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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A63F5/04 603B
A63F5/04 601C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017176370
(22)【出願日】2017-09-14
(65)【公開番号】P2019050979
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-315925(JP,A)
【文献】特開2016-150016(JP,A)
【文献】特開2016-010551(JP,A)
【文献】特開2017-018494(JP,A)
【文献】特許第6172352(JP,B1)
【文献】特開2018-046981(JP,A)
【文献】「主基板に装着されるロムの使用領域について」,2017年03月09日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
複数の第1発光手段と、複数の第2発光手段とを含む複数の発光手段と、
発光対象となる発光手段を順次切り替えることにより複数の発光手段の制御を行う制御手段と、
特定数の出力端子が設けられている出力ポートと、を備え、
複数の第1発光手段は、遊技の進行に応じて発光状態を更新する発光手段であり、
複数の第2発光手段は、遊技の履歴に基づく遊技情報を表示する発光手段であり、
前記複数の第1発光手段は、発光対象となる発光手段のグループとして、特定数未満の発光手段をそれぞれが含む複数の第1発光グループに各々振り分けられており、
前記複数の第2発光手段は、発光対象となる発光手段のグループとして、複数の第2発光グループに各々振り分けられており、
前記制御手段は、
複数の選択信号端子のうちのいずれかの選択信号端子から選択信号を出力することにより発光対象となる発光手段のグループを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたグループに含まれる発光手段の発光態様を指定する発光態様信号を前記出力ポートにより出力する発光態様信号出力手段とを含み、
前記発光態様信号出力手段は、
前記発光態様信号として前記出力端子毎に該出力端子に対応する発光手段の発光態様を指定する信号を出力し、
前記第1発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する第1発光態様信号と前記第2発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する第2発光態様信号を別個に出力し、
特定数の前記出力端子のうち少なくとも特定出力端子は、いずれの第1発光グループにおいても対応する発光手段が設けられておらず、
前記選択手段は、複数の前記第1発光グループのいずれかと複数の前記第2発光グループのいずれかとに対し共通の選択信号端子から前記選択信号を出力し、
前記複数の選択信号端子のうちの第1選択信号端子から前記選択信号が出力されておりかつ前記第1発光態様信号および前記第2発光態様信号が出力されている場合において、前記選択信号を出力する選択信号端子を第2選択信号端子に切換えるときに、
前記第1選択信号端子からの前記選択信号の出力を停止する選択信号停止処理と、
前記選択信号停止処理の後に、前記第1発光態様信号の出力を停止する第1発光態様信号停止処理と、
前記第1発光態様信号停止処理の後に、前記第2選択信号端子に対応する前記第1発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する前記第1発光態様信号を出力する第1発光態様信号出力処理と、
前記選択信号停止処理の後に、前記第2発光態様信号の出力を停止する第2発光態様信号停止処理と、
前記第2発光態様信号停止処理の後に、前記第2選択信号端子に対応する前記第2発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する前記第2発光態様信号を出力する第2発光態様信号出力処理と、
前記第1発光態様信号出力処理および前記第2発光態様信号出力処理の後に、前記第2選択信号端子から前記選択信号を出力する選択信号出力処理とが実行される、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機などがある。
【0003】
また、この種の遊技機として、7個のセグメントを含む7セグ表示器を5つ備えるとともに、4つのLEDを備え、それぞれが1のセグメント表示器と1つのLEDとからなる4つのグループと、LEDを含まずに1のセグメント表示器からなる1つのグループとに分けられている遊技機があった。この遊技機では、さらに、8個の出力端子を有する出力ポートを備え、該8個の出力端子のうちの7個の出力端子それぞれからは、5つのグループそれぞれの7セグ表示器を構成する7つのセグメントそれぞれに信号線を接続させるとともに、該8個の出力端子のうちの残り1個の出力端子からは4つのグループそれぞれに含まれる1のLEDに信号を接続させていた。そして、該遊技機は、発光部を発光させるグループを順次選択するとともに、複数の出力端子それぞれから発光信号を出力することにより、該選択されたグループに含まれる7セグ表示器の発光およびLEDの発光を制御するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-10552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の遊技機では、1のセグメント表示器を含むがLEDを含まない1つのグループが存在したとしても、8個の出力端子それぞれからは信号線を接続させる必要があった。したがって、信号線の配線パターンを簡素化することができなかった。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、配線パターンを簡素化できる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(A) 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
複数の第1発光手段と、複数の第2発光手段とを含む複数の発光手段と、
発光対象となる発光手段を順次切り替えることにより複数の発光手段の制御を行う制御手段と、
特定数の出力端子が設けられている出力ポートと、を備え、
複数の第1発光手段は、遊技の進行に応じて発光状態を更新する発光手段であり、
複数の第2発光手段は、遊技の履歴に基づく遊技情報を表示する発光手段であり、
前記複数の第1発光手段は、発光対象となる発光手段のグループとして、特定数未満の発光手段をそれぞれが含む複数の第1発光グループに各々振り分けられており、
前記複数の第2発光手段は、発光対象となる発光手段のグループとして、複数の第2発光グループに各々振り分けられており、
前記制御手段は、
複数の選択信号端子のうちのいずれかの選択信号端子から選択信号を出力することにより発光対象となる発光手段のグループを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたグループに含まれる発光手段の発光態様を指定する発光態様信号を前記出力ポートにより出力する発光態様信号出力手段とを含み、
前記発光態様信号出力手段は、
前記発光態様信号として前記出力端子毎に該出力端子に対応する発光手段の発光態様を指定する信号を出力し、
前記第1発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する第1発光態様信号と前記第2発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する第2発光態様信号を別個に出力し、
特定数の前記出力端子のうち少なくとも特定出力端子は、いずれの第1発光グループにおいても対応する発光手段が設けられておらず、
前記選択手段は、複数の前記第1発光グループのいずれかと複数の前記第2発光グループのいずれかとに対し共通の選択信号端子から前記選択信号を出力し、
前記複数の選択信号端子のうちの第1選択信号端子から前記選択信号が出力されておりかつ前記第1発光態様信号および前記第2発光態様信号が出力されている場合において、前記選択信号を出力する選択信号端子を第2選択信号端子に切換えるときに、
前記第1選択信号端子からの前記選択信号の出力を停止する選択信号停止処理と、
前記選択信号停止処理の後に、前記第1発光態様信号の出力を停止する第1発光態様信号停止処理と、
前記第1発光態様信号停止処理の後に、前記第2選択信号端子に対応する前記第1発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する前記第1発光態様信号を出力する第1発光態様信号出力処理と、
前記選択信号停止処理の後に、前記第2発光態様信号の出力を停止する第2発光態様信号停止処理と、
前記第2発光態様信号停止処理の後に、前記第2選択信号端子に対応する前記第2発光グループに含まれる発光手段の発光態様を指定する前記第2発光態様信号を出力する第2発光態様信号出力処理と、
前記第1発光態様信号出力処理および前記第2発光態様信号出力処理の後に、前記第2選択信号端子から前記選択信号を出力する選択信号出力処理とが実行される
また、遊技機は、以下のような構成であってもよい。
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
複数の発光手段(たとえば、図3に示すように、クレジット表示器の2ケタ分の7セグ表示器に含まれる複数のセグメント、ペイアウト表示器の2ケタ分の7セグ表示器に含まれる複数のセグメント、状態LEDに含まれるLED、および設定値表示器に含まれる複数のセグメント)と、
発光対象となる発光手段を順次切り替えることにより複数の発光手段の制御を行う制御手段(たとえば、メインCPU41a)と、
特定数の出力端子が設けられている出力ポート(たとえば、第1出力ポート61)とを備え、
前記複数の発光手段は、発光対象となる発光手段のグループとして、特定数(たとえば、8)未満の発光手段をそれぞれが含む複数のグループに各々振り分けられており(たとえば、図3に示すように、複数の発光部は、第1DG群のDG1~DG6それぞれに分けられており、該DG1~DG6はそれぞれ8個未満である7個の発光部を含み)、
前記制御手段は、
選択信号(たとえば、DG信号)を出力することにより発光対象となる発光手段のグループを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたグループに含まれる発光手段の発光態様を指定する発光態様信号(たとえば、発光信号)を前記出力ポートにより出力する発光態様信号出力手段とを含み、
前記発光態様信号出力手段は、前記発光態様信号として前記出力端子毎に該出力端子に対応する発光手段の発光態様を指定する信号を出力し(たとえば、発光信号S0~S6はそれぞれ対応する発光部の発光態様を指定する信号であり)、
特定数の前記出力端子のうち少なくとも特定出力端子は、いずれのグループにおいても対応する発光手段が設けられていない(たとえば、図3に示すように、第1出力ポート61の未使用出力端子D7は、いずれのDGにおいても対応する発光部が設けられていない)。
【0008】
このような構成によれば、一の出力ポートに含まれる特定出力端子からの配線パターンを不要とすることができることから、配線パターンの簡素化を図ることができる。
【0009】
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記出力ポートは、第1基板に搭載され(たとえば、第1出力ポート61はメイン制御基板41に搭載され)、
