IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社IHIの特許一覧

<>
  • 特許-プレートシステム 図1
  • 特許-プレートシステム 図2
  • 特許-プレートシステム 図3
  • 特許-プレートシステム 図4
  • 特許-プレートシステム 図5
  • 特許-プレートシステム 図6
  • 特許-プレートシステム 図7
  • 特許-プレートシステム 図8
  • 特許-プレートシステム 図9
  • 特許-プレートシステム 図10
  • 特許-プレートシステム 図11
  • 特許-プレートシステム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】プレートシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20220113BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220113BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220113BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20220113BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20220113BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20220113BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L53/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017196955
(22)【出願日】2017-10-10
(65)【公開番号】P2019071728
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】上田 章雄
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-023429(JP,U)
【文献】実開平06-047473(JP,U)
【文献】実公昭52-030171(JP,Y1)
【文献】実開昭62-146836(JP,U)
【文献】特開平11-050585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J50/00-50/90
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J5/00
H01M10/42-10/48
B60L1/00-3/12
B60L5/00-5/42
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
B60M1/00-7/00
E04F15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に並べて設置され、前記設置面において被支持物を支持するプレートを複数備え、
前記プレートは、
前記被支持物を支持する支持面を有するプレート部と、
前記プレート部に取り付けられ、前記設置面に対する前記支持面の高さ位置を調整可能な調整部と、を有し、
前記支持面には、第1の溝と、前記第1の溝よりも深さが深い第2の溝と、が設けられ、
前記調整部は、第1の高さ位置と、前記第1の高さ位置よりも高い第2の高さ位置とに前記支持面の高さ位置を調整可能であり、
複数の前記プレートは、互いに隣接する第1プレート及び第2プレートを有し、
前記第1プレートは、前記支持面の高さ位置が前記第1の高さ位置であり、
前記第2プレートは、前記支持面の高さ位置が前記第2の高さ位置であり、
前記第1プレートの前記第1の溝の端部と前記第2プレートの前記第2の溝の端部とは、前記第1プレート及び前記第2プレートの並び方向において少なくとも一部分が互いに対向している、プレートシステム。
【請求項2】
前記プレート部には、前記支持面に対して反対側の面である対向面から前記支持面にかけて貫通し、内面にネジ山が形成された貫通孔が設けられ、
前記対向面は、前記設置面に対向し、
前記調整部は、前記貫通孔に形成された前記ネジ山に係合するネジを備え、
前記ネジの頭部は、前記貫通孔内において前記支持面と前記対向面との間に位置し、
前記ネジの先端部は、前記対向面から突出している、請求項1に記載のプレートシステム
【請求項3】
前記調整部は、前記ネジの前記先端部に取り付けられ、前記設置面に当接される支持パッドを更に備え、
前記ネジは、前記支持パッドに対して回転可能且つ傾斜可能である、請求項2に記載のプレートシステム
【請求項4】
隣接する前記プレート同士を、前記設置面からの高さの違いを許容可能に連結する連結部を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のプレートシステム。
【請求項5】
前記プレート部の縁部には切欠部が設けられ、
