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特許7004391回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20220114BHJP
【FI】
A24F40/46
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019555168
(86)(22)【出願日】2018-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 KR2018004181
(87)【国際公開番号】W WO2018190607
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】10-2017-0046938
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0077586
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0128293
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー・アンド・ジー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イム、フン イル
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ソブ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、デ ナム
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン レ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジャン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジ ス
(72)【発明者】
【氏名】イム、ワン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ムン ボン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ソン ホ
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-534813(JP,A)
【文献】中国実用新案第205597118(CN,U)
【文献】国際公開第2013/034458(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガレットを収容する通路を具備した中空状のケースと、
前記ケースに対して回転自在に結合された回転部と、
前記通路に収容される前記シガレットに挿入されるように、一側端部が前記通路の内部に配置され、前記回転部に連結され、前記回転部と共に回転し、電気が印加されれば、前記シガレットを加熱するヒータと、を具備する回転するヒータを具備し、
前記ヒータは、タバコ物質によって互いに付着した前記シガレットと前記ヒータとの接触面が分離されるように回転し、
前記ヒータは、前記通路の長手方向の中心軸を中心に回転し、
前記ヒータの長手方向の中心軸は前記通路の長手方向の前記中心軸に対応し、
前記回転部が前記ケースの外側に結合される、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記回転部は、前記通路の長手方向の中心軸を中心に回転するように、前記ケースに結合されることを特徴とする請求項1に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記回転部と前記ヒータとを連結し、前記回転部及び前記ヒータと共に回転する連結部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記連結部と前記回転部とのうちいずれか一つに突出した突出部と、前記突出部が挿入されるように、前記連結部と前記回転部との他の一つに形成された溝部をさらに具備し、
前記ケースは、前記突出部を貫通させ、前記回転部が回転する間、前記突出部の移動経路を提供するように、前記回転部の回転中心に対する円周方向に延長する案内孔を具備する中間筒をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記中間筒は、前記突出部の移動を制限する回転制限部をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記連結部は、前記ヒータの前記一側端部を通過させる貫通孔を具備し、前記ヒータと前記貫通孔とのうちいずれか一つに突出する結合突起と、前記結合突起が挿入されるように、前記ヒータと前記貫通孔のうち他の一つに形成される結合溝と、をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記突出部が移動する経路上に設けられ、前記突出部の移動に対して弾性力を付与する加圧部をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記ケースは、前記シガレットが収容される前記通路を有する中空状を有し、前記中間筒の内側に配置される内筒と、前記中間筒の外側に配置される中空状の外筒と、をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記内筒の端部に結合され、前記ヒータの前記一側端部が貫通する孔を具備するキャップをさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記回転部と前記ケースとのうちいずれか一つに突出した移動突起と、前記移動突起が挿入されるように、前記回転部と前記ケースとの他の一つに形成され、前記回転部の回転中心の円周方向に沿って延長することにより、前記移動突起の運動を案内する案内溝部と、をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、シガレットを分離する前にヒータが回転することにより、シガレットとヒータとの分離が便利になされ、残留物をシガレットと共にエアロゾル生成装置の外部に排出することができるエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成する方法に対する需要が増大し、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
電気を利用してシガレットを加熱するヒータを具備したエアロゾル生成装置を使用するときには、ヒータによって加熱されることにより、喫煙用ガスを発生させたシガレットを、エアロゾル生成装置から分離して廃棄した後、新しいシガレットをエアロゾル生成装置に挿入することができる。
【0004】
韓国登録特許第10-1667124号は、シガレットを加熱し、喫煙用ガスを発生させるエアロゾル生成装置に係わるものであり、エアロゾル生成装置にシガレットを挿入する動作や、エアロゾル生成装置からシガレットを分離する動作を補助するホルダ(holder)の構造について説明する。
【0005】
ユーザがそのような構造のエアロゾル生成装置を使用するときには、喫煙時、エアロゾル生成装置の外部に抽出されるホルダにシガレットを挿入し、ホルダとシガレットとをエアロゾル生成装置に押し込む動作を実施し、喫煙後には、ホルダをエアロゾル生成装置の外部に突出させた後、ホルダからシガレットを除去する作業を実施する。
【0006】
そのような構成のホルダを利用したエアロゾル生成装置においては、ホルダが単にシガレットの挿入と分離との動作を案内する機能しか行わないので、喫煙中に加熱されるシガレットで発生した残留物が、エアロゾル生成装置の内部空間や、ヒータなどの構成要素に残り、エアロゾル生成装置を清潔に維持し難い。
【0007】
ユーザがエアロゾル生成装置からシガレットを分離するときには、ホルダに挿入されている状態のシガレットをユーザが手にし、ホルダ外にシガレットを引き出す操作によってシガレットを除去するが、シガレットとヒータとの接触面に付いていたタバコ成分が、ユーザがシガレットを分離する操作中にも分離せずにヒータに残る。シガレットで発生したタバコ成分は、シガレットとヒータとの接触面に付着するが、ヒータに付着したタバコ成分が、ヒータの熱によって凝縮されることにより、付着力がさらに強くなるので、エアロゾル生成装置の使用時間が経過するほど、ヒータと、エアロゾル生成装置の内部空間との清潔度が不良になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成方法及びその装置を提供することである。また、本発明は、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、また、シガレットの分離作業が便利なエアロゾル生成装置を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、また、ヒータに付着する物質を除去することができるエアロゾル生成装置を提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、また、前述のような技術的課題に限定されず、他の技術的課題が存在するのである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態は、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置を具現することができる。
【0013】
一実施形態に係わる、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、シガレットを収容する通路を具備した中空状のケースと、ケースに対して回転自在に結合された回転部と、通路に収容されるシガレットに挿入されるように、一側端部が通路の内部に配置されて回転部に連結され、回転部と共に回転して電気が印加されれば、シガレットを加熱するヒータと、を具備する。
【0014】
該回転部は、通路の長手方向の中心軸を中心に回転するようにもケースに結合される。
【0015】
該ヒータは、通路の長手方向の中心軸を中心に回転することができる。
【0016】
回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、回転部とヒータとを連結し、回転部及びヒータと共に回転する連結部をさらに具備することができる。
【0017】
回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、連結部と回転部とうちいずれか一つに突出した突出部と、該突出部が挿入されるように、連結部と回転部とのうち他の一つに形成された溝部と、をさらに具備することができ、ケースは、突出部を貫通させて回転部が回転する間、突出部の移動経路を提供するように、回転部の回転中心に対する円周方向に延長する案内孔を具備する中間筒をさらに具備することができる。
【0018】
該中間筒は、突出部の移動を制限する回転制限部をさらに具備することができる。
【0019】
該連結部は、ヒータの一側端部を通過させる貫通孔を具備することができ、ヒータと貫通孔中とのうちいずれか一つに突出される結合突起と、結合突起が挿入されるように、ヒータと貫通孔とのうち他の一つに形成される結合溝をさらに具備することができる。
【0020】
