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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ペット乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A01K13/00 M
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021514263
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2019004326
(87)【国際公開番号】W WO2019225858
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-11-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0057847
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520453010
【氏名又は名称】ぺペ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PEPE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】F844ho,25,Misagangbyeonseo-ro Hanam-si Gyeonggi-do 12918,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ワン イル
(72)【発明者】
【氏名】イ、ボム ソク
(72)【発明者】
【氏名】シン、ゴン ホ
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226499(JP,A)
【文献】特開2015-57044(JP,A)
【文献】米国特許第4559903(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-1840655(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1680824(KR,B1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0472302(KR,Y1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0438376(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にドライルームを有する本体を含むペット乾燥装置であって、
本体の上部に備えられ、その内部には、外気およびドライルーム内部の内気を吸入して循環させる送風ファンが備えられるメインモジュールと、
メインモジュールの後端部に備えられ、その内側部には、送風ファンによる外気および内気が流入してドライルームに供給される後方チャンバーを有する背面板と、
メインモジュールの両側部に備えられ、その内側部には、背面板の後方チャンバーと連通して送風ファンによる外気および内気が流入してドライルームに供給される側方チャンバーを有する側面板と、
背面板および側面板の下部に備えられ、その内側部には、背面板の後方チャンバーと連通して送風ファンによる外気および内気が流入してドライルームに供給される底チャンバーを有する底板と、
メインモジュールの先端部に備えられる一方、ドライルームを開閉させるドアが回転可能に備えられている前面板と、を含み、
メインモジュールには、外気が流入する上面吸入口とドライルームと向い合ってドライルームの内気が流入する前面吸入口および流入した外気と内気が両側部に排出されてメインモジュールの内部に供給される排出口を有するフィルターハウジングが備えられ、
フィルターハウジングに挿入される一方、メインモジュール内に流入する外気と内気をすべて浄化して排出させる統合フィルターが備えられるペット乾燥装置。
【請求項2】
統合フィルターは、その内部が空の中空部材で備えられ、フィルターハウジングの上面吸入口と前面吸入口による外気と内気がその表面を通過しつつフィルタリングされ、その内部で外気と内気が混合されつつ内周面と接して再びフィルタリングされて排出されるように備えられる請求項1に記載のペット乾燥装置。
【請求項3】
前面板とドアとの間および側面板には、ドライルームを換気させる一方、乾燥時にドライルーム内部に陰圧形成のための通気口と換気口がそれぞれ備えられる請求項1に記載のペット乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット乾燥装置に関するものであって、より具体的には、ペットを乾燥させるためのドライルーム内部の全空間に乾燥風を均等に供給し、ペットを迅速かつ効率的に乾燥させるようにするペット乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、核家族化や単身世帯の増加による情緒的ニーズの増大などの様々な理由でペットについての需要が増えている。
【0003】