前記切欠部における前記プレート部の前記縁部の位置での幅は、前記切欠部における奥側の位置での幅よりも狭く、
前記連結部は前記切欠部に係合することによって、隣接する前記プレート同士を連結する、請求項4に記載のプレートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレート、及びプレートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されているように、被支持物を支持するプレートがある。特許文献1に記載されたプレートは、車両の走行路面上において、被支持物として送電コイル装置を支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-119510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、プレートを設置する設置面に凹凸がある又は傾斜している場合、プレートによって被支持物を支持したときに被支持物が傾いて設置されてしまう又は所望の高さ位置で設置できないこと等が生じ得る。このため、プレートにおいては、被支持物を所望の高さ位置及び傾斜状態で設置できることが求められている。
【0005】
そこで、本開示は、被支持物を所望の高さ位置及び傾斜状態で支持可能なプレート、及びプレートシステムを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、設置面に設置され、設置面において被支持物を支持するプレートであって、被支持物を支持する支持面を有するプレート部と、プレート部に取り付けられ、設置面に対する支持面の高さ位置を調整可能な調整部と、を備える。
【0007】
このプレートは、プレート部の支持面の高さ位置を調整可能な調整部を備えている。調整部が設けられていることにより、プレートは、プレート部の支持面の高さ位置の調整が可能となる。また、調整部によって、プレート部の一方の端部のみの高さ位置が調整されることにより、プレートは、支持面の傾きを調整できる。これにより、プレートは、被支持物を所望の高さ位置及び傾斜状態で支持できる。
【0008】
プレート部には、支持面に対して反対側の面である対向面から支持面にかけて貫通し、内面にネジ山が形成された貫通孔が設けられ、対向面は、設置面に対向し、調整部は、貫通孔に形成されたネジ山に係合するネジを備え、ネジの頭部は、貫通孔内において支持面と対向面との間に位置し、ネジの先端部は、対向面から突出していてもよい。この場合、ネジが回転させられることによって、プレート部の対向面から突出するネジの先端部の突出長さが変化する。これにより、調整部は、プレート部の対向面と設置面との間隔、すなわち、設置面に対するプレート部の支持面の高さ位置の調整が可能となる。また、プレート部の支持面側からネジの頭部の操作が可能であるため、プレートの設置者は、支持面の高さ位置及び傾斜状態を容易に調整できる。ネジの頭部がプレート部の支持面よりも突出していないため、支持面に設置される被支持物とネジの頭部とが干渉しない。
【0009】
調整部は、ネジの先端部に取り付けられ、設置面に当接される支持パッドを更に備え、ネジは、支持パッドに対して回転可能且つ傾斜可能であってもよい。この場合、設置面に傾斜がある場合であっても、プレートは、設置面の傾斜に合わせて支持パッドを設置できる。また、ネジが回転させられても、支持パッドは供回りしない。
【0010】
支持面には、溝が設けられていてもよい。この場合、プレートは、例えば、被支持物につながるケーブル等を溝内に収容できる。
【0011】
支持面には、深さが互いに異なる溝が複数設けられていてもよい。この場合、プレートは、例えば、被支持物につながるケーブル等を溝内に収容できる。また、互いに隣接するプレート同士において支持面の高さが異なっている場合、プレートの設置者は、プレート部の高さに応じた溝を選択して溝同士を接続することにより、高さ方向において途切れることなく溝を連続させることができる。
【0012】
本開示の別の一態様は、上記のプレートを複数備えるプレートシステムであって、複数のプレートは、設置面に並べて設置され、複数のプレートのうちの第1プレートにおける支持面の高さ位置と、複数のプレートのうちの第2プレートにおける支持面の高さ位置とは互いに異なっていてもよい。この場合、プレートシステムは、第1プレートと第2プレートとの段差部分を、支持面によって被支持物を支持するときの位置決めとして機能させることができる。
【0013】
プレートシステムは、隣接するプレート同士を、設置面からの高さの違いを許容可能に連結する連結部を備えていてもよい。この場合、隣接するプレート同士において支持面の高さが異なるように設置された場合であっても、連結部は、これらのプレート同士を連結できる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の種々の態様によれば、被支持物を所望の高さ位置及び傾斜状態で支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る送電装置の概略構成を示す斜視図である。
