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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】毛髪処理剤及び毛髪の処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/42 20060101AFI20220203BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20220203BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61K8/42
A61Q5/08
A61Q5/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020501661
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2019004408
(87)【国際公開番号】W WO2019163530
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2018030860
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 研
(72)【発明者】
【氏名】原 真也
【審査官】山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-525130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0075580(US,A1)
【文献】特開平11-092344(JP,A)
【文献】特開2008-201727(JP,A)
【文献】特開2017-210431(JP,A)
【文献】特開2018-104326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化染料を含まないか又は含み、かつアルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤であって、
前記第2剤が、3級アミン型カチオン性界面活性剤を含み、
前記第2剤100質量%中、前記3級アミン型カチオン性界面活性剤の含有量が、3質量%以上、20.0質量%以下であり、
前記第1剤の25℃における粘度をηmPa・sとし、前記第2剤の25℃における粘度をηmPa・sとし、前記第1剤1gに対して前記第2剤をXgで混合して得られた混合剤の25℃における粘度をηmPa・sとしたときに、下記式で求まる比Aが、1.1以上となるように、前記第1剤と前記第2剤とを混合して用いられる、毛髪処理剤。
比A=(1+X)×η/{(1×η)+(X×η)}
【請求項2】
前記3級アミン型カチオン性界面活性剤が、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる群より選ばれる界面活性剤を含む、請求項1に記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
前記第2剤のpHが4.5以下である、請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の毛髪処理剤を用いた毛髪の処理方法であって、
前記第1剤と前記第2剤とを混合して混合剤を得る第1の工程と、
前記混合剤を毛髪に塗布する第2の工程とを備える、毛髪の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、アルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤に用いられる第2剤に関する。また、本発明は、上記第1剤と、上記第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】

毛髪を脱色又は染色するために、アルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを備える2剤式の脱色剤又は酸化染毛剤が広く用いられている。このような脱色剤又は酸化染毛剤は、第1剤と第2剤とを混合し、得られた混合剤を毛髪に塗布して用いられる。
【0003】

下記の特許文献1には、アルカリ剤を含む第1液と酸化剤を含む第2液とを備える2液式染毛剤又は2液式脱色剤が開示されている。上記第1液は、非イオン性界面活性剤を25.0~50.0重量%で含む。上記第2液は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを0.1~10.0重量%で含む。
【0004】

下記の特許文献2には、(A)アニオン性高分子、(B)酸性染料、(C)アミドアミン化合物、(D)芳香族アルコール及び(E)有機酸を含む酸性染毛剤が開示されている。(C)アミドアミン化合物の(B)酸性染料に対する質量比は、0.02~1.0である。
【0005】

下記の特許文献3には、アルカリ剤を含有し、クリーム状の剤型である第1剤と、酸化剤を含有し、液状の剤型である第2剤とを含む酸化染毛剤が開示されている。該酸化染毛剤の使用時における25℃の粘度は3000~10000mPa・sである。上記酸化染毛剤は、(A)酸化染料の塩、(B)カチオン性界面活性剤、(C)HLBが17~20である非イオン性界面活性剤、(D)HLBが11以下である非イオン性界面活性剤を含む。上記酸化染毛剤は、(B)カチオン性界面活性剤を0.15質量%以上で含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】

【文献】特開2013-181032号公報
【文献】特開2011-098943号公報
【文献】特開2017-210431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】

従来の多剤式の脱色剤又は酸化染毛剤では、第1剤及び/又は第2剤の粘度が高いことがあり、第1剤と第2剤との混合性に劣ることがある。第1剤と第2剤との混合性を良好にするために、第1剤及び/又は第2剤の粘度を低くすると、得られる混合剤の粘度も低くなり、その結果、毛髪への付着性が低下し、混合剤が毛髪から垂れ落ちやすくなる。混合剤の粘度が低い場合には、特に、短毛部分(例えば刈り上げ部分)への付着性が低下し、垂れ落ちがより一層生じやすくなる。毛髪への付着性が低下すると、脱色力や染毛力が低下する。
【0008】

上記特許文献1に記載の染毛剤又は脱色剤では、第1剤と第2剤とをある程度良好に混合することができ、また、得られる混合剤の毛髪への付着性を高めることができる。しかしながら、上記特許文献1に記載の染毛剤又は脱色剤では、第1剤が非イオン性界面活性剤を特定量で含み、かつ、第2剤がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを特定量で含む必要がある。
【0009】

