(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】WCDシステム警告発行及び解決
(51)【国際特許分類】
A61N 1/39 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A61N1/39
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019187852
(22)【出願日】2019-10-11
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】518039028
【氏名又は名称】ウェスト・アファム・ホールディングス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】WEST AFFUM HOLDINGS CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100114797
【氏名又は名称】平野 竜男
(72)【発明者】
【氏名】ゾイ・アール・イングマン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ピー・フィンチ
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ・エル・サリバン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・エム・ロウン
(72)【発明者】
【氏名】パメラ・エフ・ブレスキー
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-525410(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03434326(EP,A1)
【文献】特表2014-517716(JP,A)
【文献】特開2020-014659(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0116537(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用型除細動器(WCD)であって、
患者によって着用されるように構成された支持構造と、
前記支持構造に結合されたプロセッサと、
電荷を貯蔵するように構成され、前記プロセッサと通信するエネルギー貯蔵モジュールと、
前記エネルギー貯蔵モジュールに結合され、前記プロセッサと通信し、前記患者の身体を通して前記貯蔵された電荷を放電するように構成された放電回路とを含み、
前記プロセッサが、
前記WCDにおいて、
システムイベント又は健康イベントを含むイベントを検出し、
前記検出されたイベントが、患者の健康リスクがないため生命を脅かす状態に分類されないことを決定し、
前記検出されたイベント
の分類を決定し、
前記イベント分類
に基づいて、前記
分類されたイベントのアラーム開始時間を決定し、
前記アラーム開始時間の後に前記アラームを発
し、
前記イベント分類に基づいて、発されたアラームを停止するための停止時間を決定し、
前記発されたアラームを停止する
よう
に構成される、WCD。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記検出されたイベントが終了したかを判定し、
前記イベントの終
了に基づいて、前記
発されたアラームを停止するための
停止時間を決定する
ようにさらに構成される、請求項1に記載のWCD。
【請求項3】
アルゴリズム検出、性能問題、又はそれらの組合せのうちの1つを使用して前記イベントを検出することをさらに含む、請求項1に記載のWCD。
【請求項4】
前記イベントを分類することが、前記イベントが
生命を脅かすものでない健康状態
、単一の決定要因を有する識別可能なイベントを含むバイナリイベント、又は
イベントが存在するかどうかを前記プロセッサが決定するための分析を必要とするイベントを含む不確定イベントのうちの1つであるかを決定すること
を含む、請求項1に記載のWCD。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記検出されたイベントの重大度を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載のWCD。
【請求項6】
前記開始時間が、前記イベントの前記決定された重大度
に基づく、請求項
5に記載のWCD。
【請求項7】
前記プロセッサが、性能問題のアルゴリズム検出を使用して
イベントが存在するかどうかを前記プロセッサが決定するための分析を必要とするイベントを含む不確定イベントを検出するようにさらに構成される、請求項1に記載のWCD。
【請求項8】
着用型除細動器(WCD)システムのためのアラームの開始時間を決定するための方法であって、前記方法が、
前記WCDにおいて
システムイベント又は健康イベントを含むイベントを検出することと、
前記検出されたイベントが、患者の健康リスクがないため生命を脅かす状態に分類されないことを決定することと、
前記検出されたイベント
の分類を決定することと、
前記イベント分類
に基づいて、前記
分類されたイベントのアラーム開始時間を決定することと、
前記アラーム開始時間の後に前記アラームを発することと
、
前記イベント分類に基づいて、発されたアラームを停止するための停止時間を決定することと、
前記発されたアラームを停止すること
を含む、前記方法。
【請求項9】
前記検出されたイベントが終了したかを決定することと、
前記イベントの終
了に基づいて、前記
発されたアラームを停止するための
停止時間を決定することと
をさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記WCDにおいて前記イベントを検出することが、アルゴリズム検出、性能問題、又はそれらの組合せのうちの1つを使用して前記イベントを検出することをさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記イベントを分類することが、前記イベントが
生命を脅かすものでない健康状態、
単一の決定要因を有する識別可能なイベントを含むバイナリイベント、又は
イベントが存在するかどうかを前記プロセッサが決定するための分析を必要とするイベントを含む不確定イベントのうちの1つであるかを決定することをさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記検出されたイベントの重大度を決定することをさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
性能問題のアルゴリズム検出を使用して
イベントが存在するかどうかを前記プロセッサが決定するための分析を必要とするイベントを含む不確定イベントを検出することをさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項14】
患者によって着用されるように構成された支持構造と、
前記支持構造に結合されたプロセッサと、
電荷を貯蔵するように構成され、前記プロセッサと通信するエネルギー貯蔵モジュールと、
前記エネルギー貯蔵モジュールに結合され、前記プロセッサと通信し、前記患者の身体を通して前記貯蔵された電荷を放電するように構成された放電回路とを含み、
前記プロセッサが、
アルゴリズム検出、性能問題、又はそれらの組合せのうちの1つを使用し
て、システムイベント又は健康イベントを含むイベントを検出し、
