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特許7004616三次元物体プリンタにおけるマルチノズル押出機のアライメントのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】三次元物体プリンタにおけるマルチノズル押出機のアライメントのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/236 20170101AFI20220114BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20220114BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20220114BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220114BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220114BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20220114BHJP
【FI】
B29C64/236
B29C64/118
B29C64/386
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y50/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018127224
(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公開番号】P2019025912
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】15/661,810
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド・エイ・マンテル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジー・リン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エイ・セルラ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ジェイ・ニストロム
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105177(JP,A)
【文献】特開2017-105178(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0155140(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0210011(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/236
B29C 64/118
B29C 64/386
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元物体プリンタを動作させる方法であって、
コントローラでアクチュエータを動作させて、前記三次元物体プリンタの印刷ゾーン内の第1の軸に沿って第1のプロセス方向において、マルチノズル押出機を移動させることと、
前記コントローラで、前記印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出して、前記第1のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第1のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させることと、
前記コントローラで前記アクチュエータを動作させて、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第1の軸に沿って、第2のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることであって、前記第2のプロセス方向は、前記第1のプロセス方向とは異なる、移動させることと、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第2のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第2のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させることと、
光学センサで、前記第1のスワス及び前記第2のスワスの走査画像データを生成することと、
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第1のスワスの第1の幅及び第1の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第2のスワスの第2の幅及び第2の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、
前記コントローラで、前記第1の幅と前記第2の幅との間の第1の差異、または前記第1の高さと前記第2の高さとの間の第2の差異を使用して、前記マルチノズル押出機の第1の角度偏差成分を識別することであって、前記マルチノズル押出機の前記第1の角度偏差成分は、前記第1の軸に垂直な第2の軸の周りにあり、前記第1の角度偏差成分は、前記コントローラで、前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも広いとき、または前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも低いとき、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第1の方向を識別することと、前記コントローラで、前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも狭いとき、または前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも高いとき、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第2の方向を識別することと、によって識別される、識別することと、
前記コントローラで、前記識別された第1の角度偏差成分を低減または除去するために、前記マルチノズル押出機に動作的に接続された少なくとも1つの角度調整アクチュエータを動作させて、前記マルチノズル押出機を前記第1の軸または前記第2の軸の周りで回転させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記光学センサで生成された前記走査画像データは、前記第1のスワスの高さプロファイルデータ及び前記第2のスワスの高さプロファイルデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コントローラで、前記第1のスワスの第1の側縁の第1の位置、及び前記第1のスワスの第2の側縁の第2の位置を前記第1のスワスの前記高さプロファイルデータを使用して識別することと、
前記コントローラで、前記第1のスワスの長さに垂直な方向における前記第1の位置と前記第2の位置との間の差異を参照して、前記第1のスワスの前記第1の幅を識別することと、
前記コントローラで、前記第2のスワスの第1の側縁の第3の位置、及び前記第2のスワスの第2の側縁の第4の位置を前記第2のスワスの前記高さプロファイルデータを使用して識別することと、
前記コントローラで、前記第2のスワスの長さに垂直な前記方向における前記第3の位置と前記第4の位置との間の差異を参照して、前記第2のスワスの前記第2の幅を識別することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第1のスワスに対応する少なくとも1つの画素の反射率レベルを識別することと、
前記コントローラで、前記少なくとも1つの画素の前記反射率レベル及び前記コントローラに動作的に接続されたメモリに記憶された所定の曲線を参照して、前記第1のスワスの前記第1の高さを識別することと、をさらに含み、前記曲線は、複数の反射率レベルの前記押出材料のスワスの複数の高さに対するマッピングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチノズル押出機を前記第1のプロセス方向及び前記第2のプロセス方向において移動させることは、
前記コントローラで前記アクチュエータを動作させ、前記第1のプロセス方向から180°の角度で前記第1の軸に沿って前記第2のプロセス方向に前記マルチノズル押出機を移動させること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
三次元物体プリンタを動作させる方法であって、
コントローラでアクチュエータを動作させて、前記三次元物体プリンタの印刷ゾーン内の第1の軸に沿って第1のプロセス方向において、マルチノズル押出機を移動させることと、
前記コントローラで、前記印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出して、前記第1のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第1のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させることと、
前記コントローラで前記アクチュエータを動作させて、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第1の軸に沿って、第2のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることであって、前記第2のプロセス方向は、前記第1のプロセス方向とは異なる、移動させることと、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第2のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第2のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させることと、
光学センサで、前記第1のスワス及び前記第2のスワスの走査画像データを生成することと、
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第1のスワスの第1の幅及び第1の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第2のスワスの第2の幅及び第2の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、
