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特許7004576人の肌または爪を装飾するための物品およびこのような物品を用いる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】人の肌または爪を装飾するための物品およびこのような物品を用いる方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 29/00 20060101AFI20220114BHJP
   B44C 1/175 20060101ALI20220114BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20220114BHJP
   A61Q 3/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A45D29/00
B44C1/175 A
A61K8/02
A61Q3/00
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2017567704
(86)(22)【出願日】2016-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 FR2016051615
(87)【国際公開番号】W WO2017001777
(87)【国際公開日】2017-01-05
【審査請求日】2019-07-01
(31)【優先権主張番号】1556060
(32)【優先日】2015-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502189579
【氏名又は名称】エルブイエムエイチ レシェルシェ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・シュヴァリエ
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-284605(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02999063(FR,A1)
【文献】特開平11-020397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0153133(US,A1)
【文献】米国特許第04596260(US,A)
【文献】実開昭62-194099(JP,U)
【文献】国際公開第2012/002390(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 29/00~29/22
B44C 1/00~ 7/08
A61K 8/00~ 8/99
A61Q 3/00~ 3/04
C09J 1/00~201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の肌(13;23)または爪(9)に許容される活性剤(7)と、人の肌、または、少なくとも1つの爪(9)に塗布される装飾要素(1)と、を備える、人の肌(13;23)または爪(9)を装飾するための物品であって、前記物品は、
- 前記人の肌(13、23)または爪(9)に少なくとも部分的に転写される装飾(2)であって、前記装飾(2)は、第1の外面(3)および第2の外面(4)を有する少なくとも1つの装飾層(2)を備える、装飾(2)と、
- 前記装飾(2)を支持する支持フィルム(5)であって、前記支持フィルム(5)は、前記装飾層(2)の前記第1の外面に取り外し可能に取り付けられている、支持フィルム(5)と、
- 前記装飾層(2)の前記第2の外面(4)に塗布された不活性接着剤層(6)であって、前記活性剤(7)が、前記不活性接着剤層(6)を活性化することができる、不活性接着剤層(6)と、
を備え、
前記活性剤が、前記肌(13;23)または少なくとも1つの爪(9;23)に塗布され得る、流体(8;14;22)、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体の成分を含むことを特徴とする物品。
【請求項2】
前記流体の成分(14)が、不活性接着剤のための溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記溶媒(14)が、水、アルコール、アセテートまたはアセトンのうちの少なくとも1つの溶媒を含むことを特徴とする請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記不活性接着剤層(6)が、2成分接着剤の第1成分を含み、前記流体の成分(8)が前記2成分接着剤の第2成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項5】
