IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコ エレクトロニクス アンプ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハウツンクの特許一覧

特許7004542カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット
<>
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図1
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図2
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図3
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図4
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図5
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図6
  • 特許-カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】カンチレバーを有するフラットコンタクトソケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
H01R13/11 302A
H01R13/11 H
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017205727
(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公開番号】P2018073826
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】10 2016 221 351.2
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】フェルティッヒ,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】シュタンゲ,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ティルナヴッカラス,ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】トボルト,ヨアヒム
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-141794(JP,A)
【文献】独国実用新案第202007000302(DE,U1)
【文献】特表2007-531224(JP,A)
【文献】特開2009-037955(JP,A)
【文献】特表2012-508959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/00-13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体とフラットコンタクトレセプタクル(9)とに電気的に接続するための接続部(3)をもつフラットコンタクトソケット(1)であって、
前記フラットコンタクトレセプタクル(9)はフラットコンタクト面(11)に沿ってソケット本体(7)内に延び、
前記フラットコンタクトレセプタクル(9)は前記接続部(3)から離間し、前記フラットコンタクトレセプタクル(9)内にフラットコンタクト(63)を挿入方向(17)に沿って挿入開口(13)を通じて挿入することができ、
前記フラットコンタクトソケット(1)は、少なくとも1つの阻止要素(15)を有し、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記挿入方向(17)において前記挿入開口(13)の反対側にあり、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、少なくとも前記挿入方向(17)において前記フラットコンタクトレセプタクル(9)の境界を定め、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記挿入方向(17)に延びる少なくとも1つのカンチレバー(31)から前記挿入方向(17)を横断して突出しているとともに、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記カンチレバー(31)の自由端であり、
前記挿入開口(13)は1つである、
ことを特徴とする、
フラットコンタクトソケット(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記フラットコンタクトソケット(1)の残りの部分と一体に形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は少なくとも1つのブレース(33)を有し、
前記少なくとも1つのブレース(33)を介して前記少なくとも1つの阻止要素(15)は前記カンチレバー(31)に接続されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記フラットコンタクト面(11)を横断して測定された前記フラットコンタクトレセプタクル(9)の高さ(35)の少なくとも半分まで延びていることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項5】
前記ソケット本体(7)は、前記フラットコンタクト面(11)を横断して互いに反対側にある少なくとも2つの脚部(21)を有し、