前記コントローラで、前記第1の幅と前記第2の幅との間の第1の差異、または前記第1の高さと前記第2の高さとの間の第2の差異を使用して、前記マルチノズル押出機の第1の角度偏差成分を識別することであって、前記マルチノズル押出機の前記第1の角度偏差成分は、前記第1の軸に垂直な第2の軸の周りにあり、前記第1の角度偏差成分は、前記コントローラで、前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも広いこと、及び前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも低いことのうちの少なくとも1つに応答して、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第1の方向を識別することと、前記コントローラで、前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも狭いこと、及び前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも高いことのうちの少なくとも1つに応答して、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第2の方向を識別することと、によって識別される、識別することと、
前記コントローラで、前記識別された第1の角度偏差成分を低減または除去するために、前記マルチノズル押出機に動作的に接続された少なくとも1つの角度調整アクチュエータを動作させて、前記マルチノズル押出機を前記第1の軸または前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記コントローラで前記アクチュエータを動作させ、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第2の軸に沿って、第3のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることと、
前記印刷ゾーンにおいて前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第3のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第3のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させることと、
前記コントローラで前記アクチュエータを動作させ、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第2の軸に沿って、第4のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることであって、前記第4のプロセス方向は、前記第3のプロセス方向とは異なる、移動させることと、
前記印刷ゾーンにおいて前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第4のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第4のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させることと、
前記光学センサで、前記第3のスワス及び前記第4のスワスの走査画像データを生成することと、
前記コントローラで、少なくとも前記走査画像データ内の前記第3のスワスに対応する第3の幅または第3の高さを識別することと、
前記コントローラで、少なくとも前記走査画像データ内の前記第4のスワスに対応する第4の幅または第4の高さを識別することと、
前記コントローラで、前記第3の幅と前記第4の幅との間の第3の差異、または前記第3の高さと前記第4の高さとの間の第4の差異を使用して、前記第1の軸の周りの前記マルチノズル押出機の第2の角度偏差成分を識別することと、
前記コントローラで、前記第2の角度偏差成分を低減または除去するために、前記マルチノズル押出機に動作的に接続された少なくとも1つの角度調整アクチュエータを動作させて、前記マルチノズル押出機を前記第1の軸または前記第2の軸の周りで回転させることと、を含む、方法。
【請求項7】
三次元物体プリンタを動作させる方法であって、
コントローラでアクチュエータを動作させて、前記三次元物体プリンタの印刷ゾーン内の第1の軸に沿って第1のプロセス方向において、マルチノズル押出機を移動させることと、
前記コントローラで、前記印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出して、前記第1のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第1のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させることと、
前記コントローラで前記アクチュエータを動作させて、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第1の軸に沿って、第2のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることであって、前記第2のプロセス方向は、前記第1のプロセス方向とは異なる、移動させることと、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第2のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第2のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させることと、
光学センサで、前記第1のスワス及び前記第2のスワスの走査画像データを生成することと、
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第1のスワスの第1の幅及び第1の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、
前記コントローラで、前記走査画像データ内の前記第2のスワスの第2の幅及び第2の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、
前記コントローラで、前記第1の幅と前記第2の幅との間の第1の差異、または前記第1の高さと前記第2の高さとの間の第2の差異を使用して、前記マルチノズル押出機の第1の角度偏差成分を識別することであって、前記マルチノズル押出機の前記第1の角度偏差成分は、前記第1の軸に垂直な第2の軸の周りにあり、前記第1の角度偏差成分は、前記コントローラで、前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも広いこと、及び前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも低いことのうちの少なくとも1つに応答して、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第1の方向を識別することと、前記コントローラで、前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも狭いこと、及び前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも高いことのうちの少なくとも1つに応答して、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第2の方向を識別することと、によって識別される、識別することと、
前記印刷ゾーンにおいて前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第1のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第3のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の前記複数のノズルのうちの第2のノズルを動作させることと、
前記印刷ゾーンにおいて前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第2のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第4のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第2のノズルを動作させることと、
前記光学センサで、前記第3のスワス、及び前記第4のスワスの走査画像データを生成することと、
前記コントローラで、少なくとも前記走査画像データ内の前記第3のスワスの第3の幅または第3の高さを識別することと、
前記コントローラで、少なくとも前記走査画像データ内の前記第4のスワスの第4の幅または第4の高さを識別することと、
前記コントローラで、少なくとも、前記第3の幅と前記第4の幅との間の第3の差異、または前記第3の高さと前記第4の高さとの間の第4の差異を使用して、前記第1の軸に垂直な前記第2の軸の周りの前記マルチノズル押出機の前記第1の角度偏差成分を識別することと、
前記コントローラで、前記第1の角度偏差成分を低減または除去するために、前記マルチノズル押出機に動作的に接続された少なくとも1つの角度調整アクチュエータを動作させて、前記マルチノズル押出機を前記第1の軸または前記第2の軸の周りで回転させることと、
を含む、方法。
【請求項8】
三次元物体プリンタであって、
印刷ゾーンに位置決めされたマルチノズル押出機と、
前記印刷ゾーン内で前記マルチノズル押出機を移動させるように構成されたアクチュエータと、
前記印刷ゾーンの走査画像データを生成するように構成された光学センサと、
前記マルチノズル押出機、前記アクチュエータ、及び前記光学センサに動作的に接続されたコントローラであって、
前記アクチュエータを使用して、前記印刷ゾーン内の第1の軸に沿って第1のプロセス方向に前記マルチノズル押出機を移動させること、
前記印刷ゾーンにおいて受容部材の表面上に押出材料を射出して、前記第1のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第1のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させること、
前記アクチュエータを使用して、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第1の軸に沿って、第2のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることであって、前記第2のプロセス方向は、前記第1のプロセス方向とは異なる、移動させること、