上記特許文献2に記載の酸性染毛剤では、(C)アミドアミン化合物が用いられているので、コンディショニング性を良好にすることができる。しかしながら、特許文献2には、アミドアミン化合物として3級アミン型カチオン性界面活性剤を選択して用いることについては何ら記載されていない。また、特許文献2には、アミドアミン化合物を用いることによって、混合性が向上したり、毛髪への付着性が向上したりすることについても、何ら記載されていない。
【0010】

上記特許文献3に記載の酸化染毛剤では、カチオン性界面活性剤が用いられているので、髪の指通りを良好にすることができる。しかしながら、特許文献3には、カチオン性界面活性剤として3級アミン型カチオン性界面活性剤を選択して用いることについては、何ら記載されておらず、実施例では単に4級アミン型カチオン性界面活性剤が用いられている。また、特許文献3には、酸化染料の安定性を高めるために、カチオン性界面活性剤は第1剤に含まれることが好ましいことが記載されている。
【0011】

本発明の目的は、第1剤と第2剤とを良好に混合することができ、かつ得られる混合剤の毛髪への付着性を高めることができる毛髪処理剤用の第2剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】

本発明は、酸化染料を含まないか又は含み、かつアルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤に用いられる第2剤であって、3級アミン型カチオン性界面活性剤を含む、毛髪処理剤用の第2剤を提供する。
【0013】

本発明の毛髪処理剤用の第2剤では、前記3級アミン型カチオン性界面活性剤が、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジメチルアミンからなる群より選ばれる界面活性剤を含むことが好ましい。
【0014】

本発明の毛髪処理剤用の第2剤の前記3級アミン型カチオン性界面活性剤の含有量が、0.1質量%以上、20.0質量%以下であることが好ましい。
【0015】

本発明は、酸化染料を含まないか又は含み、かつアルカリ剤を含む第1剤と、上述した毛髪処理剤用の第2剤とを備える、毛髪処理剤を提供する。
【発明の効果】
【0016】

本発明の毛髪処理剤用の第2剤は、酸化染料を含まないか又は含み、かつアルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤に用いられる第2剤であって、3級アミン型カチオン性界面活性剤を含むので、第1剤と第2剤とを良好に混合することができ、かつ得られる混合剤の毛髪への付着性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】

以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】

本発明の毛髪処理剤用の第2剤(以下、「第2剤」と略記することがある)は、酸化染料を含まないか又は含み、かつアルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤に用いられる第2剤である。本発明の毛髪処理剤用の第2剤は、3級アミン型カチオン性界面活性剤を含む。
【0019】

本発明の第2剤は、3級アミン型カチオン性界面活性剤と酸化剤とを含む。
【0020】

本発明の第2剤では、上記の構成によって、第1剤と第2剤とを良好に混合することができ、かつ得られる混合剤の毛髪への付着性を高めることができる。
【0021】

本発明の第2剤は、3級アミン型カチオン性界面活性剤及び酸化剤以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0022】

3級アミン型カチオン性界面活性剤、酸化剤や他の成分は、それぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0023】

上記第1剤と上記第2剤とは混合して、又は、上記第1剤と上記第2剤とその他の組成物(例えば第3剤等)とは混合して用いられ、混合液を作製した後、得られる混合液は毛髪に塗布して用いられる。本明細書においては、上記混合液を「混合剤」と称する場合がある。
【0024】

以下、本発明の第2剤、並びに、第1剤に用いられる各成分の詳細を説明する。
【0025】

[第2剤(第2剤組成物)]

(3級アミン型カチオン性界面活性剤)

本発明の第2剤は、3級アミン型カチオン性界面活性剤を含む。3級アミン型カチオン性界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0026】

3級アミン型カチオン性界面活性剤を用いることにより、第1剤と第2剤とを良好に混合することができ、かつ得られる混合剤の毛髪への付着性を高めることができる。3級アミン型カチオン性界面活性剤は、比較的低いpH(例えばpHが4以下)の場合には低い粘度を有し、pHが高くなるにつれて増粘する性質を有する。3級アミン型カチオン性界面活性剤を用いることにより、第1剤と第2剤との混合中には低粘度の状態が維持され、第1剤と第2剤とを良好に混合することができ、混合後には第1剤に含まれるアルカリ剤の作用により混合剤のpHが高くなるため、混合剤の粘度が高くなり、毛髪への付着性を高めることができる。
【0027】

