(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ベンチュリ効果によるミルク乳化装置並びに同装置を用いた泡あり及び泡なしホットミルクの製造方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A47J31/44 410
(21)【出願番号】P 2019537880
(86)(22)【出願日】2017-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2017074367
(87)【国際公開番号】W WO2018060191
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-04-29
(31)【優先権主張番号】102016000096851
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514166780
【氏名又は名称】デロンギ アップリアンチェース エッセ.エッレ.エッレ.
【氏名又は名称原語表記】DE’LONGHI APPLIANCES S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デロンギ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンジェリスティ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】パンチェーラ,アントニオ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/078858(WO,A1)
【文献】特開平10-052369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ボディ(13、130)を含むミルク乳化装置(1、100)であって、
ベンチュリ効果によって動作する単一の混合室(140)であって、
単一の蒸気流入路(150)と、
ベンチュリ効果による単一のミルク吸引路(170)と、
チェックバルブ(190)が設けられたベンチュリ効果による単一の空気吸引路(180)と、
単一のミルク流出路(160)と
、に接続された単一の混合室(140)、
又は
ベンチュリ効果によって動作する第1の混合室(14)及
びベンチュリ効果によ
って動作する第2の混合室(19)であって、
第1の蒸気流入路(15)及
び第2の蒸気流入路(24)と、
第1のミルク流出路(16)及
び第2のミルク流出路(25)と、
ベンチュリ効果による第1のミルク吸引路(17)及
びベンチュリ効果による第2のミルク吸引路(26)と
、に接続され、
前記第1及び第2の混合室(14、19)の一方はベンチュリ効果によ
る空気吸引路(18)に更に接続されている、第1の混合室(14)及
び第2の混合室(19)
、と、
前記単一の流出路(160)又は前記第1及び前
記第2の流出路(16、25)に接続された単一の外部ミルク分配路(30、300)と、を呈し、
前記第2の蒸気流入路(24)、前記第2のミルク流出路(25)および前記第2のミルク吸引路(26)は、前記第2の混合室(19)に接続されており、
前記乳化装置(1、100)は、
ミルク流出部のサイズが異なる第1の泡ありホットミルクの分配動作構成及び第2の泡なしホットミルクの動作分配構成と、
前記乳化装置を前記第1及び前記第2の構成のどちらかに切り換えるように作動可能な再構成手段(34、35、320)と、を有し、
前記第1及び第2の混合室(14、19)は同じ構造及び容積を有する、又は
前記再構成手段(320)は、前記単一の流出路(160)の流出部の部分化部材を含む、ミルク乳化装置(1、100)。
【請求項2】
前記再構成手段(34、35)は、前記第1又
は第2の流入路(15、24)に蒸気流を選択的に供給するために駆動されるバルブ手段である請求項1に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項3】
前記第1及
び第2の流入路(15、24)は同じ出口部(20、27)を有する請求項2に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項4】
前記第1及
び第2の流出路(16、25)は、異なる入口部(21、28)を有する請求項2及び3のいずれか一項に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項5】