回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、突出部が移動する経路上に設けられ、突出部の移動に対して弾性力を付与する加圧部をさらに具備することができる。
【0021】
該ケースは、シガレットが収容される通路を有する中空状を有し、中間筒の内側に配置される内筒と、中間筒の外側に配置される中空状の外筒と、をさらに具備することができる。
【0022】
回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、内筒の端部に結合され、ヒータの一側端部が貫通する孔を具備するキャップをさらに具備することができる。
【0023】
回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、回転部とケースとのうちいずれか一つに突出した移動突起と、移動突起が挿入されるように、回転部とケースとの他の一つに形成され、回転部の回転中心の円周方向に沿って延長することにより、突出部の運動を案内する案内溝部と、をさらに具備することができる。
【0024】
他の側面の実施形態に係わるエアロゾル生成システムは、シガレットを加熱することにより、エアロゾルを生成するホルダと、前記ホルダが挿入される内部空間を含むクレードルと、を含み、前記ホルダが前記クレードルの前記内部空間に挿入された後、チルト(tilt)され、前記エアロゾルを生成する。
【0025】
さらに他の側面の実施形態に係わる、ホルダに挿入されるシガレットは、複数のタバコ筋を含むタバコロッドと、中空を含む第1フィルタセグメントと、前記生成されたエアロゾルを冷却する冷却構造物と、第2フィルタセグメントと、を含む。
【発明の効果】
【0026】
前述のような実施形態に係わる、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、シガレットを分離する前に、まず、回転部の回転によってヒータが回転することにより、ヒータとシガレットとの接触面が分離されるので、シガレットとヒータとの分離が便利になされる。
【0027】
また、ヒータが回転することにより、残留物がシガレットに付着した状態が維持されるので、シガレットに付着している残留物を、シガレットと共にエアロゾル生成装置の外部に手軽に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態に係わる、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置の斜視図である。
図2図1に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の長手方向の断面図である。
図3図1に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の構成要素の結合関係を示した分離斜視図である。
図4図2のエアロゾル生成装置のIV-IVの線に沿って切り取った横方向の断面図である。
図5図4のエアロゾル生成装置の一作動状態を図示した横方向の断面図である。
図6】他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の横方向の断面図である。
図7】さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の長手方向の断面図である。
図8図7に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の構成要素の結合関係を概略的に図示した斜視図である。
図9】さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の一例を図示した構成図である。
図10A】ホルダの一例をさまざまな側面で図示した図面である。
図10B】ホルダの一例をさまざまな側面で図示した図面である。
図11】クレードルの一例を図示した構成図である。
図12A】クレードルの一例をさまざまな側面で図示した図面である。
図12B】クレードルの一例をさまざまな側面で図示した図面である。
図13】ホルダがクレードルに挿入される一例を図示した図面である。
図14】ホルダがクレードルに挿入された状態でチルトされる一例を図示した図面である。
図15A】ホルダがクレードルに挿入された例を図示した図面である。
図15B】ホルダがクレードルに挿入された例を図示した図面である。
図16】ホルダ及びクレードルが動作する一例について説明するためのフローチャートである。
図17】ホルダが動作する一例について説明するためのフローチャートである。
図18】クレードルが動作する一例について説明するためのフローチャートである。
図19】ホルダにシガレットが挿入された一例を図示した図面である。
図20A】シガレットの一例を図示した構成図である。
図20B】シガレットの一例を図示した構成図である。
図21A】シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
図21B】シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
図21C】シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
図21D】シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
図21E】シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
図21F】シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の当業者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0030】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0031】
以下では、添付した図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまに異なる形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0032】
図1は、一実施形態に係わる、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置の斜視図であり、図2は、図1に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の長手方向の断面図であり、図3は、図1に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の構成要素の結合関係を示した分離斜視図である。
【0033】
図1ないし図3に示された実施形態に係わる、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、シガレット7を収容する通路20を具備する中空状のケース10と、ケース10に回転自在に結合される回転部40と、回転部40と共に回転し、シガレット7を加熱するヒータ30と、を具備する。
【0034】
ケース10は、エアロゾル生成装置の外観を形成し、内部空間にさまざまな構成要素を収容しながら保護する機能を遂行する。ケース10は、内部が空いている中空の円筒状を有し、前方端部が外部に開放され、シガレット7が挿入される。
【0035】
ケース10は、電気と熱とを伝達しないプラスチック素材や、表面にプラスチック素材がコーティングされた金属性素材によっても作製される。図示された実施形態において、ケース10が円形の断面を有する円筒状を有するものの、一実施形態は、そのようなケース10の構成によって限定されるものではない。例えば、ケース10は、四角形のような多角形の断面を有する筒状を有することができる。
【0036】
ケース10の内部には、シガレット7を収容する通路20が形成される。シガレット7は、円筒状にも作製され、通路20は、シガレット7の外径に対応する内径を有する。
【0037】
図2及び図3を参照すれば、ケース10は、シガレット7を収容するための通路20を具備する中空状の内筒12と、内筒12の外側に結合される中空状の中間筒11と、中間筒11の外側に結合される外筒13と、を具備する。
【0038】
内筒12は、シガレット7を収容するための通路20と、外部からシガレット7が挿入されるように、通路20の一端から外部に開放された開口21と、通路20の他端に開放される他側開口22と、を具備する。
【0039】
内筒12に形成された通路20は、シガレット7の形状に対応する円筒状に形成される。本実施形態は、通路20の形状によって制限されず、例えば、通路20の形状が四角形のような多角形の断面を有する筒状にも形成される。
【0040】
内筒12は、外側面に突出し、内筒12の中心軸に対して円周方向に延長するフランジ12pと、フランジ12pから外側に向けて突出する締結突起12cと、を具備する。
【0041】
内筒12の他側端部の他側開口22には、ヒータ30の一側端部31が通過する孔29を具備するキャップ14が結合される。キャップ14は、内筒12の締結突起12cが結合される締結溝14cを具備する。キャップ14が内筒12の他側開口22を覆うように内筒12に結合されれば、キャップ14の締結溝14cに、内筒12の締結突起12cが挿入されることにより、キャップ14が内筒12に固定される。
【0042】
本実施形態は、キャップ14が内筒12と独立した構成要素に作製される構成によって制限されるものではなく、例えば、キャップ14と内筒12は、一体になる1つの構成要素によっても作製される。
【0043】
キャップ14は、通路20に収容されるシガレット7の端部と接触する。エアロゾル生成装置のユーザが、シガレット7を通路20に挿入する動作により、シガレット7が通路20に沿って移動していて、シガレット7の端部がキャップ14に逹すれば、シガレット7を手にしているユーザの手に、キャップ14と、シガレット7の端部とが接触する感じが伝達される。従って、ユーザは、シガレット7を手にし、通路20の開口21にシガレット7を押し込む簡単な動作を実施することにより、シガレット7をエアロゾル生成装置に簡便に装着させることができる。
【0044】
内筒12は、ケース10の最も内側に配置され、外部から挿入されるシガレット7が通路20に沿って移動するように、シガレット7の移動経路を提供し、シガレット7を収容する機能を遂行する。内筒12と中間筒11と外筒13とが結合された後、エアロゾル生成装置が使用される間、内筒12は、中間筒11と外筒13とに対し、相対的に移動せず、位置が固定された状態を維持する。
【0045】
ケース10には、シガレット7を加熱する機能を遂行するヒータ30が設けられる。ヒータ30は、ピン(pin)状または棒(rod)状に作製され、ヒータ30の一側端部31は、キャップ14の孔29を介して通路20の内部に配置され、ケース10にシガレット7が収容される場合、ヒータ30の一側端部31がシガレット7の端部に挿入される。
【0046】
キャップ14に形成された孔29の大きさは、ヒータ30の一側端部31の厚みに対応する。例えば、ヒータ30の一側端部31が円形の断面を有する場合、孔29も円形の断面形状を有し、孔29の内径は、ヒータ30の一側端部31の外径に対応するように形成される。
【0047】
本実施形態は、孔29の内径の大きさによって制限されるものではなく、例えば、孔29の内径は、ヒータ30の一側端部31の外径より大きく形成され、孔29の内面がヒータ30の一側端部31の外側面から離隔されてもいる。
【0048】
