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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】露光機の除塵装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20220114BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
B65H5/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019222887
(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公開番号】P2021092650
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2020-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】392009342
【氏名又は名称】株式会社レヨーン工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松田 政昭
(72)【発明者】
【氏名】星 一成
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-307192(JP,A)
【文献】特開2008-272640(JP,A)
【文献】特開2017-138415(JP,A)
【文献】特開2014-146730(JP,A)
【文献】特開2014-213106(JP,A)
【文献】特開2012-183455(JP,A)
【文献】特開平07-271048(JP,A)
【文献】中国実用新案第2874983(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対して露光を行うのに先立って当該ワークの除塵を行うための露光機の除塵装置であって、
前記ワークの表面に付着している塵埃を吸着する除塵ローラと、
前記除塵ローラに付着した前記塵埃を転写すると共に所定長さ毎に切れ目を有する粘着テープを巻回している粘着テープロールを保持する第1テープホルダと、
前記粘着テープロールから引き出された前記粘着テープを巻き取る巻取筒と、
前記粘着テープロールの最外周の前記粘着テープに接触して、当該粘着テープを前記粘着テープロールから剥がすと共に前記粘着テープと共に前記巻取筒に巻き取られる剥がし用テープを保持する第2テープホルダと、
前記第1テープホルダに保持されている前記粘着テープの端部を検出する検出センサと、
前記検出センサからの検出信号が入力される制御部と、
前記検出センサで前記粘着テープの端部を検出した際に、前記粘着テープを前記剥がし用テープに対して相対的に移動させて、前記剥がし用テープを前記粘着テープの端部側に押し付けるように前記制御部によって制御駆動される移動機構と、
を備え、
前記巻取筒の外周部分には、軸方向に沿って切り欠かれたスリットが設けられていて、当該スリットには、前記剥がし用テープの一端部を貼り付けて当該剥がし用テープを引き出すための引き出し用フィルムの一端部が差し込まれると共に、
前記巻取筒の内筒部には、回転中心から外周面までの半径が変動する挟持用カムが回転自在に設けられていて、
前記挟持用カムの回転によって、前記内筒部の内筒面と前記挟持用カムの外周面との間に前記引き出し用フィルムの挟み込みおよび挟み込みの解除を行うと共に、前記巻取筒の直径を変動させる、
ことを特徴とする露光機の除塵装置。
【請求項2】
請求項1記載の露光機の除塵装置であって、
前記挟持用カムには、外周面から中心側に向かって凹む凹部が前記軸方向に沿って設けられていて、
前記凹部には、前記引き出し用フィルムの一端部が差し込まれる、
ことを特徴とする露光機の除塵装置。
【請求項3】
請求項2記載の露光機の除塵装置であって、
前記巻取筒の内部には、
前記巻取筒の径方向の中心において前記軸方向に沿うように配置されている駆動シャフトと、
前記駆動シャフトよりも前記巻取筒の前記内筒部の外径側に位置し、当該巻取筒を前記内筒部側から支持する回転支持部材と、
が設けられていて、
前記駆動シャフトの端部側には、前記内筒部から突出した突出部分が設けられていると共に、
前記突出部分には、前記制御部によって駆動制御されるモータが連結されることで、前記駆動シャフトが前記モータの駆動によって回転させられ、
前記駆動シャフトには駆動ギヤが取り付けられていて、
前記回転支持部材と同軸上には、前記駆動ギヤと噛み合う第1従動ギヤが取り付けられていて、
さらに前記挟持用カムと同軸上には、前記駆動ギヤと噛み合う第2従動ギヤが取り付けられている、
ことを特徴とする露光機の除塵装置。
【請求項4】
請求項3記載の露光機の除塵装置であって、
前記巻取筒の外部には、
前記巻取筒の周方向における前記スリットの位置を検出する検出センサと、
前記モータの回転によって前記駆動シャフト、前記回転支持部材および前記挟持用カムが回転する状態で前記巻取筒の回転を停止させるストッパ機構と、
が設けられていて、
前記検出センサによって前記スリットの周方向における位置が検出された際に、前記制御部は、前記モータを駆動させた状態で前記ストッパ機構を所定時間だけ作動させて前記スリットと前記凹部の位置合わせを行う、
ことを特徴とする露光機の除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光機の除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板や半導体基板等のような各種基板の製造においては、露光機が一般に用いられている。かかる露光機においては、フォトレジスト(感光材料)を塗布したワークに対し、フォトリソグラフィ手法を用いて回路パターン等を露光する。ところで、ワークに塵埃が付着している状態で、露光機を用いて露光を行うと、製造欠陥の原因となるので、露光に先立って、ワークから塵埃を除去する必要がある。そのような除塵装置としては、たとえば特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
特許文献1には、第1除塵ローラ、第2除塵ローラ等の除塵ローラ、粘着テープが巻回される転写ローラを備える除塵装置について開示されている。そして、ワークの表面を除塵ローラが転動することでワークの表面に付着していた塵埃を除去する。その後に、除塵ローラに対して転動ローラに巻回されている粘着テープを押し付けることで、除塵ローラから粘着テープへと塵埃を写し取る。また、塵埃の転写後に、汚れた粘着テープの一巻分を剥ぎ取って、新しい粘着面が露出するように粘着テープを更新する。また、剥ぎ取られた(汚れた)粘着テープは廃棄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-59494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示す構成では、どのようにして、粘着テープの一巻分を剥ぎ取って、新しい粘着面が露出するように粘着テープを更新するのかを具体的には示していない。しかしながら、現状では、粘着テープの更新作業のためには、露光機の扉を開けて、作業者が汚れた粘着テープを剥がすことで、粘着テープの更新を行うのが通常である。このような作業を行う場合、作業者によって、露光機の内部に塵埃が持ち込まれる虞がある。
【0006】
また、粘着テープの更新作業のために、露光機の扉を開閉する場合、露光機内の温度が変動する虞があると共に、露光機内の圧力も変動する虞がある。
【0007】
