部3jの一部を覆うように形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1における、稜線部3gに形成されている部分の全体、稜線部3iに形成されている部分の一部、稜線部3jに形成されている部分の一部を直接覆うように形成されている。第二電極層E2は、主面3aの一部、端面3eの一部、一対の側面3cの各一部、稜線部3gの全体、稜線部3iの一部、及び稜線部3jの一部に対応する部分を有している。
【0047】
第一電極層E1(電極部5a,5b,5c,5eの第一電極層E1)は、第二電極層E2(電極部5a,5c,5eの第二電極層E2)で覆われている領域と、第二電極層E2(電極部5a,5c,5eの第二電極層E2)で覆われていない領域(第二電極層E2から露出している領域)とを有している。第三電極層E3及び第四電極層E4は、第一電極層E1の第二電極層E2で覆われていない領域と、第二電極層E2とを覆うように形成されている。第一電極層E1(電極部5eの第一電極層E1)は、対応する内部電極7,9と直接的に接続されている。
【0048】
図4に示されるように、第二電極層E2の厚みは、第一方向D1で主面3bから主面3aに向かって徐々に大きくなっている。第二電極層E2の厚みは、第一電極層E1と第三電極層E3との間の最短距離であって、第一電極層E1と第三電極層E3とが互いに対向している各面に略直交する方向での第二電極層E2の長さである。すなわち、第二電極層E2の厚みは、第一電極層E1における第三電極層E3側の面と、第三電極層E3における第一電極層E1側の面とに略直交する方向での第二電極層E2の長さである。
【0049】
第二電極層E2は、第一方向D1で主面3a寄りの位置に、厚みが最大である最大厚部E2mを有している。最大厚部E2mは、素体3全体内における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置している。最大厚部E2mは、第二電極層E2内における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置している。すなわち、主面3bを含む仮想平面から最大厚部E2mまでの第一方向D1に沿った距離、及び、第二電極層E2の主面3b側の端縁E2e(図9参照)を含む仮想平面から最大厚部E2mまでの第一方向D1に沿った距離は、何れも、主面3aを含む仮想平面から最大厚部E2mまでの第一方向D1に沿った距離に比して大きい。
【0050】
第二電極層E2は、素体3の稜線部3gを覆っている稜線部E2rを有している。稜線部E2rは、第一方向D1で最大厚部E2mよりも主面3a寄りに位置している。稜線部E2rは、素体3全体内における第一方向D1で最大厚部E2mよりも主面3aの近くに位置しており、かつ、第二電極層E2内における第一方向D1で最大厚部E2mよりも主面3aの近くに位置している。すなわち、主面3aを含む仮想平面から稜線部E2rまでの第一方向D1に沿った距離は、主面3aを含む仮想平面から最大厚部E2mまでの第一方向D1に沿った距離に比して小さい。
【0051】
稜線部E2rは、最大厚部E2mの厚みMaよりも小さい厚みMbを有している。稜線部E2rの厚みMbは、第一方向D1に沿った主面3bから主面3aに向かう方向で徐々に小さくなっており、かつ、第一方向D1で何れの位置においても最大厚部E2mの厚みMaよりも小さくなっている。よって、第二電極層E2の厚みは、第一方向D1で、主面3b側に位置する端縁E2eから最大厚部E2mに向かって徐々に大きくなっていると共に、最大厚部E2mで最大となり、最大厚部E2mを越えた稜線部E2rにおいて主面3aに向かって徐々に小さくなっている。
【0052】
稜線部E2rは、所定の曲率半径を有するように丸められた形状を有している。稜線部E2rの厚みMbが最大厚部E2mの厚みMaよりも小さいことにより、稜線部E2rの厚みMbが最大厚部E2mの厚みMa以上である場合よりも、稜線部E2rの丸まり具合が緩くなっている。すなわち、稜線部E2rの曲率半径R2が大きくなっている。稜線部E2rの曲率半径R2は、稜線部3gの曲率半径R1よりも大きくなっている。すなわち、稜線部E2rの丸まり具合は、稜線部3gの丸まり具合よりも緩い。第三電極層E3及び第四電極層E4は、第二電極層E2の表面に沿ってめっき法により形成されているので、第三電極層E3及び第四電極層E4における第二電極層E2の稜線部E2rを覆っている部分の曲率半径は、稜線部E2rの曲率半径R2に略等しい。よって、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を含む積層コンデンサC1全体としての主面3a側の稜線部B1の曲率半径は、第二電極層E2の稜線部E2rの曲率半径R2に略等しい。積層コンデンサC1全体としての稜線部B1の曲率半径は、曲率半径R2と同様、素体3の稜線部3gの曲率半径R1よりも大きくなっている。
【0053】
図7に示されるように、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部5aの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われている。第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部5aの第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出していない。
【0054】
