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特許7004487医療装置をカテーテル内に装填する装置と方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】医療装置をカテーテル内に装填する装置と方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/02 20060101AFI20220114BHJP
   A61F 2/966 20130101ALI20220114BHJP
【FI】
A61M25/02 510
A61F2/966
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021539429
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2019087001
(87)【国際公開番号】W WO2020144071
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】19382015.6
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319016253
【氏名又は名称】アナコンダ バイオメド エス エル
(74)【代理人】
【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文
(72)【発明者】
【氏名】ロス ファブレガ,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ガルベ・ムリリョ・イナーキ
(72)【発明者】
【氏名】アラド・ハダ-・オフィー
(72)【発明者】
【氏名】ルッツァラツ・ゴンザレス・アン
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0353196(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0065660(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/02
A61F 2/966
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置をカテーテル内に装填する装填装置(500)であって、
前記医療装置は、拡張不可能な非拡張部分と拡張可能な拡張部分(3)とを有し、前記拡張部分(3)は、拡張した状態の拡張構成と折り畳まれた状態の折り畳み構成を採り、前記装填装置(500)は、前記拡張部分(3)を受け入れる管腔(504)を有する本体(502)を有し、前記管腔(504)は、前記折り畳み構成時の前記拡張部分(3)と少なくとも同じ長さと、前記折り畳み構成時の医療装置の直径よりも大きな直径を有し、
前記本体(502)は、開閉可能な第1の部分(506)と第2の部分(508)とを有し、前記第1の部分(506)と第2の部分(508)が開いた構成では、管腔(504)が露出し、閉じた構成では管腔(504)は閉じられ、
前記第1の部分(506)は内面(510)を有し、前記第2の部分(508)は内面(512)を有し、前記第1の部分(506)の内面(510)は前記管腔(504)の一部分を規定する第1の溝(514)を有し、前記第2の部分(508)の内面(512)は前記管腔(504)の残余部分を規定する第2の溝(516)を有し、
前記本体(502)は、遠位先端部分(520)を有し、前記遠位先端部分(520)は、カテーテルの止血弁(4)と結合する大きさと形状を有し、その結果、前記遠位先端部分(520)が前記カテーテルの止血弁(4)と結合した時には、前記管腔(504)は前記カテーテルの内腔と整列し、前記管腔(504)は前記遠位先端部分(520)を貫通して伸びる
ことを特徴とする医療装置をカテーテル内に装填する装填装置。
【請求項2】
前記遠位先端部分(520)は、開閉可能な前記第1の部分(506)と前記第2の部分(508)から形成され、前記第1の部分(506)と第2の部分(508)が閉じた構成では、前記遠位先端部分(520)は、円筒形壁部分(522)と中央管状部材(524)を含み、前記管腔(504)は前記中央管状部材(524)を貫通して延びる
ことを特徴とする請求項1記載の装填装置。
【請求項3】
前記管腔(504)は一定の直径を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の装填装置。
【請求項4】
前記遠位先端部分(520)は、前記止血弁(4)内を少なくとも部分的に延びる、
ことを特徴とする請求項1-3のいずれかに記載の装填装置。
【請求項5】
前記遠位先端部分(520)は、前記止血弁(4)のシーリング機構を越えて延びる、
ことを特徴とする請求項1-3のいずれかに記載の装填装置。
【請求項6】
前記管腔(504)は、真っ直ぐである
ことを特徴とする請求項1-5のいずれかに記載の装填装置。
【請求項7】
前記第1の溝(514)が前記管腔(504)の半分の溝を規定し、
前記第2の溝(516)が前記管腔(504)の残り半分の溝を規定する、
ことを特徴とする請求項1-6のいずれかに記載の装填装置。
【請求項8】
前記第1の溝(514)が前記管腔(504)の4分の3の溝(614)を規定し、
前記第2の溝(516)が前記管腔(504)の4分の1の溝(616)を規定する、
ことを特徴とする請求項1-6のいずれかに記載の装填装置。
【請求項9】
複数の整合特徴部(528)と複数の整合特徴収納部(532)とを更に有し、
前記整合特徴部(528)は、前記第1の溝(514)の周りに配置され、前記第1の部分(506)の内面から延び、
前記整合特徴収納部(532)は、前記第2の部分(508)の内面上に形成され、前記第1の部分(506)の内面が前記第2の部分(508)の内面に当たった時に、前記整合特徴部(528)を収納し、