前記検出されたイベントを
単一の決定要因を有する識別可能なイベントであるバイナリイベント
として分類し、
前記
バイナリイベント分類
に基づいて、前記検出された
バイナリイベントのアラーム開始時間を決定し、
前記アラーム開始時間の後に前記アラームを発し、
前記検出された
バイナリイベントが終了したかを判定し
前記
バイナリイベントの終了及び前記
バイナリイベント分類
に基づいて、前記
発されたアラームを停止するための
停止時間を決定する
ように構成される、着用型除細動器(WCD)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心臓不整脈は、身体の様々な部分への血流を減少させ得る。いくつかの例では、不整脈は、人の心臓が突然かつ予想外に拍動を停止する突然心停止(SCA)をもたらす。これが起こると、血液は、脳及び他の重要な器官への流れを停止し得る。SCAは、行動が迅速に取られない限り、非常に速く、時には数分以内に死に至る可能性がある。
【0002】
SCAのリスクが高い人もいる。これは、他のリスク因子の中でも特に心臓発作、以前のSCA発症を有していた人々を含む。しばしば、これらの人々は、埋め込み型除細動器(ICD)の装着を勧められる。ICDは、人の心電図(ECG)を連続的に監視する、心臓に接続された小型電子デバイスである。ICDが特定のタイプの心臓不整脈又は異常を検出した場合、又は検出した時、ICDは、患者の心臓に電気パルス又はショックを送出する。
【0003】
患者は、ICDの推奨からICDの受け取りまでに一定の期間がある場合がある。暫定的な時間枠において、患者は、着用型除細動器(WCD)システムに適合し得る。WCDシステムは、患者によって装着され、他の構成要素の中でも特に、除細動器及び1つ又は複数の外部電極を含む。患者がWCDシステムを装着すると、WCDは、患者のECGを含むいくつかの患者パラメータを監視することができる。潜在的に生命を脅かす不整脈が検出された場合、除細動器が始動され準備されて、患者の身体を通して適切な電気ショックを送出するように準備することができ、これは心臓にもショックを与える。
【0004】
患者がWCDを与えられるとき、患者は、典型的には、システムが適切に機能していることを確実にするために、WCDから入力及び統計値を受信するために、及び必要なときにフィードバックを提供するために、システムと対話しなければならない。WCDは、警告又は状態インジケータを患者に提供することができる。
【文献】米国特許出願公開第2018/0221645号明細書
【文献】国際公開第2017/052535号
【文献】米国特許出願公開第2018/0289974号明細書
【文献】米国特許出願公開第2019/0030352号明細書
【発明の概要】
【0005】
この概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。 この概要は、特許請求される主題の重要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する助けとして使用されることを意図するものでもない。
【0006】
一実施形態では、WCDが説明される。WCDは、患者によって装着されるように構成された支持構造と、支持構造に結合されたプロセッサとを含む。WCDはまた、電荷を貯蔵するように構成され、プロセッサと通信するエネルギー貯蔵モジュールを含む。WCDはまた、エネルギー貯蔵モジュールに結合された放電回路を含み、放電回路はプロセッサと通信し、貯蔵された電荷を患者の身体を通して放電するように構成される。プロセッサは、WCDにおいてイベントを検出し、検出されたイベントを分類し、イベント分類に少なくとも部分的に基づいて、検出されたイベントのアラーム開始時間を決定するように構成される。プロセッサは、アラーム開始時間の後にアラームを発するようにさらに構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、検出されたイベントが終了したかどうかを判定するようにさらに構成される。プロセッサはまた、イベントの終了及びイベント分類に少なくとも部分的に基づいて、発せられたアラームを停止するための停止時間を決定し得る。いくつかの実施形態では、WCDにおいてイベントを検出することは、アルゴリズム検出、性能問題、又はそれらの組合せのうちの1つを使用してイベントを検出することを含み得る。一実施形態では、イベントを分類することは、イベントが健康状態、バイナリイベント、又は不確定イベントのうちの1つであるかどうかを決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、バイナリイベントは、単一の決定要因を有する識別可能なイベントであり得る。さらなる実施形態では、不確定イベントは、状態が存在するかどうかを決定するための分析を必要とする。一実施形態では、プロセッサは、検出されたイベントの重大度を決定するように構成される。いくつかの実施形態では、開始時間は、イベントの決定された重大度に少なくとも部分的に基づく。一実施形態では、プロセッサは、性能問題のアルゴリズム検出を使用して不確定イベントを検出するようにさらに構成され得る。さらなる実施形態では、開始時間は、物理的機器問題に関連付けられた警告条件のための物理的機器感知に少なくとも部分的に基づき得る。別の実施形態では、開始時間は、電気的機器問題に関連付けられた警告条件のための電気機器感知に少なくとも部分的に基づき得る。
【0008】
別の実施形態では、WCDシステムのためのアラームのための開始時間を決定するための方法が説明される。本方法は、WCDにおいてイベントを検出することを含む。本方法はまた、検出されたイベントを分類することを含む。本方法は、イベント分類に少なくとも部分的に基づいて、検出されたイベントのアラーム発生時間を決定することをさらに含む。本方法はまた、アラーム開始時間の後にアラームを発することを含む。
【0009】
別の実施形態では、WCDが説明される。WCDは、患者によって装着されるように構成された支持構造と、支持構造に結合されたプロセッサとを含む。WCDはまた、電荷を貯蔵するように構成され、プロセッサと通信するエネルギー貯蔵モジュールを含む。WCDはまた、エネルギー貯蔵モジュールに結合された放電回路を含み、放電回路はプロセッサと通信し、貯蔵された電荷を患者の身体を通して放電するように構成される。プロセッサは、アルゴリズム検出、性能問題、又はそれらの組合せのうちの1つを使用してイベントを検出するように構成される。プロセッサはまた、検出されたイベントを健康状態、バイナリイベント、又は不確定イベントのうちの1つとして分類し、イベント分類に少なくとも部分的に基づいて、検出されたイベントのアラーム開始時間を決定するように構成される。プロセッサは、アラーム開始時間の後にアラームを発し、検出されたイベントが終了したかどうかを判定し、イベントの終了及びイベント分類に少なくとも部分的に基づいて、発行されたアラームを停止するための停止時間を決定するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示によるサンプルWCDシステムの図である。
【
図2】
図2は、本開示による例示的な通知モジュールの図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施例による、
図1に示される環境の除細動器ユニットの実施例のブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示による、ユーザに通知を提供するための方法の実施例を図示する、フロー図である。