前記印刷ゾーンにおいて前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第2のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第2のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させること、
光学スキャナを使用して、前記第1のスワス及び前記第2のスワスの走査画像データを生成すること、
前記走査画像データ内の前記第1のスワスの第1の幅及び第1の高さのうちの少なくとも1つを識別すること、
前記走査画像データ内の前記第2のスワスの第2の幅及び第2の高さのうちの少なくとも1つを識別すること、
前記第1の幅と前記第2の幅との間の第1の差異、及び前記第1の高さと前記第2の高さとの間の第2の差異のうちの少なくとも1つを使用して、前記第1の軸に垂直な第2の軸の周りにある前記マルチノズル押出機の第1の角度偏差成分を識別すること、
前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも広いこと、及び前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも低いことのうちの少なくとも1つに応答して、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第1の方向を識別すること、及び
前記第1のスワスの前記第1の幅が前記第2のスワスの前記第2の幅よりも狭いこと、及び前記第1のスワスの前記第1の高さが前記第2のスワスの前記第2の高さよりも高いことのうちの少なくとも1つに応答して、前記第2の軸の周りの前記第1の角度偏差成分の第2の方向を識別すること、を行なうように構成されている、コントローラと、を備える、三次元物体プリンタ。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記第1のスワス及び前記第2のスワスに対応する高さプロファイルデータを含む前記走査画像データを前記光学センサで生成し、
前記第1のスワスの第1の側縁の第1の位置と前記第1のスワスの第2の側縁の第2の位置とを識別し、
前記第1のスワスの長さに垂直な方向における前記第1の位置と前記第2の位置との間の差異を参照して前記第1のスワスの前記第1の幅を識別し、
前記第2のスワスの第1の側縁の第3の位置と前記第2のスワスの第2の側縁の第4の位置とを識別し、
前記第2のスワスの長さに垂直な前記方向における前記第3の位置と前記第4の位置との間の差異を参照して、前記第2のスワスの前記第2の幅を識別する、ようにさらに構成されている、請求項8に記載の三次元物体プリンタ。
【請求項10】
メモリと、
前記メモリに動作的に接続されている前記コントローラであって、
前記走査画像データ内の前記第1のスワスに対応する少なくとも1つの画素の反射率レベルを識別し、
前記少なくとも1つの画素の前記反射率レベル及び前記メモリに記憶された所定の曲線を参照して、前記第1のスワスの前記第1の高さを識別する、ようにさらに構成され、前記曲線は、複数の反射率レベルの前記押出材料のスワスの複数の高さに対するマッピングを含む、コントローラと、をさらに備える、請求項8に記載の三次元物体プリンタ。
【請求項11】
前記コントローラは、
前記アクチュエータを使用して、前記第1のプロセス方向から180°の角度で前記第1の軸に沿って前記第2のプロセス方向において前記マルチノズル押出機を移動させる、ようにさらに構成される、請求項8に記載の三次元物体プリンタ。
【請求項12】
前記マルチノズル押出機に動作的に接続された少なくとも1つの角度調整アクチュエータであって、前記印刷ゾーン内の前記マルチノズル押出機の回転角を調整するように構成されている、少なくとも1つの角度調整アクチュエータと、
前記コントローラであって、前記少なくとも1つの角度調整アクチュエータに動作的に接続され、
前記マルチノズル押出機の前記第1の角度偏差成分を減少または除去するために、前記少なくとも1つのアクチュエータを動作させる、ようにさらに構成された、コントローラと、をさらに備える、請求項8に記載の三次元物体プリンタ。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記アクチュエータを使用して、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第2の軸に沿って、第3のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させること、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第3のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第3のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させること、
前記アクチュエータを使用して、前記三次元物体プリンタの前記印刷ゾーン内の前記第2の軸に沿って、第4のプロセス方向において、前記マルチノズル押出機を移動させることであって、前記第4のプロセス方向は、前記第3のプロセス方向とは異なる、移動させること、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第4のプロセス方向における前記マルチノズル押出機の前記移動中に第4のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズルを動作させること、
前記光学センサを使用して、前記第3のスワス及び前記第4のスワスの前記走査画像データを生成すること、
前記走査画像データ内の前記第3のスワスの第3の幅及び第3の高さのうちの少なくとも1つを識別すること、
前記走査画像データ内の前記第4のスワスの第4の幅及び第4の高さのうちの少なくとも1つを識別すること、ならびに
前記第3の幅と前記第4の幅との間の第3の差異、及び前記第3の高さと前記第4の高さとの間の第4の差異のうちの少なくとも1つを参照して、前記第1の軸の周りの前記マルチノズル押出機の第2の角度偏差成分を識別すること、を行うようにさらに構成されている、請求項8に記載の三次元物体プリンタ。
【請求項14】
前記マルチノズル押出機に動作的に接続され、前記印刷ゾーン内の前記マルチノズル押出機の回転角を調整するように構成された少なくとも1つの角度調整アクチュエータと、
前記コントローラであって、前記少なくとも1つの角度調整アクチュエータに動作的に接続されており、
前記第2の角度偏差成分を低減または除去するために、前記少なくとも1つの角度調整アクチュエータを動作させる、ようにさらに構成された、コントローラと、をさらに備える、請求項13に記載の三次元物体プリンタ。
【請求項15】
前記コントローラは、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第1のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第3のスワスを形成するように、前記マルチノズル押出機内の前記複数のノズルのうちの第2のノズルを動作させ、
前記印刷ゾーン内の前記受容部材の前記表面上に前記押出材料を射出して、前記第2のプロセス方向への前記マルチノズル押出機の前記移動中に第4のスワスを形成するように、前記複数のノズルのうちの前記第2のノズルを動作させ、
前記光学センサを使用して、前記第1のスワス、前記第2のスワス、前記第3のスワス、及び前記第4のスワスの前記走査画像データを生成し、
前記走査画像データ内の前記第3のスワスの第3の幅及び第3の高さのうちの少なくとも1つを識別し、
前記走査画像データ内の前記第4のスワスの第4の幅及び第4の高さのうちの少なくとも1つを識別し、
前記第3の幅と前記第4の幅との間の第3の差異、及び前記第3の高さと前記第4の高さとの間の第4の差異のうちの少なくとも1つを使用して、前記第1の軸に垂直な前記第2の軸の周りの前記マルチノズル押出機の前記第1の角度偏差成分を識別する、ようにさらに構成されている、請求項8に記載の三次元物体プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、三次元物体プリンタに使用される押出機を対象とし、より具体的には、複数のノズルを含む押出機のアライメントに関する。
【背景技術】
【0002】
三次元印刷は、付加製造としても知られ、実質的に任意の形状のデジタルモデルから三次元固体物を作成するプロセスである。多くの三次元印刷技術は、付加製造デバイスが前に堆積された層の頂部に部品の連続層を形成する付加プロセスを使用する。これらの技術のいくつかは、押出機が加熱され軟化したABSプラスチックなどの溶融した構築材料を所定のパターンで射出する押出印刷を使用する。プリンタは、典型的には、押出機を動作させて、様々な形状及び構造を有する三次元印刷物体を形成する構築材料の連続層を形成する。多くのプリンタは、溶融材料を射出する単一のノズルを含む押出機を用いるのに対し、いくつかの押出機は、複数のノズルを含む。
【0003】
三次元物体プリンタの動作が直面する1つの課題は、三次元印刷物体を形成するために溶融材料を受容する下地表面との押出機の適切なアライメントを含む。多くのプリンタでは、押出機は溶融した構築材料の第1の層を平坦な受容部材上に射出し、部分的に完成した三次元物体の外層にわたって構築材料の各逐次層を形成する。動作中に、押出機が下にある受容部材と平行な配向からずれると、押出機の面が溶融した材料の形状を歪ませる可能性があり、それは三次元印刷物体の品質を低下させる可能性がある。ノズルアレイを有するより大きな押出機面を含むマルチノズル押出機は、下にある受容部材との平行状態から角度偏差を特に受けやすい。構築材料の歪みは、三次元物体の複数の層にわたって混合し、三次元物体プリンタが不適切にアライメントされた押出機を使用して形成する三次元印刷物体の品質を低下させる可能性がある。結果として、マルチノズル押出機における角度偏差の測定及び補正を可能にする三次元物体プリンタの改良が有益となる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、マルチノズル押出機の角度偏差を識別するために三次元物体プリンタを動作させる方法が開発されている。本方法は、アクチュエータで、三次元物体プリンタの印刷ゾーン内の第1の軸に沿って第1のプロセス方向においてマルチノズル押出機を移動させることと、印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出して、マルチノズル押出機を第1のプロセス方向において移動させる間に第1のスワスを形成するように、マルチノズル押出機の複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させることと、アクチュエータで、三次元物体プリンタの印刷ゾーン内の第1の軸に沿って、第2のプロセス方向において、マルチノズル押出機を移動させることであって、第2のプロセス方向は、第1のプロセス方向とは異なる、移動させることと、印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出して、マルチノズル押出機を第2のプロセス方向において移動させる間に第2のスワスを形成するように、複数のノズルのうち第1のノズルを動作させることと、光学センサで、第1のスワス及び第2のスワスの走査画像データを生成することと、コントローラで、走査画像データ内の第1のスワスの第1の幅及び第1の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、コントローラで、走査画像データ内の第2のスワスの第2の幅及び第2の高さのうちの少なくとも1つを識別することと、コントローラで、第1の幅と第2の幅との間の第1の差異、及び第1の高さと第2の高さとの間の第2の差異のうちの少なくとも1つを参照して、マルチノズル押出機の第1の角度偏差成分を識別することと、を含む。