前記少なくとも2つの脚部(21)によって、前記フラットコンタクトレセプタクル(9)は、前記フラットコンタクト面(11)を横断して境界が定められていることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項6】
前記少なくとも2つの脚部(21)は、前記挿入方向(17)において前記挿入開口(13)の反対側にある少なくとも1つのウエブ(25)を介して接続されていることを特徴とする、
請求項5に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項7】
前記脚部(21)のうちの少なくとも1つは、前記フラットコンタクト(63)に電気的に接触するために前記脚部(21)の内面(37)に少なくとも1つのコンタクト部(55)を有していることを特徴とする、
請求項5または6に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンタクト部(55)は少なくとも1つのコンタクトばね(57)を備えており、
前記少なくとも1つのコンタクトばね(57)は、前記フラットコンタクトレセプタクル(9)内に突出し、前記脚部(21)の方に弾性的に撓み可能であることを特徴とする、
請求項7に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項9】
前記フラットコンタクトソケット(1)は、前記挿入方向(17)を横断して延びる基部(27)を有し、
前記基部(27)は前記挿入方向(17)において前記挿入開口(13)の反対側にあり、前記基部(27)によって前記ソケット本体(7)は前記接続部(3)に接続されていることを特徴とする、
請求項5から8のいずれか一項に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項10】
前記接続部(3)は、圧着によって導電体に接続するための少なくとも2つの圧着ウィング(5)を有していることを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項11】
前記フラットコンタクトソケット(1)は、ハウジング(73)とのポジティブ係合を作り出すために、前記挿入方向(17)と実質的に平行に前記フラットコンタクトソケット(1)内に延びる少なくとも1つのポジティブ係合凹部(49)を有していることを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項12】
前記フラットコンタクトソケット(1)をハウジング(73)に固定するために、前記挿入方向(17)と平行に延びる少なくとも1つの停止面(53)が、前記少なくとも1つのポジティブ係合凹部(49)によって前記ソケット本体(7)に形成されていることを特徴とする、
請求項11に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項13】
前記フラットコンタクトソケット(1)は打抜き曲げ部品として製造されていることを特徴とする、
請求項1から12のいずれか一項に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項14】
前記フラットコンタクトソケット(1)は、前記挿入方向(17)において前記挿入開口(13)の反対側にある基部(27)を有し、前記基部(27)によって前記ソケット本体(7)は前記接続部(3)に接続されており、
前記基部(27)は、前記挿入方向(17)を横断する、または前記挿入方向(17)に対して長手方向に延びる主曲げ縁(29)によって形成されていることを特徴とする、請求項13に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記主曲げ縁(29)の材料(28)から少なくとも部分的に打ち抜かれ、前記挿入方向(17)において前記主曲げ縁(29)の下流にあることを特徴とする、
請求項14に記載のフラットコンタクトソケット(1)。
【請求項16】
導電体とフラットコンタクトレセプタクル(9)とに電気的に接続するための接続部(3)をもつフラットコンタクトソケット(1)であって、
前記フラットコンタクトレセプタクル(9)はフラットコンタクト面(11)に沿ってソケット本体(7)内に延び、
前記フラットコンタクトレセプタクル(9)は前記接続部(3)から離間し、前記フラットコンタクトレセプタクル(9)内にフラットコンタクト(63)を挿入方向(17)に沿って挿入開口(13)を通じて挿入することができ、
前記フラットコンタクトソケット(1)は、少なくとも1つの阻止要素(15)を有し、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記挿入方向(17)において前記挿入開口(13)の反対側にあり、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、少なくとも前記挿入方向(17)において前記フラットコンタクトレセプタクル(9)の境界を定め、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記挿入方向(17)に延びる少なくとも1つのカンチレバー(31)から前記挿入方向(17)を横断して突出しているとともに、
前記フラットコンタクトソケット(1)は打抜き曲げ部品として製造されており、
前記フラットコンタクトソケット(1)は、前記挿入方向(17)において前記挿入開口(13)の反対側にある基部(27)を有し、前記基部(27)によって前記ソケット本体(7)は前記接続部(3)に接続されており、
前記基部(27)は、前記挿入方向(17)を横断する、または前記挿入方向(17)に対して長手方向に延びる主曲げ縁(29)によって形成されており、
