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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】携帯用のデジタル診断デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/416 20060101AFI20220114BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 27/27 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 27/28 20060101ALI20220114BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
G01N27/416 338
G01N37/00 101
G01N35/08 F ZIT
G01N1/10 V
G01N35/00 A
G01N35/08 A
G01N27/27 C
G01N27/28 R
G01N21/27 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019539851
(86)(22)【出願日】2018-02-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 IL2018050132
(87)【国際公開番号】W WO2018142415
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2020-09-01
(31)【優先権主張番号】62/454,933
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519260843
【氏名又は名称】イーエフエー―エンジニアリング フォー オール エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】エズラ,ヨエル
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500478(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0316477(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0158704(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0019283(US,A1)
【文献】国際公開第2004/074827(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/173774(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/195352(WO,A1)
【文献】Won Gu Lee et al.,Nano/Microfludics for diagnosis of infections diseases in developing countries,Advanced Drug Delivery Reviews,2010年,Vol.62,pp.449-457
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26-27/49
G01N 37/00
G01N 35/08
G01N 1/10
G01N 35/00
G01N 21/27
G01N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断デバイス(100/500)であって、該診断デバイスは、
顕微鏡検査のためのディスプレイ上で見えるサンプルの画像を提供するために構成された画像化チャネルであって、前記画像化チャネルがサンプルの画像をスキャンし、およびスキャンされた画像から疾患状態または検査結果の判定を含む診断を提供するために構成された分析モジュール(564)を含む、画像化チャネル、および、
疾患状態または検査結果の判定を含む診断を提供するために、サンプルに反応した電極(116b)から発せられた電気化学反応に基づいて受信信号を分析するための信号アナライザー(226)を含む信号チャネル、
を含む、診断デバイス(100/500)
【請求項2】
分析モジュール(564)は、スキャンされた画像から、血球数、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、P.マラリア、卵形マラリア原虫、サルマラリア原虫を含むマラリア原虫、および疾患段階、全血球計算、回帰熱とフィラリアを含む多重寄生虫、結核、パプ塗抹試験分析、尿検査、結核痰、ならびに獣医学的疾患から成る群からの診断を提供するために構成される、請求項1に記載の診断デバイス(500)。
【請求項3】
サンプルを拡大してスキャンするための光学機械システム(212)であって、分析モジュール(564)と通信する光学機械システム(212)をさらに含む、請求項1に記載の診断デバイス(500)。
【請求項4】
提供され・診断された疾患状態の処置を決定するようにプログラムされたプロセッサ(202)であって、1)分析モジュール(564)、または2)分析モジュール(564)と信号アナライザー(226)の少なくとも1つと通信するプロセッサ(202)をさらに含む、請求項1に記載の診断デバイス(500)。
【請求項5】
画像化チャネルと信号チャネルは、リアルタイムで提供された診断状態を出力するように構成される、請求項1に記載の診断デバイス(100/500)。
【請求項6】
画像化チャネルおよび信号チャネルと通信するディスプレイ(503)をさらに含み、前記ディスプレイ(503)は、1)スクリーンディスプレイ(503)、および2)外部コンピュータデバイス(102)のディスプレイ画面(103)上に図形を示すための外部コンピュータデバイス(102)の画像センサー(206)と通信するように構成されたディスプレイ出力部(214)の1つ以上を含む、請求項1に記載の診断デバイス(500)。
【請求項7】
信号アナライザー(226)と通信するアナログ/デジタル信号変換器(ADC)(224)、および、
サンプルに反応した電極(116b)から発せられた電気化学的信号を読み取るための信号読取り装置(222)であって、ADC(224)と通信する信号読取り装置(222)、
をさらに含む、請求項1に記載の診断デバイス(500)。
【請求項8】
信号アナライザー(226)は、G6PD産生および血糖値から成る群から選択される診断を提供するために信号を分析するように構成される、請求項7に記載の診断デバイス(500)。
【請求項9】
画像化チャネルにおいて、画像として目に見えるようにされるサンプルを保持する微小流体チップ(112)を受け入れるための第1のポート(110)、および、
信号チャネルにおいてサンプルを保持する電極(116b)を受け入れるための第2のポート(114)、
をさらに含む、請求項1に記載の診断デバイス(100/500)。
【請求項10】
第1のポート(110)で受け入れるためのサンプル調製用の微小流体チップ(112)をさらに含む、請求項9に記載の診断デバイス(100/500)。
【請求項11】
第2のポート(114)で受け入れるための、サンプルとの接触時に電気化学反応を起こすために電極(116b)を含むバイオセンサー片(116)をさらに含む、請求項9に記載の診断デバイス(100/500)
【請求項12】
疾患状態を分析するための方法であって、該方法は、
顕微鏡による疾患状態の存在を判定するために、ディスプレイ(103/503)上でサンプルの画像を見るためのディスプレイと、サンプルの画像をスキャンするために構成される分析モジュール(564)とを含む診断デバイス(100/500)の画像化チャネルに、サンプルを提供する工程、および、
診断デバイス(100/500)の信号チャネルにサンプルを提供する工程であって、診断デバイス(100/500)は信号アナライザー(226)を含み、および信号アナライザー(226)は、疾患状態の存在を判定するために、サンプルに反応した電極(116b)から発せられた電気化学反応に基づいて、受信信号を分析する、工程、
を含む、方法。
【請求項13】
信号アナライザー(226)によって検出された疾患状態に関する情報は、ディスプレイ(103/503)に表示される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