また、3級アミン型カチオン性界面活性剤を用いることにより、トリートメント性及びコンディショニング性を良好にすることができる。
【0028】

3級アミン型カチオン性界面活性剤が第1剤に含まれる場合、第1剤にはアルカリ剤が含まれるので、第1剤の粘度が高くなり、第1剤と第2剤との混合性に劣る。3級アミン型カチオン性界面活性剤が第1剤ではなく第2剤に含まれるという構成は、重要かつ技術的意義のある構成である。
【0029】

3級アミン型カチオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミン、ベヘニン酸ジメチルアミン、パルミチン酸ジメチルアミン、ミリスチン酸ジメチルアミン、ラウリン酸ジメチルアミン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、パルミトキシプロピルジメチルアミン、及びステアロキシプロピルジメチルアミン等が挙げられる。上記3級アミン型カチオン性界面活性剤は、上記化合物の塩類であってもよく、上記化合物の塩類の形態で第2剤中に配合されてもよい。
【0030】

第1剤と第2剤との混合性をより一層良好にし、かつ得られる混合剤の毛髪への付着性をより一層高める観点からは、上記3級アミン型カチオン性界面活性剤は、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジメチルアミンからなる群より選ばれる3級アミン型カチオン性界面活性剤(少なくとも1の3級アミン型カチオン性界面活性剤)を含むことが好ましい。
【0031】

第1剤と第2剤との混合性を更により一層良好にし、かつ得られる混合剤の毛髪への付着性を更により一層高める観点からは、上記3級アミン型カチオン性界面活性剤は、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジメチルアミンからなる群より選ばれる3級アミン型カチオン性界面活性剤であることがより好ましい。本発明の第2剤は、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジメチルアミンからなる群より選ばれる3級アミン型カチオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
【0032】

ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジメチルアミンからなる群より選ばれる3級アミン型カチオン性界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0033】

本発明の第2剤100質量%中、3級アミン型カチオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは18.0質量%以下、更に好ましくは16.0質量%以下、特に好ましくは10.0質量%以下、最も好ましくは8.0質量%以下である。上記3級アミン型カチオン性界面活性剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、混合剤の粘度を好適な範囲とすることができるので、毛髪への付着性をより一層高めることができる。上記3級アミン型カチオン性界面活性剤の含有量は、本発明の第2剤中の全ての3級アミン型カチオン性界面活性剤の含有量の合計である。
【0034】

(酸化剤)

本発明の第2剤は酸化剤を含む。酸化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0035】

上記酸化剤としては、過酸化水素等が挙げられる。
【0036】

本発明の第2剤100質量%中、酸化剤の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。上記酸化剤の含有量が上記下限以上であると、脱色力又は染毛力がより一層高くなる。上記酸化剤の含有量が上記上限以下であると、皮膚刺激が少なくなる。
【0037】

(水)

本発明の第2剤は、水を含むことが好ましい。上記水は、精製水であることが好ましい。
【0038】

本発明の第2剤100質量%中、水の含有量は、第2剤を収容する容器の種類及び目的とする第2剤の性状等により適宜調整することができるが、好ましくは30.0質量%以上、より好ましくは40.0質量%以上、更に好ましくは50.0質量%以上、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは80.0質量%以下、更に好ましくは70.0質量%以下である。
【0039】

本発明の第2剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、3級アミン型カチオン性界面活性剤及び酸化剤以外に、後述する他の成分を含んでいてもよい。
【0040】

[第1剤(第1剤組成物)]

(酸化染料)

第1剤は酸化染料を含まないか又は含む。第1剤が酸化染料を含む場合、第1剤と第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤は、酸化染毛剤である。第1剤が酸化染料を含まない場合、第1剤と第2剤とを少なくとも備える多剤式の毛髪処理剤は、脱色剤である。「酸化染料」とは、自身の酸化重合により発色する酸化染料前駆体と、酸化染料前駆体との反応により種々の色に発色させるカップラーとの双方を意味する。上記酸化染料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0041】

上記酸化染料前駆体としては、フェニレンジアミン化合物、アミノフェノール化合物及びジアミノピリジン化合物、並びにこれらの塩類等が挙げられる。該塩類としては、塩酸塩及び硫酸塩等が挙げられる。
【0042】