流体(8;14;22)、半流体または固体の成分のためのアプリケータ(12;16)を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記活性剤(7)が光放射源を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記光放射源が紫外線放射源(30)であることを特徴とする請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記活性剤(7)が、熱(25)源(24)を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記活性剤が、冷却源を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記活性剤が、圧力源を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記不活性接着剤層(6)が、互いに重ね合わされた製品の複数の副層を備えることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記装飾(2)が、少なくとも0.5cmの表面積を有するシートであることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記装飾(2)が、0.5cm~100cmの表面積を有するシートであることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記装飾(2)は、2次元または3次元のパターンを有するシート、或いは、模倣の3次元または模倣のファブリックをもたらす効果、粒子効果、金属、または、光源に対する配向に応じて光学的錯覚を生じる装飾を有するシートであることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記装飾層(2)の前記支持フィルム(5)が、透明フィルムであることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記不活性接着剤層(6)を少なくとも部分的に覆う取り外し可能な保護フィルムを備えることを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記活性剤が、人の肌(13、23)または少なくとも1つの爪(9)に塗布されるように適合された、流体(8;14;22)、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体の成分を含み、これにより、前記人の肌(13、23)または少なくとも1つの爪(9)上の前記活性剤と接触する前記装飾層(2)の表面が、前記支持フィルム(5)から前記人の肌(13、23)または少なくとも1つの爪(9)に転写されることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の物品の装飾要素(1)の装飾(2)を少なくとも部分的に転写する方法であって、
- 前記不活性接着剤層(6)のために前記活性剤(7)に含まれた前記流体(8;14;22)、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体の成分を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップと
- 前記装飾要素(1)の前記不活性接着剤層(6)を前記流体(8;14;23)の成分上に配置することによって、前記装飾要素(1)を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップと、
- 不活性接着剤の活性化のために所定の時間待つステップと、
- 前記装飾要素(1)を取り外すステップと、
を備える方法。
【請求項19】
請求項6または7に記載の物品の装飾要素(1)の装飾(2)を少なくとも部分的に転写する方法であって、
- 前記不活性接着剤層(6)のために前記活性剤(7)に含まれた前記流体(8;14;22)、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体の成分を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップと
- 前記装飾要素(1)の前記不活性接着剤層(6)を前記流体(8;14;23)の成分上に配置することによって、前記装飾要素(1)を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップと、
- 不活性接着剤の活性化のために所定の時間待つステップと、
- 前記装飾要素(1)を取り外すステップと、
を備える方法であって、