前記複数のグループそれぞれに含まれる発光手段は、第2基板に搭載されている(たとえば、第1DG群に含まれるDG1~DG5それぞれに含まれる発光部は表示基板に搭載され、第1DG群に含まれるDG6に含まれる発光部は、中継基板に搭載される)
このような構成によれば、第1基板に搭載されている出力ポートは、特定出力端子を含み、該特定出力端子は、第2基板に搭載されている複数のグループのいずれのグループにおいても対応する発光手段が設けられていない。したがって、第1基板に搭載されている特定出力端子から、該複数のグループそれぞれに含まれる発光手段への配線パターンを不要とすることができる。したがって、第1基板と第2基板との間の配線パターンの簡素化を図ることができる。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記複数のグループそれぞれに含まれる発光手段は、
数を表示するためのグループそれぞれに含まれる発光手段(たとえば、第1DG群のDG1~DG4、DG6、第2DG群のDG1~DG4は、全て、数を表示可能な7セグ表示器であり)と、
それぞれの発光手段がそれぞれ異なる遊技情報を表示するためのグループに含まれる発光手段(たとえば、第1DG群のDG5を構成するそれぞれのLEDは、遊技情報を表示するLEDである)とを含む。
【0011】
このような構成によれば、グループに含まれる発光手段の役割をグループ毎に明確にできることから、制御部は役割に応じて、発光手段の制御を行うことができる。
【0012】
(4) 上記(1)~(3)いずれかの遊技機において、
前記制御手段は、
前記特定数の出力端子のうち前記特定出力端子以外の出力端子から出力する発光態様信号を生成し、
前記特定出力端子から出力する発光態様信号も生成する(たとえば、第1出力ポート61について、出力端子D0~D6については発光部の発光を制御するためのビット制御
を実行し、出力端子D7については発光部を発光させないためのビット制御を実行する)。
【0013】
このような構成によれば、特定出力端子も含めて特定数の出力端子から出力する発光態様信号を生成することから、特定出力端子以外の出力端子から出力する発光態様信号を生成する一方該特定出力端子から出力する発光態様信号を生成しない遊技機と比較して、制御手段の作成処理を簡略化できる。
【0014】
(5) 上記(1)~(4)いずれかの遊技機において、
前記特定出力端子は、前記特定数の出力端子の端側に位置する出力端子である(たとえば、図3に示すように、未使用出力端子である出力端子D7は、8個の出力端子の端側に位置する)。
【0015】
このような構成によれば、配線パターンを不要とする特定出力端子が端側に位置することから、配線パターンを簡略化できる。また、特定出力端子が、特定数の出力端子の端側ではない位置に設けられている遊技機と比較して、プログラム上での扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
図2】7セグ表示器を示す図である。
図3】出力ポートおよびDGなどを示す図である。
図4】信号切替処理のフローチャートを示す図である。
図5】選択信号の切替を示す図である。
図6】特定状態に移行されたときのタイミングチャートを示す図である。
図7】特定状態に移行されたときのタイミングチャート(変形例)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るスロットマシン1を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシン1に適用された場合の一例を説明するが、必要に応じて、パチンコ遊技機も例示して説明する。
【0018】
[スロットマシン1の構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
【0019】
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bに液晶表示器51が設けられている。前面扉1bにおける液晶表示器51の下方に位置する化粧パネル1cには、透視窓3が形成されている。遊技者は、この透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rが視認可能である。各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
【0020】
図1(a)に示すように、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出に用いるための演出用スイッチ
56などが設けられている。
【0021】
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0022】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、入賞ラインLNが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
【0023】
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。メダル払出口9からメダルが払い出されるときには、メイン制御部41によって制御された図示しないホッパーモータの駆動によって、メダル払出口9からメダルが払い出される。
【0024】
ここで、スロットマシン1における“ゲーム(単位遊技ともいう。)”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてから全てのリールが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、全てのリールの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
【0025】
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジット表示器11、ペイアウト表示器12、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、投入要求LED17、スタート有効LED18、有利区間LED19、およびリプレイ中LED20が設けられている。
【0026】
クレジット表示器11は、クレジットとして記憶されているメダル数を表示する。ペイアウト表示器12は、所定役が入賞したときに払出されるメダルの払出枚数を表示する。また、ペイアウト表示器12は、エラー発生時にはエラーコードなどを表示する。
【0027】
1BETLED14は、1枚のメダルが賭けられたときに発光を開始するLEDである。2BETLED15は、2枚のメダルが賭けられたときに発光を開始するLEDである。3BETLED16は、3枚のメダルが賭けられたときに発光を開始するLEDである。また、1BETLED14、2BETLED15、および3BETLED16は、メダルが賭けられたゲームが終了したときに消灯する。また、「発光」を「点灯」という場合もある。
【0028】
投入要求LED17は、メダル投入が可能であることを報知するLEDである。投入要求LED17は、ゲームが終了したときに発光を開始する。また、投入要求LED17は、ゲームが開始したときに発光を終了する。
【0029】
スタート有効LED18は、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するLEDである。スタート有効LED18は、賭数が設定されたときに発光を開始する。また、スタート有効LED18は、ゲームが開始したときに発光
を終了する。
【0030】
有利区間LED19は、有利区間であるときに発光するLEDである。有利区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技者に指示する指示機能に係る性能を持つ区間である。所定条件下において実行される有利区間移行抽選により、当選することにより、有利区間に移行される。該有利区間移行抽選において有利区間に移行されることが決定されたゲーム(有利区間移行抽選で当選したゲーム)の終了時に有利区間LED19の発光は開始する。また、該有利区間の最後のゲームの終了時に有利区間LED19は消灯する。
【0031】
リプレイ中LED20は、リプレイ入賞によるリプレイゲーム中であるときに発光するLEDである。リプレイは、入賞することにより再遊技を付与する入賞役である。リプレイ中LED20は、リプレイが入賞したときに発光を開始する。また、リプレイ中LED20は、リプレイゲームが終了したときに消灯する。
【0032】
また、クレジット表示器11、およびペイアウト表示器12は2ケタ分の数値を表示可能であることから、2つの7セグ表示器により構成される。該2つの7セグ表示器とは、1ケタ目の7セグ表示器と、2ケタ目の7セグ表示器である。
【0033】
また、本実施形態のスロットマシン1は、遊技情報表示器も備える(図3参照)。遊技情報表示器は、遊技の履歴に基づく遊技情報を表示する。遊技情報とは、たとえば、所定期間においてのメダル払出比率である。メダル払出比率は、払出されたメダルの総数を、消費されたメダルの総数で除算した値である。
【0034】
遊技情報表示器は、4ケタ分の数値を表示可能であることから、4つの7セグ表示器により構成される。該4つの7セグ表示器とは、たとえば、1ケタ目の7セグ表示器と、2ケタ目の7セグ表示器と、3ケタ目の7セグ表示器と、4ケタ目の7セグ表示器である。
【0035】
遊技情報表示器は、たとえば、3ケタ目の7セグ表示器と、4ケタ目の7セグ表示器とを用いて、遊技情報の種別を表示し、1ケタ目の7セグ表示器と、2ケタ目の7セグ表示器とを用いて、遊技情報の値を表示する。
【0036】
また、本実施形態のスロットマシン1は、設定値表示器も備える(図3参照)。本実施形態では、設定値表示器は、スロットマシン1の内部に備えられる。しかし、変形例として、設定値表示器は、スロットマシン1の外部に備えるようにしてもよい。
【0037】
設定値表示器は、設定値を表示する。設定値とは、内部抽選における当選確率を特定する値である。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も遊技者にとっての有利度合いが高く(メダル払出率が高く)、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度合いは低くなる(メダル払出率が低くなる)。
【0038】
また、設定変更状態に制御されているときに、設定値表示器に設定値が表示される。該設定変更状態に制御されているときに、遊技店の店員などの特定操作により、設定値を変更可能である。設定変更状態は、設定キースイッチ(特に図示せず)をオン状態としてからスロットマシン1の電力を供給することにより制御される。また、設定変更状態に制御されているときにおいて、スタートスイッチを操作し、かつ、設定キースイッチをオフ状態としたときに、該設定変更状態は終了する。
【0039】
また、設定確認状態に制御されているときにも、設定値表示器に設定値が表示される。該設定確認状態に制御されているときには、設定値表示器に設定値が表示されることから
、遊技店の店員などは、設定されている設定値を確認することができる。設定確認状態は、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチをオン状態とすることにより制御される。また、設定確認状態に制御されているときにおいて、設定キースイッチ37をオフ状態とすることで、設定確認状態が終了する。
【0040】
設定値表示器は、1ケタ分の数値(1~6)を表示可能であることから、1つの7セグ表示器により構成される。
【0041】