【0005】
別の実施形態では、マルチノズル押出機の角度偏差を識別するように構成された三次元物体プリンタが開発されている。三次元物体プリンタは、印刷ゾーン内に位置決めされたマルチノズル押出機と、印刷ゾーン内でマルチノズル押出機を移動させるように構成されたアクチュエータと、印刷ゾーンの走査画像データを生成するように構成された光学センサと、マルチノズル押出機、アクチュエータ、及び光学センサに動作的に接続されたコントローラと、を含む。コントローラは、アクチュエータを使用して印刷ゾーン内の第1の軸に沿って第1のプロセス方向においてマルチノズル押出機を移動させること、印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出し、マルチノズル押出機の第1のプロセス方向における移動中に第1のスワスを形成するように、マルチノズル押出機の複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させること、アクチュエータを使用して三次元物体プリンタの印刷ゾーン内の第1の軸に沿って、第2のプロセス方向において、マルチノズル押出機を移動させることであって、第2のプロセス方向は、第1のプロセス方向とは異なる、移動させること、印刷ゾーン内の受容部材の表面上に押出材料を射出し、マルチノズル押出機の第2のプロセス方向における移動中に第2のスワスを形成するように、複数のノズルのうちの第1のノズルを動作させること、光学スキャナを使用して第1のスワス及び第2のスワスの走査画像データを生成すること、走査画像データ内の第1のスワスの第1の幅及び第1の高さのうちの少なくとも1つを識別すること、走査画像データ内の第2のスワスの第2の幅及び第2の高さのうちの少なくとも1つを識別すること、ならびに第1の幅と第2の幅との間の第1の差異、及び第1の高さと第2の高さとの間の第2の差異のうちの少なくとも1つを参照して、マルチノズル押出機の第1の角度偏差成分を識別すること、を行うように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
マルチノズル押出機を有する三次元物体プリンタの前述の態様及び他の特徴は、以下の記載において説明されており、添付の図面に関連して取られている。
【0007】
図1】三次元物体プリンタの概略図である。
図2】三次元物体プリンタ内の受容部材の所定の配向からの押出機の角度偏差を識別するためのプロセスのブロック図である。
図3】マルチノズル押出機の例示的実施形態におけるノズルの概略図であり、マルチノズル押出機の角度偏差の一例である。
図4図3のマルチノズル押出機が図1の三次元物体プリンタの動作中に生じる所定のテストパターンの概略図である。
図5】三次元物体プリンタにおける押出機角度偏差の影響を示す図である。
図6】押出材料の異なるスワスの高さに対する押出材料のスワスの走査画像データにおけるピクセルの反射率レベルをマップする曲線の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に開示されたデバイスの環境ならびにデバイスの詳細の概略的な理解のために、図面を参照する。図面において、同様の参照番号は、同様の要素を指定する。
【0009】
本明細書で使用される場合、「押出材料」という用語は、押出機の1つ以上のノズルが、物体を形成するか、または三次元物体プリンタの動作中に物体の構造用支持材を提供する材料の層を形成するために射出する材料を指す。以下でさらに詳細に説明するように、プリンタは、マルチノズル押出機の異なるノズルを使用して押出材料の所定の配列を形成して、プリンタが押出機の配向における角度偏差を識別することができるように所定のテストパターンを形成するようにさらに構成される。押出材料は、三次元印刷物の永久部分を形成する「構築材料」と、印刷プロセス中に構築材料の部分を支持するための一時的な構造を形成する「支持材料」の両方が含むが、これらに厳密に限定されず、印刷プロセスの完了後に任意選択的に除去される。構築材料の例としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、ポリ乳酸(PLA)、脂肪族または半芳香族ポリアミド(ナイロン)、懸濁炭素繊維または他の骨材材料を含むプラスチック、導電性ポリマー、他の熱可塑性プラスチック、及び液体または半液体の形態で押出機のノズルを通って射出され、次いで耐久性のある三次元印刷物体を形成するために固化されるのに好適である任意の他の形態の材料を含むが、これらに限定されない。支持材料の例としては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリビニルアルコール(PVA)、及び他の押出可能な材料を含むが、これらに限定されない。
【0010】
本明細書で使用される場合、「押出機」または「押出機」という用語は、交換可能に使用され、押出材料を溶融し、三次元印刷動作中に押出材料の細長いスワスを形成するために、オンデマンド方式で共通の面板を共有する複数のノズルに溶融した押出材料を提供するプリンタの構成要素を指す。活性化すると、押出機内の各ノズルが押出材料を連続的に押出し、押出ヘッドは、活性化ノズルが押出材料の細長いスワスを形成することを可能にするためにプロセス方向において移動する。以下でより詳細に説明するように、押出機内のバルブアセンブリは、複数ノズルを同時に動作させて、印刷動作中の異なる時間に押出材料を押出すことを可能にする。マルチノズル押出機は、三次元物体印刷プロセス中に同時にまたは異なる時間に押出材料を押出す2つ以上のノズルを組み込んでいる。
【0011】
本明細書で使用される場合、「ノズル」という用語は、押出機と受容表面との間の相対運動の経路に対応する押出材料の押出パターンを形成するために、三次元印刷動作中に液体または半液体の押出材料を押出す押出機内のオリフィスを指す。ノズルオリフィスは、押出機の外面と同一平面に形成される。動作中、ノズルは、押出機のプロセス経路に沿って溶融材料の実質的に連続した線形配列を押出す。押出機は、ノズルが押出材料を押出す速度を制御する。押出機は、個々のノズルからの押出材料の射出を活性化及び非活性化するためのバルブを含む。ノズル内のオリフィスの直径は、押出材料の押出ラインの幅に影響を及ぼす。異なる押出機の実施形態は、より広いオリフィスは、押出材料のより広い配列を生成する一方、より狭いオリフィスは、押出材料のより狭い配列を生じるようなオリフィスサイズの範囲を有するノズルを含む。以下でより詳細に説明するように、いくつかのマルチノズル押出機の実施形態は、ノズルの線形一次元または二次元配列を含むプレートまたは他の平面部材を含む。
【0012】
ノズルの一次元または二次元アレイを含むマルチノズル押出機は、ノズルの出口を含む押出機の面と受容部材との間の角度偏差の影響を受ける。押出機の面は、押出機内の個々の押出ノズルのためのノズル開口の二次元配列のためのハウジングを提供する平面領域を含む。一実施形態では、受容部材は、金属プレートまたは他の好適な部材のような、押出機内のノズルから押出された材料の配列を受容する別の平坦な表面である。完全にアライメントされた構成では、押出機は、受容部材の表面に対して所定の配向に配列されるが、動作中、押出機は時々、所定の配向からの角度偏差を受ける。いくつかの実施形態では、所定の配向は、押出機内の二次元配列のノズルを受容部材の二次元表面と平行の配向に置く。例えば、受容部材が実質的に平らな平面である場合、適切にアライメントされた構成の押出機の面のノズルは、受容部材の表面によって規定される別の平面と平行な平面内でアライメントされる。本明細書で使用される場合、「平行」という用語は、三次元空間内で互いに一様の距離だけ隔てられた2つの平面を記述するために当該技術分野で使用されるこの用語の平易で普通の意味に一貫して使用される。しかしながら、実際の実施形態では、厳密に平行な配向からの角度偏差が、三次元物体プリンタにおける動作のための所定の許容誤差範囲内にある場合、押出機の面及び受容部材もまた平行なアライメントを有すると考えられる。
【0013】
本明細書で使用される場合、「角度偏差」またはより単純に「偏差」という用語は、受容部材と平行な配向からの押出機の面の角度のミスアライメントを指す。本明細書で使用される場合、「角度偏差成分」またはより単純に「成分」という用語は、単一軸に沿って測定される総角度偏差の一部分を指す。各角度偏差成分は、三次元空間における1つの軸の周りの押出機の面に対して平行面からの総角度偏差の一部と識別する。以下でさらに詳細に説明するように、三次元物体プリンタは、押出材料のテストパターンを形成して、角度偏差の個々の成分を識別するよう押出機を動作させる。単一軸の周りの角度偏差成分の測定は、たとえ押出機が異なる軸に沿って角度偏差を受けるとしても、単一軸の周りの押出機のミスアライメントを識別し補正するのに有用である。さらに、異なる軸の周りの角度偏差の2つ以上の成分を測定することは、三次元空間における押出機と受容部材表面との間の平行面からの角度偏差の識別を可能にする。
【0014】
本明細書で使用される場合、「圧力チャンバ」という用語は、液状押出材料の供給を保持し、液状の押出材料を三次元物体の印刷動作中に押出機内の1つ以上のノズルに供給する押出機の面内に形成されたキャビティを指す。圧力チャンバは、1つ以上のノズルが押出し材料を受容表面に押出す速度を制御するように、液状押出材料に所定のレベルの圧力を維持するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、圧力チャンバの入口に接続された押出材料用の外部供給システムは、押出機の動作中に圧力チャンバ内の所定の圧力レベルを維持するために圧力下で液状押出材料を供給する。以下でより詳細に説明するように、いくつかの押出機は、バルブを使用して個別で活性化及び非活性化される複数のノズルを含むので、活性化ノズルの数が印刷動作中に変化したとしても、任意の活性化ノズルが押出材料を実質的に一定の速度で押出すように、圧力チャンバは液状押出材料を供給する。
【0015】