さらに、使用後の粘着テープを巻き取った後の巻取筒には、巻き締めによる力が作用するので、巻取筒から粘着テープを巻き取ったロール体を取り外すのは困難となっている。また、現状では、粘着テープを巻き取っている巻取筒は、そのほとんどが金属製であるが、そのような金属製の巻取筒を廃棄しようとする場合、金属製の巻取筒と、樹脂製の粘着テープとを分別する手間が発生する。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、露光機の内部に塵埃が入り込むのを防止することが可能な露光機の除塵装置を提供することを目的とする。
また、上記の露光機の除塵装置においては、露光機内の温度変化や圧力が変動するのを抑制できることが好ましい。
また、上記の露光機の除塵装置においては、巻取筒と、巻き取った後の樹脂製の粘着テープとを分別する手間が生じないことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、ワークに対して露光を行うのに先立って当該ワークの除塵を行うための露光機の除塵装置であって、ワークの表面に付着している塵埃を吸着する除塵ローラと、除塵ローラに付着した塵埃を転写すると共に所定長さ毎に切れ目を有する粘着テープを巻回している粘着テープロールを保持する第1テープホルダと、粘着テープロールから引き出された粘着テープを巻き取る巻取筒と、粘着テープロールの最外周の粘着テープに接触して、当該粘着テープを粘着テープロールから剥がすための剥がし用テープを保持する第2テープホルダと、第1テープホルダに保持されている粘着テープの端部を検出する検出センサと、検出センサからの検出信号が入力される制御部と、検出センサで粘着テープの端部を検出した際に、粘着テープを剥がし用テープに対して相対的に移動させて、剥がし用テープを粘着テープの端部側に押し付けるように制御部によって制御駆動される移動機構と、を備え、巻取筒の外周部分には、軸方向に沿って切り欠かれたスリットが設けられていて、当該スリットには、剥がし用テープの一端部を貼り付けて当該剥がし用テープを引き出すための引き出し用フィルムの一端部が差し込まれると共に、巻取筒の内筒部には、回転中心から外周面までの半径が変動する挟持用カムが回転自在に設けられていて、挟持用カムの回転によって、内筒部の内筒面と挟持用カムの外周面との間に引き出し用フィルムの挟み込みおよび挟み込みの解除を行うと共に、巻取筒の直径を変動させる、ことを特徴とする露光機の除塵装置が提供される。
【0010】
また、上述の発明において、挟持用カムには、外周面から中心側に向かって凹む凹部が軸方向に沿って設けられていて、凹部には、引き出し用フィルムの一端部が差し込まれる、ことが好ましい。
【0011】
また、上述の発明において、巻取筒の内部には、巻取筒の径方向の中心において軸方向に沿うように配置されている駆動シャフトと、駆動シャフトよりも巻取筒の内筒部の外径側に位置し、当該巻取筒を内筒部側から支持する回転支持部材と、が設けられていて、駆動シャフトの端部側には、内筒部から突出した突出部分が設けられていると共に、突出部分には、制御部によって駆動制御されるモータが連結されることで、駆動シャフトがモータの駆動によって回転させられ、駆動シャフトには駆動ギヤが取り付けられていて、回転支持部材と同軸上には、駆動ギヤと噛み合う第1従動ギヤが取り付けられていて、さらに挟持用カムと同軸上には、駆動ギヤと噛み合う第2従動ギヤが取り付けられている、ことが好ましい。
【0012】
また、上述の発明において、巻取筒の外部には、巻取筒の周方向におけるスリットの位置を検出する検出センサと、モータの回転によって駆動シャフト、回転支持部材および挟持用カムが回転する状態で巻取筒の回転を停止させるストッパ機構と、が設けられていて、検出センサによってスリットの周方向における位置が検出された際に、制御部は、モータを駆動させた状態でストッパ機構を所定時間だけ作動させてスリットと凹部の位置合わせを行う、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、露光機の内部に塵埃が入り込むのを防止することが可能な露光機の除塵装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る露光機の概略的な構成を示す面図である。
図2図1に示す露光機の除塵装置の概略的な構成を示す図である。
図3図2に示すテープ剥がし機構の巻取筒の構成を示す斜視図である。
図4図2に示すテープ剥がし機構が備える粘着テープ巻取機構の構成を示す側断面図である。
図5図2に示す粘着テープ巻取機構の構成を示す正面図である。
図6図2に示す粘着テープ巻取機構が備える巻取筒、回転支持カムおよび挟持用カムの配置関係を示す図である。
図7図2に示すテープ剥がし機構が備えるストッパ機構の概略的な構成を示す図である。
図8】検出センサを含めた露光機の除塵装置における制御的な構成を示す概略図である。
図9】本発明の第2の実施の形態に係る露光機の概略的な構成を示す面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る露光機10および露光機10の除塵装置70について、図面に基づいて説明する。
【0016】
<1.露光機10の構成について>
図1は、露光機10の概略的な構成を示す図である。なお、図1に示す露光機10では、ワークWは、たとえばフレキシブルプリント基板のように、ロール状に巻回されているフィルム状の基板である。すなわち、フィルム状のワークWをロール状に巻回しているワーク供給源W1から露光ユニットへと引き出して露光を行い、露光後のフィルム状のワークWを巻取部位W2へと巻き取る。なお、本実施の形態では、ワークWの上下両面には、所定の波長帯域の光(たとえば紫外線)を照射することで感光されるフォトレジスト層が設けられている。
【0017】
この露光機10は、ワーク巻出しユニット20と、ワーク巻取りユニット30と、ワーク処理ユニット40とを備える。また、ワーク処理ユニット40の内部には、温度調節機構50と、露光ユニット60と、除塵装置70とが設けられている。これらのうち、ワーク巻出しユニット20は、ワーク供給室21を備え、そのワーク供給室21の内部にロール状に巻回されているワーク供給源W1が配置されている。そして、ワーク供給室21内のワーク供給源W1からフィルム状のワークWが、露光ユニット60に向けて巻き出される。
【0018】
このワーク巻出しユニット20の上部には、陽圧ユニット23が設けられている。陽圧ユニット23は図示を省略するフィルタや加圧ファン24を備え、その加圧ファン24は、塵埃が除去された空気をワーク供給室21に対し加圧状態で供給する。それにより、ワーク供給室21の内部が、大気圧よりも高い陽圧となる。なお、空気以外の気体が、加圧ファン24を介してワーク供給室21に供給されても良い(以下の各部位においても同様)。
【0019】
また、ワーク巻取りユニット30は、ワーク排出室31を備え、そのワーク排出室31の内部にロール状に巻回されているワークWの巻取部位W2が配置されている。そして、露光ユニット60で露光されたフィルム状のワークWは、ワーク排出室31の巻取部位W2に巻き取られる。
【0020】
また、ワーク巻取りユニット30の上部にも、陽圧ユニット33が設けられていて、その陽圧ユニット33は、上述した陽圧ユニット33の構成と同様となっている。すなわち、陽圧ユニット33は図示を省略するフィルタや加圧ファン34を備え、その加圧ファン34は、塵埃が除去された空気をワーク排出室31に対し加圧状態で供給する。それにより、ワーク排出室31の内部が、大気圧よりも高い陽圧となる。
【0021】
