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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】三次元の部材の製造の為の装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/153 20170101AFI20220203BHJP
   B29C 64/214 20170101ALI20220203BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220203BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220203BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220203BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220203BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20220203BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B29C64/153
B29C64/214
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B22F3/105
B22F3/16
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020017139
(22)【出願日】2020-02-04
(62)【分割の表示】P 2017537235の分割
【原出願日】2016-01-12
(65)【公開番号】P2020097240
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-02-06
(31)【優先権主張番号】102015000100.0
(32)【優先日】2015-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォーク・フランク
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-277881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0176312(US,A1)
【文献】特開2002-115004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/153
B29C 64/214
B29C 64/393
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
B22F 3/105
B22F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元の物体を付加製造するための方法であって、
粉末状の構成材料の連続的に塗布される複数の層の各層の少なくとも一部を溶融または焼結させるように構成された電磁放射源からの電磁放射により選択的に照射されることで、連続的に照射される複数の面の各層をもたらし、
スキャナーからの走査入力の少なくとも一部に基づいて、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分でのデラミネーションを含む非平坦性を規定する非平坦性座標セットを決定し、
前記スキャナーは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の少なくとも一部を走査し、
前記非平坦性が閾値を超えるとき、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層を塗布する前に、
平滑化ローラーを前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分に案内し、
前記平滑化ローラーを用いて、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分から材料を、前記局所的な部分の外側の前記連続的に照射される複数の面の前記各層を乱すことなく機械的に平滑化し、前記材料を機械的に平滑化することは、前記連続的に照射される前記複数の面の前記各層の前記局所的な部分の表面内に前記非平坦性を有する前記材料を押し込めることを含み、
前記非平坦性が前記閾値を下回るとき、前記非平坦性が決定されても、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層の塗布を可能にする、方法。
【請求項2】
前記連続的に照射される複数の面の前記各層が、光学的に走査される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続的に照射される複数の面の前記各層が、音響的に走査される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料を機械的に平滑化することから生じる粒子が、吸引により除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記非平坦性が前記閾値を超えるとき、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層を塗布する前に、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の前記局所的な部分において、一部の材料を溶融することをさらに含む、請求項1に記載の方法
【請求項6】
記材料を機械的に平滑化することは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の前記局所的な部分において、加熱の後に押し込めることを含む、請求項に記載の方法
【請求項7】