本明細書で使用される場合、「押出材料の配列」という用語は、三次元物体の印刷動作中に押出機が受容表面上に形成する押出材料の任意のパターンを指す。押出材料の一般的な配列は、押出材料の直線的な線形配列及び押出材料の湾曲した配列を含む。三次元物体プリンタは、押出材料の異なる配列の組合せを使用して様々な構造を形成する。加えて、いくつかの構成では、三次元物体プリンタのデジタルコントローラは、所定の構造を有する押出材料の特定の配列を含む所定のテストパターンを形成するために、押出機及び押出機内の個々のノズルを動作させる。三次元物体プリンタは、少なくとも1つの軸の周りの受容部材に対する押出機の角度偏差を識別し、三次元物体プリンタの動作中に押出機が形成する押出材料スワスの高さ及び幅の変動を低減または除去するために、印刷されたテストパターンの自動画像解析を実行する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「スワス」という用語は、1つ以上のノズルが、領域の周りに輪郭を形成する押出材料の境界内の受容表面の領域上に押出す押出材料の直線状または湾曲した配列を指す。以下でより詳細に説明するように、押出機は、三次元物体の印刷動作中に1つ以上の押出材料の層を形成するよう押出材料のスワスを形成するために、1つ以上の押出ノズルを使用する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「プロセス方向」という用語は、押出機と、押出機内の1つ以上のノズルから押出材料を受容する受容表面との間の相対的な移動の方向を指す。受容表面は、三次元印刷物体を保持する受取部材、または付加的な製造プロセス中に部分的に形成された三次元物体の表面のいずれかである。本明細書に記載される例示的な実施形態では、1つ以上のアクチュエータが印刷ゾーン内で押出機を移動させるが、代替のプリンタ実施形態では、押出機が静止している間にプロセス方向における相対運動を生じさせるために受容部材を移動させる。
【0018】
本明細書で使用される場合、「交差プロセス方向」という用語は、プロセス方向において垂直な軸を指す。プロセス方向及び交差プロセス方向は、押出機と押出材料を受容する表面との間の相対的な移動経路を指す。いくつかの構成では、押出機は、押出機内の隣接するノズル間で交差プロセス方向において所定距離をもって交差プロセス方向に沿って延在するノズルのアレイを含む。
【0019】
図1は、三次元印刷物体を形成するために押出機を動作させるように構成された三次元物体プリンタ(「プリンタ」)100を示す。プリンタ100は、受容部材102、マルチノズル押出機108、押出機支持アーム112、コントローラ128、メモリ132、X/Yアクチュエータ150、Zアクチュエータ158、押出機角度調整アクチュエータ172及び176、カメラ160、ならびに任意選択の変位センサ164を含む。プリンタ100において、X/Yアクチュエータ150は、三次元印刷物体の1つの層を形成する押出材料のパターンを押出すために、X軸及びY軸に沿って二次元平面(「X-Y平面」)内の異なる位置に押出機108を移動させる。例えば、図1においてX/Yアクチュエータ150は、Y軸に沿って移動するように支持アーム112及び押出機108をガイドレール113に沿って並進させ、一方、X/Yアクチュエータ150は、押出機がX軸に沿って移動するように支持アーム112の長さに沿って押出機108を並進させる。アクチュエータ150は、押出機108が受容部材102の表面上に押出材料のパターンを形成することを可能にするために、受容部材102の表面の上に位置する印刷ゾーン140内で異なるプロセス方向において押出機108を移動させる。
【0020】
支持アーム112は、受容部材及び印刷動作中に押出機108を移動させる1つ以上のアクチュエータを含む。プリンタ100において、1つ以上のアクチュエータ150が、印刷動作中に支持アーム112及び押出機108をX軸及びY軸に沿って移動させる。例えば、アクチュエータ150の1つは、支持アーム112及び押出機108をY軸に沿って移動させ、一方、別のアクチュエータは、X軸に沿って移動するように支持アーム112の長さに沿って押出機108を移動させる。プリンタ100において、X/Yアクチュエータ150は、X軸とY軸の両方に沿って同時に、直線状または曲線状の経路のいずれかに沿って押出機108を任意選択的に移動させる。コントローラ128は、押出機108内のノズルが押出材料のパターンを受容部材102上に押出すことを可能にする線形経路内での押出機108の移動を制御する。押出材料の所定のテストパターンを形成するために、コントローラ128は、垂直のX軸及びY軸に沿ってラスタ化されたプロセス方向の動きで押出機108を移動させる。
【0021】
プリンタ100において、Zアクチュエータ158は、押出機108内のノズルが、印刷プロセス中に押出材料を物体上に押出すのに好適な高さにとどまることを保証するように、押出機108と受容部材102との間の距離をZ軸に沿って制御する。プリンタ100において、X/Yアクチュエータ150、及びZアクチュエータ158は、電気モーター、ステッピングモーターまたは任意の他の好適な電気機械式デバイスのような電気機械式アクチュエータとして具体化される。
【0022】
受容部材102は、ガラス板、ポリマー板、または発泡体表面などの平面部材であり、プリンタ100の動作中に三次元印刷物体のテストパターンまたは層を含む押出材料のパターンを受容する。押出機108は、複数のノズルを取り囲む押出機108の平面部分から形成された押出機面308を含む。押出機面308は、例えば、ノズルのオリフィスを取り囲むための構造を形成する押出機のステンレス鋼または他の金属部分である。活性化すると、各ノズルは、受容部材102の表面または部分的に形成された物体の表面上に押出材料を押出す。押出機108内の個々のノズルは、押出機108内のノズルを通る押出材料の流れを個別に活性化及び非活性化することができるバルブとそれぞれ連結される。図1の例において、押出材料供給部110は、押出材料を押出機108に供給するためにスプールから解かれるABSプラスチックまたは他の好適な押出材料細糸のスプールを含む。図1の例示的実施形態において、単一の押出材料供給部110は、押出機108内の単一の圧力チャンバに押出材料を供給し、それは押出機108内の各ノズルに溶融押出材料を供給する。代替の実施形態では、押出材料供給部110は、マルチノズル押出機内の異なるノズルに押出材料の複数の細糸を提供する。
【0023】
プリンタ100において、カメラ160は、受容部材102の表面上に形成された押出材料のテストパターンを含めて印刷ゾーン140における受容部材102の表面の1つ以上のデジタル写真を生成する。各デジタル写真は、受容部材102の表面上のテストパターンにおける異なるスワスの構造を捕えるデジタル画素の形態の走査画像データの二次元アレイを含む。カメラ160は、受容部材102の表面上の押出材料から形成されたテストパターンのデジタル走査画像データを生成する光学センサの一実施形態である。しかしながら、代替の実施形態では、印刷ゾーン140内のリニア光学センサアレイまたは個々のセンサ、または受容部材102の上を走査する別個のフラットベッドスキャナが、走査画像データの一連の一次元走査線として走査画像データを生成する。
【0024】
プリンタ100において、変位センサ164は、変位センサ164の所定の位置と受容部材102の表面との間のZ軸に沿った距離、及び受容部材102上に形成された押出材料の任意のパターンを測定する、例えば、レーザレンジファインダ、光学レンジファインダ、または他のデバイスである。図1の実施形態において、変位センサ164は、受容部材102の小さな部分または受容部材102上に形成された押出材料のスワスに対応する高さ測定データを生成する単一の「点」変位センサである。光学センサ164は、X/Yアクチュエータ150が押出機108の動きに類似したラスタ化された動きで受容部材102の表面の上で変位センサ164を移動させることを可能にし、変位センサ164が受容部材102の表面上に形成された任意の構造の高さプロファイルデータを生成することを可能にするために支持アームに取り付けられる。別の実施形態では、変位センサ164は、印刷ゾーン140の直線部分に沿った複数の位置の高さを測定する複数の検知素子を備えたリニアセンサとして構成される。以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、変位センサ164は、コントローラ128がZ軸に沿って押出材料の異なるパターンの高さを識別することを可能にする測定データを生成する。
【0025】
プリンタ100において、カメラ160及び変位センサ164は両方とも、受容部材102の表面上に形成された押出材料のスワスの走査画像データを生成する光学センサの実施形態である。いくつかの実施形態において、カメラ160及び変位センサ164は両方とも、受容部材102の表面上に形成された押出材料のスワスの二次元走査画像データ及び高さプロファイルデータを生成する光学センサ内の構成要素である。
【0026】
押出機108は、押出機108の面内の内圧チャンバ(図示せず)に流体的に連結された複数のノズルを含む。ニードルバルブのような個々のバルブは、ノズルを圧力チャンバに流体的に連結する。動作中、バルブは、各ノズルを通る材料の押出を個別に制御するために開閉する。プリンタ100において、X/Yアクチュエータ150が印刷ゾーン140内のX軸及びY軸に沿って異なるプロセス方向において押出機108を移動させる間、押出機108は受容部材102の表面上に材料を所定のパターンで押出す。
【0027】
図3は、図1のマルチノズル押出機108をより詳細に示す。図3の例示的実施形態において、押出機108は、所定の幾何学的配列で合計9つのノズル324A~324Iを含み、それは図3の例示的実施形態では3×3の千鳥式二次元アレイである。押出機108内のノズル324A~324Iは、押出機108の面内に均一な分離パターンで配列される。押出機108は複数のバルブを含み、各バルブはノズル324A~324Iの1つ及び押出機108内の圧力チャンバに接続されている。動作中、すべてのノズルまたはノズルの任意のサブセットが押出材料を受容部材102の表面上に押出することを可能にするためにバルブは開閉する。
【0028】
押出機108の面308は、ノズル324A~324Iを含む。上述のように、場合によっては、押出機108は、プリンタ100内の受容部材102のような受容部材の表面の所定の配向から角度偏差を受ける。角度偏差がある場合、押出機508がプロセス方向P6に走行するときに面のエッジが図5の例に示すように後縁状態にある場合には、面308のうちの少なくとも1つのエッジが、ノズル324A~324Iの1つ以上から射出された押出材料に接触する。
【0029】