また、ワーク処理ユニット40の上部スペース41には、温度調節機構50が配置されている。この温度調節機構50は、加圧ファン51と、温度調節器52とを備えている。加圧ファン51は、上記の加圧ファン24,34と同様に、塵埃が除去された空気を、後述する露光室42および除塵室43に対し加圧状態で供給する。それにより、露光室42および除塵室43の内部は、大気圧よりも高い陽圧となる。
【0022】
温度調節器52は、加圧ファン51から供給された空気等の気体を、加熱または冷却する温度調節処理を行う部分である。この温度調節器52によって空気が所定温度に調節された後に、温度調節後の空気が露光室42および除塵室43に供給される。
【0023】
次に、露光室42の内部に配置されている露光ユニット60について説明する。露光ユニット60は、一対の移動機構61と、一対のフォトマスク62と、一対の光源63とを有している。
【0024】
なお、一対の移動機構61、一対のフォトマスク62および一対の光源63の一方側は、ワークWの上方側に配置されている(以下、必要に応じて、上側露光ユニット60Aとする)。また、一対の移動機構61、一対のフォトマスク62および一対の光源63の他方側は、ワークWの下方側に配置されている(以下、必要に応じて、下側露光ユニット60Bとする)。すなわち、本実施の形態では、ワークWの上下両面に露光を行って、その上下両面に回路パターンを形成可能としている。しかしながら、ワークWの上面のみに対して露光を行う場合には下側露光ユニット60Bを設けるのを省略しても良い。同様に、ワークWの下面のみに対して露光を行う場合には、上側露光ユニット60Aを設けるのを省略しても良い。
【0025】
上述の露光ユニット60の各構成のうち、移動機構61は、ワークWに対してフォトマスク62の位置合わせを行いつつ、ワークWに対してフォトマスク62を当接させたり離間させるために、フォトマスク62を移動させる機構である。この移動機構61は、互いに直交する3軸方向に移動可能であることが好ましい。なお、ワークWは、図示を省略するワークWを送るためのモータによって送り込まれる点を考慮すると、移動機構61は、ワークWの搬送方向を除いた上下方向およびワークWの幅方向に少なくとも移動可能であれば良い。
【0026】
また、フォトマスク62は、フォトマスク62はワークWに対して回路パターンに応じた露光を行うべく、その露光部位に対応した光の透過部位が形成されている部材である。なお、フォトマスク62は、たとえばガラス基板を材質とする部材であるが、PETフィルム等のような他の材質から形成されていても良い。また、光源63は、所定波長の光をフォトマスク62に向けて照射する部分である。照射された光がフォトマスク62を透過することで、ワークWのフォトレジスト層のうち、回路パターンに対応した部位が感光される。
【0027】
<除塵装置について>
次に、除塵装置70について説明する。図2は、除塵装置70の概略的な構成を示す図である。図2に示すように、除塵装置70は、一対の除塵ローラ71と、一対の粘着テープホルダ72と、一対の粘着テープ移動機構75と、一対のテープ剥がし機構80とを有している。
【0028】
なお、一対の除塵ローラ71、一対の粘着テープホルダ72、一対の粘着テープ移動機構75および一対のテープ剥がし機構80の一方側は、ワークWの上方側に配置されている。また、一対の除塵ローラ71、一対の粘着テープホルダ72、一対の粘着テープ移動機構75および一対のテープ剥がし機構80の他方側は、ワークWの下方側に配置されている。ただし、ワークWの上面のみに対して露光を行う場合には、ワークWの下方側に配置されている除塵装置70の各構成要素を設けるのを省略しても良い。同様に、ワークWの下面のみに対して露光を行う場合には、ワークWの上方側に配置されている除塵装置70の各構成要素を設けるのを省略しても良い。
【0029】
上記の除塵装置70のうち、除塵ローラ71は、回転軸71aと、粘着ラバー層71bとを有している。粘着ラバー層71bは、回転軸71aの外側に、軸方向において所定の長さ範囲に亘るように設けられている。この粘着ラバー層71bは、塵埃を吸着可能な粘着ラバーを材質として形成されている。なお、粘着ラバー層71bは、その表面側に吸着層(図示省略)が設けられていて、その吸着層は、シリコンゴム等のような、塵埃の吸着性に優れた材質から構成されている。なお、吸着層の下層側には、たとえばニトリルゴムやカーボンゴム等のような導電層を設けるように構成しても良い。
【0030】
また、粘着テープホルダ72は、粘着テープT1をロール状に巻回した粘着テープロールT1Rの両端側を回転自在に保持する部分である。なお、粘着テープホルダ72は、第1テープホルダに対応する。この粘着テープホルダ72は、粘着テープ移動機構75に取り付けられている。粘着テープ移動機構75は、たとえばエアシリンダやモータ等の駆動手段の駆動により、除塵ローラ71に対して接離する方向に粘着テープロールT1Rを移動させることが可能となっている。なお、粘着テープ移動機構75は、除塵ローラ71を後述するテープ剥がし機構80に向けて移動させることも可能となっている。
【0031】
なお、粘着テープホルダ72は、粘着テープロールT1Rを保持するのみとしても良い(すなわち、粘着テープロールT1Rは、ワークWの送り込みによって従動的に回転させられるものとしても良い)。しかしながら、駆動モータ等の駆動源により、粘着テープロールT1Rを回転させる駆動力を与えられる構成とするのが好ましい。このように、駆動モータによって、粘着テープロールT1Rを回転させる場合には、後述する検出センサ135での最外周(最上位)の粘着テープT1の先端(段差部分)の検出を行い易くなる。なお、粘着テープロールT1Rを駆動させる駆動モータに代えて、直径が一定の状態を維持できる除塵ローラ71を駆動モータによって回転させる構成としても良い。
【0032】
ここで、粘着テープT1はシート状に設けられていると共に、その表面に粘着面を有している。粘着面は、上述した除塵ローラ71は除塵ローラ71に吸着されている塵埃を保持可能となっている。このため、粘着テープT1の粘着面の塵埃に対する粘着力は、除塵ローラ71の塵埃に対する粘着力よりも大きくなっている。それにより、除塵ローラ71から粘着テープT1の粘着面へと、塵埃を良好に転写可能となっている。なお、シート状の粘着テープT1には、切れ目が存在していると共に、その粘着テープT1はロール状に巻回されて、粘着テープロールT1Rを構成している。このため、粘着テープロールT1Rから粘着テープT1を引き出した後に切れ目で切断することで、汚れた粘着テープT1を、汚れていない粘着テープT1へと容易に更新することができる。
【0033】
次に、テープ剥がし機構80について説明する。テープ剥がし機構80は、粘着テープ巻取機構90と、ストッパ機構110と、剥がし用テープ保持部120と、押し当て機構130とを有している。
【0034】
粘着テープ巻取機構90は、図3に示すような巻取筒91を備えている。巻取筒91は、上記の粘着テープT1と後述する剥がし用テープT2を巻き取るための筒状の部材である。この巻取筒91は、たとえば樹脂等のような、容易に弾性変形可能な材質から形成されると共に内筒部91aを有する筒状の部材である。この巻取筒91には、軸方向に沿うスリット91bが設けられている。スリット91bは、内筒部91aを覆う外筒部91cを軸方向の全体に沿って貫通するように設けられている。かかるスリット91bの存在により、巻取筒91は、その外径および内径が変動するように容易に変形可能となっている。
【0035】
図4は、粘着テープ巻取機構90の構成を示す側断面図である。図5は、粘着テープ巻取機構90の構成を示す正面図である。図4および図5に示すように、粘着テープ巻取機構90は、上述した巻取筒91以外に、モータ92と、連結部材93と、駆動シャフト94と、シャフト支持プレート95と、駆動ギヤ96と、従動ギヤ97と、従動シャフト98と、回転支持カム99と、挟持用カム100とを備えている。