上記フェニレンジアミン化合物としては、p-フェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、トルエン-3,4-ジアミン、2,5-ジアミノアニソール、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、6-メトキシ-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-2-メチル-p-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-6-メチル-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,6-ジクロロ-p-フェニレンジアミン、及び2-クロロ-6-ブロモ-p-フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0043】

上記アミノフェノール化合物としては、パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノール、5-アミノサリチル酸、2-メチル-4-アミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、2,6-ジメチル-4-アミノフェノール、3,5-ジメチル-4-アミノフェノール、2,3-ジメチル-4-アミノフェノール、2,5-ジメチル-4-アミノフェノール、2-クロロ-4-アミノフェノール、及び3-クロロ-4-アミノフェノール等が挙げられる。
【0044】

上記ジアミノピリジン化合物としては、2,5-ジアミノピリジン等が挙げられる。
【0045】

上記カップラーとしては、レゾルシン、m-アミノフェノール、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、5-アミノ-o-クレゾール、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,6-ジアミノピリジン、カテコール、ピロガロール、α-ナフトール、没食子酸、及びタンニン酸、並びにこれらの塩類等が挙げられる。
【0046】

第1剤が酸化染料を含む場合、第1剤100質量%中、酸化染料の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。上記酸化染料の含有量が上記下限以上であると、染毛力がより一層高くなる。上記酸化染料の含有量が上記上限以下であると、皮膚刺激が少なくなる。
【0047】

(アルカリ剤)

第1剤はアルカリ剤を含む。アルカリ剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0048】

上記アルカリ剤としては、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0049】

第1剤100質量%中、アルカリ剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは25.0質量%以下である。上記アルカリ剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、混合剤のpHを好適な範囲内に調整しやすくなり、混合剤の粘度を好適な範囲とすることができ、毛髪への付着性及び塗布性をより一層高めることができる。
【0050】

(還元剤)

第1剤が酸化染料を含む場合には、第1剤は還元剤を含むことが好ましい。第1剤が還元剤を含むことにより、第1剤が大気暴露された際に、酸化染料の発色が効果的に抑えられる。還元剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0051】

上記還元剤としては、N-アセチル-L-システイン、L-アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、及びチオグリコール酸等が挙げられる。これらの塩を用いてもよい。
【0052】

第1剤100質量%中、還元剤の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。上記還元剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、第1剤が大気暴露された際の酸化染料の発色をより一層効果的に抑えることができる。
【0053】

(水)

第1剤は、水を含むことが好ましい。上記水は、精製水であることが好ましい。
【0054】

第1剤100質量%中、水の含有量は、第1剤を収容する容器の種類及び目的とする第1剤の性状等により適宜調整することができるが、好ましくは20.0質量%以上、より好ましくは40.0質量%以上、好ましくは98.0質量%未満、より好ましくは90.0質量%以下である。水の含有量が上記下限及び上記上限を満足すると、べたつきを効果的に低減できる。
【0055】

上記第1剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化染料、アルカリ剤、及び還元剤以外に、後述する他の成分を含んでいてもよい。
【0056】

(第1剤及び第2剤の他の詳細)

第1剤及び第2剤は、上述した成分以外の他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、エタノール等の炭素数2~5の低級アルコール;グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等の多価アルコール;ソルビトール、マルチトール及びトレハロース等の糖アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール等の炭素数12~18の高級アルコール;パルミチン酸イソプロピル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸ポリグリセリル等のエステル油;流動パラフィン、ワセリン、スクワレン、スクワラン等の炭化水素油;オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アボカド油等の油脂;カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ;シリコーン油;3級アミン型カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤;エデト酸二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、及びリン酸等の安定剤;金属イオン封鎖剤;酸化防止剤;植物抽出エキス;染料;顔料;pH調整剤;香料;防腐剤;溶剤等が挙げられる。
【0057】

第1剤及び第2剤の性状は、特に限定されず、液状、ジェル状、及びクリーム状のいずれであってもよい。第1剤の性状は、液状、ジェル状又はクリーム状であることが好ましい。本発明の第2剤の性状は、液状、ジェル状又はクリーム状であることが好ましく、クリーム状であることがより好ましい。なお、第1剤がアルカリ剤を含んでいれば、第1剤の性状は特に限定されない。第2剤が3級アミン型カチオン性界面活性剤及び酸化剤を含んでいれば、第2剤の性状は特に限定されない。
【0058】