いくつかのプリンタ構成では、押出機108は、複数の動き軸にわたって角度偏差のミスアライメントを受ける。図3の視図350に図示するように、押出機108は、押出ノズルを含めて、X軸及びY軸の両方に沿って受容表面102との押出機308の面のアライメントに影響を与える角度偏差を受ける。一実施形態では、軸X及びYは、プリンタの動作中の押出機108と受容表面102との間の相対的な動きの軸を表す。プリンタ100の例示的な例において、押出機108は、X軸に沿って2つの異なるプロセス方向において移動する。2つの異なるプロセス方向は「反対の」方向であり、すなわち、押出機108は、2つのプロセス方向間に180°の角度を有するX軸に沿った両方向において移動する。より一般的には、押出機を反対のプロセス方向に動かすことは、押出機を正確に180°の角度で軸に沿って反対方向に動かす必要はなく、その代わりに、軸に沿って2つの対向する方向の一方に移動するときに、所与の運動軸に沿って角度偏差を提示する押出機が押出された材料のスワスを歪ませることを可能にする第2の方向だけでよい。同様に、押出機108は、Y軸に沿って2つの対向するプロセス方向にも移動する。X軸に沿った押出機108の角度偏差は、Y軸に沿った押出機108の角度偏差と異なっていてもよい。
【0030】
上述のように、押出機108の面308と受容部材102の表面との間の平行な配向からの角度偏差は、2つ以上の軸に沿って複数の角度偏差成分を有することができる。図3は、2つの角度偏差成分の例として押出機108のX軸及びY軸の動きを示す。視図360は、受容部材102のエッジ332に沿うX軸に沿って見たときの押出機108の簡略図を示す。押出機108がX軸に沿って移動すると、垂直のY軸に対応する角度偏差成分θは、視図360に見られる角度傾斜を生じる。同様に、視図370に、受容部材102のエッジ334に沿うY軸に沿って見たときの押出機108の簡略図を示す。押出機108がY軸に沿って移動するにつれて、垂直のX軸に対応する角度偏差成分θは、視図370に見られる角度傾斜を生じる。本明細書に記載される方法を使用して2つの角度偏差成分θ及びθを識別した後、コントローラ128は、三次元空間内で受容部材102の表面と平行な配向からの押出機308の全角度偏差を任意選択で識別するが、いくつかの実施形態では、コントローラ128は角度偏差の個々の成分のみを識別するだけである。図3は、押出機108の全角度偏差を識別するのに必要な最小限の情報を提供する2つの角度偏差成分を示すのに対して、他の実施形態では、複数軸に対応する3つ以上の成分を使用して押出機の角度偏差が識別される。
【0031】
図3において、押出機108は、2つの異なるプロセス方向軸X及びYに沿って印刷ゾーン140内を移動するが、他の実施形態では、押出機108は、プリンタ100内の付加的な製造プロセス中に、ただ1つの軸または3つ以上の軸に沿って移動する。押出機108内のノズルは、すべての押出が、隣接するスワス間に殆どまたは全くギャップを有さずに押出材料の平行に隣接するスワスを形成することを可能にするためにアライメントされる。図3は、押出されたスワスのパターンを形成するために、印刷ゾーン140内で対応する第1のプロセス方向P1に移動する押出機108を示す。図3は、マルチノズル押出機108におけるノズルの1つの幾何学的配列を示しているのに対し、代替のマルチノズル押出機構成は、異なる数の2つ以上のノズル及びノズルの幾何学的配列を含む。
【0032】
図5は、押出機が単一の軸に沿って2つの反対のプロセス方向P5及びP6において移動するときの押出機108の角度偏差の影響を示す。図5では、押出機108がプロセス方向P5において移動するときに、押出機108の面は、押出機の面が前方に傾斜している角度偏差を提示している。プロセス方向P5に沿って、押出材料504の形状は、押出機の異なる位置の押出ノズルの高さが押出材料のスワスの高さ及び幅に影響を及ぼす。特に、Z軸に沿って受容表面からより遠くに位置するノズルは、より高い高さ及びより狭い幅を有するスワスを生じ、一方、受容表面により近い距離に位置するノズルは、より広い幅及びより低い高さを有する押出材料のスワスを射出する。
【0033】
図5に示すように、押出機508が反対のプロセス方向P6において移動するとき、押出機の前縁は後方への角度偏差を受け、押出機の面の後縁は押出材料512の高さ及び幅を制御する。押出材料形状の差異は、三次元物体の複数の層にわたって混ざり合い、三次元物体プリンタが不適切にアライメントされた押出機108を使用して形成する三次元印刷物体の品質を低下させる可能性がある。押出機108が、プロセス方向P5及びP6に垂直な軸の周りに角度偏差成分を受けるとき、押出材料の形状は、押出機の面内のノズルの方向及び位置取りで変化する。図5に示されている押出機面の平行な配向からの角度偏差は、押出機が異なるプロセス方向において移動するときに押出材料のスワスの高さ及び幅に影響を及ぼす。例えば、図5に示すように、押出機108の面の前縁がノズルの前で下方に傾斜している「前方」角度偏差を有して、押出機108がプロセス方向P5において移動するとき、押出パターン504は、押出機の面の後縁に係合しない。しかしながら、同一の角度偏差を有する同じ押出機108がプロセス方向P5に対して180°の角度で反対のプロセス方向P6において移動するとき、押出機108は、「後方」角度偏差を有し、面の後縁が押出材料のスワスと係合し、押出材料の形状を決定する。
【0034】
再び図1を参照して、角度調整アクチュエータ172及び176は、受容部材102の表面に対する押出機108のアライメントを調整するステッピングモーターまたは他の好適なデバイスのような電気機械式アクチュエータである。上述のように、各角度偏差成分は、押出機の移動のための所与のプロセス方向軸に垂直な軸に対応する。コントローラ128は、押出機108の面内のノズルと印刷ゾーン140内の受容部材102の表面との間の所定の配向からの角度偏差を低減または除去するために、角度調整アクチュエータ172及び176を動作させる。図1の例示的実施形態において、角度調整アクチュエータ172は、Y軸の回りで押出機108の回転を調整し、それは押出機がX軸に沿って移動するときの押出機108の角度偏差に対応する。同様に、角度調整アクチュエータ176は、X軸の回りで押出機108の回転を調整し、それは押出機がY軸に沿って移動するときの押出機108の角度偏差に対応する。代替的な実施形態は、押出機の角度偏差の1つ以上の成分を低減または除去するために、アクチュエータの異なる構成を使用する。
【0035】
プリンタ100において、コントローラ128は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプリンタ100を動作させるように構成された任意の他のデジタルロジックなどのデジタルロジックデバイスである。プリンタ100において、コントローラ128は、受容部材102及び支持アーム112の動きを制御する1つ以上のアクチュエータに動作的に接続される。コントローラ128は、押出機108内の複数のノズルの動作を制御するために押出機108に動作的に接続され、かつ受容部材102の表面に対する押出機108の回転角度を調整するために角度調整アクチュエータ172及び176に動作的に接続される。コントローラ128は、押出機108が受容部材102の表面上に形成する所定のテストパターンで押出材料の配列の走査画像データを生成するようにカメラ160の動作を制御するために、カメラ160に動作的に接続される。コントローラ128は、コントローラ128が受容部材102の表面上の押出材料のパターンの高さを監視することを可能にするために、変位センサ164に動作的に接続される。
【0036】
コントローラ128はまた、メモリ132に動作的に接続される。プリンタ100の実施形態において、メモリ132は、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどの揮発性データ記憶デバイス、及び固体データ記憶デバイス、磁気ディスク、光ディスク、または任意の他の好適なデータ記憶デバイスなどの不揮発性データ記憶デバイスを含む。メモリ132は、プログラムされた命令データ134及びテストパターン画像データ136を記憶する。コントローラ128は、マルチノズル押出機108のノズルを使用して所定のテストパターンを形成するようにプリンタ100の構成要素を動作させるために、記憶されたプログラム命令134を実行する。コントローラ128はまた、印刷ゾーン140内の押出機108の1つ以上の動き軸に沿って押出機108と受容部材102の表面との間の角度偏差を識別し、角度偏差を低減または除去するために押出機108に動作的に接続されているアクチュエータを任意選択的に動作させるために、記憶されたプログラム命令134を実行する。テストパターン画像データ136は、例えば、コントローラ128がスワスの走査画像データに基づいて少なくとも1つの動き軸に沿った押出機108の角度偏差を識別することを可能にするための、押出機108のノズルが受容部材102の表面上に形成するスワスの所定のセットのパターンを含む。コントローラ128は、所定のテストパターンの異なる部分に押出材料の配列を形成するように、押出機108を移動させ、押出機108内の異なるノズルを活性化及び非活性化するためにアクチュエータを動作させる。
【0037】
図2は、三次元物体プリンタの印刷ゾーンにおけるマルチノズル押出機と受容部材との間の所定の配向からの角度偏差を識別するための三次元物体プリンタの動作のためのプロセス200を示す。プロセス200は、例示のために、図1の三次元物体プリンタ100と合わせて説明される。
【0038】
プロセス200は、プリンタ100が1つ以上の所定のプロセス方向において押出機を移動させ、マルチノズル押出機内のノズルを動作させ、受容部材の表面上にテストパターンを形成する(ブロック204)ように開始する。プリンタ100において、コントローラ128は、押出機108を少なくとも1つのプロセス方向において移動させるようにX/Yアクチュエータを動作させ、受容部材102の表面上の押出材料からテストパターンを形成するように、押出機108内の個々のノズルを活性化及び非活性化する。コントローラ128は、押出機108の移動及び押出機108内の個々のノズルの動作を制御し、押出材料から所定のテストパターンを形成するために、テストパターン画像データ136を使用する。
【0039】
図4は、テストパターン400の例示的な実施形態をより詳細に示す。テストパターン400は、押出機108の各ノズルによって4つの異なる部分404、408、412、及び416に形成された押出材料のスワスを含む。テストパターン400の各部分は、各スワスの一部分が受容部材102の表面上のギャップによって隣接スワスから分離されるように、押出機108内のノズルの交互するセットを使用して形成されたスワスの反復パターンを含む。スワス間の分離は、テストパターン400の走査画像データ内で、押出機108内の異なるノズルによって生じた個々のスワスの識別を可能にする。例えば、テストパターン404の部分において、位置424A~424Iのスワスは、それぞれ、押出機108内のノズル324A~324Iによって形成され、第1のセットのノズル324A、324C、324E、324G、及び324Iによって、または第2のセットのノズル324B、324D、324F、及び324Hによって形成されたスワスの交互するセットを有する。動作中、コントローラ128は、押出機108がプロセス方向P1~P4のそれぞれに移動している間に、テストパターン400内にスワスの交互するセットを形成するために、押出機128内のノズルの第1及び第2のセットを活性化及び非活性化するように押出機108を動作させる。
【0040】
