(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】撮像アセンブリおよびそのパッケージング方法、レンズモジュール、電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220114BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L27/146 D
(21)【出願番号】P 2019568297
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2018119985
(87)【国際公開番号】W WO2020103212
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2019-12-06
(31)【優先権主張番号】201811385671.9
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519437928
【氏名又は名称】中芯集成電路(寧波)有限公司上海分公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO SEMICONDUCTOR INTERNATIONAL CORPORATION(SHANGHAI BRANCH)
【住所又は居所原語表記】Room 309, Area C, F3, Building 1,No.95, Lane 85, Cailun Road, China(Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 達
(72)【発明者】
【氏名】劉 孟彬
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-042899(JP,A)
【文献】特開2006-147921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0090530(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0294299(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103456754(CN,A)
【文献】特開2007-141957(JP,A)
【文献】特開2006-005612(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106206485(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103700634(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107958881(CN,A)
【文献】中国実用新案第203895459(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105244359(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0038813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 27/146
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像アセンブリのパッケージング方法であって、
はんだパッドを有する感光性チップを提供し、
前記感光性チップにフィルタを貼り付け、
第1キャリア基板を提供し、前記第1キャリア基板にはんだパッドを有する機能素子を仮ボンディングし、前記機能素子のはんだパッドが前記第1キャリア基板
の反対側に
向き、又は前記第1キャリア基板に対向し、
前記第1キャリア基板に
封止層を形成し、前記
封止層は少なくとも前記機能素子の間に充填され、前記
封止層にビアホールが形成され、
前記感光性チップを前記ビアホール内に配置し、前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングし、前記感光性チップのはんだパッドが前記第1キャリア基板
の反対側に
向き、
前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングした後、前記感光性チップのはんだパッドと前記機能素子のはんだパッドとを電気的に接続する再配線構造を形成する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記フィルタが前記ビアホール外に配置され、
前記機能素子を前記第1キャリア基板に仮ボンディングした後、前記機能素子のはんだパッドが前記第1キャリア基板
の反対側に
向き、
前記
封止層を形成する工程では、前記
封止層が前記機能素子の間に充填され、前記
封止層が前記はんだパッドを露出させ、
前記
封止層の前記フィルタに近接する側に、前記再配線構造を形成する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項3】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記フィルタが前記ビアホール内に配置され、
前記機能素子を前記第1キャリア基板に仮ボンディングした後、前記機能素子のはんだパッドが前記第1キャリア基板に対向し、
前記
封止層を形成する工程では、前記
封止層が前記第1キャリア基板と機能素子を覆い、
前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングした後、前記再配線構造を形成する前に、
前記第1キャリア基板を除去し、
前記
封止層の前記フィルタから離れた側に、前記再配線構造を形成する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項4】
請求項2に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成する工程は、
第2キャリア基板を提供し、前記第2キャリア基板に相互接続配線を形成し、
前記感光性チップのはんだパッドと機能素子のはんだパッドにそれぞれ導電性バンプを形成し、
前記相互接続配線を前記導電性バンプにボンディングし、ボンディングされた後の前記導電性バンプと前記相互接続配線とにより前記再配線構造が構成されることを含む、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項5】
請求項2に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成する工程は、
第2キャリア基板を提供し、前記第2キャリア基板に相互接続配線を形成し、
前記相互接続配線に導電性バンプを形成し、前記導電性バンプと前記相互接続配線とにより前記再配線構造が構成され、
前記導電性バンプを対応した前記はんだパッドにボンディングすることを含む、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項6】
請求項3に記載のパッケージング方法であって、
再配線構造を形成する工程は、
第2キャリア基板を提供し、前記第2キャリア基板に相互接続配線を形成し、
前記感光性チップ内に前記感光性チップのはんだパッドに電気的に接続される導電ピラーを形成し、
前記導電ピラーと機能素子のはんだパッドにそれぞれ導電性バンプを形成し、
前記相互接続配線を前記導電性バンプにボンディングし、ボンディングされた後の前記相互接続配線、導電性バンプ及び導電ピラーにより前記再配線構造が構成されることを含む、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項7】
請求項3に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成する工程は、
第2キャリア基板を提供し、前記第2キャリア基板に相互接続配線を形成し、
前記相互接続配線に導電性バンプを形成し、
前記感光性チップ内に前記感光性チップのはんだパッドに電気的に接続される導電ピラーを形成し、
前記導電性バンプを、対応した前記導電ピラーと機能素子のはんだパッドにボンディングし、ボンディングされた後の前記相互接続配線、導電性バンプ及び導電ピラーにより前記再配線構造が構成されることを含む、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項8】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記
封止層を形成した後、レーザー切断により前記
封止層をエッチングすることにより、前記
封止層に前記ビアホールを形成する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項9】
請求項4から7のいずれか1項に記載のパッケージング方法であって、
前記第2キャリア基板に相互接続配線を形成する工程は、
前記第2キャリア基板に第1誘電体層を形成し、
前記第1誘電体層をパターン化することにより、前記第1誘電体層内に相互接続トレンチを形成し、
前記相互接続トレンチ内に前記相互接続配線を形成し、
前記第1誘電体層を除去することを含む、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項10】
請求項9に記載のパッケージング方法であって、
反応性イオンエッチングにより前記第1誘電体層を除去する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項11】
請求項9に記載のパッケージング方法であって、
前記フィルタが前記ビアホール外に配置され、
前記第1誘電体層を形成する前に、
前記第2キャリア基板をエッチングすることにより、前記第2キャリア基板内に前記フィルタを収容するための凹溝を形成し、
前記ボンディングの工程では、前記フィルタを前記凹溝に配置する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項12】
請求項11に記載のパッケージング方法であって、
前記感光性チップは光信号受信面を有し、前記フィルタは光入射面を有し、前記フィルタが前記感光性チップに貼り付けられた後、前記光入射面は前記光信号受信面
の反対側に
向き、
前記第2キャリア基板に前記相互接続配線が形成された後、前記光入射面から前記光信号受信面までの距離と前記相互接続配線の厚さとの間の差は第1値であり、
前記第2キャリア基板内に前記凹溝が形成された後、前記凹溝の深さは第2値であり、
前記第2値と第1値との差は5μm以上である、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項13】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記感光性チップが前記第1キャリア基板に仮ボンディングされた後、前記ビアホールの側壁と前記感光性チップとの間にギャップが形成され、
前記再配線構造を形成する前に、前記ギャップに接着剤を充填する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項14】
請求項4または6に記載のパッケージング方法であって、
バンプ加工により前記導電性バンプを形成する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項15】
請求項5または7に記載のパッケージング方法であって、
前記相互接続配線に導電性バンプを形成する工程は、
前記第2キャリア基板および相互接続配線を覆う第2誘電体層を形成し、
前記第2誘電体層をパターン化することにより、前記第2誘電体層に導電性ビアホールを形成し、前記相互接続配線の一部を露出させ、
前記導電性ビアホール内に前記導電性バンプを形成し、
前記第2誘電体層を除去することを含む、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項16】
