(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】マスクによるゾーン予熱装置、及びゾーン予熱方法
(51)【国際特許分類】
B22F 12/44 20210101AFI20220114BHJP
B22F 12/13 20210101ALI20220114BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20220114BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20220114BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20220114BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20220114BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220114BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220114BHJP
【FI】
B22F12/44
B22F12/13
B22F10/28
B29C64/153
B29C64/393
B33Y50/02
B33Y30/00
B33Y10/00
(21)【出願番号】P 2020564983
(86)(22)【出願日】2018-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2018076087
(87)【国際公開番号】W WO2019153287
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-08-07
(31)【優先権主張番号】201810124817.8
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520297104
【氏名又は名称】カントゥォ(シーアン)メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】フ リレン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ フェン
(72)【発明者】
【氏名】ジン チャオリアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジビン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ルォユ
(72)【発明者】
【氏名】ティエ カイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジンフェン
(72)【発明者】
【氏名】リ ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ドンドン
(72)【発明者】
【氏名】シュェ ファ
【審査官】向井 佑
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-517168(JP,A)
【文献】特開2017-105196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0056022(US,A1)
【文献】特許第6154544(JP,B1)
【文献】特開2004-306612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00
B22F 3/00
B22F 10/00
B23F 12/00
B29C 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に設置された成形シリンダー(11)を含み、
前記成形シリンダー(11)は、その底部に底層の粉体を加熱するための基板(10)が設置され、部品(6)の断面形状に応じて当該断面の位置に部分的な予熱ゾーン(12)が設置され、前記部分的な予熱ゾーン(12)に粉末供給装置により塗布された焼結しようとする粉体(5)が塗布され、前記粉体(5)が成形シリンダー(11)の中に積み重なって粉体層を形成して、
前記成形シリンダー(11)の上方に全面的な加熱用光源(7)が設置され、前記全面的な加熱用光源(7)の上方に部分的な予熱用光源(1)が設置され、前記部分的な予熱用光源(1)と全面的な加熱用光源(7)との間にマスク板(2)が設置され、前記マスク板(2)はその配置位置及び形状が部品(6)の断面形状に対応して且つ部品(6)の上方に設置されて、
