(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】圃場作業車両の管理システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220113BHJP
B62D 49/00 20060101ALI20220113BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220113BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20220113BHJP
G07C 3/00 20060101ALI20220113BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G05D1/02 N
B62D49/00 E
B62D49/00 Z
B64C39/02
B64D47/08
G07C3/00
H04Q9/00 331A
(21)【出願番号】P 2018015563
(22)【出願日】2018-01-31
【審査請求日】2020-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加茂田 浩史
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-081498(JP,A)
【文献】特開2017-027396(JP,A)
【文献】特開2017-207815(JP,A)
【文献】特開2017-167995(JP,A)
【文献】特開2015-221615(JP,A)
【文献】特開2018-196066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B64C 39/02
B64D 47/08
B62D 49/00
G07C 3/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律制御により予定案内経路に沿って圃場を走行する作業車両と、
カメラを搭載し、前記作業車両に対応して空中を飛行する無人航空機と、
前記作業車両と前記無人航空機と通信する携帯端末装置とを備え、
前記作業車両は車両識別情報と、車速センサと、PTO回転数センサを有し、
前記携帯端末装置は表示部に前記無人航空機から受信したカメラ映像
を表示するとともに、取得した車両識別情報に対応する作業車両から取得した車速情報およびPTO回転情報を前記カメラ映像に重ねて表示する、
圃場作業車両の管理システム。
【請求項2】
前記作業車両は選択された変速段を検出する変速センサを有し、
前記携帯端末装置の前記表示部に表示
される前記カメラ映像に変速段情報を
重ねて表示する、
請求項1に記載の
圃場作業車両の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場で走行しながら作業を行う作業車両の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
重機等の移動機器に追従して移動機器の上空を飛行可能な飛行体と、飛行体に搭載したカメラ等の周囲状況検出手段と、移動機器に搭載または遠隔地に設置され周囲状況検出手段からの検出データを表示する表示手段を備えることにより、移動機器の振動等の影響等を受けることなく、移動機器の周囲を精度よく表示する技術が公知である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の技術では、上空から移動機器の周囲の映像をできるが、カメラ映像では確認できない情報を同時に取得できなかった。本発明では、作業車両の周辺の状況を目視しながら車両に関する情報を同時に取得可能な作業車両の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべく次のような特徴を有する。
【0006】
第1の発明は、自律制御により予定案内経路(R2)に沿って圃場を走行する作業車両(1)と、カメラ(37)を搭載し、前記作業車両(1)に対応して空中を飛行する無人航空機(31)と、前記作業車両(1)と前記無人航空機(31)と通信する携帯端末装置(41)とを備え、前記作業車両は車両識別情報(ID)と、車速センサ(SN11)と、PTO回転数センサ(SN14)を有し、前記携帯端末装置(41)は表示部(43)に前記無人航空機(31)から受信したカメラ映像(43a)を表示するとともに、取得した車両識別情報(ID)に対応する作業車両(1)から取得した車速情報(51)およびPTO回転情報(52)を前記カメラ映像(43a)に重ねて表示することを特徴とする。
