(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】燃料電池スタックの流入量の制御
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20220114BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04 Z
(21)【出願番号】P 2020518802
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(86)【国際出願番号】 IB2018057662
(87)【国際公開番号】W WO2019069241
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-04-17
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502197161
【氏名又は名称】フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】クアタンス, マイケル エル.
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー, ウィリアム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジン, クアン
(72)【発明者】
【氏名】フルニエ, ロバート エス.
【審査官】西井 香織
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-524740(JP,A)
【文献】特表2014-523503(JP,A)
【文献】特開2003-017084(JP,A)
【文献】特開2004-182494(JP,A)
【文献】特開2006-001540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04 - 8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池モジュール用のダクトであって、
前記燃料電池モジュールの方へ反応ガスおよび空気のガス混合物を送り込むための上部ダクトフードであって、供給ダクトから反応ガスを受けるように構成されているダクトの入口を有し、第1の先細部および前記第1の先細部の下流の第2の先細部を画定する、上部ダクトフードと;
前記上部ダクトフードに流体的に結合される下部ダクトフードであって、
第1の脚部と、第2の脚部と、を含み、前記第1の脚部と前記第2の脚部の各々は前記燃料電池モジュールの対応する燃料電池スタックにおいて使用されるガス混合物を出力するよう構成されたダクトの出口を画定し、前記第2の脚部は前記第1の脚部から離間されて、前記燃料電池モジュール内の場所にアクセスを提供する、下部ダクトフードと、を備え、
側面視において、前記第2の先細部は、下流方向において内方に先細となり、
上面視において、前記第1の先細部は、前記下流方向において内方に先細となり、
前記上面視において、前記第2の先細部は、前記下流方向において広くなる、ダクト。
【請求項2】
前記第2の先細部が、
一定の断面積を画定する、請求項1に記載のダクト。
【請求項3】
前記側面視において、前記第1の先細部が、前記下流方向において内方に先細となる、請求項1に記載のダクト。
【請求項4】
空気供給部からの空気を拡散しかつ前記空気を前記上部ダクトフードに送り込むように構成されている拡散組立体をさらに備える、請求項1に記載のダクト。
【請求項5】
前記拡散組立体が、前記空気を、前記上部ダクトフードの前記ダクトの入口を通る反応ガスの流れの方向からずれた角度で出力するように構成されている拡散出口を含む、請求項4に記載のダクト。
【請求項6】
燃料電池モジュールであって、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の前記ダクトと;
複数の燃料電池スタックであって、各燃料電池スタックは、前記ガス混合物の一部を受けるように構成されているスタックの入口を画定する、複数の燃料電池スタックと、を備え、
前記下部ダクトフードの
1以上の
前記ダクトの出口は、対応する燃料電池スタックの対応するスタックの入口に流体的に結合され、
少なくとも1つの複数羽根は、
少なくとも1つの前記
ダクトの出口の両側に枢動可能に結合され、前記少なくとも1つの複数羽根は、前記ガス混合物を前記
対応するスタックの入口に方向付けるように構成されている、燃料電池モジュール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの複数羽根が、第1の複数羽根と、前記第1の複数羽根から独立して関節結合するように構成されている第2の複数羽根と、を含む、請求項
6に記載の燃料電池モジュール。
【請求項8】
各ダクトの出口と各燃料電池スタックの前記スタックの入口の間に間隙が設けられ、それらの間の電気接触を防ぐ、請求項
6に記載の燃料電池モジュール。
【請求項9】
請求項
6に記載の燃料電池モジュールであって、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の
ダクトを
第2のダクトとしてさらに備え、
前記複数の燃料電池スタックが4つの燃料電池スタックを含み、各ダクトは、前記燃料電池スタックのうちの2つと流体的に結合されるように構成されている、燃料電池モジュール。
【請求項10】
各ダクトの出口が前記
対応するスタックの入口と
同じ高さである、請求項
6に記載の燃料電池モジュール。
【請求項11】
燃料電池用の燃料を混合する方法であって、
請求項
4または5のいずれか1項に記載の前記ダクトの第1の端部で、反応ガスの流れを受けることと;
拡散組立体の拡散入口で空気を受けることと;