また、本実施形態では、遊技情報表示器は、スロットマシン1の内部に設置されている。スロットマシン1の前面扉1aが開放されている状態であるか前面扉1aが閉塞している状態であるかに関わらず、4ケタの7セグ表示器が発光することにより遊技情報表示器は遊技情報を表示する。
【0042】
また、本実施形態では、クレジット表示器11、ペイアウト表示器12、および遊技用表示部13は、前面扉1aが閉塞状態であるときには、遊技状態に応じたセグメントおよびLEDが発光する。また、前面扉1aが開放されたときには、前面扉1aが閉塞状態であるときのセグメントおよびLEDの発光状態が維持される。
【0043】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御する(遊技を制御するともいえる)とともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御基板40、およびコマンドに応じて演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。メイン制御基板40は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、メイン制御基板40に搭載あるいは接続された構成を制御するメイン制御部41を備える。演出制御基板90は、メイン制御基板40から送信されるコマンドを受けて演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を制御するサブ制御部91を備える。
【0044】
メイン制御部41は、ワークメモリとして使用されるRAM41c、プログラムに従って制御動作を行うメインCPU41aなどを含み、遊技の進行に関する処理を行うととともに、メイン制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0045】
MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、および精算スイッチ10が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がメイン制御部41に入力される。メイン制御部41は、これら各種スイッチからの検出信号に基づき、これら各種スイッチへの操作を検出する。
【0046】
メイン制御部41からは、遊技用表示部13に含まれる各種表示器を発光制御あるいは表示制御するための制御信号が遊技用表示部13に出力される。遊技用表示部13に含まれる各種表示器は、メイン制御部41からの制御信号に基づき、発光あるいは所定情報を表示する。
【0047】
サブ制御部91は、ワークメモリとして使用されるRAM91c、プログラムに従って制御動作を行うサブCPU91aなどを含み、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。なお、サブ制御部91が備えるRAM91cは、メイン制御部41が備えるRAM41cよりも記憶容量が大きく、その分、演出や所定情報の報知といった処理に必要なデータを記憶させておくことができる。
【0048】
演出用スイッチ56が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号が
サブ制御部91に入力される。サブ制御部91は、演出用スイッチ56からの検出信号に基づき、演出用スイッチ56への操作を検出する。
【0049】
サブ制御部91からは、液晶表示器51、スピーカ53,54のそれぞれを制御するための制御信号が液晶表示器51、スピーカ53,54のそれぞれに出力される。
【0050】
[7セグ表示器]
次に、クレジット表示器11、ペイアウト表示器12、および遊技情報表示器それぞれを構成する7セグ表示器を図2に示す。図2に示すように、7セグ表示器は、7つのセグメントであるセグメントA~セグメントGと、セグメントDP(デシマルポイント)とを含む。たとえば、1の7セグ表示器で「1」を表示する場合には、セグメントBとセグメントCとを発光させる。これにより、7セグ表示器で「1」を表示することができる。また、以下では、7セグメントを構成する1のセグメントと、1BETLED14などの1のLEDとをまとめて「発光部」ともいう。
【0051】
[メインCPU41aによる制御]
図3を用いて、メインCPU41aによる制御について説明する。まず、デジットについて説明する。「デジット」とは、1以上の発光部から構成されるものである。以下では、デジットを「DG」とも示す。また、2以上のDGをDG群ともいう。本実施形態では、第1DG群は、DG1~DG6を含む。第2DG群は、第1DG群に含まれるDG1~DG4それぞれとは異なるDG1~DG4を含む。DGのことを「グループ」という場合もある。
【0052】
図3の例では、第1DG群のDG1は、クレジット表示器11の1ケタ目の7セグ表示器が含む7つのセグメント(セグメントA~セグメントG)と、アノードとを含むDGである。第1DG群のDG2は、クレジット表示器11の2ケタ目の7セグ表示器が含む7つのセグメント(セグメントA~セグメントG)と、アノードとを含むDGである。第1DG群のDG3は、ペイアウト表示器12の1ケタ目の7セグ表示器が含む7つのセグメント(セグメントA~セグメントG)と、アノードとを含むDGである。第1DG群のDG4は、ペイアウト表示器12の2ケタ目の7セグ表示器が含む7つのセグメント(セグメントA~セグメントG)と、アノードとを含むDGである。
【0053】
第1DG群のDG5は、7個のLEDと、アノードとを含むDGである。7個のLEDは、それぞれ、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、投入要求LED17、スタート有効LED18、有利区間LED19、およびリプレイ中LED20である。第1DG群のDG6は、設定値表示器の7セグ表示器が含む7つのセグメント(セグメントA~セグメントG)と、アノードとを含むDGである。
【0054】
なお、図3では、第1DG群のクレジット表示器の2ケタ目の7セグ表示器(DG2)と、第2DG群のクレジット表示器の2ケタ目の7セグ表示器(DG4)とについては、図面簡略化のために、セグメントA~セグメントGをまとめて1つのブロックに記載している。
【0055】
第2DG群のDG1は、遊技情報表示器の1ケタ目の7セグ表示器が含む8つのセグメント(セグメントA~セグメントGと、セグメントDP)と、アノードとを含むDGである。同様に、第2DG群のDG2~DG4は、遊技情報表示器の2ケタ目~4ケタ目の7セグ表示器が含む8つのセグメント(セグメントA~セグメントGと、セグメントDP)と、アノードとを含むDGである。
【0056】
次に、メイン制御基板40について説明する。メイン制御基板40には、メインCPU
41aと、複数の出力ポートとが搭載されている。図3の例では、複数の出力ポートとして、第1出力ポート61と、第2出力ポート62と、第3出力ポート63とが記載されているが、実際は、他の出力ポートも存在する。
【0057】
第1出力ポート61と、第2出力ポート62と、第3出力ポート63とは、それぞれ、8個の出力端子D0~D7を有する。第1出力ポート61の8個の出力端子D0~D7のうち、7個の出力端子D0~D6それぞれからは発光信号S0~S6が出力される。第2出力ポート62の8個の出力端子D0~D7のうち、8個の出力端子D0~D7それぞれからは発光信号S10~S17が出力される。このように、発光信号S0~S6と、発光信号S10~S17とは別個に(別の出力ポートから)出力される。第3出力ポート63の8個の出力端子D0~D7のうち、6個の出力端子D0~D5それぞれからは選択信号DG1~DG6が出力される。
【0058】
選択信号DGとは、発光対象となる発光部のDGを選択(指定)するための信号である。発光信号S0~S6は、第1DG群の6個のDGのうち、選択信号DGにより選択されたDGに含まれる発光部の発光態様を指定する信号である。発光信号S10~S17は、第2DG群の4個のDGのうち、選択信号DGにより選択されたDGに含まれる発光部の発光態様を指定する信号である。
【0059】
まず、第1出力ポート61を説明する。
第1出力ポート61の出力端子D0からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントA、DG6のセグメントA、および第1DG群のDG5の1BETLEDそれぞれに接続されている。発光信号S0は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D0から出力される。したがって、発光信号S0は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントA、DG6のセグメントA、および第1DG群のDG5の1BETLEDそれぞれに入力される。
【0060】
第1出力ポート61の出力端子D1からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントB、DG6のセグメントB、および第1DG群のDG5の2BETLEDそれぞれに接続されている。発光信号S1は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D1から出力される。したがって、発光信号S1は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントB、DG6のセグメントB、および第1DG群のDG5の2BETLEDそれぞれに入力される。
【0061】
第1出力ポート61の出力端子D2からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントC、DG6のセグメントC、および第1DG群のDG5の3BETLEDそれぞれに接続されている。発光信号S2は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D2から出力される。したがって、発光信号S2は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントC、DG6のセグメントC、および第1DG群のDG5の3BETLEDそれぞれに入力される。
【0062】
第1出力ポート61の出力端子D3からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントD、DG6のセグメントD、および第1DG群のDG5のリプレイ中LEDそれぞれに接続されている。発光信号S3は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D3から出力される。したがって、発光信号S3は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントD、DG6のセグメントD、および第1DG群のDG5のリプレイ中LEDそれぞれに入力される。
【0063】
第1出力ポート61の出力端子D4からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントE、DG6のセグメントE、および第1DG群のDG5の有利区間LE
Dそれぞれに接続されている。発光信号S4は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D4から出力される。したがって、発光信号S4は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントE、DG6のセグメントE、および第1DG群のDG5の有利区間LEDそれぞれに入力される。
【0064】
