(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】風呂蓋の支持装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A47K3/00 B
(21)【出願番号】P 2018217352
(22)【出願日】2018-11-20
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591037063
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100073483
【氏名又は名称】八鍬 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100164286
【氏名又は名称】中里 卓夫
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】落合 辰雄
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-322754(JP,A)
【文献】特開2004-237065(JP,A)
【文献】特開2008-80022(JP,A)
【文献】特開2006-263389(JP,A)
【文献】特開2014-147405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の壁面に固定され、複数に分割された分割風呂蓋の下側を支持する下側支持部と、前記下側支持部の上方における前記壁面に固定され、前記分割風呂蓋の上側を支持する上側支持部とを備え、前記分割風呂蓋を前記下側支持部と前記上側支持部とで支持して前記壁面に沿って支持する風呂蓋の支持装置であって、
前記下側支持部における前記分割風呂蓋を支持する支持面には、前記複数の分割風呂蓋のそれぞれに対応して、前記分割風呂蓋単体の底面よりも短い幅の平坦部、および前記平坦部から斜め上方へ傾く傾斜部が位置していることを特徴とする風呂蓋の支持装置。
【請求項2】
前記傾斜部は、前記平坦部に対して45°~55°の範囲内で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の風呂蓋の支持装置。
【請求項3】
前記支持面は、外側へ向けて階段状に高くなるように、複数の前記平坦部および前記傾斜部が位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂蓋の支持装置。
【請求項4】
前記上側支持部は、
下側支持部側に設けられた第1の磁気部と、前記第1の磁気部と対向するように設けられた第2の磁気部とが内面に設けられ、前記壁面に固定された有底筒状の本体部と、
前記第1の磁気部および前記第2の磁気部に磁着する第3の磁気部が内側に設けられ、前記本体部の開口端部を覆うカバー部と、を有し、
前記カバー部は、前記第3の磁気部が前記第1の磁気部に磁着し、前記分割風呂蓋を支持する支持位置と、前記第3の磁気部が前記第2の磁気部に磁着し、前記分割風呂蓋を離間する離間位置との間で、移動可能に前記本体部に取付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の風呂蓋の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の壁面に沿って、複数に分割された分割風呂蓋を支持する風呂蓋の支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽内の湯温の低下を防ぐなどのために浴槽の上面には風呂蓋が載置される。この風呂蓋は浴室内での取り扱いに便利なように複数枚に分割された分割風呂蓋(以下、「分割風呂蓋」と言う。)が一般的に普及している。この分割風呂蓋は入浴時などには不要となるもので、浴室内において邪魔にならないようにするため、浴室内の壁面(以下、「壁面」と言う。)に沿わせて保持させる風呂蓋の支持装置が提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、
図14で示すように、複数枚に分割された風呂蓋C単体を重ね合わせたうえで、その下端部を壁面Bに固定してある下支持体b2によって支持すると共に、その上端部を壁面Bの上方位置に固定してある上支持体a2によって支持する風呂蓋の支持装置A2が開示されている。
【0004】
この特許文献1に示された風呂蓋の支持装置A2においては、
図14で示すように、壁面Bに固定された下支持体b2および上支持体a2の各掛止部150、150’で、外側の風呂蓋Cの下縁および上縁を支持して、風呂蓋Cが前方へ転倒するのを抑止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で開示された下支持体b2の掛止部150’は、