図8に示されているように、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3a寄りの端部領域(領域5cが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁E2eが第一電極層E1の端縁E1eと交差している。第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3b寄りの端部領域(領域5cが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。側面3c及び稜線部3i上に位置している第二電極層E2の面積は、稜線部3i上に位置している第一電極層E1の面積よりも大きい。
【0055】
図9に示されるように、第三方向D3から見たとき、第一電極層E1の主面3a寄りの端部領域(領域5eが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁E2eが第一電極層E1上に位置している。第三方向D3から見たとき、第一電極層E1の主面3b寄りの端部領域(領域5eが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。端面3e及び稜線部3g上に位置している第二電極層E2の面積は、端面3e及び稜線部3g上に位置している第一電極層E1の面積よりも小さい。
【0056】
本実施形態では、第二電極層E2は、主面3aの一部のみ、端面3eの一部のみ、及び一対の側面3cの各一部のみを連続して覆うように形成されている。第二電極層E2は、稜線部3gの全体、稜線部3iの一部のみ、及び稜線部3jの一部のみを覆うように形成されている。第一電極層E1の、稜線部3iを覆うように形成されている部分の一部(たとえば、領域5cが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。
【0057】
第三方向D3での領域5cの幅は、図2に示されるように、主面3a(電極部5a)から離れるにしたがって小さくなっている。第一方向D1での領域5cの幅は、端面3e(電極部5e)から離れるにしたがって小さくなっている。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、領域5cの端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、領域5cは、略扇形状を呈している。本実施形態では、図8に示されるように、第二方向D2から見たときの第二電極層E2の幅が、主面3aから離れるにしたがって小さくなっており、第二電極層E2の端縁E2eは、略円弧状である。
【0058】
続いて、図10を参照して、積層コンデンサC1の実装構造を説明する。図10は、第1実施形態に係る積層コンデンサC1の実装構造を説明するための図である。
【0059】
図10に示されるように、電子部品装置ECD1は、積層コンデンサC1と、電子機器EDと、を備えている。電子機器EDは、たとえば、回路基板又は電子部品である。
【0060】
積層コンデンサC1は、電子機器EDにはんだ実装されている。電子機器EDは、主面EDaと、二つのパッド電極PE1,PE2とを有している。各パッド電極PE1,PE2は、主面EDaに配置されている。二つのパッド電極PE1,PE2は、互いに離間している。積層コンデンサC1は、実装面である主面3aと主面EDaとが対向するように、電子機器EDに配置されている。
【0061】
積層コンデンサC1がはんだ実装される場合、溶融したはんだが外部電極5(第四電極層E4)を濡れ上がる。濡れ上がったはんだが固化することにより、外部電極5にはんだフィレットSFが形成される。対応する外部電極5とパッド電極PE1,PE2とは、はんだフィレットSFを介して連結されている。
【0062】
はんだフィレットSFは、電極部5eの領域5eと領域5eとに形成されている。すなわち、領域5eだけでなく、第二電極層E2を有していない領域5eが、はんだフィレットSFを介してパッド電極PE1,PE2と連結されている。図示は省略するが、はんだフィレットSFは、電極部5cの領域5cと領域5cとにも形成されている。はんだフィレットSFは、第三方向D3から見て、第一電極層E1における第二電極層E2から露出している領域と重なるように形成されている。
【0063】
電子部品装置ECD1では、上述したように、第二電極層E2が素体3から剥がれ難く、かつ、耐湿信頼性が向上している。第三方向D3から見たとき、第一電極層E1の第二電極層E2から露出している領域と重なるように形成されているはんだフィレットSFを介して、当該領域が第二電極層E2を介することなく電子機器と電気的に接続される。したがって、本形態では、外部電極5が第二電極層E2を有する場合でも、ESRの増大が抑制される。
【0064】
前述したように、積層コンデンサC1全体としての稜線部B1の曲率半径は、曲率半径R2と同様、素体3の稜線部3gの曲率半径R1よりも大きくなっている(図3参照)。すなわち、積層コンデンサC1全体としての稜線部B1は、曲率半径が素体3の稜線部3gの曲率半径R1よりも大きくなるように丸められた形状を有している。よって、稜線部B1の周りには、稜線部B1が丸められた分だけ、はんだが溜まり易い領域S1が形成されている。領域S1は、はんだ溜まりを構成している。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、端面3eに第二電極層E2が形成されていることにより、電子機器EDから積層コンデンサC1に外力が作用したとしても、素体3に作用する応力が第二電極層E2によって吸収される。したがって、クラックが素体3に発生するのが抑制される。また、積層コンデンサC1が電子機器EDにはんだ実装される際に形成されたはんだフィレットSFに、熱衝撃による圧縮応力又は引張応力が加わると、はんだフィレットSFにクラックが発生するおそれがある。熱衝撃による圧縮応力又は引張応力は、はんだフィレットSFにおける主面3a寄りの領域に集中して作用する傾向がある。本実施形態に係る積層コンデンサC1によれば、熱衝撃による圧縮応力又は引張応力が、端面3eに形成されている第二電極層E2によって吸収される。端面3eに形成されている第二電極層E2の厚みは、第一方向D1で主面3bから主面3aに向かって徐々に大きくなっており、第二電極層E2は、第一方向D1で主面3a寄りの位置に、厚みが最大である最大厚部E2mを有している。よって、第二電極層E2の応力吸収作用が主面3a寄りの位置で最大となっているので、はんだフィレットSFにおける主面3a寄りの領域に、熱衝撃による圧縮応力又は引張応力が集中し難い。したがって、クラックがはんだフィレットSFに発生するのが抑制される。以上より、素体3及びはんだフィレットSFにおけるクラックの発生が抑制可能な積層コンデンサC1が提供される。