画像化チャネルへ提供されるサンプルと、信号チャネルに提供されるサンプルは、同じサンプルの部分を含み、およびサンプルは、血液、尿、結核痰、および組織の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
【0002】
本出願は、2017年2月6日に出願された、“Portable Digital Diagnostic Device”と題され共同所有されている米国仮特許出願第62/454,933号に関連し、かつその優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、現場での疾患診断のための携帯用装置を対象とする。
【背景技術】
【0004】
多くの臨床実験が、診断を提供するために血液サンプルの採取を必要とする。現在、患者は現場または現場外のいずれかで血液サンプルを提供し、その後、訓練された要員によって行なわれる、典型的には顕微鏡検査による分析のために、血液サンプルは検査室へと運ばれなければならず、検査結果を待たなければならない。血液サンプルの採取でさえも、シリンジ、翼状針、血液チューブ、および他の血液採取デバイスを使用して、訓練された要員によって行わなければならない。血液採取デバイスは、汚染され使用できなくなることがないように、適切に保管され、かつ衛生的な方法で保全されなければならない。さらに、一旦血液サンプルが顕微鏡学者に渡されると、顕微鏡検査または他の分析に使用可能なように、それは適切に「なすりつけ(smeare)」られなければならない。
【0005】
顕微鏡検査は、検査室での解析にとっての「ゴールドスタンダード」である。世界の50%より多くで、顕微鏡設備を有するクリニックは稀であり、同様に、顕微鏡検査設備を準備して操作し、そして血液または組織サンプルの診断を提供する訓練された顕微鏡学者も稀である。さらに、顕微鏡検査の遅れ(lag)および顕微鏡使用者が現場、医療クリニック、病院等にいる場合でさえも、顕微鏡検査から検査結果を得るには時間がかかり、かつ即時であることはまずない。さらに、世界の多くの地域で、訓練された顕微鏡学者、および顕微鏡学者のための適切な顕微鏡設備を有する検査室は限定されており、農村住民等の様々な市民からはるか遠くにある場合もあり、血液検査と共に顕微鏡検査によって判定される結果を得ることをさらに困難にする。
【0006】
サンプルの不適当な取り扱いの可能性、および患者から検査室への輸送時の天候と経過時間に起因するサンプルの汚染の可能性ゆえに、顕微鏡検査室への血液サンプルの輸送に関する問題が存在する。そのような血液検査はまた、世界の多くの人々にとって高価であり、そのような検査から多くの人々を排除する。さらに、結果はすぐには得られず、典型的には現場外であるため、患者に統計的研究を計画することができず、迅速な処置を必要とする感染患者を迅速に捜し出すことができない場合もある。
【0007】
迅速診断検査(RDT)は即時の結果を提供する。しかしながら、多くの疾患にはRDTがなく、および疾患の検出には、早期発見に必要とされる有効な感度がなく、典型的に特異度が欠けている。これらのRDTデバイスは、精度と信頼性を維持するために、適切に保管され、取り扱われなければならない。さらに、RDTには多くのメーカーが存在し、RDTの品質はメーカーによって大きく異なる。
【0008】
疾患が急速に蔓延すると、それらを素早く初期段階で診断することが重要である。これによって、患者が健康を維持し、かつ疾患の蔓延を防ぐことができるように、確実に患者を素早く処置することができる。世界中の多くの場所では、検査施設の不足と、疾患を適切に特定することができる訓練された専門家の不足が相まって、これは単純に不可能である。
【0009】
さらに、マラリア等のいくつかの疾患では、最も安全で適切な処置(マラリアの排除と根絶に関するWHOのガイドラインに基づく)を決定するために、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損試験等の追加の試験が必要である。マラリア診断に加えて、この試験は典型的に、世界の多くの田舎および遠隔地では利用可能ではなく、かつアクセス可能ではない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、例えば、医師だけでなく公衆衛生士である場合もある、最小限の訓練を受けたオペレータによるリアルタイムの、即時の結果をもたらす実地試験のための、顕微鏡検査と電気化学試験を現場にもたらすコンピュータ化されたデバイスを提供する。コンピュータ化されたデバイスは、片手で持てるデバイスであり、遠隔地に持って行くことができ、何百万もの人々に以前はなかったヘルスケアへのアクセスを提供する。即時に結果が得られるため、その場で疾患と疾病が確定すると、不必要な抗生物質および/または抗マラリア剤等の薬剤の不必要な使用がなくなる。付加的に、疾患と疾病が即座に検出されるため、処置プロトコルを即座に開始することができ、伝染性および致命的な疾患と疾病の蔓延をなくすことができる。
【0011】
コンピュータ化されたデバイスは、デュアルチャネルデバイスであり、一方のチャネルは画像化または顕微鏡検査用であり、もう一方のチャネルは電気化学(信号)用である。これらの2つのチャネルからの結果に基づいて、診断は、現場で現在可能であるよりも、より正確かつ効果的になり得る。これは、リアルタイムで疾患の動きを追跡し、および保健機関、研究所等の即時の効果的な介入のための他のデータを得るために、疾患の迅速かつ安全な処置と経過観察を可能にし、その蔓延を防ぎ、さらにリアルタイムで患者をマッピングすることを可能にする。デバイスは、例えば、同じRevDxハードウェアプラットフォームに基づいて様々な医療診断用途のためにプログラム可能な、ラボにある(lab-on-hand)コンピュータ化プラットフォームである。
【0012】
開示されるデバイスは、ほとんど訓練を受けていない、または何らかの訓練を受けたユーザーあるいは医療関係者によって、指を刺すことによって採取可能な血液サンプルを受け取ることができ、かつ訓練された医療関係者を必要としない。開示されるデバイスは、スマートフォンなどのモバイルデバイスまたはモバイルコンピュータに接続されるように設計され、デバイスは、血液サンプルの分析と、現場でリアルタイムで即時に診断を提供するために設計されている。デバイスは機械学習等の技術によって分析を行ない、および遠隔医療等の、他のネットワーク接続により血液サンプルの画像がインターネット等のネットワークを通じて遠隔地にいる訓練された医療関係者に伝達される。
【0013】
この感度と精度のある診断を即座に得ることによって、患者は、従来よりもはるかに迅速に処置を受けることができる。これは、患者の健康を守り、および疾患が伝染性である場合は、疾患の蔓延を防ぐ。
【0014】
本発明は、典型的には現場で、疾患の異なるまたは二元的な態様を診断するための対応する読取り分析システムを備える、バイオセンサー/電気化学片に基づいた使い捨ての試料調製キットを使用する。例えば、マラリアでは、それらの読取りと分析を伴う微小流体チップは、高い感度と特異度でマラリア原虫の種類を検出することができ、寄生虫の濃度が低い(マラリアの進行段階と比較した場合)初期段階でのマラリアの検出を可能にする。バイオセンサー片と読取りチャネルは、G6PD欠損を検出するために使用される。これは、マラリア原虫、三日熱マラリア原虫に使用される薬剤プリマキンでの処置が、安全に投与されることを保証するのに不可欠である。加えて、プリマキンは、他のマラリア原虫種の感染を防ぐために使用される。バイオセンサー読取りチャネルはまた、グルコースレベルのモニタリングに使用される。マラリアが低血糖症(危険なほど低レベルのグルコース)を引き起こし得るため、これは、どの患者が入院の許可を必要としているかを判定する助けとなる。
【0015】
さらに、微小流体チップとバイオセンサー片が共に使い捨てであり、かつ試験時に血液サンプルを受け取るので、試験を受ける患者間で疾患が流通せず、プロセスは衛生的であり、血液汚染の可能性がないため正確であり、かつ最小限の訓練を受けた、または訓練されていない医療関係者によって短い時間で多くの患者を試験することができる。付加的に、微小流体チップとバイオセンサー片は、血液塗抹標本として使用可能な少量の血液を必要とする。血液は、例えば指を刺すことによって得られ、これは、ユーザー、あるいは医学訓練を受けていない、または最小限の医学訓練を受けた人物によって行なうことができる。
【0016】
さらに、微小流体チップとバイオセンサー片は安価であるため、プロセスは安価であり、使用されるデバイスは一度購入すると何度も使用可能である。
【0017】
本発明の実施形態は、疾患状態を分析するためのデバイスを対象とする。デバイスは:目に見えるサンプルを提供するために構成された画像化チャネル;および、疾患状態の存在を判定するために、サンプルに反応した電極から発せられた電気化学反応に基づいて受信信号を分析するための信号アナライザーを含む信号チャネル、を含む。
