IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-スイッチ装置 図1
  • 特許-スイッチ装置 図2
  • 特許-スイッチ装置 図3
  • 特許-スイッチ装置 図4
  • 特許-スイッチ装置 図5
  • 特許-スイッチ装置 図6
  • 特許-スイッチ装置 図7
  • 特許-スイッチ装置 図8
  • 特許-スイッチ装置 図9
  • 特許-スイッチ装置 図10
  • 特許-スイッチ装置 図11
  • 特許-スイッチ装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/20 20060101AFI20220128BHJP
   H01H 19/38 20060101ALI20220128BHJP
   H01H 9/02 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
H01H19/20 A
H01H19/38
H01H9/02 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018022224
(22)【出願日】2018-02-09
(65)【公開番号】P2019139967
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】益子 智信
(72)【発明者】
【氏名】林 伸子
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-129336(JP,A)
【文献】特開平11-185568(JP,A)
【文献】特開2000-308229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/02
19/00-21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と;
前記端子に接離可能に設けられた可動片と;
軸部前記軸部の中心軸に交差する方向に開口され前記可動片が貫通する貫通開口と、前記貫通開口の一端側に設けられ、前記可動片を押動する押動部と、前記貫通開口の他端側に設けられ、前記可動片から離反する逃げ部と、を有し、前記押動部と前記逃げ部との中間部が前記中心軸よりも前記貫通開口の一端側に位置され、前記逃げ部が前記中間部から前記中心軸よりも前記貫通開口の他端側に亘って位置され、前記軸部の回動によって前記可動片を前記端子に接離させる軸体と;
を具備することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
第1の負荷端子と;
第2の負荷端子と;
前記第1の負荷端子と前記第2の負荷端子との間に配置される可動片を有する共通端子と;
軸部前記軸部の中心軸に直交する方向に開口され前記可動片が貫通する貫通開口と、前記貫通開口の一端側に設けられ、前記可動片を押動する押動部と、前記貫通開口の他端側に設けられ、前記可動片から離反する逃げ部と、を有し、前記押動部と前記逃げ部との中間部が前記中心軸よりも前記貫通開口の一端側に位置され、前記逃げ部が前記中間部から前記中心軸よりも前記貫通開口の他端側に亘って位置され、前記軸部の回動によって前記可動片を前記第1の負荷端子または前記第2の負荷端子に接離させる軸体と;
を具備することを特徴とするスイッチ装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、可動片が端子に接離するスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線器具として例えば動作モードに対応した接続を切り換えるためのスイッチ装置がある。このスイッチ装置では、摘みを操作することにより可動片を変位させて端子に接触、離反させ、接続状態を切り換えるようにしている。
【0003】
摘みが回動式のスイッチ装置の場合、摘みを回動操作することにより、摘みとともに一体に回動する軸体の外周面の形状によって可動片を変位させ、この可動片を端子に接触、離反させている。
【0004】