ペットの種類も伝統的な犬や猫だけでなく、その他の哺乳類はもちろん、爬虫類や両生類など、人々の好みによって非常に多様化しているが、いまだに最も主流となるものはやはり犬や猫のような哺乳類が占めている。
【0004】
ペットも人のように衛生と健康のために頻繁に入浴させなければならないが、哺乳類の場合は、通常、身体に多くの毛を持っているため、入浴自体も容易でない作業になるだけでなく、入浴後に濡れた毛を人間が直接時間と手間をかけて乾燥させなければならないため、ペットの管理において、かなりの煩わしさを抱かせている。
【0005】
ペットの毛を乾燥させるために使用される様々な方法のうち、最も一般的なものが人の毛髪の乾燥のために使用されるか、またはペット専用のヘアードライヤーを用いて熱風乾燥させるものである。
【0006】
ところが、ペットの場合、毛が濡れると、体を振って払落とそうとする習性があるため、乾燥中に頻繁に体を振って周辺に水と毛が飛び散ることになり、これにより作業者に不快感を抱かせ、乾燥後に掃除が必要となるため、煩わしさを加重させる。
【0007】
また、入浴に慣れる前やペットの習性によって、乾燥させている間ペットが体を動かし続けたり、他の場所に逃げようとする場合が多く、これを防止するためにペットを手で捕まえなければならないため、作業がより煩わしくなり、乾燥時間も長くかかる。
【0008】
そして、ヘアードライヤーで毛を乾燥する過程で毛が抜けて飛んだり、床に落ちるなどの非衛生的な短所もある。
【0009】
このような短所を改善するように、ペットの毛を自動で乾燥させるペット用乾燥機が開発され、このようなペット用乾燥機は、韓国公開特許第10-2015-0049810号(以下「先行技術文献1」という)で「ペット乾燥ルーム」として提案されたことがある。
【0010】
先行技術文献1には、折畳み式で構成された本体と、本体と分離される乾燥モジュールによって重さおよび体積を大幅に減らし、保管性および携帯性が良いというペット乾燥ルームが開示されている。
【0011】
しかし、先行技術文献1に開示されたペット乾燥ルームは、乾燥モジュールから提供される乾風(乾燥のための風)が一方向のみに噴射され、乾燥効率が低いという短所が内在している。
【0012】
そして、また他の従来技術は、韓国登録実用第20-0462906号(以下「先行技術文献2」という)で「ペット用乾燥装置」が提案されたことがあり、韓国登録実用第20-0471579号(以下「先行技術文献3」という)で「ペットの犬ドライ装置」が提案されたことがあり、韓国登録実用第20-0476748号(以下「先行技術文献4」という)で「ペット乾燥装置」が提案されたことがある。
【0013】
ところが、先行技術文献2では、乾風(温風)が乾燥対象の下部にのみ噴射され、先行技術文献3でも乾燥対象の一側にのみ乾風が噴射され、先行技術文献4でも乾燥対象の一側方向にのみ乾風が噴射されてペットの乾燥効率が低いという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0049810号
【文献】韓国登録実用第20-0462906号
【文献】韓国登録実用第20-0471579号
【文献】韓国登録実用第20-0476748号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は、ペットを乾燥させるためのペット乾燥装置のドライルーム内部の全空間に乾燥風を均等に供給し、ペットの濡れた毛および肌を迅速かつ効率的に乾燥させるようにするペット乾燥装置を提供することにその目的がある。
【0016】
そして、本発明のまた他の目的は、ドライルーム内部の空気を循環させてドライルーム内部に再供給することにより、ドライルーム内部に陰圧を形成してペットの毛が外部に流出することを防止できるようにするペット乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述の目的を達成するための本発明によるペット乾燥装置は、内部にドライルームを有する本体を含むペット乾燥装置であって、本体の上部に備えられ、その内部には、外気およびドライルーム内部の内気を吸入して循環させる送風ファンが備えられるメインモジュールと、メインモジュールの後端部に備えられ、その内側部には、送風ファンによる外気および内気が流入してドライルームに供給される後方チャンバーを有する背面板と、メインモジュールの両側部に備えられ、その内側部には、背面板の後方チャンバーと連通して送風ファンによる外気および内気が流入してドライルームに供給される側方チャンバーを有する側面板と、背面板および側面板の下部に備えられ、その内側部には、背面板の後方チャンバーと連通して送風ファンによる外気および内気が流入してドライルームに供給される底チャンバーを有する底板と、メインモジュールの先端部に備えられる一方、ドライルームを開閉させるドアが回転可能に備えられている前面板と、を含み得る。
【0018】
そして、メインモジュールには、外気が流入する上面吸入口とドライルームと向い合ってドライルームの内気が流入する前面吸入口および流入した外気と内気が両側部に排出されてメインモジュールの内部に供給される排出口を有するフィルターハウジングが備えられ、フィルターハウジングに挿入される一方、メインモジュール内に流入する外気と内気をすべて浄化し、内、外気用浄化フィルターを1つに一元化してフィルターハウジングの外側で一度に交換できるようにする統合フィルターが備えられ得る。