前記部分的な予熱用光源(1)、マスク板(2)及び全面的な加熱用光源(7)は、いずれも温度調節器(3)に接続され、前記温度調節器(3)が温度監視モニター(4)に接続され、前記温度監視モニター(4)の中に温度プローブ(8)とサーマルイメージャー(9)とが設置され、前記温度プローブ(8)及びサーマルイメージャー(9)は、作業チャンバー内に設置されて、粉面の温度を検測するに用いることを特徴とするマスクによるゾーン予熱装置
であって、
前記マスク板(2)自体が層状構造を有し、前記層状構造は、上下の順序で設置された熱量反射層(a1)、第1の放熱層(a2)、第2の放熱層(a3)、断熱層(a4)、第3の放熱層(a5)、及び固定層(a6)を備えることを特徴とするマスクによるゾーン予熱装置。
【請求項2】
前記成形シリンダー(11)内に窒素入れ装置が設置され、前記窒素入れ装置は、窒素ボトルに接続される窒素ノズルを含み、前記窒素ボトルに窒素バルブが設置されて、前記窒素ノズルに気圧計が設置されることを特徴する請求項1に記載のマスクによるゾーン予熱装置。
【請求項3】
前記温度調節器(3)は、全面的な予熱の温度及び部分的な予熱の温度をそれぞれ材料の融点より20℃~120℃及び1~50℃低い範囲にして、成形シリンダー(11)内の基板(10)の温度及び成形シリンダー(11)の四壁の温度をそれぞれ材料の融点の20℃~150℃及び20℃~200℃の範囲にすることを特徴とする請求項1に記載のマスクによるゾーン予熱装置。
【請求項4】
前記第1の放熱層(a2)の中央に横方向に設置される若干の第1の短冊状孔(b1)が設置され、前記第2の放熱層(a3)に底部が密閉され且つ短冊状孔(b1)に連通される若干の縦方向孔(b2)が設置され、前記第3の放熱層(a5)に密閉孔であり且つ内部が空気で満たされる若干の第2の短冊状孔(b4)が設置されることを特徴とする請求項
1に記載のマスクによるゾーン予熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、迅速な装置製造の技術分野に関し、具体的に、マスクによるゾーン予熱装置、及びゾーン予熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
選択的レーザー焼結(selective laser sintering:SLS)技術は、レーザーをエネルギー源として、粉末材料を3次元の実体に層ずつに焼結する迅速な成形技術であり、ポリマー、金属、セラミックス等は、いずれもSLSに用いられる。歪み及び反りを低減し、レーザーの利用率を増やすために、ポリマー材料をSLSに用いる場合には、一般的に、予め粉体層における材料をその融点より僅かに低い温度、即ち予熱温度に加熱する。予熱温度は、部品の精度及び性能に影響を及ぼす重要なパラメーターである。予熱温度が低いと、成形の過程において反りが発生し、部品に歪みが発生して、部品の精度が低下したり、成形できない場合がある。予熱温度が高いと、未焼結の粘性を有する粉末が発生するが、この粉末は硬化すると回収・再利用することができないため印刷のコストが大きく上がる。特に、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PI(ポリイミド)等のような、比較的高い融点(融点≧300℃)を有する特殊エンジニアリングプラスチック又は老化しやすい材料は、予熱温度が高く(≧300℃)且つ予熱の範囲が狭い。一方、成形用チャンバー内の軸受けやガイド等の部品は、長期的に高温環境にあるため、老化速度が高まって成形機の連続作業時間及び長期的な作業安定性が大きく低下する。一方、これらの高融点のポリマー材料のコストは、通常、ナイロン、ワックス粉等のような低融点の材料のコストに対して一倍又は数倍であるため、成形の過程において未焼結の粉体が硬化して再利用できないと、生産コストが極めて上がってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術課題は、成形チャンバー全体の作業温度を低下させ、装置の冷却圧力を低減する方法により、SLS成形装置の作業安定性及び連続作業時間を向上させ、装置のメンテナンスコストを低減させるマスクによるゾーン予熱装置及びゾーン予熱方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、前記マスクによるゾーン予熱装置を提供する。本発明は、底部に設置された成形シリンダーを含み、前記成形シリンダーは、その底部に底層の粉体を加熱するための加熱基板が設置され、加工しようとする部品の断面プロファイルに応じて部分的な予熱ゾーンが設置され、前記部分的な予熱ゾーンに粉末供給装置により塗布された焼結しようとする粉体が塗布され、前記粉体が成形シリンダーの中に積み重なって粉体層を形成して、