テストパターン400において、プロセス方向P1及びP3は、Y軸に沿う反対のプロセス方向であり、プロセス方向P2及びP4は、X軸に沿う反対のプロセス方向である。図4の実施形態において、X軸及びY軸は互いに直交している(すなわち90°の角度で配列されている)。他の実施形態では、プリンタ100は、複数の軸に沿った押出機の角度偏差を識別するために、プロセス方向軸間の角度が45°、30°、15°などの異なる角度で分離された他のプロセス方向軸上に配列されたスワスを含むテストパターンを生成する。
【0041】
テストパターン400を形成するには、押出機108は、テストパターンの各部分にスワスを形成するために、2つの異なる直角な軸(X及びY)に沿って4つの異なるプロセス方向に移動する。押出機108は、Y軸に沿った反対方向のプロセス方向P1及びP3に移動し、第1及び第2のノズルセットは、部分404及び412をそれぞれ形成するように活性化及び非活性化される。押出機108は、X軸に沿った反対方向のプロセス方向P2及びP4に移動し、第1及び第2のノズルセットは、部分408及び416をそれぞれ形成するように活性化及び非活性化される。テストパターン400において、押出機は、テストパターン400の各部分において押出機108内の各ノズルにつき押出材料の2つのスワスを形成し、押出機内の各ノズルに対して複数のスワスの分析を可能にする。しかしながら、別の実施形態では、各ノズルは、テストパターン内に押出材料の1つのスワスを射出するか、または異なるテストパターン構成で押出材料の複数のスワスを射出する。
【0042】
押出機108の動作中、押出機108内の活性化ノズルはそれぞれ、ほぼ等しい容積率で押出材料を射出する。押出機108が受容部材102の表面と平行に適切にアライメントされると、各スワスにおける押出材料の高さ及び幅は概して均一であるが、1つ以上の軸に沿った押出機角度偏差の存在は、下に位置する受容表面に対する押出機の移動方向に関係なく、各スワスにおける押出材料の幅に変動を生じる。しかしながら、押出機が受容表面との所定の平行な配向からの偏差を受けると、押出機の面は押出材料のスワスに係合して、押出材料のスワスの幅及び高さの一方または両方を歪める。本明細書で使用される場合、押出材料のスワスに適用される「幅」という用語は、スワスの表面にわたってスワスを形成する押出機のプロセス方向に垂直な方向におけるスワスの押出材料の寸法を指す。例えば、図4において、スワス424Aは、プロセス方向P1に垂直な寸法で幅Wを有する。本明細書で使用されるとき、押出材料のスワスに適用される「高さ」という用語は、受容部材の表面から垂直軸に沿って延在するスワス内の押出材料の寸法を指す。例えば、図1において、押出材料のスワスの高さは、受容部材102の表面からZ軸に沿って上方に延在する押出材料のスワスの寸法を指す。
【0043】
図4は、押出機108がX軸及びY軸の両方について2つの異なる角度偏差成分を受けるときに形成される印刷テストパターン400を示す。図4の図示例において、押出機108がY軸プロセス方向P1に沿って移動するときに、押出機108は「前方」に傾斜し、押出機108が反対のプロセス方向P3に沿って移動すると、同じ角度偏差が「後方」傾斜を生じる。図4に示されている角度偏差の成分は、押出機108の移動のY軸に垂直なX軸の周りである。プロセス方向P3に沿った後方角度偏差は、押出機108内の面308の一部分を押出されたスワスと接触させ、テストパターン部分412のスワス内の押出材料の形状を変形させる。こうして、押出機の角度偏差は、テストパターン部分404と412との間で押出機のプロセス方向に基づいて、テストパターン内の押出材料のスワスの幅と高さに異なる影響を及ぼす。プロセス200中に、プリンタ100は、押出機108が1つ以上の軸に沿って反対方向に移動するときに形成されるスワス間の幅と高さの違いを識別して、押出機108の角度偏差を識別して補正する。
【0044】
より具体的には、テストパターン400の部分404内のスワスは、押出機108がY軸の反対方向に沿って移動するにつれて、テストパターン400の部分412内の対応するスワスと異なる幅及び高さを有する。押出機108の角度偏差は、テストパターン400の部分412において面308の一部分をプロセス方向P3に沿って押出された材料と接触させ、スワスの形状を歪ませる。部分412のスワスは、部分404のスワスに対して幅がより広く、高さが低くなっている。図4において、視図444は、部分404及び412から対応するスワス436及び440をそれぞれ示す。押出機108の単一のノズルは両方のスワスを形成するが、視図444に示すように、スワス436の幅WP1は、押出機面308がプロセス方向P3に沿って生じる歪みのためにスワス440の幅WP3よりも狭い。図4には明示的に図示されていないが、スワス436の高さはまた、押出機の角度偏差によって生じた歪みのためにスワス440の高さよりも高い。
【0045】
図4において、押出機108はまた、X軸に沿って延在するスワスの幅及び高さに影響を及ぼすY軸周りの角度偏差を受ける。テストパターン400の部分408のスワスは、押出機108がX軸の反対方向に沿って移動するにつれて、テストパターン400の部分416内の対応するスワスと異なる幅と高さを有する。押出機108の角度偏差は、面308の一部分をプロセス方向P2に沿って押出された材料と接触させ、スワスの形状を歪ませる。部分408のスワスは、部分416のスワスに対して幅がより広く、高さが低くなっている。図4において、視図454は、部分408及び416から対応するスワス448及び452をそれぞれ示す。押出機108の単一のノズルは両方のスワスを形成するが、視図454に示すように、押出機面308の後縁がプロセス方向P2に沿って押出材料のスワスに係合するので、スワス448の幅WP2は、スワス452の幅WP4よりも広い。図4には明示的に図示されていないが、スワス452の高さはまた、押出機の角度偏差によって生じた歪みのためにスワス448の高さよりも高い。
【0046】
再び図2を参照して、プロセス200は、プリンタ100が光学センサを使用してテストパターンの走査画像データを生成する(ブロック212)ように継続する。図1の例示的実施形態において、カメラ160は、図4のテストパターン400または別の好適なテストパターンのような、押出材料から形成されるテストパターンを含む受容部材102の表面領域の1つ以上のデジタル画像を生成する。別の実施形態では、深さセンサ164は、印刷ゾーン140内の複数の位置で生成された高さプロファイルに対応する走査画像データを生成する。例えば、一実施形態では、受容部材102の表面上にテストパターンを形成するスワスの二次元高さプロファイルを生成するために、コントローラ128は、X/Yアクチュエータ150を動作させて、受容部材102の上でラスタ化された経路で深さセンサ164を移動させる。
【0047】
プロセス200は、コントローラ128が押出機内の2つ以上のノズルに対するテストパターンにおける押出材料のスワスの幅、高さ、または幅及び高さの両方を識別する(ブロック216)ように継続する。プリンタ100において、コントローラ128は、例えば、エッジ検出アルゴリズム、自動画像回転、閾値処理、プロファイルフィッティング、などを含む当該技術分野で公知の画像処理技術を使用して、異なるスワスの幅を識別する。加えて、いくつかの実施形態では、テストパターン内の異なるスワスのエッジ及び幅を識別するために、カメラ160は、受容部材102の表面上のテストパターン内のスワスのフルカラー画像データを生成し、コントローラ128は、押出された材料と受容部材102の表面との間の色のコントラストに基づいて異なるスワスの幅を識別する。コントローラ128はまた、所定のテストパターンの全体構造に基づいて各スワスを生成する個々のノズルを識別する。
【0048】
例えば、テストパターン400において、コントローラ128は、スワス424Aの第1の幅、スワス424Cの第2の幅、スワス424Eの第3の幅などを識別し、かつ、コントローラ128は、プロセス200のいくつかの実施形態において、押出機内の各ノズルのうちの少なくとも1つのスワスの幅を識別する。スワス間のギャップは、コントローラ128が、2つのスワスを不注意に結合することなく、走査画像データ内の個々のスワスのエッジ及び幅を識別することを可能にする。上述のように、テストパターン400において、プリンタ100は、押出機108を異なるプロセス方向(P1~P4)に動かしながら、各ノズルを使用して複数のスワスを形成する。いくつかの実施形態では、コントローラ128は、個々のスワスにおける押出材料の幅のランダムな変動の影響を低減するために、個々のノズルがテストパターンの各部分で生じる全スワスの平均値を使用してノズルの平均スワス幅を識別する。
【0049】
別の実施形態では、三次元物体プリンタ100は、スワスの幅を識別する代わりに、またはスワスの幅を測定することに加えて、テストパターン内のスワスの高さを識別する。コントローラ128は、X/Yアクチュエータ150を動作させて、変位センサ164を各スワスに垂直な方向のテストパターン内の印刷されたスワスの材料の上を通過させる。変位センサ164は、スワスの側縁及びスワスの中心にまたはその付近に位置するピークの両方を含めて各スワスの高さプロファイルについて複数の高さ測定値を生成する。スワスの側縁は、スワスの長さに沿って延在するエッジを指し、スワスの長さに垂直な方向における各スワスの2つの側縁部間の距離は、スワスの幅に対応する。スワスのエッジでは、スワスは、下に位置する受容部材102の高さと一致するかまたは非常に類似する高さを有する。高さは、スワスの中心に向かって増加し、コントローラ128が、スワスの2つの側縁の位置を識別し、スワスの幅の対応する測定値を生成することを可能にする。コントローラ128は、各スワスの側縁の位置を識別するために、少なくとも1セットの高さプロファイル測定データを使用し、いくつかの実施形態では、複数セットの高さプロファイル測定データの平均を使用する。コントローラ128は、各スワスの側縁の位置を分離する距離に基づいて各スワスの幅を識別し、その距離はスワスの長さに垂直な軸に沿って識別される。いくつかの実施形態では、コントローラ128は、個々のスワスにおける押出材料の高さのランダム変動の影響を低減するために、個々のノズルがテストパターン内で生成する全スワスの平均値を使用してノズルの平均スワス高さを識別する。
【0050】
プロセス200の別の実施形態では、コントローラ128は、テストパターン内の各スワスの高さを測定するために変位センサ164を使用し、スワス424Aの第1の高さ、スワス424Cの第2の高さ、スワス424Eの第3の高さ、などを識別する。いくつかの実施形態では、コントローラ128は、各スワス上の異なる位置での変位センサ164からの複数の変位値を受信する。コントローラ128は、変位センサまでの局所的最小距離を有する少なくとも1つの位置を識別し、それは、押出材料の各スワスの高さとして、局所的最大高さを有するスワス上の位置に対応する。いくつかの実施形態では、コントローラ128は、各スワスの高さの測定における押出材料の構造のランダム変動の影響を低減するために、各スワスの高さを、スワス上の異なる位置で生成された2つ以上の高さ測定値からの平均値として識別する。