【0018】
随意に、デバイスは付加的に:目に見えるサンプルの画像をスキャンし、およびスキャンされた画像から疾患状態の存在を判定するために構成された分析モジュールを含む。
【0019】
随意に、分析モジュールは、スキャンされた画像から、以下から成る群から選択される疾患状態の存在を判定するために構成される:G6PD欠損産生、血糖値、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、P.マラリア、卵形マラリア原虫、およびサルマラリア原虫を含むマラリア原虫、および疾患段階、全血球計算、回帰熱とフィラリアを含む多重寄生虫、結核、パプ塗抹試験分析、尿検査および/または分析、および獣医学的疾患。
【0020】
随意に、デバイスは付加的に:サンプルを拡大してスキャンするための光学機械システムであって、分析モジュールと通信する光学機械システムを含む。
【0021】
随意に、デバイスは付加的に:疾患状態の処置を決定するようにプログラムされたプロセッサであって、分析モジュールと通信するプロセッサを含む。
【0022】
随意に、デバイスは付加的に:疾患状態の処置を決定するようにプログラムされたプロセッサであって、分析モジュールおよび信号アナライザーと通信するプロセッサを含む。
【0023】
随意に、画像化チャネルと信号チャネルは、リアルタイムで疾患状態の存在の判定を出力するように構成される。
【0024】
随意に、デバイスは、画像化チャネルおよび信号チャネルと通信するディスプレイを含む。
【0025】
随意に、ディスプレイは:1)スクリーンディスプレイ、および2)外部コンピュータデバイスのディスプレイ画面上に図形を示すための外部コンピュータデバイスの画像センサーと通信するように構成されたディスプレイ出力の1つ以上を含む。随意に、画像化チャネルは、サンプルを受け取るための第1の端部と、対向して配されたディスプレイに関する第2の端部を含む。
【0026】
随意に、デバイスは付加的に信号アナライザーと通信するデジタル信号変換(ADC)、および、サンプルに反応した電極から発せられた電気化学的信号(例えばアナログ信号)を読み取るための信号読取り装置であって、ADCと通信する信号読取り装置を含む。
【0027】
随意に、信号アナライザーは、以下から成る群から選択される疾患状態を判定する信号の分析のために構成される:G6PD産生、血糖値、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、P.マラリア、卵形マラリア原虫を含むマラリア原虫、および疾患段階、全血球計算、回帰熱とフィラリアを含む多重寄生虫、結核、パプ塗抹試験分析、および獣医学的疾患。
【0028】
随意に、デバイスは付加的に:疾患状態の存在をユーザーインターフェース(UI)グラフィックディスプレイへと提示させる、ディスプレイにデータを送信するようにプログラムされたプロセッサを含む。
【0029】
随意に、デバイスは付加的に:画像化チャネルまたは信号チャネルの少なくとも1つと通信する位置モジュールであって、疾患状態の検出の全地球測位システム(GPS)マッピングに基づいてリアルタイムの位置表示を示すように構成された位置モジュールを含む。
【0030】
随意に、デバイスは付加的に:画像化チャネルにおいて目に見えるようにされるサンプルを保持する微小流体チップを受け入れるための第1のポート;および信号チャネルにおいてサンプルを保持する電極を受け入れるための第2のポートを含む。
【0031】
随意に、デバイスは付加的に:第1のポートで受け入れるためのサンプル調製用の微小流体チップを含む。
【0032】
随意に、デバイスは付加的に:第2のポートで受け入れるための、サンプルとの接触時に電気化学反応を起こすために電極を含むバイオセンサー片を含む。
【0033】
随意に、サンプルは、同じサンプルの部分を含み、およびサンプルは、血液、尿、組織の少なくとも1つを含む。
【0034】
随意に、微小流体チップは、染色剤、画像化強化剤、およびダイラタントの1つ以上とサンプルを混合するために構成される。
【0035】
本発明の実施形態は、疾患状態を例えば自動的に分析するための方法を対象とする。該方法は、ディスプレイ上で見るために、ディスプレイを含むデバイスの画像化チャネルにサンプルを提供する工程、および、デバイスの信号チャネルにサンプルを提供する工程であって、デバイスは信号アナライザーを含み、および信号アナライザーは、疾患状態の存在を判定するために、サンプルに反応した電極から発せられた電気化学反応に基づいて、受信信号を分析する、程、を含む。

【0036】
随意に、該方法では、信号アナライザーによって検出された疾患状態に関する情報がディスプレイ上に表示可能である。
【0037】
随意に、該方法では、画像化チャネルへ提供されるサンプルと、信号チャネルに提供されるサンプルは、同じサンプルの部分を含み、およびサンプルは、血液、尿、および組織の少なくとも1つを含む。
【0038】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料が、本発明の実施形態の実施または試験に使用可能であるが、典型的な方法および/または材料が以下に記載される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、必ずしも限定を意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照し、単なる例として本明細書に記載され、図面において参照番号または文字は、対応する要素または類似の要素を表す。ここで図面を詳細にとりわけ参照すると、詳細が一例として、本発明の実施形態の例示的説明の目的のために示されていることが強調される。この点では、図面について行われる記述により、本発明の実施形態を実施する方法が当業者に明らかとなる。
【0040】
ここで、類似の参照番号または文字が、対応する、または類似の要素を指す図面に注目する。図面は以下のとおりである。
図1】本発明の実施形態が行なわれる典型的な環境を示す図形である。
図2】併用して使用されるベースとコンピュータデバイスのブロック図であり、さらに、これらのデバイスがどのようにネットワークにつながれているかを示す。
図3】併用して使用されるベースとコンピュータデバイスの概略図である。
図4A】本発明の顕微鏡検査の態様の典型的なプロセスに関するフローダイアグラムである。
図4B】本発明の電気化学の態様の典型的なプロセスに関するフローダイアグラムである。
図5A】本発明の実施形態に従った、スタンドアロンのコンピュータデバイスのブロック図である。
図5B】本発明の実施形態に従った、別のスタンドアロンのコンピュータデバイスのブロック図である。
図5C図5Bのデバイスの斜視図である。
図6A】開示されるデバイスに関する微小流体装置の実例である。
図6B】開示されるデバイスに関する微小流体装置の実例である。
図6C】開示されるデバイスに関する微小流体装置の実例である。
図6D】開示されるデバイスに関する微小流体装置の実例である。
図7】マラリアを判定するための、および判定された場合に処置プロトコルを発行するための、開示されるデバイスによって行なわれるプロセスのフローダイアグラムである。
図8A】操作中の図5Bと5Cのデバイスのスクリーン図である。
図8B】操作中の図5Bと5Cのデバイスのスクリーン図である。
図8C】操作中の図5Bと5Cのデバイスのスクリーン図である。
図8D】操作中の図5Bと5Cのデバイスのスクリーン図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明の実施形態例を示し、ここでベースの形態での電子デバイス(100)は(電子デバイス(100)はベースとしても知られ、これらの用語は本明細書で区別なく使用される)は、機械的に係合したディスプレイスクリーン(103)を含むモバイルコンピューティングデバイス、例えばスマートフォン(102)を受け入れ、それによって光学素子に直接接続し、互いに電子通信および/またはデータ通信する。ベース(100)とスマートフォン(102)はまた、インターネット等の広域回線または公衆回線などの通信回線を通じて互いに接続されてもよい。さらに、ニアフィールド通信および他の電子通信フォーマットを介した接続、および通信モジュール(254)(図2)の入出力(I/O)ポートを介した直接リンクが存在してもよい。
【0042】