図14で示すように、単に壁面Bに直交する方向へ延びる平坦面に過ぎないため、外側の風呂蓋Cを下支持体b2および上支持体a2から取り外す際に、外側の風呂蓋Cと内側の風呂蓋Cとの間で負圧が生じ、内側の風呂蓋Cが外側へ倒れるという重大な問題があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、複数の分割風呂蓋のそれぞれに対応して、分割風呂蓋単体の底面よりも短い幅の平坦部、および平坦部から斜め上方へ傾く傾斜部を位置させることで、各分割風呂蓋の下側外角部を傾斜部に当接させて、各分割風呂蓋に内側へ傾く力を作用させて、外側の分割風呂蓋を取り外す際に、内側の分割風呂蓋が倒れることを抑制することができる風呂蓋の支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、浴室の壁面に固定され、複数に分割された分割風呂蓋の下側を支持する下側支持部と、前記下側支持部の上方における前記壁面に固定され、前記分割風呂蓋の上側を支持する上側支持部とを備え、前記分割風呂蓋を前記下側支持部と前記上側支持部とで支持して前記壁面に沿って支持する風呂蓋の支持装置であって、前記下側支持部における前記分割風呂蓋を支持する支持面には、前記複数の分割風呂蓋のそれぞれに対応して、前記分割風呂蓋単体の底面よりも短い幅の平坦部、および前記平坦部から斜め上方へ傾く傾斜部が位置していることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複数の分割風呂蓋のそれぞれに対応して、分割風呂蓋単体の底面よりも短い幅の平坦部、および平坦部から斜め上方へ傾く傾斜部を位置させることで、各分割風呂蓋の下側外角部を傾斜部に当接させて、各分割風呂蓋に内側へ傾く力を作用させて、外側(反壁面側)の分割風呂蓋を取り外す際に、内側(壁面側)に位置する分割風呂蓋が倒れるのを有効に防ぐことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された風呂蓋の支持装置であって、前記傾斜部は、前記平坦部に対して45°~55°の範囲内で傾斜していることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、内側傾斜部および外側傾斜部が内側分割風呂蓋および外側分割風呂蓋の下側外角部に当接することで、内側分割風呂蓋および外側分割風呂蓋を内側すなわち壁面側へ倒す力を作用させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載された風呂蓋の支持装置であって、前記支持面は、外側へ向けて階段状に高くなるように、複数の前記平坦部および前記傾斜部が位置していることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、内側分割風呂蓋および外側分割風呂蓋の各上端を外側へ向けて高く位置させることで、外側分割風呂蓋の上端のみを簡単に把持して、外側分割風呂蓋を下側支持体から取外すことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された風呂蓋の支持装置であって、前記上側支持部は、下側支持部側に設けられた第1の磁気部と、前記第1の磁気部と対向するように設けられた第2の磁気部とが内面に設けられ、前記壁面に固定された有底筒状の本体部と、前記第1の磁気部および前記第2の磁気部に磁着する第3の磁気部が内側に設けられ、前記本体部の開口端部を覆うカバー部と、を有し、前記カバー部は、前記第3の磁気部が前記第1の磁気部に磁着し、前記分割風呂蓋を支持する支持位置と、前記第3の磁気部が前記第2の磁気部に磁着し、前記分割風呂蓋を離間する離間位置との間で、移動可能に前記本体部に取付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、カバー部が支持位置と離間位置へ切替った際に、カバー部における第3の磁気部が第1の磁気部および第2の磁気部に選択的に磁着することで、支持位置および離間位置間における切替えによる機械的な摩耗等を防ぎ、継続的に支持力を保持することでき、使い勝手の良好な風呂蓋の支持装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る風呂蓋支持装置は、前記した構成よりなるものであって、複数の分割風呂蓋のそれぞれに対応して、分割風呂蓋単体の底面よりも短い幅の平坦部、および平坦部から斜め上方へ傾く傾斜部を位置させることで、各分割風呂蓋の下側外角部を傾斜部に当接させて、各分割風呂蓋に内側へ傾く力を作用させて、外側(反壁面側)の分割風呂蓋を取り外す際に、内側(壁面側)に位置する分割風呂蓋が倒れるのを有効に防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第一実施例の風呂蓋の支持装置を浴室に設置した状態の概略図である。
【
図3】
図1の風呂蓋の支持装置の側面における要部拡大図である。
【
図7】
図1の上側支持体における本体部の斜視図である。
【
図8】
図1の上側支持体におけるカバー部の後方斜視図である。
【
図9】
図2の風呂蓋の支持装置におけるカバー部を離間位置へ移動した状態における概略図である。
【
図10】
図9の風呂蓋の支持装置における要部拡大図である。
【
図11】(A)は
図3の風呂蓋の支持装置のA部拡大図であり、(B)は外側分割風呂蓋を手前に倒した状態の概略図であり、(C)は外側分割風呂蓋を下側支持体から取外した状態の概略図である。