前記流体(8;14;22)の成分を塗布するステップが、アプリケータ(12;16)によって行われることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記装飾要素(1)を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップの後に、前記装飾要素(1)に所定時間紫外線を照射するステップをさらに備えることを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記装飾要素(1)を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップの後に、前記装飾要素(1)が熱源(24)に所定時間露出されることを特徴とする請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記熱源(24)は、25℃~40℃の温度の熱(25)を発生することを特徴する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項6または7に記載の物品の装飾要素(1)の装飾の少なくとも部分的な転写のための方法であって、
- 前記装飾要素(1)の前記不活性接着剤層(6)を前記肌(13;23)上に直接配置することによって、前記装飾要素(1)を前記肌(13;23)または爪(9)に塗布するステップと、
- 前記肌(13;23)または爪(9)に配置された前記装飾要素(1)を放射に露出させるステップと、
- 不活性接着剤の活性化のために所定時間待つステップと、
- 前記装飾要素(1)を取り外すステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項24】
前記放射は、熱放射または光放射であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記装飾要素(1)を肌(13;23)または爪(9)に押圧するステップをさらに備えることを特徴とする請求項18~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体を装飾するための物品、特に、肌または爪に塗布される非永久装飾物品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの製品が、肌または爪への塗布を意図しており、非永久的に人の身体部分を飾り付け、覆い、カモフラージュし、または有利にするために存在する。アプリケータの有無にかかわらずボトルに包装された複数の形態(粉末、クリーム、光沢のあるフレーク)におけるこのような化粧品が見られる。
【0003】
肌や爪に塗布する一時的なタトゥーも存在する。これらは、シートによって支持された所定の輪郭を有する装飾の形態である。装飾は、タトゥーを配置したい場所(装飾を施した側の面が肌または爪に当接している)にシートを塗布することによって肌または爪に転写され、装飾をその移送のための支持体から剥がすためにシートの外面が湿らされる。
【0004】
本発明は、特に、肌または爪に転写される装飾に関する。
【0005】
肌または爪に適用される「ステッカー」タイプの飾りもある。このような装飾は、例えば、爪の形状およびサイズに適合するように切断されなければならない所定の輪郭を有する自己接着性画像の形態である。
【0006】
このようなステッカーで得られる結果は、例えば、装飾される表面全体を覆わないなど、必ずしも非常に正確で美しいものではない。
【0007】
特許文献1には、人の肌または爪を装飾するための物品が記載されている、
人の肌または少なくとも1つの爪に塗布される装飾要素であって、装飾要素は、少なくとも部分的に人の肌または爪に転写される装飾を備え、装飾は、第1の外面及び第2の外面及び装飾を支持する支持フィルムを有する少なくとも1つの装飾層を備え、支持フィルムは装飾層の第1の外面に解放可能に固定されている、装飾要素を備える。物品は、アプリケータによって肌に塗布された流体製品をさらに備え、流体は乾燥しながら粘着性になる特性を有する。
【0008】
このような物品は、正確な結果をもたらさず、接触した際に装飾を部分的に損傷することさえあり得る。
【0009】
特許文献2には、その塗布に熱放射源とその実施を複雑にする加圧要素とを必要とする、肌または爪を装飾するための物品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】仏国特許第2,999,063号明細書
【文献】独国特許第3337458号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、形状の制約がなく正確な装飾結果を得ることができ、かつ、実施が簡単な、人の肌または爪を装飾するための物品を提供することを課題とする。
【0012】
このため、本発明は、人の肌または爪に許容される活性剤と、人の肌、または、少なくとも1つの爪に塗布される装飾要素と、を備える、人の肌または爪を装飾するための物品を提供し、物品は、
- 人の肌または爪に少なくとも部分的に転写される装飾であって、装飾は、第1の外面および第2の外面を有する少なくとも1つの装飾層を備える、装飾と、
- 装飾を支持する支持フィルムであって、支持フィルムは、装飾層(2)の第1の外面に取り外し可能に取り付けられている、支持フィルムと、