請求項15に記載のパッケージング方法であって、
電気メッキにより前記導電性ビアホールに前記導電性バンプを形成する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項17】
請求項15に記載のパッケージング方法であって、
反応性イオンエッチングにより前記第2誘電体層を除去する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項18】
請求項4から7のいずれか1項に記載のパッケージング方法であって、
メタルボンディングにより前記ボンディングの工程を実施する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項19】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記フィルタが前記感光性チップに貼り付けられた後、前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングする、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項20】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成した後、
前記第1キャリア基板を除去し、
または、前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングした後、前記再配線構造を形成する前に、前記第1キャリア基板を除去する、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項21】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成した後、前記再配線構造にFPC基板をボンディングする、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項22】
請求項13に記載のパッケージング方法であって、
前記感光性チップの断面は第1矩形であり、
前記ビアホールの断面は第2矩形であり、
前記第2矩形と前記第1矩形との辺長の差は0より大きく20μm以下である、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項23】
請求項13に記載のパッケージング方法であって、
前記接着剤の材料はエポキシ接着剤である、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項24】
請求項18に記載のパッケージング方法であって、
前記メタルボンディングは、そのボンディング温度が250℃以下であり、その圧力が200kPa以上であり、そのボンディング時間が30分以上である、
ことを特徴とするパッケージング方法。
【請求項25】
撮像アセンブリであって、
封止層と、前記
封止層に嵌め込まれた機能素子と、感光性ユニットと、再配線構造とを有し、
前記
封止層が対応する上面と底面を有し、前記
封止層の上面と底面に前記機能素子を露出させるとともに、前記
封止層にビアホールが形成され、前記機能素子は、前記
封止層の底面
の反対側に
向くはんだパッドを有し、
前記感光性ユニットは、感光性チップと前記感光性チップに貼り付けられたフィルタを有し、前記感光性チップが前記ビアホールに嵌め込まれ、前記フィルタが前記ビアホール外に配置され、前記感光性チップが前記
封止層の上面と底面に露出し、前記感光性チップは、前記
封止層の底面
の反対側に
向くはんだパッドを有し、
前記再配線構造は、前記
封止層の上面の一側に配置され、前記感光性チップのはんだパッドと前記機能素子のはんだパッドとを電気的に接続
し、
前記ビアホールの側壁と前記感光性チップとの間にギャップが形成され、
前記撮像アセンブリは、前記ギャップに位置した接着剤をさらに有する、
ことを特徴とする撮像アセンブリ。
【請求項26】
請求項25に記載の撮像アセンブリであって、
前記再配線構造は、
前記感光性チップのはんだパッドと前記機能素子のはんだパッドにそれぞれ配置された導電性バンプと、
前記導電性バンプに配置された相互接続配線と、有する、
ことを特徴とする撮像アセンブリ。
【請求項27】
請求項2
5に記載の撮像アセンブリであって、
前記感光性チップの断面は第1矩形であり、
前記ビアホールの断面は第2矩形であり、
前記第2矩形と前記第1矩形との辺長の差は0より大きく20μm以下である、
ことを特徴とする撮像アセンブリ。
【請求項28】
請求項25に記載の撮像アセンブリであって、
前記機能素子は、少なくとも周辺チップと受動部品とのうちの一方を有し、前記周辺チップがデジタルシグナルプロセッサチップとメモリチップのうちの一方または両方を有する、
ことを特徴とする撮像アセンブリ。
【請求項29】
請求項25に記載の撮像アセンブリであって、
前記再配線構造に位置するFPC基板をさらに有する、
ことを特徴とする撮像アセンブリ。
【請求項30】
請求項25から
29のいずれか1項に記載の撮像アセンブリと、
前記
封止層の上面に貼り付けられ、前記感光性ユニットと機能素子を取り囲むホルダーを有し、前記感光性チップと機能素子とを電気的に接続するレンズアセンブリとを、有する、
ことを特徴とするレンズモジュール。
【請求項31】
請求項3
0に記載のレンズモジュールを有する、
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態がレンズモジュール分野に関し、特に、撮像アセンブリおよびそのパッケージング方法、レンズモジュール、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準が向上し続け、アマチュアの生活がより豊富になるにつれて、写真は旅行や様々な日常生活を記録するための一般的な手段となり、撮像機能を有する電子機器(例えば、携帯電話、タブレットPC、カメラなど)が人々の日常生活や仕事に多く適用され、撮像機能を備えた電子機器は今日の人々にとって不可欠なツールとなっている。
【0003】
撮像機能を有する電子機器は、一般に、レンズモジュールを有するものであり、レンズモジュールの設計レベルは、撮像品質を決定する重要な要素の一つである。レンズモジュールは、通常、感光性チップを有する撮像アセンブリと、前記撮像アセンブリの上方に固定され被写体の映像を形成するためのレンズアセンブリとを含む。
【0004】
そして、レンズモジュールの結像能力を高めるために、相応的に、より大きな結像面積を有する感光性チップが必要とされており、また、通常、前記レンズモジュールには抵抗、コンデンサなどの受動要素および周辺チップが配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、撮像アセンブリおよびそのパッケージング方法、レンズモジュール、電子機器を提供し、レンズモジュールの使用機能を向上させ、レンズモジュールの全体厚さを減少させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態によれば、はんだパッドを有する感光性チップを提供し、前記感光性チップにフィルタを貼り付け、第1キャリア基板を提供し、前記第1キャリア基板にはんだパッドを有する機能素子を仮ボンディングし、前記機能素子のはんだパッドが前記第1キャリア基板に背向し、又は前記第1キャリア基板に対向し、前記第1キャリア基板にパッケージング層を形成し、前記パッケージング層は少なくとも前記機能素子の間に充填され、前記パッケージング層にビアホールが形成され、前記感光性チップを前記ビアホール内に配置し、前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングし、前記感光性チップのはんだパッドが前記第1キャリア基板に背向し、前記感光性チップを前記第1キャリア基板に仮ボンディングした後、前記感光性チップのはんだパッドと前記機能素子のはんだパッドとを電気的に接続する再配線構造を形成する、パッケージング方法が提供される。
【0007】
相応的に、本発明の実施形態によれば、パッケージング層と、前記パッケージング層に嵌め込まれた機能素子と、感光性ユニットと、再配線構造とを有し、前記パッケージング層が対応する上面と底面を有し、前記パッケージング層の上面と底面に前記機能素子を露出させるとともに、前記パッケージング層にビアホールが形成され、前記機能素子は、前記パッケージング層の底面に背向するはんだパッドを有し、前記感光性ユニットは、感光性チップと前記感光性チップに貼り付けられたフィルタを有し、前記感光性チップが前記ビアホールに嵌め込まれ、前記フィルタが前記ビアホール外に配置され、前記感光性チップが前記パッケージング層の上面と底面に露出し、前記感光性チップは、前記パッケージング層の底面に背向するはんだパッドを有し、前記再配線構造は、前記パッケージング層の上面の一側に配置され、前記感光性チップのはんだパッドと前記機能素子のはんだパッドとを電気的に接続する、撮像アセンブリが提供される。
【0008】
相応的に、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態に記載の撮像アセンブリと、前記パッケージング層の上面に貼り付けられ前記感光装置と機能素子を取り囲むホルダーを有し、前記感光性チップと機能素子とを電気的に接続するレンズアセンブリとを、有するレンズモジュールを提供がされる。
【0009】
相応的に、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態に記載のレンズモジュールを有する電子機器が提供される。
【0010】
従来技術と比べ、本発明の実施形態の技術方案は下記のメリットがある。
【0011】
本発明の実施形態は感光性チップと機能素子とをパッケージング層に集積し、再配線構造により電気的接続を実現でき、周辺チップを周辺メインボードに貼り付ける方案と比べ、本発明の実施形態は感光性チップと機能素子の間の距離を短縮させたので、感光性チップと機能素子の間の電気的接続する距離の短縮に寄与でき、信号伝送速度を向上させ、レンズモジュールの使用機能(例えば、撮像速度と記憶速度の向上)を向上させるとともに、前記パッケージング層が形成された後、前記感光性チップがパッケージング層のビアホールに取り付けられ、フィルタがパッケージング層の形成過程に破裂の発生や、パッケージング層の形成プロセスによる感光性チップの性能への影響を避けられ、レンズモジュールの使用性能の保証に有利であり、パッケージング層と再配線構造により、相応的に、回路基板(例えば、PCB)を省略でき、レンズモジュールの全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図2】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図3】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図4】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図5】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図6】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図7】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図8】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図9】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図10】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図11】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図12】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図13】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図14】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法のもう一つの実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図15】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法のもう一つの実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図16】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法のもう一つの実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図17】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法のもう一つの実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図18】本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法のもう一つの実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図19】本発明のレンズモジュールの一実施形態の構成模式図である。