【
図5】
図5は、本開示による、ユーザに通知を提供するための方法の別の実施例を図示する、フロー図である。
【
図6】
図6は、本開示による、ユーザに通知を提供するための方法の別の実施例を図示する、フロー図である。
【
図7】
図7は、本開示による、ユーザに通知を提供するための方法の別の実施例を図示する、フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
同様の数字が同様の要素を参照する添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本開示の様々な実施形態の説明として意図され、唯一の実施形態を表すことは意図されない。本開示で説明される各実施形態は、単に例又は例示として提供され、他の実施形態を除外するものとして解釈されるべきではない。本明細書で提供される例示的な実施例は、網羅的であること、又は本開示を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。
【0012】
以下の説明では、本開示の例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が記載される。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、全ての具体的詳細を具現化することなく実践され得ることが、当業者に明白となるであろう。場合によっては、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセスことは詳細に説明されていない。さらに、本開示の実施形態は、本明細書で説明される特徴の任意の組み合わせを採用し得ることが理解されるであろう。
【0013】
着用型除細動器(WCD)は、突然心停止のリスクがある患者によって装着される。患者がWCDを装着すると、WCDは、患者アクションを必要とするシステム検出イベントをユーザに通知するために、又は検出された生理学的イベントをユーザ/傍観者に警告するために、警告を発することができる。警告は、デバイスステータス、機器、及び生理学的警告に関連し得る。警告は、厄介なもの、うんざりさせるもの、及び/又は遍在的なものとなり、患者に不快感をもたらす可能性がある。患者がWCDに頻繁に煩わされるようになった場合、患者はWCDの装着をやめるかもしれない。
【0014】
患者のいら立ちを減少させ患者のコンプライアンスを増加させるために、WCDは、警告の発行及び解決を遅延させて、WCDシステムが、患者に警告を発するか又は警告状態を停止する前に、それぞれ状態の存在又は解決を確認することを可能にすることを含み得る、ユーザインターフェース設計を実装し得る。警告の開始又は停止におけるこの遅延は、過渡状態をフィルタリングし、発せられた警告が注意を必要とするという患者の確信を提供し得る。同様に、患者は、警告状態が解決されたという確信を得ることができる。
【0015】
図1は、本明細書で説明する実施形態によるWCDシステム104の一例を装着している患者102を有するシステム100を示す。WCDシステム104は、構成部品の中でも特に、支持構造110、除細動電極114、116に接続された体外式除細動器118を含むことができる。
【0016】
支持構造110は、患者102によって装着され得る。支持構造110は、ベスト、シャツ、一連のストラップ、又は患者102が患者の身体上でWCDシステム104の少なくとも一部分を運ぶことを可能にする他のシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、支持構造110は、単一の構成部品を備えてもよい。例えば、支持構造110は、患者102の胴体112上にWCDシステム104を適切に配置するベスト又はシャツを含んでもよい。 単一部品の支持構造110は、WCDシステム104の様々な構成部品をさらに担持するか、又はそれに結合し得る。
【0017】
他の実施形態では、支持構造110は、複数の構成部品を備えてもよい。例えば、支持構造110は、患者の肩に載る第1の構成部品を含んでもよい。第1の構成部品は、患者102の胴体112上に一連の除細動電極114、116を配置することができる。第2の構成部品は、より患者の臀部に向かって静止してもよく、それによって、第2の構成部品は、患者の臀部がWCDシステム104のより重い構成部品を支持するように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、WCDシステム104のより重い構成部品は、肩ストラップを介して運ばれ得るか、又はカート、バッグ、ベビーカー、車椅子、もしくは他の車両などにおいて患者102の近くに保たれ得る。
【0018】
体外式除細動器118は、支持構造110に結合されてもよく、又は患者102から離れて運ばれてもよい。体外式除細動器118は、患者102がWCDシステム104を装着しているときに患者102に電気ショックを与えるようにトリガされ得る。例えば、特定の閾値を超えるか又は満たす場合、体外式除細動器118は、連動して患者102にショックを与えることができる。
【0019】
WCDシステム104は、胴体112上に配置された一連の電極114、116を通して患者102に電荷を供給することによって、患者102の除細動を行うことができる。電極114、116は、一連の電極リード120を介して体外式除細動器118に電気的に結合することができる。除細動器118は、除細動電極114、116が患者102の胴体112と良好に電気接触しているときに、患者102の身体に電気ショックを与えることができる。いくつかの実施形態では、電極114、116に近接するデバイス(図示せず)は、患者102と電極114、116との間の電気的接触を促進するように導電性流体を放出してもよい。電気ショックは、心臓122を再始動しようとして患者102の心臓122を通過し得る除細動ショックであり得る。短時間の強い電気パルスは、心臓122を再始動させるように機能することができ、患者の生命を救う可能性がある。
【0020】
いくつかの実施形態では、WCDシステム104はまた、外部又は内部監視デバイスのいずれか若しくはそれらの何らかの組合せを含み得る。
図1は、外面(outside)監視装置としても知られ得る外部監視装置124を示す。監視デバイス124は、少なくとも1つのローカルパラメータを監視することができる。ローカルパラメータは、ECG、動き、心拍数、脈拍、体温などの患者102の身体的状態を含むことができる。ローカルパラメータはまた、WCD104のパラメータ、環境パラメータなどを含み得る。監視デバイス124は、支持構造110に物理的に結合されてもよく、又は支持構造110に近接してもよい。いずれの場所でも、監視デバイス124は、WCD104の他の構成要素と通信可能に結合される。
【0021】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、1つ以上の外部デバイス126と接続してもよい。例えば、
図1に示すように、除細動器118は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、他の通信ネットワーク若しくはチャネル、又はそれらの任意の組み合わせなどのネットワークを使用して、クラウドコンピューティングネットワーク、リモートデスクトップ、ラップトップ、モバイルデバイス、又は他の外部デバイスなどの様々な外部デバイス126に接続してもよい。いくつかの実施形態では、除細動器は、患者がWCDシステム104と対話することを可能にするために、画面及び1つ又は複数のユーザ入力を含み得る。いくつかの実施形態では、患者102は、患者データを閲覧し、患者102が依然として意識がある場合にショックを解除し、アラームをオフにし、他の方法で除細動器118を介してWCDシステム104に関与することができる。