前記第1及
び第2のミルク吸引路(17、26)は同じ出口部(22、29)を有する請求項2から4のいずれか一項に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項6】
前記第1の蒸気流入路(15)は前記第1のミルク流出路(16)と同軸であり、前記第2の蒸気流入路(24)は前記第2のミルク流出路(25)と同軸である請求項2から5のいずれか一項に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項7】
前記第1の流出路(16)と前記外部分配路(30)との間に配置された第1の後混合室(31)と、前記第2の流出路(25)と前記外部分配路(30)との間に配置された第2の後混合路(32)と、を含む請求項2から6のいずれか一項に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項8】
前記単一の外部分配路(30)は配向可能である請求項1から7のいずれか一項に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項9】
前記単一の蒸気流入路(150)は前記単一のミルク流出路(160)と同軸である請求項1に記載のミルク乳化装置(100)。
【請求項10】
前記単一の流出路(160)と前記外部分配路(300)の間に配置された後混合室(310)を含む請求項1または9に記載のミルク乳化装置(1)。
【請求項11】
より広い面積のミルク流出部が第1の構成に対応する請求項1から10のいずれか一項に記載のミルク乳化装置(1、100)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の
ミルク乳化装置(1、100)に接続されたコーヒーマシン(2、240)。
【請求項13】
混合室内に蒸気流を送ってベンチュリ効果によってミルク及び空気又はミルクのみを吸引するのに適したベンチュリ効果乳化装置を用いた泡あり又は泡なしホットミルクの製造方法であって、泡ありホットミルクの製造サイクルと泡なしホットミルクの製造サイクルとを、等しい継続時間の等しい蒸気流を、容積が等しく、構造が等しく、ミルクの入口部は等しいが、ミルクの流出部が異なる混合室内に供給することによって実施する、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はミルク乳化装置及びミルク乳化装置を組み込んだコーヒーマシンに関する。
【0002】
ミルク乳化装置としては、コーヒーマシンが供給する水蒸気源に接続されたものが知られている。
【0003】
乳化装置は全般的に、ベンチュリ効果によって動作する混合室を有している。混合室は、蒸気流入路と、ベンチュリ効果によるミルク吸引路と、チェックバルブが設けられたベンチュリ効果による空気吸引路と、外部ミルク流出路とに接続され、外部ミルク流出路自体はミルクの外部分配路に接続されている。
【0004】
乳化装置は泡あり又は泡なしホットミルクを調製することができる。
【0005】
泡なしホットミルクを作るためには、チェックバルブを閉じて、混合室内に空気が吸引されることを防ぐ。
【0006】
泡ありホットミルクを作るためには、反対にチェックバルブを開ける。
【0007】
この乳化装置では、全般的に、泡ありホットミルクの分配サイクルと泡なしホットミルクの製造サイクルは同等の長さであり、同じ蒸気流を用いて行われる。
【0008】
このタイプの乳化装置の欠点の1つは、カップ内に得られる泡なしホットミルクの温度が泡ありホットミルクよりも低いという事実にある。
【0009】
実際問題として、乳化装置は全般的に、温度が60~70℃を上回る泡なしホットミルクを作ることはできない。
【0010】
これは、蒸気流が供給されるときに、ミルク、及び、可能性として、ベンチュリ効果により空気を吸引するのに有用な低圧が、混合室内に形成されるという事実によって説明される。混合室内に形成される低圧によって、吸引空気流が減少すると増加するミルクの流れの吸引が決定される。吸引空気流自体はチェックバルブの状態に依存する。蒸気流と混合する吸引ミルクの流れが大きくなるほど、カップ内のミルクの最終温度は低くなる。
【0011】
したがって、本発明の技術的課題は、従来技術の前述した技術的な欠点を未然に防ぐことを可能にするミルク乳化装置を提供することである。