【
図12】
図2の風呂蓋の支持装置を用いて内側分割風呂蓋および外側分割風呂蓋を壁面に沿って固定する固定方法を示すフローチャートである。
【
図13】
図2の風呂蓋の支持装置から壁面に固定された内側分割風呂蓋および外側分割風呂蓋を取外す取外し方法を示すフローチャートである。
【
図14】従来例の風呂蓋の支持装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第一実施例)
以下、図面を参照して、本発明の第一実施例に係る風呂蓋の支持装置1について説明する。
【0019】
図1は第一実施例の風呂蓋の支持装置1を浴室に設置した状態の概略図であり、
図2は
図1の風呂蓋の支持装置1の概略図であり、
図3は
図1の風呂蓋の支持装置1の側面における要部拡大図であり、
図4は
図1の下側支持部2の斜視図であり、
図5は
図1の下側支持部2の後方斜視図であり、
図6は
図1の上側支持部3の斜視図であり、
図7は
図1の上側支持部3における本体部31の斜視図であり、
図8は
図1の上側支持部3におけるカバー部32の後方斜視図であり、
図9は
図2の風呂蓋の支持装置1におけるカバー部32を離間位置へ移動した状態における概略図であり、
図10は
図9の風呂蓋の支持装置1における要部拡大図である。
なお、上側支持部3における幅方向をX軸、上側支持部3における厚さ方向をY軸、上側支持部3における高さ方向をZ軸とする。
【0020】
図1および2で示すように、引用符号1は、本実施例の風呂蓋の支持装置である。内側分割風呂蓋(分割風呂蓋)11および外側分割風呂蓋(分割風呂蓋)12は、浴槽13の開口部13aを塞ぐ風呂蓋を浴槽13の長手方向に2分割したものであり、浴槽13内の水温を維持等するものである。
【0021】
図1乃至3で示すように、風呂蓋の支持装置1は、内側分割風呂蓋11、外側分割風呂蓋12と内側(壁面側)から順に重ねて、壁面15に沿って固定する。具体的には、風呂蓋の支持装置1を用いて、操作パネル14の上部の壁面15に沿って、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を固定する。
【0022】
図1および2で示すように、風呂蓋の支持装置1は、壁面15に固定され、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12のそれぞれにおける下側の両側部を支持する一対の下側支持部2と、一対の下側支持部2の略中央上部の壁面15に固定され、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の上側を支持する上側支持部3と、を備える。
【0023】
下側支持部2は、
図3乃至
図5で示す実施形態の場合は、壁面15に固定するためのフラットな面を形成してある取付部21Aと、この取付部21Aより嵩高に形成してある浴室側となる表面部27とを備えており、取付部21Aと表面部27の間には、階段状の段差を形成してある支持面22が設けられている。
【0024】
このフラットな面となっている前記取付部20Aには、
図5で示すようにボルトやビスなどの挿通部材(不図示)を挿通させるための下側挿通孔21を複数個形成されている。
【0025】
下側支持部2における内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を支持する支持面22は、
図3乃至
図5で示すように、外側(浴室側)へ向けて階段状に高くなるように形成されている。より具体的には、支持面22は、内側分割風呂蓋11に対応して、内側分割風呂蓋11の底面の幅よりも短い内側平坦部(平坦部)23および内側平坦部23から斜め上方へ傾く内側傾斜部(傾斜部)24が形成されており、外側分割風呂蓋12に対応して、外側分割風呂蓋12の底面の幅よりも短い外側平坦部(平坦部)25および外側平坦部25から斜め上方へ傾く外側傾斜部(傾斜部)26と、が形成されている。
【0026】
内側平坦部23および外側平坦部25は、
図3で示すように、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の底面の幅よりも短く形成されていることで、内側平坦部23および外側平坦部25に連続する内側傾斜部24および外側傾斜部26を内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の各下側外角部11a、12aに当接させることができる。
【0027】
ここで、内側傾斜部24および外側傾斜部26を、内側平坦部23および外側平坦部25に対して、45°~55°の範囲内の傾斜角度にすると良い。この傾斜角度の内側傾斜部24および外側傾斜部26に内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の各下側外角部11a、12aを当接させることで、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を内側(壁面側)へ倒す力を適切に作用させることができる。
【0028】
上側支持部3は、
図6乃至