【
図20】本発明の電子機器の一実施形態の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在、レンズモジュールの使用性能の向上が望まれる一方、レンズモジュールがレンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことは困難である。その原因は下記のように挙げられる。
【0014】
従来のレンズモジュールは、主に、回路基板、感光性チップ、機能素子(例えば、周辺チップ)及びレンズアセンブリにより組み立てられ構成されて、通常、周辺チップが周辺メインボードに貼り付けられ、感光性チップと機能素子とは離れている。また、前記回路基板が前記感光性チップ、機能素子およびレンズアセンブリを支持するとともに、前記回路基板により前記感光性チップと機能素子とレンズモジュールとの電気的接続を実現する。
【0015】
しかしながら、高画素および超薄型レンズモジュールへの要求に伴って、レンズモジュールの結像要求がますます高くなり、感光性チップの面積が増大し、機能素子もそれに応じて増加し、レンズモジュールのサイズがますます大きくしまうので、レンズモジュールの小型化および薄型化への要求を満たすことは困難である。
【0016】
また、感光性チップは通常レンズモジュール内のホルダーの内部に配置され、周辺チップは通常ホルダーの外部に配置されるので、前記周辺チップと感光性チップとの間にはある程度の距離があり、それによって信号伝送速度が低下する。前記周辺チップは、通常、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor,DSP)チップとメモリチップとを含むので、撮像速度および記憶速度に悪影響を及ぼしやすく、それによってレンズモジュールの使用性能を低下させる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態は感光性チップと機能素子とをパッケージング層に集積し、再配線構造により電気的接続を実現でき、周辺チップを周辺メインボードに貼り付ける方案と比べ、感光性チップと機能素子の間の距離を短縮させたので、感光性チップと機能素子の間の電気的接続する距離の短縮に寄与でき、信号伝送速度を向上させ、レンズモジュールの使用機能(例えば、撮像速度と記憶速度の向上)を向上させるとともに、前記パッケージング層が形成された後、前記感光性チップがパッケージング層のビアホールに取り付けられ、フィルタがパッケージング層の形成過程に破裂の発生や、パッケージング層の形成プロセスによる感光性チップの性能への影響を避けられ、レンズモジュールの使用性能の保証に有利であり、パッケージング層と再配線構造により、相応的に、回路基板を省略でき、レンズモジュールの全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【0018】
本発明の上記の目的、特徴、および利点をわかりやすくするために、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1~
図13は、本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【0020】
図1~
図2を参照すると、
図2は
図1の感光性チップの拡大図であり、はんだパッドを有する感光性チップ200が提供される。
【0021】
前記感光性チップ200がイメージセンサチップである。この実施形態では、前記感光性チップ200はCMOSイメージセンサ(CMOS image sensor,CIS)チップである。他の実施形態では、前記感光性チップはCCD(charge coupled device,電荷結合素子)イメージセンサチップでもよい。
【0022】
この実施形態では、前記感光性チップ200は光信号受信面201(
図2に示す)を有し、前記感光性チップ200は前記光信号受信面201を介して感知光放射信号を受信する。
【0023】
具体的には、前記感光性チップ200は、感光領域200Cと、前記感光領域200Cを囲む周辺領域200Eとを含み、前記光信号受信面201が前記感光領域200Cに位置している。
【0024】
前記感光性チップ200は複数の画素部を含むので、感光性チップ200は複数の半導体感光素子(図示せず)と、半導体感光素子に位置した複数のフィルタリングフィルム(図示せず)とを含み、フィルタリングフィルムが光信号受信面201で受信された光信号を選択的に吸収し通過させることに使用される。
【0025】
前記感光性チップ200はフィルタリングフィルムに位置したマイクロレンズ210をさらに含み、マイクロレンズ210は半導体感光素子と一対一に対応し、受信された光放射信号光は半導体感光素子に集束される。前記光信号受信面201が、相応的にマイクロレンズ210の上面に当たる。
【0026】
説明する必要があるが、前記感光性チップ200は一般的にシリコンベースのチップであり、集積回路製造技術によって製造され、他のチップまたは部品と電気的に接続するためのはんだパッドを有する。本実施形態では、前記感光性チップ200は、周辺領域200Cに形成された第1チップはんだパッド220を有し、前記光信号受信面201と同じ側の感光性チップ200の面が前記第1チップはんだパッド220を露出させる。
【0027】
本実施形態では、前記感光性チップ200の断面形状が第1矩形である。他の実施形態では、実際に応じ、感光性チップの断面形状が円形などの、その他の形状でもよい。
【0028】
そのため、本実施形態では、前記第1矩形は第1辺長W1(
図2に示す)を有する。そのうち、第1辺長W1は、前記光信号受信面201と平行な方向における前記感光性チップ200の寸法であり、前記第1辺長W1は、前記感光性チップ200の長さと幅を含む。
【0029】
図1および
図2を参照し、また
図3を参照すると、
図3は
図1に示される一つのフィルタの拡大図であり、前記感光性チップ200にフィルタ400が貼り付けられる(
図1を参照)。
【0030】
前記感光性チップ200にフィルタ400が貼り付けられたら、感光装置250が形成される(
図1を参照)。
【0031】
前記感光性チップ200に前記フィルタ400が貼り付けられたら、後のパッケージングプロセスによる前記光信号受信面201への汚染を防ぐとともに、貼り付け方式により、後続のレンズモジュールの全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【0032】
前記フィルタ400は、赤外フィルタリングガラスまたは完全透明ガラスである。本実施形態では、前記フィルタ400は赤外フィルタリングガラスであり、入射光のうちの赤外線が感光性チップ200の性能に与える影響を排除するためにも用いられており、結像効果の向上に有利である。具体的には、前記フィルタ400は赤外線カットフィルタ(infrared cut filter,IRCF)であり、前記赤外線カットフィルタは青色ガラス赤外線カットフィルタであってもよく、あるいは、ガラス及び前記ガラスの表面上に配置されたIRカットコーティング(IR cut coating)を含んでもよい。
【0033】
本実施形態では、前記フィルタ400は、ボンディング面401と前記ボンディング面401背向する光入射面402を有する。前記ボンディング面401が感光性チップ200との貼り付けの面であり、即ち、前記感光性チップ200を向くための面であり、前記光入射面402は、外部からの入射光を入射させるための前記フィルタ400の面であり、即ち、感光性チップ200背向するための面である。
【0034】
具体的には、前記フィルタ400が青色ガラス赤外線カットフィルタである場合に、青色ガラス赤外線カットフィルタの一表面にARフィルム又は反射防止フィルムがメッキされ、前記ARフィルム又は反射防止フィルムの表面は光入射面402であり、前記フィルタ400がガラス及びガラスの表面上に配置されたIRカットコーティングを含む場合に、前記IRカットコーティングの表面が光入射面402である。他の実施形態では、前記フィルタが完全透明ガラスである場合、完全透明ガラスの任意の表面が前記光入射面である。
【0035】
図3に示すように、前記フィルタ400は、光透過領域400Cと、光透過領域400Cを囲むエッジ領域400Eとを含む。前記光透過領域400Cは外部入射光を透過するように構成され、感光性チップ200(
図1に示す)の光信号受信面201(
図1に示す)が光信号を受信してレンズモジュールの通常使用機能を実現するためであり、前記エッジ領域400Eはフィルタ400と感光性チップ200との貼り付けを実現するために空間的位置を確保するためである。
【0036】
図1に示すように、本実施形態では、前記フィルタ400は、接着構造410を介して感光性チップ200に貼り付けられ、前記接着構造410は前記光信号受信面201を囲んでいる。
【0037】
前記接着構造410は、フィルタ400と感光性チップ200との物理的な接続を実現するために使用され、且つ、前記フィルタ400、接着構造410および感光性チップ200よりキャビティ(図示せず)が形成され、フィルタ400と感光性チップ200との直接接触を避けることにより、フィルタ400が感光性チップ200の性能に悪影響を及ぼすことを防止する。
【0038】
本実施形態では、前記接着構造410が前記光信号受信面201を取り囲むので、前記光信号受信面201の上方のフィルタ400が感光性チップ200の感光経路に位置したので、前記感光性チップ200の性能は保証されている。
【0039】
具体的には、前記接着構造410の材料はフォトリソグラフィ可能な材料であり、フォトリソグラフィ加工により接着構造410が形成することができるので、これは接着構造410の形態品質(morphology quality)および寸法精度を改善し、パッケージング効率と生産性を改善するのに役立つだけでなく、接着構造410の接合強度への影響を低減することができる。
【0040】
本実施形態では、前記接着構造410の材料はフォトリソグラフィ可能なドライフィルム(dry film)である。他の実施形態では、前記接着構造の材料はフォトリソグラフィ可能なポリイミド(polyimide)、フォトリソグラフィ可能なポリベンゾオキサゾール(PBO)またはフォトリソグラフィ可能なベンゾシクロブテン(BCB)でもよい。
【0041】
本実施形態では、前記接着構造410を形成する際の加工上の困難さを軽減し、工程を簡略化し、前記接着構造410の形成工程が光信号受信面201に与える影響を低減するために、前記フィルタ400に接着構造410が形成される。
【0042】
具体的には、