図2図1のプレートシステムの側面図である。
図3図1のプレートの調整部周りの断面図である。
図4図1の溝を備えるプレート部を示す斜視図である。
図5図5(a)はプレートシステム上の車両を前側から見た概略図である。図5(b)はプレートシステム上の車両を側方から見た概略図である。
図6】プレートの溝内にケーブルが配置された様子を示す断面図である。
図7】第1変形例における調整部を示す断面図である。
図8】第2変形例における調整部を示す断面図である。
図9】第3変形例における調整部を示す断面図である。
図10】第4変形例におけるプレートシステムを示す上面図である。
図11】第5変形例におけるプレートシステムを示す上面図である。
図12図12(a)は第6変形例におけるプレートシステムを示す上面図である。図12(b)は、図12(a)におけるXII(b)-XII(b)線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示に係るプレート及びプレートシステムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1に示されるように、送電装置1は、地上に設置され、車両V(図5(a)等参照)の受電装置2に対して非接触で送電する。送電装置1は、プレートシステム10、送電コイル部(被支持物)20、電力変換部30、及びケーブル40を備えている。プレートシステム10は、車両(被支持物)Vが走行する路面(設置面)Rに設置される。プレートシステム10の上面Uは、送電コイル部20が車両Vへ電力を供給するときの駐車スペース(駐車用の路面)を形成する。プレートシステム10は、路面R上において送電コイル部20及び車両Vを支持する。車両Vの受電装置2は、車両Vがプレートシステム10上で停止した状態で、送電コイル部20から電力の供給を受ける。
【0018】
送電コイル部20は、プレートシステム10の上面Uに取り付けられている。送電コイル部20は、電力変換部30からケーブル40を介して供給された電力によって、磁場を発生させる。送電コイル部20は、車両Vの受電装置2に設けられた受電コイル部2aに対して、例えば、磁界共鳴方式又は電磁誘導方式等のコイル間の磁気結合を利用して、非接触で送電する。受電装置2によって受電された電力は、例えば、車両Vに搭載されたバッテリの充電等に利用される。
【0019】
電力変換部30は、図示しない電力供給源から供給された電力を所望の電力に変換し、ケーブル40を介して送電コイル部20に供給する。ケーブル40は、例えば、高圧ケーブルである。
【0020】
プレートシステム10の詳細について説明する。プレートシステム10は、複数のプレート100、及び複数のプレート100Aを備えている。複数のプレート100及び100Aは、それぞれ路面R上に並べて配置されている。
【0021】
図2に示されるように、プレート100は、プレート部110、及び調整部120を備えている。プレート部110は、本実施形態においては正方形の板状に形成されている。プレート部110は、樹脂によって形成されている。プレート部110は、支持面S1、及び対向面S2を有している。対向面S2は、支持面S1に対して反対側の面である。具体的には、プレート部110の上面が、送電コイル部20及び車両Vを支持する支持面S1となる。プレート部110の支持面S1が、プレートシステム10の上面Uを構成している。プレート部110の下面が、路面Rに対向する対向面S2となる。
【0022】
図3に示されるように、プレート部110には、対向面S2から支持面S1にかけて貫通する貫通孔111が設けられている。本実施形態において、貫通孔111は、プレート部110の4つの角部近傍にそれぞれ設けられている。貫通孔111は、大径部111a、及び小径部111bを有している。大径部111aは、小径部111bよりも径が大きい孔である。大径部111aは、小径部111bよりも支持面S1側に位置している。小径部111bの内面には、ネジ山T1が形成されている。
【0023】
調整部120は、プレート部110に取り付けられている。調整部120は、プレート部110を路面Rに対して上下させることにより、路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調節する。
【0024】
調整部120は、ネジ121、支持パッド122、及びナット123を備えている。本実施形態において、ネジ121の頭部121aには、六角穴121cが形成されている。ネジ121は、六角穴121cに差し込まれた六角レンチによって回転させられる。ネジ121は、貫通孔111に差し込まれ、ネジ121のネジ山T2が小径部111bのネジ山T1に係合している。ネジ121の頭部121aは、貫通孔111内において支持面S1と対向面S2との間に位置している。すなわち、ネジ121の頭部121aは、支持面S1から突出していない。ネジ121の先端部121bは、対向面S2から突出している。ナット123は、大径部111a内においてネジ121に取り付けられている。ナット123は、ネジ121の意図しない回転を防止する回り止めとして機能する。
【0025】