【0036】
モータ92は、後述する挟持用カム100を回転させる駆動力を与える駆動源である。このモータ92は、連結部材93を介して駆動シャフト94の一端部と連結されている。駆動シャフト94は、巻取筒91の内筒部91aに配置されると共に、当該内筒部91aを貫くように配置されている。
【0037】
また、シャフト支持プレート95は、巻取筒91の一端側と他端側にそれぞれ設けられていて、上記の巻取筒91の少なくとも一部が固定されている。このシャフト支持プレート95には、軸方向に貫く孔部(符号省略)が設けられていて、その孔部に駆動シャフト94および後述する従動シャフト98が挿通されている。なお、シャフト支持プレート95と駆動シャフト94、およびシャフト支持プレート95と従動シャフト98の間には、ベアリング等の軸受が配置されることが好ましい。
【0038】
なお、一対のシャフト支持プレート95の間には、センタープレート95Cが配置されている。また、上記の一対のシャフト支持プレート95、センタープレート95Cを連結して1つの構造物とするために、接続シャフトS1が設けられている。接続シャフトS1は、シャフト支持プレート95に対し、たとえばボルトで固定されている。接続シャフトS1は、図5に示す構成では、合計3本設けられているが、1つの構造物として安定的に固定可能であれば、その本数は何本でも良い。また、これらの接続シャフトS1は、回転支持カム99や挟持用カム100と干渉しないように、回転支持カム99同士の間、および回転支持カム99と挟持用カム100の間に、それぞれ配置されている。
【0039】
また、駆動ギヤ96は、上述した駆動シャフト94のうち、内筒部91aから外部に突出した他端側に取り付けられている。図5に示すように、駆動ギヤ96は、巻取筒91の径方向における中心に配置されている。
【0040】
上記の駆動ギヤ96に対して、従動ギヤ97が噛み合っている。このため、従動ギヤ97は、駆動ギヤ96よりも巻取筒91の中心から外径側に位置している。この従動ギヤ97は、従動シャフト98の他端側に取り付けられているが、従動シャフト98は、上述したシャフト支持プレート95の孔部を挿通している。したがって、駆動ギヤ96と従動ギヤ97との噛み合いによって従動シャフト98が回転しても、従動シャフト98は、駆動シャフト94に対する相対的な位置が変化しない状態となる。
【0041】
なお、従動ギヤ97は、挟持用カム100が取り付けられた従動シャフト98に取り付けられているものと、回転支持カム99が取り付けられた従動シャフト98に取り付けられている者とが存在する。これらのうち、挟持用カム100が取り付けられた従動シャフト98に取り付けられている従動ギヤ97は、第1従動ギヤに対応する。また、回転支持カム99が取り付けられた従動シャフト98に取り付けられている従動ギヤ97は、第2従動ギヤに対応する。
【0042】
図6は、巻取筒91、回転支持カム99および挟持用カム100の配置関係を示す図である。図6に示すように、回転支持カム99は、挟持用カム100と共に巻取筒91の内筒面に当接して、巻取筒91を内筒部91a側から支持する部材であり、外周面が回転中心に対して偏心しているカム形状に設けられている。しかしながら、回転支持カム99は、回転中心から外周面までの距離が変動するものであれば、どのような形状でも良い。たとえば、回転支持カム99の軸方向に対して直交する断面形状は、楕円形状を始めとする種々の曲線形状、多角形形状、および曲線形状の一部に直線部分を含むもの等、種々の形状を採用することができる。
【0043】
ここで、図4に示す構成では、回転支持カム99は、軸方向に沿って長尺状に設けられてはおらず、その軸方向の長さは、巻取筒91の回転支持が必要な程度に短く設けられている。また、軸方向の全体に亘って巻取筒91を良好に支持するために、回転支持カム99は、従動シャフト98の軸方向に沿って、合計3つ設けられているが、回転支持カム99の個数は幾つであっても良い。なお、回転支持カム99を等間隔で配置する場合、巻取筒91を回転支持するバランスが良好となる。このように、回転支持カム99の軸方向の長さを、巻取筒91の回転支持に必要な長さとすることで、巻取筒91と回転支持カム99の間で塵埃が発生するのを抑えることが可能となる。また、回転支持カム99の配置個数を、回転支持のバランスが良いものとすることで、特定の回転支持カム99に偏摩耗が生じるのを防止可能となる。
【0044】
しかしながら、回転支持カム99は、このような構成としなくても良い。たとえば、回転支持カム99は、軸方向の概ね全体に亘るように長く設けても良い。
【0045】
なお、回転支持カム99は、回転支持部材に対応する。この回転支持カム99は、従動シャフト98の回転に伴って回転する。なお、図5に示すように、回転支持カム99は、巻取筒91の周方向において2つ以上(図5では2つ)設けられることが好ましい。この場合には、回転支持カム99と挟持用カム100とによって、巻取筒91の内筒部91a側から、3点以上で支持することができる。また、回転支持カム99に代えて、回転中心から外周面までの距離が一定(すなわち、円筒状または円柱状)に設けられているドラム(回転支持ドラム)を用いるようにしても良い。この場合には、挟持用カム100の回転のみで、後述するように巻取筒91を膨張させることができる。
【0046】
また、図6に示すように、回転支持カム99には、規制溝99aが設けられている。規制溝99aは所定の長さの弧状に設けられている。この規制溝99aには、シャフト支持プレート95およびセンタープレート95Cから突出する不図示のピン部材が挿入される。それにより、回転支持カム99は、弧状の規制溝99aの一端と他端にピン部材が衝突する間において、回動可能となっている。このため、引き出し用フィルムF1を挟持する以上に巻取筒91が回転することで、引き出し用フィルムF1の解除が容易に行えなくなるのを防止している。なお、上記のピン部材は、シャフト支持プレート95およびセンタープレート95Cから規制溝99aに入り込むように突出している。
【0047】
また、挟持用カム100も、回転支持カム99と同様に、回転中心から外周面までの距離が変動する部材である。図6では、挟持用カム100は、回転中心に対して外周面が偏心している偏心カムとなっているが、上記の回転支持カム99と同様に、回転中心から外周面までの距離が変動するものであれば、挟持用カム100は、どのような構成であっても良い。たとえば、挟持用カム100の軸方向に対して直交する断面形状は、楕円形状を始めとする種々の曲線形状、多角形形状、および曲線形状の一部に直線部分を含むもの等、種々の形状を採用することができる。
【0048】
なお、図4に示す構成では、挟持用カム100の軸方向の長さは、上記の回転支持カム99と同程度に設けられているが、挟持用カム100の軸方向における長さを、回転支持カム99の軸方向の長さよりも長くしても短くしても良い。また、挟持用カム100は、回転支持カム99と同様に、従動シャフト98の軸方向に沿って、合計3つ設けられているが、回転支持カム99の個数は幾つであっても良い。また、挟持用カム100の配置間隔は等間隔でも良く、等間隔以外でも良い(回転支持カム99も同様)。
【0049】
この挟持用カム100は、凹部101を有している。そして、図6(a)に示すようにスリット91bと凹部101とが位置合わせされた状態で、引き出し用フィルムF1の一端部が差し込まれる。この差し込み後に、図6(b)に示すように挟持用カム100を巻取筒91に対して回転させることで、引き出し用フィルムF1は、挟持用カム100の外周面と、巻取筒91の内筒面との間で挟み込まれて容易には抜けない状態となる。このため、引き出し用フィルムF1の一端側が、巻取筒91によって固定された状態となる。
