(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/509 20210101AFI20220114BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20220114BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20220114BHJP
【FI】
H01M50/509
H01M50/296
H01M50/55 101
(21)【出願番号】P 2018098628
(22)【出願日】2018-05-23
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優介
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏
(72)【発明者】
【氏名】岡本 怜也
【審査官】藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-035397(JP,A)
【文献】特開2013-137867(JP,A)
【文献】特開2009-004323(JP,A)
【文献】国際公開第2011/105095(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50 - 50/598
H01M 50/20 - 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性が異なる一対の第1外部端子を有し、複数の蓄電素子からなる第1蓄電素子群と、
極性が異なる一対の第2外部端子を有し、複数の蓄電素子からなる第2蓄電素子群と、を備え、
前記第1蓄電素子群と前記第2蓄電素子群とは、隣り合って配置されており、
前記第1外部端子は、前記第1蓄電素子群の前記第2蓄電素子群側に設けられており、
前記第2外部端子は、前記第2蓄電素子群の前記第1蓄電素子群側において前記第1外部端子と隣り合うように配置されて
おり、
前記一対の第1外部端子は、前記第1蓄電素子群の前記第2蓄電素子群側の端縁における一方の端部に配置された第1正極外部端子と、前記第1蓄電素子群の前記第2蓄電素子群側の端縁における一方の端部とは反対側の他方の端部に配置された第1負極外部端子とからなり、
前記一対の第2外部端子は、前記第2蓄電素子群の前記第1蓄電素子群側の端縁において前記第1正極外部端子と隣り合うように配置された第2正極外部端子と、前記第2蓄電素子群の前記第1蓄電素子群側の端縁において前記第1負極外部端子と隣り合うように配置された第2負極外部端子とからなる電源装置。
【請求項2】
前記第1正極外部端子と前記第2正極外部端子とは、第1蓄電素子群と前記第2蓄電素子群との間に配された総出力バスバによって接続され、
前記第1負極外部端子と前記第2負極外部端子とは、第1蓄電素子群と前記第2蓄電素子群との間に配された前記総出力バスバとは異なる総出力バスバによって接続されている
請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記総出力バスバは、接続方向と交差する方向に向かって突出する一対の接続部を有しており、
前記第1正極外部端子と前記第2正極外部端子とを接続する前記総出力バスバを総正極バスバとし、前記第1負極外部端子と前記第2負極外部端子とを接続する前記総出力バスバを総負極バスバとした場合、
前記総正極バスバの前記一対の接続部は、一方が前記総負極バスバ側に向かって引き出される電線が接続され、他方が前記総負極バスバ側とは反対側に向かって引き出される電線が接続されるようになっており、
前記総負極バスバの前記一対の接続部は、一方が前記総正極バスバ側に向かって引き出される電線が接続され、他方が前記総正極バスバ側とは反対側に向かって引き出される電線が接続される
請求項2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複数のバッテリを一方向に並べたバッテリ群を有する電源装置として、特開2014-229585号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。この電源装置は、隣り合うバッテリの異なる電極がバスバによって接続されることで複数のバッテリが直列に接続され、バッテリ群の極性の異なる外部出力端子がバッテリ群の対角の位置に配設されている。