前記整合特徴部(528)は、傾斜面(530)を有し、医療装置の非拡張部分を第1の溝内(514)に導くように構成されている
ことを特徴とする請求項1-8のいずれかに記載の装填装置。
【請求項10】
複数の整合特徴部(528)と複数の整合特徴収納部(532)とを更に有し、
前記整合特徴部(528)は、前記第2の溝(516)の周りに配置され、前記第2の部分(508)の内面から延び、
前記整合特徴収納部(532)は、前記第1の部分(506)の内面上に形成され、前記第2の部分(508)の内面が前記第1の部分(506)の内面に当たった時に、前記整合特徴部(528)を収納し、
前記整合特徴部(528)は、傾斜面(530)を有し、医療装置の非拡張部分を第2の溝内(516)に導くように構成されている
ことを特徴とする請求項9記載の装填装置。
【請求項11】
整合特徴部の傾斜面(530)は、前記第1の溝(514)に向かって傾斜している
ことを特徴とする請求項9記載の装填装置。
【請求項12】
前記本体(502)は、半透明又は透明な材料製である
ことを特徴とする請求項1-11のいずれかに記載の装填装置。
【請求項13】
前記第1の部分(506)と第2の部分(508)とを連結するヒンジ(509)を更に有する、
ことを特徴とする請求項1-12のいずれかに記載の装填装置。
【請求項14】
前記第1の部分(506)は、第1の部分(506)から延びる第1のタブ(534)を有し、
前記第2の部分(508)は、第2の部分(508)から延びる第2のタブを有し、
前記第1の部分(506)と第2の部分(508)とが閉じた構成の時は、記第1のタブと第2のタブは、互いに近くにくる
ことを特徴とする請求項1-13のいずれかに記載の装填装置。
【請求項15】
前記第1のタブから30°から120°の間に配置された第3のタブと、
前記第2のタブから30°から120°の間に配置された第4のタブと
をさらに有する、
ことを特徴とする請求項14記載の装填装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療機器に関し、特に医療装置をカテーテル内に装填する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血管内治療は、1990年代から脳卒中の症例に採用されてきた。それが適用された患者の数はゆっくりとではあるが着実に増加している。近年最初の肯定的なランダム化された研究が発表された(非特許文献1)。同文献は、脳卒中後3か月の障害率を低下させたことにより、従来の治療と比較して血栓摘出治療の有効性を示す。さらに、他の4つの主要な同様の臨床試験が2015年に発表され、 他の医療と比較して障害を軽減することにより、 最新世代の装置による血栓摘出治療の優位性が明確に確認された。
【0003】
血管内治療に関して、当初の戦略は、 マイクロカテーテルを介して血栓に線維素溶解剤を直接局所灌流することであった。2000年代の初めに、新しい装置が導入されたが、これは動脈内線維素溶解よりも効果的であると思われた。この装置は、血栓の周りに開いたらせん状構造物(MERC(登録商標))であり、血栓の抽出を容易にした。2006年には、大口径のカテーテルを血栓に近接させて、血栓を吸引するシステムが普及した。このカテーテルは連続吸引ポンプ(Penumbra(登録商標))に接続されている。このシステムは、 血栓の近くまでナビゲートできる、更に大きな直径のカテーテルを実現することを目指して、長年にわたって進化してきた。
【0004】
【文献】US2017/0303949
【文献】米国特許出願番号62/760786
【文献】Berkhem er O.A. et al."急性虚血性脳卒中に対する動脈内治療のランダム化試験。"N Engl J Med. 2015年1月; 372: 1 1 -20.doi:10.1056/NEJMoal 41 1587.Epub 2014年12月17日.PubMed PMID:25517348
【0005】
いわゆるステントレトリーバーの使用は2009年頃に始まった。これらの使用は、血栓をマイクロカテーテルと交差させ、次にステントをこのマイクロカテーテルを通して前進させることからなる。シースされた(覆われた)装置の遠位端が血栓の最遠位部分に到達すると、ステントはシースが外され、血栓面で自動拡張し、血栓を捕捉する。血栓との係合を高めるために、血栓内でステントを拡張した状態で数分間待機することが推奨される。次に、拡張したステントを引き抜いて、それと共に血栓を引きずる。この最後のステップでは、カテーテルを通して吸引しながら、血流を逆流させる。かくして血栓を回収する可能性を高める。このステントレトリーバーは、上記の第1世代の装置に完全に置き換わった。それは、その高い有効性、使いやすさ、手順時間の短縮が理由である。
【0006】
さらに、ステントレトリーバーを使用する場合、ガイドバルーンカテーテルがよく使用される。脳血管内の血栓を治療する場合、このカテーテルのみが、頭蓋外頸動脈 (頭蓋内動脈にある血栓から離れている) に進む。カテーテルの端に位置するバルーンが膨張すると、カテーテルは、抽出されるべき血栓があるバルーンの遠位の動脈セグメント内の血流を止める。カテーテルを介して吸引することにより、バルーンの遠位の動脈セグメント内の血流を逆流させ、ステントレトリーバーと一緒に血栓の除去を容易にする。
【0007】
要約すると、現在2つの傾向が血栓摘出装置の使用にある。1つは、いわゆるステントリトリーバー (バルーンカテーテルの有無を問わない)、他は、吸引カテーテル (注射器又は吸引ポンプによる自動吸引機能を備えた)に基づく装置である。2つの手法を組み合わせることもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
拡張可能なステント (ステントレトリーバー等) は、折りたたみ、そして配送カテーテル内に装填する必要がある。従って、望ましいことは、拡張可能なステントを配送カテーテルへ装填するのを容易にする装置および方法を、単純かつ信頼できる形で、提供することであある。
【課題を解決する手段】
【0009】
