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  • -おりんによる情報伝達システム 図1
  • -おりんによる情報伝達システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】おりんによる情報伝達システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20220114BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220114BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220114BHJP
   G10K 1/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G08B25/04 K
H04M11/00 301
G08B25/10 B
G10K1/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017221428
(22)【出願日】2017-11-17
(65)【公開番号】P2019091364
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
(72)【発明者】
【氏名】小川 博教
(72)【発明者】
【氏名】尾作 慶一
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン アレクサンダー エリック ショットン
(72)【発明者】
【氏名】水落 大
(72)【発明者】
【氏名】大村 美央
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-176058(JP,A)
【文献】特開2005-196812(JP,A)
【文献】特開平07-303284(JP,A)
【文献】特開2014-104232(JP,A)
【文献】特開平09-130502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G33/00-35/00
G08B23/00-31/00
G10K1/00-7/06
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
おりんと、前記おりんの操作手段と、前記おりんの操作を検知する手段と、
前記検知する手段にて得られた前記おりんの操作情報の解析手段と、
前記解析手段に得られた解析情報の送信手段と、
前記送信手段にて送信された解析情報の受信手段とを、有していることを特徴とするおりんによる情報伝達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おりんをIoTデバイスとして用いた情報伝達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のいわゆる見守りシステムといわれるものは、例えば特許文献1に開示されているように、見守り対象となる例えば高齢者の動作を検知し、近親者等の支援者に情報を送信するものである。
これでは、高齢者にとっては、いつも監視されているといった不快感が生じる課題がある。
特許文献2には、信仰心が厚いとされるお年寄りのために、仏壇あるいは祭壇の近辺に情報端末を設置し、お寺の住職や神社の神官らとをインターネット回線を通してつなぐ技術が提案されている。
しかし、お年寄りが情報端末を操作するのは不慣れな場合が多く、実用的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-99683号公報
【文献】特開2007-18024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の見守りシステム等により監視されていることや一方向の情報伝達によりコミュニケーションの非対称性への不快感がなく、情報端末の操作や使用する環境の整備や設定にの複雑さや難しさを低減する目的で本発明は、IoTデバイスにおりんを用いることで、おりんを操作する積極的な行動や、他の人の操作によりおりんが鳴る情報に基づいて、相互に情報通信可能な情報伝達システムの提供を行う。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報伝達システムは、IoTデバイスにおりんを用いた点に特徴がある。
そこで、おりんと、前記おりんの操作を検知する手段及び通信手段を備え、前記通信手段にておりんの操作を検知した情報を送信することを特徴とする。
この場合に、おりんが複数のおりんで構成されており、それぞれのおりんを区別しておりんが操作されたことを検知することができるのがよい。
この場合に、おりんの鳴る音の周波数の解析手段を設けて、誤作動を防止してもよい。
また、おりんと、前記おりんを操作する手段及び通信手段を備え、前記通信手段にておりんを操作することを特徴とする。
この場合も、前記おりんが複数のおりんで構成されており、前記それぞれのおりんを連動させて相互に制御することができるのがよい。
具体的には、複数のおりんで構成され、第1のおりんと、前記第1のおりんの操作を検知する手段及び前記第1のおりんを操作する手段と、他の第2のおりんと、前記第2のおりんの操作を検知する手段及び前記第2のおりんを操作する手段とを備え、前記第1のおりんと他の第2のおりんとは通信手段にて相互に接続されていることを特徴とする。
これにより、第1のおりんを操作すると、第2のおりんにそれが送信され、また第2のおりんを操作することで、第1のおりんに情報を伝達することができる。
【0006】
ここで第1のおりんとは、例えば高齢者側等の一方の操作者のおりんをいい、他の第2のおりんとは、例えば高齢者を支援する側の他方の操作者のおりんをいう。
また、第1のおりんと第2のおりんとの関係は、必ずしも見守り用ではなく、相互に情報伝達する者同士の関係であってもよく、対象に限定はない。