【0019】
さらに、統合フィルターは、その内部が空の中空部材で備えられ、フィルターハウジングの上面吸入口と前面吸入口による外気と内気がその表面を通過しつつフィルタリングされ、その内部で外気と内気が混合されつつ内周面と接して再びフィルタリングされて排出されるように備えられ得る。
【0020】
また、前面板とドアとの間および側面板には、ドライルームを換気させる一方、乾燥時にドライルーム内部に陰圧形成のための通気口と換気口がそれぞれ備えられ得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明のペット乾燥装置によると、ペット乾燥装置のドライルームの全内側面から乾燥風が均等に供給されることにより、ドライルーム内でペットの濡れた毛および肌を迅速かつ効率的に乾燥させ得る長所がある。
【0022】
そして、本発明によると、ドライルーム内部の空気は、送風ファンによって統合フィルターに排出されて浄化された後、再びドライルームに再供給される循環によってドライルーム内部には陰圧が形成されることにより、乾燥過程でペットの毛が飛んでドライルーム内部から外部に流出することを事前に防止できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明によるペット乾燥装置の外形を示した構成図である。
図2】本発明によるペット乾燥装置の分解図である。
図3】本発明によるペット乾燥装置に備えられるメインモジュールと背面板の分離図である。
図4】本発明によるペット乾燥装置に供給される外気の流れを示した図面である。
図5】本発明によるペット乾燥装置のドライルームに供給される空気の流れを示した結合断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して具体的に説明する。
本発明で使用される用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例によって変わり得るため、これらの用語についての定義は、本発明の技術的事項に符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【0025】
そして、本発明で使用される用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるものであって、本発明の構成要素が前記用語によって制限されるものではない。
【0026】
本発明において、「上に形成」および「側面に形成」などは、当該構成要素が直接接して積層形成されることだけを意味するものではなく、当該構成要素の間に他の構成要素がさらに形成されている意味を含む。例えば、「上に形成される」というのは、第1構成要素に第2構成要素が直接接して形成される意味は勿論、第1構成要素と第2構成要素との間に第3構成要素がさらに形成され得る意味を含む。
【0027】
添付図面の図1ないし図5は、本発明によるペット乾燥装置を示す図面である。
【0028】
本発明によるペット乾燥装置は、図1ないし図3に示すように、内部にペットが収容されて乾燥されるドライルーム700が提供されるボックスタイプの本体100を含む。
【0029】
このような本体100は、上面のメインモジュール200と、両側の側面板300と、背面板400、底板500、前面板600および前面板600に備えられるドア610を含み、六面体のボックス形状に形成される。
【0030】
これにより、メインモジュール200と底板500、背面板400、両側面板300、前面板600およびドア610によって区画される本体100の内部空間は、ペットが収容されて乾燥されるドライルーム700として提供される。
【0031】
特に、メインモジュール200は、図2および図3に示すように、本体100の上面に結合されて備えられるハウジング210を含み、ハウジング210には、ペット乾燥装置を作動させるための各種制御装置が搭載されて備えられる。
【0032】
このようなメインモジュール200のハウジング210に搭載される制御装置には、コントローラー230が備えられ、コントローラー230は、ハウジング210の前面部(ドア610が備えられる側の部位)に備えられ、使用者がペット乾燥装置を容易に制御できるようにする。
【0033】
そして、メインモジュール200のハウジング210の内部には、コントローラー230によって制御され、ドライルーム700内に乾燥風(外気および内気)を循環させる送風ファン240が備えられ、このような送風ファン240によって外部空気(外気)は、メインモジュール200のハウジング210内に吸入され、本体100内部の空気(内気)は、循環移送されて本体100の内部に再供給される。このような送風ファン240は、シロッコファンで備えられることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0034】
一方、前記のような送風ファン240による空気の移送経路上には、本体100の内部に熱風を供給するためのヒーター250が備えられ、これらのヒーター250は、外気と内気の混合空気すなわち、乾燥風が吐出される送風ファン240の吐出部に備えられることが最も好ましく、ヒーター250もコントローラー230によって制御される。