記スキャナーは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層に、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層を塗布する前に、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の少なくとも一部を走査する、請求項1に記載の方法
【請求項8】
記スキャナーは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の一つまたは複数の縁部領域または張り出し領域のみを操作する、請求項1に記載の方法
【請求項9】
記スキャナーが前記連続的に照射される複数の面の前記各層の少なくとも一部を走査する連続する過程の間に、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層が塗布され、選択的に照射される、請求項1に記載の方法
【請求項10】
記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分から材料を機械的に平滑化することは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層にわたってX方向およびY方向に前記平滑化ローラーを制御することを含む、請求項1に記載の方法
【請求項11】
層番号および/またはZ座標に関連付けて、前記非平坦性座標セットおよび/またはXY座標セットを格納して、前記非平坦性座標セットにおいて前記材料を機械的に平滑化することをさらに含む、請求項1に記載の方法
【請求項12】
記非平坦性座標セットおよび/または前記XY座標セットに対応する除去および/または除去深さの形式に関するデータを格納することをさらに含む、請求項11に記載の方法
【請求項13】
加製造装置であって、
電磁放射源と、スキャナーと、機械的除去要素を含み、
前記付加製造装置は、さらにプロセッサーを含むか、またはプロセッサーと通信可能に接続され、前記プロセッサーは、前記付加製造装置に、三次元の物体を付加製造する方法を実行させるように構成され、
前記方法は、
粉末状の構成材料の連続的に塗布される複数の層の各層の少なくとも一部を溶融または焼結させるように構成された前記電磁放射源からの電磁放射により選択的に照射されることで、連続的に照射される複数の面の各層をもたらし、
前記スキャナーからの走査入力の少なくとも一部に基づいて、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分でのデラミネーションを含む非平坦性を規定する非平坦性座標セットを決定し、
前記スキャナーは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の少なくとも一部を走査し、
前記非平坦性が閾値を超えるとき、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層を塗布する前に、
前記機械的除去要素を前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分に案内し、
前記機械的除去要素を用いて、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分から材料を、前記局所的な部分の外側の前記連続的に照射される複数の面の前記各層を乱すことなく機械的に平滑化し、前記材料を機械的に平滑化することは、前記連続的に照射される前記複数の面の前記各層の前記局所的な部分の表面内に前記非平坦性を有する前記材料を押し込めることを含み、
前記非平坦性が前記閾値を下回るとき、前記非平坦性が決定されても、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層の塗布を可能にする方法である、付加製造装置
【請求項14】
ンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であって、
付加製造装置に通信可能に接続されたプロセッサーにより実行されると、前記付加製造装置に三次元の物体を付加製造する方法を実行させるコンピュータ実行可能指示を含み、
前記方法は、
粉末状の構成材料の連続的に塗布される複数の層の各層の少なくとも一部を溶融または焼結させるように構成された電磁放射源からの電磁放射により選択的に照射されることで、連続的に照射される複数の面の各層をもたらし、
スキャナーからの走査入力の少なくとも一部に基づいて、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分でのデラミネーションを含む非平坦性を規定する非平坦性座標セットを決定し、
前記スキャナーは、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の少なくとも一部を走査し、
前記非平坦性が閾値を超えるとき、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層を塗布する前に、
除去要素を前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分に案内し、
前記除去要素を用いて、前記連続的に照射される複数の面の前記各層の局所的な部分から材料を、前記局所的な部分の外側の前記連続的に照射される複数の面の前記各層を乱すことなく機械的に平滑化し、前記材料を機械的に平滑化することは、前記連続的に照射される前記複数の面の前記各層の前記局所的な部分の表面内に前記非平坦性を有する前記材料を押し込めることを含み、
前記非平坦性が前記閾値を下回るとき、前記非平坦性が決定されても、前記粉末状の構成材料の連続的に塗布される前記複数の層の次の層の塗布を可能にする方法である、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー放射や電子放射のような電磁的な放射、特にバンドル放射によって硬化可能な粉末状の構造材料の層の連続的な固結による三次元の対象(物、物体)の製造の為の方法に関する。上述した方法において、構成材料の溶着の為の放射は、対照の各断面に相応する箇所へ向けられる。このため装置は、構成チャンバーの内部で高さを変更可能な、対象を担持するためのキャリア装置を有している。層形成装置を介して構成材料は、層から層へとキャリア装置上にもたらされ、そしてそれぞれ意図的に溶着され、冷却の後、材料は固形状の三次元体へと固まる。当該方法のために使用される装置の放射装置は、スキャナーを有する。これは、プロセス制御されてバンドル放射を、構成材料層の固結すべき箇所へと向ける。