図1に示すように、前記貼り付け工程は、第3キャリア基板340を提供することと、光入射面402(
図3に示す)を第3キャリア基板340に仮ボンディングすることと、仮ボンディング工程の後、フィルタ400のエッジ領域400E(
図3に示す)に環状の接着構造410を形成することと、前記光信号受信面201が環状の接着構造410を向くように、前記感光性チップ200の周辺領域200E(
図2に示す)を前記環状の接着構造410に貼り付けて感光装置250を形成することとを含む。
【0043】
前記第3キャリア基板340は、前記フィルタ400と感光性チップ200の貼り付け工程のためにプロセスプラットフォームとして提供され、プロセスの操作性を向上させるとともに、仮ボンディング(temporary bonding,TB)により後続の前記フィルタ400と第3キャリア基板340との剥離を便利にさせる。
【0044】
この実施形態では、前記第3キャリア基板340はキャリアウェハ(carrier wafer)である。他の実施形態では、前記第3キャリア基板は他のタイプの基板でもよい。具体的には、第1仮ボンディング層345を介してフィルタ400を第3キャリア基板340に仮ボンディングする。前記第1仮ボンディング層345は後続のフィルタ400と第3キャリア基板340との剥離を便利にさせるための剥離層として使用される。
【0045】
本実施形態では、第1仮ボンディング層345は発泡フィルムである。発泡フィルムは、対向した微粘着面および発泡面を含み、発泡フィルムは常温では粘着性を有し且つ前記発泡面が前記第3キャリア基板340に貼り付けられ、後で前記発泡フィルムを加熱して前記発泡面に粘着性を失わせ、前記フィルタ400と第3キャリア基板340との剥離が実現される。他の実施形態では、前記第1仮ボンディング層はダイアタッチフィルム(die attach film,DAF)としてもよい。
【0046】
図4を参照して説明すると、前記感光装置250が形成された後、さらに、前記感光性チップ200の光信号受信面201に背向する面をUVフィルム310に貼り付けることと、前記貼り付け工程の後、第3キャリア基板340を除去する第1剥離(debonding)処理を行う(
図1に示す)。
【0047】
感光性チップ200をUVフィルム310に貼り付けると、第3キャリア基板340が除去された後も、感光装置250への支持と固定も実現できる。また、UVフィルム310は、紫外線の照射下で付着力が弱まり、その後、前記感光装置250を前記UVフィルム310から容易に取り外すことができ、後続の仮ボンディング工程に準備される。
【0048】
具体的には、前記UVフィルム310は、フィルムアプリケータによって感光性チップ200の光信号受信面201に背向する面に密着されるとともに、大径のフレーム315の底部に貼り付けられている。前記フレーム315によってストレッチフィルムの作用が果たされ、前記感光装置250が別々に前記UVフィルム310に固定される。前記UVフィルム310およびフレーム315についての詳細説明、本実施形態では省略する。
【0049】
本実施形態では、前記第1仮ボンディング層345(
図1に示す)は発泡フィルムであり、熱剥離プロセスを使用し前記第1剥離処理を行う。具体的には、第1仮ボンディング層345を加熱処理して発泡フィルムの発泡面に粘着性を失わせ、第3キャリア基板340を除去した後、第1仮ボンディング層345を外して除去する。
【0050】
図5を参照し、第1キャリア基板320を提供し、前記第1キャリア基板320にはんだパッド(図示せず)を有する機能素子(図示せず)を仮ボンディングし、前記機能素子のはんだパッドが前記第1キャリア基板320背向する。
【0051】
前記第1キャリア基板320は後続のパッケージング層を形成するためにプロセスプラットフォームとして提供される。
【0052】
この実施形態では、前記第1キャリア基板320はキャリアウェハである。他の実施形態では、前記第1キャリア基板は他のタイプの基板でもよい。具体的には、第2仮ボンディング層325を介して機能素子を第1キャリア基板320に仮ボンディングする。第2仮ボンディング層325についての詳細説明は、前記第1仮ボンディング層345(
図1に示す)についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0053】
本実施形態では、前記仮ボンディング工程の後、前記機能素子のはんだパッドがいずれも前記第1キャリア基板320に背向し、後続の電気的接続プロセスの複雑さを軽減する。
【0054】
後続の電気的接続プロセスの難しさ、パッケージング層の形成プロセスの難しさを軽減するために、前記機能素子と感光性チップ200とは厚さが同じか、その厚さの差が小さい。また、前記感光性チップ200の厚さに応じ、厚さに適合した機能素子を形成してもよい。本実施形態では、前記機能素子と感光性チップ200との厚さの差はー2μmから2μmである。
【0055】
前記機能素子は、撮像アセンブリにおける感光性チップ200以外の特定の機能を有する部品であり、前記機能素子は周辺チップ230および受動部品240の少なくとも一方を含む。
【0056】
この実施形態では、前記機能素子は、周辺チップ230および受動部品240を含む。
【0057】
前記周辺チップ230は能動部品であり、後に感光性チップ200との電気的接続が実行されたら、前記感光性チップ200に、アナログ電源回路およびデジタル電源回路、電圧バッファ回路、シャッタ回路、シャッタ駆動回路などのような周辺回路を提供するために使用される。
【0058】
この実施形態では、前記周辺チップ230は、デジタルシグナルプロセッサチップおよびメモリチップの一方または両方を含む。他の実施形態では、前記周辺チップは他の機能タイプのチップも含み得る。図示の便宜上、
図5には1つの周辺チップ230しか示されていないが、前記周辺チップ230の数は1つに限定されない。
【0059】
前記周辺チップ230は一般的にシリコンベースのチップであり、集積回路製造技術によって製造され、他のチップまたは部品と電気的に接続するためのはんだパッドを有する。この実施形態では、前記周辺チップ230が第2チップはんだパッド235を備え、前記周辺チップ230が第1キャリア基板320に仮ボンディングされた後、前記第2チップはんだパッド235は第1キャリア基板320背向する。
【0060】
前記受動部品240は、感光性チップ200の感光動作において特定の役割を果たすために使用される。前記受動部品240は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタ、ポテンショメータ、リレー、またはドライバなどの小型の電子部品を含むことができる。図示の便宜上、
図5には1つの受動部品240しか示されていないが、前記受動部品240の数は1つに限定されない。
【0061】
前記受動部品240も他のはんだパッドまたは部品と電気的に接続するためのはんだパッドを有する。この実施形態では、前記受動部品240のはんだパッドが電極245であり、前記受動部品240が第1キャリア基板320に仮ボンディングされた後、前記電極245は第1キャリア基板320背向する。
【0062】
図6を参照し、前記第1キャリア基板320にパッケージング層350を形成し、前記パッケージング層350は少なくとも前記機能素子(図示せず)の間に充填され、前記パッケージング層350にビアホール355が形成される。
【0063】
前記パッケージング層350は機能素子と感光装置250(
図1に示す)とのパッケージング集積に使用される。そのうち、前記パッケージング層350は、レンズアセンブリ内のホルダーによって占められる空間を減らすだけでなく、また回路基板を節約することもでき、形成されたレンズモジュールの全体厚さを減らすことができ、レンズモジュールの小型化と薄型化への要求を満たすことができる。
【0064】
前記パッケージング層350の材料は成形(molding)材料であり、前記パッケージング層350は、絶縁、密封および防湿としても機能することができ、形成されたレンズモジュールの信頼性を向上させるためにも有益である。
【0065】
この実施形態では、前記パッケージング層350の材料はエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、低収縮性、優れた接着性、優れた耐食性、優れた電気的性質および低コストという利点を有しているので、電子デバイスおよび集積回路用の封止材として広く使用されている。
【0066】
前記ビアホール355は後続の感光性チップ200の取り付けに空間的位置を提供する。
【0067】
よって、感光性チップ200が対応したビアホール355に配置されてから、前記パッケージング層350が第1チップはんだパッド220を露出させ(
図1に示す)、後続の電気的接続プロセスが容易に行われるように、前記パッケージング層350の厚さが感光性チップ200の厚さにより確定される。本実施形態では、前記パッケージング層350と前記感光性チップ200とは、厚さが同じである。
【0068】
本実施形態では、前記感光性チップ200と周辺チップ230と受動部品240とは、厚さが同じか近いので、前記パッケージング層350が周辺チップ230と受動部品240との間に充填されるとともに第2チップはんだパッド235と電極245を露出させるので、後続の電気接続プロセスの難しさが軽減される。
【0069】
本実施形態では、射出成形(injection molding)プロセスを使用して、前記ビアホール355を有した前記パッケージング層350が形成される。射出成形により適合した金型を作成し、パッケージング層350の厚さと形成区域がプロセスの要求を満たし、プロセスが簡単になるとともに、同じ工程で前記ビアホール355を形成することができる。
【0070】
具体的には、前記パッケージング層350を形成する工程は、前記機能素子が仮ボンディングされた第1キャリア基板320を、上型と下型を備えた金型に配置し、前記上型と下型のいずれかが前記ビアホール355の位置を占めすための凸状のボスを有し、前記第1キャリア基板320を前記上型と下型の間におき、型締め後、前記金型を前記機能素子と第1キャリア基板320に押し付けるとともに、前記ボスを前記機能素子から露出した一部の第1キャリア基板320に押し付けて、前記上型と下型の間にキャビティが形成され、前記キャビティに封止材を注入して、前記パッケージング層350を形成して、前記金型を除去し、前記パッケージング層350に前記ビアホール355を形成する。
【0071】
また、射出成形の過程で、前記金型の表面には離型フィルム(release film)が貼り付けられる。前記離型フィルムが前記金型の表面の滑らかさを向上させるとともに、前記パッケージング層350が形成した後、前記金型とパッケージング層350の分離に用いられ、離型効果を実現できる一方、前記離型フィルムがある程度に弾性と厚さを有するので、各機能素子の間に厚さの差があっても、前記パッケージング層350が各機能素子のはんだパッドを露出させることを容易にさせる。それに応じ、離型後、前記離型フィルムを除去する工程も含まれる。
【0072】
本実施形態では、前記感光性チップ200の断面形状は第1矩形であり、相応的に、前記ビアホール355の断面形状は第2矩形であり、前記ビアホール355が垂直的側壁を有するので、金型の加工の難易度が低く、前記ビアホール355の形態品質(morphology quality)と寸法精度が保証されやすい。
【0073】
他の実施形態では、金型について設計しなくともよい。それに応じ、前記パッケージング層を形成してから、レーザー切断により前記パッケージング層をエッチングして、前記パッケージング層に前記ビアホールを形成する。
【0074】
本実施形態では、前記第2矩形が第2辺長W2を有し、前記第2辺長W2が第1辺長W1(
図2に示す)に応じ決められ、前記第2辺長W2が第1辺長W1より大きく、後続の感光性チップ200のビアホール355における取り付け難易度を引き下げ、前記感光性チップ200が破損される確率を引き下げる。また、前記第2辺長W2が、前記ビアホール355の第1キャリア基板320の表面に平行した方向のサイズであり、前記第2辺長W2がビアホール355の長さと幅を含む。