【0035】
また、メインモジュール200のハウジング210の上面には、送風ファン240による外気が吸入される吸入口211が形成され、ハウジング210の下面には、送風ファン240による混合空気が排出される排出口212が形成される。
【0036】
そして、吸入口211の下部のハウジング210内には、外気が流入されながら外気中の異物をフィルタリングする統合フィルター220が備えられ、排出口212には、送風ファン240の吐出部が貫通した状態に固定されて備えられ得る。
【0037】
このような統合フィルター220は、吸入口211の下部のハウジング210内に備えられる内部が空の三角形状のフィルターハウジング221内に挿入されて回転不可能な状態で備えられる。
【0038】
一方、前記のようなフィルターハウジング221は、メインモジュール200の吸入口211に流入する外気がすぐに吸入されるように開口された上面吸入口221aと、ドライルーム700と向い合ってドライルーム700内の内気が流入する前面吸入口221bと、流入した外気と内気がその両側部に排出されるように開口された排出口221cと、を含む。
【0039】
このとき、フィルターハウジング221の上面吸入口221aと排出口221cは、完全に開口された形態を取るが、ドライルーム700と向い合う前面吸入口221bは、グリル構造に開口されるように形成することが好ましい。これは、ドライルーム700から内気と一緒に排出され得るペットの毛をグリル構造として漉すようにしたものである。
【0040】
一方、統合フィルター220は、前記のようなフィルターハウジング221の内部に挿入されて固定された状態でフィルターハウジング221に流入する外気と内気を一度にすべて浄化させて送風ファン240に供給されるようにする。
【0041】
すなわち、統合フィルター220は、フィルターハウジング221に対応する外形を有し、その両側端部が開口された中空部材に形成されるが、統合フィルター220は、フィルターハウジング221の上面吸入口221aに流入する外気が通過しつつフィルタリングされる上面部220aと、フィルターハウジング221の前面吸入口221bに流入するドライルーム700内の内気が通過しつつフィルタリングされる前面部220bと、上面部220aと前面部220bを通過しつつフィルタリングされた外気および内気がその内部で混合されつつ接して再びフィルタリングされる内周面220cと、を含み得る。
【0042】
これにより、統合フィルター220の上面部220aと前面部220bを介してフィルターハウジング221に流入する外気と内気がすべて浄化されるため、従来の別にそれぞれ備えられた外気用浄化フィルターと内気用浄化フィルターを1つのフィルターとして一元化し得、統合フィルター220の汚染時に、フィルターハウジング221の外側で統合フィルター220を一度に容易に交換できる長所がある。
【0043】
前記のように、統合フィルター220からフィルタリングされた外気と内気の混合空気は、フィルターハウジング221の開口された両側排出口221cを介して排出されて送風ファン240に供給される。
【0044】
したがって、送風ファン240の吸入力によってメインモジュール200の吸入口211に吸入された外気は、フィルターハウジング221の上面吸入口221aに吸入され、統合フィルター220の上面部220aを通過しつつ1次フィルタリングされ、ドライルーム700内の内気は、フィルターハウジング221の前面吸入口221bに吸入され、統合フィルター220の前面部220bを通過しつつ1次フィルタリングされ、このように1次フィルタリングされた外気と内気は、統合フィルター220の内部で混合されつつ、統合フィルター220の内周面と接触して2次フィルタリングされた後に、フィルターハウジング221の両側排出口221cを介して排出されて送風ファン240に供給される。
【0045】
一方、フィルターハウジング221の両側排出口221cを介して排出された混合空気は、シロッコファンからなる送風ファン240の構造的特性上、送風ファン240の両側吸入口に迅速に吸入できるため、送風ファン240による空気(乾燥風)の流れを迅速に維持し得るようになる。
【0046】
そして、送風ファン240に流入した内、外気の混合空気は、ヒーター250を介して加熱されると、本体100のドライルーム700に熱風で供給され得、加熱されない場合は、本体100のドライルーム700に乾風で供給され得る。
【0047】
すなわち、このような乾風または熱風は、ドライルーム700を成す背面板400の後方チャンバー410内に供給され、背面板400の後方チャンバー410に供給された乾燥風のうち、一部は、ドライルーム700に直接供給され、残りは、側面板300の側方チャンバー310と底板500の底チャンバー510に流入した後に、それぞれ側面と底面を介してドライルーム700内に供給される。
【0048】
そして、背面板400は、メインモジュール200のハウジング210の後端部に備えられてドライルーム700の背面を構成する部分であって、ドライルーム700を向いた内側部には、送風ファン240による外気と内気の混合空気が流入する後方チャンバー410が形成される。