【0022】
図2は、通知モジュール106の一例を示すブロック図である。通知モジュール106は、除細動器118に通信可能に結合されてもよい。この例では、通知モジュール106は、イベントモジュール202、警告発行モジュール204、及び警告解決モジュール206を有する。
【0023】
イベントモジュール202は、警告を必要とし得るシステム状態を検出し得る。イベントモジュール202は、次いで、バイナリ又は不確定のいずれかのイベントのタイプを決定し、次いで、イベントの重大度を決定し得る。いくつかの例では、イベントモジュール202は、ソースの組合せを使用して、発行された警告のタイプ、警告の重大度、警告のタイミング、警告の長さなどを含む全体的な警告挙動を決定することができる。例えば、イベントモジュール202は、アルゴリズム決定、物理的機器感知、電気的機器感知、又はそれらの組み合わせを使用し得る。アルゴリズム決定は、アルゴリズム検出、性能問題、又はそれらの組合せに関連するイベント条件のために使用され得る。物理的及び電気的機器検知は、物理的又は電気的機器問題のいずれかに関連するイベント条件に使用され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、バイナリイベントは、定量分析なしで確認することができる単一の決定要因を有する別個のイベントであり得る。バイナリ条件は存在するか存在しないかのいずれかである。例えば、ECGリード線又はECG電極が除細動器から切断されているかもしれず、バッテリが低充電又は満充電かもしれず、除細動器電極が切断されているかもしれない、等である。一般的に言えば、バイナリ条件は、単一の決定を伴う識別可能な条件を有する条件である。
【0025】
不確定イベントは、イベントが存在するかどうかを決定するためのプロセス又はアルゴリズムを必要とするイベントを含み得る。例えば、いくつかの例では、ECG電極が切断されるか、又は患者の皮膚に最適に取り付けられない場合があり、除細動器に送信される信号が余分なノイズを含む場合があり、又はWCDの構成要素から正確で明瞭な読み取り値を受信することに関して何らかの他の問題が存在する場合がある。
【0026】
イベントモジュール202は、潜在的なイベントがあるかどうか及びそのイベントの重大度を判定してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、イベントが発生した可能性があるが、イベントは、WCDシステムが機能する能力を変更又は抑制しない可能性がある。例えば、単一のECG電極が誤接続された場合、イベントは、解決を必要とし得るが、必ずしも即時解決を必要としない。 しかしながら、2つ以上のECG電極が切断された場合、WCDは残りの電極読取値から患者の健康を適切に確認することができない場合があるので、これは迅速な注意を必要とする場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、いくつかのイベントは、より即時の調整を必要とし得る。
【0027】
イベントモジュール202は、WCDの安全性及び有効性を保証するために、どのWCD状態が解決を必要とするかを決定し得る。しかしながら、これらの警告のいくつかは、過度の警告のために患者にフラストレーションを引き起こす可能性がある。例えば、不十分なECG接触(分析不可能)、ECG電極オフ(分析可能)、過度のノイズ及び除細動器パッドオフを含むECG電極感知問題は、改善を必要とし得るが、患者に過剰な警告をもたらす。
【0028】
いくつかの実施形態では、過度の警告を低減するために、イベントモジュール202は、アルゴリズム検出又は性能問題に関連するアルゴリズム決定を使用してシステム情報を検出し得る。別の実施形態では、イベントモジュール202は、物理的機器検知、電気的機器検知、又はその両方からシステム情報を検出する。いくつかの実施形態では、ソースの組合せを使用して、イベントのステータスを決定し、情報を警告発行モジュール204、警告解決モジュール206、又は両方に中継することができる。
【0029】
イベントが検出され分類されると、警告発行モジュール204は、とりわけ、いつ警告を発行するか、警告が発行される場合、警告のタイプ、及び警告の緊急性を決定することができる。例えば、各イベントタイプは、異なる警告開始時間を使用してもよい。いくつかの実施形態では、バイナリ条件は、不確定条件よりも短い開始時間を有し得る。 例えば、WCDシステムは、システムがブートしているときにスタートアップチェックを実行してもよい。スタートアップ機器ステータスの開始時間は、即時のユーザフィードバックを提供するために無視することができる。無視できる程度の開始時間であれば、患者はシステムの不正確さ又はエラーに直ちに対処することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、システの組み立てステータスは、システムが組み立てられているときにわずかに遅延され得る。遅延は、患者に警告する前に、機器が適切に接続され、機能していることをシステムが確認することを可能にし得る。例えば、組立装置の状態は、約1-10秒だけ遅延され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、動作中のバイナリ機器ステータスは、様々な長さの警告発行遅延を有し得る。例えば、機器状態は、ユーザが警告ボタンを押す必要がある場合、サービスが要求される場合、サービスが必要とされる場合、バッテリが非常に低い場合、ユーザが治療を受けた場合等を含み得る。これらのタイプのステータスは、警告発行を約1-10秒遅延させ得る。
【0032】
不確定状態は、異なる開始時間を有し得る。例えば、不確定状態は、不十分な又は接続されていない除細動器パッド接触、ECG電極又はワイヤ接触問題等を含み得る。警告発行モジュール204は、警告の開始時間を変更することができる。 例えば、単一のECG電極が取り外されている、適切に取り付けられていない、又は1つ又は複数のリード線からノイズが発生しているなど、状況によってはすぐに修復する必要がない場合がある。この例では、システムは、おそらく最適ではないが、適切に動作し続けることができ、したがって、即時の注意は必要とされないが、迅速な注意が望まれる。したがって、警告発行モジュール204は、10-30分の開始警告を有することができる。いくつかの実施形態では、警告開始時間は、約15分であってもよい。さらなる実施形態では、開始時間は、約5-約10分であってもよい。
【0033】
別の実施形態では、条件は、迅速な解決を必要とし得る。例えば、複数のECG電極が不適切に配置されているか、又は誤接続されている場合、WCDシステムは、患者の健康状態を適切に分析すること、又は適切にもしくは安全に機能することができない可能性がある。例えば、WCDシステムは、患者の健康状態を正確に決定することができない場合がある。同様に、除細動器パッドが患者の皮膚に誤って接着されている場合、又はノイズ、不完全な接続、又は他の潜在的な問題が発生している場合、WCDは、健康イベントが発生した場合に患者を回復させるために必要なショックを送達することができない場合がある。 健康リスクが存在する場合、警告発行モジュール204は、約10-約20分の警告開始時間を有し得る。この所定の時間枠は、イベントの重大度及びWCDシステムが適切に機能し、患者を治療する可能性によって変化し得る。