本発明は、医療装置をカテーテル内に装填する装填装置に関する。例えば、この装填装置を使用して、吸引カテーテルの漏斗を配送カテーテルの内腔内に装填する。
【0010】
本発明の一態様は、医療装置をカテーテル内に装填する装填装置を提供する。
本発明の医療装置は、拡張が不可能な非拡張部分と拡張が可能な拡張部分とを有し、前記拡張部分は、拡張した状態の拡張構成と折り畳まれた状態の折り畳み構成を採る。前記装填装置は、前記拡張部分を受け入れる管腔を有する本体を有する。前記管腔は、前記拡張部分と少なくとも同じ長さと、前記折り畳み構成時の医療装置の直径よりも大きな直径を有する。
前記本体は、開閉可能な第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と第2の部分が開いた構成で管腔が露出し、閉じた構成で管腔を包囲する。
前記第1の部分と第2の部分はそれぞれ内面を有し、前記第1の部分の内面は前記管腔の一部分を規定する第1の溝を有する。前記第2の部分の内面は前記管腔の残余部分を規定する第2の溝を有する。
前記本体は、遠位先端部分を有する。前記遠位先端部分は、カテーテルの止血弁と結合する大きさと形状を有する。その結果、前記遠位先端部分が前記カテーテルの止血弁と結合した時は、前管腔は、前記カテーテルの内腔と整列し前記遠位先端部分を貫通して伸びる。
【0011】
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記遠位先端部分は、前記第1の部分と前記第2の部分から形成される。両者が閉じた構成の前記遠位先端部分は、円筒形壁部分と中央管状部材を含む。前管腔は、前記中央管状部材を貫通して延びる。
【0012】
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記管腔は一定の直径の直線状である。
【0013】
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記遠位先端部分は、前記止血弁内を少なくとも部分的に延びる長さを有する。前記遠位先端部分は、前記止血弁のシーリング機構を越えて延びる長さを有する。
【0014】
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記第1の溝が前記管腔の半分の溝を規定し、前記第2の溝が前記管腔の残り半分の溝を規定する。
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記第1の溝が前記管腔の約4分の3の溝を規定し、前記第2の溝が前記管腔の残り約4分の1の溝を規定する。
【0015】
本発明の医療装置の一実施例によれば、複数の整合特徴部と複数の整合特徴収納部とを更に有する。前記整合特徴部は、前記第1の溝の周りに配置され、前記第1の部分の内面から延びる。前記整合特徴収納部は、前記第2の部分の内面上に形成され、前記第1の部分の内面が前記第2の部分の内面に当たった時に、前記整合特徴部を収納する。前記整合特徴部は、傾斜面を有し、医療装置の非拡張部分を第1の溝内に導くように構成されている。本発明の医療装置の一実施例によれば、上記の実施例の特徴に加えて、複数の整合特徴部と複数の整合特徴収納部とを更に有する。前記整合特徴部は、前記第2の溝の周りに配置され、前記第2の部分の内面から延びる。前記整合特徴収納部は、前記第1の部分の内面上に形成され、前記第2の部分の内面が前記第1の部分の内面に当たった時に、前記整合特徴部を収納する。前記整合特徴部は、傾斜面を有し、医療装置の非拡張部分を第2の溝内に導くように構成されている。本発明の医療装置の一実施例によれば、整合特徴部の傾斜面は、前記第1の溝に向かって下がっている。
【0016】
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記本体は半透明又は透明な材料製である。
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記第1の部分と第2の部分とを連結するヒンジを更に有する。
【0017】
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記第1の部分は、自身から延びる第1のタブを有し、前記第2の部分は、自身から延びる第2のタブを有する。前記第1の部分と第2の部分とが閉じた構成の時は、記第1のタブと第2のタブは、互いに近くにくる。
本発明の医療装置の一実施例によれば、前記第1のタブから約30°から120°の間に配置された第3のタブと、前記第2のタブから約30°から120°の間に配置された第4のタブとをさらに有する。
【0018】
本発明の別の態様は、拡張不可能部分(以下単に「非拡張部分」と称する)および拡張可能部分(以下単に「拡張部分」と称する)を有する医療装置をカテーテル内に装填する方法を提供する。この医療装置は、拡張した構成と折り畳まれた構成(以下「折り畳み構成」と称する)を採る。この方法は、以下のステップ(A)-(H)を含む。
ステップ(A)では、医療装置の非拡張部分を装填用本体の第1の部分の第1の溝に配置する。装填用本体は、開放構成にあり、装填用本体の第1 の部分の第1の溝と第2の部分の第2の溝を露出する。ステップ(B)では、医療装置の非拡張部分の周りの装填用本体を閉じる。かくして第2の溝が第1の溝と整列し、医療装置の非拡張部分を囲む管腔を形成する。その間、医療装置の拡張部分は装填用本体の外側に留まっている。ステップ(C)では、医療装置の拡張部分を閉じた装填用本体の内腔に引っ込める。その結果、拡張部分が内腔内で折り畳み構成を採る。ステップ(D)では、装填用本体の遠位端をカテーテルの近位端にある止血弁に当てて配置する。ステップ(E)では、医療装置の拡張可能な部分を止血弁を越えてカテーテル内に前進させる。ステップ(F)では、止血弁から装填用本体を引っ込める。ステップ(G)では、装填用本体を開く。ステップ(H)では、装填用本体を医療装置から取り外す。
【0019】