図8で示すように、一方の面を開口とした有底筒状の本体部31と、この本体部31における先端開口部31aを覆い、本体部31に対して上下方向へスライド自在に取付けられた略板状のカバー部32とを有する。
【0029】
本体部31は、
図7で示すように、断面視上に凸のD字形状をしており、上側の側面が円弧状に形成されている。下側の内側面には、例えばマグネットなどからなる本体下側磁気部(第1の磁気部)31bが設けられており、上側の内側面には、本体下側磁気部31bと対向するように、例えばマグネットなどからなる本体上側磁気部(第2の磁気部)31cが設けられている。
【0030】
本体部31の底部は、
図7で示すように、壁面15に密着するようにフラットな面で構成されており、ボルトやビスなどの挿通部材(不図示)を挿通する上側挿通孔31dが複数形成されている。また、本体部31の先端開口部31aにおける両側部には、上下方向へ延びる一対の誘導突起31eが設けられている。
【0031】
カバー部32における内側両側部には、
図8で示すように、前記誘導突起31eを誘導する一対の誘導溝32aが形成されている。この誘導溝32aに誘導突起31eを係合させることで、カバー部32が本体部31に対して上下方向へ移動可能に取付けられている。
【0032】
カバー部32の内側における前記した本体上側磁気部31cおよび本体下側磁気部31bに挟まれる位置には、
図8で示すように、例えばマグネットなどからなるカバー側磁気部(第3の磁気部)32bが取付けられている。
【0033】
カバー側磁気部32bは、本体部31に対してカバー部32を上方へ移動させて、本体上側磁気部31cに磁着し、カバー部32が内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12から離間する離間位置(以下、「離間位置」と言う。)(
図9および10)と、本体部31に対してカバー部32を下方へ移動させて、本体下側磁気部31bに磁着し、カバー部32が内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を支持する支持位置(以下、「支持位置」と言う。)(
図2および3)と、の間で移動可能にカバー部32の開口端部に取付けられている。
【0034】
本実施例の風呂蓋の支持装置1は、カバー側磁気部32bを本体上側磁気部31cおよび本体下側磁気部31bに選択的に磁着させて、カバー部32の離間位置および支持位置を保持する構成のため、特許文献1の風呂蓋の支持装置A2の上支持体a2における掛止部150の係止構造(掛止部150を支軸に対して回動して風呂蓋Cを支持する構造)と異なり、カバー部32を離間位置から支持位置へ切替える際に係止構造部間での摩耗が生じることを低減することができる。
【0035】
すなわち、本実施例の風呂蓋の支持装置1は、特許文献1の風呂蓋の支持装置A2と異なり、本体上側磁気部31cおよび本体下側磁気部31bとカバー側磁気部32bを選択的に磁着して、カバー部32を離間位置および支持位置に保持することで、離間位置から支持位置へ切替える際に、特許文献1の掛止部150’の係止構造間の摩耗を防ぎ、カバー部32で内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を支持する支持力を継続的に保持することができる。
【0036】
次に、本実施例の風呂蓋の支持装置1を用いて内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を壁面15に固定する固定方法について説明する。初期条件として、一対の下側支持部2は、複数の下側挿通孔21に複数の挿通部材(不図示)を挿通して、壁面15に固定されており、カバー部32は、カバー側磁気部32bが本体上側磁気部31cに磁着し、離間位置に保持されているものとする。また、上側支持部3は、複数の上側挿通孔31dに複数の挿通部材(不図示)を挿通して、一対の下側支持部2の中央上部の壁面15に固定されるものとする。
【0037】
図11(A)は
図3の風呂蓋の支持装置1のA部拡大図であり、(B)は外側分割風呂蓋12を手前に倒した状態の概略図であり、(C)は外側分割風呂蓋12を下側支持部2から取外した状態の概略図であり、
図12は
図2の風呂蓋の支持装置1を用いて内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を壁面15に沿って固定する固定方法を示すフローチャートである。
【0038】
使用者は、
図11(C)で示すように、内側分割風呂蓋11を壁面15に沿わせて、内側平坦部23および内側傾斜部24に載置する(STEP1、2)。内側分割風呂蓋11が内側平坦部23および内側傾斜部24に載置されると、内側分割風呂蓋11の内面が壁面15に押圧され、内側分割風呂蓋11の下側外角部11aが内側傾斜部24に支持される。内側分割風呂蓋11が壁面15と内側傾斜部24で支持された後、使用者は、
図11(B)で示すように、内側分割風呂蓋11に沿うように、外側分割風呂蓋12を外側平坦部25および外側傾斜部26に載置する(STEP3)。
【0039】
外側分割風呂蓋12が外側平坦部25および外側傾斜部26に載置されると、