【0034】
別の実施形態では、生理学的状態が確認された場合、警告発行モジュール204は、0開始時間を有してもよい。例えば、WCDシステムが心臓イベント又は別の健康イベントを検出した場合、警告は、潜在的に生命を脅かす状態を患者に警告するために直ちに発することができる。
【0035】
この警告方式は、WCDが、ユーザアクションを必要とせずにそれ自体で解決し得る条件についてのユーザフィードバックを遅延させながら、別個の条件についてのユーザフィードバックを迅速に提供することを可能にする。
【0036】
警告解決モジュール206は、警告の停止を遅延させるために「停止時間」を使用することができる。この停止時間は、基礎となるイベント、アラームのタイプ、初期アラームの持続時間、受信された患者フィードバックなどに少なくとも部分的に基づいて、異なる持続時間又は異なる所定の期間を有し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、前述のような別個のバイナリ結果を伴う検出されたシステム状態に関する警告は、より短い停止時間を有し得る。例えば、WCDシステムがブートしているとき、スタートアップ機器ステータスのための0停止時間があり得る。WCDシステムがもはや不規則な心拍を検出していないときのような、確認された生理学的検出の場合、停止時間は無視できる。約1秒と約10秒との間の短い停止時間は、組み立てられているWCDのような組み立て装置の状態のために利用され得る。約1秒と約10秒との間のようなこの短い持続時間はまた、WCD動作中の機器状態のために利用され得る。
【0038】
警告解決モジュール206は、不確定な結果を伴うシステム状態に対して、より長い停止時間を有し得る。ECG電極若しくはリード、又は除細動器電極若しくはリードにおける過剰なノイズなど、WCDシステムが分析を実行する能力に影響を及ぼすいくつかの実施形態では、警告解決モジュール206は、約1秒と約10秒との間の停止時間を有し得る。 接続されていない除細動器パッドのような他のイベントは、1秒と60秒との間のより長い停止時間を有することがある。停止時間は、警告解決モジュール206が、実際には固定されておらず、解決するために追加のユーザアクションを必要とし得る条件についてのユーザフィードバックを遅延させながら、別個の解決された条件についてのユーザフィードバックを迅速に提供することを可能にし得る。
【0039】
図3は、除細動器118の一例の様々な機能構成要素を表示する図である。除細動器118は、
図1を参照して説明された除細動器118の例であり得る。
図3に示す構成要素は、単一のユニット内に含まれてもよく、互いに通信する2以上のユニット間で分離されてもよい。除細動器118は、他の構成要素の中でも、プロセッサ302、メモリ304、ユーザインターフェース306、除細動ポート308、ECGポート310を含んでもよい。いくつかの実施形態では、構成要素は、ハウジング312又はケーシング内に収容される。ハウジング312は、構成要素の周りに硬質シェルを備えてもよく、又は患者の快適性を高めるためにより軟質のシェルを備えてもよい。
【0040】
プロセッサ302、メモリ304(ソフトウェア/ファームウェアコード(SW)314を含む)、ユーザインターフェース306、除細動ポート308、ECGポート310、伝送モジュール316、測定回路318、監視デバイス320、及びエネルギー貯蔵モジュール322は、(例えば、1つ以上のバス324を介して)互いに直接的又は間接的に通信し得る。1つ以上のバス324は、除細動器118の1つ以上の要素及び/又はモジュール間のデータ通信を可能にし得る。
【0041】
メモリ304は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュRAM、及び/又は他のタイプを含み得る。メモリ304は、実行されると、プロセッサ302に様々な機能(例えば、ショック基準の決定、患者の意識の決定、患者パラメータの追跡など)を実行させる命令を含むコンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェア/ファームウェアコード314を記憶することができる。 いくつかの実施形態では、プロセッサ302は、インテリジェントハードウェアデバイス、たとえば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、メモリ304は、とりわけ、除細動器118の種々の構成要素の相互作用及び作用、ならびにいくつかの実施形態では、除細動器118の外部の構成要素等の基本ハードウェア及び/又はソフトウェア動作を制御し得る、基本入出力システム(BIOS)を含有することができる。例えば、メモリ304は、除細動器118の動作及び本開示の他の態様を実施するための様々なモジュールを含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、ユーザインターフェース306を含んでもよい。ユーザインターフェース306は、患者が、除細動器118、WCDシステム全体、又はそれらの何らかの組合せに関する1つ又は複数のメトリックを見ることを可能にすることができる。例えば、ユーザインターフェース306は、患者のECG、除細動器118の状態、充電(例えば、バッテリ充電又はエネルギー貯蔵モジュール)の状態等を表示してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、除細動ポート308を含んでもよい。除細動ポート308は、ハウジング312内にソケット、開口部、又は電気的接続部を含むことができる。いくつかの例では、除細動ポート308は、2以上のノード326、328を含んでもよい。2以上のノード326、328は、2以上の除細動電極(例えば、
図1の除細動電極114、116)を受け入れることができる。ノード326、328は、除細動電極114、116と除細動器118との間の電気的接続を提供することができる。除細動電極114、116は、1つ以上のリード線(例えば、リード線120)を介して2以上のノード326、328に差し込まれてもよく、又はいくつかの事例では、除細動電極114、116は、ノード326、328に配線接続されてもよい。除細動ポート308と電極114、116との間に電気接続が確立されると、除細動器118は患者に電気ショックを与えることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、ハウジング312内にECGポート310を含んでもよい。ECGポート310は、1つ又は複数のECG電極330又はECGリード線を受け入れることができる。いくつかの例では、ECG電極330は、患者のECG信号を感知する。例えば、ECG電極330は、心筋の脱分極によって生成される電気的活動を記録することができる。ECG電極330は、3リードから12リード又はマルチチャネルECGなどを利用することができる。ECG電極330は、患者の皮膚に接続することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、測定回路318を含んでもよい。測定回路318は、ECGポート310と通信することができる。例えば、測定回路318は、ECGポート310から生理学的信号を受信してもよい。 測定回路318は、除細動電極114、116が患者に取り付けられたときに除細動ポート308を介して生理学的信号を追加的又は代替的に受信してもよい。