このようなスイッチ装置は、配線器具として用いることからも、簡単かつ小形のスイッチ構造で、確実に接続を切り換えることができることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-103062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡単かつ小形のスイッチ構造で、確実に接続を切り換えることができるスイッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のスイッチ装置は、端子、可動片および軸体を備える。可動片は、端子に接離可能に設ける。軸体は、軸部、軸部の中心軸に交差する方向に開口され可動片が貫通する貫通開口と、貫通開口の一端側に設けられ、可動片を押動する押動部と、貫通開口の他端側に設けられ、可動片から離反する逃げ部と、を有し、押動部と逃げ部との中間部が中心軸よりも貫通開口の一端側に位置され、逃げ部が中間部から中心軸よりも貫通開口の他端側に亘って位置され、軸部の回動によって可動片を端子に接離させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単かつ小形のスイッチ構造で、確実に接続を切り換えることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態を示すスイッチ装置の断面図である。
図2】同上スイッチ装置のカバーを外した正面図である。
図3】同上スイッチ装置のスイッチユニットの一部を省略した分解状態の斜視図である。
図4】同上スイッチ装置の組立状態の斜視図である。
図5】同上スイッチ装置の軸体の分解状態の斜視図である。
図6】同上スイッチ装置の軸体の組立状態の斜視図である。
図7】同上スイッチ装置の軸体の分解状態の斜視図である。
図8】同上スイッチ装置の軸体の組立状態の斜視図である。
図9】同上スイッチ装置の切位置での切換状態を説明する正面図である。
図10】同上スイッチ装置の第1の接続位置での切換状態を説明する正面図である。
図11】同上スイッチ装置の第2の接続位置での切換状態を説明する正面図である。
図12】同上スイッチ装置を用いた配線装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図12に配線装置10を示す。配線装置10は、配線器具であるスイッチ装置11、スイッチ装置11を取り付けるサポート12、スイッチ装置11の前面側に取り付けられる取付プレート13(図1参照)、取付プレート13の前面側に取り付けられる表示プレート14、サポート12の前面側に取付けられる化粧枠(図示せず)などを備えている。
【0012】
スイッチ装置11は、JIS規格で定められた1モジュールサイズの配線器具である。
【0013】
取付プレート13および表示プレート14の中央には円形の窓孔13a(図1参照),14aが形成されている。表示プレート14には、スイッチ装置11の切換位置として例えば「入」、「切」、「自動」が表示されている。
【0014】
そして、スイッチ装置11は、例えば、人感スイッチで人体を検知して照明装置を自動点灯させる照明システムに用いられる。この場合、スイッチ装置11は、照明システムの動作モードの切り換えに用いられ、「自動」は人感スイッチで人体を検知して照明装置を自動点灯させる自動モード、「入」は照明装置を常に点灯させる入モード、「切」は照明装置を常に消灯させる切モードに切り換えられる。
【0015】
次に、図1ないし図4にスイッチ装置11を示す。
【0016】
スイッチ装置11は、回動操作によってスイッチ切換を行うロータリースイッチである。スイッチ装置11は、筐体であるスイッチ装置本体20、このスイッチ装置本体20内に配置されるスイッチユニット21、およびスイッチユニット21を操作する摘み22などを備えている。なお、スイッチ装置11については、摘み22が配置される側を前面側、この前面側とは反対側を背面側として説明する。
【0017】
そして、スイッチ装置本体20は、絶縁性を有するケース25およびカバー26を備えている。
【0018】
ケース25は、前面側が開口され、この前面側から内部にスイッチユニット21が配置されている。
【0019】
ケース25内の長手方向の一端側および他端側にはそれぞれ2つの端子収納部27,28が並設され、これら各端子収納部27,28の背面側に電線挿入孔29が形成されている。各2つの端子収納部27,28の間にはリリースボタン収納部30が形成され、これら各リリースボタン収納部30の背面側に操作孔31が形成されている。
【0020】
ケース25内の中央には軸体収納部32が設けられている。軸体収納部32の底部には、中心に軸受突起33が突設され、この軸受突起33の周囲にケース25側の回動範囲規制部34が設けられている。回動範囲規制部34は、軸受突起33を中心とした円形の凹部35、およびこの凹部35内の一部に突出したケース25側の規制部36を備えている。規制部36は、ケース25の他端側(端子収納部28側)から凹部35内に突出されている。また、軸体収納部32の両側内面には互いに対向するばね取付溝37が設けられている。ばね取付溝37は、軸体収納部32の中心からケース25の両端側に所定の距離ずつ離れた2箇所に設けられている。
【0021】
ケース25の両側面には、カバー26を取り付けるための複数の爪部38が突設されている。
【0022】