この方法の一実施例はまた、装填用本体の遠位端を止血弁内に挿入するステップを含む。一実施例では、装填用本体の遠位端は、止血弁内の密封機構を越えて挿入されない。他の実施例では、装填用本体の遠位端は,止血弁内の密封機構を越えて挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】血栓に接近時の本発明の血栓摘出装置の展開断面図である。これは、血管内の通路をクリアーし、血栓がある動脈に到達するために使用される。
図2】格納時の又はナビゲーショ ン時の本発明の血栓摘出装置の展開断面図である。これは、配送カテーテル(その中に吸引漏斗カテーテルを装填する)を血栓の面にナビゲートするために使用される。
図3】吸引漏斗を配送する準備完了時又は整列時の本発明の血栓摘出装置の展開断面図である。
図4】漏斗が血管の形状に順応している時又は吸引される前に血栓に面している状態時に、拡張時又は吸引待機時の本発明の血栓摘出装置の展開断面図である。
図5A】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5B】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5C】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5D】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5E】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5F】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5G】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図5H】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の一実施例を示す。
図6A】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図6B】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図6C】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図6D】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図6E】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図6F】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図7A】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図7B】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
図7C】血栓摘出装置を配送カテーテル内に装填する装填装置の他の実施例を示す。
【発明を実施する形態】
【0021】
本発明の装填装置は、例えば、血栓7を断片化することなく又は頭蓋内動脈6に損傷を与えることなく、頭蓋内動脈6から血栓7を除去するように設計された血栓摘出装置を装填するために使用される。かくして、本発明の装填装置は、特許文献1又は特許文献2に記載されている装置などの更なる血栓除去の開発を不要とする。これらの装置は、頭蓋内動脈血栓の除去に特に適しているが、任意の動脈又は静脈6の血栓7を除去するためにも使用できる。本発明の装填装置は、他の拡張可能な医療装置をカテーテル内に装填するために使用することができる。カテーテルの一例は、フローダイバータ又はバルーンガイ ドカテーテルなどである。
【0022】
例えば、本発明の装填装置は、図1-4に示される血栓摘出装置を装填するために使用される。 図1-4の血栓摘出装置は、特に、先細の拡張カテーテル5、吸引漏斗カテーテル2、 配送カテーテル1を含む。吸引漏斗カテーテル2は、拡張可能なステント3と、例えばハイポチューブから形成された吸引カテーテルなどのプッシャー要素を含む。図1-4に示すように実施例の血栓摘出装置は、特に、X線写真マーカー1 2、13を含む。X線写真マーカー1 2は動脈6内の血栓7の位置を示す。X線写真マーカー13は、血管系における血栓摘出装置の位置を示す。更に、図1-3に示されるように、血栓摘出装置は、拡張可能なステント3が折り畳まれた折り畳み構成で配送カテーテル1を通って前進される。この例示的な装置の他の態様は特許文献1に記載されている。図4に示されるように、配送カテーテル1が拡張可能なステント3から引き抜かれると、ステント3は、その拡張された構成(ここでは漏斗として示される)まで拡張し、そこで血栓7に隣接する血管壁に接触する。次に、吸引力を適用して、血栓7を拡張可能なステント3内に引き込む。
【0023】
本発明の一実施例では、装填装置を使用して、血栓摘出装置の拡張可能なステント3即ち漏斗3(以下「漏斗3」と総称する)を、使用が容易で迅速かつ効率的な方法で、配送カテーテル1の管腔内に装填することができる。図5A-6Fは、装填装置の様々な実施例を示す。装填装置は、拡張可能な漏斗3を均一にかつ普遍的な方法で折りたたむように機能する。その結果、配送カテーテル1からの漏斗3の展開を妨げない方法で、配送カテーテル1の管腔内に装填することができる。一実施例では、本明細書に記載の装填装置を使用して、他のタイプの拡張可能な医療装置を配送カテーテルの管腔内に同様に装填することもできる。
【0024】