【0007】
これにより、車両周辺を上空から撮影した映像に車両情報(50)を重ねて表示するため、作業車両(1)の周辺の状況を目視しながら車両に関する情報を同時に取得できる。
【0009】
また、撮影対象の作業車両(1)の車両情報(50)を取得して携帯端末装置(41)の表示部(43)に表示されるカメラ映像(43a)に重ねて表示するので、作業車両(1)の周辺の状況を目視しながら車両に関する情報を同時に取得可能となる。
【0011】
また、作業車両(1)の車速情報(51)とPTO回転数情報(52)を取得して携帯端末装置(41)の表示部(43)にカメラ映像(43a)に重ねて表示するので、作業車両(1)の周辺の状況を目視しながら車両の車速とPTO回転数に関する情報を同時に取得可能となる。
【0012】
第2の発明は、第1の特徴を有する作業車両の管理システム(S)において、前記作業車両(1)は選択された変速段を検出する変速センサ(SN13)を有し、前記携帯端末装置(41)の前記表示部(43)に表示されるカメラ映像に変速段情報(53)を重ねて表示することを特徴とする。
【0013】
これにより、作業車両(1)の変速段情報(53)を取得して携帯端末装置(41)の表示部(43)にカメラ映像(43a)と同時に表示するので、作業車両(1)の周辺の状況を目視しながら車両の変速段に関する情報を同時に取得可能となる。
【発明の効果】
【0014】
以上の発明の特徴を有する作業車両の管理システムによれば、作業車両の周辺の状況を目視しながら車両に関する情報を同時に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例の作業車両システムの全体説明図である。
【
図2】
図1のトラクタを上方から見た場合の説明図である。
【
図3】本発明の実施例の作業車両の制御システムが有する機能ブロック図の説明図である。
【
図4】コントローラのタッチパネルに表示された画像の説明図であり、ドローンが撮像した画像の説明図である。
【
図5】実施例の作業車両の制御システムの作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の実施例の作業車両システムの全体説明図である。
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0018】
なお、各図において、発明の説明に不要な部材は適宜図示や説明を省略している。また、本明細書では作業車両の前進方向を向いて左右方向をそれぞれ左、右と言い、前進方向を前、後退方向を後と言うことにする。
【0019】
図1において、作業車両の管理システムSは、作業車両の一例として、農業機械のトラクタ1を有する。トラクタ1は、機体の前後部に前輪2,2と後輪3,3とを備え、機体前部のエンジンルーム4内に搭載したエンジンEの回転動力をトランスミッションケース5内の変速装置によって適宜減速して、これら前輪2,2と後輪3,3に伝えるように構成している。前記エンジンルーム4はボンネット6で覆う構成である。また、機体後部にロータリなどの作業機200を装着し、PTO軸で作業機を駆動する構成としている。
【0020】
機体の上部には、キャビン7が支持されている。キャビン7の内部では、トランスミッションケース5の上部位置に運転座席8が配置され、この運転座席8の前方には、ステアリングハンドル11や、駐車ブレーキ(図示せず)や作業機の回転速度を変更するPTO変速レバー(図示せず)等を配置して構成されている。また、運転座席8の前方には、速度メータ(図示せず)や、操作用の各種スイッチ(図示せず)、外部との通信用の通信ユニット(図示せず)などが配置されている。運転座席8の前方下部には、クラッチペダル12や、アクセルペダル13が配置されている。
【0021】
図2において、キャビン7のルーフ7a上面には、車両の測位装置の一例として、測位衛星から信号を受信して測位を行うGPSユニット21が配置されている。GPSユニット21は、車幅方向中央部に対応して配置されている。GPSユニット21の右側には、車両認識手段の一例としての一例としての数字マーク22が付されている。なお、車両識別マークとして数字マーク22を例示したが、図形マークとする構成も可能である。
【0022】