本発明の第2剤の25℃における粘度は、第2剤を収容する容器の種類及び目的とする第2剤の性状等により適宜調整することができるが、好ましくは1000mPa・s以上、より好ましくは8000mPa・s以上、好ましくは30000mPa・s以下、より好ましくは20000mPa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、第1剤と第2剤とをより一層良好に混合することができる。
【0059】

上記第1剤の25℃における粘度は、第1剤を収容する容器の種類及び目的とする第1剤の性状等により適宜調整することができるが、好ましくは1000mPa・s以上、より好ましくは8000mPa・s以上、好ましくは50000mPa・s以下、より好ましくは30000mPa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、第1剤と第2剤とをより一層良好に混合することができる。
【0060】

上記粘度は、粘度計を用いて、No.4ローターを使用して回転速度12rpm、回転時間1分間の条件で測定される。上記粘度計としては、東機産業社製、TV-25型粘度計を使用可能である。
【0061】

本発明の第2剤のpHは、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、好ましくは4.5以下、より好ましくは3.5以下である。上記pHが上記下限以上であると、酸化剤(過酸化水素)の安定性が向上する。上記pHが上記上限以下であると、第2剤の25℃における粘度を上記の好適な範囲内に調整しやすくなり、第1剤と第2剤とをより一層良好に混合することができる。
【0062】

上記第1剤のpHは、好ましくは7以上、より好ましくは8以上、好ましくは12以下、より好ましくは11以下である。上記pHが上記下限以上であると、第1剤に含まれるアルカリ剤の作用により混合剤のpHが高くなるため、3級アミン型カチオン性界面活性剤による増粘効果がより効果的に発揮される。その結果、混合剤の粘度が高くなり、毛髪への付着性をより一層高めることができる。上記pHが上記上限以下であると、皮膚刺激が少なくなる。
【0063】

第1剤及び第2剤の製造方法としては、公知の第1剤及び第2剤の製造方法を採用することができる。第1剤及び第2剤の製造方法としては、例えば、各成分をパドルミキサー等で撹拌して均一化する方法等が挙げられる。
【0064】

(毛髪処理剤の詳細)

本発明の毛髪処理剤は、上記第1剤と上記第2剤とを少なくとも備える。すなわち、本発明の毛髪処理剤は、酸化染料を含まないか又は含みかつアルカリ剤を含む第1剤と、上述した毛髪処理剤用の第2剤とを備える。本発明の毛髪処理剤は、上記第1剤と上記第2剤とを少なくとも備える毛髪処理剤キットである。
【0065】

本発明の毛髪処理剤は、上記第1剤及び上記第2剤に加えて、第3剤(第3剤組成物)をさらに備えていてもよい。第3剤としては、脱色剤、ヘアリンス剤、ヘアトリートメント剤及びヘアコンディショニング剤等が挙げられる。また、本発明の毛髪処理剤は、脱色剤等の第3剤と、ヘアリンス剤、ヘアトリートメント剤又はヘアコンディショニング剤等の第4剤(第4剤組成物)とを備えていてもよい。
【0066】

操作性に優れることから、本発明の毛髪処理剤は、上記第1剤と上記第2剤とを備える2剤式の毛髪処理剤であることが好ましい。
【0067】

本発明の第2剤及び第1剤は、容器に収容された形態で保存したり、用いたりできる。上記容器としては、例えば、ポリ容器、アルミニウムチューブ容器、パウチ容器及びエアゾール容器等が挙げられる。上記容器は、特に限定されないが、利便性を高める観点からは、エアゾール容器であることが好ましい。
【0068】

本発明の毛髪処理剤は、上記第1剤と上記第2剤とを混合して、又は、上記第1剤と上記第2剤とその他の成分(例えば第3剤等)とを混合して、混合剤を作製した後、得られる混合剤を毛髪に塗布して用いられる。本発明の毛髪処理剤は、混合されて混合剤として用いられる。
【0069】

上記混合剤の性状は、特に限定されず、液状、ジェル状、ワックス状及びクリーム状のいずれであってもよい。混合剤の毛髪への付着性を効果的に高める観点からは、上記混合剤の性状は、ジェル状又はクリーム状であることが好ましい。
【0070】