図5A-5Hは、血栓摘出装置の漏斗3を配送カテーテル1内に装填する装填装置500の一実施例を示す。装填装置500は管腔504を囲む本体502を有する。この管腔504は、漏斗3を受け入れる大きさと形状をしており、本体502の近位端518から遠位端520まで延びる。一実施例では、図5A-5Hに示されるように、管腔504は、実質的に一定の直径を有し、漏斗3が取り付けられる吸引カテーテル2の直径よりもわずか(例えば、約5-25%)に大きい 直径を有する。一実施例では、管腔504は約2から3mmの間の直径を有する。一実施例では、管腔504は、約2mm、3mm、4mm、5mm未満の直径を有する。管腔504は、円筒形で真っ直ぐ伸び、折り畳み構成時の漏斗3と少なくとも同じ長さを有する。以下に説明するテーパ状直径の管腔504とは対照的に、一定の直径の管腔は、装填装置500を通る折り畳まれた漏斗3の押し込み性を改善し、漏斗3に対する折り畳みの問題および変形の問題を低減できる。これらの問題が起きるのはテーパ状の直径の管腔を用いた場合である。その理由は、一定直径の管腔は、折り畳まれた漏斗3の全長にわたって装填装置500によって加えられた半径方向の折り畳む力を、均一に分散させるからである。
【0025】
管腔504にアクセスするために、本体502は、開閉されるか分離される2つの部分506、508に分離されて、管腔504を露出させる。一実施例では、図5A-5Hに示されるように、2つの部分506、508は、ヒンジ509又はジョイントで連結された本体502の半分部分からなる。このヒンジ509又はジョイントは、この2つの部分506、508の開閉を容易にする。開放構成では、2つの部分506、508の内面510、512は、それぞれ管腔504の一部(例えば、半分)を規定する溝514、516を有する。
【0026】
装填装置の本体502は、近位端518および遠位端520を有し、それらを通って管腔504が延びる。遠位端(以下、「遠位先端部分」とも称する)520は、配送カテーテル1の止血弁4と着脱可能なサイズおよび形状である。遠位先端部分520が止血弁4と結合されると、装填装置500の管腔504は、配送カテーテル1の管腔と整列し、その結果、折り畳まれた漏斗3は、装填装置500から配送カテーテル1の管腔内に前進することができる。
【0027】
一実施例では、特に図5Fに示されるように、遠位先端部分520は、閉じた構成にある時は、円筒形壁部分522を有する。この円筒形壁部分522は中央管状部材524を取り囲む。この中央管状部材524は円錐突起形526である遠位先端部分520から延びる。管腔504は、中央管状部材524を貫通して延びる。この形状により、装填装置500の遠位先端部分520は、配送カテーテル1の止血弁4と緊密に結合することができる。 一実施例では、中央管状部材524は、遠位先端部分520が止血弁4に結合している時は、配送カテーテル1の管腔内に少なくとも部分的に延びる。一実施例では、中央管状部材524は、遠位先端部分520が止血弁4に結合している時は、止血弁4のシール機構を越えて延びる。他の実施例では、中央管状部材524は、遠位先端部分520が止血弁4に結合している時は、止血弁4の端部に隣接する/当たる。
【0028】
図5A、5C、5Dは、整合特徴部528の実施例を示す。この整合特徴部528は、溝514、516の一方又は両方の周りに配置できる。整合特徴部528を、溝514、516の両方に追加することにより、ユーザは、吸引カテーテル2を装填装置500に装填する時に、吸引カテーテル2を部分506、508のどちらにも配置することができる。各整合特徴部528は、溝514、516の周りの内面510、512から延在し、傾斜面530を有する。この傾斜面530は、溝に向かってテーパ状になり、吸引カテーテル2を溝に導くように機能する。対向する内面510、512には、複数の整合特徴収納部532がある。この整合特徴収納部532は、複数の整合特徴部528を受け入れるようなサイズおよび形状をしている。その結果、2つの部分506は、508は、きっちりと閉じて一体になる。複数の整合特徴部528と整合特徴収納部532は、閉鎖プロセス中に、2つの部分506、508が適切に位置合わせするのを支援する。それにより、2つの部分506、508が、適切に閉じて、閉じた状態の管腔504を形成する。
【0029】
一実施例では、本体502は半透明又は透明の材料製であり、その種の材料の一例は、ポリカーボネート材料である。その結果、ユーザは、吸引カテーテル2および漏斗3が装填装置500内に適切に装填されていることを視覚的に確認できる。他の実施例では、本体502は不透明な材料製でもよい。
【0030】
一実施例では、例えば、図5B、5E、5Gに示されるように、本体502は、1個又は複数個のフィンガータブ(以下単に「タブ」と称する)534を有する。このタブ534は、本体502を開閉するために、ユーザが押す面を提供する。例えば、1つのタブ534は、各部分506、508の自由縁(即ち、ヒンジが付いていない側)の近くで、各部分506、508の外面から延びる。本体502が閉じた構成にある時は、タブ534の対は、互いに隣接又は近接する。一実施例では、装填装置は、追加のタブを有する。例えば、第1のタブから約30°から120°の間に配置された第3のタブ、第2のタブから約30°から120°の間に配置された第4のタブなどである。
【0031】
本発明の装填装置は、血栓摘出装置の拡張部分および非拡張部分を、カテーテル内に装填するために使用される。装填装置500は、ユーザがタブ534を握り、本体502の2つの部分506、508を分離することにより、開く。すると管腔504を形成する2つの溝514、516が露出する。一実施例では、装填装置500は、開放構成又は閉鎖構成で出荷され、ユーザに納品される。 図5Aに示されるようには、吸引カテーテル2のシャフトは、溝514、516の内の一方に配置される。両方の溝514、516が整合特徴部528を有する実施例では、吸引カテーテル2のシャフトは、溝514、516のいずれかに配置される。 吸引カテーテル2のシャフトは、拡張可能な漏斗3が装填装置500の遠位先端部分520に対し完全に遠位にくるように、配置される。一実施例では、吸引カテーテル2のシャフトは、溝514、516の一方に大まかに配置し(これの意味するところは、シャフトが整合特徴部528溝の境界内に配置されている限り、シャフトを溝の近くに配置するだけでよいことを意味する)、本体502が閉じられると、シャフトは溝514又は516内に案内される。
【0032】