【0003】
また、複数のバッテリを積層したバッテリ群同士を接続したバッテリアセンブリとして、特許第5163804号公報(下記特許文献2)に記載のものが知られている。このバッテリアセンブリでは、各バッテリ群がハーネスによって直列に接続され、直列に接続されたバッテリ群がハーネスによって電気装置に電気的に接続されている。また、バッテリアセンブリの各バッテリ群は、バッテリ群同士を電気的に接続するために密集して配置され、複数のバッテリ群の中央には電源遮断装置や電気装置に接続されるコネクタが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-229585号公報
【文献】特許第5163804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の電源装置のバッテリ群のように極性の異なる外部出力端子が対角の位置に配設された複数のバッテリ群を直列に接続し、上記のバッテリアセンブリのように複数のバッテリ群の中央に直列に接続されたバッテリ群の出力を設けようとすると、外部出力端子同士を接続するために複数本のハーネスや電線が必要となる。したがって、ハーネスや電線の増加によってバッテリアセンブリの重量が増加したり、複数本のハーネスや電線を配索するためのスペースを確保するためにバッテリアセンブリが大型化したりしてしまう。
【0006】
本明細書では、電線が増加することを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される技術は、電源装置であって、極性が異なる一対の第1外部端子を有し、複数の蓄電素子からなる第1蓄電素子群と、極性が異なる一対の第2外部端子を有し、複数の蓄電素子からなる第2蓄電素子群と、を備え、前記第1蓄電素子群と前記第2蓄電素子群とは、隣り合って配置されており、前記第1外部端子は、前記第1蓄電素子群の前記第2蓄電素子群側に設けられており、前記第2外部端子は、前記第2蓄電素子群の前記第1蓄電素子群側において前記第1外部端子と隣り合うように配置されている構成とした。
【0008】
このような構成の電源装置によると、第1蓄電素子群の一対の第1外部端子と第2蓄電素子群の一対の第2外部端子とが第1蓄電素子群と第2蓄電素子群とが隣り合う配置されることになるから、電源装置において電線が増加することを抑制することができる。これにより、電線の増加によって電源装置の重量が増加することを抑制すると共に、電線の配索スペースの確保による電源装置の大型化を抑制することができる。
【0009】
本明細書によって開示される電源装置は、以下の構成としてもよい。
前記一対の第1外部端子は、前記第1蓄電素子群の前記第2蓄電素子群側の端縁における一方の端部に配置された第1正極外部端子と、前記第1蓄電素子群の前記第2蓄電素子群側の端縁における一方の端部とは反対側の他方の端部に配置された第1負極外部端子とからなり、前記一対の第2外部端子は、前記第2蓄電素子群の前記第1蓄電素子群側の端縁において前記第1正極外部端子と隣り合うように配置された第2正極外部端子と、前記第2蓄電素子群の前記第1蓄電素子群側の端縁において前記第1負極外部端子と隣り合うように配置された第2負極外部端子とからなる構成としてもよい。
【0010】
このような構成によると、電源装置の重量増加および電源装置の大型化を抑制しつつ、第1蓄電素子群と第2蓄電素子群とを並列に容易に接続することができる。また、第1蓄電素子群と第2蓄電素子群とを並列に接続した状態で、互いに異なる極性の外部端子を最も離れた位置に配置して絶縁距離を確保することができる。
【0011】
前記第1正極外部端子と前記第2正極外部端子とは、第1蓄電素子群と前記第2蓄電素子群との間に配された総出力バスバによって接続され、前記第1負極外部端子と前記第2負極外部端子とは、第1蓄電素子群と前記第2蓄電素子群との間に配された前記総出力バスバとは異なる総出力バスバによって接続されている構成としてもよい。
【0012】