【0066】
本実施形態によれば、第二電極層E2による応力吸収作用が最大となる最大厚部E2mが、素体3全体内における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置しており、かつ、第二電極層E2内における第一方向D1内における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置している。よって、はんだフィレットSFにおける主面3a寄りの領域に対し、第二電極層E2による応力吸収作用がより効果的に発揮される。したがって、クラックがはんだフィレットSFに発生するのが確実に抑制される。
【0067】
本実施形態によれば、第二電極層E2が、第一方向D1で最大厚部E2mよりも主面3a寄りに、稜線部3gを覆っている稜線部E2rを有しており、稜線部E2rの厚みMbは最大厚部E2mの厚みMaよりも小さい。よって、稜線部E2rの厚みMbが最大厚部E2mの厚みMb以上である場合に比して、稜線部E2rの曲率半径R2が大きくなっている。その結果、第二電極層E2を含む積層コンデンサC1全体としての主面3a側の稜線部B1の曲率半径が大きくなっているので、積層コンデンサC1の撓み性が向上し、素体3のクラックの発生がより確実に抑制される。第二電極層E2における稜線部E2rの厚みMbが第二電極層E2における最大厚部E2mの厚みMaよりも小さくなっている分だけ、はんだが溜まり易くなっており、はんだ溜まりが確保されている。
【0068】
本実施形態によれば、第二電極層E2が、端面3e全体を覆うように形成されている構成に比して、水分が浸入する経路が少ない。したがって、本実施形態では、湿信頼性が向上している。
【0069】
本実施形態によれば、主面3aにおける端面3e寄りの領域が第二電極層E2で覆われているので、電子機器EDから積層コンデンサC1に作用する外力が素体3に作用し難い。したがって、クラックが素体3に発生するのが抑制される。
【0070】
本実施形態によれば、内部電極7,9と接続されるように端面3eに形成されている第一電極層E1により、外部電極5と内部電極7,9とが、良好にコンタクトするので、外部電極5と内部電極7,9とが、確実に電気的に接続される。第二電極層E2は、導電性材料(たとえば、金属粉末)と樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂)とを含む。第二電極層E2の電気抵抗は、第一電極層E1の電気抵抗に比して大きい。第一電極層E1が領域5eを有している場合、領域5eは、第二電極層E2を介することなく、電子機器EDと電気的に接続される。したがって、本実施形態によれば、外部電極5が第二電極層E2を有する場合でも、ESR(等価直列抵抗)の増大が抑制される。
【0071】
本実施形態によれば、外部電極5が第三電極層E3及び第四電極層E4を有するので、積層コンデンサC1は、電子機器EDへのはんだ実装が可能である。第一電極層E1の領域5eは、第三電極層E3及び第四電極層E4を介して電子機器EDと電気的に接続されるので、ESRの増大がより一層抑制される。
【0072】
(第2実施形態)
図11図18を参照して、第2実施形態に係る積層貫通コンデンサC3の構成を説明する。図11及び図12は、第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの平面図である。図13は、第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの側面図である。図14は、第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの端面図である。図15図16、及び図17は、第2実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。図18は、素体、第一電極層、及び第二電極層を示す側面図である。第2実施形態では、電子部品として積層貫通コンデンサC3を例に説明する。
【0073】
積層貫通コンデンサC3は、図11図14に示されるように、素体3と、素体3の外表面に配置されている一対の外部電極5及び一つの外部電極6を有している。本実施形態において、素体3は、第一方向D1に複数の誘電体層が積層されて構成されている。一対の外部電極5及び外部電極6は、それぞれ離間している。一対の外部電極5は、たとえば、信号用端子電極として機能し、外部電極6は、たとえば、接地用端子電極として機能する。
【0074】
積層貫通コンデンサC3は、図15図16、及び図17に示されるように、それぞれ複数の内部電極17,19を備えている。各内部電極17,19は、素体3内に配置されている内部導体である。内部電極17,19は、内部電極7,9と同じく、積層型の電子部品の内部電極として通常用いられる導電性材料からなる。第2実施形態でも、内部電極17,19は、Niからなる。
【0075】