支持パッド122は、ネジ121の先端部121bに取り付けられている。なお、支持パッド122は、ネジ121が支持パッド122に対して回転可能、且つネジ121が支持パッド122に対して傾斜可能に、ネジ121の先端部121bに取り付けられている。支持パッド122は、路面R上に置かれ、路面Rに当接する。
【0026】
ネジ121が回転させられることにより、対向面S2からのネジ121の先端部121bの突出長さが調整される。すなわち、ネジ121が回転させられることにより、路面Rに対するプレート部110の支持面S1の高さ位置が調整される。これにより、路面Rに凹凸及び傾斜等があったとしても、プレート100は、支持面S1の高さ位置及び傾斜を所望の状態とすることができる。本実施形態においては、支持面S1が水平となるように調整部120によって支持面S1の傾斜が調整されている。
【0027】
図3及び図4に示されるように、プレート100Aは、プレート部110A、及び調整部120を備えている。プレート部110Aは、樹脂によって形成されている。プレート部110Aの支持面S1には、深さが互いに異なる溝M1及び溝M2が設けられている。溝M1の深さは、溝M2の深さよりも浅い。溝M1と溝M2とは、支持面S1上において十字状に交差している。プレート部110Aには、プレート部110と同様に貫通孔111が設けられている。プレート部110Aには、プレート100と同様に、調整部120が取り付けられている。すなわち、プレート100Aとプレート100とは、溝M1及びM2の有無のみが異なっている。プレート部110Aの支持面S1は、プレート100と同様に、調整部120によって路面Rからの高さ位置が調整される。これにより、路面Rに凹凸及び傾斜等があったとしても、プレート100Aは、支持面S1の高さ位置及び傾斜を所望の状態とすることができる。
【0028】
図1に示されるように、プレートシステム10の上面Uには、プレート100及び100Aの支持面S1を第1の高さ位置とすることによって形成された低位領域Lと、支持面S1を第1の高さ位置よりも高い第2の高さ位置とすることによって形成された高位領域Hとが設けられている。すなわち、低位領域Lを形成するプレート(第1プレート)100及び100Aの支持面S1の高さ位置と、高位領域Hを形成するプレート(第2プレート)100及び100Aの高さ位置とは互いに異なっている。
【0029】
図1図5(a)及び図5(b)に示されるように、低位領域Lは、帯状に延在し、送電コイル部20を挟むように2つ設けられている。2つの低位領域Lの間隔は、車両Vの左右のタイヤの間隔とする。なお、図5(a)及び図5(b)では、調整部120の図示が省略されている。図1及び図5(b)に示されるように、帯状に延在する低位領域Lの端部に高位領域Hが接続されている。車両Vは、送電装置1から電力の供給を受ける際に、タイヤが低位領域Lを通るようにプレートシステム10上に進入する。車両Vは、低位領域Lと高位領域Hとの段差を、車両Vの前後方向及び左右方向の位置決めガイドとして利用できる。
【0030】
図1に示されるように、プレート100Aは、送電コイル部20と電力変換部30との間の領域に設けられている。図1及び図6に示されるように、ケーブル40は、プレート100Aの溝M1又は溝M2内に配置されている。高位領域Hを形成するプレート100Aにおいては、溝M2をケーブル40が通るようにプレート100Aが配置されている。低位領域Lを形成するプレート100Aにおいては、溝M1をケーブル40が通るようにプレート100Aが配置されている。これにより、図6に示されるように、低位領域Lと高位領域Hとの段差部分において、低位領域Lを形成するプレート100Aの溝M1と高位領域Hを形成するプレート100Aの溝M2とは、高さ方向において途切れることなく連続する。
【0031】
以上のように、プレートシステム10を構成するプレート100及び100Aは、プレート部110及び110Aの支持面S1の高さ位置を調整可能な調整部120をそれぞれ備えている。調整部120が設けられていることにより、プレート100は、プレート部110の支持面S1の高さ位置の調整が可能となる。また、調整部120によって、プレート部110の一方の端部のみの高さ位置が調整されることにより、プレート100は、支持面S1の傾きを調整できる。プレート100Aは、プレート100と同様に、支持面S1の高さ位置及び傾きを調整できる。これにより、プレート100及び100Aは、送電コイル部20及び車両Vを所望の高さ位置及び傾斜状態で支持できる。
【0032】
調整部120は、貫通孔111内に配置されたネジ121を備えている。ネジ121が回転させられることにより、プレート部110及び110Aの対向面S2から突出するネジ121の先端部121bの突出長さが変化する。これにより、調整部120は、プレート部110及び110Aの対向面S2と路面Rとの間隔、すなわち、路面Rに対する支持面S1の高さ位置の調整が可能となる。また、プレート部110及び110Aの支持面S1側からネジ121の頭部121aの操作が可能であるため、プレート100及び100Aの設置者は、支持面S1の高さ位置及び傾斜状態を容易に調整できる。ネジ121の頭部121aがプレート部110及び110Aの支持面S1よりも突出していないため、支持面S1に設置される送電コイル部20等とネジ121の頭部121aとが干渉しない。