ベース(100)は、微小流体技術(112)に基づいた使い捨てのサンプル調製チップ/カセットの受け入れのための1つのポート(110)を含み、これは、例えば分析のための血液サンプル用であり、およびバイオセンサーを受け入れるための別のポート(114)を含み、ここで、例えば電極(116)上の動作端部(116a)で血液サンプルを受け取る。ポート(110)(114)は、チャネルと関係する。ポート(110)は、顕微鏡検査または画像化のための入口、または顕微鏡チャネルとして機能し、例えばマラリアでは、特異寄生生物(マラリアの種類)、およびマラリアの段階を特定し、さらに全血球計算(CBC)用途のためのものである(用語「画像化チャネル」、「顕微鏡チャネル」および「光/光学チャネル」は本明細書で区別なく使用される)。他のポート(114)は、バイオセンサー片(116)の電極(116b)上で血液サンプルからの電気化学的信号を分析するために、および例えば、マラリア感染患者に関して、適切かつ正確な薬物治療を決定するためにグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)の有無を判定するために、信号チャネルまたは電気化学チャネルとして機能する(「信号チャネル」と「電気化学チャネル」は本明細書で区別なく使用される)。
【0043】
図2は、ベース(100)およびスマートフォン(102)のブロック図を示す。ベース(100)とスマートフォン(102)は、互いに直接接続されているのが示され、および、ローカルエリアネットワーク(LAN)、およびインターネット、セルラーネットワーク、および他の通信回線等の公衆回線を含む広域ネットワーク(WAN)などの1つ以上のネットワーク(200)に接続されている。両チャネル、つまり画像化チャネルはポート(110)から、および信号チャネルはポート(114)から、一般的な中央処理装置(CPU)(202)を使用し、接続された記憶装置/メモリ(204)、ベース用の電源(206)、および通信モジュール(208)を伴い、そこから雄タイプ(male type)USB(ユニバーサルシリアルバス)(コネクタ)(209)または他の類似のコネクタが伸長する。
【0044】
中央処理装置(CPU)(202)は、デュアルチャネルのプロセスを行なうために、CPU(202)によって実行されるマシン実行可能命令を保存する記憶装置/メモリ(204)と電子通信およびデータ通信を行う1つ以上のプロセッサから形成される。電源(206)は、バッテリーまたはプラグインの電源である。通信モジュール(208)は、ベース(100)を往復するネットワーク(例えばインターネット)接続および通信を提供し、加えて、ベース(100)とスマートフォン(102)との間の電子通信とデータ通信のための直接接続を提供する。
【0045】
画像化チャネルはポート(110)を含み、後者は微小流体チップ(112)を受け入れる(図1)。微小流体チップ(110)は、光学機械システム(212)、および光学中継システム(214)を含む光学素子(308)(図3)によって可視化され、光学モジュールレンズ(216)で終端となり、そこを通じて画像が伝達される。光学素子(308)、例えば光学機械システム(212)はサンプルを拡大し、画像を含むビジュアルプレゼンテーションを向上させて、その高解像度ミクロンの達成を可能にする。
【0046】
微小流体チップ(112)は、受け取った血液を運び、適切に見ることができるようにそれを染色するために、毛管作用に基づいて動作する。光学機械システム(212)(コントローラ(212a)を有する)は、光学モジュールレンズ(216)で終端となる光学中継システム(214)によって、顕微鏡で見るために、微小流体チップ(112)のスキャンを提供する(スキャンは、コントローラ(212a)による走査メカニズム(304)(図3)上のスタンド/引出し(302)の動きによって提供される)。光学機械システム(212)の一部としてライト(LT)(217)がさらに存在し、これは(スイッチ、ボタン等(図示せず)を介して)手動で、またはコントローラ(212a)によって制御され得る。光学機械システム(212)と光学中継システム(214)は、CPU(202)、記憶装置/メモリ(204)、電源(206)、および通信モジュール(208)と、直接または間接に、電子通信および/またはデータ通信している。
【0047】
図6A~6Dは、それぞれ、様々な微小流体チップ(112a)~(112d)を示す。
【0048】
図6Aに示される微小流体チップ(112a)は、顕微鏡検査用の、血液と、尿および他の成分、例えば染色等の他の流体を支持するのに適した、ガラスまたはポリマー、または両方、あるいは親水性コーティングの有無に関わらない他の物質の基板(601)を含む。基板(601)上には血液入口(602)があり、および基板の一方の端部(601a)には、気泡(包み)(604)に包まれた染色がある。使用が望ましい場合、気泡(604)に対する圧力は、トンネル側から気泡(604)を破裂させ、および微小流体トンネル(606)を通じて染色をプレスする。血液および/または希釈された血液と染色は、微小流体チャネル(606)を介して、ヘビ状の微小流体チャネル(608)へと移動し、後者は血液と染色のための混合領域(610)として機能する。共に依然として移動している血液と染色の混合物は、基板の他方の端部(601b)において、視覚化チャンバ(614)へと、別の微小流体チャネル(612)を通って移動する。視覚化領域(614)は、装置(100)(500)の光学機械システム(212)の光学素子(308)と並ぶように基板(601)上に構成される。
【0049】
図6Bに示される微小流体チップ(112b)は、顕微鏡検査のために、血液と他の成分、例えば染色、洗浄溶液を支持するための基板(601)を含む。基板(601)には血液入口(622)があり、および基板の一方の端部(601a)には、気泡(包み)(624)に包まれた染色、および気泡(包み)(626)に包まれた洗浄溶液がある。使用が望まれる場合、血液入口(622)からの血液は、微小流体チャネル(628)を通過し、微小流体チャネル(628)の壁に付着した血球を残す。気泡(624)に対する圧力は、気泡(624)を破裂させ、染色を微小流体チャネル(628)を通じて付着した血球上に流し、その結果、染色と細胞は、基板(601)上の染色・視覚化領域(630)に達する。染色・視覚化領域(630)は、装置(100)(500)の光学機械システム(212)の光学素子(308)と並ぶように、基板(601)上に構成される。次に、気泡(626)に対する圧力は、気泡(626)を破裂させ、洗浄溶液を微小流体チャネル(628)を通して流し、残余の染色を除去し、血液・染色混合物を希釈する。
【0050】
図6Cに示される微小流体チップ(112c)は、顕微鏡検査のために、血液と他の要素、例えば染色を支持するための基板(601)を含む。基板(601)上には(基板(601)の一方の端部(601a)に)血液入口(642)があり、血液入口(642)は微小流体チャネル(644)の端部にあり、微小流体チャネル(644)は、(基板(601)の別の端部(601b)にある)染色・視覚化チャンバ(646)で終端となる。染色・視覚化チャンバ(646)は、装置(100)(500)の光学機械システム(212)の光学素子(308)と並ぶように、基板(601)上に構成される。乾燥した状態で、染色は、微小流体チャネル(644)の壁に含まれており、それによって血液または希釈された血液(647)が微小流体チャネル(644)を通って染色・視覚化領域に流れると、血液(647)が染色を捕らえる。この微小流体チップ(112)は典型的に、単一の赤血球を見るために使用される。ここで、血液が希釈されていないため、微小流体チャネルは浅く、およそ10マイクロメーターの直径である。
【0051】
図6Dに示される微小流体チップ(112d)は、血液と他の成分を支持するために基板(601)を含む。基板(601)は、一方の端部(601a)でサンプル入口(652)を支持し、これは微小流体チャネル(654)に接合し、後者は次に、基板(601)の別の端部(601b)において視覚化チャンバ(656)に接合し終端となる。染色(657)と混合された、希釈された、または希釈されていない血液サンプルは、サンプル入口(652)に配置され、ここで染色されたサンプルが視覚化領域(656)へと流される。視覚化チャンバ(656)は、装置(100)(500)の光学機械システム(212)の光学素子(308)と並ぶように、基板(601)上に構成される。
【0052】