さらに、カバー26は、背面側が開口され、ケース25の前面側に組み合わされて取り付けられる。カバー26の両側部にはケース25の各爪部38に係合する複数の取付片40が突設されている。
【0023】
カバー26の中央には突出部41が設けられ、この突出部41の背面側にスイッチ可動空間42が形成されている。
【0024】
カバー26の突出部41の中央には円形の挿通孔43が形成されている。この挿通孔43の縁部にカバー26側の回動範囲規制部44が設けられている。回動範囲規制部44は、挿通孔43の縁部下面から突出する一対の規制部45を有している。規制部45はカバー26の両側方向の位置に設けられている。
【0025】
カバー26の一端側および他端側には、サポート12に取り付けるための取付部46,47が設けられている。
【0026】
また、スイッチユニット21は、複数の電線接続端子50、リリースボタン51、端子としての第1の負荷端子52、端子としての第2の負荷端子53、共通端子54、軸体55、および保持手段としての板ばね56などを備えている。
【0027】
電線接続端子50は、ケース25の各端子収納部27,28に配置されている。各電線接続端子50は、ケース25の各電線挿入孔29から挿入される各電線を各端子52,53,54との間に挟み込んで抜け止め保持するとともに電気的に接続する。
【0028】
リリースボタン51は、ケース25のリリースボタン収納部30に配置されている。リリースボタン51は、ケース25の操作孔31から押動操作されることにより、電線接続端子50を弾性変形させて電線の抜け止め保持を解除させ、電線の抜き外しを可能とする。
【0029】
第1の負荷端子52および第2の負荷端子53は、共通構造に形成されている。第1の負荷端子52および第2の負荷端子53は、断面略コ字形に形成された基部58、この基部58から立ち上げられた端子片部59、およびこの端子片部59の先端側に設けられた接点部60を備えている。第1の負荷端子52の基部58は、ケース25の2つの端子収納部27のうちの一方に配置され、電線接続端子50と組み合わされている。第2の負荷端子53の基部58は、ケース25の2つの端子収納部27のうちの他方に配置され、電線接続端子50と組み合わされている。これら第1の負荷端子52および第2の負荷端子53の基部58は、ケース25とのカバー26との間に挟み込まれて保持されている。第1の負荷端子52の端子片部59と第2の負荷端子53の端子片部59は、ケース25の前面側から突出され、カバー26の突出部41の内側のスイッチ可動空間42に配置されている。第1の負荷端子52の接点部60と第2の負荷端子53の接点部60とは、所定の間隔をあけて互いに対向配置されている。
【0030】
共通端子54は、共通端子部62、およびこの共通端子部62に接続固定された可動片(接触片)63を備えている。可動片63は、共通端子部62の前面側にリベット64によって固定されている。
【0031】
共通端子部62は、断面略コ字形に形成され、ケース25の2つの端子収納部28の両方に亘って配置され、2つの端子収納部28に配置される各電線接続端子50と組み合わされている。共通端子部62は、ケース25とのカバー26との間に挟み込まれて保持されている。
【0032】
可動片63は、導電性を有する板ばね材料によって形成されている。可動片63は、共通端子部62の前面側に固定される固定部65、この固定部65の一側から立ち上げられた立上げ部66、この立上げ部66の側縁からケース25およびカバー26の中央側へ向けて斜めに折曲された折曲部67、およびこの折曲部67から延設された可動片部68を備えている。可動片部68の先端側の両側に接点部69が設けられている。可動片63は、カバー26の突出部41の内側のスイッチ可動空間42に配置されている。可動片63は、軸体55を貫通し、先端側が第1の負荷端子52の接点部60と第2の負荷端子53の接点部60との間に配置されている。そして、可動片63は、外力が加わっていない状態で、第1の負荷端子52の接点部60と第2の負荷端子53の接点部60との間の中間位置(図2および図9に示す位置であり、以下、切位置という)に位置しており、つまり第1の負荷端子52の接点部60および第2の負荷端子53の接点部60のいずれにも接触していない切位置に位置しており、外力が加わって弾性変形しても切位置に戻るように働くばね性を有している。
【0033】
また、軸体55は、回動中心となる中心軸zを有している。なお、軸体55の軸方向において、摘み22が取り付けられる側を前端側、反対側を後端側として説明する。
【0034】