ヒータ30の他側端部32は、電気配線71を介し、ケース10の後方に配置された電気供給装置72に電気的に連結される。ケース10の後方には、電気供給装置72を取り囲むベース19が連結される。ベース19は、ケース10と共に、回転部40を回転自在に支持する機能を行うことができる。
【0049】
ヒータ30の一側端部31にシガレット7が挿入された状態で、電気供給装置72の電気がヒータ30に供給されれば、ヒータ30が加熱されることにより、シガレット7が加熱される。
【0050】
回転部40は、通路20の長手方向の中心軸Oを中心に回転するように、ケース10に回転自在に結合される。ユーザが回転部40を手で取って回転させれば、回転部40が中心軸Oを中心に回転し、ヒータ30も、回転部40と共に、中心軸Oを中心に回転運動を行う。
【0051】
回転部40は、電気と熱とがあまり伝達しない素材によっても作製される。例えば、回転部40は、ゴムやプラスチックなどの素材によっても作製され、金属素材によって作製された後、ユーザの手が触れる外部表面は、熱及び電気を伝達しない素材によってもコーティングされる。
【0052】
回転部40は、ケース10の外側に結合され、ケース10に対して回転することができる。回転部40は、内部が空いている中空円筒状を有する。回転部40は、内側面に凹状の溝部41を具備する。
【0053】
回転部40の内側には、連結部50が結合される。連結部50は、およそ円形状に作製される。連結部50が回転部40とヒータ30とを連結するので、連結部50が回転部40及びヒータ30と共に回転する。連結部50は、外側に突出した突出部51を具備する。連結部50が回転部40の内側に配置されれば、連結部50の突出部51が、回転部40の溝部41に挿入されることにより、連結部50の回転部40に対する相対的な回転運動が制限される。
【0054】
本実施形態は、連結部50の形状によって制限されるものではなく、例えば、連結部50は、円筒状や棒状などを有することもできる。
【0055】
図示された実施形態において、連結部50に突出部51が設けられ、回転部40に溝部41が設けられる構成だけが説明されたが、本実施形態は、そのような構成によって制限されるものではなく、例えば、連結部50に溝部を設け、回転部40に突出部を設けることもできる。また、連結部50と回転部40は、溝部や突出部を利用する代わりに、接着剤を利用したり、互いに向かる面にねじ面を設けたり、あるいはねじのような締結手段を利用したりして、互いに結合される。
【0056】
連結部50の突出部51は、中間筒11の案内孔11pを通過し、回転部40の溝部41に挿入される。案内孔11pは、中間筒11の中心軸に対する円周方向、すなわち、回転部40の回転中心に対する円周方向に沿ってあらかじめ定められた角度ほど延長して形成される。中間筒11は、案内孔11pの端部に、回転制限部11eを具備する。
【0057】
連結部50は、ヒータ30の一側端部31を通過させる貫通孔52を具備する。また、連結部50の貫通孔52の内壁には、凹状の結合溝53が形成される。ヒータ30の外側面には、結合溝53に対応する形状を有し、突出する結合突起33が設けられる。
【0058】
ヒータ30の一側端部31が連結部50の貫通孔52を通過すれば、ヒータ30の外側面に突出した結合突起33が、連結部50の結合溝53に挿入されることにより、ヒータ30が連結部50に結合され、連結部50とヒータ30とが共に回転する一体を形成する。
【0059】
図示された実施形態において、結合突起33がヒータ30に設けられ、結合溝53が連結部50に設けられる構成だけが説明されたが、本実施形態は、そのような構成によって制限されるものではなく、例えば、ヒータ30に結合溝が設けられ、連結部50に結合突起が設けられてもよい。また、ヒータ30と連結部50は、結合突起と結合溝とを利用する代わり、接着剤を利用したり、互いに向かう面にねじ面を設けたり、あるいはねじのような締結手段を利用したりして、互いに結合される。
【0060】
図4は、図2のエアロゾル生成装置のIV-IVの線に沿って切り取った横方向の断面図であり、図5は、図4のエアロゾル生成装置の一作動状態を図示した横方向の断面図である。
【0061】
回転部40が回転することにより、回転部40に連結された連結部50とヒータ30とが回転部40と共に回転運動を行う。連結部50の突出部51は、中間筒11の案内孔11pに沿って回転することができるので、突出部51が案内孔11pに沿って運動することができる範囲内において、連結部50と回転部40とヒータ30とが共に回転を行うことができる。
【0062】
図4に図示された状態において、回転部40が時計方向に回転を行えば、回転部40と連結部50とヒータ30とが共に時計回り方向に回転し、図5に図示された状態になる。案内孔11pの端部には、突出部51の移動を制限する回転制限部11eが位置するので、突出部51が回転制限部11eに接触するまで、回転部40と連結部50とヒータ30とが共に回転することができる。
【0063】
図2は、シガレット7がエアロゾル生成装置に装着された状態を図示する。エアロゾル生成装置がタバコ煙発生機能を遂行するためには、図2に図示されているように、シガレット7がケース10の通路20の最下端まで挿入される。ヒータ30の全体長は、約20mmであり、シガレット7に挿入されたヒータ30の一側端部31の長さは、約12mmである。そのような状態では、シガレット7の後方端部が、ヒータ30の一側端部31に挿入されているので、ヒータ30に電気が供給されれば、ヒータ30がシガレット7を加熱し、エアロゾルを発生させる。
【0064】
図1ないし図5に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置においては、ユーザがシガレット7をケース10の通路20に挿入した後、通路20に沿ってシガレット7を押し込む簡便な操作により、エアロゾル生成装置にシガレット7を容易に装着させることができる。また、シガレット7の使用を終えた後には、ユーザがエアロゾル生成装置の上端に突出したシガレット7の上側端部を手にし、通路20の外側にシガレット7を引っ張る簡便な操作により、エアロゾル生成装置からシガレット7を分離させることができる。
【0065】
ユーザがエアロゾル生成装置を使用した後、エアロゾル生成装置からシガレット7を除去しなければならない。図2に図示されたエアロゾル生成装置からシガレット7を除去する前、ユーザが回転部40を回転させれば、連結部50と共にヒータ30が中心軸Oを中心に回転をする。ヒータ30が回転する間、ケース10に対するシガレット7の位置は、変わらずに維持される。
【0066】
シガレット7がヒータ30によって加熱される間、シガレット7で発生したタバコ物質(残留物)が、ヒータ30とシガレット7との接触面に凝縮されて付着する。図2に図示されているように、シガレット7にヒータ30の一側端部31が挿入された状態でヒータ30が回転を行えば、シガレット7とヒータ30との接触面に付着したタバコ物質によって互いに付着した状態を維持したシガレット7とヒータ30との接触面が容易に分離される。
【0067】
ヒータ30が回転することにより、ヒータ30とシガレット7との接触面が互いに分離されれば、ユーザがシガレット7を取り、ケース10の通路20の外部に抽出することにより、使用されたシガレット7をエアロゾル生成装置のケース10から完全に分離させることができる。
【0068】
従来のエアロゾル生成装置においては、エアロゾル生成装置からシガレットを分離するとき、ユーザがエアロゾル生成装置から単に抜き取る方式を利用するので、シガレットとヒータとの間に存在するタバコ物質がヒータに付着する場合が多い。
【0069】
しかし、前述の実施形態に係わるエアロゾル生成装置においては、シガレット7をエアロゾル生成装置から分離する前、まず、シガレット7をケース10に対して固定された位置に維持した状態で回転部40を回転させることにより、ヒータ30を回転させる。
【0070】
ヒータ30が回転する間、シガレット7がケース10に対して固定された状態を維持し、シガレット7のケース10に対する位置が変化しないので、タバコ物質によって固着していたヒータ30とシガレット7との接触面が容易に分離される。また、そのような過程において、シガレット7とヒータ30との間に存在した残留物がシガレット7に付着した状態が維持される。
【0071】
前述の作動を介して、ヒータ30とシガレット7とがまず分離された後、ユーザがシガレット7を取り、エアロゾル生成装置からシガレット7を分離することができるので、シガレット7と共に、シガレット7に付着している残留物をエアロゾル生成装置の外部に手軽に排出させることができる。
【0072】
図6は、他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の横方向の断面図である。
【0073】
図6に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、突出部51が移動する経路上に設けられ、突出部51の移動に対して弾性力(抵抗力)を付与する加圧部70を具備する。加圧部70の一端70aは、中間筒11に連結され、加圧部70の他端70bは、突出部51に連結される。加圧部70は、スプリングでもあり、突出部51が移動する方向に対して反対となる方向の弾性力を付与することにより、回転部40と共に、連結部50が回転運動を行った後、回転部40と連結部50とが本来の初期位置で復帰することができる。
【0074】
本実施形態は、加圧部70の構成によって制限されるものではなく、例えば、液体やガスを利用した圧縮式シリンダを利用し、弾性加圧部が具現されもする。
【0075】
図7は、さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の長手方向の断面図であり、図8は、図7に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の構成要素の結合関係を概略的に図示した斜視図である。
【0076】
図7及び図8に示された実施形態に係わる、回転するヒータを具備したエアロゾル生成装置は、シガレット7を収容する通路20を具備する中空状のケース110と、ケース110に回転自在に結合される回転部140と、回転部140と共に回転し、シガレット7を加熱するヒータ30と、を具備する。
【0077】
ケース110は、中空の円筒状にも作製され、ケース110は、シガレット7の外径に対応する内径を有し、シガレット7を収容する通路20を有する。通路20は、通路20の一端から外部に開放された開口21と、通路20に収容されたシガレット7の下側端部を支持する底部22dと、を具備する。
【0078】
ケース110は、ヒータ30の一側端部31が通過するように、通路20と連結される孔29を具備する。孔29は、通路20の底部22dの中心領域を貫通するように形成される。
【0079】
ケース110には、シガレット7を加熱する機能を遂行するヒータ30が設けられる。ヒータ30の一側端部31は、孔29を介して、通路20の内部に配置され、ケース10にシガレット7が収容される場合、ヒータ30の一側端部31がシガレット7の端部に挿入される。
【0080】
ヒータ30の他側端部は、電気配線71を介して、ケース110の後方に配置された電気供給装置72に電気的に連結される。ケース110の後方には、電気供給装置72を取り囲むベース119が連結される。ベース119は、ケース110と共に、回転部140を回転自在に支持する機能を行うことができる。
【0081】
ヒータ30の一側端部31にシガレット7が挿入された状態で、電気供給装置72の電気がヒータ30に供給されれば、ヒータ30が加熱されることにより、シガレット7が加熱される。