第1出力ポート61の出力端子D5からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントF、DG6のセグメントF、および第1DG群のDG5のスタート有効LEDそれぞれに接続されている。発光信号S5は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D5から出力される。したがって、発光信号S5は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントF、DG6のセグメントF、および第1DG群のDG5のスタート有効LEDそれぞれに入力される。
【0065】
第1出力ポート61の出力端子D6からの信号線は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントG、DG6のセグメントG、および第1DG群のDG5の投入要求LEDそれぞれに接続されている。発光信号S6は、メインCPU41aの制御により、第1出力ポート61の出力端子D6から出力される。したがって、発光信号S6は、第1DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントG、DG6のセグメントG、および第1DG群のDG5の投入要求LEDそれぞれに入力される。
【0066】
また、第1出力ポート61の出力端子D7は未使用とされている。
次に、第2出力ポート62について説明する。
【0067】
第2出力ポート62の出力端子D0からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントAに接続されている。発光信号S10は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D0から出力される。したがって、発光信号S10は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントAに入力される。
【0068】
第2出力ポート62の出力端子D1からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントBに接続されている。発光信号S11は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D1から出力される。したがって、発光信号S11は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントBに入力される。
【0069】
第2出力ポート62の出力端子D2からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントCに接続されている。発光信号S12は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D2から出力される。したがって、発光信号S12は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントCに入力される。
【0070】
第2出力ポート62の出力端子D3からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントDに接続されている。発光信号S13は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D3から出力される。したがって、発光信号S13は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントDに入力される。
【0071】
第2出力ポート62の出力端子D4からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントEに接続されている。発光信号S14は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D4から出力される。したがって、発光信号S14は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントEに入力される。
【0072】
第2出力ポート62の出力端子D5からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントFに接続されている。発光信号S15は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D5から出力される。したがって、発光信号S15
は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントFに入力される。
【0073】
第2出力ポート62の出力端子D6からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントGに接続されている。発光信号S16は、メインCPU41aの制御により、第2出力ポート62の出力端子D6から出力される。したがって、発光信号S16は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントGに入力される。
【0074】
第2出力ポート62の出力端子D7からの信号線は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントDPに接続されている。発光信号S17は、メインCPU41aの制御により第2出力ポート62の出力端子D7から出力される。したがって、発光信号S17は、第2DG群のDG1~DG4それぞれのセグメントDPに入力される。
【0075】
次に、第3出力ポート63について説明する。
第3出力ポート63の出力端子D0からの信号線は、第1DG群のDG1のアノードおよび第2DG群のDG1のアノードに接続されている。選択信号DG1は、メインCPU41aの制御により、第3出力ポート63の出力端子D0から出力される。したがって、選択信号DG1は、第1DG群のDG1のアノードおよび第2DG群のDG1のアノードに入力される。
【0076】
第3出力ポート63の出力端子D1からの信号線は、第1DG群のDG2のアノードおよび第2DG群のDG2のアノードに接続されている。選択信号DG2は、メインCPU41aの制御により、第3出力ポート63の出力端子D1から出力される。したがって、選択信号DG2は、第1DG群のDG2のアノードおよび第2DG群のDG2のアノードに入力される。
【0077】
第3出力ポート63の出力端子D2からの信号線は、第1DG群のDG3のアノードおよび第2DG群のDG3のアノードに接続されている。選択信号DG3は、メインCPU41aの制御により、第3出力ポート63の出力端子D2から出力される。したがって、選択信号DG3は、第1DG群のDG3のアノードおよび第2DG群のDG3のアノードに入力される。
【0078】
第3出力ポート63の出力端子D3からの信号線は、第1DG群のDG4のアノードおよび第2DG群のDG4のアノードに接続されている。選択信号DG4は、メインCPU41aの制御により、第3出力ポート63の出力端子D3から出力される。したがって、選択信号DG4は、第1DG群のDG4のアノードおよび第2DG群のDG4のアノードに入力される。
【0079】
第3出力ポート63の出力端子D4からの信号線は、第1DG群のDG5のアノードに接続されている。選択信号DG5は、メインCPU41aの制御により、第3出力ポート63の出力端子D4から出力される。したがって、選択信号DG5は、第1DG群のDG5のアノードに入力される。
【0080】
第3出力ポート63の出力端子D5からの信号線は、第1DG群のDG6のアノードに接続されている。選択信号DG6は、メインCPU41aの制御により、第3出力ポート63の出力端子D5から出力される。したがって、選択信号DG6は、第1DG群のDG6のアノードに入力される。
【0081】
第3出力ポート63の出力端子D6および出力端子D7はいずれも未使用とされている。また、本実施形態では、図3に示すように、選択信号DG1~選択信号DG4は、第1DG群と第2DG群とで共通化されている。換言すれば、選択信号DG1~選択信号DG
4は、第1DG群と第2DG群とで兼用されている。また、選択信号DG5および選択信号DG6は、第1DG群で用いられている一方、第2DG群では用いられていない。
【0082】
また、第1出力ポート61が有する出力端子D0~D6それぞれは、該出力端子D0~D6それぞれから出力される発光信号が入力される発光部それぞれと対応している。また、第2出力ポート62が有する出力端子D0~D7それぞれは、該出力端子D0~D7それぞれから出力される発光信号が入力される発光部それぞれと対応している。
【0083】
たとえば、第1出力ポート61の出力端子D0は、第1DG群のDG1のセグメントA、第1DG群のDG2のセグメントA、第1DG群のDG3のセグメントA、第1DG群のDG4のセグメントA、第1DG群のDG5の1BETLED、第1DG群のDG6のセグメントAそれぞれと対応している。また、第2出力ポート62の出力端子D0は、第2DG群のDG1のセグメントA、第2DG群のDG2のセグメントA、第2DG群のDG3のセグメントA、第2DG群のDG4のセグメントAそれぞれと対応している。なお、図3では、第1出力ポート61の出力端子D0~D6それぞれからの信号線、および第2出力ポート62の出力端子D0~D7それぞれからの信号線については、図面簡略化のために省略している。
【0084】
また、未使用とされている未使用出力端子(NC:Non-Connect)、つまり、第1出力ポート61のD7、および第3出力ポート63のD6およびD7については、本実施形態ではグランド接続されている。この未使用出力端子と、発光部とは信号線は配線されていない。
【0085】
各DGのアノードは、該DGに含まれる発光部それぞれのカソードに共通するアノードコモンである。たとえば、第1DG群のDG1のアノードは、クレジット表示器11の1ケタ目の各セグメントA~Gそれぞれのカノードに共通するアノードコモンである。
【0086】
メインCPU41aは、第1出力ポート61、第2出力ポート62、および第3出力ポート63の制御についてはビット制御(8ビット制御)を実行する。第3出力ポート63からの出力される選択信号DGについて、たとえば、選択信号DG1を出力する場合には、「00000001」というビット制御を実行し、選択信号DG3を出力する場合には、「00000100」というビット制御を実行する。また、8ケタのビットの表記のうち、1ケタ目の数値が各出力ポートの出力端子D0への制御に対応し、8ケタ目の数値が各出力ポートの出力端子D7への制御に対応する。
【0087】
また、第1DG群のDG1~DG4、およびDG6のセグメントAを発光させる場合には、第1出力ポート61の出力端子D0から発光信号S0を出力させることから、「00000001」というビット制御を実行する。また、第2DG群のDG1~DG4のセグメントAを発光させる場合には、第2出力ポート62の出力端子D0から発光信号S0を出力させることから、「00000001」というビット制御を実行する。
【0088】
第3出力ポート63から選択信号DGが出力されると、該選択信号DGは、対応するDGのアノードに入力される。さらに、第1出力ポート61から発光信号Sが出力されると、該発光信号Sは、第1DG群のDGのうちの対応する発光部のカソードに入力される。該発光信号Sが、該発光部のカソードに入力されると、アノードに入力された選択信号DGが電流として該カソードに流れることになる。このようにアノードからカソードに電流が流れることにより、発光信号Sが入力された発光部が発光する。
【0089】
また、第2出力ポート62から発光信号Sが出力されると、該発光信号Sは、第2DG群のDGのうちの対応する発光部のカソードに入力される。該発光信号Sが、該発光部の