前記少なくとも1つの阻止要素(15)は、前記主曲げ縁(29)の材料(28)から少なくとも部分的に打ち抜かれ、前記挿入方向(17)において前記主曲げ縁(29)の下流にあることを特徴とする、フラットコンタクトソケット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電体、特にケーブルと、フラットコンタクトレセプタクルとに電気的に接続するための接続部をもつフラットコンタクトソケットに関する。フラットコンタクトレセプタクルは、フラットコンタクト面に沿ってソケット本体内に延びる。フラットコンタクトレセプタクルは、接続部から離間し、フラットコンタクトレセプタクル内にフラットコンタクトを挿入方向に沿って挿入開口を通じて挿入することができる。フラットコンタクトソケットは、少なくとも1つの阻止要素(blocking element)を有し、少なくとも1つの阻止要素は挿入方向において挿入開口の反対側にあり、少なくとも1つの阻止要素は少なくとも挿入方向においてフラットコンタクトレセプタクルの境界を定める。
【背景技術】
【0002】
導電体とフラットコンタクトとの間の電気接続を確立することができるフラットコンタクトソケットが知られている。ケージ形状またはボックス形状構造がしばしば利用され、その中にフラットコンタクトを滑り込ませることができる。特に、2つのフラットコンタクトを滑り込ませて、それらの間の電気接続を確立することができるそのような構造が知られている。そのような構造は、接続ブラケットとしても知られている。しかしながら、そのような構造の欠点は、通常、生産には複雑であり、取り扱いにくく、または導電体とフラットコンタクトとの間で不十分な機械接続および/または電気接続しか確立することができないことである。さらに、知られているフラットコンタクトソケットはしばしば不十分な大きさのフラットコンタクトレセプタクルしか有しておらず、それは、追加の要素、例えば、タッチプロテクタを有するフラットコンタクトを受容するのを一層困難にまたは不可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえに、本発明の課題は、前述の欠点の少なくとも1つを克服している前述のタイプのフラットコンタクトソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題は、本発明によるフラットコンタクトソケットでは、少なくとも1つの阻止要素が、挿入方向に延びる少なくとも1つのカンチレバーから挿入方向を横断して突出するという点で解決される。
【0005】
本発明による解決策によって、阻止要素を簡単に生産することができる。阻止要素が、挿入方向に延びるカンチレバーから突出することの結果として、挿入方向のフラットコンタクトレセプタクルの奥行きは、挿入方向のカンチレバーの長さによって簡単に適合させることができる。これにより、追加の素子、例えばタッチプロテクタをもつフラットコンタクトを受容するのに好適なフラットコンタクトレセプタクルの形成が可能になる。阻止要素は、特に、独立しているように形成されてもよい。同様に、カンチレバーは独立していてもよく、その結果、少なくとも1つの阻止要素はカンチレバーの自由端として見ることができる。
特に、少なくとも1つの阻止要素は、フラットコンタクト面を横断して突出する。本発明による解決策は、角をなす接続(90°接続)または直線接続(180°接続)の両方に対して使用することができる。90°接続の場合には、接続部は、接続状態において、導電体が少なくとも接続部の領域において挿入方向を横断して延びることができる。180°接続の場合には、接続部は、導電体が少なくとも接続部の領域において挿入方向と平行に延びるように延びることができる。
【0006】
本発明による解決策は様々な構成によって改善することができ、様々な構成は、各々それ自体有利であり、望むように互いに組み合わせることができる。これらの構成とそれに関連した利点とを以下で考察する。
【0007】
特に深いフラットコンタクトレセプタクルを得るために、少なくとも1つの阻止要素は、挿入方向にソケット本体の残りの部分から離間させることができる。これは、少なくとも1つの阻止要素が挿入方向においてソケット本体の残りの部分の下流にあり得ることを意味する。したがって、阻止要素は、ソケット本体に取り付けられるか、またはカンチレバーによってソケット本体に接続されることが好ましい。
【0008】
有利な構成によれば、少なくとも1つの阻止要素は、フラットコンタクトソケットの残りの部分と一体に形成することができる。特に、阻止要素、カンチレバー、ソケット本体、および接続部は、互いに一体に形成することができる。その結果として、一方では、特に簡単に設計されたフラットコンタクトソケットを得ることができる。他方では、生産中に、阻止要素にカンチレバーを後で取り付けること、またはフラットコンタクトソケットの残りの部分に阻止要素を後で取り付けることを省くことができる。
【0009】
阻止要素は少なくとも1つのブレースを有することができ、少なくとも1つのブレースを介して前記阻止要素はカンチレバーに接続される。特に、阻止要素は、互いに離間した2つのブレースを有することができる。ブレースを介して、阻止要素の高さを、またはカンチレバーからの阻止要素の間隔を適合させることができる。さらに、このようにして、中実の設計と比較して材料を節約することができる。最終的に、阻止要素がカンチレバーの材料を曲げることによって作り出される場合、必要な曲げ力を、中実の設計と比較して削減することができる。
【0010】
挿入方向においてフラットコンタクトレセプタクルの境界を効果的に定めるために、すなわち、フラットコンタクトがフラットコンタクトレセプタクル内に深く差し込まれ過ぎないようにするために、少なくとも1つの阻止要素は、フラットコンタクト面を横断して測定されたフラットコンタクトレセプタクルの高さの半分まで延びることができる。
【0011】
特に簡単に設計されたソケット本体を得るために、ソケット本体は、フラットコンタクト面を横断して互いに反対側にある少なくとも2つの脚部を有することができる。それらの脚部によって、フラットコンタクトレセプタクルは、フラットコンタクト面を横断して境界が定められる。2つの脚部は、特に、実質的に平坦に、フラットコンタクト面と平行に向きを合わすことができる。