【0082】
回転部140は、通路20の長手方向の中心軸Oを中心に回転するように、ケース110に回転自在に結合される。ユーザが回転部140を手にして回転させれば、回転部140が中心軸Oを中心に回転し、ヒータ30も、回転部140と共に、中心軸Oを中心に回転運動を行う。
【0083】
回転部140は、ケース110に対して回転するように結合される。回転部140は、内部が空いている中空円筒状を有する。
【0084】
回転部140は、ヒータ30の一側端部31を通過させる貫通孔142を具備する。また回転部140は、内側面に溝部141を具備する。ヒータ30は、回転部140の溝部141に対応する形状を有し、ヒータ30の外側面から外側に突出した突出部133を具備する。
【0085】
ヒータ30の一側端部31が回転部140の貫通孔142を通過すれば、ヒータ30の外側面に突出した突出部133が回転部140の溝部141に挿入されることにより、ヒータ30が回転部140に結合され、回転部140とヒータ30とが共に回転する一体を形成する。
【0086】
図示された実施形態において、ヒータ30に突出部133が設けられ、回転部140に溝部141が設けられる構成だけが説明されたが、本実施形態は、そのような構成によって制限されるものではなく、例えば、ヒータ30に溝部が設けられ、回転部に突出部が設けられてもよい。
【0087】
回転部140のケース110に向かう面には、移動突起147が設けられる。ケース110の回転部140に向かう面には、移動突起147が挿入される案内溝部117が設けられる。案内溝部117は、回転部140の回転中心に対して、円周方向に沿って既設定の距離ほど延長されるように形成される。
【0088】
ベース119は、回転部140に向けて突出するフランジ148を具備する。フランジ148は、回転部140の回転中心である中心軸Oの円周方向に沿って延設される。フランジ148は、ケース110の後方に結合されたベース119から突出し、回転部140の円周方向に延設された連結通路140sを貫通することにより、ケース110のフランジ溝118に結合される。従って、回転部140は、ケース110とベース119との間において、フランジ148により、回転中心軸Oに対して回転自在に支持される。
【0089】
回転部140がケース110に対して回転する間、回転部140の移動突起147は、ケース110の案内溝部117に挿入された状態で、案内溝部117に沿って移動する。移動突起147が、案内溝部117の端部に達すれば、案内溝部117の端部が、移動突起147がそれ以上移動しないように制限するので、回転部140の回転運動が制限される。
【0090】
回転部140が回転することにより、回転部140に連結されたヒータ30が、回転部140と共に回転運動を行う。回転部140の移動突起147は、ケース110の案内溝部117に沿って回転することができるので、移動突起147が、案内溝部117に沿って運動することができる範囲内において、回転部140とヒータ30とが共に回転を行うことができる。
【0091】
図7及び図8に示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置において、シガレット7を除去する前、ユーザが回転部140を回転させれば、回転部140と共にヒータ30が中心軸Oを中心に回転する。ヒータ30が回転する間、ケース110に対するシガレット7の位置は変わらずに維持される。
【0092】
シガレット7にヒータ30の一側端部31が挿入された状態で、ヒータ30が回転を行えば、シガレット7とヒータ30との接触面に付着したタバコ物質によって互いに付着した状態を維持したシガレット7とヒータ30との接触面が容易に分離される。
【0093】
ヒータ30が回転することにより、ヒータ30とシガレット7との接触面が互いに分離されれば、ユーザがシガレット7を取り、ケース110の通路20の外部に抽出することにより、使用されたシガレット7をエアロゾル生成装置のケース110から完全に分離させることができる。
【0094】
前述の作動を介して、ヒータ30がまずシガレット7から分離された後、ユーザがシガレット7を取り、エアロゾル生成装置からシガレット7を分離させることができるので、シガレット7と共にシガレット7に付着している残留物を、エアロゾル生成装置の外部に手軽に排出させることができる。
【0095】
以下の図9ないし図21A図21Fに図示された実施形態は、前述の図1ないし図8に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置に適用される変形されたエアロゾル生成装置とエアロゾル生成方法とを図示する。
【0096】
図9ないし図21A図21Fにおいて、構成要素を示す番号は、図1ないし図8で使用された番号と関連性なしに独立して使用された。従って、図1ないし図8において、構成要素を示した番号と、図9ないし図21A図21Fで構成要素を示す番号は、互いに独立して異なる構成要素を示すために使用されたものであると理解されなければならない。
【0097】
図9は、さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の一例を図示した構成図である。
【0098】
図9を参照すれば、エアロゾル生成装置1(以下、ホルダとする)は、バッテリ110、制御部120及びヒータ130を含む。また、ホルダ1は、ケース140によって形成された内部空間を含む。ホルダ1の内部空間には、シガレットが挿入される。
【0099】
図9に図示されたホルダ1には、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、図9に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がホルダ1にさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0100】
シガレットがホルダ1に挿入されれば、ホルダ1は、ヒータ130を加熱する。シガレット内のエアロゾル生成物質は、加熱されたヒータ130によって温度が上昇し、それにより、エアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルは、シガレットのフィルタを介してユーザに伝達される。ただし、該シガレットがホルダ1に挿入されていない場合にも、ホルダ1は、ヒータ130を加熱することができる。
【0101】
ケース140は、ホルダ1から分離される。例えば、ユーザが、ケース140を、時計回り方向または反時計回り方向に回すことにより、ケース140は、ホルダ1から分離される。
【0102】
また、ケース140の末端141が形成する孔の直径は、ケース140とヒータ130とによって形成された空間の直径に比べ、小さく作製され、その場合、ホルダ1に挿入されるシガレットのガイド役割を行うことができる。
【0103】
バッテリ110は、ホルダ1が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130が加熱されるように電力を供給することができ、制御部120が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、ホルダ1に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0104】
バッテリ110は、リチウムリン酸鉄(LiFePO)バッテリでもあるが、前述の例に限定されるものではない。例えば、バッテリ110は、酸化リチウムコバルト(LiCoO)バッテリ、リチウムチタン酸塩バッテリなどが該当する。
【0105】
また、バッテリ110は、直径が10mmであり、長さが37mmである円柱状でもあるが、それに限定されるものではない。バッテリ110の容量は、120mAh以上でもあり、充電が可能なバッテリであるか、あるいは1回使用バッテリでもある。例えば、バッテリ110が充電が可能である場合、バッテリ110の充電率(C-rate)は、10C、放電率(C-rate)は、16Cないし20Cでもあるが、それらに限定されるものではない。また、安定した使用のために、バッテリ110は、充放電が8,000回進められた場合にも、全体容量の80%以上が確保されるように作製される。
【0106】
ここで、バッテリ110の満充電及び完全放電のいかんは、バッテリ110に保存された電力が、バッテリ110の全体容量対比で、どれほどのレベルであるかということによっても判断される。例えば、バッテリ110に保存された電力が、全体容量の95%以上である場合、バッテリ110が満充電されたと判断される。また、バッテリ110に保存された電力が、全体容量の10%以下である場合、バッテリ110が完全放電されたと判断される。しかし、バッテリ110の満充電及び完全放電のいかんに係わる判断基準は、前述の例に限定されるものではない。
【0107】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によって加熱される。シガレットがホルダ1に挿入されれば、ヒータ130は、該シガレットの内部に位置する。従って、加熱されたヒータ130は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させる。
【0108】
ヒータ130は、円柱と円錐とが組み合わされた形状でもある。例えば、ヒータ130は、直径が約2mm、長さが約23mmである円柱状を有し、ヒータ130の末端2131は、鋭角に仕上げられるが、それに限定されるものではない。言い換えれば、ヒータ130は、シガレットの内部に挿入される形態であるならば、制限なしに該当する。また、ヒータ130は、一部分だけ加熱されもする。例えば、ヒータ130の長さが23mmであると仮定すれば、ヒータ130の末端131から12mmだけ加熱され、ヒータ130の残り部分は、加熱されない。
【0109】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)を含み、該電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱される。
【0110】
安定した使用のために、ヒータ130には、3.2V、2.4A、8Wの規格による電力が供給されるが、それらに限定されるものではない。例えば、ヒータ130に電力が供給される場合、ヒータ130の表面温度は、400℃以上に上昇する。ヒータ130に電力が供給され始めたときから15秒が超える前、ヒータ130の表面温度は、約350℃まで上昇する。
【0111】
ホルダ1には、別途の温度感知センサが具備される。または、ホルダ1に温度感知センサが具備されず、ヒータ130が、温度感知センサの役割を行うこともできる。例えば、ヒータ130には、発熱のための第1電気伝導性トラック以外に、温度感知のための第2電気伝導性トラックがさらに含まれてもよい。
【0112】
例えば、該第2電気伝導性トラックにかかる電圧、及び第2電気伝導性トラックに流れる電流が測定されれば、抵抗(R)が決定される。このとき、下記数式1により、第2電気伝導性トラックの温度(T)が決定される。
【0113】
【数1】
【0114】
数式1で、Rは、第2電気伝導性トラックの現在抵抗値を意味し、Rは、温度T(例えば、0℃)での抵抗値を意味し、αは、第2電気伝導性トラックの抵抗温度係数を意味する。伝導性物質(例えば、金属)は、固有の抵抗温度係数を有しているが、第2電気伝導性トラックを構成する伝導性物質により、αは、事前に決定されている。従って、第2電気伝導性トラックの抵抗(R)が決定される場合、前記数式1により、第2電気伝導性トラックの温度(T)が演算される。