前記成形シリンダーの上方に全面的な加熱用光源が設置され、前記全面的な加熱用光源の上方に部分的な予熱用光源が設置され、前記部分的な予熱用光源と全面的な加熱用光源との間にマスク板が設置され、前記マスク板はその配置位置及び形状が部品の断面形状に対応し且つ部品の上方に設置されて、
前記部分的な予熱用光源、マスク板及び全面的な加熱用光源は、いずれも温度調節器に接続され、前記温度調節器が温度監視モニターに接続され、前記温度監視モニターの中に温度プローブとサーマルイメージャーとが部分的な予熱ゾーンに対応する位置に設置される、マスクによるゾーンごとの予熱装置を提供する。
【0005】
好ましい技術方案としては、前記成形シリンダー内に窒素入れ装置が設置され、前記窒素入れ装置は、窒素ボトルに接続される窒素ノズルを含み、前記窒素ボトルに窒素バルブが設置されて、前記窒素ノズルに気圧計が設置されることである。
【0006】
好ましい技術方案としては、前記温度調節器は、全面的な予熱の温度及び部分的な予熱の温度をそれぞれ材料の融点より20℃~120℃及び1~50℃低い範囲にして、成形シリンダー内の基板の温度及び成形シリンダーの四壁の温度をそれぞれ材料の融点の20℃~150℃及び20℃~200℃の範囲にすることである。
【0007】
好ましい技術方案としては、前記マスク板の下に層状構造が設置されて、前記層状構造は、上下の順序で設置された熱量反射層、第1の放熱層、第2の放熱層、断熱層、第3の放熱層、及び固定層を備えることである。
【0008】
好ましい技術方案としては、前記第1の放熱層の中央に横方向に設置される若干の第1の短冊状孔が設置され、前記第2の放熱層に底部が密閉され且つ短冊状孔に連通される若干の縦方向孔が設置され、前記第3の放熱層に密閉孔で且つ内部が空気で満たされる若干の第2の短冊状孔が設置されることである。
【0009】
本発明は、前記マスクによるゾーン予熱装置のゾーン予熱方法を提供する。前記方法は、以下の工程を備える。
工程1):成形しようとする部品を幾何的にスライスして層に分けて、成形しようとする部品の各層の断面プロファイル及び走査通路を得る。
工程2):成形シリンダー内に設置された窒素入れ装置を用いて、成形チャンバーに窒素ガスを入れて、窒素ガス保護の工程を行う。
工程3):粉料供給及び塗布装置を用いて、粉体に粉末を塗布して、均一で滑らかな走査しようとする粉面層構造を形成する。
工程4):温度調節器により全面的な予熱の温度及び部分的な予熱の温度をそれぞれ材料の融点より20℃~120℃及び1~50℃低い範囲にして、成形シリンダー内の基板の温度及び成形シリンダーの四壁の温度をそれぞれ材料の融点20℃~150℃及び20℃~200℃の範囲にする。
工程5):マスク板は、走査しようとする部品の断面プロファイルと走査された部品の断面プロファイルとに応じて対応のマスクを形成して、部分的な予熱用光源の熱量を成形部品の断面の表面の予熱ゾーンに至って、部分的な走査しようとする粉末を加熱して成形させる。
工程6):温度監視モニターを用いて温度をリアルタイム監視して、それぞれ全面的な予熱温度及び部分的な予熱温度に至ることを確認した後、レーザー走査機を用いて該層の部品の断面プロファイルを走査して、該層の粉末焼結を完成させる。
工程7):基板が一層の厚さの分で下がった後、新しい一層の粉体を塗布して、温度監視モニターにより、全面的/部分的な予熱温度及び全面的な温度場の変化をリアルタイムに再確認して、焼結されたゾーンと未焼結ゾーンとに温度急変が存在すると、温度調節器は、マスクのプロファイル及び部分的な予熱用光源の出力を調整し、両者間の温度場を均一に渡った後、レーザー走査機を用いて、該層の断面プロファイルを再度走査する。
工程8):部品のすべての断面プロファイルに対する焼結を完成させるまで、工程5)~工程7)を繰り返す。
工程9):粉体材料の特性に応じて、全面的及び部分的な予熱用光源の出力をゆっくりと低下させて、焼結された部品及び未焼結の粉体をゆっくりと冷却させ、部品の形状及びサイズの安定性を確保する。
工程10):成形された部品を取り出して、未焼結の粉末を回収し篩にかけて、再利用を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、従来技術に比較して、以下の有益効果を奏する。