【0033】
ネジ121は、支持パッド122に対して回転可能且つ傾斜可能に取り付けられている。この場合、路面Rに傾斜がある場合であっても、プレート100及び100Aは、路面Rの傾斜に合わせて支持パッド122を設置できる。また、ネジ121が回転させられても、支持パッド122は供回りしない。
【0034】
プレート100Aの支持面S1には、溝M1及びM2が設けられている。この場合、プレート100Aは、送電コイル部20につながるケーブル40を溝M1及びM2内に収容できる。ここで、例えば、路面Rが鉄筋入りのコンクリートによって形成されていることがある。この場合、例えば、ケーブル40に高周波電流が流れると、高周波電流が路面R内の金属(鉄筋)に影響を与えることが考えられる。このような場合であっても、プレート100Aは、ケーブル40を路面Rから離間させた状態で収容するため、路面R内の金属に影響を与えることを抑制できる。
【0035】
プレート100Aの支持面S1には、深さが互いに異なる溝M1及びM2が設けられている。互いに隣接するプレート100A同士において支持面S1の高さが異なっている場合、プレート100Aの設置者は、プレート部110Aの高さに応じた溝M1及びM2を選択して溝同士を接続することにより、高さ方向において途切れることなく低位領域Lを形成するプレート100Aの溝M1と高位領域Hを形成するプレート100Aの溝M2とを連続させることができる。これにより、低位領域Lを形成するプレート100Aと高位領域Hを形成するプレート100Aとの段差部分において、ケーブル40が露出することを抑制できる。
【0036】
プレートシステム10の上面Uには、プレート100及び100Aの高さが調整されることによって高位領域Hと低位領域Lとが形成されている。この場合、プレートシステム10は、高位領域Hと低位領域Lとの段差部分を、上面Uによって車両Vを支持するときの位置決めとして機能させることができる。
【0037】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0038】
プレート100Aに設けられた溝M1と溝M2とは、十字状に交差していなくてもよい。例えば、溝M1と溝M2とは、支持面S1上において互いに平行となるように設けられていてもよい。プレート部110Aに同じ深さの溝が複数設けられていてもよい。プレート部110Aには、複数の溝が設けられていることに限定されず、溝が一つのみ設けられていてもよい。プレート100Aの支持面S1には、溝M1及びM2を覆うカバーが設けられていてもよい。このカバーは、プレート部110Aの貫通孔111又は溝M1等を利用して位置決めがされていてもよい。
【0039】
複数のプレート100及び100Aによって、送電コイル部20及び車両Vを支持したが、1枚のプレート100又は100Aによって、送電コイル部20等が支持されてもよい。
【0040】
調整部120のネジ121は、六角穴121cを有するネジに限定されず、他の種類のネジが用いられてもよい。調整部120は、支持パッド122を備えていなくてもよい。この場合、ネジ121の先端部が直接路面Rに当接してもよい。
【0041】
(第1変形例)
支持面S1の高さ位置を調整する調整部の第1変形例について説明する。図7に示されるように、プレート100Bは、プレート部110B、及び調整部120Bを備えている。プレート部110Bは、プレート部110と同様に支持面S1及び対向面S2を有している。プレート部110Bの支持面S1には、プレート部110Aと同様に溝が設けられていてもよい。調整部120Bは、プレート部110Bの対向面S2に取り付けられている。調整部120Bは、路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調整する。
【0042】
調整部120Bは、脚部124、スペーサ125、及びネジ126を備えている。脚部124は、対向面S2との間にスペーサ125が挟まれた状態で、ネジ126によってプレート部110Bの対向面S2に固定されている。プレート100Bの設置者は、スペーサ125の数を変更したり、使用するスペーサ125の厚さ変更したりすることによって路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調整できる。
【0043】
(第2変形例)
支持面S1の高さ位置を調整する調整部の第2変形例について説明する。図8に示されるように、プレート100Cは、プレート部110C、及び調整部120Cを備えている。プレート部110Cは、プレート部110と同様に支持面S1及び対向面S2を有している。プレート部110Cの支持面S1には、プレート部110Aと同様に溝が設けられていてもよい。調整部120Cは、プレート部110Cの対向面S2に取り付けられている。調整部120Cは、路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調整する。