【0115】
ヒータ130は、少なくとも1つの電気伝導性トラック(第1電気伝導性トラック及び第2電気伝導性トラック)によっても構成される。例えば、ヒータ130は、2個の第1電気伝導性トラック、及び1個または2個の第2電気伝導性トラックによっても構成されるが、それらに限定されるものではない。
【0116】
該電気伝導性トラックは、電気抵抗性物質を含む。一例として、該電気伝導性トラックは、金属物質によっても作製される。他の例として、該電気伝導性トラックは、電気伝導性セラミック物質、炭素、金属合金、またはセラミック物質と金属との合成物質によっても作製される。
【0117】
また、ホルダ1は、温度感知センサの役割を行う電気伝導性トラック及び温度感知センサをいずれも含んでもよい。
【0118】
制御部120は、ホルダ1の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部120は、バッテリ110及びヒータ130だけではなく、ホルダ1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、ホルダ1の構成それぞれの状態を確認し、ホルダ1が動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0119】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0120】
例えば、制御部120は、ヒータ130の動作を制御することができる。制御部120は、ヒータ130が所定温度まで加熱されるか、あるいは適切な温度を維持するように、ヒータ130に供給される電力の量、及び電力が供給される時間を制御することができる。また、制御部120は、バッテリ110の状態(例えば、バッテリ110の残量など)を確認し、必要な場合、お知らせ信号を生成することができる。
【0121】
また、制御部120は、ユーザのパフの有無、及びパフの強度を確認することができ、パフの数をカウンティングすることができる。また、制御部120は、ホルダ1が作動している時間を続けて確認することができる。また、制御部120は、後述するクレードル2がホルダ1と結合されたか否かということを確認し、クレードル2とホルダ1との結合または分離により、ホルダ1の動作を制御することができる。
【0122】
一方、ホルダ1は、バッテリ110、制御部120及びヒータ130以外に、汎用的な構成をさらに含んでもよい。
【0123】
例えば、ホルダ1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。一例として、ホルダ1にディスプレイが含まれる場合、制御部120は、ディスプレイを介して、ユーザにホルダ1の状態に係わる情報(例えば、ホルダの使用可能いかんなど)、ヒータ130に係わる情報(例えば、予熱開始、予熱進行、予熱完了など)、バッテリ110と係わる情報(例えば、バッテリ110の残余容量、使用可能いかんなど)、ホルダ1のリセットと係わる情報(例えば、リセット時期、リセット進行、リセット完了など)、ホルダ1の掃除と係わる情報(例えば、掃除時期、掃除必要、掃除進行、掃除完了など)、ホルダ1の充電と係わる情報(例えば、充電必要、充電進行、充電完了など)、パフと係わる情報(例えば、パフ回数、パフ終了予告など)、または安全と係わる情報(例えば、使用時間経過など)などを伝達することができる。他の例として、ホルダ1にモータが含まれる場合、制御部120は、モータを利用し、振動信号を生成することにより、ユーザに前述の情報を伝達することができる。
【0124】
また、ホルダ1は、ユーザがホルダ1の機能を制御することができる少なくとも1つの入力装置(例えば、ボタン)、及び/またはクレードル2と結合される端子を含んでもよい。例えば、ユーザは、ホルダ1の入力装置を利用し、多様な機能を行うことができる。ユーザが入力装置を押す回数(例えば、1回、2回など)、または入力装置を押している時間(例えば、0.1秒、0.2秒など)を調節することにより、ホルダ1の複数機能のうち所望機能を実行することができる。ユーザが入力装置を作動させることにより、ホルダ1は、ヒータ130を予熱する機能、ヒータ130の温度を調節する機能、シガレットが挿入される空間を掃除する機能、ホルダ1が作動可能な状態であるか否かということを点検する機能、バッテリ110の残量(可用電力)を表示する機能、ホルダ1のリセット機能などが遂行される。しかし、ホルダ1の機能は、前述の例に限定されるものではない。
【0125】
また、ホルダ1は、パフ感知センサ、温度感知センサ及び/またはシガレット挿入感知センサを含んでもよい。例えば、該パフ感知センサは、一般的な圧力センサによっても具現され、該シガレット挿入感知センサは、一般的な静電容量型センサまたは抵抗センサによっても具現される。また、ホルダ1は、シガレットが挿入された状態においても、外部空気が流入/流出される構造にも作製される。
【0126】
図10A及び図10Bは、ホルダの一例をさまざまな側面で図示した図面である。
【0127】
図10Aは、ホルダ1を第1方向から見た例を図示した図面である。図10Aに図示されているように、ホルダ1は、円筒状にも作製されるが、それに限定されるものではない。ホルダ1のケース140は、ユーザの動作によっても分離され、ケース140の末端141にシガレットが挿入される。また、ホルダ1には、ユーザがホルダ1を制御することができるボタン150、及び画面(image)が出力されるディスプレイ2160が含まれもする。
【0128】
図10Bは、ホルダ1を第2方向から見た例を図示した図面である。ホルダ1は、クレードル2と結合される端子170を含んでもよい。ホルダ1の端子170がクレードル2の端子260と結合することにより、クレードル2のバッテリ210が供給する電力により、ホルダ1のバッテリ110が充電される。また、端子170と端子260とを介して、クレードル2のバッテリ210が供給する電力により、ホルダ1が動作することもでき、ホルダ1とクレードル2との間に通信(信号の送受信)が可能である。例えば、端子170は、4個のマイクロピン(pin)によっても構成されるが、それに限定されるものではない。
【0129】
図11は、クレードルの一例を図示した構成図である。
【0130】
図11を参照すれば、クレードル2は、バッテリ210及び制御部220を含む。また、クレードル2は、ホルダ1が挿入される内部空間230を含む。例えば、内部空間230は、クレードル2の一側面にも形成される。従って、クレードル2が別途のふたを含まないとしても、ホルダ1がクレードル2に挿入されて固定される。
【0131】
図11に図示されたクレードル2には、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、図11に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が、クレードル2にさらに含まれもすることは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0132】
バッテリ210は、クレードル2が動作するのに利用される電力を供給する。また、バッテリ210は、ホルダ1のバッテリ110を充電する電力を供給することができる。例えば、ホルダ1がクレードル2に挿入され、ホルダ1の端子170と、クレードル2の端子260とが結合する場合、クレードル2のバッテリ210は、ホルダ1のバッテリ110に電力を供給することができる。
【0133】
また、ホルダ1とクレードル2とが結合された場合、バッテリ210は、ホルダ1が動作するのに利用される電力を供給することができる。例えば、ホルダ1の端子170と、クレードル2の端子260とが結合されれば、ホルダ1のバッテリ110が放電したか否かということを問わず、ホルダ1は、クレードル2のバッテリ210が供給する電力を利用し、動作することができる。
【0134】
バッテリ210種類の例は、図9を参照して説明したバッテリ110の例と同一である。バッテリ210の容量は、3,000mAh以上にもなる。ただし、バッテリ210の容量は、前述の例に限定されるものではない。
【0135】
制御部220は、クレードル2の動作を全般的に制御する。制御部220は、クレードル2の全ての構成の動作を制御することができる。また、制御部220は、ホルダ1とクレードル2とが結合されたか否かということを判断し、クレードル2とホルダ1との結合または分離により、クレードル2の動作を制御することができる。
【0136】
例えば、ホルダ1とクレードル2とが結合されれば、制御部220は、バッテリ210の電力をホルダ1に供給することにより、バッテリ110を充電したり、ヒータ130を加熱させたりすることができる。従って、バッテリ110の残量が少ない場合にも、ユーザは、ホルダ1とクレードル2とを結合し、連続的に吸煙することができる。
【0137】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0138】
一方、クレードル2は、バッテリ210及び制御部220以外に、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、クレードル2は、視覚情報の出力が可能なディスプレイを含んでもよい。例えば、クレードル2にディスプレイが含まれる場合、制御部220は、ディスプレイに表示される信号を生成することにより、ユーザに、バッテリ210(例えば、バッテリ210の残余容量、使用可能いかんなど)と係わる情報、クレードル2のリセット(例えば、リセット時期、リセット進行、リセット完了など)と係わる情報、ホルダ1の掃除(例えば、掃除時期、掃除必要、掃除進行、掃除完了など)と係わる情報、クレードル2の充電(例えば、充電必要、充電進行、充電完了など)と係わる情報などを伝達することができる。
【0139】
また、クレードル2は、ユーザがクレードル2の機能を制御することができる少なくとも1つの入力装置(例えば、ボタン)、ホルダ1と結合する端子260、及び/またはバッテリ210の充電のためのインターフェース(例えば、USBポートなど)を含んでもよい。
【0140】
例えば、ユーザは、クレードル2の入力装置を利用し、多様な機能を実行することができる。ユーザが入力装置を押す回数、または入力装置を押している時間を調節することにより、クレードル2の複数機能のうち所望する機能を実行することができる。ユーザが入力装置を作動させることにより、クレードル2は、ホルダ1のヒータ130を予熱する機能、ホルダ1のヒータ130の温度を調節する機能、ホルダ1内のシガレットが挿入される空間を掃除する機能、クレードル2が作動可能な状態であるか否かということを点検する機能、クレードル2のバッテリ210の残量(可用電力)を表示する機能、クレードル2のリセット機能などが遂行されもする。しかし、クレードル2の機能は、前述の例に限定されるものではない。
【0141】
図12A及び図12Bは、クレードルの一例をさまざまな側面で図示した図面である。
【0142】
図12Aは、クレードル2を第1方向から見た例を図示した図面である。クレードル2の一側面には、ホルダ1が挿入される空間230がある。また、クレードル2がふたのような別途の固定手段を含まないとしても、ホルダ1がクレードル2に挿入されて固定される。また、クレードル2には、ユーザがクレードル2を制御することができるボタン240、及び画面(image)が出力されるディスプレイ250が含まれもする。
【0143】