1、本発明は、成形チャンバー全体の作業温度を低下させ、装置の冷却圧力を低減して、装置の作業安定性及び連続作業時間を向上させることによって、装置のメンテナンスコストを低減することができる。
2、本発明は、非焼結ゾーンの加熱温度を低下させて部品のサイズ精度を確保するとともに、該ゾーンの材料の老化及び硬化現象を極めて低減させ、高融点のポリマーを回収することによって、粉末利用率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るマスクによるゾーン予熱装置の正面図である。
【
図2】
図1のマスク板の構造を拡大した正面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 部分的な予熱用光源
2 マスク板
a1 熱反射層
a2 第1の放熱層
a3 第2の放熱層
a4 絶熱層
a5 第3の放熱層
a6 接着層
b1 第1の短冊状孔
b2 縦方向孔
b3 第2の短冊状孔
3 温度調節器
4 温度監視モニター
5 粉体
6 部分的な予熱ゾーン
7 全面的な加熱用光源
8 測温プローブ
9 サーマルイメージャー
10 基板加熱板
11 成形シリンダー
12:部分的な予熱ゾーン
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。
【0014】
(実施例1)
図1に示すように、本発明によって提供されるマスクによるゾーン予熱装置は、底部に設置された成形シリンダー11を含み、前記成形シリンダー11は、その底部に底層の粉体を加熱するための加熱基板10が設置され、加工しようとする部品6の断面プロファイルに応じて部分的な予熱ゾーン12が設置され、前記部分的な予熱ゾーン12に粉末供給装置により塗布された焼結しようとする粉体5が塗布され、前記粉体5が成形シリンダー11の中に積み重なって粉体層を形成する。本実施例では、ドイツ国のEOS社による高融点シリーズのポリマーHP3 PEEK粉末を例として、詳しく説明する。HP3 PEEK粉末の融点は372℃であり、従来の全面的な単一予熱方式を使用する場合、粉面の予熱温度は365℃であり、成形基板の温度は340℃であり、成形シリンダー11の四壁の温度は345℃である。成形完了した後、成形シリンダー11に入れた未焼結の粉末は、いずれも硬化を発生して、再度で利用されることができない。
【0015】
前記成形シリンダー11の上方に全面的な加熱用光源7が設置され、前記全面的な加熱用光源7の上方に部分的な予熱用光源1が設置され、前記部分的な予熱用光源1と全面的な加熱用光源7との間にマスク板2が設置され、前記マスク板2はその配置位置及び形状が部品6の断面形状に対応し且つ部品6の上方に設置される。
【0016】
前記部分的な予熱用光源1、マスク板2及び全面的な加熱用光源7は、いずれも温度調節器3に接続され、前記温度調節器3は温度監視モニター4に接続され、前記温度監視モニター4の中に温度プローブ8とサーマルイメージャー9とが設置される。本実施例に用いられるサーマルイメージャー9は、赤外線サーマルイメージャーであり、前記温度プローブ8及びサーマルイメージャー9は、全面的及び部分的な予熱の温度を監視するために用いられており、成形チャンバーの内部に設置される。
【0017】
好ましい技術方案としては、前記成形シリンダー11内に窒素入れ装置が設置され、前記窒素入れ装置は、窒素ボトルに接続される窒素ガスノズルを含み、前記窒素ボトルに窒素バルブが設置されて、前記窒素ガスノズルに気圧計が設置されることで、窒素ガス保護する。
【0018】
好ましい技術方案としては、前記温度調節器3は、全面的な予熱の温度及び部分的な予熱の温度をそれぞれ材料の融点より20℃~120℃及び1~50℃低い範囲にして、成形シリンダー11内の基板10の温度及び成形シリンダー11の四壁の温度をそれぞれ材料の融点の20℃~150℃及び20℃~200℃の範囲にする。
【0019】
さらに、本発明は、前記マスクによるゾーンの予熱装置のゾーン予熱方法を提供する。前記方法は、以下の工程を含む。
工程1):成形しようとする部品6を幾何的にスライスして層に分けて、成形しようとする部品6の各層の断面プロファイル及び走査通路を得る。
工程2):成形シリンダー内に設置された窒素入れ装置を用いて、成形チャンバーに窒素ガスを入れて、窒素ガス保護の工程を行う。
工程3):粉料供給及び塗布装置を用いて、粉体5に粉末を塗布して、均一で滑らかな走査しようとする粉面層構造を形成する。