シャフトが上記のように溝514、516の1つに配置されるか又はその近くに配置されると、ユーザは、本体502の2つの部分506、508を閉じて一体にする。その結果、吸引カテーテル2のシャフトは、装填装置500の管腔504内に閉じ込められる。この時、漏斗3は、装填装置500の外側にあり、遠位先端部分520より遠位にある(図5E)。本体502の閉鎖中、整合特徴部528は、吸引カテーテル2のシャフトを溝内に保持するのをガイドし助ける。整合特徴部528もまた整合特徴収納部532に入り、その中に保持される。
【0033】
特には、整合特徴部528は正方形である。
次に、図5E図5Fに示すように、吸引カテーテル2が近位方向に引き込まれると、拡張可能な漏斗3は、装填装置500の遠位先端部分520に向かって引き込まれ、最終的に閉鎖体502の管腔504内に引き込まれる。漏斗3が装填装置の管腔504に引き込まれると、漏斗3は、管腔504内で折り畳まれ折り畳み構成になる。 吸引カテーテル2は、漏斗3が装填装置500の管腔504によって完全に引き込まれるまで、近位に引っ込められる。漏斗3は、その拡張構成時よりも折り畳み構成時の方が長い。従って、管腔504は、折り畳まれた漏斗3の長さに対応するのに十分な長さを有する。
【0034】
次に、図5G、5Hに示されるように、装填装置500の遠位先端部分520は、配送カテーテル1の近位端に位置する止血弁4に当てて配置される。一実施例では、遠位先端部分520は、止血弁4に着脱可能に結合される。一実施例では、遠位先端部分520の一部(例えば、上記のような中央管状部材524)は、止血弁4および配送カテーテル1の管腔内に挿入することができる。一実施例では、遠位先端部分520の一部(例えば、上記のような中央管状部材524)は、止血弁4内の密封機構を越えて挿入することもできる。他の実施例では、遠位先端部分520は、止血弁4のシール機構の近位に位置することもできる。遠位先端部分520を止血弁4のシール機構を越えて前進させることの利点は、漏斗3が、シール機構を通過する点で、装填装置500から配送カテーテル1の管腔内に前進することが可能になることである。対照的に、遠位先端部分520が止血弁4の近位端に接するだけの場合即ち密封機構を越えて延在しない場合は、漏斗3は、装填装置500から配送カテーテル1の管腔内に前進し、配送カテーテル1の管腔を通って、止血弁4の密封機構を通過して前進しなければならない。これは、一実施例では、折り畳まれた漏斗3の遠位端を破壊 (例えば、漏斗3の遠位端の折り畳みを引き起こす)することがある。他の実施例では、漏斗3を密封機構を横切って前進させることは問題ではない。その理由は、漏斗3の機械的特性又は密封機構の特性のためである。遠位先端部分520の少なくとも一部を止血弁4内に挿入することは利点がある。その理由は、吸引カテーテル2と配送カテーテル1との間の結合を整列させるおよび安定化させるからである。それにより、ユーザが配送カテーテル1を一方の手で把持しながら、他方の手で吸引カテーテルのシャフトを押することができる。
【0035】
図5Hに示されるように、遠位先端部分520と止血弁4とが結合された後、漏斗3は、止血弁4を通過して遠位方向に向かって配送カテーテル1の管腔内に前進する。次に、装填装置500を止血弁4から離して折り畳み、装填装置500の本体502を開いて、装填装置500を吸引カテーテル2のシャフトから解放し取り外す。次に、吸引カテーテル2の漏斗3は、配送カテーテル1の遠位方向に前進させる。これは、吸引カテーテル2のシャフトを配送カテーテル1の管腔内で遠位方向に押すことによって行われる。
【0036】
図6A-6Fは、拡張可能な漏斗3などの医療装置を配送カテーテル1に装填する装填装置600の別の実施例を示す。装填装置600は、図5A-5Hの装填装置500について上記したのと同じ特徴の多くを共有する。例えば、図6A-6Fに示される装填装置600は管腔604を囲む本体602を有する。この管腔604は、漏斗を受け入れる大きさと形状を有し、本体602の近位端618から遠位端620まで延びる。管腔604は、漏斗3が取り付けられる吸引カテーテル2の直径よりわずかに大きい一定の直径を有する。管腔604は、円筒形で真っ直ぐであり、折り畳み構成時の漏斗3と少なくとも同じ長さを有する。管腔604にアクセスするために、本体602は、2つの部分606、608に開かれ又は分離されて、管腔604を露出させる。
【0037】
上記の2つの実施例の主な違いを下記する。 図6C-6Fに示されるように、等しいかほぼ等しい半分(約2分の1)である2つの部分の代わりに、本体602の第1の部分606は、円筒の円周の約4分の3 (例えば、約240°-300°)を占め、第2の部分608は、同約4分の1(例えば、約60°-120°)を占める。そのため、2つの部分606、608が閉じられ一体になると、本体602は完全な円筒を形成する。2つの部分606、608の間の関係を説明する別の構成によれば、第1の部分606が、閉じた状態の装填装置600の管腔604の円周の約4分の3 (例えば、約240°から300°の間)を規定する溝614を有し、第2の部分608が、閉じた構成の装填装置600の管腔604の円周の約4分の1(例えば、約60°から1 20°の間) を規定する溝616を有する。一実施例では、第1の部分606は約260°であり、第2の部分608は約100°である。第1の部分606のV字形の表面は、本体602が閉じられる時には、吸引カテーテル2のシャフトを溝614に案内する整合特徴部として、機能する。
【0038】
残りの特徴は、図5A-5Hに関連して上記した特徴と実質的に同様である。例えば、装填装置600の本体602は、近位端618および遠位端(遠位先端部分とも呼ばれる)620を有し、それらの間に管腔604が延びる。遠位先端部分620は、配送カテーテル1の止血弁4と着脱可能なサイズおよび形状になっている。遠位先端部分620が止血弁4と結合される時、装填装置600の管腔604は、配送カテーテル1の管腔と整列され、折り畳まれた漏斗3が装填装置600から配送カテーテル1の管腔内に前進できるようなる。