カソードに入力されると、アノードに入力された選択信号DGが電流として該カソードに流れることになる。このようにアノードからカソードに電流が流れることにより、発光信号Sが入力された発光部が発光する。
【0090】
このように、第3出力ポート63から出力される選択信号DG1~選択信号DG6は、発光部を発光させるDGを選択(指定)するための信号であるといえる。また、第1出力ポート61から出力される発光信号S0~発光信号S6、および第2出力ポート62から出力される発光信号S10~発光信号S17は、選択信号DGにより選択されたDGに含まれる発光部の発光態様を指定するための信号であるといえる。
【0091】
また、図3において、それぞれの出力端子と、対応する発光部との信号線については、直接的に接続させるようにしてもよく、間接的に(たとえば、中継基板などの基板を経由して)接続させるようにしてもよい。
【0092】
また、スロットマシン1の状態として、通常状態と、設定変更状態と、設定確認状態とがある。通常状態とは、遊技中の状態、および遊技待機中の状態(たとえば、デモ画面が表示されている状態)をいう。以下では、DGの状態として、発光部が発光され可能な状態(発光され得る状態)を「発光可能状態」といい、発光部が発光され得ない状態を「非発光状態」という。
【0093】
通常状態では、第1DG群のDG1~DG5、および第2DG群のDG1~DG4が発光可能状態となり、それ以外のDGが非発光状態となる。設定変更状態および設定確認状態では、第1DG群のDG6、および第2DG群のDG1~DG4が発光可能状態となり、それ以外のDGが非発光状態となる。なお、変形例として、設定変更状態および設定確認状態では、第2DG群のDG1~DG4は非発光状態となるようにしてもよい。また、設定変更状態および設定確認状態では、第1DG群のDG1~DG5は発光可能状態となるようにしてもよい。
【0094】
また、第1DG群に含まれるDG1~DG5は全て表示基板に搭載される。該表示基板は、DG1~DG5に含まれる各発光部が外部(図1に示す遊技用表示部13の箇所参照)に露出されるように、スロットマシン1の内部に取り付けられる。また、第1DG群に含まれるDG6は、中継基板に搭載される。第2DG群に含まれるDG1~DG4は、メイン制御基板40に搭載される。図3の記載では、第2DG群のDG1~DG4と、メイン制御基板40とは分離して記載されているが、実際は、DG1~DG4は、メイン制御基板40に搭載される。
【0095】
また、スロットマシン1の記憶領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、遊技RAM領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、非遊技RAM領域などを含む。また、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域といい、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域という。
【0096】
遊技プログラムとは、たとえば、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理、乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理、リールの回転に係るリール回転処理、およびメダルを払出す払出処理などを実行するためのプログラムである。また、非遊技プログラムとは、たとえば、試験信号出力処理、異物検知処理、ドア監視処理、エラー処理などを含む。試験信号出力処理は、遊技の結果に関連して発生する試験信号を出力するための処理である。異物検知処理は、メダ
ル投入口4から投入されたメダルを検出する投入口センサによるメダル通路内の異物を検知するための処理である。ドア監視処理は、前面扉1aの開放を検知するための処理である。エラー処理は、エラーが検知された場合に遊技を不能化する処理である。
【0097】
第1DG群のDGに含まれる発光部は、遊技の進行に係わる発光部である。したがって、第1DG群に対応する出力ポートである第1出力ポート61への処理(第1DG群の発光信号を作成する処理)は、遊技プログラムにより実行される処理である。以下では、遊技プログラムにより実行される処理を、「容量内処理」という。
【0098】
一方、第2DG群のDGに含まれる発光部は、遊技の進行に係わらない発光部である。したがって、第2DG群に対応する出力ポートである第2出力ポート62への処理(第2DG群の発光信号を作成する処理)は、非遊技プログラムにより実行される処理である。以下では、非遊技プログラムにより実行される処理を、「容量外処理」という。
【0099】
このように、出力ポートに応じて容量内処理と、容量外処理とを分けることができることから、1の出力ポートについて容量内処理と、容量外処理とが混在している遊技機と比較して、処理負担を軽減できる。
【0100】
[信号切替処理について]
図4は、メインCPU41aにより実行される信号切替処理のフローチャートである。この信号切替処理は、所定期間(本実施形態では、0.56ms)毎に実行される割り込み処理で実行される。
【0101】
まず、ST1では、メインCPU41aは、第3出力ポート63からの選択信号DGをクリアする。ここで、「信号をクリアする」とは、本実施形態では、該信号を出力している出力ポートについて、全てが「0」である「00000000」というビット制御を実行することである。たとえば、選択信号DGをクリアにするとは、第3出力ポート63について、「00000000」というビット制御を実行することである。
【0102】
次に、ST2において、第1出力ポート61の発光信号(つまり、第1DG群のDGの発光信号)をクリアする。次に、ST3において、第1出力ポート61の発光信号(つまり、第1DG群のDGの発光信号)を更新するとともに設定するようなビット制御を第1出力ポート61について実行する。このST2およびST3については、容量内処理で実行される。
【0103】
次に、ST4において、第2出力ポート62の発光信号(つまり、第2DG群のDGの発光信号)をクリアする。次に、ST5において、第2出力ポート62の発光信号(つまり、第2DG群のDGの発光信号)を更新するとともに設定するようなビット制御を第2出力ポート62について実行する。このST4およびST5については、容量外処理で実行される。
【0104】
次に、ST6において、第3出力ポート63からの選択信号DGを更新するととともに設定するように第3出力ポート63についてビット制御を実行する。このビット制御により、第3出力ポート63からは更新設定された選択信号が出力される。
【0105】
また、次の(0.56ms経過後の)信号切替処理が実行されるまで第1出力ポート61からの更新設定された発光信号の出力、第2出力ポート62からの更新設定された発光信号の出力、および第3出力ポート63からの更新設定された選択信号の出力はそれぞれ継続する。
【0106】
次に、具体例を用いて図4の処理を説明する。この具体例では、通常状態において、クレジット表示器に「14」を表示し、ペイアウト表示器に「08」を表示し、遊技情報表示器に「0723」を表示する場合を説明する。ここでは、この場合のうち、クレジット表示器の「14」の表示と、遊技情報表示器の1ケタ目と2ケタ目の「23」の表示について説明する。なお、実際は、クレジット表示器、ペイアウト表示器、遊技情報表示器の他に、遊技状態の状態に応じて状態LED(第1DG群のDG5)も発光する。また、遊技情報表示器については、セグメントDPを発光させる一方、クレジット表示器、ペイアウト表示器、および設定値表示器では、セグメントDPを発光させない。
【0107】
まず、クレジット表示器の1ケタ目(第1DG群のDG1)に「4」を表示するとともに、遊技情報表示器の1ケタ目(第2DG群のDG1)に「3」を表示するための処理について説明する。この処理として、まず、第3出力ポート63から選択信号DG1を出力することにより、第1DG群のDG1と、第2DG群のDG1とを、セグメント(発光部)を発光させるDGとして選択する。また、第3出力ポート63から選択信号DG1を出力するためのビット制御は「00000001」となり、該ビット制御が第3出力ポート63について実行される。
【0108】
第3出力ポート63から選択信号DG1を出力している期間において、第1出力ポート61については、第1DG群のDG1に「4」を表示するための処理、つまり、セグメントB、セグメントC、セグメントF、およびセグメントGを発光させる処理を実行する。これらのセグメントを発光させる処理は、第1出力ポート61から発光信号S1、発光信号S2、発光信号S6、および発光信号S7を出力し、他の発光信号Sを出力させないようにする。つまり、第1出力ポート61について「01100110」というビット制御を実行する。
【0109】
また、第3出力ポート63から選択信号DG1を出力している期間において、第2出力ポート62については、第2DG群のDG1に「3」を表示するための処理、つまり、セグメントA、セグメントB、セグメントC、セグメントD、セグメントG、およびセグメントDPを発光させる処理を実行する。これらのセグメントを発光させる処理は、第2出力ポート62から発光信号S10、発光信号S11、発光信号S12、発光信号S13、発光信号S16、および発光信号S17を出力し、他の発光信号Sを出力させないようにする。つまり、第2出力ポート62について「11001111」というビット制御を実行する。
【0110】
このように、クレジット表示器の1ケタ目(第1DG群のDG1)に「4」を表示するとともに、遊技情報表示器の1ケタ目(第2DG群のDG1)に「3」を表示するための処理として、第1出力ポート61について「01100110」というビット制御を実行し、第2出力ポート62について「11001111」というビット制御を実行し、第3出力ポート63について「00000001」というビット制御を実行する。
【0111】
このような状態が0.56msの間継続したときに、図4に示す信号切替処理を実行する。ST1において、選択信号DGをクリアする。具体的には、第3出力ポート63に対する「00000001」というビット制御を「0000000」というビット制御に変更する。
【0112】
次に、ST2において、第1出力ポート61の発光信号をクリアする。具体的には、第1出力ポート61に対する「01100110」というビット制御を「0000000」というビット制御に変更する。
【0113】
次に、ST3において、第1出力ポート61の発光信号(つまり、第1DG群のDGの
発光信号)を更新設定するように、第1出力ポート61についてビット制御を実行する。ここでは、第1DG群のDG2に新たに「1」を表示するように、第1出力ポート61の発光信号を更新設定する処理、つまり、セグメントB、およびセグメントCを発光させる処理を実行する。これらのセグメントを発光させる処理は、第1出力ポート61から発光信号S2、および発光信号S3を出力し、他の発光信号Sを出力させないようにする。つまり、第1出力ポート61に対するビット制御として、「0000000」から更新して、「00000110」というビット制御を実行する。
【0114】
次に、ST4において、第2出力ポート62の発光信号をクリアする。具体的には、第2出力ポート62に対する「11001111」というビット制御を「0000000」というビット制御に変更する。
【0115】