- 装飾層の第2の外面に塗布された不活性接着剤層であって、活性剤が、不活性接着剤層を活性化することができる、不活性接着剤層と、
を備え、
活性剤が、肌または少なくとも1つの爪に塗布され得る、流体、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体の成分を含む。
【0013】
装飾層上に不活性接着剤層を付けることは、装飾と不活性接着剤との間の一定の接着力をもたらす。このようにして、活性剤が接着剤と接触して配置されると、装飾は、接着剤に付着し続け、不活性接着剤は活性剤と接触し、装飾だけが、接着剤と接触した正確な位置に転写される。活性化剤と一緒に。これにより、所望の形状の正確で審美的な転写が可能になる。
【0014】
本発明の物品は、以下の特徴を個々にまたは組み合わせてさらに備え得る:
- 流体の成分は、不活性接着剤のための溶媒であり得る;
- 溶媒は、水、アルコール、アセテート、またはアセトンのうちの少なくとも1つの溶媒を含み得る;
- 不活性接着剤層は、二成分接着剤の第一成分を含み、流体の成分は、二成分接着剤の第二成分を含み得る;
- 物品は、流体、半流体または固体成分用のアプリケータを備え得る;
- 活性剤は、光放射源、好ましくは紫外線放射源を含み得る;
- 活性化剤は、熱源をさらに含み得る;
- 活性剤は、冷却源をさらに含み得る;
- 活性剤は、圧力源であり得る;
- 不活性接着剤層は、互いに重ね合わされた製品の複数の副層を備え得る;
- 装飾は、少なくとも0.5cm、場合によっては少なくとも1cm、場合によっては少なくとも10cmの表面積を有するシートであり得る;
- 或いは、前記装飾は、0.5cm~100cm、場合によっては10cm~100cmの表面積を有するシートであり得る;
- 装飾は、2次元または3次元のパターンを有するシート、或いは、模倣の3次元または模倣のファブリックをもたらす効果、粒子効果、金属、または、光源に対する配向に応じて光学的錯覚を生じる装飾を有するシートであり得る;
- 装飾層の支持フィルムは、透明フィルムであり得る;
- 物品は、不活性接着剤層を少なくとも部分的に覆う取り外し可能な保護フィルムを備え得る。
【0015】
本発明は、物品の装飾要素(1)の装飾(2)を少なくとも部分的に転写する方法に関し、活性剤は、人の肌または少なくとも1つの爪に塗布可能な、流体、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体である成分を含み、方法は、
- 不活性接着剤層のための活性剤に含まれる流体、ペースト状、半ペースト状、または特に粉末状の固体の成分を肌または爪に塗布するステップと、
- 肌または爪に塗布された流体の成分上に装飾要素の不活性接着剤層を配置することによって、肌または爪に装飾要素を塗布するステップと、
- 不活性接着剤の活性化のために所定の時間待つステップと、
- 装飾要素を取り外すステップと、
を備える。
【0016】
一変形例によれば、本発明の方法は、流体、半流体または固体の成分用のアプリケータを備える物品で実施され得る。この方法によれば、流体の成分の塗布はアプリケータを用いて行われる。
【0017】
他の変形例によれば、本方法は、活性剤が光放射源、好ましくは紫外線放射を備える物品を利用し得る。本発明によれば、方法は、装飾要素を肌または爪に塗布するステップの後に、装飾要素を所定時間紫外線に露出するさらなるステップを備える。
【0018】
本発明の方法のさらに別の変形例によれば、装飾要素を肌または爪に塗布するステップの後、装飾要素を熱源に所定時間露出する。熱源は、25℃~40℃の温度の熱を発生させ得る。
【0019】
本発明の方法のさらに別の変形例によれば、本発明における物品の装飾要素の装飾の少なくとも部分的な転写の確かにし、活性剤は、光放射源、好ましくは市街性放射源を備え、方法は、
- 装飾要素の不活性接着剤層を肌(13; 23)上に直接配置することによって、装飾要素を肌または爪に塗布するステップと、
- 肌または爪に配置された装飾要素を放射に露出させるステップと、
- 接着剤の活性化のために所定時間待つステップと、
- 装飾要素を取り外すステップと、
を備える。
【0020】
好ましくは、この方法の状況において、放射は、熱放射または光放射である。
【0021】
本発明の方法のさらに別の変形例によれば、方法は、装飾要素を肌または爪に押圧するステップをさらに備え得る。
【0022】
この実施を可能にするために、本発明は、添付する図面が付随される以下の説明において十分に明確かつ包括的な方法で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による物品の装飾的要素の斜視図である。
図2図1に示す領域IIの拡大図である。
図3】本発明による物品のための活性剤、アプリケータおよび指を含むボトルの斜視図である。
図4】まぶたの正面図である。
図5】装飾が施された、図4に示されたまぶたの正面図である。
図6】まぶたに装飾を施した後の装飾要素の正面図である。
図7】本発明による物品のための別の活性剤、並びに、アプリケータ及び指を含むボトルの別の斜視図である。