また、前記GPSユニット21に対して、後部には車両位置特定マーク23が付されている。実施例の車両位置特定マーク23は、長方形部23aと、三角形部23bとを有する。実施例では、長方形部23aは、黒の右前部23a1と、白の左前部23a2と、黒の左後部23a3と、白の右後部23a4とで構成されており、白黒の市松模様状に構成されている。また、三角形部23bは、右前部23a1と左前部23a2の中央前方に付されており、前方が鋭角状に形成されている。
【0023】
図1において、作業車両の制御システムSは、無人航空機の一例としてのドローン31を有する。実施例のドローン31は、制御部(図示せず)や、バッテリー(図示せず)、通信ユニット(図示せず)等が備えられた本体部32を有する。本体部32には、測位装置の一例として、測位衛星から信号を受信して測位を行う高精度GPSユニット33が支持されている。前記本体部32には、本体部から水平方向外側に向かって延びるアーム部34が支持されている。
【0024】
アーム部34の先端には、駆動源(図示せず)が配置されており、上下方向に延びる駆動軸には、回転翼36が支持されている。実施例では、アーム部34が十字方向に延びて、各アーム部34の先端には各回転翼36が支持されている。すなわち、実施例のドローン1は、いわゆる、クアドコプターとして構成されている。本体部32の下部には、撮像部材の一例としてのドローン31の下方を撮像する下方カメラ37が支持されている。また、本体部32の下部には、下方との距離を測定するレーダ38が支持されている。
【0025】
作業車両の制御システムSは、携帯端末装置の一例としてのコントローラ41を有する。コントローラ41は、本体部の一例としてのタブレット端末部42を有する。タブレット端末部42は、制御部(図示せず)や、通信ユニット(図示せず)を有する。また、タブレット端末部42は、表示部の一例であり、入力部の一例としてのタッチパネル43を有する。タッチパネル43には、前記ドローン31の下方カメラ37のカメラ映像等が表示される。タブレット端末部42に対して左右には、操作部の一例としてのジョイスティック44,46が支持されている。左右のジョイスティック44,46が操作されることで、前記ドローン31を作業者が遠隔操作可能に構成されている。
【0026】
図3は本発明の実施例の作業車両の制御システムが有する機能ブロック図の説明図である。
【0027】
図3において、実施例の作業車両の制御システムSは、ドローンの制御部CA、コントローラの制御部CB、トラクタの位置情報処理制御部CC、トラクタの車両制御部CDを有する。各制御部CA~CDは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェース(I/O)、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびに発振器等を有する小型情報処理装置、いわゆる、マイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMやRAM、不揮発性メモリ等の記憶部材に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0028】
ここで、実施例のトラクタ1において、位置情報処理制御部CCと、車両制御部CDとは、いわゆる、ECU:Electronic Control Unitで構成されており、通信回線としてのCAN:Controller Area Networkで接続されている。CANには、外部メモリMeが接続されており、トラクタ1の制御部CC,CDが、外部メモリMeに対して互いにアクセス可能に構成されている。
【0029】
図3において、ドローンの制御部CAには、高精度GPSユニット33や、下方カメラ37、下方距離測定用のレーダ38、飛行状態センサSN1、通信ユニット(図示せず)などの出力信号が入力されている。
【0030】
ここで、実施例の飛行状態センサSN1は、いわゆる、6軸ジャイロセンサにより構成されている。飛行状態センサSN1は、ドローン31に固定された3軸直交方向について、各軸方向の加速度と、各軸周りの角速度とを検出して、ドローン31の加速度や姿勢状態などの飛行状態を検出する。
【0031】