このような構成によると、第1蓄電素子群と第2蓄電素子群とを一対の総出力バスバによって接続しているから、電源装置において電線が増加することを抑制することができ、電源装置の重量増加や電源装置の大型化をさらに抑制することができる。
【0013】
前記総出力バスバは、接続方向と交差する方向に向かって突出する一対の接続部を有しており、前記第1正極外部端子と前記第2正極外部端子とを接続する前記総出力バスバを総正極バスバとし、前記第1負極外部端子と前記第2負極外部端子とを接続する前記総出力バスバを総負極バスバとした場合、前記総正極バスバの前記一対の接続部は、一方が前記総負極バスバ側に向かって引き出される電線が接続され、他方が前記総負極バスバ側とは反対側に向かって引き出される電線が接続されるようになっており、前記総負極バスバの前記一対の接続部は、一方が前記総正極バスバ側に向かって引き出される電線が接続され、他方が前記総正極バスバ側とは反対側に向かって引き出される電線が接続される構成としてもよい。
【0014】
このような構成によると、総正極バスバ側と総負極バスバ側の両側において第1蓄電素子群と第2蓄電素子群の電力を供給することができる。すなわち、総正極バスバ側と総負極バスバ側の両側に電力を供給するために、電線の増加による重量増加や、電線の配索スペースの確保による電源装置の大型化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本明細書によって開示される技術によれば、電線が増加することを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
本明細書に開示された技術における一実施形態について
図1を参照して説明する。
本実施形態は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載されて、車両を駆動するための動力源として使用される電源装置10を例示している。なお、以下の説明において、前後方向とは、
図1における上下方向を基準として図示
下側を前側、図示
上側を後側とし、左右方向とは、
図1における左右方向を基準として説明する。
【0018】
電源装置10は、
図1に示すように、複数の蓄電素子22からなる第1蓄電素子群20と、複数の蓄電素子22からなる第2蓄電素子群40と、第1蓄電素子群20と第2蓄電素子群40とを接続する一対の総出力バスバ60とを備えて構成されている。
【0019】
蓄電素子22は、例えば、二次電池であって、
図1に示すように、扁平に形成されており、蓄電素子22の上面における左右方向の両端部寄りの位置には上方に向かって突出する一対の電極端子26が設けられている。一対の電極端子26のうちの一方は正極端子26Pとされ、他方は負極端子26Nとされている。各電極端子26は、外面にねじ山が形成された略円柱状に形成されている。
【0020】
第1蓄電素子群20は、蓄電素子22を前後方向に複数個並べた蓄電ブロック30を左右に2列に並べて構成されている。なお、図示省略しているが、左右に2列に並んだ蓄電ブロック30は、例えば、金属製のフレームやトレイなどに設置固定されることで並び状態が保持されている。
【0021】
各蓄電ブロック30は、前後に隣り合う2つの蓄電素子22において、異なる極性の電極端子26が互いに隣り合うように(つまり、1つの蓄電素子22の正極端子26Pと、これと隣接する他の蓄電素子22の負極端子26Nとが互いに隣り合うように)前後方向に一列に並べられた状態で構成されている。そして、前後に隣り合う蓄電素子22の正極端子26Pと負極端子26Nとを接続する接続バスバBによって、各蓄電ブロック30の複数の蓄電素子22が、直列に接続されている。
【0022】
接続バスバBは、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成されている。接続バスバBは、
図1に示すように、四隅が丸みを帯びた略矩形平板状をなしており、接続バスバBには、蓄電素子22の正極および負極の電極端子26が挿通される円形状をなす一対の貫通孔B1が、上下方向に貫通して形成されている。この貫通孔B1は、電極端子26の外径よりも若干大きく設定されており、貫通孔B1に電極端子26を貫通させた状態で図示しないナットを締め込むことで、電極端子26と接続バスバBとが電気的に接続されるようになっている。