【0012】
この技術的課題の範囲において、本発明の目的は、泡ありホットミルクのそれと実質的に等しい温度を有する泡なしホットミルクの分配を、分配サイクルを行うための時間又は使用する蒸気流の実体を変更することなく行えるミルク乳化装置を提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は、泡ありホットミルクのそれと実質的に等しい温度を有する泡なしホットミルクの分配を、蒸気以外の他の加熱手段を用いることなく行えるミルク乳化装置を提供することである。
【0014】
更なるしかし最後でない本発明の目的は、最適温度を有する種々のミルクベースの飲料の製造を可能にするミルク乳化装置を提供することである。
【0015】
本発明による技術的課題並びにこれら及び他の目的は、中空ボディを含むミルク乳化装置であって、ベンチュリ効果によって動作する単一の混合室であって、単一の蒸気流入路と、ベンチュリ効果による単一のミルク吸引路と、チェックバルブが設けられたベンチュリ効果による単一の空気吸引路と、単一のミルク流出路とに接続された単一の混合室、又はベンチュリ効果によって動作する第1の混合室及びそれぞれ少なくともベンチュリ効果による第2の混合室であって、第1の蒸気流入路及びそれぞれ少なくとも第2の蒸気流入路と、第1のミルク流出路及びそれぞれ少なくとも第2のミルク流出路と、ベンチュリ効果による第1のミルク吸引路及びそれぞれ少なくともベンチュリ効果による第2のミルク吸引路とに接続され、ベンチュリ効果による第1及び第2の混合室の一方はベンチュリ効果によるそれぞれの空気吸引路に更に接続されている、第1の混合室及び少なくとも第2の混合室と、単一の流出路又は少なくとも第2の流出路に接続された単一の外部ミルク分配路と、を有し、乳化装置は、ミルク流出部のサイズが異なる第1の泡ありホットミルクの分配動作構成及び第2の泡なしホットミルクの動作分配構成と、及び第2の分配動作構成と、乳化装置を第1及び前記第2の構成のどちらかに切り換えるように作動可能な再構成手段と、を有するミルク乳化装置を形成することによって実現する。
【0016】
空気流が吸引されない泡なしホットミルクの製造サイクルでは、より大きいサイズを有する流出部が有利に動作するのに対し、空気流が吸引される泡ありホットミルクの製造サイクルでは、より小さいサイズの流出部が動作する。
【0017】
実際問題として、他のすべての偶発的条件が等しいならば、泡なしホットミルクの製造サイクルにおいて動作するより大きい流出部に起因する吸引ミルクの実体に対する効果が、泡ありミルクの製造サイクルにおける吸引空気の流れに起因する吸引ミルクの実体に対する効果を償うため、泡ありホットミルクの製造サイクル及び泡なしホットミルクの製造サイクルの両方において、実質的に同じミルクの流れが吸引されて、カップ内に分配される泡あり又は泡なしホットミルクの温度が実質的に同じとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の更なる特徴及び優位点は、非限定的な例として添付の図面図に例示する本発明によるミルク乳化装置の好ましいが排他的でない実施形態の記載からより十分に明らかになる。
【
図1】乳化装置が付随するコーヒーマシンの前部の外側からの斜視図であり、外部分配路が静止位置にある図である。
【
図2】乳化装置が接続されたコーヒーマシンの前部の外側からの斜視図であり、外部分配路がカップ内に向けられている図である。
【
図3】乳化装置が外されたコーヒーマシンの前部の内部からの斜視図である。
【
図5】泡ありホットミルクの製造用に使用する混合室における垂直面に沿って断面を取った乳化装置の側面図である。
【
図6】泡なしホットミルクの製造用に使用する混合室における垂直面に沿って断面を取った乳化装置の側面図である。
【
図7】水平面に沿って断面を取った乳化装置の下方からの平面図である。
【
図8】水平面に沿って断面を取った乳化装置の下方からの平面図である。
【
図9】蒸気流入路における垂直面に沿って断面を取った乳化装置の背面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に関係する乳化装置の側面図であって、混合室における垂直面に沿って断面を取り、泡ありホットミルクの製造用に使用される構成で示す図である。
【
図11】請求項10の乳化装置の側面図であって、混合室における垂直面に沿って断面を取り、泡なしホットミルクの製造用に使用する構成で示す図である。