内部電極17と内部電極19とは、第一方向D1において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、内部電極17と内部電極19とは、素体3内において、第一方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極17と内部電極19とは、互いに極性が異なる。複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2である場合、内部電極17と内部電極19とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置される。内部電極17の端部は、一対の端面3eに露出している。内部電極19の端部は、一対の側面3cに露出している。
【0076】
外部電極5は、積層コンデンサC1の外部電極5と同じく、素体3における端面3e側に、すなわち素体3の第三方向D3での端部にそれぞれ配置されている。外部電極5は、主面3a上及び稜線部3g上に配置されている電極部5aと、稜線部3h上に配置されている電極部5bと、各稜線部3i上に配置されている電極部5cと、対応する端面3eに配置されている電極部5eを有している。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も有している。電極部5cは、側面3c上にも配置されている。
【0077】
電極部5eは、内部電極17の端面3eに露出した一端部をすべて覆っている。内部電極17は、電極部5eに直接的に接続されている。内部電極17は、一対の外部電極5に電気的に接続されている。
【0078】
外部電極6は、素体3の第三方向D3での中央部分に配置されており、第三方向D3で見て、一対の外部電極5の間に位置している。外部電極6は、主面3a上に配置されている電極部6aと、側面3c上及び稜線部3j,3k上に配置されている一対の電極部6cを有している。外部電極6は、主面3a及び一対の側面3cの三つの面、並びに、稜線部3j,3kに形成されている。互いに隣り合う電極部6a,6c同士は、接続されており、電気的に接続されている。
【0079】
電極部6cは、内部電極19の側面3cに露出した端部をすべて覆っている。内部電極19は、各電極部6cに直接的に接続されている。内部電極19は、一つの外部電極6に電気的に接続されている。
【0080】
外部電極6も、図15図16、及び図17に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極6の最外層を構成している。電極部6aは、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。各電極部6cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。
【0081】
電極部6aの第二電極層E2は、主面3a上に配置されている。電極部6aは、第一電極層E1を有していない。電極部6aの第二電極層E2は、主面3aと接している。電極部6aは、三層構造を有している。
【0082】
電極部6cの第一電極層E1は、側面3c上及び稜線部3j,3k上に配置されている。電極部6cの第二電極層E2は、第一電極層E1上、側面3c上、及び稜線部3j上に配置されており、第一電極層E1の一部が第二電極層E2で覆われている。電極部6cの第二電極層E2は、側面3c及び稜線部3jと接している。
【0083】
電極部6cは、領域6cと領域6cとを有している。領域6cは、領域6cよりも主面3a寄りに位置している。領域6cは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域6cは、第二電極層E2を有していない。領域6cは、三層構造である。領域6cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域6cは、四層構造である。領域6cは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域6cは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
【0084】
第一電極層E1は、側面3c及び稜線部3j,3kを覆うように形成されている。第一電極層E1は、一対の主面3a,3bに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、第一電極層E1が意図せず主面3a,3bに形成されていてもよい。
【0085】
第二電極層E2は、第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。本実施形態では、第二電極層E2は、第一電極層E1の一部の領域(電極部6cの領域6cに対応する領域)を覆うように形成されている。第二電極層E2は、主面3aの一部の領域、側面3cの一部の領域、及び稜線部3jの一部の領域を覆うようにも形成されている。
【0086】
第三電極層E3は、第二電極層E2上と、第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とにめっき法により形成されている。第四電極層E4は、第三電極層E3上にめっき法により形成されている。
【0087】
各電極部6a,6cが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。各電極部6a,6cが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。各電極部6a,6cが有している第四電極層E4は、一体的に形成されている。
【0088】
図18に示されているように、外部電極6に関し、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3a側の端部領域(領域6cが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁E2eが第一電極層E1の端縁E1eと交差している。第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3b側の端部領域(領域6cが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。