信号チャネルは、ポート(114)から始まり、バイオセンサー片読取り装置(222)を含み、読取り装置(222)は使い捨てのバイオセンサー電極(116b)(例えば、バイオセンサー片(116)の動作端部(116a)にある)からの電気的反応(サンプルと電極(116b)との間の電気化学反応からの生成された電流、電極(116b)/バイオセンサー片(116)からのアナログ信号としての出力)を読み取り、および、電気化学反応のアナログ信号、つまり疾患、疾病、測定値等に関する、電気的反応を示すアナログ信号を増幅する。読取り装置(222)からのアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(ADC)(224)、このサンプルにG6PD欠損があるかどうかを判定するためにデジタル信号を分析し、および追加の分析のために、スマートフォン(102)に信号を送信するために通信モジュール(208)と通信する信号分析ソフトウェアモジュール(226)が存在する。
【0053】
代替的に、信号チャネルは、血糖値の検出に使用することができる。バイオセンサー片読取り装置(222)は、使い捨てのバイオセンサー電極(例えばバイオセンサー片(116))から、電気的反応から生成されたアナログ信号を増幅するように、さらに構成される。アナログ信号は血糖値に対応する。アナログ/デジタル変換器(ADC)(224)は、読取り装置(222)からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、および信号分析モジュール(226)は、血液サンプル中の血糖値を判定するために、ADC(224)から受信したデジタル信号を分析する。この血糖値は、追加の分析のために、および(スマートフォン(102)またはスタンドアロンのデバイス(500)(500’)(図5Aと5B)の)ディスプレイスクリーンへの提示のためにスマートフォン(102)に信号を送るために、血糖値に関する標準的な測定値に従って通信モジュール(208)に出力される。
【0054】
代替的に、バイオセンサー片(116)は、G6PD欠損と血糖値を同時期に、および例えば同時に検出するために、信号を読み取り可能に変換可能な電気的反応を起こすために電極を含む多数のバイオセンサー電極(116b)を含んでもよい。
【0055】
他の代替案では、信号チャネルは、他の疾患、病原体またはバイオマーカー等の、他の疾病に使用可能である。バイオセンサー片読取り装置(222)は、使い捨てのバイオセンサー片上の電極からの電気的反応(電気化学反応)によって生成されたアナログ信号を増幅し、またはそうでなければ修正するように、さらに構成される。バイオセンサー片上の電極は、サンプルによって疾病と接触した時に電気化学反応を生成するように構成され、電気化学反応は、電流と、疾病に関する対応するアナログ信号を生成する(バイオセンサー片読取り装置は、これらの疾病の電気化学的署名(または電気化学反応)を認識し、かつ電気化学反応によって引き起こされた結果的なアナログ信号を増幅するように構成される)。アナログ/デジタル変換器(ADC)(224)は、読取り装置(222)からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、および信号分析モジュール(226)(疾病、例えばその有無を判定するようにプログラムされる)は、疾病を判定するために、ADC(224)から受信したデジタル信号を分析する。この疾病判定は通信モジュール(208)に出力され、(スマートフォン(102)またはスタンドアロンのデバイス(500)(500’)(図5Aと5B)の)ディスプレイスクリーンに提示するためにこの判定の信号をスマートフォン(102)に送信する。
【0056】
デバイス、例えばスマートフォン(102)は、顕微鏡検査チャネルと信号チャネルの両方の部分を含む。スマートフォン(102)は、接続された記憶装置/メモリ(244)を伴う一般的な中央処理装置(CPU)(242)、スマートフォン(102)のスクリーンディスプレイ(103)を制御するための論理を含むスクリーンディスプレイモジュール(246)、全地球測位システム(GPS)モジュール(248)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等のデータ記憶装置(250)、慣性計測装置(IMU)を形成するジャイロメーター、温度計、磁力計、および加速度計等のセンサー(252)、および、電子通信および/またはデータ通信で雄コネクタ(209)を受け取るための、雌タイプ(female type)USB(ユニバーサルシリアルバス)コネクタ(255)または他の類似のコネクタを含む通信モジュール(254)を含む。GPSまたは位置モジュール(248)は、リアルタイムのマッピング、およびマラリア等の疾患の疫学的制御と学習に使用される疾患のマッピングによって、(スマートフォン(102)、またはスタンドアロンのデバイスのGPSまたは位置モジュール(548)の一部としての)組み込まれたGPSユニットに基づいて、リアルタイムの位置表示の表示を提供するために機能する。
【0057】
(スクリーンディスプレイモジュール(246)を介した)スクリーンディスプレイ(103)上への表示のためにカメラ画像を信号に変換するための、カメラ/画像センサーユニット(260)、例えばマラリア原虫の種類(例えば、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、P.マラリア、卵形マラリア原虫、サルマラリア原虫、および疾患段階)を検出し、および特定の血液サンプルに関するデータのタグ付けを行なうための画像分析のための分析モジュール(264)がさらに存在する。代替的に、分析モジュール(264)は、全血球計算、多重寄生虫(例えば回帰熱、フィラリア)、結核痰顕微鏡検査、尿検査、パプ塗抹試験分析等、およびさらに獣医学的疾患と疾病を含む他の疾患および疾病を分析し検出するようにプログラムすることができる。
【0058】
ベース(100)とスマートフォン(102)は共に、ネットワーク(200)を介してクラウドサーバー(270)に接続し、ここでマラリア原虫の各フレームサンプルは、分析モジュール(264)の機械学習を累積的に更新するために、(直接またはデータ記憶装置(250)のいずれかから)送信される。新たな各画像フレームサンプルを用いて、クラウドサーバー(270)は、マラリア原虫をよりよく検出することができるように、分析モジュール(264)に最新の機械学習を送信する。これは、接続が有効な時はいつでも、オンラインまたはオフラインで、自動的に、またはリクエストにより行われる。クラウドサーバー(270)はまた、マシン(102)、および随意に、遠隔医療提供者(280)、スクリーンディスプレイ、および他の情報からの診断の両方によって、例えば、とられた各試験記録、時間、位置、診断(寄生虫とG6PDの両方)、患者情報および症状等を保存し、かつリアルタイムでマラリアの事例をマッピングすることができる。ベース(100)、スマートフォン(102)、クラウドサーバー(270)、遠隔医療提供者コンピュータ(280a)(280b)のいずれかの間のネットワーク(200)を通じたすべてのデータ保存およびデータ伝送は、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)に従う。
【0059】
例えば、ベース(100)とスマートフォン(102)はまた、ネットワーク(200)を経由して、コンピュータ(280a)またはスマートフォン(280b)を介して(携帯電話の基地局(282)を介して)遠隔医療提供者(280)へとリンクする。遠隔医療提供者(280)は診断を提供することができ、診断は、クラウドサーバー(270)に送られ、またはスマートフォン(102)の分析モジュール(246)に戻されるかのいずれかである。
【0060】
図3は、画像化チャネルと信号チャネルの概略図を示す。これらのチャネルは、ベース(100)とスマートフォン(102)の両方にある部分にある。
【0061】
顕微鏡検査チャネルはポート(110)から始まり、後者は微小流体チップ(112)を受け入れる。このチップ(112)は、血液サンプルを分散し、適切にそれを染色し、かつ血球を分離するために、毛管作用を使用する。光学機械システム(212)は、微小流体チップ(112)を保持するスタンドまたは引出し(drawer)(302)を含む。スタンド/引出し(302)は、コントローラ(212a)によって制御された走査メカニズム(304)上にあり、これは、レンズ(216)等で終端となる、光学中継システム(214)の光学素子(308)によって見られる様々な位置(楕円形の両矢印(306)によって表される)へと、チップ(112)を操作することを可能にする。スクリーニングメカニズム(スタンド/引出し(302)と走査メカニズム(304)によって形成される)は、例えば引出し(302)の動きに基づいて、または、例えば(光学中継システム(214)の一部である)鏡またはプリズムを使用する光学的設計に基づいて、光学的にスクリーニングされる。
【0062】