測定回路318は、除細動電極114、116間の電圧の差から患者のECG信号を決定することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、測定回路318は、除細動電極114、116と患者の皮膚との間の電気的接続を監視してもよい。例えば、測定回路318は、電極114、116間のインピーダンスを検出することができる。いくつかの実施形態では、検出されたインピーダンスは、電気回路の実効抵抗を示し得る。インピーダンス計算は、少なくとも部分的に、電極114、116が患者の身体と良好な電気的接続を有するときを決定し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、ハウジング312内に内部監視装置320を含むことができる。いくつかの実施形態では、除細動器118は、ハウジング312内に内部監視装置320を含むことができる。監視デバイス320は、少なくとも1つのローカルパラメータを監視することができる。ローカルパラメータは、ECG、動き、心拍数、脈拍、体温などの患者の生理的状態を含んでもよい。ローカルパラメータはまた、WCD(例えば、WCD104)、除細動器118、環境パラメータなどのパラメータを含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、WCD(たとえば、WCD104)は、内部監視デバイス320及び外部監視デバイス(たとえば、外部監視デバイス124)を含み得る。 監視デバイス124、320の両方が存在する場合、デバイス124、320は、位置、場所、及び他の要因に応じて、特定のパラメータを解析するために協働し得る。 例えば、外部監視装置124は、環境パラメータを監視してもよく、内部監視装置320は患者及びシステムパラメータを監視してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、電源332を含んでもよい。電源332は、再充電可能であり得るバッテリ又はバッテリパックを備え得る。いくつかの例では、電源332は、除細動器118が電力を有することを保証するために一連の異なるバッテリを備えてもよい。例えば、電源332は、一次電源としての一連の再充電可能バッテリと、二次電源としての一連の非再充電可能バッテリとを含んでもよい。着座時、睡眠時など、患者がAC電源に近接している場合、電源332はACオーバーライドを含むことができ、電源332はAC電源から電力を引き出す。
【0051】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、エネルギー貯蔵モジュール322を含んでもよい。エネルギー貯蔵モジュール322は、患者に電気エネルギーの突然の放電を提供する準備又は予測において電気エネルギーを貯蔵し得る。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵モジュール322は、それ自体の電源及び/又はバッテリパックを有してもよい。他の実施形態では、エネルギー貯蔵モジュール322は、電源332から電力を引き出すことができる。さらなる実施形態では、エネルギー貯蔵モジュール322は、1つ以上のコンデンサ334を含んでもよい。1つ又は複数のコンデンサ334は、患者に投与することができる電荷を貯蔵することができる。プロセッサ302は、エネルギー貯蔵モジュール322に通信可能に結合されて、除細動ポート308、続いて患者に提供する電気エネルギーの量及びタイミングをトリガすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、放電回路336を含んでもよい。放電回路336は、エネルギー貯蔵モジュール322に貯蔵されたエネルギーを制御してもよい。例えば、放電回路336は、エネルギー貯蔵モジュール322を除細動ポート308に電気的に結合するか、又はエネルギー貯蔵モジュール102を除細動ポート102から分離することができる。放電回路336は、プロセッサ302に通信可能に結合されて、除細動器118から電荷が放出されるのを管理又は防止するために、エネルギー貯蔵モジュール322及び除細動ポート308がいつ結合されるべきか又は結合されるべきでないかを制御し得る。 いくつかの実施形態では、放電回路336は、1つ以上のスイッチ338を含んでもよい。1つ又は複数のスイッチ338は、Hブリッジを含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、除細動器118は、送信モジュール316を含んでもよい。送信モジュール316は、WCD及び除細動器118へのローカルハードウェア及び/又はソフトウェア、又はWCDシステムとは別個のリモートハードワイヤのいずれかとの1つ又は複数の通信リンクを確立することができる。いくつかの実施形態では、送信モジュール316は、1つ又は複数のアンテナ、プロセッサなどを含み得る送信モジュール316は、無線周波数、電磁気、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、RFID、Bluetooth(登録商標)、セルラーネットワークなどを介してワイヤレスに通信し得る。 送信モジュール316は、患者データ、エピソード情報、試みられた治療、CPRパフォーマンス、システムデータ、環境データなどのデータ及びコマンドの通信を容易にすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、プロセッサ302は、1つ又は複数のモジュールを実行し得る。たとえば、プロセッサ302は、検出モジュール340及び/又はアクションモジュール342を実行し得る。検出モジュール340は、除細動器118の動作を必要とし得る任意の閾値を超えたかどうかを判定するための論理デバイス又はアルゴリズムであり得る。例えば、検出モジュール340は、ECGポート310、除細動ポート308、監視装置320、外部監視装置などからの全ての信号を受信して解釈してもよい。検出モジュール340は、患者が意識があり健康的であることを保証するために情報を処理することができる。任意のパラメータが、患者が苦痛を経験しているか、又は心発作を示している可能性があることを示す場合、検出モジュール340は、アクションモジュール342をアクティブ化し得る。
【0055】
アクションモジュール342は、検出モジュール340からデータを受信し、一連のアクションを実行することができる。例えば、エピソードは、単に電源332又はエネルギー貯蔵モジュール322におけるバッテリ電力の損失であってもよく、又は1つ以上の電極(例えば、ECG電極、除細動電極)が接続を失ったことであってもよい。そのような例では、アクションモジュール342は、患者又は現在の状況の外部ソースへの警告をトリガし得る。 エピソードが心臓イベントなどの健康リスクである場合、アクションモジュール342は、一連のことを開始してもよい。これは、患者に警告を発すること、第三者に警告を発すること、除細動のためにエネルギー貯蔵モジュール322を準備すること、除細動電極114、116に近接する1つ以上の導電性流体を放出することなどを含み得る。
【0056】
さらなる実施形態では、プロセッサ302はまた、通知モジュール106を実行し得る。通知モジュール106は、WCDシステムの動作機能を検出し、イベントのタイプを分類し、患者にどのような警告を発行するか、及びいつ警告が発行されるかを決定することができる。通知モジュール106はまた、イベントがいつ解決されたかを決定するためにデータを決定又は受信し得る。イベント解決は、通知モジュール106に、警告を中止させ、解決通知を発行させ、又はそれらの組合せを行わせてもよい。
【0057】