前記ダクトにおける反応ガスの前記流れに対して角度をなして前記拡散組立体からの空気を出力することと;
前記拡散組立体からの前記空気と反応ガスの前記流れを混合して、ガス混合物を形成することと;
前記ダクトの出口から、
均一な温度および成分ガス種の
均一な混合を有する前記ガス混合物を出力することと、を含む、方法。
【請求項12】
第1のバッフルを用いて、前記ガス混合物の少なくとも一部を前記ダクトの面から離れるように向け直すことをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
複数羽根を用いて、前記ガス混合物の
流量を、燃料電池スタックの入口における決められた高さに制御することをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示全体が参照によって本明細書に援用される2017年10月4日に出願された米国特許出願第15/724,736号の利益および優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、複数の燃料電池スタックを有する燃料電池モジュールに、異なる温度および成分の複数のガス流を送り込みかつ混合することに関する。詳細には、本出願は、各燃料電池スタックへの複数の流入ガスの混合および分散を向上させるための流入ダクトに関する。
【0003】
燃料電池スタックの寿命は、最も急速に劣化する、スタック内の電池の劣化速度に大きく依存する。不均等な劣化は、結果的に燃料電池のライフサイクルの短縮をもたらし、それによりコストは増大する。
【発明の概要】
【0004】
燃料電池間の劣化速度の異なりは、電池各々を均一の入口流量および出口流量、均一の入力ガス温度ならびにガス成分種の均一な混合にさらすことによって、最小化することができる。これらの利点および他の利点は、本明細書中に開示された例示的な実施形態を用いて得ることができる。
【0005】
例示的な実施形態は、燃料源から燃料を受けるように構成されている入口を有する上部ダクトフードを含む、燃料電池モジュール用のダクトであって、上部ダクトフードは、第1の先細部と第2の先細部とを画定する、ダクトに関する。ダクトは、さらに、上部ダクトフードに流体的に結合される下部ダクトフードを含み、下部ダクトフードは、少なくとも1つの出口を画定する。側面視において、第2の先細部は、下流方向において内方に先細となる。上面視において、第1の先細部は、下流方向において内方に先細となり、第2の先細部は、下流に進むにつれて外方に先細となる。
【0006】
ダクトの一態様は、実質的に一定の断面積を画定する第2の先細部に関する。
【0007】
ダクトの別の態様は、側面視において、下流方向において内方に先細となる第1の先細部に関する。
【0008】
ダクトの別の態様は、空気供給部からの空気を拡散させその空気を上部ダクトフードに送り込むように構成されている拡散組立体に関する。
【0009】
ダクトの別の態様は、空気を、上部ダクトフードの入口を通る反応ガスの流れ方向からずれた角度で出力するように構成されている出口を含む拡散組立体に関する。
【0010】
ダクトの別の態様は、第1の脚部を含む下部ダクトフードであって、第1の脚部は、燃料電池スタックで用いるためのガス混合物を出力するように構成されている出口を画定する、下部ダクトフードに関する。
【0011】
ダクトの別の態様は、第1の脚部から離間して第2の脚部を画定し、人がそれらの間を通り得るようにした下部ダクトフードに関する。
【0012】
ダクトの別の態様は、出口の両側に枢動可能に結合される少なくとも1つの複数羽根に関し、少なくとも1つの複数羽根は、ガス混合物の流れを方向付けるように構成されている。
【0013】
ダクトの別の態様は、第1の複数羽根と、第1の複数羽根から独立して関節結合するように構成されている第2の複数羽根とに関する。
【0014】
別の例示的な実施形態は、複数の燃料電池スタックであって、各燃料電池スタックはガス混合物を受けるように構成されている入口を画定する、複数の燃料電池スタックと、上部ダクトフードおよび下部ダクトフードを有するダクトであって、下部ダクトフードは少なくとも1つの出口を含む、ダクトとを含む燃料電池モジュールに関する。下部ダクトフードの少なくとも1つの出口は、対応する燃料電池スタックの対応する入口に流体的に結合されており、少なくとも1つの複数羽根は、出口の両側に枢動可能に結合され、少なくとも1つの複数羽根は、ガス混合物の流れを入口に方向付けるように構成されている。
【0015】
燃料電池モジュールの一態様は、第1の複数羽根と、第1の複数羽根から独立して関節結合するように構成されている第2の複数羽根とを含む少なくとも1つの複数羽根に関する。
【0016】
燃料電池モジュールの別の態様は、ダクトの出口と燃料電池スタックの入口の間に設けられた間隙であって、それらの間の電気接触を防ぐように構成されている間隙に関する。
【0017】
燃料電池モジュールの別の態様は、2つの脚部を含む下部ダクトフードであって、各脚部は出口を画定し、各出口は対応する燃料電池スタックに流体的に結合される、下部ダクトフードに関する。
【0018】
燃料電池モジュールの別の態様は、2つのダクトを有するモジュールに関する。複数の燃料電池スタックは、4つの燃料電池スタックを含み、各ダクトは、燃料電池スタックのうちの2つに流体的に結合されるように構成されている。
【0019】
燃料電池モジュールの別の態様は、入口と実質的に同じ高さである出口に関する。
【0020】
別の例示的な実施形態は、燃料電池用の燃料を混合する方法であって、ダクトの第1の端部で反応ガスの流れを受けることと、拡散組立体の入口で空気を受けることと、拡散組立体からの空気を、第1のダクトにおける反応ガスの流れに対して角度をつけて出力することと、拡散組立体からの空気と反応ガスの流れを混合してガス混合物を形成することと、ダクトの出口から、実質的に均一な温度および実質的に均一な成分ガス種を有するガス混合物を出力することとを含む、方法に関する。