光学中継システム(214)の光学素子(308)(上記に詳述されたライト(217)に類似の)ライト(309)を含む)からの画像は、スマートフォン(102)のカメラ(260)のレンズ(320)、またはスタンドアロンのデバイスの場合はスタンドアロンの画像センサーに、送信される。カメラ(260)からの画像は、分析モジュール(264)に入力される出力信号を用いて、画像センサーユニット(262)によって信号に変換される。出力信号はまた、分析モジュール(264)からスクリーンディスプレイモジュール(246)まで進み、その結果、血液サンプルがディスプレイスクリーン(103)に表示される。
【0063】
画像解析、機械学習、および人工知能(AI)を含むプロセスによって訓練された分析モジュール(264)は、疾患または疾病を判定し、および検出された疾患または疾病に関する診断および/または処置プロトコルを提供する。さらに、CPU(202)は、検出された疾患または疾病に関する診断および/または処置プロトコルを提供する役目を担う。疾患および/または疾病のこの検出および/または診断は、例えば、それらの異なる段階と種類における、寄生虫の形態学上の「バイオマーカー」分析に基づく。アルゴリズム(コントローラ(212a)により実行)は、(ソフトウェアおよび/またはハードウェアに)画像処理能力、(ソフトウェアおよび/またはハードウェアに)細分化能力、フィルタ、およびRevDxシステムからの既知の収集されたデータとの特定の形態学上の比較を含む。結果として生じた診断データは、データ記憶装置(250)および/またはクラウドサーバー(270)に保存される。例えば、それはまた、確認のために遠隔医療提供者(280)に送信される。
【0064】
信号チャネルはポート(114)から始まる。バイオセンサー片(116)上の血液サンプルはポート(114)に配置され、および電気的反応(電気化学反応)は、電気化学反応に由来し、相関したアナログ信号を生成する。アナログ信号はバイオセンサー読取り装置(222)によって読み取られ、それは相関させたアナログ信号を増幅する。バイオセンサー読取り装置(222)は、アナログ信号を増幅し、場合によってはフィルタリングし、アナログ信号はアナログ/デジタル変換器(ADC)(224)によってデジタル信号に変換される。例えば、デジタル信号のADC(224)出力は、G6PD欠損に関して、デジタル信号入力を分析する信号分析モジュール(226)へと入力される。サンプルからのG6PDの存在に対応するデータは、信号分析モジュール(226)によって通信モジュール(208)に送られ、次にスマートフォン(112)の通信モジュール(254)に送られる。ここで、スマートフォン(112)において、データは通信モジュール(254)から分析モジュール(264)に送られ、ここでデータは、既知の処理手順に基づき推奨される薬剤に関して分析される。分析モジュール(264)は、G6PD欠損の有無、マラリア原虫の種類、その種、その密度、段階および他の因子を表記する図表を、ディスプレイスクリーン(103)に表示するために、スクリーンディスプレイモジュール(246)に信号する。
【0065】
代替的に、上記で詳述されたように、信号チャネルが血糖読み取り値を提供するように構成されれば、そのような血糖読み取り値は、バイオセンサー片(116)上の電極(116b)に応じて、G6PD産生と共に、または別個に得られる場合もある。例えば、グルコースレベルと併せてG6DP結果は、例えば図7に示されるように、処置プロトコルを決定するためにCPU(202)によって分析される。処置プロトコル、および疾患または疾病の存在は、開示されるデバイス(100)(500)(500’)におけるCPU(202)によって命令されるように、ユーザーインターフェース(UI)としてのディスプレイスクリーン、スマートフォン(103)、またはスタンドアロンのデバイス(500)(500’)に表示される。
【0066】
マラリア処置プロトコルに関する最終決定は、マラリアが検出されれば、顕微鏡検査チャネルと信号チャネルの両方からの分析に基づく。この分析は、わずか数分で、現場でアルゴリズム(例えばCPU(202)によって実行)により自動的に行われ、または不確実な場合には、データがインターネットを通じて送信され、ネットワーク(200)を通じて遠隔医療提供者(280)により遠隔で分析され得る。
【0067】
同様に、信号チャネルは、G6PD産生、血糖、または尿検査からのものを含む、血液からの疾患と疾病の他の読み取り値を提供するように構成される必要が有る。前述の1つ以上は、処置プロトコルを決定するためにCPU(202)にプログラムされると、一緒に分析される。
【0068】
ここで図4Aと4Bに注目すると、これらの図は、開示される主題の実施形態に従い、コンピュータに実装されたプロセスを詳述するフローダイアグラムを示す。図1-3に示される要素への言及もまたなされる。図4Aと4Bのプロセスおよびサブプロセスは、本発明のシステムによって行なわれるコンピュータ化されたプロセスであり、および例えば、手動で、自動で、またはそれらの組み合わせで、かつ例えばリアルタイムで行われる。
【0069】
図4Aは、本発明の顕微鏡検査チャネルの顕微鏡検査プロセスの、フローダイアグラム例である。最初に、ブロック(402)において、血液サンプルが得られ、上記で詳述した微小流体チップ(112)等の微小流体チップ上に配置され、血液が染色され、微小流体チップ(112)はポート(110)を介してベース(100)に配置される。光学中継システム(光学中継)(214)を介して、ブロック(404)において、微小流体チップにおいて染色された血液サンプルの顕微鏡画像が、スマートフォンまたはスタンドアロンのデバイス概念(device concept)(102)のカメラ(260)に達する。カメラ/画像センサーユニット(260)の画像は、ブロック(406)において、デジタルデータ、例えばデジタル信号に変換される。デジタルデータは、ブロック(408)において、機械学習と人工知能(AI)を使用して、ソフトウェア分析モジュール(264)により分析される。分析モジュール(264)は、ブロック(420)で診断を報告する。さらに、ブロック(420)において、血液サンプルの画像が、スクリーンディスプレイモジュール(246)を介してスクリーンディスプレイ(103)に表示される。ブロック(408)から、プロセスはブロック(470)に移動し、そこで終了する。
【0070】
ブロック(420)からブロック(430)に移動し、視覚画像を含む血液サンプルに関するデータは、分析モジュール(264)によって随意にタグ付けされ得る。
【0071】
ブロック(430)から、プロセスは、一連の(440)、(450)、(460)におけるブロックによって規定される、3つの随意の経路の1つ以上を移動することができる。
【0072】
ブロック(430)からブロック(440)に移動し、タグ付けされたサンプルデータは、例えばデータ記憶装置(250)に保存され得る。次に、タグ付けされたデータは、ブロック(442)において、記憶装置からクラウドサーバー(270)等のクラウドサーバーへと、またはブロック(430)からブロック(442)へと、クラウドサーバー(270)に直接、送信することができる。ブロック(442)では、クラウドサーバー(470)において、データと画像に関する診断を用いてその機械学習、人工知能(AI)が更新される。プロセスはブロック(444)に移動し、ここで分析モジュール(264)が、この新たなデータを用いて更新される。プロセスはその後、ブロック(470)に移動し、ここで終了する。
【0073】
ブロック(430)からブロック(450)に移動し、タグ付けされたサンプルデータ、または(ブロック(440)からの)保存されタグ付けされたサンプルデータは、随意のプロセスにおいて、例えば、ネットワーク(200)を通じて遠隔医療専門家(280)へと送信され、例えば彼のコンピュータ(280a)またはスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ(280b)等に送信され得る。ブロック(452)において、診断が、遠隔医療提供者(280)から、例えばスマートフォン(102)で受信され、ここからプロセスはブロック(470)へと移動して終了し、またはクラウドサーバー(270)において受信される。一旦クラウドサーバー(270)で受信されると、以下に詳述されるように、プロセスは次にブロック(444)に移動し、ここで分析モジュール(264)がこの新たなデータを用いて更新され、またはブロック(460)へと移動する。ブロック(444)から、プロセスはブロック(470)に移動し、そこで終了する。
【0074】