図8図7に示された活性剤の塗布後の、図7に示される爪に適用された装飾要素の斜視図である。
図9】装飾要素を取り外した後の、図7および図8に示す指の別の斜視図である。
図10】装飾を爪に塗布した後の装飾要素の正面図である
図11】文字形状の装飾が塗布された後部肩の正面図である。
図12図11に示す文字形状の装飾を得るために使用されるアプリケータおよび活性剤リザーバの斜視図である。
図13】熱源に曝される装飾要素が塗布される肩部の正面図である。
図14】飾りを肩に適用した後の装飾要素の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、理解を容易にするために、図面を参照する際に、用語「下方」、「上方」、「上」、「下」などが使用される。これらは、本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0025】
図1は、本発明による物品の装飾要素1を示しており、この装飾要素は、連続した装飾層を有する可撓性長方形シートの形態である。シートは、少なくとも10cm、おそらくは少なくとも1cm、おそらくは少なくとも0.1cmの短辺の長さを有する。好ましくは、短辺の長さは、0.1cm~30cm、場合によっては0.1cm~5cm、場合によっては0.1cm~1cmである。このシートは、好ましくは、少なくとも0.5cm、おそらくは少なくとも1cm、おそらくは少なくとも10cmの表面積を有する。好ましくは、シートは、0.5cm~100cm、おそらくは10cm~100cmの表面積を有する。シートは、本発明の範囲内において他の寸法および他の形状を有し得ることを理解されたい。
【0026】
あるいは、取り付けられた支持ストリップは、不連続な装飾要素を提示し、装飾要素は、少なくとも0.25cmの長さ辺と、少なくとも0.06cmの大きさの表面領域と、を有する。支持ストリップは、例えば、ストリップの形態であり得る。
【0027】
同じ支持体の装飾要素は、すべて同一であっても異なっていてもよい。
【0028】
この装飾要素1は、剛性であってもよいが、一般的には、爪、肩、腕などの爪または肌を被覆する人体部分のような湾曲したまたは可撓性のある表面に貼り付けるのに十分なほど柔軟である。
【0029】
提示される実施例において、装飾要素は、爪、まぶた、または肩に適用される。本発明は、これら特定の領域に装飾要素を適用することに限定されず、本発明の装飾要素を人体の他の部分に適用できることを理解されたい。
【0030】
図2に示すように、装飾要素1は、複数の積層で構成されている。第1の層は、スパイラルパターンが均一に分配され、装飾層2の全面積を覆うシートによって概略的に図示された装飾2を構成する。
【0031】
装飾層2自体は、本発明の範囲内において、異なる色およびテクスチャーの複数の複数の積層としてそれ自体が実施され得る。従って、装飾層2には、装飾のための透明な外側保護層(例えば、ラッカーまたはプラスチックフィルム)が存在し得る。
【0032】
装飾層2は、装飾の層であり、それは、光沢、布地、粒子効果を模倣する印刷パターンであり得、あるいは、それは、ベルベットの感触のような感覚的効果、または立体感を与える印刷されたパターン、または光源等に対する装飾の配向に応じた錯視、または単に単色を形成し得る。
【0033】
装飾層2は、第1の外面3および第2の外面4を含む。
【0034】
第1の外面3は、装飾層を支持する支持フィルム5に取り外し可能に取り付けられている。この場合、装飾層2の装飾を認識できるように、支持フィルム5は透明である。
【0035】
支持フィルム5は、本発明の範囲内において、不透明として実施され得ることが理解される。
【0036】
支持フィルム5は、装飾層を保護する機能(保管時、かつ、装飾時には装飾の移送を容易にする)を有しており、ある程度の堅牢性を付与することにより装飾要素の取扱いを容易にする。
【0037】
本発明によれば、不活性接着剤6の層が、支持フィルム5に一体化された外面3に対向する第2の外面4の全体に塗布される。「不活性」は、触れた際に実際の接着効果がないことを意味すると理解されるべきである。
【0038】
不活性接着剤6の層は、以下に示すような異なるタイプの活性剤(流体、放射線など)と接触させない限り、接着しないという特徴を有する。
【0039】
例えば、接着剤は、セルロースまたはニトロセルロースタイプのポリマーであり得、活性剤は、アセテート、アセトン、スクロースエステルなどの溶媒であり得、または活性剤は、1つ以上の可塑剤(例えばCitroflex(登録商標))であり得る。
【0040】
また、ヒマシ油は、爪クチュールのための処理も提供するので、溶媒は、例えば、活性剤が爪への塗布するのめの流体形態である実施形態の状況において、ヒマシ油を含み得る。
【0041】
使用される接着剤は、活性化溶媒のpHと異なるpHを有し得る。例えば、接着剤のポリマーは酸性pHを有し、活性化溶媒は塩基性pHを有し得る。
【0042】
セルロース系不活性接着剤は、グルタルアルデヒドを含む溶媒との接触によってフィルムに変えられ得る。