実施例では、ドローンの姿勢状態は、角速度の時間積分により重力方向に対する各軸の回転角度として検出可能である。すなわち、重力方向(重力加速度方向)を基準とする各軸周りの回転角度により、ドローン31の姿勢状態を検出することが可能である。なお、実施例では、6軸ジャイロセンサの構成を例示するが、加速度を検出するセンサと角速度を検出するセンサとを、別々に設ける構成も可能である。また、制御部CAは、回転翼36のモータM1~M4の制御信号や、通信ユニットの制御信号などを出力している。
【0032】
図3において、位置情報処理制御部CCは、GPSユニット21や、通信ユニット(図示せず)などの出力信号が入力されている。また、位置情報処理制御部CCは、通信ユニットの制御信号などを出力している。
【0033】
図3において、位置情報処理制御部CCは、前記信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記制御要素に制御信号を出力する機能を有しおり、コントローラ41に記憶されている圃場情報や、作業工程の情報を取得して、外部メモリMeに記憶させる。
【0034】
車両制御部CDは、車速センサSN11から車速情報、ハンドル切れ角センサSN12から前輪2,2の操舵角情報、変速センサSN13から変速段情報、PTO回転数センサSN14からPTO回転情報が入力されている。また車両制御部CDは、エンジンEや、ステアリングモータM11、変速装置HS、ブレーキシリンダBS、その他の図示しない制御要素に接続されている。
【0035】
位置情報処理制御部CCと車両制御部はCDは有線接続により情報通信を行い、ドローン制御部CA、コントローラ制御部CB、車両制御部CDはそれぞれドローン通信ユニットAU、コントローラ通信ユニットBU、車両通信ユニットDUを有しており、相互に無線通信を行う。車両制御部CDは車両認識手段の一例としての車両識別情報IDを有しており、これをドローン制御部CAとコントローラ制御部CBが受信して撮影対象車両を認識できる。
【0036】
図4はコントローラのタッチパネルに表示された画像の説明図であり、ドローンが撮像した画像の説明図である。ドローン31の下方カメラ37のカメラ映像43aがタッチパネル43に表示する。
図4において、実施例では、前記カメラ映像43aには、ドローン31の下方に対応する領域に枠画像43b,43cを重ねて表示する。ここで、枠画像43b,43cは、ドローン31が、トラクタ1の上方の予め設定された基準位置に移動した場合に、マーク23,22が内側となる位置に設定されている。
【0037】
コントローラ41の制御部CBは、下方カメラ37のカメラ映像43aを画像処理して、数字マーク22と、車両位置特定マーク23と、を検出する。数字マーク22を検出することによりコントローラ41の制御部CBが撮影対象車両を認識することができる。
【0038】
コントローラ41の制御部CBは、カメラ映像43aを画像処理して、撮像されたマーク23の形状に基づきトラクタ1の姿勢変化を検出する。すなわち、
図2において、前方部23a1,23a2が、後方部23a3,23a4よりも大きく撮像された場合には、トラクタ1が傾斜面を上っている姿勢と判別可能である。また、後方部23a3,23a4が、前方部23a1,23a2よりも大きく撮像された場合には、トラクタ1が傾斜面を下っている姿勢と判別可能である。
【0039】
さらに、右側部23a1,23a4が左側部23a2,23a3よりも大きく撮像された場合には、トラクタ1が左下に傾斜している姿勢と判別可能である。また、左側部23a2,23a3が右側部23a1,23a4よりも大きく撮像された場合には、トラクタ1が右下に傾斜している姿勢と判別可能である。すなわち、カメラ映像43a上の長方形部23a1~23a4間の面積の大小に応じてトラクタ1の傾斜姿勢を判別可能である。
【0040】
コントローラ41の制御部CBは、タッチパネル43にドローン制御部CAから受信したカメラ37の撮影画像43aを表示するとともに、認識している撮影対象車両の車両制御部CDから受信した車速情報51、PTO回転情報52、変速段情報53を含む車両情報50を撮影画像43aに重ねて表示する。
【0041】
これにより、タッチパネル43に作業車両1の周辺の状況を目視確認できるカメラ映像と同時に、映像からだけでは把握することが困難な車速情報、PTO回転情報、変速情報を表示できるため、作業車両の周辺の状況を目視しながら車両に関する情報を同時に取得可能となる。
【0042】
また、撮影画像43aの数字マーク22または車両識別情報IDにより撮影対象車両を認識して車両情報を表示するため、撮影の対象車両と表示された車両情報の対象車両とが異なる不具合を回避することができる。
【0043】