【背景技術】
【0002】
上述したように、過程において層が一つづつ塗布され、そして固結される生成的構成過程は、しばしば極めて長い時間がかかる。構成過程の比較的後のフェーズで、固結エラー、又は層形成エラーが発生する。これらは、構成過程が、補正が行われることなく続けられ、そして仕上られると、製造される三次元の物体の不良へと通じるということが起こり得る。これは、例えば24時間の構成過程が、23時間順調に進んで、そして最後の1時間に固結する層の層形成エラー又は接合エラーが発生するということに通じ得る。特に接合エラーは、層のデラミネーションに通じる。つまり不十分な溶融解の結果、最後の層の領域が分解し(剥がれ)、これらが特に熱的な理由に基づいて高く盛り上がる結果、新たなる層の塗布は、構成過程の規定どおりの推移にとって薄すぎる層へと通じる。
【0003】
特許文献1は、構成材料層形成装置の刃部装置に、せん断刃部を付設することが公知である。これによって、突き出した部分が、層形成すべき面から切り取られることが可能である。しかし、そのようなせん断刃部は、層形成すべき面から突き出した、材料の頂点部から生ずる部分を、後に続く層形成過程の邪魔とならないように切り取る、又は折り倒すということのみに適している。
【0004】
基本的に特許文献2からも、層形成装置刃部の摩耗の防止の為に、研削装置を設けることが公知である。この研削装置によって構成ボリューム中に存在する形成体の処理面が完全に滑らかにされることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】ドイツ連邦共和国特許第103 00 959 C5号公報
【文献】ドイツ連邦共和国特許第DE 198 53 978 C1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、請求項1の上位概念に記載の特徴を有する方法を、高速かつ、構成空間環境にできるだけ少ない影響で実施されることができ、そして除去が意図的に実施されることが可能であるよう形成することである。この課題は、層塗布の前に、層形成すべき面部分が、その層形成すべき表面の平坦性について走査され、そして所定の公差を越える非平坦性の場合には、この非平坦性が除去される、又は滑らかにされることによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
よって当該方法は、まず、規則的に、つまり各層の塗布の後に、又は各第2、第3、第4の層の塗布の後に、層形成すべき面が実際に平らであるかどうかの検査を行うことを意図する。先行技術においては、上述したように、平滑化は、必要であるかどうかによらず、各層形成過程の前に実施される。これは構成領域の多大なる汚染に通じ、よってネガティブである。これに対して本発明は、層形成すべき領域の平滑化又は除去が本当に必要であるかを、意図的にチェックする。所定の公差を越えることが特定されたときのみ、平滑化過程、又は除去過程が導入され、そう出ないときは、平滑化が行わることなく層形成が行われる。
【0008】
本発明の発展形においては、特定される非平坦性は、局所的に検出され、そしてまったくもって意図的にかつ局所的に制限されて、除去要素が使用される。次の一様な層塗布を妨害する非平坦性を除去する、又は滑らかにするためにである。その際、非平坦性座標がセンサーによって検出され、そして保管され、そしてこれを使って検出された非平坦性座標が、意図的な除去措置が行われる。
【0009】
全体の層のいわば上研削又は除去が各新たな構成材料塗布の前に行われる成功技術における方法と反対に、本発明に係る方法では、まず一度、層を機械的な方法で、又は他の方法で滑らかにする処理がそもそも必要であるかの確認が行われる。この第一のステップの実施が肯定されると、エラー箇所座標の使用のもと、意図的に、除去過程が開始される。これは、本発明に係る方法は、先行技術における方法よりもはるかに高速に進行可能であるということを意味する。各回ごとに検索や他の方法での除去が行われれる必要がなく、常に、実際にエラー箇所が特定されたときのみ行われるからである。層は、全ての層領域にわたって処理されず、エラー箇所が特定されたところのみで処理されることが可能である。これは、構成空間環境をケアする。各層除去において、構成材料粒子が、例えば研削要素によって構成空間の保護ガス環境内へと飛ばされ、そしてそこで環境を汚染するからである。その上、構成中に存在する物体の機械的な、またが熱的な負荷が著しく防止される。本当に必要である箇所のみが機械的に処理され、そして常に面の全体の研削が行われるわけではないからである。
【0010】
層形成すべき面の走査は、光学的に、例えば光学的なスキャナーによって行われる。このスキャナーは、つきだした部分、例えばデラミネーションを検出し、そして場所を特定することができる。この突き出した領域の座標は、正確に検出され、そして正確にそこで、かつ意図的に処理過程が開始される。しかしまた、面の走査は、音響的な方法、例えば超音波センサーでも行われることが可能である。これは、センサー高さと層の間の間隔を正確に検出することができる。検出された非平坦性は、局所的に機械的に除去を行われる。これとの関係で局所的にとは、例えばロボットアーム等を介して、比較的小さな面積の除去要素が、飛び出した層箇所へと案内され、そしてそこで除去過程が行われるということを意味する。エラーを有していない他の全ての層領域は、除去過程により影響を受けないままとなる。機械的な除去は、研磨ローラーによって行われることが可能である。これは例えば、ロボットアームの可動の自由端部に設けられている。その際、研削粒子のまったくもって意図的な吸引も行われることができる。しかしまた、特定された非平坦性を溶かす、又は層内に押し込む(独語:hineinwalzen)ことも可能である。このため、場合によっては非平坦性の局所的な加熱は目的に適っている。