【0043】
不活性接着剤の層は、最高60℃の温度まで、かつ、湿度が85%に達する湿度の高い雰囲気では変化しない。
【0044】
不活性接着剤6はまた、シリコーン接着剤のような二成分接着剤の第一成分を含み得る。このような場合、活性剤は、二成分層の第二成分を含む流体であり得る。シリコーンを含む不活性接着剤の層の例において、活性剤に含まれる第二成分は、白金ベース(バイオタイプPSA接着剤として知られている「感圧接着剤」のような接着剤)であり得る。
【0045】
不活性接着剤の層はまた、装飾要素1の最初の使用前に保護されるように取り外し可能な保護フィルム(図示せず)によって全体的にまたは部分的に覆われ得る。
【0046】
図3は、爪9に塗布される流体8の形態の活性剤7の第1の例を示す。
【0047】
本発明の活性剤7は、人の肌または爪が耐えられる活性剤である。「人の肌または爪が耐えられる活性剤」とは、一時的かつ不長期的に(流体の場合は数日以下、放射線の場合は数分以下)肌または爪と接触したときに肌または爪に損傷を与えない活性剤を意味する。したがって、活性剤は、肌または爪と皮膚科的に適合する。
【0048】
活性剤自体は接着効果を有さない。
【0049】
活性剤7の流体8は、キャップ11が取り付けられたボトル10内に梱包され、キャップ11は流体8のアプリケータ12を備える。
【0050】
アプリケータ12は、例えば、ブラシ(または美容処方アプリケーションの分野または塗料、食品、書道などの任意の他の分野において当技術分野に知られている任意の他のタイプのアプリケータ)であり得、アプリケータ12は、マニキュアと同様に、流体8形態の活性剤7を爪9に塗布することを可能にする。
【0051】
アプリケータ12のブラシは、図4に示すように、流体8の形態の活性剤7をまぶた13に正確に塗布するために使用され得る。また、使用者によって描かれたパターンを形成しながら活性剤7を塗布するためにも使用され得る。
【0052】
本発明は、ブラシの形態のアプリケータの使用に特に限定されないことが理解される。アプリケータは、本発明の範囲から逸脱することなく、ペン、パッド、フォーム、スタンプ、ローラなどであり得る。
【0053】
別のアプリケータが、図12に示されており、文字形のスタンプと、活性剤を含む容器とを備える。以下では、本発明の特定の実施形態において説明する。
【0054】
図7は、アプリケータ12を備えるキャップ11を有するボトル10内に梱包された、本発明による不活性接着剤用の別の活性剤7を示す。
【0055】
この例では、活性剤7は、不活性接着剤の層を活性化することができる溶媒14(上記の溶媒の例を参照)を含む。
【0056】
活性剤7はまた、別のタイプのものであり得、紫外線源30のような光放射源を備え得る。また、活性剤は、光放射源30と肌または爪に塗布される流体との両方を備え得る。
【0057】
最後に、活性剤は、熱源を備え得る。例えば、活性剤7は加熱ランプを備え得る。この場合、肌や爪を焼くことを避け、装飾要素を肌や爪に適用する人が耐えられるように、ランプや熱源から放射される熱は40℃を超えるべきでない。
【0058】
活性剤が物品にかかる圧力であり、この圧力が、不活性接着剤の層に含まれる圧力破裂カプセルを破裂させ、このカプセルが、接着剤流体を含有することも考えられる。
【0059】
活性剤が冷却源であることも考えられる。接着剤を冷却すること(例えば、冷却流体の塗布)が、接触すると接着剤を活性化させる。
【0060】
物品のこれらの実施形態を、本発明による物品の3つの実施形態と本発明による3つの実施方法とを図示する図3~14を参照して説明する。
【0061】
図3図6は、本発明による物品の第1の例を示しており、活性剤は流体であり、ボトル10に収容されている。
【0062】
活性剤7は、流体形態で、2成分接着剤の第1成分を。不活性接着剤6の層は、活性剤に含まれる成分の相補成分を含み、これにより接着剤が活性化される。
【0063】
装飾要素1を爪9またはまぶた13(または人体の他の部分)に塗布するには、まず活性剤7が、キャップ11と一体化されたアプリケータ12を使用して、爪9(図3)の表面全体、または、人間の目の動くおよび動かない両方のまぶた13全体に塗布される。
【0064】
活性剤が乾燥/蒸発するのを待つことなく、装飾要素1の不活性接着剤6の層を流体8形態の活性剤7で被覆された表面上に直接置くことによって装飾要素1を爪9またはまぶた13に貼り付ける。
【0065】
活性剤7が接着剤8を活性化するのに必要な所定時間(数秒)待つ。
【0066】
次に装飾要素1を慎重に取り外す。
【0067】
活性剤7と接触する装飾要素の全表面は、接着剤層6が活性化され、装飾層2を支持フィルム5上に保持する接着剤よりも強い接着力を有するので、キャリアフィルム5から取り外される。
【0068】
したがって、装飾要素1を取り外した後、爪9またはまぶた13(図5)上に形成された装飾2の形状に正確に一致するする要素1の装飾層2に空白の形状15が観察される。
【0069】