【0051】
別の実施形態では、コントローラ128は、テストパターンの走査画像データにおけるスワスの光学レベルに基づいて、テストパターンにおける異なるスワスの相対的な高さを識別する。プリンタ100の実施形態では、受容部材102の表面は、押出材料と高レベルの光学的コントラストを有する色を備えた部材から形成される。プリンタ100において、押出機108が、押出機内の角度偏差のために押出機面308によって歪められていない押出材料のスワスを形成するとすれば、スワス内の押出材料は、高さを含めて、押出機108内の各ノズルの容積出力に基づいて所定の形状を有する。歪みのないスワス内の押出材料は、押出機108内の面308との接触のために歪んでいる他のスワスよりも高い光学的不透明度を有し、歪みは押出機108が角度偏差を受けて押出材料を歪ませるときに起きる。歪んだスワスでは、押出材料は低減された高さを有する。その結果として、歪んだスワス内の押出材料は、同じノズルからの同じ押出材料の歪みのないスワスに対して、低い光学的不透明度を有し、対応してより高い反射率レベルを有する。
【0052】
プリンタ100において、カメラ160は、テストパターン400内のスワスならびに下にある受容部材102の表面の走査画像データを生成する。走査された画像データの各画素は、受容部材102の表面とテストパターン400のスワス内の材料との両方を含む印刷ゾーン140内の特定の位置から受信した反射光のレベルに対応する反射率値を含む。コントローラ128は、各スワスに対応するカメラ160からの画像データ、及びプログラム命令データ134とともにメモリ132に記憶された所定の反射率データ曲線のうちの少なくとも1つの画素の反射率レベル、及びいくつかの実施形態では、複数の画素の平均反射率レベルに基づいて、テストパターン400内の材料の異なるスワスの高さを任意選択的に識別する。メモリ132は、プリンタ100で使用される異なるタイプの押出材料の光学特性に対応する反射率曲線データを記憶する。例えば、黒い押出材料は、白の押出材料よりもはるかに低いレベルの反射率を有する。異なる高さを有する異なるタイプの押出材料料の個々の曲線は、経験的に決定され、プリンタ100のメモリ132に記憶される。いくつかの実施形態では、単一の材料が押出機のアライメントのために使用され、その1つの材料の曲線が較正され、異なる高さを決定する使用のために記憶される。
【0053】
図6は、カメラ160を使用してプリンタ100が生成する走査画像データにおける押出材料のスワスの複数の高さに対する複数の反射率レベルのマッピングを示す曲線604を有するグラフ600を示す。グラフ600において、反射率レベルは、8ビット反射率値として0~255などの所定の数値範囲にあるが、他の実施形態では反射率値に対して異なる数値範囲を用いる。図6の反射率レベルは、テストパターンにおける各スワスの走査画像データの複数の画素の個々の反射率レベルに基づくスワスの平均反射率レベルを示す。低い反射率値は、スワスに入射するより小さな部分の光が反射されカメラ160によって受光されることを指示するのに対し、高い反射率値は、スワスに入射するより大きな部分の光が反射されカメラ160によって受光されることを指示する。図6において、曲線604は、異なるスワスの高さとスワスの反射率レベルとの間の逆相関を示し、高さがより高いスワスはより低い反射率レベルを有し、一方高さがより低いスワスはより大きな反射率値を有する。いくつかの実施形態では、スワスの走査画像データ画素の反射率レベル及びメモリ132に記憶されたスワスの高さに対する反射率レベルの所定のマッピングに基づいて、コントローラ128がテストパターン内の材料の異なるスワスの高さを識別することを可能にするために、メモリ132は曲線604またはルックアップテーブルのような等価データ構造を記憶する。こうして、コントローラ128は、テストパターン400内の異なるスワスの高さの間接的な測定値を生成するために、各スワスに対する走査画像データの画素における反射光レベルと曲線604とを使用する。
【0054】
いくつかの実施形態では、コントローラ128は、上述の技術を使用して、押出材料のスワスの幅及び高さの両方を識別する。プロセス200中に、押出機108は、実質的に等しい体積の押出材料を各スワスに使用して、テストパターン内に押出材料のスワスを射出する。上述のように、押出材料の高さ及び幅の変動は、したがって両方とも押出機108における各ノズルと受容部材102の表面との間の距離に関連する。
【0055】
プロセス200は、コントローラ128が、印刷ゾーン140内の反対のプロセス方向で起きる少なくとも2つの異なる通過の間に押出機が形成する押出されたスワスの幅、高さ、または幅と高さ両方の相対的な差異に基づいて、受容表面に対する平行な配向からの押出機の1つ以上の角度偏差成分を識別する(ブロック220)ように継続する。コントローラ128は、テストパターン内に各スワスのセットを生じるために、押出機の移動軸に垂直な軸の周りの押出機の角度偏差成分を識別する。一例として図4のテストパターンを使用して、コントローラ128は、垂直Y軸に沿って延在するスワス404及び412の幅及び/または高さに基づいて、X軸周りの第1の角度偏差成分を識別する。コントローラは、垂直X軸に沿って延在するスワス408及び416の幅及び/または高さに基づいて、Y軸周りの第2の角度偏差成分を識別する。下記のように、角度偏差成分の識別は、押出機が、押出機の動作範囲外の角度偏差を提示する場合に、所定軸周りの押出機の角度偏差の方向の識別を含む。
【0056】
例として図4のX軸に沿って配列されたテストパターン部分408及び416を使用して、コントローラ128は、2つの部分404及び416のそれぞれについて押出機108内のすべてのノズルによって形成された押出されたスワスの平均の幅、高さ、または幅と高さの組合せを識別する。別の実施形態では、コントローラ128は、押出機内のすべてのノズルを使用する代わりに、少なくとも1つのノズルの平均の幅及び高さ値を識別する。プロセス200中に、コントローラ128は、2つの所定のプロセス方向と、各方向のスワスの幅、高さ、または高さと幅の識別に基づいて、プロセス方向に垂直な軸の周りの角度偏差成分(例えば、X軸に沿って形成されたテストパターンスワス408及び416についてのY軸周りの角度偏差)の方向を識別する。
【0057】
一例として図4を使用して、コントローラ128は、Y軸まわりの押出機108の角度偏差成分が、X軸の左側ではZ軸に沿って減少した高さに、X軸の右側では対応して増加した高さに押出機の面を置くことを識別する。テストパターン416の部分の対応するスワスと比較してより広い幅かつより低い高さを有するテストパターン408の部分のスワスを生じるように押出機の面の後縁が押出材料と係合するので、コントローラは角度偏差成分のこの方向を識別する。押出機108が反対のプロセス方向P4に移動すると、押出機108の後縁は、Z軸の高められた高さに位置し、押出機108の面は第2の部分416のスワスの幅及び高さに影響を及ぼさない。こうして、コントローラ128は、テストパターン部分408及び416内にスワスを形成する押出機の垂直な運動軸に沿った押出機108の2つの側面の識別された相対的高さに基づいて、単一軸周りの角度偏差の方向を識別する。コントローラ128は、テストパターン部分404及び412内のスワスの相対的な幅及び高さに基づいて、X軸の周りの角度偏差成分を識別するために同様のプロセスを実行する。
【0058】
図4は、押出機108が、プリンタ100の動作に悪影響を与えるX及びY軸回りの角度偏差成分を提示するシナリオを示す。しかしながら、押出機108がいずれかの軸に沿って適切な角度偏差アライメントを有する場合、所与の軸に沿って形成されるテストパターンの2つの部分間のスワス幅及び高さは最小偏差を提示し、コントローラ128は、押出機108が軸に沿って適切にアライメントされていることを識別する。
【0059】
再び図2を参照して、コントローラ128が、押出機108の角度偏差成分が、受容部材102の表面との所定の配向に対して所定の動作範囲内にあることを識別した場合(ブロック224)、プリンタ100は、適切にアライメントされたマルチノズル押出機108を使用して三次元物体の形成を継続する(ブロック228)。押出機108が動作範囲内にあるとき、押出機108内のノズルは、所与の軸に沿った対向するプロセス方向のいずれかにおいて、所定の予想されるばらつき範囲内で実質的に等しい幅及び高さを有する押出材料のスワスを形成する。
【0060】
しかしながら、押出機108の角度偏差が所定の動作範囲外である場合(ブロック224)、コントローラ128は、押出機108の回転角度を調整し、X軸及びアクチュエータ176の周りで識別される第1の角度偏差を低減または除去し、押出機108のY軸の周りで識別される第2の角度偏差を低減または除去するために、任意選択的に角度調整アクチュエータ172を使用する(ブロック232)。プロセス200は、再アライメントされた押出機108を使用して追加のテストパターンを形成するために、任意選択的にブロック204を参照して上述した処理に戻って繰り返す。プロセス200は、押出機108の面と受容部材102の表面との間の平行な配向について、押出機108の角度偏差が所定の動作範囲内になるまで繰り返す。
【0061】
角度調整アクチュエータ172及び176を含まない三次元物体プリンタの実施形態では、コントローラ128は、例えば、視覚表示デバイスまたはネットワークデバイスを使用して、押出機108の識別された偏角を指示する出力を生成する。この実施形態では、プロセス200は、押出機108の必要な手動調整を指示するための自動出力を提供する。上述のプロセス200の実施形態は、印刷ゾーン140内のX軸及びY軸などの2つの実質的に直交する軸に沿った押出機の角度偏差を識別して補正するが、他の実施形態では、プリンタ100は、少なくとも1つの軸の周りの押出機の角度偏差を識別し軽減するために、ただ1つの軸または3つ以上の軸に沿ってテストパターンを生成する。加えて、押出機のその後の動作の間に、プリンタは、押出機の角度偏差を識別して補正するために使用されるプロセス方向以外のプロセス方向に押出機を任意選択的に移動させる。例えば、一構成において、プリンタ100は、押出機108がプロセス200中に湾曲した経路を走行しないとしても、押出材料の選択されたパターンを形成するために押出機108をX軸またはY軸以外の線形プロセス方向に、または湾曲したプロセス方向に移動させる。
【0062】
上記に開示されたものの変形及び他の特徴かつ機能、またはそれらの代替物は、多くの他の異なるシステム、アプリケーション、または方法に望ましく組み合わされてもよいことが理解されよう。現在は予期せぬ、または想定外の様々な代替、改変、変形、または改良が、引き続いて当業者によってなされてもよく、それらはまた、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
図1
図2
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図6