次に、ST5において、第2出力ポート62の発光信号(つまり、第2DG群のDGの発光信号)を更新するとともに設定するように、第2出力ポート62についてビット制御を実行する。ここでは、第2DG群のDG2に、新たに「2」を表示するための処理を実行するための処理、つまり、セグメントA、セグメントB、セグメントD、セグメントE、セグメントG、およびセグメントDPを発光させる処理を実行する。これらのセグメントを発光させる処理は、第2出力ポート62から発光信号S10、発光信号S11、発光信号S13、発光信号S14、発光信号S16、および発光信号S17を出力し、他の発光信号Sを出力させないようにする。つまり、第2出力ポート62に対するビット制御として、「0000000」から更新して、「11011011」というビット制御を実行する。
【0116】
次に、ST6において、選択信号DGを更新するとともに設定するように、第3出力ポート63についてビット制御を実行する。ここでは、第3出力ポート63に対するビット制御として、「0000000」から更新して、「00000010」というビット制御を実行する。
【0117】
このような処理を実行することにより、クレジット表示器の1ケタ目に「4」を表示し、かつ遊技情報表示器の1ケタ目に「3」を表示し、0.56ms経過後に実行される信号切替処理により、クレジット表示器の1ケタ目の「4」の表示は終了するとともに、クレジット表示器の2ケタ目に「1」が表示される。これとともに、遊技情報表示器の1ケタ目の「3」の表示は終了するとともに、遊技情報表示器の2ケタ目に「2」が表示される。
【0118】
そして、DG信号の切替処理が開始されたときから0.56ms経過時に次の信号切替処理が実行される。該信号切替処理では、第1DG群のDG3(ペイアウト表示器の1ケタ目の7セグ表示器)、および第2DG群のDG3(遊技情報表示器の3ケタ目の7セグ表示器)に新たな数値(この場合には、第1DG群のDG3では「8」、第2DG群のDG4では「7」を表示する。
【0119】
図5は、選択信号DGの切替を説明するための図である。図5(A)~図5(F)は、それぞれ、第3出力ポート63の出力端子D0~D5からの選択信号DG1~DG5の出力を示したものである。
【0120】
図5(A)~図5(F)に示すように、メインCPU41aは、選択信号DG1(00000001)→選択信号DG2(00000010)→選択信号DG3(00000100)→選択信号DG4(00001000)→選択信号DG5(00010000)→選択信号DG6(00100000)→選択信号DG1(00000001)→選択信号DG2(00000010)・・・の順序(所定の順序)で、出力する選択信号DGを切
り替える。また、1つの選択信号DGが出力される期間は、所定期間であり、本実施形態では、0.56msとされる。つまり、メインCPU41aは、0.56ms経過毎に、出力する選択信号DGを切り替える。たとえば、選択信号DG1が出力されているときには、第1DG群のDG1および第2DG群のDG1を選択(指定)していることになる。
【0121】
なお、図5(A)~図5(F)それぞれにおいて、選択信号を立ち下げる処理は、図4のST1に対応し、選択信号を立ち上げる処理はST6に対応する。
【0122】
また、メインCPU41aは、第3出力ポート63からの選択信号DGの出力の切替に同期させて、第1出力ポート61からの発光信号Sの出力を切替えるとともに(ST2およびST3)、および第2出力ポート62からの発光信号Sの出力も切替える(ST4およびST5)。
【0123】
第3出力ポート63から選択信号DG1~DG4のいずれかが出力されているときには、第1DG群のDGのうちの出力されている選択信号DGに対応するDGが発光可能となるとともに、第2DG群のDGのうちの出力されている選択信号DGに対応するDGが発光可能となる。
【0124】
また、第3出力ポート63から選択信号DG5、および選択信号DG6については、第1DG群には、対応するDGとして、DG5およびDG6が存在する。しかしながら、第2DG群には、対応するDGが存在しない。選択信号DG5または選択信号DG6が出力されている場合の第2出力ポート62のビット制御について説明する。選択信号DG5または選択信号DG6が出力されている場合には、第2DG群内のDGのいずれのセグメントも発光させない非発光ビット制御が実行される。この非発光ビット制御は、全てが0となる「00000000」というビット制御である。したがって、選択信号DG5または選択信号DG6が出力されている場合には、第2DG群に含まれるセグメントは消灯していることになる。
【0125】
また、通常状態では、第1DGのDG6(設定値表示器)は、非発光状態となる。したがって、通常状態においては、第3出力ポート63から信号DG6が出力されている期間では、第1出力ポート61については非発光ビット制御が実行される。
【0126】
また、設定確認状態および設定変更状態においては、第1DG群のDG1~DG5は、非発光状態となる。したがって、設定確認状態および設定変更状態において、第3出力ポート63から信号DG1~DG5が出力されている期間では、第1出力ポート61については非発光ビット制御が実行される。
【0127】
図4および図5などで説明したように、発光部を発光させるDGを短時間(0.56ms)毎に切替えることにより、実質上、複数のDGを同時発光させているように見せる手法を、以下では、「ダイナミック発光」ともいう。仮に、ダイナミック発光を実行する構成を採用せずに、全てのDGを同時に発光可能にするには、各DGごと、かつ各発光部ごとに、それぞれ独立した配線を設ける必要がある。しかし、このように設定すると配線数が多くなり、コストが増加し、組立負担も増大する。本実施形態では、ダイナミック発光を実行することにより、このような問題を解決できる。
【0128】
また、本実施形態のダイナミック発光を実行することにより、短期間(本実施形態では0.56ms)毎に実行される割込み処理である信号切替処理で発光させるDGを順次切り替える。これにより、実質上、複数のDGを同時発光させている状態とほとんど変わりなく(人間の目視では同時発光しているかのように)見せることができる。また、割込み処理ごとに発光させるLEDを異ならせれば、消費電力を抑え、発光部の焼き付きも抑制
することができる。さらに、常時発光しているLEDと比較して、点発光を繰り返すことにより、輝度を高くすることができる。
【0129】
[特定状態について]
次に、特定状態について説明する。特定状態とは、エラー状態および前述の設定確認状態のうちのいずれかの状態である。エラー状態とは、エラーが検出されている状態である。エラーが発生した場合には、本実施形態のスロットマシン1およびパチンコ遊技機などの遊技機は、エラーを検出することが可能である。ここで、エラーは、たとえば、遊技機内の装置の故障に基づくエラー、遊技機内の遊技媒体の増減に基づくエラー、遊技者の不正行為に基づくエラーなどを含む。
【0130】
遊技機内の装置の故障に基づくエラーとは、たとえば、該遊技機が備える可動体(役物)が適切に動作しないことにより検出されるエラーである。遊技機内の遊技媒体の増減に基づくエラーとは、たとえば、払出される遊技媒体が貯蔵されている貯蔵タンク内の遊技媒体が不足することにより検出されるエラーである。遊技媒体とは、たとえば、スロットマシン1では、メダルであり、パチンコ遊技機では、パチンコ玉である。また、スロットマシン1では、該貯蔵タンクは、ホッパーとも呼ばれ、遊技機内の遊技媒体の増減に基づくエラーは、ホッパーエラーとも呼ばれる。
【0131】
遊技者の不正行為に基づくエラーとは、たとえば、遊技媒体不正払出エラーである。遊技媒体不正払出エラーは、遊技媒体が貯蔵されている貯蔵部に対して不正操作を行なうことにより不正に遊技媒体を払出させることにより検出されるエラーである。このように、エラー状態とは、エラーが検出されている状態である。
【0132】
[特定状態に移行したときのタイミングチャート]
次に、図6を用いて、特定状態に移行したときのタイミングチャートを説明する。図6(A)は、特定状態に移行されたことを示す図である。ONは、特定状態に移行されたことを示し、OFFは、特定状態に移行されていないことを示す。図6(B)は、特定状態に移行されたことを報知する特定状態報知処理を示す図である。ONは、特定状態報知処理が実行されたことを示し、OFFは、特定状態報知処理が実行されていないことを示す。図6(C)は、BETLEDと、有利区間LEDと、投入要求LEDとの発光を示す図である。ONは、BETLEDと、有利区間LEDと、投入要求LEDとが発光していることを示し、OFFは、BETLEDと、有利区間LEDと、投入要求LEDとが発光していないことを示す。図6(D)は、投入要求LEDと、スタート有効LEDとの発光を示す図である。ONは、投入要求LEDと、スタート有効LEDとが発光していることを示し、OFFは、投入要求LEDと、スタート有効LEDとが発光していないことを示す。
【0133】
図6(B)に示すように、特定状態に移行されたタイミングT1で、特定状態報知処理を実行する。また、図6(C)に示すように、該タイミングT1では、BETLEDと、有利区間LEDと、投入要求LEDとの発光は維持される。また、図6(D)に示すように、該タイミングT1で、投入要求LEDと、スタート有効LEDとは消灯する。
【0134】
図6(A)に示すように、タイミングT2で電断が発生し(電力供給が停止し)、タイミングT3で電断が復旧した(電力供給が再開された)とする。図6(B)に示すように、電断が発生したタイミングT2では、特定状態報知処理は終了し、電断が復旧したタイミングT3では、特定状態報知処理は復帰する。図6(C)に示すように、電断が発生したタイミングT2では、BETLEDと、有利区間LEDと、投入要求LEDとは消灯し、電断が復旧したタイミングT3では、BETLEDと、有利区間LEDと、投入要求LEDとは発光する。また、図6(D)に示すように、タイミングT2およびタイミングT
3においても、投入要求LEDと、スタート有効LEDとの消灯は維持される。
【0135】
[遊技機について]
前述した本実施形態の技術思想が適用される遊技機は、スロットマシン1に限られず他の遊技機に適用してもよい。たとえば、前述の技術思想のうちパチンコ遊技機に適用可能な思想については、パチンコ遊技機に適用してもよい。
【0136】
たとえば、複数のセグメントから構成される7セグ表示器(たとえば、特図を表示する表示器)と、それぞれが遊技の状態を報知する複数のLEDとを有するパチンコ遊技機であってもよい。さらに、該複数のLEDおよび複数のセグメントへの信号および配線については、たとえば、図3に示した態様とする。また、該パチンコ遊技機では、前述のダイナミック発光を実行するようにしてもよい。また、該パチンコ遊技機において、特定状態(たとえば、エラー状態)に移行したときには、図6に示すタイミングチャートでの処理を実行するようにしてもよい。
【0137】
[本実施形態の遊技機の効果について]
(1) 図6(C)、および図6(D)に示すように、投入要求LEDと、スタート有効LEDと、他のLED(たとえば、BETLEDなど)とを含む複数のLEDが発光している状態において、特定状態に移行したときには、投入要求LEDと、スタート有効LEDとは消灯する一方、他のLEDの発光については維持される。
【0138】
また、図3に示すように、第1出力ポート61において、スタート有効LEDに対応する出力端子D5と、投入要求LEDに対応する出力端子D6とは隣接して設けられている。スタート有効LEDに対応する出力端子とは、スタート有効LEDの発光態様を制御するための発光信号S5を出力する出力端子D5である。また、投入要求LEDに対応する出力端子とは、投入要求LEDの発光態様を制御するための発光信号S6を出力する出力端子D6である。
【0139】
このように、出力端子D5と出力端子D6とは隣接することから、特定状態に移行されたときの、発光手段の発光の停止処理の処理負担を軽減できる。たとえば、特定状態に移行されたときに、第1出力ポート61について実行されるビット制御において、消灯を示すビットである「0」を連続して設定することができる。したがって、特定状態に移行されたときの、発光手段の消灯処理の処理負担を軽減できる。