ブロック(430)またはブロック(452)のいずれかから到達したブロック(460)において、サンプルは、GPSタグとタイムスタンプに基づいて、例えばクラウドサーバー(270)によって随意にマッピングされ得る。プロセスはブロック(462)の随意のプロセスに移動し、ここでクラウドサーバー(270)は、すべての試験結果のマップを提供する。プロセスはその後、ブロック(470)に移動し、そこで終了する。プロセスはまた、ブロック(460)からブロック(470)に移動することもでき、そこで終了する。
【0075】
図4Bは、本発明の信号チャネルに関する信号処理プロセスの例のフローダイアグラムである。最初に、ブロック(412)において、血液サンプルが得られ、上記で詳述したバイオセンサー片(116)等のバイオセンサー片上に配置される。バイオセンサー片(116)は、ブロック(402)において、ポート(114)を介してベース(100)内に配置される。血液サンプルは電気化学反応を引き起こし、これは結果として、ブロック(414)において、アナログ信号としての電気的反応の出力をもたらし、バイオセンサー読取り装置(222)によって読み取られる。例えばバイオセンサー読取り装置(222)によって増幅されたアナログ信号出力は、ブロック(416)において、アナログ/デジタル変換器(ADC)(224)に入力され、アナログ信号がデジタル信号に変換される。次に、ブロック(418)において、デジタル信号が信号分析モジュール(226)に入力され、ここでデジタル信号が分析される。信号はその後、ブロック(420’)において分析モジュール(264)に渡され、診断が報告される。さらに、ブロック(420’)において、G6PD欠損の状態を示す図形と絶対数が、スクリーンディスプレイモジュール(246)を介してスクリーンディスプレイ(103)に表示される。ブロック(418)において、プロセスはブロック(470)に移動し、ここで終了する。
【0076】
ブロック(420’)から、上記で詳述されたように、プロセスは、ブロック(430)、(440)、(442)、(444)、(450)、(452)、(460)、(462)の随意のプロセスに移動することができ、最終的にブロック(470)で終了する。
【0077】
図5Aと5Bは、顕微鏡検査チャネルおよび信号チャネルを介して開示されるプロセスを行なうための、代替的なモバイルコンピューティングデバイス(500)(500’)を示す。デバイス(500)(500’)は、デバイス(100)のものと同一または類似のコンポーネントを含み、および同じ要素番号を有し、図2のデバイス(100)に関する先の記述に従う。スクリーンディスプレイモジュール(546)(デバイス(500)のスクリーンディスプレイ(503)、例えばタッチスクリーを制御する)、位置ベースのGPSモジュール(548)、データ記憶装置(550)、センサーIMU(552)、画像センサーユニット(562)、および分析モジュール(564)を含むコンポーネントは、図2のスマートフォン(102)にある対応するコンポーネントと同一または類似するが、500番代の要素番号を有し(図2の200番代ではなく)、図2で対応して番号付けされたコンポーネントに倣う。分析モジュール(564)は、疾患および/または疾病の存在または不在を判定するために(例えばマラリア原虫の診断)、または測定(例えば血糖値、および全血球計算)のために、例えば画像識別、人工知能等によって、スキャンされたサンプルを分析する。デバイス(500)(図5A)はスタンドアロンのデバイスとして作動することができるため、光学中継システム(214)は随意であり、ここでレンズ(216)と光学中継システム(214)は必要ではなく、または、スマートフォンあるいは他のデバイスでは、光学中継システム(214)とレンズ(216)が必要な場合もある。デバイス(500’)(図5B)は、光学中継システム(214)とレンズ(216)を欠いており、したがってもっぱらスタンドアロンのデバイスとして動作する。
【0078】
図5Cは、スクリーンディスプレイ(503)を含むスタンドアロンのユニットとしてデバイス(500’)を示し、スクリーンショット(580)を示している。このデバイス(500’)は、ハンドヘルドつまり携帯用であり、かつバッテリーと、外部電源および太陽エネルギーからの再充電に関するオプションで動作する。
【0079】
図7は、例えば、処置決定サポート(例えば、処置の推奨、処置プロトコル等の提供)のためにデバイス(100)(500)および(500’)のCPU(202)にプログラムされる(実行される)決定図としてプロセスを示す。処置の推奨とプロトコルが、図8A-8Dにスクリーンディスプレイ(スクリーンショット)(580a-580d)として示され、以下に詳述されるように、例えばスタンドアロンのデバイス(500’)のスクリーンディスプレイ(503)上のもの等の、スクリーンディスプレイ上のユーザーインターフェース(UI)として現れる。
【0080】
プロセスの第1の枝で、熱帯熱マラリアがブロック(702)において検出される場合。被験体が低血糖かどうかを確かめるために、グルコースチェックがブロック(704)において行われる。低血糖の場合、ブロック(706)において、アルテミシニン併用療法(ACT)を用いた処置が提案される。ブロック(708)において、さらなる感染の予防にプリマキンが使用される場合、本明細書に開示されるデバイス(100)(500)(500’)を介したG6PD欠損試験が、処置の前に使用されてもよい。
【0081】
プロセスの第2の枝で、非熱帯熱マラリアまたは混合感染がブロック(712)において検出される場合。ブロック(714)において、本明細書に開示されるデバイス(100)(500)(500’)を介したG6PD試験と共に、ACTまたはクロロキンを用いる処置が提案される。G6PDが陰性の場合、プリマキンでの処置がブロック(716)において提案される。
【0082】
プロセスの第3の枝で、熱帯熱マラリアおよび非熱帯熱マラリアに関する試験が陰性であれば、上記に開示されるデバイス(100)(500)(500’)での試験が、患者に高い臨床的疑いがある場合に、ブロック(722)において提案される。
【0083】
図8Aは、マラリア検査の結果を示し、かつ処置プロトコルを提案するスクリーンショット(580a)を伴うデバイス(500’)を示す。図8Bは、マラリア検査の結果を示し、かつCPU(202)またはクラウドサーバー(270)からのものであり得る薬についての情報を提供するスクリーンショット(580b)を伴うデバイス(500’)を示す。図8Cは、白血球数を詳述するスクリーンショット(580c)を伴うデバイス(500’)を示す。図8Dは、赤血球数を詳述するスクリーンショット(580d)を伴うデバイス(500’)を示す。
【0084】
上記で開示されたデバイスと方法は、マラリア等の疾患に関連するが、これらのデバイスはまた、分析のために白血球/赤血球を認識するようにプログラムされた様々なモジュールを用いて、他の疾患状態の診断と、白血球/赤血球数および白血球分化等の血球数測定にも適応可能である。
【0085】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムの実施は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで行なうこと、または完了することを含み得る。さらに、本発明の方法および/またはシステムの実施形態の実際の器具と設備によれば、いくつかの選択されたタスクが、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、またはファームウェアによって、あるいはオペレーティングシステムを使用するそれらの組み合わせによって、実行されてもよい。
【0086】
例えば、本発明の実施形態に従い選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装されてもよい。ソフトウェアのように、本発明の実施形態に従った選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用しコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装されてもよい。本発明の典型的な実施形態では、本明細書に記載される方法および/またはシステムの典型的な実施形態による1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォーム等のデータ処理装置によって行なわれる。随意に、データ処理装置は、命令および/またはデータを保存するための揮発性メモリ、および/または不揮発性記憶装置、例えば命令および/またはデータを保存するための磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブルメディア等の非一時的記憶媒体を含む。随意に、ネットワーク接続もまた提供される。ディスプレイ、および/またはキーボードまたはマウス等のユーザー入力デバイス、またはプリンターも、随意に提供される。