【0012】
安定したフラットコンタクトソケットを得るために、少なくとも2つの脚部は、挿入方向において挿入開口の反対側にある少なくとも1つのウエブを介して接続することができる。その結果として、特に、互いに対する少なくとも2つの脚部間の間隔を規定することができる。特に180°接続のためのフラットコンタクトソケットの場合には、少なくとも1つのウエブを、挿入方向に見たときに、フラットコンタクトレセプタクルから側方に配置されるように構成することはやはり有用であり得る。
【0013】
脚部の少なくとも一方は、フラットコンタクトと電気的に接触するために脚部の内面に少なくとも1つのコンタクト部を有することができる。したがって、内面は、フラットコンタクトレセプタクルの方に向けられた面、またはフラットコンタクトレセプタクルの境界を定める面である。2つの脚部は、各々、フラットコンタクト面を横断して互いに反対側にあるコンタクト部を有することが好ましい。
【0014】
少なくとも1つのコンタクト部と、フラットコンタクトレセプタクルに受容されたフラットコンタクトとの間の電気接触を改善するために、少なくとも1つのコンタクト部は、少なくとも1つのコンタクトばねを備えることができる。少なくとも1つのコンタクトばねは、フラットコンタクトレセプタクル内に突出し、脚部の方に弾性的に撓み可能である。少なくとも1つのコンタクト部が複数のそのようなコンタクトばねを有することが好ましい。
【0015】
少なくとも1つのコンタクトばねは、脚部と一体に形成される必要がない。特に、少なくとも1つのコンタクト部は、複数のコンタクトばねを有するコンタクトプレートを備えることができる。コンタクトプレートは、良好な導電性を念頭において選ばれた材料から形成することができる。少なくとも1つのコンタクトプレートは、材料係合によって、特に溶接によって少なくとも1つの脚部の内面に接続されることが好ましい。フラットコンタクトレセプタクルを横断して互いに反対側にある少なくとも2つの脚部の各々は、少なくとも1つのコンタクトプレートを備えることが好ましい。
【0016】
フラットコンタクトソケットは、基部を有することができる。基部は挿入方向を横断して延び、基部は挿入方向において挿入開口の反対側にあり、基部によってソケット本体は接続部に接続される。このようにして、安定したフラットコンタクトソケットと、さらに接続部とソケット本体との間の良好な電気接続との両方を得ることができる。
【0017】
挿入方向を横断して延びる基部は、特に、90°接続のためのフラットコンタクトソケットでは有用となり得る。特に、180°接続で使用されるように意図された本発明によるフラットコンタクトソケットの一実施形態では、基部は、さらに、挿入方向と平行に延びることができる。
【0018】
接続部を導電体、特にケーブルに容易に接続するために、接続部は、圧着(crimping)によって少なくとも1つの導電体に接続するための少なくとも2つの圧着ウィングを有することができる。
【0019】
ハウジングとのポジティブ係合を作り出すために、フラットコンタクトソケットは、挿入方向と実質的に平行にまたは挿入方向を実質的に横断してフラットコンタクトソケット内に延びる少なくとも1つのポジティブ係合凹部を有することができる。少なくとも1つのポジティブ係合凹部は、特に、接続部とソケット本体との間に配置することができる。フラットコンタクトソケットの良好な導電性を得るために、基部は、ポジティブ係合凹部の反対側に連続的に形成されることが好ましい。
【0020】
90°接続の場合には、少なくとも1つのポジティブ係合凹部は、挿入方向と平行にフラットコンタクトソケット内に延びることができることが好ましい。180°接続では、少なくとも1つのポジティブ係合凹部は、挿入方向を横断してフラットコンタクトソケット内に延びることが好ましい。
【0021】
フラットコンタクトソケットをハウジングに固定するために、挿入方向と平行にまたは挿入方向を横断して延びる少なくとも1つの停止面を、少なくとも1つのポジティブ係合凹部によってソケット本体に形成することができる。
【0022】
ハウジング、例えばフラットコンタクトソケットを受容するための絶縁ハウジングは、フラットコンタクトソケットがハウジングに受容された組立て状態では、ポジティブ係合凹部に受け取られるポジティブ係合要素を有することができる。特に、ハウジングは、ポジティブ係合要素がポジティブ係合凹部に受け取られる向き以外の異なる向きでフラットコンタクトソケットをハウジングに挿入しようとすると、ポジティブ係合要素がフラットコンタクトソケットの別の部分、特に基部に当接するように形成することができる。したがって、ポジティブ係合要素のポジティブ係合凹部との相互作用は、組立て中の不具合回避のための要素を表す。組立て状態では、ポジティブ係合要素は停止面に当接することができる。その結果、特に接続部の方向へのフラットコンタクトソケットのハウジングからの離脱が効果的に防止される。これは、接続部に接続された導電体に引張り力が加えられる場合に当てはまる。
【0023】
迅速に低コストで生産されたフラットコンタクトソケットを得るために、フラットコンタクトソケットは、特に、打抜き曲げ部品として製造することができる。
【0024】
この場合、基部は、挿入方向を横断して延びる主曲げ縁によって形成することができる。フラットコンタクトソケットが2つの脚部を有する場合、前記脚部は、挿入方向と反対方向に主曲げ縁またはその仮想伸張部から離れるように延びることができる。
【0025】
特に、90°接続のためのフラットコンタクトソケットの場合には、少なくとも1つの阻止要素は、主曲げ縁の材料から少なくとも部分的に打ち抜くことができ、挿入方向において主曲げ縁の下流にあり得る。その結果、特に簡単に設計された阻止要素または簡単に形成されたカンチレバーを得ることができる。言い換えれば、フラットコンタクトソケットは、主曲げ縁の領域では阻止要素およびカンチレバーなしに閉じられることになる。阻止要素と、好ましくはさらにカンチレバーとは、フラットコンタクトソケットが打抜き曲部品として製造される材料から打ち抜かれ、フラットコンタクトソケットの基部は、主曲げ縁に沿って連続的に延びていない。