【0140】
また、仮に、消灯の対象となるLED(以下、消灯対象LEDともいう。)に対応する出力端子が離れている(隣接していない)構成を採用している遊技機(第1の比較対象の遊技機という。)、たとえば、スタート有効LEDに対応する出力端子がD0であり、投入要求LEDに対応する出力端子がD4である場合について説明する。この場合には、特定状態に移行して、かつ選択信号DG5が出力されたときにおいて、D0およびD4をそれぞれ消灯するビット制御を実行した場合には、ノイズが生じる場合がある。該ノイズが生じた場合には、D0に隣接する出力端子、たとえば、出力端子D1などにもノイズが生じてしまい、該出力端子D1についてビット反転が発生してしまう可能性がある。
【0141】
これに対し、スタート有効LEDに対応する出力端子と、投入要求LEDに対応する出力端子とは隣接している(D5とD6)。したがって、出力端子D5と出力端子D6とについて消灯するビット制御を実行して、ノイズが生じた場合であっても、第1の比較対象の遊技機と比較して、該ノイズの影響を受け難くすることができる。
【0142】
(2) 仮に、特定状態に移行されたときの2つの消灯対象LEDが、それぞれ異なるDGである第1DG、および第2DGそれぞれに含まれている遊技機(以下、第2の比較
対象の遊技機)では、選択信号DGにより第1DGが選択されている場合にも第1出力ポートについて消灯するためのビット制御を行う必要があり、選択信号DGにより第2DGが選択されている場合にも第1出力ポートについて消灯するためのビット制御を行う必要があり、処理が煩雑になってしまう。
【0143】
これに対し、本実施形態では、特定状態に移行されたときの2つの消灯対象LEDは1のDG(DG5)に含まれている。したがって、選択信号DGによりDG5が選択されている場合にのみ、第1出力ポートについて消灯するためのビット制御を行えばよいことから、第2の比較対象の遊技機と比較して、LEDを消灯する処理を簡略化できる。
【0144】
(3) また、2つの消灯対象LEDは、遊技者による操作が有効である旨を示唆するLED、つまり、投入要求LEDおよびスタート有効LEDである。特定状態に移行されたときには、投入要求LEDおよびスタート有効LEDが消灯する。したがって、特定状態に移行されたときには、遊技者による操作が有効である報知が終了することになることから、遊技者による操作が有効であると誤認させることを防止できる。
【0145】
(4) 特定状態は、遊技機において異常(エラー)が発生したときに移行される状態(エラー状態)を含む。また、該エラー状態は、遊技を進行させない状態である。したがって、遊技機において異常が発生したときに、特定状態に移行することから、遊技を進行させないようにすることができる。
【0146】
(5) また、特定状態に移行されたときでも、発光維持の対象となるLED(以下、発光維持対象LEDともいう。)は、第1~第3BETLED、リプレイ中LED、有利区間LEDである。また、該第1~第3BETLED、リプレイ中LED、有利区間LEDそれぞれに対応する出力端子D0~D4は隣接している(図3参照)。
【0147】
これにより、特定状態に移行されたときに、第1出力ポート61について実行されるビット制御において、発光を維持するビットを示す「1」を連続して設定することができる。したがって、特定状態に移行されたときの、発光手段の発光の維持処理の処理負担を軽減できる。
【0148】
仮に、特定状態に移行したときに、消灯させるLEDに対応する出力端子が、発光を維持する2つのLEDそれぞれに対応する2つの出力端子には挟まれている構成、たとえば、消灯させるLEDに対応する出力端子がD1であり、発光を維持する2つのLEDそれぞれに対応する2つの出力端子がD0およびD2である構成を採用した遊技機(以下、第3の比較対象の遊技機という。)について説明する。
【0149】
この遊技機において、特定状態に移行された場合には、D0およびD2については発光を維持するビット制御、つまり、「1」を設定し、D1については消灯するビット制御、つまり、「0」を設定するビット制御を実行することになる。そうすると、該ビット制御の場合に、たとえば、ノイズの発生によるビット反転により、D1について、「1」を設定するビット制御が実行されてしまうことから、本来消灯すべきLEDの発光が維持してしまう場合がある。
【0150】
これに対し、本実施形態では、発光を維持する2つのLEDそれぞれに対応する2以上の出力端子は隣接している。したがって、ノイズが発生したとしても、たとえば、本来消灯すべきLEDの発光が維持されてしまうことを、第3の比較対象の遊技機と比較して、生じ難くすることができる。
【0151】
また、図3の第1出力ポート61に示すように、発光維持対象LEDに対応する出力端
子D0~D4はそれぞれ隣接している1の端子群であり、消灯対象LEDに対応する出力端子D5と、出力端子D6ともそれぞれ隣接している1の端子群であるといえる。
【0152】
(6) また、図6(C)に示すように、特定状態に移行されたタイミングT1において、有利区間LEDの発光は維持される。したがって、特定状態に移行されたとしても有利区間に移行されていることを遊技者に示唆できる。
【0153】
(7) また、図3に示すように、第1出力ポート61は、未使用出力端子である出力端子D7を有する。また、未使用出力端子D7は、消灯対象LEDである投入要求LEDに対応する出力端子D6と隣接している。また、未使用出力端子D7については、消灯させるビット制御、つまり「0」を設定する。したがって、特定状態に移行されたときには、本来、消灯させるビットである「0」を設定すべき出力端子D6について、誤作動などにより、「1」が設定されてしまうことを低減できる。
【0154】
(8) 有利区間に移行されているときには、有利区間LEDが発光する。図6(B)および図6(C)に示すように、有利区間に移行されているとき、つまり、有利区間LEDが発光しているときに、特定状態に移行されたときには、特定状態の報知を実行するとともに、有利区間LEDの発光は継続する。したがって、有利区間LEDの発光中に特定状態に移行したとしても、特定状態に移行したことを店員および遊技者などに認識させることができるとともに、有利区間であることを遊技者に認識させることができる。
【0155】
(9) また、図6(A)~(C)に示すように、特定状態に移行されているときに、電断が発生したタイミングT2では特定状態報知処理を終了し、該電断が復旧したタイミングT3で該終了した特定状態報知処理を再開する。また、有利区間LEDの発光中に電断が発生したときに有利区間LEDを消灯し、該電断が復旧したときに該終了した有利区間LEDの発光を再開する。したがって、特定状態であるときに電断が発生したとしても、電断が復旧したときには、該特定状態であることを店員および遊技者などに認識させることができる。また、有利区間に移行されているときに電断が発生したとしても、電断が復旧したときには、該有利区間であることを遊技者に認識させることができる。
【0156】
(10) 仮に、1のDGの発光時間が短くなってしまうと、該1のDGが発光したとしても、該発光による輝度が低くなることから、遊技者などからは暗く見えてしまう。そうすると、DGで報知している情報を遊技者などは認識し難くなってしまう。これに対し、本実施形態では、図3に示すように、発光部を、第1DG群と第2DG群とに分ける。したがって、該第1DG群に含まれる発光部、および第2DG群に含まれる発光部それぞれの発光時間を確保することができる。よって、1のDGの発光による輝度を担保できる。また、DGをDG群に分ける構成を採用していることにより、たとえば、遊技機の改良などにより、DGが増加してしまったとしても、該増加したDGの発光による輝度を担保できる。さらに、第1DG群の数は6個(DG1~DG6)であり、第2DG群の数は4個(DG1~DG4)であるように、第1DG群の数と、第2DG群の数とが異なる場合であっても、第1DG群と第2DG群とで選択信号DG1~選択信号DG4とを共通化できる。換言すれば、第1DG群のDG1~DG4のいずれかと、第2DG群のDG1~DG4のいずれかとを共通の選択信号により選択できる。したがって、遊技機の改良などにより、DGが増加してしまったとしても、選択信号の数が増加し過ぎてしまうことを防止できる。
【0157】
(11) 図3の第1DG群に含まれる発光部は、クレジット表示器を構成する2つの7セグ表示器それぞれを構成するセグメント、ペイアウト表示器を構成する2つの7セグ表示器それぞれを構成するセグメント、および状態LEDを含む。つまり、第1DG群に含まれる発光部は、遊技の進行に応じて(遊技の進行が特定可能となるように)発光状態
を更新する発光部である。
【0158】
一方、第2DG群に含まれる発光部は、遊技情報表示器を構成する4つの7セグ表示器それぞれを構成する発光部(セグメント)を含む。つまり、第2DG群に含まれる発光部は、第1DG群に含まれる発光部とは異なる発光部である。換言すれば、遊技の進行に応じて(遊技の進行が特定可能となるように)発光状態を更新する発光部ではない。
【0159】
したがって、発光状態が遊技の進行に応じて更新するか否かにより、第1DG群と第2DG群とは分けられている。したがって、メインCPU41aのビット制御の処理負担を軽減できる。
【0160】
(12) また、第1DG群と第2DG群とで共通化されていない選択信号DGである、選択信号DG5または選択信号DG6が出力されている場合には、第2DG群内のDGのいずれのセグメントも発光させない非発光ビット制御が実行される。したがって、発光すべきではない第2DG群に含まれる発光部を誤って発光させることを防止できる。
【0161】
また、状態によっては、非発光とされるDGが存在する。たとえば、通常状態であるときには、第1DG群のDG6は非発光となる。該非発光となるDG6についても、第1出力ポート61について非発光ビット制御が実行される。このように、非発光ビット制御は、選択信号DG5または選択信号DG6が出力されている場合における第2DG群のDGに対するビット制御でも実行され、状態によって非発光とされるDGに対するビット制御でも実行される。したがって処理を共通化できることから、処理負担を軽減できる。
【0162】
(13) また、図4で説明した信号切替処理に示したように、まず、選択信号DGをクリアする選択信号DGクリア処理(ST1)を実行する。該選択信号DGクリア処理が終了した後に、第1出力ポートの発光信号と第2出力ポートの発光信号とを更新する(ST3、ST5)。その後、選択信号DGを更新設定する(ST6)。このような構成によれば、選択信号DGをクリアする選択信号DGクリア処理などの実行により、選択するDGの誤りなどに起因する誤発光が実行されてしまうことを防止できる。
【0163】
(14) また、第1出力ポートの発光信号を更新設定する前のST2において第1出力ポートの発光信号をクリアする。また、第2出力ポートの発光信号を更新設定する前のST4において第2出力ポートの発光信号をクリアする。このような構成によれば、第1出力ポートの発光信号、および第2出力ポートの発光信号をクリアする発光信号クリア処理などの実行により、選択されたDGに含まれる発光部が誤発光されてしまうことを防止できる。
【0164】
また、選択信号DG5または選択信号DG6が出力されているときであっても、選択信号DG1~選択信号DG4のいずれかが出力されているときと同様に、第2出力ポート62の発光信号のクリア処理(ST4)と、第2出力ポート62の発光信号の更新設定処理(ST5)とは実行される。したがって、選択信号DGの種類に関わらず、信号切替処理を共通化することができる。
【0165】