図4は、本開示の様々な態様による、WCDシステムのための方法400の一例を示すフローチャートである。明確にするために、方法400について、本明細書で説明するシステムのうちの1つ又は複数の態様を参照しながら以下で説明する。いくつかの実施例では、除細動器(例えば、除細動器118)は、以下に説明される機能のうちの1つ以上を行ってもよい。他の実施形態では、除細動器又はWCDシステムに結合された通信デバイスは、以下で説明する機能のうちの1つ又は複数を実行してもよい。
【0058】
ブロック402において、方法400は、WCDシステムにおいてイベントを検出することを含み得る。 イベントは、実際のシステム及びハードウェアのエラーなどのシステムイベントであってもよく、又はセンサからの読み取り不良、接続不良、心電図異常などの健康イベントであってもよい。
【0059】
ブロック404において、方法400は、イベントを分類することを含み得る。 安全上又は健康上の懸念が検出された場合、方法400は、患者にショックを与えるなどの緊急処置に戻ることができる。さらなる実施形態では、方法400はまた、イベントがバイナリイベントであるか不確定イベントであるかを判定してもよい。バイナリイベントは、切断されたプラグ、バッテリの状態等のような別個の有限の決定を有する機器の状態であり得る。 不確定イベントは、除細動器パッド接触又はその欠如、ECG電極接触問題、又は1つ以上のECG電極もしくはリード線の読み取りからの雑音等を含んでもよい。アルゴリズムは、これらのソースのうちの1つからのフィードに障害があると判断し、分析を実行する能力がないか、又はイベントが依然として訂正を必要とするように雑音又は他のエラーを含み得るが、WCDシステムが依然としてデータを十分に分析することが可能であり得る、と決定し得る。
【0060】
ブロック406において、方法400は、警告の開始時間又は警告の停止時間(イベントが解決された場合)を決定することを含み得る。開始時間及び停止時間は、検出されたイベントのタイプに少なくとも部分的に依存し得る。例えば、確認された生理学的状態では、開始時間は無視できる。これは、心臓イベント、心電図異常、又は他の健康上の懸念を含み得る。
【0061】
さらなる実施形態では、患者又はユーザがWCDシステムを起動又はブートしている場合、方法400は、スタートアップ機器ステータスのための小さい又は無視できる開始時間を有し得る。これは、患者がシステムを装着する前に迅速に矯正され得る機器を用いて、患者が問題又は他の状態を即座に確認することを可能にし得る。同様に、WCDシステムが組み立てられている場合、方法400は、患者がシステムを適切に組み立てることを可能にするために、警告の開始をわずかに遅らせることができる。例えば、開始時間は、患者に警告する前に約1-約10秒であってもよい。
【0062】
WCDシステムがアクティブであり、使用中である場合、方法400は、バイナリ機器ステータスのための警告の開始を遅延させ得る。例えば、警告は、患者が警告ボタンを押す必要がある場合、サービスが要求される場合、バッテリが非常に低い場合、リード又は他のコネクタのプラグが抜かれた場合などを含み得る。方法400は、開始を約1-約5秒間遅延させてもよい。さらなる条件は、0秒と約60秒との間など、異なる時間遅延された警告を有し得る。
【0063】
イベントが不確定イベントである場合、方法400は、警告を発行する前により長い開始時間を有し得る。例えば、開始時間は、約1分-約15分の間で変化してもよく、又はいくつかの実施形態では、20-30分もの長さであってもよい。いくつかの実施形態では、分析を行うシステムの能力は、開始時間の長さに相関し得る。例えば、分析を実行するシステムの能力に影響を及ぼすECG接触又は過度のノイズ問題がある場合、方法400は、約1分と約5分との間のより短い開始時間を有し得る。ECGが、分析を実行するシステムの能力に影響を及ぼさない接触問題を有する場合、方法400は、約15分から約30分の間のより長い開始時間を有し得る。さらなる実施形態では、検出されたイベントが除細動器パッドとの接触問題である場合、システムは、イベントが存在する時間の長さを決定することができる。イベント又は状態が所定の長さの時間、いくつかの実施形態では約10-約20分間存在した場合、方法400は、約10-約20分間の開始時間を有することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、警告の停止を遅延させるための停止時間は、開始時間に密接に従い得る。 停止時間は、警告条件に少なくとも部分的に基づいて予め決定され得る。例えば、スタートアップ機器ステータス、アセンブリ機器ステータス、又は動作中の機器ステータス等のバイナリイベントの場合、停止は、約0秒-約10秒であってもよい。確認された生理学的状態がもはや検出されない場合、停止時間は無視できる。
【0065】
さらに、いくつかの実施形態では、イベントが不確定イベントである場合、方法400は、異なる所定の期間だけ警告の停止を遅延させてもよい。例えば、分析を実行する能力に影響を及ぼし得る過度のノイズが問題となる場合、停止時間は、約5-約15秒であり得る。
【0066】
ブロック408において、方法400は、所定の開始が経過した後に警告を発することを含み得る。方法400はまた、所定の停止期間が経過した後に警告を停止することを含み得る。
【0067】
したがって、方法400は、検出されたイベントのタイプに少なくとも部分的に基づいて、所定の開始時間の後に警告を発行することを提供することができる。方法400は一実装形態にすぎず、方法400の動作は、他の実装形態が可能であるように並べ替えられるか又は場合によっては修正され得ることに留意されたい。
【0068】
図5は、本開示の様々な態様による、WCDシステムのための方法500の一例を示すフローチャートである。明確にするために、方法500について、本明細書で説明するシステムのうちの1つ又は複数の態様を参照しながら以下で説明する。いくつかの実施例では、除細動器(例えば、除細動器118)は、以下に説明される機能のうちの1つ以上を行ってもよい。他の実施形態では、除細動器又はWCDシステムに結合された通信デバイスは、以下で説明する機能のうちの1つ又は複数を実行することができる。
【0069】
ブロック502において、方法500は、バイナリイベントを検出することを含み得る。バイナリイベントは、スタートアップ機器ステータス、確認された生理学的状態、アセンブリ機器ステータス、動作中の機器ステータスなどを含み得る。バイナリイベントが検出されると、方法500はブロック504に進む。
【0070】
ブロック504において、方法500は、WCDシステムのステータスを決定することを含み得る。 ステータスは、WCDが組み立てられているか、ブートされているか、分解されているか、又は動作中であるかなどの動作ステータスを含み得る。
【0071】
ブロック506において、方法500は、開始時間を決定することを含み得る。開始時間は、バイナリイベントのタイプ及びバイナリイベントが検出された時間期間中のWCDシステムのステータスに部分的に基づき得る。例えば、WCDシステムが組み立てられている場合、開始時間は、機器状態に対して約1秒と約10秒との間であり得る。WCDシステムがブートしている場合、開始時間は、スタートアップ機器状態に対して無視できる。 WCDシステムが動作可能である場合、開始時間は、動作機器状態に対して1秒と10秒との間であり得る。WCDシステムが動作可能であり、完全に機能しており、心臓イベントが検出される場合、開始時間は無視できる。開始時間が決定されると、ブロック508において、方法500は、所定の開始時間の後に警告を発することを含み得る。