第2のおりんは、第1のおりんとの操作者が相違する意味であって、複数のおりんが相互にネットワークにて接続されていてもよい。
【0007】
本発明にておりんを操作するとは、情報の発信者において、おりんを鳴らすりん棒、あるいは電気的に打りんする電子打りん装置であってもよい。
これに対して、受信側のおりんの操作は、電気信号を受けて打りんする電子打りん装置等になる。
本発明において、おりんの操作を検知する手段は、例えばおりんを鳴らす音や、その動作そのものを電気信号に変換するセンサー等をいう。
これらの電気信号は、インターネット等を経由して、クラウド上のサーバーと直接通信するものや、携帯電話等の基地局を介してサーバーと通信接続してもよい。
費用を抑え、より多くのおりんとの接続が容易な点では、Wi-Fi,Bluetooth(登録商標),920MHz帯無線,ZigBee等のIoTゲートウェイを介するのが好ましい。
また、さらにルーターを用いてネットワークを構築してもよい。
なお、比較的狭いエリアにおいては、IoTゲートウェイ間での相互通信も可能である。
また、無線通信によるネットワークに限定するものでもない。
【0008】
本発明においては、第1のおりん又は/及び他の第2のおりんを遠隔操作できる遠隔操作手段を有していてもよい。
ここで、遠隔操作手段とは、モバイル通信端末やウエアラブル通信端末が好ましく、いわゆるスマートフォンやタブレット端末、スマートウォッチが例として挙げられる。
通信端末には、各種アプリケーションソフト(アプリ)を組み込むことができる。
例えば、第1のおりんの操作状況をアプリを介して閲覧することができる。
また、アプリを操作することで、第2のおりんから第1のおりんに情報を流すこともできる。
【0009】
本発明においては、第1のおりんと第2のおりんとは前記相互の通信手段を介して、相互に情報伝達が可能な情報伝達手段を有しているのが好ましい。
例えば、アプリとして第2のおりんを鳴らす時間を設定したり、おりんの鳴らす回数やその強さを組み合せて、各水準を定めることで、各水準の有する情報内容と対応させることもできる。
例えば、第1のおりんを1回鳴らすと、健康である。
2回鳴らすと、外出する。
3回鳴らすと、支援者に応援を依頼する。
また、一定の時間操作ボタンを長く押し続けると、めざまし時計として作用し、所定の時間経過後に第1のおりんが自動的に鳴る。
このように、各種情報と組み合せることができ、この情報を第1のおりんと第2のおりんとで相互に情報伝達することもできる。
また、通常よりも強くなったり弱くなったりする場合に、その変化をデータとしてとらえ、解析することで、異常の有無を検知することができる。
また、第1のおりんと第2のおりんが、対又はグループの情報を有し、その他の対又はグループのおりんとは独立して相互通信を行うこともできる。
このようにすると、音を出せない人や音を出せない状態でも情報伝達できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るおりんによる情報伝達システムは、おりんを操作する(人の)積極的な行動を介して、他のおりんにその情報を伝達することができるので、従来の一方的な見守りや、パソコン操作が必要なシステムと比較して、操作が簡単でおりんの澄み切った音色によるので、心地よい情報伝達システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る情報伝達システムの構成例を示し、(a)は第1のおりん側、(b)は第2のおりん側を示す。
図2】おりんの内部に制御部を設けた例を示す。
図3】(a)は基地局を介してネットワークを形成した例を示し、(b)はIoTゲートウェイを介してネットワークを形成した例を示す。
図4】複数のおりんをIoTゲートウェイを介してネットワークを形成した例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るおりんによる情報伝達システムの構成例を、以下図に基づいて説明する。
図1は、第1のおりん1Aと第2のおりん1Bと、2つのおりんをネットワークにて接続した例を示すが、おりんの数に制限がなく、多くのおりんをネットワークを介して接続することができる。
図1に示したおりんの形状は、お椀を逆さにしたような例を示すが、上部が開口したお椀型のおりん等、おりんそのものには制限がない。
図1(a)に示すように、例えば高齢者側の第1のおりん1Aは、おりんを叩くりん棒2を備える。
制御部3は、おりんを打りんするための電子打りん装置4と、おりんが鳴ったことを検知するセンサー6、基地局11やゲートウェイ12との送受信機5を備えている。
制御部3は、図1に示すようにおりんの外側でも、図2に示すようにおりんの内部に設けてもよい。
このおりんは、ベース部1bの上にりん本体部1aを有している。
ネットワークの構築方法としては、図3(a)に示すように基地局11を介してサーバー、あるいはクラウド上のサーバーとネットワークを形成してもよく、図4に示すように各種無線方式のゲートウェイ12を介して、ネットワークを構築してもよい。
図3(b)は、それらを組み合せた例を示す。
【0013】
図1(a)に示すように、第1のおりん1Aをりん棒2にて打ち鳴らすと、ネットワークを介して図1(b)に示すように、第2のおりん1Bが鳴るようになっている。
また、逆に第2のおりん1Bを打ち鳴らすと、第1のおりん1Aが鳴るようになっており、おりんを介して相互に情報伝達が可能である。
また、ネットワークは、例えばスマートフォン,タブレット等の通信端末13とつながっている。
これにより、第1のおりん1Aの操作状況をアプリを介して知ることができ、第2のおりん1Bの打りん操作も可能である。
【符号の説明】
【0014】
1A 第1のおりん
1B 第2のおりん
2 りん棒
3 制御部
4 電子打りん装置
5 送受信機
6 センサー
11 基地局
12 ゲートウェイ
13 通信端末
図1
図2
図3
図4