【0021】
方法の一態様は、拡散組立体の入口で受けた空気を拡散することに関する。
【0022】
方法の別の態様は、第1のバッフルを用いて、ガス混合物の少なくとも一部を、ダクトの面から離れるように向け直すことに関する。
【0023】
方法の別の態様は、複数羽根を関節結合することを含むことに関する。
【0024】
方法の別の態様は、複数羽根を用いて、ガス混合物の流量を燃料電池スタックの入口における決められた高さに制御することに関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】例示的な実施形態による燃料電池モジュールの正面断面図である。
【
図4】例示的な実施形態によるダクトの上面正面左側透視図である。
【
図8】例示的な実施形態による第1の複数羽根および第2の複数羽根を有する下部ダクトフードの部分透視図である。
【
図9】例示的な実施形態による複数羽根が第1の方位に在る下部ダクトフードの部分透視図である。
【
図10】例示的な実施形態による複数羽根が第2の方位に在る下部ダクトフードの部分透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
燃料電池システムおよび燃料電池の構成要素内におけるばらつき(例えば製造ばらつき)の源を排除するには実際には限界があるので、燃料電池スタックの動作寿命にわたって、流れの分散、温度、およびガス成分種に調整を行う能力をもたらすことが重要となり得る。すなわち、スタックにおいて特定の燃料電池が他に比べ速い速度で劣化する場合、それら特定の燃料電池の劣化速度の低減を促進する流入量を与えることが有用であり得る。流入ダクトは、局所的な劣化を遅くする変更された条件で、燃料電池スタックにおけるフォーカスされた領域を生成するように構成され得る。
【0027】
燃料電池システムのサイズ、ならびに動作限界、保守要件、および製造設計などの競合する実施上の要件により、燃料電池の劣化を低減させるための利用可能な解決策が制限される。したがって、燃料電池システムにおける空間および利用可能エネルギーの有効利用が必要とされる。別の流入ダクト形状および組立方法が、燃料電池へのそうしたアクセスを向上させ得る。
【0028】
図を全体的に参照すると、複数の燃料電池スタックに、一貫した温度およびガス種混合を与えるために流入ガスを有効に混合することが可能な流入ダクトを有する燃料電池モジュールが本明細書中に開示される。
【0029】
図1~3を参照すると、本出願の原則にしたがう燃料電池モジュール1が示される。モジュール1は、複数の燃料電池スタック10を含み、各燃料電池スタック10は入口11を画定する。
図1に示すように、入口11は、長尺状スロット(すなわち開口、ノッチ、アパーチャなど)であり得る。他の例示的な実施形態によれば、入口11は、他の形状を含み得る。
図1に示すように、入口11は、燃料電池スタック10の外周に(例えば角部に)配置され、かつ、燃料電池スタック10に沿って実質的に垂直方向に方位付けられる。他の例示的な実施形態によれば、入口11は、燃料電池スタック10の他の位置にかつ他の方位に配置され得る。
【0030】
燃料電池スタック10は、1つ以上の燃料電池を含み、各燃料電池は、陽極および陰極を有する。例示的な実施形態によれば、モジュール1は、4つの燃料電池スタック10を含む。他の例示的な実施形態によれば、モジュール1は、より多いまたはより少ない燃料電池スタック10を含み得る。
【0031】
図1に示すように、モジュール1は、モジュール1内の様々な構成要素を支持するように構成されている基部20と、シェル22とを画定する。例えば、基部20は、略平面を形成し、燃料電池スタック10およびダクト100をそこに結合するように構成されている。燃料電池スタック10およびダクト100は、基部20に取り外し可能に結合され得る(例えば、ボルト締めされる、ねじ締めされるなど)。他の例示的な実施形態によれば、燃料電池スタック10およびダクト100は、基部20に永久的に連結され得る(例えば、溶接される、リベット留めされるなど)。
図1に示すように、ダクト100は、基部20にブレース30を用いて連結され得る。ブレース30は、各ダクト100の重量の少なくとも一部を支持する。基部は、モジュール1にさらなる構造剛性を与えるために補強され得る。基部20は、さらに、少なくとも1つのリフティングブラケット(すなわち、フランジ)23aを含み得る。
図2および3に示すように、基部20は、4つのリフティングブラケット23aを含むが、他の例示的な実施形態によれば、より多いまたはより少ないリフティングブラケット23aが用いられ得る。リフティングブラケット23aは、モジュール1が基部20に係合することによって持ち上げられかつ移動され得るように、モジュール1全体の重量を支持するよう構成されている。
【0032】
シェル22は、モジュール1内の構成要素の周りに箱型を形成する。例示的な実施形態によれば、シェルは、燃料電池スタック10およびダクト100にごく近接して、それらの間の空間を最小にするように配置される。この構成により、コンパクトモジュール1内の空間利用が最大化される。シェル22は、基部20に取り外し可能に結合され得る(例えば、ボルト締めされる、ねじ締めされるなど)。シェル22は、少なくとも1つのリフティングブラケット23bを含み得る。シェル23bは、4つのリフティングブラケット23bを含むが、他の例示的な実施形態によれば、より多いまたはより少ないリフティングブラケット23bが用いられ得る。この構成において、リフティングブラケット23bは、シェル22の重量を支持するように構成されており、したがって、シェル22は、基部1から取り外され得またはその上に配置され得、モジュール1の内部へのより良いアクセスをもたらしかつモジュール1の製造を簡素化する。別の例示的な実施形態によれば、リフティングブラケット23bは、モジュール1がシェル22に係合することによって持ち上げられかつ移動され得るように、モジュール1全体の重量を支持するよう構成されている。別の例示的な実施形態によれば、シェル22は、基部20に永久的に連結される(例えば、溶接される、リベット留めされるなど)。