図12Bは、クレードル2を第2方向から見た例を図示した図面である。クレードル2には、挿入されたホルダ1と結合される端子260を含んでもよい。端子260がホルダ1の端子170と結合することにより、クレードル2のバッテリ210が供給する電力により、ホルダ1のバッテリ110が充電される。また、端子170と端子260とを介して、クレードル2のバッテリ210が供給する電力により、ホルダ1が動作することもでき、ホルダ1とクレードル2との信号送受信が可能である。例えば、端子260は、4個のマイクロピン(pin)によっても構成されるが、それに限定されるものではない。
【0144】
図12A及び図12Bを参照して述べたように、ホルダ1は、クレードル2の内部空間230に挿入される。また、ホルダ1は、クレードル2の内部に完全に挿入され、クレードル2に挿入された状態でもチルトされる。以下、図13及び図15Bを参照し、ホルダ1がクレードル2に挿入される例について説明する。
【0145】
図13は、ホルダがクレードルに挿入される一例を図示した図面である。
【0146】
図13を参照すれば、ホルダ1がクレードル2に挿入された一例が図示されている。ホルダ1が挿入される空間230がクレードル2の一側面に存在するので、挿入されたホルダ1は、クレードル2の他の側面によって外部に露出されない。従って、クレードル2は、ホルダ1を外部に露出させないための他の構成(例えば、ふた)を含まなくともよい。
【0147】
クレードル2には、ホルダ1との結着強度を高めるために、少なくとも1つの結着部材271,272が含まれもする。また、ホルダ1にも、少なくとも1つの結着部材181が含まれもする。ここで、結着部材181,271,272は、磁石にもなるが、それに限定されるものではない。図13には、説明の便宜のために、ホルダ1が1つの結着部材181を含み、クレードル2が2つの結着部材271,272を含むように図示されているが、結着部材181,271,272の数は、それに限定されるものではない。
【0148】
ホルダ1は、第1位置に、結着部材181を含んでもよく、クレードル2は、第2位置及び第3位置に、それぞれ結着部材271,272を含んでもよい。そのとき、第1位置と第3位置は、ホルダ1がクレードル2に挿入される場合、互いに対面する位置でもある。
【0149】
ホルダ1及びクレードル2に結着部材181,271,272が含まれることにより、ホルダ1がクレードル2の一側面に挿入されても、ホルダ1とクレードル2とがさらに強く結着される。言い換えれば、ホルダ1及びクレードル2に、端子170,260以外に、結着部材181,271,272がさらに含まれることにより、ホルダ1とクレードル2とがさらに強く結着される。従って、クレードル2に別途の構成(例えば、ふた)がないとしても、挿入されたホルダ1が、クレードル2から容易に分離されない。
【0150】
また、端子170,260及び/または結着部材181,271,272により、ホルダ1がクレードル2に完全に挿入されたと判断されれば、制御部220は、バッテリ210の電力を利用し、ホルダ1のバッテリ110を充電することができる。
【0151】
図14は、ホルダがクレードルに挿入された状態でチルトされる一例を図示した図面である。
【0152】
図14を参照すれば、ホルダ1がクレードル2の内部でチルトされている。ここで、該チルトは、ホルダ1がクレードル2に挿入された状態から一定角度傾けられることを意味する。
【0153】
図13に図示されているように、ホルダ1がクレードル2に完全に挿入される場合、ユーザは、喫煙をすることができない。言い換えれば、ホルダ1がクレードル2に完全に挿入されれば、ホルダ1にシガレットが挿入されない。従って、ホルダ1がクレードル2に完全に挿入された状態においては、ユーザが喫煙をすることができない。
【0154】
図14に図示されているように、ホルダ1がチルトされれば、ホルダ1の末端141が外部に露出される。従って、ユーザは、末端141にシガレットを挿入し、生成されたエアロゾルを吸入(喫煙)することができる。チルト角θは、シガレットがホルダ1の末端141に挿入されるとき、シガレットが折れたり毀損されたりしないように、十分な角度が確保される。例えば、ホルダ1は、末端141に含まれたシガレット挿入孔全体が外部に露出される最小角度、またはそれより大きい角度にもチルトされる。例えば、チルト角θの範囲は、0゜超過180゜以下にもなり、望ましくは、10゜以上90゜以下にもなる。さらに望ましくは、チルト角θの範囲は、10゜以上20゜以下、10゜以上30゜以下、10゜以上40゜以下、10゜以上50゜以下、または10゜以上60゜以下にもなる。
【0155】
また、ホルダ1がチルトされても、ホルダ1の端子170と、クレードル2の端子260は、互いに結合されている。従って、ホルダ1のヒータ130は、クレードル2のバッテリ210が供給する電力によって加熱されもする。従って、ホルダ1のバッテリ110の残量が少ないか、あるいはない場合にも、ホルダ1は、クレードル2のバッテリ210を利用し、エアロゾルを生成することができる。
【0156】
図14には、ホルダ1が1つの結着部材182を含み、クレードル2が2つの結着部材273,274を含む例が図示されている。例えば、結着部材182,273,274それぞれの位置は、図13を参照して説明した通りである。もし結着部材182,273,274が磁石であると仮定するならば、結着部材274の磁石強度が、結着部材273の磁石強度よりも大きくなる。従って、ホルダ1がチルトされても、結着部材182及び結着部材274により、ホルダ1は、クレードル2と完全に分離されない。
【0157】
また、端子170,260及び/または結着部材182,273,274により、ホルダ1がチルトされたと判断されれば、制御部220は、バッテリ210の電力を利用し、ホルダ1のヒータ130を加熱したり、バッテリ110を充電したりすることができる。
【0158】
図15A及び図15Bは、ホルダがクレードルに挿入された例を図示した図面である。
【0159】
図15Aには、ホルダ1がクレードル2に完全に挿入された例が図示されている。ホルダ1がクレードル2に完全に挿入される場合、ユーザがホルダ1に接触することを最小化させるために、クレードル2の内部空間230が十分に確保されるようにも作製される。ホルダ1がクレードル2に完全に挿入されれば、制御部220は、ホルダ1のバッテリ110が充電されるように、バッテリ210の電力をホルダ1に供給する。
【0160】
図15Bには、ホルダ1がクレードル2に挿入された状態でチルトされた例が図示されている。ホルダ1がチルトされれば、制御部220は、ホルダ1のバッテリ110が充電されるか、あるいはホルダ1のヒータ130が加熱されるように、バッテリ210の電力をホルダ1に供給する。
【0161】
図16は、ホルダ及びクレードルが動作する一例について説明するためのフローチャートである。
【0162】
図16に図示されたエアロゾルを生成する方法は、図9に図示されたホルダ1、または図11に図示されたクレードル2において、時系列的に処理される段階で構成される。従って、以下で省略された内容であるとしても、図9に図示されたホルダ1、及び図11に図示されたクレードル2について、以上で記述された内容は、図16の方法にも適用されるということが分かる。
【0163】
810段階において、ホルダ1は、クレードル2に挿入されたか否かということを判断する。例えば、制御部120は、ホルダ1及びクレードル2の端子170,260が互いに連結されたか否かということ、及び/または結着部材181,271,272が動作するか否かということにより、ホルダ1がクレードル2に挿入されたか否かということを判断することができる。
【0164】
ホルダ1がクレードル2に挿入された場合には、820段階に進み、ホルダ1がクレードル2から分離された場合には、830段階に進む。
【0165】
820段階において、クレードル2は、ホルダ1がチルトされたか否かということを判断する。例えば、制御部220は、ホルダ1及びクレードル2の端子170,260が互いに連結されたか否かということ、及び/または結着部材182,273,274が動作するか否かということにより、ホルダ1がチルトされたか否かということを判断することができる。
【0166】
820段階においては、クレードル2がホルダ1のチルトいかんを判断すると説明したが、それに限定されるものではない。言い換えれば、ホルダ1のチルトいかんは、ホルダ1の制御部120によっても判断される。
【0167】
ホルダ1がチルトされた場合には、840段階に進み、ホルダ1がチルトされていない場合(すなわち、ホルダ1がクレードル2に完全に挿入された場合)には、870段階に進む。
【0168】
830段階において、ホルダ1は、ホルダ1の使用条件を満足するか否かということを判断する。例えば、制御部120は、バッテリ110の残量、及びホルダ1の他の構成が正常に動作することができるか否かということをチェックすることにより、使用条件が満足されたか否かということを判断することができる。
【0169】
ホルダ1の使用条件が満足された場合には、840段階に進み、そうではない場合には、手続きを終了する。
【0170】
840段階において、ホルダ1は、ユーザに使用可能状態であるということを知らせる。例えば、制御部120は、ホルダ1のディスプレイに使用可能であるということを知らせる画面(image)を出力することもでき、ホルダ1のモータを制御し、振動信号を生成することもできる。
【0171】
850段階において、ヒータ130が加熱される。一例として、ホルダ1がクレードル2から分離された場合、ホルダ1のバッテリ110の電力により、ヒータ130が加熱されもする。他の例として、ホルダ1がチルトされた場合、クレードル2のバッテリ210の電力により、ヒータ130が加熱されもする。
【0172】
ホルダ1の制御部120、またはクレードル2の制御部220は、ヒータ130の温度をリアルタイムで確認し、ヒータ130に供給される電力の量、及びヒータ130に電力が供給される時間を調節することができる。例えば、制御部120,220は、ホルダ1に含まれた温度感知センサ、またはヒータ130の電気伝導性トラックを介して、ヒータ130の温度をリアルタイムで確認することができる。
【0173】
860段階において、ホルダ1は、エアロゾル生成メカニズムを遂行する。例えば、制御部120,220は、ユーザがパフを遂行することによって変わるヒータ130の温度を確認し、ヒータ130に供給される電力の量を調節するか、あるいはヒータ130に電力の供給を中断することができる。また、制御部120,220は、ユーザのパフ回数を計数することができ、一定パフ回数(例えば、1,500回)に逹すれば、ホルダの掃除が必要であるということを知らせる情報を出力することができる。
【0174】
870段階において、クレードル2は、ホルダ1の充電を行う。例えば、制御部220は、クレードル2のバッテリ210電力を、ホルダ1のバッテリ110に供給することにより、ホルダ1を充電させることができる。
【0175】
一方、制御部120,220は、ユーザのパフ回数、またはホルダ1の動作時間により、ホルダ1の動作を停止させることもできる。以下、図23を参照し、制御部120,220がホルダ1の動作を停止させる一例について説明する。
【0176】
図17は、ホルダが動作する他の例について説明するためのフローチャートである。
【0177】
図17に図示されたエアロゾルを生成する方法は、図9に図示されたホルダ1、及び図11に図示されたクレードル2において、時系列的に処理される段階によって構成される。従って、以下で省略された内容であるとしても、図9に図示されたホルダ1、または図11に図示されたクレードル2について、以上で記述された内容は、図17の方法にも適用されるということが分かる。