軸体55は、後端側がケース25の軸体収納部32に配置され、前端側がカバー26の挿通孔43に配置され、これらケース25とカバー26との間に中心軸zを中心として回動可能に配置されている。軸体55は、軸部70を有するとともに、この軸部70の軸方向の中間部に、中心軸zに直交する方向に開口されて、可動片63が貫通する貫通開口71を有している。そして、軸体55は、貫通開口71の一端側が第1の負荷端子52と第2の負荷端子53との中間に対向する位置を切位置(図9に示す切位置)とし、この切位置から貫通開口71の一端側が第1の負荷端子52側に右回動した位置を自動位置である第1の接続位置(図10に示す第1の接続位置)とし、切位置から貫通開口71の一端側が第2の負荷端子53側に左回動した位置を入位置である第2の接続位置(図11に示す第2の接続位置)としている。
【0035】
図5ないし図8に示すように、軸体55は、後端側の第1の軸部材72と前端側の第2の軸部材73とが軸方向から組み合わされて一体的に構成されている。
【0036】
第1の軸部材72は、円板部74、この円板部74の前面側から突出する一対の壁部75、円板部74の背面側から順に突出する回動位置保持部76および回動範囲規制部77を備えている。
【0037】
一対の壁部75の間に、可動片63が貫通する貫通開口71が形成されている。貫通開口71の一端側は負荷端子52,53側に対向され、他端側は負荷端子52,53とは反対側の共通端子部62側に対向されている。
【0038】
一対の壁部75の互いに対向する内面には、貫通開口71の一端側に押動部78が設けられ、貫通開口71の他端側に逃げ部79が設けられ、これら押動部78と逃げ部79との間に中間部80が設けられている。一対の壁部75の押動部78は外側へ向けて互いに拡開するように形成され、一対の壁部75の逃げ部79は押動部78とは反対側の外側へ向けて互いに拡開するように形成されている。一対の中間部80は、互いに平行に対向する平面状に形成されている。そして、一対の壁部75の中間部80の間隔が最も狭く、この中間部80は軸体55の中心軸zよりも貫通開口71の一端側(押動部78側)に位置されている。一対の押動部78の外端側の開口幅よりも一対の逃げ部79の外端側の開口幅が大きくなっている。
【0039】
回動位置保持部76は、周面が例えば六角形に形成された六角柱によって構成されている。回動位置保持部76の周面には、周方向に例えば60°毎に平面状の保持面81が形成されている。2つの保持面81が貫通開口71の開口方向に対して直交する位置に設けられている。
【0040】
回動範囲規制部77は、ケース25の凹部35に回動可能に挿入配置される軸部82を有している。この軸部82の端面に、ケース25の軸受突起33に回動可能に嵌合する軸孔83が設けられている。軸部82の周面には、凹部35内のケース25側の規制部36と当接可能とする軸体側の規制部84が突設されている。回動範囲規制部77は、規制部84が規制部36に当接して規制される所定の回動範囲内に軸体55の回動範囲を規制する。そして、軸体55の回動範囲は、切位置から第1の接続位置および第2の接続位置にそれぞれ例えば60°ずつで、合計120°程度としている。
【0041】
第2の軸部材73は、円板部85、この円板部85の前面側から突出する操作軸部86を備えている。円板部85はカバー26の挿通孔43に回動可能に配置されている。
【0042】
円板部85の背面側には、第1の軸部材72の一対の壁部75が嵌合する嵌合溝87が形成されている。第1の軸部材72の壁部75と第2の軸部材73の嵌合溝87とが嵌合することで一体的に組み合わされるとともに、第1の軸部材72と第2の軸部材73との中心軸zが一致し、さらに、中心軸zに直交する方向に開口されて、可動片63が貫通する貫通開口71が形成されている。貫通開口71の軸方向の幅、つまり第1の軸部材72の円板部74と第2の軸部材73の円板部85との間の幅は、貫通開口71を貫通する可動片63の可動片部68の幅よりも広く、かつ、可動片部68の幅の2倍よりも狭くて、可動片部68の幅方向への動きを規制可能としている。
【0043】
円板部85には、カバー26の挿通孔43の縁部背面側に当接してカバー26の前面側への第2の軸部材73の移動を規制する一対の規制部88が突設されている。一対の規制部88は、カバー26に対しての軸体55の回動範囲を規制する回動範囲規制部89としても構成されている。回動範囲規制部89は、規制部88がカバー26側の規制部45に当接して規制される所定の回動範囲内に軸体55の回動範囲を規制する。そして、軸体55の回動範囲は、切位置から第1の接続位置および第2の接続位置にそれぞれ例えば60°ずつで、合計120°程度としている。
【0044】
操作軸部86は、挿通孔43を通じてカバー26の前面側から突出される。操作軸部86は、円周上の一部に切欠部90が設けられた断面異形状で、摘み22が一定の向きで取り付けられる。
【0045】
また、板ばね56は、板ばね材料によって形成されており、両端がケース25の両側の互いに対向するばね取付溝37に挿入されて、ケース25の軸体収納部32に配置されている。板ばね56は、第1の軸部材72の回動位置保持部76の周面に当接し、つまり六角形の保持面81に当接し、軸体55の回動位置を保持する。板ばね56の前方には第1の軸部材72の円板部74が配置されており、板ばね56の前方への移動が規制されている。