【0033】
シェル22は、モジュール1の保守のためにシェル22内部の領域にアクセスできるように構成されている開口24を画定する。例示的な実施形態によれば、シェル22は、シェル22の両側に2つの開口24を画定する。別の例示的な実施形態によれば、より多いまたはより少ない開口24がシェル22に設けられ得る。開口24は、円形かつ人がその中を通るのに十分な大きさであり得る。他の例示的な実施形態によれば、開口24は、他の形状(例えば、矩形、六角形など)またはサイズであり得る。
図1に示すように、開口24は、カバー25を受けるように構成されている。カバー25は、モジュール1から開口24を通ってガスが放出されることを防ぐために、開口24と密封係合し得る。モジュール1は、さらに、シェル22の内面に配置された絶縁層26を含む。絶縁層26は、モジュール1とシェル1の外部の環境の間での伝熱を低減するように構成されている。例示的な実施形態によれば、絶縁層26は、厚さ5~10インチであり、好ましくは厚さ約7インチである。例示的な実施形態によれば、シェル22または絶縁層26のいずれかの最内面は、燃料電池スタック10およびダクト100のうちの1つの少なくとも一部から、1~5インチ、好ましくは約2~3インチずらし得る。
【0034】
図1~3では、モジュール1においてダクト100が示される。ダクト100は、ガス混合物を燃料電池スタック10に送り込むために、供給ダクト28(例えば、燃料供給部、アノードガス酸化システム)から反応ガス(例えば、燃料、酸化済み燃料電池排気と空気のガス混合物など)を受けるように構成されている。供給ダクト28では、燃料電池スタック10からの排ガスが、新鮮な空気および酸化用燃料と混合され得、高レベルのCO
2、高レベルの水分、および高温の反応ガスを形成する。供給ダクト28は、完全には混合されていない(例えば、温度、組成などにおいて)ガスを提供する。ダクト100は、ガスをさらに混合するように構成され得る。ダクト100は、以下に論じるように、
図4~7に更なる詳細を示す。
【0035】
ダクト100は、下部(すなわち第2の)ダクトフード120に流体的に結合される上部(すなわち第1の)ダクトフード110を含む。この出願において、「流体的に結合される」とは、要素同士が、流体を伝えるように結合されていることを意味する。例示的な実施形態によれば、上部ダクトフード110および下部ダクトフード120は、別々に形成され、連結される(例えば、ボルト締めされる、溶接される、ねじ締めされる、リベット留めされるなど)。別の例示的な実施形態によれば、上部ダクトフード110および下部ダクトフード120は一体形成される。上部ダクトフード110は、第1の端部111aに入口112と、第1の端部111aの下流で、対向する第2の端部111bに移行領域119とを有する本体111を画定する。上部ダクトフード110の入口112は、供給ダクト28に流体的に結合され、かつ、そこから反応ガスを受けるように構成されている。例示的な実施形態によれば、移行領域119の近位において、上部ダクトフード110は、実質的に水平方向に方位付けられ、かつ、下部ダクトフード120は、実質的に垂直方向に方位付けられる。移行領域119は、上部ダクトフード110を略水平方向に流れる反応ガスおよび他のガスを、下部ダクトフード120において略垂直方向に向け直すように構成されている。
【0036】
従来の燃料電池モジュールでは、2つの隣接する燃料電池スタック10の間の空間は、活用されない。
図2および3に示すように、例示的な実施形態によれば、各ダクト100において、本体111は、少なくとも2つの隣接する燃料電池スタック10の間を延在する。
図1に示すように、本体111は、保守者が本体111の下を横切り得る(例えば、立つ、歩く、這うなど)ように、モジュール1の上部に配置され得る。本体111のこの位置は、モジュール1内の燃料電池スタック10へのアクセスをさらに向上させる。
【0037】
本体111は、反応ガスと空気および/または他のガスのより良い混合を促進する長尺長さを有する。本体111は、実質的に、燃料電池スタック10の長さであり得る。例えば、本体111は、長さ約4~6フィートであり得る。長さがより長くなると、成分ガス種の混合のためのより大きな空間およびより長い持続時間がもたらされる。本体111は、略矩形の断面を有する。他の例示的な実施形態によれば、本体111は、他の形状(例えば、円形、六角形など)の断面を有し得る。別の例示的な実施形態によれば、本体111は、略円形であり得、かつ、混合円運動を生成するように構成され得る。この構成では、反応ガスは、本体111の外周で受けられ得、本体111において、中心に位置する出口に向かって内方に渦巻く。さらに別の例示的な実施形態によれば、反応ガスは、中心に位置する入口で受けられ得、本体において、外周の出口に向かって外方に渦巻く。
【0038】
本体111は、少なくとも反応ガスと空気のガス混合物がその中で下流に進むにつれて、所望の断面積を形成するように、略内方に先細となる。本体111は、少なくとも第1の先細部113と、第1の先細部113の下流の第2の先細部115とを画定する。
図4および6に示すように、本体111は、側面からみたとき(例えば、