工程4):温度調節器3により全面的な予熱の温度及び部分的な予熱の温度をそれぞれ材料の融点より20℃~120℃及び1~50℃低い範囲にして、成形シリンダー11内の基板10の温度及び成形シリンダーの四壁の温度をそれぞれ材料の融点20℃~150℃及び20℃~200℃の範囲にする。
工程5):マスク板2は、走査しようとする部品6の断面プロファイルと走査された部品6の断面プロファイルとに応じて対応のマスクを形成して、部分的な予熱用光源の熱量を成形部品6の断面の表面の予熱ゾーンに至って、部分的な走査しようとする粉末を加熱して成形させる。
工程6):温度監視モニター4を用いて温度をリアルタイム監視して、それぞれ全面的な予熱温度及び部分的な予熱温度に至ることを確認した後、レーザー走査機を用いて該層の部品6の断面プロファイルを走査して、該層の粉末焼結を完成させる。
工程7):基板10が一層の厚さの分で下がった後、新しい一層の粉体を塗布して、温度監視モニター4により、全面的/部分的な予熱温度及び全面的な温度場の変化をリアルタイムに再確認して、焼結されたゾーンと未焼結ゾーンとに温度急変が存在すると、温度調節器3は、マスク2のプロファイル及び部分的な予熱用光源の出力を調整し、両者間の温度場を均一に渡った後、レーザー走査機を用いて、該層の断面プロファイルを再度走査する。
工程8):部品6のすべての断面プロファイルに対する焼結を完成させるまで、工程5)~工程7)を繰り返す。
工程9):粉体5材料の特性に応じて、全面的及び部分的な予熱用光源の出力をゆっくりと低下させて、焼結された部品6及び未焼結の粉体をゆっくりと冷却させ、部品6の形状及びサイズの安定性を確保する。
工程10):成形された部品6を取り出して、未焼結の粉末を回収し篩にかけて、再利用を行うことができる。
【0020】
好ましい技術方案としては、前記工程7)において、粉体5が一層の厚さの数値範囲0.10~0.14mmで下がった後、新しい一層の粉面料を塗布する。
【0021】
好ましい技術方案としては、前記工程7)において、下がった一層の厚さの数値は、それぞれ、0.10mm、0.11mm、0.12mm、0.13mm又は0.14mmであり、後で新しい一層の粉面料をさらに塗布する。本発明は、異なる部品6の構造により、異なる下がった厚さを選択することができ、部品6の焼結をより良好に実現することができる。本発明は、高融点ポリマーを使用して部分的な予熱を行う。本実施例では、HP3粉体焼結材料を選択することにより、従来の高融点ポリマーにおいて印刷しない粉末が硬化し、粉末が再利用できないという問題を改善した。
【0022】
(実施例2)
図2に示すように、本実施例は、実施例1をもとに、さらに改良したものである。相違点は、本実施例では、前記マスク板2の下に、上下順序に設置された熱量反射層a1、第1の放熱層a2、第2の放熱層a3、絶熱層a4、第3の放熱層a5及び固定層a6を含んでいる層状構造が設置される。その中で、熱量反射層a1は、平滑仕上げ度の高い材料、例えば、表面が仕上げられたステンレスを選択して作成されている。固定層a6は、硬質のセラミックス材料を選択して作成され、その後、底面として耐熱性樹脂を選択して、成形シリンダーの天井10に粘着される。絶熱層a4は、石綿材料を選択して作成されることが好ましく、絶熱及び断熱をもたらす。前記第1の放熱層a2は、粗粒の砂材料から作成されたセラミックス材料で作成され、第1の放熱層a2の中央に若干の横方向に設置された第1の短冊状孔b1が設置される。第1の短冊状孔b1の両端を第1の放熱層a2と貫通することにより、熱量反射層a1に反射されない熱量、即ち、吸収された熱量を、第1の短冊状孔b1の両端から順調に排出することができる。前記第2の放熱層a3に短冊状孔b1に連通した若干の縦方向孔b2が設置される。前記縦方向孔b2は、その底部が密閉され、前記第1の短冊状孔b1に連通したガスチャンバーを形成して、絶熱及び順調な放熱可能な作用をもたらす。第3の放熱層a5に若干の第2の短冊状孔b3が設置される。前記第2の短冊状孔b3は、密閉孔で且つ内部が空気で満たされるものであり、空気が断熱性の特性を有しているため、保温の作用をもたらし、成形シリンダー11に要求される温度を保持することができ、即ち、部分的な予熱ゾーン6に予熱を実施することができる。
【0023】
以上、図面を結合して、本発明の好ましい具体的な実施形態及び実施例を詳しく説明したが、本発明は上記した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、当業者が有する知識の範囲で、本発明の思想を逸脱しない前提で種々の変更を加えることが可能である。