【0011】
層形成すべき表面の除去は、各層形成過程の前に行われることができる。当該方法を加速するために、層形成すべき面の除去が、発生する部材の縁部領域又は極限領域のみにおいて行うことは、十分であり得る。極限領域として、例えば部材壁部から突き出すリブ又はそのような比較的細い突出部が挙げられる。これらは、構成過程において比較的簡単にデラミネーションを起こしやすい。
【0012】
更に、操作装置によって、前の除去過程において危機的であるとわかった層表面領域の局所的な後確認を行うことは有利であり得る。換言すると、新たな層形成過程および溶融過程の後に、場合によっては、すべての構成層が確認されず、先行する層形成過程及び溶融過程のうちの一つにおいてデラミネーションを起こしそうであった構成層領域のみが確認される。これもまた本方法を加速する。
【0013】
検出の結果と処理について「記録をつける」、つまり特定された非平坦性をそのX座標及びY座標に関して品質マネジメントプロトコル(品質マネジメント記録)中に保持することはメリットを伴い可能である。その際、処理すべきであった層箇所の座標を記録するだけでなく、除去深さ又は除去過程の方式及び/又は除去面もまた保持することは目的に適っている。これによって部材の仕上のあとに、処理過程が仕上げられた部材の品質にネガティブな作用を有することが可能であったか検討されることが可能である。
【0014】
本発明を図中の有利な実施例に基づき以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】発明に係る方法が実施されることが可能である装置の簡略図
図2】層形成すべき表面の品質マネジメントの実施の為の簡略シーケンス
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に表された装置1は、ハウジング2を有する。この中にプロセスチャンバー3が設けられている。プロセスチャンバー底部4内には、特に粉末形状の構成材料の為の備蓄容器5高さ調整可能なキャリア7を有する構成チャンバー6及びが設けられている。構成材料9は、高さ調整可能な、調量チャンバー底部10によってわずかに上に向かって押さえられており、そして水平に走行可能な層形成装置12の刃部11によって、部分完成された部材14の層形成すべき表面13上にもたらされることができる。過剰の構成材料はオーバーフロー容器8内へと廃棄される。
【0017】
プロセスチャンバー3の上、又はその上の領域内には、レーザー16とスキャナー17から成る放射装置15が設けられている。レーザー16の高エネルギーの放射18は、スキャナー17内へと導かれ、そしてそこでX方向及びY方向へと向けられ、意図的に部材14の表面上の粉末層へ照射され、これによって固結を行う。スキャナー17は、構成データによって制御される。構成データは、メモリ19内に保管されており、そしてプロセッサー出口21がスキャナー入口にスキャナー情報を提供することが可能であるよう、プロセッサー20内で処理される。
【0018】
構成チャンバー16の上には更に、センサー31が設けられている。これは、特に部材14の層形成すべき表面13を層形成装置12による層形成過程の前にその平坦性に関して走査するように設けられ、および形成されている。走査は、センサー31が光学的なセンサー(このセンサー自体がセンサー放射を放出し、そして表面から戻されてくる情報を分析する、またはこの為にスキャナーの放射を使用する)として形成されているよう行われることが可能である。いずれにせよ、センサー31は、センサー操作過程の際に非平坦性座標を検出し、そして保管するのに適していることが必要である。層形成すべき表面に関するエラー箇所座標としても称されることが可能である非平坦性座標の保管は、メモリ32内で行われることが可能である。メモリ32内では、検出された非平坦性のX座標とY座標のみならず、更に層の番号も保管される。これは、部材データの為のメモリ19から伝達されることが可能である。しかしまた、センサー31は、例えば、エコーセンサー等の形式の超音波センサーとして形成されていることも可能である。
【0019】
センサー31が、特に部材14の層形成すべき表面の非平坦性を特定すると、X,Y,及びZ座標(Z座標は層番号である)がメモリ32内に置かれ、そして、例えば研磨ローラー40の形式のリムーバーが稼働させられる。この研磨ローラーは、メモリ19,32によって制御されるロボットアーム41に取り付けられている。この研磨ローラー40によって、局所的な付勢と特定された非平坦箇所(これらに対して座標がメモリ32内に保管されている)の局所的な除去が行われる。しかしまた、特定された非平坦性を溶かすことも可能である、つまりレーザー16の放射18によって気化させることも可能であり、又は研磨ローラー40と同様に取り付けられているローラーによって表面内に押し込めることも可能である。
【0020】
センサー31による表面13の走査は、其々の新しい層形成過程の前に行われる。しかしまた、情況によっては、第二、第三、又は第四の各層形成過程の後にのみ、チェックを行うことも十分である。更に走査は、部材の縁部領域及び極限領域においてのみ行われる。つまり薄いリブにおいて等、相対的に高い変形危険性が存在するところで行われる。
【0021】
メモリ32内では、非平坦性が提示され(非平坦性が存在したこと)、そしてこれが除去されたことが保管されるのみならず、除去過程は、除去平面、除去深さ等に関して正確な記録も行う。というのは、これらから非平坦性はどのような形式であるかについてのリポートが行われ得る(…形式であるかについて把握可能である)からである。
【0022】
図2には更に、層表面の特定と除去がどのように行われるかが、フローチャートで表されている。
【0023】
第一の層では、構成材料によって層形成すべき表面が層形成される。このことは、上述したように層形成装置12と層形成装置刃部11によって行われることができる。そして第二のステップでは、スキャナー17の使用のもとレーザーの放射18によって層が意図的に、かつ局所的に固結される。その後、第三のステップでは、センサー31によって層が平らかどうか特定される。これが工程されると、ステップ1に従い再度、構成材料による層形成が行われる。非平坦性が特定されると、XY座標と層番号が保持され、そして保管される。その後、XY座標の使用のもと、局所的な除去が行われ、そしてその後、X,Y及びZ座標の使用のもと除去の深さと形式を保管する。