図1に示すように)、第1の端部111aから第2の端部111bまで(例えば、下流に進むにつれて)、第1の(例えば垂直)方向において内方に徐々に先細となる。例示的な実施形態によれば、上部ダクトフード110を形成する横方向に延在する部分(例えば、上面および/または底面)が、内方に先細となる面を画定する。別の例示的な実施形態によれば、先細は、第1の先細部113および第2の先細部115の両方に及ぶ。第1の先細部113と第2の先細部115が交差する先細移行部116が、第1の端部111aと第2の端部111bの間に画定される。垂直方向の内方への先細により、本体111の断面積は、反応ガスが第1の先細部113において第1の端部111aから先細移行部116に下流に進むにつれて低減するように構成される。
【0039】
図4および6をさらに参照すると、本体111は、上面からみたとき(例えば、
図2に示すように)、第1の端部111aから先細移行部116まで(例えば、下流に進むにつれて)、第2の(例えば水平、横方向など)方向において内方に徐々に先細となる。例示的な実施形態によれば、上部ダクトフード110を形成する垂直延在部(例えば側面)が、内方に先細となる面を画定する。垂直方向の先細に関して先に論じたように、水平方向の内方への先細により、本体111の断面積は、反応ガスが第1の先細部113において第1の端部111aから先細移行部116に下流に進むにつれて低減するように構成される。第1の先細部113における水平方向の内方への先細は、反応ガスおよび他のガス(例えば空気)をまとめてより強く圧縮し力をかけることによって、入口112からの流れ全体に横方向に存在する不均一性を中和する。
【0040】
第2の先細部115では、本体111は、上面から見たとき(例えば、
図2に示すように)、先細移行部116から第2の端部111bに下流に進むにつれて、第2の(例えば、水平、横方向など)方向において外方に徐々に先細となる。例示的な実施形態によれば、上部ダクトフード110を形成する垂直延在部(例えば側面)が、外方に先細となる面を画定する。別の例示的な実施形態によれば、第2の方向は、第1の方向に実質的に垂直である。各方向における先細の度合いは、ダクト100におけるガス混合を促進するように、本体111の所望の断面積に基づいて決められ得る。例示的な実施形態によれば、本体111の断面積は、第2の先細部115において実質的に一定である。
【0041】
図4および5に示すように、ダクトフード110は、本体111に構造剛性を提供するために、本体111から外方に延在する複数のフランジ(例えば、ウィング、リブなど)117、118を含む。複数のフランジは、本体111の上面において先細移行部116の近位で本体111から横方向外方に延在する上部フランジ117を含む(例えば、上面と同一面上)。同様に、複数のフランジは、本体111の底面において先細移行部116の近位で本体111から横方向外方に延在する下部フランジ118を含む(例えば、底面と同一面上)。ダクトフード110における構造剛性は、上部フランジ117および下部フランジ118が、先細移行部116を通って垂直に延在する軸の周りにねじれ剛性を与えるように、断面積がより小さい部分(例えば、第1の先細部113と第2の先細部115が連結される場所)で最も弱くなり得る。上部フランジ117および下部フランジ118は、それぞれを上面および底面と一体形成され得、または、本体111とは別に形成されそれに連結され得る。例えば、上部フランジ117および下部フランジ118は、タブとスロットの構成で本体111に結合され得、本体111または上部フランジ117および下部フランジ118の一方が複数のタブを含み、他方が複数のタブを受けるように構成されている複数のスロットを含む。
【0042】
各ダクト100は、さらに、拡散組立体130を含み得る。
図4~7に示すように、拡散組立体130は、本体111の第1の端部111aに配置される。例示的な実施形態によれば、拡散組立体130は、本体111と、第1の端部111aにおいて重なる。拡散組立体は、幅約2フィートおよび高さ約4フィートを有し得る。別の例示的な実施形態によれば、拡散組立体は、他の形状および寸法を有し得る。別の例示的な実施形態によれば、拡散組立体130がダクト100の重量の少なくとも一部を支持するよう構成されるように、ブレース30が拡散組立体130に結合される。拡散組立体130は、本体111の第1の端部111aに、取り外し可能に結合され得る(例えば、ボルト締めされる、ねじ締めされるなど)。他の例示的な実施形態によれば、拡散組立体130は、本体111に永久的に連結され得る(例えば、溶接される、リベット留めされるなど)。拡散組立体130は、ダクト100を形成する材料よりも厚みのある材料で別に形成され得る。例えば、拡散組立体130は、厚さ約0.075インチの材料で形成され得る。拡散組立体130の材料の厚さは、拡散組立体130の製造または使用時のいずれかにおいて、拡散組立体130に加えられる予想される応力に基づいて決められ得る。例示的な実施形態によれば、拡散組立体130は、本体111よりも高い応力にさらされる。本体111は、拡散組立体130よりも薄い材料で形成され得る。例えば、本体111は、厚さ約0.035インチの材料で形成され得る。本体111を形成する際、より薄い材料を用いることによって、ダクトを製造する重量および材料コストが低減され得る。別の例示的な実施形態によれば、拡散組立体130および本体111は、同一の厚さを有する材料で形成され得る。
【0043】
拡散組立体130は、本体111の入口112と係合するように構成されているフレーム131を含む。例示的な実施形態によれば、フレーム131の形状は、入口112の形状を補完し得、それらの間に密封係合を形成する。
図1に示すように、フレーム131は、本体111の第1の端部111aと供給ダクト28の間に配置され、かつ、本体111および供給ダクト28の各々と密封係合し得、供給ダクト28からモジュール1内への反応ガスの漏れを防ぐまたは制限する。フレーム131は、反応ガスが供給ダクト28から、フレーム131を通って、入口112において本体111内に通過することを可能にするように構成されている開口を画定する。拡散組立体130は、さらに、空気供給部(図示せず)から空気を受けるように構成されている入口132と、入口132に流体的に接続される複数の拡散器134とを含む。拡散器134を通して反応ガス内に空気を導入すると、反応ガスが冷却され同時に上述のガス混合物が形成される。拡散器134は、各々、入口132で受けた空気を拡散する(すなわち泡立てる)ように構成されている。