【0046】
また、摘み22は、第2の軸部材73の操作軸部86に圧入嵌合されて一体に回動可能に取り付けられている。摘み22は、長円形の摘み部93を有している。摘み部93の長手方向がスイッチ装置本体20の短手方向と平行になる位置が、軸体55の切位置に対応している。
【0047】
次に、スイッチ装置11の動作を説明する。
【0048】
スイッチ装置11は、例えば、人感スイッチで人体を検知して照明装置を自動点灯させる照明システムに用いられる。この場合、図12に示すように、スイッチ装置11は、照明システムの動作モードの切り換えに用いられ、「自動」は人感スイッチで人体を検知して照明装置を自動点灯させる自動モード、「入」は照明装置を常に点灯させる入モード、「切」は照明装置を常に消灯させる切モードに切り換えられる。そして、スイッチ装置11において、自動モードを構成するための配線が第1の負荷端子52に接続され、入モードを構成するための配線が第2の負荷端子53に接続され、自動モードおよび入モードの共通の配線が共通端子54に接続される。
【0049】
そして、図9に、摘み22が「切」位置にある切換状態を示す。
【0050】
摘み22の切位置では、軸体55は、貫通開口71の開口方向の中心線aが第1の負荷端子52と第2の負荷端子53との中間に対向する切位置にある。切位置の軸体55は、可動片63に接触していない。
【0051】
そのため、可動片63は、可動片部68の先端の接点部69が第1の負荷端子52の接点部60と第2の負荷端子53の接点部60との間の中間位置である切位置に位置している。つまり、可動片63は、第1の負荷端子52の接点部60および第2の負荷端子53の接点部60のいずれにも接触していない切位置に位置している。
【0052】
板ばね56が第1の軸部材72の回動位置保持部76の周面に当接し、つまり六角形の保持面81に当接し、軸体55を切位置に所定の保持力で保持している。
【0053】
また、図10に、摘み22を「自動」位置に回動させた切換状態であって、軸体55を第1の接続位置に回動させた切換状態を示す。
【0054】
摘み22を「切」位置から「自動」位置へ向けて回動させると、軸体55が切位置から第1の接続位置へ向けて図9の時計回り方向に回動する。このとき、軸体55は、板ばね56による回動位置の保持力に抗して、第1の軸部材72の回動位置保持部76の保持面81と保持面81との間の角部81aで板ばね56を外側に弾性変形させながら回動する。
【0055】
第1の接続位置へ向けた軸体55の回動途中で、第1の軸部材72の一方の壁部75の押動部78が可動片63に当接し、可動片63を第1の負荷端子52へ向けて押動する。
【0056】
軸体55が第1の接続位置に回動する前に、可動片63の接点部69が第1の負荷端子52の接点部60に当接する。可動片63の接点部69が第1の負荷端子52の接点部60に当接した後も軸体55の第1の接続位置へ向けた回動が継続されるため、可動片63自体が大きく弾性変形していく。
【0057】
軸体55が第1の接続位置に回動する直前に、第1の軸部材72の回動位置保持部76の保持面81と保持面81との間の角部81aが板ばね56の中央よりも第1の負荷端子52が位置する側に移動し、板ばね56のばね力によって軸体55が第1の接続位置へ向けて強制的に回動させる。このとき、板ばね56のばね力は可動片63のばね力よりも大きい関係にあり、板ばね56のばね力で可動片63を弾性変形させることになる。
【0058】
軸体55が第1の接続位置に回動すると、板ばね56が第1の軸部材72の回動位置保持部76の保持面81に当接し、軸体55を第1の接続位置に所定の保持力で保持する。第1の接続位置で板ばね56が当接する保持面81は、切位置で板ばね56が当接した保持面81の隣に位置していた保持面81である。そして、軸体55が第1の接続位置に回動する直前に板ばね56のばね力で軸体55を強制的に回動させて、軸体55が第1の接続位置に回動したときに板ばね56が保持面81に当接することにより、摘み22による切換操作のクリック感が得られるとともに切換音が発生し、摘み22の「自動」位置への切り換えを把握しやすくできる。
【0059】
軸体55が第1の接続位置に回動した切換状態では、可動片63の接点部69が第1の負荷端子52の接点部60に圧接し、良好な電気的接続状態が維持される。
【0060】
そして、摘み22を「自動」位置から「切」に回動させた場合には、軸体55が第1の接続位置から切位置へ向けて図10反時計回り方向に回動し、軸体55および可動片63とも図9に示す切位置に戻る。
【0061】