【0026】
180°接続の一実施形態では、少なくとも1つのカンチレバーが、接続部の方向に、少なくとも断片的に脚部から延びることができる。少なくとも1つの阻止要素は、対向する脚部の方向にこのカンチレバーから突出することができる。
【0027】
本発明によるフラットコンタクトソケットの安定性をさらに改善するために、特に、2つの脚部が曲がって離れるのを防止するために、フラットコンタクトソケットは、挿入方向と反対方向に向いている脚部端部を互いに接続するかまたはラッチする少なくとも1つのラッチ要素を有することができる。
【0028】
本発明によるフラットコンタクトソケットは、横方向ガイド要素(lateral guide elements)を有することができる。横方向ガイド要素は特に打抜きおよび曲げによって形作られ、横方向ガイド要素はソケット本体と一体構造で形成される。横方向ガイド要素は、フラットコンタクトを、挿入方向を横断して案内することができる。ガイド要素は、特に、挿入方向を横断して配置される側で2つの脚部を少なくとも部分的に閉じることができるように構成される。
【0029】
本発明によるフラットコンタクトソケットがハウジングに受容されることになる場合、フラットコンタクトソケットは、阻止要素の外面に少なくとも1つの溝を備えることができる。この溝は、ハウジングの少なくとも1つの相補的に形成される位置固定要素を、確実に受け取るために形成される。
【0030】
以下、例として、図面を参照しながら有利な実施形態を使用して、本発明をより詳細に説明する。例として実施形態に示す特徴の組合せは、上述のコメントに従って特定の用途のための追加の特徴によって適宜に補足することができる。この特徴の効果が特定の用途において重要でない場合、さらに、上述のコメントに従って、個々の特徴を、記載される実施形態において省略することも可能である。
【0031】
図面において、同じ参照番号は、常に、同じ機能および/または同じ構造をもつ要素に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明によるフラットコンタクトソケットの第1の実施形態の斜視図であり、90°接続のためのフラットコンタクトソケットを示す。
図2図1に示したフラットコンタクトソケットのソケット本体の断面図である。
図3】コンタクト部のコンタクトプレートが見える状態の、図1のフラットコンタクトソケットの縦断面図である。
図4】フラットコンタクトがフラットコンタクトレセプタクルに受容された状態の、図1のフラットコンタクトソケットを示す図である。
図5図1によるフラットコンタクトソケットの切取図であり、ハウジング内にフラットコンタクトが受容されている状態を示している。
図6】本発明によるフラットコンタクトソケットの第2の実施形態の斜視図であり、180°接続のためのフラットコンタクトソケットを示す。
図7図6に示したフラットコンタクトソケットの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、90°接続のための本発明によるフラットコンタクトソケット1の基本構造を、図1を使用して説明する。フラットコンタクトソケット1は、導電体に電気的に接続するための接続部3を有する。接続部3は、特に、圧着部であり、少なくとも2つの圧着ウィング5を特徴として備えることができる。代替として、接続部3は、他の場合には、導電体に、特にケーブルに接続するように形成することもできる。
【0034】
ソケット本体7は接続部3に接続される。ソケット本体7は、フラットコンタクト(ここではまだ示されていない)に接続するために実質的に役立つ。この目的のために、ソケット本体7はフラットコンタクトレセプタクル9を有する。フラットコンタクトレセプタクル9は、図1に点線で示したフラットコンタクト面11に沿って延びる。
【0035】
フラットコンタクトレセプタクル9は、挿入開口13を通してフラットコンタクトを差し込むために開口されている。阻止要素15は、挿入開口13の反対側にあるソケット本体7の端部に配置される。阻止要素15は、フラットコンタクトレセプタクル9内のフラットコンタクトの侵入深さの境界を定める。挿入方向17は、阻止要素15の方向に挿入開口13から延びる。挿入方向17は、フラットコンタクト面11と平行に延びる。したがって、挿入開口13と阻止要素15とは、挿入方向17において互いに反対側にある。
【0036】
一般に、フラットコンタクトソケット1は、挿入方向17を横断して延びる長手方向19に沿って延びる。接続部3とソケット本体7とは、長手方向19において隣接している。図示の例示的な実施形態では、接続部3は、導電体、特にケーブルが、接続部3に接続した後、圧着によって、さらに、最初は、フラットコンタクトソケット1に直接隣接する領域では長手方向19と実質的に平行に延びるように構成される。しかしながら、本発明によるフラットコンタクトソケット1は、異なる形状を有することもできる。例えば、接続部3は、接続部3がソケット本体7から離れて挿入方向17と平行に延びるようにソケット本体7に接続することができる。さらに、代替として、接続部3は、挿入方向17を横断し、かつ長手方向19を横断して延びることができ、したがって、図1において、これは上向きまたは下向きとなる。
【0037】
ソケット本体7は、フラットコンタクト面11を横断して互いに反対側にある2つのフラット脚部21を有する。脚部21は、フラットコンタクト面11を横断してフラットコンタクトレセプタクル9の境界を定める。脚部21は実質的に連続的に形成されることが好ましい。代替として、脚部21は、例えば、材料を節約するために開口を有することもできる。接続部3の反対側のフラットコンタクトソケット1の端部23のうちの1つで、2つの脚部21は、ウエブ25によって互いに接続される。長手方向19においてウエブ25と反対側のソケット本体7の端部のうちの1つで、2つの脚部21は、基部27によって接続される。