【0019】
最初は、
図1~9に言及して、ミルクの乳化装置1を例示する。これは、コーヒーマシン2に含まれる蒸気発生器3に接続可能である。
【0020】
乳化装置1は、ミルク容器12と、ミルク容器12に取り外し可能に嵌合される中空ボディ13とを含む。
【0021】
ミルク乳化機能と同様に、中空ボディ13は、ミルク容器12の閉鎖カバーとしても機能し、したがってミルク容器12のオープントップに適用される。
【0022】
中空ボディ13は、泡ありホットミルクの製造用のベンチュリ効果による第1の混合室14と、泡なしホットミルクの製造用のベンチュリ効果による第2の混合室19とを含んでいる。
【0023】
第1の混合室14は、第1の蒸気流入路15と、第1のミルク流出路16と、ミルク容器12内に位置するベンチュリ効果による第1のミルク吸引路17と、外部環境と連絡しているベンチュリ効果によるミルク吸引路18とに接続されている。
【0024】
第1の混合室14は、第1の蒸気流入路15の出口部20を含む第1の蒸気流入路15の端壁によって、第1のミルク流出路16の入口部21を含む第1のミルク流出路16の端壁によって、第1のミルク吸引路17の出口部22を含むベンチュリ効果による第1のミルク吸引路17の端壁によって、及び空気吸引路18の出口部23を含むベンチュリ効果による空気吸引路18の端壁によって区切られている。
【0025】
本発明では、経路の部分が言及されるときは、これは内部の部分に関すると理解される。
【0026】
第1の蒸気流入路15及び第1のミルク流出路16は水平軸に沿って延び、第1のミルク吸引路17は垂直軸とともに延びて、底部から第1の混合室14に接合する。一方で、空気吸引路18は、入口部を含む水平方向に延びる部分と、上部から第1の混合室14に接合する出口部23を含む垂直方向に延びる部分とを有する。
【0027】
第2の混合室19は、第2の蒸気流入路24と、第2のミルク流出路25と、ミルク容器12内に位置するベンチュリ効果による第2のミルク吸引路26とに接続されている。
【0028】
第2の混合室19は、第2の蒸気流入路24の出口部27を含む第2の蒸気流入路24の端壁によって、第2のミルク流出路25の入口部28を含む第2のミルク流出路25の端壁によって、及び第2のミルク吸引路26の出口部29を含むベンチュリ効果による第2のミルク吸引路26の端壁によって区切られている。
【0029】
泡ありホットミルクを作ることは要求されていないため、第1の混合室14とは異なり、第2の混合室19には空気吸引路は設けられていない。
【0030】
第2の蒸気流入路24及び第2のミルク流出路25は水平軸に沿って延び、第2のミルク吸引路26は垂直軸とともに延びて、底部から第2の混合室19に接合している。
【0031】
空気吸引路18、第1の蒸気流入路15、及び第2の蒸気流入路24は、例示するように、それぞれ第1のコンポーネント18a、15a、24aを有している。第1のコンポーネント18a、15a、24aは、コーヒーマシン2によって固定的に支持されて、中空ボディ13内に作られた対応する第2のコンポーネント18b、15b、24b内に封止的に取り外し可能に嵌合される。
【0032】
こうして、ミルク容器12とカバーとして働く中空ボディ13とをコーヒーマシン2から取り外して、それらを冷蔵庫内に置くか、それらを洗浄するか、容器を充填するか若しくは空にするか、又は容器の保守を行うことができる。
【0033】
第1のコンポーネント18a、15a、24aは、コーヒーマシン2によって支持されて、中空ボディ13によって支持された対応する第2のコンポーネント18b、15b、24bに接続することができ、コーヒーマシン2のケーシングの前壁5から外部に延びている。そこには、コントロールパネル8、コーヒー分配器9、及びカップ11に対する静止面10も有する。
【0034】
第1及び第2の混合室14、19は、同じ構造及び同じ容積を有し、また蒸気流入路15、24の出口部20、27と、ミルク流入路17、26の出口部22、29と、ミルク流出路16、25の入口部21、28とを有し、これらは、中空ボディ13の垂直方向の中間面33に関して対称に配置されている。
【0035】
第1の蒸気流入路15は、前記第1のミルク流出路16と同軸であり、同様に、第2の蒸気流入路24は第2のミルク流出路25と同軸である。
【0036】