【0049】
後方チャンバー410は、その上面部に送風ファン240から吐出された乾燥風(混合空気)が供給される流入口411が形成され、ドライルーム700を向いた前面部には、ドライルーム700内に混合空気(乾燥風)を直接噴射して供給する多数の噴射口413が備えられ、その両側部と前面下部には、それぞれ後述される側方チャンバー310と底チャンバー510に混合空気を供給するための排出口412がそれぞれ形成される。
【0050】
したがって、後方チャンバー410の流入口411に流入した一部の混合空気は、噴射口413を介して乾燥風でドライルーム700の背面に直接供給されてペットの顔や背中部位を乾燥させ得、残りの混合空気は、各排出口413を介して側方チャンバー310と底チャンバー510にそれぞれ排出されて供給される。
【0051】
また、側面板300は、メインモジュール200のハウジング210の両側部にそれぞれ備えられてドライルーム700の両側面を構成する部分として、ドライルーム700を向いた内側部には、後方チャンバー410による混合空気が流入する側方チャンバー310が備えられる。
【0052】
側方チャンバー310は、その後端部に後方チャンバー410の排出口412と連通する流入口311が形成され、ドライルーム700を向いた内側面部には、ドライルーム700内に混合空気を噴射する多数の噴射口312が備えられ、噴射口312下部の外側面部には、普段のドライルーム700の換気と乾燥時のドライルーム700の陰圧形成のための換気口330が別に備えられ得、このような換気口330によるドライルーム700の陰圧形成については、後述される通気口620でともに説明する。
【0053】
これにより、側方チャンバー310は、流入口311を介して後方チャンバー410から排出された混合空気が流入し、流入したすべての混合空気は、噴射口312を介して乾燥風でドライルーム700の両側面に噴射され、ペットの胴の両側部を乾燥させ得るようになる。
【0054】
一方、このような側方チャンバー310の内側面部には、後述されるドア610のベアリングホイール612、613が結合されて案内されるレール溝320がさらに備えられ得、このようなレール溝320は、下部から上部に行くほどドライルーム700の内部に傾くように形成される縦部と、縦部の上端部からドライルーム700の内部に延長され、ドライルーム700の内部に行くほど下方に傾くように形成される横部を含む。このようなレール溝320は、後述されるドア610を開閉させるとき、ドア610の回転をスムーズに誘導できるようになる。
【0055】
底板500は、ドライルーム700の底面を構成する部分であって、背面板400と両側面板300および後述される前面板600の下端部に結合されて備えられる。
【0056】
このような底板500は、ドライルーム700を向いた内側部に多数の底チャンバー510が互いに連通するように備えられる。
【0057】
このような底チャンバー510は、その後端部に後方チャンバー410の排出口412と連通する流入口511が形成され、ドライルーム700を向いた内側面部には、ドライルーム700内に混合空気を噴射する多数の噴射口512が備えられる。
【0058】
そして、多数の底チャンバー510の上には、ペットが上に立てるパッド520が脱着可能に備えられ、パッド520には、多数の通孔が形成されており、底チャンバー510の噴射口512から噴射された混合空気がドライルーム700の底面に供給され、ペットの胴の下部、すなわち腹部位を乾燥させ得ることになる。
【0059】
このとき、パッド520は、ペットが滑ることを最小化できる摩擦力に優れたゴム材質で備えられることが好ましい。
【0060】
前面板600は、両側面板300と底板500の前面に結合されてドライルーム700の前面を構成する部分であり、その中央部には、ドア610が設置できる貫通した出入口が設けられる。
【0061】
このような前面板600の出入口に設置されるドア610は、その両側端部にヒンジブラケット611がそれぞれ備えられ、ヒンジブラケット611の上、下部には、互いに異なる長さに突出するベアリングホイール612、613が回転可能に備えられる。
【0062】
このようなドア610両側のベアリングホイール612、613は、両側面板300のレール溝320にそれぞれ結合されて備えられるが、ドア610が閉まっている状態では、上部のベアリングホイール612は、レール溝320の横部に位置して備えられ、下部のベアリングホイール613は、レール溝320の縦部に位置して備えられ、ドア610が開いている状態では、上、下部のベアリングホイール612、613の両方がレール溝320の横部に位置して備えられる。
【0063】
このとき、各ベアリングホイール612、613は、傾斜したレール溝320の横部と縦部でそれぞれ転がりながらドア610の円滑な回転を誘導でき、ドア610が開いている状態では、上、下のベアリングホイール612、613の両方がレール溝320の横部に位置するため、ドア610の自重によって開放された状態を強固に維持し得ることになる。
【0064】