【0050】
ここで、粘着テープ巻取機構90には、図7に示すようなストッパ機構110が設けられている。ストッパ機構110は、ストッパ駆動源111と、連結アーム112と、ストッパ部材113とを有している。これらのうち、ストッパ駆動源111は、ストッパ部材113を軸方向に移動させるための駆動力を生じさせる部材であり、たとえばエアシリンダやモータ等のような駆動源が該当する。また、連結アーム112は、ストッパ駆動源111で生じた駆動力をストッパ部材113に伝達させる部材である。なお、ストッパ駆動源111とストッパ部材113とが直接連結される構成では、連結アーム112は、省略する構成を採用しても良い。
【0051】
また、ストッパ部材113は、その一端側が連結アーム112に連結されている。このストッパ部材113は、ストッパ駆動源111の駆動により軸方向に沿って移動することで、シャフト支持プレート95の差込凹部95aに差し込まれる(入り込む)部材である。かかるストッパ部材113の差込凹部95aへの差し込みにより、巻取筒91が回転するのが阻止される。
【0052】
すなわち、粘着テープ巻取機構90のモータ92の駆動により、挟持用カム100が回転する場合には、その挟持用カム100に対して内筒面で接触している巻取筒91も回転しようとする。しかしながら、モータ92が駆動した際に、ストッパ駆動源111の作動によってストッパ部材113がシャフト支持プレート95の差込凹部95aに差し込まれる場合には、巻取筒91は、挟持用カム100と共には回転しない。このため、挟持用カム100の外周面は、巻取筒91の内筒面に対して摺動するので、スリット91bの位置と凹部101とは、周方向において異なる位置に位置する。また、スリット91bの周囲に、挟持用カム100の外周面が当接する。それにより、引き出し用フィルムF1は、巻取筒91の内筒面と挟持用カム100の外周面との間に挟持される。
【0053】
なお、巻取筒91のスリット91bと、挟持用カム100の凹部101との回転方向の位置を検出するために、図8に示すように、検出センサ115が設けられている。図8は、検出センサ115を含めた露光機10の除塵装置70における制御的な構成を示す概略図である。図8に示すように、検出センサ115は、巻取筒91の回転方向において、スリット91bの有無を検出することが可能となっている。また、検出センサ115は、挟持用カム100の回転方向において、凹部101の有無を検出可能となっている。なお、検出センサ115としては、光の反射方式の光電センサ、各種の接触式センサ等、どのようなセンサであっても良い。
【0054】
このように、スリット91bと凹部101の有無を検出するためには、検出センサ115は、2つ以上設けられることが好ましいが、1つの検出センサ115で、スリット91bと凹部101の検出とを兼用するようにしても良い。また、3つ以上の検出センサ115を設ける場合には、そのうち少なくとも1つの検出センサ115を、粘着テープT1の送り方向における先端側の検出用と、粘着テープT1の送り方向における後端側の検出用として用いるようにしても良い。このように構成すれば、スリット91bの有無の検出、凹部101濃霧の検出、および粘着テープT1の送り方向における先端および後端の検出を良好に行うことができ、この検出に基づいてモータ92の駆動量を適切に制御することができる。
【0055】
次に、剥がし用テープ保持部120について説明する。図2に示すように、剥がし用テープ保持部120は、剥がし用テープT2をロール状に巻回した剥がし用テープロールT2Rを回転自在に保持する部分である。なお、剥がし用テープ保持部120は、第2テープホルダに対応する。ここで、剥がし用テープT2は、粘着テープロールT1Rの段差部分に当接して、粘着テープT1を引き出すための部材である。したがって、剥がし用テープT2の粘着テープT1の背面に対する粘着力は、粘着テープロールT1Rにおいて、粘着テープT1の粘着面と粘着テープT1の背面との間の粘着力よりも高くなるように設けられている。
【0056】
上記の剥がし用テープT2の代表的なものとしては、セロハンテープが挙げられるが、セロハンテープ以外のテープを剥がし用テープT2としても良い。この剥がし用テープT2は、その幅が粘着テープT1よりも十分に狭くなるように設けられている。したがって、剥がし用テープT2は、粘着テープT1の幅方向において、複数個配置されている。また、剥がし用テープ保持部120も、剥がし用テープT2(剥がし用テープロールT2R)の個数に対応した分だけ設けられている。
【0057】
なお、剥がし用テープ保持部120(剥がし用テープT2)の個数が少ないと、粘着テープロールT1Rから粘着テープT1をバランス良く剥がすのが難しくなる。したがって、剥がし用テープ保持部120(剥がし用テープT2)は、3つ以上配置されるのが好ましい。一方、剥がし用テープ保持部120(剥がし用テープT2)の個数が多くなると、その分だけ、粘着テープT1を剥がすためのコストが上昇してしまう。これらの点を考慮すると、剥がし用テープ保持部120(剥がし用テープT2)は、3つ設けられるのが好ましく、それらが均等な間隔で配置されるのが好ましい。さらに、3つのうち2つの剥がし用テープ保持部120(剥がし用テープT2)は、粘着テープT1の幅方向の両端の近傍に配置されるのが好ましく、残りの1つが粘着テープT1の幅方向の中央に配置されるのが好ましい。
【0058】
次に、押し当て機構130について説明する。押し当て機構130は、押し当て用ローラ131と、ローラ移動機構132とを有している。押し当て用ローラ131は、剥がし用テープロールT2Rから引き出された剥がし用テープT2の粘着面とは反対側の面が、掛けられる(押し当てられる)ローラである。
【0059】
この押し当て用ローラ131は、ローラ移動機構132によって移動可能となっている。ローラ移動機構132は、粘着テープロールT1Rに対して、押し当て用ローラ131を接離させる方向に移動させるための駆動力を生じさせる部材であり、たとえばエアシリンダやモータ等のような駆動源が該当する。なお、ローラ移動機構132は、移動機構に対応する。かかるローラ移動機構132が押し当て用ローラ131を押し込むように作動すると、剥がし用テープT2は、粘着テープロールT1Rの最外周の粘着テープT1に当接する。また、剥がし用テープT2が最外周の粘着テープT1の先端部(剥がし方向;送り方向における端部)に当接した状態で、ローラ移動機構132が押し当て用ローラ131を粘着テープロールT1Rから離れるように作動すると、最外周の粘着テープT1は、粘着テープロールT1Rから剥がされる状態となる。
【0060】
また、粘着テープロールT1Rにおいて、最外周の粘着テープT1の先端が、どの部位かを検出するために、検出センサ135が設けられている。検出センサ135は、最外周の粘着テープT1の先端付近に存在する段差を検出するセンサである。かかる段差は、最外周の粘着テープT1を粘着テープロールT1Rから剥がす際のきっかけとなる部分である。そのため、検出センサ135で最外周の粘着テープT1の段差を検出した後に、ローラ移動機構132を作動させて押し当て用ローラ131を最外周の粘着テープT1側に移動させることで、最外周の粘着テープT1を粘着テープロールT1Rから剥がすことが可能となる。
【0061】
なお、図8に示すように、露光機10の除塵装置70は、制御部150を備えている。この制御部150には、上述した検出センサ115,135からの検出信号が入力される。かかる検出信号に基づいて、または所定の制御プログラムに基づいて、モータ92、ストッパ駆動源111およびローラ移動機構132の駆動を制御することができる。また、制御部150は、所定の移動タイミングが到来した際に、粘着テープ移動機構75を作動させて、粘着テープT1をワークWに押し当てたり、粘着テープT1をワークWから退避させることを可能としている。