図4および6に示すように、拡散組立体130は、4つの拡散器134を有するように示されるが、より多いまたはより少ない拡散器134が用いられ得る。
【0044】
図6および7に示すように、拡散組立体130は、さらに、少なくとも1つの二次ダクト136を含み、それは、拡散器134から空気を受け、その空気を二次ダクトの出口137からダクト100の本体111内に出力する。例示的な実施形態によれば、二次ダクトの出口137は、空気が、ダクト100の入口112で受けた反応ガスの流れの方向から角度的にずれた方向で二次ダクト136から出力されるように、本体111の断面に対して角度をつけられる。別の例示的な実施形態によれば、二次ダクト136は、二次ダクトの出口137から出力された空気が、本体111の入口で受けた反応ガスの流れから垂直方向と水平方向の両方で角度的にずれた方向で流れるように、拡散組立体130のフレーム131から垂直方向(例えば下方)と水平方向の両方において角度がつけられる。この構成により、空気は、入口112で受けた反応ガスと混合し、空気と反応ガスの組み合わされたガス混合物は、渦混合運動を生成し、燃料と空気をさらに混合する。
【0045】
少なくとも1つの混合用バッフル114が、二次ダクト136の下流において、本体111に配置される。バッフル114は、反応ガスと空気の交差混合を促進するように構成されている。交差混合は、ガス混合物における少なくとも温度およびガス成分種の分散の均一性を向上させるように構成されている。
図1に示すように、バッフル114は、本体の上面に結合され得、下流端部114aは、本体111内に突出し(すなわち本体111から角度的に離れ)、バッフル114は、ガス混合物の下流運動を促進する。他の例示的な実施形態によれば、バッフル114は、本体111の他の場所に配置され得る。他の例示的な実施形態によれば、本体111は、1つより多いバッフル114を含み得る。例えば、本体111における各バッフル114は、本体111の同一のまたは異なる面に配置され得、本体111内に同一のまたは異なる角度で突出し得る。バッフル114には、少なくとも一部のガスまたは空気がそこを通って通過可能である穴が開けられ得る。
【0046】
下部ダクトフード120は、移行領域119に近位の第1の端部121aと、対向する第2の端部121bとを有する本体121を画定する。下部ダクトフード120の本体121は、上部ダクトフード110の本体111と同一のまたは異なる材料で形成され得る。例えば、各本体111、121は、同一のまたは異なる厚さを有し得る。本体121は、略外方に(例えば水平方向に)先細となり、かつ、本体121の下流で別々の燃料電池スタック10の間でガス混合物を拡散するように構成されている。本体121は、さらに、複数の脚部124を含み得る。
図4~7に示すように、本体121は、2つの脚部124を含むが、より多いまたはより少ない脚部124が含まれ得る。例示的な実施形態によれば、モジュール1におけるダクト100の全てにおける脚部124の数は、燃料電池スタック10の数と合致するように構成され得る。各脚部124は、少なくとも1つの出口122を画定し、各出口122は、少なくとも1つの燃料電池スタック10に流体的に結合するように構成されている。
図4および5に示すように、各脚部124は、1つの出口122を含み、
図2に示すように、1つの対応する燃料電池スタック10に流体的に結合するように構成されている。例示的な実施形態によれば、各脚部124は、1つより多い出口122を含み得、各出口は、1つの燃料電池スタック10に流体的に結合するように構成されるものであり、各脚部124がガス混合物を1つより多い燃料電池スタック10に送り込むよう構成する。
【0047】
図4および5を参照すると、各脚部124は、実質的に垂直な外壁125と、上部126aおよび下部126bを有する内壁126とを画定する。下部126bは、実質的に垂直であり得、かつ、外壁125および/または別の脚部124の内壁126の下部126bからずらし得る。上部126aは、下部126bの端部から本体121の内部場所に向かって斜めに延在し得る。2つの対応する脚部124の上部126bは、上縁で連結され得、2つの脚部124の内壁126によって画定される開口(例えば、通路、アパーチャなど)を形成する。例示的な実施形態によれば、各脚部124の断面積は、下流に進むにつれて低減し、それによって、ガス混合物に加えられる抵抗を増大させる。他の例示的な実施形態によれば、内壁125および外壁126は、他の構成を有し得る。
【0048】
図1および3をここで参照すると、下部ダクトフード120は、シェル22の近位に配置され得る。好ましくは、下部ダクトフード120は、開口24の近位に配置され得る。
図3に示すように、脚部124は離間され、それによって人がその中を通過してモジュール1においてさらに深い場所にアクセスし得るようにする。例えば、モジュール1の内部にアクセスするのに、人は開口24を通りそして脚部124と基部20の間に画定された空間を通り得る。
【0049】
本体121は、さらに、前面127と、前面127に対向する後面128とを画定する。例示的な実施形態によれば、出口122は、各外壁125と前面127の交点に配置され得る。出口122は、それらの間に斜めに形成され得、例えば、面取り縁を形成する。出口122は、長尺状であり得、外壁125の高さの実質的全体に沿って延在する。例示的な実施形態によれば、各出口122は、対応する燃料電池スタック10の入口11と実質的に同じ高さを有し得る。
【0050】