【0038】
基部27は、挿入方向17を横断して延び、または長手方向19と平行に延び、フラットコンタクトソケット1のための一種のバックボーンを形成する。基部27は、挿入方向17において挿入開口13の反対側にあり、ソケット本体7を接続部3に接続する。基部27は、良好な導電性を有するように、少なくともソケット本体7と接続部3との間に連続的に形成されることが好ましい。
【0039】
フラットコンタクトソケット1は、導電性材料28からの打抜き曲げ部品として製造されることが好ましい。この場合、基部27の領域は、特に、挿入方向17を横断して延びる主曲げ縁29によって形成される。2つの脚部21は、対応して、2つのフラット領域が主曲げ縁29のまわりに互いの方に曲がることによって形成される。打抜きおよび曲げによって製造することにより、フラットコンタクトソケット1を迅速にコスト効果的に製造することができる。さらに、打抜きおよび曲げにより、さらに、阻止要素15の特に簡単な生産が可能になり、それは以下で考察する。
【0040】
阻止要素15は、挿入方向17においてソケット本体7の残りの部分から離れるように延びるカンチレバー31に接続される。阻止要素15は、挿入方向17を横断し、かつ長手方向19を横断して、すなわち、フラットコンタクト面11を横断してカンチレバー31から突出する。
【0041】
挿入方向17に延びるカンチレバー31に、阻止要素15を配置する。これによって、挿入方向17において、少なくとも部分的に基部27を越えてまたはソケット本体7の残りの部分を越えて突出するフラットコンタクトを、フラットコンタクトレセプタクル9内に受け取ることが可能である。このようにして、追加の要素、例えばタッチプロテクタを備えたフラットコンタクトを受け取ることができる。
【0042】
阻止要素15は、前述した配置によってフラットコンタクトレセプタクル9の残りの部分から離間している。阻止要素15は、ソケット本体7と一体に製造されることが好ましく、フラットコンタクトソケット1の残りの部分と一体に製造されることが特に好ましい。これは、特に、フラットコンタクトソケット1が打抜き曲げ部品として形成される場合に達成することができる。阻止要素15およびカンチレバー31は、この場合、フラットコンタクトソケット1の材料28から打ち抜くことができ、それにより、本発明による阻止要素15なしでソケット本体7の領域に連続的な基部27が形成されることになる。基部27は、2つの脚部21の一方に連続的に移行することができ、阻止要素15を形成する自由端は、挿入方向を横断し、かつ長手方向19を横断して上に曲げることができる。
【0043】
阻止要素15は、2つのブレース33を有し、2つのブレース33を介してカンチレバー31に接続される。それゆえに、阻止要素15は梁のように形成され、離間した2つのブレース33を介してカンチレバー31に接続される。代替として、ブレース33間の領域は閉じることもできる。しかしながら、阻止要素15の形状を生産するのにまたは材料28を上に曲げるのに必要な屈曲力を低減するために、材料28はそこを打ち抜かれるかまたは取り除かれることが好ましい。
【0044】
阻止要素15によって挿入方向17におけるフラットコンタクトレセプタクル9の境界を効果的に定めるために、阻止要素15は、フラットコンタクトレセプタクル9の高さ35の半分を超えて延びる。フラットコンタクトレセプタクル9の高さ35は、フラットコンタクト面11を横断して2つの脚部21の内面37間の間隔として測定される。
【0045】
フラットコンタクトが、特に差し込まれるときにフラットコンタクトレセプタクル9から抜け出さないようにするために、フラットコンタクトソケット1は、さらに、さらなる阻止要素またはガイド要素を特徴として備えることができる。好ましい実施形態では、フラットコンタクトソケット1の端部23は2つの横方向阻止要素39を備えている。横方向阻止要素39は、端部23の方向においてフラットコンタクトレセプタクル9を閉じる。横方向阻止要素39は、脚部21の材料28から打ち抜きおよび曲げによって形成されることが好ましく、ほぼ四分円の横方向阻止要素39が反対側の脚部21の方向に各脚部21から延びる。したがって、2つの横方向阻止要素39の向きは反対である。
【0046】
フラットコンタクトソケット1は、フラットコンタクトレセプタクル9への挿入の際にフラットコンタクトを横方向に案内するために、および脚部21の位置を互いに固定するために、2つのラッチ要素41を有する。これらのラッチ要素41がフラットコンタクトレセプタクル9から横方向に配置される。これは、それらのラッチ要素41が長手方向19において反対の位置に配置され、長手方向19に見たときのフラットコンタクトレセプタクル9は、ラッチ要素41間に配置されることを意味する。ラッチ要素41は、横方向にまたは長手方向19に挿入開口13の境界を定める。
【0047】
ラッチ要素41の各々は、脚部21の一方から反対側の脚部21まで延びる。ラッチ要素41の各々はポジティブ係合開口43を有する。ポジティブ係合開口43は、ラッチ要素41の自由端45に配置されることが好ましい。ラッチ要素41は、実質的に帯状に形成され、2つの脚部21の一方の材料28から打ち抜くことができる。
【0048】
ラッチングのために、ラッチ要素41は、ポジティブ係合開口43が脚部21と同じ高さに配置されるように反対側の脚部21の方向に曲げられる。この脚部21はポジティブ係合突起47を有し、ポジティブ係合突起47は接続状態でポジティブ係合開口43に配置される。このようにして、ポジティブ係合が、挿入方向17を横断して形成される。これにより、互いからのまたは互いの方への2つの脚部21の意図的でない開放または圧縮と長手方向19への2つの脚部21の変位の両方が防止される。
【0049】