【0075】
ただし、前記第2辺長W2と前記第1辺長W1との差があまり大きくないほうが望ましい。前記差があまりに大きいと、後続に形成された撮像アセンブリのサイズが相応的に大きくなり、後で前記感光性チップ200と前記パッケージング層350との結合難易度が大きくなる。そのために、本実施形態では、前記第2辺長W2と前記第1辺長W1との差が0より大きく20μm以下である。なお、前記差の最小値が、後で前記感光性チップ200が前記ビアホール355に収まれれば十分である。
【0076】
他の実施形態では、取り付け精度が高く要求される場合、前記差が0でもよい。
【0077】
なお、説明する必要があるが、前記パッケージング層350の作用により回路基板が省略され、レンズモジュールの厚さを薄くする効果が実現できるので、感光性チップ200および周辺チップ230を薄くする必要がなく、前記感光性チップ200および周辺チップ230の機械的強度および信頼性が向上する。他の実施形態では、前記感光性チップおよび周辺チップの厚さは、プロセス要件に従って適切に薄くすることができるが、機械的強度および信頼性が影響を受けない程度に薄くする量が少ない。
【0078】
なお、この実施形態は、1つのビアホール355のみを示していることに留意されたい。他の実施形態では、形成されたレンズモジュールがデュアルカメラまたはアレイモジュール製品に適用されるとき、前記パッケージング層内のビアホール数は複数でもよい。
【0079】
図7を参照し、前記感光性チップ200が前記ビアホール355内に配置され(
図5に示す)、前記感光性チップ200が前記第1キャリア基板320に仮ボンディングされ、前記感光性チップ200のはんだパッドが前記第1キャリア基板320に背向する。
【0080】
前記感光性チップ200がビアホール355内に配置されることが、感光性チップ200と機能素子のパッケージング集積を実現して、後続の電気学集積のためにプロセスの基礎が提供される。フィルタ400がパッケージング層350の形成過程で破裂が発生することや、パッケージング層350の形成プロセスによる感光性チップ200の性能への影響が避けられ、レンズモジュールの使用性能の保証にも有利である。
【0081】
具体的には、個々の感光装置250の位置にあるUVフィルム310(
図4に示すように)を紫外線照射し、紫外線照射を受けたUVフィルム310に粘着性を失わせるようにする。イジェクタピンにより一つの感光装置250をジャックアップし、続いて吸着装置により前記感光装置250を引き上げ、逐次に前記感光装置250をUVフィルム310から剥離させ対応したビアホール355から露出された第1キャリア基板320上に放置する。また、逐次に前記感光装置250を、前記第1キャリア基板320上に仮ボンディングする方式は、感光装置250の前記ビアホール355における位置精度の向上に有利である。
【0082】
本実施形態では、前記パッケージング層350の厚さが感光性チップ200の厚さによるので、前記感光性チップ200をビアホール355に放置したら、前記フィルタ400が前記ビアホール355外に配置される。
【0083】
ビアホール355の第2辺長W2(
図5に示す)が感光性チップ200の第1辺長W1(
図2に示す)より大きく、前記ビアホール355の側壁と感光性チップ200の間にはギャップ351が形成されることに留意されたい。
【0084】
そのため、
図8を参照し、前記パッケージング方法はさらに前記ギャップ351(
図6に示す)に接着剤420を充填することも含む。
【0085】
前記接着剤420が前記感光性チップ200とパッケージング層350との物理的接続を実現し、前記感光性チップ200が前記パッケージング層350に固定されることとなる。
【0086】
この実施形態では、前記接着剤420の材料はエポキシ系接着剤である。前記パッケージング層350の材料がエポキシ樹脂で、パッケージング層350の材料に適合したエポキシ接着剤を応用することにより、前記接着剤420とパッケージング層350との適合性(compatibility)の向上に有利である。
【0087】
本実施形態では、フィルタ400が感光性チップ200に貼り付けられた後、前記感光性チップ200が第1キャリア基板320に仮ボンディングされることに留意されたい。他の実施形態では、感光性チップが第1キャリア基板に仮ボンディングされた後、フィルタを感光性チップに貼り付けてもよい。
【0088】
図9から
図12を参照し、感光性チップ200が前記第1キャリア基板320に仮ボンディングされてから、前記感光性チップ200のはんだパッドと前記機能素子(図示せず)のはんだパッドとを電気的に接続する再配線(redistribution layer,RDL)構造360(
図10に示す)を形成する。
【0089】
前記再配線構造360は、形成された撮像アセンブリの電気的集積を実施するために使用される。
【0090】
再配線構造360を応用することにより、前記感光性チップ200と機能素子との距離を縮めながら電気的接続工程の実行可能性を向上させることができ、ワイヤボンディング(wire bond)工程と比較して、再配線構造360は量産化でき、パッケージング効率を改善できる。
【0091】
本実施形態では、前記感光性チップ200のはんだパッドと機能素子のはんだパッドとはいずれも第1キャリア基板320背向するので、前記パッケージング層350の前記フィルタ400に近い側に前記再配線構造360を形成し、電気的接続プロセスの難しさを軽減する。また、後でレンズアセンブリを形成された撮像アセンブリに取り付けたら、前記再配線構造360がレンズアセンブリのホルダーに配置されるので、パッケージングの信頼性が向上する。
【0092】
具体的には、前記再配線構造360は、前記第1チップはんだパッド220、第2チップはんだパッド235、および電極245を電気的に接続する。
【0093】
本実施形態では、再配線構造360を形成する工程は以下を含む。
【0094】
図9を参照し、第2キャリア基板330を提供し、前記第2キャリア基板330に相互接続配線361を形成する。
【0095】
前記第2キャリア基板330に相互接続配線361を形成することにより、前記相互接続配線361を形成するプロセスによる前記フィルタ400への汚染を回避できる。
【0096】
具体的には、前記第2キャリア基板330に前記相互接続配線361を形成する工程は、前記第2キャリア基板330に第1誘電体層332を形成し、前記第1誘電体層をパターン化し、前記第1誘電体層内に相互接続トレンチ(図示せず)を形成し、前記相互接続トレンチ内に前記相互接続配線361を形成し、前記相互接続配線361を形成してから、前記第1誘電体層332を除去することを含む。
【0097】
前記第1誘電体層332内の相互接続トレンチは、相互接続配線361の形状、位置、およびサイズを画定するために使用される。この実施形態では、前記第1誘電体層332の材料は感光性材料であり、フォトリソグラフィプロセスによってパターン化でき、相互接続トレンチを形成するプロセスの困難さを簡略化するのに有利である。具体的には、前記第1誘電体層332の材料は、感光性ポリイミド、感光性ベンゾシクロブテンまたは感光性ポリベンゾオキサゾールである。
【0098】
この実施形態では、電気メッキにより相互接続配線361を前記相互接続トレンチ内に形成する。
【0099】
この実施形態では、前記相互接続配線361の材料は銅である。銅の抵抗率が低く、前記相互接続配線361の導電性の向上に有利で、また、銅の埋め込み性が良好で、相互接続配線361の相互接続トレンチへの充填品質の向上に有利である。他の実施形態では、前記相互接続配線の材料は、その他の適用可能な導電性材料でもよい。
【0100】
本実施形態では、前記材料の第1誘電体層332は耐食性が高いため、前記相互接続配線361を形成した後に、反応性イオンエッチングにより前記第1誘電体層332を除去することにより、第2キャリア基板330に相互接続配線361を露出させ、後続の電気接続プロセスに準備される。
【0101】
本実施形態では、前記第2キャリア基板330に第1誘電体層332を形成する前に、さらに、前記第2キャリア基板330に第3仮ボンディング層331を形成し、それに応じ、前記第1誘電体層332が前記第3仮ボンディング層331に形成されることを含む。
【0102】
前記第3仮ボンディング層331は後続の前記相互接続配線361と第2キャリア基板330との剥離を便利にさせるための剥離層として使用される。本実施形態では、前記第3仮ボンディング層331は発泡フィルムでよく、前記第3仮ボンディング層331についての詳細説明は、前記第1仮ボンディング層345(
図1に示す)についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0103】
説明する必要があるが、他の実施形態では、前記第2キャリア基板に第3仮ボンディング層を形成する前に、さらに、前記第2キャリア基板にパッシベーション層を形成することを含む。前記パッシベーション層により、前記第2キャリア基板が汚染されることが避けられ、前記第2キャリア基板が再利用可能である。また、前記パッシベーション層の材料は、酸化シリコンまたは窒化シリコンとすることができる。
【0104】
本実施形態では、前記フィルタ400が前記ビアホール355外に配置され、第1チップはんだパッド220と第2チップはんだパッド235と電極245とはパッケージング層350の同じ側に配置され、前記第3仮ボンディング層331を形成する前に、さらに、前記第2キャリア基板330をエッチングし、前記第2キャリア基板330に前記フィルタ400を収容するための凹漕335を形成することを含む。そのため、前記第3仮ボンディング層331が前記第2キャリア基板330の表面、前記凹漕335の底部と側壁を同形カバー(Conformal coverage)し、前記第1誘電体層332が前記第3仮ボンディング層331の表面を同形カバーする。
【0105】
本実施形態では、前記相互接続配線361が形成されてから、前記光入射面402から光信号受信面201までの距離と、前記相互接続配線361の厚さとの差が第1値で、前記第2キャリア基板330の凹漕335の深さHは第2値で、前記第2値と第1値との差は5μm以上であり、前記相互接続配線361と前記第1チップはんだパッド220との電気的接続や、第2チップはんだパッド235と電極245との電気的接続が保証される。
【0106】
図10を参照し、前記第1誘電体層332(
図9に示す)を取り除いてから、前記相互接続配線361に導電性バンプ365を形成する。
【0107】
本実施形態では、前記導電性バンプ365と前記相互接続配線361とにより前記再配線構造360が構成される。
【0108】
前記導電性バンプ365が相互接続配線361から突出し、前記導電性バンプ365により、後で相互接続配線361とはんだパッドとのボンディング信頼性が向上される。
【0109】
そして、前記導電性バンプ365がある程度の高さを有し、前記導電性バンプ365により、前記第2キャリア基板330内の凹漕335の深さH(
図9に示す)を減らすことができ、前記第2キャリア基板内に前記凹漕が形成されることまでも避けられ、プロセスの複雑さが軽減される。
【0110】
具体的には、前記相互接続配線361に導電性バンプ365を形成する工程は、前記第3仮ボンディング層331を同形カバーする第2誘電体層333を形成し、前記第2誘電体層が前記相互接続配線361も覆うことと、前記第2誘電体層333をパターン化し、前記第2誘電体層333内に、前記相互接続配線361を一部露出させる導電性ビアホール(図示せず)を形成することと、前記導電性ビアホール内に前記導電性バンプ365を形成することと、前記第2誘電体層333を除去することと含む。
【0111】
前記第2誘電体層333の導電性ビアホールは、導電性バンプ365の形状、位置及び寸法を画定するためである。前記第2誘電体層333についての詳細説明は、前記第1誘電体層332についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0112】
この実施形態では、電気メッキにより前記導電性ビアホール内に前記導電性バンプ365を形成する。
【0113】