【0087】
例えば、1つ以上の非一時的コンピュータ可読(記憶)媒体の任意の組み合わせが、本発明の先に表記された実施形態に従って利用されてもよい。非一時的コンピュータ可読(記憶)媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、あるいはこれらの任意の適切な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下を含むだろう:1つ以上のワイヤを有する電気的接続部、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブル読み取り専用コンパクトディスク(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせ。本明細書の内容において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによって、またはそれらと接続して使用するためのプログラムを含み、または保存することができる、任意の触知可能な媒体であってもよい。
【0088】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドにある、または搬送波の一部である、そこに具現されたコンピュータ可読プログラムコードを備えた伝播データ信号を含んでもよい。そのような伝播信号は、限定されないが電気・磁気、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含む、様々な形式のいずれかをとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体でなく、および命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらと接続して使用するためのプログラムを通信、伝播、または伝達することができるコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0089】
上記で提供されるパラグラフと参照された図面に関連して理解されるように、コンピュータに実装された方法の様々な実施形態が本明細書に提供され、それらのいくつかは、本明細書に記載される装置とシステムの様々な実施形態によって実施可能であり、およびそれらのいくつかは、本明細書に記載される非一時的コンピュータ可読記憶媒体に保存された命令に従って実行可能である。さらに、本明細書に記載される実施形態を参照することで当業者に明白になるように、本明細書に提供されるコンピュータに実装された方法のいくつかの実施形態は、他の装置またはシステムによって実行可能であり、および本明細書に記載されるもの以外のコンピュータ可読記憶媒体に保存された命令に従って実行可能である。以下のコンピュータに実装された方法に関する、システムおよびコンピュータ可読記憶媒体への言及は、説明の目的で提供され、上記のコンピュータに実装された方法の実施形態に関して、そのようなシステムのいずれか、およびそのような非一時的コンピュータ可読記憶媒体のいずれかを限定することを意図しない。同様に、システムおよびコンピュータ可読記憶媒体に関する、以下のコンピュータに実装された方法へのいかなる言及も、説明の目的で提供され、本明細書に開示されるそのようなコンピュータに実装された方法のいずれかを限定することを意図しない。
【0090】
図面のフローチャートとブロック図は、本発明の様々な実施形態に係る、システム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実施のアーキテクチャ、機能および動作を例示する。この点に関し、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、またはコードの部分を表す場合もあり、特定の論理関数(複数可)を実行するための1つ以上の実行可能な命令を含む。いくつかの代替的な実装において、ブロックに記された機能が、図に記された順序から外れて生じてもよいことに留意する必要がある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックは、含まれる機能に応じて、しばしば逆の順序で実行されてもよい。ブロック図の各ブロック、および/またはフローチャート図、ならびにブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、特定の機能または動作を実行する、または特定用途向けハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する、特定用途向けハードウェアに基づくシステムによって実行可能であることが、さらに留意される。
【0091】
本発明の様々な実施形態の記述は、例示の目的で示されてきたが、網羅的なもの、または開示される実施形態への限定としては意図されない。多くの修正と変形が、記載される実施形態の範囲と精神から逸脱することなく当業者に明らかになるだろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出された技術に対する実用化または技術的改善について最良の説明を行うために、または本明細書に開示される実施形態を当業者が理解できるように、選ばれた。
【0092】
本明細書で使用されるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に指定しない限り、複数の参照物を含む。
【0093】
「典型的に(exemplary)」という単語は、本明細書において「実施例、例または例示として役立つ」ことを意味する。「典型的に」と記載される任意の実施形態は必ずしも、他の実施形態よりも好ましい、または有利なものとして解釈されず、および/または他の実施形態からの特徴の組み込みを除外しない。
【0094】
明確にするために別個の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡略化のために単一の実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特徴は、別々に、または任意の適切なサブコンビネーション(subcombination)で、または本発明の他の実施形態において、適切に提供され得る。様々な実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、要素なしでは実施形態が有効ではないというのでなければ、それらの実施形態の本質的な特徴とは見なされない。
【0095】
それらの部分を含む上記のプロセスは、ソフトウェア、ハードウェア、およびそれらの組み合わせによって行なうことができる。それらプロセスとその部分は、コンピュータ、コンピュータ型のデバイス、ワークステーション、プロセッサ、マイクロプロセッサ、他の電子検索ツールとメモリ、およびそれらと関係する他の非一時的記憶装置タイプのデバイスによって行なうことができる。
【0096】
例えば、プロセスとその部分はまた、プログラム可能な非一時的記憶媒体、例えばマシン等による読取りが可能なコンパクトディスク(CD)、あるいは磁気ディスク、光学ディスク等を含む他のディスク、または磁気記憶装置、光学記憶装置、あるいは半導体記憶装置を含むコンピュータ利用可能な記憶媒体、または他の電子信号ソースに具現可能である。本明細書において、それらのコンポーネントを含むプロセス(方法)とシステムは、特定のハードウェアとソフトウェアへの典型的な言及を用いて記載される。プロセス(方法)は典型的なものとして記載されており、それにより特定の工程とそれらの順序は、過度の実験なしに実施できるようにこれらの実施形態を減らすために、当業者によって省略され、および/または変更され得る。プロセス(方法)とシステムは、過度の実験なしに、かつ従来技術を使用して実施するために実施形態のいずれかを減らすのに必要とされ得るように、当業者が他のハードウェアとソフトウェアを容易に適応できるように十分な方式で記載されている。
【0097】
本発明は、その特定の実施形態に関連して記載されるが、多くの代替案、変更および変形が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内に、そのような全ての代替案、変更および変形が包含されるように意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図8D