【0062】
<作用について>
以上のような構成を有する露光機10の作用について、以下に説明する。ワーク巻出しユニット20のワーク供給室21内に、ワークWがロール状に巻回されたワーク供給源W1をセットする。また、上述した除塵装置70のセッティングを行う。
【0063】
上記の除塵装置70のセッティングを行う場合、作業者は、粘着テープホルダ72に対して、粘着テープロールT1Rを保持させる。次に、制御部150は、モータ92を回転させて、巻取筒91のスリット91bを検出する。制御部150がスリット91bの検出に対応する検出信号を受信すると、制御部150は、ストッパ機構110のストッパ駆動源111を作動させて、ストッパ部材113をシャフト支持プレート95の差込凹部95aに差し込む状態とする。すると、モータ92の駆動が継続されても、巻取筒91の回転が阻止される。
【0064】
また、巻取筒91の回転が阻止された状態で、モータ92の回転が継続される場合、挟持用カム100の回転は継続される。そのため、検出センサ115で挟持用カム100の凹部101を検出に対応させて、モータ92の駆動を停止させることで、スリット91bと凹部101との位置合わせがなされる。
【0065】
かかるスリット91bと凹部101との位置合わせがなされた状態では、作業者は、引き出し用フィルムF1の先端部を、スリット91bおよび凹部101に差し込む。この差し込み後に、制御部150は、ストッパ駆動源111を作動させてストッパ部材113を差込凹部95aに差し込んだ状態のまま、モータ92を駆動させる。すると、巻取筒91の回転が阻止された状態で、挟持用カム100が回転する。このため、凹部101に先端が差し込まれた引き出し用フィルムF1が内筒部91aの内部に引き込まれる。それにより、巻取筒91の内周面と挟持用カム100の外周面の間に、引き出し用フィルムF1の一部が挟み込まれた状態となる。このため、引き出し用フィルムF1は、巻取筒91に強固に保持された状態となり、引き出し用フィルムF1の先端側が巻取筒91の内筒部91aから容易には抜けない状態となる。このため、引き出し用フィルムF1の後端側に引っ張り力を与えても、その引き出し用フィルムF1の巻取筒91による保持は、容易には解除されない状態となる。
【0066】
このような引き出し用フィルムF1の保持の後に、作業者は、引き出し用フィルムF1に対して、剥がし用テープT2の先端側を貼り付ける。なお、剥がし用テープT2の剥がし用テープロールT2Rは、剥がし用テープ保持部120に保持させた状態とする。また、剥がし用テープT2は、押し当て用ローラ131に掛けられた状態とする。
【0067】
以上のようにすることで、除塵装置70のセッティングが完了する。
【0068】
このようなセットの後に、加圧ファン24,34,51を作動させてワーク供給室21、ワーク排出室31および露光室42の内部を陽圧に設定する。また、温度調節器52を作動させて、露光室42の内部を所定の温度に維持する。
【0069】
この後に、ワーク供給源W1からワークWを、露光部位に対応する分だけ、順次送り出す。そして、露光室42内の露光部位では、フォトマスク62をワークWの上面および下面に当接させ、その後に光源63から所定波長の光を照射させてワークWの露光を行う。
【0070】
そして、露光後のワークWは、ワーク巻取りユニット30のワーク排出室31内にて、巻き取られる。
【0071】
ところで、ワークWに塵埃が付着している状態で露光を行うと、製造欠陥等の原因となる。そのため、露光室42内でワークWの露光を行うのに先立ち、除塵装置70を用いて、ワークWの除塵を行う。この場合、除塵装置70内に送られてきたワークWの上面および下面のそれぞれに対して、除塵ローラ71を押し付け、さらに除塵ローラ71に対して粘着テープロールT1Rの最外周の粘着テープT1を押し付ける。
【0072】
なお、図2に示す構成では、ワークWから離間している除塵ローラ71に対して、粘着テープ移動機構75を作動させて粘着テープT1(粘着テープロールT1R)を除塵ローラ71に押し付けると、除塵ローラ71も下降するように構成されている。しかしながら、除塵ローラ71を粘着テープT1に対して独立して昇降させるようにしても良い。
【0073】
かかるワークWへの押し付け状態で、ワークWの搬送に伴って除塵ローラ71が回転すると、ワークWの上面と下面の内の少なくとも一方に付着していた塵埃は除塵ローラ71に吸着される。また、除塵ローラ71が吸着していた塵埃は、粘着テープT1へと転写される。このようにして所定だけ最外周の粘着テープT1に塵埃が転写されると、その最外周の粘着テープT1は汚れてしまうので、更新する(最外周の粘着テープT1を剥がす)必要が生じる。
【0074】
そこで、粘着テープT1を更新する場合、先ず、検出センサ135によって最外周の粘着テープT1の先端部(段差部分)を検出する。そして、最外周の粘着テープT1の先端部(段差部分)を検出した後に、制御部150は、ローラ移動機構132を作動させて、最外周の粘着テープT1の先端部(段差部分)に、剥がし用テープT2を押し付ける。
【0075】
なお、この検出センサ135での最外周の粘着テープT1の先端部(段差部分)に前後して、制御部150は粘着テープ移動機構75を作動させて、除塵ローラ71から粘着テープT1を退避させるのが好ましい。かかる退避は、検出センサ135で最外周の粘着テープT1の先端部(段差部分)を検出した後に行うことが好ましい。
【0076】
上記のように、最外周の粘着テープT1の先端部(段差部分)に、剥がし用テープT2を押し付けた後に、制御部150は、ローラ移動機構132を作動させて、押し当て用ローラ131を粘着テープロールT1Rから離間させる。ここで、上記のように、剥がし用テープT2の粘着テープT1の背面に対する粘着力は、粘着テープロールT1Rにおける、粘着テープT1の粘着面と粘着テープT1の背面との間の粘着力よりも高くなるように設けられている。したがって、押し当て用ローラ131が粘着テープロールT1Rから離れると、その離間に伴って、最外周の粘着テープT1は、粘着テープロールT1Rから剥がされる。すなわち、最外周の粘着テープT1は、剥がし用テープT2に粘着したまま、粘着テープロールT1Rから剥がされる。
【0077】
この後に、制御部150は、モータ92を作動させて巻取筒91を回転させることで、剥がされた粘着テープT1および剥がし用テープT2の巻き取りを行う。そして、検出センサ115で、剥がされた粘着テープT1の後端を検出した後に、制御部150はモータ92の駆動を停止させる。以上のようにして、塵埃の付着によって汚れている粘着テープT1が剥がされて、粘着テープT1の更新が完了する。以後は、再びワークWに対する塵埃の除去を除塵装置70で行い、粘着テープT1が汚れた場合には、上述したような粘着テープT1の更新を再び実行する。
【0078】
<効果について>