図11(B)で示すように、外側分割風呂蓋12が内側分割風呂蓋11を押圧し、外側分割風呂蓋12の下側外角部12aが外側傾斜部26に支持される。外側分割風呂蓋12が内側分割風呂蓋11と外側傾斜部26で支持された後、使用者は、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を壁面15に押し付けて、
図2で示すように、カバー部32を下方へ移動させて、カバー側磁気部32bを本体下側磁気部31bに磁着させて、カバー部32を支持位置で保持する(STEP4)。
【0040】
カバー部32が支持位置に保持されると、
図11(A)で示すように、カバー部32により内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の上部が支持され、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12が壁面15に沿って、固定されて固定作業が終了する(STEP5)。
【0041】
本実施例の風呂蓋の支持装置1は、内側分割風呂蓋11の下側外角部11aを内側傾斜部24に当接させて、内側分割風呂蓋11の上部を壁面15側に傾斜させて壁面15に押し付けるとともに、外側分割風呂蓋12の下側外角部12aを外側傾斜部26に当接させることによって、外側分割風呂蓋12の上部を内側分割風呂蓋11側へ傾斜させ、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12のそれぞれを下側支持部2および上側支持部3内に安定した状態で位置させることができる。
【0042】
また、本実施例の風呂蓋の支持装置1は、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を支持する支持面22を外側へ向けて階段状に高く形成することで、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の各上端も外側へ向けて高く位置させることができる。
【0043】
このように内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の各上端を外側へ向けて高く位置させることで、外側分割風呂蓋12の上端のみを簡単に把持して、外側分割風呂蓋12を下側支持部2から取外すことができる。
【0044】
さらに、本実施例の風呂蓋の支持装置1は、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を下側支持部2で支持させて、外側分割風呂蓋12を壁面15側に押し付けた状態で、カバー部32を支持位置へ移動させるだけで、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を壁面15に沿って簡単に固定することができる。
【0045】
次に、本実施例の風呂蓋の支持装置1により壁面15に固定された内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を取外す取外し方法について説明する。初期条件として、一対の下側支持部2は、複数の下側挿通孔21に複数の挿通部材(不図示)を挿通させて、壁面15に固定されており、カバー部32は、カバー側磁気部32bが本体下側磁気部31bに磁着して、カバー部32を支持位置に保持させているものとする。また、上側支持部3は、一対の下側支持部2の中央上部の壁面15に固定されるように、複数の上側挿通孔31dに複数の挿通部材(不図示)が挿通されているものとする。
【0046】
図13は、
図2の風呂蓋の支持装置1から壁面15に固定された内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を取外す取外し方法を示すフローチャートである。
【0047】
使用者は、
図9で示すように、カバー部32を上方へ押し上げて、カバー側磁気部32bを本体上側磁気部31cに磁着させて、カバー部32を離間位置で保持させる(STEP10、11)。
【0048】
カバー部32が離間位置で保持されると、使用者は、
図11(B)で示すように、外側分割風呂蓋12の上端を掴んで、前側(反壁面側)へ倒して外側平坦部25および外側傾斜部26から取外す(STEP12)。
【0049】
この際、
図11(B)で示すように、外側分割風呂蓋12の下側内角部12bが内側分割風呂蓋11を壁面15側へ押圧するとともに、内側分割風呂蓋11の下側外角部11aが内側傾斜部24に当接することで、内側分割風呂蓋11に壁面15側へ倒す力を作用させ、外側分割風呂蓋12の取外しに伴って生じる外側分割風呂蓋12と内側分割風呂蓋11との間での負圧により、内側分割風呂蓋11が外側(反壁面側)へ倒れることを防止することができる。
【0050】
使用者は、
図11(C)で示すように、外側分割風呂蓋12を取外した後、内側分割風呂蓋11を前側へ倒して、内側平坦部23および内側傾斜部24から取外して、取外し作業を終了する(STEP13、14)。
【0051】