【0039】
更に、遠位先端部分620は、閉じた構成にある時は、円筒形壁部分622を有する。この円筒形壁部分622は中央管状部材624を取り囲む。この中央管状部材624は円錐突起形626から延びる。管腔604は、中央管状部材624を貫通して延びる。この形状により、装填装置600の遠位先端部分620は、配送カテーテル1の止血弁4と緊密に結合することができる。 一実施例では、中央管状部材624は、遠位先端部分620が止血弁4に結合している時は、配送カテーテル1の管腔内に少なくとも部分的に延びる。一実施例では、中央管状部材624は、遠位先端部分620が止血弁4に結合している時は、止血弁4のシール機構を越えて延びる。他の実施例では、中央管状部材824は、遠位先端部分620が止血弁4に結合している時は、止血弁4の端部に隣接する(当たって接する)。
【0040】
図6A-6Fに示される装填装置600は、図 5A-5Hにの装填装置500で説明したのと同様の方法で使用することができる。
【0041】
図7A-7Hは、医療装置例えば拡張可能な漏斗3を配送カテーテル1内に装填する装填装置700の一実施例を示す。装填装置700は、装填装置500、600について上記したのと同じ特徴の多くを共有し、同じ方法で使用される。例えば、図7A-7Hの装填装置700は管腔704を囲む本体702を有する。この管腔704は、漏斗3を受け入れる大きさと形状をし、本体702の近位端718から遠位端720まで延びる。管腔704は、漏斗3が取り付けられる吸引カテーテル2の直径よりもわずかに大きい一定の直径を有する。管腔704にアクセスするために、本体702は、2つの部分706、708に開かれ又は分離されて、管腔704を露出させる。 開放構成では、2つの部分706、708の内面710、712はそれぞれ、管腔704の部分(例えば、半分)を規定する溝714、716を有する。 図示されるように、第1および第2の部分706、708の内面710、712は、複数の整合特徴部728を規定する。
【0042】
管腔704はまた、本体702の遠位端720の間を延びる。遠位端即ち遠位先端部分720は、配送カテーテル1の止血弁4と着脱可能なサイズおよび形状になっている。遠位先端部分720が止血弁4と結合されると、装填装置700の管腔704は、配送カテーテル1の管腔と整列する。その結果、折り畳まれた漏斗3は、装填装置700から配送カテーテル1の管腔内に前進することができる。 図7Aに示されるように、遠位先端部分720は、閉じた構成にある時、円筒形壁部分722を有する。この円筒形壁部分722は、円錐突起形726又は遠位先端部分720から延びる中央管状部材724を取り囲む。管腔704は中央管状部材724を通って延びる。この形状により、遠位先端部分720は配送カテーテル1の止血弁4と緊密に結合することができる。 中央管状部材724は、遠位先端部分720が止血弁4に結合されている場合、配送カテーテル1の管腔内に少なくとも部分的に延びる。中央管状部材724は、遠位先端部分720が止血弁4に結合している時は、止血弁4のシール機構を越えて延びる。更に、中央管状部材724は、遠位端720が止血弁4に結合されている場合、止血弁4の端部に隣接する(当たって接する)ことができる。
【0043】
一実施例では、図7Bに示されるように、本体702は1つ又は複数のタブ734を有する。これにより、ユーザが本体702を開閉するために押す表面を提供する。
【0044】
ある特徴又は要素が本明細書で他の特徴又は要素「上」にあると言及される場合、ある特徴又は要素は、他の特徴又は要素上に直接存在する、又は他の部材を介して存在するの両方を意味する。これとは対照的には、機能又は要素が別の機能又は要素に 「直接」 あると記載される場合は、その間に介在する機能又は要素は存在しない。特徴又は要素が別の特徴又は要素に 「接続されている」 、「取り付けられている」 又は「結合されている」 と記載されている場合、それは、他の特徴又は要素に「直接接続されている」 、「直接取り付けられている」 又は「直接結合されている」、或いはその間に介在する機能又は要素が存在する場合がある。これとは対照的に、機能又は要素が別の機能又は要素に 「直接接続されている」 、「直接取り付けらている」は、「直接結合されている」 と記載されている場合、その間に介在する機能又は要素は存在しない。一実施例に関して説明又は示されている特徴および要素は、他の実施例にも適用することができる。別の特徴に 「隣接して」 配置された構造又は特徴と記載されている場合は、隣接する特徴の上か、又はその下にある部分を有する。
【0045】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。「含む」又は「有する」という用語は、他の物の存在又は追加を排除するものではない。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。
【0046】
本明細書で使用される用語「下」又は 「上」は、空間的に相対的な用語であり、説明を容易にするために、ある要素又は機能と別の要素との関係を説明するために、本明細書で使用されている。図に示されている機能、空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中の装置の異なる方向を包含することも意図している。図の装置が反転している場合、他の要素又は機能の「下」として記述されている要素は、他の要素又は機能の「上」にある。従って、 「下」 という例示的な用語は、上と下の両方の方向を包含することができる装置は、他の方法で方向付けられ (90°又は他の方向に回転され)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述が、それに応じて解釈される。 同様に、「上向き」、「下向き」、「垂直」、「水平」 などの用語は、特に明記しない限り、説明の目的でのみ本明細書で使用されている。
【0047】