【0044】
調整部120Cは、内筒127、外筒128、及びネジ129を備えている。外筒128は、プレート部110Cの対向面S2に取り付けられている。外筒128は、筒状に形成され、路面R側に向けて開口している。外筒128は、内部に内筒127を収容する。ネジ129は、例えば、イモネジである。ネジ129は、外筒128に設けられたネジ孔に係合している。ネジ129の先端部は、外筒128の内面から突出している。内筒127の外面には、複数の凹部127aが設けられている。ネジ129の先端部が凹部127a内に入り込んで内筒127を外筒128の内面に押し付けることによって、内筒127が外筒128に固定される。プレート100Cの設置者は、ネジ129の先端部が入り込む凹部127aを変更することにより、調整部120Cの長さを変更できる。すなわち、プレート100Cの設置者は、ネジ129の先端部が入り込む凹部127aを変更することによって、路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調整できる。
【0045】
(第3変形例)
支持面S1の高さ位置を調整する調整部の第3変形例について説明する。図9に示されるように、プレート100Dは、プレート部110C、調整部120D、及び注入器130を備えている。調整部120Dは、プレート部110Cの対向面S2に取り付けられている。調整部120Dは、路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調整する。
【0046】
調整部120Dは、内筒127D、及び外筒128Dを備えている。外筒128Dは、プレート部110Cの対向面S2に取り付けられている。外筒128Dは、筒状に形成され、路面R側に向けて開口している。外筒128Dは、内部に内筒127Dを収容する。外筒128Dの内部において、内筒127Dの上部にはシリンダ室Pが形成されている。シリンダ室Pには、注入器130から非圧縮性の液体が供給される。外筒128Dには、供給された液体がシリンダ室Pから流出することを防止する弁131が設けられている。また、外筒128Dと内筒127Dとの隙間から液体が流出しないように、外筒128Dの内面と内筒127Dの外面との間にシール部材等が設けられていてもよい。注入器130からシリンダ室Pに供給される液体の量によって、外筒128Dに対する内筒127Dの位置が変化する。
【0047】
プレート100Dの設置者は、注入器130からシリンダ室Pに供給する液体の量を調整することにより、調整部120Dの長さを変更できる。すなわち、プレート100Dの設置者は、シリンダ室Pに供給する液体の量を調整することにより、路面Rに対する支持面S1の高さ位置を調整できる。
【0048】
実施形態におけるプレートシステム10では、隣接するプレート100等同士が連結されていなかったが、隣接するプレート100等同士が連結されていてもよい。以下、プレート同士が連結されたプレートシステムの変形例について説明する。
【0049】
(第4変形例)
図10に示されるように、プレートシステム10Eは、複数のプレート100Eを備えている。プレート100Eは、プレート部110E、及び調整部を備えている。プレート100Eに設けられた調整部としては、実施形態等で説明した調整部120等が用いられる。プレート部110Eは、プレート部110と同様に支持面S1及び対向面を有している。プレート部110Eの支持面S1には、プレート部110Aと同様に溝M1等が設けられていてもよい。
【0050】
プレート部110Eの側面には、連結部150が設けられている。連結部150は、プレート部110Eの側面から突出している。連結部150の先端部は、連結部150の基端部よりも幅が広い。プレート部110Eの縁部には、切欠部140が設けられている。切欠部140は、連結部150に対応する形状となっている。本実施形態では、プレート部110Eを支持面S1側から見たときに、プレート部110Eの4つの辺のうち、隣接する2つの辺に連結部150がそれぞれ設けられ、残りの2つの辺に切欠部140がそれぞれ設けられている。
【0051】
隣接するプレート100E同士において、一方のプレート100Eの連結部150が他方のプレート100Eの切欠部140に嵌め込まれることにより、プレート100E同士が連結される。なお、連結部150が可撓性を有していてもよい。また、連結部150は、切欠部140に対して所定のガタ付きを有するように、切欠部140に嵌め込まれる構成であってもよい。これらの場合、隣接するプレート100E同士で支持面S1の高さが互いに異なっていても、連結部150は、支持面S1の高さの違いを許容可能にプレート100E同士を連結できる。
【0052】
(第5変形例)
図11に示されるように、プレートシステム10Fは、複数のプレート100F、及び複数の連結部150Fを備えている。プレート100Fは、プレート部110F、及び調整部を備えている。プレート100Fに設けられた調整部としては、実施形態等で説明した調整部120等が用いられる。プレート部110Fは、プレート部110と同様に支持面S1及び対向面を有している。プレート部110Fの支持面S1には、プレート部110Aと同様に溝M1等が設けられていてもよい。