図2に示すように、各出口122は、対応する燃料電池スタック10の近位に(例えば、燃料電池スタック10の角部に)在るが、燃料電池スタック10に触れない。例示的な実施形態によれば、燃料電池スタック10は充電され得、ダクト100は接地され得る。したがって、間隙123が出口122と燃料電池スタック10の間に設けられる。間隙123は、ダクト100と燃料電池スタック10の間の電位差による電気的クリアランスを与えるように構成されながらも、最小化され得る。例えば、間隙123は約1インチである。
【0051】
従来の燃料電池モジュール1では、ガス混合物は、燃料電池スタックの周りを通過し、スタックに直接送り込まれない。出口122と燃料電池スタック10の間の間隙123を最小にしながらガス混合物を燃料電池スタック10に実質的に直接送り込むことによって、熱損失が制限され得る。例えば、ガス混合物の一部(例えば5~10%)が、燃料電池スタック10に実質的に直接送り込まれず、間隙123を通ってモジュール1の残りの部分に漏れ得る。この部分は、モジュール1内で流れ得、最終的に燃料電池スタック10内に送り込まれる。モジュール1において自在に流れる混合ガスの部分を減らすことによって、燃料電池スタック10に送り込まれているガス混合物内のガス成分種は、より良く制御され得る。例えば、より良い制御は、燃料電池スタック10に送り込まれるガス混合物の温度および組成を向上させ得、その不均等な劣化を低減する。
【0052】
図4、6および7に示すように、各脚部124は、下部ダクトフード120を通るガス混合物の流れを分散させるように構成されている複数の出力バッフル140を含む。バッフル140は、ガス混合物が、各出口122の高さ全体において実質的に均一な流量で分散されるように、サイズが決められかつ位置が決められ得る。出力バッフル140は、各脚部124内での配置にともないサイズが変わり得る。例示的な実施形態によれば、出力バッフル126の少なくともいくつかには穴が開けられている。
【0053】
図8~10をここで参照すると、下部ダクトフード120は、さらに、各出口122に配置された羽根142を含む。
図8に示すように、羽根142は、少なくとも第1の複数羽根144aおよび第2の複数羽根144bを画定し得、各々は、関節結合してガス混合物の流れを燃料電池スタック10に沿う指定された垂直位置に方向付けるように構成されている。第1の複数羽根144aおよび第2の複数羽根144bは、同一のまたは異なる方向に関節結合され得る。例示的な実施形態によれば、羽根142は、燃料電池スタック10の異なる部分へ流れるガス混合物の体積を調整するように構成されている。例えば、第1の複数羽根144aは、略下方、
図10に示すような方位に方向付けられ得、燃料電池スタック10の上部へのガス混合物の供給が制限され、それによって燃料電池スタック10の下部へのガス混合物の供給を増大させるようにする。したがって、羽根142は、特定の燃料電池12へのガス混合物の流れを減少させて、それら燃料電池12の劣化を低減させ、燃料電池スタック10全体の均等な劣化を向上させるように関節結合され得る。別の例示的な実施形態によれば、羽根142は、燃料電池スタック10の入口11における温度を制御するように構成され得る。羽根142は、より熱い混合ガス流を、入口11のより熱い領域から離してかつ入口11のより冷たい領域に向けて方向付けるように関節結合され得る。
【0054】
例示的な実施形態によれば、第1の複数羽根144aおよび第2の複数羽根144bの各々は、ガス混合物の流量が出口122の特定の高さにおいて制御され得、燃料電池スタック10内の特定の燃料電池12へのガス混合物の所望の流量を実現し、燃料電池12の不均等な劣化を低減させるように、関節結合され得る。
【0055】
図8~10を参照すると、羽根142の各々は、本体121に枢動可能に結合される。例えば、ピンが、羽根142の片側から延在し、出口122の片側において脚部124と係合することによって、羽根142は、ピンによって画定される軸周りで関節結合するように構成される。各羽根142は、関節結合部材146に結合される。関節結合部材146は、所与の複数羽根144aおよび144bにおける羽根142の各々に結合され得、複数羽根144a、144bにおける羽根142のすべてが同じ角度で枢動するようにする。関節結合部材146は、さらに、燃料電池スタック10との所望の電気的クリアランスを維持するために、下部ダクトフード120の本体121内に配置され得る。
図9に示すように、羽根142の各々は、実質的に水平(すなわち、開)位置において関節結合される。
図10に示すように、羽根142の各々は、実質的に下方(すなわち、閉)位置において関節結合される。羽根142は、図示しない多数の他の方位において関節結合され得る。他の例示的な実施形態によれば、羽根142は、別々に(例えば、個々に)制御され得る。他の例示的な実施形態によれば、羽根142は、他の方法で(例えば、ギア、プーリ、電子または油圧アクチュエータなど)で関節結合され得る。さらなる別の例示的な実施形態によれば、より多いまたはより少ない複数羽根144a、144bが用いられ得、各々は、それ自体の関節結合部材146によって関節結合される。
【0056】
燃料電池スタック10の入口11に送り込まれたガス混合物の温度は、少なくとも部分的に他の方法で制御され得る。これら他の方法は、燃料電池スタック10における燃料電池12の各々に均一の温度および/または成分ガス種を提供することによって、燃料電池スタック10における燃料電池12の均一な劣化をもたらす。例示的な実施形態によれば、少量の水が入口11で注入され得、水の急速な蒸発により、水が注入されたところに、より低い温度の領域を生成する。例えば、水は、ダクト100の出口122に沿う様々な高さにおける注入ポートによって注入され得る。注入ポートの高さは、燃料電池スタック10での対応する高さにおける温度に基づいて決められ得る。
【0057】