(15) また、図3に示すように、第1出力ポート61の8つの出力端子のうち、出力端子D7は未使用出力端子とされている。また、第1DG群に含まれる全てのDGにおいて、未使用出力端子である出力端子D7に対応する発光部は、いずれも未使用とされている。該未使用出力端子D7と、該出力端子D7に対応する発光部とは信号線が接続されていない。換言すれば、第1出力ポート61の8個の出力端子のうち未使用出力端子D7は、いずれのDG(第1DG群のDG1~DG6)においても対応する発光部が設けられていない。したがって、第1DG群に含まれる全ての発光部の発行態様を適切に制御でき
つつ、第1出力ポート61の出力端子D7から、第1DG群に含まれる各DGそれぞれに対する配線を不要とすることができる。したがって、配線パターンの簡素化を図ることができる。
【0166】
(16) また、第1出力ポート61はメイン制御基板40に搭載され、第1DG群に含まれるDG1~DG5は表示基板に搭載され、第1DG群に含まれるDG6は中継基板に搭載される。つまり、メイン制御基板40に搭載されている第1出力ポート61は、未使用出力端子D7を含み、該未使用出力端子D7は、表示基板および中継基板に搭載されているDG1~DG6のいずれのDGにおいても対応する発光部が設けられていない。したがって、メイン制御基板40に搭載されている未使用出力端子D7から、該複数のDGそれぞれに含まれる発光部への配線パターンを不要とすることができる。よって、メイン制御基板40から表示基板への配線パターンを簡略化できるとともに、メイン制御基板40ら中継基板への配線パターンも簡素化を図ることができる。
【0167】
(17) また、第1DG群のDG1~DG4、DG6はそれぞれ数を表示するためのDG(7セグ表示器)である。また、第1DG群のDG5は、該DG5を構成する複数のLEDそれぞれが異なる遊技情報を表示するためのDGである。このように、DGの役割を明確にできることから、メインCPU41aは、役割に応じて、発光部の発光態様を制御できる。
【0168】
(18) また、第1出力ポート61の出力端子のうち、使用される出力端子D0~D6については、発光させる発光部に応じたビット(0または1)が設定される。また、選択信号DGによりDG1~DG6のうちのいずれのDGが選択されているかに関わらず、第1出力ポート61の未使用出力端子D7に対するビット制御は、発光させないビットである「0」が、設定される。このように、未使用出力端子も含めて、8個全ての出力端子D0~D7から出力する発光信号Sを生成する。したがって、未使用出力端子からの信号を生成しない一方未使用出力端子以外の出力端子から出力する発光信号Sを生成する遊技機と比較して、発光信号Sの生成処理を簡素にできる。
【0169】
(19) また、未使用出力端子D7は、8個の出力端子の端側に位置する出力端子である。したがって、配線パターンを不要とする未使用出力端子D7が端側に位置することから、配線パターンを簡素化できる。また、作成した8ケタのビット信号をシフトさせつつ検知する検知処理を実行し、8ケタ目のビットを「0」にすることができることから、プログラム上での扱いを容易にできる。
【0170】
(20) また、図3に示すように、第1DG群のDGは全て、未使用となっている発光部が存在する一方、第2DG群のDGは全て、未使用となっている発光部が存在しない。このように、本実施形態では、未使用となっている発光部が存在するか否かで、DG群を分けている、つまり、出力ポートを分けている。したがって、第1出力ポート61へのビット制御は、出力端子D7については常に「0」を設定する一方、第2出力ポート62へのビット制御は、出力端子D7については常に「1」を設定する。したがって、第1出力ポート61および第2出力ポートのいずれにおいても出力端子D7は設定されるビット数を固定することができる。したがって、第1出力ポート61へのビット制御、および第2出力ポート62へのビット制御の負担を軽減できる。
【0171】
(21) また、第1出力ポート61への処理は、容量内処理において実行され、第2出力ポート62への処理は、容量外処理において実行される。このように、出力ポートに応じて容量内処理と、容量外処理とを分けることができることから、1の出力ポートについて容量内処理と、容量外処理とが混在している遊技機と比較して、処理負担を軽減できる。
【0172】
(22) 図4の処理において、出力ポートの発光信号のクリア処理をまとめて実行し、その後、出力ポートの発光信号の更新設定処理をまとめて実行するフローチャートにする、つまり、ST1→ST2→ST4→ST3→ST5→ST6とする遊技機(第4の比較対象の遊技機)を構成することも考えられる。しかしながら、この構成を採用すると、容量内処理(ST2)→容量外処理(ST4)→容量内処理(ST3)→容量外処理(ST5)という処理の流れになる。つまり、容量内処理と容量外処理とを交互に実行しなければならなくなってしまうことから処理が煩雑になってしまう。
【0173】
これに対し、本実施形態では、ST2およびST3を容量内処理で実行し、ST4およびST5を容量外処理で実行することから、第4の比較対象の遊技機と比較して、処理を簡素にすることができる。
【0174】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0175】
(1) 図7は、図6で説明したタイミングチャートの変形例を示した図である。図6図7とで異なる点は、有利区間の報知を、メイン制御部41(メイン側)と、サブ制御部91(サブ側)との双方で実行可能とした点である。図7(E)に示すように、メイン制御部41(メイン側)で行う有利区間の報知を「メイン側有利区間報知」といい、サブ制御部91(サブ側)で行う有利区間の報知を「サブ側有利区間報知」という。
【0176】
メイン側有利区間報知は、有利区間LEDを用いた報知であり、たとえば、有利区間に移行されているときに、有利区間LEDを発光させる。サブ側有利区間報知は、液晶表示器51を用いた報知であり、たとえば、有利区間に移行されているときに、液晶表示器51に有利区間に移行されている旨を特定可能な情報を表示する。
【0177】
また、表示領域は、液晶表示器51の方が有利区間LEDよりも大きい。したがって、サブ側有利区間報知の方が、メイン側有利区間報知よりも目立つ態様で、有利区間報知を実行できる。
【0178】
本変形例では、図7(E)および図7(F)に示すように、特定状態に移行したタイミングT1において、遊技者に対してあまり目立たないメイン側有利区間報知を終了する一方、遊技者に対して目立つサブ側有利区間報知は維持する。このような構成によれば、特定状態に移行したとしても、維持されたサブ側有利区間報知により有利区間に移行されていることを遊技者に認識させることができる。
【0179】
また、図7の変形例として、特定状態に移行したタイミングT1において、遊技者に対して目立つサブ側有利区間報知を終了する一方、遊技者に対してあまり目立たないメイン側有利区間報知を維持するようにしてもよい。このような構成によれば、あまり目立たないメイン側有利区間報知が維持されることから、一応は、有利区間に移行されていることを遊技者に認識させることができる。さらに、遊技者に対して目立つサブ側有利区間報知が終了することから、特定状態の報知(図7(B))を目立たせることができるようになる。したがって、遊技者および遊技店の店員に対して、特定状態に移行されたことを認識させ易くすることができる。
【0180】
(2) また、本実施形態では、図4の信号切替処理において、選択信号DGおよび発光信号Sをクリアする処理とは、8ビット分の「0」を設定する処理であるとして説明し
た。しかしながら、選択信号DGおよび発光信号Sをクリアする処理とは、選択信号DGおよび発光信号Sの出力を停止する処理としてもよい。
【0181】
(3) 本実施形態では、第1DG群に含まれるDGの数と、第2DG群に含まれるDGの数とは異なるとして説明した。しかしながら、第1DG群に含まれるDGの数と、第2DG群に含まれるDGの数とは同一としてもよい。このような構成であっても、第1DG群と第2DG群とで、選択信号DGを共通化できるという有利な効果を奏する。
【0182】
(4) また、本実施形態では、有利区間に移行されていることを報知するLEDとして有利区間LEDを例示した。しかしながら、有利区間として複数種類の有利区間のいずれかに移行可能であり、かつ、該種類に応じたLEDを備えるようにしてもよい。たとえば、有利区間として、CZ(チャンスゾーン)と、AT(アシストタイム)とが存在するようにしてもよい。たとえば、有利区間LEDとして、CZに移行されていることを報知するCZランプと、ATに移行されていることを報知するATランプとを備えるようにしてもよい。
【0183】
(5) 図3の例では、第1DG群に含まれる全てのDGについて、8個の発光部のうち1個が未使用とされている。しかしながら、第1DG群に含まれる全てのDGのうち少なくとも1のDGについて未使用となるDGが2以上含まれるようにしてもよい。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0184】
(6) 図6の例では、図6(D)に示すように、消灯対象LEDは、2個であるとして説明した。しかしながら、消灯対象LEDは、3個以上としてもよい。この場合には、該3個以上の消灯対象LEDに対応する出力端子はそれぞれ隣接していることが好ましい。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0185】
(7) 本実施形態では、図3の第1DG群のDG5に示すように、所定の事象、つまり、設定された賭数、リプレイ中であること、有利区間であること、スタート操作が有効であること、メダル投入が可能であることは全て、LEDの発光により報知するとして説明した。しかしながら、該所定の事象のうち少なくとも1つの事象については、LEDの発光とともに、または、LEDの発光に替えて、他の手段を用いて報知するようにしてもよい。他の手段とは、たとえば、所定情報を表示可能な液晶表示器51と、所定音を出力可能な音出力手段のうち少なくとも1つである。
【0186】
(8) 本実施形態では、出力ポートが有する出力端子から発光信号を出力することにより、該出力端子に対応する発光部を発光させ、該出力端子から発光信号を出力しないことにより、該出力端子に対応する発光部を発光させないとして説明した。しかしながら、他の制御により、発光部の発光および非発光の切替を行うようにしてもよい。たとえば、出力ポートが有する出力端子から非発光信号を出力しないことにより、該出力端子に対応する発光部を発光させ、該出力端子から非発光信号を出力することにより、該出力端子に対応する発光部を発光させないようにしてもよい。
【0187】
(9) 本実施形態の複数の発光部は全て、発光するか消灯するかのいずれかであるとして説明した。しかしながら、複数の発光部のうち少なくとも1つの発光部の発光態様の種類は、2以上であるとしてもよい。たとえば、複数の発光部のうち少なくとも1つの発光部は、複数色のうちいずれの色にも発光可能としてもよい。たとえば、該発光部は、赤色に発光可能としてもよく、青色に発光可能としてもよい。この場合には、該発光部の発光態様を指定する発光信号は、発光色を指定する信号としてもよい。
【0188】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0189】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、12 ペイアウト表示器、41 メイン制御部、41c RAM、51 液晶表示器、56 演出用スイッチ、91 サブ制御部、91c RAM。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7