本実施形態では、導電性バンプ365と相互接続配線361との適合性、前記再配線構造360の導電性能を引き上げるために、前記導電性バンプ365と相互接続配線361の材料は銅である。他の実施形態では、その他の適用可能な導電性材料としてもよい。
【0114】
本実施形態では、前記導電性バンプ365を形成してから、反応性イオンエッチングにより前記第2誘電体層333を除去する。
【0115】
図11と
図12を参照し、前記導電性バンプ365が対応した前記はんだパッドにボンディングされ、対応した前記はんだパッドに電気的に接続される。
【0116】
具体的には、前記導電性バンプ365を対応した第1チップはんだパッド220、第2チップはんだパッド235と電極245に配置してから、メタルボンディングプロセスによりボンディング工程を実施する。
【0117】
また、前記導電性バンプ365を対応した第1チップはんだパッド220、第2チップはんだパッド235と電極245に配置してから、前記フィルタ400を前記凹漕335(
図11に示す)に配置する。
【0118】
本実施形態では、前記メタルボンディングプロセスはホットプレスボンディングプロセスである。メタルボンディングプロセスの過程では、前記導電性バンプ365と対応するはんだパッドとの接触面は圧力の作用下で塑性変形するので、接触面の原子は互いに接触し、ボンディング温度が上昇するにつれて、接触面の原子拡散が加速され、クロスボーダー拡散(Cross-border spread)が実現される。一定のボンディング時間に達すると、接触面のラティスが再結合してボンディングが達成され、ボンディング強度、導電性および熱伝導性、エレクトロマイグレーション耐性、ならびに機械的接続性能が高い。
【0119】
ボンディング温度が上昇すると、接触表面上の原子はより多くのエネルギーを得て、原子間の拡散はより顕著になり、さらにボンディング温度の上昇は粒子成長を促進でき、エネルギーを得た粒子はクロスボーダー成長することができ、ボーダー面を解消できるので、接触面の材料を一体化することに有益である。しかし、ボンディング温度が高すぎると、前記感光性チップ200および周辺チップ230の性能、特に形成された撮像アセンブリ内の敏感な構成要素に、悪影響を及ぼしやすい一方、プロセス温度が高すぎると、熱応力が生じる可能性があり、アライメント精度の低下、プロセスコストの増加、生産効率の低下などの問題が引き起こされる。このために、本実施形態では、前記メタルボンディングプロセスは低温メタルボンディングプロセスであり、メタルボンディングプロセスのボンディング温度は250℃以下である。また、ボンディング温度の最低値が上記ボンディングが実現できればよい。
【0120】
前記ボンディング温度設定の下、圧力を増加させることによって、原子間の相互拡散をより容易にし、その結果、前記導電性バンプ365とはんだパッドとのボンディング品質が向上される。このために、本実施形態では、前記メタルボンディングプロセスの圧力は200kPa以上である。その中で、前記圧力は圧着工具によって発生する。
【0121】
ボンディング時間の増加もボンディング品質の向上にもつながる。このために、本実施形態では、前記メタルボンディングプロセスのボンディング時間は30min以上である。
【0122】
説明する必要があるが、実際のプロセスでは、前記ボンディング温度、圧力およびボンディング時間を合理的に調整し、組み合わせることにより、メタルボンディングの品質および効率を保証することである。
【0123】
また、接触面に酸化または汚染が生じる確率を下げるように、真空環境下で前記メタルボンディングプロセスを行ってもよいことに留意されたい。
【0124】
なお、他の実施形態では、前記感光性チップのはんだパッドと機能素子のはんだパッドに、それぞれ前記はんだパッドを電気的に接続する導電性バンプを形成してもよい。
【0125】
具体的には、再配線構造を形成する工程は、さらに、第2キャリア基板を提供し、前記第2キャリア基板に相互接続配線を形成することと、前記感光性チップのはんだパッドと機能素子のはんだパッドにそれぞれ導電性バンプを形成することと、前記相互接続配線を前記導電性バンプにボンディングし、ボンディング後の導電性バンプと相互接続配線とにより前記再配線構造が構成されることとを含む。
【0126】
はんだパッドに前記導電性バンプが形成されることにより、導電性バンプの位置精度の向上に有利で、前記導電性バンプを形成するプロセスの難易度を下げる。
【0127】
当該実施形態では、バンプ加工により前記導電性バンプが形成される。バンプ加工により、各チップや部品と前記再配線構造との間で信号伝送の信頼性を向上させることに有利である。具体的には、前記導電性バンプの材料は錫でもよい。
【0128】
図12に示されるように、本実施形態では、前記再配線構造360が、対応した第1チップはんだパッド220と第2チップはんだパッド235と電極245とは電気的に接続されてから、第2剥離処理を実施することにより前記第2キャリア基板330(
図11に示す)と第3仮ボンディング層(
図11に示す)を除去する。
【0129】
前記第2キャリア基板330と第3仮ボンディング層331を除去することによって、前記再配線構造360が露出され、後続のプロセスのために準備される。前記第2剥離処理についての詳細説明は、前記第1剥離処理についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0130】
図13を参照すると、第3剥離処理を行い、前記第1キャリア基板320を除去する(
図12に示す)。
【0131】
前記第1キャリア基板320がパッケージング層350の形成及び感光性チップ200(
図1に示す)のビアホール355(
図6に示す)内への取り付けためにプロセスプラットフォームとして提供され、前記感光性チップ200がパッケージング層350に固定されてから、前記第1キャリア基板320を取り除けばよい。
【0132】
本実施形態では、前記再配線構造360と各はんだパッドとの電気的接続の後、前記第1キャリア基板320を除去し、ボンディングの操作可能性とプロセスの安定性を向上させる。他の実施形態では、感光性チップをビアホールに取り付けてから、再配線構造を形成する前に、前記第1キャリア基板を取り除いてもよい。
【0133】
この実施形態では、前記第3剥離処理は、前記第1キャリア基板320および第2仮ボンディング層325を順次除去することを含む(
図12に示す)。前記第3剥離処理についての詳細説明は、前記第2剥離処理についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0134】
前記第1キャリア基板320が除去された後、さらに、前記パッケージング層350に対してダイシング(dicing)処理を実施することを含むことに留意されたい。前記ダイシング処理により、プロセス要件を満たすサイズの単一の撮像アセンブリ260が形成されて、後続のレンズアセンブリの組み立てのためのプロセスに準備される。本実施形態では、前記ダイシング処理はレーザー切断工程を用いて行われる。
【0135】
本実施形態では、前記第3剥離処理が先に行われ、その後にダイシング処理が行われる。他の実施形態では、第3剥離処理がダイシング処理の後に実行されてもよく、それに応じ、前記第1キャリア基板はさらに前記ダイシング処理のためにプロセスプラットフォームとして提供されてもよい。
【0136】
続いて、
図13を参照すると、前記はんだパッドに電気的に接続する再配線構造360が形成された後、さらに、前記再配線構造360にFPC基板(flexible printed circuit board、フレキシブルプリント回路基板)510をボンディングすることを含む。
【0137】
前記FPC基板510は、回路基板が省略される場合に前記撮像アセンブリ260と後続のレンズアセンブリとの電気的接続、および形成されたレンズモジュールと他の構成要素との間の電気的接続を実現するように構成される。また、後にレンズモジュールが形成されてから、前記レンズモジュールはまた、前記FPC基板510を介して電子機器内の他の構成要素に電気的に接続することができ、それによって電子機器の通常の撮像機能を実現する。
【0138】
この実施形態では、前記FPC基板510は回路構造を有し、メタルボンディングプロセスによって前記FPC基板510を再配線構造360にボンディングし、それによって電気的接続が達成される。
【0139】
なお、前記FPC基板510には、前記FPC基板510が他の回路部品と電気的に接続するためのコネクタ(connector)520が形成されている。レンズモジュールが電子機器に適用されると、前記コネクタ520が前記電子機器のメインボードに電気的に接続され、それによって前記レンズモジュールと前記電子機器内の他の構成要素との間の情報伝達が実現される。前記レンズモジュールの画像情報が前記電子機器に送信される。具体的には、前記コネクタ520は金指コネクタ(Goldfinger connector)とすることができる。
【0140】
プロセスの実現可能性を向上させるために、前記ダイシング処理と第2剥離処理の後に、前記FPC基板510を前記再配線構造360にボンディングする。
【0141】
図14~
図18は、本発明の撮像アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【0142】
本実施形態と前記実施形態との同じ点につき、ここでは省略する。本実施形態と前記実施形態との相違点は、
図15に示されるように、前記感光性チップ200aを対応した前記ビアホール355aに(
図14に示す)配置してから、前記フィルタ400aも前記ビアホール355aに配置されることにある。
【0143】
それに応じ、
図17に示されるように、電気的接続の実行可能性を考慮し、パッケージング層350の前記フィルタ400aから離れた側に再配線構造360aが形成される。
具体的には、前記パッケージング方法は下記の工程を含む。
【0144】
図14を参照し、機能素子を第1キャリア基板320aに仮ボンディングしてから、前記機能素子のはんだパッドが前記第1キャリア基板320aに対向する。
【0145】
本実施形態では、前記機能素子が周辺チップ230aと受動部品240aを有し、周辺チップ230aのはんだパッドが第2チップはんだパッド235aであり、受動部品240aのはんだパッドが電極245aである。
【0146】
第2チップはんだパッド235aと電極245aとが第1キャリア基板320aに対向するようにして、再配線構造を形成するためのプロセスの難易度を下げる。
【0147】
引き続き
図14を参照し、前記第1キャリア基板320aに、前記第1キャリア基板320aと機能素子を覆うパッケージング層350aを形成する。
【0148】
前記パッケージング層350aが前記周辺チップ230aと受動部品240aを覆うので、感光性チップ200aと周辺チップ230a及び受動部品240aとの間の厚さの差を制御することが回避できる。
【0149】
前記パッケージング層350aの厚さが感光装置(図示せず)の全体厚さに依拠する。
【0150】
本実施形態では、撮像アセンブリの厚さを下げるように、前記パッケージング層350aの厚さと感光装置の全体厚さとは同じである。他の実施形態では、パッケージング層の厚さが感光装置の全体厚さより大きくてもよい。
【0151】
図15を参照し、感光性チップ200aとフィルタ400aを対応したビアホール355aに配置し、前記感光性チップ200aが前記第1キャリア基板320aに仮ボンディングされる。
【0152】
本実施形態では、前記パッケージング層350aの厚さが前記感光装置の全体厚さと同じであるので、前記パッケージング層350aの前記第1キャリア基板320aに背向する面は、前記フィルタ400の光入射面402aとは、同じ平面に位置する。他の実施形態では、前記パッケージング層の前記第1キャリア基板に背向する面は、前記光入射面より高くとも低くともよい。
【0153】
前記感光性チップ200aとフィルタ400aを対応した前記ビアホール355aに配置したら、前記ビアホール355aの側壁と前記感光性チップ200aとの間にギャップ(図示せず)が形成され、前記パッケージング方法は、さらに、前記ギャップ内に接着剤420aを充填することにより、前記感光性チップ200aを前記パッケージング層350aに固定することも含む。