【0053】
連結部150Fは、隣接するプレート100F同士を連結する。連結部150Fは、2つの嵌込部150a、及び連結体150bを有している。連結体150bは、2つの嵌込部150a同士を連結する。連結体150bの幅は、嵌込部150aの大きさよりも小さい。プレート部110Fの縁部には、切欠部140が設けられている。切欠部140は、嵌込部150aに対応する形状となっている。
【0054】
連結部150Fの一方の嵌込部150aは、隣接するプレート100Fのうち一方のプレート100Fの切欠部140に嵌め込まれる。連結部150Fの他方の嵌込部150aは、隣接するプレート100Fのうち他方のプレート100Fの切欠部140に嵌め込まれる。連結部150Fは、隣接するプレート100間に所定の隙間を設けてプレート100F同士を連結する。
【0055】
なお、連結部150Fの連結体150bが可撓性を有していてもよい。また、連結部150Fの嵌込部150aは、切欠部140に対して所定のガタ付きを有するように、切欠部140に嵌め込まれる構成であってもよい。これらの場合、隣接するプレート100F同士で支持面S1の高さが互いに異なっていても、連結部150Fは、支持面S1の高さの違いを許容可能にプレート100F同士を連結できる。連結部150Fは、プレート100F間に所定の隙間を設けてプレート100F同士を連結する。このため、プレート100Fの設置者は、プレート100Fの支持面S1の高さを調整する際に、隣接するプレート100Fから影響を受けることなく調整対象とするプレート100Fの支持面S1の高さ及び傾斜状態を容易に調整できる。
【0056】
(第6変形例)
図12(a)及び図12(b)に示されるように、プレートシステム10Gは、複数のプレート100Gを備えている。プレート100Gは、プレート部110G、及び調整部を備えている。なお、図12(b)では、調整部の図示が省略されている。プレート100Gに設けられた調整部としては、実施形態等で説明した調整部120等が用いられる。プレート部110Gは、プレート部110と同様に支持面S1及び対向面S2を有している。プレート部110Gの支持面S1には、プレート部110Aと同様に溝M1等が設けられていてもよい。
【0057】
プレート部110Gの側面には、フック部151Gと、受け部152Gとが設けられている。受け部152Gは、環状に形成されている。フック部151Gは、フック部151Gの先端部が受け部152Gに差し込まれることによって受け部152Gに引っ掛かる形状となっている。本実施形態では、プレート部110Gを支持面S1側から見たときに、プレート部110Gの4つの辺のうち、隣接する2つの辺にフック部151Gがそれぞれ設けられ、残りの2つの辺に受け部152Gがそれぞれ設けられている。
【0058】
隣接するプレート100G同士において、一方のプレート100Gのフック部151Gが他方のプレート100Gの受け部152Gに嵌め込まれることにより、プレート100G同士が連結される。このように、フック部151G及び受け部152Gは、プレート100G同士を連結する連結部として機能する。なお、フック部151G及び受け部152Gの少なくともいずれかが可撓性を有していてもよい。また、フック部151Gは、受け部152Gに対して所定のガタ付きを有するように、受け部152Gに引っ掛かる構成であってもよい。これらの場合、隣接するプレート100G同士で支持面S1の高さが互いに異なっていても、フック部151G及び受け部152Gは、支持面S1の高さの違いを許容可能にプレート100G同士を連結できる。
【0059】
本開示に係るプレートシステム10等は、車両Vのバッテリを充電するための送電装置1の送電コイル部20を支持したが、水中航走体といった車両以外の移動体のバッテリを充電するための非接触給電システムの送電コイル部を支持してもよい。また、本開示に係るプレートシステム10等は、移動体以外にも、家電製品等のバッテリを充電するための非接触給電システムの送電コイル部を支持してもよい。また、プレートシステム10等は、送電コイル部以外にも、受電コイル部を支持してもよい。また、プレートシステム10等は、非接触給電システムのコイル部以外にも、誘導加熱システムや渦流探傷システムのコイル部を支持してもよい。プレートシステム10等は、コイル部以外の被支持物を支持してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10,10E~10G プレートシステム
20 送電コイル部(被支持物)
100,100A プレート
110,110A~110C,110E~110G プレート部
111 貫通孔
120,120B~120D 調整部
121 ネジ
121a 頭部
121b 先端部
122 支持パッド
150,150F 連結部
151G フック部(連結部)
152G 受け部(連結部)
M1,M2 溝
S1 支持面
S2 対向面
T1 ネジ山
R 路面(設置面)
V 車両(被支持物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12