「第1の」および「第2の」という用語は、本明細書では様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用されるが、文脈が別段の指示をしていない限り、これらの特徴/要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある機能/要素を別の機能/要素から区別するために使用される場合がある。従って、以下で論じる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ぶこともできる。同様には、第2の特徴/要素は、本発明の教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素と呼ぶこともできる。
【0048】
本明細書を通じて、文脈上別段の記載がない限り、「含む」 という用語は、様々な構成要素を方法および物品(例えば、組成物) において共同で使用できることを意味する。例えば、「含む」 という用語は、述べられた要素又はステップを含むことを意味するが、他の要素又はステップを除外することを意味しない。
【0049】
実施例で使用される場合を含み、特に明記されていない限り、すべての数字は、用語が明示的に表示されない場合でも、「約」 又は 「ほぼ」 を含む。「約」又は「およそ」という句は、大きさ又は位置を説明する時に、説明される値又は位置が値又は位置の合理的な予想範囲内にあることを示すために使用される。
【0050】
本明細書において、例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-1%、記載された値(又は値の範囲)、記載された値(又は値の範囲)の+/-5%、記載された値(又は値の範囲)の+/-10%などを意味する。本明細書で与えられる数値は、文脈が別段の指示をしない限り、その値について又はほぼその値を含む。例えば、値「10」が開示されている場合は、 「約10」も開示されている。本明細書に記載されている任意の数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含むことを意図している。熟練した職人によって適切に理解されるようには、値が「以下」 であると開示される場合は、 「値以上」 および値の間の可能な範囲も開示されることも理解される。例えば、値「X」が開示される場合は、 「X以下」ならびに「X以上」 (例えば、Xが数値である場合) も開示される。 又は、アプリケーション全体では、データはさまざまな形式で提供され、このデータはエンドポイントと開始点は、およびデータポイントの任意の組み合わせの範囲を表す。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示される場合は、10および15以上、10および15以下に等しいと見なされ、10から15の間である。 2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されていることも理解される。 例えば、10と15が開示されている場合、11、12、13、および14も開示される。
【0051】
様々な例示的な実施例が上記されているが、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施例に対していくつかの変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された様々な方法ステップが実行される順序は、代替の実施例ではしばしば変更され、他の代替の実施例では、1つ以上の方法ステップは完全にスキップされる。様々な装置およびシステムの実施例のオプションの特徴は、一実施例に含まれ、他の実施例には含まれ得ない。 従って、前述の説明は、主に例示的な目的で提供されており、特許請求の範囲に記載されているようには、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0052】
本明細書に含まれる例および図は、限定ではなく例示として、主題が実施される特定の実施例を示す。前述のように、他の実施例を利用し、そこから導き出すことができる。その結果、本開示の範囲から逸脱することなくは、構造的および論理的な置換および変更を行うことができる。本発明の主題のそのような実施例は、本明細書において、単に便宜のためには、そして本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、 「発明」 という用語によって個別に又は集合的に言及される。事実は、開示。 従って、特定の実施例が本明細書で例示および説明されたが、同じ目的を達成するために計算された任意の配置を、示された特定の実施例の代わりに使用することができる。本開示は、様々な実施例のありとあらゆる適応又は変形を網羅することを意図している。上記の実施例は、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施例の組み合わせは、上記の説明を検討すると、当業者には明らかであろう。
【要約】

【課題】医療装置をカテーテル内に装填する装填装置500を提供する。
【解決手段】本発明の装填装置500は、医療装置の拡張部分3を受け入れる管腔504を有する本体502を有する。前記本体502は、開閉可能な2つの部分506,508を有する。前記2つの部分506,508が開いた構成では、管腔504が露出し、閉じた構成では管腔504が閉じられる。前記2つの部分506,508はそれぞれ内面510、512を有する。一方の内面510は前記管腔504の一部分を規定する第1の溝514を有する。他方の内面512は前記管腔504の残余部分を規定する第2の溝516を有する。前記本体502は、カテーテルの止血弁と結合する大きさと形状を有する遠位先端部分520を有する。前記遠位先端部分520が前記カテーテルの止血弁と結合した時には、前管腔504は、前記カテーテルの内腔と整列し、前記遠位先端部分520を貫通して伸びる。
【選択図】図5A
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C