【0154】
図16を参照し、前記ギャップ(図示せず)内に接着剤420aを充填してから、前記第1キャリア基板320aを除去する。
【0155】
第1キャリア基板320aを除去することによって、前記機能素子のはんだパッドや前記感光性チップ200aの前記フィルタ400aに背向する面が露出され、後続プロセスのために準備される。
【0156】
引き続き
図16を参照し、
図17を合わせて参照すれば、前記第1キャリア基板320aを除去した後、前記パッケージング層350aの前記フィルタ400aから離れた側の面に、前記はんだパッドに電気的に接続する再配線構造360a(
図17に示す)を形成する。
【0157】
具体的には、再配線構造360aを形成する工程は以下を含む。
【0158】
図16を参照すると、前記感光性チップ200aには導電ピラー280aが形成され、前記導電ピラー280aは前記感光性チップ200aの第1チップはんだパッド220aと電気的に接続する。
【0159】
前記感光性チップ200aが前記導電ピラー280aの上面を露出させ、前記導電ピラー280aが前記感光性チップ200aの外接電極として使用され、前記第1チップはんだパッド220aと機能素子のはんだパッドとの電気的接続が実現される。また、前記導電ピラー280aの上面とは、前記導電ピラー280aの延在方向に沿って、前記導電ピラー280aの前記フィルタ400aに背向する面である。
【0160】
この実施形態では、前記導電ピラー280aの材料は銅であり、それによって導電ピラー280aの導電性能を改善し、導電ピラー280aを形成するプロセスの困難性を低減する。他の実施形態では、前記導電ピラーの材料は、タングステンなどの適用可能な導電性材料でもよい。
【0161】
具体的には、前記導電ピラー280aは、貫通シリコンビア(Through-Silicon Via,TSV)プロセスを使用して形成される。
【0162】
前記第1キャリア基板320aを取り除いてから、前記導電ピラー280aを形成する前に、さらに、前記パッケージング層350aの前記第2チップはんだパッド235aと電極245aに背向する面を、第4キャリア基板380aに仮ボンディングする工程を含む。前記第4キャリア基板380aが、前記導電ピラー280aの形成のためにプロセスプラットフォームとして提供され、後続のプロセスためにプロセスプラットフォームとして提供される。
【0163】
本実施形態では、第4仮ボンディング層385aにより、前記パッケージング層350aを前記第4キャリア基板380aにボンディングする。前記第4キャリア基板380aと第4仮ボンディング層385aについての詳細説明は、第1実施形態の説明を参照できるので、ここでは省略する。
【0164】
図17を参照し、導電性バンプ365aと相互接続配線361aを形成し、前記導電性バンプ365aは前記導電ピラー280aと機能素子のはんだパッドとを電気的に接続する。
【0165】
前記導電ピラー280aと導電性バンプ365aと相互接続配線361aとにより前記再配線構造360aが構成される。
【0166】
具体的には、前記相互接続配線361aに導電性バンプ365aが形成されてから、前記導電性バンプ365aを対応した前記導電ピラー280aと機能素子のはんだパッドにボンディングし、または、前記導電ピラー280aと機能素子のはんだパッドにそれぞれ前記導電性バンプ365aを形成してから、前記相互接続配線361aを前記導電性バンプ365aにボンディングする。
【0167】
また、前記相互接続配線361aに導電性バンプ365aを形成する際に、電気メッキにより前記導電性バンプ365を形成するが、前記導電ピラー280aと機能素子のはんだパッドに前記導電性バンプ365aを形成する際に、バンプ加工(bumping process)により前記導電性バンプ365を形成する。
【0168】
本実施形態では、メタルボンディングプロセスにより前記ボンディング工程を実施する。
【0169】
前記導電性バンプ365aと相互接続配線361aを形成する工程及びボンディング工程についての詳細説明は、第1実施形態の説明を参照できるので、ここでは省略する。
【0170】
図18を参照し、再配線構造360aを形成してから、さらに、第4キャリア基板380a(
図17に示す)と第4仮ボンディング層385a(
図17に示す)を除去する工程を含む。
【0171】
第4キャリア基板380aと第4仮ボンディング層385aを除去することにより、後続のダイシング処理のプロセスに準備される。第4キャリア基板380aと第4仮ボンディング層385aを除去する工程、及び後続の工程についての詳細説明は、第1実施形態の説明を参照できるので、ここでは省略する。
【0172】
本実施形態のパッケージング方法の詳細な説明については、前述の実施形態の対応する説明を参照することができ、ここでは省略する。
【0173】
それに対応して、本発明の実施形態はさらに一種の撮像アセンブリを提供する。引き続き
図13を参照すると、本発明の撮像アセンブリの一実施形態の構成模式図が示されている。
【0174】
前記撮像アセンブリ260は、下記のような構成を有し、即ち、パッケージング層350と、前記パッケージング層350に嵌め込まれた機能素子(図示せず)とを有し、前記パッケージング層350が対向した上面(図示せず)と底面(図示せず)を有し、前記パッケージング層350の上面と底面は前記機能素子を露出させるとともに、前記パッケージング層350にビアホール355(
図6に示す)が形成され、前記機能素子がはんだパッド(図示せず)を有し、前記機能素子のはんだパッドが前記パッケージング層350の底面に背向し、感光装置250(
図1に示す)は感光性チップ200と前記感光性チップ200に貼り付けられたフィルタ400を有し、前記感光性チップ200が前記ビアホール355に嵌め込められ、前記フィルタ400が前記ビアホール355外に配置され、前記感光性チップ200が前記パッケージング層350の上面と底面から露出し、前記感光性チップ200がはんだパッドを有するとともに、前記感光性チップ200のはんだパッドが前記パッケージング層350の底面に背向し、前記パッケージング層350の上面の一側に配置される再配線構造360が、前記感光性チップ200のはんだパッドと前記機能素子のはんだパッドとを電気的に接続する。
【0175】
前記パッケージング層350は、感光性チップ200と機能素子に対して固定的な役割を果たし、感光性チップ200と機能素子との集積パッケージを実現する。そのうち、前記パッケージング層350は、レンズアセンブリ内のホルダーによって占められる空間を減らすだけでなく、また回路基板を節約することもでき、前記レンズモジュール260の全体厚さを減らすことができ、レンズモジュールの小型化と薄型化への要求を満たすことができる。
【0176】
前記パッケージング層350の材料は成形(molding)材料であり、前記パッケージング層350は、絶縁、密封および防湿としても機能することができ、形成されたレンズモジュールの信頼性を向上させるためにも有益である。この実施形態では、前記パッケージング層350の材料はエポキシ樹脂である。
【0177】
この実施形態では、前記パッケージング層350は対向する上面および底面を含む。また、前記パッケージング層350の上面はレンズアセンブリを貼り付けるための面である。
【0178】
前記ビアホール355は前記感光性チップ200の前記パッケージング層350内における取り付けのために空間的位置を提供する。
【0179】
なお、この実施形態は、1つのビアホール355のみを示していることに留意されたい。他の実施形態では、レンズモジュールがデュアルカメラまたはアレイモジュール製品に適用されるとき、前記パッケージング層内のビアホール数は複数でもよい。
【0180】
前記感光性チップ200の断面形状は通常矩形であり、それに応じ、前記ビアホール355の断面形状も矩形である。具体的には、前記感光性チップ200の断面形状は第1矩形であり、前記ビアホール355の断面形状は第2矩形であり、第2矩形の辺長(図示せず)は第1矩形の辺長(図示せず)に依拠しながら、前記第2矩形の辺長が前記第1矩形の辺長より長いので、感光性チップ200の前記ビアホール355内への取り付け難易度を下げる。
【0181】
ただし、前記第2矩形と第1矩形の辺長差があまりに大きくないほうが望ましい。前記差があまりに大きいと、前記撮像アセンブリ260のサイズが相応的に大きくなり、前記感光性チップ200と前記パッケージング層350との結合難易度が大きくなりがちである。そのために、本実施形態では、前記第2矩形と第1矩形の辺長の差が0より大きく20μm以下である。なお、前記差の最小値が、後で前記感光性チップ200が前記ビアホール355に収まれれば十分である。他の実施形態では、アライメント精度が高く要求される場合、前記第2矩形と第1矩形の辺長の差が0でもよい。
【0182】
本実施形態では、前記感光性チップ200と機能素子との電気的接続難易度を下げるために、前記フィルタ400が前記ビアホール355外に配置され、前記パッケージング層350の上面と底面からも前記感光性チップ200と機能素子が露出する。
【0183】
この実施形態では、前記感光性チップ200はCMOSイメージセンサチップである。他の実施形態では、前記感光性チップはCCDイメージセンサチップでもよい。
【0184】
本実施形態では、前記感光性チップ200は、感光領域200C(
図2に示す)と、感光領域200Cを囲む周辺領域200E(
図2に示す)とを含み、前記感光性チップ200はさらに前記感光領域200Cに位置する光信号受信面201を有する。
【0185】
前記感光性チップ200は一般的にシリコンベースのチップであり、前記感光性チップ200のはんだパッドは前記感光性チップ200と他のチップまたは部品と電気的に接続するために使用される。本実施形態では、前記感光性チップ200は周辺領域200Eに位置した第1チップはんだパッド220を有する。
【0186】
本実施形態では、前記第1チップはんだパッド220はフィルタ400に対向し、即ち、前記第1チップはんだパッド220は前記パッケージング層350の底面に背向する。
【0187】
感光性チップ200に前記フィルタ400が貼り付けられると、パッケージングプロセスによる光信号受信面201への汚染を防ぐとともに、レンズモジュール600の全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【0188】
レンズモジュールの正常な機能を実現するために、前記フィルタ400は、赤外フィルタリングガラスまたは完全透明ガラスであってよい。本実施形態では、前記フィルタ400は赤外フィルタリングガラスであり、入射光のうちの赤外線が前記感光性チップ200の性能に与える影響を排除するためにも用いられており、結像効果の向上に有利である。
【0189】
本実施形態では、前記フィルタ400と感光性チップ200は、それらの間にある接着構造410を介し貼り付けが実現でき、前記接着構造410は感光性チップ200の光信号受信面201を囲んでいる。
【0190】
前記接着構造410は前記フィルタ400と感光性チップ200との物理的接続を実現するために用いられる。また、前記フィルタ400が感光性チップ200と直接接触することが防止されるので、前記感光性チップ200の性能に悪影響が及ぶことを回避することができる。
【0191】
本実施形態では、前記接着構造410が前記光信号受信面201を取り囲むので、前記光信号受信面201の上方のフィルタ400が前記感光性チップ200の感光経路に位置したので、前記感光性チップ200の性能は保証されている。
【0192】
この実施形態は、1つの感光装置250のみを示していることに留意されたい。他の実施形態では、レンズモジュールがデュアルカメラまたはアレイモジュール製品に適用されるとき、感光装置の数は複数でもよい。
【0193】
本実施形態では、前記パッケージング層350の上面が前記感光性チップ200を露出させるので、前記感光性チップ200の第1チップはんだパッド220が前記パッケージング層350から露出し、再配線構造360の形成難易度を下げる。