【0072】
したがって、方法500は、検出されたイベントのタイプに少なくとも部分的に基づいて、所定の開始時間の後に警告を発行することを提供してもよい。方法500は一実装形態にすぎず、方法500の動作は、他の実装形態が可能であるように並べ替えられるか又は場合によっては修正され得ることに留意されたい。
【0073】
図6は、本開示の様々な態様による、WCDシステムのための方法600の一例を示すフローチャートである。明確にするために、方法600について、本明細書で説明するシステムのうちの1つ又は複数の態様を参照しながら以下で説明する。いくつかの実施例では、除細動器(例えば、除細動器118)は、以下に説明される機能のうちの1つ以上を行ってもよい。他の実施形態では、除細動器又はWCDシステムに結合された通信デバイスは、以下で説明する機能のうちの1つ又は複数を実行することができる。
【0074】
ブロック602において、方法600は、不確定イベントを検出することを含み得る。不確定イベントは、除細動器パッド接触の問題、ECG接触の問題、ノイズ問題などである。不確定イベントが検出されると、方法600はブロック604に進む。
【0075】
ブロック604において、方法600は、分析を実行するシステムの能力を決定することを含み得る。例えば、1つのECG電極が問題を有する場合、システムは依然として十分な分析を実行することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、2つ以上のECG電極が問題を有する場合、システムは、患者の健康状態を判定するために十分な健康分析を行うことができない場合がある。 他の例では、除細動器パッドは、切断されるか誤って接続され、その結果、システムが患者にショックを与えることができるようになる。 他の例では、検出された不確定イベントは、分析を実行するシステムの能力に影響を及ぼさない場合がある。
【0076】
ブロック606において、方法600は、検出されたイベント及び分析を実行するシステムの能力に少なくとも部分的に基づいて開始時間を決定することを含み得る。所定の開始時間は、約1分-約30分であってもよい。いくつかの実施形態では、システムが、不適切に機能するECG電極などの分析を行うことができない場合、開始時間は、約30秒-約5分であり得る。他の実施形態では、システムが適切に機能している場合、開始時間は約10分-約20分であってもよい。所定の開始時間が決定されて経過した後、ブロック608において、方法600は、警告を発することを含み得る。
【0077】
したがって、方法600は、検出されたイベントのタイプに少なくとも部分的に基づいて、所定の開始時間の後に警告を発行することを提供することができる。方法600は一実装形態にすぎず、方法600の動作は、他の実装形態が可能であるように並べ替えられるか又は場合によっては修正され得ることに留意されたい。
【0078】
図7は、本開示の様々な態様による、WCDシステムのための方法700の一例を示すフローチャートである。明確にするために、方法700について、本明細書で説明するシステムのうちの1つ又は複数の態様を参照しながら以下で説明する。いくつかの実施例では、除細動器(例えば、除細動器118)は、以下に説明される機能のうちの1つ以上を行ってもよい。他の実施形態では、除細動器又はWCDシステムに結合された通信デバイスは、以下で説明する機能のうちの1つ又は複数を実行することができる。
【0079】
ブロック702において、方法700は、イベントの終了を検出することを含み得る。 イベントは、バイナリイベント又は不確定イベントであり得る。イベントの終了は、機器検知又はアルゴリズムによって検出することができる。例えば、ほとんどのバイナリ条件は、機器検知によって検出され得る。いくつかの実施形態では、不確定イベントの終了は、受信された情報が処理され、システムが適切に機能していると判定される、アルゴリズムを通して判定されてもよい。
【0080】
ブロック704において、方法700は、WCDのステータスを決定することを含み得る。WCDシステムが起動しているか、ブートしているか、又は組み立てられているか若しくは分解されている場合。システムはまた、動作中であり、正常に機能し得る。 他の実施形態では、センサ又は他の機器は、WCDシステム内で適切に通信することができる。
【0081】
ブロック706において、方法700は、初期イベント、イベントの終了、及びWCDシステムのステータスに少なくとも部分的に基づいて停止時間を決定することを含み得る。例えば、システムが起動しており、イベントが検出されて停止された場合、方法700は、アラームを停止するための無視できる停止を有し得る。同様に、システムが組み立てられている場合、停止時間は無視できる。 確認された生理学的状態がもはや検出されない場合、方法700は、無視できる停止時間を有し得る。 動作中の機器状態がもはや検出されない場合、方法700は、約1-5秒の停止時間を有し得る。様々な信号からの過剰なノイズ問題がもはや検出されない場合、方法700は、約10-約15秒の停止時間を有し得る。 いくつかの実施形態では、停止時間は、イベントが終了したことを完全に判定するために、約60秒-約5分等、より長くてもよい。停止時間が決定されると、ブロック708において、方法700は、発行された警告を中止することを含み得る。
【0082】
したがって、方法700は、検出されたイベントのタイプに少なくとも部分的に基づいて、所定の開始時間の後に発行された警告を中止することを提供し得る。方法700は一実装形態にすぎず、方法700の動作は、他の実装形態が可能であるように並べ替えられるか又は場合によっては修正され得ることに留意されたい。
【0083】
本明細書は、「前方」、「後方」、「前」、「後」、「上方」、「下方」、「頂部」、「底部」、「右手」、「左手」、「側方」、「内側」、「内」、「外」、「延在」等の方向への言及を含み得る。これらの参照及び他の同様の参照は、特定の実施形態の説明及び理解を助けることのみを目的とし、本開示をこれらの方向又は位置に限定することを意図しない。
【0084】
本文書はまた、量及び数を参照し得る。具体的に述べられない限り、そのような量及び数は、限定的であると見なされるべきではなく、本出願に関連する可能な量又は数の例示であると見なされるべきである。また、この点に関して、本出願は、数量又は数を指すために「複数」という用語を使用し得る。 「約」、「およそ」、「近く」などの用語は、記載された値のプラス又はマイナス5%を意味する。本開示の目的のために、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味する。3を超える要素が列挙されている場合、すべてのさらなる可能な順列を含む。
【0085】
以上、本開示の原理、代表的な実施形態、及び動作モードについて説明した。 しかしながら、保護されることが意図される本開示の態様は、開示される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載の実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。本開示の趣旨から逸脱することなく、他者によって変形及び変更が行われてもよく、均等物が採用されてもよいことが理解されよう。したがって、すべてのそのような変形、変更、及び均等物は、特許請求される本開示の趣旨及び範囲内に入ることが明確に意図される。
【0086】
例示的な実施形態を図示及び説明してきたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されよう。