以上のような構成の露光機10の除塵装置70は、ワークWの表面に付着している塵埃を吸着する除塵ローラ71と、除塵ローラ71に付着した塵埃を転写すると共に所定長さ毎に切れ目を有する粘着テープT1を巻回している粘着テープロールT1Rを保持する粘着テープホルダ72(第1テープホルダ)と、粘着テープロールT1Rから引き出された粘着テープT1を巻き取る巻取筒91と、粘着テープロールT1Rの最外周の粘着テープT1に接触して、当該粘着テープT1を粘着テープロールT1Rから剥がすための剥がし用テープT2を保持する剥がし用テープ保持部120(第2テープホルダ)と、を有している。また、除塵装置70は、粘着テープホルダ72(第1テープホルダ)に保持されている粘着テープT1の端部を検出する検出センサ115と、検出センサ115からの検出信号が入力される制御部150と、検出センサ115で粘着テープT1の端部を検出した際に、粘着テープT1を剥がし用テープT2に対して相対的に移動させて、剥がし用テープT2を粘着テープT1の端部側に押し付けるように制御部150によって制御駆動されるローラ移動機構132(移動機構)と、を備えている。そして、巻取筒91の外周部分には、軸方向に沿って切り欠かれたスリット91bが設けられていて、当該スリット91bには、剥がし用テープT2の一端部を貼り付けて当該剥がし用テープT2を引き出すための引き出し用フィルムF1の一端部が差し込まれると共に、巻取筒91の内筒部91aには、回転中心から外周面までの半径が変動する挟持用カム100が回転自在に設けられていて、挟持用カム100の回転によって、内筒部91aの内筒面と挟持用カム100の外周面との間に、引き出し用フィルムF1の挟み込みおよび挟み込みの解除を行うと共に、巻取筒91の直径を変動させる。
【0079】
除塵装置70をこのような構成とすることで、粘着テープロールT1Rから粘着テープT1を剥がす(更新する)作業を、人手を介さずに自動的に行うことが可能となる。このため、粘着テープT1を剥がす(更新する)作業の度に、露光機10の開閉扉を開ける必要がなくなる。したがって、露光機10の開閉扉を開ける際に生じていた、塵埃の露光機10の内部への持ち込みを防止可能となる。
【0080】
また、露光機10の開閉扉を開ける場合には、露光機10の内部の温度が変動したり、露光機10の内部の圧力が変動する虞があり、そのような変動が生じた際には、温度調節器52を所定時間だけ作動させたり、加圧ファン24,34,51等を所定時間だけ作動させる必要がある。しかしながら、本実施の形態の除塵装置70では、粘着テープロールT1Rから粘着テープT1を剥がす(更新する)作業を、自動的に行うことが可能となるので、そのような温度変化や、圧力変化が生じるのを防止可能となる。それにより、露光機10の動作を安定化させることが可能となる。
【0081】
また、挟持用カム100の回転により、巻取筒91の外径を膨張又は伸縮させることができる。ここで、粘着テープT1や剥がし用テープT2が十分に巻き付いたテープロール(廃棄テープロール)からは、巻取筒91に対して巻き締めによる力が作用する。このため、巻取筒91から廃棄テープロールが簡単に抜けない状態となっている。これに対し、本実施の形態では、上記の廃棄テープロールを廃棄する場合には、挟持用カム100を回転させて、巻取筒91の外径を収縮させることが可能となる。このため、廃棄テープロールを巻取筒91から簡易に取り外すことができる。
【0082】
なお、巻取筒91を樹脂製とすることで、巻取筒91と、巻き取った後の樹脂製の粘着テープT1や剥がし用テープT2を分別する手間が生じるのを防止することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、挟持用カム100には、外周面から中心側に向かって凹む凹部101が軸方向に沿って設けられていて、その凹部101には、引き出し用フィルムF1の一端部が差し込まれる。
【0084】
このため、挟持用カム100の凹部101に引き出し用フィルムF1の一端部が差し込まれた状態で、モータ92を駆動させて挟持用カム100を回転させることで、挟持用カム100の外周面と、巻取筒91の内周面との間に、引き出し用フィルムF1を挟み込むことができる。このため、巻取筒91による引き出し用フィルムF1の保持を容易に行うことができる。
【0085】
また、本実施の形態では、巻取筒91の内部には、巻取筒91の径方向の中心において軸方向に沿うように配置されている駆動シャフト94と、駆動シャフト94よりも巻取筒91の内筒部91aの外径側に位置し、当該巻取筒91を内筒部91a側から支持する回転支持カム99(回転支持部材)と、が設けられている。また、駆動シャフト94の端部側には、内筒部91aから突出した突出部分が設けられていると共に、その突出部分には、制御部150によって駆動制御されるモータ92が連結されることで、駆動シャフト94がモータ92の駆動によって回転させられ、駆動シャフト94には駆動ギヤ96が取り付けられていて、回転支持カム99(回転支持部材)と同軸上には、駆動ギヤ96と噛み合う従動ギヤ97(第1従動ギヤ)が取り付けられていて、さらに挟持用カム100と同軸上には、駆動ギヤ96と噛み合う従動ギヤ97(第2従動ギヤ)が取り付けられている。
【0086】
このように、挟持用カム100以外に、回転支持カム99(回転支持部材)が設けられているので、巻取筒91を良好に支持することが可能となる。また、駆動シャフト94はモータ92の駆動によって回転させられるが、その駆動シャフト94が回転すると、駆動ギヤ96と従動ギヤ97(第1従動ギヤおよび第2従動ギヤ)との間の噛み合いによって、挟持用カム100および回転支持カム99(回転支持部材)も回転させることができる。このため、巻取筒91の回転を支持しつつ、巻取筒91の外径を良好に膨張又は伸縮させることができる。
【0087】
また、上述の実施の形態では、巻取筒91の外部には、巻取筒91の周方向におけるスリット91bの位置を検出する検出センサ115と、モータ92の回転によって駆動シャフト94、回転支持カム99(回転支持部材)および挟持用カム100が回転する状態で巻取筒91の回転を停止させるストッパ機構110が設けられている。そして、検出センサ115によってスリット91bの周方向における位置が検出された際に、150は、モータ92を駆動させた状態でストッパ機構110(ストッパ駆動源111)を所定時間だけ作動させてスリット91bと凹部101の位置合わせを行う。
【0088】
ここで、引き出し用フィルムF1を、巻取筒91のスリット91bおよび挟持用カム100の凹部101に差し込むためには、両者が、周方向において位置合わせされている必要がある。しかしながら、本実施の形態では、検出センサ115によってスリット91bの周方向位置を検出した際に、ストッパ機構110で巻取筒91の回転を規制し、その状態で挟持用カム100を所定時間だけ回転させることで、スリット91bと凹部101の位置合わせを確実に行うことができる。
【0089】
(第2の実施の形態)
上述の第1の実施の形態では、ワークWは、ロール状に巻回されたものとして説明している。しかしながら、ワークWは、ロール状に巻回されたものには限られず、所定の長さに切断された短冊状のものであっても良い。このような短冊状のワークWを除塵するための除塵装置70について、図9に基づいて説明する。なお、以下の説明では、第2の実施の形態に係る露光機10および除塵装置70については、必要に応じて、露光機10Bおよび除塵装置70Bと表記するが、第1の実施の形態における露光機10および除塵装置70と特に区別する必要がない場合には、単に露光機10および除塵装置70と表記する。
【0090】
図9に示す露光機10Bは、上述した第1の実施の形態における露光室42に相当する部位で、ワークWの除塵および露光を行う。すなわち、第2の実施の形成における露光機10Bでは、第1の実施の形態における露光ユニット60と除塵装置70とが一体化された状態となっている。なお、図9においては、露光ユニット60から光源63を省略した状態で図示している。
【0091】
この露光機10Bは、ワークWを搬送するワーク搬送機構200を備えている。ワーク搬送機構200は、たとえば長尺状のガイドレール201を露光機10Bの幅方向における一端側と他端側に備えていて、そのガイドレール201に沿って、上流側搬送除塵ユニット210Aと、下流側搬送除塵ユニット210Bとが移動可能となっている。