本実施例の風呂蓋の支持装置1は、単に内側平坦部23および外側平坦部25を内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の底面の幅よりも短く形成し、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の下側外角部11a、12aを内側傾斜部24および外側傾斜部26に当接させるだけの簡単な構成で、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12のそれぞれに壁面15側へ倒れる力を作用させ、かつ外側分割風呂蓋12の下側内角部12bで内側分割風呂蓋11を押し付けて、外側分割風呂蓋12を取外す際に、内側分割風呂蓋11が外側へ倒れることを抑制することができる。
【0052】
(他の実施例)
上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、下側支持部2は、一対設けられているものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12を支持できるものであれば、1つ又は3つ以上壁面15に設けるものであっても良い。
【0053】
上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、上側支持部3を、一対の下側支持部2の中央上部に設けるものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12が外側に倒れないように支持できるものであれば、2つ以上壁面15に設けられるものであっても良い。
【0054】
上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、上側支持部3および下側支持部2に支持される分割風呂蓋を、内側分割風呂蓋11および外側分割風呂蓋12の2つとして説明したが、3つ以上に分割されているものでも良い。この場合、下側支持部2の支持面22は、複数の分割風呂蓋(不図示)のそれぞれに対応して、平坦部(不図示)および傾斜部(不図示)が位置するように、複数設けるものとする。
【0055】
上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、下側支持部2における支持面22を外側へ向けて階段状に高くなるものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、外側分割風呂蓋12を取り外す際に、外側分割風呂蓋12の下側内角部12bが内側分割風呂蓋11を押圧できるように、外側分割風呂蓋12が内側分割風呂蓋11に接触するように収納できるものであれば良い。
【0056】
また、上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、本体下側磁気部31b、本体上側磁気部31cおよびカバー側磁気部32bは、それぞれマグネットなどの磁性体として説明したが、特にこれに限られるものではなく、本体下側磁気部31bおよび本体上側磁気部31c、又はカバー側磁気部32bがマグネットであれば、マグネットでない本体下側磁気部31bおよび本体上側磁気部31c、又はカバー側磁気部32bを磁性金属片などのマグネットが磁着できるものであれば良い。
【0057】
さらに、上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、取付部21Aには、下側挿通孔21を複数個形成するものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、壁面15に対して取付部21Aを接着手段(不図示)などにより取付け可能であれば、特に下側挿通孔21を設けなくても良い。
【0058】
同様に、上記第一実施例の風呂蓋の支持装置1において、本体部31の底部には、上側挿通孔31dが複数形成されているものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、壁面15に対して本体部31の底部を接着手段(不図示)などにより取付け可能であれば、特に上側挿通孔31dを設けくても良い。
【0059】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく。他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替及び改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0060】
1…風呂蓋の支持装置
11…内側分割風呂蓋(分割風呂蓋) 11a…下側外角部 11b…下側内角部 12…外側分割風呂蓋(分割風呂蓋) 12a…下側外角部 12b…下側内角部 13…浴槽 13a…開口部 14…操作パネル 15…壁面
2…下側支持部
21…下側挿通孔 21a…取付部 22…支持面 23…内側平坦部(平坦部) 24…内側傾斜部(傾斜部) 25…外側平坦部(平坦部) 26…外側傾斜部(傾斜部) 27…表面部
3…上側支持部
31…本体部 31a…先端開口部 31b…本体下側磁気部(第1の磁気部) 31c…本体上側磁気部(第2の磁気部) 31d…上側挿通孔 31e…誘導突起 32…カバー部 32a…誘導溝 32b…カバー側磁気部(第3の磁気部)