フラットコンタクトソケット1はポジティブ係合凹部49を有し、ポジティブ係合凹部49は、挿入方向17と実質的に平行にフラットコンタクトソケット1内に延びる。ポジティブ係合凹部49は、基部27の反対側にあるフラットコンタクトソケット1のその側から基部27の方向に、挿入方向17と反対方向に延びる。
【0050】
ポジティブ係合凹部は、実質的にソケット本体7と接続部3との間に延びる。ポジティブ係合凹部49は、ハウジングの実質的に相補的に形成されたポジティブ係合要素(図示せず)を受け取るのに役立つことができる。基部27がポジティブ係合凹部の反対側に連続的に形成されるという事実によって、フラットコンタクトソケット1は、ハウジングのポジティブ係合要素がポジティブ係合凹部49に配置される場合にしかハウジングに挿入できないことが好ましい。フラットコンタクトソケット1を別の向きでハウジングに挿入しようとすると、例えば、ハウジングへの挿入またはハウジングの閉鎖が防止されるように、基部27がポジティブ係合要素に当接することが可能である。次に図5を参照してこの機能を考察する。
【0051】
ポジティブ係合凹部49は、ここまで、基部27の方向にフラットコンタクトソケット1の材料内に延び、接続部3の圧着ウィング5は、ポジティブ係合凹部49によって、またはポジティブ係合凹部49の伸張部51によって形作られる。
【0052】
好ましくは、停止面53がポジティブ係合凹部49によってソケット本体7に形成され、停止面53は挿入方向17と平行に延びる。フラットコンタクトソケット1がハウジングに配置される場合、およびハウジングのポジティブ係合要素が停止面53に対置される場合、フラットコンタクトソケット1を接続部3の方向に作用する引張り力の下でハウジングから引き出すことは、停止面53のポジティブ係合要素とのポジティブ係合によって効果的に防止され得る。
【0053】
図2は、拡大表示で、および長手方向19を横断してソケット本体7を通る断面で、フラットコンタクトソケット1のいくつかの要素を示す。
【0054】
図2は、阻止要素15が、対置する脚部21の方向に高さ35の半分を超えて延びることを示している。したがって、阻止要素15は、フラットコンタクトが阻止要素15を越えてフラットコンタクトレセプタクル9内に差し込まれるのを効果的に防止する。阻止要素15は、挿入方向17においてソケット本体7の残りの部分の下流にある。横方向阻止要素39は、挿入方向17を横断して効果的にフラットコンタクトレセプタクル9を閉じる。
【0055】
図1を参照して説明していないか、または図1に示していないかもしくは見ることができないフラットコンタクトソケット1のさらなる詳細を、以下で図2および図3を参照して説明する。
【0056】
脚部21はコンタクト部55を有する。コンタクト部55は、フラットコンタクトレセプタクル9に配置されたフラットコンタクトに電気的に接触するのに役立つ。コンタクト部55は脚部21の内面37に配置される。さらに、2つの脚部21の一方のみが電気接触のためのコンタクト部55を有することが可能である。代替として、脚部21の一方は、さらに、プレスオン器を備えることができ、例えば、プレスオン器は、フラットコンタクトレセプタクル9にフラットコンタクトを機械的に固定するように形成される。
【0057】
フラットコンタクトソケット1とフラットコンタクトとの間の電気接続を改善するために、各コンタクト部55はいくつかのコンタクトばね57を有する。コンタクトばね57は、フラットコンタクトレセプタクル9内に突き出し、それぞれの脚部21の方に弾性的に撓み可能である。コンタクト部55の内面37の各々は、複数のコンタクトばね57を備えたコンタクトプレート59を有することが好ましい。コンタクトプレート59は、それぞれの脚部21に導電的に接続される。コンタクトプレート59は脚部21の内面37に溶接されることが好ましい。
【0058】
2つのコンタクトプレート59は、フラットコンタクトレセプタクル9を挟んで互いに反対側にある。コンタクトプレート59またはコンタクト部55は、挿入方向17と反対方向に阻止要素15から離間することが好ましい。コンタクト部55と阻止要素15との間に延びる自由空間61は、例えば、タッチプロテクタを受け入れるのに役立つことができ、タッチプロテクタは、フラットコンタクトの導電性部分のまわりに配置することができる。図4を参照してこれを以下で説明する。
【0059】
図4は、フラットコンタクト63の一部がフラットコンタクトレセプタクル9に配置された状態の前述した種類のフラットコンタクトソケット1を示す。フラットコンタクト63は導電性部分65を有することができる。導電性部分65は、タッチプロテクタ67によって囲まれることが好ましい。フラットコンタクト63の導電性部分のコンタクト面69は露出している。
【0060】
挿入状態では、フラットコンタクト63は、タッチプロテクタ67の前端部71により阻止要素15に当接する。タッチプロテクタ67の前端部71は自由空間61に配置される。同時に、コンタクト面69は、電気接続が確立されるようにフラットコンタクトソケット1の2つのコンタクト部55に対置され得る。
【0061】
以下、図5を参照すると、前述した種類の本発明によるフラットコンタクトソケット1がハウジング内に描かれている。図5は、フラットコンタクト63がフラットコンタクトレセプタクル9に配置されているフラットコンタクトソケット1を示している。
【0062】
フラットコンタクトソケット1は、2つの部分からなるハウジング73に配置される。ハウジング73は、上部部分75と下部部分77とを含む。2つの部分75および77は、例えば、図5に示すように、組立て状態で好適な留め要素(図示せず)または他の接続手段によって接続することができる。
【0063】
ハウジング73は開口79を含む。この開口79を通って、フラットコンタクト63はハウジング73の内部に、したがってフラットコンタクトソケット1のフラットコンタクトレセプタクル9内に入ることができる。ハウジング73は少なくとも1つのさらなる開口(図示せず)を有することが好ましく、その開口を通して、導電体をフラットコンタクトソケット1の接続部3に接続することができる。