また、図11に、摘み22を「入」位置に回動させた切換状態であって、軸体55を第2の接続位置に回動させた切換状態を示す。
【0062】
摘み22を「切」位置から「入」位置へ向けて回動させると、軸体55が切位置から第2の接続位置へ向けて図9の反時計回り方向に回動する。このとき、軸体55は、板ばね56による回動位置の保持力に抗して、第1の軸部材72の回動位置保持部76の保持面81と保持面81との間の角部81bで板ばね56を外側に弾性変形させながら回動する。
【0063】
第2の接続位置へ向けた軸体55の回動途中で、第1の軸部材72の他方の壁部75の押動部78が可動片63に当接し、可動片63を第2の負荷端子53へ向けて押動する。
【0064】
軸体55が第2の接続位置に回動する前に、可動片63の接点部69が第2の負荷端子53の接点部60に当接する。可動片63の接点部69が第2の負荷端子53の接点部60に当接した後も軸体55の第2の接続位置へ向けた回動が継続されるため、可動片63自体が大きく弾性変形していく。
【0065】
軸体55が第2の接続位置に回動する直前に、第1の軸部材72の回動位置保持部76の保持面81と保持面81との間の角部81bが板ばね56の中央よりも第2の負荷端子53が位置する側に移動し、板ばね56のばね力によって軸体55が第2の接続位置へ向けて強制的に回動させる。このとき、板ばね56のばね力は可動片63のばね力よりも大きい関係にあり、板ばね56のばね力で可動片63を弾性変形させることになる。
【0066】
軸体55が第2の接続位置に回動すると、板ばね56が第1の軸部材72の回動位置保持部76の保持面81に当接し、軸体55を第2の接続位置に所定の保持力で保持する。第2の接続位置で板ばね56が当接する保持面81は、切位置で板ばね56が当接した保持面81の隣に位置していた保持面81である。そして、軸体55が第2の接続位置に回動する直前に板ばね56のばね力で軸体55を強制的に回動させて、軸体55が第2の接続位置に回動したときに板ばね56が保持面81に当接することにより、摘み22による切換操作のクリック感が得られるとともに切換音が発生し、摘み22の「入」位置への切り換えを把握しやすくできる。
【0067】
軸体55が第2の接続位置に回動した切換状態では、可動片63の接点部69が第2の負荷端子53の接点部60に圧接し、良好な電気的接続状態が維持される。
【0068】
そして、摘み22を「入」位置から「切」に回動させた場合には、軸体55が第2の接続位置から切位置へ向けて図11時計回り方向に回動し、軸体55および可動片63とも図9に示す切位置に戻る。
【0069】
以上のように、本実施形態のスイッチ装置11によれば、軸体55に設けた貫通開口71に可動片63を挿通させ、軸体55の回動により可動片63を変位させて負荷端子52,53に接離させることができるため、配線器具の限られた寸法の中で、簡単かつ小形のスイッチ構造にできるとともに、確実に接続を切り換えることができる。
【0070】
しかも、第1の負荷端子52と第2の負荷端子53との間に配置される1つの可動片63を、軸体55の回動によって第1の負荷端子52と第2の負荷端子53とにそれぞれ接離させることができるため、配線器具の限られた寸法の中で、簡単かつ小形のスイッチ構造にできるとともに、確実に接続を切り換えることができる。
【0071】
また、軸体55の貫通開口71に可動片63を貫通した状態に配置することにより、可動片63の不要な変位や動きを規制することができ、確実に接続を切り換えることができる。
【0072】
さらに、軸体55は、貫通開口71の一端側に可動片63を押動する押動部78が設けられているとともに他端側に可動片63から離反するように逃げ部79が設けられているため、可動片63に無理な力を加えることなく、可動片63を動かすことができる。
【0073】
また、軸体55は、貫通開口71を要する構造であっても、第1の軸部材72と第2の軸部材73の2部品で構成し、これらを組み合わせて一体的に構成することにより、製造を容易にでき、コストの点でも有利となる。なお、軸体55は一体に形成してもよく、一体であれば部品点数を削減でき、組立性を向上できる。
【0074】
なお、本実施形態のスイッチ構造は、第1の負荷端子52および第2の負荷端子53と可動片63との接続を切り換えるスイッチ構造に限らず、1つの端子と可動片63との接続を切り換えるスイッチ構造にも適用することができる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
11 スイッチ装置
52 端子としての第1の負荷端子
53 端子としての第2の負荷端子
54 共通端子
55 軸体
63 可動片
70 軸部
71 貫通開口
78 押動部
79 逃げ部
80 中間部
z 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12