上記混合剤の25℃における粘度は、混合剤の混合方法や性状により適宜調整することができるが、好ましくは13000mPa・s以上、より好ましくは15000mPa・s以上、好ましくは40000mPa・s以下、より好ましくは35000mPa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、毛髪への付着性及び塗布性を高めることができる。
【0071】

上記粘度は、粘度計を用いて、No.4ローターを使用して回転速度12rpm、回転時間1分間の条件で測定される。上記粘度計としては、東機産業社製、TV-25型粘度計を使用可能である。
【0072】

上記混合剤のpHは、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、好ましくは11以下、より好ましくは10以下である。上記pHが上記下限以上であると、混合剤の25℃における粘度を上記の好適な範囲内に調整しやすくなり、毛髪への付着性及び塗布性を高めることができる。上記pHが上記上限以下であると、皮膚刺激が少なくなる。
【0073】

第1剤と第2剤とを混合する際の混合比は、特に限定されない。第1剤と第2剤とを良好に混合する観点からは、第1剤1gに対して第2剤を、好ましくは0.5g以上、より好ましくは1g以上、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下で混合することが好ましい。
【0074】

第1剤の25℃における粘度をηmPa・s、第2剤の25℃における粘度をηmPa・sとし、該第1剤1gに対して該第2剤をXgで混合して得られた混合剤の25℃における粘度をηmPa・sとする。このとき、下記式で求まる比Aは、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.4以上、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下である。上記比Aが上記下限以上であると、3級アミン型カチオン性界面活性剤による増粘効果がより発揮され、混合剤の粘度が高くなり、毛髪への付着性をより一層高めることができる。上記比Aが上記上限以下であると、第1剤と第2剤とをより良好に混合することができる。なお、上記比Aが上記上限を超えていても、第1剤と第2剤との混合性は低下しない。
【0075】

比A=(1+X)×η/{(1×η)+(X×η)}
【0076】

(毛髪処理剤を用いた毛髪の処理方法)

本発明の毛髪処理剤を用いて、毛髪の脱色又は染色をすることができる。
【0077】

上記毛髪処理剤を用いた毛髪の処理方法は、上記毛髪処理剤を混合して混合剤を得る第1の工程と、該混合剤を毛髪に塗布する第2の工程とを備えることが好ましい。上記毛髪処理剤を用いた毛髪の処理方法は、上記第1剤と上記第2剤とを混合して混合剤を得る第1の工程と、該混合剤を毛髪に塗布する第2の工程とを備えることが好ましい。
【0078】

毛髪への付着性及び塗布性を高める観点から、上記第1の工程で得られる混合剤のpHは、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、好ましくは11以下、より好ましくは10以下である。上記第1の工程では、得られる混合剤のpHが上記の好ましい範囲となるように毛髪処理剤(第1剤と第2剤)を混合することが好ましい。
【0079】

上記第2の工程における塗布の方法は特に限定されない。塗布の方法としては、保護手袋を着用した手で塗布する方法、並びに、櫛及びブラシ等の塗布器具を用いて塗布する方法等が挙げられる。
【0080】

染毛効果又は脱色効果を高める観点から、上記毛髪の処理方法は、上記混合剤が毛髪に塗布された状態で放置する第3の工程を備えることが好ましい。染毛効果又は脱色効果をより一層高める観点から、上記第3の工程での放置する時間は、好ましくは5分以上、好ましくは30分以下である。
【実施例
【0081】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。なお、以下の実施例1,2は参考例である。
【0082】

実施例及び比較例において、第1剤及び第2剤の調製には下記の成分を用いた。
【0083】

[第1剤]

(酸化染料)

パラフェニレンジアミン

パラアミノフェノール

レゾルシン
【0084】

(アルカリ剤)

モノエタノールアミン

炭酸水素アンモニウム

28%アンモニア水
【0085】

(還元剤)

L-アスコルビン酸ナトリウム

無水亜硫酸ナトリウム
【0086】

(水)

精製水
【0087】

(他の成分)

セタノール

ポリオキシエチレンセチルエーテル(5E.O.):オキシエチレン基の平均付加モル数5、アルキル基の炭素数16

ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.):オキシエチレン基の平均付加モル数20、アルキル基の炭素数16

流動パラフィン

1,3-ブチレングリコール

エデト酸二ナトリウム
【0088】

[第2剤]

(3級アミン型カチオン性界面活性剤)

ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド

ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド

ステアリン酸ジメチルアミン
【0089】

(3級アミン型カチオン性界面活性剤に相当しない成分)

塩化ステアリルトリメチルアンモニウム:4級アミン型カチオン性界面活性剤

塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム:4級アミン型カチオン性界面活性剤
【0090】

(酸化剤)

過酸化水素
【0091】

(水)

精製水
【0092】

(他の成分)

セタノール

ポリオキシエチレンセチルエーテル(5E.O.):オキシエチレン基の平均付加モル数5、アルキル基の炭素数16

ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.):オキシエチレン基の平均付加モル数20、アルキル基の炭素数16

流動パラフィン

ジプロピレングリコール

ピロリン酸四ナトリウム

リン酸
【0093】

(実施例1~16及び比較例1~4)

第1剤及び第2剤の調製:

下記の表1~4に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、第1剤及び第2剤を調製した。表中の配合量(第1剤100質量%中の配合量、及び第2剤100質量%中の配合量)は、28%アンモニア水を除いて純分の配合量(単位:質量%)で示した。なお、表中の28%アンモニア水はアンモニアの配合量ではなく、28%アンモニア水の配合量で示した。
【0094】

混合剤の調製:

下記の表1~4に示す第1剤と第2剤との組み合わせにおいて、得られた第1剤1gに対して、得られた第2剤を1gで混合し、専用のはけを用いて第1剤と第2剤とが完全に混ざるまで撹拌し、混合剤を得た。
【0095】

(評価)

得られた第1剤、第2剤、及び混合剤について、以下の評価を行った。評価結果は表1~4中に示した。
【0096】

(試験例1:pH)

pHメーター(堀場製作所社製「F-74」)を用いて、得られた第1剤、第2剤、及び混合剤のpHを測定した。
【0097】

(試験例2:粘度)

得られた第1剤、第2剤、及び混合剤の25℃における粘度を測定した。また、測定した第1剤の25℃における粘度η、第2剤の25℃における粘度η、混合剤の25℃における粘度ηから、比A((1+X)×η/{(1×η)+(X×η)})の値を求めた。なお、第1剤1gに対して、第2剤を1gで混合している実施例1~16及び比較例1~4においては、Xは1である。
【0098】

なお、粘度は、TV-25型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.4ローターを使用して回転速度12rpm、回転時間1分間の条件で測定した。
【0099】

(試験例3:混合性)

得られた第1剤15gと得られた第2剤15gとを混合し、専用のはけを用いて30秒間撹拌した。撹拌後の混合状態を専門パネル3名が目視にて観察し、協議して評価結果を決定した。
【0100】

<混合性の評価基準>

○○(かなり良好):不均一な部分がなく、完全に混合している

○(良好):不均一な部分がほぼなく、ほぼ完全に混合している

△(やや良好):不均一な部分が一部残っている

×(不良):不均一な部分が多く残っている
【0101】

(試験例4:毛髪への付着性)

得られた混合剤5gを、専用のはけを用いて、水平に置いた10cmの平毛束(ビューラックス社製)に塗布した後、毛束を垂直に置き、3分間観察した。毛髪への付着性を以下の基準で判定した。
【0102】

<毛髪への付着性の評価基準>

○○(かなり良好):塗布後3分間で混合剤が毛髪から垂れ落ちず、かつ毛髪上での移動がない

○(良好):塗布後3分間で混合剤が毛髪上で下部へ2cm未満で移動している

△(やや良好):塗布後1分間で混合剤が毛髪上で下部へ2cm以上、10cm未満で移動しており、かつ塗布後3分間で混合剤が毛髪から垂れ落ちない

×(不良):塗布後3分間で混合剤が毛髪から垂れ落ちる
【0103】

(試験例5:コンディショニング性)

得られた混合剤20gを、専用のはけを用いて、平毛束10gの毛髪に均一に塗布した。塗布後12分間放置した後、水洗を行った。水洗時のコンディショニング性を以下の基準で判定した。専門パネル3名が協議して評価結果を決定した。
【0104】

<コンディショニング性の評価基準>

○○(かなり良好):きしみを感じない

○(良好):きしみをわずかに感じる

△(やや良好):きしみを少し感じる

×(不良):きしみを強く感じる
【0105】

第1剤及び第2剤の組成、並びに結果を下記の表1~4に示す。
【0106】

【表1】
【0107】

【表2】
【0108】

【表3】
【0109】

【表4】