【0023】
左右に隣り合う蓄電ブロック30の最後部に配された蓄電素子22は、異なる極性の電極端子26が互いに隣り合うように(つまり、左側の蓄電素子22の負極端子26Nと、右側の蓄電素子22の正極端子26Pとが互いに隣り合うように)構成されており、隣り合う電極端子26がブロック間接続バスバBBによって接続されることで、第1蓄電素子群20の全ての蓄電素子22が直列に接続されている。なお、ブロック間接続バスバBBは、接続バスバBよりも接続方向である左右方向にやや長めに形成されているものの、その他の構成は、接続バスバBと同様であるため、説明を省略する。
【0024】
また、第1蓄電素子群20の全ての蓄電素子22が直列に接続されると、左側の蓄電ブロック30の最前部に配置された蓄電素子22の左側の電極端子26が第1蓄電素子群20の正極の出力端子である第1正極外部端子28Pとして構成され、右側の蓄電ブロック30の最前部に配置された蓄電素子22の右側の電極端子26が第1蓄電素子群20の負極の出力端子である第1負極外部端子28Nとして構成される。
すなわち、第1蓄電素子群20は、一対の第1外部端子28を有し、一対の第1外部端子28のうち第1正極外部端子28Pが、第1蓄電素子群20の前側端縁における左側の端部に設置され、第1負極外部端子28Nが第1蓄電素子群20の前側端縁において左側の端部とは反対側の右側の端部に設置されている。
【0025】
一方、第2蓄電素子群40は、第1蓄電素子群20と同様に、蓄電素子22を前後方向に複数個並べた蓄電ブロック50を左右に2列に並べて構成されている。なお、図示省略しているが、第2蓄電素子群40も第1蓄電素子群20と同様に、左右に2列に並んだ蓄電ブロック50は、例えば、金属製のフレームやトレイなどに設置固定されることで並び状態が保持されている。
【0026】
各蓄電ブロック50は、前後に隣り合う2つの蓄電素子22において、異なる極性の電極端子26が互いに隣り合うように(つまり、1つの蓄電素子22の正極端子26Pと、これと隣接する他の蓄電素子22の負極端子26Nとが互いに隣り合うように)前後方向に一列に並べられた状態で構成されている。そして、前後に隣り合う蓄電素子22の正極端子26Pと負極端子26Nとを接続する接続バスバBによって、各蓄電ブロック50の複数の蓄電素子22が、直列に接続されている。
【0027】
左右に隣り合う蓄電ブロック50の最前部に配された蓄電素子22は、異なる極性の電極端子26が互いに隣り合うように(つまり、左側の蓄電素子22の負極端子26Nと、右側の蓄電素子22の正極端子26Pとが互いに隣り合うように)構成されており、隣り合う電極端子26がブロック間接続バスバBBによって接続されることで、第2蓄電素子群40の全ての蓄電素子22が直列に接続されている。
【0028】
また、第2蓄電素子群40の全ての蓄電素子22が直列に接続されると、左側の蓄電ブロック50の最後部に位置する蓄電素子22の左側の電極端子26が第2蓄電素子群40の正極の出力端子である第2正極外部端子48Pとして構成され、右側の蓄電ブロック50の最後部に位置する蓄電素子22の右側の電極端子26が第2蓄電素子群40の負極の出力端子である第2負極外部端子48Nとして構成される。
【0029】
すなわち、第2蓄電素子群40は、一対の第2外部端子48を有し、一対の第2外部端子48のうち第2正極外部端子48Pが、第2蓄電素子群40の後側端縁における左側の端部に設置され、第2負極外部端子48Nが第2蓄電素子群40の後側端縁において左側の端部とは反対側の右側の端部に設置されている。
【0030】
さて、第2蓄電素子群40は、第1蓄電素子群20の前側に隣り合うように配置されており、第1蓄電素子群20の第1正極外部端子28Pおよび第1負極外部端子28Nが、第2蓄電素子群40の第2正極外部端子48Pおよび第2負極外部端子48Nと一対の総出力バスバ60によって接続されている。
【0031】
第2蓄電素子群40は、第2正極外部端子48Pが第1蓄電素子群20の第1正極外部端子28Pと前後方向に隣り合うように第1正極外部端子28Pの前側に配置され、第2負極外部端子48Nが第1蓄電素子群20の第1負極外部端子28Nと前後方向に隣り合うように第1負極外部端子28Nの前側に配置されている。