図7図10は、本発明による物品の第2の例を示しており、活性剤は流体であり、ボトル10に収容されている。
【0070】
活性剤7は、装飾要素の不活性接着剤6の層のための溶媒である(溶媒は、単一の生成物または化合物の混合物から構成され得る)。
【0071】
前の例と同様に、溶媒14の形態の活性剤7は、キャップ11に一体化されたブラシアプリケータ12を用いて爪9の表面全体に塗布される(図7)。
【0072】
次に、活性剤7の上に不活性接着剤6の層を置くことによって装飾要素を爪に貼り付ける。
【0073】
所定待機時間(数秒間)の後または直ちに(活性剤接着剤の性質に応じて)、装飾要素が取り外される。活性剤と接触した接着剤層6と一体の装飾層2の全表面が、爪に付着したままであり、活性剤と接触して置かれていない接着剤層6と一体の装飾層2の一部は支持フィルムに結合されたままである(図9)。
【0074】
前の例のように、装飾要素1を爪9(図10)から取り外した後、装飾要素1内に装飾なしの空白のスペース15が生じる。
【0075】
溶媒14によって活性化され得る不活性接着剤6の層の代わりに、紫外線30によって活性化され得る不活性接着剤6の層を形成し得る(図2を参照)。これを行うためには、紫外線30の存在下で不活性接着剤6の層を紫外線と接触させて活性化する、特定の活性剤7を爪に単に塗布するだけでできる。
【0076】
本発明の範囲内において、紫外線のみが不活性接着剤成分を活性化させる溶液を提供することもできる。
【0077】
ポリマータイプの接着剤が赤外線によって活性化される溶液を提供することもできる。
【0078】
図11図14は、本発明による別の物品を利用した、本発明による方法のさらに別の例を示す。
【0079】
この例では、活性剤7は、凸部パターン19を有する塗布面18の反対側にグリップハンドル17を有するパッドの形態のスタンプ16を含む(図示の例では文字Dであるが、他の任意のパターンであり得る)。活性剤7はまた、活性化流体22を沁み込ませたスポンジ21を含むオープンケース20を備える。
【0080】
図11は、スタンプ16を用いて活性化流体が塗布される肩部を示している。これを行うために、凸部文字19がハウジング20のスポンジ21に押し付けられ、これにより、活性化流体22を染み込ませる。次いで、凸部文字19が肩部23の肌の表面に押し付けられる(図11)。
【0081】
次に、図13に示すように、装飾要素1の不活性接着剤層6を、肩部23に事前に塗布された活性化流体22に押し付けて、装飾要素1を肩部23に貼り付ける。
【0082】
活性化流体22は、熱の影響下のみで不活性接着剤を活性化する特性を有する。
【0083】
これが、図13には、活性化流体で覆われた表面上で、肩部23に貼り付けられた装飾要素1に向かって熱25を放射するヒートランプ24が示される理由である。
【0084】
肩部23に向かって放射される熱25の温度は、装飾要素を受け入れる人の不快感を回避し、肌のやけどを防止するために25℃~40℃の間である。
【0085】
肌(または爪)への装飾の接着を促すために、装飾要素に圧力を加えることもできる。接着剤層6と一体の装飾層2の部分のみが所定時間(数秒)または直ちに(特に接着剤および活性剤の特性に応じて)、装飾要素1が取り外される。活性剤と接触していた接着剤層6と一体化した装飾層2の一部のみが、肩部23の肌に接着する。従って、肩部23に文字Dの形の装飾2(スタンプを用いて作成された文字の形状)が残る。装飾要素1は、取り外し後、肩部23に結合されたD字形装飾のネガに一致する空白のスペース15を有する。
【0086】
上記の説明から、事前に画定されていない形状の装飾要素を使用して、本発明がどのようにして人の肌または爪に正確な装飾2を創出することができるかを当業者は理解することができる。
【0087】
装飾層と適合する不活性接着剤との組合せを備える装飾要素の設計のために、当業者は、容易に得られない効果をもたらす装飾層の使用によって新しい装飾効果を創出することができることも理解される。これにより、本発明は、正確で、かつ、きらきらとした装飾の錯視などのオリジナル装飾を作成することを可能にする。
【0088】
本発明による別の解決策は、溶剤に対して多孔性の支持層を形成し、これにより、接着剤を乾燥し易くすることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 装飾要素
2 装飾(層)
3 第1の外面
4 第2の外面
5 支持フィルムキャリアフィルム、
6 接着剤層
6 (不活性)接着剤(層)
7 活性剤
8 流体
9 爪
10 ボトル
11 キャップ
12 アプリケータ
13 肌
14 溶媒
15 空白の形状(スペース)
16 スタンプ
17 グリップハンドル
18 塗布面
19 凸部文字(パターン)
20 ハウジング、オープンケース
21 スポンジ
22 活性化流体
23 肩部
23 肌
24 熱源
25 熱
30 紫外線、光放射源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14