【0092】
上流側搬送除塵ユニット210Aおよび下流側搬送除塵ユニット210Bは、不図示の駆動源を備えるレール移動機構220を備えていて、このレール移動機構220によって、上流側搬送除塵ユニット210Aと下流側搬送除塵ユニット210Bとが、ガイドレール201に沿って移動する。なお、レール移動機構220は、幅方向の一端側のガイドレール201に載置されているものと、幅方向の他端側のガイドレール201に載置されているものとが、それぞれ存在する。
【0093】
また、レール移動機構220には、接続フレーム230が取り付けられている。接続フレーム230は、幅方向の一端側と他端側のガイドレール201にそれぞれ載置されているレール移動機構220を、架け渡すように設けられている。なお、図9においては、接続フレーム230は、レール移動機構220の上端側に取り付けられている。しかしながら、レール移動機構220に対する接続フレーム230の取付部位は、レール移動機構220の上端側以外の部位であっても良い。
【0094】
また、上流側搬送除塵ユニット210Aの接続フレーム230には、搬入ハンドラ240Aが取り付けられている。また、下流側搬送除塵ユニット210Bの接続フレーム230には、搬出ハンドラ240Bが取り付けられている。搬入ハンドラ240Aは、短冊状のワークWを、ワーク供給室21等の外部から露光テーブル260へと搬入する。この搬入ハンドラ240Aは、たとえば一対等のような複数の吸着パッド241を備えていて、その吸着パッド241によって短冊状のワークWが保持される。
【0095】
また、搬出ハンドラ240Bは、露光済みのワークWを、上述したワーク排出室31等へと搬送する。この搬出ハンドラ240Bも、たとえば一対等のような複数の吸着パッド241を備えていて、その吸着パッド241によって短冊状のワークWが保持される。
【0096】
また、レール移動機構220には、ローラ移動機構250が取り付けられている。ローラ移動機構250は、第1の実施の形態で述べたような除塵ローラ71を、上下方向や搬送方向に移動させる機構である。このローラ移動機構250は、ガイドレール251を備えていて、そのガイドレール251に沿ってZ方向テーブル252が移動可能となっている。
【0097】
また、Z方向テーブル252には、ステー253が連結されていて、そのステー253の先端側には、除塵ローラ71が回転自在に支持されている。かかるステー253は、搬送方向に沿って伸縮可能となっていて、その伸縮は、図示を省略する駆動源の駆動により行われる。それにより、除塵ローラ71によってワークWの除塵を行うことが可能となっている。なお、以下の説明では、必要に応じて、上流側搬送除塵ユニット210A側の除塵ローラ71を第1除塵ローラ71Aと称呼し、下流側搬送除塵ユニット210B側のA側の除塵ローラ71を第2除塵ローラ71Bと称呼するが、両者を区別する必要がない場合には、単に除塵ローラ71と称呼する。
【0098】
なお、第1除塵ローラ71Aは、第1除塵装置70Aを構成する。この第1除塵装置70Aは、粘着テープロールT1Rを保持する粘着テープホルダ72と、テープ剥がし機構80とを有している。同様に、第2除塵ローラ71Bは、第2除塵装置70Bを構成する。この第2除塵装置70Bは、粘着テープロールT1Rを保持する粘着テープホルダ72と、テープ剥がし機構80とを有している。なお、粘着テープホルダ72およびテープ剥がし機構80は、上述した第1の実施の形態におけるものと同様であるので、その説明は省略する。
【0099】
以上のような構成を有する露光機10Bでは、第1除塵装置70Aおよび第2除塵装置70Bを用いて、上述の第1の実施の形態で説明した除塵装置70と同様の作用効果を生じさせることが可能となる。
【0100】
また、本実施の形態の露光機10Bでは、第1除塵ローラ71Aと第2除塵ローラ71Bとを用いて、ワークWの除塵を行うことができる。このため、第1除塵ローラ71Aの周長と第2除塵ローラ71Bの周長の合計を、ワークWの接触移動距離よりも長く設定することで、ワークWから第1除塵ローラ71Aおよび第2除塵ローラ71Bに吸着された塵埃が、再びワークWに付着するのを防止することができる。
【0101】
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0102】
上述の各実施の形態においては、引き出し用フィルムF1を、巻取筒91のスリット91bおよび挟持用カム100の凹部101に差し込むことで、引き出し用フィルムF1を巻取筒91に保持させると共に、その引き出し用フィルムF1に剥がし用テープT2の端部を貼り付ける場合について説明している。しかしながら、引き出し用フィルムF1を用いるのを省略しても良い。この場合には、剥がし用テープT2の端部を、巻取筒91に直接貼り付ける構成とすることができる。この場合、巻取筒91にスリット91bを設けるのを省略すると共に、挟持用カム100に凹部101を設けるのを省略しても良い。
【0103】
なお、剥がし用テープT2の端部を、巻取筒91に直接貼り付ける構成とする場合、巻取筒91の材質を樹脂とすることが好ましい。この場合には、巻取筒91を金属製とする場合と比較して、金属製の巻取筒と、樹脂製の粘着テープとを分別する手間を削減することができる。なお、上記の各実施の形態における巻取筒91の材質を、金属製としても良く、さらに剥がし用テープT2の端部を、金属製の巻取筒91に直接貼り付けるようにしても良い。巻取筒91が金属を材質とする場合、巻取筒91の耐久性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0104】
10…露光機、20…ワーク巻出しユニット、21…ワーク供給室、23…陽圧ユニット、24…加圧ファン、30…ワーク巻取りユニット、31…ワーク排出室、33…陽圧ユニット、34…加圧ファン、40…ワーク処理ユニット、41…上部スペース、42…露光室、43…除塵室、50…温度調節機構、51…加圧ファン、52…温度調節器、60…露光ユニット、61…光源、62…フォトマスク、63…移動機構、70…除塵装置、70A…第1除塵装置、70B…第2除塵装置、71…除塵ローラ、71A…第1除塵ローラ、71B…第2除塵ローラ、72…粘着テープホルダ(第1テープホルダに対応)、75…粘着テープ移動機構、80…テープ剥がし機構、90…粘着テープ巻取機構、91…巻取筒、91a…内筒部、91b…スリット、92…モータ、93…連結部材、94…駆動シャフト、95…シャフト支持プレート、95a…差込凹部、95C…センタープレート、96…駆動ギヤ、97…従動ギヤ、98…従動シャフト、99…回転支持カム(回転支持部材に対応)、99a…規制溝、100…挟持用カム、101…凹部、110…ストッパ機構、111…ストッパ駆動源、112…連結アーム、113…ストッパ部材、115…検出センサ、120…剥がし用テープ保持部(第2テープホルダに対応)、130…押し当て機構、131…押し当て用ローラ、132…ローラ移動機構(移動機構に対応)、150…制御部、200…ワーク搬送機構、210A…上流側搬送除塵ユニット、210B…下流側搬送除塵ユニット、220…レール移動機構、230…接続フレーム、240A…搬入ハンドラ、240B…搬出ハンドラ、241…吸着パッド、250…ローラ移動機構、251…ガイドレール、252…Z方向テーブル、253…ステー、260…露光テーブル、F1…引き出し用フィルム、S1…接続シャフト、T1…粘着テープ、T1R…粘着テープロール、T2…剥がし用テープ、T2R…剥がし用テープロール、W…ワーク、W1…ワーク供給源、W2…巻取部位、
図1
図2
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図9