第1及び第2の蒸気流入路15、24は、同じ寸法の出口部20、27を有し、特に、その断面は出口部20、27を含む末端部分において徐々に小さくなって、蒸気流を加速し、第1及び第2の混合室14、16の内部に、ミルク及び空気のベンチュリ効果による吸引を決定づける低圧を形成する。
【0037】
第1及び第2のミルク吸引路17、26も同じ出口部22、29を有している。
【0038】
特に、蒸気流入路15、24の断面とミルク流入路17、26の断面とは両方とも軸方向に同一である。
【0039】
説明する理由により、第1及び第2のミルク流出路16、25は有利に異なる断面を有する。
【0040】
第1のミルク流出路16及び第2のミルク流出路25は、より正確には、寸法が異なり、軸方向に徐々に一定に変化する断面を有する。
【0041】
特に、第2のミルク流出路25の断面の寸法は第1のミルク流出路16の断面よりも大きい。
【0042】
中空ボディ13は更に、第1のミルク流出路16と第2のミルク流出路25との両方に接続された単一の外部ミルク分配路30を含む。
【0043】
外部ミルク分配路30は、中空ボディ13の他の部分にヒンジ結合されていて、カップ11内に直接分配するように傾けて配向される動作位置と、下向き方向に垂直に分配するように配向される静止位置との間で回転する。
【0044】
第1の後混合室31が第1のミルク流出路16とミルクの外部分配路30との間に配置され、同様に第2の後混合室32が第2のミルク流出路25とミルクの外部分配路30との間に配置されている。
【0045】
第1の後混合室31の出口経路は入口経路に対してずれていて、同様に、第2の後混合路32の出口経路は入口経路に対してずれている。
【0046】
乳化装置1は有利に、第1の混合室14が選択的に作動する泡ありホットミルクの第1の分配動作構成と、第2の混合室19が選択的に作動する泡なしホットミルクの第2の動作分配構成と、第1及び第2の構成を切り換えるように作動可能な再構成手段とを有している。
【0047】
再構成手段は、蒸気流を第1の蒸気流入路15又は第2の蒸気流入路24に選択的に分配するバルブ手段を遮断することによって形成される。
【0048】
バルブ手段は好ましくは、第1の蒸気流入路15の第1のコンポーネント15a上に取り付けられた第1のバルブ34と、第2の流入路24の第1のコンポーネント24a上に取り付けられた第2のバルブ24aとを含む。
【0049】
実質的には、バルブ34、35はコーヒーマシン2の電子制御装置によって案内されるため、ユーザが泡ありホットミルクの製造サイクルを選択すると、バルブ34が開きバルブ35が閉じて第1の混合室14が動作し、他方、ユーザが泡なしホットミルクの製造サイクルを選択すると、バルブ35が開きバルブ34が閉じて第2の混合室19が動作する。
【0050】
泡ありホットミルクの分配サイクルと泡なしホットミルクの分配サイクルとを、同じ蒸気流を用いて同じ継続時間で行う結果、カップ内に、実質的に同じ温度を有する生成物が得られる。
【0051】
実際には、泡ありホットミルクの分配サイクルでは、第1の混合室14内にミルクを吸引するのに有用な低圧の実体は、第1の混合室内の吸引空気流の存在によって限定される。泡なしホットミルクの分配サイクルでは、第2の混合室19内にミルクを吸引するのに有用な実質的に同じ低圧の実体を有するように、ミルク流出路の寸法25を意図的に大きくしてある。泡ありホットミルクの製造サイクルの間の動作中の第1の混合室と、泡なしホットミルクの製造サイクルの間の動作中の第2の混合室とにおいて、実質的に同じ低圧の実体が確立されるため、吸引ミルクの流れは実質的に同じであり、結果として、吸引ミルクの流れが蒸気流と混合する割合は実質的に同じであり、その結果、カップ内の最終生成物は実質的に同じ温度となる。
【0052】
最初に、
図10及び11に例示した乳化装置の第2の実施形態に言及する。
【0053】
中空ボディ130は、泡ありホットミルクの製造及び泡なしホットミルクの製造の両方に対するベンチュリ効果による単一の混合室140を含む。
【0054】
混合室140は、蒸気流入路150と、ミルク流出路160と、ミルク容器120内に位置するベンチュリ効果によるミルク吸引路170と、外部環境と連絡しているベンチュリ効果によるチェックバルブ190が設けられた空気吸引路180とに接続されている。
【0055】