【0032】
総出力バスバ60は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することによって形成されている。総出力バスバ60は、
図1に示すように、前後方向に長い略矩形平板状をなしている。総出力バスバ60の前後の4箇所の角部は丸みを帯びており、総出力バスバ60の前後両端部には、円形状をなす一対の電極挿通孔62が上下方向に貫通して設けられている。
【0033】
一対の総出力バスバ60のうち、第1蓄電素子群20および第2蓄電素子群40の左側端部に配される総出力バスバ60は総正極バスバ60Pとされ、総正極バスバ60Pの一対の電極挿通孔62に第1正極外部端子28Pと第2正極外部端子48Pとを挿通し、図示しないナットを締め込むことで、第1正極外部端子28Pと第2正極外部端子48Pとが並列に接続されている。
【0034】
一方、一対の総出力バスバ60のうち、第1蓄電素子群20および第2蓄電素子群40の右側端部に配される総出力バスバ60は総負極バスバ60Nとされ、総負極バスバ60Nの一対の電極挿通孔62に第1負極外部端子28Nと第2負極外部端子48Nとを挿通し、図示しないナットを締め込むことで、第1負極外部端子28Nと第2負極外部端子48Nとが並列に接続されている。
【0035】
また、総出力バスバ60の左右方向の両側縁には、第1外部端子28と第2外部端子48とを接続する方向と交差する方向に延びる一対の接続部64が設けられている。
【0036】
総正極バスバ60Pの一対の接続部64は、一方が総負極バスバ60N側である右側に突出して設けられた正極側右接続部64P1とされ、他方が総負極バスバ60Nとは反対側である左側に突出して設けられた正極側左接続部64P2とされている。
【0037】
正極側右接続部64P1には、総負極バスバ60N上を通って電源装置10の右側外方に引き出される電線Wが接続されており、正極側左接続部64P2には、電源装置10の左側外方に引き出される電線Wが接続されている。
【0038】
一方、総負極バスバ60Nの一対の接続部64は、一方が総正極バスバ60P側である左側に突出して設けられた負極側左接続部64N1とされ、他方が総正極バスバ60Pとは反対側である右側に突出して設けられた負極側右接続部64N2とされている。
【0039】
負極側左接続部64N1には、総正極バスバ60P上を通って電源装置10の左側外方に引き出される電線Wが接続されており、負極側右接続部64N2には、電源装置10の右側外方に引き出される電線Wが接続されている。
【0040】
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、電源装置10の作用および効果について説明する。
【0041】
本実施形態における第1蓄電素子群20と、第2蓄電素子群40とは、前後方向に隣り合う配置とされており、第1蓄電素子群20の第1正極外部端子28Pと第2蓄電素子群40の第2正極外部端子48Pとが前後方向に隣り合うと共に、第1蓄電素子群20の第1負極外部端子28Nと第2蓄電素子群40の第2負極外部端子48Nとが前後方向に隣り合うように配置されている。
【0042】
そして、第1正極外部端子28Pと第2正極外部端子48Pとが総正極バスバ60Pによって並列に接続され、第1負極外部端子28Nと第2負極外部端子48Nとが総負極バスバ60Nによって並列に接続されている。
【0043】
すなわち、第1蓄電素子群20と第2蓄電素子群40とが電線を用いずに並列に接続されているから、例えば、対角状に外部端子が配された一対の蓄電素子群によって電源装置を構成し、各外部端子をハーネスや電線にて接続する場合に比べて、電源装置10においてハーネスや電線が増加することを抑制することができる。これにより、ハーネスや電線の増加による重量の増加を抑制することができると共に、ハーネスや電線の配索スペースを確保することに起因して電源装置10が大型化することを抑制することができる。
【0044】
また、第1正極外部端子28Pと第2正極外部端子48Pとを並列に接続する総正極バスバ60Pの位置と、第1負極外部端子28Nと第2負極外部端子48Nとを並列に接続する総負極バスバ60Nの位置は、第1蓄電素子群20および第2蓄電素子群40において互いに隣り合う側縁部の両側端部(左側端部と右側端部)に配置されている。