【0064】
ハウジング73は、下部部分77に、ハウジング73の内部に突出するポジティブ係合要素81を有する。図5に示した組立て状態では、ポジティブ係合要素81は、フラットコンタクトソケット1のポジティブ係合凹部49に配置され、停止面53に対置される。それによって、フラットコンタクトソケット1は、確かに、接続部3の方向にハウジング73から引き出されないようにされる。ポジティブ係合要素81とポジティブ係合凹部49との間の相互作用は、さらに、ハウジング部分75および77を組み立てるときの不具合、またはフラットコンタクトソケット1をハウジング73に挿入するときの不具合を回避するのに役立つ。例えば、基部27がポジティブ係合要素81に対置されるようにフラットコンタクトソケット1が下部部分77に挿入された場合、上部部分75は、もはや、2つの部分を接続できるように下部部分77の方に移動することができない。
【0065】
上部部分75は、挿入方向17と反対方向にポジティブ係合要素81と対向して配置された押圧要素83を有する。組立て状態において、押圧要素83は、フラットコンタクトソケット1の基部27を押しつけ、その結果、フラットコンタクトソケット1の基部27は、挿入方向17にしっかりと保持される。さらに、ハウジングの上部部分75は1つまたは複数の突起85を有することができる。突起85は、組立て状態では、フラットコンタクトソケット1の阻止要素15を圧迫して、フラットコンタクトソケット1をハウジング73に阻止要素15の領域においてさらに確実に嵌合させるのを保証する。さらに、それにより、阻止要素15の振動または揺れを低減させることができる。代替の構成では、突起85の各々に対して、阻止要素15はくぼみまたは溝を有することができる。このくぼみまたは溝に突起85は入ることができ、その結果、追加のポジティブ係合をさらにそこにおいて挿入方向17を横断して得ることができる。
【0066】
本発明によるフラットコンタクトソケット1の第2の有利な実施形態の構造を、図6および図7を参照して以下で説明する。簡潔にするために、図1から図5を参照して説明した実施形態との相違点のみを考察する。
【0067】
第2の実施形態は180°接続に使用することができる。これは、導電体が少なくとも接続部3において挿入方向17と実質的に平行に延びるようにソケット本体7および接続部3が互いに対して配置されることを意味する。
【0068】
その結果、挿入方向17は、長手方向19と平行に延びる。それゆえに、挿入開口13は、ソケット本体7の側面ではなく、長手方向19に配置されたソケット本体7の端部に配置される。
【0069】
阻止要素15は、脚部21の一方から、挿入方向17に、それゆえに、実質的に接続部3の方向に延びる。したがって、挿入方向17に延びるカンチレバー31と、挿入方向17を横断して突出する阻止要素15とは、互いに合体する。阻止要素15およびカンチレバー31は、曲がった舌部87として形成することができる、曲がった舌部87の端部部分89は阻止要素15によって形成される。前述した実施形態と同様に、阻止要素15は、フラットコンタクト面11を横断して、フラットコンタクトレセプタクル9の高さ35の半分を超えて延びる。
【0070】
本発明によるフラットコンタクトソケット1の第1の実施形態と同様に、ここでも、2つの脚部21は、ラッチ要素41によって互いに接続される。しかしながら、第2の実施形態では、2つのラッチ要素41間の領域において、挿入方向17を横断する方向でフラットコンタクトの意図的でない挿入を、すなわち、2つのラッチ要素41間のフラットコンタクトの意図的でない挿入を防止する阻止ウエブ91が延びる。
【0071】
カンチレバー31は、接続部3の近くに配置されたラッチ要素41から延びる。これは、カンチレバー31が、このラッチ要素41のポジティブ係合突起47を備えた脚部21の部分から延びることを意味する。その結果、この配置から分かることは、カンチレバー31とポジティブ係合突起47とが互いに実質的に垂直に延びるということである。
【0072】
第2の実施形態の阻止要素15の配置は、長手方向19を横断して延びる停止面53をもつポジティブ係合凹部49の存在を排除しない。第2の実施形態では、ポジティブ係合凹部49は、フラットコンタクトレセプタクル11を連続的に横断する方向でフラットコンタクトソケット1を通って延びない。代わりに、停止面53が、阻止要素15に対向する脚部21に配置される。ポジティブ係合凹部49は、この停止面53と、接続部3の2つの圧着ウィング5との間に延びる。
【符号の説明】
【0073】
1 フラットコンタクトソケット
3 接続部
5 圧着ウィング
7 ソケット本体
9 フラットコンタクトレセプタクル
11 フラットコンタクト面
13 挿入開口
15 阻止要素
17 挿入方向
19 長手方向
21 脚部
23 フラットコンタクトソケットの端部
25 ウエブ
27 基部
28 導電性材料
29 主曲げ縁
31 カンチレバー
33 ブレース
35 フラットコンタクトレセプタクルの高さ
37 脚部の内面
39 横方向阻止要素
41 ラッチ要素
43 ポジティブ係合開口
45 ラッチ要素の自由端
47 ポジティブ係合突起
49 ポジティブ係合凹部
51 ポジティブ係合凹部の伸張部
53 停止面
55 コンタクト部
57 コンタクトばね
59 コンタクトプレート
61 自由空間
63 フラットコンタクト
65 フラットコンタクトの導電性部分
67 タッチプロテクタ
69 コンタクト面
71 フラットコンタクトの前端部
73 ハウジング
75 ハウジングの上部部分
77 ハウジングの下部部分
79 フラットコンタクトのための開口
81 ポジティブ係合要素
83 押圧要素
85 突起
87 舌部
89 舌部の端部部分
91 阻止ウエブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7