【0089】
第三方向D3での領域6cの幅は、図13に示されるように、主面3a(電極部6a)から離れるにしたがって小さくなっている。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、領域6cの端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、領域6cは、略半円形状を呈している。本実施形態では、図18に示されるように、第二方向D2から見たときの第二電極層E2の幅が、主面3aから離れるにしたがって小さくなっており、領域6cの第二電極層E2の端縁E2eは、略円弧状である。
【0090】
積層貫通コンデンサC3も、電子機器に、はんだ実装される。積層貫通コンデンサC3でも、主面3aが、電子機器に対向する実装面とされる。
【0091】
上記実施形態と同様であるため図示は省略するが、本実施形態においても、端面3eに形成されている第二電極層E2の厚みは、第一方向D1で主面3bから主面3aに向かって徐々に大きくなっており、第二電極層E2は、第一方向D1で主面3a寄りの位置に、厚みが最大である最大厚部E2mを有している。したがって、上記実施形態と同様、クラックがはんだフィレットSFに発生するのが抑制される。以上より、素体3及びはんだフィレットSFにおけるクラックの発生が抑制可能な積層貫通コンデンサC3が提供される。
【0092】
第2実施形態では、外部電極5だけでなく、外部電極6に関しても、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3a側の端部領域(領域6cが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われているので、領域6cが有する第一電極層E1の端縁に応力が集中し難い。この結果、積層貫通コンデンサC3では、クラックが素体3に発生するのが抑制される。
【0093】
電極部6cの領域6cでは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している、すなわち、領域6cが第二電極層E2を有していないので、領域6cでは、第二電極層E2を介することなく、第一電極層E1と電子機器との電気的な接続が実現される。したがって、積層貫通コンデンサC3では、ESRの増大が抑制されている。
【0094】
電極部6cの領域6cが第二電極層E2を有しているので、外部電極6が電極部6cを有している場合でも、外部電極6の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、積層貫通コンデンサC3では、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
【0095】
本実施形態において、領域6cの端縁(第二電極層E2の端縁E2e)は、略直線状であってもよく、第三方向D3に延びる辺と第一方向D1に延びる辺とを有していてもよい。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0097】
本実施形態では、第二電極層E2が、端面3eの一部(主面3a寄りの領域)を覆うように形成されている例について説明したが、第二電極層E2は、端面3eに形成されていればよく、端面3eの全体を覆うように形成されていてもよい。第二電極層E2は、稜線部3hを覆うように形成されていてもよい。すなわち、第二電極層E2は、端面3eから稜線部3hの全体又は一部を越えるように、主面3bの一部を覆っていてもよい。また、第二電極層E2は、稜線部3iの全体を覆うように形成されていてもよい。すなわち、第二電極層E2は、端面3eから稜線部3iの全体を越えるように、側面3cの一部を覆っていてもよい。
【0098】
上記実施形態において、最大厚部E2mは、素体3全体における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置しており、かつ、第二電極層E2内における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置している例について説明したが、最大厚部E2mは、第二電極層E2内における第一方向D1で主面3bよりも主面3aの近くに位置していなくてもよい。
【0099】
第一電極層E1は、端面3eから稜線部3gの全体又は一部を越えるように、主面3a上に形成されていてもよい。第一電極層E1は、端面3eから稜線部3hの全体又は一部を越えるように、主面3b上に形成されていてもよい。第一電極層E1は、端面3eから稜線部3iの全体又は一部を越えるように、側面3c上に形成されていてもよい。
【0100】
本実施形態では、電子部品として積層コンデンサC1及び積層貫通コンデンサC3を例に説明したが、適用可能な電子部品は、積層コンデンサ及び積層貫通コンデンサに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品である。
【符号の説明】
【0101】
3…素体、3a,3b…主面、3c…側面、3e…端面、3g,3h,3i,3j,3k…稜線部、5,6…外部電極、5a,5b,5c,5e,6a,6c…電極部、5c,5c,5e,5e,6c,6c……電極部の領域、7,9,17…対応する端面に露出する内部電極、C1…積層コンデンサ、C3…積層貫通コンデンサ、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、E1…第一電極層、E2…第二電極層、E2r…稜線部、E3…第三電極層、E4…第四電極層。
図1
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