【0045】
つまり、各蓄電素子群20、40において蓄電素子22が直列に接続され、第1蓄電素子群20と第2蓄電素子群40とが並列に接続されることで総正極バスバ60Pと総負極バスバ60Nとの間の電圧差が大きくなる場合でも、第1蓄電素子群20と第2蓄電素子群40とが並列に接続された状態において、互いに極性が異なる総正極バスバ60Pと総負極バスバ60Nとを最も離れた位置に配置して絶縁距離を確保することができる。
【0046】
また、本実施形態によると、総正極バスバ60Pは、総負極バスバ60N上を通って電源装置10の右側外方に引き出される電線Wが接続される正極側右接続部64P1と、電源装置10の左側外方に引き出される電線Wが接続される正極側左接続部64P2とを有している。
一方、総負極バスバ60Nは、総正極バスバ60P上を通って電源装置10の左側外方に引き出される電線Wが接続される負極側左接続部64N1と、電源装置10の右側外方に引き出される電線Wが接続される負極側右接続部64N2とを有している。
【0047】
つまり、本実施形態によると、総正極バスバ60P側である左側と総負極バスバ60N側である右側の両側において第1蓄電素子群20および第2蓄電素子群40の電力を供給することができる。
【0048】
さらに、第1蓄電素子群20と第2蓄電素子群40との間には、正極側右接続部64P1から電源装置10の右側に引き出される電線Wと、負極側左接続部64N1から電源装置10の左側に引き出される電線Wのみが配されることになる。
したがって、例えば、第1蓄電素子群の一対の外部端子と第2蓄電素子群の一対の外部端子とをそれぞれ並列に接続する電線と、第1蓄電素子群と第2蓄電素子群とを並列に接続した後に電源装置の両側に電力を供給する複数の電線を別途配索する場合に比べて、電線の本数を削減することができ、電線の増加による重量の増加をさらに抑制することができると共に、電線の配索スペースの確保による電源装置の大型化をさらに抑制することができる。
【0049】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0050】
(1)上記実施形態では、蓄電素子22を前後方向に複数個並べて構成した蓄電ブロック30、50を左右に2列並べて第1蓄電素子群20および第2蓄電素子群40を構成した。しかしながら、これに限らず、蓄電素子を左右や前後に並べた蓄電ブロックを構成することで、蓄電ブロックを1つや4つ以上からなる蓄電素子群を構成してもよい。
【0051】
(2)上記実施形態では、第1蓄電素子群20の一対の第1外部端子28と、第2蓄電素子群40の一対の第2外部端子48とを並列に接続する構成とした。しかしながら、これに限らず、第1蓄電素子群の一対の第1外部端子と、第2蓄電素子群の一対の第2外部端子とを直列に接続する構成にしてもよい。
【0052】
(3)上記実施形態では、第1正極外部端子28Pと第2正極外部端子48Pとを総正極バスバ60Pによって接続する共に、第1負極外部端子28Nと第2負極外部端子48Nとを総負極バスバ60Nによって接続する構成とした。しかしながら、これに限らず、第1正極外部端子と第2正極外部端子との接続や第1負極外部端子と第2負極外部端子との接続を短尺な電線によって接続する構成にしてもよい。
【0053】
(4)上記実施形態では、各バスバB、BB、60に蓄電素子22の電極端子26を挿通してナットを締め込むことで各バスバB、BB、60と電極端子26を接続する構成とした。しかしながら、これに限らず、蓄電素子の電極端子に対して各バスバを超音波溶接やレーザ溶接によって接続する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10:電源装置
20:第1蓄電素子群
22:蓄電素子
28:第1外部端子
28N:第1負極体部端子
28P:第1正極外部端子
40:第2蓄電素子群
48:第2外部端子
48N:第2負極外部端子
48P:第2正極外部端子
60:総出力バスバ
60N:総負極バスバ
60P:総正極バスバ
64:接続部
64N1: 負極側左接続部
64N2: 負極側右接続部
64P1: 正極側右接続部
64P2: 正極側左接続部
W:電線