【0024】
その後、除去結果の再度の局所的なチェックが行われることが可能である。これから、層がいずれにせよ非平坦であることがわかると、層がどこで非平坦であり、そして更なる局所的な除去がどこで行われる必要があるか再度確認されることが可能である。これと反対に層が平坦であるとわかると、構成材料による新たな層の塗布がステップ1に従い行われる。
【0025】
真に平坦でかつ滑らかな処理結果を保証するために、除去する処理の面が、非平坦性の実際の面よりもわずかに大きいことは、更に意味があると思われる。この実際の除去座標は、後に品質マネージメントリポートを行うことができるように、例えば装置のメモリ32内に保持されることが可能である。
【0026】
(付記)
以上の開示から、以下の付記が提案される。
<実施態様1>
部材(14)の各断面に相当する箇所における、電磁的な放射(18)、特に、レーザー線や電子線のようなバンドル放射による硬化可能な粉末状の構成材料(9)の層の連続的な固結による三次元の部材(14)の製造の為の方法、特にSLM(selective laser melting)方法、又はSLS(selective laser sintering)方法であって、構成チャンバー(6)の内部で高さ変更可能な、部材(14)の担持の為のキャリア装置(7)を有する装置が設けられており、キャリア装置、又は先に形成された層の上に構成材料(9)の層をもたらすための層形成装置(12)を有し、そして、構成材料(9)の層の固結のための、この層の領域的な放射の為の放射装置(15)が設けられている方法において、
新たな層塗布の前に、表面(13)の層形成すべき部分が、その平坦性に関して走査され、そして所定の公差領域を越える非平坦性の場合には、これら非平坦性が除去される、又は滑らかにされることを特徴とする方法。
<実施態様2>
表面の層形成すべき部分が、センサーによる非平坦性座標の検出のもと走査されることを特徴とする実施態様1に記載の方法。
<実施態様3>
局所的に検出された非平坦性が、検出された非平坦性座標の使用のもと、意図的に局所的に除去される、又は滑らかにされることを特徴とする実施態様2に記載の方法。
<実施態様4>
層形成すべき表面(13)の走査が光学的に行われることを特徴とする実施態様1から3のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様5>
表面(13)の走査が、音響的な方法、特に超音波法によって行われることを特徴とする実施態様1から4のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様6>
検出された非平坦性が、局所的に機械的に除去されることを特徴とする実施態様1から5のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様7>
機械的な除去が研磨ローラー(40)によって行われることを特徴とする実施態様6に記載の方法。
<実施態様8>
特定された非平坦性が溶かされることを特徴とする実施態様1から7のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様9>
機械的な非平坦性が平らにされることを特にプレートの実施態様1から8のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様10>
平坦化過程が非平坦性の局所的な加熱フェーズの後に行われることを特徴とする実施態様9に記載の方法。
<実施態様11>
層形成すべき表面(13)の走査が、各層形成過程の前に行われることを特徴とする実施態様1から10のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様12>
層形成すべき表面(13)の走査が、部材の縁部領域または張り出し領域のみにおいて行われることを特徴とする実施態様1から11のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様13>
走査によって、部材(14)のすでに固結された層のデラミネーションが検出されることを特徴とする実施態様1から12のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様14>
除去過程の間に複数の層形成過程があることを特徴とする実施態様1から13のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様15>
機械的なリムーバー(40,41)がX方向、及びY方向において除去すべき表面(13)にわたって制御可能であることを特徴とする実施態様1から14のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様16>
検出過程及び/又は除去過程が、非平坦として特定され、及び/又は部分除去される構造層に関してと、割り当てられたX座標及びY座標と層番号(部材内におけるZ座標)に関して、各部材(14)に対して作られる品質マネジメントプロトコル中に自動的に保存されることを特徴とする実施態様1から15のいずれか一項に記載の方法。
<実施態様17>
X座標とY座標の他に、除去の方法及び/又は除去深さが自動的に保存されることを特徴とする実施態様16に記載の方法。
【符号の説明】
【0027】
1 装置
2 ハウジング
3 プロセスチャンバー
4 プロセスチャンバー底部
5 調量容器
6 構成チャンバー
7 キャリア
8 オーバーフロー容器
9 構成材料
10 調量チャンバー底部
11 刃部
12 層形成装置
13 表面
14 部材
15 放射装置
16 レーザー
17 スキャナー
18 16の放射
19 メモリ
20 プロセッサー
21 20の出口

31 センサー
32 メモリ

40 研磨ローラー
41 ロボットアーム
図1
図2