別の例示的な実施形態によれば、複数のバッフルが、ダクト100においてより冷たいまたはより温かい面を迂回するようにガス混合物を方向付け、迂回された流れを燃料電池スタック10の入口11に再導入するように構成され得る。
【0058】
別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのチューブコイルがダクト100を通って設けられ得る。ダクト100におけるガス混合物よりも冷たい温度のガスまたは液体がチューブコイルを通して送り込まれ、したがって、チューブコイルが熱交換器として機能する。次いで、熱が、ガス混合物から、チューブコイルを通るガスまたは液体に伝えられ、それによって、ガス混合物を冷却する。別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのチューブコイルは、ダクト100内で移動するように構成され得る。チューブコイルは、それがガス混合物の所望の流れ領域において冷却を与えるようにダクト100において配置し直され得るように、機械的リンク部に結合され得る。冷却ガスまたは液体は、チューブコイルに可撓性ラインを通して送り込まれ得る。他の例示的な実施形態によれば、チューブコイルは、他の形状を含み得、または、別の形式の熱交換器であり得る。
【0059】
別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの摩擦加熱器が、燃料電池スタック10の入口11内へのガス混合物の流路に配置され得る。少なくとも1つの摩擦加熱器は、燃料電池スタック10に送り込まれる前に、ガス混合物のある領域を局所的に加熱するように構成されている。別の例示的な実施形態によれば、ガス混合物は、金属酸化にさらされ得、酸化にさらされたガス混合物を加熱する。ダクト100または燃料電池スタック10の入口11は、入口11の所望の領域を加熱するために金属酸化を選択的に行うように構成され得る。
【0060】
別の例示的な実施形態によれば、ガス混合物の熱流および冷流が密度で分離され得る。例えば、熱流および冷流の各々は、異なる密度を有し得る。ガス混合物は、熱流および冷流が運動量に基づいて分離されるように、弧状に案内され得る。
【0061】
別の例示的な実施形態によれば、反応性燃料ガスが、ガス混合物に局所的に注入され得る。反応性燃料ガスは、ガス混合物と反応し得、それによって、燃料電池スタック10に送り込まれる前にガス混合物の組成を変え、局所加熱流を生成する。別の例示的な実施形態によれば、酸と塩基対が、ガス混合物に局所的に注入され得る。酸と塩基が反応して、熱を生成し、局所加熱流を生成する。別の例示的な実施形態によれば、複数の二次流入口(例えば、拡散器)が、燃料電池スタック10の入口11の近位に配置され得る。二次流入口は、ガス混合物が所望の組成(例えば、成分ガス種における)にまで希釈または濃縮されるように、ガスをガス混合物内に導入するように構成されている。二次流入口は、燃料電池スタック10の入口11に沿うフォーカスされた領域において温度または組成を調整するように構成され得る。
【0062】
本明細書中で用いられる用語「おおよそ」、「約」、「実質的に」、および同様の用語は、本開示の主題が関連する当業者による一般のかつ許容される用法に即して広範な意味を有することが意図される。これらの用語は、これらの特徴の範囲を所与の正確な数値範囲に制限せずに、記載かつ請求された特定の特徴の説明を可能とすることが意図されることが、本開示を閲読した当業者によって理解されるべきである。したがって、これらの用語は、記載されかつ請求された主題のわずかなまたはささいな変更または変形は、添付された特許請求の範囲に列挙された本開示の範囲内にあるとみなされることを示すとして解釈されるべきである。
【0063】
様々な実施形態を説明するのに本明細書中で用いられる用語「例示的な」は、そうした実施形態が実現可能な例、表現、および/または実現可能な実施形態の例示であることを示すことが意図されること(そして、そうした用語は、係る実施形態が必ず特別なまたは最上の例であることを含意すると意図されないこと)に留意すべきである。
【0064】
本明細書中で用いられる用語「結合される」、「接続される」などは、2つの部材を互いと直接的にまたは間接的に連結することを意味する。そうした連結は、静止(例えば永久的な)または可動(例えば取り外し可能または解放可能)であり得る。そうした連結は、単一単位体として互いと一体形成された2つの部材もしくは2つの部材および任意の追加中間部材によって、または、互いに取り付けられた2つの部材もしくは2つの部材および任意の追加中間部材によって達成され得る。
【0065】
本明細書中での要素の位置への言及(例えば、「上部」、「底部」、「上」、「下」など)は、単に、図における様々な要素の方位を説明するのに用いられる。様々な要素の方位は、他の例示的な実施形態にしたがって異なり得ること、およびそうした変更は本開示によって包含されることが意図されることに留意すべきである。
【0066】
本発明をその好ましい実施形態に関して記載してきたが、発明の範囲および趣旨内に在る様々な他の実施形態および変形例を当業者は想到し得、係る他の実施形態および変形例は、対応する特許請求の範囲の対象であると意図されることが理解されるだろう。当業者は、本明細書中に記載された主題の新規の教示および利点から実質的に逸脱せずに、多数の変更例が実現可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、および比率、取付け構成、方位、製造工程などの変形)ことを容易に理解するだろう。例えば、任意の工程または方法ステップの順序または並びは、代替実施形態にしたがって、変形されまたは並べ直され得る。他の代替、変更、変形、および省略もまた、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件、および構成においてなされ得る。