混合室140は、第1の蒸気流入路150の出口部200を含む蒸気流入路150の端壁により、第1のミルク流出路160の入口部210を含むミルク流出路160の端壁により、ベンチュリ効果によるミルク吸引路170の出口部220を含むベンチュリ効果によるミルク吸引路170の端壁により、ベンチュリ効果による空気吸引路180の出口部230を含むベンチュリ効果による空気吸引路180の端壁により、区切られている。
【0056】
蒸気流入路150及びミルク流出路160は水平軸に沿って延び、ミルク吸引路170は垂直軸とともに延びて、底部から混合室140に接合し、一方で、空気吸引路180は、入口部を含む水平方向に延びる部分と、上部から第1の混合室140に接合する出口部を含む垂直方向に延びる部分とを有する。
【0057】
空気吸引路180及び蒸気流入路150は、例示するように、それぞれ第1のコンポーネント180a、150aを有している。第1のコンポーネント180a、150aは、コーヒーマシン240によって固定的に支持されて、中空ボディ130内に作られた対応する第2のコンポーネント180b、150bに封止的に嵌合されている。
【0058】
こうして、ミルク容器120とカバーとして働く中空ボディ130とをコーヒーマシン240から取り外して、それらを冷蔵庫内に置くか、それらを洗浄するか、容器を充填するか若しくは空にするか、又は容器の保守を行うことができる。
【0059】
第1のコンポーネント180a、150aは、コーヒーマシン240によって支持されて、中空ボディ130によって支持された対応する第2のコンポーネント180b、150bに接続することができ、コーヒーマシン240のケーシングの前壁250から外部に延び、そこにはコントロールパネル、コーヒー分配器、及びカップに対する静止面260も有する。
【0060】
単一の蒸気流入路150は前記単一のミルク流出路160と同軸である。
【0061】
蒸気流入路150は、出口部200を含む末端部分において徐々に断面が小さくなり、蒸気流を加速し、混合室140の内部に、ミルク及び空気のベンチュリ効果による吸引を決定づける低圧を形成する部を有している。
【0062】
中空ボディ130は更に、ミルクの外部分配路300を含む。
【0063】
後混合室310はミルク流出路160とミルクの外部分配路300との間に配置されている。
【0064】
第1の後混合室310の出口経路は入口経路に対してずれている。
【0065】
乳化装置100は有利に、チェックバルブ190が開いてミルク流出部がある寸法を有する第1の泡ありホットミルクの分配動作構成と、チェックバルブが閉じてミルク流出部が第1の構成と比べて大きい寸法を有する第2の泡なしホットミルクの動作分配構成と、第1及び第2の構成との間で切り換えるように作動可能な再構成手段とを有する。
【0066】
図10、11の実施形態における再構成手段は、ミルク流出路160の部分の部分化部材320によって形成されている。
【0067】
部分化部材320は、嵌合位置とそこからの嵌合解除位置との間でミルク流出路160の軸に従って平行移動可能である。
【0068】
部分化部材320は、後混合室310を形成する同じ部分330上に作られている。
【0069】
この部分330は円柱状構造を有し、外部分配路300の回転可能な支持ピンとして働く。
【0070】
構成の選択は、部分化部材320との平行移動と一体化した、外部分配路330に対する引っ張る行為又は押し込む行為によって手動で行うことができる。
【0071】
泡ありホットミルクの分配サイクルと泡なしホットミルクの分配サイクルとを、同じ蒸気流量及び継続時間で行う結果、カップ内に、実質的に同じ温度を有する生成物が得られる。
【0072】
実際には、泡ありホットミルクの分配サイクルでは、混合室内にミルクを吸引するのに有用な低圧の実体は、第1の混合室内の吸引空気流の存在によって制限される。泡なしホットミルクの分配サイクルでは、吸引空気流がない場合に混合室内にミルクを吸引するのに有用な、実質的に同じ低圧の実体を有するように、ミルク流出路の寸法は意図的に大きくしてある。実質的に同じ低圧の実体が混合室内に形成されるため、吸引ミルクの流れは2つの分配サイクルにおいて実質的に同じであり、結果として、吸引ミルクの流れが蒸気流と混合する割合は実質的に同じであり、その結果、カップ内の最終生成物は実質的に同じ温度となる。
【0073】
本明細書で想到される乳化装置は、すべて本発明の考え方の範囲内である多くの変更及び変形を受け入れる余地がある。更に、詳細はすべて、技術的に同等な要素と取り替え可能である。
【0074】
最後に、使用する材料、並びに寸法は、必要性及び最新の技術に従って任意なものにすることができる。