【0178】
910段階において、制御部120,220は、ユーザがパフしたか否かということを判断する。例えば、制御部120,220は、ホルダ1に含まれたパフ感知センサを介して、ユーザがパフしたか否かということを判断することができる。
【0179】
920段階において、ユーザのパフにより、エアロゾルが生成される。制御部120,220が、ユーザのパフ、及びヒータ130の温度により、ヒータ130に供給される電力を調節することができることは、図16を参照して説明した通りである。また、制御部120,220は、ユーザのパフ回数を計数する。
【0180】
930段階において、制御部120,220は、ユーザのパフ回数が、パフ制限回数以上であるか否かということを判断する。例えば、パフ制限回数が14回に設定されたと仮定すれば、制御部120,220は、計数されたパフ回数が14回以上であるか否かということを判断する。
【0181】
一方、ユーザのパフ回数がパフ制限回数に近接した場合(例えば、ユーザのパフ回数が12回である場合)、制御部120,220は、ディスプレイまたは振動モータを介して、警告信号を出力することができる。
【0182】
もしユーザのパフ回数がパフ制限回数以上である場合には、950段階に進み、ユーザのパフ回数がパフ制限回数より少ない場合には、940段階に進む。
【0183】
940段階において、制御部120,220は、ホルダ1が動作した時間が動作制限時間以上であるか否かということ判断する。ここで、ホルダ1が動作した時間は、ホルダが動作を始めた時点から現在まで累積された時間を意味する。例えば、動作制限時間が10分に設定されたと仮定すれば、制御部120,220は、ホルダ1が10分以上動作しているか否かということを判断する。
【0184】
一方、ホルダ1の動作時間が動作制限時間に近接した場合(例えば、ホルダ1が8分間動作している場合)、制御部120,220は、ディスプレイまたは振動モータを介して、警告信号を出力することができる。
【0185】
もしホルダ1が動作制限時間以上動作している場合には、950段階に進み、ホルダ1の動作時間が動作制限時間より少ない場合には、920段階に進む。
【0186】
950段階において、制御部120,220は、ホルダの動作を強制終了する。言い換えれば、制御部120,220は、ホルダのエアロゾル生成メカニズムを停止させる。例えば、制御部120,220は、ヒータ130に供給される電力を遮断することにより、ホルダの動作を強制終了することができる。
【0187】
図18は、クレードルが動作する一例について説明するためのフローチャートである。
【0188】
図18に図示されたフローチャートは、図11に図示されたクレードル2において、時系列的に処理される段階によって構成される。従って、以下で省略された内容であるとしても、図11に図示されたクレードル2について以上で記述された内容は、図18のフローチャートにも適用されるということが分かる。
【0189】
図18には、図示されていないが、以下で説明するクレードル2の動作は、ホルダ1がクレードル2に挿入されたか否かということを問わずに遂行されもする。
【0190】
1010段階において、クレードル2の制御部220は、ボタン240が押されたか否かということを判断する。もしボタン240が押された場合には、1020段階に進み、ボタン240が押されていない場合には、1030段階に進む。
【0191】
1020段階において、クレードル2は、バッテリの状態を表示する。例えば、制御部220は、バッテリ210の現在状態(例えば、残量など)に係わる情報をディスプレイ250に出力することができる。
【0192】
1030段階において、クレードル2の制御部220は、クレードル2にケーブルが連結されたか否かということを判断する。例えば、制御部220は、クレードル2に含まれたインターフェース(例えば、USBポートなど)にケーブルが連結されたか否かということを判断する。もしクレードル2にケーブルが連結された場合には、1040段階に進み、そうではない場合には、手続きを終了する。
【0193】
1040段階において、クレードル2は、充電動作を遂行する。例えば、クレードル2は、連結されたケーブルを介して供給される電力を利用し、バッテリ210を充電する。
【0194】
図9を参照して説明した通り、ホルダ1には、シガレットが挿入される。シガレットは、エアロゾル生成物質を含み、加熱されたヒータ130によってエアロゾルが生成される。
【0195】
以下、図19ないし図21Fを参照し、ホルダ1に挿入されるシガレットの例について説明する。
【0196】
図19は、ホルダにシガレットが挿入された一例を図示した図面である。
【0197】
図19を参照すれば、シガレット3は、ケース140の末端141を介して、ホルダ1に挿入される。シガレット3が挿入されれば、ヒータ130は、シガレット3の内部に位置する。従って、加熱されたヒータ130により、シガレット3のエアロゾル生成物質が加熱され、それによってエアロゾルが生成される。
【0198】
シガレット3は、一般的な燃焼型シガレットと類似している。例えば、シガレット3は、エアロゾル生成物質を含む第1部分310と、フィルタなどを含む第2部分320とに区分される。一方、一実施形態によるシガレット3は、第2部分320に、エアロゾル生成物質を含んでもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作ったエアロゾル生成物質が、第2部分320にも挿入される。
【0199】
ホルダ1の内部には第1部分310全体が挿入され、第2部分320は、外部にも露出される。または、ホルダ1の内部に、第1部分310の一部だけ挿入され、第1部分310及び第2部分320の一部が挿入されもする。
【0200】
ユーザは、第2部分320を口にした状態でエアロゾルを吸入することができる。このとき、該エアロゾルは、外部空気と混合され、ユーザの口に伝達される。図19に図示されているように、外部空気は、シガレット3の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介しても流入され(1110)、ホルダ1に形成された少なくとも1つの空気通路を介しても流入される(1120)。例えば、ホルダ1に形成された空気通路は、ユーザによって開閉されるようにも作製される。
【0201】
図20A及び図20Bは、シガレットの一例を図示した構成図である。
【0202】
図20A及び図20Bを参照すれば、シガレット3は、タバコロッド310、第1フィルタセグメント321、冷却構造物322及び第2フィルタセグメント323を含む。図19を参照して説明した第1部分310は、タバコロッド310を含み、第2部分320は、第1フィルタセグメント321、冷却構造物322及び第2フィルタセグメント323を含む。
【0203】
一方、図20A及び図20Bを比較すれば、図20Bのシガレット3は、図20Aのシガレット3に比べ、第4ラッパ334をさらに含む。
【0204】
ただし、図20A及び図20Bに図示されたシガレット3の構造は、一例に過ぎず、一部構成が省略されもする。例えば、シガレット3には、第1フィルタセグメント321、冷却構造物322及び第2フィルタセグメント323のうち1以上が含まれなくともよい。
【0205】
タバコロッド310は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含んでもよい。タバコロッド310の長さは、約7mmないし15mmでもあるか、あるいは望ましくは、約12mmにもなる。また、タバコロッド310の直径は、7mmないし9mmでもあるか、あるいは望ましくは、約7.9mmでもある。タバコロッド310の長さ及び直径は、前述の数値範囲に限定されるものではない。
【0206】
また、タバコロッド310は、風味剤、湿潤剤及び/またはアセテート化合物のような他の添加物質を含んでもよい。例えば、該風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、フェヌグリーク、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、桂皮、イランイラン、ザルビア、スペアミント、生姜、コリアンダまたはコーヒーなどを含んでもよい。また、該湿潤剤は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどを含んでもよい。
【0207】
一例として、タバコロッド310は、刻みタバコによっても充填される。ここで、該刻みタバコは、タバコシートを細かく粉砕することによっても生成される。
【0208】
広いタバコシートが狭い空間のタバコロッド310に充填されるためには、タバコシートが容易に折り畳まれるようにする工程が追加して要求される。従って、タバコロッド310をタバコシートで充填することに比べ、タバコロッド310を刻みタバコで充填する方がさらに容易であり、タバコロッド310を生産する工程の生産性及び効率がさらに高くなる。
【0209】
他の例として、タバコロッド310は、タバコシートが細切りされた複数のタバコ筋によっても充填される。例えば、タバコロッド310は、複数のタバコ筋が互いに同じ方向(平行)、または無作為に合わされても形成される。1本のタバコ筋は、横長が1mm、縦長が12mm、厚み(高さ)が0.1mmである直方体状にも製造されるが、それに限定されるものではない。
【0210】
タバコロッド310がタバコシートによって充填されることに比べ、タバコ筋によって充填されたタバコロッド310は、さらに多量のエアロゾルが発生する。同一空間に充填されることを仮定すれば、タバコシートに比べ、タバコ筋がさらに広い表面積を保証する。広い表面積は、エアロゾル生成物質が外部空気と接触する機会がさらに多いということを意味する。従って、タバコロッド310がタバコ筋によって充填される場合、タバコシートに充填されたことに比べ、さらに多くのエアロゾルが生成される。
【0211】
また、シガレット3をホルダ1から分離するとき、タバコ筋に充填されたタバコロッド310が、タバコシートに充填されたものに比べ、さらに容易に分離される。タバコシートに比べ、タバコ筋がヒータ130と接触して生成される摩擦力がさらに小さい。従って、タバコロッド310がタバコ筋によって充填される場合、タバコシートによって充填されたものに比べ、ホルダ1からさらに容易に分離される。
【0212】
該タバコシートは、タバコ原料をスラリー形態に粉砕した後、該スラリーを乾燥させることによっても形成される。例えば、該スラリーには、エアロゾル生成物質が15ないし30%添加される。タバコ原料は、タバコ葉切れ、タバコ茎、タバコ処理中に発生されたタバコ粉じん、及び/またはタバコ葉の主要脇片ストリップでもある。また、タバコシートには、木材セルロース纎維のような他の添加剤が含有されてもよい。
【0213】
第1フィルタセグメント321は、セルロースアセテートフィルタでもある。例えば、第1フィルタセグメント321は、内部に空洞を含むチューブ形態でもある。第1フィルタセグメント321の長さは、約7mmないし15mmでもあるか、あるいは望ましくは、約7mmにもなる。第1フィルタセグメント321の長さは、約7mmより短いが、少なくとも1つのシガレット要素(例えば、冷却要素、カプセル、アセテートフィルタなど)の機能が毀損されないほどの長さを有することが望ましい。第1フィルタセグメント321の長さは、前述の数値範囲に限定されるものではない。一方、第1フィルタセグメント321の長さは、拡張可能であり、第1フィルタセグメント321の長さにより、シガレット3全体長が調節される。