一方、前記のように、ドア610が前面板600の出入口が挿入された状態で、その両側部がヒンジブラケット611と複数のベアリングホイール612、613によって側面板300のレール溝320にそれぞれヒンジ結合されることにより、ドア610を前面板600に直接結合しなくても、ドア610を前面板600強固に設置し得ることになる。
【0065】
そして、これらのドア610と前面板600との間には、ドライルーム700に入っているペットの窒息死を予防するための通気口620が形成され得、このような通気口620は、ドア610と前面板600との間の全周に沿って形成されてドライルーム700を十分に換気させるようにすることが好ましい。
【0066】
さらに、前記のような通気口620は、普段、すなわち送風ファン240が作動しない非乾燥時には、ドライルーム700を換気させることになり、送風ファン240の作動による乾燥時には、前述した側面板300の換気口330とともにドライルーム700の内部に陰圧を形成することになる。
【0067】
すなわち、前記のように、ドライルーム700を形成するメインモジュール200のハウジング210と、背面板400の後方チャンバー410、両側面板300の側方チャンバー310、底板500の底チャンバー510、前面板600とドア610との間の通気口620、換気口330がすべて連通しているため、ペットの乾燥時に送風ファン240が作動すると、ドライルーム700内には、送風ファン240による吸入力が作用してドライルーム700の内気は、送風ファン240とドライルーム700を循環するようになり、通気口620と換気口330によってドライルーム700には、持続的に外気が吸入されて流入するため、ドライルーム700の内部は、陰圧が形成されて維持される。
【0068】
したがって、ドライルーム700の陰圧形成による乾燥時に、ドライルーム700から発生するペットの毛の外部流出を防止できるようになる。
【0069】
また、前記のようなドア610には、ドライルーム700内で乾燥されるペットを肉眼で直接観察できるようにする確認窓614が備えられ得る。
【0070】
以上のような本発明によるペット乾燥装置は、送風ファン240が作動すると、図4のように、外気(内部が空の矢印)がメインモジュール200の吸入口211を介して流入し、ドライルーム700内部の内気(内部がハッチングされた矢印)は、フィルターハウジング221の前面吸入口221bを介してフィルターハウジング221内に流入する。
【0071】
このように流入した外気と内気は、それぞれフィルターハウジング221の内部に備えられた統合フィルター220の上面部220aと前面部220bを介して1次フィルタリングされ、統合フィルター220の内部で外気と内気が混合流動しながら、統合フィルター220の内周面220cと接触して2次フィルタリングされた後に、フィルターハウジング221の両側排出口221cを介して排出されて送風ファン240に供給される。
【0072】
送風ファン240に供給された外気と内気の混合空気(内部が黒色で満たされた矢印)は、図5のように、送風ファン240から吐出されながら、ヒーター250によって加熱されると熱風で、未加熱では乾風で背面板400の後方チャンバー410に供給される。
【0073】
後方チャンバー410に供給された一部の混合空気は、後方チャンバー410の噴射口413を介してドライルーム700内に噴射されてペットの顔や背中部位を乾燥させることになり、残りの混合空気は、側面板300の側方チャンバー310と底板500の底チャンバー510に供給される。
【0074】
側方チャンバー310と底チャンバー510に供給された混合空気は、側方チャンバー310および底チャンバー510の各噴射口312、512を介してすべてドライルーム700内に噴射され、ペットの胴のわき腹部位や腹部位を乾燥させることになる。
【0075】
さらに、送風ファン240の作動時には、図4のように、前面板600とドア610との間の通気口620に新鮮な外気が強制吸入されてドライルーム700の内部に供給されることにより、乾燥している間に快適さを維持し得ることになる。
【0076】
したがって、ペットの乾燥時に図5のように、送風ファン240の作動による吸入力がドライルーム700に作用してドライルーム700内部の内気が吸い出て循環され、通気口620と換気口330を介して外気が持続的にドライルーム700に流入するため、ドライルーム700では、陰圧が維持されて乾燥時に発生するペットの毛の外部流出を防止できる。
【0077】
そして、乾燥後にドライルーム700にペットが残っていても、ドア610と前面板600との間の通気口620によって十分な換気ができるため、ペットの窒息死を予防し得る。
【0078】
以上、本発明を具体的な実施例によって詳しく説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであって、本発明は、これに限定されず、本発明の技術的思想内で当分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0079】
本発明の単純な変形ないし変更は、すべて本発明の範疇に属するものであって、本発明の具体的な保護の範囲は、添付された特許請求の範囲によって明確になるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5