【0194】
具体的には、前記パッケージング層350の厚さを合理的に設定することにより、前記感光性チップ200の光信号受信面201とパッケージング層350の上面とが揃う。
【0195】
本実施形態では、前記感光性チップ200がビアホール355内に取り付けられるので、フィルタ400がパッケージング層350の形成過程で破裂が発生することや、パッケージング層350の形成プロセスによる感光性チップ200の性能への影響が避けられ、レンズモジュールの使用性能の保証にも有利である。
【0196】
本実施形態では、前記感光性チップ200の断面形状が第1矩形で、前記ビアホール355の断面形状が第2矩形であり、前記第2矩形の辺長が第1矩形の辺長より大きく、前記ビアホール355の側壁と前記感光性チップ200の間にギャップ351(
図7に示す)が形成され、前記感光性チップ200の取り付け過程に破損する確率が下がる。
【0197】
そのため、前記撮像アセンブリ260が、前記ギャップ351に位置した接着剤420をさらに有する。
【0198】
前記接着剤420が前記感光性チップ200とパッケージング層350との物理的接続を実現し、前記感光性チップ200が前記パッケージング層350に固定されることとなる。
【0199】
この実施形態では、前記接着剤420の材料はエポキシ系接着剤である。前記パッケージング層350の材料がエポキシ樹脂で、パッケージング層350の材料に適合したエポキシ接着剤を応用することにより、前記接着剤420とパッケージング層350との適合性(compatibility)の向上に有利である。
【0200】
前記機能素子は、撮像アセンブリにおける前記感光性チップ200以外の特定の機能を有する部品であり、前記機能素子は周辺チップ230および受動部品240の少なくとも一方を含む。
【0201】
この実施形態では、前記機能素子は、周辺チップ230および受動部品240を含む。
【0202】
前記周辺チップ230は能動部品であり、感光性チップ200に、アナログ電源回路およびデジタル電源回路、電圧バッファ回路、シャッタ回路、シャッタ駆動回路などのような周辺回路を提供するために使用される。
【0203】
この実施形態では、前記周辺チップ230は、デジタルシグナルプロセッサチップおよびメモリチップの一方または両方を含む。他の実施形態では、前記周辺チップは他の機能タイプのチップも含み得る。図示の便宜上、
図13には1つの周辺チップ230しか示されていないが、前記周辺チップ230の数は1つに限定されない。
【0204】
前記周辺チップ230は一般的にシリコンベースのチップであり、前記周辺チップ230のはんだパッドは前記周辺チップ230と他のチップまたは部品と電気的に接続するために使用される。この実施形態では、前記周辺チップ230は第2チップはんだパッド235を含む。
【0205】
本実施形態では、前記第2チップはんだパッド235が前記フィルタ400に対向し、前記第2チップはんだパッド235と第1チップはんだパッド220とを、前記パッケージング層350の同じ側に位置させることにより、前記周辺チップ230と感光性チップ200との電気的接続を容易にさせる。それに応じ、前記第2チップはんだパッド235は前記パッケージング層350の底面に背向する。
【0206】
具体的には、第2チップはんだパッド235が前記パッケージング層350の上面から露出し、前記再配線構造360の形成難易度を下げる。
【0207】
前記受動部品240は、前記感光性チップ200の感光動作において特定の役割を果たすために使用される。前記受動部品240は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタ、ポテンショメータ、リレー、またはドライバなどの小型の電子部品を含むことができる。図示の便宜上、
図13には1つの受動部品240しか示されていないが、受動部品240の数は1つに限定されない。
【0208】
前記受動部品240のはんだパッドは、前記受動部品240が他のチップまたは部品と電気的に接続するために使用される。この実施形態では、前記受動部品240のはんだパッドは電極245である。
【0209】
前記分析を踏まえ、前記第1チップはんだパッド220がフィルタ400に対向する場合に、前記電極245がフィルタ400に対向するので、前記受動部品240と感光性チップ200との間の電気的接続が容易に実現される。それに応じ、前記電極245も前記パッケージング層350の底面に背向する。
【0210】
感光性チップ200と機能素子のはんだパッドはいずれもパッケージング層350の底面に背向するので、電気的接続のプロセス難易度を下げるために、前記機能素子と感光性チップ200の厚さは同じか、その厚さの差が小さい。また、前記感光性チップ200の厚さにより、前記機能素子の厚さを調整してもよい。本実施形態では、前記機能素子と感光性チップ200との厚さの差はー2μmから2μmである。
【0211】
前記再配線構造360は、前記撮像アセンブリ260の電気的集積を実施するために使用される。再配線構造360を応用することにより、感光性チップ200と機能素子の間の距離を縮小でき、レンズモジュールの使用性能が向上される(例えば、撮像速度および記憶速度が向上される)。さらに、再配線構造360により、電気接続プロセスの実行可能性およびパッケージ効率が改善される。
【0212】
この実施形態では、前記再配線構造360は、前記第1チップはんだパッド220、第2チップはんだパッド235、および電極245を電気的に接続する。
【0213】
そのために、本実施形態では、前記再配線構造360が前記パッケージング層350の上面の一側に位置する。それに応じ、後でレンズアセンブリを前記撮像アセンブリ260に取り付けたら、前記再配線構造360が前記レンズアセンブリのホルダーに配置されるので、前記撮像アセンブリ260の信頼性が向上することに有利である。
【0214】
具体的には、前記再配線構造360は、前記感光性チップ200のはんだパッドと機能素子のはんだパッドにそれぞれ配置された導電性バンプ365と、前記導電性バンプ365に配置された相互接続配線361を有する。
【0215】
前記導電性バンプ365は前記第1チップはんだパッド220、第2チップはんだパッド235及び電極245の表面から突出し、前記導電性バンプ365により相互接続配線361とはんだパッドとの間の電気的接続の信頼性が向上される。
【0216】
本実施形態では、前記導電性バンプ365はボールバンプである。ボールバンプを応用することにより、各チップや部品と前記相互接続配線361との間で信号伝送の信頼性を向上させることに有利である。具体的には、前記導電性バンプ365の材料は錫でもよい。他の実施形態では、前記導電性バンプは電気メッキにより形成されてよく、相互接続配線と同じ材料で形成されてもよい。
【0217】
この実施形態では、前記相互接続配線361の材料は銅である。銅の抵抗率が低いので、前記相互接続配線361の導電性を向上させることに有利となる。他の実施形態では、前記相互接続配線は、その他の適用可能な導電性材料でもよい。
【0218】
この実施形態では、前記撮像アセンブリ260は、前記再配線構造360上に配置されたFPC基板510をさらに含む。
【0219】
前記FPC基板510は、回路基板が省略される場合に撮像アセンブリ260とレンズアセンブリとの電気的接続、およびレンズモジュールと他の構成要素との間の電気的接続を実現するように構成される。また、レンズモジュールはまた、前記FPC基板510を介して電子機器内の他の構成要素に電気的に接続することができ、それによって電子機器の通常の撮像機能を実現する。
【0220】
具体的には、前記FPC基板510は再配線構造360との電気的接続を実現するための回路構造を有する。
【0221】
なお、FPC基板510にはコネクタ520が設けられていることに留意されたい。レンズモジュールが電子機器に適用されると、前記コネクタ520が前記電子機器のメインボードに電気的に接続され、それによってレンズモジュールと電子機器内の他の構成要素との間の情報伝達が実現される。前記レンズモジュールの画像情報が前記電子機器に送信される。具体的には、前記コネクタ520は金指コネクタ(Goldfinger connector)とすることができる。
【0222】
本実施形態の前記撮像アセンブリは、第1実施形態に記載のパッケージ方法を用いて形成されてもよく、他のパッケージ方法により形成されてもよい。本実施形態の撮像アセンブリの詳細な説明については、前述の実施形態の対応する説明を参照することができ、ここでは省略する。
【0223】
それに対応して、本発明の実施形態はさらに一種のレンズモジュールを提供する。
図19を参照すると、本発明のレンズモジュールの一実施形態の構成模式図が示される。
【0224】
前記レンズモジュール600は、本発明の実施形態に記載の撮像アセンブリ(
図19で点線に囲まれる)と、前記パッケージング層(図示せず)の上面に貼り付けられ且つ前記感光装置(図示せず)と機能素子(図示せず)を取り囲むホルダー535を有し、前記感光性チップ(図示せず)と機能素子とを電気的に接続するレンズアセンブリ530とを、有する。
【0225】
前記レンズアセンブリ530は一般に、ホルダー535と、前記ホルダー535に取り付けられたモータ(図示せず)と、前記モーターに取り付けられたレンズ群(図示せず)とを有し、前記ホルダー535により前記レンズアセンブリ530の取り付けを容易に実現できるとともに、レンズ群が感光装置の感光経路上に位置するようにする。
【0226】
この実施形態では、前記撮像アセンブリの厚さが薄いことに加え、前記パッケージング層によって前記レンズアセンブリ530の厚さも減少し、それによって前記レンズモジュール600の全体の厚さが減少することとなる。
【0227】
また、前記感光装置と機能素子とがいずれも前記ホルダー535の内部に配置されるのは、機能素子を周辺メインボードに貼り付ける方案に比べて、本実施形態では感光性チップと機能素子の間の距離が短縮され、それに応じて、レンズモジュール600のサイズも小さくされ、電気的接続の距離も短縮されるので、前記レンズモジュール600の信号伝送速度を著しく向上させ、それによってレンズモジュール600の使用性能を向上させる(例えば:撮像速度と記憶速度を向上させる)。
【0228】
さらに、前記感光装置および機能素子をパッケージ層に集積させるとともに、前記感光装置、機能素子及び再配線構造を前記ホルダー35の内部に配置することによって、前記感光装置、機能素子及び再配線構造が保護されるようになる。前記レンズモジュール600の信頼性および安定性が向上し、前記レンズモジュール600の結像品質も保証できる。
【0229】
本実施形態では、前記ホルダー535が前記パッケージング層の上面に貼り付けられ、前記レンズアセンブリ530とFPC基板(図示せず)とは電気的に接続する。具体的には、前記レンズアセンブリ530のモーターと前記FPC基板とは電気的に接続する。
【0230】
本実施形態の撮像アセンブリの詳細な説明については、前述の実施形態の対応する説明を参照することができ、ここでは省略することに留意されたい。
【0231】
それに対応して、本発明の実施形態はさらに一種の電子機器を提供する。
図20を参照すると、本発明の電子機器の一実施形態の構成模式図が示される。
【0232】
本実施形態では、前記電子機器700が本発明の実施形態に記載の前記レンズモジュール600を含む。
【0233】
前記レンズモジュール600の信頼性と性能が高いことに応じ、前記電子機器700の撮像品質、撮像速度及び記憶速度が向上される。さらに、レンズモジュール600の全体厚さは薄いので、ユーザの使い心地をよくさせることに有利である。
【0234】
具体的には、前記電子機器700は、携帯電話、タブレットPC、カメラ又はビデオカメラなどの撮像機能を有する各種装置でもよい。
【0235】
以上、本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することない限り、あらゆる変更および修正を加えることができ、本発明に保護される範囲は、特許請求の範囲によって規定される範囲によって確定される。