【0214】
第2フィルタセグメント323も、セルロースアセテートフィルタでもある。例えば、第2フィルタセグメント323は、空洞を含むリセスフィルタによっても作製されるが、それに限定されるものではない。第2フィルタセグメント323の長さは、約5mmないし15mmでもあるか、あるいは望ましくは、約12mmにもなる。第2フィルタセグメント323の長さは、前述の数値範囲に限定されるものではない。
【0215】
また、第2フィルタセグメント323には、少なくとも1つのカプセル324が含まれてもよい。ここで、カプセル324は、香料を含む内容液を被膜で覆い包んだ構造でもある。例えば、カプセル324は、球形または円筒状の形状を有することができる。カプセル324の直径は、2mm以上でもあるが、あるいは望ましくは、2~4mmでもある。
【0216】
カプセル324の被膜を形成する材料は、澱粉及び/またはゲル化剤でもある。例えば、ゲル化剤としては、ゲランガムやゼラチンが使用される。また、カプセル324の被膜を形成する材料として、ゲル化助剤がさらに利用される。ここで、該ゲル化助剤としては、例えば、塩化カルシウムが使用される。また、カプセル324の被膜を形成する材料として、可塑剤がさらに利用される。ここで、該可塑剤としては、グリセリン及び/またはソルビトールが利用される。また、カプセル324の被膜を形成する材料として、着色料がさらに利用される。
【0217】
例えば、カプセルの内容液に含まれる香料としては、メントール、植物の精油などが利用される。また、該内容液に含まれる香料の溶媒としては、例えば、重鎖脂肪酸トリグリセリド(重鎖)が利用される。また、該内容液は、色素、乳化剤、増粘剤のような他の添加剤を含んでもよい。
【0218】
冷却構造物322は、ヒータ130が、タバコロッド310を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる。従って、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。冷却構造物322の長さは、約10mmないし20mmでもあるか、あるいは望ましくは、約14mmにもなる。冷却構造物322の長さは、前述の数値範囲に限定されるものではない。
【0219】
例えば、冷却構造物322は、ポリ乳酸によっても作製される。冷却構造物322は、単位面積当たり表面積(すなわち、エアロゾルと接触する表面積)を拡大させるために、多様な形態にも作製される。冷却構造物322の多様な例は、図21Aないし図21Fを参照して後述する。
【0220】
タバコロッド310及び第1フィルタセグメント321は、第1ラッパ331によっても包装される。例えば、第1ラッパ331は、耐油性を有する紙類包装材によっても作製される。
【0221】
冷却構造物322及び第2フィルタセグメント323は、第2ラッパ332によっても包装される。また、シガレット3全体は、第3ラッパ333によっても再包装される。例えば、第2ラッパ332及び第3ラッパ333は、一般的な紙類包装材によっても作製される。選択的には、第2ラッパ332は、耐油ハード巻紙またはPLA加香紙でもある。また、第2ラッパ332は、第2フィルタセグメント323部分を包装し、追加して第2フィルタセグメント323及び冷却構造物322をさらに包装することができる。
【0222】
図20Bを参照すれば、シガレット3は、第4ラッパ334を含んでもよい。タバコロッド310と第1フィルタセグメント321とのうち少なくとも一つは、第4ラッパ334によっても包装される。言い換えれば、タバコロッド310だけ第4ラッパ334によっても包装され、タバコロッド310及び第1フィルタセグメント321が第4ラッパ334によっても包装される。例えば、第4ラッパ334は、紙類包装材によっても作製される。
【0223】
第4ラッパ334は、紙類包装材の一表面または両表面に、所定物質が塗布(または、コーティング)されることによって生成される。ここで、所定物質の例としては、シリコンが該当するが、それに限定されるものではない。シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、または電気絶縁性などの特性を有する。ただし、シリコンではないとしても、前述の特性を有する物質であるならば、制限なしに第4ラッパ334に塗布(または、コーティング)される。
【0224】
一方、図20Bには、シガレット3が第1ラッパ331及び第4ラッパ334をいずれも含むように図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、シガレット3が第1ラッパ331及び第4ラッパ334のうちいずれか一つだけ含んでもよい。
【0225】
第4ラッパ334は、シガレット3が燃焼される現象を防止することができる。例えば、タバコロッド310がヒータ130によって加熱されれば、シガレット3が燃焼される可能性がある。具体的には、タバコロッド310に含まれた物質のうちいずれか1つの発火点以上に温度が上昇する場合、シガレット3が燃焼される。そのような場合にも、第4ラッパ334は、不燃性物質を含むので、シガレット3が燃焼される現象が防止される。
【0226】
また、第4ラッパ334は、シガレット3で生成される物質によってホルダ1が汚染されることを防止することができる。ユーザのパフにより、シガレット3内で液体物質が生成されもする。例えば、シガレット3で生成されたエアロゾルが外部空気によって冷却されることにより、液体物質(例えば、水分など)が生成される。第4ラッパ334が、タバコロッド310及び/または第1フィルタセグメント321を包装することにより、シガレット3内で生成された液体物質が、シガレット3の外部に漏れることが防止される。従って、ホルダ1のケース140などが、シガレット3で生成された液体物質によって汚染される現象が防止される。
【0227】
図21Aないし図21Fは、シガレットの冷却構造物の例を図示した図面である。
【0228】
例えば、図21Aないし図21Fに図示された冷却構造物は、純粋なポリ乳酸(PLA)によって生産された纎維を利用しても作製される。
【0229】
一例として、フィルム(シート)を充填し、冷却構造物のフィルム(シート)を作製する場合、フィルム(シート)が外部の衝撃によって裂けてしまう。その場合、冷却構造物がエアロゾルを冷却する効果が低減される。
【0230】
他の例として、押出成形などによって冷却構造物を作製する場合、構造物の切断などの工程が追加されることにより、工程の効率が低くなる。また、該冷却構造物を多様な形状で作製することにも限界がある。
【0231】
一実施形態による冷却構造物を、ポリ乳酸纎維を利用して作製する(例えば、織造)ことにより、冷却構造物が外部衝撃によって変形されたり、機能を喪失したりするようになる危険性が低くなる。また、纎維を組み合わせる方式を変更することにより、多様な形状を有する冷却構造物を作製することができる。
【0232】
また、纎維を利用し、冷却構造物を作製することにより、エアロゾルと接触する表面積が拡大される。従って、冷却構造物のエアロゾル冷却効果がさらに向上する。
【0233】
図21Aを参照すれば、冷却構造物1310は、円筒状にも作製され、冷却構造物1310の断面には、少なくとも1つの空気通路1311が形成されるようにも作製される。
【0234】
図21Bを参照すれば、冷却構造物1320は、複数の纎維が互いに編み上げられた構造物にも作製される。このとき、エアロゾルは、纎維間に流れ、冷却構造物1320の形態によって渦流が形成される。形成された渦流は、冷却構造物1320において、エアロゾルが接触する面積を広げ、エアロゾルが冷却構造物1320内に留まる時間を延長させる。従って、加熱されたエアロゾルが、効果的に冷却される。
【0235】
図21Cを参照すれば、冷却構造物1330は、複数個の束1331が集められた形態にも作製される。
【0236】
図21Dを参照すれば、冷却構造物1340は、ポリ乳酸、刻みタバコまたは炭それぞれによって製造された顆粒によっても充填される。また、該顆粒は、ポリ乳酸、刻みタバコ及び炭の混合物によっても製造される。一方、該顆粒は、ポリ乳酸、刻みタバコ及び/または炭以外にも、エアロゾルの冷却効果を向上させることができる要素をさらに含んでもよい。
【0237】
図21Eを参照すれば、冷却構造物1350は、第1断面1351及び第2断面1352を含んでもよい。
【0238】
第1断面1351は、第1フィルタセグメント321と接境し、エアロゾルが流入する空隙を含む。第2断面1352は、第2フィルタセグメント323と接境し、エアロゾルが放出される空隙を含んでもよい。例えば、第1断面1351と第2断面1352は、直径が同一である単一空隙を含んでもよいが、第1断面1351と第2断面1352とに含まれる空隙の直径及び数は、それに制限されるものではない。
【0239】
併せて、冷却構造物1350は、第1断面1351と第2断面1352との間に、複数の空隙が含まれた第3断面1353を含んでもよい。例えば、第3断面1353に含まれた複数の空隙の直径は、第1断面1351及び第2断面1352に含まれた空隙の直径よりも小さい。また、第3断面1353に含まれた空隙の数は、第1断面1351及び第2断面1352に含まれた空隙の数よりも多い。
【0240】
図21Fを参照すれば、冷却構造物1360は、第1フィルタセグメント321と接境する第1断面1361、及び第2フィルタセグメント323と接境する第2断面1362を含んでもよい。また、冷却構造物1360は、1以上の管形要素1363を含んでもよい。例えば、管形要素1363は、第1断面1361と第2断面1362とを貫通ことができる。また、管形要素1363は、微細多孔質包装材によっても包装され、エアロゾルの冷却効果を向上させることができる充填材(例えば、図21Dを参照して説明した顆粒)によっても充填される。
【0241】
前述のところによれば、ホルダは、シガレットを加熱することにより、エアロゾルを生成させることができる。また、該ホルダが独立して、または該ホルダがクレードルに挿入されてチルトされた状態でも、エアロゾルを生成させることができる。特に、該ホルダがチルトされた場合には、クレードルのバッテリの電力によってヒータが加熱される。
【0242】
なお、前述の方法は、コンピュータで実行されるプログラムに作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータでも具現される。また、前述の方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、さまざまな手段を介しても記録される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック保存媒体(例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、USB、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
【0243】
本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
【産業上の利用可能性】
【0244】
本実施形態は、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを生成する加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F