図5は実施例の作業車両の制御システムの作用説明図である。
図5において、前記構成を備えた実施例の作業車両の制御システムSでは、ドローン31の自律制御モードに設定されると、ドローン31が上昇して下方カメラ37で下方を撮像する。下方カメラ37で撮像されたカメラ映像43aは画像処理されて、トラクタ1のマーク22,23が検出されると、検出された数字マーク22に基づいて作業車両が特定される。また、検出された車両位置特定マーク23に基づいてトラクタ1の向きや移動量などが演算される。
【0044】
そして、向きや移動量に基づいてドローン31は、トラクタ1の走行に追従するように飛行制御される。よって、実施例の作業車両の制御システムSでは、自律制御により、ドローン31は、トラクタ1の位置に対応して飛行する。
【0045】
ここで、実施例の作業車両の制御システムSでは、トラクタ1が自律制御により予定案内経路R2に沿って移動する場合に、GPSユニット21の測位結果に基づいて、トラクタ1の位置Tαが測位される。例えば、作業者がトラクタ1を作業起点P3まで運転して移動させる場合でも、進入案内経路R1と、トラクタ1の位置Tβとを作業者が参照して、精度良くトラクタ1を作業起点P3まで運転し易くなっている。
【0046】
また、実施例では、ドローン31が基準位置に到達したと判別された場合に、ドローン31でトラクタ1の位置Tαが測位される。さらに、実施例では、ドローン31の自律制御に使用される画像処理は、ドローン31の制御部CAではなく、コントローラ41の制御部CBで行われる。よって、ドローン31の制御部CAで画像処理する場合に比べて、ドローン31の制御部CAの処理能力を低くすることが可能であり、構成を簡素にし易い。したがって、実施例では、ドローン31を軽量化し易くなっている。
【0047】
また、ドローン31は上下方向が重力方向に対して傾斜し過ぎないように姿勢制御される。よって、下方カメラ37は重力方向下方を向いた状態で保持され易い。したがって、撮像された車両識別マーク23の形状、すなわち、長方形部23aの各部23a1~23a4の面積比に応じて、トラクタ1の姿勢を検出することが可能である。
【0048】
また、実施例では、ドローン31に備えられたレーダ38で、トラクタ1に対する高さを測定して、ドローン31とトラクタ1との間の高さが一定となるようにドローン31が制御される。よって、ドローン31とトラクタ1の位置関係が安定し易くなっている。
【0049】
なお、実施例ではレーダ38により、トラクタ1のキャビン7に対する高さを測定する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、レーダ38に替えて、ステレオ撮像可能なカメラを設け、トラクタ1やマーク23のステレオ視に基づいて、トラクタ1とドローン31の距離を測定する構成が可能である。また、カメラのオートフォーカス機構により、車両位置マークにピントがあった焦点距離に基づいて、ドローン31とトラクタ1の距離を測定することも可能である。なお、下方カメラ37やレーダ38に替えて、高度センサに基づいて、ドローン31の高度を検出する構成も可能である。
【0050】
さらに、実施例のトラクタ1のCANには、各制御部CC,CDでアクセス可能な外部メモリMeが接続されており、外部メモリMeに圃場情報や、作業工程の情報、作成された経路R1,R2の情報などが記憶される。ここで、圃場情報などはデータ量が大きくなり易い。よって、各制御部CC,CDの内部メモリに圃場情報などを保持する構成では、各制御部CC,CDが必要な情報にアクセスする場合に、CANを流れるデータ通信量が増加し易い。これに対して、外部メモリに保持される実施例では、制御部CC,CD間の相互通信が不要となり易く、CANの負荷を減らし易くなっている。したがって、実施例のCANでは通信遅延などが生じ難くなっている。
【0051】
以上の構成により、本実施例に係る作業車両の管理システムは作業車両の周辺の状況を目視しながら車両に関する情報を同時に取得できる。
【符号の説明】
【0052】
1 トラクタ(作業車両)
22 数字マーク(車両認識手段)
31 ドローン(無人航空機)
37 カメラ
41 コントローラ(携帯端末装置)
42 タブレット端末部
43 タッチパネル(表示部)
43a カメラ映像
50 車両情報
51 車速情報
52 PTO回転情報
53 変速段情報
ID 車両識別情報
SN11 車速センサ
SN13 変速センサ
SN14 PTO回転数センサ